(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】無線式動物捕獲器検出システム用センサ
(51)【国際特許分類】
A01M 23/20 20060101AFI20220405BHJP
A01M 23/26 20060101ALI20220405BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A01M23/20
A01M23/26
G08B25/10 A
(21)【出願番号】P 2019536873
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017067212
(87)【国際公開番号】W WO2018128799
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-14
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507124988
【氏名又は名称】バイエル クロップサイエンス エルピー
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE LP
(73)【特許権者】
【識別番号】507203353
【氏名又は名称】バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】マイク、ラウト
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ブロックマン
(72)【発明者】
【氏名】ガエル、ファージュ
(72)【発明者】
【氏名】バイロン、リード
(72)【発明者】
【氏名】クリス、ピーナール
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、ジャーディン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、ジマーマン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、エンデポルス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、ハーン
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-284479(JP,A)
【文献】米国特許第03731022(US,A)
【文献】実開昭61-080683(JP,U)
【文献】特開2001-000094(JP,A)
【文献】実開平05-091371(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0020100(US,A1)
【文献】独国実用新案第202004013928(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 23/20
A01M 23/26
G08B 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物捕獲器センサであって、
遠位端および近位端を有する基部と、
第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチと、
信号ユニットと、
前記センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計であって、前記センサは、前記加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合に前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す移動信号をオフサイトの受信機へ提供するように構成されている、加速度計と、
を含み、
前記第一金属要素と前記第二金属要素が、前記基部の前記遠位端において電気的に分離され、前記基部の前記近位端において前記信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、
前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、前記信号ユニットが
前記オフサイトの受信機へ信号を送信
し、
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性である、
動物捕獲器センサ。
【請求項2】
前記第一金属要素が、前記第一金属要素の長手方向軸に沿って中空領域を含み、前記中空領域は、前記第一金属要素の内表面が前記第二金属要素の外表面を囲むように前記第二金属要素を覆うように構成された、請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項3】
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記外表面に接触するように前記スイッチを直接または間接的に動作させることで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触する、請求項2に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項4】
前記第一金属要素がばねである、請求項1~3のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項5】
前記第一金属要素と前記第二金属要素がそれぞれ外表面および内表面を含み、前記第一金属要素の前記内表面と前記第二金属要素の前記
外表面が互いに対向している、請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項6】
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記
外表面に接触するように前記第一金属要素の前記
内表面および/または前記第二金属要素の前記外表面を押すことで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触し、前記閉回路を形成する、請求項5に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項7】
前記第一金属要素および前記第二金属要素の前記内表面の間に配置された電気絶縁体をさらに含み、前記電気絶縁体を回転軸として使って、前記第一金属要素が前記第二金属要素の前記内表面上でシーソー状の構造を形成する、請求項5または6に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項8】
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記内表面に接触するように前記第一金属要素がシーソー状に動くことで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触して前記閉回路を形成する、請求項7に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項9】
前記スイッチがハウジングに囲まれている、請求項1~8のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項10】
前記ハウジングがスリーブであり、随意で前記スリーブが動物捕獲器内部で展開するように構成され、前記スリーブの動きによって前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させて前記閉回路を形成する、請求項9に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項11】
動物捕獲器と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサと、
を含む動物捕獲システム。
【請求項12】
動物が前記スイッチを直接または間接的に動作させることにより前記第一金属要素が前記第二金属要素へ接触する、請求項11に記載の動物捕獲システム。
【請求項13】
前記捕獲器の可動部分が直接または間接的に、前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させる前記スイッチを動作させるように前記捕獲器を作動させることで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触し、随意で、前記可動部分が捕獲器扉であり、前記捕獲器扉を閉めることによる振動で、直接または間接的に前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させる前記スイッチを動作させる、請求項
11に記載の動物捕獲システム。
【請求項14】
前記捕獲器が金属製捕獲器であり、随意で、前記第一金属要素が前記金属製捕獲器の一部であって、前記一部が前記第二金属要素に接触して前記閉回路を形成する、請求項11~13のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
【請求項15】
前記第二金属要素がばねである、請求項14に記載の動物捕獲システム。
【請求項16】
テストモードを始動するためのテストモード制御機構をさらに含み、
前記テストモードが始動されて前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示す、
請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項17】
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、請求項16に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項18】
前記テストモード制御機構が前記テストモードを始動するためのテストモードボタンを含む、請求項16に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項19】
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから1秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性である、請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項20】
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから2秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性である、請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【請求項21】
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから5秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性である、請求項1に記載の動物捕獲器センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/443,384号および2017年8月4日に出願された米国仮特許出願第62/541,241号に対する優先権を主張し、その内容の全体が参照により本願に援用される。
【0002】
本発明は概して捕獲器監視システムの分野に関する。より詳細には、本発明はセンサに関し、例えば無線警告システムを利用する動物捕獲器や餌場で使われる振動子スイッチに関する。また、本発明は動物捕獲器監視システムで使用するホール効果センサなどのセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
本願は、無線による事象の報告に関し、より詳細には、無線による動物捕獲器や餌場の状態の報告に関する。
【0004】
動物捕獲器は久しく使用されており、こうした装置の大半は、ばね仕掛け捕獲装置または生け捕り用捕獲装置のどちらかを用いる。動物捕獲器は高い頻度で多くの場所に設置され、また他の場所で必要になった際に移動されることがある。これらの装置は監視の容易な場所に適していることがある一方で、遠く離れた監視の難しい場所には適していない。これらの従来型の捕獲器に関する問題の一つは、これらの装置がしばしば、例えば住宅の屋根裏に設置され、捕獲器が起動されたことを知る簡易な方法が目視以外にないことである。生け捕り用捕獲器に関する別の問題は、起動された捕獲器が発見されるまで、数時間または数日間にわたり動物が捕獲器内に閉じ込められて、非常にストレスの多い環境に放置されうることである。このストレスの多い環境の例は、生け捕り用捕獲器が華氏120°(摂氏約49°)を超える温度に達しうる屋根裏に設置される場合である。標準的なばね仕掛け捕獲器に関する別の問題は、動物が腐敗し始めてさらに多くの動物を引き寄せてしまう時点まで長時間放置されることがしばしばあることである。
【0005】
さらに、通常は、各人が捕獲器のそれぞれがどこに設置されているかを覚えている必要があり、捕獲器のリセットおよび再給餌を行えるように、捕獲器のばねが作動した状態になっていないかの確認を高い頻度で視覚的に行う必要がある。捕獲器確認の作業は、特定の注意が必要な施設(例えば、市販食品)内において、または野生生物(例えばアライグマ、リス、ヌートリア種など)が対象で、あまりに長時間にわたって動物が捕獲された状態にあると現行法により刑罰が科される場合には、一層重要になる。
【0006】
そのため、動物捕獲器の起動検出システムは、非常に限定的な狭い用途で、基本的なオン/オフの警告情報をユーザへ提供可能であった。その例として、起動されるとその場で音声信号を発するばね仕掛け捕獲器が挙げられる。これは、遠く離れた捕獲器が起動されたことを警告するという問題を解決する試みではあるが、捕獲器が捕獲器のユーザからかなりの距離にあった場合には根本的な問題を解決しない。加えて、電池式の音声装置には電池を消耗させてしまうという不利益がある。別の種類の警告システムは、赤外線や動きセンサなどの最新の高価な技術を使用して、捕獲器が起動されたことを検出すると捕獲器のユーザに警告する。さらに他の警告システムでは、様々な撮像システムを使って捕獲器内に動物がいることを報告するが、デジタル画像の送信には広帯域と多くのエネルギーが必要となる。これらの装置はその費用と複雑さにより、有害生物防除のような大量でローテクな分野での使用を制限されることがある。概して、こうした過去の手法はあまりに高価で、あまりに複雑であり、限られた範囲にしか適用できない。
【0007】
米国特許出願公開第2004/0020100号は、電池式の無線電波(RF)センサ/送信機が、無線RF送信機からの信号を受信するように構成された受信機と共に生け捕り用捕獲器やばね仕掛け捕獲器などの捕獲器へと組み込まれた警告システムを開示している。
【0008】
米国特許第9,380,775号は、害虫や有害生物用の捕獲器の状態を監視、通信するための、長寿命電池で駆動される装置を開示している。警報の発報後にこの装置は無線で情報をサーバへ送信し、サーバはこの情報を解釈して警報の性質と発生源を判定し、ユーザへこの情報を送る。
【0009】
米国特許第8,418,396号は、電子センサが結合されたトリガー回路を有する、動物愛護的な動物捕獲器を開示している。このトリガー回路は、捕獲器内部の動物の存在を判定するための検出回路を含む。無線警告回路を検出回路に結合して、動物捕獲器が作動した場合に警報ユニットの遠隔操作信号を提供することができる。
【0010】
米国特許第6,775,946号は、複数の動物捕獲器のそれぞれと関連する無線送信機および捕獲器からの信号を受信して、捕獲器の状態の兆候を表示する集中表示ユニットを開示している。動物が餌を取って捕獲器のばねを動作させると、捕獲器の可動部分が動いてその動物を捕らえる。センサが可動部材の動きを検出して、コントローラがセンサを次に読み出す際に信号が表示ユニットへ送られて状態の変更が反映される。
【0011】
米国特許第8,026,822号は、有害生物防除装置に近接した磁場に反応して、設置モードで送受信機を動作させるホール効果装置や磁気抵抗器などの部品を有する回路を含む有害生物防除装置を開示している。
【0012】
米国特許第9,015,987号は、設定状態と起動状態の間で可動する可動捕獲部材を有する動物捕獲器を監視するための装置を開示している。この装置は可動捕獲部材の状態を検出するよう配置されたセンサを含む。このセンサにはホール効果センサまたは磁気スイッチを含みうる。
【0013】
依然として、簡易で安価な検出技術を使って、最小限の帯域とエネルギーを必要とし、有害生物防除のような大量でローコストの分野に適していて、複数の動物捕獲器のうちのどれの手入れが必要なのかを作業者が容易に識別できるような検出システムに対する要求がある。
【発明の概要】
【0014】
一態様では、本明細書で開示される実施形態は、遠位端および近位端を有する基部、第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチ、ならびに信号ユニットを含む動物捕獲器センサに関し、第一金属要素と第二金属要素が、基部の遠位端において電気的に分離され、基部の近位端において信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信する。
【0015】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、テストモードを始動するためのテストモード制御機構を含む動物捕獲器センサに関し、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲が行われたこと(捕獲事象)を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す。
【0016】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、その1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計を含む動物捕獲器センサに関し、センサは、加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合にセンサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示す移動信号をオフサイトの受信機へ提供するように構成されている。
【0017】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、動物捕獲器ならびに、遠位端および近位端を有する基部、第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチ、ならびに信号ユニットを含む動物捕獲器センサを含む動物捕獲システムに関し、動物捕獲器センサでは、第一金属要素と第二金属要素が、基部の遠位端において電気的に分離され、基部の近位端において信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信する。
【0018】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、テストモードを始動するためのテストモード制御機構を含む動物捕獲システムに関し、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す。
【0019】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計を含む動物捕獲システムに関し、センサは、加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合にセンサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示す移動信号をオフサイトの受信機へ提供するように構成されている。
【0020】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、捕獲器内の捕獲器の主室と捕獲器入口の間に配置された仕切りを含む動物捕獲システムに関し、仕切りは主室へと通じる開口を有し、捕獲器内の開口と捕獲器入口の間にはスイッチが配置されていて、開口を通って主室へ入った動物が第一金属要素を第二金属要素に接触させる。
【0021】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、遠位端および近位端を有する基部、第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチ、ならびに信号ユニットを含む動物捕獲器センサを含む餌場に関し、第一金属要素と第二金属要素が、基部の遠位端において電気的に分離され、基部の近位端において信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信し、動物が直接または間接的にスイッチを動作させることで第一金属要素が第二金属要素へ接触する。
【0022】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、テストモードを始動するためのテストモード制御機構を含む餌場に関し、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す。
【0023】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計を含む餌場に関し、センサは、加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合にセンサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示す移動信号をオフサイトの受信機へ提供するように構成されている。
【0024】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、動物捕獲器を準備することと、遠位端および近位端を有する基部、第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチ、ならびに信号ユニットを含む動物捕獲器センサであって、第一金属要素と第二金属要素が、基部の遠位端において電気的に分離され、基部の近位端において信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信する動物捕獲器センサを動物捕獲器へ配置することと、第一金属要素を第二金属要素へ接触させて動物捕獲器が作動した場合に閉回路を形成することと、オフサイトの受信機へ信号を送信して捕獲事象を登録すること、とを含む動物捕獲方法に関する。
【0025】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、随意でテストモードを始動して、オフサイトの受信機へ信号を送信することであって、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機がこの信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す信号をオフサイトの受信機へ送信することと、随意でセンサを移動させて、センサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示す移動信号をオフサイトの受信機へ送信することと、第一金属要素を第二金属要素へ接触させて動物捕獲器が作動した場合に閉回路を形成することと、オフサイトの受信機へ信号を送信して捕獲事象を登録すること、とを含む動物捕獲方法に関する。
【0026】
さらに別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、捕獲器内で動物の捕獲が行われたこと(動物捕獲事象)を登録するのに、動物捕獲器センサであって、遠位端および近位端を有する基部、第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチ、ならびに信号ユニットを含み、第一金属要素と第二金属要素が、基部の遠位端において電気的に分離され、基部の近位端において信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信する動物捕獲器センサを使用することに関する。
【0027】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、捕獲器内での動物捕獲事象を登録するのに、テストモードを始動するためのテストモード制御機構を含みうる動物捕獲器センサであって、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す動物捕獲器センサを使用することに関する。
【0028】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、捕獲器内での動物捕獲事象を登録するのに、その1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計を含みうる動物捕獲器センサであって、加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合にセンサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示す移動信号をオフサイトの受信機へ提供するように構成されている動物捕獲器センサを使用することに関する。
【0029】
別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、センサをテストすることであって、テストモードを始動することと、第一金属要素を第二金属要素へ接触させることであって、オフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示す、接触させること、とを含むセンサをテストすることと、テストモードを終了することと、捕獲事象を監視すること、とを含む、動物捕獲システムをセンサを使って監視する方法に関する。
【0030】
さらに別の態様では、本明細書で開示される実施形態は、第一部分および電源を含む信号ユニットと電気的に接続された第二部分を含み、第一部分と第二部分が第一距離を空けて配置された場合に出力特性を生成し、第一部分と第二部分が第一距離とは異なる第二距離を空けて配置された場合に出力特性を変えて信号ユニットにオフサイトの受信機へ信号を送信させる動物捕獲器センサに関する。
【0031】
本発明の他の態様および利点は、以下の説明および添付の請求項により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本開示の一実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1C】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1D】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1E】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1F】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1G】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図1H】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図2A】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図2B】
図2Aに示される動物捕獲器センサのA-A断面図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。
【
図4A】本開示の一実施形態に係る動物捕獲器を示す。
【
図4B】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4C】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4D】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4E】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4F】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4G】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4H】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4I】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図4J】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムの使用法を示す。
【
図5A】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図5B】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図5C】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図6】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図8A】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図8B】本開示の他の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図11A】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【
図11B】本開示の別の実施形態に係る動物捕獲システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願は、無線による事象の報告に関し、より詳細には、無線による動物捕獲器や餌場の状態の報告に関する。
【0034】
動物捕獲器や餌場は高い頻度で多くの場所に設置され、他の場所で必要になった際に移動されることがある。遠く離れた監視の難しい場所、例えば住宅の屋根裏において無線により動物捕獲器や餌場の状態を報告するには、信号の検出および信号をユーザへ送信するのに電力を供給するために電池が必要となることがある。絶え間ない電池の放電により電池寿命が短くなり、監視システムが使用不能となる可能性がある。
【0035】
本開示の実施形態には、捕獲器や餌場の中の動物の存在を検出するための動物センサ、例えば振動子スイッチが含まれる。例えば、振動子スイッチは閉じた、または開放された電気回路のインジケータを含みうる。動物がスイッチ(または機械的な扉がバタンと閉められると振動するスイッチ)にぶつかる、または振動させることで直接または間接的にスイッチを動作させると、回路が閉じられて通信信号が無線ネットワークを介して配信されて捕獲事象が登録される。これにより、電気回路はほとんどの時間は開放されて電力が流出しないため、電池の寿命を助ける。
【0036】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る動物捕獲器センサ10を示す。
図1Bは、
図1Aに示される動物捕獲器センサ10の断面図を示す。動物捕獲器センサ10は、遠位端12および近位端13を有する基部11、第一金属要素14および第二金属要素15を有するスイッチ101、ならびに送信機およびユーザへの信号の送信の電力を供給する電池を有する信号ユニット30(
図3を参照)を含むことができる。Wi-Fi、Bluetooth、ZigBeeなどの短距離で高消費電力の技術とは対照的に、信号ユニット30には、より長距離の通信を可能とし、より少ない電力を消費する、超狭帯域技術(例えばSigfox)、スペクトラム拡散技術(例えばLORA)、または狭帯域技術(例えばWeightless-P)、などの省電力広域(LPWA)技術を使うことができる。
【0037】
第一金属要素14と第二金属要素15は、基部11の遠位端12において例えば物理的に互いへ接触することなく、電気的に分離され、基部11の近位端13において信号ユニット30と電気的に接続されることで、開回路を形成する。例えば、基部11の近位端13において、電線が第一金属要素14にはんだ付けされ、別の電線が第二金属要素15にはんだ付けされていてよい。
【0038】
第一金属要素14は、その長手方向軸17に沿って中空領域16を有することができる。中空領域16は、第一金属要素14の内表面18が第二金属要素15の外表面19を囲むように第二金属要素15を覆うように構成することができる。スイッチ101が例えば振動させられたりぶつかられたりして直接または間接的に動作させられると、第一金属要素14の内表面18が第二金属要素15の外表面19に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30(
図1G、1Hを参照)がオフサイトの受信機34(
図3を参照)へ信号32(
図1G、1Hを参照)を送信する。信号32は、例えばRF信号で無線で送信することができる。第一金属要素14は可撓性の金属要素、例えばばね、円筒形または円錐形の管とすることができる。
【0039】
図1C~1Eは、本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサ10の内部の図を示す。基部11の近位端13における第一金属要素14と第二金属要素15の接続は、第一金属要素14と第二金属要素15が基部11の遠位端12において電気的に分離され、基部11の近位端13において導電体28を介して信号ユニット30(
図1F)と電気的に接続されて開回路を形成するように、プリント基板(PCB)102に組み込むことができる。また、プリント基板(PCB)102によって、第二金属要素15を第一金属要素14内で中央に配置されやすくすることができる。
【0040】
本発明の他の実施形態には、
図1G、1Hに示されるように、舌または平板の形状の第一金属要素102および第二金属要素103を有するスイッチ101が含まれる。これらはそれぞれ外表面102a、103aおよび内表面102b、103bを有し、第一金属要素102の内表面102bと第二金属要素103の内表面103bが互いに対向している。
【0041】
図1Gは本発明の別の実施形態を示す。第一金属要素102と第二金属要素103は、スイッチ101の遠位端101aにおいて例えば物理的に互いへ接触することなく、電気的に分離され、スイッチ101の近位端101bにおいて信号ユニット30と電気的に接続されることで、開回路を形成する。第一金属要素102と第二金属要素103は、動物が外表面102a、103aの一方または両方に乗り上げることで生じる(矢印で示される)力104、例えば鉛直方向の力で、または動物がスイッチ101に接触して一方の要素を他方へ押し付けることで互いに接触することがあり、第一金属要素102の内表面102bが第二金属要素103の内表面103bに接触して閉回路が形成されて、信号ユニット30がオフサイトの受信機34(
図3参照)へ信号32を送信する。
【0042】
図1Hは本発明のさらに別の実施形態を示す。スイッチ101には、第一金属要素102および第二金属要素103の内表面102b、103bの間に配置された電気絶縁体105を有することができ、電気絶縁体105を回転軸として使って、第一金属要素102が第二金属要素103の内表面103b上で、またはその逆の状態でシーソー状の構造を形成するようにすることができる。例えば、第一金属要素102は、第一金属要素102が(矢印で表される)シーソー状に動くことで第二金属要素103に接触することがあり、第一金属要素102の内表面102bが第二金属要素103の内表面103bに接触して閉回路が形成される。
【0043】
スイッチ101の金属要素14、15、102、103は端部が鋭くなっていることがあり、これにより、捕獲された動物が、十分な力でスイッチ101に接触して第一金属要素14または102をそれぞれ第二金属要素15、103へ接触させるのを避けてしまうことがある。したがって、動物が捕獲器内に捕獲されているにも関わらず、回路は開放されたままで、信号は生成されることなくオフサイトの受信機34へ送信されることもない。そのような偽陰性のリスク、つまり捕獲された動物がスイッチ101を動作させないということを排除するため、回避を引き起こす鋭い端部が隠蔽されるように、金属要素14、15、102、103を覆うのにスリーブが使われてもよい。スイッチ101は、もはや捕獲された動物に避けられることはない。スリーブは、布、プラスチック、紙、またはそれらを組み合わせた、任意の適した材料で作ることができる。
【0044】
特定の捕獲器の構成では、捕獲器内に捕らえられた小さく若い動物がスイッチ101の金属要素14、15、102、103との接触を回避することができるように、スイッチ101と捕獲器の内表面(側面または端部)の間に十分な空間があることがある。そのような偽陰性のリスク、つまり捕獲された動物がスイッチ101を動作させないということを排除するため、金属要素14、15、102、103は円錐形または他の形状で覆ってもよく、これにより動作(トリガー)範囲を拡張することができて、最小の動物ですら接触する可能性を増すことができる。例えば、捕獲された動物によってスリーブが動かされることで、第一金属要素14、102がそれぞれ第二金属要素15、103へ接触することがあり、これにより回路が閉じられ、信号32が生成されてオフサイトの受信機34へ送信される。
【0045】
図2Aは、本開示の別の実施形態に係る動物捕獲器センサ20を示す。
図2Bは、
図2Aに示される動物捕獲器センサ20のA-A断面図を示す。第一金属要素14と第二金属要素15は、基部21の遠位端24において電気的に分離され、基部21の近位端26において導電体28を介して信号ユニット30(
図3参照)と電気的に接続されることで、開回路を形成する。スイッチ101が例えば振動させられたりぶつかられたりして動作させられると、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34(
図3を参照)へ信号32(
図3を参照)を送信する。
【0046】
動物捕獲器センサ20は、随意でスイッチ101を囲むハウジング22を有することができる。ハウジング22は、スイッチ101が不注意で、例えば振動させられたりぶつかられたりして動作することで、例えば粉じん、がれき、一部浸水などの環境要因により第一金属要素14が第二金属要素15に接触してしまうのを防ぐことができて、汚染を軽減したり偽陽性を最小化することができる。
【0047】
図3は、本開示の一実施形態に係る動物捕獲器センサを示す。動物捕獲器センサ20は、動物捕獲器センサ20の導電体28を信号ユニット30の電気レセプタクル36へ差し込むことで、信号ユニット30と電気的に接続するよう構成することができる。本開示の他の実施形態に従い、センサ20は電線58(例えば
図4G、4H、5A~5Cを参照)を介して、または無線信号を介して信号ユニット30と接続するよう構成することができる。信号ユニット30は信号ユニット30をリセットするためのリセットスイッチ38を有してもよく、あるいはリセットを遠隔から行ってもよい。スイッチ101が例えば振動させられたりぶつかられたりして直接または間接的に動作させられると、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号32を送信し、捕獲事象が登録される。
【0048】
例えば複数捕獲可能な捕獲器、動物愛護的な動物捕獲器、野生生物捕獲器といった生け捕り用捕獲器に対しては、動物捕獲器センサ20は一回だけの検出に使用することができる。生け捕り用捕獲器内の動物が、最初の捕獲後に、またはさらに動物が捕まった場合に電気回路を閉じ続けていたとしても、オフサイトの受信機36はその後の捕獲事象を無視するようなソフトウェアを有していてよい。したがって、本開示の別の実施形態では、オフサイトの受信機36は、最初の捕獲事象の登録後に信号ユニット30から後続の信号を受信し続けたとしても、後続の捕獲事象を登録したり報告したりしないように構成することができる。さらに、オフサイトの受信機36は、信号ユニット30がリセットスイッチ38を使ってリセットされた場合に後続の捕獲事象の登録、報告を再開するように構成することができる。
【0049】
図3は、信号ユニット30がテストモードボタン33を使ってテストモードを始動するためのテストモード制御機構31を含むことができることを示す。例えば信号ユニット30の側面にあるテストモードボタン33、もしくは同様の要素、例えばリセットスイッチ38を押して、または設置中もしくは定期的な保守の間にテストモードを動作させた場合、信号ユニット30、例えばLORAを介してテストモード信号が送られることがある。テストモードボタン33とリセットスイッチ38は、テストモードの始動およびリセットのための同一の唯一のボタンとすることができる。テスト信号は、捕獲事象とみなされて実際に動物が捕獲されたと示すことのないように処理するために、履歴データから分離させることができる。例えば、テストモードが始動されてスイッチ101が動作させられた場合、すなわち、第一金属要素が第二金属要素に接触した場合に、オフサイトの受信機34が信号32を受信して捕獲事象を登録した場合は、動物センサ20がセンサ20からクラウドでの演算まで、例えば無線信号32の送信やオフサイトの受信機34での信号32の登録を含む「エンドーツーエンド」で使用可能であることを示しうる。一方で、オフサイトの受信機34が信号32を受信しない場合は、動物センサ20からクラウドでの演算まで、例えば無線信号32の送信やオフサイトの受信機34で信号32を捕獲事象として登録することを含めて、動物センサ20が使用可能ではない可能性があることを示しうる。したがって、テストモードの操作により、作業者は潜在的な問題を識別し、それらの問題を解決して、動物捕獲器内にセンサ20を設置する際にセンサ20および/または信号ユニット30が使用可能であることを保証することができる。問題を解決するための試みは、テストモードでスイッチ101を動作させることでそれぞれ確認することができる。例えば、問題が無事解決されたことは、オフサイトの受信機34が信号32を受信して捕獲事象を登録することで示すことができる。この捕獲事象には、オフサイトの受信機34が「テストモード中」に登録されたこの捕獲事象を本物の捕獲事象とみなさないように、例えば今後の捕獲事象を予測するための傾向分析に使用するために、「テストモード中」であるフラグを付けてもよい。
【0050】
図3は、信号ユニット30がセンサ20の1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計35、例えば2軸加速度計または3軸加速度計を含むことができることを示す。センサ20および/または信号ユニット30が押されたり動かされた場合、加速度計35は加速度がプリセットされた加速度閾値を超える急激な動作を検出することができる。その後、センサ20および/または信号ユニット30はオフサイトの受信機34へ移動信号を提供して、センサ20および/または信号ユニット30が移動されて使用可能ではない可能性があることを示すことができる。つまり、例えば捕獲器が所望の場所から移動された、または捕獲器がもう壁に隣接しておらず部屋の中央にある、といった、捕獲器がもはや良好な状態にはない可能性があることをユーザへ警告するのに移動信号を使うことができる。加えて、オフサイトの受信機34が移動信号および捕獲信号を互いから近接した時間内、例えば1秒、2秒、5秒、10秒以内に受信した場合、登録された捕獲事象は偽陽性として扱ってよい。センサ20および/または信号ユニット30は単に移動された、または押されたのであり、実際には動物によって動作させられたのではないため、オフサイトの受信機34は捕獲事象の傾向付けのためにこの偽陽性を本物の捕獲とはみなさなくてよく、捕獲データは記録されない。テストモード制御機構31および加速度計35は、一緒に同じ信号ユニット30および/またはセンサ20に配置することができる。あるいは、テストモード制御機構31および加速度計35は、別々に異なる信号ユニットおよび/またはセンサに配置することができる。
【0051】
餌場、例えば外周餌場(スナップ型捕獲器にはない)では、ユーザは動物がいつ餌を食べているか、また餌を食べていること(採餌事象)を現場で確認する緊急の必要性がないことがわかるが、後続の採餌事象や、ぶつかられたことは、例えば毒餌を食べにくる動物を数えるため、または餌を補充する時期を示すための、動物の活動の尺度として有用であることがある。したがって、本開示のさらに別の実施形態では、オフサイトの受信機34は、最初の捕獲事象が登録された後も信号ユニット30からの後続の信号を受信し続けて、その後の採餌事象またはぶつかられたことを登録、報告し続けるように構成することができる。
【0052】
また、本開示の実施形態には、動物捕獲器および捕獲器の状態を監視するための動物捕獲器センサを含む動物捕獲システムも含まれる。
【0053】
図4Aは、動物捕獲器40、例えば角度可変傾斜台式捕獲器が、動物捕獲器センサ20のスイッチ101を捕獲器40の内室へ挿入するのに適した1つ以上の穴44、46を有しうる可動のカバー42を有することができることを示す。
【0054】
図4Bおよび4Cは、スイッチ101が捕獲器40の内室へ穴44を通して挿入される前(
図4B)と後(
図4C)の、信号ユニット30と電気的に接続された動物捕獲器センサ20の組立品を示す。穴44は、動物が捕獲器40へと入る入口48から続く通路に沿って、通路上にある。動物が入口48を通過すると、動物が、例えばぶつかったり振動させたりしてスイッチ101を直接または間接的に動作させることが予想され、これにより、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機へ信号を送信し、捕獲事象が登録または報告される。
【0055】
上述したように、金属要素14、15および金属製舌部102、103は偽陰性を排除するために覆うことができる。動物が侵入する経路内に位置するスイッチ101が、
図4Dに示されるように、動物が捕獲器40へ入るのを阻止する可能性がある場合は、スイッチ101は、側壁41の穴46(
図4Aを参照)または穴43(
図4E)を通して捕獲器40の内室の内部へ挿入することができる。したがって、動物が捕獲器40へ入ると、動物が、例えばぶつかったり振動させたりしてスイッチ101(
図4F)を直接または間接的に動作させることが予想され、これにより、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機へ信号を送信し、捕獲事象が登録または報告される。
【0056】
図4Iは、あらゆる大きさの動物、例えばネズミが、ブリキ製ネコ型捕獲器などの捕獲器40で検出されることを保証するために、捕獲器40がその内部に、捕獲器40内部の主室401と捕獲器入口48の間に配置された仕切り47を有することができることを示す。仕切り47は、主室401へと通じる1つ以上の開口49を有することができる。スイッチ(図示せず)は穴44を通して捕獲器40内へ挿入して開口49と捕獲器入口48の間に配置してもよく、開口49を通って主室401へ入る動物が第一金属要素を第二金属要素へ接触させて閉回路が形成されて、信号ユニットが信号をオフサイトの受信機へ送信する。
【0057】
図4Jは、仕切り47の開口49が、あらゆる大きさのネズミなどの動物が開口49を通り抜けられる任意の適切な大きさ、例えば高さ(x)と幅(y)を有することができることを示す。例えば、開口49は15mmから25mmの高さと15mmから30mmの幅、好ましくは18mmから22.5mm(例えば18.225mm、19.225mm、20.225mm、21.225mm、22.225mm)の高さで17mmから25.5mm(例えば17.4mm、19.4mm、21.4mm、23.4mm、25.4mm)の幅を有することができる。仕切り47は、捕獲器の一体化された部分または着脱可能部分であってよく、任意の適切な材料、例えばプラスチック、紙、布、および/または金属などで作ることができる。着脱可能部分として、仕切り47は捕獲器内に任意の適切な留め具、例えば釘、ねじ、ピン、接着剤、糊、ベルクロ留め具、磁石などを使って配置することができる。仕切り47自体は磁化材料で作ることができ、金属製捕獲器の入口に直接取り付けることができる。
【0058】
また、
図4B~4Fに示される構成は餌場に適用可能であり、餌場内の動物が、例えば振動させたりぶつかったりすることでスイッチ101を直接または間接的に動作させて、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信し、ぶつかったことまたは採餌事象が登録または報告される場合に採餌事象(またはぶつかられたこと)が監視できる。
【0059】
図4C、4Dは、センサスイッチが、捕獲器の上に載っている信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサへ直接取り付けることができることを示す。しかし、
図4G、4Hに示されるように、特定の用途では、捕獲器40、例えばブリキ製ネコ型捕獲器を覆うのに追加カバー45が必要となる可能性がある。こうした用途では、追加カバー45は捕獲器40の上に載っている信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサにより妨害されてしまう。この問題に対処するため、
図4G、4Hは、センサ20の一部であり捕獲器40の上面42の穴を通して捕獲器40へ挿入される振動子スイッチ(図示せず)が、捕獲器40を囲う追加カバー45の上に信号ユニット30を置くことができるように、電線58または無線信号を介して信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサと接続することができることを示す。
図5A、5B、5Cは、センサ20と信号ユニット30が電線58または無線信号で接続されうる他の例を示す。これらの構成により、センサ20と信号ユニット30が着脱自在に配置され、角度可変傾斜台式捕獲器、スナップ型捕獲器、野生生物捕獲器を含みうる捕獲器内の任意の場所で互いに電気的に接続されて、捕獲事象を登録することができる。
【0060】
また、本開示の実施形態には、複数の餌場(例えば2個以上、5個以上、もしくは10個以上)または複数の捕獲器(例えば1から20個、好ましくは2個以上、5個以上、もしくは10個以上)に設置された複数の振動子スイッチ(例えば1から20個、好ましくは2個以上、5個以上、もしくは10個以上)も含むことができて、複数の電線(例えば1から20本、好ましくは2本以上、5本以上、もしくは10本以上)または無線信号を介して1つの信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサと接続することができる。
【0061】
また、本開示の実施形態には、動物が起こした振動により動作する、つまり動物が直接振動子スイッチに接触しなくても動作することがある、ネズミ捕獲装置に接続される振動子スイッチが含まれることがあり、動物が捕獲された際に電気回路が閉じられて捕獲信号が記録される。
【0062】
図5Aおよび
図8Aはセンサ20のハウジング22に囲まれているスイッチ101(図示せず)を示し、このスイッチは電線58または無線信号を介して信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサに接続することができ、ばね仕掛け捕獲器50、例えばスナップ型捕獲器の上顎部56へ取り付けることができる。
図8Aは、センサ20がばね仕掛け捕獲器、例えばスナップ型捕獲器の上顎部56へ、ねじ80などの任意の適切な手段を介して取り付けることができることを示す。捕獲器50が捕獲器をはじく振動力を介して作動、または閉じられると、第一金属要素14と第二金属要素15が接触して閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信し、捕獲事象が登録または報告される。オフサイトの受信機34へ信号を送信するためのこのような捕獲器センサシステムの構成は、ハウジング22なしでもスイッチ101を使って実現可能である。例えば、
図8Bは、ハウジング22に囲まれていないスイッチ101が、ばね仕掛け捕獲器の上顎部56へ
図8Aに示されるのと同様に取り付けることができることを示す。同様に、捕獲器50が捕獲器をはじく振動力を介して作動、または閉じられると、第一金属要素14と第二金属要素15が接触して閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信し、捕獲事象が登録または報告される。
【0063】
あるいは、
図5Bに示されるように、スイッチ101は、捕獲器50の下顎部54に位置していてもよく、捕獲器50が作動すると下顎部54は上顎部56へ向かって閉まる。そのような動作で、例えばぶつかったり振動させたりして、スイッチ101を直接または間接的に動作させることがあり、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信する。オフサイトの受信機へ信号を送信するためのこのような捕獲器センサシステムの構成は、スイッチ101を上顎部56へ取り付けることでも実現可能である。こうして、捕獲器50が作動すると、スイッチ101が取り付けられた上顎部56が下顎部54へ向かって閉まり、第一金属要素14を第二金属要素15へ接触させて閉回路が形成される。
【0064】
図5Cは、センサ20のハウジング22に囲まれたスイッチ101(図示せず)を示し、このスイッチは電線58または無線信号を介して信号ユニット30、例えばLORA信号プロセッサと接続することができ、任意の適切な手段、例えばひも、糸、接着剤、ねじ、釘、テープ、ベルクロスティッキーバックなどによりばね仕掛け捕獲器51の底部53へ取り付けることができて、捕獲器51が作動すると、ばね55が底部53へ向かってはじかれる。そのような動作で、例えばぶつかったり振動させたりして、スイッチ101を動作させることがあり、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信する。
【0065】
図6は、ハウジング22に囲まれたスイッチ101(図示せず)が生け捕り用捕獲器60、例えば野生生物捕獲器の捕獲器扉62の近くに置くことができることを示し、捕獲器60が作動すると、捕獲器扉62を閉じる動きが強制的にハウジング22を振動させて、例えば振動させたりぶつかったりしてハウジング22内部のスイッチ101を直接または間接的に動作させて、第一金属要素14が第二金属要素15に接触させられて閉回路が形成され、信号ユニット30がオフサイトの受信機34へ信号を送信して捕獲事象を登録、または報告する。オフサイトの受信機へ信号を送信するためのこのような捕獲器センサシステムの構成は、ハウジング22なしでもスイッチ101を使って実現可能である。
【0066】
金属製捕獲器、例えばブリキ製捕獲器の場合、スイッチ101の第一金属要素は捕獲器そのものの一部(スナップ型捕獲器のあぶみ)であってもよく、例えばマイナス極であってよい。スイッチ101の第二金属要素、例えばプラス極は、捕獲器そのものの一部であってもそうでなくてもよいが、捕獲器へ取り付けることができて、任意の適切な形状を有してよく、例えば舌、平板、棒、円錐、またはばねであってよい。例えば、
図1Gおよび1Hと同様に、動物が金属製捕獲器へ接触して第一金属要素102、例えばスナップ型捕獲器のあぶみを第二金属要素103、例えばばねへ接触させて閉回路を形成してもよい。
【0067】
図7は、動物の捕獲方法70を示し、この方法は、動物捕獲器、例えば生け捕り用捕獲器(例えば角度可変傾斜台式捕獲器や野生生物捕獲器)やばね仕掛け捕獲器(例えばスナップ型捕獲器)を準備すること(71)と、動物捕獲器センサを動物捕獲器へ配置すること(72)と、例えば振動させることでスイッチを直接または間接的に動作させて第一金属要素を第二金属要素へ接触させて動物捕獲器が作動した場合に閉回路を形成すること(73)と、オフサイトの受信機へ信号を送信して捕獲事象を登録または報告すること(74)、とを含む。また、オフサイトの受信機へ信号を送信するためのこのような方法は、餌場での採餌事象またはぶつかられたことの頻度を登録および測定するのにも適用できる。
【0068】
図9は動物の捕獲方法90を示し、この方法は、動物捕獲器、例えば生け捕り用捕獲器(例えば角度可変傾斜台式捕獲器や野生生物捕獲器)やばね仕掛け捕獲器(例えばスナップ型捕獲器)を準備すること(91)と、動物捕獲器センサを動物捕獲器へ配置すること(92)と、随意でテストモードを始動して、テストモードが始動されてオフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、一方でオフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではない可能性があることを示すことができる信号をオフサイトの受信機へ送信すること(93)と、随意でセンサを移動させて、センサが移動されて使用可能ではない可能性があることを示すことができる移動信号をオフサイトの受信機へ送信すること(94)と、例えば振動させてスイッチを直接または間接的に動作させることで第一金属要素を第二金属要素へ接触させて動物捕獲器が作動した場合に閉回路を形成することと(95)、オフサイトの受信機へ信号を送信して捕獲事象を登録、または報告すること(96)、とを含む。テストモードで登録された捕獲事象は、本物の捕獲事象から分離して、捕獲事象の履歴に含めなくてもよく、または今後の捕獲事象を予測するための傾向分析で使われなくてもよい。テストモードの始動(93)は、捕獲器の設置時、または捕獲器に保守を行う際に行われてもよい。加えて、オフサイトの受信機が移動信号および信号を互いから近接した時間内、例えば1秒、2秒、5秒、10秒以内に受信した場合、登録された捕獲事象は偽陽性として扱ってよい。また、オフサイトの受信機へ信号を送信するためのこのような方法は、餌場での採餌事象またはぶつかられたことの頻度を登録および測定するのにも適用できる。
【0069】
図10は、本発明のいくつかの実施形態に係るセンサを使って動物捕獲システムの監視方法100が、センサをテストするステップであって、テストモードを始動することと、第一金属要素を第二金属要素へ接触させることであって、オフサイトの受信機が信号を受信して捕獲事象を登録した場合は動物センサが使用可能であることを示し、オフサイトの受信機が信号を受信しない場合は動物センサが使用可能ではないことを示す接触させること、とを含みうるセンサをテストするステップ(100a)と、テストモードを終了するステップ(100b)と、随意でセンサを移動させて、センサが移動されて例えば所望の場所から移動された、またはもう壁に隣接しておらず部屋の中央にある、ということを示す移動信号を送信して、随意で第一金属要素を第二金属要素へ接触させるステップ(100c)と、捕獲事象を監視するステップ(100d)、とを含めることができることを示す。オフサイトの受信機が移動信号および信号を互いから10秒以内に受信して捕獲事象を登録する場合、前記(捕獲事象を登録するための)信号は偽陽性として登録される。テストモード中に登録された捕獲事象は、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさなくてもよい。テストモードの始動(100a)は、捕獲器の設置時、または捕獲器に保守を行う際に行われてもよい。
【0070】
また、本開示の実施形態には、センサ内の二つの部分の間の距離が変わることで起動されうる動物捕獲器センサも含まれる。例えば、
図11Aは、動物捕獲器センサが第一部分110ならびに、電源114、例えば電池および/または太陽光発電を有する信号ユニット30と例えば電線116および/または導体で電気的に接続された第二部分112を含むことができることを示す。第一部分110と第二部分112が第一距離d1を空けて配置された場合に出力特性、例えば電圧を生成する。
図11Bは、第一部分110と第二部分112が第一距離d1とは異なる第二距離d2を空けて配置された場合には出力特性を変えて、信号ユニット30にオフサイトの受信機34へ、例えば有線および/または無線信号を介して、信号32を送信させることを示す。出力特性が変わった場合、信号ユニット30内のインジケータ30a、例えばLEDライトを捕獲器113が動作していることを示すために点灯してもよく、信号32、例えば「トリガーメッセージ」をオフサイトの受信機34へ送信してもよい。本開示の一実施形態では、第一部分110は磁石を含んでもよく、第二部分112はホール効果センサや磁気抵抗器などの磁気応答性の部品を含んでもよい。
【0071】
図11Aは、動物捕獲器113ならびに、第一部分110および電源114、例えば電池および/または太陽光発電を有する信号ユニット30と例えば電線116および/または導体で電気的に接続された第二部分112を含みうる動物捕獲器センサを含む動物捕獲システム111を示す。動物捕獲器113、例えばスナップ型捕獲器などのばね仕掛け捕獲器は、可動部分115、基部117、および可動部分115を基部117へと付勢するように構成された内部ばね機構119を含むことができる。センサの第一部分110は可動部分115内に配置することができ、センサの第二部分112は基部117内に配置することができる。あるいは、センサの第一部分110は基部117内に配置することができ、センサの第二部分112は可動部分115内に配置することができる。
図11Aおよび
図11Bはセンサの第一部分110および第二部分112を動物捕獲器113の近位端に配置してもよいことを示しているが、センサの第一部分110および第二部分112は、顎部118を含みうる遠位端に配置してもよい。
【0072】
図11Aは動物捕獲器113にとげがついていることを示し、センサの第一部分110と第二部分112が第一距離d1を空けて配置された場合には出力特性、例えば電圧を生成する。
【0073】
図11Bは動物捕獲器113が動作していることを示し、内部ばね機構119が可動部分115を基部117へと付勢して、センサの第一部分110と第二部分112は第一距離d1とは異なる第二距離d2を空けて配置された場合には、出力特性を変えて信号ユニット30にオフサイトの受信機34へ信号32を送信させる。
【0074】
例えば、第一部分110はスナップ型捕獲器113の上部可動部分115に置かれた磁石を含むことができ、第二部分112は捕獲器113の基部117に置かれたホール効果センサまたは磁気抵抗器を含むことができる。捕獲器113にとげがついている場合、磁石110はホール効果センサ112に近接し、電圧が発生する。捕獲器113が動作している場合、磁石110はホール効果センサ112から離れ、第一距離d1より大きい第二距離d2となって、磁場がなくなるか弱くなる。これにより、ホール効果センサ112の電圧が低下する。電圧が低下した場合、信号ユニット30内のインジケータ30a、例えばLEDライトを捕獲器113が動作していることを示すために点灯してもよく、信号32、例えば「トリガーメッセージ」をオフサイトの受信機34へ送信してもよい。
【0075】
図12は動物捕獲システムの監視方法120を示し、この方法には、センサの第一部分と第二部分を第一距離を空けて配置して出力特性を生成すること(121)と、センサの第一部分と第二部分を第一距離とは異なる第二距離を空けて配置して、出力特性を変えること(122)と、オフサイトの受信機へ信号を送信すること(123)、とを含む。
【0076】
本開示の利点には多くの用途、例えば垂直または水平式のスナップ型捕獲器、生け捕り用捕獲器、餌場などに適応可能な単一のセンサを含みうる。加えて、本開示のセンサは粉じん、がれき、一部浸水などによる偽陽性を生成させかねない汚染を軽減することができる。さらに、本開示のセンサは、センサが捕獲事象によって起動されるまでは電力を使うことがないため、長期間の遠隔監視を簡易な電池電源で実現することができる。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態に係るホール効果センサの利点には、その簡易で信頼性が高く安価な動作および設計、ならびに広く利用可能な装置や製品でよく使われている電子チップが含まれうる。ホール効果センサはしばしば近接センサとして使われる。加えて、ホール効果センサは小型の捕獲器の小さな筐体へも配置することが可能な小さなセンサである。これらの筐体は、センサの配置後に任意の適切な防水材料、例えばエポキシ樹脂を封入されることがある。スナップ型捕獲器では、ホール効果センサはスナップ型捕獲器が開放されているか閉じられているかを検出することができる。さらに、捕獲器を閉じることなく単純に動かすだけで偽陽性を生成してしまうリスクは低い、またはまったくない。ホール効果センサは任意のスナップ型捕獲器、例えば木製ヴィクター捕獲器、Tレックス捕獲器などへ組み込むことができる。また、ホール効果センサは、捕獲器が固体表面へ強固に取り付けられていたとしても動作可能である。
【0078】
本発明は限られた数の実施形態に関して説明されてきたが、本開示の恩恵を受ける当業者は、本明細書で開示された本発明の範囲を逸脱しない他の実施形態を考案可能であることを理解するであろう。そのため、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されるべきである。
【0079】
以下の実施例が提供される。
実施例1.
遠位端および近位端を有する基部と、
第一金属要素および第二金属要素を有するスイッチと、
信号ユニットと、
を含み、
前記第一金属要素と前記第二金属要素が、前記基部の前記遠位端において電気的に分離され、前記基部の前記近位端において前記信号ユニットと電気的に接続されることで開回路が形成され、
前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触した場合に閉回路が形成されて、前記信号ユニットがオフサイトの受信機へ信号を送信する、
動物捕獲器センサ。
実施例2.
前記第一金属要素が、前記第一金属要素の長手方向軸に沿って中空領域を含み、前記中空領域は、前記第一金属要素の内表面が前記第二金属要素の外表面を囲むように前記第二金属要素を覆うように構成された、実施例1に記載の動物捕獲器センサ。
実施例3.
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記外表面に接触するように前記スイッチを直接または間接的に動作させることで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触する、実施例2に記載の動物捕獲器センサ。
実施例4.
前記第一金属要素がばねである、実施例1~3のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
実施例5.
前記第一金属要素と前記第二金属要素がそれぞれ外表面および内表面を含み、前記第一金属要素の前記内表面と前記第二金属要素の前記内表面が互いに対向している、実施例1に記載の動物捕獲器センサ。
実施例6.
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記内表面に接触するように前記第一金属要素の前記外表面および/または前記第二金属要素の前記外表面を押すことで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触し、前記閉回路を形成する、実施例5に記載の動物捕獲器センサ。
実施例7.
前記第一金属要素および前記第二金属要素の内表面の間に配置された電気絶縁体をさらに含み、前記電気絶縁体を回転軸として使って、前記第一金属要素が前記第二金属要素の前記内表面上でシーソー状の構造を形成する、実施例5または6に記載の動物捕獲器センサ。
実施例8.
前記第一金属要素の前記内表面が前記第二金属要素の前記内表面に接触するように前記第一金属要素がシーソー状に動くことで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触して前記閉回路を形成する、実施例7に記載の動物捕獲器センサ。
実施例9.
前記スイッチがハウジングに囲まれている、実施例1~8のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
実施例10.
前記ハウジングがスリーブである、実施例9に記載の動物捕獲器センサ。
実施例11.
前記スリーブが動物捕獲器内部で展開するように構成され、前記スリーブの動きによって前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させて前記閉回路を形成する、実施例10に記載の動物捕獲器センサ。
実施例12.
前記スリーブが布で作られている、実施例10または11に記載の動物捕獲器センサ。
実施例13.
前記信号が無線で送信される、実施例1~12のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
実施例14.
動物捕獲器と、
実施例1~13のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサと、
を含む動物捕獲システム。
実施例15.
動物が前記スイッチを直接または間接的に動作させることにより前記第一金属要素が前記第二金属要素へ接触する、実施例14に記載の動物捕獲システム。
実施例16.
前記動物捕獲器が角度可変傾斜台式捕獲器である、実施例15に記載の動物捕獲システム。
実施例17.
前記捕獲器の可動部分が直接または間接的に、前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させる前記スイッチを動作させるように前記捕獲器を作動させることで、前記第一金属要素が前記第二金属要素に接触する、実施例14に記載の動物捕獲システム。
実施例18.
前記可動部分が前記捕獲器の把手または顎部である、実施例17に記載の動物捕獲システム。
実施例19.
前記把手を動かす、または前記顎部を閉じることで、直接または間接的に前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させる前記スイッチを動作させる、実施例18に記載の動物捕獲システム。
実施例20.
前記動物捕獲器がスナップ型捕獲器である、実施例17~19のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例21.
前記可動部分が捕獲器扉であり、前記捕獲器扉を閉めることによる振動で、直接または間接的に前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させる前記スイッチを動作させる、実施例17に記載の動物捕獲システム。
実施例22.
前記動物捕獲器が野生生物捕獲器である、実施例21に記載の動物捕獲システム。
実施例23.
前記捕獲器が金属製捕獲器である、実施例14~22のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例24.
前記第一金属要素が前記金属製捕獲器の一部であり、前記一部が前記第二金属要素に接触して前記閉回路を形成する、実施例23に記載の動物捕獲システム。
実施例25.
前記一部が前記捕獲器のあぶみである、実施例24に記載の動物捕獲システム。
実施例26.
前記第二金属要素がばねである、実施例23~25のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例27.
前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録する、実施例14~26のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例28.
実施例1~13のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサを含み、
動物が前記スイッチを直接または間接的に動作させることにより前記第一金属要素が前記第二金属要素へ接触する、
餌場。
実施例29.
前記オフサイトの受信機が前記信号を受信してぶつかられたことを登録する、実施例28に記載の餌場。
実施例30.
動物捕獲器を準備することと、
実施例1~13のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサを前記動物捕獲器へ配置することと、
前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させて前記動物捕獲器が作動した際に前記閉回路を形成することと、
前記オフサイトの受信機へ前記信号を送信して捕獲事象を登録することと、
を含む動物捕獲方法。
実施例31.
前記動物捕獲器が角度可変傾斜台式捕獲器、スナップ型捕獲器、または野生生物捕獲器である、実施例30に記載の方法。
実施例32.
捕獲器内での動物捕獲事象を登録するための実施例1~13のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサの使用。
実施例33.
テストモードを始動するためのテストモード制御機構をさらに含み、
前記テストモードが始動されて前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示す、
実施例1~13のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
実施例34.
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、実施例33に記載の動物捕獲器センサ。
実施例35.
前記テストモード制御機構が前記テストモードを始動するためのテストモードボタンを含む、実施例33または34に記載の動物捕獲器センサ。
実施例36.
前記センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計をさらに含み、前記センサが、前記加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合に前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す移動信号を前記オフサイトの受信機へ提供するように構成されている、実施例1から13および実施例33~35のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサ。
実施例37.
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性として登録される、実施例36に記載の動物捕獲器センサ。
実施例38.
前記加速度計が2軸加速度計または3軸加速度計である、実施例36または37に記載の動物捕獲器センサ。
実施例39.
テストモードを始動するためのテストモード制御機構をさらに含み、
前記テストモードが始動されて前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示す、
実施例14~27のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例40.
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、実施例39に記載の動物捕獲システム。
実施例41.
前記テストモード制御機構が前記テストモードを始動するためのテストモードボタンを含む、実施例39または40に記載の動物捕獲システム。
実施例42.
前記センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計をさらに含み、前記センサが、前記加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合に前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す移動信号を前記オフサイトの受信機へ提供するように構成されている、実施例14~27および実施例39~41のいずれか一項に記載の動物捕獲システム
実施例43.
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性として登録される、実施例42に記載の動物捕獲システム。
実施例44.
前記加速度計が2軸加速度計または3軸加速度計である、実施例42または43に記載の動物捕獲システム。
実施例45.
前記捕獲器がその内部に、前記捕獲器の主室と捕獲器入口の間に配置された仕切りを含み、前記仕切りは前記主室へと通じる開口を有し、前記捕獲器内の前記開口と前記捕獲器入口の間には前記スイッチが配置されていて、前記開口を通って前記主室へ入った動物が前記第一金属要素を前記第二金属要素に接触させる、実施例14~27および実施例39~44のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例46.
前記開口の高さが15mmから25mmであり、幅が15mmから30mmである、実施例45に記載の動物捕獲システム。
実施例47.
前記開口の高さが18mmから22.5mmであり、幅が17mmから25.5mmである、実施例45に記載の動物捕獲システム。
実施例48.
前記仕切りが前記捕獲器の一体化された部分である、実施例45~47のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例49.
前記仕切りが前記捕獲器の着脱可能部分である、実施例45~47のいずれか一項に記載の動物捕獲システム。
実施例50.
前記仕切りが前記捕獲器内で留め具を使って配置されている、実施例49に記載の動物捕獲システム。
実施例51.
前記留め具が磁石である、実施例50に記載の動物捕獲システム。
実施例52.
テストモードを始動するためのテストモード制御機構をさらに含み、
前記テストモードが始動されて前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示す、
実施例28または29に記載の餌場。
実施例53.
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、実施例52に記載の餌場。
実施例54.
前記テストモード制御機構が前記テストモードを始動するためのテストモードボタンを含む、実施例52または53に記載の餌場。
実施例55.
前記センサの1つまたは複数の軸における加速度を測定する加速度計をさらに含み、前記センサが、前記加速度がプリセットされた加速度閾値を超える場合に前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す移動信号を前記オフサイトの受信機へ提供するように構成されている、実施例28、29および実施例52~54のいずれか一項に記載の餌場。
実施例56.
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性として登録される、実施例55に記載の餌場。
実施例57.
前記加速度計が2軸加速度計または3軸加速度計である、実施例55または56に記載の餌場。
実施例58.
動物捕獲器を準備することと、
実施例33~38のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサを前記動物捕獲器へ配置することと、
随意でテストモードを始動して前記オフサイトの受信機へ信号を送信することと、
随意で前記センサを移動させて、前記オフサイトの受信機へ移動信号を送信することと、
前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させて前記動物捕獲器が作動した場合に前記閉回路を形成することと、
前記オフサイトの受信機へ前記信号を送信して捕獲事象を登録すること、
を含み、
前記テストモードが始動されて前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示し、
前記移動信号は、前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す、
動物捕獲方法。
実施例59.
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、実施例58に記載の方法。
実施例60.
テストモードの始動が、前記捕獲器の設置時、または前記捕獲器に保守を行う際に行われる、実施例58または59に記載の方法。
実施例61.
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信した場合、前記信号は偽陽性として登録される、実施例58に記載の方法。
実施例62.
前記動物捕獲器が角度可変傾斜台式捕獲器、スナップ型捕獲器、または野生生物捕獲器である、実施例58~61のいずれか一項に記載の方法。
実施例63.
捕獲器内での動物捕獲事象を登録するのに実施例33~38のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサを使用すること。
実施例64.
実施例33~38のいずれか一項に記載のセンサを使用した動物捕獲システムの監視方法であって、
前記センサをテストすることであって、
前記テストモードを始動することと、
前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させること、
を含み、
前記オフサイトの受信機が前記信号を受信して捕獲事象を登録した場合は前記動物センサが使用可能であることを示し、前記オフサイトの受信機が前記信号を受信しない場合は前記動物センサが使用可能ではないことを示す、
前記センサをテストすることと、
前記テストモードを終了することと、
捕獲事象を監視することと、
を含む動物捕獲システムの監視方法。
実施例65.
前記センサを移動させることであって、
前記センサが移動されて使用可能ではないことを示す移動信号を送信することと、
随意で前記第一金属要素を前記第二金属要素へ接触させること、
を含む、
前記センサを移動させることをさらに含み、
前記オフサイトの受信機が前記移動信号および前記信号を互いから10秒以内に受信して捕獲事象を登録する場合、前記信号は偽陽性として登録される、
実施例64に記載の方法。
実施例66.
前記テストモード中に登録された前記捕獲事象を、今後の捕獲事象を予測するための傾向分析において捕獲事象とみなさない、実施例64または65に記載の方法。
実施例67.
テストモードの始動が、前記捕獲器の設置時、または前記捕獲器に保守を行う際に行われる、実施例64~66のいずれか一項に記載の方法。
実施例68.
第一部分と、
電源を含む信号ユニットと電気的に接続された第二部分とを含み、
前記第一部分と前記第二部分が第一距離を空けて配置された場合に出力特性を生成し、
前記第一部分と前記第二部分が前記第一距離とは異なる第二距離を空けて配置された場合に前記出力特性を変えて前記信号ユニットにオフサイトの受信機へ信号を送信させる、
動物捕獲器センサ。
実施例69.
前記第一部分が磁石を含み、前記第二部分が磁気応答性の部品を含む、実施例68に記載の動物捕獲器センサ。
実施例70.
前記磁気応答性の部品がホール効果センサまたは磁気抵抗器である、実施例68または69に記載の動物捕獲器センサ。
実施例71.
動物捕獲器と、
実施例68~70のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサと、
を含む動物捕獲システム。
実施例72.
動物捕獲器を準備することと、
実施例68~70のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサを前記動物捕獲器へ配置することと、
前記センサの前記第一部分と前記第二部分を前記第一距離を空けて配置して前記出力特性を生成することと、
前記センサの前記第一部分と前記第二部分を前記第一距離とは異なる前記第二距離を空けて配置して、前記出力特性を変えることと、
前記オフサイトの受信機へ信号を送信すること、
を含む動物捕獲システムの監視方法。
実施例73.
動物捕獲システムを監視するための実施例68~70のいずれか一項に記載の動物捕獲器センサの使用。