(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】装置先端可視化のためのレーザ光源
(51)【国際特許分類】
A61B 8/13 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
A61B8/13
(21)【出願番号】P 2019530084
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 US2017064666
(87)【国際公開番号】W WO2018106664
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-09-17
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519019791
【氏名又は名称】フジフイルム ソノサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】マー チンリン
(72)【発明者】
【氏名】ダナム ポール サーマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ キース デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ムラカミ ヒロシ
(72)【発明者】
【氏名】サラヴァドール ウェルス
(72)【発明者】
【氏名】ファビン カール
(72)【発明者】
【氏名】トウェヒューズ ブライアン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-037519(JP,A)
【文献】特開2012-166009(JP,A)
【文献】特開2012-170620(JP,A)
【文献】特開2016-168088(JP,A)
【文献】特開2016-049215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介入器具の光音響イメージングに使用するための光源であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに配置されたレーザ光源と、
前記光源を超音波イメージングマシンに接続する、前記レーザ光源に結合された第一のコネクタと、
前記ハウジングに配置されたマイクロスイッチと、
前記ハウジングに配置された制御回路であって、
前記マイクロスイッチに結合されたスイッチ検出回路であって、光コネクタが前記レーザ光源に接続されているときの前記マイクロスイッチの状態を決定し、前記マイクロスイッチの前記状態を示すスイッチ信号を前記第一のコネクタを通して前記超音波イメージングマシンに送信するために前記マイクロスイッチに結合されたスイッチ検出回路と、
前記レーザ光源に結合されたブランク回路であって、前記スイッチ信号に応答して前記超音波イメージングマシンから送信されたトリガ信号を受信し、前記トリガ信号を受信するとレーザパルスを生成するように前記レーザ光源を制御し、前記第一のコネクタを通して通信リンクを介して前記超音波イメージングマシンからトリガ信号を受信し、前記トリガ信号を受信した後、一定時間は前記第一のコネクタを通してさらなるトリガ信号が受信されるのを防ぐように構成される、ブランク回路と、
前記スイッチ検出回路に結合されたメモリであって、前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていることを前記状態が示すときに前記メモリにアクセスするための第一のアドレスを設定し、前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていないことを前記状態が示すときに前記メモリにアクセスするための第二のアドレスを設定するために前記スイッチ検出回路の出力が印加される、メモリと、
を備える、制御回路と、
を備える、光源。
【請求項2】
前記光コネクタが前記光源から取り外された場合にレーザパルスの前記生成を停止させる信号を生成するように構成された停止論理回路をさらに備える、請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記レーザ光源が
前記レーザパルスを生成しているときに点灯するLEDをさらに備え、前記停止回路が、前記LEDの動作を検出し、
前記レーザパルスが生成されているときに前記LEDが点灯しない場合に
前記レーザパルスの前記生成を停止させる前記信号を生成する
ように構成される、請求項
2に記載の光源。
【請求項4】
前記制御
回路が
、前記超音波イメージングマシンに前記光源を識別するデバイスIDを送信するように構成される、請求項1に記載の光源。
【請求項5】
前記制御回路が
、レーザパルス
を生成
することのできるレートおよび制限時間内に生成することのできる
前記レーザパルスの総数を制限するように構成される、請求項1に記載の光源。
【請求項6】
前記超音波イメージングマシンが最小またはゼロのエネルギーで超音波信号を送信するときに前記トリガ信号が受信される、請求項1に記載の光源。
【請求項7】
前記ハウジングがその中に前記光コネクタが挿入される一つまたは複数のスリットを有するドーム形状のゴム製シールを含む、請求項1に記載の光源。
【請求項8】
前記ハウジングが前記光源が超音波イメージングマシンに接続されているときに照射されるドーム形状のゴム製シールを取り囲むライトリングを含む、請求項
7に記載の光源。
【請求項9】
前記制御
回路が有線通信リンクを介して前記超音波イメージングマシンに電気的に結合している、請求項1に記載の光源。
【請求項10】
前記制御
回路が無線通信リンクを介して前記超音波イメージングマシンに電気的に結合している、請求項1に記載の光源。
【請求項11】
前記光コネクタが光ファイバコネクタであり、前記光ファイバコネクタが前記光源に接続されているときに前記スイッチ信号が前記マイクロスイッチの第一の状態を示し、前記光ファイバコネクタが前記光源に接続されていないときに前記スイッチ信号が第二の状態を示す、請求項1に記載の光源。
【請求項12】
前記レーザを発射することに起因するノイズを消失させ、前記ノイズが別のレーザパルスをトリガするのを防ぐことを可能にするために、前記制御回路が、トリガ信号を受信した後、一定時間はさらなるトリガ信号が受信されるのを防ぐように構成される、請求項1に記載の光源。
【請求項13】
前記通信リンクが第一のラインおよび第二のラインを含み、前記超音波マシンから前記トリガ信号を受信するために前記ブランク回路が前記第一のラインに接続され、前記超音波マシンが前記第二のライン上の前記メモリにアクセスするために前記メモリが前記第二のラインに接続される、請求項1に記載の光源。
【請求項14】
前記第一のアドレスは前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていることを前記超音波マシンに示すためのものであり、前記第二のアドレスは前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていないことを前記超音波マシンに示すためのものである、請求項1に記載の光源。
【請求項15】
介入器具を照らすためのシステムであって、
トリガ信号を生成するように構成された超音波マシンと、
前記トリガ信号の受信に応答して前記介入器具を照らすためのレーザパルスを生成するように構成されたレーザ光源と、
前記レーザ光源を前記超音波マシンに接続する、前記レーザ光源に結合された第一のコネクタと、
前記レーザ光源に結合されたマイクロスイッチと、
制御回路であって、
前記マイクロスイッチに対するスイッチ検出回路であって、
光コネクタが前記レーザ光源に接続されているか否かを示す前記マイクロスイッチの状態を表すスイッチ信号を生成し、
前記スイッチ信号を前記第一のコネクタを通して前記超音波マシンに送信する、
ように構成された、スイッチ検出回路と、
前記レーザ光源に結合されたブランク回路であって、
前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていることを前記状態が示すときに前記第一のコネクタを通して前記超音波マシンから第一のトリガ信号を受信し、
前記第一のトリガ信号を受信した後、一定時間は前記第一のコネクタを通して前記第一のトリガ信号以外の前記トリガ信号が受信されるのを防ぐことにより、前記レーザ光源からの前記レーザパルスの生成を制御する、
ように構成された、ブランク回路と
前記スイッチ検出回路に結合されたメモリであって、前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていることを前記状態が示すときに前記メモリにアクセスするための第一のアドレスを設定し、前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていないことを前記状態が示すときに前記メモリにアクセスするための第二のアドレスを設定するために前記スイッチ検出回路の出力が印加される、メモリと、
を備える制御回路と、
を備える、システム。
【請求項16】
前記光コネクタが前記レーザ光源に接続されていないことを前記状態が示すときに前記超音波マシンが前記第一のトリガ信号を生成しない、請求項15に記載の介入器具を照らすためのシステム。
【請求項17】
前記制御回路が、前記光コネクタが前記レーザ光源から取り外されると、レーザパルスの生成を停止するように実現される、請求項15に記載の介入器具を照らすためのシステム。
【請求項18】
前記第一のコネクタが、複数のラインを介して前記レーザ光源を前記超音波マシンに接続する電気コネクタである、請求項15に記載の介入器具を照らすためのシステム。
【請求項19】
前記制御回路が、前記第一のコネクタを通して前記レーザ光源を識別するデバイス識別(ID)を前記超音波マシンに送信するように実現される、請求項15に記載の介入器具を照らすためのシステム。
【請求項20】
前記トリガ信号の送信が、前記超音波マシンによる最少エネルギーを有する超音波信号の送信と同期される、請求項15に記載の介入器具を照らすためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2017年6月2日に出願された米国特許出願第15/612,725号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願は2016年12月5日に出願された米国仮特許出願第62/430,298号の利益および優先権を主張する。いずれの出願もその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
[技術分野]
以下の開示は、概してサブジェクト内の介入器具の位置を検出するためのシステムに関する。特には、本開示技術の一つまたは複数の態様は介入器具の端部において光音響信号を生成するためのレーザ光源に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療行為では体内に器具を正確に配置する必要がある。例えば、神経ブロック手順の間、医師およびその助手は特定の神経の付近に麻酔薬を届ける針を配置しようと試みる。針の先端は体内にあり、前進するにつれて曲がる可能性があるため、神経の正確な位置は不明である。そのため、針の先端が正確な位置にあるかどうかを医師が決定するのに有用な様々な技術および道具を利用することが可能である。例えば、神経刺激装置は付近の神経を刺激するために患者の体に微小量の電気を印加することによって針の先端の位置が神経の近傍にあることを確認するのを補助することができる。ターゲット神経に関連付けられた正確な筋肉が電気に反応すると、オペレータは彼/彼女がブロックするべきターゲット神経の近傍に到達したことを知り、続けて薬を注入することができる。
【0004】
従来の超音波針誘導技術もまた神経および針の位置を決定するために使用することができる。一つの方法は、例えば、超音波画像と同じ平面にある針のシャフトを強調するために超音波イメージングパラメータを強化することおよび/または調整することを含む。別の方法は針が鋭い角度でサブジェクトに配置された場合に鏡面反射率を高める針のシャフト上にレーザエッチングされたパターンを有するエコー源性針の使用を含む。いくつかの予測法は超音波トランスデューサおよび/または針に取り付けられた磁気および/または光学センサを使用して針およびその先端の位置を推測する。しかしながら、これらの予測法は煩雑になる可能性があり、超音波トランスデューサの容積およびコストを増加させ、また通常はかなりの訓練を必要とする。さらに、針先端の位置が推測されるため、曲がった針により針先端位置が不正確に予測される可能性がある。
【0005】
開発中の別の手法は針先端を配置するために光音響を使用することである。この方法では、一つまたは複数のレーザ光パルスが光ファイバの遠位端にある光学吸収体に発信され、それにより吸収体が急速に加熱され、周辺組織と比較して微細なスケールで膨張する。この膨張により超音波トランスデューサを用いて検出することのできる超音波振動が発生する。いくつかの超音波マシンはこのようなレーザパルスを届けるレーザ源とインタフェースをとり、対応するエコー信号を検出する機能を有するように設計されているが、古く精度の低い超音波マシンまたは光音響イメージングモードをサポートするように特には設計されていないマシンを用いてこのような技術を使用できる必要がある。本開示技術は、体内の介入器具先端の位置を示すために光音響イメージングを実施することを可能にするために従来の超音波イメージングマシンを用いて使用することのできるレーザ光源である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本開示技術の一実施形態に基づいて構成される介入器具イメージングシステムを示す。
【
図1B】
図1Aに示される介入器具イメージングシステムを用いて使用する針の一つの実施形態を示す。
【
図1C】本開示技術の一実施形態に基づく、光音響イメージング手順中の
図1Aの超音波イメージングマシンの機能ブロックダイアグラムを示す。
【
図1D】本開示技術の一実施形態に基づく、インタリーブされた超音波の発信および受信シーケンスの例ならびに光音響ライン信号を示すタイミングダイアグラムである。
【
図2】本開示技術のいくつかの実施形態に基づく、光音響信号を使用して介入器具の先端の画像を生成するように設計された超音波イメージングマシンの機能ブロックダイアグラムを示す。
【
図3A】本開示技術の一実施形態に基づく外部レーザ光源の機能ブロックダイアグラムである。
【
図3B】外部レーザ光源内の異なるプリント回路基板によって実行される様々な機能を示す。
【
図3C】本開示技術の一実施形態に基づく、外部レーザ光源の電気的なブロックダイアグラムである。
【
図3D】外部レーザ光源で使用される機械的なシャッタ、光学アセンブリ、マイクロスイッチ、および光ファイバコネクタを含むレーザ光源のさらなる詳細を示す。
【
図3E】本開示技術の一実施形態に基づく、
図3Aに示される外部レーザ光源の分解図である。
【
図3F】本開示技術の一実施形態に基づく、外部レーザ光源内のフレキシブルなシールおよびライトリングの断面図である。
【
図3G】本開示技術の一実施形態に基づく、フレキシブルなシールおよびプリント回路基板を有するライトパイプの分解図である。
【
図3H】本開示技術の一実施形態に基づく、光学アセンブリへの光ファイバコネクタの挿入時に状態を変更するマイクロスイッチを示す。
【
図3I】本開示技術の一実施形態に基づいて構成された外部レーザ光源の等角投影図である。
【
図4】本開示技術の一実施形態に基づく、介入器具の遠位端を表示する超音波画像の代表的なスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示技術は、例えば、麻酔薬の投与、MSK/関節、腱、筋肉注射用スポーツ医学、細針吸引、羊水穿刺、胸腔穿刺、心膜穿刺、血管アクセスおよび生検等の介入手順を容易にするためのシステムおよび方法に関する。一つの実施形態では、システムは超音波イメージングマシンおよび超音波イメージングマシンと通信して介入器具(例えば、針、カテーテル、生検用器具、ガイドワイヤ、血管フィルタ等)に光パルスを届ける外部レーザ光源を含む。超音波イメージングマシンは、超音波エネルギーをサブジェクト(例えば、人間または動物)の関心領域に発信し、サブジェクトおよび器具から対応する超音波エコーを受信するように構成される。レーザ光源は一つまたは複数の光ファイバを介して介入器具の先端または遠位部に発信される一つまたは複数のレーザ光パルスを生成する。一つまたは複数のファイバの遠位端は黒色エポキシ等の光吸収材料で覆われている。レーザ光パルスは介入器具の遠位端に隣接する領域においてそのような材料によって吸収され、それにより光音響信号が生成される。
【0008】
一つの実施形態では、光吸収材料はレーザ光パルスを吸収し、超音波イメージングマシンが検出することができる対応する光音響信号を発する。超音波イメージングマシンは光音響信号を受信し、検出された光音響信号に基づいて介入器具の先端の超音波画像の生成に使用するリアルタイムラインデータを生成する。いくつかの実施形態では、超音波イメージングマシンはカラーマップを使用して介入器具の先端の超音波画像を生成するように構成される。超音波イメージングマシンは通常のグレースケールの組織画像に重ね合わせられるかまたはそれと組み合わせられるカラー化された超音波画像を形成するために光音響信号を処理することができる。その結果、ユーザは介入器具の先端をリアルタイムに表示する超音波画像であるカラー化された一組の画素を可視化することができる。超音波イメージングマシンはこの機能をオン/オフし、許可された規制要件の範囲内で利得またはレーザ出力パワーの操作を介してカラー化された画像の強度または明度を制御するためにユーザコマンドを受信するように構成することができる。マシンはまた器具先端の表示された画像の所望の色に関するユーザ入力を受信するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、イメージングモードをオンにするための信号は、光ファイバが自動的に接続されると外部レーザ光源から送信され、ユーザとのやり取りを容易にし、低減しまたは単純化する。本開示技術のこれらおよび他の実施形態は、従来の器具可視化技術と比較して、より自然な手と目の協応、より正確な介入器具先端の配置、低減された手順時間および/または強化された器具の位置の可視化を提供すると期待される。これは特に、従来の超音波イメージング技術を使用して針を撮像することが困難であった急な角度での挿入に対して有用である。面外挿入の場合、本開示技術は針の先端が撮像面に到達したかどうかをユーザに伝えることができる。
【0009】
図1Aは、超音波トランスデューサ120、外部レーザ光源140および介入器具130(例えば、針)に結合された超音波イメージングマシン110を含む介入器具イメージングシステム100の一実施形態の部分的な概略図である。
図1Bは、介入器具130のシャフト部分134の概略図である。
図1Aおよび
図1Bを参照すると、超音波トランスデューサ120は超音波エネルギーをサブジェクト101の関心領域102に発信し、関心領域102から対応するエコー信号を受信するように構成される。ケーブル122は、受信した超音波エコーに対応して生成された電子信号をトランスデューサ120から超音波イメージングマシン110に搬送する。超音波イメージングマシン110は電子信号を処理し、ディスプレイ111のユーザインタフェース112に表示される一つまたは複数の超音波画像113を生成する。入力インタフェース115は一つまたは複数のユーザ入力制御部(例えば、一つまたは複数のボタン、キー、ノブ、スイッチ、スライダ、トラックボールおよび/またはタッチセンシティブ面)を介してユーザの入力および命令を受信する。
【0010】
図1Aから
図1Cを同時に参照すると、外部レーザ光源140(レーザダイオード、小型YAG、アレキサンドライトまたは他のタイプのレーザ光源を含む)は接続ケーブル146(例えば、USBケーブル、I2Cケーブル、EKGケーブル、HDMI(登録商標)ケーブルまたはカスタム設計のケーブル)を介して超音波イメージングマシン110上のEKGポート等のポートと通信する。いくつかの実施形態では、しかしながら、外部レーザ光源140と超音波イメージングマシン110との間の通信のために無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)、802.11等)を使用することができる。一つまたは複数の光ファイバ142はレーザ光源140からシャフト134の先端135(
図1Bおよび
図1C)まで延在する。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の光ファイバ142はシャフト134の内部を通って延在する。他の実施形態では、しかしながら、一つまたは複数の光ファイバ142はシャフト134の外面に延在する。別の実施形態では、特にファイバを収納するために、針の二つ以上のチャネルを使用することができる。一つまたは複数の光ファイバ142は介入器具130のシャフト内側に流体が流れる余地を持たせるために、エポキシまたは他の接着剤を用いてシャフト134の内面または外面に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ダブルまたはマルチルーメン介入器具が流体チャネルから一つまたは複数の光ファイバ142を分離する。いくつかの実施形態では、シャフト134の外部にはマーカーが無いが、他の実施形態ではシャフトの外面はシャフトが体内に挿入される深さを示すために使用される一つまたは複数のマーカーを含む。
【0011】
以下でさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、レーザ光源140は電力および通信用のシステムインタフェース、デバイスIDおよびプログラム命令を格納するためのメモリ、光ファイバコネクタを接続するための機械的なコネクタを含む光学アセンブリ、ライトシャッタ、ライトリングおよび光源に電力が供給されレーザが起動されると点灯する一つまたは複数のLEDを含む。
【0012】
外部レーザ光源140は一例として可視または不可視のIR光(300nmから1500nm)の範囲内で一つまたは複数の固定または可変波長レーザ光パルスを生成するように構成され、それは一つまたは複数の光ファイバ142を介して介入器具の先端135に発信される。レーザパルスの持続時間は器具の先端で生成された光音響信号が超音波トランスデューサ120の受信帯域内にあるように選択される。
【0013】
いくつかの実施形態では、光吸収媒体148(
図1B)が先端135に配置され、一つまたは複数の光ファイバの端部を覆っている。光吸収媒体はレーザ光源140から発信された一つまたは複数のレーザ光パルスを吸収し、光音響信号143を生成する(
図1C)。
図1Cに示されるように、超音波トランスデューサ120は超音波パルス118を関心領域に発信し、レーザパルスに応答して生成された光音響信号143と共に超音波エコー119を検出する。以下でさらに詳細に説明されるように、超音波イメージングマシン110は検出された超音波エコー119および光音響信号143を使用して関心領域102内の組織および介入器具130の一つまたは複数の超音波画像についてのデータを生成する。当業者には理解されるように、光音響信号143は器具の先端からのみ発生するため、光音響信号143の発生源は先端位置である。超音波イメージングマシン110は(例えば、戻ってきた超音波エコーおよび受信した光音響信号からそれぞれに)二つの画像についてのデータを生成し、両方の画像についてのデータを組み合わせてユーザに表示される通常のグレースケールの組織画像上に器具の先端のカラー画像を生成する。いくつかの実施形態では、先端の画像は先端位置のコントラストまたはアウェアネスを向上させるために従来のグレースケールの超音波組織画像とは異なりカラー化される。光音響画像は器具先端の位置から直接発生する光音響信号に応答して生成された超音波リアルタイム画像であり、いくつかの他の入力から届けられたグラフィックな表示ではないことに留意されたい。したがって、画像の生成は針シャフトの曲がりによる影響を受けず、面外挿入を含むあらゆる角度の挿入に対して適用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、器具の遠位端にある光吸収媒体148はレーザ光パルスを吸収して対応する光音響信号143(
図1C)を発するエポキシを備える。光音響信号143は先端135からのみ発せられるため、超音波イメージングマシンはシャフト134および/または先端135の位置を推測するために別の方法を使用することなく直接的に先端135の画像を生成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、光吸収媒体148は、例えば、エポキシ、ポリマ、プラスチックおよび/またはレーザ光を吸収して光音響信号を生成するのに好適な別の材料を備え得る。光吸収媒体を使用することの一つの利点は、それ自体が光音響信号を生成する可能性のある組織への光漏れを防止および/または低減することであり、それによって針先端位置が曖昧になる可能性がある。他の実施形態では、一つまたは複数の光ファイバの端部は銀あるいはレーザ光を吸収する金属でコーティングされている。さらに他の実施形態では、光ファイバはレーザ光パルスが介入器具の遠位端または組織内に向けられるように角度を付けられ、切断させまたはレンズを付けられる。パルスを吸収する材料は次に黒色エポキシのそれと同様の方法で光音響信号を生成する。
【0016】
図2は、光音響信号を使用して器具先端の画像を生成するようにプログラムされた超音波イメージングマシンの一実施形態のさらなる詳細を示す。超音波イメージングマシンはオペレータが光音響を使用して針の位置を可視化したいときに針先端可視化(NTV)ソフトウェアを実行するようにプログラムされた一つまたは複数のプロセッサ117を含む。超音波マシン上のポート(EKG、USBまたは他のポート)152に外部レーザ光源140を接続した後、レーザ光源140はデバイスIDをプロセッサ117に通信してレーザ光源140が接続されたことをマシンに通知する。一つの実施形態では、外部レーザ光源140の電力はポート152を介して超音波マシンから供給される。しかしながら、レーザ光源140は必要に応じてバッテリまたは別の電源から電力を供給することができる。
【0017】
上記で示されたように、いくつかの超音波イメージングマシンは光音響イメージング(針先端可視化モード-NTVとも呼ばれる)に必要な特殊なハードウェアを有していない。これらの超音波マシンでは、データのうちいくつかが受信した光音響信号から生成される場合、ブレンドされる二つの画像についてのデータを生成することができるようにオペレーティングソフトウェアが調整される。本開示技術の一実施形態に基づき、NTVモードで動作しているとき、プロセッサ117はレーザ光源140がレーザ光パルスを生成するときにプロセッサ117(または送信電子機器114)に(Trと表示される)トリガ信号を生成させるNTVソフトウェア命令119を実行する。いくつかの実施形態では、プロセッサ117はまた、超音波トランスデューサ120によって生成される超音波エネルギーが最小、または好ましくはゼロにならないように、外部レーザ光源によってレーザ光パルスが生成されるときに発信パルスの振幅または幅を低減させるように送信電子機器114に命令する。最小エネルギーは、超音波トランスデューサにおける光音響信号の検出を妨害しないように十分に小さいエネルギーである。トリガ信号を受信すると、外部レーザ光源は一つまたは複数のレーザパルスを生成し、これにより針先端の付近に光音響信号が生成される。超音波システム110内の受信電子機器116は次に光音響信号を検出することが可能になる。
【0018】
送信/受信スイッチ156は、送信電子機器114により生成される大電圧および他の過渡現象から感度の高い受信電子機器116を保護するために使用される。Bモードイメージングフレームのラインを収集するために超音波トランスデューサ120によって一つまたは複数のパルスが発信された後、受信電子機器116がトランスデューサから離れた所望の距離(例えば、スキンライン)からの戻りエコー信号の検出を開始するように送信/受信(T/R)スイッチ156の位置がプロセッサ117によって変更される。光音響ライン収集をする間、送信/受信スイッチ156は、受信電子機器がトランスデューサから離れた超音波フレーム内のラインと同じポジションからの信号の受信を開始するようにプロセッサ117によって制御される。いくつかの実施形態では、T/Rスイッチを閉じると受信電子機器によって検出される過渡現象が生じることがわかった。したがって、いくつかの実施形態では、T/Rスイッチ156の位置はBモードラインを取得した後は閉じたままであるが、次のBモード超音波ラインを生成するために超音波イメージングシステムがトランスデューサに超音波信号を供給するまで光音響信号を取得する。
【0019】
Bモード発射に応答して生成されたエコー信号はビーム形成され、信号処理され、フレームを生成するために必要とされる全てのラインデータが取得されるまでBモード画像フレームメモリ160に格納され得る。同様に、ビーム形成され信号処理された光音響信号は(光音響PAメモリと表示される)第二の画像フレームメモリ162に格納され得る。両方の画像データについての全てのラインデータが取得されると、プロセッサ117は関心領域内の組織および介入器具の遠位端の位置が見える合成画像についてのデータを生成するために各イメージングモードからのデータを組み合わせる。
【0020】
前述のように、超音波イメージングマシン110が光音響イメージングを実行するように特別に設計されていないため、マシンは光音響信号を処理するために既存の受信電子機器116を使用する。加えて、一つの実施形態では、マシンはイメージングトランスデューサから超音波を発信するかのように動作するようにプログラムされているが、送信電子機器114はパルスの振幅をゼロに低下させることおよびそれらのパルス幅をゼロに設定することによって最小またはゼロのエネルギーでパルスを発信するように制御される。この実施形態では、実際に信号が一つまたは複数のレーザパルスに応答して生成された光音響信号である場合に、超音波システムが体に超音波を発信し、対応するエコー信号を検出するかのように振る舞う。これらのレーザパルス発射は最小エネルギー信号の送信と同期している。
【0021】
光音響イメージングまたはNTVモードでは、プロセッサ117は、(送信機がゼロまたは最小エネルギーでパルスを発信するようにプログラムされているときに一致して)各受信ラインまたは複数の受信ライン用にレーザパルスが要求されるたびに外部レーザ光源140にトリガ信号を送信するか、他の電子機器に送信させる。レーザ光源140はトリガ信号を受信し、レーザを発射する。
【0022】
超音波イメージングマシン110が受信したエコー信号および光音響信号から介入器具の遠位端の画像を生成するためにどのように動作するかについてのさらなる詳細は(Attorney docket number 28798-8150、「Method and Apparatus for Visualizing A Medical Instrument Under Ultrasound Guidance」と題した)同一出願人による米国特許出願第15/612,634号において明らかにされている。これは本出願と同時に出願されたものであり、その全体が参照により組み入れられる。
【0023】
[外部レーザ光源]
図3Aは、外部レーザ光源の機能ブロックダイアグラムである。示されている実施形態では、レーザ光源は三つのプリント回路基板、すなわち制御ボード352、レーザドライバボード354、パワーボード356および光学アセンブリ360を含む。
図3Bに示されるように、パワーボード356は接続された超音波イメージングマシンから電源電圧を受信し、レーザ光源内の回路を動作させるために適切な電圧レベルを供給するように構成される。制御回路ボード352は取り付けられた超音波イメージングマシンと通信し、レーザを発射させるトリガ信号を受信するように構成されたFPGAまたは外部または内蔵メモリを有するプロセッサ等のロジックを含む。レーザドライバボード354は制御ボード352から制御信号を受信し、要求されたときにレーザパルスを生成するためにレーザ源に適切な駆動信号を供給するように構成される。一つの実施形態では、外部レーザ光源は超音波システム上のEKGポートと接続するケーブルを介してI2C通信プロトコルを使用して接続された超音波イメージングマシンと通信するように構成される。しかしながら、他の有線または無線通信プロトコルおよびポートを使用することができる。
【0024】
光学アセンブリ360は介入器具(例えば、針)の遠位端まで延在する一つまたは複数の光ファイバを有する標準化された形の光ファイバコネクタを受けるように構成される。光学アセンブリ360はレーザダイオード、光学カプラおよびレーザダイオードからの光を一つまたは複数の接続された光ファイバに向けるレンズ(図示されていない)を含む。加えて、光学アセンブリの一実施形態は光コネクタ(図示されていない)が光学アセンブリに挿入されたときに状態を変更するマイクロスイッチ366を含む。いくつかの実施形態では、光学アセンブリ360はまた光ファイバが接続されていないときにレーザダイオードの出力部を覆い、そうでなければレーザ光が光源の外に伝わるのを防ぐ機械式または光学式シャッタ368を含む。LEDプリント回路基板358は、後述するように、レーザ光源の動作状態に応じて点灯する多数のLEDを支持する。
【0025】
図3Cは、外部レーザ光源の動作を示す電気的なブロックダイアグラムである。一つの実施形態では、レーザ光源は+V、Sync7、Sync5、SCLおよびSDA I2Cライン、DETならびに超音波イメージングシステムのEKGポート上のGNDピンに接続するためのコネクタを含む。+V接続は絶縁トランス370を介して電圧レギュレータ372に渡され、電圧レギュレータ372は受信した電圧を制御ボード上で回路を動作させるために必要な適切な電圧レベルに変換する。
【0026】
遅延またはブランク回路380はEKGポートのSync7またはSync5ライン上で超音波イメージングマシンから通信チャネルを介してトリガ信号を受信する。遅延またはブランク回路380は、以下でさらに詳細に説明されるように、トリガ信号が受信された後にさらなる信号が検出されるのを防ぐためにモメンタリゲートとして動作する。遅延またはブランク回路380の出力は連続するレーザパルス間の時間と所定の時間制限(例えば、1分)で生成することのできる最大数のレーザパルスとを安全規制により要求されるレベルに制限するのに有用なガバナ回路384に供給される。ガバナ回路384は連続するレーザパルスが互いに接近して発射するのを防ぎ、制限時間内に発射されるべきレーザパルスの総数をカウントする。連続するトリガ信号が非常に短い時間で受信され、レーザ発射の総数が所定の期間内に許容される数に達するとガバナ回路384がさらなるレーザ発射を防ぐことができる場合、レーザ発射は遅延される。ガバナ回路384の出力は、所望のレーザパルスを生成するためにレーザダイオードを通って電流が流れることを可能にするトランジスタをオンにするために、レーザドライバボード354に適切な持続時間の駆動信号を提供するタイマ回路386に供給する。
【0027】
ガバナ回路384の出力はまたレーザを発射していることを示すためにLED394を駆動するタイマ回路390にも供給する。タイマ390はレーザパルスが発射していることをオペレータに視覚的に示すためにLED394を駆動する。タイマ390はレーザが発射されるたびにLEDを一時的に点滅させるのではなく可視化するために、LED394が駆動パルスよりも長く点灯したままになるように設定される。
【0028】
一つの実施形態では、遅延またはブランク回路380、ガバナ384ならびにタイマ386および390はFPGA回路内の論理機能として実装される。このような機能はまた制御回路ボード上のプロセッサによって実行されるソフトウェアによって、または別個のデジタルまたはアナログ回路を用いても実行できることを理解されたい。
【0029】
いくつかの実施形態では、レーザ光源の発射により入力通信線におけるトリガ信号と間違える可能性のある電子的なノイズが発生する。前述の遅延またはブランク回路380は各トリガ信号を受信した後、一定時間は通信線上の任意のさらなる信号がガバナ回路384を通過するのを制限することによって、このノイズが他のレーザパルスをトリガすることを防ぐ。例えば、遅延またはブランク回路380はトリガ信号を受信すると一定時間開き、あらゆる干渉ノイズが消失すると閉じるスイッチとして動作し得る。
【0030】
示されている実施形態では、制御ボード352はまた共通のI2Cバス410に接続されたメモリ400およびI/O回路402も含む。バス410は容量性絶縁回路を介してEKGポートのSCLおよびSDA I2C通信ピンに接続される。論理回路414は外部レーザ光源が超音波イメージングマシンに接続されると点灯するようにLEDパワーインジケータ416を制御する。
【0031】
外部レーザ光源はいくつかの安全回路を内蔵する。開示される実施形態では、V+パワーは光コネクタが光学アセンブリ360に挿入されたときに状態を変更するマイクロスイッチ366(
図1A)を介してルーティングされる。マイクロスイッチ366を閉じることによりレーザドライバボード354上の高電圧DC-DCコンバータ回路424に超音波マシンから受信したV+パワーが渡され、レーザドライバボード354はレーザダイオードを駆動するのに十分なレベルまで電圧を上昇させる。加えて、マイクロスイッチ366が閉じていると、マイクロスイッチ366が開いているか閉じているかを示す出力を供給するスイッチ検出回路430に電圧V+が現れる。スイッチ検出回路430の出力は光コネクタがレーザ光源の光学アセンブリに挿入されたことを示すためにLED434をオンにする論理回路432を駆動する。いくつかの実施形態では、検出器(図示されていない)がレーザダイオードに印加される駆動電圧を監視して、所望の範囲内にない場合にレーザ光源を遮断することのできる信号を生成することができる。加えて、電流検出器(図示されていない)をレーザダイオードと一直線上に配置し、電流を経時的に積分し、発信されるレーザ光パワーの推定値としての限界と比較することができる。
【0032】
スイッチ検出回路430の出力はメモリ400がアクセスすることのできるアドレスを設定するためにメモリ回路400にも印加される。スイッチ検出回路の出力は、ある状態ではメモリ400は最初のアドレスでアクセスされ、スイッチ検出回路430の出力が逆の状態であるときはメモリ400は別のアドレスでアクセスされる。したがって接続された超音波マシンはどのアドレスがメモリ400にアクセスできるかを決定することによって光学アセンブリがレーザ光源に挿入されているかどうかを決定することができる。
【0033】
別のまたは同じ実施形態では、I/O回路402はスイッチ検出回路430の出力を検出し、I2C通信プロトコルを使用して接続された超音波イメージングマシンに信号を送信する。
【0034】
停止回路440はスイッチ検出回路430の出力およびLED394に接続された電流検出回路396の出力を受信し、レーザが発射しているときに照射される。停止回路440は光コネクタがレーザ光源に挿入されているかどうか、およびレーザパルスが発射されていることを示すLEDが点灯しているかどうかを示す論理信号を生成する。どちらかの条件が当てはまらない場合、次にレーザパルス発射を休止させるためにタイマ回路386にフィードバックされる停止信号が生成される。加えて、I/O回路402に停止信号を供給して、故障または他の状態が発生していることおよびレーザパルスが発射することを許可されていないことを接続された超音波イメージングマシンに伝えることができる。
【0035】
図3Dは、レーザドライバプリント回路基板354に搭載された光学アセンブリのいくつかのさらなる詳細を示す。マウントフレームはレーザドライバボードに固定され、レーザダイオードおよびレンズ(別々には図示されていない)を含む光学アセンブリを支持する。ばねが装着された光学シャッタは光コネクタ(図示されていない)が光学アセンブリに挿入されるとレーザダイオードを邪魔にならないように移動し、光コネクタが光学アセンブリから取り外されるとレーザダイオードの出力を遮断するように構成される。マイクロスイッチ366は光コネクタが光学アセンブリに挿入されるときに移動するプレート423によって閉じられる。
【0036】
図3Eは、底面カバー460bから離れた上面カバー460aを有する外部レーザ光源の筐体350の分解図である。カバー460は光学アセンブリだけでなくレーザ光源のプリント回路基板を取り囲んで支持する。上面および底面カバー460a、460bはねじ470または他の固定具で一緒に保持されている。一つの実施形態では、上面カバー460aは掃除または他の液体が筐体に入る能力を制限しながらも光ファイバコネクタを光学アセンブリに挿入することを可能にする十字型のスリットを有するフレキシブルなゴムシール490を含む。
【0037】
図3Fは、外部レーザ光源内のフレキシブルなゴムシール490の断面図である。一つの実施形態では、フレキシブルなシール490はシールの周囲を囲むライトリング500上に成形された円形のドーム形状のゴム製シールである。シールのドーム形状により液体がゴム製シールのスリットから流れ出ることが可能になり、それにより液体がレーザ光源の筐体に入る能力が制限される。レーザ光源350が超音波マシンに接続されるとLEDドライバプリント回路基板358上の一つまたは複数のLEDがシール周辺のライトリング500を照射するため、ユーザはデバイスに電力が供給されていることを容易に見ることができる。
図3Gにも示されているのが、レーザ光源が発射していることを示すLED394である。LED394は上面カバー460aの外側部分で終端するライトパイプ510に結合される。
【0038】
図3Hは、光学アセンブリ内のマイクロスイッチ366のさらなる詳細を示す。プレート423は光コネクタが光学アセンブリに挿入されるときにマイクロスイッチ366に押し付けられる。上記で示されたように、一つの実施形態では、マイクロスイッチ366を閉じることにより信号が超音波イメージングマシンに送信されるかまたは読み取り可能なメモリのアドレスが変更されて光コネクタが光学アセンブリに挿入されたことを示す。一つの実施形態では、超音波イメージングマシンは光コネクタが光学アセンブリに挿入されたことを検出すると針先端可視化モードに入る。このようにして、超音波マシン上で別々の制御を使用する必要なく、単に光ファイバコネクタを差し込むことによってユーザは超音波イメージングマシンにNTVモードで動作させ始めることができる。
【0039】
図3Iは、外部レーザ光源用のハウジング460の等角投影図である。上面カバー460aの中心には、レーザ光源が超音波マシンに接続されると照射されるライトリング500によって囲まれたフレキシブルなドーム形状のシール490がある。ライトパイプ510の端部はフレキシブルなシール490とレーザ光源を超音波イメージングマシンに接続するコードとの間の上面カバー460a上に位置する。上記で示されたように、ライトパイプ510は光ファイバが光学アセンブリに挿入されるときおよびレーザダイオードが発射するときに照射される。リングまたはループ550がレーザ光源ハウジング460の一端に設けられ、レーザ光源を超音波供給カート等のフックからつり下げることを可能にしている。一つの実施形態では、レーザ光源ハウジングはほぼトランプカードのデッキのサイズであり、超音波カート上にトランスデューサまたはゲルを格納するために一般的に使用されるレセプタクルにはまるのに十分に小さい。フック取付具はまたレーザ光源ボックスを格納するためにメインの超音波マシンスタンドコラムに取り付けられるように設計することもできる。レーザ光源のハウジングは一般的に持ちやすく、清潔に保つのを容易にするために鋭い角が無い。
【0040】
場合によっては、ユーザがレーザダイオードと確実に光学的な接続を形成するためにレーザ光源に針を確実に挿入したかどうかを決定するのが困難な場合がある。例えばこれは、ユーザが針を接続したとき、圧縮されるマットレスを有する患者用のベッド等の柔らかい表面にレーザ光源が配置されている場合にも当てはまる可能性がある。本開示技術の実施形態によれば、針の光コネクタは光コネクタ上のリング、バンドまたは同様の視覚インジケータを用いてマークされる。一例では、光コネクタが正確に挿入されたときにレーザ光源上のシールの上面と同じ高さであるかまたは同一平面にあるようにリングを針上に配置することができる。このようにして、ユーザは確実な接続を形成するために光コネクタをレーザ光源内に正しく押し込んだかどうかを決定するための視覚的なガイドを有している。リングがシールの上にある場合は光コネクタが正確に挿入されていない可能性があり、ユーザは光コネクタをレーザ光源にさらに押し込まなければならない。
【0041】
針の光コネクタとレーザ光源内のレーザダイオードとの間の確実な接続を保証するための別の改良点は、光コネクタおよび光学アセンブリ用の協働するツイストロックを含み得る。いくつかの実施形態では、ツイストロックは光コネクタが光学アセンブリに嵌合するときに確実な(例えば、正確な)ロックを確実にし得る。当業者には理解されるように、並目ねじまたはルアー型取付具等の多くの異なるタイプのツイストロック機構を使用することができる。ツイストロックは適切な深さに配置され、それにより確実な接続が達成される。
【0042】
さらに別の実施形態では、LEDライトリングとレーザ光源の上面カバーとの間にほぼ円形のブッシュまたはスリーブを配置することができる。ブッシュは光コネクタを光学アセンブリ内に誘導するために光学アセンブリの開口部に向かって延在する二つ以上のリーフを含むことができる。ブッシュはフレキシブルなプラスチック材料または他の非導電性材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、ブッシュはレーザ光源上のシールを介して挿入され得るツール(テストフィンガ)が導電性の構成要素との接触部に入り込むのを防ぐことができる。ブッシュのリーフが光学アセンブリの入り口を超えて延在するため、光コネクタはユーザによって挿入される際に整列不良になる可能性は低い。
【0043】
いくつかの実施形態では、レーザ光源のハウジングは任意選択的に、落下を防ぐためにデバイスを患者用のベッドまたは他の取付け具に固定することを可能にするループ500の代替として他の取付け機構(例えば、フレキシブルなチップ、締め具、磁石等)(図示されていない)を含むことができる。
【0044】
一つの実施形態では、レーザ光源のハウジングの底面はレーザ光源が表面から容易に滑り落ちるのを防ぐゴムまたは他の滑りにくい粗面(図示されていない)を有する。
【0045】
上記で示されたように、レーザ光源システムは一つまたは複数の光ファイバ142を介して介入器具130の先端135に発信されるレーザパルスを生成するように構成される。レーザ光源を超音波イメージングマシンに接続すると、制御ボード352はメモリからデバイスIDを生成するかまたは呼び出すように構成され、それを通信リンクを介して接続された超音波イメージングマシンに送信する。受信されたデバイスIDは接続されたユニットが針先端可視化のためのレーザパルスを生成できることを超音波イメージングマシンに通知する。遠位端IDを受信すると、超音波マシンは光音響イメージングモードを起動する。ユーザが光ファイバをレーザ光源に挿入すると、メモリのアドレスが変更される。一つの実施形態では、超音波イメージングマシンがNTVイメージングモードで動作を開始すると、マシンは光コネクタが光学アセンブリに挿入される際に使用されるアドレスおよび光コネクタが光学アセンブリに挿入されないときに使用されるアドレスの二つでメモリ400の中身を読み取ろうと試み始める。どのアドレスによって超音波マシンがメモリ400を読み取ることが可能であるかに応じて、超音波マシンはコネクタが光学アセンブリに挿入されたか否かを認識し、次にレーザパルスが要求されるときに自動的にトリガ信号の送信を開始することができる。これにより手動で機能をオン/オフする手間を省けるが、滅菌手袋を装着した手には不便であり、助手の手助けが必要である。
【0046】
上記で説明されたように、マイクロスイッチ366(
図3H)は、ユーザが光ファイバを光学アセンブリに挿入したときに状態を変化させるように配置される。光ファイバが故意または偶然にレーザ光源から取り外されると、マイクロスイッチ366は再び状態を変更し、メモリのアドレスが変更され、内部でレーザ光源にレーザ光パルスの生成を終わらせる停止信号が生成される。
【0047】
いくつかの実施形態では、マイクロスイッチ366は一つまたは複数のファイバ142の適切な接続を検出する光学アセンブリ内の別のタイプのセンサ(例えば、リレー、ホール効果センサ等)と置き換えることができる。ある実施形態では、光音響イメージングモードを開始するソフトウェアは、オペレータが手を滅菌状態にすることやユーザインタフェースを介して手順を開始するために助手に依頼することを必要とすることなく、光コネクタが光学アセンブリに挿入されているのを検出すると手順を開始するように構成される。
【0048】
光コネクタがレーザ光源に挿入されると、制御ボード352はレーザパルスが発射されていることを示すトリガ信号について超音波マシンへの通信リンクを監視する。トリガ信号を受信すると、制御ボード352はレーザダイオードに一つまたは複数のパルスを接続された光ファイバへと発射させる。
図1Aから
図1Cおよび
図2を参照して上記で論じられたように、レーザ信号はファイバの端部において光吸収媒体148によって吸収され、これにより超音波イメージングマシン110によって検出される対応する光音響信号が生成される。超音波マシン110は介入器具の先端135および周辺組織の超音波画像を形成するために検出された光音響信号を使用する。
【0049】
図4は、超音波イメージングマシン110(
図1Aおよび
図1C)によって生成された例示的なユーザインタフェース611のスクリーンショットである。ユーザインタフェース611は組織データ613およびカラー化された超音波画像614(例えば、
図1Aから
図1Cの先端135)の両方を示す超音波画像612を含む。複数のユーザ入力制御部668は超音波イメージングマシン100の様々な機能を制御するためにオペレータからタッチ入力を受信するように構成することができる。(第一のインジケータ665a、第二のインジケータ665bおよび第三のインジケータ665cとして個々に識別される)インジケータ665は、外部レーザ光源が接続されて電力を供給され(665a)、接続された光ファイバを有し(665b)、レーザパルスを発射している(665c)という視覚的な合図を提供する。いくつかの実施形態では、超音波イメージングマシン110は画像614の一つまたは複数の触覚、光、色の変化を提供するように構成することができ、および/またはオーディオフィードバックは適切な動作を確認することができる。いくつかの実施形態では、超音波マシン上のユーザインタフェースの色はNTVアクセサリの接続についての合図を提供する。例えば、灰色の文字は、レーザ光源が接続されており、適切なソフトウェアバージョンを実行しており、適用可能なトランスデューサが存在し、適切な検査タイプが選択されていることを示している。ユーザインタフェース上の白色の文字は、針は存在しているがレーザが発射していないかまたはシステムがフリーズモードになっていることを示す。ユーザインタフェース上の黄色の文字は、レーザが発射していることを示す。これらのカラー文字インジケータは検査記録に画像と共に保存することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングマシン110は感度とノイズとをトレードオフするための手段をユーザに提供するために、カラー化された先端の超音波画像に対する利得制御を提供する。例えば、より深いターゲットの場合、ユーザは感度を上げるためにより高い利得を使用することを望むが、より多くのノイズおよびアーチファクトを伴う。一つの実施形態では、第三のインジケータ664cはNTV利得制御用のインジケータであり、664aおよび664bは正常な組織および全体的な利得制御用のインジケータである。
【0051】
結合された画像は関心領域内の背景組織に対応する画像データおよび介入器具の先端に対応するカラー化された画像データを含む。いくつかの実施形態では、背景組織がグレースケールで示されている一方介入器具の先端に対応する画像データはオペレータが所望する色(例えば、赤、黄色、青、橙色等)で示される。いくつかの実施形態では、黄色は一般的に他の超音波イメージングモードと関連せず、また赤および緑の色盲であるユーザにも容易に見えるため、黄色は介入器具の先端を表す画素に対して好適な色である。黄色および青の色盲は非常に稀である。
【0052】
以上の説明から、本発明の特定の実施形態が例示の目的のために本明細書において説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることを理解されたい。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による以外には制限されない。