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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】口腔ケア用抗菌剤の投与
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
A61C17/02 N
A61C17/02 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018566909
(86)(22)【出願日】2017-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2017068611
(87)【国際公開番号】W WO2018015570
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-21
(31)【優先権主張番号】16180898.5
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ダーチ オーウェン マシュー
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-033571(JP,A)
【文献】特開2010-046359(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0069784(KR,A)
【文献】特表2008-534516(JP,A)
【文献】特表2015-525127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体のためのインレットと、前記インレットの下流における、処理された出力液体を生成するように構成された液体処理セクションと、を有する、口腔洗浄システムであって、前記液体処理セクションは、分配ノズルと流体連通するアウトレットを有し、前記分配ノズルは、処理された液体を外部環境に分配するように構成された出口を有し、前記液体処理セクションは、通過する液体を電気化学的に処理するように構成されるとともに、処理された液体のためのアウトレットを持つ電解チャンバを有し、前記電解チャンバは、電源に接続された一対の電極を有し、前記液体処理セクションは、前記電解チャンバの下流において、次亜塩素酸塩センサと酸化還元電位センサとを有し、処理された液体のための前記アウトレットは前記次亜塩素酸塩センサ及び前記酸化還元電位センサと流体連通している、口腔洗浄システム。
【請求項2】
前記液体処理セクションは、前記電解チャンバの上流において流量調整器を有し、前記次亜塩素酸塩センサ及び前記酸化還元電位センサは、前記流量調整器を制御するように構成されたプロセッサにフィードバックを送信するように構成される、請求項1記載の口腔洗浄システム。
【請求項3】
前記次亜塩素酸塩センサ及び前記酸化還元電位センサが、並列に配置されている、請求項1又は2に記載の口腔洗浄システム。
【請求項4】
前記流量調整器の上流に塩分センサを有し、前記塩分センサは、前記流量調整器を制御するように構成されたプロセッサにフィードバックを送信するように構成される、請求項2又は、請求項2を引用する請求項3に記載の口腔洗浄システム。
【請求項5】
混合チャンバを有し、前記混合チャンバは、加圧気体源と流体連通している気体インレットと前記分配ノズルに通じるアウトレットとを持ち、前記混合チャンバは、液体と気体との混合物を前記分配ノズルに輸送するように構成され、前記分配ノズルは、前記液体と気体との混合物を前記外部環境に分配するように構成され、前記電解チャンバの処理された液体のための前記アウトレットは、前記混合チャンバのインレットと流体連通している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の口腔洗浄システム。
【請求項6】
ベースステーションと、液体コンテナと、ハンドヘルド口腔洗浄器と、を有し、前記液体コンテナと前記口腔洗浄器とが、前記ベースステーションに取り外し可能に固定され、前記ベースステーションは、前記電解チャンバを有し、前記ハンドヘルド口腔洗浄器は、前記混合チャンバを有し、前記液体コンテナの液体アウトレットは、前記口腔洗浄器の液体インレットと流体連通しており、前記電解チャンバの処理された液体のための前記アウトレットは、前記口腔洗浄器の液体インレットと流体連通している、請求項5記載の口腔洗浄システム。
【請求項7】
前記次亜塩素酸塩センサ及び前記酸化還元電位センサが、前記電解チャンバの処理された液体のための前記アウトレットの下流、且つ、前記口腔洗浄器の前記液体インレットの上流に配置される、請求項6記載の口腔洗浄システム。
【請求項8】
前記システムが、液体を保持するように構成された液体コンテナを有するハンドヘルド口腔洗浄器の形式であり、前記液体コンテナが、前記混合チャンバの液体インレットと流体連通している液体のためのアウトレットを持ち、前記ハンドヘルド口腔洗浄器が、前記電解チャンバを有し、前記電解チャンバが、前記液体コンテナの下流にある、請求項5記載の口腔洗浄システム。
【請求項9】
前記電解チャンバが、前記混合チャンバの上流に配置され、前記混合チャンバと制御可能な流体連通状態にある、請求項8記載の口腔洗浄システム。
【請求項10】
前記混合チャンバから前記分配ノズルの前記出口までの前記流体連通を制御するように、前記混合チャンバ中に加圧気体を放出できるように構成された、請求項5乃至9のいずれか1項に記載の口腔洗浄システム。
【請求項11】
前記混合チャンバが、前記電解チャンバを有する、請求項5乃至10のいずれか1項に記載の口腔洗浄システム。
【請求項12】
前記電極が、前記混合チャンバの壁の上に設けられる、請求項11記載の口腔洗浄システム。
【請求項13】
前記加圧気体源が、前記混合チャンバの中に加圧気体を送るように構成されたポンプなどの圧縮ユニットである、請求項5乃至12のいずれか1項に記載の口腔洗浄システム。
【請求項14】
空気インレットを有し、前記ポンプが、加圧空気を生成するように構成される、請求項13記載の口腔洗浄システム。
【請求項15】
前記ポンプが、ピストンを有する、請求項14記載の口腔洗浄システム。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載の口腔洗浄システムの作動方法であって、前記方法は、
前記電解チャンバが、供給された塩化ナトリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液を生成するステップと、
前記分配ノズルが、前記次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液を外部環境に分配するステップと、
を有る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケアの分野にあり、口腔ケア用抗菌剤の生成及び投与、被験者の口腔内への投与に関する。特に、本発明は、経口灌流及び電気化学的に活性化された溶液(ECAS)の投与のための統合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
歯垢は、口の中の表面上で増殖するバイオフィルム又は細菌の塊である。これは、歯の間及び歯頸部辺縁に沿って一般に見られる。歯垢は、微生物斑、経口バイオフィルム、歯科用バイオフィルム、歯垢バイオフィルム、又は、細菌プラークバイオフィルムとしても知られている。歯垢や歯周炎及び歯肉炎などの歯周病(歯肉疾患)などの口腔疾患にはプラークが一般的に関連しているが、その形成は、予防できない正常なプロセスである。
【0003】
歯垢は、発酵性砂糖の細菌分解によって生成された酸による歯の組織の局部的破壊及び歯肉炎及び歯周炎のような歯周の問題を引き起こす可能性がある。その進行と形成は口腔の問題につながるものであり、それゆえ、細菌の塊を破壊し、それを毎日除去することが重要である。
【0004】
歯ブラシやデンタルフロスや経口灌注器などの歯間補助具を用いてプラークを制御して除去することが慣習的である。
【0005】
歯のバイオフィルムの除去は、酸性になって歯の脱灰(齲蝕としても知られている)、歯茎中での炎症の開始、又は結石(歯石としても知られている)への硬化を引き起こすので、重要である。歯石除去や歯間補助によって歯石を除去することはできず、プロの清掃でのみ歯石を除去することができる。従って、歯科用バイオフィルムを除去することにより、う蝕及び歯肉疾患の発症を防ぐことができる。
【0006】
なかなか解決しない問題は、バイオフィルムの除去は、バイオフィルムが表面上で増殖した後にのみ取り組むことである。従って、口腔内、特に歯面上および歯間空間内の生菌数を減少させる方法が開発されている。生菌の数を減らすと、プラークが蓄積するまでの時間が長くなる。
【0007】
これを達成するための1つの方法は、電気化学的に活性化された溶液(ECAS)(時には電解水とも呼ばれる)を口腔内に投与することである。これらの溶液は、塩溶液に電流を流すことによって抗菌剤が生成されるプロセスに基づいている。特に、このようなプロセスでは、反応性塩素種次亜塩素酸塩(ClO-)および次亜塩素酸(HClO)を生成するために、例えばチタンまたは炭素電極間に電流が流れる。これらの種は抗菌剤であり、それらを生成する方法は周知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ECASの生成は、ECASの健康影響に関して直接的な関心がない、プールの消毒などの状況では一般的である。しかし、口に投与する場合、高濃度の次亜塩素酸塩は被験者にとって危険又は痛みを伴う。また、幾つかの管轄区域では、ヒトに投与される濃度に制限が課される(例えば、米国では、食品中に許容される次亜塩素酸塩の最大残留濃度として500ppmを設定している)。同時に、ECASは劣化しやすく、活性を失うため、ECASを事前に生成し保存することは有用ではない。さらに、特に、口腔ケアの適用は一般に個人の家庭環境で行なわれることから、多種多様な衛生的状況が考えられるため、入力液の質の違いにかかわらず安全なシステムを提供することに課題がある。特に、ECAS生成後の液体中の汚染物質の存在を検出することができ、好ましくはシステムの出力を調整することができるシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の要望に対処するため、本発明は、一態様において、液体のためのインレットと、前記インレットの下流における、処理された出力液体を生成するように構成された液体処理セクションと、を有する、口腔洗浄システムであって、前記液体処理セクションは、分配ノズルと流体連通するアウトレットを有し、前記分配ノズルは、処理された液体を外部環境に分配するように構成された出口を有し、前記液体処理セクションは、通過する液体を電気化学的に処理するように構成されるとともに、処理された液体のためのアウトレットを持つ電解チャンバを有し、前記電解チャンバは、電源に接続された一対の電極を有し、前記液体処理セクションは、前記電解チャンバの下流において、次亜塩素酸塩センサと酸化還元電位センサとを有し、処理された液体のための前記アウトレットは前記次亜塩素酸塩センサ及び前記酸化還元電位センサと流体連通している、口腔洗浄システムを提供する。
【0010】
他の態様では、本発明は、歯科清掃のための方法であって、塩化ナトリウム水溶液を供給し、前記溶液を電気分解して次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液を生成するステップと、前記次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液を口腔内に分配するステップと、を有し、前記電気分解及び前記分配は、前述の口腔洗浄システムを用いて行なわれる、方法を提供する。歯科清掃は、歯間清掃であってもよい。
【0011】
他の態様では、歯科清掃に用いるための次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液であって、
前記次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液は、前述の口腔洗浄システムを用いた塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって供給され、
前記次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液は、前述の口腔洗浄システムを用いて前記口腔内に分配される、次亜塩素酸塩/次亜塩素酸水溶液が提供される。
【0012】
上記溶液は、歯間清掃に使用することができる。一般に、このような溶液は経時的に劣化するので、溶液の分配は、好ましくは電気分解を用いて行なわれた後すぐに行なわれる。従って、電解後の溶液の貯蔵時間は、一般に数時間又は1時間未満、好ましくは15分間未満である。より好ましくは、分配は電気分解後に直接行なわれる。
【0013】
次亜塩素酸塩/次亜塩素酸溶液は、好ましくは次亜塩素酸塩の量が500ppm未満である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る口腔洗浄器の概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るECAS生成の制御構成のための概要を示している。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る口腔洗浄器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一般的な意味で、本発明は、ECASのその場生成を、不十分に定義された投入液体又は液体混合物を使用するときに出力純度を制御することを可能にする一対のセンサと組み合わせる賢明な洞察に基づいている。これは、本発明によれば、次亜塩素酸塩の出力と出力液体の酸化還元電位との両方を測定することによって達成される。
【0016】
「ECAS」という用語は、電気化学的に活性化される任意の溶液を指す。より具体的には、ECASは、塩化ナトリウムの電気化学的に活性化された溶液である。どのような塩化物アニオン源もこの反応に使用することができるが、ここでは塩化ナトリウムを例として使用する。電気化学的活性化の結果、溶液(以下、「次亜塩素酸塩/次亜塩素酸溶液」とも呼ぶ)は、次亜塩素酸陰イオンと次亜塩素酸との混合物(すなわち、酸化塩化物イオンの混合物であり、培地の周囲pHに依存する)。当該技術分野において慣習的であるように、ECASはまた、「電解水」と呼ぶことができる。電気分解前の塩化ナトリウムの濃度は、一般に0.05%乃至35.9%(w/v)の範囲、例えば0.1%乃至10%、好ましくは0.1%乃至0.9%(w/v)である。塩化ナトリウム溶液とは別に、他の塩溶液も電気化学的に活性化することができる。その例には、塩化カリウム、塩化カルシウムが含まれる。
【0017】
酸化還元電位(ORP)は、液体中に存在する酸化性化学物質(または適用可能な還元性化学物質)のレベルの尺度である。次亜塩素酸塩は、溶液中に存在する分子を酸化するため、次亜塩素酸塩自体が液体のORPをより正にする。しかしながら、このような液体中に存在する他の化学物質は、特にこれらが酸化性である場合にも、液体のORP値に影響を与える。ECASのその場生成の場合のように、液体が電解に曝される場合、ECASを生成するために使用される液体(生理食塩水)中に汚染物質が存在する場合、そのような化学物質が生成され得る。
【0018】
本発明によれば、特定のセンサによる次亜塩素酸塩の濃度および(次亜塩素酸塩に特異的でない)ORP値の両方を測定することにより、作製されたECAS溶液の汚染レベルの推定が可能になる。このような汚染物質は、特に経口医療のような繊細な治療の場合には一般に望ましくないが、装置によって無意識に生成される。
【0019】
本発明は、これらの汚染物質の決定された出力に応じて電解反応を調整することにより、現場生成ECASにおける望ましくない汚染物質を回避または低減することを可能にする。これは手動で行なうことができるが、好ましくは口腔洗浄器は、ECAS出力を自動的に調整できるように適合される。この目的のために、一般的に好ましい実施形態では、液体処理セクションは、電気分解チャンバの上流に流量調整器を備え、当該流量調整器を制御するプロセッサにフィードバックを送るように構成される。望ましくないレベルの汚染物質が検出された場合にプロセッサが設定される。このレベルは、一般に、次亜塩素酸塩出力の所望のレベル、および次亜塩素酸塩出力と一致する所望のレベルのORPを設定することによって予め決定される。ORPセンサが次亜塩素酸塩の出力と一致するORP値より高いと判断した場合、プロセッサは流量を減少させて生産を減少させるか、流量を増加させてシステムの内部を清浄化するか、デバイスがクリーニングを必要とすることをユーザに示す表示を含む。
【0020】
次亜塩素酸塩の出力とORP値との両方が所望のレベルを上回っている場合にも流量を調節することができることが理解されるであろう。これは、ECAS自体の望ましくない高出力を避けるための一般的な安全対策を提供する。
【0021】
次亜塩素酸塩およびORPセンサーは、どちらの順序でも直列に配置することができる。その場合、ECAS出力液体は、最初に1つのセンサ(例えば、次亜塩素酸塩センサ)を通過し、次に他のセンサ(この場合ORPセンサ)を通過する。いずれかの測定値が他方の測定値に影響を及ぼさないようにするには、次亜塩素酸塩およびORPセンサーを並列して配置することが好ましい。この場合、ECAS出力液体は2つの平行な流れに分割される。1つのこのような流れは、次亜塩素酸塩センサーを通過し、次いで、分配ノズルに送られる。他方の流れはORPセンサを通過し、次いで分配ノズルに送られる。流れは、分配ノズルの上流または分配ノズルの内側で再結合することができる。あるいは、2つの別個の分配ノズルが設けられており、いずれかが一方の流れ用である。その場合、流れは、分配される前に再結合されないか、または全く再結合されない(2つの分配ノズルが順次使用される場合)。
【0022】
本発明の口腔洗浄システムは、いかなるタイプのものであってもよい。比較的単純なうがい薬ディスペンサーから液体および気体の加圧混合物が高速のジェットの形態で分配される装置まで、様々なタイプの口腔洗浄器が存在する。本発明のシステムは、その全ての構成要素を単一の手持ち式(ハンドヘルド)装置に含めることができる。システムはまた、ベースステーションの形態のコンポーネントの一部と、典型的にはベースステーションにロードすることができるハンドヘルド装置内のコンポーネントの一部を提供することもできる。例えば、ベースステーションは、典型的には、複数の用途に適しており、容易に補充することができる水リザーバ(すなわち、液体コンテナ)を備える。リザーバは解放可能であってもなくてもよい。リザーバから、水は、ベースステーション上に保持されている口腔洗浄器または洗口剤ディスペンサのような分配ユニットに供給することができる。ベースステーションを含む口腔洗浄システムの場合、電解チャンバは、好ましくはベースステーションに収容されるが、分配ユニットの一部であってもよい。分配ユニットは、別個の分配装置(ハンドヘルド式の口腔洗浄器など)であってもよいが、システムに一体化することもできる。
【0023】
さらに一般的に好ましい実施形態では、本発明は、ECASのその場生成、および現代の口腔洗浄器における次亜塩素酸塩およびORP出力の上述の決定を提供し、この場合、比較的少量の液体(好ましくは空気を含む)は、比較的高いジェット速度で分配される。それにより、本発明の口腔洗浄システムは、加圧気体源と流体連通している気体インレット及び分配ノズルへのアウトレットを持つ混合チャンバを通じたECASの実際の分配を制御することを可能にする、分配ユニット、すなわちハンドヘルド口腔洗浄器を有する。これにより、混合チャンバは、液体と気体との混合物を分配ノズルに搬送するように構成され、分配ノズルは、液体と気体との混合物を外部環境に吐出するように構成される。
【0024】
好ましくは、この実施形態では、上記の実施形態のいずれかにおいて、本発明の口腔洗浄システムは、液体を保持するように構成された液体コンテナと、前記コンテナは、混合チャンバの液体インレットと流体連通している液体のためのアウトレットを有し、前記混合チャンバは、加圧気体源と流体連通し、分配ノズルへのアウトレットを有し、それによって液体と気体の混合物を前記分配ノズルに輸送するように構成された気体インレットを有し、前記分配ノズルは外部環境への出口を有し、前記分配ノズルは前記液体と気体の前記混合物を前記外部環境に分配するように構成され、前記口腔洗浄器は、通過する液体を電気化学的に処理するように構成された電解チャンバを備え、前記電解チャンバは、電源に接続された一対の電極を含み、前記電解チャンバは、前記液体コンテナの下流に、液体コンテナと流体連通して配置されるとともに、混合チャンバのアウトレットの上流に、混合チャンバと流体連通して配置され、前記混合チャンバから前記分配ノズルの出口への流体連通が、前記液体容器から前記電解チャンバへの流体連通とは独立して制御可能である。
【0025】
「流体連通」という用語は、液体および気体を含む流体が流れることができる第1のユニットまたは装置の第1の部分と、第2のユニットまたは装置の第2の部分との間のあらゆる接続を指す。このような流れは、直接的または間接的であり得る。直接的な流れは、例えば、パイプ、チューブ、ホース、またはフローラインのような流体連絡チャネルを介して行うことができ、伝達チャネルは、伝達チャネルを開閉するように働く、または前記伝達チャネル内の開口部または閉鎖部のサイズを調整する、1つまたは複数のバルブまたは他のユニットを含むことができる。間接的な流れは、例えば、1つ以上の処理ユニット、減圧または増加ユニット、または流体が処理(例えば、化学反応または混合または放置のような物理的処理)に供される他のユニットを介して行われ得る。一般に、このようなユニットは、流体が流入するインレットと、流体が流出するアウトレットとを有する。
【0026】
流体連通は、制御可能な流体連通とすることができる。その場合、直接的または間接的な流れを中断または調整することができる(例えば、液体の絶対量、流量、またはその両方の点で)。このような中断または調整は、流体伝達を制御するように適合されたプロセッサに送られる、デバイスの一部を動作させることによって生じるフィードバック情報などの、手動、自動、または関連イベントに依存して制御することができる。
【0027】
「上流」および「下流」という用語は、口腔洗浄器の通常の操作に関連するように使用される。したがって、口腔洗浄システムの下流側は、口腔に灌注流体を適用することができる出口(例えば、分配ノズルの出口)である。口腔洗浄器の通常の動作において、洗浄流体の実際の排出に先行するユニットおよび伝達チャネルは、このように出口の上流に配置される。
【0028】
好ましい実施形態では、本発明の口腔洗浄システムは、ジェットまたはスプレーを介して、液体と気体との混合物を投与するように機能する。この目的のために、口腔洗浄システムは、混合チャンバを含む分配装置(口腔洗浄器など)を備える。混合チャンバは、加圧気体源と流体連通する気体インレットを有する。加圧気体の供給源は、加圧気体を保持するように適合された容器(例えば、ガスキャニスタ)であってもよい。その場合、そのような容器は、混合チャンバの気体インレットと流体連通する気体アウトレットを有する。適切な気体は、例えば、二酸化炭素、窒素、または加圧空気である。特に、そのような気体は医療グレードのものであってもよい。
【0029】
興味深い実施形態では、加圧気体の供給源は、加圧気体を混合チャンバに送るように構成されたポンプのような圧縮ユニットを指す。その実施形態では、ポンプは、外部環境から混合チャンバ内に気体を押し込む前に、口腔洗浄器の気体インレットに気体、特に空気を引き込むように適合される。それにより、ポンプは、好ましくはプランジャポンプまたはピストンポンプのような往復ポンプである。例えば、ポンプは、空気を前記気体インレットに吸入するように適合されたモータを備え、それによって前記気体インレットがピストンと流体連通する。ピストンは、一般に、ピストン(典型的にはシリンダ)の前後運動を可能にするように構成されたピストンチャンバ内に収容されている。
【0030】
典型的には、それによって空気がピストンチャンバと混合チャンバの両方に引き込まれる。しかしながら、空気入口から混合チャンバを閉鎖し、ピストンの解放時に混合チャンバへの入口を開放させるようにすることもできる。
【0031】
ピストンは、解放されると、空気を混合チャンバ内に押し込むように、ロック位置から解放することができる。所望の量の空気がピストンチャンバに引き込まれ、望ましくは圧縮された後に、ピストンの解放が典型的に続く。ピストンへの空気の引き込みは、典型的には、一端(例えば、チャンバの底部のような長手方向端部)がピストンによって閉鎖されているシリンダのようなチャンバ内に空気を引き込むことを指すことが理解されよう。反対側の端部(例えば、チャンバの頂部のような反対側の長手方向端部)は、混合チャンバと流体連通しているか、またはピストンの解放時に混合チャンバと流体連通している。ピストンは、様々な機構によって解放することができる。例えば、手動で、または所望の、例えば、所定の量の空気が引き込まれる。ピストンの適切な解放可能な固定は、当業者には知られている。例えば、当該技術分野において利用可能な、押し戻すことができるロック、ピストンの下にあるばね、ピストンに引き込まれる空気の量に応じた解放動作、または利用可能な他のトリガである。
【0032】
口腔洗浄システム、特に、ハンドヘルドタイプの口腔洗浄器に含まれるのに適したマイクロ圧縮器などの圧縮ユニットが、当業者に十分に利用可能である。限定はしないが、国際公開第02/1372号、米国特許出願公開第2010/35200号、国際公開第020/173691号の背景記述を参照することができる。
【0033】
理論に縛られることを望まないが、本発明者らは、上記のような汚染物質の制御に加えて、本発明は、ECASの時期尚早の分解を防止するためにECASをその場で生成する必要性と、望ましい量のECASを生成するために、電解チャンバ中の塩溶液の十分な滞留時間との間のバランスをとると信じている。
【0034】
このために、混合チャンバから分配ノズルの出口への流体連通は、液体容器から電解チャンバへの流体連通とは無関係に制御可能である。その結果、電解チャンバにおける電解中の塩溶液の滞留時間を調整することができる。
【0035】
本発明の口腔洗浄システムの興味深い実施形態では、液体と気体との混合物を分配するタイプの口腔洗浄器を含む場合、電解チャンバは混合チャンバの上流に配置され、制御可能な流体連通状態にある。これは、電気分解チャンバ内の液体(例えば、塩溶液)の滞留時間を調整する前述の可能性を容易にする。また、ECASが含まれているか否かに関わらず、口腔洗浄液を混合室から分注することができるという利点がある。後者に加えて、ECASの有無にかかわらず流体を分配する任意の所望の柔軟性は、1つ以上のさらなる液体容器の追加によってさらに増加させることができる。このようなさらなる液体容器は、ECAS以外の口腔ケア剤を含む水及び/又は溶液または分散液を保持するように適合させることができる。
【0036】
別の興味深い実施形態では、混合チャンバは電解チャンバを含む。特に、電解チャンバと混合チャンバとが一致する。この実施形態では、電気分解は、混合チャンバ内で効果的に行なわれる。これは、本発明の口腔洗浄システムが、電解チャンバのない従来の口腔洗浄器と同じくらい小型の手持式口腔洗浄器であり得るという利点を有する。別の利点は、電解チャンバ内の液体の滞留時間の設定および口腔洗浄流体の分配の頻度が、単一の設定のみを必要とすることであり、これは、エンドユーザによるデバイスの動作を単純化することである。この実施形態では、物理的に乱されない混合環境を提供するために、電極が混合チャンバの壁にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0037】
様々な他の実施形態が可能であることが理解されるであろう。例えば、電気分解が混合チャンバ内で行なわれる実施形態では、本発明の装置は、混合チャンバに他の液体を供給するように適合された1つ以上の追加の液体容器を備えることができる。あるいは、例えば、電解チャンバが混合チャンバの上流に配置されている実施形態では、電気分解、混合、および分配が、単一の最適な設定をエンドユーザに提示することができる。また、いずれの実施形態においても、電解が「オン」または「オフ」に設定され得るような制御を含むことが考えられる。これは、手動操作または事前にプログラムされた設定の選択のいずれかを介して行なうことができる。
【0038】
好ましくは、加圧気体の混合チャンバへの放出はまた、混合チャンバから分配ノズルの出口への流体連通を制御する働きをする。すなわち、混合チャンバおよび分配ノズルは、加圧気体が混合チャンバに入るようにされるまで、および分配ノズルを出るまで、混合チャンバに収容された液体が分配されないように設計される。これは、いくつかの実施形態では、空気インレット自体が混合チャンバと流体連通していることを排除するものではない。
【0039】
加圧気体に遭遇した結果として、混合チャンバ内の液体は、大部分が複数の液滴に分解する。したがって、液体の一部は流れの形態で残り、気体の一部はストリーミング形態で残り、すべてが分配ノズルに入り込み、(気体圧力の結果として)強制的にその出口を通過される。
【0040】
上述したように、特に口腔ケア用のECASを提供する際の課題は、口腔内に投与されるECAS濃度を制御することである。本発明の口腔洗浄器は、この目的のためのシステムの実施を可能にする。それにより、本発明の装置は、液体容器から電解チャンバへの液体の流量を調節するように適合された流量調整器を含む。流量調整器は、例えば、液体が前記チャンバに入る際の開口の大きさを調節することによって、電解チャンバに入る単位時間当たりの液体の量を設定することができる弁とすることができる。他の流量調整器も考えられる。調整可能なポンプを備えた環状の流体連通ループを追加することにより、液体の流量を直接設定することができる。
【0041】
本発明の流量調整器は、少なくとも次亜塩素酸塩およびORPセンサと組み合わせて適用される。好ましくは、次亜塩素酸塩およびORPセンサによって測定される電解チャンバからの出力に加えて、電解チャンバへの入力を測定する電解チャンバの上流の塩分センサが設けられる。
【0042】
次亜塩素酸塩およびORPセンサならびに塩分センサは、当業者が利用できるように、当業者によって提供され得る。センサは、流量調整器を制御するように適応されたプロセッサにフィードバックを送るように構成されることが好ましい。次亜塩素酸塩センサの非限定的な例は、DOSASens型DCL10、塩素センサ型CP2.1、塩素センサ型CS2.3、またはオメガ製FCLTX-100シリーズのような、Dosatronicによって提供されるような電流測定センサを含む。これらの特定の例を超えて、次亜塩素酸塩センサは、さらなる研究なしに提供することができる。ORPセンサの例には、Sensorex S1500C-ORP軽量ポリカーボネートORP(REDOX)センサ、Vernier ORPセンサ、PASS(登録商標)TestSafe ORPメータ、Osmotics HM Digital ORP-200:防水ORPメータ、Hach(r)IntelliCAL(登録商標)MTC101頑丈なゲルで満たされたORP電極が含まれる。
【0043】
上述のように、本発明の口腔洗浄システムは、好ましくは、流量調整器の上流に塩分センサを含む。このセンサもまた、流量調整器を制御するように適合されたプロセッサにフィードバックを送るように適合される。また、塩濃度を測定する塩分センサを、当技術分野で利用可能なように提供することができる。適切な例は、プール塩素化測定と同様に、コンダクタンス測定値を用いて既存の技術で見出すことができる。
【0044】
電解チャンバ自体は、既知の方法で設計することができる。一般に、アノードおよびカソードを提供するように電源に接続された2つの電極が存在する。電極は、それぞれ独立して、鉄、炭素、白金または任意の他の電気導体材料のような任意の適切な材料で作ることができる。本発明では、炭素またはチタン、またはそれらの組み合わせを使用することが好ましい。電極は、例えば寿命を改善するために、適切にコーティングすることができる。コーティングの例には、種々の成分、例えば金属酸化物を含有する混合金属酸化物(MMO)コーティングが含まれる。イリジウム、ルテニウム、白金、ジルコニウム、ニオブ、タンタルが挙げられる。好ましくは、電極はプレート電極である。これらは、平らなプレートであってもよく、電解チャンバに延びていてもよいし、またはその壁に当たっていてもよい。特に、後者の場合、電極は、例えば手持式の口腔洗浄器に設けられた電解チャンバの壁の形状に沿って湾曲させることができる。
【0045】
電源は、家庭のAC電源をDC電源に変換するために、典型的にはアダプタを使用する標準の家庭内電源などのAC接続から得ることができる。動力源は、好ましくは、口腔洗浄システムの対応する区画(例えば、基地局、または手持ち式口腔洗浄器、またはその両方)に配置される、バッテリまたはバッテリのセットであることが好ましい。電池は、当技術分野において慣習的であるように、特に手持ちの口腔洗浄器の場合には、交換可能および/または充電可能であり得る。一実施形態では、特に分配装置の形態の本発明のシステムは、電極システムへの導電接続を有する電池区画を含む。別の実施形態では、装置は、家庭用ACコンセントのためのアダプタと、バッテリシステムとの導電接続を有するバッテリコンパートメントの両方を備える。特に、電解チャンバがベースステーションの一部である場合、このようなベースステーションは家庭用ACコンセントに接続可能であることが好ましい。より詳細には、ハンドヘルド口腔洗浄器のような、ベースステーションに保持され、電力を必要とするそのような別個のユニットは、ベースステーション上で再充電することができる。
【0046】
歯間清掃器などの口腔洗浄システムは、典型的には、液体の供給源を含む。選択された量の液体をその供給源から液体経路に移動させるためのシステムと、ポンプまたは加圧気体の供給源などの駆動ユニット、またはそれらの組み合わせ、選択された量のガスを液体と接触させて放出し、液体がクリーナのノズル部分から押し出されるようにするための制御装置とを含む。適切なデバイスは、とりわけ、WO 2010/055433、WO 2010/055434、WO 2008/012707、WO 2014/068431に記載されている。典型的には、好ましいジェット速度は、10m/s乃至40m/s、例えば20m/s乃至30m/sのような、5m/s乃至50m/s程度である。ポンピングユニットは、別個の圧縮機であってもよく、ポンピング機能は、加圧気体によって提供されてもよく、またはその両方であってもよい。好ましくは、口腔洗浄システムは、典型的には手持式口腔洗浄器のような分配ユニットに含まれるマイクロバーストポンプを含む。
【0047】
本発明の口腔洗浄器は、構成要素の一部をハンドヘルドにすることができ、構成要素の一部を基本またはドッキングステーションの中または上に含むことができるシステムの形態であり得る。好ましくは、本発明の口腔洗浄器は完全に手持ち式である。そのような装置では、上記のような口腔洗浄システムの構成要素は、(大きさ、形状及び重量を考慮して)人間によって通常持ち上げられ保持され、好ましくは片手で操作されるように適合される。
【0048】
本発明はまた、歯間清掃のための方法に関する。この方法は、塩化ナトリウム水溶液を提供し、該溶液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成し、該次亜塩素酸塩溶液を口腔内に分配することを含み、該電解および分配は前述の全ての実施形態のような口腔洗浄システムにより行なわれる。
【0049】
本発明の口腔洗浄システムは、好ましくは液体と気体との混合物、特に加圧空気を含む口腔洗浄流体を投与する。これまで、当技術分野では、このような流体はECASと共に提供されていない。この点において、本発明はまた、水、次亜塩素酸ナトリウムおよび空気を含む口腔洗浄流体に関する。
【0050】
本発明は、以下に説明される非限定的な図を参照してさらに説明される。
【0051】
図中、実線は液体の流れを示し、破線は制御動作を含む情報の流れを示す。図面には、以下の構成要素が示されている。
(2)加圧空気を送るように構成されたポンプ
(3)流体のための伝達チャネル(管)
(4)(典型的にはオプションの)バルブ
(5)圧力チャンバ(混合チャンバ)
(6)特に、人間の口腔無いに口腔洗浄流体を分配するためのノズル
(7)電解チャンバ(ECASセル)
(8)電気分解される液体のための供給ポンプ
(9)制御電子回路
(10)情報を転送するためのデータ接続
(11)塩分センサ
(12)流量調整器
(13)プロセッサ
(14)次亜塩素酸塩センサ
(15)酸化還元電位(ORP)センサ
(16)ベースステーション
(17)液体のためのリザーバ
(18)ハンドヘルド口腔洗浄器
【0052】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る口腔洗浄システム(1)の概略図である。ここでは、本発明の全ての構成要素が単一の口腔洗浄装置の一部であるシステムが示されている。上記の構成要素を参照すると、装置は、供給された水(図示せず)をポンプ(8)、流路(3)を介して電解チャンバ(7)に送ることができる。電解チャンバからの出力、すなわちECASは、対応するセンサ(14)および(15)によって、次亜塩素酸塩測定および酸化還元電位測定の両方を受ける。これらのセンサから得られた測定情報は、電解チャンバ(7)への水の供給及び/又は電解チャンバの機能を制御することができる制御電子回路(9)のセットに送られる。図示されていないが、すべての実施形態において本発明に一般的に適用可能であるのは、センサの同時出力が望ましくない量の汚染物質を明らかにする場合の制御機構である。その場合、ECAS生成が減少するかどうかにかかわらず、制御機構は、例えば、ある源(例えば、水道水)から別の源(例えば、ボトル入りの水など)に切り替えることによって、システムへの水の供給を変化させることもできる。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態によるECAS生成の制御構成のための方式を示す。ここで、実線は液体の流れを示し、破線は情報の流れを示している。電気分解されるべき液体(a)は、塩分センサ(11)を介して、塩分センサの下流且つ電解チャンバの上流に配置された流量調整器(12)を介して電解チャンバに流れる。電気分解された液体(d)は、分配される前に、次亜塩素酸塩センサ(14)、ORPセンサ(15)を通って平行してそれぞれ通過する。塩分センサから得られた情報(b)は、プロセッサ(13)で処理される。次亜塩素酸塩およびORPセンサから得られた情報(e)および(f)もまたプロセッサで処理され、したがって生成されたECASの量に関するフィードバックループを提供する。プロセッサからの情報(c)は流量調整器に送られ、塩分入力および次亜塩素酸塩出力に関連する処理データに応じて電気分解される液体の流量を調節する。
【0054】
図3は、本発明の別の好ましい実施形態による口腔洗浄システム(1)の概略図である。ここで、システムは、ハンドヘルド口腔洗浄器のような別個の分配装置(18)と、典型的には分配装置を保持するように構成されたベースステーション(16)と、可能であれば(図示しないが)、電子歯ブラシなどの口腔ケアを提供するのに使用することができる任意の他の装置又はユニットと、を有する。図示の実施形態では、ベースステーションはまた、液体用のリザーバ(すなわち、液体コンテナ)を備える。
【0055】
本発明が、図面及び上記記述において詳細に図示及び説明されてきたが、かかる図示及び説明は、例示であって、限定するものではないと考えられるべきであり、即ち、本発明は、開示の実施形態に限定されない。
【0056】
例えば、他の品質特性を測定するために、さらなるセンサが(電解チャンバの下流に)存在する実施形態に本発明を動作させることが可能である。また、一方のセンサのみが処理ユニットにフィードバックを送り、他方のセンサは手動で読み取るようにすることも考えられる。ベースステーションと別個の分配ユニットとを有する実施形態では、電解チャンバがベースステーションにも分配ユニットにも含まれず、ベースステーションに保持される別個のユニットとして存在することも可能である。
【0057】
開示された実施形態に対する他の変更が、図面、開示、及び、添付の特許請求の範囲の研究から、クレームされた考案を実施する上で、当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「有する」という単語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数表現は、複数の存在を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲における参照符号は、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0058】
要約すると、本発明者らは、構成要素のシステムとして、好ましくは単一のハンドヘルド装置として、口腔洗浄器のためのセットアップを開示する。本明細書では、適切な塩溶液、すなわち電気化学的に活性化された溶液(ECAS)の電気分解によって(システムまたは装置内で)その場で生成された抗菌イオン/化学種を含む口腔洗浄液を分配するための準備がなされている。ECASの製造は、電解チャンバを設けることによって可能になる。ECAS出力液体は、2つの異なるセンサによって制御される。すなわち、次亜塩素酸塩センサと、ORP(酸化還元電位)センサとである。センサは、次亜塩素酸塩およびORPの値の増加(または減少)の可能な差を決定することによって、ECAS生成後の望ましくない汚染物質の決定を可能にする。
図1
図2
図3