(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ガラス管を製造するための加熱装置および方法
(51)【国際特許分類】
C03B 17/04 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
C03B17/04 A
(21)【出願番号】P 2018561214
(86)(22)【出願日】2017-05-25
(86)【国際出願番号】 US2017034369
(87)【国際公開番号】W WO2017205564
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-22
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デ アンジェリス,ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー ジュニア,デイル マダード
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ,シュリパッド
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ-ムールティー,ソウミャ
(72)【発明者】
【氏名】パニデス,イライアス
(72)【発明者】
【氏名】ポサダ-ピネダ,デイヴィッド
【審査官】和瀬田 芳正
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-287435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0305784(US,A1)
【文献】米国特許第3410675(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 7/00- 7/22
C03B 9/00-17/06
C03B 19/00-19/10
C03B 21/00-21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管を製造するための加熱装置において、
溶融ガラスを受け容れるように構成されたボウルであって、該ボウルはボウル高さを有し、
前記溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、
前記タブ部分の真下に延在するボウルウェル、
前記ボウルウェルの遠位端であって、前記タブ部分に対して遠位である遠位端にあるオリフィス、
前記ボウル中に溶融ガラスを受け容れるように構成された前炉開口を有する前炉側、および
前記ボウルから過剰な溶融ガラスを除去するように構成された溢れ開口を有する溢れ側、
を含むボウルと、
前記ボウルに熱的に結合された複数の加熱素子であって、
前記ボウル高さに沿った第1の垂直位置に配置された第1の加熱素子、および
前記ボウル高さに沿った第2の垂直位置であって、前記第1の垂直位置から垂直に間隙を介している第2の垂直位置に配置された第2の加熱素子、
を含む複数の加熱素子と、
を備え
、
前記ボウルは、前記溶融ガラスが前記前炉側から前記溢れ側に流れるよう構成されており、
前記前炉開口と前記溢れ開口とが、前記ボウルの対向する位置に設けられている、加熱装置。
【請求項2】
前記タブ部分がタブ部分高さを有し、前記ボウルウェルがボウルウェル高さを有し、前記第1の加熱素子が該タブ部分高さに沿って位置し、前記第2の加熱素子が前記ボウルウェル高さに沿って位置している、請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
前記タブ部分がタブ部分高さを有し、前記第1の加熱素子および前記第2の加熱素子が該タブ部分高さに沿って位置している、請求項1記載の加熱装置。
【請求項4】
前記ボウルに熱的に結合し、該ボウル内の溶融ガラスの温度を感知するように構成された温度センサ、および
感知された前記温度に基づいて前記複数の加熱素子を制御するように構成された、前記温度センサに通信するように接続された制御装置、
をさらに備えた請求項1から3いずれか1項記載の加熱装置。
【請求項5】
前記ボウルウェルが、前記第1の加熱素子が第1のボウルウェル周方向領域にかつ前記前炉側に配置され、前記第2の加熱素子が第2のボウルウェル周方向領域にかつ前記溢れ側に配置されるように、複数のボウルウェル周方向領域をさらに含み、該第1のボウルウェル周方向領域が該第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隙を介しており、前記第1の加熱素子が、前記第2の加熱素子より低いエネルギーを供給する、請求項1から4いずれか1項記載の加熱装置。
【請求項6】
前記ボウルウェルの下に配置されたベル、および
前記ベルの内部チャンバに加圧流体を供給するように、該ベルの内部チャンバに流体結合された流体供給通路、
をさらに備える、請求項1から5いずれか1項記載の加熱装置。
【請求項7】
ガラス管を製造する方法において、
ボウル内に溶融ガラスを受け容れる工程であって、該ボウルは、タブ部分および該タブ部分の真下に延在するボウルウェルを備え、該ボウルウェルは複数のボウルウェル周方向領域を含み、該複数のボウルウェル周方向領域は第1のボウルウェル周方向領域および第2のボウルウェル周方向領域を含む、工程、
前記溶融ガラスを前記タブ部分から前記ボウルウェルを通じて流す工程、
前記溶融ガラスが前記ボウルを流通しているときに複数の加熱素子で該溶融ガラスを加熱する工程であって、該複数の加熱素子は前記複数のボウルウェル周方向領域に配置されている工程、および
前記溶融ガラスを前記ボウルウェルから該ボウルウェルの遠位端にあるオリフィスを通じて流す工程、
を有してなり、
前記複数の加熱素子は、前記第1のボウルウェル周方向領域にかつ前記ボウルの前炉側に配置された第1の加熱素子および前記第2のボウルウェル周方向領域にかつ前記ボウルの溢れ側に配置された第2の加熱素子を含み、該第1のボウルウェル周方向領域が該第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隔を介しており、
前記第1の加熱素子が、前記第2の加熱素子より低いエネルギーを供給
し、
前記前炉側が、前記ボウル中に前記溶融ガラスを受け容れるように構成された前炉開口を有する側であり、
前記溢れ側が、前記ボウルから過剰な溶融ガラスを除去するように構成された溢れ開口を有する側であり、
前記前炉側と前記溢れ側とは、前記ボウルの互いに対向する位置にある、
方法。
【請求項8】
流体供給通路に流体を吹き込んで、前記ボウルの下に配置されたベルの内部チャンバに加圧流体を供給する工程、および
前記ベルの上でガラス管を延伸する工程、
をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記複数の加熱素子が複数の垂直位置に配置され、前記第1の加熱素子がタブ部分高さに沿った第1の垂直位置に配置され、前記第2の加熱素子がボウルウェル高さに沿った第2の垂直位置に配置され、該第1の垂直位置が該第2の垂直位置から垂直に間隙を介している、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
温度センサを使用して、前記溶融ガラスの温度を感知する工程、および
感知された前記温度に基づいて、制御装置を使用して、前記複数の加熱素子により与えられるエネルギーの量を自動的に制御する工程、
をさらに含む、請求項7から9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記溶融ガラスを前記タブ部分から前記ボウルウェルを通じて流す工程が、過剰な溶融ガラスを前記ボウルの溢れ側に配置された溢れ開口を通じて前記タブ部分から除去することを含む、請求項7から10いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その全てがここに引用される、「ガラス管を製造するための加熱装置および方法」と題する、2016年5月25日に出願された米国仮特許出願第62/341298号に優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、広く、ガラス管を製造するための加熱装置および方法に関し、より詳しくは、ガラス管の製造に使用されるボウルの様々な位置に配置された複数の加熱素子を備えた、ガラス管を形成するための加熱装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バイアル、カートリッジ、および注射器などのガラス物品に使用されるガラス管には、ガラス管の壁に高レベルの寸法安定性が要求される。例えば、カートリッジおよび注射器には、最小の同心性および壁厚の変動を要求する厳しい寸法要件がある。ある業界基準では、壁厚の変動が、製品の全体の壁厚の5%未満である必要がある。しかしながら、ガラス物品を形成するガラス管の寸法変動により、許容範囲から外れた壁厚を有するガラス物品が生じることがある。そのような寸法変動は、例えば、ガラス管製造過程において溶融ガラスがガラス管に延伸される前の溶融ガラスの不均一な加熱の結果であることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ガラス管を製造するための代わりの加熱装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施の形態によれば、ガラス管を製造するための加熱装置は、溶融ガラスを受け容れるように構成されたボウル、およびそのボウルに熱的に結合された複数の加熱素子を備える。そのボウルは、ボウル高さを有し、溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、そのタブ部分の真下に延在するボウルウェル、およびそのボウルウェルの遠位端にあるオリフィスを含み、その遠位端はそのタブ部分に対して遠位である。その複数の加熱素子は、ボウル高さに沿った第1の垂直位置に配置された第1の加熱素子、およびそのボウル高さに沿った第2の垂直位置に配置された第2の加熱素子を含み、その第1の垂直位置は第2の垂直位置から垂直に間隙を介している。
【0006】
別の実施の形態において、ガラス管を製造するための加熱装置は、溶融ガラスを受け容れるように構成されたボウル、およびそのボウルに熱的に結合された複数の加熱素子を備える。そのボウルは、溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、そのタブ部分の真下に延在するボウルウェル、およびそのボウルウェルの遠位端にあるオリフィスを含み、その遠位端はそのタブ部分に対して遠位である。そのボウルウェルは、複数のボウルウェル周方向領域を有する。その複数のボウルウェル周方向領域は、第1のボウルウェル周方向領域および第2のボウルウェル周方向領域を含む。ボウルウェルに結合された複数の加熱素子は、第1のボウルウェル周方向領域に配置された第1の加熱素子および第2のボウルウェル周方向領域に配置された第2の加熱素子を含む。その第1のボウルウェル周方向領域は、その第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隔を介している。
【0007】
さらに別の実施の形態において、ガラス管を製造する方法は、ボウル内に溶融ガラスを受け容れる工程を有してなる。そのボウルは、タブ部分およびそのタブ部分の真下に延在するボウルウェルを備える。そのボウルウェルは複数のボウルウェル周方向領域を含み、その複数のボウルウェル周方向領域は、第1のボウルウェル周方向領域および第2のボウルウェル周方向領域を含む。この方法は、溶融ガラスをタブ部分からボウルウェルを通じて流す工程、溶融ガラスがボウルを流通しているときに複数の加熱素子で溶融ガラスを加熱する工程、および溶融ガラスをボウルウェルからそのボウルウェルの遠位端にあるオリフィスを通じて流す工程をさらに含む。その複数の加熱素子は、複数のボウルウェル周方向領域に配置されている。その複数の加熱素子は、第1のボウルウェル周方向領域が第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隔を介しているように、第1のボウルウェル周方向領域に配置された第1の加熱素子および第2のボウルウェル周方向領域に配置された第2の加熱素子を含む。
【0008】
ガラス管を製造するための加熱装置および方法の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面に述べられている。
【0009】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明は両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する目的であることが理解されよう。添付図面は、様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、ここに記載された様々な実施の形態を示しており、説明と共に、請求項の主題の原理および作動を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態によるガラス管製造装置の説明図
【
図2】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による、タブ部分およびボウルウェルを有するボウルの説明図
【
図3】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による、加熱素子を設置できる様々な位置を示す、
図2のボウルの説明図
【
図4】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態によるガラス管製造装置のボウルの表面部分に配置された加熱素子の説明図
【
図5A】複数のボウルウェル周方向領域を示す、ボウルウェルの上面の説明図
【
図5B】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態によるボウルウェルの斜視図
【
図6】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による、ボウルの
対称軸に対する加熱素子の配置を示す、ボウルウェルの上面の説明図
【
図7】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による、ボウルの
対称軸に対する加熱素子の代わりの配置を示す、ボウルウェルの上面の説明図
【
図8】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態によるガラス管製造方法を示す流れ図
【
図9A】異なる位置にある加熱素子により、ボウルに様々な量の出力が印加されない場合のオリフィスでの溶融ガラスの出口温度プロファイル
【
図9B】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による、異なる位置にある加熱素子により、ボウルに様々な量の出力が印加された場合のオリフィスでの溶融ガラスの出口温度プロファイル
【
図10A】異なる周方向領域にある加熱素子により、ボウルに様々な量の出力が印加さない場合のオリフィスでの溶融ガラスの出口温度プロファイル
【
図10B】異なる周方向領域にある加熱素子により、ボウルに様々な量の出力が印加された場合のオリフィスでの溶融ガラスの出口温度プロファイル
【
図10C】ここに示され記載された1つ以上の実施の形態による加熱素子の配置を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
その例が添付図面に示されている、ここに記載されたガラス管を形成するための様々な装置および方法を、ここで詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を指すために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。概して図面を参照すると、加熱装置は、その中に溶融ガラスを受け容れるためのボウルを備える。そのボウルは、タブ部分、およびそのタブ部分の真下に延在するボウルウェルを備える。そのボウルウェルの遠位端にオリフィスが配置されている。そのボウルは、溶融ガラスを受け容れるための前炉開口、およびタブ部分から溢れた溶融ガラスを除去するための溢れ開口をさらに備える。その加熱装置は、複数の加熱素子が、ボウル高さに沿った様々な垂直位置に、および/または様々な周方向位置に、配置されるようにボウルに熱的に結合された複数の加熱素子を備える。その加熱装置は、溶融ガラスがタブ部分からボウルウェルを通じてオリフィスから流れ出るときに、溶融ガラスを加熱するために使用される。具体的に、その加熱装置は、オリフィスから出る溶融ガラスの熱的均一性を維持するように構成され、それにより、管寸法の変動およびガラス管製造過程における不安定度が軽減される。
【0012】
ガラス管を製造する過程の1つにベロー法がある。このベロー法は、公知の直径のダイ(「ベル」または「ベルヘッド」とも称される)の周りに溶融ガラスを流すことによって、ガラス管を形成する。ここで
図1を参照すると、ガラス管製造装置300およびベル位置決め装置100が概略示されている。
図1は、ガラス管304が垂直下方(すなわち、
図1に示された座標軸の-Z方向)に延伸されるように略垂直(すなわち、
図1に示された座標軸の±Z方向)に向けられたガラス管製造装置300の正面図を示している。
【0013】
ベル位置決め装置100は、少なくとも1つのフレーム脚部122およびプラットホーム130を有するフレーム120を備える。少なくとも1つのフレーム脚部122は、基部190(例えば、床)により支持されている。ベル位置決め装置100は、支持位置決め装置140も有する。支持位置決め装置140は、プラットホーム130に支持され、そこに取り付けられ、次に、このプラットホーム130は少なくとも1つのフレーム脚部122により支持されている。実施の形態において、支持位置決め装置140は、高温精密ボールネジ、線形スライドなどを使用して、ボウル305の底部開口に対して支持体110の少なくとも二軸制御(
図1に示されたX-Y軸動作)、三軸制御(
図1に示されたX-Y-Z軸動作)、または五軸までの制御を与える。支持位置決め装置140は、高温精密ボールネジ、線形スライドなどを制御するサーボまたは可変周波数駆動(VFD)動作装置を備え得る。支持位置決め装置140は、支持体110に連結されている。支持体110は、ガラス管製造装置300の一部であるベル200に接続されている。遠隔制御および支持体110からのフィードバックを支持位置決め装置140の一部として含むことができる。支持体110は、ベル200の内部チャンバ202に流体結合された、管、導管、または類似の流体送達装置などの流体供給通路112を有し得る。流体供給通路112は、内部チャンバ202への加圧流体を供給するように作動することがある。ここに記載された実施の形態において、加圧流体は、加圧ガス、特に、空気または制限なく、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを含む、不活性加圧ガスであってよい。そのガスは、
図1に概略示されるように、ガラス管304がベル200を流れ過ぎ、ベル200の側壁214にもはや接触しなくなった後にガラス管304の内部を支持する。ガラス管製造装置300は、ベル200上を流れるように溶融ガラス302を供給するためのボウル305を備える。
【0014】
実施の形態において、ベル200の周りに、外部加熱手段219を有する外部加熱システム218が配置されることがある。1つの実施の形態において、外部加熱システム218は、赤外線加熱システムを含み得る。しかしながら、制限なく、集束赤外線、抵抗、誘導および/またはその組合せを含む他のタイプの加熱ユニットを使用してもよいことを理解すべきである。さらに、
図1は、外部加熱システムを、ベル200の周りに配置されていると示しているが、外部加熱システム218は、外部加熱システム218が抵抗加熱システムである場合などのように、ベル200と一体化してもよいことを理解すべきである。そのような実施の形態は、外部加熱システム218を含まないことがある。
【0015】
さらに
図1を参照すると、ガラス管を形成するためのガラス管製造装置300は、延伸機構328をさらに備えることがある。延伸機構328は、一般に、ベル200の下方に配置されており、ベル200上で延伸されるガラス管と接触し、そのガラス管を下向きに延伸するように働く少なくとも1つの牽引ホイール329を含むことがある。実施の形態において、ガラス管製造装置300は、建物、構造などの1つ以上の床を通って垂直に延在し得る。これらの実施の形態において、ベル位置決め装置100は、1つの床(基部190)上に位置し、支持され得、支持体110は、支持位置決め装置140からその床(基部190)を通り、下部床に位置し、支持されたボウル305を通って延在する。いくつかの実施の形態において、ベル位置決め装置100を有するガラス管製造装置300は、歩道、フォークリフトなどの重機が移動する床などの、ガラス管製造装置300に振動を伝達し得る構造、設備などから構造的に隔離されている。実施の形態において、ガラス管製造装置300に剛性連結されたガラス溶融炉(図示せず)も、ガラス管製造装置300に振動を伝達し得る構造、設備などから構造的に隔離され得る。
【0016】
ベル200は、上面211および側壁214を有する上部210を備える。側壁214および底縁215がベル200の内部チャンバ202を画成する。上部210の上面211は外径を有する。ベル200は、制限なく、実質的に円錐形、またあるいは、実質的に放物形を含む様々な形状を有してよい。したがって、そのベルは、ベルの表面上を延伸される加熱ガラス(すなわち、溶融ガラス)の管を拡大し、薄化させるのに適したどのような形状および/または構造のものであってもよいことを理解すべきである。ベル200を形成する材料は、ベル200が、ベル200上で延伸される加熱ガラスを汚染しないように、高温で安定である。適切なベル材料の例としては、以下に限られないが、耐火金属およびその合金、白金族金属、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル系合金、および例えば、ジルコン(ZrSiO
4)およびアルミナ(Al
2O
3)などのセラミックが挙げられる。さらに
図1を参照すると、ボウル305はオリフィス310(
図3に示されている)を有する。上部210とオリフィス310との間の隙間が、少なくとも一部には、ベル200上を延伸されるガラス管の壁厚に影響を与える。その上、ベル200はベル形または放物形をしているので、ベル200の外径は、ベル200の長さに沿って、下方に増加する。オリフィス310に対するベル200の上部210の位置は、溶融ガラス302がボウル305からオリフィス310を通り、ベル200上に均一に流れるように、調節できる。
【0017】
ここで
図2を参照すると、ボウル305の斜視図が示されている。ボウル305は溶融ガラス302を受け容れるように構成されている。このボウルはボウル高さ(H
B)を有する。ボウル305は、溶融ガラス302を保持するように構成されたタブ部分320を備える。
図2に示されているように、タブ部分320はタブの形状に成形されている。タブ部分320はタブ部分高さ(H
TB)を有する。ボウルウェル325は、タブ部分320の一部の真下に延在する。他の実施の形態において、ボウルウェル325は、タブ部分320の全体の真下に延在する(例えば、タブ部分320の断面が円形である場合)。ボウルウェル325は、ボウル305のタブ部分320に近接した近接端327、およびタブ部分320の遠位にある遠位端331を有する。実施の形態において、ボウルウェル325は円筒形であることがあり、よって、近接端327の近接外周は、遠位端331の遠位外周と等しい。いくつかの実施の形態において、ボウルウェル325は、その近接外周が遠位外周より大きいような形状で円錐台状であることがあり、それにより、ボウルウェル325は遠位端331に向かって内側に先細になる。いくつかの実施の形態において、ボウルウェル325は、
図2に示されたように、円筒形であり、かつ円錐台状であることがある。ボウルウェル325はボウルウェル高さ(H
BW)を有する。タブ部分高さ(H
TB)およびボウルウェル高さ(H
BW)の合計がボウル高さ(H
B)となる。ボウル305は、ボウルウェル325の遠位端331にオリフィス310をさらに備える(
図3に示されている)。
図1に述べられたような、流体供給通路112が、タブ部分320、ボウルウェル325、およびオリフィス310を通って延在する。
【0018】
さらに
図2を参照すると、そのボウルは、前炉側330および溢れ側334をさらに含む。前炉側330は、ボウル305中に溶融ガラス302を受け容れるように構成された前炉開口332
を有し、
溢れ側334は、ボウル305から過剰な溶融ガラス302を除去するように構成された溢れ開口336を有する。実施の形態において、溶融ガラス302は前炉開口332から溢れ開口336に向かって流動する。ボウル
対称軸340は、このボウル
対称軸340が前炉開口332および溢れ開口336を二等分するように、前炉開口332の中心から溢れ開口336の中心まで延在する。実施の形態において、ボウル
対称軸340は、ボウル305の前炉側330から溢れ側334への溶融ガラス302の流れを表す。実施の形態において、ボウル
対称軸340は、流体供給通路112と交差する。
【0019】
ここで
図3を参照すると、ボウル305が、加熱装置400と共に示されている。加熱装置400は、ボウル305に熱的に結合された複数の加熱素子を備える。その複数の加熱素子は、第1の加熱素子410A、第2の加熱素子410B、第3の加熱素子410C、第4の加熱素子410D、第5の加熱素子410E、第6の加熱素子410F、および第7の加熱素子410Gを含む。さらに、温度センサ405A、405B、405C、405D、405E、405F、405Gが、ボウル305に熱的に結合されており、ボウル305内の溶融ガラス302の温度を感知するように構成されている。温度センサ405A、405B、405C、405D、405E、405F、405Gは、制御装置407と通信するように接続されている。制御装置407は、感知した温度に基づいて複数の加熱素子を制御するように構成されている。いくつかの実施の形態において、1つの制御装置407に結合されたただ1つの温度センサが設けられることがある。他の実施の形態において、制御装置407は温度センサと一体であることがある。
【0020】
図3はボウル305の外側にある複数の加熱素子を示しているが、実施の形態において、複数の加熱素子が、ボウル305の壁内、またはボウル305の内側に配置されることがある。実施の形態において、複数の加熱素子がボウル305の内側に配置されている場合、その複数の加熱素子は、それらが溶融ガラス302に直接接触しないように覆われることがある。いくつかの実施の形態において、その複数の加熱素子は、カートリッジ・ヒーター、加熱ロッド、加熱フィラメント、加熱ワイヤ、加熱テープなどであることがある。実施の形態において、複数の加熱素子は、高温(約1000℃から約1900℃)に耐えるように、白金、チタン、タングステンなどの金属から製造されている。いくつかの実施の形態において、2つの加熱素子が次々に配置されることがあり、その場合、その2つの加熱素子の間に抵抗コイルまたは抵抗板が配置される。実施の形態において、複数の加熱素子は、約0.1kWから約10kWの範囲内、または約0.2kWから約1.5kWの範囲内、または約0.25kWから約1.5kWの範囲内のエネルギーを与えるように構成されることがある。
【0021】
図3を参照すると、その複数の加熱素子は、ボウル305のボウル高さ(H
B)に沿って複数の垂直位置に配置されることがある。その複数の垂直位置は、第1の垂直位置412A、第2の垂直位置412B、第3の垂直位置412C、第4の垂直位置412D、第5の垂直位置412E、第6の垂直位置412F、および第7の垂直位置412Gを含む。実施の形態において、複数の加熱素子の少なくとも1つの加熱素子が、その複数の垂直位置の各垂直位置に配置されることがある。いくつかの実施の形態において、その複数の加熱素子の内の複数が、その複数の垂直位置の各垂直位置に配置されることがある。
【0022】
非限定例として、第2の加熱素子410Bがボウル高さ(H
B)に沿った第2の垂直位置412Bに位置され、第5の加熱素子410Eがボウル高さ(H
B)に沿った第5の垂直位置412Eに配置されている。実施の形態において、第2の垂直位置412Bは第5の垂直位置412Eから垂直に間隙を介している。実施の形態において、
図3に示されるように、第2の加熱素子410Bは、タブ部分高さ(H
TB)に沿って位置する、ボウル305のタブ部分320に配置され、第5の加熱素子410Eは、ボウルウェル高さ(H
BW)に沿って位置するボウルウェル325に配置されている。いくつかの実施の形態において、その複数の加熱素子の内の複数が、タブ部分高さ(H
TB)に沿って、ボウル305のタブ部分320に位置することがある。
図3に示されるように、第1の加熱素子410Aおよび第2の加熱素子410Bは両方とも、タブ部分高さ(H
TB)に沿って、ボウルのタブ部分320に配置されている。1つの実施の形態において、複数の加熱素子の内の複数が、ボウルウェル高さ(H
BW)に沿ってボウルウェル325に配置されることがある。例えば、
図3に示されるように、第5の加熱素子410Eおよび第6の加熱素子410Fが、ボウルウェル高さ(H
BW)に沿って、ボウル305のボウルウェル325に配置されることがある。
【0023】
実施の形態において、その複数の加熱素子は、ボウル305の複数の表面部分に配置される。その複数の表面部分は、第1の表面部分(SP
1)、第2の表面部分(SP
2)、第3の表面部分(SP
3)、および第4の表面部分(SP
4)を含む。複数の表面部分は、タブ部分320の溢れ開口336の底面の平らな部分(SP
0)も含むことがある。
図3に示されるように、その複数の表面部分は、ボウル高さ(H
B)の1セグメントに沿って延在する。例えば、複数の表面部分の内の1つ(SP
1)は、ボウル305のタブ部分高さ(H
TB)の1セグメントに沿って延在する。別の実施の形態において、複数の表面部分の内の別のもの(SP
3)が、ボウル305のボウルウェル高さ(H
BW)の1セグメントに沿って延在する。いくつかの実施の形態において、複数の表面部分の内のある表面部分が、タブ部分高さ(H
TB)の1セグメントおよびボウルウェル高さ(H
BW)の1セグメントに沿って延在することがある。
【0024】
手短に
図4を参照すると、
図3の第3の表面部分(SP
3)が示されている。その表面部分(SP
3)は、ボウル高さ(H
B)の1セグメントに沿って延在する、特に、ボウル305のボウルウェル高さ(H
BW)に沿って延在する上側部分430と下側部分435との間に延在する部分である。この第3の表面部分(SP
3)は、上側部分430と下側部分435との間のボウル305の壁の表面区域を含む。第3の表面部分(SP
3)は、表面部分高さ(H
SP3)を有する。この実施の形態において、第3の表面部分(SP
3)は円錐台状の形状にあるが、いくつかの実施の形態において、複数の表面部分の形状は円筒形であることがある。さらに、第3の表面部分(SP
3)は、第5の垂直位置412Eに第5の加熱素子410Eを、第6の垂直位置412Fに第6の加熱素子410Fを含む。実施の形態において、第5の垂直位置412Eおよび第6の垂直位置412Fの各々は、ボウル高さ(H
B)に沿った、表面部分(SP
3)内の位置である。
【0025】
図3を参照すると、複数の表面部分(すなわち、SP
0、SP
1、SP
2、SP
3、SP
4)が示されており、ここで、複数の加熱素子は複数の表面部分に配置されている。非限定例として、第2の垂直位置412Bにある第2の加熱素子410Bおよび第5の垂直位置412Eにある第5の加熱素子410Eは、
図3に示されるように、複数の表面部分の異なる表面部分に配置されている(410BはSP
1にあり、410EはSP
3にある)。別の非限定例として、第2の垂直位置412Bにある第2の加熱素子410Bおよび第3の垂直位置412Cにある第3の加熱素子410Cは、同じ表面部分に配置されている(410Bおよび410CはSP
1にある)。1つの実施の形態において、複数の加熱素子の全てが、1つの表面部分に(SP
1、SP
2、SP
3、またはSP
4の内の1つのみに)位置していることがある。そのような実施の形態において、複数の加熱素子は、同じ表面部分の異なる垂直位置に配置されることがある。
【0026】
その複数の加熱素子により与えられるエネルギーの量は、制御装置407により制御される。いくつかの実施の形態において、制御装置407は、温度センサ405A、405B、405C、405D、405E、405F、405Gにより制御装置407に与えられる感知温度に基づいて、複数の加熱素子の各々により与えられるエネルギーの量を個別に制御するように構成されている。実施の形態において、制御装置407は、感知温度に基づいて複数の加熱素子により与えられるエネルギーを自動的に制御するように構成されている。
図3は、1つの制御装置407に接続された各温度センサ405A、405B、405C、405D、405E、405F、405Gを示しているが、いくつかの実施の形態において、各温度センサ405A、405B、405C、405D、405E、405F、405Gは、個別の制御装置に接続されることがある。さらに、実施の形態において、多数の制御装置が各温度センサに接続されることがある。実施の形態において、溶融ガラス302の温度は、タブ部分320と比べて、ボウルウェル325内で高い必要がある。タブ部分320およびボウルウェル325内の溶融ガラス302の温度が一旦感知されたら、それにしたがって、複数の加熱素子にエネルギーを与えてよい。溶融ガラス302の加熱を制御するために、制御装置407は、比例・積分・微分(「PID」)制御アルゴリズム、単純オン/オフ制御アルゴリズム、またはボウル高さ(H
B)に沿って所望の温度勾配を得るために、第2の加熱素子410Bおよび第5の加熱素子410Eに与えられるエネルギーを変えるように作動できる任意の他の制御アルゴリズムを利用してもよい。
【0027】
非限定例により、
図3を参照して、制御装置407は、温度センサ405Bにより感知された溶融ガラス302の第1の感知温度に基づいて第2の加熱素子410Bを制御するように構成されており、制御装置407は、その第1の感知温度に基づいて第5の加熱素子410Eを独立して制御するように構成されている。その第1の感知温度は、第2の垂直位置412Bで感知される。いくつかの実施の形態において、制御装置407は、温度センサ405Bにより感知された第1の感知温度に基づいて第2の加熱素子410Bを制御するように構成されており、制御装置407は、温度センサ405Bにより感知された第2の感知温度に基づいて第5の加熱素子410Eを独立して制御するように構成されている。この実施の形態において、その第1の感知温度は第2の垂直位置412Bで感知され、第2の感知温度は第5の垂直位置412Eで感知される。
【0028】
ここで
図5Aおよび5Bを参照すると、複数の加熱素子の配列が、ボウルウェル高さ(H
BW)に沿って第8の垂直位置412Sおよび第9の垂直位置412Wでボウルウェル325に位置されているのが示されている。
図5Aはボウルウェル325の上面図を示しており、
図5Bはボウルウェル325の側面図を示している。実施の形態において、複数の加熱素子の各々は、ボウルウェル325の複数のボウルウェル周方向領域に対して配置されることがある。ボウルウェル325は、第1のボウルウェル周方向領域I、第2のボウルウェル周方向領域II、第3のボウルウェル周方向領域III、および第4のボウルウェル周方向領域IVを含む複数のボウルウェル周方向領域に区分けされる。
図5Aは、各垂直位置に4つのボウルウェル周方向領域を示しているが、どの所定の垂直位置に1から100の領域、または2から20の領域、または5から10の領域があってもよい。実施の形態において、ボウルウェル325の1つの部分は、4つのボウルウェル周方向領域に区分けされることがあり、ボウルウェル325の別の部分は、8つのボウルウェル周方向領域に区分けされることがある。実施の形態において、各ボウルウェル周方向領域は、他のボウルウェル周方向領域とサイズが異なってもよい。実施の形態において、複数の加熱素子の少なくとも1つの加熱素子が、複数のボウルウェル周方向領域の各ボウルウェル周方向領域に配置されることがある。いくつかの実施の形態において、複数の加熱素子の内の複数が、複数のボウルウェル周方向領域の各ボウルウェル周方向領域に配置されてもよい。実施の形態において、複数の加熱素子の内の1つの加熱素子が、複数のボウルウェル周方向領域の内の複数に亘り延在する。いくつかの実施の形態において、帯状温度センサが、ボウルウェル周方向領域の周方向に亘り配置されることがある。
【0029】
図5Aおよび5Bを参照すると、第8の垂直位置412Sでは、第8の加熱素子410S、第9の加熱素子410T、第10の加熱素子410U、および第11の加熱素子410Vの各々が、それぞれ、複数のボウルウェル周方向領域I、II、III、IVの各々に配置されている。第9の垂直位置412Wでは、第12の加熱素子410W、第13の加熱素子410X、第14の加熱素子410Y、および第15の加熱素子410Zの各々が、それぞれ、複数のボウルウェル周方向領域I、II、III、IVの各々に配置されている。
【0030】
図5Aに示されるように、第12の加熱装置410Wが第9の垂直位置412Wで第1のボウルウェル周方向領域Iに配置されており、第11の加熱装置410Vが第8の垂直位置412Sで第2のボウルウェル周方向領域IIに配置されている。この実施の形態において、第1のボウルウェル周方向領域Iは第2のボウルウェル周方向領域IIから周方向に間隙を介している。したがって、第11の加熱素子410Vおよび第12の加熱装置410Wも、互いから周方向に間隙を介している。さらに、
図5Aに示されるように、第12の加熱装置410Wは、第11の加熱素子410Vから周方向かつ垂直に間隙を介している。さらに、実施の形態において、第1のボウルウェル周方向領域Iにある第12の加熱装置410Wおよび第3のボウルウェル周方向領域IIIにある第14の加熱素子410Yは、同じ垂直位置(すなわち、第9の垂直位置412W)で互いから周方向に間隙を介している。
【0031】
図5Aを参照すると、その複数の加熱素子により与えられるエネルギーの量は制御装置407により制御される。制御装置407は、温度センサ405S、405T、405U、405V、405W、405X、405Y、405Zにより制御装置407に与えられる感知温度に基づいて複数の加熱素子の各々により与えられるエネルギーの量を個別に制御するように構成されている。実施の形態において、制御装置407は、温度センサ405Wにより感知される溶融ガラス302の第1の感知温度に基づいて第12の加熱装置410Wを制御するように構成されており、制御装置407は、その第1の感知温度に基づいて第11の加熱素子410Vを独立して制御するように構成されている。いくつかの実施の形態において、制御装置407は、温度センサ405Wにより感知される第1の感知温度に基づいて第12の加熱装置410Wを制御するように構成されており、制御装置407は、温度センサ405Vにより感知される第2の感知温度に基づいて第11の加熱素子410Vを独立して制御するように構成されている。この実施の形態において、その第1の感知温度は第9の垂直位置412Wで感知され、第2の感知温度は第8の垂直位置412Sで感知される。
【0032】
実施の形態において、制御装置407は、前記感知温度に基づいて複数の加熱素子により与えられるエネルギーを自動的に制御するように構成されている。
図5Aは、単一の制御装置407に接続された各温度センサ405S、405T、405U、405V、405W、405X、405Y、405Zを示しているが、いくつかの実施の形態において、各温度センサが単一の制御装置に接続されることがある。制御装置407は、比例・積分・微分(「PID」)制御アルゴリズム、単純オン/オフ制御アルゴリズム、または複数の加熱素子に与えられるエネルギーを変えるように作動できる任意の他の制御アルゴリズムを利用してもよい。いくつかの実施の形態において、ボウルウェル325の前炉側330に配置された複数のボウルウェル周方向領域にある複数の加熱素子(例えば、410U、410V、410Y、410Z)は、ボウル305の溢れ側334に配置された複数のボウルウェル周方向領域にある複数の加熱素子(例えば、410S、410T、410W、410X)より少ないエネルギーを与えるように構成されることがある。これは、溶融ガラス302が、ボウル305の溢れ側334にある溶融ガラス302のより長い滞留時間のために、ボウル305の前炉側330よりもボウル305の溢れ側334のほうが冷たいからである。例えば、第8の加熱素子410S、および第9の加熱素子410T(両方とも溢れ側334にある)は、第10の加熱素子410U、および第11の加熱素子410V(両方とも前炉側330にある)よりも多い量のエネルギーを与えることがある。前炉側330と溢れ側334との間で最小の断面温度差(ΔT)を維持するために、溢れ側334にある溶融ガラス302は、ボウル305の前炉側330にある溶融ガラスと比べて、優先的に加熱されることがある。
【0033】
図6を参照すると、実施の形態において、複数の加熱素子が、ボウル
対称軸340に対して異なる向きで配置されることがある。実施の形態において、ボウル
対称軸340は、ボウル305の前炉側330から溢れ側334への溶融ガラス302の流動方向を示している。非限定例として、
図6の第10の垂直位置412Lで、第16の加熱素子410Lが第2のボウルウェル周方向領域IIに配置されており、第17の加熱素子410Mが第3のボウルウェル周方向領域IIIに配置されており、第18の加熱素子410Nが第4のボウルウェル周方向領域IVに配置されており、第19の加熱素子410Pが第1のボウルウェル周方向領域Iに配置されている。第16の加熱素子410Lおよび第17の加熱素子410Mは、ボウル
対称軸340が第16の加熱素子410Lおよび第17の加熱素子410Mと交差しないような様式で位置することがある。実施の形態において、第16の加熱素子410Lおよび第17の加熱素子410Mは、ボウル
対称軸340の両側に位置している。
【0034】
図7を参照すると、代わりの実施の形態において、第16の加熱素子410Lは、ボウルウェル325内の第10の垂直位置412Lで、第2のボウルウェル周方向領域IIに配置されることがある。この実施の形態において、第16の加熱素子410Lは、ボウル
対称軸340がこの第16の加熱素子410Lと交差する(それにより、第10の垂直位置412Lで、第2のボウルウェル周方向領域IIとも交差する)ように位置している。この実施の形態において、第16の加熱素子410Lは、ボウル
対称軸340がこの第16の加熱素子410Lを二等分するように位置している。
【0035】
いくつかの実施の形態において、複数の加熱素子は、
図3に示されるように、ボウル高さ(H
B)に沿って複数の垂直
位置に位置しており、かつ
図5Aに示されるように、ボウルウェル325の周方向領域に位置していることがある。
【0036】
加熱装置を使用してガラス管を製造する方法をここで論じる。
【0037】
図2および8を参照すると、ガラス管の製造方法800は、ガラス管製造装置300のボウル305内に溶融ガラス302を受け容れる工程S810を含む。実施の形態において、溶融ガラス302はボウル305の前炉側330で前炉側330を通して受け容れられる。溶融ガラス302はボウル305のタブ部分320中に受け容れられる。ボウル305は、ボウル305のタブ部分320の真下に延在するボウルウェル325、およびボウルウェル325の遠位端311に配置されたオリフィス310をさらに備え、その遠位端311はボウル305のタブ部分320に対して遠位である。実施の形態において、溶融ガラス302は前炉開口332から溢れ開口336に向かって流動する。その流動方向を示すために、ボウル
対称軸340(
図2に点線で示されるような)を、ボウル305の前炉側330から溢れ側334に向かって描くことができる。
【0038】
図2および8を参照すると、方法800は、工程S820で、溶融ガラス302をボウル305のタブ部分320からボウルウェル325中に流す工程を含む。過剰な溶融ガラス302がタブ部分320に入る実施の形態において、過剰な溶融ガラス302は、ボウル305の溢れ側334に配置された溢れ開口336を通じてタブ部分320から除去される。溶融ガラス302がタブ部分320からボウル305中に流れるにつれて、ボウルウェル325内の前炉側330の溶融ガラス302および溢れ側334の溶融ガラス302内に断面温度差(ΔT)が生じる。この断面温度差(ΔT)は、ボウル305の溢れ側334での溶融ガラス302の滞留時間がボウル305の前炉側330での溶融ガラス302の滞留時間より長いために生じる。さらに、ボウル305内の溶融ガラス302の断面温度差(ΔT)が増加すると、そのような溶融ガラスを使用して得られるガラス管により、管の厚さが不均一となり、その管が使用に適さなくなるであろう。
【0039】
図5および8を参照すると、方法800は、工程S830で、溶融ガラス302がボウル305を通って流れるときに、溶融ガラス302を加熱装置410で加熱する工程を含む。溶融ガラス302は、ボウル305全体に亘り分布した複数の加熱素子により加熱される。その複数の加熱素子は、
図5Aおよび5Bに示されるように、複数のボウルウェル周方向領域に配置されることがあり、第8の垂直位置412Sでは、第8の加熱装置410S、第9の加熱装置410T、第10の加熱装置410U、および第11の加熱装置410Vの各々は、それぞれ、複数のボウルウェル周方向領域I、II、III、IVの各々に配置されている。第9の垂直位置412Wでは、第12の加熱装置410W、第13の加熱装置410X、第14の加熱装置410Y、および第15の加熱装置410Zの各々が、それぞれ、複数のボウルウェル周方向領域I、II、III、IVの各々に配置されている。
【0040】
さらに、方法800は、ボウル
対称軸340に対して異なる向きにある複数の加熱素子により溶融ガラス302を加熱する工程も含むことがある。1つの実施の形態において、
図6に示されるように、第16の加熱装置410Lおよび第17の加熱装置410Mは、ボウル
対称軸340が第16の加熱装置410Lおよび第17の加熱装置410Mと交差しないような様式で位置していることがある。実施の形態において、第16の加熱素子410Lおよび第17の加熱素子410Mは、ボウル
対称軸340の両側に位置している。別の実施の形態において、
図7に示されるように、第16の加熱素子410Lは、ボウルウェル325内の第10の垂直位置412Lで、第2のボウルウェル周方向領域IIに配置されることがある。この実施の形態において、第16の加熱素子410Lは、ボウル
対称軸340がこの第16の加熱素子410Lと交差する(それにより、第10の垂直位置412Lで、第2のボウルウェル周方向領域IIとも交差する)ように位置している。
【0041】
代わりの実施の形態において、方法800は、工程S830で、
図3に示されるように、ボウル高さ(H
B)に沿った複数の垂直位置に配置された複数の加熱素子により、溶融ガラス302がボウル305を通って流れるときに溶融ガラス302を加熱する工程を含むことがある。実施の形態において、その複数の垂直位置は複数の表面部分に配置されることがある。いくつかの実施の形態において、第2の垂直位置412Bは第5の垂直位置412Eから垂直に間隙を介しているように、第2の加熱素子410Bが第2の垂直位置412Bに配置されることがあり、第5の加熱素子410Eが第5の垂直位置412Eに配置されることがある。この実施の形態において、複数の加熱素子は、タブ部分320およびボウルウェル325に配置されることがある。実施の形態において、工程S830は、溶融ガラス302を、複数の垂直位置に配置され、また複数のボウルウェル周方向領域に配置された複数の加熱素子で加熱する工程を含むことがある。
【0042】
図3、5Aおよび8を参照すると、方法800は、工程S840で、温度センサ405A、・・・405G、405S、・・・405Zを使用して溶融ガラスの温度を感知する工程、および制御装置407により複数の加熱素子により与えられるエネルギーの量を制御する工程を含む。実施の形態において、ボウル305は、温度センサ405A、・・・405G、405S、・・・405Zに熱的に結合され、これらの温度センサは次に制御装置407に通信するように接続されている。実施の形態において、方法800は、ボウル高さ(H
B)に沿った温度勾配を感知する工程、およびボウル305の断面に沿った断面温度差(ΔT)を感知する工程を含む。その温度勾配または断面温度差が所定の範囲を超えた場合、方法800は、複数の加熱素子の各々を制御装置407で個別に制御する工程も含むことがある。具体的に、制御装置407は、感知した温度に基づいて、温度勾配および/または断面温度差(ΔT)が所定の範囲に戻ることを確実にするように、複数の加熱素子の内のいくつかに優先的にエネルギーを与える。
【0043】
複数の加熱素子の各々により与えられるエネルギーの量は、制御装置407により個別に制御されることがある。制御装置407は、温度センサ405A、・・・405G、405S、・・・405Zにより与えられる感知温度に基づいて、各々の加熱素子に与えられるエネルギーを制御する。実施の形態において、制御装置407は、感知温度に基づいて複数の加熱素子により与えられるエネルギーを自動的に制御する。実施の形態において、溶融ガラス302の温度は、タブ部分320と比べて、ボウルウェル325内のほうが高い必要がある。タブ部分320およびボウルウェル325内の溶融ガラス302の温度が一旦感知されたら、それにしたがって、複数の加熱素子にエネルギーを与えてよい。溶融ガラス302の加熱を制御するために、制御装置407は、比例・積分・微分(「PID」)制御アルゴリズム、単純オン/オフ制御アルゴリズム、またはボウル高さ(HB)に沿って所望の温度勾配を得るために、第2の加熱素子410Bおよび第5の加熱素子410Eに与えられるエネルギーを変えるように作動できる任意の他の制御アルゴリズムを利用してもよい。
【0044】
非限定例により、
図3を参照すると、制御装置407は、温度センサ405Bにより感知された溶融ガラス302の第1の感知温度に基づいて第2の加熱素子410Bを制御し、制御装置407は、その第1の感知温度に基づいて第5の加熱素子410Eを独立して制御する。第1の感知温度は第2の垂直位置412Bで感知される。いくつかの実施の形態において、制御装置407は、温度センサ405Bにより感知された第1の感知温度に基づいて第2の加熱素子410Bを制御し、制御装置407は、温度センサ405Eにより感知された第2の感知温度に基づいて第5の加熱素子410Eを独立して制御する。この実施の形態において、第1の感知温度は第2の垂直位置412Bで感知され、第2の感知温度は第5の垂直位置412Eで感知される。
【0045】
図5Aを参照すると、いくつかの実施の形態において、ボウルウェル325の前炉側330に配置された複数のボウルウェル周方向領域にある複数の加熱素子(例えば、410U、410V、410Y、410Z)は、ボウル305の溢れ側334に配置された複数のボウルウェル周方向領域にある複数の加熱素子(例えば、410S、410T、410W、410X)より少ないエネルギーを与えることがある。例えば、制御装置407は、第10の加熱素子410U、および第11の加熱素子410V(両方とも前炉側330にある)よりも多い量のエネルギーを与えるように、第8の加熱素子410S、および第9の加熱素子410T(両方とも溢れ側334にある)を制御する。
【0046】
いくつかの実施の形態において、
図1および8を参照すると、方法800は、工程S850で、溶融ガラス302をボウルウェル325からボウルウェル325の遠位端311にあるオリフィス310を通して流す工程を含む。溶融ガラス302がオリフィス310を通って流れるときに、溶融ガラス302はベル200上を流されるであろう。溶融ガラス302がオリフィス310を通って流れる間、流体供給通路112を通じて加圧流体が吹き込まれる。加圧流体が流体供給通路112を通って流れるときに、工程S860で、ガラス管がベル200上を延伸される。
【0047】
本出願は、ガラス管製造のための加熱装置および方法に関することが理解されよう。ガラス管製造のための加熱装置は、溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、そのタブ部分の真下に延在するボウルウェル、およびオリフィスを有するボウルを備える。その加熱装置は、ボウルに熱的に結合されており、複数の加熱素子を含む。その複数の加熱素子は、ボウル内の様々な位置に配置され、ボウル内の溶融ガラスを加熱するために制御装置により制御される。具体的に、その加熱装置は、オリフィスから出る溶融ガラスの熱的均一性を維持するように構成され、それにより、管寸法の変動およびガラス管製造過程における不安定度を軽減する。
【実施例】
【0048】
ここに記載された実施の形態を、以下の非限定的実施例によりさらに明白にする。
【0049】
以下のデータは、タブ部分320とボウルウェル325とオリフィス310とを含むボウル305のモデルを構成する計算流体力学(CFD)を使用して得た。複数の加熱素子を使用してボウル305内の上述した位置に様々な範囲のエネルギーを供給した、多数のケースを評価した。CFDソフトウェア(Fluent)を使用して、温度値を計算した。
【0050】
実施例1
図9Aおよび9Bを参照すると、例示の非限定的数学モデルを構築して、ボウル305内の前炉側330と溢れ側334との間の溶融ガラス302の断面温度差(ΔT)を比較した。具体的に、ボウル305にエネルギーを供給しない場合のモデルを作成した。それに加え、様々な表面部分(SP
1、SP
2、SP
3、およびSP
4)で個別に、また全ての表面部分で組み合わせて、複数の加熱素子を使用して、エネルギーを供給した場合の様々なモデルを作成した。表面部分(SP
1、SP
2、SP
3、およびSP
4)は、
図3に示されたようなものである。
図9Aおよび9Bは、ボウル305を出るガラス温度を示す。
図9Aから分かるように、ボウル305内に電力を供給しない場合、断面温度差(ΔT)はT
maxであることが分かる。さらに、P
minは、印加した最小量の電力(kW)を表し、表面部分(SP
2)のみに複数の加熱素子を使用して、P
min+0.25kWの電力を印加した場合、断面温度差(ΔT)はT
minと観察された。
【0051】
その上、
図9Aに示されるように、ボウル305の前炉側330およびボウル305の溢れ側334での溶融ガラス302の温度は、温度T
1とT
1+13℃との間に及ぶ。しかしながら、
図9Bに示されるように、下記の表1に纏められたようにボウル305に電力を印加した場合、前炉側330と溢れ側334との間の断面温度差(ΔT)は減少する。
【0052】
表1は、異なる表面部分で印加された電力量、およびオリフィス310を通ってボウル305から出る溶融ガラス302の結果としての断面温度差(ΔT)を示す。
【0053】
【0054】
実施例2
図10Aおよび10Bを参照すると、電力が供給されないボウルウェル325(
図10A)を、複数の加熱素子が
図7に記載されたように配列され、
図10Cのように再現された場合に、電力が供給されたボウルウェル325(
図10B)と比較するために、例示の非限定モデルも作り出した。
【0055】
図10Cに示されるように、第16の加熱素子410Lは、ボウル
対称軸340が第16の加熱素子410Lを二等分するように配置されている。第16の加熱素子410Lに加え、第17の加熱素子410M、第18の加熱素子410N、および第19の加熱素子410Pは、同量ではない電力を提供するように構成されている。第16の加熱素子410Lは0kWを提供するように構成され、第17の加熱素子410Mおよび第19の加熱素子410Pは各々、P
minkWの電力を供給するように構成され、第18の加熱素子410NはP
min+20kWを提供するように構成された。したがって、ボウル305の溢れ側334は、個別に制御された複数の加熱素子を使用して、優先的に加熱された。
【0056】
図10Aは、ボウルウェル325全体に電力が供給されなかった場合の溶融ガラス302の温度の出口プロファイルを示す。
図10Aに示された温度は、温度T
2から約T
2+7℃に及ぶ。ボウル305の前炉側330からの溶融ガラス302は、より短い滞留時間のために、溢れ側334の溶融ガラスよりも熱く、これにより、オリフィス310から出る溶融ガラス302に周方向の熱的不均一性が生じる。
図10Bの出口プロファイルに見られるように、
図10Cに関して先に記載したような加熱素子により電力が供給された場合、溶融ガラス302中の熱的不均一性は、上述したように個別に制御された複数の加熱素子を使用した優先的な加熱によって、解消された。
【0057】
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に様々な改変および変更を行えることが当業者には明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという条件で、包含することが意図されている。
【0058】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0059】
実施形態1
ガラス管を製造するための加熱装置において、
溶融ガラスを受け容れるように構成されたボウルであって、該ボウルはボウル高さを有し、
前記溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、
前記タブ部分の真下に延在するボウルウェル、および
前記ボウルウェルの遠位端であって、前記タブ部分に対して遠位である遠位端にあるオリフィス、
を含むボウルと、
前記ボウルに熱的に結合された複数の加熱素子であって、
前記ボウル高さに沿った第1の垂直位置に配置された第1の加熱素子、および
前記ボウル高さに沿った第2の垂直位置であって、前記第1の垂直位置から垂直に間隙を介している第2の垂直位置に配置された第2の加熱素子、
を含む複数の加熱素子と、
を備えた加熱装置。
【0060】
実施形態2
前記ボウルウェルがボウルウェル高さを有し、前記第1の加熱素子および前記第2の加熱素子が該ボウルウェル高さに沿って位置している、実施形態1に記載の加熱装置。
【0061】
実施形態3
前記タブ部分がタブ部分高さを有し、前記ボウルウェルがボウルウェル高さを有し、前記第1の加熱素子が該タブ部分高さに沿って位置し、前記第2の加熱素子が前記ボウルウェル高さに沿って位置している、実施形態1に記載の加熱装置。
【0062】
実施形態4
前記タブ部分がタブ部分高さを有し、前記第1の加熱素子および前記第2の加熱素子が該タブ部分高さに沿って位置している、実施形態1に記載の加熱装置。
【0063】
実施形態5
前記ボウルに熱的に結合し、該ボウル内の溶融ガラスの温度を感知するように構成された温度センサ、および
感知された前記温度に基づいて前記複数の加熱素子を制御するように構成された、前記温度センサに通信するように接続された制御装置、
をさらに備えた実施形態1に記載の加熱装置。
【0064】
実施形態6
前記制御装置が、前記溶融ガラスの第1の感知温度に基づいて前記第1の加熱素子を制御し、該溶融ガラスの該第1の感知温度に基づいて前記第2の加熱素子を独立して制御する、実施形態5に記載の加熱装置。
【0065】
実施形態7
前記制御装置が、前記溶融ガラスの第1の感知温度に基づいて前記第1の加熱素子を制御し、該溶融ガラスの第2の感知温度に基づいて前記第2の加熱素子を独立して制御する、実施形態5に記載の加熱装置。
【0066】
実施形態8
前記ボウルウェルが、前記第1の加熱素子が第1のボウルウェル周方向領域に配置され、前記第2の加熱素子が第2のボウルウェル周方向領域に配置されるように、複数のボウルウェル周方向領域をさらに含み、該第1のボウルウェル周方向領域が該第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隙を介している、実施形態1に記載の加熱装置。
【0067】
実施形態9
前記ボウルウェルの下に配置されたベル、および
前記ベルの内部チャンバに加圧流体を供給するように、該ベルの内部チャンバに流体結合された流体供給通路、
をさらに備える、実施形態1に記載の加熱装置。
【0068】
実施形態10
ガラス管を製造するための加熱装置において、
溶融ガラスを受け容れるように構成されたボウルであって、該ボウルは、
前記溶融ガラスを保持するように構成されたタブ部分、
前記タブ部分の真下に延在するボウルウェルであって、第1のボウルウェル周方向領域および第2のボウルウェル周方向領域を含む複数のボウルウェル周方向領域を有するボウルウェル、および
前記ボウルウェルの遠位端であって、前記タブ部分に対して遠位である遠位端にあるオリフィス、
を含むボウルと、
前記ボウルに熱的に結合された複数の加熱素子であって、
前記第1のボウルウェル周方向領域に配置された第1の加熱素子、および
前記第2のボウルウェル周方向領域であって、前記第1のボウルウェル周方向領域から周方向に間隙を介している第2のボウルウェル周方向領域に配置された第2の加熱素子、を含む複数の加熱素子と、
を備えた加熱装置。
【0069】
実施形態11
前記第1の加熱素子がボウルウェル高さに沿った第1の垂直位置に配置され、
前記第2の加熱素子が前記ボウルウェル高さに沿った第2の垂直位置に配置され、前記第1の加熱素子が該第2の加熱素子から垂直に間隙を介している、実施形態10に記載の加熱装置。
【0070】
実施形態12
前記第1の加熱素子および前記第2の加熱素子が、ボウルウェル高さに沿った第1の垂直位置に配置されている、実施形態10に記載の加熱装置。
【0071】
実施形態13
前記複数の加熱素子の内の1つ加熱素子が、4つのボウルウェル周方向領域の各ボウルウェル周方向領域に配置されている、実施形態10に記載の加熱装置。
【0072】
実施形態14
前記第1のボウルウェル周方向領域にある前記第1の加熱素子がボウル対称軸と交差する、実施形態13に記載の加熱装置。
【0073】
実施形態15
前記ボウルに熱的に結合し、該ボウル内の溶融ガラスの温度を感知するように構成された温度センサ、および
感知された前記温度に基づいて前記複数の加熱素子を制御するように構成された、前記温度センサに通信するように接続された制御装置であって、前記溶融ガラスの第1の感知温度に基づいて前記第1の加熱素子を制御し、該溶融ガラスの該第1の感知温度に基づいて前記第2の加熱素子を独立して制御する制御装置、
をさらに備えた、実施形態10に記載の加熱装置。
【0074】
実施形態16
ガラス管を製造する方法において、
ボウル内に溶融ガラスを受け容れる工程であって、該ボウルは、タブ部分および該タブ部分の真下に延在するボウルウェルを備え、該ボウルウェルは複数のボウルウェル周方向領域を含み、該複数のボウルウェル周方向領域は第1のボウルウェル周方向領域および第2のボウルウェル周方向領域を含む、工程、
前記溶融ガラスを前記タブ部分から前記ボウルウェルを通じて流す工程、
前記溶融ガラスが前記ボウルを流通しているときに複数の加熱素子で該溶融ガラスを加熱する工程であって、該複数の加熱素子は前記複数のボウルウェル周方向領域に配置されている工程、および
前記溶融ガラスを前記ボウルウェルから該ボウルウェルの遠位端にあるオリフィスを通じて流す工程、
を有してなり、
前記複数の加熱素子は、前記第1のボウルウェル周方向領域に配置された第1の加熱素子および前記第2のボウルウェル周方向領域に配置された第2の加熱素子を含み、該第1のボウルウェル周方向領域が該第2のボウルウェル周方向領域から周方向に間隔を介している、方法。
【0075】
実施形態17
流体供給通路に流体を吹き込んで、前記ボウルの下に配置されたベルの内部チャンバに加圧流体を供給する工程、および
前記ベルの上でガラス管を延伸する工程、
をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
【0076】
実施形態18
前記複数の加熱素子が複数の垂直位置に配置され、前記第1の加熱素子がタブ部分高さに沿った第1の垂直位置に配置され、前記第2の加熱素子がボウルウェル高さに沿った第2の垂直位置に配置され、該第1の垂直位置が該第2の垂直位置から垂直に間隙を介している、実施形態16に記載の方法。
【0077】
実施形態19
前記第1の加熱素子が、ボウル対称軸が該第1の加熱素子と交差するように、前記ボウルウェル内に、前記複数のボウルウェル周方向領域の内の1つに配列されている、実施形態16に記載の方法。
【0078】
実施形態20
温度センサを使用して、前記溶融ガラスの温度を感知する工程、および
感知された前記温度に基づいて、制御装置を使用して、前記複数の加熱素子により与えられるエネルギーの量を自動的に制御する工程、
をさらに含む、実施形態16に記載の方法。
【符号の説明】
【0079】
100 ベル位置決め装置
110 支持体
120 フレーム
122 フレーム脚部
130 プラットホーム
140 支持位置決め装置
200 ベル
202 内部チャンバ
218 外部加熱システム
219 外部加熱手段
300 ガラス管製造装置
302 溶融ガラス
304 ガラス管
305 ボウル
310 オリフィス
320 タブ部分
325 ボウルウェル
328 延伸機構
329 牽引ホイール
330 前炉側
334 溢れ側
340 ボウル対称軸
400 加熱装置
405A、405B、405C、405D、405E、405F、405G 温度センサ
407 制御装置
410A、410B、410C、410D、410E、410F、410G 加熱素子