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特許7053678リガンド結合MBP膜、使用及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】リガンド結合MBP膜、使用及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/26 20060101AFI20220405BHJP
   C07K 1/22 20060101ALI20220405BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 15/38 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 63/08 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 63/10 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 63/14 20060101ALI20220405BHJP
   B01D 69/06 20060101ALI20220405BHJP
   B01J 20/281 20060101ALI20220405BHJP
   B01J 20/285 20060101ALI20220405BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B01J20/26 H
C07K1/22
B01J20/30
B01D15/00 101B
B01D15/38
B01D63/08
B01D63/10
B01D63/14
B01D69/06
B01J20/281 G
B01J20/281 X
B01J20/281 R
B01J20/285
G01N30/88 D
G01N30/88 J
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019566063
(86)(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2018019173
(87)【国際公開番号】W WO2018156731
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2019-10-10
(31)【優先権主張番号】62/462,161
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518381525
【氏名又は名称】テラポア テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ドリン,レイチェル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンズ,スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】ハーウィッツ,マーク
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0261255(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0126778(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0171560(US,A1)
【文献】特表2016-514049(JP,A)
【文献】特表2019-514687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217012(US,A1)
【文献】Parul Jain et.al.,Protein purification with polymeric affinity membranes containing functionalized poly(acid) brushes,Biomacromolecules,2010年,Vol.11,No.4,1019-1026
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00-20/34
B01D 15/00-15/42、53/22、
61/00-71/82
C02F 1/44
G01N 30/00-30/96
C07K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己組織化ポリマー材料であって、当該材料は、
メソ細孔及びミクロ細孔のうち少なくとも1つ、かつ、その少なくともいくつかはイソポーラスであり、及び
少なくとも2つが化学的に異なるポリマーブロックを含む少なくとも1つのマルチブロックポリマー(MBP)、
を含み、ここで、
前記MBPの少なくとも1つのポリマーブロックが疎水性ブロックであり、
前記MBPの少なくとも1つが親水性ブロックであり、
前記MBPの少なくとも1つポリマーブロックは、親和性リガンドで共有結合的又は非共有結合的に修飾され、前記親和性リガンドは、標的種と結合する親和性を有する、自己組織化ポリマー材料。
【請求項2】
当該材料が非対称又は対である、請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料。
【請求項3】
単一の一体型のスケーラブルな構造内にマクロポーラスドメイン及びメソポーラス壁構造を含む、請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料。
【請求項4】
マクロ多孔質連続ドメインをさらに含む、請求項2に記載の自己組織化ポリマー材料。
【請求項5】
当該材料は非対称であり、且つメソ細孔及びマクロ細孔を有する、請求項4に記載の自己組織化ポリマー材料。
【請求項6】
請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料であって、ここで、
a.前記親和性リガンドは、共有結合によって前記MBPの前記少なくとも1つのポリマーブロック上で官能化されている、又は
b.前記親和性リガンドは、非共有結合によって前記MBPの前記少なくとも1つのポリマーブロック上で官能化されている、又は
c.前記MBPの前記少なくとも1つのポリマーブロックは、連結分子をさらに含み、且つ前記親和性リガンドは、前記連結分子を介して前記MBPの少なくとも1つのポリマーブロック上で官能化されている、自己組織化ポリマー材料。
【請求項7】
請求項1に記載の材料を製造する方法であって、
a.非共有付着により親和性リガンドでMBPの表面を修飾すること;又は
b.親和性リガンドの後続の付着のための官能性を提供するリンカーで前記MBPを修飾すること;又は
c.フィルムへの製造前に、前記MBPの前記ブロックを親和性リガンド若しくはリンカーで修飾することであって、前記親和性リガンド若しくは前記リンカーを有する階層的多孔性を包含する三次元ブロックターポリマー構造を前記MPBに提供すること;又は
d.リンカー若しくは親和性リガンドで修飾された前記MBPの量を、前記MBPの化学量論に対して変化させることであって、利用可能なサイトの10~100%を修飾するために、時間、温度、及び修飾剤の濃度を変更することを含むこと;又は
e.リンカー若しくは親和性リガンドの一体的であるが別個の物理層を提供するため、前記材料の表面に共有若しくは非共有部分によって連結材料をコンフォーマルにコーティングすること;又は
f.前記MBP構造のメソ細孔に加えて、マイクロポーラス材料を前記フィルム内に組み込むことにより、前記自己組織化ポリマー材料にミクロ細孔を設けること;又は
g.
i.二次元に、若しくは
ii.三次元に、若しくは
iii.リソグラフィによるパターンに、若しくは
iv.修飾された材料の一部分若しくは複数部分を未修飾のフィルム若しくは別の基板に取り付けることにより、
配置するため、親和性リガンド若しくはリンカーで修飾された材料のジオメトリ及び面積を制御すること;
を含む方法。
【請求項8】
サポート上に固定化された請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料を含む、物品。
【請求項9】
テキスタイルと一体化した請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料を含む、物品。
【請求項10】
請求項1に記載の材料を含むセンサ。
【請求項11】
興味対象の分析物を分離する及び/又は検出するプロセスであって、当該プロセスは、
興味対象の前記分析物を含有する媒体を請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料と接触させること、及び
興味対象の前記分析物を前記媒体から分離すること、
を含むプロセス。
【請求項12】
興味対象の前記分析物がタンパク質である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
分離は、前記分析物が前記自己組織化ポリマー材料の親和性リガンドに結合する標的種である、結合及び溶出操作を伴う、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
興味対象の分析物又は種を検出する方法であって、当該方法は、
請求項10に記載のセンサを興味対象の分析物又は種と接触させること、及び
興味対象の前記分析物又は種と前記親和性リガンドとの間の相互作用の結果としての光学的及び電気的変化のうち少なくとも1つを測定すること、
を含む方法。
【請求項15】
前記マクロポーラス連続ドメインの構造的フィーチャは、改善された対流溶液の流れ、及び迅速な処理を提供し、且つ、前記自己組織化ポリマー材料のメソポーラス壁構造は、高密度の表面官能化のために高い表面積を作り出す、請求項3に記載の材料。
【請求項16】
前記分析物が核酸を含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料を含む材料を利用するデバイスであって、前記自己組織化ポリマー材料は、クロスフローカセット若しくはモジュール、又はらせん状に巻かれたモジュールの、平らなシートとして、プリーツ状のパックの形態である、デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載のデバイスを利用するプロセスであって、当該プロセスが結合及び溶出操作を含むプロセス。
【請求項19】
分子又は懸濁粒子の分離のための請求項17に記載のデバイスを利用するプロセスであって、当該プロセスが濾過操作を含むプロセス。
【請求項20】
前記非共有付着が吸着を含む、請求項7に記載の材料。
【請求項21】
前記マイクロポーラス材料がゼオライト又はマイクロポーラス炭素である、請求項7に記載の材料。
【請求項22】
前記標的種が抗体、タンパク質、DNA及び核酸からなる群から選択される、請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料。
【請求項23】
前記親和性リガンドがプロテインA、プロテインA/G、プロテインL、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノール、及び核酸からなる群から選択される、請求項1に記載の自己組織化ポリマー材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、リガンド結合マルチブロックポリマー(「MBP」)イソポーラス材料、それらの調製、及び実験室、スケールアップ又は商業環境、例えばこれらに限定されないが、タンパク質の精製と生産プロセスに必要な分離技術、及び特に、カラムベースのアフィニティ分離の代替品として、並びに興味対象の分析物を監視及び検出するためのセンサ、のための、分析、検出及び分離プロトコルにおける使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
タンパク質精製は、R&Dから大規模製造まで、生体分子分離市場における重要かつ挑戦的な態様である。タンパク質精製プロセス全体の主要なボトルネックは、多数の分離プロトコルに関係していることが広く認識されている。現在のタンパク質精製の1つの態様には、多孔質膜、複数のサイズレジームの相互接続された細孔を持つサポートされた多孔性材料、を使用したアフィニティ分離が含まれる。多くの場合、アフィニティ分離に有用な前記多孔質膜は、反応性基(とりわけ、カルボン酸基が開示されている)を生物学的活性剤、例えば、とりわけプロテインA、に結合することにより形成される。前記膜は高分子材料でできている。反応性基は、直接にはポリマーの一部であり得るか、又は後続の処理により前記反応性基を形成する前駆体を介して形成され得る。
【0003】
前記膜はまた、親和性リガンドを反応性二官能性モノマーに(直接又は連結部分を介して)付着させること、及び、前記親和性リガンド/モノマー材料を単独で、又は追加のモノマー及び「ポロゲン」、例えばアルコール、の存在下で重合させることによっても形成される。重合中に前記親和性リガンドを保護するために、開裂可能な部分によって保護することができます。開裂可能な部分は、重合後に、例えば酸で処理することによって除去される切断可能な部分によって保護することができる。
【0004】
アフィニティ分離は、ポリ(アリールエーテルケトン)と、「ポロゲン」、例えばポリイミド、とを有する膜を包含することができる。キャストされた膜は、化学反応によって前記ポリイミドを選択的に除去することにより、キャストする際に細孔が形成される。次に、前記膜内の前記ケトン基を、さまざまな化学種、例えばタンパク質など、のさらなる付着に使用できる追加の付着基を持つアミンと反応させることにより、得られた多孔質膜を官能化する。
【0005】
アフィニティ分離のための多孔質膜は、共重合体((一般に)スチレン誘導体及びアルキルアクリレート誘導体を含有する共重合体を包含する)から作られており、タンパク質を包含する「親和性リガンド」材料にアミド結合を介して結合されている。前記共重合体は、自己組織化するブロック共重合体ではなく、又は、さまざまな「活性化剤」との反応によってヒドロキシル基又はアミノ基によって/で官能化され、これらはさらに親和性リガンド(プロテインAが開示されている)と反応する。
【0006】
他の親和性膜は、有機溶媒中の溶液ブロックコポリマー(PEO/PPOポリエーテル)及びポリスルホンをキャストすること、続いて水急冷ステップを行うことにより形成される。得られた高分子膜は、表面にヒドロキシル基を有しており、これらは、前記膜に共有結合した生物学的材料へとさらに誘導体化される。前記共重合体は、キャストする前に誘導体化され、膜形成後に前記ヒドロキシル基が遊離する。
【0007】
ミクロ相分離構造からの膜は、スチレン及び「極性基」を有するアルキルアクリレートから誘導された自己組織化ブロックポリマーから調製される。カルボキシル基含有モノマー単位を含有するコポリマー膜、糖、脂質、タンパク質、ペプチド及びその複合体のうちの1つ以上、も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
膜クロマトグラフィーへの関心は過去10年間で徐々に高まっている。しかし、カラムクロマトグラフィーの代替としての膜クロマトグラフィーの広範な商業的採用は、さまざまな利用可能な材料プラットフォームの制限と、膜構造及び性能の大幅な技術的進歩の欠如により妨げられてきた。特に、市販の膜クロマトグラフィー材料は従来の膜構造の上に構築されており、それは広い細孔径分布に悩まされている。この孔径の変動により、膜全体に不均一なフローパターンが生じ、漏出曲線(breakthrough curves)が広がり、メディア容量が減少する。現在の実践では、膜の層を積み重ねることにより漏出曲線が鋭くなり、流線に沿った平均透過性がより均一になる。膜層のスタックが充填ビーズのより典型的なカラムに置き換わるクロマトグラフィーデバイスが提案されていたが(例えば、WO2000050888A1を参照)、カラムの深さは、サブミクロンの細孔を持つ膜のスタックを貫通する流れを駆動するのに必要な圧力によって厳しく制限されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかしながら、タンパク質の発現、構造、及び機能の理解における大きな進歩にもかかわらず、複雑な混合物からのタンパク質の精製は、あらゆるプロセス規模でタンパク質開発者にとって重要な課題であり、一連の分離技術が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、MBP材料の一般的な階層的多孔性を示す図である。多孔性の複数の長さスケールが描かれている。
図2図2は、多孔性ブロックコポリマーフィルムの表面上の親和性リガンドを示す図である。
図3図3は、EDCを有するプロテインAリガンドを用いた膜表面改質(medication)を示す図である。
【0011】
発明の詳細な説明
ブロックコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー、一括マルチブロックポリマー(MBP)材料/構造は、材料又は構造が階層的に多孔性であるように(複数の長さスケールの細孔を有する)、自己組織化によって形成された材料/構造の少なくとも一部とともに開示される。前記自己組織化ポリマー材料は、マクロ細孔、メソ細孔又はミクロ細孔のうち少なくとも1つを含有し、その少なくともいくつかはイソポーラスである。ミクロ細孔は、0.1~1nmの直径を有すると定義される。メソ細孔は、1nm~200nmの直径を持つと定義される。マクロ細孔は、200nmから1000μmの直径を持つと定義される。
【0012】
一実施形態において、前記自己組織化ポリマー材料は、狭い孔径分布を有するメソ孔又はミクロ細孔を含有し、前記MBP材料又は構造は、親和性リガンド(又は親和性リガンドを結合するために使用されるリンカー)で部分的又は完全に修飾されている。前記ポリマー材料は、さまざまな容器、チューブ、又はキュベットのためのライナー又はインサートとして、平面、円周、又はらせん形状の、サポートされた又はサポートされていない、プリーツ又は非プリーツ、三次元プリーツ構成のフィルムに形成される。前記材料は、さまざまな形状、例えば、ビーズ、球、又は多次元固体媒体、に形作ることができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記MBPはメソ細孔を含む。一実施形態において、前記メソ細孔は約1nmから約200nmの範囲にある。一実施形態において、前記メソ細孔は約3nmから約200nmの範囲にある。一実施形態において、前記メソ細孔は約5nmから約200nmの範囲にある。一実施形態において、前記メソ細孔は約5nmから約100nmの範囲にある。一実施形態において、前記メソ細孔は約5nmから約50nmの範囲にある。いくつかの実施形態において、前記MBPはミクロ細孔を含む。一実施形態において、前記ミクロ細孔は約0.1nmから約1nmの範囲にある。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記MBPはマクロ細孔を含む。一実施形態において、前記マクロ細孔は約200nmから約1000μmの範囲にある。一実施形態において、前記マクロ細孔は約200nmから約100μmの範囲にある。一実施形態において、前記マクロ細孔は200nmから約10μmの範囲にある。一実施形態において、前記マクロ細孔は1μmから約10μmの範囲にある。一実施形態において、前記マクロ細孔は約500nmから約10μmの範囲にある。
【0015】
本発明の前記MBP構造/材料は、既存のカラムアフィニティクロマトグラフィー媒体に対する処理時間のフラクションにおいて、同じ又はより良好な分離品質を有する膜吸着剤として部分的又は完全に機能するように変更された大容量MBP膜構造/フィルムを使用することにより、既存のカラムアフィニティクロマトグラフィーの困難に対する解決策を提供する。現在の下流精製プロセスは複数のステップを利用し、バッチごとに実行される。精製ラインの第1のステップは、カラムベースのアフィニティ分離であり、これは、プロセス全体の主要なボトルネックとして広く認識されている。アフィニティカラムは、総プロセス時間の約25%を表しており、下流の機器をアイドル状態のままにし、製造効率を低下させる。このステップはまた、精製ライン全体で最大の人件費も表す。さらに、カラムクロマトグラフィーに必要な大量の消耗品は、タンパク質の開発と製造の高コストに大きく貢献する。既存のカラムアフィニティクロマトグラフィーによって引き起こされる既存のボトルネックは、処理時間の劇的な短縮とそれに対応する製造コストの削減によって軽減され、そして同時に、本発明の前記MBP構造/材料膜/フィルム吸着体を使用すると生産効率が向上する。
【0016】
既存の精製プロセスのボトルネックを解消することに加えて、本発明は、膜の単一層を通る非常に均一な流れを可能にすることによりプロセスの改善を提供する。イソポーラスなメソ又はミクロ細孔が膜の下流表面に連続層を形成する構成において、これらの細孔は、類似の細孔サイズのペーシングされたカラムで生じる流れに対する抵抗よりも小さいが、より大きな不均一な細孔によって提供されるものよりもはるかに大きい均一な流れ抵抗を提供する。前記膜が少数の膜層(好ましくは3つ以下、より好ましくは1つ)を利用する濾過デバイスとしてパッケージ化される場合、前記イソポーラス層の抵抗により、流速がどこでも均一になり、すべての結合部位が効率的に利用される。さらに、プリーツ付きパックを含有するカートリッジ、膜の平らなシートで囲まれたフローチャネルを含有するクロスフローカセット又はモジュール、又はらせん状に巻かれたカートリッジであり得る、水ろ過業界で一般的なようなデバイスにおいて、粒子ろ過又は大分子ろ過をクロマトグラフィー分離と1ステップで組み合わせることができるため、必要な単位操作の総数を削減できる。
【0017】
本発明のマルチブロックポリマーは、前記膜フィルムを形成する自己組織化技術、例えば米国特許公開第9,527,041号に開示されているような膜フィルム、又は国際公開第WO205048244号のハイブリッド材料、に依存する。これらの各々はその全体が参照により組み込まれている。
【0018】
又は、Hierarchically Porous Materials from Block Copolymers, Dorin et al.に記載されているように、その全体が参照により組み込まれる。前記膜フィルムは、結合したリガンドを包含するように修飾され、且つ、高いスループットで同時に高い選択性を提供する。前記プロセスは、非常に大きな表面積を持つ階層的な多孔質構造を前記フィルムに提供し、且つ、単一のスケーラブルな材料で、マクロポーラス連続ドメインとメソポーラス壁構造を組み合わせる。マクロポーラス構造フィーチャは対流溶液の流れを提供し、迅速な処理を提供する一方で、前記メソポーラス壁は高い表面積を作成し、高密度親和性機能化のユニークな可能性を提供する。メソポーラスマトリックス構造による大容量の可能性の追加は、それらを生体分子分離市場での産業用途に適したものにする。
【0019】
本発明の前記マルチブロックポリマーにおける均一なメソ多孔性及びマクロ多孔性の組み合わせは、高流束(high flux)及び高表面積の膜を提供する。前記マクロポーラス領域は高流束を可能にする一方、前記均一なメソ細孔は高い表面積と均一なフロー分布を提供する。前記膜表面上の親和性リガンドは、興味対象の化学種/分析物と前記膜との親和性に基づく相互作用のためのプラットフォームを提供する。
【0020】
本発明の前記MBP材料は、フィルム又は三次元配置にかかわらず、純粋に有機のテンプレート、ハイブリッド材料、それらの組み合わせのうちの1つから、単独で、又は表面に配置又は埋め込まれたナノ粒子と組み合わせて形成され、必要に応じて官能化される。
【0021】
本発明は、非常に大きな表面積を持つ階層的な多孔質膜を形成する、官能基を含有する少なくとも1つのブロックを有する本発明の前記マルチブロックポリマーを調製するための自己組織化技術を利用する。前記膜のMBP内の少なくとも1つのブロックは、親和性リガンドとの共有結合又は非共有結合で修飾されている。そのような構造は、形成のために基板を必要とせず、且つ、単一のスケーラブルな構造でマクロポーラス連続ドメインとメソポーラス壁構造とを組み合わせたものである。前記マクロポーラスフィーチャは対流溶液の流れを改善し、迅速な処理を提供する一方、前記メソポーラス壁は高い表面積を作成し、高密度の表面機能化の可能性を提供する。メソポーラスマトリックス構造を介した大容量の可能性の追加は、既知の膜と比較して、タンパク質分離市場での産業用途に非常に有望な意味を持っている。
【0022】
いくつかの用途において、特に材料がプリーツをつけられた膜である実施形態において、前記イソポーラス層は前記膜の下流表面全体を占める。
【0023】
本発明の階層的多孔質マルチブロックポリマー(「MBP」)材料/構造は、親和性リガンドで官能化されている。前記MBPは、2つ以上の化学的に異なるブロック(AB)、ABC若しくはBACターポリマーを含有するか、又はA-B-C-B、A-B-C-D、A-B-C-B-A、A-B-C-D-E、又はこれらの高次システムの他の可変配列の形式の高次マルチブロックコポリマーシステムである。前記マルチブロックコポリマーは、当該分野で公知の方法により合成され得る。前記マルチブロック共重合体の合成方法のいくつかの例は、アニオン重合、カチオン重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合、原子移動ラジカル重合、及び記載された合成方法の任意の組み合わせ、を包含する。各ブロックは、隣接するブロックが十分に化学的に明確であり、したがって自己組織化を可能にする場合、化学物質の混合物を含むことができるが、必ずしも化学物質の混合物を含まない。一実施形態において、前記MBPを含む少なくとも1つのブロックコポリマーの少なくとも1つのブロックは、親水性又は水素結合ブロック化学を含む。例えば、好適な親水性又は水素結合ブロック化学は、ポリ((4-ビニル)ピリジン)、ポリ((2-ビニル)ピリジン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)及びポリ(ヒドロキシスチレン))、を包含する。いくつかの実施形態において、前記MBPを含む少なくとも1つのブロックコポリマーは、少なくとも1つの疎水性ブロック化学をさらに含む。好適な疎水性ブロック化学の例は、: ポリ(スチレン)、ポリ(イソプレン)、ポリ(ブタジエン)、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、を包含する。好適なブロックコポリマーの例は、例えば、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-4-ビニル-ピリジン)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-2-ビニル-ピリジン)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-メタクリレート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-ジメチルエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-ジメチルエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-スチレンスルホネート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(イソプレン-b-スチレン-b-ヒドロキシスチレン)、ポリ(スチレン-b-4-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-2-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-メタクリレート)、ポリスチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-ジメチルエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-スチレンスルホネート)、ポリ(スチレン-b-2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-b-ヒドロキシスチレン)、ポリ(プロピレン-b-4-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-2-ビニルピリジン-b-イソプレン-ヒドロキシスチレン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン-b-ジメチルアクリルアミド-b-イソプレン-スチレン-4-ビニルピリジン)、を包含する。上記のポリマーは例示的な例として挙げられ、前記材料が本発明の構造的特徴を満たす限り、他の化学、組み合わせ、及びブロック数及び配向が可能である。
【0024】
前記ブロックは、別個の「ブロック」とは見なされない可能性のある、単一のユニット又は異なる化学の複数のユニットで分離されているわけではない。ブロックは、ブロック間の化学の勾配とリンクすることができるが、必ずしもブロック間の化学の勾配とリンクしているわけではない(つまり、前記共重合体における単一ユニットで化学の急激な推移はない)。階層的多孔質材料は、一般に複数のサイズレジームの相互接続された細孔を持つ。前記フィルムにはメソポアとマクロポアとを含有する。前記メソポアは、フィルムなどの材料又は構造の形成中に前記ブロック共重合体が自己組織化するため、狭いポアサイズ分布を示す。前記材料は、全体的に等方性又は非対称構造である。前記膜表面は、以下に示すように、親和性リガンドで部分的又は完全に表面修飾されている。
【0025】
【0026】
親和性リガンドは、それに対して特異的な部分又はそれに対して生じた抗体のいずれかに非常に高い親和性で結合することができる分子である。タンパク質-リガンド結合において、前記リガンドは通常、標的タンパク質上の部位に結合するシグナルトリガー分子である。DNA-リガンド結合において、リガンドは通常、前記DNA二重らせんに結合する任意の小分子又はイオン、あるいはタンパク質である。前記結合は、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力などの分子間力によって発生する。前記ドッキング(関連付け)は通常、可逆(分離)である。階層的多孔質フィルムの形態であるブロックコポリマーへのそのようなリガンドの組み込みは、前記適切な親和性リガンドを使用するアフィニティークロマトグラフィーによる特定の生体分子部分の捕捉及び精製を可能にする。一実施形態において、プロテインAは、化学反応を介して直接又は連結分子を介してブロックコポリマーに付着した親和性リガンドである。プロテインAを共有結合した得られたフィルムは、ヒト免疫グロブリン(IgG)の捕捉又は精製に使用できる。親和性リガンドの他の実施形態は、プロテインG、プロテインA/G及びプロテインLである。親和性リガンド/標的部分のさらに他の例は、ビオチン(リガンド)-ストレプトアビジン(部分)、ジゴキシゲニン(リガンド)-抗DIG-抗体及びジニトロフェノール(リガンド)-抗DNP-抗体、及び核酸を包含する。親和性リガンドの共有結合の場合、前記材料表面の好適な官能基の例は、カルボン酸、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、及びイオン化可能又は除去可能な水素を含有する他の基である。親和性リガンドの前記共有結合の一実施形態は、フィルムのカルボキシル表面へのプロテインAの結合である。これは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドクロリド(EDC)で前記MBP材料表面を最初に活性化することにより達成される。続いて、前記活性化された材料の表面を前記親和性リガンド(タンパク質A)に暴露し、前記材料表面への前記リガンドの共有結合を形成する。
【0027】
好適な連結剤は、これらに限定されないが、スベリイミド酸ジメチルなどのイミドエステル;BS3などのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル;EDC、SMCC又はその水溶性類似体、スルホSMCC、DCC又はDICなどのカルボジイミド;BOP、HATU、PyBOPなどのベンゾトリゾール誘導体;酸ハロゲン化物、アシルアジド又はスルホニルハロゲン化物を介した無水物又は混合無水物の形成;又は中間体ニトロフェニルエステル;を包含する。カルボン酸が好ましいが、他の種類の官能基が前記ブロックコポリマー又はブロックコポリマーフィルム上に存在する場合、他のカップリング剤を使用してもよい。
【0028】
別の実施形態において、前記MBP材料は、後記化合物を前記材料に共有結合的にグラフトするグラフト可能な化合物の反応基との反応に適した化学反応基;pH感受性基、検体の直接固定に適した基;色素、発蛍光団、発色団、又は消光剤;固定化タンパク質;及び固定化された天然又は人工の核酸分子;からなる群から選択される部分を有する。
【0029】
別の実施形態において、前記MBP材料は、以下の側鎖又は基: ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、ポリエチレングリコール、アルキル、マレイミド、スクシンイミド、アシルハライド、スルフヒドリル、又はアジド、のうち少なくとも1つを含む。
【0030】
別の実施形態において、少なくとも1つの官能化モノマーは、アミノメタクリレート、アミノアクリレート、アクリル酸、ジメチルアクリルアミド、又はメタクリル酸である。
【0031】
別の実施形態において、前記MBP材料表面は、非共有結合、例えば吸着又は含浸、により親和性リガンドで修飾される。
【0032】
本発明の別の実施形態において、前記MBP材料は、親和性に基づく分離、タンパク質精製、のための分離媒体である。これは、標的種が親和性リガンドに結合してそれを分離する、結合及び溶出操作として使用される。その後、前記標的種を記録するため、前記標的種を前記材料から結合解除することができる。本発明の別の実施形態において、前記標的化合物(複数)が材料を通過しながら、特定の不純物の結合は、混合物からこの不純物を除去するために使用される。
【0033】
本発明の別の用途は、センサの一部、化学的又は生化学的検出及び/又は定量化、としてである。前記親和性リガンドへの標的種の結合時の、前記フィルム、抵抗、静電容量、色に対する特定の応答の活性化。この実施形態において、前記標的種の前記親和性リガンドへの結合は、前記材料の検出可能な変化又は応答(例えば、膜の分光測光プロファイルの変化)を引き起こし、前記標的種の検出及び/又は定量化を可能にする。
【0034】
本発明の前記MBPフィルムの1つ以上のブロックは、親和性リガンドの後続の付着のための官能性を提供するリンカーで修飾される。本発明の前記MBPは、階層的多孔性を包含し、且つ、リンカー又は親和性リガンドで修飾された三次元ブロックコポリマー構造を有し、且つ、「フィルム」又は「膜」に典型的なアスペクト比に限定されない。前記MBP材料は、モノリシック材料であってもよい。前記材料は、成形される(molded)か、さもなければ様々な三次元形状に形成されてもよい。前記形状には、異なる多孔度又はリガンドを持つゾーンが含まれる場合がある。親和性リガンド又はリンカーによる前記ブロック共重合体の修飾は、フィルムへの製作の前又は後に提供される。前記ブロック共重合体は、時間、温度、修飾剤の濃度などを変えることにより、前記ブロック共重合体の化学量論と比例してリンカー又は親和性リガンドで修飾される。ほとんどのアプリケーションの場合、関連する修正の範囲又は程度は、利用可能なサイトの10~100%である。本発明の前記MBPフィルムは、複数の親和性リガンド又はリンカー、複数の官能性を含有する親和性リガンド又はリンカー、又は複数のポリマーブロック上の部分的又は完全な親和性リガンド又はリンカーを包含する。
【0035】
本発明の前記MBPリガンド担持材料/フィルムは、共有又は非共有手段による連結材料のコンフォーマルなコーティングを包含し、前記リンカー又は親和性リガンドの物理層;機械的安定性を提供するための、支持材料上への前記材料の形成又は固定化、をもたらす。
【0036】
本発明の前記MBPリガンド担持材料/フィルムは、テキスタイル又はセンサデバイスへの統合を包含する。
【0037】
本発明の前記MBPリガンド担持材料/フィルムは、そのメソ孔構造に加えて、前記材料/構造(例えば、ゼオライト、マイクロポーラス炭素)に/上にマイクロポーラス材料を組み込むために、前記MBPの処理により提供された材料/構造内にミクロ細孔をさらに含む。前記ミクロ細孔は、前記メソ細孔に加えて、又は前記メソ細孔によって提供される前記ミクロ細孔の一部又は全体を置き換える。
【0038】
本発明の前記MBPフィルムは、親和性リガンド又はリンカーで修飾された材料/構造のジオメトリ及び面積の制御を容易にする。前記ジオメトリの制御は、2次元又は3次元、又はそれらの組み合わせである。コーティングのこの幾何学的制御の一実施形態は、パターニング、例えば、リソグラフィーによるものである。このジオメトリの制御の別の一実施形態は、変更された材料/構造の一部を未変性のフィルム又は別の基板に物理的に取り付けることである。
それらの全体に組み込まれている参照対象主題
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0039】
【文献】Low D, O’Leary R, Pujar NS. Future of antibody purification. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2007; 848 (l):48-63.
【文献】Warner T, Nochumson S, Tripathi BP, Kumar M, Shahi VK. A Work in Process: Membrane-Based Chromatography. Modern Drug Discovery. 200345-49.
【文献】Chen C . Challenges and opportunities of monoclonal antibody manufacturing in China. Trends in Bio/Pharmaceutical Industry. 2009;5 (3)
【文献】Palma AD. Downstream Process Bottlenecks onlineliebertpubcom. 2013
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【文献】Shukla AA, Hubbard B, Tressel T, Guhan S, Low D . Downstream processing of monoclonal antibodies -application of platform approaches. Journal of Chromatography B . 2007; 848 (l):28-39.
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【特許文献】
【0040】
【文献】US Patent No.9,464,969B2、“Monoliths” by Oberg et al.
図1
図2
図3