(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】絶縁された格子マット
(51)【国際特許分類】
H01B 17/56 20060101AFI20220405BHJP
H01B 3/47 20060101ALI20220405BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20220405BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01B17/56 H
H01B17/56 A
H01B3/47
E04G21/32 A
H02G1/06
(21)【出願番号】P 2018541579
(86)(22)【出願日】2016-11-04
(86)【国際出願番号】 GB2016053439
(87)【国際公開番号】W WO2017077323
(87)【国際公開日】2017-05-11
【審査請求日】2019-10-21
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520262294
【氏名又は名称】オックスフォード セーフティ コンポーネンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,ジョン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,ロバート・ディビッド
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06748715(US,B1)
【文献】特開平02-134232(JP,A)
【文献】特開平11-018909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 17/56
H01B 3/47
E04G 21/32
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な管状部材
の第1のアレイと、
平行な管状部材
の第2のアレイであって、前記第2のアレイの平行な管状部材の各々が前記第1のアレイの複数の平行な管状部材と枢動可能に接続され、それによって格子を形成する
、平行な管状部材
の第2のアレイとを含む、作業プラットフォーム
のため
の格子であって、
前記管状部材の各々は、
前記格子が電気的に絶縁されるようにガラス繊維補強ポリマーから形成され、
前記ガラス繊維補強ポリマーの第1の繊維のセット
(set)は
、実質的に平行で、第1の方向に位置合わせされており、第1の繊維のセットとは異なる前記ガラス繊維補強ポリマーの第2の繊維のセット
(set)は、実質的に平行で、前記第1の方向とは異なる第2の方向に位置合わせされて
おり、前記管状部材を形成する異なる方向に延びる平行の繊維の前記セット(sets)は、前記管状部材が支持用格子として使用されるのに十分な強度であることを保証する、
作業プラットフォームのための格子。
【請求項2】
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイが、リベットによって枢動可能に接続された、請求項1に記載
の格子。
【請求項3】
前記第2の方向が、前記第1の方向と実質的に直交した、請求項1または2に記載
の格子。
【請求項4】
前記第1の方向が、軸方向または軸方向に対して概ね45°の方向のうちの1つである、請求項3に記載
の格子。
【請求項5】
各管状部材が実質的に矩形の断面を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載
の格子。
【請求項6】
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイのうちの少なくとも一方に、少なくとも1つのそれぞれの把持面が提供された、請求項1~5のいずれか1項に記載
の格子。
【請求項7】
前記それぞれの把持面が、前記第1のアレイまたは前記第2のアレイのうちの、少なくとも一方の部材に取り付けられたそれぞれの把持部材に提供された、請求項6に記載
の格子。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載され
た格子を形成するための部品のキットであって、
平行な管状部材
の第1のアレイ、およ
び平行な管状部材
の第2のアレイを形成するために構成された、複数の管状部材と、
前記平行な管状部材
の第1のアレイを前記平行な管状部材
の第2のアレイに枢動可能に接続するための、複数の枢動可能な締め具と、を含
み、
前記管状部材の各々は、前記格子が電気的に絶縁されるようにガラス繊維補強ポリマーで形成され、
前記ガラス繊維補強ポリマーの第1の繊維のセット(set)は、実質的に平行で、第1の方向に位置合わせされており、第1の繊維のセットとは異なる前記ガラス繊維補強ポリマーの第2の繊維のセット(set)は、実質的に平行で、前記第1の方向とは異なる第2の方向に位置合わせされており、前記管状部材を形成する異なる方向に延びる平行の繊維の前記セット(sets)は、前記管状部材が支持用格子として使用されるのに十分な強度であることを保証する、部品のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に絶縁された格子マットに関する。
【背景技術】
【0002】
格子マットは、平行な管状部材の第1のアレイと、平行な管状部材の第2のアレイとを含み、第2のアレイの平行な管状部材の各々は、第1のアレイの複数の平行な管状部材と枢動可能に接続され、それによって格子を形成する。格子マットは、安全な作業プラットフォームを提供し、空洞を介して屋根裏から落下するのを防ぐために使用することができる。特に、格子マットはコンパクトな構成で輸送することができ、現場で広げて、まばらな間隔の支持部材に架けて作業プラットフォームを提供することができる。いくつかの例において、格子マットは、床板が存在しない小梁または垂木に支持される、安全な作業プラットフォームを提供するために使用される。格子マットは、検査作業、メンテナンス、配管、または空中での装備作業など、様々な作業を実行するための安全な作業プラットフォームを提供する。
【0003】
いくつかの例において、例えば格子マットが障害のある電気配線の上に配置された場合、不慮の感電の可能性を最小限に抑えるために、格子マットを電気的に絶縁することが有利となり得る。
【0004】
格子マットの管状部材の各々が、プラスチック絶縁材によって全体を囲まれたアルミニウム管から形成される格子マットを提供することが、知られている。このようにして、格子マットは、プラスチック絶縁材のために電気が格子マットの材料に流れないので、電気的に絶縁された格子マットであると考えることができる。
【0005】
残念ながら、使用と輸送を繰り返す間に、プラスチック絶縁材は損傷を受けることがある。このため、使用毎に予め格子マットの検査を実施する必要がある。絶縁材に損傷が見つかると、格子マットはもはや絶縁せず、新しいマットが必要となり得る。本開示は、従来技術の欠点の少なくともいくつかを克服する、電気的に絶縁された格子マットを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、以下の[1]から[9]を含む。
[1
]平行な管状部材
の第1のアレイと、
平行な管状部材
の第2のアレイであって、上記第2のアレイの平行な管状部材の各々が上記第1のアレイの複数の平行な管状部材と枢動可能に接続され、それによって格子を形成する
、平行な管状部材
の第2のアレイとを含む、電気的に絶縁された格子であって、
上記管状部材の各々は、ガラス繊維補強ポリマーから形成され、
上記ガラス繊維補強ポリマーの第1の繊維のセットは実質的に平行で、第1の方向に位置合わせされており、第1の繊維のセットとは異なる
、上記ガラス繊維補強ポリマーの第2の繊維のセットは、実質的に平行で、上記第1の方向とは異なる第2の方向に位置合わせされている、電気的に絶縁された格子。
[2]上記第1のアレイおよび上記第2のアレイが、リベットによって枢動可能に接続された、上記[1]に記載の電気的に絶縁された格子。
[3]上記第2の方向が、上記第1の方向と実質的に直交した、上記[1]または[2]に記載の電気的に絶縁された格子。
[4]上記第1の方向が、軸方向または軸方向に対して概ね45°の方向のうちの1つである、上記[3]に記載の電気的に絶縁された格子。
[5]各管状部材が実質的に矩形の断面を有する、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の電気的に絶縁された格子。
[6]上記第1のアレイおよび上記第2のアレイのうちの少なくとも一方に、少なくとも1つのそれぞれの把持面が提供された、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の電気的に絶縁された格子。
[7]上記それぞれの把持面が、上記第1のアレイまたは上記第2のアレイのうちの、少なくとも一方の部材に取り付けられたそれぞれの把持部材に提供された、上記[6]に記載の電気的に絶縁された格子。
[8]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載された、電気的に絶縁された格子を形成するための部品のキットであって、
平行な管状部材
の第1のアレイ、およ
び平行な管状部材
の第2のアレイを形成するために構成された、複数の管状部材と、
上
記平行な管状部材
の第1のアレイを上
記平行な管状部材
の第2のアレイに枢動可能に接続するための、複数の枢動可能な締め具と、を含む、部品のキット。
[9]
図1を参照して実質的に記載された、電気的に絶縁された格子。
本開示の態様によると
、平行な管状部材
の第1のアレイと
、平行な管状部材
の第2のアレイとを含む、電気的に絶縁された格子が提供される。第2のアレイの平行な管状部材の各々は、第1のアレイの複数の平行な管状部材と枢動可能に接続され、それによって格子を形成する。管状部材の各々は、ガラス繊維補強ポリマーから形成される。ガラス繊維補強ポリマーの第1の繊維のセットは実質的に平行で、第1の方向に位置合わせされ、ガラス繊維補強ポリマーの第1の繊維のセットとは異なる第2の繊維のセットは実質的に平行で、第1の方向とは異なる第2の方向に位置合わせされる。
【0007】
したがって、管状部材を形成する異なる方向に延びる平行の繊維のセットは、たとえ、平行な管状部材の第1のアレイを、平行な管状部材の第2のアレイに接続するための、枢動可能な締め具に対応する穴が、管状部材に形成されたとしても、管状部材が支持用格子として使用されるのに十分な強度であることを保証する。第1の方向に位置合わせされた繊維は、少なくとも部分的に、第2の方向に位置合わせされた繊維を互いに保持する役割を担うことになり、枢動可能な締め具に対応するために管状部材に画定された穴を原因とする割裂に対して、格子の抵抗を増加させる。ガラス繊維補強ポリマーは電気絶縁性材料であり、格子にいかなる損傷があろうとも、本質的に格子は電気的に絶縁される。
【0008】
第1のアレイおよび第2のアレイは、枢動可能な締め具によって枢動可能に接続されてよい。枢動可能な締め具は、リベットであってよい。いくつかの実施形態において、枢動可能な締め具は電気的に絶縁され得る。
【0009】
第2の方向は、第1の方向から角度的に60°離されてよい。この場合、絶縁された格子は第3の繊維のセットを含んでよい。第3の繊維のセットは実質的に平行で、第1および第2の方向とは異なる第3の方向に位置合わせされ、かつ第1および第2の方向の各々から角度的に60°離される。
【0010】
第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直交してよい。したがってこの構成で、第2の繊維のセットの実質的に全ての引張り強度は、第1の繊維のセットの割裂に抵抗する役割を担うことができる。第1の方向は軸方向であってよい。第1の方向は、軸方向に対して概ね45°であってもよい。
【0011】
各管状部材は、実質的に矩形の断面を有し得る。一実施形態において、矩形の断面は方形断面である。いくつかの実施形態において、各管状部材は丸みが付いた角を有する断面であってよい。
【0012】
第1のアレイおよび第2のアレイのうちの少なくとも1つには、少なくとも1つの把持面がそれぞれ提供されてよい。
【0013】
把持面は、格子の外面に提供されてよい。把持面は、その上で格子が支持される1つの対象物または複数の対象物を把持できるよう、または格子によって支持される人または対象物に把持力をもたらすために、格子の一方の外側に提供されてよい。格子は両面仕立て、または片面であってよく、したがって、少なくとも1つの把持面が一方の側のみに提供される場合、把持面は配置されるときに常に格子の上面であるか、または配置されるときに常に格子の底面である。いくつかの実施形態において、格子には2つの外面に把持面が提供されてよい。
【0014】
それぞれの把持面は、第1のアレイまたは第2のアレイのうちの少なくとも一方の管状部材に取り付けられた、それぞれの把持部材上に提供されてよい。把持部材は接着剤で取り付けられてもよい。したがって管状部材は、管状部材と一体で形成された把持面を有するように製造される必要はなく、製造の複雑さおよびコストを低減する。
【0015】
本開示は、絶縁された格子を形成するための部品のキットに及ぶ。部品のキットは、平行な管状部材の第1のアレイおよび平行な管状部材の第2のアレイを形成するよう構成された複数の管状部材、ならびに、平行な管状部材の第1のアレイを平行な管状部材の第2のアレイに枢動可能に接続するための、複数の枢動可能な締め具を含む。
【0016】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照してさらに以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本開示による、電気的に絶縁された格子マットの管状部材の断面図である。
【
図3】本開示による、管状部材の繊維構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、格子マット1の平面図である。格子マット1は
、平行な管状部材2
の第1のアレイ、およ
び平行な管状部材4
の第2のアレイを含む。第1のアレイの管状部材2の各々は、第1アレイの管状部材2と交差する第2のアレイの任意の平行な管状部材4と、枢動点として機能するリベット6によって枢動可能に接続される。格子マット1は
、平行な管状部材2
の第1のアレイが平行な管状部材4
の第2のアレイに対して実質的に垂直に配置された、広げられた構成で示されている。この図から
、平行な管状部材2
の第1のアレイが
、平行な管状部材4
の第2のアレイの上に提供されていることが理解されよう。従来技術の格子マットのように、このマットは、格子マット1を水平または垂直に押し詰めることによって、輸送可能な構成となるよう折り畳むことができる。どちらの場合も
、平行な管状部材2
の第1のアレイおよ
び平行な管状部材4
の第2のアレイの部材の各々の方向は、より接近させて位置合わせされることになる。多くの格子マットにおいて、第2のアレイの平行な管状部材の各々は、第1のアレイの複数の平行な管状部材と枢動可能に接続され、それによって格子を構成する。
【0019】
格子マット1は、従来技術の格子マットと概ね同様の大きさに作られる。現在説明している実施形態において、展開した構成の格子マットは、概ね2メートルの長さ、および概ね0.95メートルの幅を有する。代替の格子マットは、概ね2メートルの長さ、および概ね0.8メートルの幅で作ることができる。他のサイズのマットが、異なる数の管状部材2、4、および異なる外形サイズの管状部材を用いて、容易に形成され得ることを理解されたい。
【0020】
図2は、本開示による、電気的に絶縁された格子マットの管状部材の断面図である。管状部材10は実質的に方形断面で、A側の長さはB側の長さと同一である。A(したがってB)の長さは15ミリメートルである。B側の壁厚TはA側の壁厚T2と同一で、2ミリメートルである。実質的に方形断面は、丸みが付いた角を有する。管状部材10の内側の曲率半径R1は2ミリメートルである。管状部材10の外側の曲率半径R2もまた2ミリメートルである。示されるように、従来技術の絶縁された格子マットとは異なり、管状部材10は単一片として形成される。管状部材10の全ての部品は絶縁性である。なぜなら管状部材10は、ガラス繊維補強ポリマーから形成されるからである。ガラス繊維補強ポリマーは、本明細書で開示された電気的に絶縁された格子マットが使用されることになる環境において用いられる電圧を、実質的に絶縁する。管状部材10は、この特定の実施形態において中空である。
【0021】
上述した管状部材10は方形断面を有しているが、必要な強度および構造剛性をもたらす任意の断面を用いることができることを理解されたい。
【0022】
図3は、本開示による、ガラス繊維補強ポリマーの管状部材内の繊維構造を示す図である。管状部材20は複数の層から形成され、各層は下の層の上に被さる。各層は、複数の平行なガラス繊維を含む。隣接する層のガラス繊維は異なる方向を向き、この場合は互いに直交している。全ての層は、ガラス繊維を所定の位置に保持するポリマーマトリックス内に位置する。最も内側の層22は複数のガラス繊維を含み、各ガラス繊維は管状部材20の軸方向と位置合わせされる軸方向に延びる。軸方向は、管に沿った方向と称されることもある。軸方向に延びる繊維は、長さ方向に必要な引張り強度および剛性を合成構造にもたらす。別の層24は第2の複数のガラス繊維を含み、各ガラス繊維は周方向に延び、軸方向に対して垂直の、管周り方向とも称される。交差する繊維は、長さ方向の繊維を共に保持する役割を担い、交差する繊維が長さ方向の繊維と直交するため、長さ方向の繊維が割裂するのを防止する。交差する繊維の層を用いることによって、管状部材20の最大曲げ強度は増加する。
図1に示される電気的に絶縁された格子マットにおいて、管状部材は、リベットの形態の枢動可能な締め具を使用して、共に枢動可能に接続される。リベットの形態の枢動可能な締め具を受け入れるために管状部材に穴が設けられるとき、交差する繊維は、管状部材が割裂しないことを保証する。管状部材20の全体構造は、不織または織物表面によって保護される。管状部材20の1つまたは複数の側に用いられるポリマーマトリクスの量を変えることによって、表面の最終的なテクスチャを改変することができる。例えば、使用するポリマーマトリクスを少なくすると(またはガラス繊維を多くすると)、より多くのガラス繊維が表面に露出して、より粗面のテクスチャを作り出す。粗面のテクスチャは、1つまたは複数の把持面が提供され得る、電気的に絶縁された格子を作り出すのが望ましい場合に有用である。
【0023】
代替のアプローチは、管状部材に取り付けられる把持部材を伴う把持面を、管状部材に提供することである。把持部材は、管状部材に接着剤で取り付けることができる。格子が支持される1つの対象物または複数の対象物に対して把持力を提供するために好適な、格子上の把持面を提供するため、または格子によって支持される人または対象物に把持力を提供するために、他の方法が用いられ得ることを理解されたい。
【0024】
図3では、互いに直交するよう方向付けられた層が示されているが、角度的に90°とは異なる角度で離して方向付けられた繊維の層もまた、管状部材に穴が形成されたときに、管状部材の割裂に対する抵抗を増加させる利益をもたらし得ることを理解されたい。通常、第1の方向に方向付けられた繊維は、ガラス繊維の比較的高い引張り強度によって、第1の方向とは異なる第2の方向に方向付けられた繊維に対して、筋交い効果を有する。
【0025】
図3では、軸方向に方向付けられた少なくとも1つの層、および周方向に方向付けられた少なくとも1つの他の層が示されるが、いくつかの構成では、層は異なる方向に方向付けられてよく、さらに層は相互に横切る配置で方向付けられることを理解されたい。例えば一実施形態において、第1の層の繊維は、管状部材の軸方向に対して概ね45°の角度で位置合わせされ、それによって管状部材の周りを軸方向および周方向の両方に広がる。第2の層の繊維も管状部材の軸方向に対して反対方向に概ね45°の角度で方向付けられ、それによって第1の層の繊維と直交して広がり、かつ管状部材の周りを軸方向および周方向の両方に広がる。
【0026】
各層が下の層の上に被さるように記載されたが、代わりに層が互いに編まれ、それによって互いに直交する繊維を有する織物を形成してもよいことを理解されたい。
【0027】
管状部材20が、円形断面を有する円筒形状として示されるが、同じ原則が、他の断面形状、特に方形または矩形に適用されることを理解されたい。
【0028】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体で、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という単語、ならびにそれらの変形は、「含むが限定しない」を意味し、それらは他の構成要素または整数を除外すること(および除外しないこと)を意図しない。本明細書の説明および特許請求の範囲の全体で、文脈が別途要求しない限り、単数形は複数を含包する。特に不定冠詞が使用される場合、文脈が別途要求しない限り、本明細書では単数と同様に複数も企図するものと理解すべきである。
【0029】
本発明の詳細な態様、実施形態、または例と共に説明された特徴、整数、特性、または群は、それらの中で矛盾しない限り、本明細書で説明した任意の他の態様、実施形態、または例に適用可能であることを理解すべきである。本明細書で開示した特徴の全て(添付の特許請求、要約書、および図面の全てを含む)は、少なくともいくつかのこのような特徴が互いに排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせに複合され得る。本発明は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面の全てを含む)で開示された特徴の、任意の新規の物または任意の新規の組み合わせに及ぶ。
【符号の説明】
【0030】
1 格子マット
2 管状部材
4 管状部材
6 リベット
10 管状部材
20 管状部材
22 最も内側の層
24 別の層
26
A 長さ
B 長さ
R1 内側の曲率半径
R2 外側の曲率半径
T B側の壁厚
T2 A側の壁厚