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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20220405BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20220405BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20220405BHJP
   H01L 27/11568 20170101ALI20220405BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/11568
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018123268
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020004855
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久本 大
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 祥之
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-168213(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0279854(US,A1)
【文献】特開2017-224666(JP,A)
【文献】特開昭51-121271(JP,A)
【文献】特開2018-056378(JP,A)
【文献】特開2010-192921(JP,A)
【文献】特開2011-222938(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0329402(US,A1)
【文献】特開2015-141929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11568
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板上に、第1層間絶縁膜を形成する工程、
(c)前記第1層間絶縁膜に、第1孔を形成する工程、
(d)前記第1孔内に、ダミーパターンを形成する工程、
(e)前記ダミーパターンの一部を除去する工程、
(f)前記(e)工程後、前記ダミーパターンの前記一部が除去された前記第1孔内に、第1ゲート電極を埋め込む工程、
(g)前記(f)工程後、前記(e)工程で前記第1孔内に残された前記ダミーパターンを除去する工程、
(h)前記(g)工程で前記ダミーパターンが除去された前記第1孔内に、第2ゲート電極を埋め込む工程、
を有し、
前記(d)工程は、
(d1)前記第1孔内において、前記第1層間絶縁膜の第1側面上に、第1ダミー部材を形成し、前記第1側面と対向する前記第1層間絶縁膜の第2側面上に、第2ダミー部材を形成する工程、
(d2)前記第1孔内において、前記第1ダミー部材と前記第2ダミー部材との間に、第5絶縁膜を介して、第3ダミー部材を形成することで、前記第1孔内を、前記第1ダミー部材、前記第2ダミー部材、前記第3ダミー部材および前記第5絶縁膜を含む前記ダミーパターンで埋め込む工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、前記半導体基板の上面の一部を後退させることで、前記半導体基板の一部であり、且つ、後退させた前記半導体基板の前記上面から突出する突出部を形成する工程、を含み、
前記(b)工程において、前記第1層間絶縁膜は、前記突出部の上面および側面を覆うように形成され、
前記(c)工程において、前記第1孔は、前記突出部の前記上面の一部および前記側面の一部を開口するように形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程と前記(b)工程との間に、後退させた前記半導体基板の前記上面上に、素子分離部を形成する工程、を更に有し、
前記素子分離部の上面の位置は、前記突出部の前記上面の位置よりも低く、
平面視において、前記第1孔、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、それぞれ第1方向に延在し、
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、前記突出部の前記上面上および前記側面上、並びに、前記素子分離部上に形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程と前記(d)工程との間に、前記突出部の前記側面上に、第1絶縁膜を形成する工程、を更に有し、
前記(e)工程および前記(g)工程において、前記突出部の前記側面は、前記第1絶縁膜によって保護される、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、
(a1)前記半導体基板上に、第1導電性膜を形成する工程、
(a2)前記第1導電性膜に、第2孔を形成する工程、
(a3)前記第2孔内において、前記第1導電性膜の側面上に、第2絶縁膜を形成する工程、
(a4)前記(a3)工程後、前記第1導電性膜を除去する工程、
(a5)前記(a4)工程後、前記第2絶縁膜をマスクとして前記半導体基板をエッチングすることで、前記突出部を形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(a)工程は、
(a6)前記半導体基板上に、第3絶縁膜を形成する工程、
(a7)前記第3絶縁膜に、第3孔を形成する工程、
(a8)前記第3孔内において、前記第3絶縁膜の側面上に、第2導電性膜を形成する工程、
(a9)前記第3孔内を埋め込むように、前記第3絶縁膜上および前記第2導電性膜上に、第4絶縁膜を形成する工程、
(a10)前記第3孔内に形成された前記第2導電性膜および前記第4絶縁膜を残すように、前記第3絶縁膜上および前記第2導電性膜上に形成された前記第4絶縁膜を除去する工程、
(a11)前記(a10)工程後、前記第2導電性膜を除去する工程、
(a12)前記(a11)工程後、前記第3絶縁膜および前記第4絶縁膜をマスクとして前記半導体基板をエッチングすることで、前記突出部を形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程と前記(f)工程との間に、前記ダミーパターンの前記一部が除去された前記第1孔内に、第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記(g)工程と前記(h)工程との間に、前記(g)工程で前記ダミーパターンが除去された前記第1孔内に、第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、を更に有し、
前記(f)工程において、前記第1ゲート電極は、前記第1ゲート絶縁膜を介して、前記第1孔内に埋め込まれ、
前記(g)工程において、前記第2ゲート電極は、前記第2ゲート絶縁膜を介して、前記第1孔内に埋め込まれる、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程において、前記半導体基板上に、第1導電型の不純物が導入された第4絶縁膜を介して、前記第1層間絶縁膜を形成し、
前記(c)工程において、前記第1層間絶縁膜および前記第4絶縁膜に、前記第1孔を形成し、
前記(c)工程と前記(d)工程の間に、熱処理を施して、前記第4絶縁膜から前記半導体基板へ前記第1導電型の不純物を拡散させることで、前記半導体基板に、第1拡散領域を形成する工程、を更に含む、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d1)工程は、
(d11)前記第1孔内に第3導電性膜を形成する工程、
(d12)前記第3導電性膜に対して異方性エッチング処理を行うことで、前記第3導電性膜からなる前記第1ダミー部材および前記第2ダミー部材を形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程において、等方性エッチング処理を行い、且つ、前記第1ダミー部材と前記第3ダミー部材との間の前記第5絶縁膜をエッチングストッパ膜として用いることで、前記第1ダミー部材が除去され、
前記(g)工程において、前記第2ダミー部材、前記第3ダミー部材および前記第5絶縁膜が除去される、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程において、前記第2ダミー部材と前記第3ダミー部材との間の前記第5絶縁膜をエッチングストッパ膜として用いることで、前記第1ダミー部材および前記第3ダミー部材が除去され、
前記(g)工程において、前記第2ダミー部材および前記第5絶縁膜が除去される、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項記載の半導体装置の製造方法において、
平面視において、前記第1孔は、第1方向に延在する複数の置換領域、および、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、且つ、前記複数の置換領域を連結する連結領域を有し、
前記(d1)工程において、前記第1ダミー部材および前記第2ダミー部材が、前記複数の置換領域内に形成され、且つ、前記第1ダミー部材および前記第2ダミー部材と一体化された第4ダミー部材が、前記連結領域内に形成され、
前記(d2)工程において、前記第3ダミー部材および前記第5絶縁膜が、前記複数の置換領域内に形成され、且つ、前記連結領域内には形成されず、
前記(d)工程と前記(e)工程との間に、前記連結領域内に形成された前記第4ダミー部材を除去する工程と、前記第4ダミー部材が除去された前記連結領域内に、第2層間絶縁膜を埋め込む工程と、を更に有する、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
平面視において、前記第1孔は、第1方向に延在する複数の置換領域、および、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、且つ、前記複数の置換領域を連結する連結領域を有し、
前記(d)工程において、前記ダミーパターンが、前記複数の置換領域内および前記連結領域内に形成され、
前記(d)工程と前記(e)工程との間に、前記連結領域内に形成された前記ダミーパターンを除去する工程と、前記ダミーパターンが除去された前記連結領域内に、第3層間絶縁膜を埋め込む工程と、を更に有する、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
平面視において、前記第1孔は、第1方向に延在する置換領域、並びに、前記第1方向に延在し、且つ、前記置換領域と連結する第1給電領域および第2給電領域を有し、
前記(d)工程において、前記置換領域内、前記第1給電領域内および前記第2給電領域内に、前記ダミーパターンが形成され、
前記(e)工程において、前記置換領域内の一部および前記第1給電領域内の前記ダミーパターンが除去され、
前記(f)工程において、前記置換領域内の前記一部および前記第1給電領域内に、前記第1ゲート電極が形成され、
前記(g)工程において、前記(e)工程で前記置換領域内および前記第2給電領域内に残された前記ダミーパターンが除去され、
前記(h)工程において、前記(g)工程で前記ダミーパターンが除去された前記置換領域内および前記第2給電領域内に、前記第2ゲート電極が形成され、
平面視で前記第1方向と直交する第2方向において、前記第1給電領域の幅および前記第2給電領域の幅の各々は、前記置換領域の幅の1/2より小さい、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
(i)前記(h)工程後、前記第1層間絶縁膜を除去する工程、
(j)前記第1層間絶縁膜が除去された領域において、前記半導体基板と接するように、第1導電型の不純物が導入された第6絶縁膜を形成する工程、
(k)熱処理を施し、前記第6絶縁膜から前記半導体基板へ前記第1導電型の不純物を拡散させることで、前記半導体基板に、第2拡散領域を形成する工程、
を更に有する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
(l)前記(h)工程後、前記第1層間絶縁膜を除去する工程、
(m)前記第1層間絶縁膜が除去された領域において、イオン注入法を用いることで、前記半導体基板に、第1導電型の第3拡散領域を形成する工程、
を更に有する、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、フィン構造のトランジスタを含む半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気的に書込および消去が可能な不揮発性メモリとして、フラッシュメモリまたはEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)が広く使用されている。これらの記憶装置は、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極下に、酸化膜で囲まれた導電性の浮遊ゲート電極またはトラップ性絶縁膜を有し、浮遊ゲートまたはトラップ性絶縁膜での電荷蓄積状態を記憶情報とし、それをトランジスタのしきい値として読み出すものである。このトラップ性絶縁膜とは、電荷の蓄積が可能な絶縁膜を言い、一例として、窒化シリコン膜などが挙げられる。このような電荷蓄積層への電荷の注入および放出によって、MISFETのしきい値をシフトさせることで、このMISFETを不揮発性メモリとして使用することが可能となる。このフラッシュメモリは、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタとも呼ばれる。また、MONOS型トランジスタをメモリトランジスタとして用い、更に制御トランジスタを追加したスプリットゲート型メモリセルが広く用いられている。
【0003】
また、動作速度の高速化、リーク電流および消費電力の低減、並びに、半導体素子の微細化が可能な電界効果トランジスタとして、フィン構造のトランジスタが知られている。フィン構造のトランジスタ(FinFET:Fin Field Effect Transistor)は、例えば、半導体基板上に突出した半導体層をチャネル領域として有し、この突出した半導体層上を跨ぐように形成されたゲート電極を有する半導体素子である。
【0004】
特許文献1には、MONOS型トランジスタを有するスプリットゲート型メモリセルが開示されている。
【0005】
特許文献2には、MONOS型トランジスタをフィン構造のトランジスタとして形成する技術が開示されている。そして、制御ゲート電極をパターニングによって形成し、その後、制御ゲート電極を覆うように多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜に対して異方性エッチング処理を行うことで、制御ゲート電極の側面上に、サイドウォールスペーサ形状のメモリゲート電極を形成する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3には、MONOS型トランジスタを有するスプリットゲート型メモリセルが開示されている。そして、ダミーパターンが除去された領域に制御ゲート電極を形成する技術、所謂、ゲートラストと呼ばれる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-41354号公報
【文献】特開2017-45860号公報
【文献】特開2014-127527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フィン構造のトランジスタでは、半導体基板から突出したフィンにより、多くの段差が発生している。このため、スプリットゲート型メモリセルのように複数のゲート電極を形成する場合、フィンの高さに依存して、アスペクト比の高いエッチング加工が要求されることがあり、各ゲート電極を形成することが難しくなっている。また、製造工程中には、微細なゲート長の孤立パターンが存在することがあるが、半導体素子の微細化が進むと、このような孤立パターンの倒壊を抑制することが重要となる。
【0009】
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
一実施の形態である半導体装置の製造方法は、半導体基板を準備する工程、半導体基板上に第1層間絶縁膜を形成する工程、第1層間絶縁膜に第1孔を形成する工程、第1孔内にダミーパターンを形成する工程、ダミーパターンの一部を除去する工程、ダミーパターンの前記一部が除去された第1孔内に第1ゲート電極を埋め込む工程、を有する。また、半導体装置の製造方法は、第1孔内に残された前記ダミーパターンを除去する工程、ダミーパターンが除去された第1孔内に第2ゲート電極を埋め込む工程、を更に有する。
【発明の効果】
【0012】
一実施の形態によれば、半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1の半導体装置を示す平面図である。
図2】実施の形態1の半導体装置を示す斜視図である。
図3】実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。
図4】実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。
図5】不揮発性メモリモジュールの一例を示す図である。
図6】「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。
図7】実施の形態1の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図8】実施の形態1の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
図9図8に続く製造工程を説明する断面図である。
図10図9に続く製造工程を説明する断面図である。
図11図10に続く製造工程を説明する断面図である。
図12図11に続く製造工程を説明する断面図である。
図13図12に続く製造工程を説明する断面図である。
図14図13に続く製造工程を説明する断面図である。
図15図14に続く製造工程を説明する断面図である。
図16図15に続く製造工程を説明する断面図である。
図17図16に続く製造工程を説明する断面図である。
図18図17に続く製造工程を説明する断面図である。
図19図18に続く製造工程を説明する断面図である。
図20図19の製造工程が終了した時点における斜視図である。
図21図19および図20に続く製造工程を説明する断面図である。
図22図21に続く製造工程を説明する断面図である。
図23図22に続く製造工程を説明する断面図である。
図24図23に続く製造工程を説明する断面図である。
図25図24に続く製造工程を説明する断面図である。
図26図25に続く製造工程を説明する断面図である。
図27図26に続く製造工程を説明する断面図である。
図28】変形例1の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
図29図28に続く製造工程を説明する断面図である。
図30図29に続く製造工程を説明する断面図である。
図31図30に続く製造工程を説明する断面図である。
図32】変形例2の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図33】変形例3の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図34】変形例4の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図35図34に続く製造工程を説明する平面図である。
図36】変形例5の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図37】変形例6の半導体装置の製造工程を説明する平面図である。
図38】実施の形態2の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
図39図38に続く製造工程を説明する断面図である。
図40】変形例7の半導体装置の製造工程を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0015】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0016】
また、実施の形態で用いる図面においては、図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態におけるフィン構造のトランジスタのメモリセル(不揮発性メモリセル)MCを有する半導体装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、メモリセルMCの平面図である。図2は、メモリセルMCの斜視図である。図3は、図1のA-A線およびB-B線に対応する断面図を示し、図4は、図1のC-C線およびD-D線に対応する断面図を示している。
【0018】
なお、本実施の形態の半導体装置は、上記のメモリセルMCの他に、ロジック回路、アナログ回路、SRAM回路および入出力回路などを含むが、本実施の形態の主な特徴はメモリセルMCにあるため、他の回路についての詳細な説明は省略する。
【0019】
<半導体装置の構造について>
図1図4を用いて、本実施の形態のメモリセルMCの構造を以下に説明する。
【0020】
なお、各メモリセルMC上には、後述のように、絶縁膜SO1、絶縁膜SN1、絶縁膜SO3、層間絶縁膜IL1、層間絶縁膜IL2およびプラグPG3が形成されているが、図1および図2では、メモリセルMCの主要部を判り易く示すため、これらの図示を省略している。
【0021】
平面視において、半導体基板SB上には、X方向に延在する複数のフィンFAが、Y方向に等間隔に配置されている。X方向およびY方向は、半導体基板SBの主面に沿う方向であり、X方向はY方向に対して直交している。X方向におけるフィンFAの長さは、Y方向におけるフィンFAの長さよりも長い。すなわち、X方向はフィンFAの長辺方向であり、Y方向はフィンFAの短辺方向である。フィンFAは、半導体基板SBの一部であり、半導体基板SBの上面から選択的に突出した直方体の突出部(凸部)である。
【0022】
複数のフィンFA間の半導体基板SBには、素子分離部STIが形成されている。素子分離部STIの上面の位置は、フィンFAの上面の位置よりも低い。言い換えれば、フィンFAの一部は、素子分離部STIよりも突出し、フィンFAのその他の部分は、Y方向において素子分離部STIに挟まれるように位置している。このように、各フィンFAの上部は、素子分離部STIによって絶縁分離されている。また、本実施の形態において、素子分離部STIの上面よりも高い位置にあるフィンFAを、フィンFAの上部と称し、素子分離部STIの上面よりも低い位置にあるフィンFAを、フィンFAの下部と称することもある。
【0023】
フィンFAの上部は、主に、メモリセルMCを形成するための活性領域である。すなわち、半導体基板SBのうち、素子分離部STIによって区画された領域が活性領域である。
【0024】
なお、フィンFAは、必ずしも直方体である必要はなく、Y方向における断面視にて、長方形の角部が丸みを帯びていてもよい。また、フィンFAの側面は半導体基板SBの主面に対して垂直でもよいが、垂直に近い傾斜角度を有していてもよい。
【0025】
複数のフィンFA上には、Y方向に延在する複数のメモリゲート電極MGおよび複数の制御ゲート電極CGが配置されている。複数のメモリゲート電極MGおよび複数の制御ゲート電極CGは、それぞれ、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2を介して、フィンFAの上面および側面を覆うように形成されている。
【0026】
制御ゲート電極CG側のフィンFAには、ドレイン領域としてn型の拡散領域MDが形成され、メモリゲート電極MG側のフィンFAには、ソース領域としてn型の拡散領域MSが形成されている。拡散領域MDおよび拡散領域MSは、フィンFAのうち制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGに覆われた箇所であるチャネル領域を、X方向において挟むように形成されている。すなわち、X方向において、1つの制御ゲート電極CGおよび1つのメモリゲート電極MGは、拡散領域MSと拡散領域MDとの間に位置している。
【0027】
また、拡散領域MDは、X方向において隣り合う2つの制御ゲート電極CG同士の間に形成され、拡散領域MSは、X方向において隣り合う2つのメモリゲート電極MG同士の間に形成されている。このように、X方向に隣接する2つのメモリセルMCは、拡散領域MDまたは拡散領域MSを共有している。拡散領域MDを共有する2つのメモリセルMCは、拡散領域MDを軸としてX方向に線対称であり、拡散領域MSを共有する2つのメモリセルMCは、拡散領域MSを軸としてX方向に線対称である。
【0028】
本実施の形態のメモリセルMCは、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜GF1、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF2、拡散領域MDおよび拡散領域MSを有するMISFETであり、不揮発性メモリセルである。
【0029】
また、拡散領域MD上にはプラグPG1が形成され、拡散領域MS上にはプラグPG2が形成されている。プラグPG2は、Y方向において隣接する各メモリセルMCの拡散領域MSを共通接続するように、Y方向に延在している。
【0030】
以下に、図3および図4を用いて、本実施の形態の半導体装置の断面構造を詳細に説明する。
【0031】
フィンFAを含む半導体基板SBには、p型の導電性を有する半導体領域であるウェル領域PWが形成されている。
【0032】
フィンFAの上面および側面は、層間絶縁膜IL1によって覆われている。層間絶縁膜IL1には、孔CH2が形成されており、孔CH2内を埋め込むように、ゲート絶縁膜GF1を介してメモリゲート電極MGと、ゲート絶縁膜GF2を介して制御ゲート電極CGとが形成されている。すなわち、孔CH2は、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGと同様に、図1に示されるY方向に延在している。
【0033】
X方向において、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間には、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2が存在しており、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2によって電気的に分離されている。また、ゲート絶縁膜GF1はメモリゲート電極MGの両側面および底面を覆うように連続的に形成されており、ゲート絶縁膜GF2は制御ゲート電極CGの両側面および底面を覆うように連続的に形成されている。
【0034】
また、ゲート絶縁膜GF1は、フィンFAの上部において、フィンFAの上面および側面を覆うように形成され、互いに隣接する2つのフィンFAの間の素子分離部STIの上面上にも形成されている。また、図示はしていないが、ゲート絶縁膜GF2もゲート絶縁膜GF1と同様に形成されている。
【0035】
このように、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜GF1、制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2は、複数のメモリセルMCに跨るように、Y方向に延在している。
【0036】
本実施の形態において、ゲート絶縁膜GF1は、絶縁膜X1、絶縁膜X1上に形成された電荷蓄積層CSL、および、電荷蓄積層CSL上に形成された絶縁膜X2を含む積層膜からなる。
【0037】
絶縁膜X1は、フィンFAの上面上および側面上に形成され、例えば酸化シリコン膜などの絶縁膜であり、2~4nm程度の厚さを有する。
【0038】
電荷蓄積層CSLは、フィンFAの上面上および側面上に、絶縁膜X1を介して形成され、互いに隣接する2つのフィンFAの間の素子分離部STIの上面上にも形成されている。電荷蓄積層CSLは、メモリセルMCのデータを蓄積するために設けられた膜であり、電荷の保持が可能なトラップ準位を備える絶縁膜である。このようなトラップ準位を備える絶縁膜として、例えば窒化シリコン膜が挙げられる。電荷蓄積層CSLの厚さは、5~7nm程度である。また、トラップ準位を備える絶縁膜の他の材料としては、例えばハフニウムシリケート膜(HfSiO膜)のようなハフニウム(Hf)およびシリコン(Si)を含む酸化金属膜が挙げられる。
【0039】
絶縁膜X2は、フィンFAの上面上および側面上に、絶縁膜X1および電荷蓄積層CSLを介して形成され、例えば酸化シリコン膜、または、アルミナ膜(AlO膜)などの酸化金属膜であり、5~7nm程度の厚さを有する。絶縁膜X2は、電荷蓄積層CSLとメモリゲート電極MGとの間の絶縁耐圧を向上させるために設けられた膜である。
【0040】
また、本実施の形態においては、図面を見易くするため、絶縁膜X1、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜X2の詳細な図示を省略し、これらの積層膜をゲート絶縁膜GF1として図示している。
【0041】
メモリゲート電極MGは、フィンFAの上面上および側面上に、ゲート絶縁膜GF1を介して形成された導電性膜である。このような導電性膜としては、例えば、n型の不純物が導入された多結晶シリコン膜が挙げられる。また、メモリゲート電極MGは、多結晶シリコン膜に代えて、窒化タンタル膜、若しくは、アルミニウム膜からなる単層の金属膜、または、これらの膜を適宜積層させた積層膜であってもよい。
【0042】
ゲート絶縁膜GF2は、酸化金属膜からなり、酸化シリコンよりも誘電率が高い絶縁材料膜である、いわゆる高誘電率膜(High-k膜)である。ゲート絶縁膜GF2は、例えば酸化ハフニウム膜(HfO膜)のようなハフニウムを含む酸化膜であり、1~2nmの厚さを有する。また、ゲート絶縁膜GF2とフィンFAとの間に、界面準位を安定させるための絶縁膜として、1nm程度の厚さを有する酸化シリコン膜を形成してもよい。
【0043】
制御ゲート電極CGは、例えば、窒化タンタル膜、若しくは、アルミニウム膜からなる単層の金属膜、または、これらの膜を適宜積層させた積層膜からなる。
【0044】
制御ゲート電極CG側のフィンFAには、ドレイン領域としてn型の拡散領域MDが形成され、メモリゲート電極MG側のフィンFAには、ソース領域としてn型の拡散領域MSが形成されている。
【0045】
拡散領域MD上および拡散領域MS上には、絶縁膜SO1、絶縁膜SN1、絶縁膜SO3および層間絶縁膜IL1の積層膜が形成されている。X方向において、この積層膜は、互いに隣接するメモリゲート電極MGの間、および、互いに隣接する制御ゲート電極CGの間に形成されている。また、層間絶縁膜IL1の上面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨されている。このため、層間絶縁膜IL1は、メモリセルMCの全体を覆ってはおらず、メモリゲート電極MG上の上面、制御ゲート電極CGの上面、ゲート絶縁膜GF1の上部およびゲート絶縁膜GF2の上部が、層間絶縁膜IL1から露出している。
【0046】
層間絶縁膜IL1を含む上記積層膜中には、孔CH3および孔CH4が形成されている。孔CH3内には、拡散領域MDに接続されるプラグPG1が埋め込まれ、孔CH4内には、拡散領域MSに接続されるプラグPG2が埋め込まれている。
【0047】
メモリセルMC上および層間絶縁膜IL1上には、層間絶縁膜IL2が形成されており、層間絶縁膜IL2中には、複数のプラグPG3が形成されている。また、図示は省略しているが、層間絶縁膜IL2上には、ビット線となる配線、ソース線となる配線、メモリゲート電極MGに電位を供給する配線、および、制御ゲート電極CGに電位を供給する配線などが形成されている。プラグPG1は、プラグPG3を介して、ビット線となる配線に電気的に接続され、プラグPG2は、プラグPG3を介して、ソース線となる配線に電気的に接続されている。また、ここでは図示していないが、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGも、プラグPG3を介して上記配線に接続される。これらの配線は、配線用の溝内に銅を主体とする導電性膜が埋め込まれた構造であり、所謂、ダマシン(Damascene)構造の配線である。
【0048】
<不揮発性メモリの動作について>
次に、不揮発性メモリセルの動作例について、図5および図6を参照して説明する。
【0049】
図5は、不揮発性メモリモジュールの一例を示しており、複数のメモリセルMCのうち4つのメモリセルMCの接続関係を示す等価回路図である。各制御ゲート電極CGは、制御ゲート電極CG用のドライバーに電気的に接続され、各メモリゲート電極MGは、メモリゲート電極MG用のドライバーに電気的に接続され、ソース領域である各拡散領域MSは、ソース線用のドライバーに電気的に接続され、ドレイン領域である各拡散領域MDは、ビット線用のデコーダーに電気的に接続されている。
【0050】
図6は、図5に示される4つのメモリセルMCのうち、選択メモリセルMCaについて、「書込」、「消去」および「読出」時における各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図6の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、ドレイン領域である拡散領域MDに印加される電圧Vd、制御ゲート電極CGに印加される電圧Vcg、メモリゲート電極MGに印加される電圧Vmg、ソース領域である拡散領域MSに印加される電圧Vs、および、ウェル領域PWに印加される電圧Vbが記載されている。
【0051】
なお、図6の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、電荷蓄積層CSLへの電子の注入を「書込」と定義し、電荷蓄積層CSLへのホール(正孔)の注入を「消去」と定義する。
【0052】
書込動作は、SSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれる、ソースサイド注入によるホットエレクトロン注入を用いた書込み方式によって行われる。例えば図6の「書込」の欄に示されるような電圧を、書込みを行う選択メモリセルMCaの各部位に印加し、選択メモリセルMCaの電荷蓄積層CSLに電子を注入することで書込みを行う。
【0053】
この際、ホットエレクトロンは、フィンFAのうちメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGに覆われた箇所(チャネル領域)で発生し、メモリゲート電極MGの下の電荷蓄積層CSLにホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロンは、電荷蓄積層CSL中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリゲート電極MGを有するメモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリトランジスタは書込状態となる。
【0054】
消去動作は、BTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)方式と呼ばれる、BTBTによるホットホール注入を用いた消去方式によって行われる。すなわち、拡散領域MSでBTBTにより発生したホールを電荷蓄積層CSLに注入することにより消去を行う。例えば図6の「消去」の欄に示されるような電圧を、消去を行う選択メモリセルMCaの各部位に印加し、BTBT現象によりホールを発生させ、電界加速することで選択メモリセルMCaの電荷蓄積層CSL中にホールを注入する。それによって、メモリトランジスタのしきい値電圧が低下する。すなわち、メモリトランジスタは消去状態となる。
【0055】
読出動作には、例えば図6の「読出」の欄に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルMCaの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加される電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と、消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との間の値にすることで、書込状態と消去状態とを判別することができる。
【0056】
<半導体装置の製造工程について>
以下に、図7図27を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお、図7は、複数のフィンFAが形成される領域の平面図であり、図8図12は、図7のE-E線に沿った断面図であり、図13図15図17図19および図21図27は、図1のA-A線およびB-B線に沿った断面図であり、図16は、図1のD-D線に沿った断面図である。図20は、図19に対応する斜視図である。
【0057】
以下に、図7図12を用いて、フィンFAの製造工程を説明する。
【0058】
図7は、レジストパターンRP1および導電性膜CF1の平面パターンを示し、導電性膜CF1に複数の孔CH1が形成された状態を示している。図8図12は、図7のE-E線に沿った断面図であるが、図1のY方向に沿った断面図でもある。
【0059】
まず、図8に示されるように、例えば1~10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板SBを準備する。次に、半導体基板SBの上面上に、絶縁膜SO1、絶縁膜SN1および導電性膜CF1を順に形成する。絶縁膜SO1は、例えば酸化シリコンからなり、例えば熱酸化法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成することができる。絶縁膜SO1の厚さは、5~10nm程度である。絶縁膜SN1は、例えば窒化シリコンからなり、例えばCVD法により形成される。絶縁膜SN1の厚さは、20~100nm程度である。導電性膜CF1は、例えばアモルファスカーボンからなり、例えばCVD法により形成される。導電性膜CF1の厚さは、20~200nm程度である。
【0060】
次に、導電性膜CF1上に、レジストパターンRP1を形成し、レジストパターンRP1をマスクとしてドライエッチング処理を行うことで、レジストパターンRP1から露出していた導電性膜CF1の一部を除去する。これにより、導電性膜CF1に、レジストパターンRP1とほぼ同じパターンを有する複数の孔CH1が形成され、絶縁膜SN1の一部が、導電性膜CF1から露出される。その後、レジストパターンRP1をアッシング処理などによって除去する。
【0061】
図9は、絶縁膜SN2の形成工程を示している。
【0062】
導電性膜CF1の上面上および側面上、並びに、孔CH1の底部で露出している絶縁膜SN1の上面上に、例えばCVD法を用いて、例えば窒化シリコンからなる絶縁膜SN2を形成する。絶縁膜SN2の厚さは、20~40nm程度である。次に、絶縁膜SN2に対して異方性エッチングを行うことで、孔CH1内において、導電性膜CF1の側面上に、絶縁膜SN2が残される。すなわち、導電性膜CF1の側面上に、スペーサ状の絶縁膜SN2が自己整合的に形成される。
【0063】
図10は、導電性膜CF1の除去工程を示している。
【0064】
導電性膜CF1は、絶縁膜SN1および絶縁膜SN2がエッチングされ難い条件で、ドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を行うことで、除去される。
【0065】
図11は、フィンFAの形成工程を示している。
【0066】
絶縁膜SN2をマスクとして異方性ドライエッチング処理を行うことで、絶縁膜SN1、絶縁膜SO1および半導体基板SBの一部を、順次除去する。これにより、絶縁膜SN2の直下に、半導体基板SBの一部であり、且つ、半導体基板SBから突出したフィンFAが形成される。本実施の形態では、フィンFAの高さは、150~250nm程度であり、フィンFAの幅は、20~40nm程度である。
【0067】
このように、本実施の形態では、孔CH1内において、導電性膜CF1の側面上に、フィンFAを形成するためのマスクとなる絶縁膜SN2を自己整合的に形成している。このため、絶縁膜SN2は孤立パターンとならず、倒壊し難い。更に、フィンFAの幅は絶縁膜SN2の幅で決定されることになるが、絶縁膜SN2の幅は、異方性ドライエッチング処理の条件を変更することで容易に調整できるので、本実施の形態の製造方法は、フィンFAの微細化に適している。
【0068】
例えば、導電性膜CF1に孔CH1を設けず、レジストパターンを用いて、絶縁膜SN1上に絶縁膜SN2をパターニングして形成した場合、絶縁膜SN2が倒壊し易い。更に、フィンFAの幅が、レジストパターンの解像度に依存することになるため、このような手法は、フィンFAの微細化に適していない。
【0069】
図12は、絶縁膜SO2の形成工程を示している。
【0070】
複数のフィンFAの間を埋め込み、且つ、絶縁膜SN2を覆うように、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンなどからなる絶縁膜SO2を堆積する。
【0071】
以下に、図12に続く製造工程を図13図27を用いて説明する。図13は、素子分離部STIおよびウェルPWの形成工程、並びに、絶縁膜SN2の除去工程を示している。
【0072】
まず、CMP法によって、絶縁膜SO2の上面を研磨する。この際、絶縁膜SN2が研磨処理に対するエッチングストッパ膜として機能する。次に、絶縁膜SO2に対してウェットエッチング処理を行うことで、絶縁膜SO2の上面を後退させ、フィンFAの側面の一部を露出させる。この後退した絶縁膜SO2が素子分離部STIとなる。
【0073】
次に、ウェットエッチング処理を行うことで、絶縁膜SN2を除去する。なお、フィンFAの上面上には、絶縁膜SO1および絶縁膜SN1が残される。
【0074】
次に、フォトリソグラフィ法およびイオン注入法を用いて、フィンFAを含む半導体基板SBに不純物を導入することにより、フィンFAを含む半導体基板SB内にp型のウェル領域PWを形成する。p型のウェル領域PWを形成するための不純物は、例えばボロン(B)または二フッ化ボロン(BF)である。ウェル領域PWは、フィンFAの全体および半導体基板SBの一部に広がって形成される。
【0075】
また、本実施の形態では、後の工程で、絶縁膜SO3を利用して拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成しているが、ウェル領域PWの形成工程後に、フォトリソグラフィ法およびイオン注入法を用いて、拡散領域MDおよび拡散領域MSが形成される予定のフィンFAの一部に、n型の不純物を導入してもよい。このような不純物が導入された領域は、拡散領域MDの一部および拡散領域MSの一部として使用することができる。
【0076】
図14は、絶縁膜SO3および層間絶縁膜IL1の形成工程を示している。
【0077】
まず、絶縁膜SN1上、フィンFAの側面上および素子分離部STI上に、例えばCVD法によって、絶縁膜SO3を形成する。絶縁膜SO3は、燐(P)などのn型の不純物が導入された酸化シリコン膜であり、20nm程度の厚さを有する。次に、絶縁膜SO3上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜IL1を形成する。層間絶縁膜IL1の厚さは、400nm程度である。次に、CMP法によって、層間絶縁膜IL1の上面を平坦化する。
【0078】
図15は、孔CH2の形成工程を示している。
【0079】
フォトリソグラフィ法およびドライエッチング処理を用いて、層間絶縁膜IL1および絶縁膜SO3を選択的にパターニングすることで、層間絶縁膜IL1および絶縁膜SO3に、孔CH2を形成する。A-A断面に示されるように、孔CH2内において、フィンFAの上面には絶縁膜SO1および絶縁膜SN1が残されているが、B-B断面に示されるように、孔CH2内において、フィンFAの側面および素子分離部STIの上面は露出される。すなわち、孔CH2は、図1に示されるY方向に延在し、フィンFAの一部および素子分離部STIの一部を開口するように形成されている。孔CH2内は、後の工程で、メモリゲート電極MG、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2が形成される領域となる。また、孔CH2の底部に位置するフィンFAは、メモリセルMCのチャネル領域となる。
【0080】
図16は、図15に続く製造工程を示し、図1のD-D線に沿った断面を示し、拡散領域MDの形成工程を示している。
【0081】
D-D断面において、フィンFAの側面に接するように、絶縁膜SO3が形成されている。この状態で、800~950℃程度の熱処理を行うことで、絶縁膜SO3に含まれていたn型の不純物が、フィンFA中へ拡散され、活性化される。この拡散したn型の不純物により、フィンFAに拡散領域MDが形成される。なお、図示はしていないが、この工程で、フィンFAに拡散領域MSも形成される。
【0082】
本実施の形態では、拡散領域MDおよび拡散領域MSは、孔CH2に対して自己整合的に形成される。言い換えれば、フィンFAのうち、孔CH2によって開口されていないフィンFA内に、拡散領域MDおよび拡散領域MSが形成される。
【0083】
図17は、絶縁膜SO4、導電性膜FD、ダミー部材D1およびダミー部材D2の形成工程を示している。
【0084】
まず、B-B断面において露出しているフィンFAの側面上に、熱酸化法によって、酸化シリコンからなる絶縁膜SO4を形成する。次に、孔CH2内を埋め込むように、層間絶縁膜IL1上および絶縁膜SN1上に、例えばCVD法によって、例えば多結晶シリコン膜のような導電性膜FDを堆積する。次に、導電性膜FDに対して異方性エッチング処理を行うことで、層間絶縁膜IL1上の導電性膜FDを除去し、孔CH2内に、スペーサ形状のダミー部材D1およびダミー部材D2を自己整合的に形成する。すなわち、孔CH2内において、層間絶縁膜IL1の第1側面上にダミー部材D1が形成され、第1側面と対向する層間絶縁膜IL1の第2側面上にダミー部材D2が形成される。なお、A-A断面におけるスペーサ形状のダミー部材D1およびダミー部材D2の幅は、それぞれ30~40nm程度である。また、ここでは図示していないが、ダミー部材D1およびダミー部材D2は、同じ導電性膜FDからなり、メモリセルMCの端部において一体化している。
【0085】
また、図17に示されるように、1つの孔CH2内において、ダミー部材D1およびダミー部材D2が、互いに離間されるように形成される。ここで、図示はしていないが、ダミー部材D1およびダミー部材D2の間に位置するフィンFAの側面上には、絶縁膜SO4が形成されている。このため、上記多結晶シリコン膜に対する異方性エッチング処理時に、シリコンからなるフィンFAは、絶縁膜SO4によって保護されている。このため、ダミー部材D1およびダミー部材D2の間に位置するフィンFAが削られることを防止できる。
【0086】
図18は、絶縁膜SN3およびダミー部材D3の形成工程を示している。
【0087】
孔CH2内のダミー部材D1およびダミー部材D2を覆うように、例えばCVD法によって、例えば窒化シリコンからなる絶縁膜SN3を形成する。絶縁膜SN3の厚さは、2~3nm程度である。次に、絶縁膜SN3上に、例えばCVD法によって、例えば多結晶シリコン膜のような導電性膜からなるダミー部材D3を堆積する。ダミー部材D3は、孔CH2内において、互いに隣接するダミー部材D1およびダミー部材D2の間を埋め込むように、自己整合的に形成される。なお、ダミー部材D3の材料は、多結晶シリコン膜と異なる他の材料でもよい。しかし、ダミー部材D3は、後の工程で、ダミー部材D1またはダミー部材D2と共に、エッチング処理によって除去される。従って、エッチング処理が複雑になることを避けるため、ダミー部材D3の材料は、ダミー部材D1およびダミー部材D2と同じ材料であることが好ましい。
【0088】
図19は、絶縁膜SN3、層間絶縁膜IL1、ダミー部材D1、ダミー部材D2およびダミー部材D3に対する研磨処理を示している。
【0089】
CMP法によって、絶縁膜SN3、層間絶縁膜IL1、ダミー部材D1、ダミー部材D2およびダミー部材D3を研磨する。これにより、これらの高さが低くなる。このように孔CH2内に形成された、ダミー部材D1、ダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3は、それぞれダミーパターンDPの一部を構成している。
【0090】
図20は、図19の製造工程が終了した時点における斜視図である。
【0091】
ここで、本実施の形態の特徴の一部を説明する。図20に示されるように、孔CH2内には、ダミーパターンDPが埋め込まれている。ダミーパターンDPは、後の工程で、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGなどに置換されるためのパターンである。本実施の形態の特徴の一つは、ダミーパターンDPの一部であるダミー部材D1、ダミー部材D2およびダミー部材D3が、それぞれ自己整合的に形成されている点にある。
【0092】
以下に、本実施の形態の特徴に対する比較例として、上述の特許文献2および特許文献3に開示されている技術について述べる。
【0093】
上述の特許文献2のように、MONOS型トランジスタをフィン構造のトランジスタとして形成する技術を参照すると、まず、フィンFAの上面および側面を覆うように、制御ゲート電極CGをパターニングによって形成し、その後、制御ゲート電極CGを覆うように多結晶シリコン膜を形成する。次に、この多結晶シリコン膜に対して異方性エッチング処理を行うことで、制御ゲート電極CGの側面上に、サイドウォールスペーサ形状のメモリゲート電極MGが形成される。
【0094】
しかしながら、フィン構造のトランジスタでは、制御ゲート電極CGをパターニングする際に、フィンFAの高さに依存して、アスペクト比の高いエッチング加工が要求される。また、メモリゲート電極MGの加工時に、メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CGの側面だけでなく、フィンFAの側面にも形成される。フィンFAの側面に形成されたメモリゲート電極MGは、隣接するメモリセルMCの間で短絡を引き起こす恐れがあり、取り除く必要がある。そのため、フィンFAの高さ分を考慮して、メモリゲート電極MGの加工時に、異方性エッチング処理をオーバーエッチングにする必要がある。その場合、制御ゲート電極CGの上面が露出した状態でエッチングされるため、制御ゲート電極CG上にエッチング選択比のとれるキャップ膜を形成する、または、制御ゲート電極CGの厚さを十分に厚くしておくことが必要になる。
【0095】
従って、制御ゲート電極CGの高さが増加し、制御ゲート電極CGをパターニングする際のアスペクト比が、非常に高くなる。特に、半導体素子の微細化が進むと、微細なゲート長を有し、且つ、厚さの厚い制御ゲート電極CGが、孤立した細長いパターンとして存在する状態となる。そうすると、制御ゲート電極CGが倒壊する恐れがあり、半導体装置の歩留まりが低下する恐れがある。
【0096】
一方で、上述の特許文献3のように、所謂、ゲートラストプロセスによって、ダミーパターンを金属膜などからなる制御ゲート電極CGに置換する技術がある。しかし、ダミーパターンは、多結晶シリコン膜などをパターニングすることで形成されている。従って、特許文献3の技術をフィン構造のトランジスタに適用した場合は、ダミーパターンの高さを高くし、異方性エッチング処理を用いて、ダミーパターンの側面上にメモリゲート電極MGを形成する必要がある。すなわち、特許文献3においても、特許文献2と同様の問題が発生し、ダミーパターンが倒壊する恐れがある。
【0097】
これらの技術に対して、本実施の形態では、図15図19で説明したように、層間絶縁膜IL1に孔CH2を形成し、孔CH2内に、ダミー部材D1、ダミー部材D2およびダミー部材D3を、それぞれ自己整合的に形成している。すなわち、孔CH2内において、ダミー部材D1およびダミー部材D2は層間絶縁膜IL1の側面に沿って形成され、ダミー部材D3は絶縁膜SN3を介して、ダミー部材D1およびダミー部材D2の側面に沿って形成されている。従って、ダミー部材D1、ダミー部材D2およびダミー部材D3が倒壊する恐れを抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、半導体装置の製造工程における歩留まりを向上させることができる。
【0098】
また、制御ゲート電極CGのゲート長、メモリゲート電極MGのゲート長、ゲート絶縁膜GF1の厚さ、および、ゲート絶縁膜GF2の厚さは、主に孔CH2の口径に依存し、ダミー部材D1およびダミー部材D2を加工する異方性エッチング処理の条件によって、容易に調整することができる。このため、メモリセルMCの微細化を促進させることができる。
【0099】
以下に、ダミーパターンDPが形成されていた領域を、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2に置換する製造工程について説明する。
【0100】
図21は、ダミー部材D1の除去工程を示している。
【0101】
まず、層間絶縁膜IL1上に、ダミーパターンDPの一部であるダミー部材D1を開口するようなパターンを有するレジストパターンRP2を形成する。次に、レジストパターンRP2をマスクとしてドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を行うことで、孔CH2内に形成されているダミー部材D1を除去する。この時、B-B断面に示されるように、フィンFAの側面に形成されている絶縁膜SO4が、上記エッチング処理に対する保護膜となるため、フィンFAが削れてしまうことを防止できる。
【0102】
図22は、絶縁膜SO4、絶縁膜SO1および絶縁膜SN1の除去工程を示している。
【0103】
ダミー部材D1が除去されたことで露出された絶縁膜SO1、絶縁膜SN1および絶縁膜SO4を、レジストパターンRP2をマスクとしてドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を行うことで、除去する。これにより、B-B断面に示されるように、層間絶縁膜IL1に覆われていないフィンFAの上面および側面が露出される。
【0104】
また、これらの工程後、更にウェットエッチング処理などの等方性エッチング処理を行うことで、孔CH2内における層間絶縁膜IL1、絶縁膜SO3、絶縁膜SN1および絶縁膜SO1の各々の側面の一部を後退させてもよい。このような処理を行うことで、拡散領域MSの端部と、後で形成されるメモリゲート電極MGの端部との位置を調整することもできる。図22では、孔CH2内における層間絶縁膜IL1などの各絶縁膜を後退させた状態を示している。その後、レジストパターンRP2をアッシング処理などによって除去する。
【0105】
図23は、ゲート絶縁膜GF1およびメモリゲート電極MGの形成工程を示している。
【0106】
まず、孔CH2内において、絶縁膜SN3の側面上、層間絶縁膜IL1の上面上および側面上、並びに、フィンFAの上面上および側面上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜X1を形成する。次に、絶縁膜X1上に、例えばCVD法によって、例えば窒化シリコンからなる電荷蓄積層CSLを形成する。電荷蓄積層CSLは、窒化シリコン膜に代えて、例えばハフニウムシリケート膜(HfSiO膜)のような酸化金属膜としてもよい。次に、電荷蓄積層CSL上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜X2を形成する。絶縁膜X2は、酸化シリコン膜に代えて、例えばアルミナ膜(AlO膜)のような酸化金属膜としてもよい。これらの絶縁膜X1、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜X2が、ゲート絶縁膜GF1となる。
【0107】
また、本実施の形態においては、図面を見易くするため、絶縁膜X1、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜X2の詳細な図示を省略し、これらの積層膜をゲート絶縁膜GF1として図示している。
【0108】
次に、ゲート絶縁膜GF1上に、例えばCVD法によって、例えば、n型の不純物が導入された多結晶シリコンからなるメモリゲート電極MGを形成する。メモリゲート電極MGは、多結晶シリコン膜に代えて、窒化タンタル膜、若しくは、アルミニウム膜からなる単層の金属膜、または、これらの膜を適宜積層させた積層膜であってもよい。
【0109】
次に、CMP法によって、層間絶縁膜IL1の上面上に形成されているメモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1を除去する。これにより、孔CH2内において、ダミーパターンDPの一部であるダミー部材D1が除去された領域に、ゲート絶縁膜GF1およびメモリゲート電極MGが埋め込まれる。
【0110】
図24は、ダミー部材D2、ダミー部材D3、絶縁膜SN3、絶縁膜SO1、絶縁膜SN1および絶縁膜SO4の除去工程を示している。
【0111】
まず、層間絶縁膜IL1上に、孔CH2内に残されたダミーパターンDPであるダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3を開口するようなパターンを有するレジストパターンRP3を形成する。次に、レジストパターンRP3をマスクとしてドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を行うことで、孔CH2内に残されているダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3を除去する。なお、孔CH2内でゲート絶縁膜GF1に接している絶縁膜SN3は、除去されていなくともよく、残されていてもよい。この絶縁膜SN3を残した場合は、メモリゲート電極MGと、後述の制御ゲート電極CGとの間の絶縁耐圧を向上させることができる。
【0112】
また、ここでは図示していないが、図21の工程と同様に、フィンFAの側面に形成されている絶縁膜SO4が、上記エッチング処理に対する保護膜となるため、フィンFAが削れてしまうことを防止できる。
【0113】
次に、ダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3が除去されたことで露出された絶縁膜SO1、絶縁膜SN1および絶縁膜SO4を、レジストパターンRP3をマスクとしてドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を行うことで、除去する。これにより、フィンFAの上面および側面が露出される。
【0114】
また、これらの工程後、更にウェットエッチング処理などの等方性エッチング処理を行うことで、孔CH2内における層間絶縁膜IL1、絶縁膜SO3、絶縁膜SN1および絶縁膜SO1の各々の側面の一部を後退させてもよい。このような処理を行うことで、拡散領域MDの端部と、後で形成される制御ゲート電極CGの端部との位置を調整することもできる。その後、レジストパターンRP3をアッシング処理などによって除去する。
【0115】
図25は、ゲート絶縁膜GF2および制御ゲート電極CGの形成工程を示している。
【0116】
まず、孔CH2内において、ゲート絶縁膜GF1の側面上、層間絶縁膜IL1の上面上および側面上、並びに、フィンFAの上面上および側面上に、例えばCVD法によって、例えば酸化ハフニウム膜(HfO膜)のような酸化金属膜を形成する。
【0117】
次に、ゲート絶縁膜GF2上に、スパッタリング法またはCVD法によって、窒化タンタル膜、若しくは、アルミニウム膜からなる単層の金属膜、または、これらの膜を適宜積層させた積層膜からなる制御ゲート電極CGを形成する。
【0118】
次に、CMP法によって、層間絶縁膜IL1の上面上に形成されている制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2を除去する。これにより、孔CH2内において、ゲート絶縁膜GF2および制御ゲート電極CGが埋め込まれる。
【0119】
なお、ゲート絶縁膜GF2および制御ゲート電極CGを形成する前に、孔CH2内に酸化シリコン膜などの絶縁膜を形成し、この絶縁膜に対して異方性エッチング処理を行うことで、ゲート絶縁膜GF1の側面上に、スペーサ形状の絶縁膜を残してもよい。このスペーサ形状の絶縁膜を形成した場合は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の絶縁耐圧を向上させることができる。
【0120】
以上により、孔CH2内に形成されていたダミーパターンDPであるダミー部材D1、ダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3を、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2に置換する工程が完了する。
【0121】
なお、実施の形態では、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1を先に形成し、その後、制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2を形成したが、この順番を逆にしてもよい。しかしながら、ゲート絶縁膜GF2は薄く、熱履歴の影響が大きいと、制御トランジスタの閾値電圧が変動し易い。先にゲート絶縁膜GF2を形成すると、その後のゲート絶縁膜GF1の形成工程では、絶縁膜X1、電荷蓄積層CSLおよび絶縁膜X2を順次形成するため、熱履歴が大きくなる。従って、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1を先に形成する方が好ましい。
【0122】
図26は、孔CH3および孔CH4の形成工程を示している。
【0123】
まず、層間絶縁膜IL1上に、拡散領域MDおよび拡散領域MSが開口されるようなパターンを有するレジストパターンRP4を形成する。次に、レジストパターンRP4をマスクとしてドライエッチング処理を行うことで、層間絶縁膜IL1、絶縁膜SO3、絶縁膜SN1および絶縁膜SO1に、拡散領域MDに達する孔CH3、および、拡散領域MSに達する孔CH4を形成する。その後、レジストパターンRP4をアッシング処理などによって除去する。
【0124】
図27は、プラグPG1およびプラグPG2の形成工程を示している。
【0125】
まず、孔CH3内、孔CH4内および層間絶縁膜IL1上に、例えばスパッタリング法によって、例えば窒化チタンからなるバリアメタル膜を形成する。次に、バリアメタル膜上に、例えばCVD法によって、例えばタングステンからなる導電性膜を形成する。次に、CMP法によって、層間絶縁膜IL1上に形成されていた上記バリアメタル膜および上記導電性膜を除去する。これにより、孔CH3内および孔CH4内に、それぞれ、上記バリアメタル膜および上記導電性膜を含むプラグPG1およびプラグPG2が形成される。
【0126】
また、このCMP法による研磨工程によって、層間絶縁膜IL1、メモリゲート電極MG、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2の各々の上面が研磨され、これらの上面の位置が低くなる。
【0127】
図27の製造工程に続いて、層間絶縁膜IL2およびプラグPG3を形成することで、図3および図4に示される半導体装置が製造される。
【0128】
まず、層間絶縁膜IL1上、制御ゲート電極CG上、メモリゲート電極MG上、プラグPG1上およびプラグPG2上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜IL2を形成する。次に、層間絶縁膜IL2にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内に、窒化チタンからなるバリアメタル膜、および、タングステンからなる導電性膜などを埋め込むことで、プラグPG3を形成する。また、ここでは図示はしていないが、この工程によって、制御ゲート電極CG上およびメモリゲート電極MG上にも、プラグPG3が形成される。
【0129】
(変形例1)
以下に、実施の形態1の変形例1の半導体装置を、図28図31を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0130】
実施の形態1では、フィンFAの製造工程について図7図11を用いて説明したが、変形例1では、フィンFAの他の製造工程について説明する。
【0131】
図28図31は、図7のE-E線に沿った断面図に対応しており、図1のY方向に沿った断面図でもある。
【0132】
まず、図28に示されるように、実施の形態1と同様に、半導体基板SBを準備し、半導体基板SB上に絶縁膜SO1を形成し、絶縁膜SO1上に絶縁膜SN1を形成する。次に、絶縁膜SN1上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜SO6を形成する。絶縁膜SO6の厚さは、20~200nm程度である。次に、絶縁膜SO6上に、レジストパターンRP5を形成し、レジストパターンRP5をマスクとしてドライエッチング処理を行うことで、レジストパターンRP5から露出していた絶縁膜SO6の一部を除去する。これにより、絶縁膜SO6に、複数の孔CH5が形成され、絶縁膜SN1の一部が、絶縁膜SO6から露出される。その後、レジストパターンRP5をアッシング処理などによって除去する。
【0133】
図29は、導電性膜CF2の形成工程を示している。
【0134】
まず、絶縁膜SO6の上面上および側面上、並びに、孔CH5の底部で露出している絶縁膜SN1の上面上に、例えばCVD法を用いて、例えばアモルファスカーボンからなる導電性膜CF2を形成する。導電性膜CF2の厚さは、20~40nm程度である。次に、導電性膜CF2に対して異方性エッチング処理を行うことで、孔CH5内において、絶縁膜SO6の側面上に、導電性膜CF2が残される。すなわち、絶縁膜SO6の側面上に、スペーサ状の導電性膜CF2を自己整合的に形成することができる。
【0135】
図30は、絶縁膜SO7の形成工程を示している。
【0136】
まず、孔CH5内を埋め込み、且つ、絶縁膜SO6および導電性膜CF2を覆うように、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜SO7を形成する。次に、CMP法によって絶縁膜SO7を研磨することで、孔CH5内において導電性膜CF2および絶縁膜SO7が残され、絶縁膜SO6の上面上および導電性膜CF2の上面上に形成されていた絶縁膜SO7が除去される。すなわち、孔CH5内に、導電性膜CF2および絶縁膜SO7が埋め込まれる。このように、2つの導電性膜CF2の間に、絶縁膜SO7を自己整合的に形成することができる。また、この研磨処理によって、絶縁膜SO6、導電性膜CF2および絶縁膜SO7の各々の上面が、若干削られる。
【0137】
図31は、導電性膜CF2の除去工程、および、フィンFAの形成工程を示している。
【0138】
まず、絶縁膜SO6および絶縁膜SO7をマスクとして異方性ドライエッチング処理を行うことで、導電性膜CF2を除去する。次に、異方性ドライエッチング処理を続けることで、絶縁膜SN1、絶縁膜SO1および半導体基板SBの一部を、順次除去する。これにより、絶縁膜SO6および絶縁膜SO7の直下に、半導体基板SBの一部であり、且つ、半導体基板SBから突出したフィンFAが形成される。
【0139】
その後の製造工程は、実施の形態1の図12以降の製造工程と同じである。
【0140】
以上のように、変形例1では、孔CH5内において、絶縁膜SO6の側面上に、導電性膜CF2を自己整合的に形成し、更に、導電性膜CF2の側面上に、絶縁膜SO7を自己整合的に形成している。このため、導電性膜CF2および絶縁膜SO7が倒壊し難い。そして、導電性膜CF2を除去した領域に、絶縁膜SO6および絶縁膜SO7をマスクとして、フィンFAを形成している。従って、実施の形態1と同様に、フィンFAの形成を安定して行うことができる。
【0141】
(変形例2)
以下に、実施の形態1の変形例2の半導体装置を、図32を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0142】
実施の形態1では、主にメモリセルMCの主要部について説明したが、変形例2では、メモリセルMCの端部の周囲の構造について説明する。
【0143】
図32は、図19および図20の製造工程が完了した時点での平面図を示しており、一点鎖線で示す領域は、図21で形成されるレジストパターンRP2の開口領域OP1である。また、実施の形態1で説明したように、ダミー部材D1およびダミー部材D2は、同じ導電性膜FDから形成されており、メモリセルMCの端部で一体化している。
【0144】
変形例2では、図32に示されるように、開口領域OP1の一端は層間絶縁膜IL1上に位置しており、開口領域OP1の他の一端はダミー部材D1上に位置している。この状態において、ダミー部材D1に対してドライエッチング処理を行うと、孔CH2内において、絶縁膜SN3の側面にダミー部材D1の一部が残されるが、その後、等方性エッチング処理として、例えばウェットエッチング処理を行うことで、残されたダミー部材D1を除去することができる。そして、絶縁膜SN3を、等方性エッチング処理によって削られ難い膜で構成しておくことで、等方性エッチング処理をオーバーエッチングとしても、ダミー部材D3が削られることがない。すなわち、等方性エッチング処理を行い、且つ、ダミー部材D1とダミー部材D3との間の絶縁膜SN3をエッチングストッパ膜として用いることで、ダミー部材D1を除去することができる。
【0145】
このように、X方向において、レジストパターンRP2の開口領域OP1が、ダミー部材D1の全体を開口していなくとも、ダミー部材D1を除去することができる。従って、レジストパターンRP2の合わせずれに対して、余裕を設けることができる。
【0146】
また、変形例2に開示した技術を、上述の変形例1に適用することもできる。
【0147】
(変形例3)
以下に、実施の形態1の変形例3の半導体装置を、図33を用いて説明する。また、以下の説明では、上述の変形例2との相違点を主に説明する。
【0148】
変形例3では、変形例2の開口領域OP1を変更したパターンである開口領域OP2について説明する。
【0149】
図33は、図19および図20の製造工程が完了した時点での平面図を示しており、一点鎖線で示す領域は、図21で形成されるレジストパターンRP2の開口領域OP2である。
【0150】
変形例3では、図33に示されるように、開口領域OP2の一端は層間絶縁膜IL1上に位置しており、開口領域OP2の他の一端はダミー部材D3上に位置している。この状態においてドライエッチング処理を行うことで、ダミー部材D1およびダミー部材D3を除去することができる。また、ダミー部材D1とダミー部材D3との間の絶縁膜SN3は厚さが薄いため、ダミー部材D1およびダミー部材D3のドライエッチング処理によって、絶縁膜SN3も除去することができる。
【0151】
また、上記ドライエッチング処理で、ダミー部材D3の一部が残される場合がある。そこで、等方性エッチング処理として、例えばウェットエッチング処理を行うことで、残されたダミー部材D3を除去することができる。そして、絶縁膜SN3を、等方性エッチング処理によって削られ難い膜で構成しておくことで、等方性エッチング処理をオーバーエッチングとしても、ダミー部材D2が削られることがない。すなわち、等方性エッチング処理を行い、且つ、ダミー部材D2とダミー部材D3との間の絶縁膜SN3をエッチングストッパ膜として用いることで、ダミー部材D3を除去することができる。
【0152】
このように、変形例1または変形例2の何れかであっても、レジストパターンRP2の合わせずれに対して、余裕を設けることができる。また、変形例1の開口領域OP1、および、変形例2の開口領域OP2は、後の工程で、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1が形成される領域である。従って、変形例1または変形例2の何れかを適用することで、メモリゲート電極MGのゲート長などの設計変更を容易に行うことができる。
【0153】
また、変形例3に開示した技術を、上述の変形例1に適用することもできる。
【0154】
(変形例4)
以下に、実施の形態1の変形例4の半導体装置を、図34および図35を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0155】
変形例4でも、上述の変形例2および変形例3と同様に、メモリセルMCの端部の周囲の構造について説明する。
【0156】
図34および図35は、図20図21との間に追加される製造工程を示す平面図である。図34において一点鎖線で示す領域は、変形例4において使用されるレジストパターンの開口領域OP3である。
【0157】
図34に示されるように、孔CH2は、複数の置換領域RRと連結領域CRとを有する。置換領域RRは、実施の形態1において説明した孔CH2と同じであり、Y方向に延在している。すなわち、置換領域RRは、後の工程で、ダミーパターンDPが除去され、メモリゲート電極MG、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2に置換される領域である。
【0158】
連結領域CRは、メモリセルMCの端部において、X方向に延在し、複数の置換領域RRを連結する領域であり、複数の置換領域RRと一体化している領域である。連結領域CRには、置換領域RRと同様にダミーパターンDPが埋め込まれているが、連結領域CRのダミーパターンDPは、メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGなどに置換されず、層間絶縁膜IL3に置換される領域である。
【0159】
図35は、図34に続く製造工程を示している。
【0160】
図34に示される連結領域CRのダミーパターンDPは、開口領域OP3を有するレジストパターンをマスクとしてドライエッチング処理およびウェットエッチング処理が行われることで、除去される。その後、上記レジストパターンはアッシング処理などによって除去される。
【0161】
次に、ダミーパターンDPが除去された連結領域CRを埋め込み、且つ、置換領域RRを覆うように、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜IL3を形成する。次に、CMP法によって、連結領域CR外部の層間絶縁膜IL3を除去することで、連結領域CR内に層間絶縁膜IL3が埋め込まれる。
【0162】
このように、連結領域CR内に層間絶縁膜IL3が形成されていることで、各置換領域RRが物理的に分離される。すなわち、後の工程で、各メモリセルMCのメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGを物理的に分離することができる。
【0163】
なお、実施の形態1と同様に、制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2を先に形成してから、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1を形成しても良い。フラッシュメモリは、複数のメモリセルMCに対して一括でデータを書き込む(または、読み出す)動作を行う。その際、複数のメモリゲート電極MGに対して同時に同電圧を印加する必要があるため、メモリゲート電極MGは、メモリセルMCの端部において、互いに隣接する他のメモリゲート電極MGと互いに接続されるように構成することが望ましい。
【0164】
制御ゲート電極CGを先に形成した場合、複数のメモリゲート電極MGを互いに接続するためには、メモリゲート電極MGは制御ゲート電極CGの上を乗り越えるように形成される必要がある。そのため乗り上げた部分のメモリゲート電極をパターニングする際は、制御ゲート電極CG上でエッチング処理等を行うことになる。このとき、制御ゲート電極CGを先に形成した場合には、制御ゲート電極CG上にゲート絶縁膜GF1が形成されているため、ゲート絶縁膜GF1をエッチングストッパとして使用してメモリゲート電極MGのパターニングを行うことができる。
【0165】
なお、メモリゲート電極MGを先に形成する場合は、メモリゲート電極MG上で制御ゲート電極CGをパターニングする必要がある。このとき、メモリゲート電極MG上にはゲート絶縁膜GF2が形成されている。ゲート絶縁膜GF2は内部に電荷蓄積層CSLを有するゲート絶縁膜GF1よりも膜厚が薄いため、ゲート絶縁膜GF2のエッチングストッパとしての信頼性はゲート絶縁膜GF1よりも劣る。そのため、メモリゲート電極MGを先に形成した方が、より高信頼にメモリゲート電極MGを形成することができる。
【0166】
なお、この変形例4に開示した技術は、上述の変形例1~3に適用することもできる。
【0167】
(変形例5)
以下に、実施の形態1の変形例5の半導体装置を、図36を用いて説明する。また、以下の説明では、上述の変形例4との相違点を主に説明する。
【0168】
変形例5では、変形例4の開口領域OP3を変更したパターンである開口領域OP4について説明する。
【0169】
図36は、図20図21との間に追加される製造工程を示す平面図である。図36において一点鎖線で示す領域は、変形例5において使用されるレジストパターンの開口領域OP4である。
【0170】
図36に示されるように、変形例4と同様に、孔CH2は、複数の置換領域RRと連結領域CRとを有するが、変形例4と異なり、Y方向において、変形例5の連結領域CRの幅が、変形例4の連結領域CRの幅よりも小さい。図36では、X方向における置換領域RRの幅をW1で示し、Y方向における連結領域CRの幅をW2で示している。ここで、幅W2は、幅W1の1/2よりも小さい。
【0171】
このため、連結領域CR内には、ダミー部材D4のみが埋め込まれている。ダミー部材D4は、ダミーパターンDPの一部であり、ダミー部材D1およびダミー部材D2と一体化しており、ダミー部材D1およびダミー部材D2と同じ導電性膜FDによって形成されている。すなわち、連結領域CRの幅が狭いため、図17の工程で、連結領域CR内に形成された導電性膜FDは、異方性エッチング処理によって加工されるが、連結領域CR内を埋め込むように、ダミー部材D4として残される。従って、図18および図19の工程で、連結領域CR内に、絶縁膜SN3およびダミー部材D3が形成されない。
【0172】
その後、連結領域CR内のダミー部材D4が除去され、変形例4と同様に、連結領域CR内に層間絶縁膜IL3が埋め込まれる。
【0173】
変形例4では、連結領域CR内に、ダミーパターンDPを構成するダミー部材D1、ダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3が形成されていた。これに対して、変形例5では、連結領域CR内に、ダミー部材D4のみが形成されているため、ダミー部材D4をエッチング処理によって除去することが容易である。
【0174】
また、変形例5に開示した技術を、上述の変形例1~3に適用することもできる。
【0175】
(変形例6)
以下に、実施の形態1の変形例6の半導体装置を、図37を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0176】
変形例6では、メモリセルMCの端部の構造として、メモリゲート電極MGの給電領域MSR、および、制御ゲート電極CGの給電領域CSRについて説明する。
【0177】
図37は、図19および図20の製造工程が完了した時点での平面図を示しており、一点鎖線で示す領域は、図21で形成されるレジストパターンRP2の開口領域OP5である。また、二点鎖線で示す領域は、図24で形成されるレジストパターンRP3の開口領域OP6である。また、図37には、後の工程で、給電領域MSRにおいてメモリゲート電極MGに接続されるプラグPG3、および、給電領域CSRにおいて制御ゲート電極CGに接続されるプラグPG3を、便宜上、破線で示している。
【0178】
図37に示されるように、孔CH2は、置換領域RR、給電領域MSRおよび給電領域CSRを有する。置換領域RRは、実施の形態1において説明した孔CH2と同じであり、Y方向に延在している。すなわち、置換領域RRは、後の工程で、ダミーパターンDPであるダミー部材D1、ダミー部材D2、ダミー部材D3および絶縁膜SN3が除去される領域であり、メモリゲート電極MG、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2に置換される領域である。
【0179】
給電領域MSRは、メモリセルMCの一方の端部において、Y方向に延在し、置換領域RRと一体化しており、後の工程でメモリゲート電極MGにプラグPG3が形成される領域である。
【0180】
給電領域CSRは、メモリセルMCの他方の端部において、Y方向に延在し、置換領域RRと一体化しており、後の工程で制御ゲート電極CGにプラグPG3が形成される領域である。
【0181】
また、Y方向において、給電領域MSRと給電領域CSRとは、互いにメモリセルMCの反対側の端部に形成されている。すなわち、Y方向において、給電領域MSRに形成されるプラグPG3は、複数のフィンFAに対して、給電領域CSRに形成されるプラグPG3と反対側に形成されている。
【0182】
図37では、X方向における置換領域RRの幅をW1で示し、X方向における給電領域MSRの幅および給電領域CSRの幅を、それぞれW3で示している。言い換えれば、メモリセルMCの主要部となるフィンFAの上面における孔CH2の幅がW1であり、後の工程でプラグPG3が形成される領域における孔CH2の幅がW3である。ここで、幅W3は、幅W1の1/2よりも小さい。
【0183】
このため、給電領域MSR内には、ダミー部材D5のみが埋め込まれており、給電領域CSR内には、ダミー部材D6のみが埋め込まれている。ダミー部材D5およびダミー部材D6は、ダミーパターンDPの一部であり、ダミー部材D1およびダミー部材D2と一体化しており、ダミー部材D1およびダミー部材D2と同じ導電性膜FDによって形成されている。すなわち、給電領域MSRおよび給電領域CSRの幅W3が狭いため、図17の工程で、給電領域MSRおよび給電領域CSR内に形成された導電性膜FDは、異方性エッチング処理によって加工されるが、給電領域MSR内および給電領域CSR内を埋め込むように、それぞれダミー部材D5およびダミー部材D6として残される。従って、図18および図19の工程で、給電領域MSR内および給電領域CSR内に、絶縁膜SN3およびダミー部材D3が形成されない。このため、給電領域MSR内および給電領域CSR内に、それぞれダミー部材D5およびダミー部材D6のみが形成されているため、ダミー部材D5およびダミー部材D6をエッチング処理によって除去することが容易である。
【0184】
以下に、変形例6の製造工程を、図37に加えて、図21図23図24および図25を参照しながら説明する。
【0185】
図21の工程で、開口領域OP5内において、ダミーパターンDPであるダミー部材D1およびダミー部材D5が除去される。図23の工程で、開口領域OP5内のダミーパターンDP(ダミー部材D1およびダミー部材D5)が除去された領域に、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1が形成される。すなわち、置換領域RRの一部および給電領域MSRに形成されていたダミーパターンDP(ダミー部材D1およびダミー部材D5)が、メモリゲート電極MGおよびゲート絶縁膜GF1に置換される。
【0186】
また、図24の工程で、開口領域OP6において、ダミーパターンDPであるダミー部材D2、ダミー部材D3、ダミー部材D6および絶縁膜SN3が除去される。図25の工程で、開口領域OP6内のダミーパターンDP(ダミー部材D2、ダミー部材D3、ダミー部材D6および絶縁膜SN3)が除去された領域に、制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2が形成される。すなわち、置換領域RRおよび給電領域CSRに残されていたダミーパターンDP(ダミー部材D2、ダミー部材D3、ダミー部材D6および絶縁膜SN3)が、制御ゲート電極CGおよびゲート絶縁膜GF2に置換される。
【0187】
その後、図3および図4の製造工程で説明したように、給電領域MSRのメモリゲート電極MG上にプラグPG3が形成され、給電領域CSRの制御ゲート電極CG上にプラグPG3が形成される。
【0188】
また、変形例6に開示した技術を、上述の変形例1~3に適用することもできる。
【0189】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2の半導体装置を、図38および図39を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0190】
実施の形態1では、図16で説明したように、フィンFAと層間絶縁膜IL1との間に形成された、n型の不純物が導入された絶縁膜SO3から、フィンFAへ不純物を拡散させることで、フィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成していた。
【0191】
実施の形態2では、他の方法を用いて、フィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成する。
【0192】
図38および図39は、図1に示されるA-A線およびD-D線に沿った断面図である。図38は、実施の形態1の図25に続く製造工程を示している。なお、実施の形態2では、フィンFAと層間絶縁膜IL1との間に絶縁膜SO3を形成せず、図16の熱処理工程を省略したものとして説明する。
【0193】
まず、図38に示されるように、ドライエッチング処理およびウェットエッチング処理を用いて、層間絶縁膜IL1、絶縁膜SN1および絶縁膜SO1を除去する。これにより、メモリゲート電極MG、制御ゲート電極CG、ゲート絶縁膜GF1およびゲート絶縁膜GF2が形成されていない領域において、フィンFAの上面および側面が露出される。
【0194】
次に、図39に示されるように、フィンFAに接するように、例えばCVD法によって、n型の不純物が導入された絶縁膜SO5を形成する。次に、800~950℃程度の熱処理を行うことで、絶縁膜SO5に含まれていたn型の不純物が、フィンFA中へ拡散され、活性化される。この拡散したn型の不純物により、フィンFAに拡散領域MDが形成される。なお、図示はしていないが、拡散領域MSも拡散領域MDと同様に形成される。
【0195】
その後、絶縁膜SO5上に、例えばCVD法によって、例えば酸化シリコン膜を形成し、この酸化シリコン膜と絶縁膜SO5とをCMP法によって研磨することで、拡散領域MD上および拡散領域MS上に、層間絶縁膜IL1に対応する絶縁膜が形成される。その後の製造工程は、実施の形態1の図26以降と同様である。
【0196】
このように、実施の形態2では、実施の形態1の図16の工程以外の工程によって、フィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成することができる。
【0197】
また、実施の形態1のように、n型の不純物が導入された絶縁膜SO3を用いて、図16の工程によってフィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成し、更に、実施の形態2の手法を用いて、拡散領域MDおよび拡散領域MSを高濃度化させてもよい。このような手法は、図16の工程によって形成される拡散領域MDおよび拡散領域MSの不純物濃度が十分でなかった場合などに有効である。
【0198】
また、実施の形態2に開示した技術を、上述の変形例1~6に適用することもできる。
【0199】
(変形例7)
以下に、変形例7の半導体装置を、図40を用いて説明する。また、以下の説明では、実施の形態2との相違点を主に説明する。
【0200】
実施の形態2では、図39で説明したように、n型の不純物が導入された絶縁膜SO5から、フィンFAへ不純物を拡散させることで、フィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成していた。
【0201】
変形例7では、イオン注入法を用いて、フィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成する。
【0202】
図40は、図1に示されるA-A線およびD-D線に沿った断面図であり、実施の形態2の図38に続く製造工程を示している。
【0203】
図40に示されるように、露出されたフィンFAに対してイオン注入を行うことで、フィンFAに拡散領域MDが形成される。D-D断面に示されるように、このイオン注入は、フィンFAの延在方向と直交する方向(Y方向)において、半導体基板SBに対する垂線から、10~45°程度の角度θを傾けた方向から行われる。これにより、フィンFAの上面だけでなく、フィンFAの側面からもイオンが導入されるので、フィンFA内において比較的均一な不純物濃度を有するように、拡散領域MDが形成される。なお、図示はしていないが、拡散領域MSも拡散領域MDと同様に形成される。次に、700~1050℃程度の熱処理を施すことで、拡散領域MDおよび拡散領域MSに含まれる不純物を拡散させ、活性化させる。その後の製造工程は、実施の形態2と同様である。
【0204】
また、実施の形態2と同様に、実施の形態1の絶縁膜SO3を用いて、図16の工程によってフィンFAに拡散領域MDおよび拡散領域MSを形成し、更に、変形例7の手法を用いて、拡散領域MDおよび拡散領域MSを高濃度化させてもよい。
【0205】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0206】
CF1、CF2 導電性膜
CG 制御ゲート電極
CH1~CH5 孔
CR 連結領域
CSL 電荷蓄積層
CSR 給電領域
D1~D6 ダミー部材
DP ダミーパターン
FA フィン
FD 導電性膜
GF1、GF2 ゲート絶縁膜
IL1~IL3 層間絶縁膜
MC メモリセル
MCa 選択メモリセル
MD 拡散領域
MG メモリゲート電極
MS 拡散領域
MSR 給電領域
OP1~OP6 開口領域
PG1~PG3 プラグ
PW ウェル領域
RP1~RP5 レジストパターン
RR 置換領域
SB 半導体基板
SN1~SN3 絶縁膜
SO1~SO7 絶縁膜
STI 素子分離部
W1~W3 幅
X1、X2 絶縁膜
図1
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