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特許7053575記録パラメータを提供するシステム及び方法
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  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図1A
  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図1B
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  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図2B
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  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図2D
  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図3
  • 特許-記録パラメータを提供するシステム及び方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】記録パラメータを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220405BHJP
   A61B 6/14 20060101ALI20220405BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20220405BHJP
   G01T 1/00 20060101ALI20220405BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220405BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61B6/00 320R
A61B6/14 300
A61B6/00 300T
G01T1/20 K
G01T1/00 B
G06K7/10 244
G06K7/14 008
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019507337
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017072839
(87)【国際公開番号】W WO2018046749
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】102016117051.8
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507063595
【氏名又は名称】デュール デンタル ソシエタス オイロペア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【氏名又は名称】伊坪 公一
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベーバー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント フィリップス
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-521238(JP,A)
【文献】特開2003-210446(JP,A)
【文献】特開2011-251119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G01T 1/00-1/16、1/167-7/12
G12K 4/00
G03B 42/00-42/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-メモリ箔(13)上にX線画像を記録するためのX線記録装置(12)及び
前記メモリ箔(13)のための読出し装置(14)、
を有する、システム(10)において、
前記メモリ箔(13)がデータ担体(16)を有し
前記X線記録装置(12)及び/又は前記読出し装置(14)が、X線記録に関する記録パラメータを前記データ担体(16)上に書き込み、かつ前記データ担体(16)上に記憶された情報を読み出すための、読み/書き装置を含むデータ装置(18、20)を有しており
前記データ装置(20)が、読出された情報を前記読出し装置(14)へ伝達するように整えられているので、X線画像を記録したときに使用された前記記録パラメータ前記読出し装置(14)による前記メモリ箔(13)の読出しのために、前記読出しの前に提供され
前記記録パラメータに適合するように、前記メモリ箔(13)の前記読出しが行われる、ことを特徴とするシステム(10)
【請求項2】
前記データ担体(16)が、前記メモリ箔(13)を一義的に識別する情報を記憶する、請求項1に記載のシステム(10)
【請求項3】
前記X線記録装置(12)が、前記記録パラメータを前記データ装置(18)へ伝達するように整えられている、請求項1に記載のシステム(10)
【請求項4】
前記記録パラメータが、電圧、電流強さ、露光時間、線量、線量面積積、絞り指数、患者についてのデータ及び/又は注文についてのデータを含んでいる、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム(10)
【請求項5】
前記データ担体(16)が、RFIDトランスポンダー(16)である、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム(10)
【請求項6】
前記メモリ箔(13)が、光学的に読み取り可能な標識を有しており
前記データ装置(20)が、前記光学的に読み取り可能な標識を、前記読出し装置(14)によって検出するように設計されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム(10)
【請求項7】
前記光学的に読み取り可能な標識が、バーコード又はQRコードである、請求項6に記載のシステム(10)
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム(10)用のメモリ箔(13)
【請求項9】
読出し装置(14)用の情報を提供する方法であって、以下のステップ:
X線記録装置(12)によってメモリ箔(13)の露光プロセスを実施し(S1)、
前記メモリ箔(13)に固定的に対応づけられたデータ担体(16)に、前記露光プロセスを特徴づける記録パラメータを書き込み(S2)、
前記データ担体(16)から前記記録パラメータを読出し(S3)
前記記録パラメータに適合するようにして、前記メモリ箔(13)を読み出す(S4)、
ステップを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ箔上にX線画像を記録するためのX線記録装置とメモリ箔用の読み出し装置とを有するシステムに関する。この種のシステムは、今日では、X線技術において、たとえば歯科医療において、X線画像を記録するために使用される。メモリ箔は、X線画像を記録するためにリン材料を有し、そのリン材料が透明なマトリクス内に埋め込まれている。それによってメモリセンターが生じ、そのメモリセンターは入射するX線光によって刺激されたメタステーブル状態へ移行することができる。たとえば患者の咬翼を記録するために、この種のメモリ箔をX線装置内で露光する場合に、メモリ箔は刺激されたメモリセンターと刺激されないメモリセンターの形式のX線潜像を得る。
【背景技術】
【0002】
メモリ箔を読み出すために、メモリ箔が読み取り装置、たとえばスキャン装置内で読み取り光によって点状に走査され、それによって刺激されたメモリセンターのメタステーブル状態が、蛍光を放出してリラックスする状態へ移行される。この蛍光が検出ユニットによって検出されるので、それに応じた評価エレクトロニクスによってX線画像が見えるようになる。
【0003】
医療においては、メモリ箔の一義的な追跡と対応づけがきわめて重要である。この目的のために、ここでは-多くの他のロジスティック領域においてもそうであるように-識別システムが使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、取り扱いが容易で信頼でき、かつコスト的に好ましい、読み取り装置用の情報を提供するシステムと方法を示すことである。
【0005】
さらに、メモリ箔の読み取りプロセスを効率的かつ正確に構成することが、興味をひく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立した請求項1に記載のシステムにより、他の独立した請求項に記載のメモリ箔により、かつ独立した方法請求項に記載の方法によって解決される。本発明の他の形態が、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係るシステムは、メモリ箔上にX線画像を記録するためのX線記録装置と、メモリ箔のための読出し装置とを有している。本発明によれば、メモリ箔はデータ担体を有している。さらにX線記録装置及び/又は読出し装置は、X線記録に関する記録パラメータをデータ担体上へ書き込むため、かつデータ担体上に記憶された情報を読み出すための書込み/読出し装置を備えたデータ装置を有しており、その場合に書込み/読出し装置は、読み出した情報を読み出し装置へ伝達するように整えられているので、読出し装置は、X線画像を記録する際に使用された記録パラメータをメモリ箔を読み出すために提供する。したがって本発明に係るシステムによって、メモリ箔によってX線画像を記録するために適切な情報をデータ担体から取り出すことが、可能である。その情報はたとえば、X線器具による記録のために使用される、記録パラメータとすることができる。さらに、読み出すべき情報を用いてメモリ箔の使用回数を検出することができ、それによってメモリ箔の推定上の摩耗を計算し、あるいは評価することができる。メモリ箔のための読出し装置に、たとえば読出しプロセスの前にすでに、データ担体上にある情報が提供され、かつメモリ箔の読出しは、たとえばすでに、X線画像を記録する際に使用される、記録パラメータに適合させておくことができる。記録パラメータの書込みがX線記録装置のデータ装置によって実施可能でることにより、特別な利点が生じる。これによって、少ないエラー率と場合によっては繊細なデータの充分な秘密保持のような、しかるべき利点をもって、メモリ箔上への書込みプロセスの充分な自動化が可能になる。
【0008】
システムの実施形態において、情報は、メモリ箔を一義的に識別する識別データであることができる。したがってデータ担体上に記憶されている情報を読み出すことによって、メモリ箔を一義的に識別することができる。これが、たとえば摩耗データの生成及び/又は検出のような、他のように検出されたデータをメモリ箔に関して結合することを可能にする。さらに、一義的な識別によって、たとえばそれと結合されたデータと他のように記憶されたメモリ箔のデータあるいはその上に記憶されたX線画像を結合することができる。また付加的に、データ担体上に記憶された、たとえば記録パラメータ、摩耗データなどのような情報を一義的な識別と結合することもできる。
【0009】
特に好ましい実施形態においては、データ装置は、X線記録に関する記録パラメータをデータ担体上に書き込むための書込み/読出し装置を有することができる。書込み/読出し装置によって、メモリ箔によるX線画像の記録を記録して、その際に使用される記録パラメータをメモリ箔に付属するデータ担体上へ記憶することが、可能である。同時に、あるいはその代わりに、データ担体上にある記録パラメータを書込み/読出し装置によって読み出すことができる。したがってメモリ箔と接続されたデータ担体のみを介して、中央の情報処理に関係なく情報伝達が可能である。これが一方で、メモリ箔上のX線画像の記録と結びついた記録パラメータの隙間なしの追跡を保証する。他方で、システムを常に中央でデータバンクなどに結合することを、省くことができる。
【0010】
さらに、X線記録装置は、記録パラメータを書込み/読出し装置へ伝達するように、整えることができる。したがってX記録において使用された記録パラメータは、直接データ担体上に記憶することができる。
【0011】
記録パラメータは、たとえば電圧、電流強さ、露光時間、線量、線量面積積、絞り指数、患者についてのデータ及び/又は注文についてのデータとすることができる。上述した記録パラメータのリストは、上述したパラメータとメモリ箔上にあるX線画像との結合を表し、したがって中央集中されたデータインフラ構造を前提とする必要なしに、X線記録の追跡を許す。
【0012】
特に好ましい実施形態において、データ担体はRFIDトランスポンダーである。したがって、書込み/読出し装置はRFID書込み/読出し装置とすることができる。RFIDベースの接続テクノロジーは、たとえば規格ISO/IEC18000-xに従って作動することができるが、この規格に限定されるものではない。
【0013】
本発明に係るメモリ箔は、この種のシステムように設計されており、特にX線画像を記憶するために、感光層を有しており、かつ、光保護ケース内で保管するように、設計されている。メモリ箔がデータ担体を有しており、そのデータ担体は、X線記録の記録パラメータを記憶して、読み出すために提供するように、設計されている。したがって上ですでに説明した利点が得られる。
【0014】
読出し装置のための情報を提供するための本発明に係る方法は、以下のステップを有している:X線記録装置によってメモリ箔の露光プロセスが実施されるので、メモリ箔上にX線画像が生じる。X線記録する際に使用される記録パラメータが、メモリ箔に固定的に対応づけられたデータ担体上に書き込まれる。データ担体が読み出される。データ担体の読出し結果を考慮しながら、メモリ箔が読み出される。露光前又は露光後に、メモリ箔のメモリ箔を特徴づける標識がデータ担体から読み出される。したがってX線記録する際に使用された記録パラメータが、データ担体上に記憶されて、たとえばメモリ箔を読み出す場合、あるいはメモリ箔上にあるX線画像を解釈する場合に読み出して、使用することができ、その場合に中央集中されたデータフローを行う必要はない。その場合にデータ担体に書き込むステップは、露光プロセスを特徴づける情報の記憶を含む。それはたとえば、すでに述べたように、X線記録する際の記録パラメータとすることができる。メモリ箔の読出しは、データ担体の読出し結果を考慮する。メモリ箔を読み出す場合に、たとえば、メモリ箔上にX線画像を露光した記録パラメータが考慮される場合には、場合によってはメモリ箔用の読出し条件を最適化することができる。その場合に、X線装置がデータ装置によって記録パラメータを直接メモリ箔のデータ担体内へ記憶することが、重要である。したがって手動の入力は不要であって、データ担体上に記憶された情報の正しさに関して高い程度の安全性が生じる。したがって意図的又は意図されない誤入力を回避することができる。同時に、たとえば手動の入力を行わなければならない場合に比較して、作業シーケンス全体が時間的に短縮され、かつ安全性に関して改良される。同時に離散的記憶の利点が提供される-データの迅速な可用性、中央のシステムへの面倒な結合がない、など。
【0015】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明に係るシステムの一部を示す図式的な表示である。
図1B】本発明に係るシステムの一部を示す図式的な表示である。
図2A】本発明に係るメモリ箔を示す図式的な表示である。
図2B】本発明に係る他のメモリ箔を示す図式的な表示である。
図2C】本発明に係る他のメモリ箔を示す図式的な表示である。
図2D】本発明に係る他のメモリ箔を示す図式的な表示である。
図3】読み取り装置の実施形態を示す図式的な表示である。
図4】本発明に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1Aと1Bには、情報を提供するシステム10が示されている。システム10は、たとえば歯科医療において使用されるように、メモリ箔13にX線画像を露光するためのX線記録装置12(図1A)と、メモリ箔13上にあるX線画像を読み出すための読み出し装置14とを有している。X線画像を記録するためにメモリ箔13は、通常、患者の口腔内の適切な箇所に、図示されない保持装置によって配置されて、X線記録装置12を介して露光される。露光のために、X線記録装置12においてそれぞれの記録状況に適した記録パラメータが調節される。これらの記録パラメータは、たとえば電圧、電流強さ、露光時間、線量、線量面積積及び/又は絞り指数を含み、そのようにして記録条件を定める。記録パラメータには、患者固有あるいは注文固有の情報も含まれる。
【0018】
メモリ箔13は、本来のX線感受性の構造の他にRFIDトランスポンダー16を有している。RFIDトランスポンダー16は、たとえば、通常設けられている光を通さない保護ケースに、あるいはその中に配置することができる。RFIDトランスポンダー16は、X線記録装置12に設けられた書込み/読出し装置18及び読み出し装置14に設けられた読み取り器具20と協働する。
【0019】
X線記録装置に設けられた書込み/読出し装置18は、記録パラメータの一部又はすべてをRFIDトランスポンダー13上へ書き込むように、設計されている。そのためにたとえば、露光プロセス前に調節された目標値及び/又は露光プロセス中又はその後に検出された測定値を、記録パラメータとして検出して、RFIDトランスポンダーに16上へ書き込むことができる。付加的に、書込み/読出し装置18は、RFIDトランスポンダー上にある情報を読み出すこともできる。たとえばメモリ箔13上にX線記録を準備する際にすでに、たとえば患者、注文、X線システム及び/又はシステム全体に関する情報又は類似の情報をRFIDトランスポンダー16上に格納することができ、それらをその後X線記録装置12によって読み出して、場合によってはメモリ箔13の露光プロセスのコンフィグレーション内に入力することができる。
【0020】
RFIDトランスポンダー13上に書込み/読出し装置18を用いてX線記録装置12による情報を書き込むことは、実際に使用された記録パラメータの書込み及び/又は測定された測定値の書込みも含むことができる。書込みは、操作プロセスに関係なく、記録プロセスの最後に自動的に行うことができる。
【0021】
露光が行われた後には、メモリ箔13上にあるX線画像を読み出さなければならない。そのために、システム10の図示される実施形態において、読出し装置14が設けられている。読出し装置14は、たとえばスキャン装置とすることができ、そのスキャン装置は案内されるレーザービームを用いてメモリ箔マトリクス内のメタステーブル状態を能動化し、そのようにしてX線画像の読出しを可能にする。RFIDトランスポンダー16内に設けられた記録パラメータは、読出し装置14に設けられた読取り器具20によって、たとえばメモリ箔13の読出しプロセス前にすでに読み出して、場合によっては読出し/スキャンプロセスのために使用することができる。記録パラメータの認識は、場合によっては読出しプロセスの調節を容易にすることができる。
【0022】
読出し装置14に設けられた読出し器具20は、書込み/読出し装置18と同様に書込み/読出し装置として形成することができる。すなわちメモリ箔13の読出し後に、まだRFIDトランスポンダー16上にある情報を再び消去することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、読取り結果の一部又は全部を再びRFIDトランスポンダー上に書き込んで、それによって記憶させることができる。メモリ箔13がすでに読み出されていることを指摘するメモを、RFIDトランスポンダー16上に残すこともできる。
【0023】
図2A-Dは、メモリ箔30の実施形態を示している。メモリ箔30は、図2Aに示すように、それを取り扱う間保護ケース32内に挿入されている。保護ケース32は、敏感なメモリ箔30をひっかきや折れ曲がりから保護するために、機械的な保護として用いられる。同時に保護ケース32は、メモリ箔30を望ましくない光入射から保護し、その光入射はメモリ箔30上にあるメモリ潜像を破壊し、あるいは未露光のメモリ箔を望ましくないやり方で露光してしまうものである。読み出すために、メモリ箔30は保護された環境にある保護ケースから取り出され、読出し光によって点状又は行状に走査され、それによって刺激されたメモリセンターのX線画像を記憶するメタステーブル状態が弛緩して、蛍光を放出する。
【0024】
図3は、このようなメモリ箔30を読み出すためのスキャン装置100を示しており、そのメモリ箔はX線放射によって刺激されたメタステーブルのメモリセンターの形式でX線潜像を支持している。
【0025】
スキャン装置100は、メモリ箔30のための支持装置114を有している。たとえば、メモリ泊30は支持装置114上に負圧で、一般的にフレキシブルなメモリ箔30が支持面114上に平坦に密着するように、固定することができる。
【0026】
スキャン装置100は、さらに読出し光源としてレーザー116を有しており、そのレーザーは赤内にある波長を有する読出し光ビームを発生させ、それによってメモリ箔30のメタステーブルのメモリセンターを刺激して発光させることができる。この蛍光120は、典型的に青である。
【0027】
スキャン装置100のこの実施形態においてレーザー116は、読出し光ビーム118を制御可能な偏向ユニットへ向けるように、配置されている。制御可能な偏向ユニットは、ここではミラー122として形成されている。しかしまた、たとえば光学系又は同種のもののような、ミラー以外の他の偏向ユニットも考えられる。ミラー122は、マイクロミラーとして、特にMEMSコンポーネントとして形成することができ、それによってミラー122と支持装置114の間の相対運動なし、あるいはわずかな相対運動をもって、メモリ箔30の面の走査を可能にする。代替的にミラー122は、ドラムスキャナのための従来の回転するミラーとして設けることもできる。この場合においては、支持装置114とミラー122の間の相対運動は、移送装置(図示せず)によって実現される。
【0028】
スキャン装置100は、さらに、図において破線で示唆されるリフレクタ124を有しており、そのリフレクタがメモリ箔30を取り巻く測定室全体を光が入らないように包囲しているので、メモリ箔30から放出される蛍光120が光検出器126へ反射される。散乱した読出し光118が光検出器126内へ達することを阻止するために、ダイクロイックフィルタ部材のような、適切な措置を設けることができる。
【0029】
読出しプロセスを制御するために、スキャン装置100は制御装置128を有しており、その制御装置は制御機能の他に評価あるいは補正機能も引き受けることができる。制御ユニット128自体又は評価及び/又は補正機能は、別のコンピュータ上に実装することもできる。制御ユニット128は、導線130によって支持装置114、検出器126、レーザー116及びミラー122と接続されている。
【0030】
読み出すために、制御ユニット128はレーザー116とミラー112を駆動して、メモリ箔30を読出し光ビーム118によってシーケンシャルに点状に走査する。その場合に放出される蛍光120の強度が光検出器126によって検出されて、制御ユニット128内で出力するために編集される。
【0031】
図2B-Dには、メモリ箔30の3つの異なる実施形態が示されている。図2Bに示すメモリ箔30は、その上エッジにバーコード構造34を有しており、そのバーコード構造が走査行の方向35において実質的にメモリ箔30の幅全体に広がっている。バーコード構造34は次のように、すなわちたとえばスキャン装置100によってメモリ箔を読み出す場合に、読出し光ビーム118の走査方向において読取り光ビーム118のための増大された反射性を有する領域36と、より小さい反射性を有する、たとえばノーマルな反射性を有する領域38とを有するように、形成されている。増大された反射性を有する領域36は、たとえば散乱領域として作用することができる。したがってメモリ箔を走査する場合に、たとえばノーマルな読取りプロセスの前に、行状に走査する場合にバーコード構造34から生じた散乱光を検出することができる。このプロセスにおいては高い場所解像度は重要ではないので、散乱光はたとえば単純なフォトダイオード(図示せず)によって検出することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、場合によっては、必要とされる感度が低い場合に、もともと設けられている光検出器1126がこの課題を引き受けることもできる。
【0032】
図2Cと2Dは、変形例を示している。図2Bのバーコード構造とは異なり、このバーコード構造40は走査方向35においてメモリ箔30の表面の一部のみを覆っている。図2Dに示す変形例においては、バーコード構造42は行状の走査方向35に対して垂直に延びており、したがって各走査行の始端において生じる散乱光の検出が必要である。
【0033】
図4は、読出しプロセスのための情報を提供する方法を記述している。方法は、以下のステップを有している:
【0034】
メモリ箔が、X線装置によって露光される(S1)。露光プロセスにおいて、X線画像がメモリ箔内に潜在的に形成される。
【0035】
メモリ箔に堅固に対応づけられたRFIDトランスポンダーに、露光プロセスの記録パラメータが書き込まれる(S2)。RFIDトランスポンダー上に調節すべき目標値のみが格納される場合には、書込みのプロセス(S2)は、露光のステップ(S1)の前に行うことができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、書込みのプロセス(S2)は、露光プロセス(S1)の間、あるいはその後に行うことができ、かつその代わりに、あるいはそれに加えて、露光プロセス(S1)の間に検出された測定値をRFIDトランスポンダー上に記憶することができる。RFIDトランスポンダーに書き込むために、メモリ箔はX線装置内に残すことができ、あるいはX線装置からすでに取り出しておくこともできる。
【0036】
RFIDトランスポンダー上にある記録パラメータが読み出される(S3)。メモリ箔は、露光プロセス(S1)が終了し、かつRFIDトランスポンダーの書込みの後に読出し装置へ移動されて、そこで記録パラメータが読み出される。
【0037】
メモリ箔上にあるX線画像が適切な読出し装置によって読み出される(S4)。読出し装置は、たとえばスキャン装置とすることができ、そのスキャン装置がレーザーによってX線潜像を能動化させて、それによって読出しを可能にする。記録パラメータの読出し(S3)とメモリ箔の読出し(S4)のステップは、互いに独立して行うことができる。記録パラメータからメモリ箔を読み出すための適切な調節を推定することができるようにするために、メモリ箔の読出し(S4)の前に記録パラメータをRFIDトランスポンダーから読み出す(S3)ことができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4