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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 23/00 20060101AFI20220405BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20220405BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q13/08
H01Q21/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019559764
(86)(22)【出願日】2018-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2018005014
(87)【国際公開番号】W WO2018203640
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-10-31
(31)【優先権主張番号】10-2017-0056429
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517428551
【氏名又は名称】アモテック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,セ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ヒョン イル
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョン ジュ
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-028245(JP,A)
【文献】特開2000-138525(JP,A)
【文献】特開2004-327641(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020787(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00- 25/18
H01Q 13/08
H01Q 21/00- 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ベース基材と、
前記第1ベース基材の上面に形成された複数の第1放射パターンと、
前記第1ベース基材の下部に配置された第2ベース基材と、
前記第2ベース基材の上面に形成された複数の第2放射パターンと、
前記第2ベース基材の下面に配置された複数のチップセットと、
前記第1ベース基材および第2ベース基材の間に介在した第1接着基材と
前記複数のチップセットを収容する収容ホールが形成され、前記第2ベース基材の下面に配置された第2接着基材と、
前記第2接着基材の下面に形成された入力端子及び外部端子パターンとを含み、
前記第1接着基材は、前記複数の第2放射パターンが収容される空隙ホールが形成され、
前記空隙ホールは、前記複数の第1放射パターンおよび前記複数の第2放射パターンの間に空隙を形成し、
前記複数の第2放射パターンは、それぞれ前記空隙ホールを挟んで1つの第1放射パターンと重畳しており、
前記第1放射パターンと前記第2放射パターンは、相互に前記空隙により離隔した状態で電磁気的に連結され
前記複数の第1放射パターンは、前記第1ベース基材の上面に行列配置され、前記複数の第2放射パターンは、前記第2ベース基材の上面に行列配置され、
前記複数のチップセットは、前記第2ベース基材の下面に行列配置され、
前記複数のチップセットのそれぞれは2個以上の第2放射パターンと連結されたことを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記第1接着基材は、フレーム形状に形成され、
前記第1接着基材の上面は、前記第1ベース基材の下面の外周に沿って配置され、前記第1接着基材の下面は、前記第2ベース基材の上面の外周に沿って配置されたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記空隙ホールには、前記複数の第2放射パターンが収容されたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記第1接着基材は、複数の空隙ホールが行列配置された格子構造で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記複数の空隙ホールは、それぞれ1つ以上の第2放射パターンが収容されたことを特徴とする請求項4に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記空隙ホールは、前記第1ベース基材の下面および前記第2ベース基材の上面の間に空隙を形成したことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記第2ベース基材に形成された複数の連結パターンをさらに含み、
前記複数の連結パターンは、前記複数の第2放射パターンと前記複数のチップセットとを連結することを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記第2接着基材は、複数の収容ホールが形成され、
前記複数の収容ホールには、それぞれ1つ以上のチップセットが収容されたことを特徴とする請求項に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記第2接着基材の厚さは、前記複数のチップセットの厚さよりも厚く形成されたことを特徴とする請求項に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記第2接着基材は、フレーム形状に形成され、前記第2ベース基材の下面に配置され、
前記第2ベース基材の下面の外周に沿って配置されたことを特徴とする請求項に記載
のアンテナモジュール。
【請求項11】
前記第2ベース基材は、板状の低温同時焼成セラミック基材であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項12】
前記第1ベース基材は、前記第2ベース基材とは異なる材質で形成されたことを特徴とする請求項11に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナモジュールに係り、より詳しくは、数十GHz帯域で共振してアンテナとして動作するアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
4G通信システムの商用化以来、無線データトラフィック需要が増加するに伴い、増加するトラフィック需要を満たすための5G通信システムの開発が進められている。
増加するトラフィック需要を満たすためには高いデータ伝送率が要求されることから、5G通信システムは、約28GHz以上の超高周波(mm-Wave)帯域を用いた通信システムの実現が研究されている。
5G通信システムは、超高周波帯域で電波の経路損失を最小化しつつ電波の伝達距離を増加させなければならないため、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO)、全次元多重入出力(Full Dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beamforming)および大規模アンテナ(large scale antenna)技術が研究されている。
一般的に、通信システムに適用される従来のアンテナモジュールは、アンテナとチップセット(Chip set)とが分離されてそれぞれ設けられる。アンテナとチップセットとはケーブルを介して連結される。
しかし、5G通信システムは、超高周波帯域を用いるため、従来のアンテナモジュールをそのまま適用する場合、損失が大きくなってアンテナ性能が低下する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、接着基材を用いて異種材質のベース基材を接着して製造する時、故障の発生を最小化するようにしたアンテナモジュールを提供することを目的とする。
また、本発明は、接着基材の空隙ホールを介してベース基材に形成された放射パターンの間に空隙を形成して損失を最小化しつつ高いデータ伝送率を有するようにしたアンテナモジュールを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための本発明のアンテナモジュールは、第1ベース基材と、第1ベース基材の上面に形成された複数の第1放射パターンと、第1ベース基材の下部に配置された第2ベース基材と、第2ベース基材の上面に形成された複数の第2放射パターンと、第2ベース基材の下面に配置された複数のチップセットと、第1ベース基材および第2ベース基材の間に介在した第1接着基材と、前記複数のチップセットを収容する収容ホールが形成され、前記第2ベース基材の下面に配置された第2接着基材と、前記第2接着基材の下面に形成された入力端子及び外部端子パターンとを含み、前記第1接着基材は、前記複数の第2放射パターンが収容される空隙ホールが形成され、前記空隙ホールは、前記複数の第1放射パターンおよび前記複数の第2放射パターンの間に空隙を形成し、前記複数の第2放射パターンは、それぞれ前記空隙ホールを挟んで1つの第1放射パターンと重畳しており、前記第1放射パターンと前記第2放射パターンは、相互に空隙により離隔した状態で電磁気的に連結され、前記複数の第1放射パターンは、前記第1ベース基材の上面に行列配置され、前記複数の第2放射パターンは、前記第2ベース基材の上面に行列配置され、前記複数のチップセットは、前記第2ベース基材の下面に行列配置され、前記複数のチップセットのそれぞれは2個以上の第2放射パターンと連結されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、アンテナモジュールは、異種材質で形成された第1アンテナ部および第2アンテナ部を積層することで、アンテナモジュールの製造時、第1アンテナ部および第2アンテナ部の故障(Break down)を防止することができる効果がある。
また、アンテナモジュールは、空隙ホールが形成された第1接着部を用いて第1アンテナ部および第2アンテナ部を接着することで、アンテナモジュールの製造時、第1アンテナ部および第2アンテナ部の故障を防止しながら、第1アンテナ部に形成された複数の第1放射パターンと第2アンテナ部に形成された複数の第2放射パターンとの間に空隙を形成することができる効果がある。
さらに、アンテナモジュールは、第1放射パターンおよび第2放射パターンの間に空隙を形成することで、高周波数帯域である5G(5th generation mobile communications)、ワイギグ(WiGig;Wireless Gigabit Alliance)などの周波数帯域信号を受信するアンテナとして動作できる効果がある。
また、アンテナモジュールは、異種材質で形成された第1アンテナ部および第2アンテナ部の間に空隙を形成することで、製造時、故障の発生を最小化し、電波の経路損失を最小化しつつ電波の伝達距離を増加させて高いデータ伝送率を実現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係るアンテナモジュールの斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るアンテナモジュールの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るアンテナモジュールの断面図である。
図4】本発明の実施形態に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。
図6図1に示した第1ベース基材の上面図である。
図7図1に示した第1接着部の上面図である。
図8図1に示した第2アンテナ部の上面図である。
図9図1に示した第2アンテナ部の底面図である。
図10図1に示した第2接着部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施例を添付図面を参照して説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにしうると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
図1図5に示す通り、本発明の実施形態に係るアンテナモジュールは、5G通信システムの基地局または携帯端末に実装されるアンテナである。
アンテナモジュールは、第1アンテナ部100と、第1接着部200と、第2アンテナ部300と、第2接着部400とを含んで構成される。アンテナモジュールの最上部には、第1アンテナ部100が配置される。第1アンテナ部100の下部には、第1接着部200、第2アンテナ部300および第2接着部400が順次に積層される。これによって、アンテナモジュールは、最上部に複数の放射パターンが配置され、最下部に複数のチップセット360が配置されたAiP(Antenna in Package)として形成される。
【0008】
第1アンテナ部100および第2アンテナ部300は、異種材質のベース基材から構成される。第1アンテナ部100の上面および第2アンテナ部300の上面には、それぞれ放射パターンが形成される。第2アンテナ部300の下面には、複数のチップセット360が形成される。
第1接着部200は、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に介在する。第1接着部200は、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300を接着する。第1接着部200は、第2アンテナ部300の放射パターンを収容するホールが形成される。この時、 第1接着部200に形成されたホールは、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間で空隙(Air Cavity)を形成する。 第1接着部200に形成されたホールは、第1アンテナ部100の放射パターンと第2アンテナ部300の放射パターンとの間で空隙を形成する。
第2接着部400は、第2アンテナ部300の下面に接着される。第2接着部400は、第2アンテナ部300の下面に形成された複数のチップセット360を収容するホールが形成される。第2接着部400の下面には、複数の外部端子パターン480および入力端子460が形成される。外部端子パターン480は、アンテナモジュールを外部回路と連結するための端子である。入力端子460は、外部回路から信号を受信する端子である。
【0009】
第1アンテナ部100は、第1ベース基材120を含む。第1ベース基材120は、板状基材から構成される。第1ベース基材120は、回路基板に一般的に用いられるロジャース(Rogers)基板、FR-4(Flame Retardant Type4)、テフロン(登録商標)(Teflon)、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレン(polyethylene)などの基材から構成される。
第1アンテナ部100は、複数の第1放射パターン140をさらに含む。この時、複数の第1放射パターン140は、アンテナモジュールの最上部で配置された放射パターンに対応する。
複数の第1放射パターン140は、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属材質で形成される。複数の第1放射パターン140は、印刷工程により第1ベース基材120の上面に形成される。複数の第1放射パターン140は、第1ベース基材120の上面に行列配置される。
図6に示す通り、複数の第1放射パターン140は、64個から構成されて、第1ベース基材120の上面に8行8列に配置されたことを一例とする。ここで、第1放射パターン140の個数および行列構造は、アンテナの特性および大きさに応じて形成される。
第1接着部200は、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に介在して、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300を接着する。第1接着部200の上面は、第1ベース基材120の下面に接着される。第1接着部200の下面は、第2ベース基材320の上面に接着される。
【0010】
このために、第1接着部200は、第1接着基材220を含む。第1接着基材220は、板状誘電体から構成される。第1接着基材220は、板状のFR-4基材であることを一例とする。
第1接着部200は、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に空隙(Air Cavity)を形成する。
このために、第1接着部200は、第1接着基材220を貫通して形成された空隙ホール240をさらに含む。空隙ホール240は、第1接着部200が第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に介在することにより、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に空隙を形成する。
空隙ホール240は、第1ベース基材120の下面、第2ベース基材320の上面の間に配置される。空隙ホール240は、複数の第1放射パターン140と複数の第2放射パターン340との間に空隙を形成する。この時、空隙ホール240は、第2ベース基材320の上面に形成された複数の第2放射パターン340を収容する。
【0011】
図7に示す通り、第1接着部200は、第1接着基材220に空隙ホール240が形成されることにより、フレーム(またはドーナツ)形状に形成される。第1接着部200の上面は、第1ベース基材120の下面に接着される。第1接着部200の上面は、第1ベース基材120の下面の外周に沿って接着される。第1接着部200の下面は、第2ベース基材320の上面に接着される。第1接着部200の下面は、第2ベース基材320の上面の外周に沿って接着される。
一方、第1接着部200は、複数の空隙ホール240を含むことができる。第1接着部200は、複数の空隙ホール240が多行多列に形成された格子構造で形成される。この時、1つの空隙ホール240には、1つ以上の第2放射パターン340が収容可能である。
このように、アンテナモジュールは、異種材質で形成された第1アンテナ部100および第2アンテナ部300を積層することで、アンテナモジュールの製造時、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の故障(Break down)を防止することができる効果がある。
また、アンテナモジュールは、空隙ホール240が形成された第1接着部200を用いて第1アンテナ部100および第2アンテナ部300を接着することで、アンテナモジュールの製造時、第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の故障を防止しながら、第1アンテナ部100に形成された複数の第1放射パターン140と、第2アンテナ部300に形成された複数の第2放射パターン340との間に空隙を形成することができる効果がある。
【0012】
さらに、アンテナモジュールは、第1放射パターン140および第2放射パターン340の間に空隙を形成することで、高周波数帯域である5G(5th generation mobile communications)、ワイギグ(WiGig;Wireless Gigabit Alliance)などの周波数帯域信号を受信するアンテナとして動作できる効果がある。
また、アンテナモジュールは、異種材質で形成された第1アンテナ部100および第2アンテナ部300の間に空隙を形成することで、製造時、故障の発生を最小化し、電波の経路損失を最小化しつつ電波の伝達距離を増加させて高いデータ伝送率を実現することができる効果がある。
第2アンテナ部300は、第1接着部200の下面に接着された第2ベース基材320を含む。第2ベース基材320は、板状セラミック素材で形成される。第2ベース基材320は、低温同時焼成セラミック(LTCC;Low Temperature Co-fired Ceramic)であることを一例とする。第2ベース基材320は、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)および窒化ケイ素(Si)のうちの少なくとも1つが含まれたセラミック素材で形成されてもよい。
第2アンテナ部300は、第2ベース基材320の上面に形成された複数の第2放射パターン340をさらに含む。複数の第2放射パターン340は、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属材質で形成される。複数の第2放射パターン340は、印刷工程により第2ベース基材320の上面に形成される。複数の第2放射パターン340は、第2ベース基材320の上面に行列配置される。
【0013】
図8に示す通り、複数の第2放射パターン340は、64個から構成されて、第2ベース基材320の上面に8行8列に配置されたことを一例とする。ここで、第2放射パターン340の個数および行列構造は、アンテナの特性および大きさに応じて異なって形成される。
第2放射パターン340の個数および行列構造は、第1放射パターン140と同一に形成されることが好ましい。もちろん、アンテナの特性によって、第1放射パターン140および第2放射パターン340の個数および行列構造が異なって形成されてもよい。
第2放射パターン340は、空隙ホール240を挟んで複数の第1放射パターン140のうちの1つと重畳配置される。ここで、重畳は、第2放射パターン340が複数の第1放射パターン140のうち1つの全体面と重畳するものと理解することができる。重畳は、第2放射パターン340が複数の第1放射パターン140のうち1つの一部と重畳するものと理解することもできる。
複数の第2放射パターン340は、空隙ホール240を挟んで複数の第1放射パターン140と重畳することにより、第2放射パターン340と第1放射パターン140とはカップリングされる。ここで、カップリングは、電気的に直接連結された状態ではない、相互離隔した状態で電磁気的に連結された状態を意味する。
第2アンテナ部300は、第2ベース基材320の内部に形成された複数の連結パターン380をさらに含む。
【0014】
複数の連結パターン380は、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属材質で形成される。複数の連結パターン380は、第2ベース基材320の上面および下面にそれぞれ形成された第2放射パターン340とチップセット360とを連結する。
複数の連結パターン380は、チップセット360と第2放射パターン340との間で信号伝送を処理する。複数の連結パターン380は、第1放射パターン140および第2放射パターン340を介して受信した信号をチップセット360に伝送する。複数の連結パターン380は、チップセット360に入力された信号を第1放射パターン140および第2放射パターン340に伝送することもできる。
複数の連結パターン380は、第2ベース基材320を貫通するビアホールから構成される。複数の連結パターン380は、ビアホールの内壁面に銅、銀などの金属材質をメッキして形成される。複数の連結パターン380は、ビアホールに金属材質を充填して形成される。
ここで、図3では、本発明の実施形態に係るアンテナモジュールを容易に説明するために、複数の連結パターン380が第2ベース基材320を垂直に貫通して第2放射パターン340とチップセット360とを連結するものとして示しているが、これに限定されず、多様な形態に形成可能である。
また、第2ベース基材320は、複数の連結パターン380の形成のために多層構造で形成される。この時、第2ベース基材320は、各層の少なくとも一面に金属パターンを形成し、各層に形成されたビアホールを介して金属パターンを連結して複数の連結パターン380を形成することができる。
【0015】
第2アンテナ部300は、第2ベース基材320の下面に形成された複数のチップセット360をさらに含む。複数のチップセット360は、第2ベース基材320の下面に行列配置される。1つのチップセット360には、連結パターン380を介して複数の第2放射パターン340が連結される。
図9に示す通り、第2放射パターン340が64個であり、1つのチップセット360に4つの第2放射パターン340が連結される場合、複数のチップセット360は、16個から構成されて、第2ベース基材320の下面に4行4列に配置される。ここで、チップセット360の個数および行列構造は、連結される第2放射パターン340の個数および処理容量に応じて異なって形成される。
第2接着部400は、アンテナモジュールの最下部に配置される。第2接着部400は、第2アンテナ部300の下部に形成されたチップセット(360;Chip set)を収容する。第2接着部400の下部には、外部回路基板との連結のための外部端子パターン480が形成される。第2接着部400の下部には、外部回路基板から信号を受信するための入力端子460が形成される。
第2接着部400は、第2アンテナ部300の下面に接着される。第2接着部400の上面は、第2アンテナ部300の下面に接着される。このために、第2接着部400は、第2接着基材420を含む。第2接着基材420は、板状誘電体から構成される。第2接着基材420は、板状のFR-4基材であることを一例とする。
第2接着部400は、第2接着基材420を貫通して形成された収容ホール440をさらに含む。収容ホール440は、第2接着部400が第2アンテナ部300の下面に接着されることにより、第2アンテナ部300の下面に形成された複数のチップセット360を収容する。この時、収容ホール440の厚さは、チップセット360の厚さよりも厚く形成される。
【0016】
図10に示す通り、第2接着部400は、第2接着基材420に収容ホール440が形成されることにより、フレーム(またはドーナツ)形状に形成される。第2接着部400の上面は、第2ベース基材320の下面に接着される。第2接着部400の上面は、第2ベース基材320の下面の外周に沿って接着される。第2接着部400の下面は、アンテナモジュールが実装される回路基板の上面に接着される。
この時、第2接着部400は、アンテナモジュールを回路基板と連結する複数の外部端子パターン480をさらに含む。
複数の外部端子パターン480は、銅、銀などの金属材質で形成される。複数の外部端子パターン480は、印刷工程により第2接着基材420の下面に形成される。複数の外部端子パターン480は、第2接着基材420の下面で相互離隔して配置される。複数の外部端子パターン480は、第2接着基材420および第2ベース基材320に形成されたパターンを介してチップセット360と連結される。
複数の外部端子パターン480は、アンテナモジュールが回路基板に実装されることにより、回路基板の端子と電気的に直接連結される。複数の外部端子パターン480は、ケーブル、連結用回路基板を介して回路基板に連結されてもよい。
第2接着部400は、外部信号を受信する入力端子460をさらに含むことができる。入力端子460は、外部信号を受信してチップセット360に伝送する。このために、入力端子460は、第2接着基材420および第2ベース基材320に形成されたパターンを介してチップセット360と連結される。
【0017】
以上、本発明に係る好ましい実施例について説明したが、多様な形態に変形可能であり、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の特許請求の範囲を逸脱することなく多様な変形例および修正例を実施できると理解される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10