(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】GLP-1誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 14/605 20060101AFI20220405BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220405BHJP
A61P 3/08 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220405BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220405BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/08 20060101ALI20220405BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20220405BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20220405BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220405BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220405BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220405BHJP
A61P 5/50 20060101ALI20220405BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20220405BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220405BHJP
A61P 11/16 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20220405BHJP
A61P 25/36 20060101ALI20220405BHJP
A61K 38/26 20060101ALI20220405BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220405BHJP
C12N 15/16 20060101ALN20220405BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20220405BHJP
【FI】
C07K14/605 ZNA
C12P21/02 C
A61P3/10
A61P3/08
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/00
A61P3/04
A61P1/00
A61P19/02
A61P13/02
A61P9/00
A61P25/02
A61P13/12
A61P9/10
A61P27/02
A61P3/06
A61P9/10 101
A61P9/04
A61P9/06
A61P9/02
A61P9/08
A61P1/04
A61P1/14
A61P29/00
A61P17/06
A61P29/00 101
A61P37/02
A61P31/04
A61P5/50
A61P3/00
A61P15/08
A61P11/00
A61P11/16
A61P25/30
A61P25/32
A61P25/36
A61K38/26
A61P9/12
C12N15/16
C12N15/63 Z
(21)【出願番号】P 2018545900
(86)(22)【出願日】2017-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2017054895
(87)【国際公開番号】W WO2017149070
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2020-02-25
(32)【優先日】2016-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ・コフォード
(72)【発明者】
【氏名】ヤノス・ティボル・コドラ
(72)【発明者】
【氏名】ラース・リンデロート
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ウィリアム・ガリバイ
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101255191(CN,A)
【文献】特表2014-511870(JP,A)
【文献】特表2016-523243(JP,A)
【文献】MANANDHAR, B. et al.,Glucagon-like Peptide-1 (GLP-1) Analogs: Recent Advances, New Possibilities, and Therapeutic Implications,J. Med. Chem.,2015年,Vol.58, No.3,P.1020-1037
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K C12P A61P A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
(P-L)
U-B-GLP1
[式中、
- GLP1は、式II:
Xaa
7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa
12-Thr-Ser-Asp-Xaa
16-Ser-Xaa
18-Xaa
19-Xaa
20-Glu-Xaa
22-Xaa
23-Ala-Xaa
25-Xaa
26-Xaa
27-Phe-Ile-Xaa
30-Xaa
31-Leu-Xaa
33-Xaa
34-Xaa
35-Xaa
36-Xaa
37-Xaa
38-Xaa
39-Xaa
40-Xaa
41-Xaa
42、
(式中、
Xaa
7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、N
α-アセチル-ヒスチジン、N
α-ホルミル-ヒスチジン、N
α-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa
12は、Phe又はLeuであり;
Xaa
16は、Val又はLeuであり;
Xaa
18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa
19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa
20は、Leu又はMetであり;
Xaa
22は、Gly又はGluであり;
Xaa
23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa
25は、Ala又はValであり;
Xaa
26は、Arg又はLysであり;
Xaa
27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa
30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa
31は、Trp又はHisであり;
Xaa
33は、Valであり;
Xaa
34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa
35は、Gly又はAlaであり;
Xaa
36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa
37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa
38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa
39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa
40は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa
41は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa
42は、Lysであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa
37、Xaa
38、Xaa
39、Xaa
40、Xaa
41、又はXaa
42のうちの1つが存在しない場合、それぞれの後続のアミノ酸残基も存在せず;
ただし、Xaa
26、Xaa
27、Xaa
36、Xaa
37、Xaa
38、又はXaa
42のうちの少なくとも1つはLysである)
を有するGLP-1類似体であり、
- (P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、
- Uは、化合物における置換基(P-L)の数を表し、1又は2であり、ここで、各置換基(P-L)は、
(i)Chem.10、Chem.11、Chem.12、Chem.13、及びChem.14:
Chem.10:
【化1】
Chem.11:
【化2】
Chem.12:
【化3】
Chem.13:
【化4】
Chem.14:
【化5】
から選択される延長部分(P)と、
(ii)Chem.15、Chem.16、Chem.17、及びChem.18:
Chem.15:
【化6】
Chem.16:
【化7】
Chem.17:
【化8】
Chem.18:
【化9】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)とを含み、
ここで、
Rは、-COOHであり;
s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;
n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;
k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表し;
(iii)分岐基(B)は、存在する場合、BL-PL又はBLであり、
ここで、BLは、Chem.19及びChem.20:
Chem.19:
【化10】
Chem.20:
【化11】
から選択される分岐リンカー(BL)であり、
ここで、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、各wは、0~2の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数であり、
PLは、Chem.16:
【化12】
であるプレリンカーであり、
ここで、k及びlのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表す]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項2】
式Ia: (P-L)-GLP1
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項3】
式Ib: (P-L)
2-GLP1
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項4】
式Ic: (P-L)
2>BL-PL-GLP1
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項5】
式Id: (P-L)
2>BL-GLP1
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項6】
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 21:
【化13】
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 22:
【化14】
N{イプシロン-27}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly、
Chem. 23:
【化15】
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 24:
【化16】
N{イプシロン-26}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 25:
【化17】
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 26:
【化18】
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 27:
【化19】
N{アルファ}([Trp8,Glu22,Arg26,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル)-N{イプシロン}[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]Lys-Gly-Gly-Ser-N{イプシロン}[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]Lys、
Chem. 28:
【化20】
N{イプシロン-37}-[(2S)-2,6-ビス[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ヘキサノイル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 29:
【化21】
N{アルファ}([Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Pro37]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル)-N{イプシロン}[2-[ビス[3-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]プロピル]アミノ]アセチル]Lys、
Chem. 30:
【化22】
N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(2S)-2,6-ビス[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ヘキサノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 31:
【化23】
N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[ビス[3-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]プロピル]アミノ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
及び
Chem. 32:
【化24】
から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【請求項7】
式IIを有するGLP-1類似体を組換えによって製造する工程を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物を調製する方法。
【請求項8】
GLP-1類似体が、GLP-1活性を有し、DPP-IV安定化されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
組換えによって製造されたGLP-1類似体を精製する工程を更に含む、請求項7~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
GLP-1類似体のLys残基に置換基を結合させ、得られるGLP-1化合物を精製する工程を更に含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬。
【請求項13】
(i)糖尿病の全ての形態の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行の遅延若しくは予防
、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害の予防及び/又は処置;
(v)摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善;
(viii)心臓血管疾患の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下;
(ix)胃腸疾患及び/又は炎症の予防及び/又は処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用の予防及び/又は処置
に使用される、請求項12に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の誘導体及び類似体、それらの調製、並びにそれらの薬学的使用に関する。本発明のGLP-1類似体及び誘導体は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有する。本発明の誘導体は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した1つ又は2つの置換基(P-L)を有し、ここで、Pは延長部分であり、Lはリンカーである。
【0002】
配列表の参照による組込み
配列表は、21084バイトであり、2017年2月28日に作成されたものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
中国特許第101255191(A)号では、いくつかのGLP-1類似体及びそれらのマイクロ波促進固相合成方法、例えば、実施例3においては、配列表の配列番号4であるTrp8-GLP-1(7~36)アミドが開示されている。
【0004】
様々なGLP-1類似体の1つ又は2つのLys残基に結合した2つの置換基を有するGLP-1誘導体が、例えば、WO2012/140117A1及びWO2014/202727A1(それぞれ、分岐基を有さない及び有する)において開示されている。
【0005】
Rolf MentleinによるRegulatory Peptides、85巻(1999)、9~24頁は、調節ペプチドの不活性化におけるジペプチジル-ペプチダーゼIV(CD26)の役割の概説である。
【0006】
DeaconらによるDiabetologia、41巻(1998)、271~278頁では、拡大した代謝安定性及び向上した生物学的活性を有するGLP-1のジペプチジルペプチダーゼIV抵抗性類似体について説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第101255191(A)号
【文献】WO2012/140117(A1)
【文献】WO2014/202727(A1)
【文献】WO2009/030738
【文献】WO2009/083549(A1)
【文献】WO2008/145728
【文献】WO2012/080471
【文献】WO2013/139694
【文献】WO2000/050012
【文献】WO2010102886(A1)
【文献】WO2015/155151
【文献】WO2006/097537
【文献】WO2011/080103
【文献】WO98/08871
【文献】WO2015/000942
【文献】WO2016/083499
【文献】WO2016/097108
【文献】WO2013/098191
【非特許文献】
【0008】
【文献】Rolf MentleinによるRegulatory Peptides vol. 85 (1999), p. 9-24
【文献】DeaconらによるDiabetologia vol.41 (1998), p. 271-278)
【文献】「Principles of Biochemistry」、AL Lehninger、DL Nelson、MM Cox、第2版、Worth Publishers、1993、763頁
【文献】Needleman, S.B.及びWunsch, C.D.、(1970)、Journal of Molecular Biology、48:443~453頁
【文献】「Optimal Alignments in Linear Space」CABIOS (computer applications in the biosciences) (1988) 4:11~17頁、Myers及びW. Miller
【文献】Journal of Biomolecular Screening 2007、12巻、240~247頁、Poulsen及びJensen
【文献】Johan Gabrielsson及びDaniel Weiner: Pharmacokinetics and Pharmacodynamic Data Analysis. Concepts & Applications、第3版、Swedish Pharmaceutical Press、Stockholm (2000)
【文献】Rowland, M及びTozer TN: Clinical Pharmacokinetics: Concepts and Applications、第3版、1995 Williams Wilkins
【文献】Greene及びWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999
【文献】Florencio Zaragoza Dorwald、「Organic Synthesis on solid Phase」、Wiley-VCH Verlag GmbH、2000
【文献】「Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis」、W.C. Chan及びP.D. White編、Oxford University Press、2000
【文献】Chemical Society Reviews,vol.33,no.7 (2004)
【文献】Remington: The Science and Practice of Pharmacy
【文献】W.R. Sampson (1999)、J. Pep. Sci. 5、403
【文献】GlaesnerらによるDiabetes/Metabolism Research and Reviews,2010,vol.26,p.287-296
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有する、GLP-1類似体及び誘導体に関する。本発明の誘導体は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した1つ又は2つの置換基(P-L)を有し、ここで、Pは延長部分であり、Lはリンカーである。
【0010】
より詳細には、本発明は、式I:
(P-L)U-B-GLP1、[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2であり、ここで、各置換基(P-L)は、
(i)
Chem.10:
【0011】
【0012】
Chem.11:
【0013】
【0014】
Chem.12:
【0015】
【0016】
Chem.13:
【0017】
【0018】
Chem.14:
【0019】
【0020】
から選択される延長部分(P)と、
(ii)
Chem.15:
【0021】
【0022】
Chem.16:
【0023】
【0024】
Chem.17:
【0025】
【0026】
Chem.18:
【0027】
【0028】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)とを含み、
【0029】
ここで、Rは-COOHであり;s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表し;
(iii)分岐基(B)が、存在する場合、
Chem.19:
【0030】
【0031】
Chem.20:
【0032】
【0033】
から選択される分岐リンカー(BL)を含み、
ここで、u及びvが、独立して、0~5の範囲の整数を表し、各wが、0~2の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数である]
の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルに関する。
【0034】
本発明は更に、構造式がChem.番号21~32として本明細書に含められるいくつかの特異的なGLP-1誘導体、並びにそれらの薬学的に許容される塩、アミド、及びエステルにも関する。
【0035】
更に、本発明は、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、又は配列番号20を含むいくつかの特異的なGLP-1類似体、並びにそれらの薬学的に許容される塩、アミド、又はエステルに関する。
【0036】
本発明は更に、医薬組成物及びこれらの類似体及び誘導体の使用、並びに、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を組換えによって製造する工程を含む、それらの調製のための方法にも関する。
【0037】
天然のヒトGLP-1(7~37)のアミノ酸配列は、配列番号1として配列表に含まれている。配列番号4、5、7、9、11、15、16、18、及び20は、本発明の特異的なGLP-1類似体である。配列番号2~3、6、8、10、12、13、14、17、19、及び21は、比較GLP-1化合物の特異的なGLP-1類似体である。
【0038】
本発明の類似体及び誘導体は、驚くべきことに、DPP-IVによる分解に対して非常に安定である。
【0039】
更に又は或いは、本発明の類似体及び誘導体は、GLP-1受容体に結合することができる。
【0040】
更に又は或いは、本発明の類似体及び誘導体は、GLP-1受容体を活性化することができる。
【0041】
更に又は或いは、本発明の誘導体のペプチド部分は、完全組換えによって製造することができる。
【0042】
更に又は或いは、本発明の類似体及び誘導体は、インビボにおいて活性である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明のGLP-1誘導体のペプチド部分の組換えによる製造での使用にとって好適な酵母発現プラスミドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下において、ギリシャ文字は、それらの記号又は対応する表記名、例えば、α=アルファ;β=ベータ;ε=イプシロン;γ=ガンマ;δ=デルタ;ω=オメガ等によって表され得る。更に、μのギリシャ文字は、例えば、μl=ul又はμM=uMのように、「u」によって表され得る。
【0045】
化学式におけるアスタリスク(*)又は波線は、i)結合点、ii)ラジカル、及び/又はiii)非共有電子を示している。
【0046】
全ての立体活性リンカーエレメントは、D形態、L形態、D/L形態であり得るか、又はラセミ混合物であり得る。
【0047】
本明細書において使用される場合、「1つの(a)」という語は、一般的に、「1つ又は複数(one or more)」を意味する。例えば、本発明の誘導体(位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を含むように定義され、ここで、「1つの(a)」特定の置換基は、「1つの(a)」Lys残基に結合している)は、1つ又は複数のLys残基に結合した1つ又は複数の置換基を有し得る。
【0048】
本明細書において開示される任意の区間は、概して、閉じられており、すなわち、端点が含まれる。例えば、本発明のLys残基に結合した置換基における連続する-CH2-基の数は、8~20の範囲であり、これは、両方の境界値を含めた8から20を意味する。
【0049】
本明細書において特に明記されない限り、単数形を表す用語は、概して、複数の状況も含む。
【0050】
本発明は更に、誘導体、GLP-1類似体、調製方法、及び医薬組成物、並びに本明細書において開示される使用に関し、この場合、「含む(「comprises」及び「comprising」)」等のオープンエンド式の用語は、「からなる(「consists of」、「consisting of」)」等のクローズ式の用語で置き換えられる。
【0051】
第1の態様において、本発明は、式I:
(P-L)U-B-GLP1、[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2であり、ここで、各置換基(P-L)は、(i)
Chem.10:
【0052】
【0053】
Chem.11:
【0054】
【0055】
Chem.12:
【0056】
【0057】
Chem.13:
【0058】
【0059】
Chem.14:
【0060】
【0061】
から選択される延長部分(P)と、
(ii)
Chem.15:
【0062】
【0063】
Chem.16:
【0064】
【0065】
Chem.17:
【0066】
【0067】
Chem.18:
【0068】
【0069】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)とを含み、
ここで、
Rは、-COOHであり;s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表し;
(iii)分岐基(B)が、存在する場合、
Chem.19:
【0070】
【0071】
Chem.20:
【0072】
【0073】
から選択される分岐リンカー(BL)を含み、
ここで、u及びvが、独立して、0~5の範囲の整数を表し、各wが、0~2の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数である]
の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルに関する。
【0074】
本発明は更に、構造式がChem.番号21~32として本明細書に含められるいくつかの特異的なGLP-1誘導体、並びにそれらの薬学的に許容される塩、アミド、及びエステルにも関する。
【0075】
その第2の態様において、本発明は、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15のアミノ酸1~275、及び配列番号15、配列番号16、配列番号18、又は配列番号20から選択されるいくつかの特異的なGLP-1類似体、並びにそれらの薬学的に許容される塩、アミド、又はエステルに関する。
【0076】
その第3の態様において、本発明は、そのような誘導体又は類似体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0077】
その第4の態様において、本発明は、医薬として使用するためのそのような誘導体又は類似体に関する。いくつかの実施形態において、誘導体又は類似体は、(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/又はβ-細胞量の増加、並びに/或いはβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症(dyslipidemia)の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDL(small, dense LDL)の低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全(heart insufficiency)、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全(heart failure)、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、又はクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防又は軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置、における使用に関する。
【0078】
その第5の態様において、本発明は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を組換えによって製造する工程を含む、そのような類似体及び誘導体の調製のための方法に関する。
【0079】
GLP1受容体アゴニスト
受容体アゴニストは、受容体に結合して天然のリガンドに特有の応答を誘発する類似体として定義することができる。完全アゴニストは、天然のリガンドと同じ大きさの応答を誘発するものとして定義することができる(例えば、「Principles of Biochemistry」、AL Lehninger、DL Nelson、MM Cox、第2版、Worth Publishers、1993、763頁を参照されたい)。
【0080】
したがって、例えば、「GLP-1受容体アゴニスト」は、GLP-1受容体に結合することができ、それらを活性化することができる化合物として定義することができる。また、「完全」GLP-1受容体アゴニストは、天然のGLP-1と同様の大きさのGLP-1受容体応答を誘発することができるGLP-1受容体アゴニストとして定義することができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、GLP-1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、完全GLP-1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1誘導体は、GLP-1受容体アゴニストである。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1誘導体は、完全GLP-1受容体アゴニストである。
【0082】
構造的特徴
GLP-1ペプチド及び類似体
用語「GLP-1類似体」は、本明細書において使用される場合、ヒトグルカゴン様ペプチド-1[GLP-1(7~37)]の類似体(又は変異体)を意味し、その配列は、配列番号1として配列表に含まれている。配列番号1の配列を有するペプチドは、「天然の」GLP-1も指定され得る。
【0083】
本発明のGLP-1類似体は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有する。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、30から36のアミノ酸残基を有するGLP-1(7~37)の類似体である。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、任意選択によりアミノ酸リンカーを介して、別のタンパク質に融合している。いくつかの実施形態において、他のタンパク質は、IgG-Fcタンパク質である。
【0085】
本発明のGLP-1類似体におけるアミノ酸残基の付番(例えば、「位置8」)は、天然のGLP-1に対して、当技術分野における確立された慣習に従っており、すなわち、最初の(N-末端)アミノ酸残基は、7番の位置に付番されるか又は一致し、続くアミノ酸残基は、C末端に向かって下流に、8、9、10等のように最後の(C末端)アミノ酸残基まで付番される。天然のGLP-1において、C末端アミノ酸残基は、番号37を有するGlyである。
【0086】
付番は、配列表において異なって為され、ここで、配列番号1の最初のアミノ酸残基(His)は、1番が割り当てられ、最後(Gly)は31番が割り当てられる。ただし、本明細書では、本発明者らは、上記において説明されるように、当技術分野における確立された付番の慣習に従う。
【0087】
本発明(本発明のGLP-1類似体)の第2の態様のいくつかの実施形態において、GLP-1類似体は、式II:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、[式中、Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;Xaa12は、Phe又はLeuであり;Xaa16は、Val又はLeuであり;Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;Xaa19は、Tyr又はGlnであり;Xaa20は、Leu又はMetであり;Xaa22は、Gly又はGluであり;Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;Xaa25は、Ala又はValであり;Xaa26は、Arg又はLysであり;Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;Xaa31は、Trp又はHisであり;Xaa33は、Valであり;Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;Xaa35は、Gly又はAlaであり;Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;Xaa42は、Lysであるか、又は存在せず;ただし、Xaa37、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、又はXaa42のうちの1つが存在しない場合、それぞれの後続のアミノ酸残基も存在せず、ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42の少なくとも1つは、Lysである]のペプチド、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルを含む(又はである)。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、「特定の実施形態」の見出しのセクションにおいて定義される、式IIa、IIb、IIc、又はIIdのうちのいずれか1つの配列;又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルを含む(又はである)。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20;又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルを含むか、又はそれらから選択される。
【0089】
上記の式IIから分かるように、C末端アミノ酸は、Xaa36、Xaa37、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、又はXaa42であり得、すなわち、それぞれ、番号36、37、38、39、40、41、又は42を有する。C末端アミノ酸Xaa38が存在する本発明のGLP-1類似体は、天然のGLP-1と比較して1つのアミノ酸の追加(又は延長)を含むと言える。同様に、C末端アミノ酸がXaa39である本発明のGLP-1類似体は、天然のGLP-1と比較して2つのアミノ酸(すなわち、Xaa38及びXaa39)の追加等を含むと言える。
【0090】
本発明の誘導体のGLP-1類似体のそれぞれは、i)変更されたアミノ酸残基に対応する天然のGLP-1(7~37)でのアミノ酸残基の番号(すなわち、天然のGLP-1での対応する位置)、及びii)実際の変更、を参照することにより、説明され得る。
【0091】
換言すれば、本発明のGLP-1類似体は、天然のGLP-1(7~37)ペプチドを参照することによって、すなわち、天然のGLP-1(7~37)(配列番号1)と比較した場合、アミノ酸残基の数が変更されているその変異体として、説明することができる。これらの変更は、独立して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、付加、及び/又は欠失を表し得る。
【0092】
以下は、好適な類似体命名法の非限定的な例である。
【0093】
実施例1の誘導体に組み込まれたGLP-1類似体は、本明細書において、(8W、22E、26R、34R、36K、37K)GLP-1(7~37)と呼ばれ得る。この実施例1の類似体が天然のGLP-1にとアラインメントされた場合、アライメントに従って、天然のGLP-1の位置8に対応する類似体での位置のアミノ酸はWであり、天然のGLP-1の位置22に対応する類似体での位置のアミノ酸はEであり、天然のGLP-1の位置26に対応する類似体での位置のアミノ酸はRであり、天然のGLP-1の位置34に対応する類似体での位置のアミノ酸はRであり、天然のGLP-1の位置36に対応する類似体での位置のアミノ酸はKであり、天然のGLP-1の位置37に対応する類似体での位置のアミノ酸はKである。この類似体における他の全てのアミノ酸は、天然のGLP-1における対応するアミノ酸と同一である。
【0094】
別の例として、実施例3の誘導体に組み込まれたGLP-1類似体は、本明細書において、(8W、22E、26R、27K、30E、34R、36K、38E、39G)GLP-1(7~37)と呼ばれ得る。この実施例3の類似体が天然のGLP-1にとアラインメントされた場合、アライメントに従って、天然のGLP-1の位置8に対応する類似体での位置のアミノ酸はWであり、天然のGLP-1の位置22に対応する類似体での位置のアミノ酸はEであり、天然のGLP-1の位置26に対応する類似体での位置のアミノ酸はRであり、天然のGLP-1の位置27に対応する類似体での位置のアミノ酸はKであり、天然のGLP-1の位置30に対応する類似体での位置のアミノ酸はEであり、天然のGLP-1の位置34に対応する類似体での位置のアミノ酸はRであり、天然のGLP-1の位置36に対応する類似体での位置のアミノ酸はKであり、したがって実施例3の類似体は、ジペプチドE~GのC末端追加(又は延長)を含み、これは、本目的において、それぞれ、天然のGLP-1における位置38~39に対応すると言える。この類似体における他のアミノ酸のそれぞれは、天然のGLP-1における対応するアミノ酸と同一である。
【0095】
一般式IIは、同様に理解されるべきである。
【0096】
ある特定の変更を「含む」類似体は、配列番号1と比較した場合、更なる変更を含んでいてもよい。特定の実施形態において、類似体は、特定の変更を「有する」か、又は特定の類似体「であり」、その場合、配列番号1と比較した場合、更なる変更は存在しない。
【0097】
上記から明らかなように、アミノ酸残基は、それらの完全名、それらの1文字コード、及び/又はそれらの3文字コードによって識別することができる。これら3つの方法は、完全に同等である。
【0098】
本明細書において、表現「と同等な位置」又は「対応する位置」は、天然のGLP-1(7~37)(配列番号1)等の参照配列を参照することによって変異体GLP-1(7~37)配列における変更の部位を特徴付けるために使用される。同等な位置又は対応する位置、並びに変更の数は、例えば単純な手書き及び目視検査によって容易に推測され;並びに/或いは、標準タンパク質若しくはペプチドのアラインメントプログラム、例えば、ニードルマン-ブンシュアルゴリズムをベースとする「align」を使用してもよい。このアルゴリズムは、Needleman, S.B.及びWunsch, C.D.、(1970)、Journal of Molecular Biology、48:443~453頁において、並びに「Optimal Alignments in Linear Space」CABIOS (computer applications in the biosciences) (1988) 4:11~17頁においてMyers及びW. Millerによるアラインプログラムに記載されている。アラインメントのために、デフォルトのスコアリングマトリックスBLOSUM62及びデフォルトの同一性マトリックスを使用することができ、ギャップにおける最初の残基に対するペナルティは、-12、好ましくは-10に設定され得、ギャップにおける追加の残基に対するペナルティは、-2、好ましくは-0.5に設定され得る。
【0099】
そのようなアラインメントの例が、配列番号1の天然のGLP-1、その類似体(8W、22E、26R、27K、30E、34R、36K、38E、39G)である(配列番号9)について以下に記載する。
【表A】
【0100】
このアラインメントに示された位置番号に(例えば、配列1の「1」及び「31」並びに配列2の「1」及び「33」に)6を加えると、本明細書において使用される位置付番が得られる。例えば、配列1(配列番号1と同一)において、N末端アミノ酸(H)は位置番号7を有し、C末端アミノ酸(G)は番号37を有する。配列2に関して、N末端アミノ酸(H)は番号7を有し、C末端アミノ酸(G)は番号39を有する。
【0101】
1文字コドンを持たない特定のアミノ酸残基等(デアミノ-ヒスチジン(Imp)等)が配列に含まれる場合、これらは、アラインメント目的のために、例えばXで置き換えることができる。所望であれば、Xは、後で手動により修正することができる。
【0102】
以下は、上記のアラインメントから推定することができるものの非限定的な例である。
【0103】
一例として、配列2は、配列1と比較して(すなわち、ピリオド(「.」)、コロン(「:」)、又は水平ハイフン(「-」)がアラインメントに示されている全ての位置において)、9のアミノ酸変化を有すると推定することができる。
【0104】
別の例として、例えば、配列の2番は、アラインメントにより、参照配列(配列1、配列番号1)の位置39に対応する位置にGを有するので、配列の2番は39Gを含むと推定することができる。
【0105】
同様に、配列1と比較したときの配列2における全ての他の変更は、アラインメントから推測することができる。
【0106】
以下において、光学的異性体について述べられていない本発明のGLP-1類似体の全てのアミノ酸は、(特に明記されない限り)L-異性体を意味すると理解されるべきである。
【0107】
本発明のGLP-1類似体のいくつかの追加の実施形態は、本発明の誘導体における組込みについては、「特定の実施形態」、「追加の特定の実施形態」、及び「更に他の特定の実施形態」の見出しのセクションにおいて開示される。
【0108】
GLP-1誘導体
用語「誘導体」は、GLP-1類似体との関連において本明細書において使用される場合、1つ又は複数の置換基が類似体に共有結合しているような、化学的に修飾されたGLP-1類似体を意味する。
【0109】
いくつかの実施形態において、置換基は、側鎖とも呼ばれ得る。
【0110】
本発明の誘導体は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であって、少なくとも8つの連続する-CH2-基と、pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)とを含む置換基が、GLP-1類似体のLys残基に結合している、類似体を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、誘導体は、1つ又は2つのそのような置換基を含む。
【0112】
いくつかの実施形態において、置換基における連続する-CH2-基の数は、8~20の範囲である。
【0113】
いくつかの実施形態において、官能基(FG)は、Chem.1、Chem.2、及びChem.4:
Chem.1:
【0114】
【0115】
Chem.2:
【0116】
【0117】
Chem.4:
【0118】
【0119】
から選択される。
【0120】
いくつかの実施形態において、pKaは、CH3-FGの水溶液のpHである。
【0121】
いくつかの実施形態において、本発明は、その第1の態様において、式I:
(P-L)U-B-GLP1、
[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2である]
の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルに関する。
【0122】
いくつかの実施形態において、1つ又は2つの置換基(P-L)はそれぞれ、Chem.10、Chem.11、Chem.12、Chem.13、及びChem.14:
Chem.10:
【0123】
【0124】
Chem.11:
【0125】
【0126】
Chem.12:
【0127】
【0128】
Chem.13:
【0129】
【0130】
Chem.14:
【0131】
【0132】
から選択される延長部分(P)と、
Chem.15、Chem.16、Chem.17、及びChem.18:
Chem.15:
【0133】
【0134】
Chem.16:
【0135】
【0136】
Chem.17:
【0137】
【0138】
Chem.18:
【0139】
【0140】
[式中、
Rは、-COOHであり;
s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;
n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;並びに
k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表す]から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)とを含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、分岐基(B)は、Chem.19及びChem.20:
Chem.19:
【0142】
【0143】
Chem.20:
【0144】
【0145】
[式中、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数であり;各wは、0~2の範囲の整数を表す]
から選択される分岐リンカー(BL)を含む。
【0146】
uが4であり、vが0である(又はuが0であり、vが4である)いくつかの実施形態において、Chem.20の分岐リンカーは、Chem.19a:
Chem.19a:
【0147】
【0148】
のeps-Lys(Bis)のトリラジカル(tri-radical)とも呼ばれ得る。
【0149】
wが1であるいくつかの実施形態において、Chem.20の分岐リンカーは、アミノ-C3-Gly(Bis)のトリラジカルとも呼ばれ得る。
【0150】
いくつかの実施形態(Bが存在せず、U=1)において、誘導体は、式Ia:
式Ia: (P-L)-GLP1
を有する(例えば、実施例5の化合物)。
【0151】
いくつかの実施形態(Bが存在せず、U=2)において、誘導体は、式Ib:
式Ib: (P-L)2-GLP1
を有する(例えば、実施例3の化合物)。
【0152】
いくつかの実施形態(Bが存在し、U=2)において、誘導体は、式Ic又はId:
式Ic: (P-L)2>BL-PL-GLP1(例えば、実施例13の化合物)
式Id: (P-L)2>BL-GLP1(例えば、実施例10の化合物)
の「フォーク」構造を有し、
ここで、P、Lは、上記において定義され、並びにBは、(BL-PL)によって表され、ここで、PLは、任意選択のプレリンカーであり(式IcではPLが存在し、式IdではPLは存在しない)、BLは、分岐リンカーであり(その実施形態は、上記において定義される)、これは、「フォーク」構造をとる。
【0153】
いくつかの実施形態において、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体は、「GLP-1類似体」の見出しの上記のセクションにおいて定義される、式IIを含むGLP-1類似体である。
【0154】
いくつかの実施形態において、式IIの類似体の以下のアミノ酸残基:Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、及び/又はXaa42の1つ又は2つはLysである。
【0155】
いくつかの実施形態において、誘導体は、実施例1~5のいずれかの化合物である。
【0156】
本発明の誘導体のいくつかの追加の実施形態は、「特定の実施形態」、「追加の特定の実施形態」、及び「更に他の特定の実施形態」の見出しのセクションにおいて開示される。
【0157】
本発明の誘導体は、同じ分子式及び結合原子の配列を有するが空間におけるそれらの原子の三次元配向においてのみ異なる、異なる立体異性形態において存在し得る。本発明の例示される誘導体の立体異性は、名前並びに構造において、標準的な命名法を用いて、実験のセクションに示される。特に明記されない限り、本発明は、特許請求される誘導体の全ての立体異性形態に関する。
【0158】
本発明のGLP-1誘導体の血漿中濃度は、任意の好適な方法を用いて特定することができる。例えば、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析)、又はイムノアッセイ(例えば、RIA(放射性免疫測定法)、ELISA(酵素結合免疫測定法)、及びLOCI(発光酸素チャネリングイムノアッセイ)等)を用いることができる。好適なRIA及びELISAアッセイのための一般的なプロトコルは、例えば、WO2009/030738の116~118頁に見出される。好ましいアッセイは、LOCIアッセイであり、ここで、LOCIは、発光酸素チャネリングイムノアッセイを意味し、これは、一般的に、インスリンの定量について、Poulsen及びJensenによってJournal of Biomolecular Screening 2007、12巻、240~247頁に記載されている。ドナービーズをストレプトアビジンでコーティングし、その一方で、アクセプタービーズを、ペプチドの中間/C末端エピトープを認識するモノクローナル抗体とコンジュゲートさせた。N末端に対して特異的な別のモノクローナル抗体をビオチン化した。3つの反応剤を検体と組み合わせて、2つ部位のある免疫複合体を形成させた。複合体への照射により、ドナービーズから一重項酸素原子が放出され、これがアクセプタービーズ中へと向けられ、化学発光を引き起こし、この発光をEnvisionプレートリーダーにおいて測定した。光の量は、化合物の濃度に比例した。
【0159】
本発明のGLP-1誘導体及び類似体は、GLP-1活性を有する。この用語は、GLP-1受容体に結合してシグナル伝達経路を開始し、結果としてインスリン分泌性作用又は当技術分野において公知である他の生理的効果を生じる能力を意味する。例えば、本発明の類似体及び誘導体は、本明細書の実施例15及び16において説明されるアッセイを用いて、GLP-1活性について試験することができる。
【0160】
薬学的に許容される塩、アミド、又はエステル
本発明の誘導体及び類似体は、薬学的に許容される塩、アミド、又はエステルの形態であってもよい。
【0161】
塩は、例えば、塩基と酸との間の化学反応、例えば:
2NH3+H2SO4→(NH4)2SO4
によって形成される。
【0162】
塩は、塩基性塩、酸性塩であってもよく、又はそれは、どちらでもなくてもよい(すなわち、中性塩)。塩基性塩は、水中において水酸化物イオンを生じ、酸性塩はヒドロニウムイオンを生じる。
【0163】
本発明の誘導体又は類似体の塩は、加えられたカチオン又はアニオンと、それぞれ、アニオン性基又はカチオン性基との間において形成され得る。これらの基は、ペプチド部分及び/又は本発明の誘導体の側鎖に位置され得る。
【0164】
本発明の誘導体又は類似体のアニオン性基の非限定的な例としては、側鎖における遊離カルボン酸基、並びに存在するのであればペプチド部分における遊離カルボン酸基が挙げられる。ペプチド部分は、多くの場合、C末端に遊離カルボン酸基を含み、また、内部酸アミノ酸残基、例えば、Asp及びGlu、において遊離カルボン酸基も含む。
【0165】
ペプチド部分のカチオン性基の非限定的な例としては、N末端の遊離アミノ基、並びに存在するのであれば内部塩基性アミノ酸残基、例えば、His、Arg、及びLysの任意の遊離アミノ基が挙げられる。
【0166】
本発明の誘導体又は類似体のエステルは、例えば、アルコキシ基又はアリールオキシ基による少なくとも1つのヒドロキシル基の置き換えをもたらす、遊離カルボン酸基とアルコール又はフェノールとの反応によって形成され得る。
【0167】
エステルの形成には、ペプチドのC末端における遊離カルボン酸基、及び/又は側鎖中の任意の遊離カルボン酸基が関与し得る。
【0168】
本発明の誘導体又は類似体のアミドは、例えば、遊離カルボン酸基とアミン若しくは置換されたアミンとによる反応によって、又は遊離アミノ基若しくは置換されたアミノ基とカルボン酸とによる反応によって形成され得る。
【0169】
アミドの形成には、ペプチドのC末端における遊離カルボン酸基、側鎖中の任意の遊離カルボン酸基、ペプチドのN末端における遊離アミノ基、並びに/或いはペプチド及び/又は側鎖中のペプチドの任意の遊離アミノ基若しくは置換されたアミノ基が関与し得る。
【0170】
いくつかの実施形態において、本発明の類似体又は誘導体は、薬学的に許容される塩の形態である。いくつかの実施形態において、本発明の類似体又は誘導体は、薬学的に許容されるアミドの形態である。いくつかの実施形態において、本発明の類似体又は誘導体は、ペプチドのC末端にアミド基を有する。いくつかの実施形態において、本発明の類似体又は誘導体は、薬学的に許容されるエステルの形態である。
【0171】
機能特性
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体及びGLP-1誘導体は、DPP-IVによる分解に対して安定である。
【0172】
更に又は或いは、いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体及びGLP-1誘導体は、インビトロでの良好な効力を有する。
【0173】
更に又は或いは、いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体及びGLP-1誘導体は、インビボでの良好な効力を有する。
【0174】
更に又は或いは、いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体及びGLP-1誘導体は、GLP-1受容体に良好に結合する。
【0175】
更に又は或いは、いくつかの実施形態において、それらは、GLP-1受容体アゴニストである。
【0176】
DPP-IV安定性
実施例14のインビトロでのDPP-IV安定性試験において報告されるように、実施例DのGLP-1類似体(8W GLP-1(7~37))は、DPP-IV酵素による分解に対する素晴らしく高い安定性を実証し、これは、非常に驚くべきことであり、全く予想できなかった。
【0177】
この知見は、当然のことながら、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を組み入れる本発明の誘導体にも関連する。
【0178】
生物学的活性-効力
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、生物学的に活性であるか、又は強力である。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1誘導体は、生物学的に活性であるか、又は強力である。
【0179】
いくつかの実施形態において、効力及び/又は活性は、インビトロでの効力、すなわち、機能性GLP-1受容体アッセイにおける性能、より詳細には、ヒトGLP-1受容体を活性化する能力、を意味する。
【0180】
インビトロでの効力は、例えば、ヒトGLP-1受容体を発現する膜を含有する媒質において、及び/又はヒトGLP-1受容体を発現する全細胞によるアッセイにおいて、特定することができる。
【0181】
例えば、ヒトGLP-1受容体の応答は、例えば、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答エレメント(CRE)のためのDNAとホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子とを含有する、安定して形質移入されたBHK細胞株における、レポーター遺伝子アッセイにおいて測定することができる。cAMPがGLP-1受容体の活性化の結果として産生される場合、このcAMPにより、結果としてルシフェラーゼの発現が生じる。ルシフェラーゼは、ルシフェリンを加えることによって特定することができ、ルシフェリンは、酵素によって、オキシルシフェリンに転化されてバイオルミネセンスを生じ、このバイオルミネセンスが測定され、このバイオルミネセンスはインビトロ効力の尺度である。そのようなアッセイの非限定的な一例を、実施例15において説明する。
【0182】
半数効果濃度(EC50)なる用語は、一般的に、用量応答曲線を参考にした、ベースラインと最大値との間の中間の応答を誘起する濃度を意味する。EC50は、化合物の効力の尺度として使用され、化合物の最大効果の50%が観察される濃度を表している。
【0183】
本発明の類似体及び誘導体のインビトロでの効力は、上記において説明したように特定することができ、並びにEC50も特定することができる。EC50値が低いほど、効力は良好である。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体又は類似体は、実施例15の方法を使用して特定された、300pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する。
【0185】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体並びにそのようなものとしての構成要素GLP-1類似体は、インビボにおいて強力であり、これは、任意の好適な動物モデルにおいて、並びに臨床試験において、当技術分野において公知のように特定することができる。いくつかの実施形態において、インビボでの効力は、本明細書における実施例17のPD研究を使用して特定することができる。
【0186】
いくつかの追加の実施形態は、「特定の実施形態」、「追加の特定の実施形態」、及び「更に他の特定の実施形態」の見出しのセクションにおいて開示される。
【0187】
生物学的活性-インビトロでの受容体結合
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、GLP-1受容体に非常に良好に結合する。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1誘導体は、GLP-1受容体に非常に良好に結合する。いくつかの実施形態において、GLP-1受容体結合性は、アルブミンの低濃度において特定され、いくつかの実施形態では、アルブミンの高濃度において特定される。これは、実施例16において説明されるようにして特定することができる。
【0188】
いくつかの実施形態において、低アルブミン濃度でのGLP-1受容体への結合は、非常に良好であり、低いIC50値に対応する。
【0189】
高アルブミン濃度でのIC50値は、GLP-1受容体への結合に対する血清アルブミンの影響を反映する。側鎖により、本発明のGLP-1誘導体は、血清アルブミンに結合することができ、そのような場合、高血清アルブミンでのIC50値は、低アルブミンでのIC50値より高い。高血清アルブミンでのIC50値の増加は、GLP-1受容体への結合と競合する血清アルブミン結合に起因したGLP-1受容体への結合の減少を表している。
【0190】
いくつかの実施形態において、本発明の類似体又は誘導体は、低アルブミン濃度においてGLP-1受容体に非常に良好に結合する。更に、又は或いは、いくつかの実施形態において、それらは、高アルブミン濃度において非常に良好に結合する。
【0191】
いくつかの実施形態において、2.0%のHSA(高アルブミン)の存在下での本発明の類似体又は誘導体のGLP-1受容体結合親和性(IC50)は、800nM以下である。
【0192】
いくつかの追加の特定の実施形態は、「特定の実施形態」、「追加の特定の実施形態」、及び「更に他の特定の実施形態」の見出しのセクションにおいて開示される。
【0193】
薬物動態学的プロファイル
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、増加した終末相半減期及び/又は減少したクリアランス等の向上した薬物動態学的特性を有する。いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1誘導体は、増加した終末相半減期及び/又は減少したクリアランス等の向上した薬物動態学的特性を有する。
【0194】
終末相半減期の増加及び/又はクリアランスの減少は、関心対象の化合物が身体からゆっくりと排除されることを意味する。本発明の誘導体又は類似体の場合、これは、薬理効果の持続期間の延長を伴う。
【0195】
薬物動態学的特性は、好適には、薬物動態学的(PK)研究により、インビボにおいて特定される。そのような研究は、時間経過において、医薬化合物が身体においてどのように吸収され、分配され、及び排除されるか、並びにこれらのプロセスが身体において化合物の濃度にどのように影響するか、を評価するために行われる。
【0196】
医薬品開発の発見及び臨床前段階において、マウス、ラット、サル、イヌ、又はブタ等の動物モデルを使用して、この特徴付けが実施され得る。これらのモデルのいずれも、本発明の化合物の薬物動態学的特性を試験するために使用することができる。
【0197】
そのような研究において、動物は、典型的には、関連製剤において、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、又は経口(p.o.)のいずれかにより、薬物の1回用量が投与される。血液試料を、投薬後の事前に定義された時点において採取し、試料を、関連する定量アッセイにより薬物の濃度について分析する。これらの測定に基づいて、研究対象の化合物の時間-血漿濃度プロファイルをプロットし、いわゆる、データの非コンパートメント薬物動態学的分析を実施する。
【0198】
ほとんどの化合物では、片対数プロットにおいて描かれる場合、血漿-濃度プロファイルの終端部分は、直線になるが、これは、初期吸収及び分配後に薬物が身体から一定の分率において除去されることを反映している。その率(ラムダZ又はλz)は、プロットの終端部分の傾きのマイナスに等しい。この率から、終末相半減期も、t1/2=ln(2)/λzとして計算することができる(例えば、Johan Gabrielsson及びDaniel Weiner: Pharmacokinetics and Pharmacodynamic Data Analysis. Concepts & Applications、第3版、Swedish Pharmaceutical Press、Stockholm (2000)を参照されたい)。
【0199】
クリアランスは、i.v.投与の後に特定することができ、それは、血漿濃度対時間プロファイルの曲線下面積(AUC)で除された用量(D)として定義される(Rowland, M及びTozer TN: Clinical Pharmacokinetics: Concepts and Applications、第3版、1995 Williams Wilkins)。
【0200】
終末相半減期及び/又はクリアランスの推定は、新規の薬物化合物の評価において、投薬計画及び薬物開発における重要なパラメータの評価に関連する。
【0201】
製造プロセス
GLP-1(7~37)及びGLP-1類似体のようなペプチドの製造は、当技術分野において周知である。
【0202】
本発明の誘導体のGLP-1ペプチド部分(又はそれらの断片)並びに本発明のGLP-1類似体は、例えば、古典的ペプチド合成、例えば、t-Boc若しくはFmoc化学、又は他の十分に確立された技術を使用した固相ペプチド合成、によって製造することができ、例えば、Greene及びWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999、Florencio Zaragoza Dorwald、「Organic Synthesis on solid Phase」、Wiley-VCH Verlag GmbH、2000、並びに「Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis」、W.C. Chan及びP.D. White編、Oxford University Press、2000を参照されたい。
【0203】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体全体、又は本発明の誘導体のGLP-1類似体全体の部分は、組換え法によって、すなわち、類似体をコードするDNA配列を含有し、それを発現させることができる宿主細胞をペプチドの発現を可能にする条件下において好適な栄養培地中において培養することによって、製造する。これらのペプチドの発現にとって好適な宿主細胞の非限定的な例は、大腸菌(Escherichia coli)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、並びに哺乳動物のBHK又はCHO細胞株である。いくつかの実施形態において、製造プロセス方法のそのような完全組換え発酵工程は、例えば、生産の経済的問題に起因して、望ましい。
【0204】
本発明のGLP-1類似体又は本発明の誘導体のGLP-1類似体部分が非コード化アミノ酸を含むいくつかの実施形態において、類似体は、当技術分野において公知のように製造することができ、例えば、Hodgsonら:「The synthesis of peptides and proteins containing non-natural amino acids」、Chemical Society Reviews、33巻、7号(2004)、422~430頁;及び「Semi-recombinant preparation of GLP-1 analogues」と題されたWO2009/083549A1を参照されたい。
【0205】
本発明のいくつかの誘導体を調製する方法の具体例が、実験パートに含まれる。
【0206】
実施例18は、本発明のいくつかの類似体の有利な完全組換え発現を実証し、並びに発現収率を、それらの配列中に1つ又は複数の非コード化アミノ酸を含む公知のDPP-IV安定化GLP-1類似体に対する公知の半組換え方法における発現収率と比較する。
【0207】
医薬組成物
本発明は更に、本発明の誘導体又は類似体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物にも関する。そのような組成物は、当技術分野において公知のように調製することができる。
【0208】
用語「賦形剤」は、治療有効成分以外の任意の成分を広く意味する。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、及び/又は医薬活性でない物質であり得る。
【0209】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、希釈剤、タブレット補助剤として、並びに/又は、活性物質の投与及び/若しくは吸収を向上させるため、様々な目的に役立ち得る。
【0210】
様々な賦形剤による薬学的有効成分の製剤化は、当技術分野において公知であり、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(例えば、第19版(1995)、及びその後の任意の版)を参照されたい。
【0211】
賦形剤の非限定的な例は、溶剤、希釈剤、緩衝剤、保存料、張度調整剤、キレート化剤、及び安定化剤である。
【0212】
製剤の例としては、液体製剤、すなわち、水を含む水性製剤が挙げられる。液体製剤は、溶液剤又は懸濁剤であり得る。水性製剤は、典型的には、少なくとも50w/w%水、又は少なくとも60w/w%、70w/w%、80w/w%、更に少なくとも90w/w%の水を含む。
【0213】
或いは、医薬組成物は、固体製剤、例えば、フリーズドライ又はスプレードライされた組成物であり得、これらは、そのまま使用することができ、或いは使用の前に医師若しくは患者がこれに溶剤及び/又は希釈剤を加える。
【0214】
水性製剤のpHは、pH3~pH10の間のいずれか、例えば、約7.0~約9.5、或いは約3.0~約7.0、例えば、7.0~9.5、或いは3.0~7.0であり得る。
【0215】
医薬組成物は、緩衝剤を含み得る。緩衝剤は、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リシン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0216】
医薬組成物は、保存料を含み得る。保存料は、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)、並びにそれらの混合物から選択され得る。保存料は、0.1mg/ml~20mg/mlの濃度において存在し得る。医薬組成物は、等張剤を含み得る。等張剤は、例えば、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖若しくは糖アルコール、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン)、アルジトール[例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール]、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、及びそれらの混合物から選択され得る。任意の糖(単糖、二糖、若しくは多糖等)又は水溶性グルカン(例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、α及びβ-HPCD、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、並びにカルボキシメチルセルロース-Naを含む)が使用され得る。糖アルコールは、少なくとも1つの-OH基を有するC4~C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。一実施形態として、糖アルコール添加剤はマンニトールである。
【0217】
医薬組成物はキレート化剤を含み得る。キレート化剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、及びアスパラギン酸の塩、並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0218】
医薬組成物は、安定化剤を含み得る。安定化剤は、例えば、1つ若しくは複数の酸化阻害剤、凝集阻害剤、界面活性剤、及び/又は1つ若しくは複数のプロテアーゼ阻害剤であり得る。これら様々な種類の安定化剤の非限定的な例を、以下に開示する。
【0219】
用語「凝集体形成」は、オリゴマー(これは、可溶性のままであり得る)又は溶液から沈殿する大きな可視的な凝集体の形成を結果として引き起こす、ポリペプチド分子の間の物理的相互作用を意味する。液体医薬組成物の保管の間のポリペプチドによる凝集体形成は、そのポリペプチドの生物活性に悪影響を及ぼし得、結果として、医薬組成物の治療効率の損失を生じる。更に、凝集体形成は、ポリペプチド含有医薬組成物が注入システムを使用して投与される場合、他の問題、例えば、細管、膜、若しくはポンプの阻害、の原因となり得る。
【0220】
医薬組成物は、組成物の保管の際のポリペプチドの凝集体形成を減少させるのに十分な量のアミノ酸塩基を含み得る。用語「アミノ酸塩基」は、1つ又は複数のアミノ酸(メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン等)、又はそれらの類似体を意味する。いずれのアミノ酸も、その遊離塩基形態又はその塩形態のいずれかにおいて存在していてもよい。アミノ酸塩基のいずれの立体異性体(すなわち、L、D、又はそれらの混合物)も存在していてもよい。
【0221】
治療剤としての機能を果たすポリペプチドが、メチオニンスルホキシドへのメチオニン残基の酸化に影響を受けやすい少なくとも1つのメチオニン残基を含むポリペプチドの場合、メチオニン(又は他の含硫アミノ酸又はアミノ酸類似体)を加えることによって、そのような酸化を阻害することができる。メチオニンの任意の立体異性体(L若しくはD)又はそれらの組合せを使用することができる。
【0222】
医薬組成物は、高分子量ポリマー又は低分子化合物から選択される安定化剤を含んでいてもよい。安定化剤は、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、PEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ-/ヒドロキシセルロース又はその誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L、及びHPMC)、シクロデキストリン、硫黄含有物質(モノチオグリセロール、チオグリコール酸、及び2-メチルチオエタノールとして)、並びに様々な塩(例えば、塩化ナトリウム)から選択することができる。医薬組成物は、追加の安定化薬剤、例えば、これらに限定されるわけではないが、メチオニン及びEDTA(これらは、メチオニンの酸化からポリペプチドを保護する)、並びに非イオン性界面活性剤(凍結融解又は機械的剪断に関連する凝集からポリペプチドを保護する)等、を含んでいてもよい。
【0223】
医薬組成物は、1種又は複数の界面活性剤を含んでいてもよい。用語「界面活性剤」は、水溶性(親水性)部分と脂溶性(親油性)部分とで構成される任意の分子又はイオンを意味する。界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は両性イオン性界面活性剤から選択することができる。
【0224】
医薬組成物は、1種又は複数のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及び/又はベンズアミジンHCl等を含んでいてもよい。
【0225】
医薬組成物における追加の任意選択の成分としては、例えば、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン)、及び/又は両性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシン、及びヒスチジン等のアミノ酸)が挙げられる。
【0226】
なお更に、医薬組成物は、例えば、WO2008/145728、WO2012/080471、WO2013/139694及びWO2000/050012に記載の製剤の任意の1つ又は複数を使用して、インスリン分泌性化合物の経口製剤の技術分野において公知のように製剤化することができる。いくつかの実施形態において、修飾された脂肪族アミノ酸の塩、例えば、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)が、本発明のGLP-1化合物の吸収を高めるために担体として使用される。
【0227】
投与用量は、誘導体の0.1mg~100mg、誘導体の1~100mg、又は誘導体の1~50mgを含有し得る。
【0228】
誘導体又は類似体は、医薬組成物の形態において投与され得る。誘導体は、それを必要とする患者に、いくつかの部位において、例えば、皮膚又は粘膜部位等の局所部位において;動脈、静脈、又は心臓等における吸収を迂回する部位において;並びに皮膚、皮下、筋肉、又は腹部等における吸収に関与する部位において、投与され得る。
【0229】
投与経路は、例えば、舌;舌下;頬側口腔;口腔内;経口;胃内;腸内;経鼻;肺(細気管支、肺胞、又はそれらの組合せ等により);非経口的に、表皮;真皮;経皮;結膜;尿管;膣;直腸;及び/又は眼、であり得る。組成物は、経口組成物であり得、投与経路は経口である。
【0230】
組成物は、例えば、溶液剤;懸濁剤;乳剤;マイクロエマルション剤;多相乳剤;フォーム剤;塗擦剤;ペースト剤;硬膏剤;軟膏剤;錠剤;被覆錠剤;チューインガム剤;リンス剤;硬質若しくは軟質ゼラチンカプセル等のカプセル剤;坐剤;直腸用カプセル剤;ドロップ剤;ゲル剤;噴霧剤;散剤;エアロゾル剤;吸入剤;点眼剤;眼軟膏剤;眼用リンス剤;膣用ペッサリー剤;膣用リング;膣用軟膏剤;注射液剤;インサイチュー変換溶液剤(in situ transforming solution)(インサイチューゲル化、凝結、沈殿するもの、及びインサイチュー結晶化するもの等);輸液剤;又はインプラント剤として、いくつかの剤形において投与され得る。
【0231】
組成物は、錠剤、任意選択で被覆されているカプセル剤、又はチューインガム剤であってもよい。
【0232】
組成物は、更に、例えば、安定性、バイオアベイラビリティ、及び/又は溶解性を向上させるために、薬物担体又は薬物送達システム中に調合してもよい。特定の実施形態において、組成物は、共有結合相互作用、疎水的相互作用、及び/又は静電的相互作用により、そのようなシステムに付随させてもよい。そのような調合の目的は、例えば、有害効果を減少させるため、時間療法を達成するため、及び/又は患者コンプライアンスを高めるためであり得る。
【0233】
組成物は、制御放出、持続性放出、遅延性放出、遅延放出及び/又は緩徐放出の薬物送達システムの製剤において使用することもできる。
【0234】
非経口投与は、注射器、任意選択でペン様の注射器を用いて、又は注入ポンプを用いて、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、又は静脈内注射により実施することができる。
【0235】
組成物は、溶液剤、懸濁剤、若しくは散剤の形態において経鼻投与してもよく、又は液体若しくは粉末の噴霧剤の形態において経肺投与してもよい。
【0236】
経皮投与は、例えばイオン注入性パッチ剤等のパッチ剤からの、又は、例えば口腔による経粘膜経路を介した、針を用いない注入による、更に他の選択肢である。
【0237】
組成物は、安定化された製剤であり得る。用語「安定化された製剤」は、物理的及び/又は化学的安定性、好ましくはその両方を高めた製剤を意味する。一般的に、製剤は、有効期限に達するまで、(推奨される使用条件及び保管条件に従った)使用及び保管の間は、安定でなくてはならない。
【0238】
用語「物理的安定性」は、熱機械的応力、及び/又は、不安定化している界面及び表面(疎水性表面等)との相互作用への曝露の結果として、ポリペプチドが生物学的に非活性な及び/又は不溶性の凝集体を形成する傾向を意味する。水性のポリペプチド製剤の物理的安定性は、様々な温度で様々な期間において機械的/物理的応力(例えば、撹拌)に曝露させた後での目視検査及び/又は濁度測定を用いて評価することができる。或いは、物理的安定性は、ポリペプチドの立体配座状態を分光学的薬剤又はプローブ(例えば、Thioflavin T又は「疎水性パッチ」プローブ等)を用いて評価することができる。
【0239】
用語「化学的安定性」は、完全なポリペプチドと比較して、潜在的に、生物学的な効力が低下し及び/又は免疫原性効果が向上した化学分解産物の形成を引き起こす、ポリペプチド構造における化学的な(とりわけ共有結合性の)変化を意味する。化学的安定性は、例えば、SEC-HPLC及び/又はRP-HPLCにより、様々な環境条件への曝露後の多様な時点で化学分解産物の量を測定することにより評価することができる。
【0240】
本発明による誘導体又は類似体を用いた処置は、例えば、抗糖尿病剤、抗肥満剤、食欲調節剤、血圧降下剤、糖尿病が原因の若しくは糖尿病に関連する合併症の処置及び/又は予防のための薬剤、並びに肥満が原因の若しくは肥満に関連する合併症及び障害の処置及び/又は予防のための薬剤から選択される、1種又は複数の追加の薬理活性物質と組み合わせることもできる。これらの薬理活性物質の例は:インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアゴニスト、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節薬、脂質代謝を変更する化合物(例えば、HMG CoA阻害剤(スタチン)のような抗高脂血症剤)、胃抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取量を減少させる化合物、RXRアゴニスト、及びβ細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ナテグリニド、レパグリニド;β-遮断薬(アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、及びメトプロロール等)、ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害剤(ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、及びラミプリル等)、カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、及びベラパミル等)、並びにα-遮断薬(ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、及びテラゾシン等);CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、PYYアゴニスト、Y2受容体アゴニスト、Y4受容体アゴニスト、混合型Y2/Y4受容体アゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、オキシントモジュリン及び
類似体、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合型のセロトニン及びノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、線維芽細胞成長因子21(FGF-21)、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(チロトロピン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2若しくは3(脱共役タンパク質2又は3)調節薬、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節薬、TR βアゴニスト;ヒスタミンH3アンタゴニスト、胃抑制ポリペプチドアゴニスト若しくはアンタゴニスト(GIP類似体)、ガストリン及びガストリン類似体である。
【0241】
本発明による誘導体又は類似体を用いた処置は、血糖値及び/又は脂質ホメオスタシスに影響する外科手術(胃バンディング術又は胃バイパス術等)と組み合わせることもできる。
【0242】
医薬的適応症
本発明は、医薬として使用するための本発明の誘導体又は類似体にも関する。
【0243】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体又は類似体は、以下の医学的処置:
(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
のために使用することができる。
【0244】
いくつかの実施形態において、適応症は、(i)~(xiv)からなる群より選択され、例えば、適応症(i)~(viii)、(x)~(xiii)、及び/又は(xiv)であり、いずれも糖尿病に関連する。
【0245】
いくつかの実施形態において、適応症は、(i)~(iii)及び(v)~(viii)からなる群より選択され、例えば、適応症(i)、(ii)、及び/又は(iii)であり;或いは適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、及び/又は適応症(viii)である。
【0246】
いくつかの実施形態において、適応症は(i)である。更なる特定の実施形態において、適応症は(v)である。更に他の特定の実施形態において、適応症は(viii)である。
【0247】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体又は類似体は、摂食障害を含む、糖尿病の全ての形態、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病性合併症、及び/又は多嚢胞性卵巣症候群の治療及び/又は予防において;並びに/或いは脂質パラメータを改善するため、β-細胞機能を向上させるため、及び/又は糖尿病疾患の進行を遅延又は予防するために、使用することができる。
【0248】
以下の適応症:2型糖尿病及び/又は肥満が特に好ましい。
【0249】
いくつかの実施形態において、本発明は、体重管理のための方法に関する。
【0250】
いくつかの実施形態において、本発明は、食欲を低下させるための方法に関する。
【0251】
いくつかの実施形態において、本発明は、食物摂取量を減少させるための方法に関する。
【0252】
概して、肥満を患っている全ての対象は、体重超過も患っているとも考えられる。いくつかの実施形態において、本発明は、肥満の治療又は予防のための方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、肥満の治療又は予防のための、本発明の誘導体又は類似体の使用に関する。いくつかの実施形態において、肥満を患っている対象は、ヒト、例えば、成人又は小児(乳幼児、子供、及び若者を含む)である。ボディマス指数(BMI)は、身長及び体重に基づく体脂肪の指標である。計算式は、BMI=体重(キログラム)/(身長(メートル))2である。肥満を患っているヒト対象は、≧30のBMIを有し得、この対象は、肥満と呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、肥満を患っているヒト対象は、≧35のBMI又は≧30から<40の範囲のBMIを有し得る。いくつかの実施形態において、ヒト対象が≧40のBMIを有し得る肥満は、重症の肥満又は病的な肥満である。
【0253】
いくつかの実施形態において、本発明は、任意選択により少なくとも1つの体重関連の合併症の存在下での、体重超過の治療又は予防のための方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、任意選択により少なくとも1つの体重関連の合併症の存在下での、体重超過の治療又は予防のための本発明の誘導体又は類似体の使用に関する。いくつかの実施形態において、体重超過を患っている対象は、ヒト、例えば、成人又は小児(乳幼児、子供、及び若者を含む)である。いくつかの実施形態において、体重超過を患っているヒト対象は、≧25のBMI、例えば、≧27のBMIを有し得る。いくつかの実施形態において、体重超過を患っているヒト対象は、25から<30の範囲又は27から<30の範囲のBMIを有する。いくつかの実施形態において、体重関連の合併症は、高血圧、糖尿病(2型糖尿病等)、脂質異常症、高コレステロール、及び閉塞性睡眠時無呼吸からなる群より選択される。
【0254】
いくつかの実施形態において、本発明は、体重を減少させるための方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、体重を減少させるための、本発明の誘導体又は類似体の使用に関する。本発明による体重の減少に供されるべきヒトは、≧25のBMI、例えば、≧27のBMI又は≧30のBMIを有し得る。いくつかの実施形態において、本発明による体重の減少に供されるべきヒトは、≧35のBMI又は≧40のBMIを有し得る。用語「体重の減少」は、肥満及び/又は体重超過の治療又は予防を含み得る。
【0255】
特定の実施形態
以下は本発明の特定の実施形態である。
【0256】
1.GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を含む誘導体であって、少なくとも8つの連続する-CH2-基と、pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)とを含む置換基が、GLP-1類似体のLys残基に結合している、誘導体。
【0257】
2.GLP-1類似体の1つ又は2つのLys残基に結合した1つ又は2つの置換基を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の誘導体。
【0258】
3.置換基が、Lys残基のイプシロンアミノ基に結合している、実施形態1に記載の誘導体。
【0259】
4.置換基における連続する-CH2-基の数が、8~20の範囲である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の誘導体。
【0260】
5.数が9~18の範囲である、実施形態4に記載の誘導体。
【0261】
6.数が、9、10、12、14、15、16、又は18である、実施形態4~5のいずれか1つに記載の誘導体。
【0262】
7.少なくとも1つのFGが、独立して、Chem.1、Chem.2、及びChem.4:
Chem.1:
【0263】
【0264】
Chem.2:
【0265】
【0266】
Chem.4:
【0267】
【0268】
から選択される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0269】
8.1つ又は2つの置換基のそれぞれにおける、pKa<7であるFGの数が、1~10の範囲である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の誘導体。
【0270】
9.数が1~8の範囲である、実施形態8に記載の誘導体。
【0271】
10.数が1~6の範囲である、実施形態8~9のいずれか1つに記載の誘導体。
【0272】
11.数が1~4の範囲である、実施形態8~10のいずれか1つに記載の誘導体。
【0273】
12.数が1又は2である、実施形態8~11のいずれか1つに記載の誘導体。
【0274】
13.pKaが、CH3-FGの水溶液のpHである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の誘導体。
【0275】
14.pKaが、方程式1:
方程式1: CH3-FG+H2O⇔FG-+H3O+
の平衡の場合のマイナスlogKaである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の誘導体。
【0276】
15.GLP-1類似体が、式II:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa42は、Lysであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0277】
15a.Xaa7がL-ヒスチジンである、実施形態15に記載の誘導体。
【0278】
16.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gly又はGluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Arg又はLysであり;Xaa27が、Glu又はLysであり;Xaa30が、Ala又はGluであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Arg又はLysであり;Xaa37が、Gly、Lys、又はProであり;Xaa38が、Glu、Lysであるか、又は存在せず;Xaa39が、Glyであるか、又は存在せず;Xaa40が、Glyであるか、又は存在せず;Xaa41が、Serであるか、又は存在せず;Xaa42が、Lysであるか、又は存在しない、実施形態15~15aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0279】
17.GLP-1類似体が、式IIのペプチドである、実施形態15~16のいずれか1つに記載の誘導体。
【0280】
18.Xaa37が存在しない場合、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~17のいずれか1つに記載の誘導体。
【0281】
18a.Xaa38が存在しない場合、Xaa39、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~18のいずれか1つに記載の誘導体。
【0282】
19.Xaa39が存在しない場合、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~18aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0283】
20.Xaa40が存在しない場合、Xaa41及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~19のいずれか1つに記載の誘導体。
【0284】
21.Xaa41が存在しない場合、Xaa42も存在しない、実施形態15~20のいずれか1つに記載の誘導体。
【0285】
22.Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、又はXaa42のうちの1つが存在しない場合、それぞれの後続のアミノ酸残基も存在しない、実施形態15~21のいずれか1つに記載の誘導体。
【0286】
23.Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの1つ又は2つがLysである、実施形態15~22のいずれか1つに記載の誘導体。
【0287】
23a.1つ又は2つの置換基が、類似体の1つ又は2つのLys残基のイプシロンアミノ基に結合している、実施形態23に記載の誘導体。
【0288】
23b.GLP-1類似体が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択される、実施形態1~23aのいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0289】
23c.GLP-1類似体が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択される、実施形態1~23bのいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0290】
24.式I:
(P-L)U-B-GLP1、
[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2である]
の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0291】
24a.pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)を含む、実施形態24に記載の誘導体。
【0292】
24b.少なくとも1つの官能基が、独立して、Chem.1、Chem.2、及びChem.4から選択される、実施形態24aに記載の誘導体。
【0293】
25.実施形態1~23cのいずれか1つに記載の誘導体である、実施形態24~24bのいずれか1つに記載の誘導体。
【0294】
26.GLP-1類似体の1つ又は2つのLys残基に結合した1つ又は2つの置換基(P-L)を含む、実施形態24~25のいずれか1つに記載の誘導体。26.GLP-1類似体が、実施形態15~23cのいずれか1つにおいて定義される、実施形態24~25のいずれか1つに記載の誘導体。
【0295】
27.(それぞれの)置換基(P-L)が、Chem.10、Chem.11、Chem.12、Chem.13、及びChem.14:
Chem.10:
【0296】
【0297】
Chem.11:
【0298】
【0299】
Chem.12:
【0300】
【0301】
Chem.13:
【0302】
【0303】
Chem.14:
【0304】
【0305】
から選択される延長部分(P)と、
Chem.15、Chem.16、Chem.17、及びChem.18:
Chem.15:
【0306】
【0307】
Chem.16:
【0308】
【0309】
Chem.17:
【0310】
【0311】
Chem.18:
【0312】
【0313】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)とを含み、
ここで、
Rは、-COOHであり;
s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;
n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;
k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表す、
実施形態24~26のいずれか1つに記載の誘導体。
【0314】
28.少なくとも1個のリンカーエレメントが、1~10の範囲の、(それぞれの)置換基(P-L)におけるいくつかのリンカーエレメントを意味する、実施形態27に記載の誘導体。
【0315】
29.(それぞれの)置換基(P-L)における1個から8個のリンカーエレメントを含有する、実施形態27~28のいずれか1つに記載の誘導体。
【0316】
30.(それぞれの)置換基(P-L)が、延長部分(P)及びリンカー(L)からなる、実施形態24~29のいずれか1つに記載の誘導体。
【0317】
31.PがChem.10である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0318】
32.Rが、ベンゼン環(m)の3位に存在する、実施形態24~31のいずれか1つに記載の誘導体。
【0319】
33.Rが、ベンゼン環(p)の4位に存在する、実施形態24~31のいずれか1つに記載の誘導体。
【0320】
34.sが8~20である、実施形態24~33のいずれか1つに記載の誘導体。
【0321】
35.sが8~10である、実施形態24~34のいずれか1つに記載の誘導体。
【0322】
36.sが9又は10である、実施形態24~35のいずれか1つに記載の誘導体。
【0323】
36a.sが9である、実施形態24~36のいずれか1つに記載の誘導体。
【0324】
36b.sが10である、実施形態24~36のいずれか1つに記載の誘導体。
【0325】
37.PがChem.11である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0326】
38.xが8~20である、実施形態24~30及び37のいずれか1つに記載の誘導体。
【0327】
39.xが12~20である、実施形態24~30及び37~38のいずれか1つに記載の誘導体。
【0328】
40.xが12である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0329】
41.xが16である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0330】
42.xが18である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0331】
43.PがChem.12である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0332】
44.yが8~20である、実施形態24~30及び43のいずれか1つに記載の誘導体。
【0333】
45.yが12~20である、実施形態24~30及び43~44のいずれか1つに記載の誘導体。
【0334】
46.yが14である、実施形態24~30及び43~45のいずれか1つに記載の誘導体。
【0335】
47.PがChem.13である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0336】
48.zが8~20である、実施形態24~30及び47のいずれか1つに記載の誘導体。
【0337】
49.zが13~17である、実施形態24~30及び47~48のいずれか1つに記載の誘導体。
【0338】
50.zが15である、実施形態24~30及び47~49のいずれか1つに記載の誘導体
【0339】
51.PがChem.14である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0340】
52.pが8~20である、実施形態24~30及び51のいずれか1つに記載の誘導体。
【0341】
53.pが13~17である、実施形態24~30及び51~53のいずれか1つに記載の誘導体。
【0342】
54.pが15である、実施形態24~30及び51~53のいずれか1つに記載の誘導体。
【0343】
55.Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態24~54のいずれか1つに記載の誘導体。
【0344】
56.n、m、及びqのそれぞれが、独立して、0~4である、実施形態24~55のいずれか1つに記載の誘導体。
【0345】
57.nが0であり、mが2であり、qが1である、実施形態24~56のいずれか1つに記載の誘導体。
【0346】
57a.Chem.15リンカーエレメントがL形態である、実施形態55~56のいずれか1つに記載の誘導体。
【0347】
58.Lが、0から6個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態24~57aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0348】
59.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態24~58のいずれか1つに記載の誘導体。
【0349】
60.k及びlのそれぞれが1である、実施形態24~59のいずれか1つに記載の誘導体。
【0350】
61.Lが、0個のChem.16を含む、すなわち、Chem.16を含まない、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0351】
62.Lが2個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0352】
63.Lが4個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0353】
64.Lが6個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0354】
65.Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態24~64のいずれか1つに記載の誘導体。
【0355】
66.Lが、リンカーエレメントChem.18を含む、実施形態24~65のいずれか1つに記載の誘導体。
【0356】
67.tが1~5である、実施形態24~66のいずれか1つに記載の誘導体。
【0357】
68.tが2である、実施形態24~67のいずれか1つに記載の誘導体。
【0358】
69.2個以上のリンカーエレメントが存在する場合、リンカーエレメントは、アミド結合を介して相互接続されている、実施形態24~68のいずれか1つに記載の誘導体。
【0359】
70.2個以上の相互接続されたリンカーエレメントが、リンカーLを構成する、実施形態69に記載の誘導体。
【0360】
71.単一のリンカーエレメントがリンカーLを構成する、実施形態69に記載の誘導体。
【0361】
72.(それぞれの)リンカー(L)及び(それぞれの)延長部分(P)が、アミド結合によって相互接続されている、実施形態70~71のいずれか1つに記載の誘導体。
【0362】
73.(それぞれの)リンカー(L)が、アミド結合によって、任意選択により分岐基(B)を介して、(それぞれの)Lys残基のイプシロンアミノ基に接続されている、実施形態70~72のいずれか1つに記載の誘導体。
【0363】
74.分岐基(B)が、Chem.19及びChem.20:
Chem.19:
【0364】
【0365】
Chem.20:
【0366】
【0367】
[式中、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数であり;各wは、0~2の範囲の整数を表す]
から選択される分岐リンカー(BL)を含む、実施形態24~73のいずれか1つに記載の誘導体。
【0368】
75.BLがChem.19である、実施形態74に記載の誘導体。
【0369】
76.u及びvが、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5であり、vが0の場合は、uは1~5である、実施形態74~75のいずれか1つに記載の誘導体。
【0370】
77.uが0であり、vが4である、実施形態74~76のいずれか1つに記載の誘導体。
【0371】
78.uが4であり、vが0である、実施形態74~76のいずれか1つに記載の誘導体。
【0372】
79.BLがChem.20である、実施形態74に記載の誘導体。
【0373】
80.wが0~2である、実施形態74及び79のいずれか1つに記載の誘導体。
【0374】
81.wが1である、実施形態74及び79~80のいずれか1つに記載の誘導体。
【0375】
82.Bが存在せず、Uが1である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0376】
83.式Ia:
(P-L)-GLP1
を有する、実施形態24~82のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0377】
84.Pが、Chem.11及びChem.12から選択される、実施形態82~84のいずれか1つに記載の誘導体。
【0378】
85.PがChem.11である、実施形態84に記載の誘導体。
【0379】
86.xが16である、実施形態85に記載の誘導体。
【0380】
87.PがChem.12である、実施形態84に記載の誘導体。
【0381】
88.yが14である、実施形態87に記載の誘導体。
【0382】
89.Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態82~88のいずれか1つに記載の誘導体。
【0383】
90.Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態82~89のいずれか1つに記載の誘導体。
【0384】
91.Lが、リンカーエレメントChem.15からなり、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態90に記載の誘導体。
【0385】
92.Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態82~90のいずれか1つに記載の誘導体。
【0386】
93.Lが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態82~90及び92のいずれか1つに記載の誘導体。
【0387】
94.k=l=1である、実施形態92~93のいずれか1つに記載の誘導体。
【0388】
95.Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-2×Chem.16)、実施形態82~90及び92~94のいずれか1つに記載の誘導体。
【0389】
96.GLP1が、式IIa:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、又はXaa37のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態82~95のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0390】
96a.Xaa7がL-ヒスチジンである、実施形態96に記載の誘導体。
【0391】
97.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Glyであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Lysであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Glyである、実施形態96~96aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0392】
98.GLP-1が、式IIaのペプチドである、実施形態96~97のいずれか1つに記載の誘導体。
【0393】
99.(P-L)が、Lys26に結合している、実施形態82~98のいずれか1つに記載の誘導体。
【0394】
100.Bが存在せず、Uが2である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0395】
101.式Ib:
(P-L)2-GLP1
を有する、実施形態24~81及び100のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0396】
102.各Pが、独立して、Chem.10及びChem.11から選択される、実施形態100~101のいずれか1つに記載の誘導体。
【0397】
103.2つのPが同一である、実施形態102に記載の誘導体。
【0398】
104.PがChem.10である、実施形態103に記載の誘導体。
【0399】
105.Rが-COOHである、実施形態104に記載の誘導体。
【0400】
106.Rが、ベンゼン環(m)の3位に存在する、実施形態104~105のいずれか1つに記載の誘導体。
【0401】
107.Rが、ベンゼン環(p)の4位に存在する、実施形態104~105のいずれか1つに記載の誘導体。
【0402】
108.sが9又は10である、実施形態104~107のいずれか1つに記載の誘導体。
【0403】
108a.sが9である、実施形態104~107のいずれか1つに記載の誘導体。
【0404】
108b.sが10である、実施形態104~107のいずれか1つに記載の誘導体。
【0405】
109.PがChem.11である、実施形態103に記載の誘導体。
【0406】
110.xが18である、実施形態109に記載の誘導体。
【0407】
110a.xが12である、実施形態109に記載の誘導体。
【0408】
111.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態100~110aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0409】
112.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態111に記載の誘導体。
【0410】
113.各Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態100~112のいずれか1つに記載の誘導体。
【0411】
114.各Lが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態113に記載の誘導体。
【0412】
115.k=l=1である、実施形態113~114のいずれか1つに記載の誘導体。
【0413】
116.各Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0414】
116.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-2×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0415】
117.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、4個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-4×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0416】
116.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.17-Chem.15-2×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0417】
117.GLP-1が、式IIb:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、又はXaa38のうちの少なくとも2つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態100~116のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0418】
117a.Xaa7がL-ヒスチジンである、実施形態117に記載の誘導体。
【0419】
118.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Lys又はArgであり;Xaa27が、Glu又はLysであり;Xaa30が、Ala又はGluであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Lysであり;Xaa37が、Gly又はLysであり;Xaa38が、Gluであるか、又は存在せず;Xaa39が、Glyであるか、又は存在せず;ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、及びXaa37のうちの少なくとも2つはLysである、実施形態117~117aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0420】
119.GLP-1が、式IIbのペプチドである、実施形態117~118のいずれか1つに記載の誘導体。
【0421】
120.2つの(P-L)が、i)Lys26及びLys37;ii)Lys27及びLys36;又はiii)Lys36及びLys37、に結合している、実施形態100~119のいずれか1つに記載の誘導体。
【0422】
121.GLP-1が、式IIc:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、又はLysであり;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa42は、Lysであり;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの少なくとも2つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態100~116のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0423】
121a.Xaa7が、L-ヒスチジンである、実施形態121に記載の誘導体。
【0424】
122.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Argであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Glyであり;Xaa38が、Lysであり;Xaa39が、Glyであり;Xaa40が、Glyであり;Xaa41が、Serであり;Xaa42が、Lysである、実施形態121~121aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0425】
123.GLP-1が、式IIcのペプチドである、実施形態121~122のいずれか1つに記載の誘導体。
【0426】
124.2つの(P-L)が、Lys38及びLys42に結合している、実施形態121~123のいずれか1つに記載の誘導体。
【0427】
125.Bが存在し、Uが2である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0428】
126.Bが、>BL-PLによって表され、ここで、>BLは分岐リンカーであり、PLは任意選択のプレリンカーである、実施形態125に記載の誘導体。
【0429】
127.>BLが、トリラジカルである、実施形態126に記載の誘導体。
【0430】
128.>BLが、実施形態74~81のいずれか1つにおいて定義される分岐リンカー(BL)によって表される、実施形態126~127のいずれか1つに記載の誘導体。
【0431】
129.PLがジラジカル(di-radical)である、実施形態126~128のいずれか1つに記載の誘導体。
【0432】
130.式Ic:
(P-L)2>BL-PL-GLP1
を有する、実施形態125~129のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0433】
131.各PがChem.11である、実施形態125~130のいずれか1つに記載の誘導体。
【0434】
132.xが18である、実施形態131に記載の誘導体。
【0435】
133.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態125~132のいずれか1つに記載の誘導体。
【0436】
134.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態125~133のいずれか1つに記載の誘導体。
【0437】
135.各Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態125~134のいずれか1つに記載の誘導体。
【0438】
136.k=l=1である、実施形態135に記載の誘導体。
【0439】
137.各Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態125~136のいずれか1つに記載の誘導体。
【0440】
138.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と;1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と;4個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる
(Chem.17-Chem.15-4×Chem.16)、実施形態125~137のいずれか1つに記載の誘導体。
【0441】
139.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と;1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と;6個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.17-Chem.15-6×Chem.16)、実施形態125~137のいずれか1つに記載の誘導体。
【0442】
140.GLP1が、式IId:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、又はXaa38のうちの少なくとも1つはLysである]
である、実施形態125~139のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0443】
140a.Xaa7が、L-ヒスチジンである、実施形態140に記載の誘導体。
【0444】
141.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26は、Argであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Lys又はProであり;Xaa38が、Lysであるか、又は存在せず;ただし、Xaa37及びXaa38の少なくとも一方がLysである、実施形態140~140aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0445】
142.GLP-1が、式IIdのペプチドである、実施形態140~141のいずれか1つに記載の誘導体。
【0446】
143.(P-L)が、Lys37又はLys38に結合している、実施形態125~142のいずれか1つに記載の誘導体。
【0447】
144.BLがChem.19であり、ここで、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数である、実施形態125~143のいずれか1つに記載の誘導体。
【0448】
145.uが0であり、vが4である、実施形態144に記載の誘導体。
【0449】
146.uが4であり、vが0である、実施形態144に記載の誘導体。
【0450】
147.PLが、存在する場合、Chem.16を含む、実施形態125~146のいずれか1つに記載の誘導体。
【0451】
148.PLが、0から2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態147に記載の誘導体。
【0452】
149.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態147~148のいずれか1つに記載の誘導体。
【0453】
150.k及びlのそれぞれが1である、実施形態147~149のいずれか1つに記載の誘導体。
【0454】
151.PLが、0個のChem.16を含む、すなわち、Chem.16を含まない、実施形態147~150のいずれか1つに記載の誘導体。
【0455】
152.PLが存在しない、実施形態147~151のいずれか1つに記載の誘導体。
【0456】
153.式Id:
(P-L)2>BL-GLP1;
を有する、実施形態125~152のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0457】
154.PLが存在し、非任意選択である(すなわち、必須である)、実施形態147~150のいずれか1つに記載の誘導体。
【0458】
155.PLが、2個のChem.16を含む、実施形態147~150及び154のいずれか1つに記載の誘導体。
【0459】
156.PLが、2個のChem.16からなる、実施形態147~150及び154~155のいずれか1つに記載の誘導体。
【0460】
157.BLがChem.20であり、ここで、各wが、0~2の範囲の整数を表す、実施形態125~143のいずれか1つに記載の誘導体。
【0461】
158.wが1である、実施形態157に記載の誘導体。
【0462】
159.PLが存在する、実施形態157~158のいずれか1つに記載の誘導体。
【0463】
160.PLがChem.16を含む、実施形態157~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0464】
161.PLが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態159~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0465】
162.PLが、2個のリンカーエレメントChem.16からなる、実施形態159~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0466】
163.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態160~162のいずれか1つに記載の誘導体。
【0467】
163.k及びlのそれぞれが1である、実施形態160~163のいずれか1つに記載の誘導体。
【0468】
164.GLP1が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択される、実施形態24~163のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0469】
164a.GLP-1類似体が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択される、実施形態24~164のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0470】
165.Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、Chem.25、Chem.26、Chem.27、Chem.28、Chem.29、Chem.30、Chem.31、及びChem.32から選択される誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0471】
166.実施形態1~165のいずれか1つに記載の誘導体である、実施形態164及び164aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0472】
167.実施例1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、又は13の化合物である、実施形態165~166のいずれか1つに記載の誘導体。
【0473】
168.GLP-1誘導体である、実施形態1~167のいずれか1つに記載の誘導体。
【0474】
169.配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0475】
169a.配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0476】
169b.配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0477】
169c.配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0478】
170.配列番号15のアミノ酸1~275を含むか、又は有する化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0479】
170a.配列番号15のアミノ酸276~550を含むか、又は有する化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0480】
170b.配列番号15を含むか、又は有する化合物。
【0481】
170c.i)実施形態170の2つの化合物、ii)実施形態170aの2つの化合物、iii)実施形態170の1つの化合物及び実施形態170aの1つの化合物、の二量体である化合物。
【0482】
170d.位置55の2つのCys残基と位置58の2つのCys残基との間、すなわち、配列番号15のCys55とCys330との間並びにCys58とCys333との間にCys-Cys結合を有する、実施形態170b~170cのいずれか1つに記載の化合物。
【0483】
171.GLP-1受容体アゴニストである、実施形態1~170dのいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0484】
172.完全GLP-1受容体アゴニストである、実施形態1~171のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0485】
173.インビトロにおいて生物学的に活性である、実施形態1~172のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0486】
174.インビトロにおいて強力である、実施形態1~173のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0487】
175.ヒトGLP-1受容体を活性化することができる、実施形態1~174のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0488】
176.ヒトGLP-1受容体を発現する全細胞によるアッセイにおいてヒトGLP-1受容体を活性化することができ、アッセイが、HSAの不在下において(0%のHSA)、実施される、実施形態1~175のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0489】
177.ヒトGLP-1受容体の応答が、レポーター遺伝子アッセイ(実施例15のアッセイ等)において測定される、実施形態1~176のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0490】
178.GLP-1受容体アゴニズム、インビトロでの生物学的活性、インビトロでの効力、又はヒトGLP-1受容体を活性化する能力のそれぞれが、本質的に、実施例15において説明されるようにして特定される、実施形態171~177のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0491】
179.300pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~178のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0492】
180.200pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~179のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0493】
181.150pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~180のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0494】
182.125pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~181のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0495】
183.100pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~182のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0496】
184.75pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~183のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0497】
185.50pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~184のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0498】
186.30pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~185のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0499】
187.EC50が、本質的に実施例15において説明されるように特定される、実施形態179~186のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0500】
188.セマグルチドのEC50の60倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~187のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0501】
189.セマグルチドのEC50の30倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~188のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0502】
190.セマグルチドのEC50の8倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~189のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0503】
191.セマグルチドのEC50の6倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~190のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0504】
192.セマグルチドのEC50の3倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~191のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0505】
193.セマグルチドのEC50の2倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~192のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0506】
194.セマグルチドのEC50以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~193のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0507】
195.EC50が、本質的に実施例15において説明されるように特定される、実施形態188~194のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0508】
196.GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~195のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0509】
197.HSAの低濃度において(最大0.001%(w/v)の最終アッセイ濃度)、GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~196のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0510】
198.HSAの高濃度において(2.0%(w/v)の最終アッセイ濃度)、GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~195のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0511】
199.ヒトGLP-1受容体への結合が、競合結合アッセイ(実施例16のアッセイ等)において測定される、実施形態196~198のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0512】
200.インビトロでのヒトGLP-1受容体への結合が、本質的に実施例16に説明されるように特定される、実施形態196~199のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0513】
201.HSAの低濃度において、20nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~200のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0514】
202.HSAの低濃度において、10nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~201のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0515】
203.HSAの低濃度において、4.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~202のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0516】
204.HSAの低濃度において、2.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~203のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0517】
205.HSAの低濃度において、1.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~204のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0518】
206.HSAの低濃度において、0.50nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~205のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0519】
207.IC50が、最大0.001%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に、実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態201~206のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0520】
208.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の35倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~207のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0521】
209.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の20倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~208のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0522】
210.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の8倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~209のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0523】
211.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の4倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~210のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0524】
212.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の3倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~211のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0525】
213.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の2倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~212のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0526】
214.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~213のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0527】
215.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の0.50倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~214のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0528】
216.IC50が、最大0.001%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に、実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態208~215のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0529】
217.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、800nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~216のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0530】
218.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、450nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~217のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0531】
219.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、800nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~218のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0532】
220.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、600nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~219のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0533】
221.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、400nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~220のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0534】
222.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、200nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~221のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0535】
223.IC50が、2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態217~222のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0536】
224.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の8倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0537】
225.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の6倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0538】
226.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の4倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0539】
227.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の2倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0540】
228.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0541】
229.IC50が、2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に、実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態224~228のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0542】
230.インビボにおいて強力である、実施形態1~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0543】
231.任意の好適な動物モデル(マウス等)において特定されたときに、インビボにおいて強力である、実施形態1~230のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0544】
232.動物モデルがdb/dbマウスである、実施形態1~231のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0545】
233.血糖低下効果が特定される、実施形態1~232のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0546】
234.体重減少効果が特定される、実施形態1~233のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0547】
235.血糖低下効果及び/又は体重減少効果が、例えば、実施例17において説明されるような、任意の好適な研究プロトコル及び方法論を使用して、db/dbマウスにおいて、インビボで特定される、実施形態1~234のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0548】
236.血糖低下効果及び/又は体重減少効果が、本質的に、実施例17において説明されるように、db/dbマウスにおいてインビボで特定される、実施形態1~235のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0549】
237.肥満の糖尿病マウスモデルにおける、好適な用量、例えば、0.3、1.0、3.0、10、30、又は100nmol/kgの単回投与研究において特定した場合に、24時間、又は48時間後の血糖を減少させるインビボでの効果を有する、実施形態1~236のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0550】
238.デルタ血糖及びデルタ体重対時間の用量応答曲線が、単回用量のそれぞれに対して作成され、この場合、デルタが、所与の時間での実際の血糖/体重からベースラインを差し引いたものを意味し、ここで、ベースラインは、時間0での血糖及び体重のレベルである、実施形態1~237のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0551】
239.0時間から24時間までのデルタ血糖に対する曲線の下の面積(AUCΔBG24h)及び投薬後24時間でのデルタ体重増加(ΔBW24h)が、個々の用量応答曲線のそれぞれに対して算出され、50%有効量(ED50、ベースラインと最大効果との間の中間の応答を与えるGLP-1誘導体の用量)が、AUCΔBG24h及びΔBW24hに対して算出される、実施形態1~238のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0552】
240.血糖を用量依存的に減少させる、実施形態1~239のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0553】
241.体重を用量依存的に減少させる、実施形態1~240のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0554】
242.ED50 AUCΔBG24hが、少なくとも2.0nmol/kgである、実施形態1~241のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0555】
243.ED50 ΔBW24hが、少なくとも4.0nmol/kgである、実施形態1~242のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0556】
244.GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を組換えによって製造する工程を含む、実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体を調製する方法。
【0557】
245.GLP-1類似体が、GLP-1活性を有する、実施形態244に記載の方法。
【0558】
246.GLP-1類似体が、DPP-IV安定化される、実施形態244~245のいずれか1つに記載の方法。
【0559】
247.GLP-1類似体が、実施形態179~195のいずれか1つにおいて定義されるインビトロでの効力を有する、実施形態244~246のいずれか1つに記載の方法。
【0560】
248.DPP-IV安定化GLP-1類似体が、実施例14の方法を使用して試験した場合に、少なくとも10分間の半減期を有する、実施形態244~247のいずれか1つに記載の方法。
【0561】
249.DPP-IV安定化GLP-1類似体が、実施例14の方法を使用して試験した場合に、少なくとも15分間の半減期を有する、実施形態244~248のいずれか1つに記載の方法。
【0562】
250.DPP-IV安定化GLP-1類似体が、好適なDPP-IV安定性アッセイ、例えば、実施例14のアッセイにおいて試験した場合に、天然のGLP-1の少なくとも10倍、好ましくは少なくとも15倍、より好ましくは少なくとも20倍安定である、実施形態244~249のいずれか1つに記載の方法。
【0563】
251.組換えによって製造されたGLP-1類似体を精製する工程を更に含む、実施形態244~250のいずれか1つに記載の方法。
【0564】
252.GLP-1類似体のLys残基に置換基を結合させ、それによってGLP-1類似体の誘導体が製造される、工程を更に含む、実施形態244~251のいずれか1つに記載の方法。
【0565】
253.1つ又は2つの置換基が結合される、実施形態252に記載の方法。
【0566】
254.1つの置換基が、1つのLys残基に結合される、実施形態253に記載の方法。
【0567】
255.2つの置換基が、2つのLys残基のそれぞれに1つずつ結合される、実施形態253に記載の方法。
【0568】
256.2つの置換基が、分岐基(B)を介して、1つのLys残基に結合される、実施形態253に記載の方法。
【0569】
257.GLP-1誘導体を精製する工程を更に含む、実施形態252~257のいずれか1つに記載の方法。
【0570】
258.実施形態1~243のいずれか1つにおいて定義されるGLP-1類似体又は誘導体の調製のための、実施形態244~257のいずれか1つに記載の方法。
【0571】
259.実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【0572】
260.医薬として使用するための、実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0573】
261.(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
に使用される、実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0574】
262.
(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置のための医薬の製造における、実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体の使用。
【0575】
263.
(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
のための方法であって、実施形態1~243のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体の薬学的に活性な量が投与される、方法。
【0576】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体は、Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、Chem.25、Chem.26、Chem.27、Chem.28、Chem.29、Chem.30、Chem.31、及びChem.32からは選択されず;それらの薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルでもない。
【0577】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号15のアミノ酸1~275、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20からは選択されず;それらの薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルでもない。
【0578】
追加の特定の実施形態
以下は、本発明の追加の特定の実施形態である。
【0579】
1.GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を含む誘導体であって、少なくとも8つの連続する-CH2-基と、pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)とを含む置換基が、GLP-1類似体のLys残基に結合している、誘導体。
【0580】
2.GLP-1類似体の1つ又は2つのLys残基に結合した1つ又は2つの置換基を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の誘導体。
【0581】
3.置換基が、Lys残基のイプシロンアミノ基に結合している、実施形態1に記載の誘導体。
【0582】
4.置換基における連続する-CH2-基の数が、8~20の範囲である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の誘導体。
【0583】
5.数が9~18の範囲である、実施形態4に記載の誘導体。
【0584】
6.数が、9、10、12、14、15、16、又は18である、実施形態4~5のいずれか1つに記載の誘導体。
【0585】
7.少なくとも1つのFGが、独立して、Chem.1、Chem.2、及びChem.4:
Chem.1:
【0586】
【0587】
Chem.2:
【0588】
【0589】
Chem.4:
【0590】
【0591】
から選択される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0592】
8.1つ又は2つの置換基のそれぞれにおける、pKa<7であるFGの数が、1~10の範囲である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の誘導体。
【0593】
9.数が1~8の範囲である、実施形態8に記載の誘導体。
【0594】
10.数が1~6の範囲である、実施形態8~9のいずれか1つに記載の誘導体。
【0595】
11.数が1~4の範囲である、実施形態8~10のいずれか1つに記載の誘導体。
【0596】
12.数が1又は2である、実施形態8~11のいずれか1つに記載の誘導体。
【0597】
13.pKaが、CH3-FGの水溶液のpHである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の誘導体。
【0598】
14.pKaが、方程式1:
方程式1: CH3-FG+H2O⇔FG-+H3O+
の平衡の場合のマイナスlogKaである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の誘導体。
【0599】
15.GLP-1類似体が、式II:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa42は、Lysであるか、又は存在せず、
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0600】
16.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gly又はGluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Arg又はLysであり;
Xaa27が、Glu又はLysであり;Xaa30が、Ala又はGluであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Arg又はLysであり;Xaa37が、Gly、Lys、又はProであり;Xaa38が、Glu、Lysであるか、又は存在せず;Xaa39が、Glyであるか、又は存在せず;Xaa40が、Glyであるか、又は存在せず;Xaa41が、Serであるか、又は存在せず;Xaa42が、Lysであるか、又は存在しない、実施形態15に記載の誘導体。
【0601】
17.GLP-1類似体が、式IIのペプチドである、実施形態15~16のいずれか1つに記載の誘導体。
【0602】
18.Xaa37が存在しない場合、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~17のいずれか1つに記載の誘導体。
【0603】
18a.Xaa38が存在しない場合、Xaa39、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~18のいずれか1つに記載の誘導体。
【0604】
19.Xaa39が存在しない場合、Xaa40、Xaa41、及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~18aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0605】
20.Xaa40が存在しない場合、Xaa41及びXaa42のそれぞれも存在しない、実施形態15~19のいずれか1つに記載の誘導体。
【0606】
21.Xaa41が存在しない場合、Xaa42も存在しない、実施形態15~20のいずれか1つに記載の誘導体。
【0607】
22.Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、又はXaa42のうちの1つが存在しない場合、それぞれの後続のアミノ酸残基も存在しない、実施形態15~21のいずれか1つに記載の誘導体。
【0608】
23.Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの1つ又は2つがLysである、実施形態15~22のいずれか1つに記載の誘導体。
【0609】
23a.1つ又は2つの置換基が、類似体の1つ又は2つのLys残基のイプシロンアミノ基に結合している、実施形態23に記載の誘導体。
【0610】
23b.GLP-1類似体が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11から選択される、実施形態1~23aのいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0611】
24.式I:
(P-L)U-B-GLP1、
[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介してGLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2である]
の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0612】
24a.pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)を含む、実施形態24に記載の誘導体。
【0613】
24b.少なくとも1つの官能基が、独立して、Chem.1、Chem.2、及びChem.4から選択される、実施形態24aに記載の誘導体。
【0614】
25.実施形態1~23bのいずれか1つに記載の誘導体である、実施形態24~24bのいずれか1つに記載の誘導体。
【0615】
26.GLP-1類似体の1つ又は2つのLys残基に結合した1つ又は2つの置換基(P-L)を含む、実施形態24~25のいずれか1つに記載の誘導体。
【0616】
26.GLP-1類似体が、実施形態15~23bのいずれか1つにおいて定義される、実施形態24~25のいずれか1つに記載の誘導体。
【0617】
27.(それぞれの)置換基(P-L)が、Chem.10、Chem.11、Chem.12、Chem.13、及びChem.14:
Chem.10:
【0618】
【0619】
Chem.11:
【0620】
【0621】
Chem.12:
【0622】
【0623】
Chem.13:
【0624】
【0625】
Chem.14:
【0626】
【0627】
から選択される延長部分(P)と、
Chem.15、Chem.16、Chem.17、及びChem.18:
Chem.15:
【0628】
【0629】
Chem.16:
【0630】
【0631】
Chem.17:
【0632】
【0633】
Chem.18:
【0634】
【0635】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)と
を含み、
ここで、
Rは、-COOHであり;
s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;
n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;
k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表す、
実施形態24~26のいずれか1つに記載の誘導体。
【0636】
28.少なくとも1個のリンカーエレメントが、1~10の範囲の、(それぞれの)置換基(P-L)におけるいくつかのリンカーエレメントを意味する、実施形態27に記載の誘導体。
【0637】
29.(それぞれの)置換基(P-L)に1個から8個のリンカーエレメントを含有する、実施形態27~28のいずれか1つに記載の誘導体。
【0638】
30.(それぞれの)置換基(P-L)が、延長部分(P)及びリンカー(L)からなる、実施形態24~29のいずれか1つに記載の誘導体。
【0639】
31.PがChem.10である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0640】
32.Rが、ベンゼン環(m)の3位に存在する、実施形態24~31のいずれか1つに記載の誘導体。
【0641】
33.Rが、ベンゼン環(p)の4位に存在する、実施形態24~31のいずれか1つに記載の誘導体。
【0642】
34.sが8~20である、実施形態24~33のいずれか1つに記載の誘導体。
【0643】
35.sが8~10である、実施形態24~34のいずれか1つに記載の誘導体。
【0644】
36.sが9である、実施形態24~35のいずれか1つに記載の誘導体。
【0645】
37.PがChem.11である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0646】
38.xが8~20である、実施形態24~30及び37のいずれか1つに記載の誘導体。
【0647】
39.xが12~20である、実施形態24~30及び37~38のいずれか1つに記載の誘導体。
【0648】
40.xが12である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0649】
41.xが16である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0650】
42.xが18である、実施形態24~30及び37~39のいずれか1つに記載の誘導体。
【0651】
43.PがChem.12である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0652】
44.yが8~20である、実施形態24~30及び43のいずれか1つに記載の誘導体。
【0653】
45.yが12~20である、実施形態24~30及び43~44のいずれか1つに記載の誘導体。
【0654】
46.yが14である、実施形態24~30及び43~45のいずれか1つに記載の誘導体。
【0655】
47.PがChem.13である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0656】
48.zが8~20である、実施形態24~30及び47のいずれか1つに記載の誘導体。
【0657】
49.zが13~17である、実施形態24~30及び47~48のいずれか1つに記載の誘導体。
【0658】
50.zが15である、実施形態24~30及び47~49のいずれか1つに記載の誘導体。
【0659】
51.PがChem.14である、実施形態24~30のいずれか1つに記載の誘導体。
【0660】
52.pが8~20である、実施形態24~30及び51のいずれか1つに記載の誘導体。
【0661】
53.pが13~17である、実施形態24~30及び51~53のいずれか1つに記載の誘導体。
【0662】
54.pが15である、実施形態24~30及び51~53のいずれか1つに記載の誘導体。
【0663】
55.Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態24~54のいずれか1つに記載の誘導体。
【0664】
56.n、m、及びqのそれぞれが、独立して、0~4である、実施形態24~55のいずれか1つに記載の誘導体。
【0665】
57.nが0であり、mが2であり、qが1である、実施形態24~56のいずれか1つに記載の誘導体。
【0666】
58.Lが、0から6個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態24~57のいずれか1つに記載の誘導体。
【0667】
59.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態24~58のいずれか1つに記載の誘導体。
【0668】
60.k及びlのそれぞれが1である、実施形態24~59のいずれか1つに記載の誘導体。
【0669】
61.Lが、0個のChem.16を含む、すなわち、Chem.16を含まない、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0670】
62.Lが2個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0671】
63.Lが4個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0672】
64.Lが6個のChem.16を含む、実施形態58~60のいずれか1つに記載の誘導体。
【0673】
65.Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態24~64のいずれか1つに記載の誘導体。
【0674】
66.Lが、リンカーエレメントChem.18を含む、実施形態24~65のいずれか1つに記載の誘導体。
【0675】
67.tが1~5である、実施形態24~66のいずれか1つに記載の誘導体。
【0676】
68.tが2である、実施形態24~67のいずれか1つに記載の誘導体。
【0677】
69.2個以上のリンカーエレメントが存在する場合、リンカーエレメントは、アミド結合を介して相互接続されている、実施形態24~68のいずれか1つに記載の誘導体。
【0678】
70.2個以上の相互接続されたリンカーエレメントが、リンカーLを構成する、実施形態69に記載の誘導体。
【0679】
71.単一のリンカーエレメントがリンカーLを構成する、実施形態69に記載の誘導体。
【0680】
72.(それぞれの)リンカー(L)及び(それぞれの)延長部分(P)が、アミド結合によって相互接続されている、実施形態70~71のいずれか1つに記載の誘導体。
【0681】
73.(それぞれの)リンカー(L)が、アミド結合によって、任意選択により分岐基(B)を介して、(それぞれの)Lys残基のイプシロンアミノ基に接続されている、実施形態70~72のいずれか1つに記載の誘導体。
【0682】
74.分岐基(B)が、Chem.19及びChem.20:
Chem.19:
【0683】
【0684】
Chem.20:
【0685】
【0686】
[式中、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数であり;各wは、0~2の範囲の整数を表す]
から選択される分岐リンカー(BL)を含む、実施形態24~73のいずれか1つに記載の誘導体。
【0687】
75.BLがChem.19である、実施形態74に記載の誘導体。
【0688】
76.u及びvが、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5であり、vが0の場合は、uは1~5である、実施形態74~75のいずれか1つに記載の誘導体。
【0689】
77.uが0であり、vが4である、実施形態74~76のいずれか1つに記載の誘導体。
【0690】
78.uが4であり、vが0である、実施形態74~76のいずれか1つに記載の誘導体。
【0691】
79.BLがChem.20である、実施形態74に記載の誘導体。
【0692】
80.wが0~2である、実施形態74及び79のいずれか1つに記載の誘導体。
【0693】
81.wが1である、実施形態74及び79~80のいずれか1つに記載の誘導体。
【0694】
82.Bが存在せず、Uが1である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0695】
83.式Ia:
(P-L)-GLP1
を有する、実施形態24~82のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0696】
84.Pが、Chem.11及びChem.12から選択される、実施形態82~84のいずれか1つに記載の誘導体。
【0697】
85.PがChem.11である、実施形態84に記載の誘導体。
【0698】
86.xが16である、実施形態85に記載の誘導体。
【0699】
87.PがChem.12である、実施形態84に記載の誘導体。
【0700】
88.yが14である、実施形態87に記載の誘導体。
【0701】
89.Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態82~88のいずれか1つに記載の誘導体。
【0702】
90.Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態82~89のいずれか1つに記載の誘導体。
【0703】
91.Lが、リンカーエレメントChem.15からなり、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態90に記載の誘導体。
【0704】
92.Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態82~90のいずれか1つに記載の誘導体。
【0705】
93.Lが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態82~90及び92のいずれか1つに記載の誘導体。
【0706】
94.k=l=1である、実施形態92~93のいずれか1つに記載の誘導体。
【0707】
95.Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-2×Chem.16)、実施形態82~90及び92~94のいずれか1つに記載の誘導体。
【0708】
96.GLP1が、式IIa:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、又はXaa37のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態82~95のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0709】
97.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Glyであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Lysであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Glyである、実施形態96に記載の誘導体。
【0710】
98.GLP-1が、式IIaのペプチドである、実施形態96~97のいずれか1つに記載の誘導体。
【0711】
99.(P-L)が、Lys26に結合されている、実施形態82~98のいずれか1つに記載の誘導体。
【0712】
100.Bが存在せず、Uが2である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0713】
101.式Ib:
(P-L)2-GLP1
を有する、実施形態24~81及び100のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0714】
102.各Pが、独立して、Chem.10及びChem.11から選択される、実施形態100~101のいずれか1つに記載の誘導体。
【0715】
103.2つのPが同一である、実施形態102に記載の誘導体。
【0716】
104.PがChem.10である、実施形態103に記載の誘導体。
【0717】
105.Rが-COOHである、実施形態104に記載の誘導体。
【0718】
106.Rが、ベンゼン環(m)の3位に存在する、実施形態104~105のいずれか1つに記載の誘導体。
【0719】
107.Rが、ベンゼン環(p)の4位に存在する、実施形態104~105のいずれか1つに記載の誘導体。
【0720】
108.sが9である、実施形態104~107のいずれか1つに記載の誘導体。
【0721】
109.PがChem.11である、実施形態103に記載の誘導体。
【0722】
110.xが18である、実施形態109に記載の誘導体。
【0723】
110a.xが12である、実施形態109に記載の誘導体。
【0724】
111.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態100~110aのいずれか1つに記載の誘導体。
【0725】
112.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態111に記載の誘導体。
【0726】
113.各Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態100~112のいずれか1つに記載の誘導体。
【0727】
114.各Lが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態113に記載の誘導体。
【0728】
115.k=l=1である、実施形態113~114のいずれか1つに記載の誘導体。
【0729】
116.各Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0730】
116.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-2×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0731】
117.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、4個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.15-4×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0732】
116.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と、1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と、2個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.17-Chem.15-2×Chem.16)、実施形態100~115のいずれか1つに記載の誘導体。
【0733】
117.GLP-1が、式IIb:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、又はXaa38のうちの少なくとも2つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態100~116のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0734】
118.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Lys又はArgであり;Xaa27が、Glu又はLysであり;Xaa30が、Ala又はGluであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Lysであり;Xaa37が、Gly又はLysであり;Xaa38が、Gluであるか、又は存在せず;Xaa39が、Glyであるか、又は存在せず;ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、及びXaa37のうちの少なくとも2つはLysである]実施形態117に記載の誘導体。
【0735】
119.GLP-1が、式IIbのペプチドである、実施形態117~118のいずれか1つに記載の誘導体。
【0736】
120.2つの(P-L)が、i)Lys26及びLys37;ii)Lys27及びLys36;又はiii)Lys36及びLys37、に結合している、実施形態100~119のいずれか1つに記載の誘導体。
【0737】
121.GLP-1が、式IIc:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、又はLysであり;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、又はProであり;
Xaa42は、Lysであり;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの少なくとも2つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態100~116のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0738】
122.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Argであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Glyであり;Xaa38が、Lysであり;Xaa39が、Glyであり;Xaa40が、Glyであり;Xaa41が、Serであり;Xaa42が、Lysである、実施形態121に記載の誘導体。
【0739】
123.GLP-1が、式IIcのペプチドである、実施形態121~122のいずれか1つに記載の誘導体。
【0740】
124.2つの(P-L)が、Lys38及びLys42に結合している、実施形態121~123のいずれか1つに記載の誘導体。
【0741】
125.Bが存在し、Uが2である、実施形態24~81のいずれか1つに記載の誘導体。
【0742】
126.Bが、>BL-PLによって表され、ここで、>BLは分岐リンカーであり、PLは任意選択のプレリンカーである、実施形態125に記載の誘導体。
【0743】
127.>BLが、トリラジカルである、実施形態126に記載の誘導体。
【0744】
128.>BLが、実施形態74~81のいずれか1つにおいて定義される分岐リンカー(BL)によって表される、実施形態126~127のいずれか1つに記載の誘導体。
【0745】
129.PLがジラジカルである、実施形態126~128のいずれか1つに記載の誘導体。
【0746】
130.式Ic:
(P-L)2>BL-PL-GLP1
を有する、実施形態125~129のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0747】
131.各PがChem.11である、実施形態125~130のいずれか1つに記載の誘導体。
【0748】
132.xが18である、実施形態131に記載の誘導体。
【0749】
133.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含む、実施形態125~132のいずれか1つに記載の誘導体。
【0750】
134.各Lが、リンカーエレメントChem.15を含み、ここで、qが1であり、mが2であり、nが0である、実施形態125~133のいずれか1つに記載の誘導体。
【0751】
135.各Lが、リンカーエレメントChem.16を含む、実施形態125~134のいずれか1つに記載の誘導体。
【0752】
136.k=l=1である、実施形態135に記載の誘導体。
【0753】
137.各Lが、リンカーエレメントChem.17を含む、実施形態125~136のいずれか1つに記載の誘導体。
【0754】
138.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と;1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と;4個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.17-Chem.15-4×Chem.16)、実施形態125~137のいずれか1つに記載の誘導体。
【0755】
139.各Lが、示された配列中にアミド結合を介して相互接続された、1個のリンカーエレメントChem.17と;1個のリンカーエレメントChem.15[式中、qは1であり、mは2であり、nは0である]と;6個のリンカーエレメントChem.16[式中、kは1であり、lは1である]とからなる(Chem.17-Chem.15-6×Chem.16)、実施形態125~137のいずれか1つに記載の誘導体。
【0756】
140.GLP1が、式IId:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、又はXaa38のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態125~139のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0757】
141.Xaa7が、L-ヒスチジンであり;Xaa12が、Pheであり;Xaa16が、Valであり;Xaa18が、Serであり;Xaa19が、Tyrであり;Xaa20が、Leuであり;Xaa22が、Gluであり;Xaa23が、Glnであり;Xaa25が、Alaであり;Xaa26が、Argであり;Xaa27が、Gluであり;Xaa30が、Alaであり;Xaa31が、Trpであり;Xaa33が、Valであり;Xaa34が、Argであり;Xaa35が、Glyであり;Xaa36が、Argであり;Xaa37が、Lys又はProであり;Xaa38が、Lysであるか、又は存在せず;ただし、Xaa37及びXaa38の少なくとも一方がLysである、実施形態140に記載の誘導体。
【0758】
142.GLP-1が、式IIdのペプチドである、実施形態140~141のいずれか1つに記載の誘導体。
【0759】
143.(P-L)が、Lys37又はLys38に結合している、実施形態125~142のいずれか1つに記載の誘導体。
【0760】
144.BLがChem.19であり、ここで、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数である、実施形態125~143のいずれか1つに記載の誘導体。
【0761】
145.uが0であり、vが4である、実施形態144に記載の誘導体。
【0762】
146.uが4であり、vが0である、実施形態144に記載の誘導体。
【0763】
147.PLが、存在する場合、Chem.16を含む、実施形態125~146のいずれか1つに記載の誘導体。
【0764】
148.PLが、0から2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態147に記載の誘導体。
【0765】
149.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態147~148のいずれか1つに記載の誘導体。
【0766】
150.k及びlのそれぞれが1である、実施形態147~149のいずれか1つに記載の誘導体。
【0767】
151.PLが、0個のChem.16を含む、すなわち、Chem.16を含まない、実施形態147~150のいずれか1つに記載の誘導体。
【0768】
152.PLが存在しない、実施形態147~151のいずれか1つに記載の誘導体。
【0769】
153.式Id:
(P-L)2>BL-GLP1
を有する、実施形態125~152のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0770】
154.PLが存在し、非任意選択である(すなわち、必須である)、実施形態147~150のいずれか1つに記載の誘導体。
【0771】
155.PLが、2個のChem.16を含む、実施形態147~150及び154のいずれか1つに記載の誘導体。
【0772】
156.PLが、2個のChem.16からなる、実施形態147~150及び154~155のいずれか1つに記載の誘導体。
【0773】
157.BLがChem.20であり、ここで、各wが、0~2の範囲の整数を表す、実施形態125~143のいずれか1つに記載の誘導体。
【0774】
158.wが1である、実施形態157に記載の誘導体。
【0775】
159.PLが存在する、実施形態157~158のいずれか1つに記載の誘導体。
【0776】
160.PLがChem.16を含む、実施形態157~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0777】
161.PLが、2個のリンカーエレメントChem.16を含む、実施形態159~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0778】
162.PLが、2個のリンカーエレメントChem.16からなる、実施形態159~160のいずれか1つに記載の誘導体。
【0779】
163.k及びlのそれぞれが、独立して、1~5である、実施形態160~162のいずれか1つに記載の誘導体。
【0780】
163.k及びlのそれぞれが1である、実施形態160~163のいずれか1つに記載の誘導体。
【0781】
164.GLP1が、配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11から選択される、実施形態24~163のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0782】
165.Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、及びChem.25から選択される誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0783】
166.実施形態1~165のいずれか1つに記載の誘導体である、実施形態164に記載の誘導体。
【0784】
167.実施例1、2、3、4、又は5の化合物である、実施形態165~166のいずれか1つに記載の誘導体。
【0785】
168.GLP-1誘導体である、実施形態1~167のいずれか1つに記載の誘導体。
【0786】
169.配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0787】
170.配列番号15のアミノ酸1~275を含むか、又は有する化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0788】
170a.配列番号15のアミノ酸276~550を含むか、又は有する化合物、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0789】
170b.配列番号15を含むか、又は有する化合物。
【0790】
170c.i)実施形態170の2つの化合物、ii)実施形態170aの2つの化合物、iii)実施形態170の1つの化合物及び実施形態170aの1つの化合物の二量体である化合物。
【0791】
170d.位置55の2つのCys残基と位置58の2つのCys残基との間にCys-Cys結合を有する、実施形態170b~170cのいずれか1つに記載の化合物。
【0792】
171.GLP-1受容体アゴニストである、実施形態1~169のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0793】
172.完全GLP-1受容体アゴニストである、実施形態1~169及び171のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0794】
173.インビトロにおいて生物学的に活性である、実施形態1~169及び171~172のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0795】
174.インビトロにおいて強力である、実施形態1~169及び171~173のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0796】
175.ヒトGLP-1受容体を活性化することができる、実施形態1~169及び171~174のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0797】
176.ヒトGLP-1受容体を発現する全細胞によるアッセイにおいてヒトGLP-1受容体を活性化することができ、アッセイが、HSAの不在下において(0%のHSA)、実施される、実施形態1~169及び171~175のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0798】
177.ヒトGLP-1受容体の応答が、レポーター遺伝子アッセイ(実施例15のアッセイ等)において測定される、実施形態1~169及び171~176のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0799】
178.GLP-1受容体アゴニズム、インビトロでの生物学的活性、インビトロでの効力、又はヒトGLP-1受容体を活性化する能力のそれぞれが、本質的に、実施例15において説明されるようにして特定される、実施形態171~177のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0800】
179.300pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~178のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0801】
180.200pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~179のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0802】
181.150pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~180のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0803】
182.125pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~181のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0804】
183.100pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~182のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0805】
184.75pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~183のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0806】
185.50pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~184のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0807】
186.30pM以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有する、実施形態1~169及び171~185のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0808】
187.EC50が、本質的に実施例15において説明されるように特定される、実施形態179~186のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0809】
188.セマグルチドのEC50の60倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~187のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0810】
189.セマグルチドのEC50の30倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~188のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0811】
190.セマグルチドのEC50の8倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~189のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0812】
191.セマグルチドのEC50の6倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~190のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0813】
192.セマグルチドのEC50の3倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~191のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0814】
193.セマグルチドのEC50の2倍未満のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~192のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0815】
194.セマグルチドのEC50以下のEC50に相当するインビトロでの効力を有し、セマグルチドのEC50が、誘導体のEC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~193のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0816】
195.EC50が、本質的に実施例15において説明されるように特定される、実施形態188~194のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0817】
196.GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~195のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0818】
197.HSAの低濃度において(最大0.001%(w/v)の最終アッセイ濃度)、GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~196のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0819】
198.HSAの高濃度において(2.0%(w/v)の最終アッセイ濃度)、GLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~195のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0820】
199.ヒトGLP-1受容体への結合が、競合結合アッセイ(実施例16のアッセイ等)において測定される、実施形態196~198のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0821】
200.インビトロでのヒトGLP-1受容体への結合が、本質的に実施例16に説明されるように特定される、実施形態196~199のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0822】
201.HSAの低濃度において、20nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~200のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0823】
202.HSAの低濃度において、10nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~201のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0824】
203.HSAの低濃度において、4.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~202のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0825】
204.HSAの低濃度において、2.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~203のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0826】
205.HSAの低濃度において、1.0nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~204のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0827】
206.HSAの低濃度において、0.50nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~205のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0828】
207.IC50が、最大0.001%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に、実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態201~206のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0829】
208.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の35倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~207のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0830】
209.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の20倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~208のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0831】
210.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の8倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~209のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0832】
211.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の4倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~210のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0833】
212.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の3倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~211のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0834】
213.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の2倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~212のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0835】
214.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~213のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0836】
215.HSAの低濃度において、セマグルチドのIC50の0.50倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~214のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0837】
216.IC50が、最大0.001%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に、実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態208~215のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0838】
217.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、800nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~216のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0839】
218.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、450nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~217のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0840】
219.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、200nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~218のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0841】
220.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、100nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~219のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0842】
221.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、20nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~220のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0843】
222.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、10nM以下のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができる、実施形態1~169及び171~221のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0844】
223.IC50が、2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態217~222のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0845】
224.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の2倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0846】
225.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0847】
226.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の0.30倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0848】
227.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の0.15倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0849】
228.2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)において、セマグルチドのIC50の0.10倍未満のIC50でヒトGLP-1受容体に結合することができ、セマグルチドのIC50が、誘導体のIC50と同じ方法で特定される、実施形態1~169及び171~223のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0850】
229.IC50が、2.0%(w/v)のHSA(最終アッセイ濃度)での反応において、本質的に実施例16において説明されるようにして特定される、実施形態224~228のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0851】
230.GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を組換えによって製造する工程を含む、実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体を調製する方法。
【0852】
231.組換えによって製造されたGLP-1類似体を精製する工程を更に含む、実施形態230に記載の方法。
【0853】
232.GLP-1類似体のLys残基に置換基を結合させ、それによってGLP-1類似体の誘導体が製造される、工程を更に含む、実施形態230~231のいずれか1つに記載の方法。
【0854】
233.1つ又は2つの置換基が結合される、実施形態232に記載の方法。
【0855】
234.1つの置換基が、1つのLys残基に結合される、実施形態233に記載の方法。
【0856】
235.2つの置換基が、2つのLys残基のそれぞれに1つずつ結合される、実施形態233に記載の方法。
【0857】
236.2つの置換基が、分岐基(B)を介して、1つのLys残基に結合される、実施形態233に記載の方法。
【0858】
237.GLP-1誘導体を精製する工程を更に含む、実施形態232~237のいずれか1つに記載の方法。
【0859】
238.実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【0860】
239.医薬として使用するための、実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0861】
240.(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
に使用される、実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0862】
241.
(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
のための医薬の製造における、実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体の使用。
【0863】
242.
(i)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(v)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(vi)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(viii)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(x)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(xii)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(xiii)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(xiv)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
のための方法であって、実施形態1~169及び171~229のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体の薬学的に活性な量が投与される、方法。
【0864】
いくつかの実施形態において、本発明の誘導体は、Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、及びChem.25からは選択されず;それらの薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルでもない。
【0865】
いくつかの実施形態において、本発明のGLP-1類似体は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11からは選択されず;それらの薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステルでもない。
【0866】
更に他の特定の実施形態
i).GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体を含む誘導体であって、少なくとも8つの連続する-CH2-基と、pKa<7である少なくとも1つの官能基(FG)とを含む置換基が、GLP-1類似体のLys残基に結合している、誘導体。
【0867】
ii).少なくとも1つのFGが、独立して、Chem.1、Chem.2、及びChem.4:
Chem.1:
【0868】
【0869】
Chem.2:
【0870】
【0871】
Chem.4:
【0872】
【0873】
から選択される、実施形態i)に記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0874】
iii).
式I:
(P-L)U-B-GLP1、
[式中、GLP1は、GLP-1(7~37)(配列番号1)の位置8に対応する位置にTrpを有するGLP-1類似体であり、(P-L)は、任意選択の分岐基(B)を介して当該GLP-1類似体のLys残基に結合した、延長部分(P)及びリンカー(L)を含む置換基であり、Uは、誘導体における置換基(P-L)の数を表し、1又は2である]
を有する、実施形態i)~ii)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0875】
iv).GLP-1類似体が、式II:
Xaa7-Trp-Glu-Gly-Thr-Xaa12-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42、
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デアミノ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジン、Nα-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa12は、Phe又はLeuであり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Arg、Val、又はLeuであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly又はGluであり;
Xaa23は、Gln、Glu、又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Arg又はLysであり;
Xaa27は、Glu、Lys、又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu、又はArgであり;
Xaa31は、Trp又はHisであり;
Xaa33は、Valであり;
Xaa34は、Arg、His、Asn、又はGlnであり;
Xaa35は、Gly又はAlaであり;
Xaa36は、Arg、Lys、又はGlyであり;
Xaa37は、Gly、Lys、Proであるか、又は存在せず;
Xaa38は、Ser、Gly、Ala、Glu、Pro、Lysであるか、又は存在せず;
Xaa39は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa40は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa41は、Ser、Gly、Ala、Glu、Proであるか、又は存在せず;
Xaa42は、Lysであるか、又は存在せず;
ただし、Xaa37、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、又はXaa42のうちの1つが存在しない場合、それぞれの後続のアミノ酸残基も存在せず;
ただし、Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの少なくとも1つはLysである]
のペプチドを含む、実施形態i)~iii)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0876】
v).Xaa26、Xaa27、Xaa36、Xaa37、Xaa38、又はXaa42のうちの1つ又は2つがLysであり;1つ又は2つの置換基が、1つ又は2つのLys残基のイプシロンアミノ基に結合している、実施形態i)~iv)のいずれか1つに記載の誘導体。
【0877】
vi).各置換基が、
(I)Chem.10、Chem.11、Chem.12、Chem.13、及びChem.14:
Chem.10:
【0878】
【0879】
Chem.11:
【0880】
【0881】
Chem.12:
【0882】
【0883】
Chem.13:
【0884】
【0885】
Chem.14:
【0886】
【0887】
から選択される延長部分(P)と、
(II)Chem.15、Chem.16、Chem.17、及びChem.18:
Chem.15:
【0888】
【0889】
Chem.16:
【0890】
【0891】
Chem.17:
【0892】
【0893】
Chem.18:
【0894】
【0895】
から選択される少なくとも1個のリンカーエレメントを含むリンカー(L)と
を含み、
ここで、
Rは、-COOHであり;
s、x、y、z、及びpのそれぞれは、独立して、8~20の範囲の整数を表し;
n、m、及びqのそれぞれは、独立して、0~4の範囲の整数を表し;
k、l、及びtのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表し、
(III)分岐基(B)が、存在する場合、Chem.19及びChem.20:
Chem.19:
【0896】
【0897】
Chem.20:
【0898】
【0899】
[式中、u及びvは、独立して、0~5の範囲の整数を表し、各wは、0~2の範囲の整数を表し、ただし、uが0の場合は、vは1~5の範囲の整数であり、vが0の場合は、uは1~5の範囲の整数である]
から選択される分岐リンカー(BL)を含む、
実施形態i)~v)のいずれか1つに記載の誘導体。
【0900】
vii).式Ia:
(P-L)-GLP1
を有する、実施形態iii)~v)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0901】
iix).式Ib:
(P-L)2-GLP1
を有する、実施形態iii)~v)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0902】
ix).式Ic:(P-L)2>BL-PL-GLP1を有し、ここで、
(I)>BLは、請求項5において定義される分岐リンカーであり、
(II)PLは、Chem.16:
【0903】
【0904】
[式中、k及びlのそれぞれは、独立して、1~5の範囲の整数を表す]
を含むプレリンカーである、
実施形態iii)~v)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0905】
x).式Id:
(P-L)2>BL-GLP1、[式中、>BLは、請求項5において定義される分岐リンカーである]を有する、実施形態iii)~v)のいずれか1つに記載の誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0906】
xi).
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 21:
【0907】
【0908】
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 22:
【0909】
【0910】
N{イプシロン-27}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly、
Chem. 23:
【0911】
【0912】
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 24:
【0913】
【0914】
及び
N{イプシロン-26}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem. 25:
【0915】
【0916】
から選択される誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0917】
xii).配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11から選択されるGLP-1類似体、又はその薬学的に許容される塩、アミド、若しくはエステル。
【0918】
xiii).実施形態i)~xii)のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【0919】
xiv).医薬としての使用のための、実施形態i)~xii)のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【0920】
xv).(I)糖尿病の全ての形態、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは処置、並びに/又はHbA1Cの軽減;
(II)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは予防、耐糖能障害(IGT)からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延、インスリン耐性の遅延若しくは予防、及び/又はインスリン非要求性2型糖尿病からインスリン要求性2型糖尿病への進行の遅延;
(III)β-細胞機能の向上、例えば、β-細胞アポトーシスの減少、β-細胞機能及び/若しくはβ-細胞量の増加、並びに/又はβ-細胞に対するグルコース感受性の回復;
(IV)認知障害及び/又は神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又は多発性硬化症の予防及び/又は処置;
(V)例えば、食物摂取量を減らすこと、体重を減らすこと、食欲を抑制すること、満腹感を誘起することによる肥満等の摂食障害の予防及び/若しくは処置;むちゃ食い障害、神経性大食症、及び/若しくは抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発された肥満の処置若しくは予防;胃運動性の減少;胃排出の遅延;身体的運動性の増加;並びに/又は肥満に対する併存症、例えば、骨関節炎及び/若しくは尿失禁の予防及び/若しくは処置;
(VI)糖尿病性合併症、例えば、血管障害;末梢神経障害を含む神経障害;腎障害;及び/又は網膜障害の予防及び/又は処置;
(VII)脂質パラメータの改善、例えば、脂質異常症の予防及び/又は処置、総血清脂質の低下;HDLの増加;小粒子高密度LDLの低下;VLDLの低下;トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボでのアポリポタンパク質a(apo(a))の発生の阻害;
(VIII)心臓血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠状動脈心疾患、再潅流損傷、卒中、脳虚血、早期心臓疾患若しくは早期心臓血管疾患、左室肥大、冠状動脈疾患、高血圧、本態性高血圧症、急性高血圧性緊急症、心筋障害、心不全、運動不耐性、急性及び/若しくは慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、狭心症、心臓バイパス及び/若しくはステント再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、及び/若しくは収縮機能障害の予防及び/若しくは処置;並びに/又は血圧の低下、例えば、収縮期血圧の低下;
(IX)胃腸疾患、例えば、炎症性腸疾患、短小腸症候群、若しくはクローン病若しくは大腸炎;消化不良、及び/若しくは胃潰瘍;並びに/又は炎症、例えば、乾癬、乾癬性関節炎、リウマチ性関節炎、及び/若しくは全身性エリテマトーデスの予防及び/若しくは処置;
(X)重症疾患の予防及び/若しくは処置、例えば、重症患者、重症疾患ポリ腎症(CIPNP)患者、及び/若しくは潜在的CIPNP患者の処置;重症疾患若しくはCIPNPの発症の予防;患者における全身性炎症応答症候群(SIRS)の予防、処置、及び/若しくは治療;入院中の菌血症、敗血症、及び/若しくは敗血症性ショックを罹っている患者の可能性の予防若しくは軽減;並びに/又は血糖、インスリンバランス、及び任意選択で集中治療室の急性疾患患者における代謝の安定化;
(XI)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は処置;
(XII)脳疾患、例えば、脳虚血、脳出血、及び/又は脳外傷の予防及び/又は処置;
(XIII)睡眠時無呼吸の予防及び/又は処置;並びに/或いは
(XIV)乱用、例えば、アルコール乱用及び/又は薬物乱用の予防及び/又は処置
における使用のための、実施形態i)~xii)のいずれか1つに記載の誘導体又は類似体。
【実施例】
【0921】
この実験パートは、略語の一覧から始まり、本発明の類似体及び誘導体を合成し特徴付けるための一般的方法を含むセクションが後続する。次いで、特異的なGLP-1誘導体の調製に関連するいくつかの実施例が後続し、その終わりに、これらの類似体及び誘導体の活性及び特性に関連するいくつかの実施例が含まれる(薬理学的方法の見出しのセクション)。
【0922】
実施例は、本発明の例説に役立つ。
【0923】
略語の一覧
Aib:α-アミノイソ酪酸(2-アミノイソ酪酸)
Ado:8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸
API:医薬品有効成分
AUC:曲線下面積
BG:血糖
BHK:ベビーハムスター腎臓
BW:体重
Boc:t-ブチルオキシカルボニル
Bom:ベンジルオキシメチル
BSA:ウシ血清アルブミン
Bzl:ベンジル
C20二酸:イコサン二酸
CAS:化学情報検索サービス機関
Clt:2-クロロトリチル
コリジン:2,4,6-トリメチルピリジン
DCM:ジクロロメタン
Dde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMEM:ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EGTA:エチレングリコール四酢酸
FCS:ウシ胎仔血清
Fmoc:9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU:(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
HBTU:(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HFIP:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール又はヘキサフルオロイソプロパノール
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HSA:ヒト血清アルブミン
IBMX:3-イソブチル-1-メチルキサンチン
Imp:イミダゾプロピオン酸(3-(イミダゾール-5-イル)プロパン酸)(アミノ-ヒスチジン又はデアミノ-Hisとも呼ばれる)
i.v.:静脈内
ivDde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル
IVGTT:静脈内耐糖能試験
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分光法
LYD:ランドレース-ヨークシャー-デュロック
MALDI-MS:MALDI-TOF MSを参照のこと
MALDI-TOF MS:マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法
MeOH:メタノール
Mmt:4-メトキシトリチル
Mtt:4-メチルトリチル
NMP:N-メチルピロリドン
OtBu:tert-ブチルエステル
Oxyma Pure(登録商標):シアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル
Pbf:2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
PD:薬力学的
Pen/Strep:ペニシリン/ストレプトマイシン
PK:薬物動態学的
RP:逆相
RP-HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
RT:室温
Rt:保持時間
s.c.:皮下
SD:標準偏差
SEC-HPLC:サイズ排除高速液体クロマトグラフィー
SEM:標準誤差
SPA:シンチレーション近接分析
SPPS:固相ペプチド合成
tBu:tert.ブチル
TFA:トリフルオロ酢酸
TIS:トリイソプロピルシラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
Tos:トシレート(又はパラ-トルエンスルホニル)
トリス:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又は2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール
Trt:トリフェニルメチル(トリチル)
Trx:トラネキサム酸(trans-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸)
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
v/v:体積/体積
w/v:質量/体積
【0924】
材料及び方法
イコサン二酸モノ-tert-ブチルエステル
Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸
17-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル-アミノ)-9-アザ-3,6,12,15-テトラオキサ-10-オン-ヘプタデカン酸
1-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)アミノ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサヘンイコサン-21-酸
1-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36-ドデカオキサノナトリアコンタン-39-酸
α-Fmoc-アミノ-20(エチレングリコール)-オメガ-カルボン酸
Fmoc-トラネキサム酸
Boc-Lys(Fmoc)-OH
Fmoc-Lys(Fmoc)-OH
Fmoc-Glu-OtBu
Fmoc-Lys(Mtt)-Wang樹脂
【0925】
化学的な方法
このセクションは、次の2つ:(調製(A1);並びに検出及び特徴付け(A2)の)一般的方法に関するセクションAと、いくつかの特定の実施例化合物及び比較例の化合物の調製及び特徴付けについて説明するセクションBとに分けられる。
【0926】
A.一般的方法
A1.調製方法
このセクションは、固相ペプチド合成の方法(SPPS法、これは、アミノ酸の脱保護の方法、樹脂からペプチドを切断する方法、及びそれを精製する方法を含む)、並びに、その結果として得られるペプチドを検出し特徴付ける方法(LCMS法、MALDI法、及びUPLC法)に関する。ペプチドの固相合成は、いくつかの場合において、酸性条件下で切断することができる基(これらに限定されるわけではないが、2-Fmoc-オキシ-4-メトキシベンジル又は2,4,6-トリメトキシベンジル等)によるジペプチドアミド結合において保護されているジペプチドを使用することによって改良され得る。セリン又はトレオニンがペプチド中に存在する場合、疑似プロリンジペプチドを使用してもよい(例えば、Novabiochem社から入手可能、W.R. Sampson (1999)、J. Pep. Sci. 5、403も参照されたい)。使用したFmoc-保護アミノ酸誘導体は、推薦される標準物質:例えば、Anaspec社、Bachem社、Iris Biotech社、又はNovabiochem社から供給される、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Cys(Trt)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、又はFmoc-Val-OH等であった。特に指定されない場合、アミノ酸の天然のL体が使用される。N末端アミノ酸を、αアミノ基においてBoc保護した(例えば、N末端にHisを有するペプチドの場合、Boc-His(Boc)-OH又はBoc-His(Trt)-OH)。SPPSを使用したモジュール側鎖結合の場合、以下の好適に保護された構築ブロック(これらに限定されるわけではないが、Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸、Fmoc-トラネキサム酸、Fmoc-Glu-OtBu、オクタデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、ノナデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、テトラデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、又は4-(9-カルボキシノニルオキシ)安息香酸tert-ブチルエステル等)を使用した。以下に述べる全ての操作は、250μmolの合成スケールにおいて実施した。
【0927】
1.樹脂固定保護されたペプチド骨格の合成
方法:SPPS_P
樹脂充填に対して6倍過剰なFmoc-アミノ酸(300mMのHOAt又はOxyma Pure(登録商標)を伴ったNMP中における300mM)、例えば、低充填Fmoc-Gly-Wang(0.35mmol/g)、を使用して、Protein Technologies社(Tucson、AZ 85714、U.S.A.)のPrelude Solid Phase Peptide Synthesizerにおいて、250μmolスケールにてSPPS_Pを実施した。Fmoc-脱保護は、NMP中における20%(v/v)のピペリジンを使用して実施した。カップリングは、NMP中における3:3:3:4のアミノ酸/(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))/DIC/コリジンを使用して実施した。脱保護工程とカップリング工程との間に、NMP及びDCMのトップ洗浄(7ml、0.5分、それぞれ2×2)を行った。カップリング時間は、概して60分であった。これらに限定されるわけではないが、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Aib-OH、又はBoc-His(Trt)-OHを含むいくつかのアミノ酸を、「二重カップリング」させたが、これは、最初のカップリング後(例えば、60分)、樹脂から排出させ、更なる試薬(アミノ酸、(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))を添加し、DIC、及びコリジン)、混合物を再び反応させる(例えば、60分)ことを意味する。
【0928】
方法:SPPS_L
CEM Corp.社(Matthews、NC28106、U.S.A.)のマイクロ波ベースのLibertyペプチド合成機において、樹脂充填に対して6倍過剰なFmoc-アミノ酸(300mMのHOAt又はOxyma Pure(登録商標)を伴ったNMP中における300mM)、例えば、低充填Fmoc-Lys(Mtt)-Wang(0.35mmol/g)を使用して、250μmol又は100μmolスケールにてSPPS_Lを実施した。NMP中における5%(v/v)のピペリジンを使用して、75℃までで30秒間、Fmoc脱保護を行ったが、この場合、樹脂から排出してNMPで洗浄した後、Fmoc脱保護を今度は75℃で2分間繰り返した。NMP中における1:1:1のアミノ酸/(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))/DICを使用して、カップリングを実施した。カップリング時間及び温度は、概して、75℃までで5分であった。より大きいスケールの反応については、より長いカップリング時間、例えば10分を用いた。前のアミノ酸が立体障害されている場合(例えばAib)、ヒスチジンアミノ酸を、50℃で、二重カップリング又は四重カップリングさせた。アルギニンアミノ酸を室温で25分間カップリングさせ、次いで、75℃に5分間加熱した。これらに限定されるわけではないがAib等のいくつかのアミノ酸を「二重カップリング」させたが、これは、最初のカップリング(例えば、75℃で5分)の後に樹脂から排出させ、更なる試薬(アミノ酸、(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))及びDIC)を添加し、混合物を再び加熱する(例えば、75℃で5分)ことを意味する。脱保護工程とカップリング工程との間に、NMP洗浄(5×10ml)を実施した。
【0929】
方法:SPPS_S
樹脂充填に対して9倍過剰なFmoc-アミノ酸を使用して、Protein Technologies社(Tucson、AZ 85714 U.S.A.)のSymphony Solid Phase Peptide Synthesiserにおいて、250μmolスケールにてSPPS_Sを実施した。樹脂充填は、典型的には、0.25mmol/g~0.4mmol/gの範囲であった。Fmoc脱保護は、NMP中における20%(v/v)のピペリジンを使用して実施した。カップリングは、NMP中における3:3:3:4のアミノ酸/(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))/DIC/コリジンを使用して実施した。脱保護工程とカップリング工程との間に、NMP及びDCMのトップ洗浄(7ml、0.5分、それぞれ2×2)を行った。カップリング時間は、概して60分であった。これらに限定されるわけではないが、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Aib-OH、又はBoc-His(Trt)-OHを含むいくつかのアミノ酸を、「二重カップリング」させたが、これは、最初のカップリング後(例えば、60分)、樹脂から排出させ、更なる試薬(アミノ酸、(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))、DIC、及びコリジン)を添加し、混合物を再び反応させる(例えば、60分)ことを意味する。
【0930】
2.側鎖の合成
二酸のモノエステル
C8、C10、C12、C14、C16及びC18二酸をトルエン中におけるBoc-無水DMAP t-ブタノールと一緒に一晩還流し、主にt-ブチルモノエステルを得る。後処理後、一酸、二酸、及びジエステルの混合物を得る。精製は、洗浄、ショートプラグ(short plug)のシリカろ過、及び結晶化により実施する。イコサン二酸モノ-tert-ブチルエステルは、当技術分野において公知のように調製することができる。方法については、WO2010102886A1を参照されたい。
【0931】
3.樹脂固定保護されたペプチド骨格への側鎖の結合
アシル化がリシン側鎖上に存在する場合、アシル化されるべきリシンのεアミノ基を、延長部分及びリンカーの結合のための経路に応じて、Mtt、Mmt、Dde、ivDde、又はBocのいずれかで保護した。Dde-脱保護又はivDde-脱保護を、NMP中における2%(v/v)ヒドラジンにより実施し(2×20ml、各10分)、次いでNMP洗浄を行った(4×20ml)。DCM中における2%(v/v)のTFA及び2~3%(v/v)のTIS(5×20ml、各10分)、続いてDCM(2×20ml)、DCM中における10%(v/v)のMeOH及び5%(v/v)のDIPEA(2×20ml)、並びにNMP洗浄(4×20ml)によって、又はヘキサフルオロイソプロパノール/DCM(75:25、5×20ml、各10分)による処理と、それに続く上記のような洗浄とによって、Mtt-脱保護又はMmt-脱保護を実施した。場合によっては、Mtt基を、Libertyペプチド合成機の自動化工程によって除去した。ヘキサフルオロイソプロパノール又はヘキサフルオロイソプロパノール/DCM(75:25)によって室温で30分間、続いてDCMによる洗浄(7ml×5)、続いてNMP洗浄(7ml×5)によって、Mtt脱保護を実施した。側鎖エレメントは、樹脂固定ペプチドのアシル化によって、又は保護されていないペプチドの溶液中でのアシル化によって、ペプチドに結合させることができる。保護されたペプチジル樹脂に側鎖エレメントを結合する場合、結合は、SPPSを使用したモジュール及び好適に保護された構築ブロックであり得る。
【0932】
方法:SC_P
N-ε-リジン保護基がMttである場合、Mtt基を、無希釈のHFIPによって除去し(3×15分)、続いて、DCMによって洗浄して、Preludeペプチド合成機においてアシル化を実施した(10当量のFmoc-AA、10当量のDIC、及び10当量のOxyma Pure(登録商標)、10当量のコリジンで30分間、及びFmoc基を除去するためにNMP中における25%(v/v)のピペリジン)。Fmoc-Glu-OtBuを4時間かけて二重カップリングさせた。同じ条件を使用して、末端残基を結合させた。
【0933】
方法:SC_L
N-ε-リシン保護基を、上記において説明したように除去し、上記において説明したような好適に保護された構築ブロックを使用したLibertyペプチド合成機における1つ又は複数の自動化工程によって、リシンの化学修飾を実施した。二重カップリングを、SPPS_Pにおいて説明したように実施した。
【0934】
方法:SC_S
N-ε-リジン保護基を、上記において説明したように除去し、上記において説明したような好適に保護された構築ブロックを使用して、Symphonyペプチド合成機における1つ又は複数の自動化工程によってリジンの化学修飾を実施した。二重カップリングを、SPPS_Pにおいて説明したように実施した。
【0935】
方法:SC_M1
N-ε-リジン保護基を、上記において説明したように除去した。側鎖エレメントを、NMP/DCM(1:1、10ml)に溶解させた。活性化試薬、例えば、HOBt又はOxyma Pure(登録商標)(樹脂に対して4モル当量)及びDIC(樹脂に対して4モル当量)を添加し、溶液を15分間撹拌した。溶液を樹脂に添加し、DIPEA(樹脂に対し4モル当量)を添加した。樹脂を、室温で2時間から24時間振盪した。樹脂を、NMP(2×20ml)、NMP/DCM(1:1、2×20ml)20、及びDCM(2×20ml)で洗浄した。
【0936】
方法:SC_M2
N-ε-リジン保護基を、上記において説明したように除去した。側鎖のアシル化を、Preludeペプチド合成機において実施した(10当量のFmoc-AA、10当量のDIC、及び10当量のOxyma Pure(登録商標)、10当量のコリジンで30分間、及びFmoc基を除去するためにNMP中における25%(v/v)のピペリジン)。Fmoc-Glu-OtBuを4時間かけて二重カップリングさせた。ペプチド骨格をシェーカーに移した。側鎖エレメントを、NMP/DCM(1:1、10ml)に溶解させた。活性化試薬、例えば、HOBt又はOxyma Pure(登録商標)(樹脂に対して4モル当量)及びDIC(樹脂に対して4モル当量)を添加し、溶液を15分間撹拌した。溶液を樹脂に添加し、DIPEA(樹脂に対して4モル当量)を添加した。樹脂を、室温で2時間から24時間振盪した。樹脂を、NMP(2×20ml)、NMP/DCM(1:1、2×20ml)20、及びDCM(2×20ml)で洗浄した。
【0937】
4.結合した側鎖を有する又は有さない樹脂固定ペプチドの切断及び精製
方法:CP_M1
合成後、樹脂をDCMで洗浄し、ペプチドを、TFA/TIS/水(95/2.5/2.5又は92.5/5/2.5)による2~3時間の処理と、続くジエチルエーテルによる沈殿とによって、樹脂から切断した。ペプチドを、好適な溶媒(例えば、30%(v/v)酢酸等)に溶解させ、アセトニトリル/水/TFAを使用して、C18、5μMのカラムでの標準的なRP-HPLCにより精製した。画分を、UPLC、MALDI、及びLCMS法の組合せによって分析し、適切な画分をプールし、凍結乾燥した。
【0938】
A2.検出及び特徴付けのための一般的方法
1.LC-MS法
方法:LCMS_4
Waters Acquity UPLCシステム、及びMicromass社のLCT Premier XE質量分析計からなる設定において、LCMS_4を実施した。溶離液:A:水中における0.1%(v/v)ギ酸
B:アセトニトリル中における0.1%(v/v)ギ酸。分析は、室温において、適切な体積の試料(好ましくは2~10μl)をカラム上に注入することによって実施し、これをA及びBの勾配で溶離させた。UPLC条件、検出器の設定、及び質量分析計の設定は、以下の通りであった。カラム:Waters Acquity UPLC BEH、C-18、1.7μm、2.1mm×50mm。勾配:0.4ml/分で4.0分(或いは8.0分)間での直線的な5%~95%のアセトニトリル。検出:214nm(TUV(チューナブルUV検出器)からの類似体出力)、MSイオン化モード:API-ES。
スキャン:100~2000amu(或いは、500~2000amu)、工程:0.1amu。
【0939】
2.UPLC法
方法:B4_1
デュアルバンド検出器を取り付けたWaters UPLCシステムを使用してRP-分析を実施した。ACQUITY UPLC BEH130、C18、130Å、1.7um、2.1mm×150mmカラムを用いて、40℃で、214nm及び254nmでのUV検出値を収集した。UPLCシステムを、A:99.95%(v/v)のH2O、0.05%(v/v)のTFA;B:99.95%のCH3CN、0.05%のTFAを含有する2つの溶離液リザーバーに接続した。以下の直線勾配を使用した:95%のA、5%のBから5%のA、95%のBによる流速0.40ml/分で16分間。
【0940】
B.本発明の化合物の合成
(実施例1)
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7~37)-ペプチド
Chem.21:
【0941】
【0942】
この化合物は、配列番号5のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_M2;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/5=1013、m/4=1266、m/3=1688
UPLC_B4_1:Rt=8.5分
【0943】
(実施例2)
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 22:
【0944】
【0945】
この化合物は、配列番号7のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/5=843、m/4=1054、m/3=1405
UPLC_B4_1:Rt=9.4分
【0946】
(実施例3)
N{イプシロン-27}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly
Chem. 23:
【0947】
【0948】
この化合物は、配列番号9のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/4=1310、m/3=1746
UPLC_B4_1:Rt=8.2分
【0949】
(実施例4)
N{イプシロン-26}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 24:
【0950】
【0951】
この化合物は、配列番号11のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_S;SC_S;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/5=998、m/4=1248、m/3=1663
UPLC_B4_1:Rt=8.2分
【0952】
(実施例5)
N{イプシロン-26}-[(4S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]-[Trp8,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 25:
【0953】
【0954】
この化合物は、配列番号7のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_S;SC_S;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.6分 m/z:m/5=774、m/4=967、m/3=1289
UPLC_B4_1:Rt=9.9分
【0955】
(実施例6)
8Wデュラグルチドを、以下の実施例6Aにおいて説明されるように調製した。
【0956】
(実施例7)
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 26:
【0957】
【0958】
この化合物は、配列番号5のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/5=1109、m/4=1386、m/3=1848
UPLC_B4_1:Rt=9.0分
【0959】
(実施例8)
N{イプシロン-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 27:
【0960】
【0961】
この化合物は、配列番号5のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/5=1019、m/4=1273
UPLC_B4_1:Rt=8.6分
【0962】
(実施例9)
N{アルファ}([Trp8,Glu22,Arg26,Arg34]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル)-N{イプシロン}[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]Lys-Gly-Gly-Ser-N{イプシロン}[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]Lys
Chem. 28:
【0963】
【0964】
この化合物は、配列番号16のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.9分 m/z:m/5=1165、m/4=1456、m/3=1940
UPLC_B4_1:Rt=11.3分
【0965】
(実施例10)
N{イプシロン-37}-[(2S)-2,6-ビス[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ヘキサノイル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 29:
【0966】
【0967】
この化合物は、配列番号18のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.9分 m/z:m/5=1345、m/4=1681、m/3=2241
UPLC_B4_1:Rt=11.0分
【0968】
(実施例11)
N{アルファ}([Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Pro37]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル)-N{イプシロン}[2-[ビス[3-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]プロピル]アミノ]アセチル]Lys
Chem. 30:
【0969】
【0970】
この化合物は、配列番号20のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.8分 m/z:m/5=1373、m/4=1716、m/3=2288
UPLC_B4_1:Rt=10.7分
【0971】
(実施例12)
N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(2S)-2,6-ビス[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ヘキサノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 31:
【0972】
【0973】
この化合物は、配列番号18のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=3.3分 m/z:m/5=1287、m/4=1609、m/3=2145
UPLC_B4_1:Rt=11.0分
【0974】
(実施例13)
N{イプシロン-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[ビス[3-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]プロピル]アミノ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Trp8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem. 32:
【0975】
【0976】
この化合物は、配列番号18のGLP-1類似体の誘導体である。
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.9分 m/z:m/5=1296、m/4=1619、m/3=2159
UPLC_B4_1:Rt=11.0分
【0977】
比較例A
この化合物は、配列番号1の天然のGLP-1(GLP-1(7~37)-ペプチド)である。この化合物は、当技術分野において公知のように調製することができる。
【0978】
比較例B
[Pro8,Glu22,Arg26]-GLP-1-(7~37)-ペプチド
【0979】
【0980】
この化合物は配列番号2のGLP-1類似体である。
調製方法:SPPS_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=1.8分 m/z:m/4=871、m/3=1161、m/2=1742
【0981】
比較例C
[Gly8]-GLP-1-(7~37)-ペプチド
【0982】
【0983】
この化合物は配列番号3のGLP-1類似体である。
調製方法:SPPS_S;CP_M1
LCMS_4:Rt=1.7分 m/z:m/4=836、m/3=1115
【0984】
比較例D
[Trp8]-GLP-1-(7~37)-ペプチド
【0985】
【0986】
この化合物は配列番号4のGLP-1類似体である。
調製方法:SPPS_P;CP_M1
LCMS_4:m/z:m/4=869、m/3=1158、m/2=1737
【0987】
比較例1A
この化合物は、WO2015/155151の実施例15である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例1の化合物と異なる。
【0988】
比較例2A
この化合物は、WO2006/097537の実施例4、すなわち、N{イプシロン-26}-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7~37)ペプチドである。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例2の化合物と異なる。
【0989】
比較例3A
この化合物は、WO2012/140117の実施例31である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例3の化合物と異なる。
【0990】
比較例4A
この化合物は、WO2011/080103の実施例2である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例4の化合物と異なる。
【0991】
比較例5A
この化合物は、WO98/08871の実施例37である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例5の化合物と異なる。
【0992】
比較例6A-デュラグルチド及び8Wデュラグルチド
デュラグルチドは、GLP-1類似体のFc融合タンパク質である。その調製及び特徴付けは、GlaesnerらによるDiabetes/Metabolism Research and Reviews、2010、26巻、287~296頁に記載されている(参照により本明細書に組み入れられる)。デュラグルチドというINN名を獲得した、GlaesnerのGLP-1-Fc融合タンパク質は、LY2189265と呼ばれる。リンカー(4×G-S-4×G-S-4×G-S-A)を含むGLP-1類似体ペプチド部分のアミノ酸配列は、HGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAであり、Glaesnerらの291頁の
図1の凡例を参照されたい。これは、本発明の配列表の配列番号14のアミノ酸17~63及び308~354の配列に相当する。IgG-Fc融合パートナーは、Glaesnerらの290頁の右側の欄の「The GLP-1-Fc fusion protein LY2189265 has preserved in vitro activity and an extended in vivo half-life」の見出しのセクションの第1のパラグラフに記載されている。これは、本発明の配列表の配列番号14の残りの非シグナルペプチド部分(すなわち、アミノ酸64~291及び355~582)に相当する。Glaesnerらによれば、以下の置換がIgG-Fc部分において為された:S228P、F234A、L234A(抗体に対して標準であるカバットナンバリング(Kabat Numbering)を使用、これは、それぞれ、配列番号14のアミノ酸73、79、及び80に対応する)。
【0993】
表現「8Wデュラグルチド」は、天然のGLP-1(配列番号1)の位置8に対応する位置のGly残基がTrpに置換されているデュラグルチドの類似体を意味する(強調を追加した、配列番号15の一部である以下の配列を参照されたい)。
【0994】
デュラグルチド単量体及び8Wデュラグルチド単量体のアミノ酸配列の成熟ペプチド部分は、それぞれ、以下の通りである:
【化101】
(配列番号14の成熟単量体部分、すなわち、配列番号14のアミノ酸17~291又は308~582)、及び
【化102】
(配列番号15の単量体部分、すなわち、そのアミノ酸1~275又は276~550)である。
【0995】
溶液中において、2つのそのような分子は、位置55及び58のCys残基の間(すなわち、配列番号14のCys71とCys362との間並びにCys74とCys365との間、16のアミノ酸シグナルペプチド部分が2つ含まれる)の鎖内Cys-Cys結合によって二量体を形成する。
【0996】
pTT5ベースのベクターにおけるデュラグルチド及び8Wデュラグルチド構築物のクローニング
CD33-デュラグルチド(ここで、CD33は、ヒトCD33抗原であるGp67由来のシグナルペプチドである)をコードする化学的に合成されたDNA断片を含有する、ベクター構築物を作製した。DNA断片によってコードされる(デュラグルチドの)アミノ酸配列の成熟部分は、配列番号14において与えられる(アミノ酸17~291及び308~582)。CD33-デュラグルチド遺伝子に8W変異を導入するために、構築物において変異誘発を実施した。結果として得られるDNA断片によってコードされるアミノ酸配列の成熟部分は、配列番号15において与えられる(配列番号15のアミノ酸1~275及び276~550、すなわち、二量体でもある)。配列番号15において、アミノ酸1~47及び276~322の断片のそれぞれは、リンカーと共にGLP-1ペプチドを構成し、その一方で、配列番号15のアミノ酸48~275及び323~550は、IgG-Fc部分であり、それらにおいて、Cys55とCys330との間、並びにCys58とCys333との間には、Cys-Cys結合が存在する。
【0997】
CD33-デュラグルチド及びCD33-8WデュラグルチドをコードするDNA断片をPCRによって増幅し、一過性発現のために発現ベクターにおいてクローニングした。CD33-デュラグルチド及びCD33-8Wデュラグルチド遺伝子の発現は、結果として得られる一過性発現ベクターでのCMVプロモーターの制限下であった。ウサギベータ-グロビンポリアデニル化シグナルは、一過性発現ベクターにおいて転写ターミネーターとして機能を果たした。上記において説明される全ての分子生物学的工程は、標準的分子生物学の技術を使用して実施した。
【0998】
EXPI293F細胞でのデュラグルチド及び8Wデュラグルチドの発現
一過性発現ベクターでのデュラグルチド及び8Wデュラグルチド構築物のクローニングによって結果として得られる2つのプラスミドを、Expi293(商標)Expression System(Thermo Fisher Scientific、Cat no.A14635)において200mLスケールで発現させた。1mgのDNA構築物/L(トランスフェクトされた細胞)を使用して、トランスフェクションを実施した。トランスフェクションは、発現システムの供給元によって提供されたプロトコルに従って実施した。トランスフェクトされた細胞を、オービタルシェーカーにおいて36.5℃で5日間培養した。上清を遠心分離によって収穫した。続いて、上清を、0.22μmの細孔のPESフィルターを使用して無菌ろ過し、精製を行った。
【0999】
精製
デュラグルチド又は8Wデュラグルチドを含有する細胞不含の上清を、Protein Aカラムに適用した。カラムをPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、結合しているタンパク質を0.1Mの酢酸で溶離させた。溶離した画分をすぐに、0.3ボリュームの1Mのトリス-Cl(pH9.0)と混合した。タンパク質を、PBS中において実行されているサイズ排除カラムを通して更に精製するか、又はPBS中において脱塩カラムを通して脱塩した。デュラグルチド又は8Wデュラグルチドを含有する画分を、SDS-PAGE及び質量分析法によって特徴付けし、無菌ろ過し(0.22μm)、濃度を評価して(280nmでの吸収)、-20℃で貯蔵した。質量分析法を使用して得られた、実験的に特定された質量を、それぞれ、デュラグルチド及び8Wデュラグルチドの同一性について検証した。
【1000】
比較例7A
この化合物は、WO2015/155151の実施例20である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例7の化合物と異なる。
【1001】
比較例8A
この化合物は、WO2015/155151の実施例1である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例8の化合物と異なる。
【1002】
比較例9A
この化合物は、WO2015/000942の実施例3である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例9の化合物と異なる。
【1003】
比較例10A
この化合物は、WO2014/202727の実施例32である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例10の化合物と異なる。
【1004】
比較例11A
この化合物は、WO2016/083499の実施例10である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例11の化合物と異なる。
【1005】
比較例12A
この化合物は、WO2016/097108の実施例14である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例12の化合物と異なる。
【1006】
比較例13A
この化合物は、WO2016/083499の実施例11である。これは、Trp8の代わりにAib8を有する点においてのみ、実施例13の化合物と異なる。
【1007】
薬理学的方法
実施例14:インビトロでのDPP-IV安定性
この実施例の目的は、天然のGLP-1との比較において、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-IV)による分解に対するGLP-1類似体の安定性を試験することである。実施例A、B、C、及びDのGLP-1類似体を、下記において説明するように試験した。
【1008】
原理
ペプチドをDPP-IVと共に緩衝液中においてインビトロでインキュベートし、一定間隔で試料を採取し、更なる分解を止めるためにDPP-IV酵素を不活性化させ、試料中の非分解ペプチドの量をLC-MSを使用して特定する。
【1009】
材料及び方法
緩衝液A
緩衝液Aは、0.005%(v/v)のTween20(登録商標)(Sigma-Aldrich社、USA)及び0.001%(w/v)のBSA(Sigma-Aldrich社、USA)を添加し、pHを7.4に調節したHEPES緩衝液(Gibco、Life Science社製、NY、USA)である。
【1010】
LC-MS法
LC-MSは、Bruker Daltonics社製のWaters Acquity UPLCシステム及びMaxis 4Gからなる設定において実施した。移動相は、A:水中における0.1%(v/v)ギ酸、と、B:アセトニトリル中における0.1%(v/v)ギ酸、とで構成された。HPLC分析は、60℃において、10μlの試料をカラム上に注入することによって実施し、これをA及びBの勾配で溶離させた。UPLC条件、検出器の設定及び質量分析計の設定は、以下の通りであった:カラム:Waters Acquity UPLC BEH、C-4、1.7μm、2.1mm×50mm。勾配:0.3ml/分で8分間での直線的な5%~70%の移動相B。MSは、陽イオン化モードにおいて、m/zイオン化モードでのエレクトロスプレーイオン化及びm/z300~1800のスキャンにより実施した。
【1011】
内部標準
リラグルチド(実施例5Aの化合物)を内部標準として使用した。
【1012】
手順
10μMのそれぞれのペプチドをDPP-IV(組換えジペプチジルペプチダーゼ、R & D systems、2μg/ml)と共に、緩衝液A中において37℃でインキュベートした。試料のアリコートを、3分、8分、15分、30分、60分、120分、及び180分に採取した。1%(v/v)のTFA(Biosolve BV社、The Netherlands)及び内部標準を含有する6ボリュームのエタノールを添加することによって反応を終了させた。それぞれの非分解ペプチドに対して、試料をLC-MSによって分析した。(GraphPad Prismにより)一次速度則に従ってデータをプロットし、ソフトウェアによって半減期(T1/2)を算出し、分において報告した。
【1013】
結果
結果として得られた半減期を、実施例Aの化合物(天然のGLP-1)の半減期との比較においてTable 1(表1)に示す。
【1014】
【1015】
実施例BのGLP-1類似体(すなわち、置換8P、22E、26Rを有する)のインビトロでのDPP-IV安定性は、天然のGLP-1(A)の安定性と同程度である。予想されるように、実施例Cの類似体(8G)の安定性は、天然のGLP-1の安定性より高い。しかしながら、全く予想外なことに、実施例Dの類似体(8W)の安定性は、はるかに高いことが判明し、事実、分解は全く観察されなかった。
【1016】
(実施例15)
インビトロでの効力
この実施例の目的は、選択された比較例の化合物と一緒に、本発明のGLP-1化合物の活性又は効力を試験することである。インビトロでの効力は、機能的全細胞アッセイにおけるヒトGLP-1受容体活性化の尺度である。
【1017】
実施例1~5及び7~13のGLP-1誘導体並びに比較例1A~13A及びA~Dの化合物の効力を、下記において説明するように特定した。
【1018】
原理
インビトロでの効力は、レポーター遺伝子アッセイでのヒトGLP-1受容体の応答を測定することによって特定した。アッセイは、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答エレメント(CRE)のためのDNAと、ホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子とを含有する、安定的にトランスフェクトされたBHK細胞株において実施した。ヒトGLP-1受容体が活性化されると、それにより、結果としてcAMPの産生が生じ、これにより、結果としてルシフェラーゼタンパク質の発現が引き起こされる。アッセイインキュベーションが完了すると、ルシフェラーゼ基質(ルシフェリン)を添加し、酵素がルシフェリンをオキシルシフェリンに転化させ、それによりバイオルミネセンスが生じる。アッセイの読み出しとして、発光を測定する。
【1019】
細胞培養及び調製
このアッセイにおいて使用する細胞(クローンFCW467-12A/KZ10-1)は、BHKTS13が親細胞株であるBHK細胞であった。細胞は、ヒトGLP-1受容体を発現するクローン(FCW467-12A)に由来しており、現在のクローンを得るために、CREルシフェラーゼによる更なるトランスフェクションによって確立された。
【1020】
細胞を、細胞培養培地において5%のCO2で培養した。これらをアリコート化し、液体窒素中で貯蔵した。各アッセイの前にアリコートを取り出し、PBSにおいて2回洗浄し、その後、所望の濃度においてアッセイ特有の緩衝液に懸濁させた。96ウェルプレートに対して、懸濁液を作製して5×103細胞/ウェルの最終濃度を得た。
【1021】
材料
下記の化学物質:Pluronic F-68(10%)(Gibco 2404)、オボアルブミン(Sigma A5503)、DMEM w/oフェノールレッド(Gibco 11880-028)、1MのHepes(Gibco 15630)、Glutamax 100×(Gibco 35050)、及びsteadylite plus(PerkinElmer 6016757)を、アッセイにおいて使用した。
【1022】
緩衝液
細胞培養培地は、10w/v%のFBS(ウシ胎仔血清;Invitrogen 16140-071)、1mg/mlのG418(Invitrogen 15140-122)、240nMのMTX(メトトレキサート;Sigma M9929)、及び1w/v%のpen/strep(ペニシリン/ストレプトマイシン;Invitrogen 15140-122)を含むDMEM培地からなった。
【1023】
アッセイ培地は、DMEM w/oフェノールレッド、10mMのHepes、及び1×Glutamaxからなった。アッセイ緩衝液は、アッセイ培地中における2w/v%のオボアルブミン及び0.2v/v%のPluronic F-68からなった。
【1024】
手順
1)細胞ストックを、37℃の水浴において解凍した。
2)細胞をPBSにおいて3回洗浄した。
3)細胞をカウントし、アッセイ培地中において5×103細胞/50μl(1×105細胞/ml)に調節した。50μlのアリコートの細胞を、アッセイプレートの各ウェルに移した。
4)試験化合物のストックと参照化合物とを、アッセイ緩衝液中において0.2μMの濃度に希釈した。化合物を、以下の濃度を得るために10倍に希釈した:2×10-7M、2×10-8M;2×10-9M、2×10-10M、2×10-11M、2×10-12M、2×10-13M、及び2×10-14M。
5)50μlのアリコートの化合物又はブランクを、希釈プレートからアッセイプレートに移した。化合物は、以下の最終濃度において試験した:1×10-7M、1×10-8M;1×10-9M、1×10-10M、1×10-11M、1×10-12M、1×10-13M、及び1×10-14M。
6)アッセイプレートを5%のCO2のインキュベーター中において37℃で3時間インキュベートした。
7)アッセイプレートをインキュベーターから取り出し、室温で15分間静置した。
8)100μlのアリコートのsteadylite plus試薬を、アッセイプレートの各ウェルに添加した。
9)各アッセイプレートを光から保護するためにアルミ箔で覆い、室温で30分間振盪した。
10)各アッセイプレートをBioTek Synergy 2 Multi-Mode Readerで読み取った。
【1025】
計算及び結果
BioTek Synergy 2 Multi-Mode Readerからのデータを、GraphPad Prismソフトウェアに移した。ソフトウェアは、非線形回帰(log(アゴニスト)対反応(3つのパラメータ))を実施する。ソフトウェアによって計算され、pM単位において報告されたEC50値を、下記のTable 2(表2)に示す。
【1026】
各試料について、最低3回の繰り返しを測定した。報告されたEC50値は、各化合物に対する測定値の平均である。
【1027】
【1028】
全ての化合物は、それらがGLP-1受容体アゴニストであることを確認する効力データを有する。したがって、インビトロでの効力に関して、それらは全て、更なる開発へと進み得る。
【1029】
(実施例16)
GLP-1受容体結合性
この実施例の目的は、選択された比較例の化合物と一緒に、インビトロでの本発明のGLP-1化合物の受容体結合性を試験することである。受容体結合性は、ヒトGLP-1受容体に対する誘導体の親和性の尺度である。
【1030】
実施例1~5及び7~13のGLP-1誘導体並びに比較例1A~5A、7A~13A、及びA~Dの化合物の効力を、下記において説明するように特定した。
【1031】
原理
ヒトGLP-1受容体に対する受容体結合性を、競合結合アッセイにおいて測定した。このタイプのアッセイでは、標識されたリガンド(この場合は125I-GLP-1)を受容体に結合させる。ヒトGLP-1受容体を含有する単離された膜に、一連の濃度において各化合物を添加し、標識されたリガンドの置き換えをモニターする。受容体結合性は、標識されたリガンドの半分が受容体から置き換えられる濃度として報告される(IC50値)。アルブミンへの誘導体の結合性を試験するために、ヒト血清アルブミン(HSA)の低濃度(最大0.001%(w/v)の最終アッセイ濃度)において、並びにかなりより高い濃度のHSAの存在下(2.0%(w/v)最終アッセイ濃度)において、アッセイを実施した。HSAの存在下でのIC50値の増加は、血清アルブミンに対する親和性を示しており、動物モデルにおいて試験物質の延長された薬物動態学的プロファイルを予測する方法を表す。
【1032】
材料
以下の化学物質をアッセイにおいて使用した:ヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma A1653)、DMEM w/oフェノールレッド(Gibco 11880-028)、Pen/strep(Invitrogen 15140-122)、G418(Invitrogen 10131-027)、1MのHepes(Gibco 15630)、EDTA(Invitrogen 15575-038)、PBS(Invitrogen 14190-094)、ウシ胎仔血清(Invitrogen 16140-071)、EGTA、MgCl2(Merck 1.05832.1000)、Tween 20(Amresco 0850C335)、SPA粒子(麦芽凝集素(WGA)SPAビーズ、Perkin Elmer RPNQ0001)、[125I]-GLP-1]-(7~36)NH2(社内製造)、OptiPlate(商標)-96(Packard 6005290)。
【1033】
緩衝液1は、20mMのNa-HEPES+10mMのEDTAからなり、pHは7.4に調節した。緩衝液2は、20mMのNa-HEPES+0.1mMのEDTAからなり、pHは7.4に調節した。アッセイ緩衝液は、5mMのEGTAを補った50mMのHEPES、5mMのMgCl2、0.005w/v%のTween 20からなり、pHは7.4に調節した。8%のアルブミンストックは、アッセイ緩衝液に8%(w/v)で溶解させたHSAからなった。0.02%のアルブミンストックは、アッセイ緩衝液に0.02%(w/v)で溶解させたHSAからなった。
【1034】
細胞培養及び膜調製
このアッセイにおいて使用した細胞(クローンFCW467-12A)は、BHKTS13が親細胞株であるBHK細胞であった。細胞は、ヒトGLP-1受容体を発現する。
【1035】
細胞を、DMEM、10w/v%のウシ胎仔血清、1w/v%のPen/Strep(ペニシリン/ストレプトマイシン)、及び1.0mg/mlの選択マーカーG418において、5%のCO2で増殖させた。
【1036】
膜調製を行うために、細胞をおよそ80%コンフルエンスまで増殖させた。細胞をリン酸緩衝食塩水で2回洗浄し、収穫した。短時間の遠心分離を用いて細胞をペレット化し、細胞ペレットを氷上に維持した。細胞ペレットを、好適な量の緩衝液1(例えば、10ml)中において、ULTRA-THURRAX(商標)分散機器によって20~30秒間ホモジナイズした。ホモジネートを、15分間遠心分離した。ペレットを、10mlの緩衝液2に再懸濁させ(ホモジナイズし)、遠心分離した。この工程を、もう1回繰り返した。結果として得られたペレットを緩衝液2に再懸濁させ、タンパク質濃度を特定した。膜を、アリコート化してマイナス80℃で貯蔵した。
【1037】
手順
1.受容体結合性アッセイのために、低HSA(0.005%(w/v))の存在下において、50μlのアッセイ緩衝液をアッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイを工程3により続けた。
2.受容体結合性アッセイのために、高HSA(2%(w/v))の存在下において、50μlの8%(w/v)アルブミンストックを、アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイを工程3により続けた。
3.試験化合物を以下の濃度を得るために順次希釈した:8×10-7M、8×10-8M、8×10-9M、8×10-10M、8×10-11M、8×10-12M、及び8×10-13M。25μlを、アッセイプレートの適切なウェルに添加した。
4.細胞膜アリコートを解凍し、それらの使用濃度に希釈した。50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。
5.WGA SPAビーズを、20mg/mlにおいてアッセイ緩衝液に懸濁させた。アッセイプレートに添加する直前に、懸濁液をアッセイ緩衝液において10mg/mlに希釈した。50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。
6.25μlの[125I]-GLP-1]-(7~36)NH2の480pM溶液をアッセイプレートの各ウェルに添加することによってインキュベーションを開始した。総数/ウェルを測定するために、25μlのアリコートを確保した。
7.アッセイプレートを30℃で2時間インキュベートした。
8.アッセイプレートを10分間遠心分離した。
9.アッセイプレートを、Packard TopCount NXT機器において読み取った。
【1038】
計算
個々の繰り返しを、GraphPad Prismにおいて非線形回帰を使用して分析した。ソフトウェアによってIC50値を計算し、nM単位において報告した。各試料について、最低2回の繰り返しを測定した。報告された値は、各化合物に対する全ての測定値の平均である。
【1039】
結果
以下の結果を得た。
【1040】
【1041】
全ての化合物は、完全に許容可能なIC50値を有し、したがって、インビトロでの受容体結合性に関して、それらは全て、更なる開発へと進み得る。
【1042】
(実施例17)
db/dbマウスにおける薬力学的研究
研究の目的は、糖尿病設定において血糖(BG)及び体重(BW)に対する本発明のGLP-1誘導体の急性効果を検証することである。
【1043】
実施例2のGLP-1誘導体を、以下において説明されるように、肥満の糖尿病マウスでの単回投与研究において試験した。誘導体を、様々な用量において、すなわち、0.3nmol/kg、1.0nmol/kg、3.0nmol/kg、10nmol/kg、30nmol/kg、又は100nmol/kgにおいて試験した。
【1044】
マウス(Taconic社、デンマーク)(出産から、餌NIH31(NIH31M齧歯動物用餌、Taconic Farms, Inc.社(US)から市販、www.taconic.comを参照されたい)を与えた)を、およそ10週齢において研究のために登録した。Malov、デンマーク、における畜単位での到着の際、マウスに、標準的餌(例えば、Altromin 1324、Brogaarden社、ゲントフテ、デンマーク)及び水道水を自由に摂食させ、24℃に維持した。1~2週間の順化後、基礎血糖を1日2回評価した。マウスを、血糖レベル及び体重のマッチングに基づいた処置群に割り当てた。マウスを、96時間の期間のこの実験に使用し、関係ない実験に一度、再使用した。この最後の実験後、マウスは安楽死させた。
【1045】
動物を、以下のような処置を受ける群に分けた:ビヒクル、皮下、又はGLP-1誘導体、0.3nmol/kg、1.0nmol/kg、3.0nmol/kg、10nmol/kg、30nmol/kg、又は100nmol/kg、皮下、この場合、ビヒクルは、50mMのリン酸ナトリウム、70mMの塩化ナトリウム、0.05%のポリソルベート80、pH7.4である。
【1046】
GLP-1誘導体を、0.05nmol/ml、0.17nmol/ml、0.5nmol/ml、1.7nmol/ml、5.0nmol/ml、又は17nmol/mlの投薬濃度まで、ビヒクルに溶解させた。実験の開始時に一度、6ml/kg(すなわち、マウスの体重50gあたり300μl)の投薬量をs.c.において、動物に投薬した。
【1047】
投薬の日、1/2時間前(午前9:00)に血糖を評価し、その後にマウスの体重を測定した。GLP-1誘導体を、およそ午前9:30(0時間)に投薬した。投薬の日、投薬後に1時間、2時間、4時間、及び8時間(午前10:30、午前11:30、午後1:30、及び午後5:30)の時点で血糖を評価した。
【1048】
その後の数日間、24時間、48時間、72時間、及び96時間の時点で血糖を評価した。毎日、血糖サンプリングの後にマウスの体重を測定した。
【1049】
マウスを、デジタル計量器において、個別に体重を測定した。
【1050】
血糖の測定のための試料は、覚醒下マウスの尾端毛細管から得た。血液5μlを、ヘパリン化毛細管中に収集し、250μlのグルコース緩衝液(EKF system solution社、エッペンドルフ、ドイツ)に移した。グルコース濃度は、グルコースオキシダーゼ法(グルコース分析装置Biosen 5040、EKF Diagnostic、GmbH、バルレーベン、ドイツ)を用いて測定した。分析まで、試料を最長1時間まで室温に維持した。分析を延期しなければならない場合には、試料を、最大24時間まで4℃に維持した。
【1051】
デルタ血糖及びデルタ体重対時間の用量応答曲線を、GLP-1誘導体の単回用量のそれぞれに対して作成した。デルタは、所与の時間での実際の血糖/体重からベースラインを差し引いたものを意味し、ここで、ベースラインは、時間0での血糖及び体重のレベルである、したがって、これらの曲線において、y=0は、ベースラインを表す。
【1052】
血糖及び体重に対するGLP-1誘導体の効果の表れを得るために、0時間から24時間までのデルタ血糖に対する曲線の下の面積(AUCΔBG24h)及び投薬後24時間でのデルタ体重増加(ΔBW24h)を、個々の用量応答曲線のそれぞれについて算出し、50%有効量(ED50、ベースラインと最大効果との間の中間の応答を与えるGLP-1誘導体の用量)を、AUCΔBG24h及びΔBW24hに対して算出した。
【1053】
結果として得られるED50値を、以下のTable 4(表4)に示す(4~6の測定の平均)。
【1054】
【1055】
実施例2のGLP-1誘導体は、血糖並びに体重を用量依存的に減少させることによって、インビボでの効果を示した。
【1056】
(実施例18)
完全組換えプロセス対半組換えプロセス、発現収率
背景
この実施例の目的は、本発明のGLP-1誘導体のDPP-iv安定(8W)ペプチド部分の発現のための完全組換えプロセスを説明することである。
【1057】
N末端における1つ又は複数の非コード化アミノ酸の組込み(Aibによる位置8での天然のAlaの置換)によってDPP-iv安定化されたGLP-1ペプチドを調製するための公知のプロセスは、いわゆる半組換え(semi-recombinant)プロセスである。このプロセスによれば、最初に、前駆体ペプチドが、組換えによって調製される(例えば、2つのN末端アミノ酸が欠失した前駆体GLP-1(9~37)ペプチド)。次の工程において、非コード化アミノ酸(例えば、ジペプチドHis-Aib)を含む、不足した2つのN末端アミノ酸が、ライゲーション(ligation)と呼ばれるプロセスによって、前駆体ペプチドのN末端に追加される。この2段階調製プロセス全体は、半組換えプロセスと呼ばれる。半組換えプロセスは、例えば、WO2009/083549(前駆体ペプチドの組換え発現)及びWO2013/098191(ライゲーション)に記載されている。本実施例は更に、完全組換え発現の発現収率と、半組換えプロセスの発現工程の発現収率も比較する。
【1058】
より詳細には、本発明の誘導体に組み入れられた2つのGLP-1ペプチド(配列番号7及び配列番号9)の完全組換え発現の収率を、2つのN末端アミノ酸を欠いた対応する前駆体ペプチド(それぞれ、配列番号22及び配列番号23)の発現の収率と比較する。
【1059】
以下において説明される実験手順において、DVKPGQPMYDDDDK(配列番号24)のN末端延長を、これらの4つのGLP-1ペプチドのそれぞれに追加した。このN末端延長は、本出願とは別個の関係のない最適化目的のために使用する。
【1060】
実験
TDH3プロモーター、MFアルファプレ-プロ-ペプチドをコードする遺伝子、ペプチドDVKPGQPMYDDDDK(配列番号24)でN末端を延長したそれぞれのGLP-1ペプチド、酵母での維持のための最小限の2ミクロンの領域、及び選択可能なマーカー、すなわち、S.ポンベ由来のTPI遺伝子(
図1を参照されたい)、を含有するプラスミドを構築した。
図1において、AMP-Rは、アンピシリン抵抗性遺伝子(ベータ-ラクタマーゼ)を表し、STBは、娘細胞間においてプラスミドを分配する目的を果たす一連の小反復を意味する(場合により、REP3と呼ばれる)。
【1061】
これらのプラスミドを、TPI1遺伝子を欠くサッカロマイセス・セレビシエ菌株に導入し、これにより、唯一の炭素源としてグルコースを含有する培地上でのプラスミドを保有する形質転換体の選択が可能となった。その後、連続培養において形質転換体を培養し、培養上清を、分泌されたGLP-1ペプチドの濃度についてUPLCによって分析した。
【1062】
以下のTable 5(表5)は、対応する前駆体ペプチドを調製するための半組換えプロセスの第1の工程において得られた平均発現収率に対して正規化された、完全組換え発現プロセスの平均発現収率を示している。
【1063】
【1064】
結果は、完全組換え発現プロセスの収率が、半組換え発現プロセスの第1の工程の収率と同等であることを示している。完全組換えプロセスが使用される場合、半組換えプロセスの工程2は余分であるという事実を考慮すると、このことは、半組換えプロセスと比較したときに、完全組換えプロセスの生産の経済性における改善と解釈される。
【1065】
本発明のある特定の特徴について、本明細書において例示及び説明してきたが、当業者は、多くの修正、置換、変更、及び同等物を思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内に含まれるそのような修正及び変更の全てを網羅することが意図されることは理解されるべきである。
【配列表】