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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/514 20060101AFI20220405BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20220405BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61F13/514 310
A61F13/493
A61F13/51
A61F13/514 500
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020032020
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021132911
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2020-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇樹
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5291233(JP,B1)
【文献】特開2019-208803(JP,A)
【文献】特開2005-237768(JP,A)
【文献】特開2005-177160(JP,A)
【文献】特開2005-218694(JP,A)
【文献】特開2012-070950(JP,A)
【文献】特開2011-056029(JP,A)
【文献】特表2017-526462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、
前記バックシートはフィルム層の外面側に不織布層が積層されて構成され、前記フィルム層と前記不織布層の間に接着剤が面状に塗布された特定領域が設けられ、
前記特定領域は、吸収性物品の幅方向の中央部に前後方向に延在して設けられ、前記特定領域の幅方向の長さは、吸収性物品の前後方向の中間部の最も幅狭な部分の幅方向の長さの5%以上50%以下であり、前記特定領域の前後方向の長さは、吸収性物品の前後方向の長さの50%以上であることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記接着剤は、発泡ホットメルト接着剤である請求項に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品はテープタイプの使い捨ておむつであり、前後方向の後側部の幅方向の両側にファスニングテープが設けられ、前後方向の前側部の前記バックシートの外面側に、装着の際に前記ファスニングテープを止着させるターゲットテープが設けられている請求項またはに記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記特定領域は、吸収性物品の前後方向の全体にわたって延在している請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつや尿パッド等の吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや尿パッド等の吸収性物品は、使用の際に尿等の排泄物の漏れが起こらないように、着用者の股間の適切な位置に装着することが求められる。特に、テープタイプの使い捨ておむつや、おむつの肌面側に載置して併用される尿パッドでは、装着の際、着用者の股間で幅方向に対してずれた位置に設置されることが起こり得る。これに対して、特許文献1、2には、吸収性物品の幅方向の位置が認識しやすくなるように工夫が施された吸収性物品が開示されている。特許文献1には、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれら両シート間に介在させた吸収体とを備え、少なくとも着用者の臀部側に位置する背面部に、正しい装着状態を示す目印を外部から視認できるように設けた紙おむつが開示されている。特許文献2には、透液性表面シートと不透液性裏面シートとこれらのシートとの間に配設された吸収体を有し、長手方向に前側部分、中央部分および後側部分が順次形成された吸収性物品本体と、前記前側部分と前記後側部分とのいずれか一方に、吸収性物品本体の幅方向の略中心に沿って設けられた摘み部とを具備し、摘み部は、吸収性物品本体を不透液性裏面シート側に突出するように幅方向の中心近傍にて折り返した状態で吸収体の端部近傍で互いに対向する透液性表面シート同士を接合して形成された使い捨て吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-59695号公報
【文献】特開2007-98036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に開示された吸収性物品では、バックシートに設けられた目印や摘み部によって吸収性物品の幅方向の位置を把握することができる。しかし、バックシートに設けられた目印は吸収性物品の装着の際に視認することが難しかったり、バックシートに摘み部を設けた場合は、摘み部によって着用者が違和感を覚えることが懸念される。そのため、目視によらず、吸収性物品の着用感に影響を及ぼさないような形で吸収性物品の幅方向の位置を把握できれば、より好ましい。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、目視によらず簡便に幅方向の位置を検知することができる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収体とを有する吸収性物品であって、バックシートの外面側には、起毛加工された不織布から構成された特定領域が設けられ、特定領域は、吸収性物品の幅方向の中央部に前後方向に延在して設けられ、特定領域の幅方向の長さは、吸収性物品の前後方向の中間部の最も幅狭な部分の幅方向の長さの5%以上50%以下であり、特定領域の前後方向の長さは、吸収性物品の前後方向の長さの50%以上であるところに特徴を有する。特定領域は、エンボス加工された不織布から構成されたものであってもよい。
【0007】
本発明の吸収性物品は、上記のように、バックシートの外面側に起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域が設けられるため、吸収性物品の外面側を手で触ることにより、特定領域を目安にして吸収性物品の幅方向の中央部を検知することができる。そのため、吸収性物品を装着する際、使用者や介護者が吸収性物品を目視しにくいような場合や使用者や介護者の視力が弱っているような場合でも、手で触って特定領域を検知することにより、吸収性物品の幅方向の位置を適切に調整することが容易になる。また、特定領域が吸収性物品の前後方向の長さの50%以上の長さで形成されることにより、特定領域が着用者の排尿部や肛門をカバーでき、吸収性物品を装着する際に、着用者の排尿部や肛門に吸収性物品の幅方向の中央部を当てることが容易になる。
【0008】
バックシートの外面側は不織布から構成され、当該不織布に特定領域が形成されていることが好ましい。この場合、バックシートの外面側の幅方向の中央部を起毛加工またはエンボス加工することにより、バックシートの外面側に特定領域を簡単に形成することができる。
【0009】
バックシートの外面側が不織布から形成され、当該不織布の一部が起毛加工されることにより特定領域が形成される場合、バックシートはフィルム層の外面側に不織布層が積層されて構成され、当該不織布層に特定領域が形成されることが好ましい。不織布を起毛加工した場合、起毛加工された部分での耐水性が低下することが懸念されるが、バックシートの肌面側をフィルム層から構成することにより、バックシートの外面側の不織布層に起毛加工を施しても、バックシートの防漏性能を確保することができる。
【0010】
本発明の吸収性物品は、バックシートがフィルム層の外面側に不織布層が積層されて構成され、フィルム層と不織布層の間に接着剤が面状に塗布されることにより特定領域が形成されるものであってもよい。この場合、フィルム層と不織布層に塗布された接着剤は、不織布層の繊維間隙に入り込むことによってバックシートの特定領域における剛性が高まる。そのため、使用者や介護者等が吸収性物品の外面側を手で触れた際、手触りの違いから特定領域の位置を検知することが可能となる。
【0011】
特定領域は、吸収性物品の前後方向の全体にわたって延在していることが好ましい。このように特定領域を設けることにより、吸収性物品の前後方向の位置に関わらず、吸収性物品の幅方向の中央部を検知しやすくなる。
【0012】
吸収性物品はテープタイプの使い捨ておむつであることが好ましい。この場合、吸収性物品は、前後方向の後側部の幅方向の両側にファスニングテープが設けられ、前後方向の前側部のバックシートの外面側に、装着の際にファスニングテープを止着させるターゲットテープが設けられるものとなる。特に、特定領域が起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成される場合、特定領域は、ファスニングテープのフック部材の止着対象部として機能させることもできる。そのため、例えば吸収性物品の使用後、吸収性物品を廃棄する際に、吸収性物品を前後方向に折り畳んでまたは丸めて、ファスニングテープのフック部材を特定領域に止着することで、吸収性物品を前後方向に折り畳んだまたは丸めた状態を維持することができる。
【0013】
特定領域は、バックシートの外面側に設けられ、起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成され、ターゲットテープは幅方向の一方側と他方側に設けられ、特定領域は、幅方向の一方側と他方側に設けられたターゲットテープの間に存在するように設けられていてもよい。このようにターゲットテープと特定領域を設けることにより、テープタイプの使い捨ておむつである吸収性物品を装着する際、ターゲットテープとともに特定領域をファスニングテープのフック部材の止着対象部とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の吸収性物品は、吸収性物品の外面側を手で触ることにより、特定領域を目安にして吸収性物品の幅方向の中央部を検知することができる。そのため、吸収性物品を装着する際、使用者や介護者が吸収性物品を目視しにくいような場合や使用者や介護者の視力が弱っているような場合でも、手で触って特定領域を検知することにより、吸収性物品の幅方向の位置を適切に調整することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の吸収性物品の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。
図2図1に示した吸収性物品を外面側から見た平面図を表す。
図3図1および図2に示した吸収性物品のIII-III断面図を表す。
図4】本発明の吸収性物品の他の一例を表し、吸収性物品を外面側から見た平面図を表す。
図5図4に示した吸収性物品のV-V断面図を表す。
図6】本発明の吸収性物品の他の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。
図7図6に示した吸収性物品を外面側から見た平面図を表す。
図8図6および図7に示した吸収性物品のVIII-VIII断面図を表す。
図9】本発明の吸収性物品のさらに他の一例を表し、吸収性物品を外面側から見た平面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収体を有する。本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつ、尿パッド等に適用できる。
【0017】
吸収性物品は、前後方向と幅方向とを有する。前後方向とは、吸収性物品を着用者が着用した際、着用者の股間の前後方向に延びる方向を意味する。幅方向とは、吸収性物品と同一面上にあり前後方向と直交する方向を意味し、吸収性物品を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、前後方向と幅方向から形成される面に対して垂直方向を厚み方向とする。さらに、吸収性物品を着用者が着用した際に、着用者に肌に向かう側を肌面側とし、その反対側を外面側とする。
【0018】
吸収性物品の形状は特に限定されない。吸収性物品が尿パッドである場合、吸収性物品の形状としては、略長方形、長円形、砂時計形、羽子板形等が示される。吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、前側部と後側部とこれらの間に位置し吸収体が備えられた中間部とから構成される。
【0019】
使い捨ておむつは、後側部の幅方向の両側にファスニングテープが設けられ、当該ファスニングテープにより着用時にパンツ形状に形成するテープタイプの使い捨ておむつであったり、前側部と後側部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。
【0020】
トップシートは吸収体の肌面側に配されるシートであり、吸収性物品の着用の際に着用者の肌に面するように設けられる。トップシートは、液透過性であることが好ましい。トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
【0021】
バックシートは吸収体の外面側に配されるシートであり、吸収性物品の着用の際に着用者とは反対側に位置するように設けられる。バックシートは、好ましくは吸収性物品の外面側の少なくとも一部を構成するように設けられる。バックシートは、液不透過性であることが好ましい。バックシートとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。またバックシートとして不織布とフィルムとの積層体を用いてもよく、例えばフィルム層の外面側に不織布層が設けられた積層体を用いることができる。
【0022】
トップシートやバックシートを構成する不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、トウ開繊不織布、SMS不織布等を用いることができる。
【0023】
吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは当該成形体を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
【0024】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
【0025】
吸収体は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
【0026】
シート状吸収体は、吸収性材料として吸水性繊維を用いてもよい。この場合もまた、シート状吸収体は嵩張らず薄型に形成される。吸水性繊維としては、プロトン化または塩形成したカルボキシル基を含有する繊維が挙げられる。例えば、アクリル繊維を加水分解して、アクリル繊維に含まれるニトリル基をカルボキシル基に変換することにより、吸水性繊維を得ることができる。このとき、吸水性繊維に含まれるカルボキシル基は、アルカリ金属塩またはアンモニア塩を形成していることが好ましい。また吸水性繊維は、親水性繊維をアクリル酸に浸漬し、繊維表面でアクリル酸を析出させることにより製造することができる。
【0027】
吸収体の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、略長方形、略砂時計形、略羽子板形等が挙げられる。
【0028】
吸収性物品の肌面側には、幅方向の両側に立ち上がりフラップが設けられていてもよい。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップは、例えば、トップシートの幅方向の両側に、前後方向に延在するサイドシートを接合し、サイドシートの幅方向の内方部分に弾性部材を設けることにより形成される。このようにサイドシートと弾性部材を設けることにより、弾性部材の収縮力によりサイドシートの幅方向の内方部分が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップが形成される。立ち上がりフラップまたはサイドシートは、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
【0029】
バックシートには、吸収性物品の幅方向の中央部に前後方向に延在する特定領域が設けられる。特定領域は、使用者や介護者等が吸収性物品の外面側を手で触れた際、手触りの違いから、吸収性物品の幅方向の中央部を検知できるようにするために設けられる。
【0030】
特定領域は様々な態様で設けることができ、例えば、バックシートの外面側に、起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域を設けることができる。特定領域が設けられた不織布は、バックシートを構成する不織布であってもよく、バックシートの外面側にバックシートとは別部材として設けられてもよい。前者の場合、バックシートを構成する不織布の外面側の領域の一部が起毛加工またはエンボス加工されることにより、バックシートの外面側に特定領域が設けられる。後者の場合、起毛加工またはエンボス加工された不織布がバックシートの外面側に取り付けられることにより、バックシートの外面側に特定領域が設けられる。いずれの場合も、特定領域は、吸収性物品の外面側に露出して設けられる。
【0031】
起毛加工された不織布から構成された特定領域は、不織布表面が毛羽立って形成されることにより、それ以外の領域と手触りが異なるものとなる。エンボス加工された不織布から構成された特定領域は、不織布表面にエンボス加工による凹凸パターンが形成されることにより、それ以外の領域と手触りが異なるものとなる。いずれの場合も、使用者や介護者等が吸収性物品の外面側を手で触れた際、手触りの違いから特定領域の位置を検知することが可能となる。
【0032】
特定領域を形成する不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等が好ましく挙げられる。特定領域が起毛加工により形成される場合は、不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布が好ましく用いられる。これらの不織布は、不織布の構成繊維が熱溶着によって結合されるため、起毛加工をしても構成繊維が脱離しにくくなる。また、起毛加工によって不織布表面を毛羽立たせやすくなる。特定領域がエンボス加工により形成される場合は、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布が好ましく用いられる。これらの不織布は、エンボス加工によって不織布表面に深い凹凸を形成しやすくなる。
【0033】
特定領域が起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成される場合、バックシートの外面側の特定領域以外は、起毛加工されていない不織布またはエンボス加工されていない不織布から構成されていることが好ましい。具体的には、特定領域が起毛加工された不織布から構成される場合は、バックシートの外面側の特定領域以外は起毛加工されていない不織布から構成されることが好ましく、特定領域がエンボス加工された不織布から構成される場合は、バックシートの外面側の特定領域以外はエンボス加工されていない不織布から構成されることが好ましい。この場合、バックシートの外面側の全体が不織布から構成されることとなり、吸収性物品を外面側から見たときの見栄えが良くなり、またバックシート全体の手触りが良好なものとなる。
【0034】
特定領域が起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成される場合、バックシートの外面側は不織布から構成され、当該不織布に特定領域が形成されていることが好ましい。この場合、バックシートの外面側の幅方向の中央部を起毛加工またはエンボス加工することにより、バックシートの外面側に特定領域を簡単に形成することができる。また、特定領域をバックシートとは別部材の不織布から構成する場合と比べて、バックシートの通気性を高めることが可能となる。
【0035】
バックシートの外面側が不織布から形成され、当該不織布の一部が起毛加工されることにより特定領域が形成される場合、バックシートは、フィルム層の外面側に不織布層が積層されて構成されることが好ましい。この場合、バックシートの外面側に位置する不織布層の一部が起毛加工され、特定領域が形成される。不織布を起毛加工した場合、起毛加工された部分での耐水性が低下することが懸念されるが、バックシートの肌面側をフィルム層から構成することにより、バックシートの外面側の不織布層に起毛加工を施しても、バックシートの防漏性能を確保することができる。
【0036】
特定領域は、フィルム層の外面側に不織布層が積層されて構成されたバックシートのフィルム層と不織布層の間に接着剤を面状に塗布することにより形成することもできる。この場合、フィルム層と不織布層に塗布された接着剤は、不織布層の繊維間隙に入り込むことによってバックシートの特定領域における剛性が高まる。そのため、使用者や介護者等が吸収性物品の外面側を手で触れた際、手触りの違いから特定領域の位置を検知することが可能となる。この場合、バックシートは、特定領域における剛性がそれ以外の領域よりも高くなることが好ましい。バックシートの剛性は、例えばカンチレバー法により剛軟度を測定することにより求めることができる。
【0037】
特定領域が接着剤によって形成される場合、接着剤は特定領域においてべた塗りされてもよく、所定の曲線状パターン(例えば、スパイラル状パターンやオメガ状パターンや蛇行状パターン)で特定領域に接着剤が塗布されてもよく、カーテンスプレー法により短繊維状に接着剤が特定領域に塗布されてもよい。いずれの場合も、接着剤を特定領域の全体にわたって略均一に塗布することができ、その結果、接着剤が特定領域に面状に塗布されることとなる。なお、曲線状パターンや短繊維状に接着剤が塗布される場合、接着剤としてはホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
【0038】
特定領域は、発泡ホットメルト接着剤によって形成されてもよい。この場合、発泡ホットメルト接着剤が塗布された部分がそれ以外の部分よりも盛り上がって形成することができるため、使用者や介護者等が吸収性物品の外面側を手で触れた際、バックシートが盛り上がって形成された部分から特定領域の位置を検知することができる。
【0039】
特定領域が接着剤によって形成される場合、バックシートは特定領域以外でフィルム層と不織布層が接着剤で接合されてもよいが、この場合、特定領域以外における接着剤の塗布密度は、特定領域における接着剤の塗布密度よりも低くなればよい。特定領域以外では、接着剤は、例えば吸収性物品の前後方向または幅方向に延びる直線状に塗布されることが好ましい。
【0040】
特定領域は、吸収性物品の幅方向の中央部に前後方向に延在して設けられる。なお、吸収性物品の幅方向の中央部とは、吸収性物品の幅方向の中心線(前後方向に延びる中心線)を含む部分を意味する。このように特定領域が設けられていれば、吸収性物品の外面側を手で触ることにより、特定領域を目安にして吸収性物品の幅方向の中央部を検知することができる。そのため、吸収性物品を装着する際など、使用者や介護者が吸収性物品を目視しにくいような場合や使用者や介護者の視力が弱っているような場合でも、特定領域を目安にして吸収性物品の幅方向の位置を適切に調整することが容易になる。例えば、特定領域を手で触れながら着用者の臀部の溝に沿って吸収性物品を宛がうことで、吸収性物品を着用者の股間に適切に装着することができる。従って、本発明の吸収性物品は、テープタイプの使い捨ておむつや尿パッド(特に使い捨ておむつの肌面側に載置して併用される尿パッド)に好適に適用することができる。
【0041】
特定領域の幅方向の長さは、吸収性物品の前後方向の中間部の最も幅狭な部分の幅方向の長さの5%以上50%以下である。特定領域はこのような幅方向の長さで幅方向に連続して設けられることが好ましい。特定領域の前後方向の長さは、吸収性物品の前後方向の長さの50%以上である。特定領域はこのような前後方向の長さで前後方向に連続して設けられることが好ましい。なお、特定領域が前後方向に断続的に設けられる場合は、断続部分の長さが20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。またこの場合の特定領域の前後方向の長さは、断続部分も含めて吸収性物品の前後方向の長さの50%以上となればよい。上記のように特定領域を設けることにより、吸収性物品の外面側を手で触ることにより特定領域を検知しやすくなるとともに、特定領域に基づいて吸収性物品の幅方向の中央位置を判断しやすくなる。特に、特定領域が吸収性物品の前後方向の長さの50%以上の長さを有することにより、特定領域が着用者の排尿部や肛門をカバーでき、着用者の排尿部や肛門において吸収性物品の幅方向の中央部を当てることが容易になる。
【0042】
特定領域の幅方向の長さは、吸収性物品の前後方向の中間部の最も幅狭な部分の幅方向の長さの10%以上であることがより好ましく、15%以上がさらに好ましく、また40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。特定領域はまた、吸収性物品の幅方向の中心線に対して略対称に設けられることが好ましい。なお、吸収性物品の前後方向の中間部とは、例えば、吸収性物品の相対位置として前側端を0%とし後側端を100%したとき、25%~75%の範囲を中間部とすることができる。あるいは、吸収性物品が略砂時計形の形状を有する場合は、砂時計形状のくびれ部分を含む前後方向の範囲を中間部としてもよい。この場合、吸収性物品は中間部が前側部と後側部よりも幅狭に形成されることとなるが、前側部と中間部と後側部は、例えば次のように区分することができる。すなわち、前側部の最も幅広な部分の幅方向の長さをWFとし、後側部の最も幅広な部分の幅方向の長さをWRとし、中間部の最も幅狭な部分の幅方向の長さをWMとしたとき、前側部と中間部の境界は幅方向の長さが(WF+WM)/2となる箇所とし、後側部と中間部の境界は幅方向の長さが(WR+WM)/2となる箇所とすることができる。
【0043】
特定領域の前後方向の長さは、吸収性物品の前後方向の長さの50%よりも長くてもよく、吸収性物品の前後方向の長さの60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよい。特定領域は、吸収性物品の前後方向の全体にわたって延在するものであってもよい。一方、特定領域は、吸収性物品の前後方向の一部のみに設けられてもよく、例えば特定領域は吸収性物品の前側または後側に偏って設けられてもよい。このように特定領域が設けられれば、特定領域に基づいて吸収性物品の前側または後側を判断することができる。この場合、特定領域の前後方向の長さは、吸収性物品の前後方向の長さの70%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。吸収性物品の前後方向の位置に関わらず、吸収性物品の幅方向の中央部を検知しやすくする点からは、特定領域は、吸収性物品の前後方向の全体にわたって延在して設けられ、吸収性物品の前後方向の全体にわたって特定領域が吸収性物品の外面側に露出していることが好ましい。
【0044】
次に、本発明の吸収性物品の構成例について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0045】
図1図3には、本発明の吸収性物品として尿パッドの構成例を示した。図1は、尿パッドを肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した尿パッドを外面側から見た平面図を表し、図3は、図1図2に示した尿パッドのIII-III断面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。図1および図2では、図面の上側が吸収性物品の前側に相当し、図面の下側が吸収性物品の後側に相当する。
【0046】
吸収性物品1(1A)は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収体4とを有する。トップシート2は吸収体4の肌面側に配され、バックシート3は吸収体4の外面側に配されている。トップシート2を透過した排泄物は、吸収体4により収容される。バックシート3は排泄物が外へ漏れるのを防いでいる。図面では、吸収体4は砂時計形に形成されている。
【0047】
トップシート2の幅方向xの両側には、前後方向yに延在する液不透過性のサイドシート5が接合されている。サイドシート5は、トップシート2と接合部6Aで接合され、接合部6Aよりも幅方向xの内方部分がトップシート2から起立可能に形成され、接合部6Aよりも幅方向xの外方部分がバックシート3に積層されている(図3を参照)。サイドシート5の幅方向xの内方部分が起立することにより立ち上がりフラップ6が形成され、これにより尿等の幅方向xの横漏れを防止することができる。なお、サイドシート5の幅方向xの内方部分がトップシート2から起立可能に形成されるために、サイドシート5には、接合部6Aよりも幅方向xの内方部分に前後方向yに延びる起立用弾性部材7が設けられることが好ましい。
【0048】
バックシート3の外面側には、起毛加工またはエンボス加工された不織布8から構成された特定領域10が設けられている。吸収性物品1Aでは、バックシート3の外面側に、起毛加工またはエンボス加工された不織布8がバックシート3とは別部材として設けられている。不織布8は特定領域10を形成し、特定領域10は、吸収性物品1Aの幅方向xの中央部に前後方向yに延在して設けられている。特定領域10の幅方向xの長さは、吸収性物品1Aの前後方向yの中間部の最も幅狭な部分の幅方向xの長さの5%以上50%以下であり、特定領域10の前後方向yの長さは、吸収性物品1Aの前後方向yの長さの50%以上となっている。このようにバックシート3の外面側に特定領域10を設けることにより、使用者や介護者等が吸収性物品1Aの外面側を手で触ることにより、特定領域10を目安にして吸収性物品1Aの幅方向xの中央部を検知することができる。そのため、吸収性物品1Aを装着する際、使用者や介護者が吸収性物品1Aを目視しにくいような場合や使用者や介護者の視力が弱っているような場合でも、特定領域10を目安にして吸収性物品1Aの幅方向xの位置を適切に調整することが容易になる。
【0049】
なお吸収性物品1Aにおいて、特定領域10は、バックシート3とは別部材の不織布8に設けるのではなく、バックシート3に設けることも可能である。この場合、バックシート3は少なくとも外面側が不織布から構成され、バックシート3を構成する当該不織布の一部を起毛加工またはエンボス加工することにより、特定領域10を形成することができる。
【0050】
図4および図5には、本発明の吸収性物品として尿パッドの他の構成例を示した。図4は、尿パッドを外面側から見た平面図を表し、図5は、図4に示した尿パッドのV-V断面図を表し、図1図3に示した吸収性物品1Aの変形例となっている。
【0051】
図1図3に示した吸収性物品1Aでは、特定領域10が起毛加工またはエンボス加工された不織布8から構成されていたが、図4および図5に示した吸収性物品1Bでは、バックシート3がフィルム層3Aの外面側に不織布層3Bが積層されて構成され、フィルム層3Aと不織布層3Bの間に面状に塗布された接着剤9によって特定領域10が形成されている。吸収性物品1Bでは、特定領域10においてバックシート3の剛性が高く形成されるため、使用者や介護者等が吸収性物品1Bの外面側を手で触ることにより、特定領域10を目安にして吸収性物品1Bの幅方向xの中央部を検知することができる。
【0052】
図6図8には、本発明の吸収性物品としてテープタイプの使い捨ておむつの構成例を示した。図6は、テープタイプの使い捨ておむつを肌面側から見た平面図を表し、図7は、図6に示した使い捨ておむつを外面側から見た平面図を表し、図8は、図6図7に示した使い捨ておむつのVIII-VIII断面図を表す。図6および図7では、図面の上側が吸収性物品の前側に相当し、図面の下側が吸収性物品の後側に相当する。なお、下記において、図1図5に示した吸収性物品1A,1Bと重複する部分の説明は省略する。
【0053】
図6図8に示した吸収性物品1(1C)では、前後方向yの後側部の幅方向xの両側にファスニングテープ14が設けられ、前後方向yの前側部のバックシート3の外面側にターゲットテープ13が設けられている。ファスニングテープ14はテープ基材16に面ファスナーのフック部材15が設けられて構成されている。吸収性物品1Cは、着用者の股間に当てて、ファスニングテープ14のフック部材15を吸収性物品1Cの前側部のターゲットテープ13に止着することで、装着することができる。
【0054】
ファスニングテープ14において、フック部材15はテープ基材16の肌面側に設けられている。テープ基材16は、幅方向xの内方部がサイドシート5および/またはバックシート3に固定され、幅方向のxの外方部にフック部材15が取り付けられる。フック部材15は、基盤から係合素子が多数突出して形成される。係合素子の形状は特に限定されず、鉤形、錨形、きのこ形、柱形等が挙げられる。
【0055】
テープ基材16としては、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、あるいはこれらの積層体等を用いることができる。なお、テープ基材16とサイドシート5および/またはバックシート3との接着性を高める点から、テープ基材16は、織布、編布、または不織布から構成されていることが好ましく、不織布から構成されていることがより好ましい。
【0056】
ターゲットテープ13は面ファスナーのループ部材から構成されることが好ましい。面ファスナーのループ部材は、基盤上に、フック部材15の係合素子と係合可能なループ部が設けられて構成される。ループ部は一部が基盤に固定され他部が基盤と非固定とされ、これによりフック部材の係合素子がループ部の基盤との非固定部分に係合することができる。各ループ部は、閉じた環を形成してもよく、環の一部が開いて形成され、隣接するループ部と接続して設けられていてもよい。また、基盤上に糸条による編組織が形成され、この編組織によってループ部が形成されるようにしてもよい。
【0057】
吸収性物品1Cの幅方向xの両側には、前後方向yに延びる脚用弾性部材11が設けられることが好ましい。脚用弾性部材11により、着用者の脚周りにギャザーを形成して脚周りのフィット性を高めたり、横漏れを防止することができる。
【0058】
吸収性物品1Cの前後方向yの端部には、幅方向xに延びるウェスト弾性部材12が設けられることが好ましい。ウェスト弾性部材12により着用者の腰周りに沿ったウェストギャザーが形成され、腹部や背部からの尿等の漏れが防止される。
【0059】
バックシート3の外面側には、起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域10が設けられている。吸収性物品1Cでは、バックシート3の外面側が不織布から構成され、当該不織布に特定領域10が設けられている。特定領域10は、吸収性物品1Cの幅方向xの中央部に前後方向yに延在して設けられ、特定領域10の幅方向xの長さは、吸収性物品1Cの前後方向yの中間部の最も幅狭な部分の幅方向xの長さの5%以上50%以下であり、特定領域10の前後方向yの長さは、吸収性物品1Cの前後方向yの長さの50%以上となっている。吸収性物品1Cにおいても、バックシート3の外面側に設けられた特定領域10により、使用者や介護者等が吸収性物品1Cの外面側を手で触ることにより、特定領域10を目安にして吸収性物品1Cの幅方向xの中央位置を検知することができる。
【0060】
テープタイプの使い捨ておむつである吸収性物品1Cでは、上記のようにバックシート3の外面側に起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域10を設けることにより、特定領域10をファスニングテープ14のフック部材15の止着対象部として機能させることもできる。起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域10は、フック部材15との係合力をある程度持たせることができるため、例えば吸収性物品1Cの使用後、吸収性物品1Cを廃棄する際に、吸収性物品1Cを前後方向yに折り畳んでまたは丸めて、ファスニングテープ14のフック部材15を特定領域10に止着することで、吸収性物品1Cを前後方向yに折り畳んだまたは丸めた状態を維持することができる。なお吸収性物品1Cにおいて、特定領域10はバックシート3に形成するのではなく、バックシート3とは別部材の不織布に設けることも可能である。また、フック部材15との係合力を高める効果はあまり期待できないが、バックシート3をフィルム層と不織布層から構成し、フィルム層と不織布層の間に面状に塗布された接着剤により特定領域10を形成することも当然可能である。この場合は、特定領域10によって吸収性物品1Cの幅方向xの中央部の目安とすることできる。
【0061】
吸収性物品1Cでは、特定領域10が吸収性物品1Cの前後方向yの中間部に少なくとも設けられることが好ましく、特定領域10は、前後方向yに対し、中間部から前側部および/または後側部に延在して設けられてもよい。図7では、特定領域10がバックシート3の前後方向yの全体に形成されているが、ターゲットテープ13が設けられた部分では、ターゲットテープ13によって特定領域10の一部が隠された状態となっている。
【0062】
図9には、本発明の吸収性物品としてテープタイプの使い捨ておむつの他の構成例を示した。図9は、テープタイプの使い捨ておむつを外面側から見た平面図を表し、図6図8に示した吸収性物品1Cの変形例となっている。
【0063】
図6図8に示した吸収性物品1Cでは、特定領域10の一部がターゲットテープ13によって隠されていたが、図9の吸収性物品1(1D)では、ターゲットテープ13が幅方向xの一方側と他方側に設けられ、特定領域10が幅方向xの一方側と他方側に設けられたターゲットテープ13の間に存在している。図9では、特定領域10が吸収性物品1Dの前後方向yの全体にわたって延在して設けられ、吸収性物品1Dの前後方向yの全体にわたって、起毛加工またはエンボス加工された不織布から構成された特定領域10が、吸収性物品1Dの外面側に露出するように形成されている。このようにターゲットテープ13と特定領域10を設けることにより、テープタイプの使い捨ておむつである吸収性物品1Dを装着する際、ターゲットテープ13とともに特定領域10をファスニングテープ14のフック部材15の止着対象部とすることができる。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B,1C,1D:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収体
5:サイドシート
6:立ち上がりフラップ
7:起立用弾性部材
8:不織布
9:接着剤
10:特定領域
13:ターゲットテープ
14:ファスニングテープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9