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特許7053612送気によるクリーニング装置を備えた粉末ベースの付加製造設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】送気によるクリーニング装置を備えた粉末ベースの付加製造設備
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/28 20210101AFI20220405BHJP
   B29C 64/35 20170101ALI20220405BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20220405BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220405BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220405BHJP
   B29C 64/343 20170101ALI20220405BHJP
   B29C 64/218 20170101ALI20220405BHJP
   B22F 12/50 20210101ALI20220405BHJP
   B22F 12/60 20210101ALI20220405BHJP
   B22F 12/70 20210101ALI20220405BHJP
【FI】
B22F10/28
B29C64/35
B29C64/153
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/343
B29C64/218
B22F12/50
B22F12/60
B22F12/70
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019525879
(86)(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 FR2017053049
(87)【国際公開番号】W WO2018087474
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1661003
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ジェ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】トルレス-カステジャノ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ローワーズ オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】シャナール ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】トレエ アレクシス
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-055462(JP,A)
【文献】特開2016-006214(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014010929(DE,A1)
【文献】国際公開第2016/177516(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014214943(DE,A1)
【文献】特表2015-527942(JP,A)
【文献】特開2016-147374(JP,A)
【文献】特開2016-055625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0000553(US,A1)
【文献】中国実用新案第205128921(CN,U)
【文献】国際公開第2016/135975(WO,A1)
【文献】特開2002-205338(JP,A)
【文献】特開2002-205339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-8/00
C22C 1/04-1/05、33/02
B29C 64/00-64/40,
67/00-67/08,
69/00-69/02,
73/00-73/34,
B29D 1/00-7/01,
11/00-29/10,
33/00,99/00
B33Y 10/00,30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開始領域(A)と終了領域(B)とを結ぶ経路に沿って移動可能な粉末積層装置(14)を含む、粉末ベースの付加製造設備(10)であって、
前記積層装置(14)が、開始領域(A)と終了領域(B)との間に位置する粉末堆積領域(D)に粉末を堆積させるための粉末堆積手段(18)を含む製造設備において、
前記積層装置(14)の前記経路上に位置するクリーニング装置(40)をさらに含み、前記クリーニング装置(40)が、前記粉末堆積手段(18)の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された送気装置(42)を備え
前記クリーニング装置(40)は、前記開始領域(A)から前記終了領域(B)への方向の経路に対して粉末堆積領域(P)の上流に位置している、
ことを特徴とする製造設備。
【請求項2】
前記クリーニング装置(42)が、粉末吸引装置(56)であって、粉末吸引装置(56)により吸い込まれた前記粉末を、粉末堆積領域(P)から分離された塵埃除去領域(D1)と称する前記設備の領域へと排出するための粉末吸引装置(56)を備えている、
請求項1に記載の製造設備(10)。
【請求項3】
前記クリーニング装置(40)が、前記粉末堆積手段(18)の少なくとも1つの表面に前記ガス流が吹き付けられるクリーニング領域(N)を前記粉末堆積領域(D)から粉末密閉式に分離する密閉手段(50)を備えている、
請求項1または2に記載の製造設備(10)。
【請求項4】
前記密閉手段(50)が、前記積層装置(14)の通過に伴いたわみ得る毛(54)を備えたブラシ(52)を備えている、
請求項3に記載の製造設備(10)。
【請求項5】
前記密閉手段(50)が2つのブラシ(52)を含み、前記クリーニング領域(N)が前記2つのブラシ(52)により画定され、前記送気装置(42)が前記2つのブラシ(52)の間に位置する、
請求項に記載の製造設備(10)。
【請求項6】
前記ブラシ(52)の前記毛(54)が、当接する前記粉末堆積手段(18)の表面に対し垂直方向に延びている、
請求項4または5に記載の製造設備(10)。
【請求項7】
前記送気装置(42)が、所定の配向方向(O)への前記ガス流の配向手段を備えている、
請求項1ないしのいずれか1項に記載の製造設備(10)。
【請求項8】
前記送気装置(42)が、整列して前記所定の配向方向(O)に向いた複数の開口部(48)を備えた送気ノズル(46)を備えている、
請求項に記載の製造設備(10)。
【請求項9】
前記積層装置(14)が、前記粉末堆積手段(18)が位置する空間を画定するケーシング(30)を含み、前記所定の配向方向(O)が、前記積層装置(14)の前記経路において、前記粉末堆積手段(18)に面した前記ケーシング(30)の表面(34)に前記ガス流が達するように構成されている、
請求項またはに記載の製造設備(10)。
【請求項10】
前記粉末堆積手段(18)が、粉末一定量用の凹部(24)を少なくとも1つ備えた回転式定量供給シリンダ(22)を含み、前記所定の配向方向(O)が、前記積層装置(14)の前記経路において、前記ガス流が前記定量供給シリンダ(22)の表面に達するように構成されている、
請求項ないしのいずれか1項に記載の製造設備(10)。
【請求項11】
前記積層装置(14)が、粉末ならし手段(35)をさらに含み、前記所定の配向方向(O)が、前記積層装置(14)の前記経路において、前記粉末ならし手段(35)の表面に前記ガス流が達するように構成されている、
請求項ないし10のいずれか1項に記載の製造設備(10)。
【請求項12】
粉末ベースの付加製造設備(10)の構成要素をクリーニングするステップを含む、前記製造設備(10)を用いた粉末ベースの付加製造方法であって、
前記製造設備(10)が請求項1ないし11までのいずれか1項に記載されるものであること、および前記クリーニングするステップにおいて、前記積層装置(14)は、前記クリーニング装置(40)が位置するクリーニング経路に沿うようになっており、前記クリーニング経路は往復経路である、
ことを特徴とする製造方法。
【請求項13】
製造設備(10)を用いた、請求項12に記載の製造方法であって、
前記製造設備(10)は、開始領域(A)と終了領域(B)とを結ぶ経路に沿って移動可能な粉末積層装置(14)を含み、
前記積層装置(14)が、開始領域(A)と終了領域(B)との間に位置する粉末堆積領域(D)に粉末を堆積させるための粉末堆積手段(18)を含む製造設備において、
前記積層装置(14)の前記経路上に位置するクリーニング装置(40)をさらに含み、前記クリーニング装置(40)が、前記粉末堆積手段(18)の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された送気装置(42)を備え、
前記クリーニング装置(40)は、前記開始領域(A)から前記終了領域(B)への方向の経路に対して粉末堆積領域(P)の上流に位置しており、
前記クリーニング装置(42)が、粉末吸引装置(56)であって、粉末吸引装置(56)により吸い込まれた前記粉末を、粉末堆積領域(P)から分離された塵埃除去領域(D1)と称する前記設備の領域へと排出するための粉末吸引装置(56)を備え、前記吸引装置(56)が、前記クリーニングするステップの間中、その吸引機能を働かせる、 請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
製造設備(10)のための請求項13に記載のクリーニング方法であって、
前記製造設備(10)は、開始領域(A)と終了領域(B)とを結ぶ経路に沿って移動可能な粉末積層装置(14)を含む、粉末ベースの付加製造設備(10)であって、
前記積層装置(14)が、開始領域(A)と終了領域(B)との間に位置する粉末堆積領域(D)に粉末を堆積させるための粉末堆積手段(18)を含む製造設備において、
前記積層装置(14)の前記経路上に位置するクリーニング装置(40)をさらに含み、前記クリーニング装置(40)が、前記粉末堆積手段(18)の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された送気装置(42)を備え、
前記クリーニング装置(40)は、前記開始領域(A)から前記終了領域(B)への方向の経路に対して粉末堆積領域(P)の上流に位置しており、
前記送気装置(42)が、所定の配向方向(O)への前記ガス流の配向手段を備え、
前記積層装置(14)が、粉末ならし手段(35)をさらに含み、前記所定の配向方向(O)が、前記積層装置(14)の前記経路において、前記粉末ならし手段(35)の表面に前記ガス流が達するように構成されており、
前記ならし手段(35)は、ならし用シリンダ(36)であり、前記クリーニングするステップの間、前記ならし用シリンダ(36)を回転させる、クリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末ベースの部品の付加製造分野に関する。
本発明は、より詳細には、粉末ベースの部品の付加製造設備と、このような設備の積層装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末ベースの部品の付加製造設備は通常、粉末積層装置を含み、この粉末積層装置は、開始領域と終了領域とを結ぶ経路に沿って移動可能であり、開始領域と終了領域との間に位置する粉末堆積領域上に粉末を堆積可能な粉末堆積手段を備える。これらの粉末堆積手段は、例えばホッパ、取り外し可能ハッチ付コンパートメント、または一定量の粉末を収容する凹部を備えた定量供給シリンダを含む。
【0003】
堆積領域上に堆積された後、粉末は多くの場合、積層装置の一部をなすことがあるならし手段(moyens de lissage)を用いて層状にされ、このならし手段は、好適には、ならし用シリンダ(cylindre lisseur)を含む。次いで、粉末は、専用の装置により焼結または溶融される。これらの作業は、部品の形成に必要な回数だけ繰り返される。
【0004】
粉末ベースの付加製造設備の中で使用される粉末は飛び散りやすく粘着性もあるため、粉末が、粉末堆積の各サイクルの間、積層装置の様々な場所に溜まって固まる傾向が見られる。特に、定量供給シリンダとそのケーシングとの間のアクセスしにくい隙間領域など、粉末堆積手段の一部表面上に粉末が溜まって塊を形成することが確認されている。
【0005】
ところで、こうして形成された塊は、積層装置が粉末堆積領域を通過する時に、この堆積領域に落下することがある。その結果、溶融される粉末層が所望の厚さと異なる厚さになり、したがって、製造する部品の品質が低下することになる。
【0006】
粉末の粒度や各堆積層に求められる厚さによっては、こうした塊の存在により生じた誤差もある程度は許容される。例えば層の厚さが約10マイクロメートルの場合にはこの誤差による影響が極めて大きく、結果として部品の製造を中断し、これを廃棄処分せざるを得なくなることもある。
【0007】
文献FR2984191は粉末ベースの付加製造装置を紹介している。しかし、この文献には、粉末堆積領域における粉末塊の存在を回避するための手段が全く記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明の目的は、粉末ベースの付加製造設備の積層装置における粉末塊の形成を抑えること、または少なくとも粉末塊が粉末堆積領域内に存在するリスクを抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明は、開始領域と終了領域とを結ぶ経路に沿って移動可能な粉末積層装置を含む、粉末ベースの付加製造設備に関し、
積層装置が、開始領域と終了領域との間に位置する粉末堆積領域に粉末を堆積させるための粉末堆積手段を含み、
この設備が、積層装置の経路上に位置するクリーニング装置をさらに含み、このクリーニング装置が、粉末堆積手段の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された送気装置を含むことを特徴とする。
【0010】
クリーニング装置が堆積装置の経路上に存在することで、粉末堆積の各サイクル時に粉末が溜まる傾向にある積層装置の領域から粉末の大部分を取り去ることができる。事実、送気装置により吹き付けられたガス流は、ケーシングと粉末堆積手段との間のアクセスしにくい隙間領域に届いてそこから塊を取り除くことができ、この塊が粉末堆積領域に到達する前にこれらを排出できるようになる。
【0011】
こうして粉末塊の形成を大幅に減らし、これにより粉末塊が粉末堆積領域内に存在するリスクを抑える。
【0012】
有利には、粉末堆積領域に到達する前に塊を排出するために、クリーニング装置は粉末吸引装置を含み、この吸引装置により吸い込まれた粉末を、粉末堆積領域から分離された塵埃除去領域と称する設備の領域へと排出する。
【0013】
好適には、送気装置により取り除かれた粉末が粉末堆積領域に到達することを回避するため、クリーニング装置は、粉末堆積手段の少なくとも1つの表面にガス流が吹き付けられるクリーニング領域を粉末堆積領域から粉末密閉式に分離する密閉手段を含む。
【0014】
本発明の特定の実施形態によると、密閉手段は、積層装置の通過に伴いたわみ得る毛を備えたブラシを含む。
【0015】
有利には、クリーニング領域を粉末堆積領域から確実に分離するため、密閉手段は2つのブラシを含み、クリーニング領域が2つのブラシにより画定され、送気装置が2つのブラシの間に位置する。
【0016】
本発明の特定の実施形態によると、ブラシの毛は、当接する粉末堆積手段の表面に対し垂直方向に延びる。
【0017】
本発明の特定の実施形態によると、クリーニング装置は、開始領域から終了領域に向かう経路を考慮すると、粉末堆積領域の上流部に位置する。
【0018】
本発明の特定の実施形態によると、送気装置は、所定の配向方向へのガス流の配向手段を含む。
【0019】
本発明の特定の実施形態によると、送気装置は、整列して所定の配向方向に向いた複数の開口部を備えた送気ノズルを含む。
【0020】
好適には、積層装置は、粉末堆積手段が位置する空間を画定するケーシングを含み、所定の配向方向は、積層装置の経路において、ガス流が粉末堆積手段に面したケーシングの表面にようになっている。
【0021】
本発明の特定の実施形態によると、粉末堆積手段は、粉末一定量用の凹部を少なくとも1つ備えた回転式定量供給シリンダを含み、所定の配向方向は、積層装置の経路において、ガス流が定量供給シリンダの表面に達するようになっている。
【0022】
有利には、積層装置は、例えばならし用シリンダなどの粉末ならし手段をさらに含み、所定の配向方向は、積層装置の経路において、ガス流が例えばならし用シリンダ表面などの粉末ならし手段の表面に達するようになっている。
【0023】
本発明は、粉末ベースの付加製造設備の構成要素をクリーニングするステップを含む、この製造設備を用いた粉末ベースの付加製造方法にも関し、
【0024】
製造設備が本発明によるものであること、およびクリーニングするステップの間、クリーニング装置が位置するクリーニング行程(trajet)を積層装置に実施させ、クリーニング行程は往復で実施される
ことを特徴とする。
【0025】
事実、効果的なクリーニングのためには、クリーニング装置が、例えば往復行程において、積層装置を複数回クリーニングすることが好ましい。
【0026】
有利には、吸引装置はクリーニングするステップが継続する間中、その吸引機能を働かせる。
【0027】
定量供給シリンダのクリーニングを改善するため、クリーニングするステップの間、ならし用シリンダを回転させる。
【0028】
本発明は、限定的なものではなく例として示した、この後に続く添付図面の説明を読めば、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態による粉末ベースの付加製造設備の断面斜視図である。
図2図1のIIの詳細図である。
図3】積層装置が第1のクリーニング領域内に位置する、図1と同様の図である。
図4図3のIVの詳細斜視図である。
図5図1の設備のクリーニング装置のクリーニングサイクルを表わすヒストグラムである。
図6】積層装置が第2のクリーニング領域内に位置する、図1と同様の図である。
図7図6のVIIの詳細図である。
図8】特許請求されていない第2の実施形態による粉末ベースの付加製造設備の断面斜視図である。
図9図8のIXの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に示すのは、本発明の第1の実施形態による粉末ベースの付加製造設備10である。
この設備10は実質的に平らなプレート12を含み、プレート12の開始領域Aとプレート12の終了領域Bとを結ぶ経路に沿って、このプレート上を積層装置14が移動可能である(分かりやすくするために、積層装置の移動と案内を可能とする装置は図示していない)。より具体的には、各図に示す各実施形態において、積層装置14は軸Xに沿って並進運動しながら移動する。
【0031】
開始領域Aと終了領域Bとを結ぶ経路において、積層装置は、終了領域Bと開始領域Aとの間に位置し積層装置14から供給される一定量の粉末を受けるよう意図された、プレート12の粉末堆積領域P(作業領域とも称する)の上を通過する。次いでこの一定量の粉末は、例えば、図示していないレーザー光線などのエネルギー光線を用いた専用手段により、溶融または焼結される。
【0032】
実質的に長方形の堆積領域Pは4辺を有し(断面の関係上、図1には3辺のみが示されている)、これを灰受けとも称する回収タンク16が取り囲む。付加製造に使用されなかった粉末の余剰分があれば、この余剰分はヘラや、例えば後述のならし用ローラーなどのローラーを用いた専用装置によりタンクの方に押され、回収タンク16により回収される。
積層装置14は、粉末堆積領域上に一定量の粉末を堆積させるための粉末堆積手段18を含む。
【0033】
図1図7に示す本発明による第1の実施形態において、粉末堆積手段18は、ホッパ20を含むストック手段と、粉末一定量用の凹部24を備えた回転式定量供給シリンダ22を含む粉末定量供給手段とを含む。
【0034】
こうしてホッパ20にストックされた粉末は、重力によりホッパの開口部26を通り、一定量用の凹部24へと移される。次いで積層装置14が堆積領域Pの上に移動すると、定量供給シリンダ22が回転し、その後、一定量用の凹部24内に収容されていた一定量の粉末が重力により堆積領域Pに堆積される。
【0035】
本発明のこの第1の実施形態において、定量供給シリンダ22は、こうして供給された一定量の粉末が、定量供給シリンダ22の回転時に定量供給シリンダ22により圧縮されないようにする平面部分28をさらに含む。
【0036】
粉末堆積手段18は、ケーシング30により画定された空間内に位置する。ケーシング30は、このためにホッパ20を積層装置14の残りの部分から分離し粉末ストック空間を画定する第1の側壁32を含む。ケーシングは、定量供給シリンダ22を内部に含む空間を画定する第2の側壁34も含む。
【0037】
積層装置は、粉末堆積手段18により供給された一定量の粉末のならし手段35をさらに含む。本発明のこの第1の実施形態においては、ならし手段がならし用シリンダ36を含む。
【0038】
ならし用シリンダ36の機能は、積層装置の前進時に堆積領域P上を通過しながら、粉末堆積手段18により堆積された一定量の粉末を広げてならすことである。
【0039】
ならし用シリンダ36は、固定式または回転式とすることができる。ここに示すならし用シリンダ36は回転式で、その回転方向は、積層装置14の移動によるならし用シリンダ36の前進方向とは逆になる。
【0040】
したがって、図1の配向を考慮すると、積層装置14は(図右の開始領域から図左の終了領域に向かって)矢印Fの方向へ移動するとき、ならし用シリンダ36は時計回りに回転する。
【0041】
粉末ベースの付加製造設備の中で使用される粉末は飛び散りやすく粘着性もあるため、粉末堆積の各サイクルの間、粉末が積層装置14の様々な場所に溜まって固まる傾向が見られる。
【0042】
特に、積層装置14の粉末堆積手段18とケーシング30との間に位置する隙間に粉末が溜まって塊38を形成することが確認されている。とりわけ図2に、第2の側壁34と定量供給シリンダ22との間に塊38が形成されることを示した。
【0043】
これを解決するため、設備10は、経路が開始領域Aから終了領域Bに向かうことを想定すると、積層領域P上流部の積層装置14の経路上に位置する第1のクリーニング装置40を含む。
【0044】
第1のクリーニング装置40は、粉末堆積手段18の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された、とりわけ図3および図4に示す第1の送気装置42を含む。ここに示す送気装置により吹き付けられるガスは堆積領域P周辺の気体、ここでは二窒素、であるが、アルゴン、水素またはその他の中性ガスとすることもできる。
【0045】
第1の送気装置42は、所定の配向方向へのガス流の配向手段44を含む。より具体的には、配向手段は、所定の配向方向に向いて平行に一列に並ぶ複数の開口部48を備えた送気ノズル46を含む。
【0046】
所定の配向方向は、積層装置14の経路において、粉末堆積手段18に面したケーシング30表面にガス流が達するよう選択される。
【0047】
好適には、所定の配向方向は、積層装置14の経路において、ガス流が定量供給シリンダ22表面、およびならし用シリンダ36表面などの粉末ならし手段35表面に達するようにもなっている。
【0048】
以上のように図1~7に示す第1の実施形態において、所定の配向方向は、プレート12の面に垂直方向で、積層装置14の方を向くように選択される。すなわちこの配向方向は、積層装置14の並進軸Xに垂直で、重力が働く方向とは逆向きになる。
【0049】
図4上で矢印Oによって示されるこのような配向方向を選択することにより、開口部48から出るガス流Fを、定量供給シリンダ22に面して位置するケーシング30の第2の側壁34表面へと向けることができる。
【0050】
開口部48は、好適には積層装置14の並進軸Xと配向方向Oとに対し垂直方向に一列に並ぶ。こうして開口部48から出るガス流Fは、ケーシング30の第2の側壁34の長手方向の全体またはほぼ全体にわたり、定量供給シリンダ22の表面に達する。
【0051】
この選択により、積層装置14の経路において定量供給シリンダ22とならし用シリンダ36の表面にも達することが可能となる。
【0052】
より具体的には、図4に見られるとおり、ガス流Fが達することが可能な距離とこのガス流Fの速度を調節し、第2の側壁34と定量供給シリンダ22との間に位置する粉末塊38を取り除くようにする。
【0053】
クリーニング装置40は、粉末堆積手段18の少なくとも1つの表面にガス流が吹き付けられる第1のクリーニング領域N1を粉末堆積領域Pから粉末密閉式に分離する密閉手段50を含むこともできる。
【0054】
好適には、この密閉手段50は、積層装置14の通過に伴いたわみ得る毛54を備えたブラシ52を少なくとも1つ含む。ブラシ52は、第1の送気装置42がその内部に位置する第1のクリーニング領域N1を、粉末堆積領域Pから分離することができる。
【0055】
より具体的には、図3に見られるとおり、ブラシの毛52の長さは、積層装置14が第1のクリーニング領域N1内を通過する時に、クリーニング領域N1と粉末堆積領域Pとの間を密閉するように選択される。このために、ブラシ52の毛54は、当接する粉末堆積手段18の表面に対し垂直方向に延びる。このように、毛はガス流の配向方向Oと同じ向きに延びている。
【0056】
さらにブラシの毛52は、送気ノズル46が定量供給シリンダ22と直角をなして(au droit)位置する時に、ケーシング30の第2の側壁34の1つに触れることでその密閉機能を果たすのに十分な長さを有している。
【0057】
このために、積層装置14が第1のクリーニング領域N1内を通過する時、毛54と、定量供給シリンダ22および/またはならし用シリンダ36の表面とがさらに当接することになる。こうして、ブラシ52は密閉機能を果たすことに加え、積層装置14が通過する時、定量供給シリンダ22および/またはならし用シリンダ36の表面のブラッシング機能を果たすことができる。これにより、これら定量供給シリンダ22およびならし用シリンダ36の表面に溜まる可能性のあった粉末塊を取り除くことができる。
【0058】
図1図7に示す実施形態において、密閉手段50は、クリーニング領域N1と第1の送気装置42の下流部に位置するブラシ52を1つだけ含む。ただし図示していない変形形態において、密閉手段50は2つのブラシ52を含み、クリーニング領域はこれら2つのブラシ52で画定され、送気装置42は2つのブラシ52の間に位置する。この場合、第2のブラシ52は、好適には第1のブラシと同一で、開口部42の並び方向に対し左右対称に(すなわち、送気ノズル46に対し左右対称に)配される。
【0059】
有利には、第1の送気装置42により取り除かれた塊38を粉末堆積領域Pに到達する前に排出するために、クリーニング装置40は、第1の吸引装置56をさらに含む。この吸引装置56は、この第1の吸引装置56により吸い込まれた粉末を、粉末堆積領域Pから分離された第1の塵埃除去領域D1と称する設備の領域へと排出する。
【0060】
図1図7に示す第1の実施形態において、第1の吸引装置56は、第1のクリーニング領域N1の下に位置しエプロン12の面に垂直方向に延びかつ積層装置14の方向とは逆方向に向いた第1の排出ダクト58を含む。
【0061】
分かりやすくするために第1の排出ダクト58以外の第1の吸引装置56の構成要素は図示していない。
【0062】
好適には、第1の排出ダクト56は第1の送気装置42と直角をなして、特に送気ノズル46と直角をなして、すなわち図3においてこの送気ノズル46の下に位置する。例えば第1の排出ダクト58は、第1の吸引装置56と逆方向に収斂する形状を有する。
【0063】
図5に示すのは、クリーニングするステップを含む、本発明による製造方法において実施されるクリーニングサイクルのヒストグラムである。
【0064】
この製造方法はクリーニングのステップを含み、このステップにおいて積層装置14は、クリーニング装置40が位置するクリーニング行程(trajet)を行い、このクリーニング行程は、往復で実施される。
【0065】
例えばクリーニングサイクルのヒストグラムを示す図5に明らかなように、積層装置14は、クリーニング行程を3往復実施する。よって積層装置は、クリーニング領域N1を6回通過することになる。この時、ブラシ52は、定量供給シリンダ22およびならし用シリンダ36に6回当接することになる。
【0066】
好適には、第1の吸引装置56は、クリーニングするステップの継続中、常にその吸引機能を果たす。好適には、送気装置42についても同様である。
【0067】
またこれも図5のヒストグラムに見られるように、クリーニングするステップの間、ならし用シリンダ36を回転させ、こうして、粉末塊38がある場合に、第1の送気装置42から吹き付けられるガス流Fによってその剥離を容易化する。好適には、クリーニングするステップの継続中、常に回転される。
【0068】
より詳細には、ならし用シリンダ36および/または定量供給シリンダ22の表面に溜まり得る粉末塊を取り除くために、設備10は、堆積領域Pの下流部に位置する第2のクリーニング装置60を含む。
【0069】
この第2のクリーニング装置60は、粉末ならし手段35の少なくとも1つの表面、ここではならし用シリンダ36の当該表面をブラッシングするためのブラッシング装置62を含む。
【0070】
このためにブラッシング装置62は、積層装置14の通過に伴いたわみ得る毛を備えたブラシを少なくとも1つ含む。
【0071】
図1図7に示す実施形態において、第2のクリーニング装置60は、とりわけ実質的に長手方向に延びる平行な2つのブラシ、すなわち上流部のブラシ64と下流部のブラシ66とを含む(上流および下流という用語は、開始領域Aから終了領域Bへ向かう積層装置14の経路に対して解釈されるべきものである)。
【0072】
図1図7に示す例において、特に図6に見られるように、上流部のブラシ64と下流部のブラシ66は、積層装置14が各ブラシ64、66の長手方向に対し実質的に垂直な方向に局所的に移動するよう配置される。
【0073】
この場合、上流部のブラシ64と下流部のブラシ66は、積層装置14の並進方向Xに垂直な軸に沿って延びている。
【0074】
また上流部のブラシ64の毛68と下流部のブラシ66の毛70は、これらが当接する粉末ならし手段35、ここではならし用シリンダ36の表面に対し垂直方向に延びている。
【0075】
上流部のブラシ64の毛68と下流部のブラシ66の毛70の長さは、上流部のブラシ64と下流部のブラシ66がならし用シリンダ36の表面をブラッシングできるように選択される。
好適には、ブラッシング装置62、すなわち上流部のブラシ64と下流部のブラシ66は、粉末堆積手段18の少なくとも1つの表面、ここでは定量供給シリンダ22の表面もブラッシングする。またこのブラッシングは、有利には定量供給シリンダ22の表面に対し垂直に実施される。
【0076】
図1図7に示す例において、上流部のブラシ64の毛68と下流部のブラシ66の毛70は同じ長さである。ただし図示していない変形形態においては、上流部64および下流部66の2つのブラシの毛の長さは、定量供給シリンダ22とならし用シリンダ36の直径が互いに異なる場合にこれらのサイズに合わせて異なるものとするか、または定量供給シリンダ22とならし用シリンダ36の堆積領域Pに対する高さの違いに合わせて異なるものとする。
【0077】
第2のクリーニング装置60は粉末堆積領域Pの下流部に位置しているので、上流部のブラシ64は粉末堆積手段18のブラッシングが行われる第2のクリーニング領域N2を堆積領域Pから分離する。
【0078】
このように好適には、上流部のブラシ64の毛68の長さは、積層装置14が第2のクリーニング領域N2内を通過する時に、クリーニング領域N2と粉末堆積領域Pとの間を密閉するように選択される。
【0079】
ここでは、ブラシの毛68は、第1のクリーニング装置40と同様、送気ノズル46が定量供給シリンダ22と直角をなして位置する時に、ケーシング30の第2の側壁34の1つに触れることで、粉末に対する密閉機能を果たすのに十分な長さを有している。
【0080】
第1のクリーニング装置40と同様、第2のクリーニング装置60は、粉末吸引装置を含むことができる。この第2の粉末吸引装置72は、これが吸い込んだ粉末を、粉末堆積領域Pから分離された第2の塵埃除去領域D2へと排出する。
【0081】
このために第2の吸引装置72は、エプロン12に設けられた実質的に長方形の縁部を有するスリット形状の吸引孔76を含む吸引ノズル74を含む。
【0082】
吸引孔76は、クリーニング領域N2と第2の塵埃除去領域D2とを結ぶ排出ダクト78の入口を構成する。
【0083】
好適には、図7により具体的に見られるように、ブラッシング装置62の2つのブラシの1つ、ここでは下流部のブラシ66は、吸引孔76の縁部に位置する。
【0084】
第2の吸引装置72に吸い込まれた粉末の排出を一層容易化するため、第2の吸引装置は、吸い込まれた粉末を第2の排出ダクト78へと案内する粉末案内手段80を含む。
【0085】
これらの案内手段80は、とりわけ下流部のブラシ66に面して位置する勾配82を含み、勾配の壁82Pは、排出ダクト78の残りの部分に向かって粉末の導入ダクト86を形成する下流部のブラシ66の本体84の壁84Pと対向する。
【0086】
図1図7に示す例において、第2の排出ダクト78は、エプロン12の下で積層装置14の並進軸Xと平行方向に延びる第1の部分87を含む。
【0087】
次いで第2の排出ダクト78は、エプロン12の面に対し垂直方向に延びる排出チューブ88から構成される第2の部分を含む。このチューブ88の第1の端部は第1の部分87と連結し、このチューブ88の第2の端部は第2の塵埃除去領域D2と連結し、吸い込まれた粉末が吸引作用および/または重力の作用により第2の塵埃除去領域D2に落とされる。
【0088】
第1のクリーニング装置40を用いた場合と同様、第2のクリーニング装置60を伴う付加製造方法はクリーニングするステップを含み、このステップでは、積層装置14が、第2のクリーニング装置60が位置するクリーニング行程を行い、このクリーニング行程は往復で実施される。好適には、このクリーニングするステップの間、ならし用シリンダ36を回転させ、粉末塊がある場合には上流部64および下流部66のブラシを使ってこれをさらに取り除く。
【0089】
なお、図1図7に示す本発明による第1の実施形態において、設備10は第1および第2のクリーニング装置40、60を含むが、これら2つのうちのいずれか1つのみを含むことも全く問題なく可能である。
【0090】
図8および図9に示すのは設備10の特許請求されていない第2の実施形態で、ここでは先行実施形態と共通する構成要素を同様の参照番号で示す。
【0091】
本発明の第1の実施形態の設備と同様、特許請求されていない第2の実施形態の設備10は、開始領域Aと終了領域Bとを結ぶ経路に沿って移動可能な粉末積層装置14を含む。
【0092】
この積層装置14は、開始領域Aと終了領域Bとの間に位置する粉末堆積領域Pに粉末を堆積させるための粉末堆積手段18を含む。
【0093】
一方、この特許請求されていない第2の実施形態において、粉末堆積手段18は定量供給シリンダの代わりにスライド式引き出しを含む。この堆積手段は図示していない。
【0094】
第1および第2のクリーニング装置同様、第3のクリーニング装置90は粉末堆積装置14の経路上に位置し、粉末堆積手段18により供給された一定量の粉末のならし手段35を備え、これがとりわけならし用シリンダ36を含む。
【0095】
特許請求されていない第2の実施形態の設備10は、クリーニング装置、すなわち粉末堆積領域Pの上流部に位置する第3のクリーニング装置90も含む。
第3のクリーニング装置90は、互いに平行な長手方向の複数の掻き取り歯94を備え、ならし用シリンダ36の表面をこの表面に接するように掻き取る掻き取り手段92を含む。
【0096】
特に積層装置14は、掻き取り手段92の掻き取り歯94の長手方向に対し実質的に平行な方向に経路上を局所的に移動する。すなわち図8および図9に示す例において、掻き取り手段92の掻き取り歯94は軸Xに沿って延びる。
【0097】
好適には、掻き取り手段92は、複数の掻き取り歯94を含む櫛を少なくとも1つ含む。櫛の掻き取り歯94は、そのすべてが実質的に同じ長さである。
【0098】
この特許請求されていない第2の実施形態において、掻き取り手段94は、歯94の第1の並びを形成する第1の櫛96と、歯94の第2の並びを形成する第2の櫛98とを含み、歯94の第1および第2の並びは平行である。
【0099】
ならし用シリンダ36の表面をより効果的に掻き取るため、第1の櫛96の歯94の自由端は、第2の櫛98の歯94の自由端に対し、長手方向にずれている。
【0100】
ここでは、第1の櫛96と第2の櫛98は同じ本体100を共有している。より具体的には、第1の櫛96と第2の櫛98の歯94は同一の面、ここでは本体100の同一表面102から延びている。
【0101】
また第1の櫛96の歯94の長さは、第2の櫛98の歯の長さを上回る。
【0102】
掻き取り手段92の歯94は、長持ちするよう金属製とすることが好ましい。
【0103】
より具体的には、掻き取り手段92の歯は、一方で酸化物の生成やこの酸化物による粉末の汚染を回避するとともに、他方で金属粉末ベースの付加製造設備上でこれを使用できるよう、非磁性ステンレス鋼製である。このような鋼材の例としては、非磁性の301ステンレス鋼が挙げられる。
【0104】
この特許請求されていない第2の実施形態においては、第1の実施形態同様、クリーニング装置が、ならし用シリンダ36の少なくとも1つの表面上にガス流を吹き付けるよう構成された送気装置42を含む。
【0105】
この送気装置42は第1の実施形態の設備の装置と極めて類似しているため、ここでは詳述しない。
【0106】
第1の実施形態と同様、ここではこの送気装置42がならし用シリンダ36の表面方向に向いて一列に並ぶ複数の開口部48を備えた送気ノズル46を含むこと、また積層装置14が送気ノズル46の開口部48の並び方向に対し実質的に垂直な方向に経路上を局所的に移動することを明記するに止める。
【0107】
第1のクリーニング装置40または第2のクリーニング装置60を用いた場合と同様、第3のクリーニング装置90を伴う付加製造方法はクリーニングするステップを含み、このステップでは、積層装置14が、第3のクリーニング装置90が位置するクリーニング行程を行い、このクリーニング行程は往復で実施される。
【0108】
好適には、このクリーニングするステップの間、積層装置14の移動によりならし用シリンダ36の前進方向とは逆にならし用シリンダ36を回転させ、粉末塊がある場合には櫛96、98を使ってこれをさらに取り除く。例えば、掻き取り手段92の歯94が上流部から下流部へ(図8および図9の右から左へ)延び、クリーニング時に積層装置14は下流部から上流部へ移動し、ならし用シリンダ36は反時計回りに回転する。
【0109】
なお、図8および図9に示す特許請求されていない第2の実施形態において、設備10はクリーニング装置90を1つだけ含むが、複数含むことも問題なく可能で、例えば第1および第2のクリーニング装置40、60のいずれか一方または両方を含むこともできる。
【0110】
一般的に、本発明は紹介された実施形態に限定されるものではなく、当業者にとっては他の実施形態も明らかに想定されるであろう。
【0111】
例えば、上述の各種クリーニング装置の構成要素を組み合わせることも想定可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9