(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20220405BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H02J50/10
H04Q9/00 371B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019184660
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2019-11-05
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(73)【特許権者】
【識別番号】517436855
【氏名又は名称】ディーフォン エレクテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Defond Electech Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Hongmei Second Industrial Area, Hongmei Town, Dongguan, Guangdong 523160 China
(73)【特許権者】
【識別番号】517436866
【氏名又は名称】ディーフォン コンポーネンツ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Defond Components Limited
【住所又は居所原語表記】5/F, Chai Wan Industrial Centre, 20 Lee Chung Street, Chai Wan, Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニエ チョン チャン
(72)【発明者】
【氏名】プン カイ ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ロェン グオ ハン
(72)【発明者】
【氏名】モク マン キツ
(72)【発明者】
【氏名】ユエン カ シン アンソニー
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-003819(JP,A)
【文献】特表2010-535386(JP,A)
【文献】特開2014-202837(JP,A)
【文献】特開2005-282920(JP,A)
【文献】特開2017-215050(JP,A)
【文献】特開2011-041462(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094234(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の動作を制御する際に使用する制御システムであって、
制御モジュールおよび電源を内部に有する電気機器用のハウジングと、
制御ノブと、を備え、
前記制御ノブは、当該制御ノブを前記ハウジングの外面に取り外し可能に取り付けるように構成された取付要素および入出力モジュールを有し、
前記入出力モジュールへの給電に使用され、前記電源から前記ハウジングを介して前記入出力モジュールに電力を無線で伝送するように構成された無線電力伝送システムと、
前記制御ノブから前記ハウジングを介して前記ハウジング内の前記制御モジュールに制御信号を無線で伝送するように構成された無線制御信号モジュールと、をさらに備え、
前記制御モジュールにより受信される前記制御信号は前記制御ノブの動作位置又は動作状態を示すものであり、前記制御モジュールは受信した前記制御信号に基づき前記電気機器の動作を制御するように構成され、
前記入出力モジュールはユーザーの所定のバイオメトリック署名を検知するための生体認証スキャナーモジュールをさらに含み、
前記生体認証スキャナーモジュールは前記ユーザーの所定のバイオメトリック署名を検知できない場合に前記電気機器が自動的にオフになるように構成され
、
前記生体認証スキャナーモジュールには、前記制御ノブ内に配置された無線電力受信機アセンブリを含む前記無線電力伝送システムを介して電源によって無線で電力が供給され、
前記取付要素は、磁気引力によって前記制御ノブを前記ハウジングの外面に解除可能に取り付けるように構成された磁気取り付け要素を含む、制御システム。
【請求項2】
前記入出力モジュールは、回転エンコーダモジュール、モーション/ジェスチャーセンサモジュール、電子ディスプレイモジュール、および音声入力制御モジュールのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記電子ディスプレイモジュールは、タッチセンシティブ電子ディスプレイモジュールを含む、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記無線制御信号モジュールは前記入出力モジュールに動作可能に接続され、前記制御信号は前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報を含むように構成される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記入出力モジュールは、振動出力モジュール、音声出力モジュール、光出力モジュール、および電子ディスプレイモジュールのうちの少なくとも一つを含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御モジュールは、前記制御ノブが前記ハウジングの外面から取り外されたことに応じて前記電気機器の動作を少なくとも部分的に制限するように構成される、請求項1乃至5の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御モジュールは前記無線制御信号モジュールから前記制御信号を受信するように構成され、前記制御信号は前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報を含み、
前記制御モジュールは、前記情報が所定の基準に一致しない場合には、前記電気機器の動作を少なくとも部分的に制限するように構成される、請求項1乃至6の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報は、前記生体認証スキャナーモジュールによって受信された生体認証情報を含む、請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記無線電力伝送システムは、誘導結合および静電結合の少なくとも一つにより電力を伝送するように構成される、請求項1乃至
8の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記無線制御信号モジュールは無線周波数制御信号モジュールを含む、請求項1乃至
9の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記無線周波数制御信号モジュールには、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、およびZigbee(登録商標)に準拠する無線周波数送信機の少なくとも一つが含まれる、請求項
10に記載の制御システム。
【請求項12】
ユーザーが対話できるユーザー対話型インターフェースを実行するように構成され、遠隔配置されたコンピューティングデバイスを含む、請求項1乃至
11の何れか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の動作を制御する際に用いる制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ストーブトップ、オーブン、洗濯機等の電気機器は、典型的には当該電気機器の機能を制御するように動作可能な制御ノブを含む。制御ノブは制御パネルに取り付けられることがある。また、制御ノブは、電気機器のハウジング内部の他の電子制御回路と物理的および電気的に接続することができる電子部品を含んでもよい。このような制御ノブは、ほこり、液体、その他の粒子の侵入を受け易い。そのため、電子部品に損傷が与えられ、制御動作が不正確又は不安定になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、上記の問題の少なくとも一つを軽減することができる制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は幾つかの広範な形態を含み得る。本発明の実施形態は、本明細書に記載の異なる広範な形態の一つ又は任意の組み合わせを含み得る。
【0005】
第1の発明は、電気機器の動作を制御する際に使用する制御システムであって、制御モジュールおよび電源を内部に有する電気機器用のハウジングと、制御ノブと、を備え、前記制御ノブは、当該制御ノブを前記ハウジングの外面に取り外し可能に取り付けるように構成された取付要素および入出力モジュールを有し、前記入出力モジュールへの給電に使用され、前記電源から前記ハウジングを介して前記入出力モジュールに電力を無線で伝送するように構成された無線電力伝送システムと、前記制御ノブから前記ハウジングを介して前記ハウジング内の前記制御モジュールに制御信号を無線で伝送するように構成された無線制御信号モジュールと、をさらに備え、前記制御モジュールにより受信される前記制御信号は前記制御ノブの動作位置又は動作状態を示すものであり、前記制御モジュールは受信した前記制御信号に基づき前記電気機器の動作を制御するように構成されるものである。
【0006】
上記発明において、前記入出力モジュールは、回転エンコーダモジュール、生体認証スキャナーモジュール、モーション/ジェスチャーセンサモジュール、電子ディスプレイモジュール、および音声入力制御モジュールのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0007】
上記発明において、前記電子ディスプレイモジュールは、タッチセンシティブ電子ディスプレイモジュールを含んでもよい。
【0008】
上記発明において、前記無線制御信号モジュールは前記入出力モジュールに動作可能に接続され、前記制御信号は前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報を含むように構成されてもよい。
【0009】
上記発明において、前記入出力モジュールは、振動出力モジュール、音声出力モジュール、光出力モジュール、および電子ディスプレイモジュールのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0010】
上記発明において、前記制御モジュールは、前記制御ノブが前記ハウジングの外面から取り外されたことに応じて前記電気機器の動作を少なくとも部分的に制限するように構成されてもよい。
【0011】
上記発明において、前記制御モジュールは前記無線制御信号モジュールから前記制御信号を受信するように構成され、前記制御信号は前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報を含み、前記制御モジュールは、前記情報が所定の基準に一致しない場合には、前記電気機器の動作を少なくとも部分的に制限するように構成されてもよい。
【0012】
上記発明において、前記入出力モジュールによって受信された入力を示す情報は、前記生体認証スキャナーモジュールによって受信された生体認証情報を含んでもよい。
【0013】
上記発明において、前記取付要素は磁気取り付け要素を含んでもよい。
【0014】
上記発明において、前記無線電力伝送システムは、誘導結合および静電結合の少なくとも一つにより電力を伝送するように構成されてもよい。
【0015】
上記発明において、前記無線制御信号モジュールは無線周波数制御信号モジュールを含んでもよい。
【0016】
上記発明において、前記無線周波数制御信号モジュールには、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、およびZigbee(登録商標)に準拠する無線周波数送信機の少なくとも一つが含まれてもよい。
【0017】
上記発明において、ユーザーが対話できるユーザー対話型インターフェースを実行するように構成され、遠隔配置されたコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明の制御システムと共に使用されるように構成された制御ノブである。
【0019】
第3の発明は、上記第1の発明の制御システムと共に使用されるように構成された制御モジュールである。
【発明の効果】
【0020】
以上のことから、本発明の様々な広範な形態は、既存の技術に対する少なくとも一つの利点を提供するのに役立ち得ることが理解されるであろう。本発明によれば、例えば、電気機器のハウジングの制御パネルからの制御ノブの取り外しを可能にすることは、当該電気機器の表面の清掃を容易にし、又は制御ノブの修理若しくは交換を可能にする。また、ハウジング内の制御モジュールと制御モジュール間における無線電力伝送および制御信号によって、物理的および機械的な配線と相互接続の必要性が軽減された優れたインターフェースを提供することができる。制御ノブが電気機器のハウジングから取り外されたとき、および/又は、生体認証スキャナーがユーザーの所定のバイオメトリック署名を検知できないときに、電気機器が自動的にオフになるように構成し得る安全オフ機能を提供することができる。さらに、ユーザーは制御ノブ又は制御モジュールとの無線通信が可能なように構成され得るスマートフォンなどのポータブルコンピュータデバイスを介して、電気機器の動作を遠隔監視および/又は遠隔制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】
図1Aは本発明の実施形態における電気機器ハウジングの制御パネル表面に取り付けられた制御ノブを示す。
【
図4】
図4は本発明の実施形態に従って使用される無線電力伝送システムの機能ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態について、
図1~
図4を参照して説明する。本実施形態は、コンロ、オーブン、洗濯機、電子レンジなどの電気機器の動作を制御する際に使用する制御システムの態様を含む。本発明の代替の実施形態は、他のタイプの電気機器、機械、および装置と共に使用できることが理解されるであろう。
【0023】
図1Aは、電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面に取り外し可能に取り付けられた制御ノブ100を備えた制御システムの例示的な実施形態を示す。
図2を参照すると、電気機器ハウジング200は、制御モジュール210、電源220および無線電力送信機アセンブリ230をその中に収容する。
図3を参照すると、制御ノブ100は、入出力モジュール110およびそれに関連する電気回路110A、ならびに電源220から無線で電力を受け取るための無線電力受信機アセンブリ120を含む。無線電力送信機アセンブリ230を介して、制御ノブ100の構成要素に電力が供給される。また、制御ノブ100は、入出力モジュール110、それに関連する電気回路110A、および無線電力受信機アセンブリ120を少なくとも部分的に囲むように構成されたベースハウジング130およびトップハウジング140を含む。制御ノブ100は、ベースハウジング130に移動可能に接続されたリング状の永久磁石を含む取付要素150をさらに有し、当該取付要素150は電気機器ハウジング200に配置された制御パネル200Aと磁気結合するように構成される。取付要素150はしっかりと取り付けられているが、例えば電気機器ハウジング200をクリーニングする際に、ユーザーの手の力で電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面から簡単に取付要素150を取り外すことができるように、上記永久磁石の磁場強度は制御パネル200Aの表面と磁気結合する適切な大きさで選択する必要がある。本発明の代替実施形態では、他の適切なタイプの取付要素を用いて、制御ノブ100を電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面に取り外し可能に取り付けることができる。例えば、制御ノブ100は、任意の適切な機械式固定機構、摩擦嵌合式固定機構、又は接着剤式固定による取り外しが可能となるように電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面に取り付けて構成してもよい。
【0024】
制御ノブ100の入出力モジュール110は、回転エンコーダモジュール、生体認証スキャナーモジュール、モーション/ジェスチャーセンサモジュール、タッチセンサ式電子ディスプレイモジュール110B等の入力手段を含み、特定の実施形態では音声入力制御モジュールを含む。ユーザは、制御ノブ100の入出力モジュール110の様々な入力手段の何れかを介してコマンドを入力できる。入力されたコマンドは、処理され、制御ノブ100に設けられた電気回路110Aによって制御信号に変換され、無線通信システムを介してハウジング200内の制御モジュール210に無線通信される。本実施形態の無線通信システムは、制御モジュール210および入出力モジュール110に動作可能に接続されたBluetooth(登録商標)タイプの無線通信プロトコルトランシーバ(無線制御信号モジュール)を使用して制御信号を通信するように構成される。Wi-Fi(登録商標)およびZigbee(登録商標)等の他の無線通信プロトコルも使用することができる。制御ノブ100から無線制御信号を受信すると、制御モジュール210は、受信した無線制御信号を参照することで、電気機器の様々なコンポーネントおよびシステムの動作を制御するように構成されている。制御ノブ100の入出力モジュール110は、振動出力モジュール、音出力モジュール、および光出力モジュール等の出力手段も含み、例えば電気機器の特定の動作状態を示すため、それぞれが振動出力、音出力および光出力を出力するように構成される。電気機器の動作を制御するためにグラフィカルユーザインターフェースを介してユーザ入力コマンドを受信するための入力手段として機能することに加えて、タッチセンサ式電子ディスプレイモジュール110Bは、所与の時間における電気機器の動作状態を示す情報をグラフィカルユーザインターフェース上に表示するようにも構成される。なお、本発明の代替実施形態では、制御ノブ100は必ずしもタッチセンシティブディスプレイモジュールを含む必要はなく、例えば非タッチセンシティブ電子ディスプレイモジュールを含んでもよく、又は電気機器の動作状態を示す光もしくは視覚信号を出力するように構成された1つ以上のLEDモジュール等のシンプルな照明ユニットを含んでもよい。
【0025】
電気機器ハウジング200内の制御モジュール210および制御ノブ100の入出力モジュール110の両方は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、テーブルデバイス等の外部コンピューティングデバイスと通信するようにも構成される。ソフトウェアアプリケーションはコンピューティングデバイス上でダウンロード可能であり、デバイス上で実行可能であるので、それ故ユーザが電気機器の現在の動作状態又は制御ノブ100の動作状態を示す通信リンクを介して制御モジュール210および/又は制御ノブ100から情報を受け取ることができるユーザーインタラクティブなグラフィカルユーザインターフェースを提供することができる。上記の無線通信リンクは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)又はZigbee(登録商標)の互換プロトコルに準拠して動作するように構成することができる。また、コンピューティングデバイス上で動作可能なグラフィカルユーザインターフェースは、コンピューティングデバイスが制御信号に適切に変換するように構成された制御コマンドであって、コンピューティングデバイスを介した電気機器の遠隔的なユーザー制御を可能にするために制御信号を制御ノブ100および/又は制御モジュール210に無線通信するように適切に変換するように構成された制御コマンドをユーザが入力できるように構成されてもよい。
【0026】
制御ノブ100の取付要素150が電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面に磁気的に固定されると、制御ノブ100のトップハウジング140との相対的な位置が固定される。その間に配置された制御ノブ100のベースハウジング130は、制御ノブ100の取付要素150およびトップハウジング140の両方に対して回転可能になっている。制御ノブ100は、取付要素150およびトップハウジング140に対するベースハウジング130の増分回転運動を与える戻り止め機構を有する。制御ノブ100のベースハウジング130の回転運動は、当該ベースハウジング130の回転位置が、回転エンコーダおよび関連する電気回路110Aにより無線通信システムを介して電気機器ハウジング200内の制御モジュール210に無線通信することができる適切な制御信号に変換され得る幾つかのユーザ入力手段の一つとして機能する。制御ノブ100から無線制御信号を受信すると、制御モジュール210は、受信した無線制御信号を参照することにより電気機器の動作を制御するように構成される。ベースハウジング130の回転運動に応答して生成される制御信号は、例えば電気機器の様々な機能の動作を作動させるためにタッチセンサ式電子ディスプレイモジュール110Bのグラフィカルユーザインターフェース上に表示されるナビゲーションおよびメニュー項目の選択を制御するために使用され得る制御ノブ100内のローカルプロセッサモジュールに供給されてもよい。代替実施形態では、制御ノブ100は、異なる形状および構成で実装されてもよく、回転、旋回、スライド可能および押下可能に構成され得る1つ又は複数の構成部品を備えてもよい。そのような動き又は制御ノブ100の構成は、入出力モジュール110の電気回路110Aによって制御信号に適切に変換され、電気機器の制御モジュール210を介して電気機器の動作を最終的に制御することができる。
【0027】
本実施形態では、制御ノブ100はプレ貯蔵エネルギー装置を備えていない。その代わりに、無線電力送信機アセンブリ230および無線電力受信機アセンブリ120で構成される無線電力伝送システムは、電気機器ハウジング200内の電源220からハウジング表面を介して制御ノブ100に電力を転送して入出力モジュール110に電力を供給できるようにし、電気回路110Aと制御ノブ100の他の電気部品とがリアルタイムで関連付けられる。無線電力伝送システム(無線電力受信機アセンブリ120および無線電力送信機アセンブリ230)は、一の制御ノブ100又は制御モジュール210に作用して電気機器の様々な機能を同時に制御することができる複数の制御ノブ100への無線電力伝送を同時に実行するように構成される。無線電力送信機アセンブリ230は電気機器ハウジング200内の電源220との接続用として構成され、無線電力受信機アセンブリ120は制御ノブ100の電気部品との接続用として構成される。無線電力送信機アセンブリ230は、共に動作可能に接続された信号発生器230Aおよびトランスミッタートランスデューサ230Bを含む。無線電力受信機アセンブリ120は、共に動作可能に接続された受信機トランスデューサ120Aおよび電力プロセッサ120Bを含む。この例示的な実施形態では、無線電力伝送システムは誘導結合に基づいているが、他の実施形態では、代わりに例えば静電結合に基づく技術を含む他の適切な無線電力伝送技術を採用することができる。
【0028】
信号発生器230Aは、送信信号をトランスミッタートランスデューサ230Bに送信する。トランスミッタートランスデューサ230Bは、送信信号を伝導する導電体によって形成される導電性コイル又は導電性ループであってもよい。幾つかの例では、導体は、電力伝送領域Xで磁場を生成するために導体の一部又は全てがシールドされておらず、接地されていない状態で任意の適切な構成で延在してもよい。磁場を生成する導体の部分は、連続ループ以外の構成であってもよく、その長さに沿って一つ又は複数の電力伝送領域を生成してもよい。導体の長さに沿った伝送信号の伝導は、導体の長さに沿った電力伝送領域Xを形成する。無線電力送信機アセンブリ230の信号発生器230Aは、電源220への電気接続のために構成される。電源220は、電気的な第1の電力信号を信号発生器230Aに供給する。例えば、電源220は、信号発生器230Aの受信ポートに電気的に接続されてもよい。一実施形態では、電源220は、所定の電圧および所定の周波数を有するAC電源である。信号発生器230Aは、電源220から第1の電力信号を受け取るように構成される。信号発生器240Aは、第1の電力信号から交流送信信号を生成する電子デバイスである。幾つかの実施形態では、信号発生器230Aは、電力および周波数を調整可能な信号発生器である。信号発生器230Aは、トランスミッタートランスデューサ230Bに電気的に接続されるように構成される。加えて、トランスミッタートランスデューサ230Bは、信号発生器230Aから適切な距離に配置された位置まで延在していてもよい。適切な距離は、信号発生器230Aが電力伝送領域Xの外側に位置するような所定の距離であってもよい。一実施形態では、トランスミッタートランスデューサ230Bの端子は、信号発生器230Aの対応するポートに接続される。
【0029】
制御ノブ100が電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面に取り付けられると、無線電力受信機130Aは電力伝送領域X内に配置され、それにより制御ノブ100の無線電力受信機120は、無線電力受信機130が磁場から電力を引き出すことができるように無線電力送信機230と誘導的に結合される。加えて、導電体によって生成される磁場は、制御ノブの電気部品110,110Aを含む負荷110,110と電気的に接続し得る受信機トランスデューサ120Aの端子に電圧を誘導する。本実施形態では、制御ノブ100の電気部品は、適切な電力インターフェース回路を介して受信機トランスデューサ130Aの端子から直接電力を供給されるようになっている。しかしながら、代替実施形態では、制御ノブ100は、受信機トランスデューサ130Aの端子からリアルタイムで充電され、制御ノブ100内の電気部品に電力を供給するために使用される充電式電池を含むことができる。
【0030】
本実施形態では、制御ノブ100は、電気機器の動作を可能にするために制御パネル200Aの表面上の所定位置に取り付けられなければならないキーとして安全機能を果たすように構成され得る。例えば、制御モジュール210は、制御ノブ100が電気機器ハウジング200の制御パネル200Aの表面から取り外されたことを感知するように構成されたセンサーモジュールを含むことができる。例えば、近接センサーを使用して、制御モジュール210に対する制御ノブ100の相対的な位置を検知することができ、それにより制御ノブ100の取り外しを検知すると、制御モジュール210は電気機器の部分的又は完全な動作を制限するため、当該電気機器の様々なシステムおよび構成要素に制御信号を自動的に出力する。さらに、および/又は代わりに、制御モジュール210は、生体認証スキャナーがユーザ(指紋等)からの所定の生体測定値を検知できない場合に電気機器の動作を部分的又は完全に制限する電気機器の様々な構成要素およびシステムに制御信号を出力するように構成されてもよい。これは、電気機器がコンロ、オーブン、又は子供にとって潜在的に危険な他のデバイスである場合に特に有用であるような電気機器を操作するために、更なるレベルのセキュリティーを提供し得る。さらに代替としては、キーは、電気機器の動作を可能にするために、タッチセンシティブディスプレイのグラフィカルユーザインターフェースを介して、ピンコード、パスワード、パターンコード等を入力することをユーザに要求することにより実装され得る。
【0031】
本明細書で説明される実施形態に含まれる機能モジュールおよびシステムの何れか1つは、様々なタイプのプロセッサによる実行のためのソフトウェアによって実装されてもよい。実行コードは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、関数、又はアルゴリズムとして編成できるコンピュータ命令の1つ又は複数の物理ブロックもしくは論理ブロックを含む場合がある。コンピュータ命令の特定ブロックは、物理的に共に配置する必要はないが、論理的に結合するとモジュールを構成し、モジュールの指定された目的を達成する異なる場所に格納された異なる命令を含んでもよい。実施形態の機能モジュールは、また、カスタム回路又はゲートアレイ、論理チップ等の既製の半導体、トランジスタ、又は他の個別部品を含むハードウェア回路として実装されてもよい。機能モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス等のプログラマブルハードウェアデバイスで実装することもできる。実行コードは、単一の命令、複数の命令を含んでもよく、幾つかの異なるコードセグメント、異なるプログラム間、および幾つかの個別のメモリデバイスに分散することができる。同様に、動作データは、本明細書ではデバイス、ユニット等内で識別および図示され、任意の適切な形式で具現化され、任意の適切なタイプのデータ構造内で編成され得る。運用データは、単一のデータセットとして集められるか、異なるストレージデバイスを含む異なる場所に分散され、少なくとも部分的には、システム又はネットワーク上の電子信号としてのみ存在する。
【0032】
当業者は、本明細書に記載された本発明が、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に記載されたもの以外の変形および修正が許容されることを理解するであろう。当業者に明らかになるそのような変形および修正は全て、上で広く説明した本発明の主旨および範囲内にあるとみなされるべきである。本発明は、そのようなすべての変形および修正を含むことを理解されたい。本発明はまた、個々に又は集合的に、本明細書で言及又は示される全てのステップおよび特徴、および前記ステップ又は特徴の任意の2つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0033】
本明細書における任意の先行技術への言及は、その先行技術が共通の一般知識の一部を形成するという承認又は示唆ではないし、そのように解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0034】
100 制御ノブ
110 入出力モジュール
110A 電気回路
110B タッチセンサ式電子ディスプレイモジュール
120 無線電力受信機アセンブリ
120A 受信機トランスデューサ
120B 電力プロセッサ
130 ベースハウジング
140 トップハウジング
150 取付要素
200 電気機器ハウジング
200A 制御パネル
210 制御モジュール
220 電源
230 無線電力送信機アセンブリ
230A 信号発生器
230B トランスミッタートランスデューサ
X 電力伝送領域