(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20220405BHJP
A63B 53/06 20150101ALI20220405BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20220405BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B53/06 B
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2019193182
(22)【出願日】2019-10-24
(62)【分割の表示】P 2017224222の分割
【原出願日】2017-11-22
【審査請求日】2020-11-13
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502330377
【氏名又は名称】テイラー メイド ゴルフ カンパニー, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ボービー,マチウ
(72)【発明者】
【氏名】バゼル,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,トッド
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,スティーブン
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-110429(JP,A)
【文献】特開2005-52458(JP,A)
【文献】特開2003-245382(JP,A)
【文献】特開2003-250938(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0116207(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00~53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップと、
ゴルフクラブシャフトと、
ホーゼル部分、クラウン、及びソール部分を有するゴルフクラブヘッドであって、
前記クラウンが、前記
ゴルフクラブヘッドの上面を画定し、クラウン部分を備え、前記クラウン部分が、
前記クラウン部分に形成され、クラウン棚部及び接合壁によって画定される、クラウン凹部領域と、
前記クラウン凹部領域内に少なくとも部分的に配置されているクラウンインサートと、
を含む、ゴルフクラブヘッドと、
前記ゴルフクラブヘッドのトゥ側から前記ゴルフクラブヘッドのヒール側までのX軸に沿って測定される幅寸法と、
前記ゴルフクラブヘッドの最も前方の点から前記ゴルフクラブヘッドの最も後方の点までのY軸に沿って測定される奥行き寸法と、
前記幅寸法の中点及び前記奥行き寸法の中点で前記クラウンを通って垂直方向に延在する中心Z軸と、
前記
ゴルフクラブヘッドの前記上面で前記中心Z軸と交差し、前記Y軸と平行に延在する、中心Y軸と、
前記
ゴルフクラブヘッドの前記上面で前記中心Z軸と交差し、前記X軸と平行に延在する、中心X軸と、
前記中心Z軸及び前記中心Y軸によって画定される第1の垂直平面と、
前記第1の垂直平面を、前記中心Z軸を中心にして時計回りに30度回転させることによって画定される、第2の垂直平面と、
前記第1の垂直平面を、前記中心Z軸を中心にして反時計回りに30度回転させることによって画定される、第3の垂直平面と、
前記中心Z軸及び前記中心X軸によって画定される、第4の垂直平面と、
前記第4の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として時計回りに30度回転させることによって画定される、第5の垂直平面と、
前記第4の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として反時計回りに30度回転させることによって画定される、第6の垂直平面と、
前記中心Y軸及び前記中心X軸によって画定されるX-Y平面と、
前記第1の垂直平面と前記接合壁の上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前側部分に位置する第1の限界点、及び、前記第1の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第1の断面と、
前記第2の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第2の限界点、及び、前記第2の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第2の断面と、
前記第3の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第3の限界点、及び、前記第3の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第3の断面と、
前記第5の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第4の限界点、及び、前記第4の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第4の断面と、
前記第6の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第5の限界点、及び、前記第5の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第5の断面と、
を含み、
それぞれの断面が、前記クラウンインサートと前記接合壁との間の接合間隙を画定し、前記接合壁の前記上縁部と前記クラウンインサートの上部周縁部との間の前記X-Y平面に平行に測定される、第1の限界寸法を有し、それぞれの断面の前記第1の限界寸法がAmm以下であり、5つの前記断面のうちの2つ以上の断面間の前記第1の限界寸法の平均変動が0.2mm以下であり、
前記クラウン棚部が、第1の長さを有する第1の領域と、第2の長さを有する第2の領域と、を含み、
前記第1の長さが、前記ゴルフクラブヘッドの前記Y軸に平行な方向において前記接合壁から前記クラウンの開口まで測定されるものであり、前記第2の長さが、前記ゴルフクラブヘッドの前記Y軸に平行な方向において前記接合壁から前記クラウンの前記開口まで測定されるものであり、
前記第1の長さが前記第2の長さより大きく、
前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記ゴルフクラブヘッドの前記前側部分において前記第5の垂直平面と前記第6の垂直平面との間に配置され、
前記Y軸に平行な方向における前記ゴルフクラブヘッドのフェースから前記接合壁までの距離が変化することによって、前記第1の長さが前記第2の長さより大きくなっている、ゴルフクラブ。
【請求項2】
Aが1.0mmである、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記2つ以上の断面間の前記第1の限界寸法の前記平均変動が、0.15mm以下である、請求項1又は請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記2つ以上の断面間の前記第1の限界寸法の前記平均変動が、0.1mm~0mmである、請求項1から請求項3のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
前記クラウンインサートの一部と、前記クラウン部分の一部とが対比色である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
前記クラウンインサートが、前記クラウンインサートの前記上部周縁部まで延在する上層を含み、前記ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する前記クラウンインサートの前記上部周縁部において可視である、請求項1から請求項5のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項7】
前記接合間隙が可視であり、マスキング層によってカバーされていない、請求項1から請求項6のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
それぞれの断面が、前記接合壁と前記クラウンインサートの底部周縁部との間の前記X-Y平面に平行して測定される第2の限界寸法を有し、それぞれの断面の前記第2の限界寸法が、Bmm以下であり、2つ以上の前記断面間の前記第2の限界寸法の平均変動が、0.2mm以下である、請求項1から請求項7のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
Bが1.0mmである、請求項8に記載のゴルフクラブ。
【請求項10】
前記2つ以上の断面間の前記第2の限界寸法の前記平均変動が、0.15mm以下である、請求項8又は請求項9に記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
前記クラウンインサートの前記上部周縁部における前記クラウンインサートの前記上面の少なくとも一部が、前記接合壁における前記クラウン部分の上面より下に配置されている、請求項1から請求項10のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項12】
前記クラウンインサートの前記上部周縁部における前記クラウンインサートの前記上面の少なくとも一部が、前記接合壁における前記クラウン部分の前記上面より、垂直距離で0.1mm~0.3mmだけ下に配置されている、請求項11に記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
前記ホーゼル部分が、前記ゴルフクラブシャフトに装着されたスリーブを受容するように構成されており、前記スリーブが、前記ゴルフクラブヘッドのロフト角、ライ角、又はフェース角を調節するように位置付けられることが可能である、請求項1から請求項12のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項14】
前記クラウン棚部が、棚部表面と前記クラウンインサートとの間の棚部間隙を画定する棚部表面を含み、前記棚部間隙が0.3mm以下である、請求項1から請求項13のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項15】
前記ゴルフクラブヘッドが、前記ゴルフクラブヘッドの第1の位置から第2の位置へ移動するように構成されている移動可能ウェイトを含む、請求項1から請求項14のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項16】
前記クラウンインサートは、さらなる機械加工工程を必要とせずに前記第1の限界寸法の前記平均変動が形成されるように、最終的な形状に機械加工され前記クラウン凹部領域に配置される、請求項1から請求項15のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項17】
ゴルフクラブヘッドであって、
前記
ゴルフクラブヘッドの上面を画定するクラウンであって、
クラウン部分と、
前記クラウン部分に形成され、クラウン棚部及び接合壁によって画定される、クラウン凹部領域と、
前記クラウン凹部領域内に少なくとも部分的に配置されているクラウンインサートと、
を含む、クラウンと、
前記ゴルフクラブヘッドのトゥ側から前記ゴルフクラブヘッドの
ヒール側までのX軸に沿って測定される幅寸法と、
前記ゴルフクラブヘッドの最も前方の点から前記ゴルフクラブヘッドの最も後方の点までのY軸に沿って測定される奥行き寸法と、
前記幅寸法の中点及び前記奥行き寸法の中点で前記クラウンを通って垂直方向に延在する中心Z軸と、
前記
ゴルフクラブヘッドの前記上面で前記中心Z軸と交差し、前記Y軸と平行に延在する、中心Y軸と、
前記
ゴルフクラブヘッドの前記上面で前記中心Z軸と交差し、前記X軸と平行に延在する、中心X軸と、
前記中心Z軸及び前記中心Y軸によって画定される第1の垂直平面と、
前記第1の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として時計回りにθ度回転させることによって画定される、第2の垂直平面と、
前記第1の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として反時計回りにθ度回転させることによって画定される、第3の垂直平面と、
前記中心Z軸及び前記中心X軸によって画定される、第4の垂直平面と、
前記第4の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として時計回りにβ度回転させることによって画定される、第5の垂直平面と、
前記第4の垂直平面を、前記中心Z軸を中心として反時計回りにβ度回転させることによって画定される、第6の垂直平面と、
前記中心Y軸及び前記中心X軸によって画定されるX-Y平面と、
前記第1の垂直平面と前記接合壁の上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前側部分に位置する第1の限界点、及び、前記第1の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第1の断面と、
前記第2の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第2の限界点、及び、前記第2の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第2の断面と、
前記第3の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第3の限界点、及び、前記第3の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第3の断面と、
前記第5の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第4の限界点、及び、前記第4の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第4の断面と、
前記第6の垂直平面と前記接合壁の前記上縁部との間の交点にある、前記
ゴルフクラブヘッドの前記前側部分に位置する第5の限界点、及び、前記第5の限界点において前記接合壁に対して直角である垂直平面上に取られた第5の断面と、
を含み、
それぞれの断面が、前記クラウンインサートと前記接合壁との間の接合間隙を画定し、前記接合壁の前記上縁部と前記クラウンインサートの上部周縁部との間のX-Y平面に平行に測定される、第1の限界寸法を有し、それぞれの断面の前記第1の限界寸法がAmm以下であり、2つ以上の前記断面間の前記第1の限界寸法の平均変動が0.15mm以下であり、
θが1度~45度の範囲であり、βが1度~44度の範囲であり、
前記クラウン棚部が、第1の長さを有する第1の領域と、第2の長さを有する第2の領域と、を含み、
前記第1の長さが、前記ゴルフクラブヘッドの前記Y軸に平行な方向において前記接合壁から前記クラウンの開口まで測定されるものであり、前記第2の長さが、前記ゴルフクラブヘッドの前記Y軸に平行な方向において前記接合壁から前記クラウンの前記開口まで測定されるものであり、
前記第1の長さが前記第2の長さより大きく、
前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記ゴルフクラブヘッドの前記前側部分において前記第5の垂直平面と前記第6の垂直平面との間に配置され、
前記Y軸に平行な方向における前記ゴルフクラブヘッドのフェースから前記接合壁までの距離が変化することによって、前記第1の長さが前記第2の長さより大きくなっている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
Aが1.0mmであり、θ及びβが30度である、請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴルフクラブヘッドに関する。より具体的には、本開示は、軽量クラウン構
成体を有するウッドタイプのゴルフクラブヘッドなどのゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ウッドタイプのゴルフクラブヘッドは、内在型又は装着型の打撃プレートを備えた耐荷
重外殻を含む。一部のクラブヘッドは、金属材料から形成され、中空の空洞を有する。金
属本体は、共に溶接された幾つかの部分を含み得、又は適切な位置に溶接される別個のソ
ールプレート若しくは打撃プレートを備える円柱本体を含み得る。
【0003】
今日、ほとんどのクラブヘッドは、頑丈であるが、軽量の金属材料、例えば、チタン、
鋼、又はアルミニウム合金などから作製されている。炭素繊維複合材料から形成されたヘ
ッドも存在している。これらの材料の使用は、ゴルファーが現在求めるより大きいクラブ
ヘッド、すなわち、少なくとも300cc及び最大約500ccの容量のクラブヘッドに
有利である。より大きいサイズであるが、従来の重量があるクラブヘッドは、打撃フェー
ス及びクラブ上のより大きい「スイートスポット」に、一部のゴルファーにとって空中に
おいてより高い精度でゴルフボールを上昇させることを容易にする、慣性モーメントを提
供することを目指している。
【0004】
チタン合金は、強度及び軽量の組み合わせを目的としたクラブヘッド設計で特に好まれ
ている。ただし、材料は非常に高価であり得る。鋼合金はより経済的であるが、鋼合金の
密度はチタン合金の密度よりも大きいため、鋼製クラブヘッドは、耐久性を維持しながら
従来のヘッド重量内を維持するためにサイズが制限されている。
【0005】
例えば、炭素繊維強化エポキシ又は炭素繊維強化ポリマーなどの複合クラブヘッドは、
金属クラブヘッドの代替である。注目すべき利点は、ステンレス鋼合金と比べて相対的に
計量であることである。ただし、これらのクラブヘッドは、複合材料に関連付けられた耐
久性及び性能品質に悩まされてきた。これらには、製造におけるより高い労働費、複合材
料の望ましくない吸音性が挙げられる。
【0006】
費用効果の大きいプロセスを使用して製造することができる、軽量で耐久性のあるゴル
フクラブヘッドが所望され得る。したがって、ゴルフクラブヘッドの構成及び製造におけ
る革新の継続的な必要性が存在する。本明細書で述べる実施形態は、この必要性及びその
他を満たしている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、ヒール部分、トゥ部分、クラウン、ソール、及びフェースを含むゴルフク
ラブヘッドについて説明する。
【0008】
本発明の前記の及びその他の対象、特徴、及び利点は、添付図を参照しながら進める以
下の発明を実施するための形態から、より明らかになるであろう。
【0009】
幾つかの実施形態は、グリップと、ゴルフクラブシャフトと、ホーゼル部分、クラウン
、及びソール部分を有するゴルフクラブヘッドであって、クラウンが、クラブヘッドの上
面を画定し、クラウン部分を備え、そのクラウン部分が、クラウン部分に形成され、クラ
ウン棚部及び接合壁によって画定される、クラウン凹部領域と、クラウン凹部領域内に少
なくとも部分的に配置されているクラウンインサートと、を含む、ゴルフクラブヘッドと
、を含む、ゴルフクラブに向けられている。ゴルフクラブはまた、ゴルフクラブヘッドの
トゥ側からゴルフクラブヘッドのヒール側までのX軸に沿って測定される幅寸法と、ゴル
フクラブヘッドの最も前方の点からゴルフクラブヘッドの最も後方の点までのY軸に沿っ
て測定される奥行き寸法と、幅寸法の中点及び奥行き寸法の中点でクラウンを通って垂直
方向に延在する中心Z軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し、Y軸に平行して延
在する、中心Y軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し、X軸に平行して延在する
、中心X軸と、中心Z軸及び中心Y軸によって画定される第1の垂直平面と、第1の垂直
平面を、中心Z軸の周りで時計回りに30度回転させることによって画定される、第2の
垂直平面と、第1の垂直平面を、中心Z軸の周りで反時計回りに30度回転させることに
よって画定される、第3の垂直平面と、中心Z軸及び中心X軸によって画定される、第4
の垂直平面と、第4の垂直平面を、中心Z軸の周りで時計回りに30度回転させることに
よって画定される、第5の垂直平面と、第4の垂直平面を、中心Z軸の周りで反時計回り
に30度回転させることによって画定される、第6の垂直平面と、中心Y軸及び中心X軸
によって画定されるX-Y平面と、第1の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある
、クラブヘッドの前側部分に位置する第1の限界点、及び第1の限界点において接合壁に
対して直角である垂直平面上で取られた第1の断面と、第2の垂直平面と接合壁の上縁部
との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第2の限界点、及び第2の限界
点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第2の断面と、第3の垂直平
面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第3の限界
点、及び第3の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第3の断
面と、第5の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に
位置する第4の限界点、及び第4の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上
で取られた第4の断面と、第6の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブ
ヘッドの前側部分に位置する第5の限界点、及び第5の限界点において接合壁に対して直
角である垂直平面上で取られた第5の断面と、を含む。それぞれの断面は、クラウンイン
サートと接合壁との間の接合間隙を画定し、接合壁の上縁部とクラウンインサートの上部
周縁部との間のX-Y平面に平行に測定される、第1の限界寸法を有し、それぞれの断面
の第1の限界寸法はAmm以下であり、2つ以上の断面間の第1の限界寸法の平均変動(
average variation)は0.2mm以下である。
【0010】
幾つかの実施形態では、Aは1.0mmであってよい。幾つかの実施形態では、2つ以
上の断面間の第1の限界寸法の平均変動は、0.15mm以下である。幾つかの実施形態
では、2つ以上の断面間の第1の限界寸法の平均変動は、0.1mm~0mmである。
【0011】
幾つかの実施形態では、クラウンインサートの一部及びクラウン部分の一部は、対比色
であってよい。幾つかの実施形態では、クラウンインサートは、クラウンインサートの上
部周縁部まで延在する上層を含んでよく、ゴルフクラブヘッドの前側部分に位置するクラ
ウンインサートの上部周縁部で可視である。幾つかの実施形態では、接合間隙は可視であ
り、マスキング層によってカバーされていなくてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブは、ソール部分に形成され、ソール棚部と接合壁
とによって画定される、ソール凹部領域と、ソール凹部領域内に少なくとも部分的に配置
されるソールインサートと、を含んでよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、それぞれの断面は、接合壁とクラウンインサートの底部周縁部
との間のX-Y平面に平行して測定される第2の限界寸法を有してよく、それぞれの断面
の第2の限界寸法は、Bmm以下であってよく、2つ以上の断面間の第2の限界寸法の平
均変動は、0.2mm以下であってよい。幾つかの実施形態では、Bは1.0mmであっ
てよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、2つ以上の断面間における第2の限界寸法の平均変動は、0.
15mm以下である。幾つかの実施形態では、2つ以上の断面間の第2の限界寸法の平均
変動は、0.2mm~0mmである。
【0015】
幾つかの実施形態では、クラウンインサートの上部周縁部におけるクラウンインサート
の上面の少なくとも一部は、接合壁におけるクラウン部分の上面より下に配置されてよい
。幾つかの実施形態では、クラウンインサートの上部周縁部におけるクラウンインサート
の上面の少なくとも一部は、接合壁におけるクラウン部分の上面より、垂直距離で0.1
mm~0.3mmだけ下に配置されてよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、ホーゼル部分は、ゴルフクラブシャフトに装着されたスリーブ
を受容するように構成されてよく、スリーブは、ゴルフクラブヘッドのロフト角、ライ角
、又はフェース角を調節するように位置付けられることができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、クラウン棚部は、棚部表面とクラウンインサートとの間の棚部
間隙を画定する棚部表面を含んでよく、棚部間隙は0.3mm以下であってよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、クラウンインサートの厚さは、1mm以下であってよい。
【0019】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブは、第4の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交
点にある、クラブヘッドのトゥ部分に位置する第6の限界点、及び第6の限界点において
接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第6の断面と、第4の垂直平面と接合壁
の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドのヒール部分に位置する第7の限界点、及び
第7の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第7の断面と、を
含んでよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの第1の位置から
第2の位置へ移動されるように構成された、移動可能ウェイトを含んでよい。
【0021】
幾つかの実施形態は、クラブヘッドの上面を画定するクラウンを含むゴルフクラブヘッ
ドに向けられており、クラウンは、クラウン部分と、クラウン部分に形成され、クラウン
棚部と接合壁とによって画定されるクラウン凹部領域と、クラウン凹部領域内に少なくと
も部分的に配置されるクラウンインサートと、を含む。ゴルフクラブヘッドはまた、ゴル
フクラブヘッドのトゥ側からゴルフクラブヘッドのヒール側までのX軸に沿って測定され
る幅寸法と、ゴルフクラブヘッドの最も前方の点からゴルフクラブヘッドの最も後方の点
までのY軸に沿って測定される奥行き寸法と、幅寸法の中点及び奥行き寸法の中点でクラ
ウンを通って垂直方向に延在する中心のZ軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し
、Y軸に平行して延在する、中心Y軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し、X軸
に平行して延在する、中心X軸と、中心Z軸及び中心Y軸によって画定される第1の垂直
平面と、第1の垂直平面を、中心Z軸を中心として時計回りにθ度回転させることによっ
て画定される、第2の垂直平面と、第1の垂直平面を、中心Z軸を中心として反時計回り
にθ度回転させることによって画定される、第3の垂直平面と、中心Z軸及び中心X軸に
よって画定される、第4の垂直平面と、第4の垂直平面を、中心Z軸を中心として時計回
りにβ度回転させることによって画定される、第5の垂直平面と、第4の垂直平面を、中
心Z軸を中心として反時計回りにβ度回転させることによって画定される、第6の垂直平
面と、中心Y軸及び中心X軸によって画定されるX-Y平面と、第1の垂直平面と接合壁
の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第1の限界点、及び第
1の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第1の断面と、第2
の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第
2の限界点、及び第2の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた
第2の断面と、第3の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前
側部分に位置する第3の限界点、及び第3の限界点において接合壁に対して直角である垂
直平面上で取られた第3の断面と、第5の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある
、クラブヘッドの前側部分に位置する第4の限界点、及び第4の限界点において接合壁に
対して直角である垂直平面上で取られた第4の断面と、第6の垂直平面と接合壁の上縁部
との間の交点にあるクラブヘッドの前側部分に位置する第5の限界点、及び第5の限界点
において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第5の断面と、含む。それぞれ
の断面は、クラウンインサートと接合壁との間の接合間隙を画定し、接合壁の上縁部とク
ラウンインサートの上部周縁部との間のX-Y平面に平行に測定される、第1の限界寸法
を有し、それぞれの断面の第1の限界寸法はAmm以下であり、7つ以上の断面間の第1
の限界寸法の平均変動は0.15mm以下であり、θは1度~45度の範囲であり、βは
1度~44度の範囲である。
【0022】
幾つかの実施形態では、Aは、1.0mmであってよく、θ及びβは30度であってよ
い。
【0023】
幾つかの実施形態は、ホーゼル部分、クラウン、及びソール部分を含むゴルフクラブヘ
ッドに向けられており、クラウンは、クラブヘッドの上面を画定し、クラウン部分を備え
、そのクラウン部分が、クラウン部分に形成され、クラウン棚部及び接合壁によって画定
される、クラウン凹部領域と、クラウン凹部領域内に少なくとも部分的に配置されている
クラウンインサートと、を含んでいる。ゴルフクラブヘッドはまた、ゴルフクラブヘッド
のトゥ側からゴルフクラブヘッドのヒール側までのX軸に沿って測定される幅寸法と、ゴ
ルフクラブヘッドの最も前方の点からゴルフクラブヘッドの最も後方の点までのY軸に沿
って測定される奥行き寸法と、幅寸法の中点及び奥行き寸法の中点でクラウンを通って垂
直方向に延在する中心Z軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し、Y軸に平行して
延在する、中心Y軸と、クラブヘッドの上面で中心Z軸と交差し、X軸に平行して延在す
る、中心X軸と、中心Z軸及び中心Y軸によって画定される第1の垂直平面と、第1の垂
直平面を、中心Z軸を中心として時計回りに30度回転させることによって画定される、
第2の垂直平面と、第1の垂直平面を、中心Z軸を中心として反時計回りに30度回転さ
せることによって画定される、第3の垂直平面と、中心Z軸及び中心X軸によって画定さ
れる、第4の垂直平面と、第4の垂直平面を、中心Z軸を中心として時計回りに30度回
転させることによって画定される、第5の垂直平面と、第4の垂直平面を、中心Z軸を中
心として反時計回りに30度回転させることによって画定される、第6の垂直平面と、中
心Y軸及び中心X軸によって画定されるX-Y平面と、第1の垂直平面と接合壁の上縁部
との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第1の限界点、及び第1の限界
点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第1の断面と、第2の垂直平
面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第2の限界
点、及び第2の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第2の断
面と、第3の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブヘッドの前側部分に
位置する第3の限界点、及び第3の限界点において接合壁に対して直角である垂直平面上
で取られた第3の断面と、第5の垂直平面と接合壁の上縁部との間の交点にある、クラブ
ヘッドの前側部分に位置する第4の限界点、及び第4の限界点において接合壁に対して直
角である垂直平面上で取られた第4の断面と、第6の垂直平面と接合壁の上縁部との間の
交点にある、クラブヘッドの前側部分に位置する第5の限界点、及び第5の限界点におい
て接合壁に対して直角である垂直平面上で取られた第5の断面と、を含む。それぞれの断
面は、クラウンインサートと接合壁との間の接合間隙を画定し、接合壁の上縁部とクラウ
ンインサートの上部周縁部との間のX-Y平面に平行に測定される、第1の限界寸法を有
し、それぞれの断面の第1の限界寸法はAmm以下であり、5つ以上の断面間の第1の限
界寸法の平均変動は0.2mm以下である。
【0024】
幾つかの実施形態では、ホーゼル部分は、スリーブを受容するように構成されてよく、
スリーブは、ゴルフクラブヘッドのロフト角、ライ角、又はフェース角を調節するように
位置付けられること、及び機械的締結具によってゴルフクラブヘッドに結合されることが
可能である。
【0025】
幾つかの実施形態では、5つ以上の断面間における第1の限界寸法の平均変動は、0.
15mm以下であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、限定するものではないが、添付図面の図に例として示されており、図中の同
様の参照番号は、類似の要素を示す。
【0027】
【
図1A】
図1Aは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの前面図である。
【0028】
【
図1B】
図1Bは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0029】
【
図1C】
図1Cは、
図1Bの切断線1C-1Cに沿った幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0030】
【
図1D】
図1Dは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの上面図である。
【0031】
【
図1E】
図1Eは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドのヒール側面図である。
【0032】
【
図1F】
図1Fは、
図1Dの切断線1F-1Fに沿った幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0033】
【
図2】
図2は、一実施形態によるホーゼルインサートの等角図である。
【0034】
【
図3A】
図3Aは、幾つかの実施形態による、中心測定軸を示したゴルフクラブヘッドの前面図である。
【0035】
【0036】
【0037】
【
図4A】
図4Aは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0038】
【
図4B】
図4Bは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッド及びクラウンインサートの上面図である。
【0039】
【
図4C】
図4Cは、
図4Aの切断線4C-4Cに沿った幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0040】
【
図4D】
図4Dは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの上面図である。
【0041】
【
図5A】
図5Aは、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0042】
【0043】
【
図6A】
図6Aは、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0044】
【0045】
【
図7A】
図7Aは、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0046】
【0047】
【
図8A】
図8Aは、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0048】
【0049】
【
図9A】
図9Aは、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0050】
【0051】
【
図10A】
図10Aは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0052】
【
図10B】
図10Bは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッド及びクラウンインサートの上面斜視図である。
【0053】
【
図10C】
図10Cは、
図10Aの切断線10C-10Cに沿った幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0054】
【
図10D】
図10Dは、幾つかの実施形態による、ゴルフクラブヘッドの上面図である。
【0055】
【
図11】
図11は、幾つかの実施形態によるゴルフクラブである。
【0056】
【
図12】
図12は、幾つかの実施形態による、限界点において接合壁に対して直角に取られたゴルフクラブヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の様々な実施形態及び態様は、後述する詳細を参照して説明する。以下の説明及
び図は、本発明の実例であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本
発明の様々な実施形態の十分な理解を提供するため、多数の特異的な詳細について説明す
る。しかしながら、特定の事例においては、本発明の実施形態の簡潔な考察を提供するた
め、周知の詳細又は従来の詳細については説明しない。
【0058】
2つ以上の材料(例えば、金属材料及び複合材料)で構成されるゴルフクラブヘッドは
、ゴルファーに有益な特性(例えば、重量特性、音特性、サイズ特性、及び重心特性)を
提供し得る。場合によっては、複合クラブヘッドは、金属本体と、複合材料を含む1つ又
は2つ以上のインサートと、を含み得る。例えば、複合材料のインサートは、クラブヘッ
ドのクラウンの一部を画定し得る。複合インサートは、複合材料の軽量及び高強度特性に
より、クラブヘッドの機械的特性(例えば、強度及び衝撃性能特質)を犠牲にすることな
く、所定のクラブヘッド形状の重量を軽減させる働きをし得る。
【0059】
しかしながら、2つの材料間の接合部(すなわち、第1の材料が第2の材料に接合され
ている位置)における耐久性は、問題を含み得る。例えば、複合材料と金属材料との間の
接合部における耐久性は、問題を含み得る。多くの場合は接着剤によって接合される、複
合材料と金属材料との間の接合部は、応力集中の中心であり得、そのことがこれらの接合
部に望ましくないひび割れをもたらし得る。大量の応力集中を回避するため、複合材料と
金属材料との間の接合部は、均一性及び一貫性があるべきである。例えば、接合部(例え
ば、接合している接着剤の位置)における複合材料と金属材料との間の分離部は、材料間
の接合部に沿って均一性及び一貫性があるべきである。更に、接合部における複合材料と
金属材料との間の分離部の量を最小限に抑えることは、それによって、複合材料及び金属
材料よりもひび割れしやすい可能性がある接合部に位置する接着剤の量を軽減することが
できるため、ひび割れの形成を回避するのに役立ち得る。
【0060】
しかしながら、複合材料と金属材料との間の均一性及び一貫性があり、かつ/又は(an
d and/or)最小限にサイズ設定された接合部が所望され得る一方、かかる接合部の製造費
が懸念され得る。本明細書では、更なる機械加工工程を必要とせずに、金属クラブヘッド
上の凹部又は空洞の中へ、別個に機械加工して配置され得る複合インサートを説明する。
かかるプロセスは、ゴルフクラブヘッド及び/又はゴルフクラブの製造業者及び/又は消
費者に対する費用を削減し得る。
【0061】
2つの材料間の接合部の均一性、一貫性、及びサイズは、接合部における2つの材料間
の分離部の1つ以上の寸法を測定することによって特性化され得る。分離部の寸法は、ク
ラブヘッド上の特定の位置(すなわち、本明細書で述べる限界点)で測定されて、2つの
材料間の接合部の均一性、一貫性、及び/又はサイズが決定され得る。高い均一性及び高
い一貫性を持つように調整された接合部寸法を有するクラブヘッドは、2つの材料間の接
合部における望ましくない応力集中の形成を回避するのに役立ち得る。非均一の又は一貫
性のない寸法公差による望ましくない応力集中は、クラブヘッド上の機械的及び/又は視
覚的欠点(例えば、ひび割れ)をもたらし得る。
【0062】
図1A~1Fは、ヒール側102と、トゥ側104と、クラブフェース108及び打撃
フェース109を有する前側106と、後側110と、上面116を有する上側114(
クラウンとも呼ばれる)と、底面120を有する底側118(ソール又はソール部分とも
呼ばれる)と、ホーゼル(ホーゼル部分とも呼ばれる)150と、ホーゼル軸154と、
ホーゼルインサート158と、ライ角168と、を有するゴルフクラブヘッド100を示
す。ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置に位置付けられて
いるときに測定された、幅寸法W、高さ寸法H、及び奥行き寸法Dを有する。ゴルフクラ
ブヘッドのアドレス位置は、ライ角57度のゴルフクラブヘッド、及びクラブヘッドの指
定ロフトに調節されたクラブのロフトとして定義される。特に明記しない限り、本明細書
に記載されている測定寸法はすべて、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置に配向されてい
るときに評価されている。ライ角57度のゴルフクラブヘッドが、前側フェースの観点か
ら視覚的に平らでないように見える場合、「スコアラインライ」と呼ばれる代替のライ角
が使用されている可能性がある。スコアラインライは、実質的に水平なフェースのスコア
ラインが、完全に平坦な地表面に平行であるライ角として定義される。
【0063】
ゴルフクラブヘッド100の幅寸法Wは、5インチを超えることはできず、ゴルフクラ
ブヘッド100の奥行き寸法Dは、幅寸法Wを超えることはできない。ゴルフクラブヘッ
ド100の高さ寸法Hは、2.8インチを超えることはできない。幾つかの実施形態では
、奥行き寸法D又は幅寸法Wは、4.4インチ超、4.5インチ超、4.6インチ超、4
.7インチ超、4.8インチ超、4.9インチ超、又は4.6インチ~5インチであって
よい。幾つかの実施形態では、高さ寸法Hは、2.7インチ超、2.6インチ超、2.5
インチ超、2.4インチ超、2.3インチ超、2.2インチ超、2.1インチ超、2イン
チ超、1.9インチ超、又は1.8インチ超であってよい。特定の実施形態では、ゴルフ
クラブヘッド100の高さ寸法Hは、約63.5mm~71mm(2.5インチ~2.8
インチ)であってよく、幅寸法Wは約116.84mm~約127mm(4.6インチ~
5.0インチ)であってよく、奥行き寸法Dは約111.76mm~約127mm(4.
4インチ~5.0インチ)であってよい。
【0064】
寸法W、D、及びHは、ヒール側102及びトゥ側104、前側106及び後側110
、並びに上側114及び底側118の、最も外側の点の垂直突起部間の水平線(
図3A~
3Cに示された軸230、240、及び250)上でそれぞれ測定される。ヒール側10
2の最も外側の点は、アドレス位置において水平地表面140より0.875インチ上に
ある、ヒール上の点として定義される。
図3Bに例として示されているように、前側の最
も外側の点は最も前方の点280であってよく、後側110の最も外側の点は最も後方の
点282であってよい。Wは、X軸230上で測定される。Dは、Y軸240上で測定さ
れる。Hは、Z軸250上で測定される。X軸230及びY軸240は地表面140に平
行であり、Z軸250は地表面140に対して直角である。
【0065】
図1Aは、フェース中心位置136を更に示す。フェース中心位置136は、その全体
が参照により本明細書に援用されている、2005年3月25日公開の「USGA Pr
ocedure for Measuring the Flexibility of
a Golf Clubhead,Revision 2.0」を利用することによっ
て検出される。具体的には、フェース中心位置136は、上記のUSGA文書に記載され
ている、第6.1.4項及び
図6.1に記載されている鋳型法によって検出される。
【0066】
ゴルフクラブヘッド100のCG(重心)位置を測定するための座標系は、フェース中
心位置136に位置する。一実施形態では、正の中心フェースX軸130は、クラブヘッ
ド100のヒール側102に向かって投影し、正の中心フェースZ軸134は、クラブヘ
ッド100の上面114に向かって投影し、正の中心フェースY軸132は、地表面14
0に平行してクラブヘッド100の後側110に向かって投影する。
【0067】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約-5mm~約10mmのCG
x軸座標系、約15mm~50mmのCG y軸座標系、及び約-10mm~約5mm
のCG z軸座標系を持つCGを有し得る。幾つかの実施形態では、CG y軸座標系は
、約20mm~約50mmであってよい。
【0068】
幾つかの実施形態では、スコラライン138は、クラブフェース108の打撃フェース
109上に位置してよい。幾つかの実施形態では、クラブフェース108上に示されてい
る投影されたCG位置210は、ゴルフクラブヘッド100の「スイートスポット」と見
なされる。投影されたCG位置210は、一点上でゴルフクラブヘッド100のバランス
を取ることによって検出される。投影されたCG位置210は、概ね、ゴルフクラブヘッ
ド100のクラブフェース108に対して直角な線に沿って投影される。幾つかの実施形
態では、投影されたCG位置210は、フェース中心位置136より上に2mm未満、フ
ェース中心位置136より上に1mm未満、又はフェース中心位置136より下に最大1
mm又は2mmであってよい。
【0069】
図1Bは、底側118、及び上側114と底側118との間の縁部112を示す、ゴル
フクラブヘッド100の底面図を示す。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド10
0は、ウェイトポート180と、ウェイトポート180に位置する調節可能なウェイト部
182と、が提供されてよい。幾つかの実施形態では、ウェイトポート180及び調節可
能なウェイト部182は、その全体が参照により本明細書に援用されている、2008年
8月5日に特許を受けた米国特許第7,407,447号に記載されている、ポート及び
ウェイト部と同一又は類似であってよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、クラブフェース108に近接し
たゴルフクラブヘッド100の底側118の前側部分にある、チャネル側壁188を有す
る陥凹したチャネル部分186を含んでよい。チャネル部分186内の締結具開口部18
4は、シャフト(例えば、クラブシャフト1104)をゴルフクラブヘッド100に装着
するためにホーゼルインサート158と係合させるための、並びに/又は調節可能なロフ
ト角、ライ角、及び/若しくはフェース角を可能にするための、例えばネジなどの機械的
締結具163の挿入を可能にするために提供され得る。幾つかの実施形態では、ホーゼル
インサート158は、その全体が参照により本明細書に援用されている、2012年11
月6日に特許を受けた米国特許第8,303,431号に記載されている、ロフト角、ラ
イ角、又はフェース角のうちの少なくとも1つの調節を可能にするように構成され得る。
【0071】
図1Cは、
図1Bの線1C-1Cに沿った断面図を示す。幾つかの実施形態では、機械
加工されたフェースインサート190は、ゴルフクラブヘッド100上の前側開口部19
8に溶接され得る。フェースインサート190は、フェースインサート190の後側表面
の中心部分に反転した凹部を有する可変のフェース厚さを有し得る。幾つかの実施形態で
は、クラウンインサート170は、ゴルフクラブヘッド100の上側114の上面116
のすべて又は一部を画定し得る。クラウンインサート170は、ゴルフクラブヘッド10
0の上側114に接合されてよい。幾つかの実施形態では、クラウンインサート170は
、クラウン棚部172の上に載っていてよい。幾つかの実施形態では、クラウンインサー
ト170は、クラウン棚部172に接合されてよい。幾つかの実施形態では、クラウンイ
ンサート170は、複合材料を含んでよい。幾つかの実施形態では、クラウンインサート
172の複合材料は、複数のプライ又は層を含む、複合レイアップであってよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、クラウン棚部172は、1~7mm、1~5mm、又は1~3
mmの範囲の長さであってよい。幾つかの実施形態では、クラウン棚部172は、ゴルフ
クラブヘッド100の上側114に形成される開口部173の周囲に連続的に延在してよ
い。幾つかの実施形態では、クラウン棚部172は、ゴルフクラブヘッド100の上側1
14に形成される開口部173の周囲の一部に延在してよい。幾つかの実施形態では、ク
ラウン棚部172は、ゴルフクラブヘッド100の上側114に形成される開口部173
のすべて又は一部の周りに延在する、複数の断続的な部分を含んでよい。クラウンインサ
ート170及びクラウン棚部172は、本明細書で述べるクラウンインサート442及び
クラウン棚部450と同一の要素であると見なされ得る。
【0073】
幾つかの実施形態では、ゴルフボールとの衝突時のゴルフクラブヘッド100の音を改
善するため、複数のリブ194がチャネル部分186の内部に結合されてよい。
【0074】
図1Dは、アドレス位置にあるゴルフクラブヘッド100の平面図を示す。ホーゼル平
面156は、地表面140に対して直角であり、ホーゼル軸154を包含した状態で示さ
れている。加えて、ホーゼルインサート158によって調節され得る、中心フェースの名
目上のフェース角137が示されている。正の通常フェース角は、ゴルフクラブヘッド1
08が、所定の測定点における中心線ターゲットの右側に位置付けられていることを示す
。負の通常フェース角は、ゴルフクラブヘッド108が、所定の測定点における中心線タ
ーゲットの左側に位置付けられていることを示す。トップライン192も、
図1Dに示さ
れている。トップライン192は、ゴルフクラブヘッド100の上面116及びクラブフ
ェース108の交点として定義される。幾つかの実施形態では、上面116の塗装線は、
トップライン192で停止してよい。
【0075】
図1D及び1Eは、ゴルフクラブヘッド100の慣性モーメントが、クラブヘッド10
0がアドレス位置にあるときの地表面140に対して略垂直方向にあるCG200を通っ
て延在するCG Z軸206と、打撃フェース109に略平行及びCG Z軸206に対
して略直角であり、ヒール-トゥ方向にCG 200を通って延在するCG X軸202
と、CG X軸202及びCG Z軸206に対して略直角であり、前後方向にCG 2
00を通って延在するCG Y軸204と、を含む、ゴルフクラブヘッド100のCG
200を通って延在する3本の軸を中心に画定され得ることを示す。CG X軸202及
びCG Y軸204は両方とも、クラブヘッド100がアドレス位置にあるときに、地表
面140に対して略水平方向に延在する。
【0076】
ゴルフクラブヘッドCG X軸202を中心とした慣性モーメントは、以下の等式で計
算される。
【数1】
【0077】
上の等式1では、yはゴルフクラブヘッドのCG xz平面から無限小質量dmまでの
距離であり、zは、ゴルフクラブヘッドCG xy平面から無限小質量dmまでの距離で
ある。ゴルフクラブヘッドCG xz平面は、CG X軸202及びCG Z軸206に
よって画定される平面である。CG xy平面は、CG X軸202及びCG Y軸20
4によって画定される平面である。
【0078】
更に、ゴルフクラブヘッドCG Z軸206を中心とした慣性モーメントは、以下の等
式で計算される。
【数2】
【0079】
上の等式2では、xはゴルフクラブヘッドのCG yz平面から無限小質量dmまでの
距離であり、yは、ゴルフクラブヘッドCG xz平面から無限小質量dmまでの距離で
ある。ゴルフクラブヘッドCG yz平面は、CG Y軸204及びCG Z軸206に
よって画定される平面である。
【0080】
特定の実装では、ゴルフクラブヘッド100は、CG Z軸206を中心とした慣性モ
ーメント約450kg・mm2~約650kg・mm2、CG X軸202を中心とした
慣性モーメント約300kg・mm2~約500kg・mm2、及びCG Y軸204を
中心とした慣性モーメント約300kg・mm2~約500kg・mm2を有し得る。
【0081】
図1Eは、クラブヘッド100のヒール側面図を示し、正の中心フェースのY軸132
の側面図と、CG 200が前述の投影されたCG位置210でクラブフェース108に
どのように投影されるかを提供している。名目上の中心フェースのロフト角220は、地
表面140に平行する水平面に対して、直角の中心フェースベクトル222によって生じ
る角度になることが示されている。
【0082】
図1Fは、
図1Dに示されている線1F-1Fに沿った断面図を示す。機械的締結具1
63は、スリーブ160とネジ止めにより係合するために締結具開口部184に挿入する
ことがより簡単に見える。スリーブ160は、ゴルフクラブシャフト(例えば、クラブシ
ャフト1104)がスリーブ160と接着剤接合するために挿入されることを可能にする
ための、スリーブ孔162を含み得る。幾つかの実施形態では、ホーゼル150又はその
一部(例えば、ホーゼルインサート158)は、スリーブ160を受容するように構成さ
れてよい。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、クラブフェース108
と上面116との間の遷移部分を強化するため、複数のクラウンリブ196を含んでよい
。
【0083】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているゴルフクラブヘッドは、ロフト角、
ライ角、若しくはフェース角を互いに組み合わせて又は互いとは無関係に、調節すること
が可能な、1つ又は2つ以上のロフト角、ライ角、又はフェース角システムを含んでよい
。例えば、ホーゼルインサート158の一部、スリーブ孔162、及びゴルフクラブシャ
フト(例えば、クラブシャフト1104)は、組み立てられたゴルフクラブの長手方向軸
164(
図1Fを参照のこと)を集合的に画定する。幾つかの実施形態では、長手方向軸
164は、スリーブ孔162と同軸であってよい。スリーブ160の一部は、アセンブリ
の長手方向軸164に沿ってシャフトをサポートするのに有効であり、長手方向軸164
は、ホーゼルチューブ孔152のホーゼル軸154からオフセット角166だけオフセッ
トされる。ホーゼル軸154は、ホーゼルチューブ孔152と同軸である。ホーゼルイン
サート158は、0.25度の増分で0度~4度であり得る、単一のオフセット角166
を提供し得る。例えば、オフセット角166は、1.0度、1.25度、1.5度、1.
75度、2.0度、2.25度、2.5度、2.75度、又は3.0度であり得る。
図1
Fに示された実施形態のオフセット角166は、1.5度である。幾つかの実施形態では
、スリーブ160は、ゴルフクラブヘッド100のロフト角、ライ角、又はフェース角を
調節するように位置付けられることが可能であってよい。
【0084】
図2は、ゴルフクラブヘッド100から取り外したホーゼルインサート158及び機械
的締結具163を示す。幾つかの実施形態では、ホーゼルインサート158は、その全体
が参照により本明細書に援用されている、2012年11月6日に出願された米国特許第
8,303,431号に記載されている、調節可能なホーゼルインサートと同一又は類似
であってよい。
【0085】
図3A~3Cは、ゴルフクラブヘッド100に対するX軸230、Y軸240、及びZ
軸250を示す。上述のように、軸230、240、及び250は、ゴルフクラブヘッド
100の幅W、奥行きD、及び高さHを測定するために使用される。
図3A~3Cはまた
、この適用例の目的で中心座標系を画定するため、中心X軸、Y軸、及びZ軸を示す。
【0086】
この中心座標系は、クラウンインサートの周縁部(又は壁)と、クラブヘッド本体上の
接合壁との間の1つ又は2つ以上の限界寸法を決定するために使用され得る。これらの限
界寸法は、クラウンインサートと接合壁との間の接合部を特性化するために使用される。
これらの限界寸法は、クラウンインサートと接合壁との間の接合部における、これら2つ
の間の分離部を決定するために使用される。
【0087】
これらの限界寸法を所望の値に調整することは、接合壁とクラウンインサートとの間の
接合部における応力集中中心点の形成を阻止するのに役立ち得る。例えば、複数の限界寸
法を特定の値以下に調整することは、応力集中の形成を阻止するのに役立ち得る。更に、
複数の限界寸法を特定の値以下の点の値における平均変動(average variation)を有す
るように調整することは、応力集中の形成を阻止するのに役立ち得る。
【0088】
応力集中中心部の形成を阻止することは、同様にして、クラウンインサートと接合壁と
の間の接合部でのこれら2つの接着剤接合におけるひび割れの形成を阻止し得る。接着剤
のひび割れは、クラブヘッドの構造的及び/又は視覚的欠陥をもたらし得る。限界寸法を
特定の値以下に調整すること、及び/又は特定の値以下の点の間の平均変動を有するよう
に限界寸法を調整することにより、ひび割れを排除することができる。
【0089】
中心Z軸252は、Z軸250と平行し、幅W寸法の中点及び奥行きD寸法の中点(本
明細書では以降「中点260」と呼ぶ)で、ゴルフクラブヘッド100の上側114を通
って垂直方向に延在する軸として定義される。幅W寸法の中点は、幅W寸法の合計値を2
で割った値である。奥行きD寸法の中点は、奥行きD寸法の合計値を2で割った値である
。
【0090】
中心Y軸242は、クラブヘッド100の上面116で中心Z軸252と交差し、Y軸
240に平行して延在する軸として定義される。換言すれば、中心Y軸242は、中点2
60で上面116と交差し、Y軸240に平行して延在する軸によって定義される。中心
X軸232は、クラブヘッド100の上面116で中心Z軸252と交差し、X軸230
に平行して延在する軸として定義される。換言すれば、中心X軸232は、中点260で
上面116と交差し、X軸230に平行して延在する軸によって定義される。
【0091】
中心X軸、Y軸、及びZ軸は、ゴルフクラブヘッドのクラウンインサートと、ゴルフク
ラブヘッドの接合壁との間の限界寸法を測定するための、限界点における垂直平面を画定
するために使用される。更に、中心X軸及びY軸は、本出願では、ゴルフクラブヘッドの
ヒール部分、トゥ部分、前側部分、及び後側部分を画定するために使用され得る。
図3C
は、クラブヘッド100のヒール部分270、トゥ部分272、前側部分274、及び後
側部分276を示す。クラブヘッド100のヒール部分270は、中心Y軸242のヒー
ル側にあるクラブヘッド100の部分によって画定される。クラブヘッド100のトゥ部
分272は、中心Y軸242のトゥ側にあるクラブヘッド100の部分によって画定され
る。クラブヘッド100の前側部分274は、中心X軸232の前側にあるクラブヘッド
100の部分によって画定される。クラブヘッド100の後側部分276は、中心X軸2
32の後側にあるクラブヘッド100の部分によって画定される。
【0092】
軸、測定値、部分、及び幾何学的位置(例えば、重心)は、
図1A~1F及び3A~3
Cでゴルフクラブヘッド100に対して示されているが、これらの軸及び測定値は、任意
のゴルフクラブヘッド(例えば、ゴルフクラブヘッド400又はゴルフクラブヘッド10
00)に適用される。軸の位置及びW、D、Hの測定値は、所定のゴルフクラブヘッドの
サイズ及び形状によって異なり得る。
【0093】
図4A~4Dは、幾つかの実施形態によるゴルフクラブヘッド400を示す。ゴルフク
ラブヘッド100と同様に、ゴルフクラブヘッド400は、ヒール側402と、トゥ側4
04と、クラブフェース408及び打撃フェース409を有する前側406と、後側41
0と、上面416を有する上側414(クラウンとも呼ばれる)と、底面420を有する
底側418(ソール又はソール部分とも呼ばれる)と、ホーゼル(ホーゼル部分とも呼ば
れる)430と、ホーゼルインサート432と、を含む。ホーゼルインサート432は、
ホーゼルインサート158と同一又は類似であってよい。ゴルフクラブヘッド400は、
ゴルフクラブヘッド100に関する上述の寸法と同一又は類似であり得る、幅寸法W、高
さ寸法H、及び奥行き寸法Dを有し、ゴルフクラブヘッド100に関する上記の方法と同
じ方法で測定され得る。
【0094】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、1つ又は2つ以上の取り外し可
能なシャフト機構を含んでよい。幾つかの実施形態では、ホーゼルインサート432は、
ホーゼルインサート158に関して記載されている方法と同じ方法で、ゴルフクラブヘッ
ド400のロフト角、ライ角、又はフェース角のうちの少なくとも1つの調節を可能にす
るため、取り外し可能なシャフトを含んでよい。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘ
ッド400は、ゴルフクラブヘッド400に形成される陥凹したチャネル(複数可)43
6内で摺動するように構成された、1つ又は2つ以上の移動可能なウェイト部434を含
む、移動可能なウェイト技術を含んでよい。幾つかの実施形態では、陥凹チャネル436
は、ゴルフクラブヘッド400の底側418に形成されてよい。幾つかの実施形態では、
クラブフェース408に近接した陥凹チャネル436は、シャフト(例えば、クラブシャ
フト1104)をゴルフクラブヘッド400に装着するためにホーゼルインサート432
と係合させるための、並びに/又は調節可能なロフト角、ライ角、及び/若しくはフェー
ス角を可能にするための、ネジなどの機械的締結具の挿入を可能にするために、締結具開
口部437を含んでよい。
【0095】
移動可能なウェイト部434は、移動可能なウェイト部434をクラブヘッド400に
取り外し可能に固定するための締結具438を含み得る。締結具438を緩ませると、移
動可能なウェイト部434が、陥凹チャネル436内で摺動可能になる。締結具438を
締めると、移動可能なウェイト部434が、陥凹チャネル436内の特定の位置に固定さ
れ得る。幾つかの実施形態では、陥凹チャネル(複数可)436及び/又は移動可能なウ
ェイト部(複数可)434は、その全体が参照により本明細書に援用されている、201
5年7月1日に出願された米国特許出願第14/789,838号に記載されている、チ
ャネル及びウェイト部と同一又は類似であってよい。
【0096】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、1つ又は2つ以上の底面パネル
/インサート439(ソールパネル/インサートとも呼ばれる)を含み得る。底面パネル
439は、クラブヘッド400の底面420の一部を画定し得る。幾つかの実施形態では
、底面パネル439は、複合材料を含むパネルであってよい。幾つかの実施形態では、底
面パネル(複数可)439の複合材料は、複数のプライ又は層を含む複合レイアップであ
ってよい。幾つかの実施形態では、底面パネル439は、ソール部分に位置する凹部に挿
入される。
【0097】
特定の実施形態では、炭素繊維ソールパネル439は、炭素繊維の2つの別個のパネル
又は1つの連続的パネルである。炭素繊維ソールパネル439は、本明細書に記載されて
いるクラウン炭素繊維パネル(クラウンインサートとも呼ばれる)と同じレベルの寸法精
度を有し得る。クラウン又はソール上の炭素繊維パネルがクラブヘッドの中点にない場合
、二次の代替中点は、中心Y軸に沿った又はそれに平行した単一の複合パネルの最大前後
寸法と、中心X軸に沿った又はそれに平行した単一の複合パネルの最大ヒール-トゥ寸法
と、を測定することによって検出され得る。代替二次中点は、複合パネル(クラウン又は
ソール上にある)の最大前後寸法の中点と、複合パネルの最大ヒール-トゥ寸法の中点と
、の交点として定義される。代替二次中点が確立されると、複合パネルは、クラブヘッド
の中心部分にある中点(例えば、中点260)に適用される同一の方法を使用して、一貫
性が評価され得る。
【0098】
複合材料の底面パネル439は、複合材料の高い強度重量特性により、機械的特性を犠
牲にすることなく、ゴルフクラブヘッド400の重量を最小限にするのに役立ち得る。底
面パネル439に好適な複合材料としては、限定されるものではないが、炭素繊維複合物
及び繊維ガラス複合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、底面パネル439は、その
全体が参照により本明細書に援用されている、2016年8月10日に出願された米国特
許出願第15/233,805号に記載されている、パネルと同一又は類似であってよい
。
【0099】
クラウン領域又はソール領域のいずれかに位置する複合パネルは、様々な複合材料及び
ポリマー材料で作製されてよく、熱可塑性材料又は熱硬化性材料のいずれかで作製され得
る。幾つかの実施形態では、熱可塑性複合ラミネート材料又は熱可塑性炭素複合ラミネー
ト材料が使用され得る。複合材料は、射出成形材料、熱形成材料、熱硬化性複合材料、又
はゴルフクラブヘッドの適用例に好適な他の材料であってよい。
【0100】
1つの例示的な材料は、PPS(ポリフェニレンスルフィド)マトリックス又はベース
内で長く整列された炭素繊維を有する、熱可塑性の連続的な炭素繊維複合ラミネート材料
である。シート形状で製造される、このタイプの材料の1つの商用例は、Lanxess
製のTEPEX(登録商標)DYNALITE 207である。材料は、幾つかの実施形
態では、42%~57%の繊維体積を有してよい。幾つかの実施形態では、材料は、20
0g/m2以下の重量がある。
【0101】
幾つかの実施形態では、炭素繊維クラウン又はソールインサート材料は、一方向性炭素
繊維材料又はチョップド炭素繊維材料であってよい。熱硬化性プロセスでは、ソール又は
クラウンインサートは、加熱されたときに起動する、樹脂及び硬膜剤処方で予備含浸され
る、織又は一方向性の複合繊維布(炭素繊維など)のプリプレグプライで作製され得る。
プリプレグプライは、気泡体又は圧縮型など、熱硬化性プロセスに好適な成形型に置かれ
、前後軸に対して0°、+45°、-45°、90°、又は-90°などの異なる方向に
配向された炭素繊維又は他の繊維と共にスタック/配向される。一実施形態では、プリプ
レグシートは、約70g/m2又は40g/m2~100g/m2の目付を有する擬似等
方性レイアップを有する。一実施形態では、プリプレグシート(Newport 301
など)を含浸するために使用されるエポキシ樹脂は、約40%又は20%~80%の樹脂
含量(R/C)を有する。
【0102】
熱硬化性ソール/クラウンインサート用の炭素繊維強化材料は、Grafil,Inc
.(Sacramento,California)から入手可能な「34-700」繊
維として知られる炭素繊維であってよく、この炭素繊維は、235GPa(34Msi)
の引張り弾性率と、4500MPa(650Ksi)の引張り強度を有する。幾つかの実
施形態では、引張り弾性率は、100GPaから400GPaであり、引張り強度は20
00MPa~6000MPaである。
【0103】
幾つかの実施形態では、複合レイアップの上部可視層(例えば、
図12に示されている
上層1210)は、3K織及び編組織であってよく、クラウンインサート又はソールイン
サートの前側部分にあるインサートの縁部まで延在する。インサート上の様々な限界点に
わたって一貫性の高い第1の限界寸法を生成する効果は、上層(織など)の縁部が、上層
に顕著な変動を有する(having leaving)ことなく、複合インサート及び本体の交点に明
白に位置し得る点にある。
【0104】
幾つかの実施形態では、クラブヘッド400の底側418は、底面パネル(複数可)4
39の少なくとも一部を受容するように構成された1つ又は2つ以上の凹部を画定する、
1つ又は2つ以上の棚部及び接合壁を含んでよい。これらの棚部及び接合壁は、本明細書
に記載されているクラウン棚部450及び接合壁454と類似の構成を有し得る。更に、
底面パネル439は、クラウンインサート442について本明細書で述べた方法と同じ方
法で、凹部に位置付けられ得る。例えば、クラブヘッドの底面パネル(複数可)439と
底側418との間の接合部(複数可)における限界寸法の測定及び調整は、クラブヘッド
400のクラウンインサート442及び上側414について本明細書で述べた方法と同様
の方法で実行され得る。
【0105】
クラブヘッド400の上側414(すなわち、クラウン)は、クラウン部分440及び
クラウンインサート442によって画定され得る。クラウン部分440及びクラウンイン
サート442は、2部エポキシなどの接着剤によって取り付けられた、別個に形成された
片であり得る。幾つかの実施形態では、クラウンインサート442は、複合材料を含んで
よい。幾つかの実施形態では、クラウンインサート442の複合材料は、複数のプライ又
は層を含む複合レイアップであってよい。クラウンインサート442に好適な複合材料と
しては、限定されるものではないが、上記のように、炭素繊維複合物及び繊維ガラス複合
物が挙げられる。幾つかの実施形態では、クラウン又はソールインサートは、限定される
ものでないが、アルミニウム、チタン、タングステン、マグネシウム、又はこれらの材料
の1つ若しくは2つ以上を含む合金などの、金属材料から構成され得る。幾つかの実施形
態では、クラウン又はソールインサートは、プラスチック又は短繊維複合物など、クラブ
ヘッド本体の残部よりも密度の低い材料であってよい。
【0106】
幾つかの実施形態では、クラウン部分440は、クラウン棚部450及び接合壁454
によって画定されるクラウン凹部領域458(
図4Bでは例示の目的で影付きの灰色)を
含んでよい。クラウン部分440と組み立てる場合、クラウンインサート442は、クラ
ウン凹部領域458内に少なくとも部分的に配置され得る。幾つかの実施形態では、クラ
ウン凹部領域458は、クラウンインサート442全体を受容してよい。幾つかの実施形
態では、クラウン凹部領域458は、クラブヘッド400に形成される開口部490を含
んでよい。
【0107】
接合壁454及びクラウン棚部450は、クラウン凹部領域458の周辺部のすべて又
は一部を画定し得る。幾つかの実施形態では、接合壁454及びクラウン棚部450は、
中点260を完全に取り囲む(すなわち、中点260を中心に360度回転で放射状に配
置された)外周形状を有する、クラウン凹部領域458を画定し得る(例えば、
図4Bの
クラウン凹部領域458の外周形状を参照のこと)。換言すれば、接合壁454及びクラ
ウン棚部450は、ゴルフクラブヘッド400の上側414に形成される開口部490の
周囲に連続的に延在し得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、接合壁454及びクラウン棚部450は、中点260を部分的
にのみ取り囲む外辺形状を有する、クラウン凹部領域458を画定し得る。例えば、クラ
ウン凹部領域458は、クラブヘッド400の前側部分の中点260を取り囲んでよく、
クラブヘッド400の後側部分のすべて又は一部は、クラウン凹部領域を欠いていてもよ
い。換言すれば、接合壁454及びクラウン棚部450は、開口部490の周囲の一部に
延在し得る。かかる実施形態では、クラウンインサート442の一部は、クラブヘッド4
00の一部(クラブヘッド400の後側部分)にあるクラウン部分440の上面441に
直接接合され得る。特定の実施形態では、接合壁454は、クラウン凹部領域458の全
周辺部の20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、70%未満、80%未満、
又は90%未満だけ、開口部490の周囲の一部に延在する。
【0109】
幾つかの実施形態では、接合壁454は、接合壁454を合わせて画定する、複数の別
個の接合壁断片455を含み得る。同様に、幾つかの実施形態では、クラウン棚部450
は、クラウン棚部450を合わせて画定する、複数の別個のクラウン棚部断片459を含
み得る。
【0110】
クラウン棚部450のクラウン棚部表面452は、クラウン凹部領域458内のクラウ
ンインサート442を支持し得る。幾つかの実施形態では、クラウン棚部表面452は、
クラウンインサート442の底面448を支持するために1つ又は2つ以上の突出部45
3を含んでよい(例えば、
図5Aを参照のこと)。幾つかの実施形態では、突出部453
は、クラウン棚部表面452で一体に形成されてよい。幾つかの実施形態では、突出部4
53は、クラウン棚部表面452に固定された(例えば、溶接又は接着による)別個の要
素であってもよい。
【0111】
幾つかの実施形態では、突出部(複数可)453は、0.5mm以下の高さ又は棚部間
隙(接合線の厚さとしても知られる)を有してよい。幾つかの実施形態では、高さ470
は、0.3mm以下であってよい。幾つかの実施形態では、高さ470は、0.2mm以
下であってよい。幾つかの実施形態では、高さ470は、0.1mm以下であってよい。
突出部(複数可)453は、底面448をクラウン棚部450に接合する接着剤用の空間
を提供するよう、クラウン棚部表面452より上の所望の距離に、クラウンインサート4
42の底面448を位置付けるのに役立ち得る。幾つかの実施形態では、突出部(複数可
)453は存在しない場合があるが、棚部間隙は存在し得る。幾つかの実施形態では、ク
ラウン棚部表面452は、クラウン棚部表面452とクラウンインサート442との間の
棚部間隙を画定し得る。例えば、クラウン棚部表面452は、0.3mm又は0.2mm
~0.3mmの棚部間隙を画定し得る。
【0112】
幾つかの実施形態では、突出部(複数可)453は、クラウン凹部領域458内のクラ
ウンインサート442を水平にするのに役立ち得る(すなわち、クラウンインサート44
2の周辺壁444及び上面443が、接合壁454及びクラウン部分440の上面441
と適切に整列することを確実にするのに役立ち得る)。幾つかの実施形態では、クラウン
棚部表面452上の異なる突出部453は、異なる高さ470を有してよい。幾つかの実
施形態では、クラウン棚部表面452は、クラウン棚部表面452に沿って延在する単一
の突出部453を含んでよい。幾つかの実施形態では、単一のクラウン棚部突出部453
は、クラウン棚部表面452に沿って変化する高さ470を有してよい。
【0113】
幾つかの実施形態では、クラウン棚部450は、増大した長さ451の1つ又は2つ以
上の領域を含んでよい。増大した長さ451の領域は、クラブヘッド400のトゥ部分、
ヒール部分、前側部分、又は後側部分に位置し得る。非制限的な例として、クラウン棚部
450は、増大した長さ451の領域を含む前側部分472を含み得る。増大した長さ4
51の領域は、接合用により大きい表面積を提供することにより、クラウン棚部450へ
のクラウンインサート442の接合を容易にし得る。幾つかの実施形態では、増大した長
さ451の領域は、クラブヘッド400がゴルフボールを打つときに最大応力を経験する
、クラウン414上の領域(複数可)に位置してよい。
【0114】
幾つかの実施形態では、クラウンインサート442を接合壁454及び/又はクラウン
棚部450に接合するために、接着剤480が使用されてよい(例えば、
図5Aを参照の
こと)。好適な接着剤としては、限定されるものではないが、エポキシ樹脂、又は3M(
登録商標)製のDP460などの2部エポキシが挙げられる。
【0115】
幾つかの実施形態では、クラウンインサート442の上部周縁部445におけるクラウ
ンインサート442の上面443の少なくとも一部は、接合壁454でのクラウン部分4
40の上面441より垂直距離460の分だけ下に配置されてよい。上面443を上面4
41より垂直距離460の分だけ下に配置することは、上面443が塗装層でコーティン
グされた後に、クラウンインサート442とクラウン部分440との間の中間面における
平らな表面の形成を容易にし得る。本明細書で使用するとき、用語「平らな」は、少なく
ともそれぞれの縁部で同じ幾何学的平面を共有する、クラウンインサート442の上面4
43と、クラウン部分440の上面441と、を指す。幾つかの実施形態では、平らな表
面は、+/-0.02mmの偏差内で平らになり得る。クラウンインサート442とクラ
ウン部分440との間の中間面における平らな表面は、クラウン部分440及びクラウン
インサート442の材料層及び/又は塗装層として見た目に魅力的になり得ない接着剤4
80の位置を隠すのに役立ち得る。
【0116】
幾つかの実施形態では、クラウンインサート又はソールインサートは、ゴルフクラブヘ
ッド本体と異なる塗装又は色である。したがって、クラウンインサート又はソールインサ
ート間の接合間隙(第1の限界寸法などの限界寸法によって測定)は、ユーザーにとって
可視である。かかる事例では、クラウンインサート又はソールインサートは、必ずしも平
らではなく(+/-0.02超の偏差を有する)、クラウンインサート又はソールインサ
ートと、クラブヘッド本体との間の平らでない表面を可能にすることによって容易な組み
立てを促進し得る。
【0117】
幾つかの実施形態では、ソール又はクラウン上の直接隣接する本体部分に対して、クラ
ウン/ソールインサート間の色対比は高い。インサートと本体部分との間のL*値が50
を超える差を有する場合、暗色から明色への遷移は、「高対比」として定義され得る。幾
つかの実施形態では、対比は、10超、20超、30超、又は40超のL*値差として定
義される。幾つかの実施形態では、インサートと隣接する本体色との間のL*値は、60
超又は65超である。
【0118】
実施例も便宜上、L*a*b*色値又はL*C*h色値を使用するCIELab色空間
に関して記載されているが、他の色説明を使用することもできる。本明細書で使用すると
き、L*は明るさと称され、a*及びb*は色度座標と称され、C*は彩度と称され、h
は色相と称される。CIELab色空間では、+a*は赤方向、-a*は緑方向、+b*
は黄色方向、及び-b*は青方向である。L*は、完全白色拡散体に対して値100を有
する。彩度及び色相は、a*及びb*に関連付けられた極座標であり、彩度(C*)は、
a*=b*=0に沿った軸からの距離であり、色相は+a*軸から反時計回りに測定され
た角度である。以下の説明は概ね、10度での標準光源D65に関連付けられた値に基づ
いている。この光源は、戸外の昼光照明に似ているが、所望に応じて他の光源を同様に使
用することもでき、本明細書で提供する集計データは概ね、10度での光源A及び10度
での光源F2の値を含む。これらの光源は、便宜上、D、A、及びFとして簡単に集計デ
ータに表記されている。明るさ及び強度という用語が、CIELab座標L*を指すため
に以下の説明で使用される。
【0119】
インサート又は本体上の塗装コーティングの厚さは、塗装される材料のタイプに基づい
て異なり得る。例えば、一実施形態では、金属本体は、約45~60マイクロメートルの
合わせた厚さを有するプライマー層及び塗装層、並びに約50~60マイクロメートルの
クリア塗料層によって塗装される。別の実施形態では、複合本体は、約25~40マイク
ロメートルの合わせた厚さを有するプライマー層及び塗装層、並びに約30~40マイク
ロメートルのクリア塗料層によって塗装される。
【0120】
幾つかの実施形態では、垂直距離460は、0.1mm~0.3mmの範囲内であって
よい。幾つかの実施形態では、垂直距離460は、0.3mm以下であってよい。幾つか
の実施形態では、垂直距離460は、0.2mm以下であってよい。幾つかの実施形態で
は、垂直距離460は、0.1mm以下であってよい。幾つかの実施形態では、垂直距離
460は、クラウンインサート442の上面443上に塗装される塗装層の厚さに等しく
てよい。幾つかの実施形態では、クラウンインサート442の塗装層は、クラウン部分4
40の材料又は塗装層とは異なる色及び/又は表面質感を有してよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、垂直距離460は、クラウンインサート442の厚さ468を
超える最大高さ462を有する、接合壁454によって生成され得る。幾つかの実施形態
では、最大高さ462は、1.0mm~0.9mmの範囲内であってよい。幾つかの実施
形態では、クラウンインサート442の厚さ468は、0.75mm以下であってよい。
幾つかの実施形態では、厚さ468は、0.65mm又は1mm以下であってよい。幾つ
かの実施形態では、クラウンインサート442は、クラウンインサートの厚さ468を画
定する6つのプライを備える複合材料で構成され得る。
【0122】
幾つかの実施形態では、クラウン部分440は、0.2~1.5mmの範囲内の厚さ4
74を有し得る。幾つかの実施形態では、クラウン棚部450は、0.5mm~0.7m
mの範囲内の厚さ466を有し得る。幾つかの実施形態では、クラウン棚部450は、1
mm~7.5mm、2mm~6mm、又は3mm~5mmの範囲内の長さ464を有し得
る。幾つかの実施形態では、クラウン棚部450の増大した長さ451の領域は、5.0
mm~10.0mmの範囲内の長さ464を有し得る。非常に短い、一貫した接合間隙又
は第1の限界寸法を有する有意な利点は、棚部長さ464をできるだけ短くすることがで
き、したがって、クラブヘッドのCG位置を下げるために、クラブヘッドの下部に再配置
され得る重量を節減できることにある。
【0123】
図4Dは、ゴルフクラブヘッド400に関する以下の幾何学的平面を示す。ゴルフクラ
ブヘッド400の中心Z軸と、ゴルフクラブヘッド400の中心Y軸と、によって画定さ
れる、第1の垂直平面500。
【0124】
第1の垂直平面を、ゴルフクラブヘッド400の中心Z軸の周りで時計回りにθ度回転
させることによって画定される、第2の垂直平面502。本出願では、時計回りは、ゴル
フクラブヘッドの上側414(すなわち、
図4Dに示されている図)に対する時計方向に
よって定義される。幾つかの実施形態では、θは、1度~45度の範囲内であってよい。
幾つかの実施形態では、θは、2度、3度、4度、5度、10度、20度、又は30度で
あってよい。
【0125】
第1の垂直平面500を、ゴルフクラブヘッド400の中心Z軸の周りで反時計回りに
θ度回転させることによって画定される、第3の垂直平面504。
【0126】
ゴルフクラブヘッド400の中心Z軸と、ゴルフクラブヘッド400の中心X軸と、に
よって画定される、第4の垂直平面506。
【0127】
第4の垂直平面506を、ゴルフクラブヘッド400の中心Z軸の周りで時計回りにβ
度回転させることによって画定される、第5の垂直平面508。幾つかの実施形態では、
βは、1度~44度の範囲内であってよい。幾つかの実施形態では、βは、2度、3度、
4度、5度、10度、20度、又は30度であってよい。
【0128】
第4の垂直平面506を、ゴルフクラブヘッド400の中心Z軸の周りで反時計回りに
β度回転させることによって画定される、第6の垂直平面510。
【0129】
ゴルフクラブヘッド400の中心Y軸と、ゴルフクラブヘッド400の中心X軸と、に
よって画定される、X-Y平面512。
【0130】
図4Dはまた、ゴルフクラブヘッド400に関する以下の限界点及び断面を示す。限界
点及び断面は、本出願では、限界寸法を測定するために使用される。
【0131】
第1の垂直平面500と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第1の限界点520、及び第1の限界点520において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第1の断面550。
【0132】
第2の垂直平面502と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第2の限界点522、及び第2の限界点522において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第2の断面552。
【0133】
第3の垂直平面504と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第3の限界点524、及び第3の限界点524において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第3の断面554。
【0134】
第5の垂直平面508と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第4の限界点526、及び第4の限界点526において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第4の断面556。
【0135】
第6の垂直平面510と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第5の限界点528、及び第5の限界点528において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第5の断面558。
【0136】
第4の垂直平面506と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の前側部分に位置する第6の限界点530、及び第6の限界点530において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第6の断面560。
【0137】
第4の垂直平面506と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400のヒール部分に位置する第7の限界点532、及び第7の限界点532におい
て接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第7の断面562。
【0138】
第1の垂直平面500と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の後側部分に位置する第8の限界点534、及び第8の限界点534において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第8の断面564。
【0139】
第2の垂直平面502と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の後側部分に位置する第9の限界点536、及び第9の限界点536において
接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第9の断面566。
【0140】
第3の垂直平面504と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の後側部分に位置する第10の限界点538、及び第10の限界点538にお
いて接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第10の断面568。
【0141】
第5の垂直平面508と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の後側部分に位置する第11の限界点540、及び第11の限界点540にお
いて接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第11の断面570。
【0142】
第6の垂直平面510と、接合壁454の上縁部456との間の交点にある、クラブヘ
ッド400の後側部分に位置する第12の限界点542、及び第12の限界点542にお
いて接合壁454に対して直角である垂直平面上で取られた第12の断面572。
【0143】
図5A及び5Bは、断面550、552、554、556、558、560、562、
564、566、568、570、及び572のいずれかに対応する幾つかの実施形態に
よる、ゴルフクラブヘッド400の断面図を示す。例えば、
図5Bに示されているように
、それぞれの断面は、接合壁454の上縁部456と、クラウンインサート442の上部
周縁部445との間のX-Y平面512に平行して測定される、第1の限界寸法580を
有する。換言すれば、第1の限界寸法580は、接合壁454と、クラウンインサート4
42の上部周縁部445との間の接合間隙を測定する。接合間隙の小さな変動は、可視の
接合間隙がゴルファーに示されることを可能にし、それによって、塗装層が接合間隙をマ
スクする又はカバーすることで、接合間隙の欠陥を隠す必要性を最小限に抑える。一実施
形態では、接合間隙は、ユーザーに可視であり、接合間隙領域をカバーする塗装層又はマ
スキング層を有していない。別の実施形態では、
図5A及び5Bは、ソール凹部に位置す
るソールインサートを有するゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【0144】
幾つかの実施形態では、第1の限界寸法580は、0mm超であってよい(例えば、ク
ラウンインサート442と接合壁454との間の接着剤480の存在による)が、第1の
限界寸法580は、特定の値以下であってもよい。幾つかの実施形態では、それぞれの断
面の第1の限界寸法580は、Amm以下である。幾つかの実施形態では、Aは、4.0
mmに等しくてよい。幾つかの実施形態では、Aは、3.0mmに等しくてよい。幾つか
の実施形態では、Aは、2.0mmに等しくてよい。幾つかの実施形態では、Aは、1.
0mmに等しくてよい。幾つかの実施形態では、Aは、1.0mm未満であってよい。例
えば、Aは、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4m
m、0.3mm、0.2mm、又は0.1mmに等しくてよい。幾つかの実施形態では、
Aは、0.6mm~0.1mmであってよい。
【0145】
幾つかの実施形態では、複数の断面550、552、554、556、558、560
、562、564、566、568、570、及び572(例えば、2つ以上の断面、又
は3つ以上の断面)間の第1の限界寸法580の平均変動は、0.2mm、0.15mm
、又は0.1mm以下である。幾つかの実施形態では、すべての断面間の第1の限界寸法
580の平均変動は、0.15mm又は0.1mm以下である。幾つかの実施形態では、
クラブヘッド400の前側部分に位置する複数の又はすべての断面間の第1の限界寸法5
80の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。例えば、幾
つかの実施形態では、複数の又はすべての断面550、552、554、556、及び5
58(すなわち、第1の断面550から第5の断面558)間の第1の限界寸法580の
平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。幾つかの実施形態
では、複数の又はすべての断面550、552、554、556、558、560、及び
562(すなわち、第1の断面550から第7の断面562)間の第1の限界寸法580
の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。
【0146】
幾つかの実施形態では、複数の断面550、552、554、556、558、560
、562、564、566、568、570、及び572(例えば、2つ以上の断面、又
は3つ以上の断面)間の第1の限界寸法580の平均変動は、0.05mm以下である。
幾つかの実施形態では、複数の断面550、552、554、556、558、560、
562、564、566、568、570、及び572(例えば、2つ以上の断面、又は
3つ以上の断面)間の第1の限界寸法580の平均変動は、部分範囲を含む0.2mm~
0.01mmである。換言すれば、複数の断面間の第1の限界寸法580の平均変動は、
0.2mm、0.19mm、0.18mm、0.17mm、0.16mm、0.15mm
、0.14mm、0.13mm、0.12mm、0.11mm、0.1mm、0.09m
m、0.08mm、0.07mm、0.06mm、0.05mm、0.04mm、0.0
3mm、0.02mm、若しくは0.01mm、又は端点としてこれらの値のうちのいず
れか2つを有する任意の範囲内であってよい。
【0147】
幾つかの実施形態では、複数の断面間の第1の限界寸法580の平均変動は、0.2m
m未満、0.15mm未満、0.1mm未満、0.09mm未満、0.08mm未満、0
.07mm未満、0.06mm未満、0.05mm未満、0.04mm未満、0.03m
m未満、0.02mm未満、又は0.01mm未満であってよい。幾つかの実施形態では
、複数の断面間の第1の限界寸法580の平均変動は、0.5mm~0mm、0.15m
m~0mm、0.2mm~0mm、0.01mm~0.09mm、0.02mm~0.0
8mm、0.03mm~0.07mm、又は0.04mm~0.06mmの範囲内であっ
てよい。
【0148】
句「2つ以上の断面」は、特定の限界寸法範囲について記載されているが、本明細書に
記載されているすべての寸法範囲は、3つ以上の断面、4つ以上の断面、5つ以上の断面
、6つ以上の断面、7つ以上の断面、8つ以上の断面、9つ以上の断面、10個以上の断
面、11個以上の断面、12個以上の断面、20個以上の断面、40個以上の断面、50
個以上の断面、100個以上の断面、200個以上の断面、及び最大360個以上の断面
に適用され得ることも考えられることを理解されたい。分析される断面の数は、選択され
るβ及びθの値によって異なり得る。
【0149】
下の表1は、一実施形態によるゴルフクラブヘッドの第1の断面550から第5の断面
558に関する第1の限界寸法580の平均変動を示す。表1に表すゴルフクラブヘッド
について、Aは1.0mmに等しい。
【表1】
【0150】
表1では、それぞれの断面の変動(V)は、特定の断面の限界寸法(CD)と複数の限
界寸法の平均との間の差の絶対値に等しい。また、平均変動は、複数の断面に関する変動
の平均に等しい。
【0151】
表1では、それぞれの断面のCDは、複数の点にわたる平均CDが結果的に0.848
mmとなるように平均化される。したがって、それぞれのCDが0.848mm平均値か
ら差し引かれ、結果的に対応の変動Vになるように絶対値が使用される。それぞれの個体
変動Vはまた、「平均変動」変数に平均化され得る。表1は、平均変動値0.0624m
mを示す。
【0152】
例えば、
図5Bに示されているように、それぞれの断面はまた、接合壁454と、クラ
ウンインサート442の下部周縁部446との間のX-Y平面512に平行して測定され
る、第2の限界寸法582を有し得る。換言すれば、第2の限界寸法582は、接合壁4
54と、クラウンインサート442の下部周縁部446との間の接合間隙を測定する。幾
つかの実施形態では、第2の限界寸法582は、0mm超であってよい(例えば、クラウ
ンインサート442と接合壁454との間の接着剤480の存在による)が、第2の限界
寸法582は、特定の値以下であってもよい。幾つかの実施形態では、それぞれの断面の
第2の限界寸法582は、Bmm以下である。Bの値は、Aについて上述したように任意
の値であってよい。
【0153】
幾つかの実施形態では、複数の断面550、552、554、556、558、560
、562、564、566、568、570、及び572(例えば、2つ以上の断面、又
は3つ以上の断面)間の第2の限界寸法582の平均変動は、0.2mm、0.15mm
、又は0.1mm以下である。幾つかの実施形態では、すべての断面間の第2の限界寸法
582の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。幾つかの
実施形態では、クラブヘッド400の前側部分に位置する複数の又はすべての断面間の第
2の限界寸法582の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下であ
る。例えば、幾つかの実施形態では、複数の又はすべての断面550、552、554、
556、558(すなわち、第1の断面550から第5の断面558)間の第2の限界寸
法582の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。幾つか
の実施形態では、複数の又はすべての断面550、552、554、556、558、5
60、及び562(すなわち、第1の断面550から第7の断面562)間の第2の限界
寸法582の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。
【0154】
第2の限界寸法582間の平均変動の値は、第1の限界寸法580間の平均変動に関し
て上述したように、任意の値であってよい。また、第2の限界寸法582間の平均変動は
、第1の限界寸法580の平均変動と同じ方法で計算される。
【0155】
図5Bに例示されているように、それぞれの断面はまた、接合壁454と、クラウンイ
ンサート442の周壁444の中点447との間のX-Y平面512に平行して測定され
る、第3の限界寸法584を有し得る。換言すれば、第3の限界寸法584は、接合壁4
54と、クラウンインサート442の中点447との間の接合間隙を測定する。幾つかの
実施形態では、第3の限界寸法584は、0mm超であってよい(例えば、クラウンイン
サート442と接合壁454との間の接着剤480の存在による)が、第3の限界寸法5
84は、特定の値以下であってもよい。幾つかの実施形態では、それぞれの断面の第3の
限界寸法584は、Cmm以下である。Cの値は、Aについて上述したように任意の値で
あってよい。
【0156】
幾つかの実施形態では、複数の断面550、552、554、556、558、560
、562、564、566、568、570、及び572(例えば、2つ以上の断面、又
は3つ以上の断面)間の第3の限界寸法584の平均変動は、0.2mm、0.15mm
、又は0.1mm以下である。幾つかの実施形態では、すべての断面間の第3の限界寸法
584の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。幾つかの
実施形態では、クラブヘッド400の前側部分に位置する複数の又はすべての断面間の第
3の限界寸法584の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下であ
る。例えば、幾つかの実施形態では、複数の又はすべての断面550、552、554、
556、558(すなわち、第1の断面550から第5の断面558)間の第3の限界寸
法584の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。幾つか
の実施形態では、複数の又はすべての断面550、552、554、556、558、5
60、及び562(すなわち、第1の断面550から第7の断面562)間の第3の限界
寸法584の平均変動は、0.2mm、0.15mm、又は0.1mm以下である。
【0157】
第3の限界寸法584間の平均変動の値は、第1の限界寸法580間の平均変動に関し
て上述したように、任意の値であってよい。また、第3の限界寸法584間の平均変動は
、第1の限界寸法580の平均変動と同じ方法で計算される。
【0158】
図5A及び5Bは、ゴルフクラブヘッド400の中心に向かって角度付けされた周壁4
44及び接合壁454(すなわち、内側に角度付けされた壁)を示す。周壁444及び接
合壁454の角度は、例えば、10度であってよい。周壁444及び接合壁454の角度
は、周壁444と接合壁454との間の接合部の所望の形状によって異なり得る。様々な
非限定的周壁444及び接合壁454の構成が、
図6A~9Bに示されている。他の実施
形態では、
図5A~9Bは、ソール凹部に位置するソールインサートを有するゴルフクラ
ブヘッドの断面図を示す。換言すれば、
図5A~9Bに示される接合壁は、クラブヘッド
400のソール部分に形成される接合壁であってよく、
図5A~9Bに示されている棚部
はソール棚部であってよく、接合壁及び棚部は、底面パネル/インサート439のすべて
又は一部を受容するためのソール凹部領域を画定し得る。
【0159】
図6A及び6Bは、幾つかの実施形態により、外側に角度付けされた(すなわち、クラ
ブヘッド400のクラブフェース408に向かって角度付けされた)周壁444と、外側
に角度付けされた接合壁454と、を示す。
図6A及び6Bにおける周壁444及び接合
壁454の角度は、例えば、10度であってよい。
図7A及び7Bは、幾つかの実施形態
による、垂直に真っ直ぐな周壁444及び垂直に真っ直ぐな接合壁454を示す。
図8A
及び8Bは、幾つかの実施形態による、内側に角度付けされた周壁444及び外側に角度
付けされた接合壁454を示す。
図9A及び9Bは、外側に角度付けされた周壁444及
び内側に角度付けされた接合壁454を示す。
図8A~9Bにおける周壁444及び接合
壁454の内側角度及び外側角度は、例えば、10度であってよい。
【0160】
図10A~10Dは、幾つかの実施形態によるゴルフクラブヘッド1000を示す。ゴ
ルフクラブヘッド100/400と同様に、ゴルフクラブヘッド1000は、ヒール側1
002と、トゥ側1004と、クラブフェース1008及び打撃フェース1009を有す
る前側1006と、後側1010と、上面1016を有する上側1014(クラウンとも
呼ばれる)と、底面1020を有する底側1018(ソール又はソール部分とも呼ばれる
)と、ホーゼル1030と、ホーゼルインサート1032と、を含む。ホーゼルインサー
ト1032は、ホーゼルインサート158/432と同一又は類似であってよい。ゴルフ
クラブヘッド1000は、ゴルフクラブヘッド100について上述した寸法と同一又は類
似であり得る、幅寸法W、高さ寸法H、及び奥行き寸法Dを有し、ゴルフクラブヘッド1
00に関する上記の方法と同じ方法で測定され得る。
【0161】
クラブヘッド1000の上側1014(すなわち、クラウン)は、クラウン部分104
0及びクラウンインサート1042によって画定され得る。クラウン部分440及びクラ
ウンインサート442は、クラブヘッド400に関して本明細書で論じたクラウン部分1
040及びクラウンインサート1042と同一又は類似であってよい。
【0162】
クラブヘッド400と同様に、クラブヘッド1000は、クラウン棚部1050及び接
合壁1054によって画定されるクラウン凹部領域1058(
図10Bでは例示の目的で
影付きの灰色)を含み得る。クラウン棚部1050及び接合壁1054は、クラウン棚部
450及び接合壁454と同一又は類似であってよい。接着剤は、クラブヘッド400に
関して上述した方法と同じ方法で、クラウンインサート1042をクラウン棚部1050
及び/又は接合壁1054に接合するために使用され得る。更に、クラウンインサート1
042の周縁部(又は壁)と接合壁1054との間の限界寸法は、クラブヘッド400に
関して本明細書で述べた方法と同じ方法で確定され、測定され得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000には、ウェイトポート1060と
、ウェイトポート1060に位置する調節可能なウェイト部1062と、が提供されてよ
い。ウェイトポート1060及び調節可能なウェイト部1062は、クラブヘッド100
に関して本明細書で述べたウェイトポート180及び調節可能なウェイト部182と同一
又は類似であってよい。
【0164】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、クラブフェース1008に近
接したゴルフクラブヘッド1000の底側1018の前側部分にある、チャネル側壁10
72を有する陥凹したチャネル部分1070を含んでよい。チャネル部分1070内の締
結具開口部1074は、シャフト(例えば、クラブシャフト1104)をゴルフクラブヘ
ッド1000に装着するためにホーゼルインサート1032と係合させるための、並びに
/又は調節可能なロフト角、ライ角、及び/若しくはフェース角を可能にするための、例
えばネジなどの機械的締結具1076の挿入を可能にするために提供され得る。
【0165】
幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、1つ又は2つ以上の底面パネ
ル1080を含んでよい。幾つかの実施形態では、底面パネル1080は、複合材料を含
むパネルであってよい。底面パネル1080は、クラブヘッド400に関して本明細書で
述べた底面パネル439と同一又は類似であってよい。
【0166】
図11は、幾つかの実施形態によるゴルフクラブ1100を示す。ゴルフクラブ110
0は、クラブヘッド1102及びクラブシャフト1104を含む。クラブシャフト110
4は、ゴルフクラブヘッド1102のホーゼルに連結したグリップ端部1106及びクラ
ブヘッド端部1108を含む。グリップ端部1106は、グリップ1110を含んでよい
。ゴルフクラブヘッド1102は、本明細書で述べた任意のクラブヘッド(例えば、クラ
ブヘッド100、400、及び1000)と同一又は類似であってよい。幾つかの実施形
態では、ゴルフクラブ1100は、ゴルフクラブヘッド1102のロフト角、ライ角、又
はクラブフェース角の少なくとも1つを調節するように構成された、1つ又は2つ以上の
取り外し可能なシャフト機構を含んでよい。例えば、ゴルフクラブ1100は、ゴルフク
ラブヘッド1102のロフト角、ライ角、又はクラブフェース角の少なくとも1つを調節
するように構成された、調節可能なホーゼルインサートを含んでよい。幾つかの実施形態
では、ゴルフクラブヘッド1102は、ゴルフクラブヘッド1102に形成される陥凹チ
ャネル(複数可)内で摺動するように構成された、1つ又は2つ以上の移動可能ウェイト
を含んでよい。
【0167】
図12は、断面550、552、554、556、558、560、562、564、
566、568、570、及び572のいずれかに対応するゴルフクラブヘッドの断面図
を示す。
図12は、周壁1202、上部周縁部1204、及び下部周縁部1206を有す
るクラウンインサート1200を示す。
図12はまた、接合壁1222及びクラウン棚部
1228を有するクラウン部分1220を示す。
【0168】
図12に示すように、クラウンインサート1200及び/又は接合壁1222の縁部は
、幾つかの実施形態では実質的に円形の形状を有してよい。実質的に円形の形状は、クラ
ウン又はソールインサートの厚さの4分の1を超える角部半径として定義される。例えば
、半径0.25mmの角部を有する厚さ1mmのインサートは、実質的に円形の形状と見
なされ、それゆえ、以下に記載される外挿方法を使用する。上の定義に基づいた実質的に
円形の形状が存在しない場合、最上部の可視の縁部が、第1の限界寸法を測定するために
使用され、最下部の縁部が第2の限界寸法を測定するために使用される。
【0169】
かかる縁部が実質的に円形の形状を有する場合は、
図12に、上部周縁部1204、下
部周縁部1206、及び第1の限界点1224の位置を決定する方法が示されている。縁
部1204及び1206、並びに点1224は、クラウンインサート1200及び接合壁
1222が、直角に形成された縁部を有する箇所に位置する。換言すれば、クラウンイン
サート1200及び/又は接合壁1222の実質的に円形の縁部が、直角の縁部に外挿さ
れて、上部周縁部1204、下部周縁部1206、及び第1の限界点1224の位置が決
定される。上部周縁部1204、下部周縁部1206、及び第1の限界点1224の位置
を決定した後、第1の限界寸法1230及び第2の限界寸法1232が、第1の限界寸法
580及び第2の限界寸法582に関して記載されている方法と同じ方法で測定され得る
。
【0170】
上記の限界寸法(例えば、第1、第2、及び第3の限界寸法)及び測定値を決定するた
め、クラウンインサート(例えば、複合クラウンインサート)の断片と、対応する接合壁
及び構造と、が、2部エポキシを使用し、LECO製のスプリングクリップ、部品番号8
10-485と、1:1比のLECO粉液樹脂と、を保持することで、ゴルフクラブヘッ
ドから採取され、円筒形の成形型内でコールドマウント加工され得る。試料は、高解像度
表示のために研磨され得る。Keyence VHX-700 F Degital M
icroscopeなど、200X以上の能力を有する高解像度デジタル顕微鏡が選択さ
れるべきである。
【0171】
幾つかの実施形態では、クラウンインサート(例えば、クラウンインサート1200)
は、例えば、上層(例えば、上層1210)を含む複数の層を含んでよい。幾つかの実施
形態では、クラウンインサート又はソールインサート(例えば、クラウンインサート17
0、442、1042、又は1200)の個々の層は、個々の複合プライによって画定さ
れてよい。
【0172】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人にも可能
である、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更及び/又は適合させ、過度
の実験をすることなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、本発明の一般的な
性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適応及び修正は、本明細書
に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内に
あることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、本明細書の用語法又は表現法が
教示及び指針に照らして当業者によって解釈されるように、説明の目的のためであって限
定のためではないことを理解されたい。
【0173】
本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべ
きではないが、特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。