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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】焼結多結晶立方晶窒化ホウ素材料
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/5831 20060101AFI20220405BHJP
   B23B 27/14 20060101ALI20220405BHJP
   B23B 27/20 20060101ALI20220405BHJP
   C30B 29/38 20060101ALI20220405BHJP
   C22C 29/14 20060101ALN20220405BHJP
   C22C 1/05 20060101ALN20220405BHJP
【FI】
C04B35/5831
B23B27/14 B
B23B27/20
C30B29/38 A
C22C29/14 C
C22C1/05 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019550702
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018056174
(87)【国際公開番号】W WO2018167022
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2019-09-13
(31)【優先権主張番号】1704133.6
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517007574
【氏名又は名称】エレメント シックス (ユーケイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】カン アンティオネッテ
(72)【発明者】
【氏名】モッチェラホ アンヌ ミリアム メニエ
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194416(WO,A1)
【文献】特表2015-510546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0260581(US,A1)
【文献】特開2007-144615(JP,A)
【文献】特開2015-193072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84
B23B 27/14-27/20
C22C 29/14
C22C 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)材料を製造する方法であって、
100nm以下の平均粒子サイズを有する粒子を含み、アルミニウム化合物を含むマトリックス前駆体粒子を、30~90質量パーセントの、少なくとも0.2μmの平均粒子サイズを有する立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子と、湿式音響又は乾式音響混合で混合する工程と、
前記混合された粒子をハンドプレス、キュービックプレス、および冷間等方圧プレスのいずれかを用いて圧縮してグリーン体を形成する工程と、
前記グリーン体を1000℃以上~2200℃以下の温度および少なくとも6GPaの圧力で焼結して、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含む前記PCBN材料を形成する工程であり、マトリックス材料粒子が、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd75を有する、工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記マトリックス材料が、炭素および窒素のいずれかのチタン化合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1700℃以下、1600℃以下、1500℃以下、1400℃以下、および1300℃以下のいずれか1つから選択される温度で焼結することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
0.2~15μmの平均サイズを有するcBN粒子を提供することを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
1μm超および4μm超のいずれかから選択される平均サイズを有するcBN粒子を提供することを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記混合された粒子を1000℃以上~2200℃以下の温度および少なくとも6GPaの圧力で焼結して、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含む前記PCBN材料を形成する工程であって、前記マトリックス材料粒子が、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd90を有する、工程
をさらに含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結多結晶立方晶窒化ホウ素材料の分野、およびそのような材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶ダイヤモンド(PCD)および多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)などの多結晶超高硬度材料は、岩、金属、セラミック、複合体、および木材含有材料などの高硬度材料または研磨材を切削、機械加工、ドリル加工、または分解するための広く様々な工具に用いられ得る。
研磨材成形体は、切削、ミリング、研削、ドリル加工、および他の研磨作業に広く用いられている。それらは、一般的に、第二相マトリックス中に分散された超高硬度研磨材粒子を含有する。マトリックスは、金属、またはセラミック、またはサーメットであり得る。超高硬度研磨材粒子は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN)、炭化ケイ素、または窒化ケイ素などであり得る。これらの粒子は、一般的に用いられる高圧および高温の成形体製造プロセスの過程で互いに結合して、多結晶塊を形成してよく、または第二相材料のマトリックスを介して結合して、焼結多結晶体を形成してもよい。そのような多結晶体は、一般的に、PCDまたはPCBNとして知られ、これらはそれぞれ、超高硬度研磨材としてダイヤモンドまたはcBNを含有する。
米国特許第4,334,928号は、20~80体積%の立方晶窒化ホウ素から本質的になり、残量は、周期律表のIVa族またはVa族遷移金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、ホウ化物、およびケイ化物、これらの混合物、ならびにこれらの固溶体化合物からなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス化合物材料のマトリックスである、工具に用いるための焼結成形体を教示している。マトリックスは、焼結体中の連続結合構造を形成し、高圧窒化ホウ素が、連続マトリックス内に点在している。この特許で概説される方法はすべて、ボールミリング、乳鉢などの機械的ミリング/混合法を用いて所望される材料を組み合わせることを含んでいる。
マトリックス相のための前駆体粉末は、より密接に混合する目的で、および粒子が小さい方が反応性が高いことから、粒子間の結合を改善する目的で、ミリングによってその粒子サイズが減少される。しかし、PCBNのための典型的な焼結プロセスでは、PCBN材料を形成するために、少なくとも1100℃の温度および少なくとも3.5GPaの圧力が用いられる。これらの条件下では、結晶粒の成長が発生する可能性があり、マトリックス粒子の一部の粒子サイズが大きく増加して、典型的には、1μmまでのサイズを有するようになる可能性がある。これは、得られるPCBNの特性に対して有害な影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
目的は、向上した工具特性を付与するための、より均一なマトリックス結晶粒サイズを有する焼結PCBN材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様によると、PCBN材料を製造する方法が提供される。マトリックス前駆体粒子が混合されるが、前駆体粉末は、100nm以下の平均粒子サイズを有する粒子を含み、マトリックス前駆体粒子はアルミニウム化合物を含み、30~90質量パーセントの、少なくとも0.2μmの平均粒子サイズを有する立方晶窒化ホウ素、cBN、粒子と混合される。混合された粒子は1000℃以上~2200℃以下の温度、よび少なくとも6GPaの圧力で焼結されて、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含むPCBN材料を形成し、ここで、マトリックス材料粒子は、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd50を有する。
マトリックス材料は、さらに、炭素および窒素のいずれかのチタン化合物を含んでもよい。
マトリックス材料は、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム、および酸化アルミニウムのいずれかを含んでもよい。
【0005】
方法は、さらに、1700℃以下、1600℃以下、1500℃以下、1400℃以下、および1300℃以下のいずれか1つから選択される温度で焼結することを含んでもよい。
マトリックス粉末およびcBN粉末を混合する工程は、湿式音響混合、乾式音響混合、およびアトリションミリングのいずれかを含んでもよい。
0.2~15μmの平均サイズを有するcBN粒子が提供されてもよい。
さらに、1μm超および4μm超のいずれかから選択される平均サイズを有するcBN粒子が提供されてもよい。
多峰性平均サイズ分布を有するcBN粒子が提供されてもよい。
方法は、さらに、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含むPCBN材料を形成するために、混合された粒子を1000℃以上~2200℃以下の温度および少なくとも6GPaの圧力で焼結することを含んでもよく、マトリックス材料粒子は、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd90を有する。
方法は、さらに、混合された粒子を焼結する前に、混合された粒子をハンドプレス、キュービックプレス、および冷間等方圧プレスのいずれかを用いて圧縮してグリーン体を形成することを含んでもよい。
【0006】
第二の態様によると、30~90質量パーセントの立方晶窒化ホウ素、cBNと、cBN粒子が分散されているマトリックス材料であり、アルミニウム化合物の粒子を含むマトリックス材料とを含む多結晶立方晶窒化ホウ素、PCBN材料であって、マトリックス材料粒子が、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd50を有する、PCBN材料が提供される。
マトリックス材料粒子は、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd75を有してもよい。
マトリックス材料粒子は、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd90を有してもよい。
マトリックス材料は、さらに、炭素および窒素のいずれかのチタン化合物を含む粒子を含んでもよい。
マトリックス材料は、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム、および酸化アルミニウムのいずれかを含んでもよい。
cBN粒子は、0.2~15μmの平均サイズを有してもよい。さらに、cBN粒子は、1μm超および4μm超のいずれかから選択される平均サイズを有してもよい。
cBN粒子は、多峰性平均サイズ分布を有してもよい。
PCBN材料は、40質量パーセント以下のcBNを含んでもよい。
第三の態様によると、第二の態様において上記で述べた焼結多結晶材料を含む工具であって、切削、ミリング、研削、ドリル加工、または他の研磨用途のいずれかのための工具が提供される。
以降では、添付の図面を参照して、限定されない実施形態を、例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】5.5GPaおよび6.8GPaで焼結されたPCBN工具の、H15条件下における工具寿命のグラフである。
図2】5.5GPaおよび6.8GPaで焼結されたPCBN工具の、H10条件下における工具寿命のグラフである。
図3】6.8GPaおよび1300℃で焼結されたPCBN試料の走査型電子顕微鏡写真である。
図4】5.5GPaおよび1300℃で焼結されたPCBN試料の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】予備圧縮工程を示すフロー図である。
図6】異なる温度で焼結された低cBN試料のXRD記録を示す図である。
図7】異なる温度で焼結された高cBN試料のXRD記録を示す図である。
図8】異なる温度で焼結された高cBN試料の強断続工具寿命を示すグラフである。
図9】放電プラズマ焼結によって調製した例示的PCBN材料のXRDスペクトルを示す図である。
図10】放電プラズマ焼結によって調製したさらなる例示的PCBN材料のXRDスペクトルを示す図である。
図11】例35~43に対するビッカース硬度データを示すグラフである。
図12】例44~53に対するビッカース硬度データを示すグラフである。
図13】例35~43に対する密度データを示すグラフである。
図14】例44~53に対する密度データを示すグラフである。
図15】80MPaでのSPSを用いて焼結した例53~58および63~68に対する硬度データを示すグラフである。
図16】1GPaでのSPSを用いて焼結した例59~62および69~72に対する硬度データを示すグラフである。
図17】様々な試料に対するラマンスペクトルを示す図である。
図18】1GPaでの放電プラズマ焼結によって調製した走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
100nm未満のd90(切片長さ法を用いて測定された場合)を有する微細粒状マトリックス前駆体粉末を用いた場合、焼結の過程で非常に高い圧力を用いることで、焼結プロセスの過程における結晶粒の成長が制限されることが見出された。
切片長さ法を用いる場合、顕微鏡写真にランダムな直線を描き、その線と交差する結晶粒界の数をカウントする。平均結晶粒サイズは、交差数を実際の線の長さで除することによって見出される。2本以上のランダムな線を用いて結果を平均することで、結果の精度が向上する。平均結晶粒サイズは、以下の数式によって与えられる。
【0009】
【数1】
この分析の目的のために、各画像に対して5本の横線および5本の縦線を分析し、切片長さによる平均結晶粒サイズを得た。
同様に、ある特定の条件下における放電プラズマ焼結(SPS)も、結晶粒の成長を制限することが見出された。結晶粒の成長を制限することは、マトリックス相中の結晶粒が小さくなると、PCBNから製造される工具の特性が向上することから、有利である。そのような特性としては、工具の増加およびクレータ摩耗の低減が挙げられる。
【0010】
まず、高圧高温(HPHT)法を用いて製造されたPCBNについて考えると、ある任意の焼結温度に対して、圧力を高めることによって性能が向上することが見出された。これは、結晶粒の成長の阻害と、焼結プロセスの過程における物質移動の加速に起因するより効果的な焼結との組み合わせによるものと考えられる。
マトリックス相がTiC0.50.5Alであり1.3μmのcBN含有量が55体積%である粉末組成物を、アトリションミリングによる粉末処理経路を介して調製した。粉末を約8トンで金属カップにプレスして、17mm径のグリーン体を製造し、ベルト型高圧高温装置中で焼結した。
粉末の焼結は、表1に示されるように、5つの異なる焼結サイクルを用いて行った。各焼結サイクルにおいて、19分間の最高温度での保持時間を用いた。
【0011】
【表1】
焼結材料を、X線回折(XRD)および走査型電子顕微鏡(SEM)によって分析し、充分に焼結されたことが分かった。例1および3では、10×10mm正方形、3.2mm厚さの試料を、エッジ面取りおよびホーニング仕上げを施して調製し、中断続(いわゆるH15)高硬度パーツ機械加工試験用の工具を製造した。僅かにより連続的な条件を用い(いわゆるH10断続機械加工)、同じ試料を、これらの条件下、工作物に対して20パスを施すことによって試験し、いわゆる化学摩耗の指標として、クレータ摩耗の最大深さ(Kt)を測定した。
【0012】
連続機械加工とは、連続する時間にわたって工具が工作物と連続的に接触していることによって定義され、工具先端部で熱および圧力が発生する結果となる。この工作物との切削関与状態は、工作物材料を切りくずとして除去する切削作用をもたらす結果となり、切りくずは、すくい面として知られるPCBN工具上面の表面に沿って流れる。cBNの酸化、hBN形成、およびPCBNマトリックス相から工作物への物質移動を含む様々な機構を通しての工具すくい面上でのPCBN工具の摩耗は、クレータ摩耗として知られる。提案されている摩耗の機構が主として拡散的および化学的性質のものであることから、クレータ摩耗は、多くの場合、化学摩耗と同義である。連続機械加工の度合いがより高い用途では、PCBN中のより低いcBN含有量を用いてこれらの工作物を機械加工すると、より高いcBN含有量の材料と比較して、より良好な性能である場合が多い。これは、工具-工作物界面における高温条件下でのhBN形成および硬化鋼工作物と接触しているcBNの酸化に関連している。
多くの切削作業では、工具は、連続および断続モードでパーツを機械加工することが要求される。工作物形状におけるギャップまたは空間は、断続として知られ、断続の連続機械加工に対する長さの比が、切削関与角と共に、機械加工作業における断続の度合いを決定する。
【0013】
1~40の断続スケールは、1~5の範囲が連続適用であり、10~20が工作物における中断続を表し、25~40がより強い断続条件を表すとして定義される。
中断続適用(H15/H20)では、化学摩耗は、深いクレータ形成をもたらす結果となり、これは、PCBN工具が機械加工中の工作物のギャップまたは中断に遭遇した場合に欠けのリスクのあるシャープエッジを作り出す。このことは、中断続適用において大きな課題を課すものであり、PCBN工具の成功は、耐化学摩耗性と耐衝撃性または衝撃強度とのバランスに依存する。
中断続機械加工試験(断続スケール上でのH15領域)を、ドリルであけた孔が6つあるAISI4340硬化鋼工作物を用い、150m/分の表面切削速度で、0.15mm/回転の送り速度および0.2mmの切削深さによって行った。PCBN工具のエッジは、20μm研磨砥石を用いてSNMN090308 S0220試料エッジ仕様に調製した。
低断続機械加工試験(断続スケール上でのH10領域)を、H15試験に類似の条件を用いたが、6つ孔の面の代わりに3つ孔の面を用いて行った。
【0014】
図1は、6つ孔のドリル加工試験においてH15条件を用いて試験した場合の、例1および3の工具寿命を比較したものである。これは、例3よりも高い圧力で焼結した例1が、例3よりも約50%高性能であったことを示している。
図2は、3つ孔のドリル加工試験においてH10条件を用いて試験した場合の、例1および3のクレータ摩耗を比較したものである。これは、例3よりも高い圧力で焼結した例1において、クレータ摩耗が著しく低減されたことを示している。
シェラーの計算法を用いて、例1~5についてXRDピークの幅とマトリックス相中の結晶子のサイズとを関連付けた。表2に示した結果から、温度が、セラミックマトリックスの結晶子サイズに影響を与える最も著しい因子であることが示された。しかし、最も小さい結晶子サイズは、最も高い圧力で焼結した場合に得られたことも分かる。圧力よりも温度の方が、結晶子サイズに対して影響が大きいことが分かる。焼結された結晶粒は、2つ以上の結晶子からなり得ることから、結晶子サイズは、結晶粒サイズよりも小さい場合があることには留意されたい。
【0015】
【表2】
【0016】
Ti0.50.5Alマトリックス中、30体積%のcBNおよび45体積%のcBNの含有量である粉末組成物を、アトリションミリングによる粉末処理経路を介して調製した。粉末を約8トンで金属カップにプレスして、17mm径のグリーン体を製造し、ベルト型高圧高温装置中で焼結した。
表3に示されるように、3つの異なる焼結サイクル、および2つの異なるcBN含有量を用いて、これらの粉末を焼結した。各例において、試料は、最高温度で19分間保持した。
【表3】
【0017】
図3は、例6aの走査型電子顕微鏡写真であり、図4は、例8aの走査型電子顕微鏡写真である。黒色の粒子はcBNであり、より淡い色の粒子はマトリックスの結晶粒である。同じ温度であるが例6aよりも低い圧力で焼結した例8aは、焼結の過程で成長した大きいマトリックス結晶粒がより広く拡がっているように見えることが分かる。焼結の過程でより高い圧力を用いることが、より大きいマトリックス結晶粒の成長を抑制するものと推察することができる。
これらの試料を、SEMを用いて分析して、セラミックマトリックス相の粒子サイズ分布を推定した。表4は、選択された例のマトリックス相の平均粒子サイズを示す。
【0018】
【表4】
表4から、温度が、マトリックス相の結晶粒サイズに最も大きい影響を有するが、圧力の上昇が、この影響を軽減し得ることが分かる。
【0019】
PCBNの高圧合成経路を開発するために、3つのさらなる変型例を計画した。3つの変型例は、材料組成および予備圧縮(焼結前の圧縮)の方法に焦点を当てた。予備圧縮は、最終焼結の過程での体積変化を確実に最小限とするために必要であった。焼結前に密度が最大化されていない場合、収縮の増加が焼結中における圧力の低下を引き起こす可能性があり、その結果、cBNが六方晶窒化ホウ素(hBN)に変換され、試料にクラックが発生する。
高cBN含有量および低cBN含有量である粉末組成の2つの変型例を選択した。高含有量変型例(例9)では、平均粒子サイズ10μmのcBNが90質量%、および平均粒子サイズ6μmのアルミニウムが10質量%であった。81gの10μm cBNおよび9gのアルミニウムを、共振音響ミキサーを80Gで2分間用いて混合した。
含有量がより低い変型例(例10)では、平均粒子サイズ1.3μmのcBNが60体積%であり、TiC0.50.5のセラミックベースのマトリックスを含み、焼結助剤として、10質量%のアルミニウムをTiC0.50.5に添加したものとした。粉末は、Resodyn音響混合装置による乾式音響混合を用いて、三段階で混合した。まず、3.9gのアルミニウムおよび35.0gのTiCNのマトリックスプレミックスを、続いて42.2gの1.3μm cBNを混合した。次に、このマトリックスミックスを、cBNポットに添加し、続いて再度混合した。混合はすべて、80Gで2分間行った。
予備圧縮のための3つの経路、セラミックカップへのハンド圧縮、キュービックプレスでの冷間圧縮、続いて最後に、再度キュービックプレスでの熱間圧縮、を選択し、3工程のプロセスとなった。しかし、cBN含有量がより低い変型例(例10)では、冷間圧縮の前に液圧圧縮を試行したため、例10(ハンド圧縮)と例11(液圧圧縮)とを区別した。圧縮工程を、図5にまとめる。
【0020】
液圧圧縮は、2.42g/cm3のグリーン体密度を実現した。
セラミックカップを、外側エンベロープに配置し、この段階での焼結を避けるために直接の加熱を行うことなく、キュービックプレスを用いてプレスした。試料は、600MPaでプレスした。試料を取り出し、次に1300℃、1800℃、および2000℃で、約7GPaの圧力下、熱間圧縮を行った。
熱間圧縮後に密度を測定すると、例9は、3.36g/cm3の最終密度を有し、例10および11は、3.67g/cm3の最終密度を有していた。より高い密度は、セラミックTiC0.50.5マトリックスおよびそのより高い密度の結果である。
それらのhBNカップから、研削によってスラグを取り出した。次に、得られたシリンダーを、研削によって平滑仕上げした。これに続いて、回転スピンドルおよびレーザーを用いて、それらをスライスしてディスクとした。ディスクを3.2mmの高さまで重ね、摩耗試験用に10×10mmの正方形を切り出した。SEM分析用に研磨するために、追加のピースを切り出した。
例10および11の場合、スラグは、カップから取り出す際に壊れた。これらのピースは、摩耗試験用に回収することはできなかったが、小ピースを、SEMによって分析した。
【0021】
焼結されたピースを用いて、図4および5に示されるように、X線回折スペクトルを得た。例9のバインダー化学組成が、例10および11と比較して異なっていることにより、直接の比較はできなかった。しかし、参照としてより低い温度で焼結した類似の材料を用いれば、何らかの結論を導き出すことは依然として可能である。
焼結温度は、cBNがマトリックス相と反応する速度を変化させる。例10および11の場合、図6に示されるように、焼結温度が上昇すると、ホウ素がマトリックス相へ拡散する速度の上昇に恐らくは起因して、ホウ化物相が広がることが分かる。このことは、50.7°2θのcBNピークの存在の減少によっても示される。また、より高い温度では、AlNの相対強度の減少も見られ、Alのホウ化物形成に有利である可能性がある。
図7は、1300℃および2000℃で焼結した例9のXRDスペクトルを示す。ここでは、AlNの形成が大きく増加している以外、相違点はほとんど見られない。ホウ化物相は検出されなかった。
【0022】
図8は、高断続条件下、送り速度0.3mm、深さ0.2mm、切削速度180m/分、およびD2工具鋼の工作物材料を用いて試験した場合の、1300℃、1800℃、および2000℃で焼結した例9の工具寿命を示す。2000℃で焼結した材料から製造された試料は、僅かに1パス後に工具破壊を起こした。この非常に脆弱な挙動は、マトリックス相中での反応の広がり、および結晶粒の過剰な成長に起因し得る。
高温での焼結が、PCBNの化学組成を変化させ得ることが見出された。さらに、最終焼結の過程での崩壊を低減するために必要な予備圧縮工程が行われる場合、大体積のPCBNの焼結が可能であることも示された。
放電プラズマ焼結(SPS)は、PCBNの迅速な焼結を可能とする技術である。パルスDC電流がグリーン体に適用され、非常に高い加熱および冷却速度が可能となる。プロセスが迅速であることにより、焼結プロセスの過程での結晶粒の成長を最小限に抑えながら、迅速な高密度化が可能となる。PCBNに適用された場合のSPSのさらなる利点は、その迅速性によって、そうでなければ比較的低圧力(3GPa未満)で発生することになるcBNのhBNへの変換が低減されることである。
【0023】
初期実験を行い、約30体積%超のcBN含有量および5~10μmよりも微細であるSPS焼結試料が、著しいhBN形成という結果であったことが示された。
表5は、80MPaの圧力でSPSを用いて調製したPCBNに対する例示的データを示し、表6は、様々な圧力でSPSを用いて調製したPCBNに対する例示的データを示す。試料はすべて、85質量%TiC/15質量%Alのマトリックス中のcBNの体積%を示し、80MPa試料に対しては20mmの試料サイズで、他の試料に対しては6mmの試料サイズで行った。
【0024】
【表5】
図9は、例12~21に対するXRDスペクトルを示す。31°2θ近くのピークは、hBN相に由来し、ある程度のcBNからhBNへの変換が発生したことを示している。
さらに、表5に示される密度データから、SPSプロセスの過程における高密度化の度合い、およびさらには、nBNの形成の度合いの両方が示され、その理由は、hBNが約2.1gcm-3の密度を有し、cBNが約3.45gcm-3の密度を有することから、密度が低い方が、hBN変換の度合いが高いことを示しているからである。
【0025】
【表6】
表6の第3列に示される時間は、材料が最高温度で保持された時間であり、第2列のcBNの%は、体積%として示される。
表5および6ならびに図11および12に報告したPCBN成形体の結果から考えて、cBN含有量は、引き続き30体積%以下に維持し、平均粒子サイズ10μmを用いた。焼結の時間および圧力は、表7に示されるように変化させた。
【0026】
【表7】
【0027】
例35~52では、30体積%のcBNを用いた。例35~43は、30:70mol Ti:Al+85%(0.5:0.5mol TiN:TiC)のマトリックスを用いて調製し、例44~52は、2:3mol Ti:Si(金属粉末)および85% TiN/TiCのマトリックスを用いて調製した。例51の場合、加熱速度を、1000℃~1200℃の温度において、200℃/分に変更した。
図11は、例35~43に対するビッカース硬度データを示し、図12は、例44~53に対するビッカース硬度データを示す。図11から、より高い圧力が、恐らくは高密度化の向上の結果として、硬度を向上させていることが分かり、一方図12では、より高い圧力が、硬度を低下させたことが分かる。これは、バインダー化学の違いによって引き起こされたものと考えられ、この原因では、残留ケイ素化合物の形成が、材料をより脆弱とする可能性がある。
【0028】
図13は、例35~43に対する密度データを示し、図14は、例44~53に対する密度データを示す。この傾向は、図13および14に示される硬度の傾向に対応している。
平均粒子サイズ10μmのcBN粒子を含むcBN含有量が30体積%の粉末を、アトリションミリング経路によって調製した。マトリックス材料の組成は、85質量%のTi(C0.50.50.8および15質量%の70mol% Al/30mol% Tiの組み合わせとした。マトリックス材料を、まず、真空中、1050℃で熱処理し、続いて、ヘキサン中でのアトリションミリングを4時間行った。cBNをアトリションミリング混合物に添加し、さらに10分間混合した。
【0029】
最終混合物を乾燥し、80MPaおよび1GPaの2つの異なる圧力レベルが可能であるSPSプレス中、グラファイトカッピングの構成で焼結した。用いた加熱速度は、100℃/分であり、冷却速度は、200℃/分であった。表8に示されるように、SPSの異なる時間および最高温度を用いた。
【0030】
【表8】
【0031】
異なるマトリックス化学を比較する目的で、平均粒子サイズ10μmのcBN粒子を含むcBN含有量が30体積%の粉末を、アトリションミリング経路によって調製した。マトリックス材料の組成は、15質量%の70mol% Al/30mol% Tiの組み合わせと共に、85質量%の30mol% TiC0.8および70mol% TiN0.7の組み合わせとした。マトリックス材料を、まず、真空中、1050℃で熱処理し、続いて、ヘキサン中でのアトリションミリングを4時間行った。cBNをアトリションミリング混合物に添加し、さらに10分間混合した。
最終混合物を乾燥し、80MPaおよび1GPaの2つの異なる圧力レベルが可能であるSPSプレス中、グラファイトカッピングの構成で焼結した。用いた加熱速度は、100℃/分であり、冷却速度は、200℃/分であった。表9に示されるように、SPSの異なる時間および最高温度を用いた。
【0032】
【表9】
図15は、80MPaでのSPSを用いて焼結した例53~58および63~68に対する硬度データを示す。図16は、1MPaでのSPSを用いて焼結した例59~62および69~72に対する硬度データを示す。図17は、様々な試料に対するラマンスペクトルを示す。中程度の温度(1000℃~1200℃)でより高い圧力(1GPa)を用いたSPSが、hBN形成を制限し、密度および硬度の向上に繋がっているように見える。
図18は、例62の走査型電子顕微鏡写真であり、結晶粒の均一な分布を示している。以下の表10は、選択された例のマトリックス結晶粒サイズを示す。
【0033】
【表10】
例61および43を、1350℃、5.5GPaでのHPHTプロセスで焼結した45体積% cBNの類似の参照試料と共に、ボールオンディスク構成により、ドレイ(dray)条件下での振動摺動試験を用いて試験して摩耗率を測定したことには留意されたい。参照試料は、1.51×10-7mm3/Nmの摩耗率を有し、一方、例43は、3.23×10-8mm3/Nmの摩耗率を有し、例61は、2.51×10-8mm3/Nmの摩耗率を有することが見出された。SPS試料は、したがって、参照試料よりも著しく低い摩耗率を有していた。
【0034】
一般的に、HPHT焼結およびSPS焼結の両方において、より低い温度が、結晶粒の成長を阻害することが見出された。しかし、高い圧力は、密度を向上させ、さらには、結晶粒の成長の阻害にも関与して、hBN変換を依然として阻害しながら、より低い温度での焼結を可能とすることが見出された。SPSを用いる場合、より低いcBN含有量およびより粗い(>5μm)cBN粒子は、hBNのcBNへの変換を低下させることが見出された。
Al(金属形態、または予備反応された形態のいずれか)が、安全上の理由から、マトリックス前駆体粉末中において粗くてもよく(>100nm)、このことが、前駆体粉末のd90値を高めることに繋がることには留意されたい。しかし、焼結の過程において、Alは溶融し、続いて固化してより小さい粒子サイズとなる。この理由から、出発粉末は、マトリックスの得られた結晶粒サイズよりも高いd90値を有し得る。
【0035】
(定義)
本明細書で用いられる場合、PCBN材料とは、金属またはセラミックを含むマトリックス中に分散されたcBNの結晶粒を有する超高硬度材料の一種を意味する。
本明細書で用いられる場合、「PCBN構造」は、PCBN材料体を含む。
「マトリックス材料」は、多結晶構造中の細孔、間隙、もしくは間隙領域を完全にまたは部分的に埋めるマトリックス材料を意味するものと理解される。「マトリックス前駆体粉末」の用語は、高圧高温焼結プロセスに掛けられた場合にマトリックス材料となる粉末を意味するために用いられる。
【0036】
結晶粒の集団の多峰性サイズ分布とは、結晶粒が、2つ以上のピークを持つサイズ分布を有し、各ピークが、それぞれの「最頻数」に対応することを意味するものと理解される。多峰性多結晶体は、各供給源が実質的に異なる平均サイズを有する結晶粒を含む複数の結晶粒の2つ以上の供給源を提供すること、および供給源からの結晶粒または粒子を一緒にブレンドすることよって製造することができる。1つの実施形態では、PCBN材料は、多峰性分布を有するcBN結晶粒を含んでよい。
【0037】
本発明について、実施形態を参照して特に示し、記載してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、形式上および詳細な様々な変更を行ってよいことは理解される。例えば、例はすべて、cBNを超高硬度相として用いているが、マトリックス材料中に分散された他の種類の超高硬度材料に対しても、同じ方法が用いられ得ることは理解される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)材料を製造する方法であって、
100nm以下の平均粒子サイズを有する粒子を含み、アルミニウム化合物を含むマトリックス前駆体粒子を、30~90質量パーセントの、少なくとも0.2μmの平均粒子サイズを有する立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子と混合する工程と、
前記混合された粒子を1000℃以上~2200℃以下の温度および少なくとも6GPaの圧力で焼結して、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含む前記PCBN材料を形成する工程であり、マトリックス材料粒子が、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd75を有する、工程と、
を含む、方法。
〔2〕前記マトリックス材料が、炭素および窒素のいずれかのチタン化合物をさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記マトリックス材料が、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム、および酸化アルミニウムのいずれかを含む、前記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕1700℃以下、1600℃以下、1500℃以下、1400℃以下、および1300℃以下のいずれか1つから選択される温度で焼結することをさらに含む、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔5〕マトリックス粉末およびcBN粉末を密接に混合する工程が、湿式音響混合、乾式音響混合、およびアトリションミリングのいずれかを含む、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔6〕0.2~15μmの平均サイズを有するcBN粒子を提供することを含む、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔7〕1μm超および4μm超のいずれかから選択される平均サイズを有するcBN粒子を提供することを含む、前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔8〕多峰性平均サイズ分布を有するcBN粒子を提供することを含む、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記混合された粒子を1000℃以上~2200℃以下の温度および少なくとも6GPaの圧力で焼結して、マトリックス材料中に分散されたcBNの粒子を含む前記PCBN材料を形成する工程であって、前記マトリックス材料粒子が、円相当径法を用いて測定された場合、100nm以下のd90を有する、工程
をさらに含む、前記〔1〕から〔8〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記混合された粒子を焼結する前に、前記混合された粒子をハンドプレス、キュービックプレス、および冷間等方圧プレスのいずれかを用いて圧縮してグリーン体を形成する工程をさらに含む、前記〔1〕から〔9〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔11〕30~90質量パーセントの立方晶窒化ホウ素(cBN)と、
cBN粒子が分散され、かつ、アルミニウム化合物の粒子を含むマトリックス材料と、
を含む多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)材料であって、マトリックス材料粒子が、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd50を有する、PCBN材料。
〔12〕前記マトリックス材料粒子が、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd75を有する、前記〔11〕に記載のPCBN材料。
〔13〕前記マトリックス材料の粒子が、切片長さ法を用いて測定された場合に、100nm以下のd90を有する、前記〔11〕に記載のPCBN材料。
〔14〕前記マトリックス材料が、炭素および窒素のいずれかのチタン化合物を含む粒子をさらに含む、前記〔11〕から〔13〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔15〕前記マトリックス材料が、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム、および酸化アルミニウムのいずれかを含む、前記〔11〕から〔14〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔16〕前記cBN粒子が、0.2~15μmの平均サイズを有する、前記〔11〕から〔15〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔17〕前記cBN粒子が、1μm超および4μm超のいずれかから選択される平均サイズを有する、前記〔11〕から〔15〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔18〕前記cBN粒子が、多峰性平均サイズ分布を有する、前記〔11〕から〔17〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔19〕40質量パーセント以下のcBNを含む、前記〔11〕から〔18〕までのいずれか1項に記載のPCBN材料。
〔20〕前記〔11〕から〔19〕までのいずれか1項に記載の焼結多結晶材料を含む工具であって、切削、ミリング、研削、ドリル加工、または他の研磨用途のいずれかのための工具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18