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特許7053633高水分供給材料を処理するためのプラネタリローラミル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】高水分供給材料を処理するためのプラネタリローラミル
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/08 20060101AFI20220405BHJP
   B02C 23/24 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B02C15/08 A
B02C23/24
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019538573
(86)(22)【出願日】2017-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 US2017054731
(87)【国際公開番号】W WO2018067444
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2019-04-02
(31)【優先権主張番号】PCT/US2016/055118
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519118795
【氏名又は名称】レイモンド バートレット スノー エル・エル・シー
【氏名又は名称原語表記】Raymond Bartlett Snow LLC
【住所又は居所原語表記】2151 Fisher Dr, Naperville, IL 60563, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エム. チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジアンロン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ アール. ホーグ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド エム. ポドモクリー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-086106(JP,A)
【文献】特開2013-078707(JP,A)
【文献】特開昭55-011088(JP,A)
【文献】特公昭39-006931(JP,B1)
【文献】実開昭49-013463(JP,U)
【文献】実開昭61-008443(JP,U)
【文献】特開昭52-112163(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102989555(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0121056(US,A1)
【文献】特開2010-024050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00-7/18;15/00-17/24
B02C 9/00-11/08;19/00-25/00
B65G 11/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給材料を処理するプラネタリローラミルであって、
固定のフレームに取り付けられかつ内面を有する容器アセンブリと、
該容器アセンブリと連通した材料供給部と、
該材料供給部の下方で前記容器アセンブリに配置された粉砕アセンブリであって、該粉砕アセンブリは、
環状の粉砕リングであって、該粉砕リングを開口が貫通して延びており、該開口は、半径方向内方に面した粉砕面によって画定されておりかつ第1の領域を有し、前記粉砕リングは前記容器アセンブリの前記内面とシーリング係合している、環状の粉砕リングと、
前記フレームに回転可能に取り付けられた軸と、
前記軸に固定され、かつ第2の領域を規定する第1の軸方向に面した面を有する第1の支持プレートと、
前記軸に固定され、かつ第3の領域を規定する第2の軸方向に面した面を有する第2の支持プレートであって、前記第1の支持プレートから軸方向に離隔させられている、第2の支持プレートと、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートに回転可能に取り付けられかつ前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間に配置された複数のローラであって、該複数のローラはそれぞれ、前記軸の回転の結果、前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間で移動するように構成されており、前記複数のローラはそれぞれ、前記粉砕リングの前記粉砕面と粉砕係合した半径方向外面を有する、複数のローラと、
を有する、粉砕アセンブリと、
前記開口を通じて空気を供給するために前記粉砕リングにおける前記開口と連通した出口を有する空気供給システムと、
を有し、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートは、前記粉砕アセンブリにおいて前記供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、前記第1の支持プレートの前記第2の領域と、前記第2の支持プレートの前記第3の領域とが、前記第1の領域の少なくとも30%の前記開口を通る流れ領域を構成する大きさであるように、非円形であり、
前記ローラと、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートのうちの少なくとも一方との間に取外し可能に配置された少なくとも1つの摩耗部材をさらに有する、
プラネタリローラミル。
【請求項2】
供給材料を処理するプラネタリローラミルであって、
固定のフレームに取り付けられかつ内面を有する容器アセンブリと、
該容器アセンブリと連通した材料供給部と、
該材料供給部の下方で前記容器アセンブリに配置された粉砕アセンブリであって、該粉砕アセンブリは、
環状の粉砕リングであって、該粉砕リングを開口が貫通して延びており、該開口は、半径方向内方に面した粉砕面によって画定されておりかつ第1の領域を有し、前記粉砕リングは前記容器アセンブリの前記内面とシーリング係合している、環状の粉砕リングと、
前記フレームに回転可能に取り付けられた軸と、
前記軸に固定され、かつ第2の領域を規定する第1の軸方向に面した面を有する第1の支持プレートと、
前記軸に固定され、かつ第3の領域を規定する第2の軸方向に面した面を有する第2の支持プレートであって、前記第1の支持プレートから軸方向に離隔させられている、第2の支持プレートと、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートに回転可能に取り付けられかつ前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間に配置された複数のローラであって、該複数のローラはそれぞれ、前記軸の回転の結果、前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間で移動するように構成されており、前記複数のローラはそれぞれ、前記粉砕リングの前記粉砕面と粉砕係合した半径方向外面を有する、複数のローラと、
を有する、粉砕アセンブリと、
前記開口を通じて空気を供給するために前記粉砕リングにおける前記開口と連通した出口を有する空気供給システムと、
を有し、
前記材料供給部は、前記容器アセンブリを通ってその内部領域内へ延びる出口を有し、前記内面に固定され、前記材料供給部の前記出口に対して下方かつ半径方向内方へかつ前記材料供給部の前記出口と前記粉砕リングとの間の少なくとも一部分にわたって延びる、ランプを有し、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートは、前記粉砕アセンブリにおいて前記供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、前記第1の支持プレートの前記第2の領域と、前記第2の支持プレートの前記第3の領域とが、前記第1の領域の少なくとも30%の前記開口を通る流れ領域を構成する大きさであるように、非円形であり、
前記粉砕リングに対する前記ローラの鉛直方向位置を調節するための手段をさらに有する、
プラネタリローラミル。
【請求項3】
前記材料供給部の出口と、前記ランプの少なくとも一部分とを覆うように配置されたカバーをさらに有する、請求項2記載のプラネタリローラミル。
【請求項4】
供給材料を処理するプラネタリローラミルであって、
固定のフレームに取り付けられかつ内面を有する容器アセンブリと、
該容器アセンブリと連通した材料供給部と、
該材料供給部の下方で前記容器アセンブリに配置された粉砕アセンブリであって、該粉砕アセンブリは、
環状の粉砕リングであって、該粉砕リングを開口が貫通して延びており、該開口は、半径方向内方に面した粉砕面によって画定されておりかつ第1の領域を有し、前記粉砕リングは前記容器アセンブリの前記内面とシーリング係合している、環状の粉砕リングと、
前記フレームに回転可能に取り付けられた軸と、
前記軸に固定され、かつ第2の領域を規定する第1の軸方向に面した面を有する第1の支持プレートと、
前記軸に固定され、かつ第3の領域を規定する第2の軸方向に面した面を有する第2の支持プレートであって、前記第1の支持プレートから軸方向に離隔させられている、第2の支持プレートと、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートに回転可能に取り付けられかつ前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間に配置された複数のローラであって、該複数のローラはそれぞれ、前記軸の回転の結果、前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間で移動するように構成されており、前記複数のローラはそれぞれ、前記粉砕リングの前記粉砕面と粉砕係合した半径方向外面を有する、複数のローラと、
を有する、粉砕アセンブリと、
前記開口を通じて空気を供給するために前記粉砕リングにおける前記開口と連通した出口を有する空気供給システムと、
を有し、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートは、前記粉砕アセンブリにおいて前記供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、前記第1の支持プレートの前記第2の領域と、前記第2の支持プレートの前記第3の領域とが、前記第1の領域の少なくとも30%の前記開口を通る流れ領域を構成する大きさであるように、非円形であり、
前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートのうちの少なくとも一方は、中央領域と、該中央領域から外方へ延びる少なくとも1つのローブとを有し、該少なくとも1つのローブは、非対称の形状を有し、前記少なくとも1つのローブは、ローラ取付けピンを受け入れるための領域を有し、該領域は中心点を有し、前記非対称の形状は、後縁と、該後縁と概して反対側の前縁とを有し、前記後縁は、前記前縁よりも前記中心点からさらに離れるように延びている、
プラネタリローラミル。
【請求項5】
前記複数のローラはそれぞれ、少なくとも1つの軸方向端部を有し、
前記中心点は、前記後縁から前記前縁への方向での前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートの回転中、前記少なくとも1つのローブが、前記前縁および前記後縁に隣接した前記少なくとも1つの軸方向端部の少なくとも一部をカバーするように、前記少なくとも1つのローブに配置されている、請求項4記載のプラネタリローラミル。
【請求項6】
前記複数のローラはそれぞれ、該ローラを貫通して軸方向に延びるボアを有し、該ボアは内径を有し、前記複数のローラはそれぞれ、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートに固定されかつ前記第1の支持プレートと前記第2の支持プレートとの間に延びるピンに取り付けられており、該ピンは、前記ボアの前記内径より小さな外径を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項7】
各ローラの前記半径方向外面は凸面状であり、前記粉砕リングの前記粉砕面は凹面状である、請求項1から6のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項8】
各ローラは、円錐状の外面を有し、前記粉砕リングの前記粉砕面は、円錐形の前記ローラを受け入れるように傾斜させられている、請求項1から6のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項9】
前記空気供給システムの前記出口は、前記複数のローラの下方で、前記粉砕リングの前記開口の底部に接続されている、請求項1から8のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項10】
前記粉砕アセンブリは、前記軸と共に回転可能でありかつ前記粉砕アセンブリの下方から前記複数のローラおよび前記粉砕リングへ前記供給材料を搬送するように構成されたプラウアセンブリを有する、請求項1から9のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項11】
前記プラウアセンブリは、前記第2の支持プレートに固定されている、請求項10記載のプラネタリローラミル。
【請求項12】
前記軸に固定された少なくとも1つの付加的な支持プレートをさらに有し、該少なくとも1つの付加的な支持プレートは、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートから軸方向に離隔させられており、
前記少なくとも1つの付加的な支持プレートと、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートのうちの一方とに取り付けられかつ前記少なくとも1つの付加的な支持プレートと、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレートのうちの一方との間に配置された付加的な複数のローラをさらに有し、該付加的な複数のローラはそれぞれ、前記軸の回転の結果、前記第1の支持プレートと、前記第2の支持プレートと、前記少なくとも1つの付加的な支持プレートとの間で移動するように構成されており、前記複数の付加的なローラはそれぞれ、前記粉砕リングの前記粉砕面と粉砕係合した半径方向外面を有する、請求項1から11のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【請求項13】
前記粉砕アセンブリは、少なくとも摂氏177度(華氏350度)の粉砕ゾーン空気温度で前記供給材料を粉砕するように構成されている、請求項1から12のいずれか1項記載のプラネタリローラミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高水分供給材料を処理するためのローラミルに関し、特に、高水分供給材料を粉砕し、乾燥させかつ/またはか焼するためにローラミルに配置された粉砕アセンブリを通る空気流を有するプラネタリローラミルに関する。
【0002】
背景
粉砕機は、鉱物、石灰石、石膏、燐灰岩、塩、コークスおよび石炭などの固体材料を小さい粒子に破砕および微粉砕するために使用される。振り子ローラミルは、固体材料を破砕および微粉砕するために使用することができる典型的な粉砕機の一例である。粉砕機は、一般的に、ハウジング内に配置された粉砕セクションを有する。粉砕機は、基礎に取り付けることができる。粉砕セクションは、粉砕面に可動に係合する、振り子式に取り付けられたローラなどの複数の破砕部材を有することができる。破砕部材は、破砕部材に回転運動を付与するモータなどの駆動装置と作動可能に連係している。粉砕機の作動中、加圧力、重力または遠心力が、破砕部材を粉砕面に対して押し付ける。破砕部材は、粉砕面と接触した結果、固体材料を粉砕面に押し付けて微粉砕する。
【0003】
図6に示したように、従来の振り子ミル100は、固定のベースアセンブリ110を有する。固定のベースアセンブリ110には粉砕機アセンブリ180が配置されている。ミルの底部181は、適切な締結具181Fによってベースアセンブリに固定されている。ベースアセンブリ110は、上側環状プレート110Uと、下側環状プレート110Lとを有する。上側環状プレート110Uと、下側環状プレート110Lとは、複数の角度付けられたベーン110Vによって互いから離隔させられておりかつ互いに固定されている。隣接するベーン110Vは、空気を粉砕機アセンブリ110へ搬送するように構成された導管132(例えば、ノズル)を画定している。壁部105(例えば、円筒状の容器)は、粉砕機アセンブリ180を包囲しており、ベースアセンブリ110に固定されている。粉砕機アセンブリ180は、軸受ハウジング184によって回転可能に支持された支持軸182を有する。軸受ハウジング184は、適切な締結具185によって振り子ミル100の底部181に固定されている。軸182の一方の端部は、軸182を回転させるための駆動ユニット(図示せず)に連結されている。軸182の反対側の端部には、ハブ186が取り付けられている。複数のアーム187がハブ186から延びている。各アーム187は、ジャーナルアセンブリ188を回動可能に支持している。ジャーナルアセンブリ188の端部にはローラ189が回転可能に結合されている。
【0004】
図7に示したように、ジャーナルアセンブリ188はジャーナルヘッド188Hを有し、ジャーナルヘッド188Hからカラー188Cが延びている。カラー188Cは、カラー188Cを貫通して延びるボアを画定した内面を有する。内面にはブシュ194Aが固定されている。カラー188Cは、軸187Pを介してジャーナルアセンブリ188をアーム187に回動可能に固定している。軸187Pはアーム187から延びている。軸187Pは、ボア内へ延びておりかつブシュ194Aの内面に摺動可能に係合している。ブシュ194Aは、オイルなどの潤滑剤に浸されている。潤滑剤は、1つまたは複数のシール(図示せず)によってボアに封入されている。
【0005】
図7に示したように、ジャーナルヘッド188Hを通って段状のボアが延びている。ジャーナルアセンブリ188は、長手方向軸線X10を有する軸193を有する。軸193の一部は段状のボア内へ延びており、ジャーナルヘッド188Hは、ピン197Cなどの適切な締結具によって軸193に固定されている。軸193と、段状のボアによって画定された内面との間には、環状のポケット188Pが形成されている。
【0006】
ジャーナルアセンブリ188は、内部領域を有する環状の上側ハウジング188Uを有する。上側ハウジング188Uの上側部分は、環状のポケット188P内へ延びている。上側ハウジング188Uの半径方向外面には、周方向に延びる複数の溝(例えば、3つの溝)が形成されている。上側ハウジング188Uの半径方向外面と、ジャーナルヘッド188Hの段状のボアによって画定された内面とは、間隙G88Rによって互いに半径方向に離隔させられている。間隙G88Rは、ジャーナルヘッド188Hに対する上側ハウジング188Uの回転を可能にするように十分な大きさである。ジャーナルヘッド188Hと、上側ハウジング188Uとは、軸方向間隙G88によって互いに軸方向に離隔させられている。軸方向間隙G88は、ジャーナルヘッド188Hに対する上側ハウジング188Uの回転を可能にするように十分な大きさである。間隙G88Rを回転においてシールするために、各溝にはラビリンスシール195が配置されている。
【0007】
図7に示したように、第1のフランジ付きスリーブ194Bは、上側ハウジング188Uの内面へ延びており、ピン197Bによって上側ハウジング188Uの内面に固定されている。第1のフランジ付きスリーブ194Bは、間隙G88Bによって軸193から離隔させられた内面を有する。間隙G88Bは、軸193に対する上側ハウジング188Uの回転を可能にするように十分な大きさである。上側ハウジング188Uは、軸193から半径方向外方へ延びる軸肩部193Fによって、軸方向下方への移動が制限されている。軸193に対する上側ハウジング188Hの回転を支持するために、肩部193Fと、上側ハウジング188Hの内側肩部との間にスラスト軸受198が配置されている。
【0008】
図7に示したように、下側ハウジング188Lは、複数の締結具196Bによって上側ハウジング188Uに固定されている。下側ハウジング188Lは、第2のフランジ付きスリーブ194Cを有する。第2のフランジ付きスリーブ194Cは、上側ハウジング188Uの内面へ延びており、ピン197Aによって上側ハウジング188Uの内面に固定されている。第2のフランジ付きスリーブ194Cは、間隙G88Cによって軸193から離隔させられた内面を有する。間隙G88Cは、軸193に対する下側ハウジング188Lの回転を可能にするように十分な大きさである。下側ハウジング188Lは、閉鎖された下端部を有する。ローラ189は、下側ハウジング188Lの周囲に配置されており、締結具196Aによって下側ハウジング188Lに固定されている。
【0009】
ローラ189、下側ハウジング188Lおよび上側ハウジング188Uは、軸193に対してユニットとして回転可能である。間隙G88BおよびG88Cには、下側充填ラインLLと上側充填ラインLUとの間まで潤滑剤(例えば、オイルまたは合成油)が充填されている。ラビリンスシール195は、オイルを間隙G88BおよびG88Cに封入しており、ごみが間隙G88BおよびG88Cに進入するのを防止している。間隙G88BおよびG88Cならびにピン187Pとスリーブ194Aとの間における潤滑剤の使用は、オイルを劣化から保護するために、従来の振り子ミル100において作動温度の制限を課す。例えば、石油ベースのオイルが使用されると、ジャーナルアセンブリ188の温度は、華氏約250度に制限されなければならない。合成油が使用されると、ジャーナルアセンブリ188の温度は、華氏約350度に制限されなければならない。
【0010】
このような温度の制約は、10質量パーセント未満の水分を有する材料を粉砕するための従来の振り子ミル100を制限する。なぜならば、粉砕される材料を乾燥させるために利用できる熱が不十分であるからである。例えば、石膏(例えば、合成石膏、天然石膏またはそれらの混合物)をか焼するとき、必要とされる出口温度は、華氏約325~350度であるが、入口温度は、華氏1000度まで高くなることがある。ジャーナルアセンブリ188の領域における温度は、一般的に、出口温度より少なくとも華氏100度高い。その結果、ジャーナルアセンブリ188の温度は、華氏450度を超え、これは、石油ベースのオイルおよび合成油を含むあらゆる潤滑剤のための最大作動温度よりも高い。すなわち、従来の振り子ミル100は、高い水分(例えば、5~10質量パーセント(wt%)の表面水および約20wt%の化学結合水分)を有する石膏などの供給材料を粉砕し、か焼しかつ乾燥させるように構成されていない。
【0011】
再び図6を参照すると、ローラ189は、リング122の硬化させられた内方に面した面129に転がり係合している。プラウアセンブリ190は、プラウ支持体191によってハブ186に結合されている。しかしながら、ジャーナルアセンブリ188はかなり重く、したがって、従来の振り子ミル100を損傷する可能性があるジャーナルアセンブリ188の過剰な振動および揺れを防止するために、軸182、ハブ186、アーム187、ジャーナルアセンブリ188およびローラ189が回転する速度が所定の大きさよりも低く維持されることを必要とする。従来の振り子ミル100は、高い粉砕速度において振動を生じる傾向がある。高い粉砕速度は、25~35ミクロンの粉砕された製品を製造するために、40~80ミクロン以下のサイズを有する供給材料を粉砕するために必要とされる。したがって、従来の振り子ミル100は、速度制限を有する。この速度制限は、従来の振り子ミル100が、25~35ミクロンまたはより微細なサイズの粉砕された粒子を有する十分なスループットを提供することを妨げる。
【0012】
振り子ミル100の作動中、軸182は、ハブ186およびアーム187を回転させ、これにより、ジャーナルアセンブリ188は振り子式に外方へ揺れ動く。これにより、ローラ189は、遠心力によって、硬化させられた面129に対して外方へ押し付けられる。粉砕機アセンブリ110によって破砕または微粉砕される材料は、粉砕機アセンブリ180の上方から、シュート(図示せず)を通って振り子ミル100の内部領域180Aへ導入され、プラウアセンブリ190へ供給される。プラウアセンブリ190は、破砕または微粉砕される材料を、ローラ189およびリング122の領域へ推進する。矢印192によって示したように、空気は、導管132を通じて振り子ミル100へ供給される。材料は、ローラ189と、リング122の硬化させられた面129との間で破砕される。
【0013】
図8に示したように、超微細粉砕のための従来のプラネタリミル200には、粉砕機アセンブリ280が配置されている。本明細書で使用される場合、“超微細”という用語は、d50<5ミクロンの粒径範囲に粉砕された材料を意味し、d50は、質量当たりの平均粒径として規定される。外壁205(例えば、円筒状の容器)は、粉砕機アセンブリ280を包囲している。粉砕機アセンブリ280は、軸受ハウジング284によって回転可能に支持された支持軸282を有する。軸282の一方の端部は、軸282を回転させるための駆動ユニット(図示せず)に連結されている。軸282の反対側の端部は、互いに離隔させられかつ軸282に取り付けられた上側プレート(例えば、円形のディスク状プレート)286Uと、下側プレート(例えば、円形のディスク状プレート)286Lとを有する。複数のローラ289(例えば、図9に示された6つのローラ)は、軸282の周囲にプラネタリ配列で上側プレート286Uと下側プレート286Lとの間に配置されている。各ローラ289は、ピン289Pによって回転するように支持されている。ピン289Pは、ローラ289を通って延びており、上側プレート286Uおよび下側プレート286Lに固定されている。各ローラ289は、リング222の、硬化させられた内方に面した面229に転がり係合している。上側プレート286Uおよび下側プレート286Lは、リング222と同心状である。上側プレート286Uおよび下側プレート286Lそれぞれの最も外側の周面は、それぞれ距離D1およびD2だけリング222の硬化させられた内方に面した面229から離隔させられており、これにより、それぞれ環状の間隙G1およびG2を形成している。
【0014】
図9に示したように、リング222の内方に面した面229は、断面領域A1を規定する内径D5を有する。環状の間隙G1は、領域A1の約10パーセント以下の領域A2を有する。
【0015】
図8を参照すると、分配プレート291(例えば、円形のディスク状プレート)は、リング222の下縁222Eの下方で軸282に取り付けられており、かつ距離D3だけ下縁222Eから離隔させられており、これにより、間隙G3を形成している。分配プレート291は上面291Uを有する。
【0016】
図8に示したように、環状の隔壁205Fが、外壁205の内側に配置されておりかつ距離D4だけ外壁205から離隔させられており、これにより、外壁205と隔壁205Fとの間に環状の間隙G4を形成している。隔壁205Fの下縁は、リング222の上縁の近くに配置されている。リング222の半径方向外面は、距離D6だけ外壁205の内面から離隔させられており、これにより、外壁205とリング222との間に環状の間隙G6を形成している。
【0017】
図8に示したように、分級機アセンブリ255が、軸255Xによって外壁205の上端部205Uに回転可能に取り付けられている。分級機アセンブリ255は、軸255Xに固定された対向するプレートの間に取り付けられた複数の離隔させられたベーン255Vを有する。ベーンによって画定された内部領域は、ダクト255Dと通じており、このダクト255Dは、出口ダクト233へ排出する。空気入口ダクト211は、粉砕機アセンブリ280および分配プレート291の下方で外壁205の下側部分に取り付けられている。
【0018】
超微細粉砕のための従来のプラネタリミル200の作動中、粉砕される材料M1は、隔壁205Fによって画定された内部領域へ供給され、上側プレート286U上へ落下する。上側および下側のプレート286Uおよび286Lは、軸282によって回転させられる。上側および下側のプレート286Uおよび286Lの回転は、ローラ289を、軸282およびピン289Pから半径方向外方へ移動させ、これにより、リング222の内方に面した面229に回転するように係合する。粉砕される材料M1は、遠心力によって上側プレート上で半径方向外方へ分散させられる。粉砕される材料は、間隙G1内へ落下し、ローラ289と、リング222の内方に面した面229との間で、粉砕された材料M2に粉砕される。粉砕された材料M2は、分配プレート291の上面291U上へ落下し、外壁205とリング222との間の間隙G6内へ排出される。
【0019】
矢印F1によって示したように、空気は入口ダクト211へ供給される。入口ダクト211は、外壁205とリング222との間の間隙G6と連通しており、粉砕アセンブリ280をほとんど迂回する。間隙G1,G2およびG3は最小限にされており、これにより、粉砕アセンブリを通る空気流を最小限にし、粉砕アセンブリにおける通流速度を最小限にしかつ粉砕アセンブリ280における粉砕される材料M1の保持時間を延長させ、これにより、粉砕された材料M2が超微細状態に粉砕される。粉砕アセンブリ280を通る高速の空気流が存在しないことにより、従来のプラネタリミル200の使用は、5質量パーセント未満の水分を有する材料を粉砕することに制限される。なぜならば、粉砕される材料を乾燥させるために利用できる空気流が不十分だからである。空気は、間隙G6を通り、さらに、外壁205と隔壁205Fとの間の間隙G4を通って、粉砕された材料M2を運搬する。矢印F3によって示したように、空気は、粉砕された材料M2を分級機アセンブリ255へ搬送する。分級機アセンブリ255は、粉砕された材料M2を超微細状態で出口ダクト233から排出し、より大きな、完全に粉砕されていない材料M3を粉砕アセンブリ280へ戻す。
【0020】
米国特許第3027103号明細書は、ピストンをヨークに対して半径方向外方へ押し付け、これにより、粉砕リングに対するローラの粉砕圧力を増大させるために、ローラのあらゆる移動が、圧力下の流体を圧力チャンバへ進入させることによるものであるように、粉砕リングの内面に対する粉砕ローラの圧力を変化させるための圧力応答手段を有する、固体材料を微粉砕するための粉砕機を開示している。しかしながら、米国特許第3027103号明細書は、軸の回転の結果としての複数のローラそれぞれの半径方向外方への移動を開示または示唆していない。
【0021】
米国特許第3027103号明細書は、さらに、スパイダにおいて円弧状に離隔させられた関係で取り付けられたヨークを開示しており、スパイダは、軸と共にヨークが回転するために軸受支持体の上方で軸にスプライン結合またはその他の方法で固定されている。ヨークは、各ヨークのための上側および下側の円筒状のバーにおいてスパイダに対して内方および外方へ半径方向移動を行う。米国特許第3027103号明細書は、ローラの各対のためにヨークが設けられていることも開示している。ローラはヨークに取り付けられており、各ヨークは、鉛直方向ウェブによって接続された上側および下側のアームを有する。ヨークは、反対に離隔させられた関係で配置されており、回転可能に取り付けられた軸にスプライン結合またはその他の方法で固定された上側および下側の円筒状ブロックに対する内方および外方の半径方向移動を行う。しかしながら、米国特許第3027103号明細書は、軸に取り付けられたローラのためのいかなる支持プレートも開示または示唆していない。
【0022】
図10に示したように、米国特許第1609529号明細書は、タルクを製造するための、粉砕リング303を通って延びる周方向入口302を通る材料供給部301を有する微粉砕機300に関する。タルクが微粉砕された後、タルクは、排気ファンによって、ローラ350の間から引き出される。米国特許第1609529号明細書に開示された微粉砕機300は、開口を有する側壁314を有する。開口は、微粉砕機の出口の近くの流れ領域FAのサイズを制限する。
【0023】
前記に基づき、高水分量を有する供給材料を乾燥させかつ粉砕するように構成された改良されたローラミルが必要とされている。
【0024】
概要
本明細書において、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークス、石炭、合成石膏、天然石膏および合成石膏と天然石膏との混合物などの供給材料を処理するためのプラネタリローラミルが開示されている。プラネタリローラミルは、少なくとも摂氏177度(華氏350度)の粉砕ゾーン空気温度で供給材料を粉砕するように構成された粉砕アセンブリを有する。このような高い空気温度を、提供することができる。なぜならば、本明細書に説明されているように、ローラのための潤滑剤が必要とされないからである。プラネタリローラミルは、固定フレームに取り付けられた容器アセンブリを有する。容器アセンブリは、内面と、容器アセンブリと連通した材料供給部とを有する。粉砕アセンブリは、材料供給部の下方で容器アセンブリに配置されている。粉砕アセンブリは、環状の粉砕リングを有し、この環状の粉砕リングを開口が貫通して延びている。開口は、半径方向内方に面した粉砕面によって画定されており、第1の領域を有する。粉砕リングは、容器アセンブリの内面とシーリング係合している。粉砕アセンブリは、フレームに回転可能に取り付けられた軸を有する。第1の支持プレートは、軸に固定されており、第2の領域を規定する、第1の軸方向に面した面を有する。第2の支持プレートも、軸に固定されており、第3の領域を規定する、第2の軸方向に面した面を有する。第2の支持プレートは、第1の支持プレートから軸方向に離隔させられている。複数のローラは、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートに回転可能に取り付けられており、第1の支持プレートと第2の支持プレートとの間に配置されている。複数のローラはそれぞれ、軸の回転の結果、第1の支持プレートと第2の支持プレートとの間で移動するように構成されている。複数のローラはそれぞれ、半径方向外面を有する。半径方向外面は、粉砕リングの粉砕面と粉砕係合し、例えば、外面は粉砕リングの粉砕面と転がり係合するまたは外面は、粉砕を行うために粉砕リングの粉砕面の十分に近くに位置する。プラネタリローラミルは、開口を通じて空気を供給するために粉砕リングにおける開口と連通した出口を有する空気供給システムを有する。例えば、1つの実施の形態では、空気供給システムの出口は、複数のローラの下方で、粉砕リングの開口の底部に接続されている。粉砕アセンブリにおいて供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、第1の支持プレートの第2の領域および第2の支持プレートの第3の領域が、第1の領域の少なくとも30%の開口を通る流れ領域を構成する大きさであるように、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートは非円形である。
【0025】
1つの実施の形態では、複数のローラはそれぞれ、各ローラを軸方向に貫通するボアを有する。ボアは、内径を有する。複数のローラはそれぞれ、第1のプレートおよび第2のプレートに固定されかつ第1のプレートと第2のプレートとの間に延びるピンに取り付けられている。ピンは、ボアの内径より小さい外径を有する。
【0026】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、合成石膏、天然石膏またはそれらの混合物を乾燥させかつ/またはか焼するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の40~70パーセントである。
【0027】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、合成石膏、天然石膏またはそれらの混合物を乾燥させかつか焼するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の40~50パーセントである。
【0028】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、所定の粒径の粉砕されかつか焼された製品を製造するために粉砕領域において十分な滞留時間を提供しながら、約10wt%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する合成石膏、約5%の表面水および約20wt%の結合水分を有する天然石膏または約5wt%~約10wt%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する合成石膏と天然石膏との混合物を乾燥させかつ/またはか焼するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の40~70パーセントである。
【0029】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、所定の粒径の粉砕されかつか焼された製品を製造するために粉砕領域において十分な滞留時間を提供しながら、約10wt%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する合成石膏、約5%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する天然石膏または約5wt%~約10wt%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する合成石膏と天然石膏との混合物を乾燥させかつ/またはか焼するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の40~50パーセントである。
【0030】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気は、1ミリメートル未満の粒径を有する供給材料を乾燥させかつ/またはか焼するために十分である。
【0031】
1つの実施の形態において、所定の量の加熱された空気が、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび/または石炭などの供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~60パーセントである。
【0032】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、所定の粒径の粉砕されかつ乾燥された製品を製造するために十分な粉砕領域を提供しながら、5wt%より大きな水分含有率を有する供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~60パーセントである。
【0033】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、約0.05~約50mmの粒径を有する供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~60パーセントである。
【0034】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび/または石炭などの供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~40パーセントである。
【0035】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、所定の粒径の粉砕されかつ乾燥された製品を製造するために十分な粉砕領域を提供しながら、5wt%より大きな水分含有率を有する供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~40パーセントである。
【0036】
1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気が、約0.05~約50mmの粒径を有する供給材料から水分を除去するために十分であるように、流れ領域は、第1の領域の30~40パーセントである。
【0037】
1つの実施の形態では、各ローラの半径方向外面は凸面状であり、粉砕リングの粉砕面は凹面状である。しかしながら、別の実施の形態では、各ローラの半径方向外面は実質的に直線的であり、粉砕リングの粉砕面は実質的に直線的である。1つの実施の形態では、各ローラは、円錐状の外面を有し、粉砕リングの粉砕面は、円錐形のローラを受け入れるように傾斜させられている。
【0038】
1つの実施の形態では、粉砕アセンブリは、プラウアセンブリを有する。プラウアセンブリは、軸と共に回転可能であり、粉砕アセンブリの下方から複数のローラおよび粉砕リングまで供給材料を搬送するように構成されている。
【0039】
別の実施の形態では、プラネタリローラミルは、軸に固定された1つまたは複数の付加的な支持プレートを有する。付加的な支持プレートは、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートから軸方向に離隔させられている。付加的な複数のローラは、付加的な支持プレートのうちの1つと、第1の支持プレートまたは第2の支持プレートとに回転可能に取り付けられており、付加的な支持プレートのうちの1つと、第1の支持プレートまたは第2の支持プレートとの間に配置されている。付加的な複数のローラはそれぞれ、軸の回転の結果、第1の支持プレート、第2の支持プレートおよび付加的な支持プレートの間で移動するように構成されている。複数の付加的なローラはそれぞれ、粉砕リングの粉砕面と粉砕係合した半径方向外面を有する。
【0040】
1つの実施の形態では、粉砕アセンブリは、少なくとも摂氏177度(華氏350度)の粉砕ゾーン空気温度で供給材料を粉砕するように構成されている。
【0041】
1つの実施の形態では、潤滑剤は、複数のローラのそれぞれによって画定されたボアに配置されていない。
【0042】
1つの実施の形態では、材料供給部は、容器アセンブリを通ってその内部領域内へ延びる出口を有する。ランプは、内面に固定されており、出口に対して下方および半径方向内方へかつ少なくとも部分的に出口と粉砕リングとの間に延びている。1つの実施の形態では、カバーは、出口と、ランプの少なくとも一部との上に配置されている。
【0043】
1つの実施の形態では、ローラは、粉砕リングに対してローラの鉛直方向位置を調節するための手段(例えば、シムスタック)を有する。
【0044】
1つの実施の形態では、第1の支持プレートおよび/または第2の支持プレートは、中央領域と、中央領域から外方へ延びる1つまたは複数のローブを有する。ローブは、非対称の形状を有する。各ローブは、ローラ取付けピンを受け入れるための領域(例えば、開口、凹所または面)を有する。領域は中心点を有する。非対称の形状は、後縁と、後縁と概して反対側の前縁とを有する。後縁は、前縁よりも中心点からさらに離れるように延びている。
【0045】
1つの実施の形態では、複数のローラはそれぞれ、軸方向端部を有する。後縁から前縁の方向での第1の支持プレートおよび第2の支持プレートの回転中、ローブが、前縁および後縁に隣接した、ローラの軸方向端部の少なくとも一部をカバーするように、中心点がローブに配置されている。
【0046】
供給材料を処理するための粉砕機が本明細書に開示されている。粉砕機は、固定のフレームに取り付けられかつ内周面を有する容器アセンブリを有する。粉砕機は、内周面を通って半径方向内方へ延びる出口を介して容器アセンブリの内部領域と連通した材料供給部を有する。粉砕アセンブリ(例えば、振り子構成またはプラネタリ構成)は、容器アセンブリに配置されている。粉砕アセンブリは、半径方向内方に面した粉砕面を有する環状の粉砕リングを有する。軸は、例えば軸受アセンブリを介してフレームに回転可能に取り付けられている。複数のローラは、粉砕面と粉砕係合するように構成されている。ランプは、内面に固定されており、出口に対して下方および半径方向内方へかつ少なくとも部分的に出口と粉砕リングとの間に延びている。1つの実施の形態では、ランプの底部は、粉砕リングの半径方向内縁(例えば、粉砕面の一部)において半径方向外方で終わっており、粉砕ローラの半径方向外側に配置されている。
【0047】
1つの実施の形態では、カバーは、出口と、ランプの少なくとも一部との上に配置されている(例えば、溶接によってまたは機械的な締結具を用いて取り付けられている)。1つの実施の形態では、カバーは、1つまたは複数の側部プレートまたは壁部と、1つまたは複数の前側プレート(例えば、傾斜した、水平および/または鉛直のプレートまたは壁部)とを有する。1つの実施の形態では、カバーは、粉砕ローラの半径方向外側に配置されている。1つの実施の形態では、カバーの一部は、粉砕リングの半径方向内方へ延びている。粉砕アセンブリは、プラネタリ構成において支持プレートの間に配置された粉砕ローラを有するプラネタリ構成であってもよい(例えば、図1Aおよび図1B参照)。粉砕アセンブリは、振り子構成を介して支持された粉砕ローラを有する振り子タイプであってもよい(例えば、図6および図7参照)。
【0048】
1つの実施の形態では、支持構造(例えば、スパイダプレート、ハブ、支持プレート、支持アーム、ガセットおよびそれらの組合せ)が軸に固定されている。1つの実施の形態では、複数のローラは、振り子またはプラネタリ構成において支持構造に回転可能に取り付けられている。1つの実施の形態において、粉砕ミルは、プラネタリローラミルまたは振り子ミルである。
【0049】
さらに、本明細書には、振り子ミルなどのローラミルを改造する方法が開示されている。方法は、固定のフレームに取り付けられた容器アセンブリと、容器アセンブリに配置された粉砕アセンブリとを有するローラミルを提供することを含む。粉砕アセンブリは、第1の粉砕リングを有し、第1の粉砕リングを第1の開口が貫通して延びている。第1の開口は、第1の半径方向内方に面した粉砕面によって画定されており、第1の領域を有する。第1の粉砕リングは、容器アセンブリの内面とシーリング係合している。軸は、フレームに回転可能に取り付けられている。ハブは、例えばキーおよびキー溝構成を介して、軸の一方の端部に取り付けられている。複数のアーム(例えば、スパイダプレート)がハブから延びている。粉砕アセンブリは複数のジャーナルアセンブリを有する。複数のジャーナルアセンブリのうちの1つは、複数のアームのそれぞれに回動可能に固定されている。粉砕アセンブリは複数の第1のローラを有する。複数の第1のローラのうちの1つは、各ジャーナルアセンブリに回転可能に結合されている。ローラミルを改造する方法は、複数のアームと、複数のジャーナルアセンブリと、複数の第1のローラとをローラミルから取り外すことを含む。方法は、スリーブと、第1の支持プレートと、第2の支持プレートと、複数の第2のローラとを提供することを含む。スリーブは軸上に配置されており、スリーブはハブを介して軸に固定されている。方法は、第1の支持プレートをスリーブに固定することを含む。第1の支持プレートは、第2の領域を規定する、第1の軸方向に面した面を有する。方法は、第2の支持プレートをスリーブに固定することを含む。第2の支持プレートは、第3の領域を規定する、第2の軸方向に面した面を有する。第2の支持プレートは、第1の支持プレートから軸方向に離隔させられている。方法は、複数のローラがそれぞれ、軸の回転の結果、軸に対して半径方向外方へ移動しかつ/または第1および第2の支持プレートの間で移動するように構成されるように、複数の第2のローラを第1の支持プレートおよび第2の支持プレートにかつ第1の支持プレートと第2の支持プレートとの間に回転可能に取り付けることを含む。複数のローラはそれぞれ、半径方向外面を有する。粉砕アセンブリにおいて供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、第1の支持プレートの第2の領域および第2の支持プレートの第3の領域が、第1の領域の少なくとも30%の第1の開口を通る流れ領域を構成する大きさであるように、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートは非円形である。
【0050】
1つの実施の形態では、方法は、ハブに固定された第1のプラウアセンブリを提供することを含む。第1のプラウアセンブリは、ローラミルから取り外される。方法は、1つまたは複数の第2のプラウアセンブリを提供し、第2のプラウアセンブリを第2の支持プレートの底部に固定することを含む。
【0051】
1つの実施の形態では、方法は、第1の粉砕リングをローラミルから取り外すことを含む。第2の粉砕リングが提供される。第2の粉砕リングは、第1の半径方向内方に面した粉砕面によって画定されかつ第1の領域A1を有する第1の開口を有する。第1および第2の粉砕リングの第1の領域の大きさは、等しくてもよいまたは異なってもよい。方法は、第2の粉砕リングをローラミルに据え付けることを含む。
【0052】
1つの実施の形態では、方法は、容器アセンブリの内面とシーリング係合するように第2の粉砕リングを据え付けることを含む。
【0053】
1つの実施の形態では、方法は、例えば、シムスタックの使用により、粉砕リングに対するローラの鉛直方向位置を調節することを含む。
【0054】
さらに、本明細書には、プラネタリローラミルのための支持プレートが開示されている。支持プレートは、回転の中心を有する中心領域と、中心領域から半径方向外方へ延びる1つまたは複数のローブとを有する。各ローブは、非対称の形状を有する。各ローブは、ローラ取付けピンを受け入れるための領域(例えば、凹所、開口または面)を有する。領域は中心点を有する。非対称の形状は、後縁と、後縁と概して反対側の前縁とを有する。後縁は、前縁よりも中心点からさらに離れるように延びている。
【0055】
1つの実施の形態では、後縁から前縁の方向での支持プレートの回転中、ローブが、前縁および後縁に隣接した、ローラの軸方向端部の少なくとも一部をカバーするように構成されるように、中心点がローブに配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1A】4つの異形ローラを備える、本発明のプラネタリローラミルの斜視図である。
図1B】4つの直線的なローラを備える、本発明のプラネタリローラミルの斜視図である。
図2A】線2A-2Aに沿って見た、図1Aのプラネタリローラミルの断面図である。
図2B】線2B-2Bに沿って見た、図1Bのプラネタリローラミルの断面図である。
図2C】異形ローラの2つの層を備える、プラネタリローラミルの一部の断面図である。
図2D】線2D-2Dに沿って見た、図2Aのローラのうちの1つの拡大断面図である。
図2E】異形ローラと、摩耗プレートと、代替的なプラウ取付け構成とを備えた、本発明のプラネタリローラミルの別の実施の形態の断面図である。
図2F】円錐形のローラと、摩耗プレートと、代替的なプラウ取付け構成とを備えた、本発明のプラネタリローラミルの別の実施の形態の断面図である。
図3A】3つのローラを有する、本発明のプラネタリローラミルの粉砕アセンブリの1つの実施の形態の平面図である。
図3B】3つのローラを有する、本発明のプラネタリローラミルの粉砕アセンブリの別の実施の形態の平面図である。
図3C】非対称的な支持および摩耗プレートと共に示された、図2Aのプラネタリローラミルの粉砕アセンブリの別の実施の形態の平面図である。
図3D図3Cの支持プレートにおいて使用するための摩耗プレートの拡大図である。
図3E】中立状態で示された、ローラのうちの1つと、図3Dの支持プレートのローブとの拡大図である。
図3F】回転状態で示された、ローラのうちの1つと、図3Dの支持プレートのローブとの拡大図である。
図4A】6つのローラを有する、本発明のプラネタリローラミルの粉砕アセンブリの1つの実施の形態の平面図である。
図4B】6つのローラを有する、本発明のプラネタリローラミルの粉砕アセンブリの1つの実施の形態の平面図である。
図5】本発明のプラネタリローラミルの3ローラ実施形態の斜視図である。
図6】従来の振り子ミルの断面図である。
図7図6の振り子およびローラアセンブリのうちの1つの拡大断面図である。
図8】粉砕機アセンブリの外側の空気流を用いた超微細粉砕のための従来のプラネタリローラミルの概略図である。
図9】線9-9に沿って見た、図8のプラネタリローラミルの断面図である。
図10】従来の微粉砕機の断面図である。
図11】従来の粉砕機の内部領域の斜視図である。
図12】材料供給シュートから延びたランプと共に示された、本発明の粉砕機の内部領域の斜視図である。
図13】シュート上に据え付けられたカバーと共に示された、図12の粉砕機の内部領域の斜視図である。
図14図13の粉砕機の断面図である。
図15図12の粉砕機に据え付けられたランプおよびシュートの別の実施の形態の断面図である。
【0057】
詳細な説明
図1Aに示したように、合成石膏、天然石膏、合成石膏と天然石膏の混合物、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび石炭などの、ただしこれらに限定されない供給材料を処理(例えば、粉砕、乾燥および/またはか焼)するためのプラネタリローラミル(本明細書では“ローラミル”とも呼ばれる)が、概して要素番号10によって示されている。すなわち、ローラミル10は、粉砕アセンブリにおいて供給材料から水分を除去するために利用される。ローラミル10は、固定フレーム21に取り付けられた容器アセンブリ20を有する。容器アセンブリ20は、軸線A10を中心に鉛直の向きで示されている。容器アセンブリ20は、1)容器アセンブリの底部に配置された粉砕セクション20Aと、2)粉砕セクション20Aの軸方向上方に配置された材料供給セクション20Bと、3)供給セクション20Bの軸方向上方に配置された分級機ハウジング20Cと、を有する。材料供給装置22は、材料供給セクション20Bと連通しておりかつ材料供給セクション20Bに固定されている。材料供給装置22は、供給される材料を受け入れるための入口22Aと、供給材料を供給セクション20Bへ供給するための出口22Bと、を有する。材料供給装置22の出口22Bは、粉砕セクション20Aの軸方向上方に配置されているので、供給材料は、ローラ50と、粉砕リング32の軸方向上縁32Xとの軸方向上方において粉砕セクション20Aに進入する。タービン分級機40は、軸40Aを介して容器アセンブリ20の上側部分に回転可能に取り付けられており、軸40Aは、軸40Aおよびタービン分級機40を回転させるための駆動アセンブリ40Bに連結されている。タービン分級機40は、容器アセンブリ20の出口41と連通している。タービン分級機40は、追加的な粉砕を要する材料を粉砕セクション20Aへ戻しながら、適切に粉砕された材料を出口41から排出させる。タービン分級機40が図示および説明されているが、本発明はこれに関して制限されない。なぜならば、その他の分級機が使用されてもよいからである。その他の分級機は、R.F.O’Maraに1938年2月15日に発行された米国特許第2108609号明細書に図示および説明されかつまたPCT出願第PCT/US2017/23560において、それに含まれた図2および図3を参照して説明された、ホイザセパレータを含む。
【0058】
図11に示したように、供給セクション20Bにおける出口22Bは、材料供給装置22と出口22Bとの間の連通を提供しており、出口22Bは、容器アセンブリ20の内面20Dまで延びている。材料供給装置22によって供給される材料は、出口22Bを通過し、矢印R20によって示したように、重力の助けにより、粉砕リング32の軸方向上縁32X上に落下する。粉砕される材料の一部(例えば、より大きなおよび/またはより重い粒子)は、矢印R21によって示したように、軸方向上縁32Xから粉砕セクション20A内へ落下することができる。しかしながら、より小さな粒子およびファイン(例えば、合成石膏および石灰石)は、矢印51Aによって示したような上向き通気によって粉砕セクション20Aから引き離されることができ、これにより、粉砕セクション20Aを迂回する。
【0059】
図12および図14に示したように、ランプ49が出口22Bの下縁部22Xから延びており、図1Aおよび図1Bに示したように、プラネタリタイプローラミルの粉砕リング32の軸方向上縁32Xまで、下方かつ半径方向内方へ傾斜している。ランプ49は、プラネタリタイプローラミルに関して使用されるように図示および説明されているが、ランプ49は、図6および図7に示したような、振り子タイプローラミルにおいて使用されてもよい。1つの実施の形態において、ランプ49は、あらゆるタイプの粉砕機において使用されてもよい。1つの実施の形態では、ランプ49の上端49Uは、溶接22W、例えば出口22Bの下縁に配置された溶接22Wによって、容器アセンブリ20の内面20Dに固定されている。1つの実施の形態では、ランプ49の下端部49Bは、粉砕リング32の軸方向上縁32Xに載置されている。1つの実施の形態では、下端部49Bおよび上端部49Uを含むランプ49は、粉砕リング32の半径方向内縁の半径方向外側(例えば、粉砕面46の近く)に配置されている。溶接22Wおよび32Wは、ランプ49を内面20Dと、粉砕リング32の軸方向上縁32Xとに固定するように図示および説明されているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならばその他の構成が使用されてもよいからである。このその他の構成は、機械的な締結具、内面20Dまたは粉砕リング32と一体的に形成されたランプを含み、ランプ49を粉砕リング32から離隔させることができるおよび/またはランプ49を、1つまたは複数のブラケット、フィクスチャまたはカバーによって内面20Dおよび/または粉砕リング32に固定することができる。図14に示したように、ランプ49の下端部49Bは、粉砕面46の縁部から距離G30のところで終わっている。この距離G30は、粉砕リング32の許容できる最大の摩耗に基づいて決定される。
【0060】
図13および図14に示されているように、カバー59が、ランプ49および出口22B上に位置決めされている。カバー59は、対向する三角形の側壁59Eによって支持された傾斜面59Fを有する。傾斜面59Fは、その上縁59Uから下方かつ半径方向内方へ傾斜している。傾斜面59Fは、カバー59の下縁59Bにおいて終わっている。1つの実施の形態では、下縁59Bは、粉砕リング32の軸方向上縁32Xの上方の所定の距離G33のところで終わっている。1つの実施の形態では、距離G33はゼロであり、下縁は、粉砕リング32の軸方向上縁32Xと同一平面の水平面において終わっている。カバー59の下縁59Bは、粉砕される材料を排出するための十分な領域を提供するために、距離G31だけ粉砕面46から半径方向内側に延びている。カバー59の下縁59Bは、粉砕面46より半径方向内側に延びているように図示および説明されているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、カバー59の下縁59Bは、粉砕面46より半径方向外側で終わっていてもよいからである。
【0061】
カバーおよびランプは概して、粉砕領域が材料供給部の出口のすぐ下方にある構成(例えば、プラネタリ粉砕機および振り子粉砕機)においては必要とされないが、図13および図14に示されたカバー59は、空気力学的であり、空気流に対する妨害を最小限に減じ、合成石膏および石灰石などの微細な供給材料を粉砕しかつ乾燥させるために有効である、ということを出願人は発見した。ランプ49およびカバー59の使用は、粉砕される材料のための、出口22Bと粉砕領域20Aとの間の直接的かつ妨害されない流路R22を提供するために協働する、ということを出願人は発見した。ランプ49およびカバー59は、ランプまたはカバーを有さない図11に示された構成と比較して、粉砕される材料を出口22Bから粉砕セクション20Aへより迅速に移動させる。ランプ49およびカバー59の使用は、ランプまたはカバーを有さない図11に示された構成と比較して、上向き通気51Aによって運び去られる材料の量を減じるように協働し、これにより、粉砕セクション20Aに進入する、出口22Bを通って排出される材料の割合を増大させる、ということを出願人はさらに発見した。
【0062】
図15は、図12および図14のランプ49およびカバー59の構成によって形成されるものと比較して、より大きな内部領域を結果として生じる、ランプ49’およびカバー59’の別の実施の形態を示している。ランプ49’は上縁49U’を有し、この上縁49U’は、出口22Bの下縁22Xと、粉砕リング32の軸方向上縁32Xとの間の位置において内壁20Bに固定されている。下縁49B’は、ランプ49の下縁49Bと同様に構成されており、図14に示された下縁49Bについて説明したのと同様に、粉砕リング32の軸方向上縁32Xおよび/または内面20Bに固定されている。カバー59’は、その上縁59U’から下方かつ半径方向内方へ延びた傾斜面59F’を有する。傾斜面59F’は鉛直面59G’へ移行している。鉛直面59G’は、カバー59’の下縁59B’において終わっている。1つの実施の形態では、下縁59B’は、粉砕リング32の軸方向上縁32Xの上方の所定の距離G33のところで終わっている。1つの実施の形態では、距離G33はゼロであり、下縁は、粉砕リング32の軸方向上縁32Xと同一平面の水平面において終わっている。下縁59Bは、粉砕される材料を排出するための十分な領域を提供するために、距離G31だけ粉砕面46から半径方向内側へ延びている。
【0063】
図15に示されたカバー59’は、空気力学的であり、空気流に対する妨害を最小限に減じ、微細な供給サイズを有する石灰石を微粉砕するために有効である、ということを出願人は発見した。ランプ49’およびカバー59’の使用は、粉砕される材料のための、出口22Bと粉砕領域20Aとの間の直接的かつ妨害されない流路R22を提供するために協働する、ということを出願人は発見した。ランプ49’およびカバー59’は、ランプまたはカバーを有さない図11に示された構成と比較して、粉砕される材料を出口22Bから粉砕領域へより迅速に移動させる。ランプ49’およびカバー59’の使用は、ランプまたはカバーを有さない図11に示された構成と比較して、上向き通気51A(例えば、図13参照)によって運び去られる材料の量を減じるように協働し、これにより、粉砕領域20Aに進入する、出口22Bを通って排出される材料の割合を増大させる、ということは出願人はさらに発見した。
【0064】
1つの実施の形態では、斜面49または49’は、一体的なワンピースのランプおよびカバーアセンブリを形成するように、カバー59または59’に固定(例えば、溶接)されている。1つの実施の形態では、側壁59Eまたは59E’は、カバー59または59’から外方へ広がっている。1つの実施の形態では、側壁59Eまたは59E’は、側壁59Eまたは59E’から外方へ延びるフランジを有する。1つの実施の形態では、カバー59または59’、ランプ49または49’および/または一体的なワンピースのランプおよびカバーアセンブリは、内壁20Bに取外し可能に固定される。例えば、1つの実施の形態では、クランプおよびラグが内壁20Bに固定されており、フランジがクランプ内へ滑り込み、カバー59または59’はラグに固定され、これにより、カバー59または59’および/またはランプ49または49’は内壁20Bに取外し可能に固定されかつ粉砕リング32から所定の位置に配置される。
【0065】
ランプ49および49’および/またはカバー59および59’は、図1A図1B図2A図2F図3A図3C図4A図4B図5に示されたプラネタリローラミルならびに図6および図7の振り子ミルにおいて使用することができることを、出願人は発見した。これらは、微細な供給生材料が、重力によって出口ポートから粉砕セクションに向かって供給される粉砕機のあらゆるその他の構成において使用されてもよい。
【0066】
図1Aに示されているように、粉砕アセンブリ30は、出口22Bの下方において容器アセンブリ20の粉砕セクション20Aに配置されている。粉砕アセンブリ30は、適切な締結具32Fを介して容器アセンブリ20の内面20Dに固定された環状の粉砕リング32を有する。粉砕リング32は、容器アセンブリ20の支持リング33の内面33Yとシーリング係合しながら配置された外面32Qを有する。すなわち、粉砕リング32と、容器アセンブリ20の粉砕セクション20Aの支持リング33との間には、空気を通流させかつ粉砕アセンブリ30を迂回させるための環状の間隙は存在しない。1つの実施の形態では、粉砕リング32は、粉砕リング32を貫通した周方向開口または材料供給入口を有さない、連続的な環状のリングである。支持リング33と、フレーム21に固定されたベースプレート36との間に、複数のベーン34が配置されている。ベーン34は、粉砕アセンブリ30の下方に配置されており、粉砕リング32の半径方向外側の位置から粉砕リング32の半径方向内側の位置まで、角度付けられた長さだけ延びている。ベーン34は、支持リング33の周囲に周方向構成で配置されている。本明細書において説明されているように、粉砕される材料を乾燥させかつ/またはか焼するために十分な速度および流量で、矢印35Aによって示された加熱された空気を粉砕アセンブリ30内へ搬送するために、隣接するベーン34の対は、それらの間にチャネル35(例えば、ノズル)を画定している。
【0067】
図1Aに示したように、容器アセンブリ20は、入口45Aを有する空気供給マニホールド45を有する。空気供給マニホールド45は周方向ダクト45B内へ延びている。周方向ダクト45Bは、本明細書において説明される粉砕セクション20Aを包囲しておりかつ粉砕セクション20A内へ開放している。1つの実施の形態では、空気供給マニホールド45の出口は、複数のローラ50の軸方向下方で、粉砕リング32の開口44の底部に接続されている。
【0068】
図3Aおよび図4Aに最も良く示したように、粉砕リング32は、粉砕リング32の軸方向上縁32Xから軸方向下縁32Yまで粉砕リング32を貫通して延びる開口44を有する。開口44は、半径方向内方に面した粉砕面46によって画定されており、第1の領域A1を有する。第1の領域A1は、等式A1=π/4(D7)2によって規定される領域であり、ここで、D7は、半径方向内方に面した粉砕面46において測定された粉砕リング32の公称内径である。
【0069】
図1A図2A図2Eおよび図2Fを参照すると、粉砕アセンブリ30は、フレーム21に回転可能に取り付けられた駆動軸39を有する。ハブ43は、キー接続(図示せず)によって駆動軸39の上側部分に固定されている。ハブ43は、ハブ43の下端部にフランジ43Fを有する。粉砕アセンブリ30は、別のフランジ43Gから軸方向下方へ延びるスリーブ43Cを有する。フランジ43Fとフランジ43Gとの間にはシムスタック43Jが配置されている。複数の締結具は、フランジ43Fおよび43Gを互いに固定している。複数のガセット47がスリーブ43Cに固定されており、スリーブ43Cから半径方向に延びている。シムスタック43Jは、所定の数のシム(例えば、環状のディスク、例えば0.0625インチ(1.5875mm)の厚さ)を有する。シムスタック43Jにおけるシムの数の変更は、本明細書において説明されるように、粉砕リング32に対するローラ50の鉛直方向位置を調節する。シムスタック43Jは、粉砕リング32に対するローラ50の鉛直方向位置を調節するために使用されるものとして図示および説明されているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、粉砕リング32に対してローラ50を調節するためのその他の手段が使用されてもよいからである。その他の手段は、ワッシャおよびジャッキングスクリュまたはさらに粉砕リング32に対するローラ50の位置を決定する部材の適切なサイズ決めによることを含むが、それに限定されない。
【0070】
図1A図2A図2Eおよび/または図2Fに示したように、粉砕アセンブリ30は、ハブ43、スリーブ43Cおよびガセット47を介して軸39に固定された第1の支持プレート52を有する。第1の支持プレート52は、第2の領域A2を規定する、第1の軸方向に面した面52Aを有する。第1の支持プレート52は、領域A2の最適な大きさを確立するように構成された、概して非円形ものである。1つの実施の形態において、図3Bおよび図4Bに示したように、流れ領域FAを減じることなく各ローラ50の軸方向端部50Z全体をカバーするように領域A2’を外方へ延長させることによって、第1の支持プレート52の領域A2’は、図3Aおよび図4Aに示された領域A2より増大させられている。増大させられた領域A2’の使用は、軸方向端部50Zと、各ローブ52Lの第1の軸方向に面した面52A(すなわち、下側)との間の接触圧を減じる。第1の支持プレート52の領域A2’は、増大されるように図示および説明されているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、第2の支持プレート54の領域は、第1の支持プレート52に関して説明したものと同様の形式で増大させることができるからである。領域A2の最適な大きさを提供するためには円形の支持プレートは適していないことを出願人は発見した。1つの実施の形態では、図3Aに示したように、支持プレート52は中央領域52Cを有し、この中央領域52Cから3つのローブ52Lが半径方向外方へ延びている。図3Aは、3つのローブ52Lを有する支持プレート52を示しているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、支持プレートは、あらゆる数のローブを有してもよいからである。例えば、図4Aに示したように、支持プレート52は中央領域52Cを有し、この中央領域52Cから6つのローブ52Lが半径方向外方へ延びている。
【0071】
図1A図2A図2Eおよび図2Fに示したように、粉砕アセンブリ30は、ハブ43、スリーブ43Cおよびガセット47を介して軸39に固定された、第2の支持プレート54を有する。第2の支持プレート54は、第3の領域A3を規定する、第2の軸方向に面した面54Aを有する。第2の支持プレート54は、領域A3の最適な大きさを確立するように構成された、概して非円形ものである。領域A3の最適な大きさを提供するためには円形の支持プレートは適していないことを出願人は発見した。第2の支持プレート54は、間隙G10によって第1の支持プレート52から軸方向に離隔させられている。第2の支持プレート54は、第1の支持プレート52に関して図示(例えば、図3A図3B図4Aおよび図4B)および説明されたものと同様の形状で構成されている。
【0072】
図1Aおよび図2Aに示したように、複数のローラ50は、第1の支持プレート52および第2の支持プレート54に回転可能に取り付けられておりかつ第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間に配置されている。シムスタック43Jにシムを加えることにより、スリーブ43Cと、第1および第2の支持プレート52および54と、ローラ50とは鉛直方向下方へ移動し、粉砕リング32においてローラ50を鉛直方向で整列させる。シムスタック43Jにおけるシムの数を減じることにより、スリーブ43Cと、第1および第2の支持プレート52および54と、ローラ50とは鉛直方向上方へ移動し、粉砕リング32においてローラ50を鉛直方向で整列させる。
【0073】
図2Dに示したように、第1の支持プレート52は、ローラ50の軸方向端部50Zを露出させるように破断図で示されている。複数のローラ50はそれぞれ、第1および第2の支持プレート52および54の間で移動するように、例えば、矢印R9の時計回り方向への軸39の回転の結果として(ローラ50の点線50の状態によって示されているように)矢印R1の方向へ第1および第2の支持プレート52および54の間で移動するように、構成されている。複数のローラ50はそれぞれ、各ローラ50を軸方向に貫通するボア50Bを有する。ボア50Bは、内径D50を有する。複数のローラ50はそれぞれ、ピン60に取り付けられている。ピン60は、それぞれのローブ52Lの領域において第1の支持プレート52および第2の支持プレート54に固定されておりかつ第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間に延びている(例えば、図3および図4参照)。再び、図2Dを参照すると、ピン60は、ボア50Bの内径D50より小さな外径D60を有する。複数のローラはそれぞれ、半径方向外面50Xを有する。時計回り方向R9への軸39の回転により、ローラ50は、矢印R1によって示したように、第2の支持プレート54の後縁54Tに向かって、ピン60から離れるように、周方向で後方へ移動する。軸39の回転の結果、ローラ50は、第1および第2の支持プレート52および54の間で移動する。例えば、ローラ50は、第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間で、矢印R1(図2D参照)の方向へ、点線50によって示されたローラ位置まで移動し、これにより、半径方向外面50Xは、粉砕リング32の粉砕面46と粉砕係合し、例えば、外面50X’は粉砕リング32の粉砕面46と転がり係合するまたは外面50X’は、粉砕を行うために粉砕リング32の粉砕面46の十分に近くに位置する。1つの実施の形態において、軸39の回転の結果、ローラ50は、ローラの外面50Xと粉砕面46との間の接触圧を増大させるように遠心力によって矢印R2の方向へ半径方向外方に押し付けられる。ローラ50が、極めて大きなまたは異常に硬い材料塊に衝突すると、ローラ50は、一時的に、矢印R2と反対方向に半径方向内方へ移動する。
【0074】
図2Dに示したように、軸39が回転していないとき、ローラは、ボア50Bがピン60と中心合わせされた中立状態に達してもよい。中立状態において、ローラ50の半径方向外面50Xは、距離D10およびD11によって示したように、ローブの側縁52Lおよび54Lから等距離である。しかしながら、軸39が矢印R9の方向へ回転すると、ローラ50は、概して矢印R1の方向へ移動する。その結果、ローラ50の半径方向外面50Xは、等しくない距離D12およびD13によって示したように、ローブ54Lの側縁(すなわち、前縁54Uおよび後縁54T)から非対称に離隔させられる。D13がD12より大きいため、中立位置と比較して、第2の軸方向に面した面54Aのより少ない領域が、ローラ50の軸方向端部50Y(例えば、図2E参照)と滑りながら係合する。この結果、第2の軸方向に面した面54Aの領域のより大きな割合がローラ50の軸方向端部50Yと滑りながら係合する構成と比較して、軸39が回転しているときの作動中、より大きな接触圧と、より大きな摩耗を生じる。ローラ50の半径方向外面50Xに対するローブ54Lの側縁(すなわち、前縁54Uおよび後縁54T)の非対称の離隔は、図示および説明したように、第2の軸方向に面した面54Aとローラ50の軸方向端部50Yとの間の接触領域を減じるように示されているが、同様の構成は、ローラ50の軸方向端部50Xと、第1の軸方向に面した面52Aとの間に存在する。
【0075】
図3Cに示したように、支持プレート152は、図3Aおよび図3Bの第1および第2の支持プレート52および54と同様であり、これにより、第1の支持プレート52の同様の要素は、同じ要素番号の前に数字1を加えたものによって示されている。図3Cに示されたローラ50は、図2Eに示されたローラ50と同様に、凸状外面50Xを備えた形状である。
【0076】
図3Cに示したように、流れ領域FAを減じることなく各ローラ50の軸方向端部50Zの一部(すなわち、図3Bに示された領域A2’より小さく、図3Aの領域A2より大きい)をカバーするように領域A2’’を非対称に外方へ延長させることによって、第1の支持プレート152の領域A2’’は、図3Aに示された領域A2より増大させられている。増大させられた領域A2’’の使用は、本明細書に説明されているように、軸方向端部50Zと、各ローブ152Lの第1の軸方向に面した面152Aとの間の接触圧を減じる。
【0077】
図3Cに示したように、軸39、第1の支持プレート152および第2の支持プレート154(第2の支持プレート154の一部のみが、第1の支持プレート152の破断部分の下側に示されている)の回転方向は、固定された粉砕リング32に対して時計回りであり、矢印R9によって示されている。第1の支持プレート152は、軸線A10に沿った回転中心を規定する中央領域152Cを有する。3つのローブ152Lは、中央領域152Cから半径方向外方へ延びている。図3Eおよび図3Fに示したように、各ローブ152Lは、非対称の形状を有し、ローラ取付けピン60を受け入れるための領域152Q(例えば、凹所、開口または面)を有する。ローラ取付けピン60を受け入れるための領域は、中心点60Pを有する。ローブ152Lの非対称の形状は、後縁152Tと、後縁152Tと概して反対側の前縁152Uとによって規定される。後縁152Tは、前縁152Uよりも中心点60Pからさらに離れるように延びている。例えば、図3Eに示したように、後縁152Tは、中心点60Pから距離D21だけ延びており、前縁152Uは、中心点60Pから距離D20だけ延びている。距離D21は、距離D20より大きい。
【0078】
図3Eおよび図3Fに示したように、ローブ152Lは、移行点R12において後縁152Tへ移行する直線セクション152Vを有する。後縁152Tは前縁152Uへ移行しており、前縁152Uは、移行点R13において直線セクション152Wへ移行している。後縁152Tおよび前縁152Uは、ローブ152Lの中心点152Pから測定された曲率半径R15を有する。移行点R12は、ほぼ10時の位置から11時の位置までに配置されており、移行点R13は、ほぼ7時の位置に配置されている。
【0079】
図3Fに示したように、中心点60Pはローブ152Lに配置されており、後縁152Tから前縁152Uへの方向(すなわち、矢印R9の方向)への支持プレートの回転中、ローブ152Lは、前縁152Uおよび後縁152Tに隣接した、ローラ50の軸方向端部50Zの少なくとも一部をカバーするように構成されており、これにより、軸方向端部50Zの円弧状セグメント157Aがカバーされないままにしておく。図3Fに示したように、カバーされないセグメント157Aは、ローラ50の軸方向端部50Zの縁部と、ローラ50の外面50Zへの移行部50ZZとの間の実質的に均一な幅W57で、ローブ152Lの周囲に移行点R12から移行点R13まで延びている。すなわち、図3Fに示したように、ローブ152Lは、前縁152Uおよび後縁152Tに隣接した軸方向端部50Zの部分をカバーする。
【0080】
図3Eに示したように、中立状態において中心点60Pがローラ50の軸方向中心線50Pと同軸に位置決めされるように、中心点60Pはローブ152Lに位置決めされている。ローブ152Lは、前縁152Uに隣接したローラ50の軸方向端部50Zの少なくとも一部をカバーするが、後縁152Tに隣接した軸方向端部50Zを全くカバーしないまたはより小さくカバーするように構成されており、これにより、軸方向端部50Zの円弧状セグメント157Bがカバーされないままにしておく。図3Eに示したように、カバーされない円弧状セグメント157Bは、ローブ152Lの前縁152Uに沿って、ローラ50の軸方向端部50Zの縁部と、ローラ50の外面50Zへの移行部50ZZとの間の不均一な幅W56で延びている。すなわち、図3Eに示したように、ローブ152Lは、前縁152Uに隣接した軸方向端部50Zの一部をカバーする。図3Fに示したように、回転状態において、ローラ50は矢印R1の方向へ移動し、カバーされないセグメント157Aは、ローブ152Lの前縁152Uおよび後縁152Tに沿って、ローラ50の軸方向端部50Zの縁部と、ローラ50の外面50Zへの移行部50ZZとの間の均一な幅W57で延びている。
【0081】
本明細書に開示されたローブ152Lの非対称形状の使用により、ローラ50の軸方向端部50Zが部分的にカバーされたまま、ボア50Bが半径方向外方へ摩耗することができることを、出願人は発見した。なぜならば、摩耗が生じ、ローラ50が後縁152Tから、距離D22と比較して後縁152Tが中心点60Pから延びるより大きな距離D21だけ移動するとき、図3Aに示されたローブ52Lと比較してローブ152Lは軸方向端部50Zのより大きなカバーを維持するからである。
【0082】
非対称のローブ152Lは、第1の支持プレート152のために図示および説明されているが、同様の非対称のローブは、第2の支持プレート154のために使用されてもよい。
【0083】
図3Dに示したように、摩耗プレート169Aおよび169Bは、摩耗プレート169Aおよび169Bが、図3C図3Eおよび図3Fに関して本明細書において説明されたローブ152Lの非対称形状に対して相補的な非対称形状を有することを除き、図2Eおよび図2Fに示された摩耗プレート69A,69Bと同様である。摩耗プレート169A,169Bは、摩耗プレート69Aおよび69Bについて図2Eおよび図2Fを参照して本明細書において図示および説明されたものと同様に、粉砕セクション20Aに据え付けられている。摩耗プレート69Aおよび69Bと同様に、摩耗プレート169A,169Bは、締結具69Fを受け入れるための、摩耗プレートを貫通して延びる孔171Hを有する。締結具69Fは、摩耗プレート169A,169Bを第1および/または第2の支持プレート52,152,54,154固定するために、それぞれの第1および/または第2の支持プレート52,152,54,154にねじ込まれる。支持プレートの半径方向外縁においてスポット溶接を使用しながら支持プレートの半径方向内縁の近くで締結具69Fを使用することによって、摩耗部材69Aおよび69Bを第1の支持プレート52および第2の支持プレート54のそれぞれに取り付けるときの困難さを出願人は克服した(例えば、摩耗プレートは、摩耗プレートにねじ山を形成するには硬すぎ、周期的な交換を必要とすることがある)。
【0084】
図1Aに示したように、空気供給マニホールド45は、周方向ダクト45Bの形式の出口を有する。周方向ダクト45Bは、粉砕される湿った材料を乾燥させかつか焼するために十分な速度および流量で開口44を通じて加熱された空気を供給するために、粉砕リング32における開口44と連通している。図1A図1B図2Aおよび図2Bに示したように、加熱された空気は、矢印51Aによって示したように粉砕セクション20Aおよび供給セクション20Bを通って上方へ流れる。供給材料は、供給出口22Bから概して下方へ、概して矢印51Fの方向へかつ概して矢印51Aによって示された方向とは反対の方向へ流れる。
【0085】
図2Eおよび図2Fに示したように、第1の摩耗部材69A(例えばプレート)は、適切な締結具69Fによって第1の支持プレート52の各ローブ52Lの第1の軸方向に面した面52Aに取外し可能に固定されている。第1の摩耗部材69Aは、約500~600BHNの硬さを有する、熱処理された合金鋼から製造されている。ローラ50の軸方向端部50Zは、第1の摩耗部材69Aに摺動可能に係合する。各第1の摩耗部材69Aは、ローブ52Lの一部の形状に対して相補的な形状を有する。
【0086】
図2Eおよび図2Fに示したように、第2の摩耗部材69B(例えばプレート)は、適切な締結具69Fによって第2の支持プレート54の各ローブ54Lの第2の軸方向に面した面54A(すなわち、上側)に取外し可能に固定されている。第2の摩耗部材69Bは、約500~600BHNの硬さを有する、熱処理された合金鋼から製造されている。ローラ50の軸方向端部50Yは、第2の摩耗部材69Bに摺動可能に係合しており、第2の摩耗部材69Bに固定されている。各第2の摩耗部材69Bは、ローブ52Lの一部の形状に対して相補的な形状を有する。1つの実施の形態では、摩耗部材69Aおよび/または69Bの厚さは、約2分の1インチである。1つの実施の形態では、第1の摩耗部材69Aの下側と、ローラ50の軸方向端部50Zとの間に小さな間隙G9(例えば、約0.10~0.15インチ)が存在する。
【0087】
図2Fに示したように、粉砕アセンブリ430は、半径方向外面450Xを有する円錐形ローラ450を有する。半径方向外面450Xは、ローラ450の軸方向中心線A11に対して平行な基準線A12に対して角度δで傾斜させられている。粉砕リング432は、円錐形の粉砕面446を有する。粉砕面446は、粉砕リング432の軸方向上縁432Xから、粉砕リング432の軸方向下縁432Yまで、鉛直方向基準線A12に対して測定された角度δで、半径方向内方かつ軸方向下方へ傾斜させられている。ローラ450は、軸方向端部450Y(すなわち、軸方向端部450Zと比較してより小さな直径の端部)が下向きにかつ軸方向端部450Zの下方に位置しながら、粉砕リング432に据え付けられている。角度δは5~15度である。円錐形ローラ450および円錐形粉砕面446の使用は、摩耗部材69Bに加えられる鉛直方向の力(例えば、ローラ450の重量の50~100%にほぼ等しい)を減じるようにローラ450を持ち上げる鉛直方向持上げ力を提供することに有効である。摩耗プレート69Bに加えられる鉛直方向の力の減少は、摩擦、摩耗および電力消費量を減じる。円錐形ローラ450および円錐形粉砕面446の使用は、組立て中の粉砕リング432に対するローラ450の不整列を補償することにも有効である。なぜならば、所定の作動期間の後、ローラ450は、粉砕性能にとって好ましい位置へ移動するからである。円錐形ローラ450および円錐形粉砕面446は、例えば、図2A図2Bおよび図2Cの粉砕アセンブリ30において、摩耗プレート69Aおよび69Bを有さない構成において使用することもできる。円錐形ローラ450は、コバルトベース溶接オーバーレイなどの、円錐形ローラ450に提供されたオーバーレイ450Kを有する(例えば、Stoody Companyに登録されたStoody(登録商標)100またはKennametal Inc.に登録されたStellite(登録商標))。オーバーレイ450Kは、円錐形ローラ450に適用されているものとして図示および説明されているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、オーバーレイ450Kは、図1A図1B図2A図2B図2Cおよび図2Eに示されたローラ50のいずれかに適用することができるからである。オーバーレイ450Kは、ローラ450,50の表面粗さを増大しかつ寿命を延ばし、粉砕面446,46におけるローラ450,50のスキッドまたはスライディングを防止することを助ける。
【0088】
本明細書において説明されかつ図2Fに示されたシムスタック43Jを使用することは、円錐形ローラ450と粉砕リング432との間の粉砕表面積を最大化するように粉砕リング432に対して円錐形ローラ450の位置決めするために有効である。シムスタック43Jを使用することは、ローラ50と粉砕リング32との間の粉砕表面積を最大化するように粉砕リング32において図2Eの異形ローラ50を鉛直方向で位置決めするためにも有効である。
【0089】
粉砕アセンブリ30において供給材料を乾燥させかつ/またはか焼しかつ粉砕アセンブリ30を通って上方へ流れる空気流において粉砕された材料を運搬するために十分な速度(例えば、約20フィート毎秒~40フィート毎秒の速度)で粉砕アセンブリ30を通って上方へ粉砕された材料を搬送するために、第1の支持プレート52の最適な第2の領域A2および第2の支持プレート54の最適な第3の領域A3が、乾燥される材料の質量流量に対する空気の2~4質量流量の比で、加熱された空気の所定の量を提供するために、第1の領域A1の少なくとも30%の開口を通る流れ領域FA(例えば、領域A1マイナス領域A2として流れ領域FAを示している図3および図4参照)を構成する大きさであるように、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートは非円形である。1つの実施の形態において、所定の量の加熱された空気が、合成石膏、天然石膏または合成石膏と天然石膏との混合物を乾燥させかつか焼するために十分であるように、流れ領域FAは、第1の領域A1の40~70パーセントである。1つの実施の形態において、所定の量の加熱された空気が、合成石膏および天然石膏を乾燥させかつか焼するために十分であるように、流れ領域FAは、第1の領域A1の40~50パーセントである。流れ領域FAは、第1の支持プレート52の半径方向外縁52E(図1A図1B図2A図2B図2C図3A図3B参照)から粉砕面46まで延びている。流れ領域FAは、第2の支持プレート54の半径方向外縁54E(図1A図1B図2A図2B図2C図3A図3B参照)から粉砕面46まで延びている。流れ領域FAは、第3の支持プレート56の半径方向外縁56E(図2C参照)から粉砕面46まで延びている。流れ領域FAは、供給セクション20Bへ移行する粉砕セクション20Aの出口を有する。
【0090】
第1の領域A1の40~70パーセントまたは40~50パーセントから流れ領域FAを構成することは、約10wt%(すなわち、質量パーセント)の表面水および約20wt%の化学結合水分(すなわち、集合的に高い水分と呼ばれる)を有する合成石膏を乾燥させかつか焼するために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。第1の領域A1の40~70パーセントまたは40~50パーセントから流れ領域FAを構成することは、約5wt%(すなわち、質量パーセント)の表面水および約20wt%の化学結合水分(すなわち、集合的に高い水分と呼ばれる)を有する天然石膏を乾燥させかつか焼するために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。第1の領域A1の40~70パーセントまたは40~50パーセントから流れ領域FAを構成することは、約5wt%~約10wt%(すなわち、質量パーセント)の表面水および約20wt%の化学結合水分(すなわち、集合的に高い水分と呼ばれる)を有する合成石膏と天然石膏との混合物を乾燥させかつか焼するために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。加えて、第1の領域A1の40~70パーセントまたは40~50パーセントから流れ領域FAを構成することは、約10wt%の表面水および約20wt%の化学結合水分を有する供給材料を乾燥させかつか焼するために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気は、1ミリメートル未満の粒径を有する供給材料を乾燥させかつか焼するために十分である。1つの実施の形態では、所定の量の加熱された空気は、約40~約80ミクロンの粒径を有する供給材料を乾燥させかつか焼するために十分である。
【0091】
1つの実施の形態において、所定の量の加熱された空気が、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび石炭のうちの1つまたは複数を含む供給材料を乾燥させるために十分であるように、流れ領域FAは、第1の領域A1の30~60パーセントである。第1の領域A1の30~60パーセントから流れ領域FAを構成することは、5wt%より大きな含水率を有する供給材料を乾燥させるために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。第1の領域A1の30~60パーセントから流れ領域FAを構成することは、5wt%より大きな含水率を有しかつ約0.05mm~約50mmの粒径を有する供給材料を乾燥させるために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。
【0092】
1つの実施の形態において、所定の量の加熱された空気が、カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび石炭のうちの1つまたは複数を含む供給材料を乾燥させるために十分であるように、流れ領域FAは、第1の領域A1の30~40パーセントである。第1の領域A1の30~40パーセントから流れ領域FAを構成することは、5wt%より大きな含水率を有する供給材料を乾燥させるために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。第1の領域A1の30~40パーセントから流れ領域FAを構成することは、5wt%より大きな含水率を有しかつ約0.05mm~約50mmの粒径を有する供給材料を乾燥させるために十分な所定の量の加熱された空気を提供するという驚くべき結果を生じる。
【0093】
合成または天然石膏またはそれらの混合物を粉砕し、乾燥させかつか焼するために、所定の粒径の粉砕されかつか焼された製品を製造するために粉砕領域における十分な滞留時間を提供しながら、十分な加熱能力を有する十分な空気流を提供するために、40~70%の流れ領域が必要とされることを出願人は発見した。カオリンクレー、ベントナイト、石灰石、石油コークスおよび石炭などのその他の材料の粉砕および乾燥のために、所定の粒径の粉砕されかつ乾燥された製品を製造するための十分な粉砕領域を提供しながら、十分な加熱能力を有する十分な空気流を提供するために、30~60%の流れ領域が必要とされることを出願人は発見した。
【0094】
図1Aおよび図2Aに示したように、各ローラの半径方向外面50Xは異形であり(例えば、凸面状)、粉砕リングの粉砕面46は異形である(例えば、凹面状)。本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、図1Bおよび図2Bに示したように、1つの実施の形態では、各ローラ50’の半径方向外面50X’は実質的に直線的であり、粉砕リング32’の粉砕面46’は、実質的に直線的であるからである。前記直線的な構成を除いて図1Bおよび図2B図1Aおよび図2Aと同様であり、したがって、同じ構成部材に対して同じ要素番号を有する。計算分析により、凸面状の半径方向外面50Xを有するローラ50と、凹面状の粉砕面46とを有するローラミル10(図1A)は、直線的な半径方向外面50X’および直線的な粉砕面46’を有するローラミル10’(図1B)と比較して、より少ないエネルギを消費するということを、出願人は発見した。
【0095】
図5に最も良く示したように、粉砕アセンブリ30は、プラウアセンブリ70を有する。プラウアセンブリ70は、軸39と共に回転可能であり、粉砕アセンブリ30の下方から上方へ複数のローラ50’および粉砕リング32’まで供給材料を搬送するように構成されている。図2Eおよび図2Fに示したように、第2の支持プレート54は、プラウアセンブリ70を受け入れるようにプラウ支持構造77のための取付け部位として利用される。シムスタック43Jにおけるシムの数を調節することは、ローラ50の鉛直方向位置を調節するために本明細書に説明されたものと同様に、プラウアセンブリ70の鉛直方向位置も調節する。
【0096】
図2Cに示したように、1つの実施の形態では、ローラミル30’’は、複数ローラ層状構成を有し(例えば、異形ローラの2つの層が示されている)、スリーブ43C(および図2Aに示されたハブ43)を介して軸39に固定された第3の支持プレート56を有する。第1の支持プレートと第2の支持プレート54との間に配置された複数の異形ローラ50が示されている。異形ローラ50は、円弧状の湾曲した周面50Xを有する。第3の支持プレート56は、第1の支持プレート52および第2の支持プレート54から軸方向に離隔させられている。異形ローラ50と類似の、付加的な複数の異形ローラ50’’は、第3の支持プレートおよび第2の支持プレート54に取り付けられておりかつ第3の支持プレートと第2の支持プレート54との間に配置されている。付加的な複数のローラ50’’はそれぞれ、軸39の回転の結果、第1の支持プレート、第2の支持プレートおよび/または付加的な支持プレートの間で移動するように構成されている。複数の異形ローラ50はそれぞれ、半径方向外面50Xを有する。半径方向外面50Xは、粉砕リング32の異形粉砕面46と粉砕係合し、例えば、外面50Xは粉砕リング32’’の粉砕面46と転がり係合するまたは外面50Xは、粉砕を行うために粉砕リング32の異形粉砕面46の十分に近くに位置する。複数の付加的なローラ50’’はそれぞれ、半径方向外面50X’’を有する。半径方向外面50X’’は、粉砕リング32’’の異形粉砕面46’’と粉砕係合し、例えば、外面50X’’は粉砕リング32’’の異形粉砕面46’’と転がり係合するまたは外面50X’’は、粉砕を行うために粉砕リング32’’の異形粉砕面46’’の十分に近くに位置する。粉砕アセンブリ280を通って供給される材料のための上から下への通路を使用する従来のミル200(図8)と比較して、2つの層は、プラウアセンブリ70によって提供される粉砕される材料の上方への流れを妨げないので、図2Cに示された複数ローラ層状構成、好適には2層の制限、の使用が十分であること、出願人は発見した。
【0097】
図2Cは、第1の支持プレート52と、第2の支持プレート54と、第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間の複数のローラ50と、第2の支持プレート54と第3の支持プレート56との間に配置された複数の付加的なローラ50’’とを示しているが、本発明は、これに関して制限されない。なぜならば、本発明のより広い態様から逸脱することなく、あらゆる数の支持プレートの間に、複数のローラのあらゆる数の列または層が使用されてもよいからである。
【0098】
粉砕アセンブリ30は、ピン60またはローラ50,50’または50’’のボア50Bにオイルなどの潤滑剤を提供する潤滑システムを有さない。その結果、粉砕アセンブリ30は、供給材料を粉砕するために構成されており、摂氏177度(華氏350度)より大きいまたはより高い(例えば、摂氏232度(華氏450度))においてピン60およびローラ50,50’または50’’のボア50Bが作動する温度で供給される空気流を要求する。さらに、ローラ50,50’または50’’の重量は、図6および図7を参照して図示および説明された従来技術の振り子ミル100の同等にサイズ決めされたジャーナルアセンブリ188よりも著しく小さく(例えば、その40%)、より小さい粉砕圧力、ひいてはより小さい振動を生じるが、依然として、必要とされるスループットを達成することができる。その結果、粉砕アセンブリ30を備えるプラネタリローラミル10は、40~80ミクロンの供給材料粒径および25~35ミクロンの粉砕粒径を有する合成石膏、天然石膏または合成石膏および天然石膏の混合物などの材料を粉砕し、乾燥させかつか焼するように構成されている。
【0099】
本発明は、図6に示された振り子ミル100などのローラミルを改造する方法を含む。方法は、固定のフレームまたはベースアセンブリ110に取り付けられた容器アセンブリ105と、容器アセンブリ105に配置された粉砕アセンブリ180とを有する、振り子ミル100などのローラミルを提供することを含む。粉砕アセンブリ180は、第1の粉砕リング133を有し、第1の粉砕リング133を第1の開口が貫通している。第1の開口は、第1の半径方向内方に面した粉砕面129によって画定されており、第1の領域を有する。第1の粉砕リング133は、容器アセンブリ105の内面とシーリング係合している。軸182は、例えば適切な軸受によって、フレーム110に回転可能に取り付けられている。ハブ186は、例えばキーおよびキー溝構成を介して、軸182の一方の端部に取り付けられている。複数のアーム187(例えば、スパイダプレート)がハブ186から延びている。粉砕アセンブリ180は、図7に詳細に示された複数のジャーナルアセンブリ188を有する。複数のジャーナルアセンブリ188のうちの1つは、複数のアーム187のそれぞれに回動可能に固定されている。粉砕アセンブリ180は複数の第1のローラ189を有する。複数の第1のローラ189のうちの1つは、各ジャーナルアセンブリ188に回転可能に結合されている。ローラミルを改造する方法は、複数のアーム187と、複数のジャーナルアセンブリ188と、複数の第1のローラ189とをローラミルから取り外すことを含む。軸189およびハブ186は、改造されたローラミルにおいて使用されてもよく、改良され、例えば図1A図2A図2Eおよび図2Fに示されたハブ43および軸39と交換されてもよい。方法は、例えば、図1A図2A図2Eおよび図2Fに示されたような、スリーブ43C、第1の支持プレート52、第2の支持プレート54および複数の第2のローラ50を提供することを含む。スリーブ43Cは軸39上に配置されており、スリーブ43Cはハブ43を介して軸39に固定されている。方法は、例えば溶接およびガセット47を使用することによって、第1の支持プレート52をスリーブ43Cに固定することを含む。第1の支持プレート52は、第2の領域A2を規定する、第1の軸方向に面した面52Aを有する。方法は、例えば溶接によって、第2の支持プレート54をスリーブ43Cに固定することを含む。第2の支持プレート54は、第3の領域A3を規定する、第2の軸方向に面した面54Aを有する。第2の支持プレート54は、第1の支持プレート52から軸方向に離隔させられている。方法は、図2Dを参照して本明細書に図示および説明されたように、複数のローラ50がそれぞれ、軸の回転の結果、第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間で移動するように構成されるように、複数の第2のローラ50を第1の支持プレート52および第2の支持プレート54にかつ第1の支持プレート52と第2の支持プレート54との間に、回転可能に取り付けることを含む。複数のローラ50はそれぞれ、半径方向外面50Xを有する。粉砕アセンブリ20Aにおいて供給材料から水分を除去するために所定の量の加熱された空気を提供するために、第1の支持プレート52の第2の領域A2および第2の支持プレート54の第3の領域A3が、第1の領域A1の少なくとも30%の第1の開口44を通る流れ領域FAを構成する大きさであるように、第1の支持プレート52および第2の支持プレート54は非円形である。
【0100】
1つの実施の形態では、方法は、図6に示したように、プラウ支持体191によってハブ186に固定された第1のプラウアセンブリ190を提供することを含む。第1のプラウアセンブリ190は、振り子ミル100から取り外される。方法は、1つまたは複数の第2のプラウアセンブリ70を提供し、第2のプラウアセンブリ70を第2の支持プレート54の底部に固定することを含む。
【0101】
1つの実施の形態では、方法は、第1の粉砕リング133(図6)をミル100から取り外すことを含む。図1A図2A図2Eおよび図2Fに示されたような第2の粉砕リング32が提供される。第2の粉砕リング32は、第1の半径方向内方に面した粉砕面46によって画定された第1の開口を有し、第1の領域A1を有する。第1および第2の粉砕リング133,32の第1の領域A1の大きさは、等しくてもよいまたは異なってもよい。方法は、容器アセンブリの内面とシーリング係合するように第2の粉砕リング32を据え付けることを含む。
【0102】
1つの実施の形態では、方法は、容器アセンブリ20の内面20Dとシーリング係合するように第2の粉砕リング32を据え付けることを含む。
【0103】
1つの実施の形態では、方法は、例えば、シムスタック43Jの使用により、粉砕リング32に対するローラ50の鉛直方向位置を調節することを含む。
【0104】
本発明は、本発明の詳細な実施の形態に関して図示および説明されているが、発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が加えられてよく、実施の形態の要素の代わりに均等物が代用されてよいことが当業者によって理解されるであろう。加えて、発明の基本的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を発明の開示に適応させるために、変更がなされてよい。したがって、発明は、上記の詳細な説明に開示された特定の実施の形態に限定されないが、発明は、添付の請求項の範囲に包含される全ての実施の形態を含むことが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15