(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】超音波接合装置
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
B23K20/10
(21)【出願番号】P 2018080616
(22)【出願日】2018-04-19
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227836
【氏名又は名称】日本アビオニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【氏名又は名称】和田 成則
(72)【発明者】
【氏名】関本 隆司
(72)【発明者】
【氏名】清水 元規
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-166042(JP,A)
【文献】特開2015-014585(JP,A)
【文献】特開2017-090319(JP,A)
【文献】特開2018-1176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0306216(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19917372(DE,A1)
【文献】特開2003-126967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合対象部位を含むワークをアンビル上に載置し、前記接合対象部位に加重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、
前記超音波ホーンに超音波振動を与える超音波振動部に弾性体を介して取り付けられ、直列接続され互いに逆極性に重ね合わされた2枚の熱流センサと、
前記熱流センサの検知出力から前記超音波振動子の振幅を監視する監視手段と、
を具備し、
前記熱流センサは、
所定の圧縮率で圧縮された前記弾性体に接した状態で金属ブロック間に挟み込まれ、該金属ブロックが前記超音波振動子ホルダの側面に取り付けられることを特徴とする超音波接合装置。
【請求項2】
前記熱流センサは、
超音波振動子の超音波振動を前記超音波ホーンに伝えるコーン上であって、前記超音波振動子による振動の振幅が最小となる部位を保持する振動子ホルダに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記監視手段により監視した前記超音波振動子の振幅が予め設定した振動範囲から外れた場合は、前記超音波振動子または前記超音波ホーンの異常として報知する報知手段、
を更に具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
前記監視手段は、
前記熱流センサにより検出した熱流を監視し、
前記報知手段は、
前記超音波ホーンの振幅のピーク値が予め設定した振動範囲から外れた場合は、前記超音波振動子または前記超音波ホーンの異常として報知する
ことを特徴とする
請求項3に記載の超音波接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波接合装置に関し、詳しくは、熱流センサを用いて超音波ホーン、超音波振動子の劣化等による異常を監視するようにした超音波接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波接合装置は、接合対象部位に超音波振動と加重を与えることにより接合対象部位の接合を行うものである。
【0003】
従来、超音波接合装置においては、接合対象部位の振動状態をモニタする超音波接合装置として特許文献1に開示された「ワイヤボンディング装置およびワイヤボンディング方法」が知られている。
【0004】
特許文献1に開示された「ワイヤボンディング装置およびワイヤボンディング方法」においては、互いに異なる3つの方向から接合対象物にレーザ光を照射し、レーザドップラ振動計を用いて接合対象物の振動状態を検出している。
【0005】
このようにレーザドップラ振動計を用いれば、超音波接合装置の超音波振動子や超音波ホーンの振動状態を直接検出することが可能になるが、設備が極めて高価になり、レーザセンサヘッド寸法が大きくインラインに組み込みにくい。
【0006】
また、超音波振動子に直接熱流センサを貼り付けて超音波振動子の振動をモニタする方法も考えられるが、このような方法によると、熱流センサの貼り付け部で異常発熱したり、異常モードでの発振となるので採用できない。
【0007】
通常、超音波振動子はケースに入れて冷却ブローするが、超音波振動子に直接熱流センサを貼り付けると、対流により熱流センサの検出値が極めて不安定になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、簡単かつ安価な構成により超音波ホーン、超音波振動子の振動状態を確実に監視できるようにした超音波接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、接合対象部位を含むワークをアンビル上に載置し、前記接合対象部位に加重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、前記超音波ホーンに超音波振動を与える超音波振動部に弾性体を介して取り付けられ、直列接続され互いに逆極性に重ね合わされた2枚の熱流センサと、前記熱流センサの検知出力から前記超音波振動子の振幅を監視する監視手段と、を具備し、前記熱流センサは、所定の圧縮率で圧縮された前記弾性体に接した状態で金属ブロック間に挟み込まれ、該金属ブロックが前記超音波振動子ホルダの側面に取り付けられることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記熱流センサは、超音波振動子の超音波振動を前記超音波ホーンに伝えるコーン上であって、前記超音波振動子による振動の振幅が最小となる部位を保持する振動子ホルダに取り付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記監視手段により監視した前記超音波振動子の振幅が予め設定した振動範囲から外れた場合は、前記超音波振動子または前記超音波ホーンの異常として報知する報知手段、を更に具備することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記監視手段は、前記熱流センサにより検出した熱流を監視し、前記報知手段は、前記超音波ホーンの振幅のピーク値が予め設定した振動範囲から外れた場合は、前記超音波振動子または前記超音波ホーンの異常として報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、接合対象部位を含むワークをアンビル上に載置し、前記接合対象部位に加重を与えるとともに超音波ホーンから超音波振動を印加し、前記接合対象部位を接合する超音波接合装置であって、前記超音波ホーンに超音波振動を与える超音波振動部に弾性体を介して取り付けられ、直列接続され互いに逆極性に重ね合わされた2枚の熱流センサと、前記熱流センサの検知出力から前記超音波振動子の振幅を監視する監視手段と、を具備し、前記熱流センサは、所定の圧縮率で圧縮された前記弾性体に接した状態で金属ブロック間に挟み込まれ、該金属ブロックが前記超音波振動子ホルダの側面に取り付けられるように構成したので、簡単かつ安価な構成により超音波ホーン、超音波振動子の振動状態を確実に監視できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る超音波接合装置の実施例1の概略を示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した超音波接合装置で用いる熱流センサの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した超音波接合装置で用いる熱流センサ取付構造の一例を説明する図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した超音波接合装置で用いる熱流センサ取付構造の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、超音波振動子ホルダに取り付けた熱流センサの検出値と超音波ホーンの先端の振幅との相関を説明するためのグラフである。
【
図7】
図7は、
図1に示した超音波接合装置の異常報知動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明に係る超音波接合装置の実施例2の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための実施例について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る超音波接合装置の実施例1の概略を示す図であり、
図2は、
図1に示した超音波接合装置の正面図である。
【0019】
図1及び
図2において、本発明に係る実施例1の超音波接合装置100は、台座10に固定されたアンビル20上に接合対象部位を含むワーク30を載置し、このワーク30の接合対象部位に加圧装置70から加重を与えるとともに、超音波ホーン(以下、単にホーンという)40の先端41から超音波振動を印加することにより、ワーク30の接合対象部位、すなわち、ワーク31とワーク32とが接する面でワーク31とワーク32とを接合するものである。
【0020】
ホーン40は、コーン50を介して超音波振動子(以下、単に振動子という)60に接続され、振動子60は、図示しない超音波発振機によりその超音波振動が制御される。ここで、ワーク30の接合対象部位33に対してホーン40の先端から印加される超音波振動は、接合対象部位33に対して平行な横方向Xの振動である。この横方向Xの超音波振動を用いた超音波接合は、例えば、金属同士の接合、プラスチック溶着接合、特に、薄いプラスチックシートやフィルムの溶着接合等に適している。
【0021】
この実施例1の超音波接合装置100においては、ホーン40の先端のローレット劣化によるホーン交換を容易にするために、ホーン40の先端の周囲4箇所に先端41が設けられており、ホーン40を90度ずつ回転させることにより、4回のホーン交換に対応できるように構成されている。
【0022】
ホーン40、コーン50、振動子60を含む部分は、コーン50に取り付けられた超音波振動子ホルダ(以下、単に振動子ホルダという)61により保持され、加重装置70からワーク30への加重は、この振動子ホルダ61を介して行われる。
【0023】
ここで、振動子ホルダ61は、コーン50上であって、振動子60の固有振動による振幅が最小となる部分に取り付けられる。
【0024】
ところで、この実施例1の超音波接合装置100においては、振動子ホルダ61の側面に取り付けられた熱流センサ80により振動子ホルダ61に伝搬される微小振動による発熱情報を検出し、この検出値に基づきホーン40の先端の振幅値の異常、すなわち振動子60の異常振動を監視する。
【0025】
これは、振動子60の振幅、具体的にはホーン40の先端の振幅量が大きくなるとこれに伴い振動子ホルダ61の側面に取り付けられた熱流センサ80による検出熱流量も変化する現象にもとづいている。
【0026】
この実施例1の超音波接合装置100において、熱流センサ80として、
図3(A)に示すように、直列接続され互いに逆極性に重ね合わされた2枚の熱流センサ80a及び80bを用いている。そして、熱流センサ80aと熱流センサ80bとは、互いに逆極性、すなわち、熱流センサ80aの裏面80a-2と熱流センサ80bの裏面80b-2とが接するようにして重ね合わされている。
【0027】
ここで、
図3(A)に示す熱流センサ80の構成に代えて、熱流センサ80aの表面80a-1と熱流センサ80bの表面80b-1とが接するようにして重ね合わせたものを用いてもよい。
【0028】
熱流センサ80a及び80bは、熱流により熱エネルギの流量と方向を検知するもので、従来の製品開発や評価に広く使用されている熱電対に比較して温度変化に対する感度が格段に高精度であり、放熱、吸熱の方向である熱の流れを検知することが可能なものである。
【0029】
この熱流センサ80a及び80bとしては、単位時間当たり、単位面積を通過する熱エネルギに対応する電圧信号を出力し、その電圧信号の極性が熱エネルギの通過する方向に対応する周知の半導体式熱流センサ、例えば、ビスマス-テルル系熱流センサを用いることができる。
【0030】
さて、2枚の熱流センサ80a及び80bを直列接続して互いに逆極性に重ね合わせると、上記2枚の熱流センサ80a及び80bの出力リード線81aと81bの間に生じる電圧は、熱流センサ80aと熱流センサ80bとを通過する熱流により打ち消し合うことになり、非定常熱流時のみ差動電圧Vを出力する。
【0031】
このように構成された熱流センサ80の表面80a-1には、
図3(B)に示すように、弾性体82が張り合わされ、この弾性体82が張り合わされた熱流センサ80は、
図4に示すように、この熱流センサ固定治具である第1の金属ブロック810と第2の金属ブロック820との間に挟まれ、
図5に示すように、第1の金属ブロック810の凹部811内に収容され、螺子820aと螺子820bで締め付けて固定される。そして、第1の金属ブロック810は、螺子810aと螺子810bにより振動子ホルダ61の側面に取り付けられる。
【0032】
ここで、弾性体82は、第1の金属ブロック810と第2の金属ブロック820との間に挟まれ、螺子820aと螺子820bにより締め付けられることにより、所定の圧縮率で圧縮される。
【0033】
なお、第1の金属ブロック810および第2の金属ブロック820の材質としては、鉄系材料、アルミニウム等を用いて構成することができる。また、弾性体82の厚さは、例えば、1~3mmとし、弾性体82の外形は、熱流センサ80a及び80bの面積とほぼ同じ寸法とする。また、弾性体82の材質は、フッ素系のゴム材料を用いて構成されるが、耐熱性、耐候性に優れるものであれは、他のゴム材料を用いても同様に構成することができる。
【0034】
また、第1の金属ブロック810の凹部811の深さは、弾性体82の圧縮率が概ね10~50%程度になるように設定されている。
【0035】
このような構成によると、振動子ホルダ61の振動が弾性体82に加わり、これにより弾性体82が弾性変形し、この弾性体82の弾性変形により、その時の弾性エネルギが熱エネルギに変換され、この熱エネルギにより発生する熱流が熱流センサ80を通過する。この熱流の通過により、熱流センサ80の出力リード線81、すなわち出力リード線81aと81bとの間に検出電圧が発生する。
【0036】
ここで、弾性体82は、熱流センサ80aの表面80a-1に直接接触しているため熱流の検出感度は向上し、熱流センサ80a及び80bの出力リード線81から振動子ホルダ61の振幅量μmに比例した熱流ピーク値Vを検出することができる。
【0037】
また、この実施例1においては、熱流センサ80として2枚の熱流センサ80a及び80bを用い、この2枚の熱流センサ80a及び80bを直列接続して互いに逆極性に重ね合わされているので、出力リード線81に生じる電圧は、熱流センサ80aと熱流センサ80bとを通過する熱流により打ち消し合うことになり、非定常熱流時のみ差動電圧Vを出力し、これにより弾性体82内の残留熱の影響を受けにくくなり、出力電圧ドリフトを大幅に低減できる。
【0038】
そして、この実施例1で用いる熱流センサ80a及び80bは、極めて高感度のため、振動子ホルダ61に伝搬する微小振動により生じる発熱情報を熱流値として検出することができ、振動子60に直接センサを貼り付けなくても、振動子60の振幅量を検出することができる。
【0039】
また、振動子ホルダ61の振動を弾性体82で熱に変換して、この熱から生じる熱流を熱流センサ80で検出するように構成しており、この熱流センサ80により検出されるピーク熱流値は振動子60の振幅量と概ね比例関係にあるので、熱流センサ80により検出されるピーク熱流値をモニタリングすることで振動子60またはホーン40の劣化等による異常を検知することが可能になる。
【0040】
図6は、振動子ホルダ61へ取り付けた熱流センサ80の検出値とホーン40の先端の振幅との相関を説明するためのグラフである。
【0041】
図6(A)は、条件を変えて振動子60を0.8sec発振させて停止した場合の熱流センサ80の出力の変化の測定結果を示したグラフで、縦軸の熱流(V)は、熱流センサ80の出力を1000倍に増幅した値を示している。なお、
図6(A)に示すホーン40の先端の振幅(μm)は、レーザドップラ振動計で測定した値である。また、
図6(B)は、
図6(A)のグラフに基づきピーク熱流(V)とホーン先端振幅(μm)の関係をプロットしたものである。
【0042】
ここで、注目すべき点は、熱流センサ80として、2枚の熱流センサ80a及び80bを直列接続して互いに逆極性に重ね合わせたものを用いているので、振動子60の発振が開始され、非定常状態になると、熱流センサ80の出力、すなわち検出熱流(V)は急激に立ち上がりピーク値となり、その後定常状態になると、急激に立下ることである。そして、熱流センサ80のピーク熱流(V)とホーン先端振幅(μm)は相関しており、概ね比例関係にあることである。
【0043】
したがって、熱流センサ80の出力のピーク熱流(V)を監視することで、ホーン40の先端の振幅、すなわち振動子60の振動を検知することができ、これにより振動子60またはホーン40の劣化等による異常を報知することができる。
【0044】
図7は、
図1に示した超音波接合装置の異常報知動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、超音波接合装置100の図示しない制御部で行われる。
【0045】
この処理が開始されると、まず、超音波接合の1ショット毎に振動子ホルダ61に取り付けられた熱流センサ80の出力電圧値を取り込み(ステップ701)、この取り込んだ熱流センサ80の出力電圧値を監視する(ステップ702)。
【0046】
そして、熱流センサ80の検出熱流ピーク値からホーン先端振幅が予め設定した振幅範囲から外れたかを調べる(ステップ703)。ここで、ホーン先端振幅が予め設定した振幅範囲から外れた場合は(ステップ703でYES)、振動子60またはホーン40の先端41の劣化等による異常として報知し(ステップ704)、この処理を終了する。
【0047】
また、ステップ704で、ホーン先端振幅が予め設定した振幅範囲から外れていない、すなわち、ホーン先端振幅が予め設定した振幅範囲内にあると判断された場合は(ステップ703でNO)、ステップ701に戻り、上記動作を続ける。
【0048】
なお、実施例1では、ホーン40の先端からワーク30の接合対象部位に対して水平な横方向Xの振動を印加する超音波接合装置100に本発明を適用した場合を示したが、本発明は、ホーン40の先端からワーク30の接合対象部位に対して垂直な縦方向Yの振動を印加する超音波接合装置にも同様に適用することができる。
【実施例2】
【0049】
図8は、本発明に係る超音波接合装置の実施例2の概略を示す図である。なお、
図8に示す超音波接合装置200おいて、
図1に示した超音波接合装置100と同一の機能を有する部分には説明の便宜上同一の符号付してその詳細説明は省略する。
【0050】
図8に示す超音波接合装置200は、
図8に示すように、台座10に固定されたアンビル20上に接合対象部位33を含むワーク30を載置し、このワーク30の接合対象部位に図示しない加圧装置から加重を与えるとともに、ホーン40の先端から超音波振動を印加することにより、ワーク30の接合対象部位33、すなわち、ワーク31とワーク32とが接する面でワーク31とワーク32とを接合する。
【0051】
ホーン40、コーン50、振動子60を含む部分は、コーン50に取り付けられた振動子ホルダ61により保持される。
【0052】
ここで、振動子ホルダ61は、コーン50上であって、ホーン40、コーン50、振動子60を含む部分の固有振動の振幅が最小となる部位に取り付けられ、この振動子ホルダ61の側面に熱流センサ80が取り付けられる。
【0053】
なお、この実施例2の超音波接合装置200は、ホーン40の先端41からワーク30の接合対象部位に対して垂直な縦方向Yの振動を印加し、この縦方向Yの超音波振動を用いた超音波接合は、例えば、樹脂に対する溶融接合に適している。
【0054】
その他の構成は、
図1に示した超音波接合装置100と同様である。
【0055】
なお、上記実施例では、第1の金属ブロック810と第2の金属ブロック820とからなる熱流センサ固定治具を用いて熱流センサ80を振動子ホルダ61の側面に取り付けるように構成したが、他の構造の熱流センサ固定治具を用いてもよい。また、取付位置も振動子60の振動が伝達される箇所であれば振動子ホルダ61の側面以外の場所でもよい。また、弾性体82が張り合わされる熱流センサ80として2枚の熱流センサ80a及び80bを直列接続して互いに逆極性に重ね合わせたものを用いたが、1枚の熱流センサを用いても同様に振動子60の振幅量を検出、監視することができる。
【0056】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。例えば、超音波接合装置だけでなく、溶断や切断などの超音波加工機にも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0057】
10…台座
20…アンビル
30…ワーク
40…ホーン
50…コーン
60…振動子
61…振動子ホルダ
70…加圧装置
80、80a、80b…熱流センサ
81a、81b、81…出力リード線
82…弾性体
100…超音波接合装置
200…超音波接合装置
810…第1の金属ブロック
820…第2の金属ブロック