(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】包装が施されて抽出可能材料を収容するパウチを作製する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/067 20120101AFI20220405BHJP
【FI】
B65B9/067
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081014
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2020-08-07
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514201933
【氏名又は名称】ティーパック スペツィアールマシーネン ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】TEEPACK SPEZIALMASCHINEN GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ランバーツ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・クノープス
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-511481(JP,A)
【文献】特開2011-246199(JP,A)
【文献】国際公開第2012/117308(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/067
B65B 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装内に収納されるパウチを作製する装置であって、
透水性の包装内に抽出可能材料を収容するパウチ(42)を製造するように構成されているパウチ作製装置(2)と、
包装材料(40)によって形成される包装内に前記パウチ(42)を密封するように互いに対して可動である2つのシールジョー(102、104)を備えるシールステーション(100)と、
を備え、
パウチハンドリング装置(10)が、完成した前記パウチ(42)を前記パウチ作製装置(2)から取り出し、
包装材料ハンドリング装置(20)が、前記包装材料(40)のU字形包装時に前記包装材料(40)をハンドリングし、
前記パウチハンドリング装置(10)及び前記包装材料ハンドリング装置(20)は、前記パウチハンドリング装置(10)によって保持される前記パウチ(42)と、前記包装材料ハンドリング装置(20)によって保持される前記包装材料(40)とが、前記シールステーション(100)の前記シールジョー(102、104)間に移動するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
包装材料給送装置(50)が、前記パウチ作製装置(2)に位置する前記完成した前記パウチ(42)と、前記シールステーション(100)との間で、包装材料(40)の長さ片を保持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シールステーション(100)に関連するクランプ装置(46)が、前記シールステーション(100)のジョー(102、104)の閉鎖に先立って、前記ジョー(102、104)間に、前記パウチ(42)を包囲するU字形フィルム(40)と共に前記パウチ(42)を保持することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
包装内に収容されるパウチ(42)を作製する方法であって、
抽出可能材料を収容するパウチ(42)が製造されて、包装材料(40)の対向する脚部(44)間に配置され、
前記パウチ(42)を包囲する前記包装を形成するために、前記脚部(44)がシールステーション(100)内で共に接合され、
前記包装材料(40)は、前記シールステーション(100)に導入されるときに、U字形状に変形されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記包装材料(40)は、その中央領域が移動経路(B)上に配置され、該移動経路(B)において、完成した前記パウチ(42)が、パウチ作製装置(2)から前記シールステーション(100)に移動することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パウチ(42)及び前記包装材料(40)は、前記シールステーション(100)に導入されるときに、移動経路(B)に沿って互いに対して移動することを特徴とする、請求項4
又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記包装材料(40)は、前記パウチ(42)が前記シールステーション(100)に導入されるときに、前記パウチ(42)に先行して移動することを特徴とする、請求項4~
請求項6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記パウチ(42)及び前記包装材料(40)は、前記パウチ(42)が前記シールステーション(100)に導入されるときに、互いに独立してハンドリングされることを特徴とする、請求項4~
請求項7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記シールステーション(100)は、少なくとも1つの第1のシールジョー(102)を保持する第1のシャフト(101)と、フィルム包装のシール時に前記第1のシールジョー(102)と協働する少なくとも1つの第2のシールジョー(104)を保持する第2のシャフト(103)と、を備え、
前記第1のシャフト(101)及び前記第2のシャフト(103)は、共通の回転軸を有し、前記パウチ(42)及びフィルム(40)を収容するために前記シールジョー(102、104)を引き離すように、また、前記フィルム(40)をシールするために前記シールジョー(102、104)を互いに当接させるように、互いに対して可動であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記シールジョー(102、104)は、関連する前記シャフト(101、103)
に強固に取り付けられることを特徴とする、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
予付勢部材が、前記シールジョー(102、104)が当接する際に前記シールジョー(102、104)のうちの少なくとも一方に作用し、前記シールジョー(102、104)を予付勢下で互いに接するように保持することを特徴とする、
請求項9又は請求項10に記載の装置。
【請求項12】
2つの前記シャフト(101、103)は、共通の駆動シャフト(140)を介して駆動されることを特徴とする、
請求項9~請求項11のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
2つの前記シャフト(101、103)は、確動ガイド(146)を介して連結されることを特徴とする、
請求項9~請求項12のいずれか1つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出可能材料を収容すると共に、例えば芳香密封包装で包装されて提供されるパウチ(小袋)を含むパッケージユニットを作製する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2231479号明細書は、この装置及び方法に関して一般的なものとみなすことができる。この現行の技術水準において、抽出パウチは、まず、パウチ製造ユニットにおいて製造される。この中間ステップの結果、抽出パウチ、すなわち、抽出可能材料が封入されたパウチが得られ、このパウチ自体に、通常、パウチとは反対側の端部にラベルが設けられた糸が接続される。現行の技術水準によれば、この中間製品は、包装ステーションに移送され、包装ステーションにおいて、包装を形成するフィルムのウェブが提供され、その上にパウチが置かれ、フィルムの長さ片(長さの一部:length piece)を、パウチを越えて突出するようにパウチにわたって旋回させて、パウチが、包装材料を形成するフィルムの対向する脚部(legs)間に位置するようにする。本発明が「U」字形状について言及する場合、この用語は、同一の意味では理解されない。主眼点は、パウチが、フィルム材料によって形成された共通の縁部又は折り目によって接続される包装材料の対向する脚部間に保持されることである。包装材料の縁部がU字形状であるか、V字形状であるか、又はその他の形状であるかは重要ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現行の技術水準において、パウチが包装材料の対向する脚部間にこのように配置された後、フィルムの一部(フィルム片)が、連続的に給送されるフィルムウェブから分離された後に、U字形に折り曲げられたフィルム及びパウチからなるユニットがシールステーションに給送され、シールステーションにおいて、まだ互いに接続されずにパウチを越えて突出している対向する脚部の側縁部が、共に接合される。このシール(密封作業)は、本発明と同様に、例えば、ヒートシール、すなわち溶接(welding)又はローレット法(knurling)によって行われる。
【0004】
国際公開第01/62600号から既知の代替的な手法において、パウチはまず、パウチ作製ユニットから引き出される。上記に論じた現行の技術水準によれば、パウチ作製ユニットは、パウチを保持するようになっているいくつかのレセプタクルを備えるカルーセルも備える。そのようなレセプタクルにおいて、パウチは、包装材料と共に押し戻され、包装材料の対向脚部が間にパウチを封入するように、U字形包装内にパウチを包む。その後、最終的にパウチをパウチ作製ユニットから取り出す。U字形フィルム及びパウチによるユニットは、シールステーションに移送される。そこで、上述した方法のシールによって、包装を閉鎖する。
【0005】
本発明の根底にある課題は、包装内に収容されたパウチのより経済的かつ効率的な製造を提供することである。このために、好適な装置及び対応する製造方法を定義することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置に基づく課題の解決に関して、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する装置を提案する。
【0007】
この装置は、完成したパウチをパウチ作製装置から取り出すパウチハンドリング装置を備える。更に、包装材料ウェブのU字形包装時に包装材料をハンドリングする包装材料ハンドリング装置が設けられる。本発明によれば、パウチハンドリング装置及び包装材料ハンドリング装置は、パウチハンドリング装置によって保持されるパウチと、包装材料ハンドリング装置によって保持される包装材料とが、シールステーションのシールジョー(sealing jaws)間に移送されるように構成されている。
【0008】
従って、本発明によれば、包装されたパウチの2つの構成要素に各々関連する2つのハンドリング装置が実現される。パウチハンドリング装置は、概して、パウチのみをハンドリングし、包装材料ハンドリング装置は、概して、包装材料とのみ相互作用する。2つのハンドリング装置の相互作用は、包装材料及びパウチがシールステーションに導入されるときに生じる。これらハンドリング装置は、完成した包装の2つの構成要素、すなわち包装及びパウチを、別個に互いに独立してシールステーションに、すなわちシールジョー間にもたらす。
【0009】
従って、2つのハンドリング装置は、2つの構成要素を互いに独立してハンドリングすることを可能にし、それにより、例えば、これら構成要素を給送する際、包装材料及びパウチを互いに対して位置決めすることができ、必要な場合、包装材料ウェブを、シールジョー間に挿入する際に変形させることができる。本発明は、特に、完成したパウチを、最初は平坦なフィルムウェブ上に置き、フィルムの自由端部を折り返して脚部を形成することによって、包装材料であるフィルムのU字形脚部間に配置する、別個の包装ステーションをなくしている。
【0010】
むしろ、包装材料は、シールステーションに給送及び導入される際に、U字形状に形成され得る。このために、包装材料ハンドリング装置は、通常、中央領域において包装材料を把持する。この把持の間、包装材料は、本質的に平坦に延在する。この中央領域は、通常、パウチがパウチ作製装置から出る際に、完成したパウチが移動する移動経路上にある。この移動経路は、パウチ作製装置、具体的には、パウチ作製装置の、完成したパウチがパウチ作製装置から放出されるステーションと、次の処理ステーション、すなわち、パウチを包装材料と共に受け取るように開放されるシールジョーとの間で連続しており、好ましくは実質的に直線的である。従って、パウチ作製装置及びシールステーションは、互いに本質的に直接隣接する。完成したパウチは、更なる処理を伴わずに、直接、パウチ作製装置からシールステーションに移送される。包装材料とパウチとの組み合わせ、特に、U字形に曲げられた包装材料の脚部間へのパウチの包装は、シールステーションに挿入されている間にのみ行われる。従って、パウチが予めシールステーション、すなわち、その開放されたシールジョーに導入されるまで、パウチは、包装材料内に包装されるように包装材料に接近しない。
【0011】
パウチハンドリング装置及び包装材料ハンドリング装置は、単にパウチと包装材料とを組み合わせる装置ではない。パウチハンドリング装置及び包装材料ハンドリング装置は、シールステーションのシールジョー間に2つの構成要素を挿入するためのハンドリング装置でもある。従って、パウチハンドリング装置及び包装材料ハンドリング装置は、パウチの包装と、パウチ及び包装材料のシールジョー間への挿入とを、一度に行う。
【0012】
これにより、包装内に収容されるパウチを製造するための装置を簡略化することが可能になる。
【0013】
包装材料を包装材料ハンドリング装置によって把持し、シールステーションに導入する上述した手順の方法に関して、本発明の更なる好ましい一発展形態によれば、パウチ作製装置内及びシールステーション内に位置する完成したパウチ間に包装材料の長さ片(長さの一部)を保持する包装材料給送装置が提案される。上記長さ片は、依然として、基本的に切れ目なしに給送される包装材料ウェブの一部分として提供され得、また、シールステーションに移送された後にのみ切断され得る。しかしながら、この長さ片は、その最終的な長さ、例えば、包装を形成する長さを有して給送され得る。包装材料片(包装材料の部分)は、通常、パウチがパウチ作製装置とシールステーションとの間の途上で辿るパウチの移動経路に対して横断方向に延在するように意図される。
【0014】
この包装材料片は、通常、包装材料ハンドリング装置が包装材料を把持する際に、連続的に供給される包装材料から切断される。これにより、所定の長さ片が切断されるまで、この所定の長さ片を、連続体の一部としてハンドリングすることができることが確実になる。それにより、包装材料ハンドリング装置によって把持されると、包装材料の長さ片は、通常、包装材料の長さ片の中央領域において開放されている側方ガイドレールにおいて保持され、包装材料ハンドリング装置がそこに係合し、包装材料のその長さ片を上記ガイドの外に引き出すことができるようになっている。このガイドには、通常、シールステーションに向かって先細りする漏斗形状の領域が設けられ、この領域にわたって、最初は実質的に平坦な直線状で給送される包装材料のウェブが、シールステーションに給送される際に変形(再成形)され、すなわち折り曲げられる。
【0015】
この移動経路は、直線又は弓形(circle-segment-shaped)とすることができる。この移動経路は、通常、不変である。パウチは、この移動経路上を連続的に及び/又は更なる処理を伴わずにガイドされ、又は連続的に移動する。
【0016】
本発明に係る装置において、パウチと包装材料との組み合わせは、双方の構成要素がシールジョー間に挿入されているときに行われる。本発明の更なる好ましい一発展形態によれば、シールジョー間のシールに関してパウチ及び包装材料のユニットのための共通のハンドリング装置がないため、シールステーションに関連するクランプ装置(把持装置)が提案される。このクランプ装置は、通常、2つのシールジョーのうちの一方に対して可動な少なくとも1つのクランプ部材(把持部材)を備える。2つのシールジョーの各々は、パウチを包装の間に密封するための対応するクランプ装置を備えることが好ましい。各個別のクランプ装置は、関連するシールジョーに対して可動であることが好ましい。これにより、クランプ装置は、シールジョーを閉鎖するに先立って、シールジョー間に、パウチを封入するU字形の包装材料と共にパウチを保持することが可能になる。
【0017】
1つの想定可能な構成において、パウチは、包装材料の対向する縁部がパウチを越えて突出するように、包装材料に対して位置決めされる。パウチは、包装材料の縁部/折り目に直接当接することができる。パウチ及び包装材料のアセンブリが挿入されるときに、パウチを越えて突出するが、まだ共に接合されていない包装材料の縁部は、通常はU字形のシールジョー間に配置される。シールジョーは、通常、パウチを包装材料と共にシールステーション内に保持するため、及びシールされる縁部がシールジョーの機能面間に来るように所望の方法でそれを位置決めするために、中央領域においてユニットに作用する1つ以上のクランプ装置を内部に備える。
【0018】
既に概説した手順では、最初に、抽出可能材料を収容するパウチを製造する。このパウチを、包装材料の対向する脚部間に配置する。シールステーション内で脚部を共に接合することで、パウチを包囲する包装を形成する。これら脚部は、包装材料をU字形状に形成することによって形成される。包装は、包装材料の中央領域において行うことができる。従って、包装材料の縁部又は折り目は、おおよそ等しい長さの包装材料の脚部間に位置する。2つの脚部は、包装材料がシールステーションにもたらされると形成される。従って、互いに対向し、後の縁部又は折り目によって分離及び接続される長さ片は、シールステーションにもたらされるまで、互いに接近しない。
【0019】
本発明に係る方法の好ましい更なる一発展形態によれば、包装材料の中央領域は、シールステーションに向かって包装材料の長手方向延在に対して横断方向に移動する。従って、包装材料ハンドリング装置によってハンドリングされるに先立って、概ね平坦な包装材料は、通常、共通の回転軸の周りに回転するシールジョーの対を備えるシールステーションに対して接線方向に延在し、又は、パウチに対する様々なレセプタクルを有してパウチ作製装置の必須構成要素を形成し得るカルーセルに対して接線方向に延在する。
【0020】
好ましい方法によれば、包装材料及びパウチは、シールステーションにもたらされるときに、移動経路に沿って互いに対して移動する。このことは、包装材料及びパウチがシールジョー間に完全に挿入されるまで、上記経路上での2つの構成要素の速度が必ずしも同期される必要がないことを意味する。上述の相対移動は、包装材料の個々の脚部がパウチに対して旋回することは意味しない。むしろ、これは、パウチの質点に対して形成される縁部又は折り目の相対移動を意味する。パウチ及び包装材料の移動が増大し、シールステーションに接近することで、パウチ及び包装材料は、互いに近づけられる。包装材料は、パウチが依然としてパウチ作製装置内にあるうちに、シールステーションに向かって既に移動していることが好ましい。換言すれば、包装材料がシールステーションにもたらされると、包装材料がU字形に形成されるだけでなく、むしろまた、パウチ及び包装材料が、シールステーションに向かう途中で組み合わされ、それにより、依然として実行する必要があり得る脚部の旋回動作とは無関係に、パウチ及び包装材料は、互いに対する最終的な相対位置に、挿入中にのみ、及び場合によってはシールステーションへの挿入動作の最後にのみ達する。
【0021】
本発明の好ましい一態様に従って記載される、制御が比較的容易な方法において、包装材料は、パウチがシールステーションに導入されるときに、パウチの前を移動する。従って、縁部又は折り目は、パウチがシールステーションに向かう移動方向において、パウチの前方(正面)に位置する。結果として、U字形包装材料の開口部は、外方に向き、包装材料の脚部間にパウチをより容易に前進させる。この移動の一環として、脚部を形成する部分は、例えば、包装材料を保持するガイド上に配置され得る形成部材に対して作用し、脚部を互いに向かって折り目を中心に動かす。
【0022】
本発明に係る方法及び本発明に係る装置において、一方ではパウチが、他方では包装材料が、クランプ(把持/締め付け)によって固定されることが好ましい。これに関連して、パウチハンドリング装置は、完成したパウチをクランプする手段を備える。包装材料ハンドリング装置も、包装材料を包装材料ハンドリング装置に一時的に固定すると共に、このようにしてハンドリング装置を介してシールジョー間に確固移送するために、包装材料をクランプする手段を備える。包装材料ハンドリング装置は、前端包装材料ハンドリング部材及び後端包装材料ハンドリング部材を備えることが好ましい。2つの包装材料ハンドリング部材は、相対移動によって互いに近づいたり離れたりする動き(接離する動き)ができるように構成され、それにより、2つの包装材料ハンドリング部材は、最大限接近して包装材料を間にクランプすることができ、従って、前端包装材料ハンドリング部材及び後端包装材料ハンドリング部材が、シールジョー間への包装材料の導入と同期してシールジョーに向かって移動する際に、包装材料を同伴することができる。
【0023】
しかしながら、本発明の好ましい方法において、シールジョーが閉鎖されるに先立って後端包装材料ハンドリング部材がシールジョーの外部に配置されるように、後端包装材料ハンドリング部材は、包装材料がシールジョー間に導入された後に反対方向に移動する。一方で、迅速な処理のために、前端包装材料ハンドリング部材は、シールジョーが閉鎖されるときもシールジョーの高さ(位置/レベル)に留まり、包装材料の次の長さ片をクランプによって把持してシールジョー間にガイドするために、包装材料が完全に取り上げられた後にのみ、包装材料給送装置の方向にパウチと共に移動される。
【0024】
この方法によれば、前端包装材料ハンドリング部材は、シールジョーが完全に閉鎖されるまで、依然としてシールジョー間に包装材料を固定するのに用いることができる。
【0025】
全体として、本発明に係る解決策は、より迅速に、従って経済的に実現可能なプロセスと、この方法を実行するのに好適な装置とを提供する。この解決策は、まず、U字形に折り曲げられた包装材料の間にパウチが配置されたユニットを形成し、それにより、このユニットをシールジョー間に配置するような、包装ステーションを伴わない。従って、本発明に係る装置は、包装が施されたパウチを製造するために、より少数の装置部材で事が足りる。包装ステーションは全く存在しないことから、包装及びパウチからなるパッケージユニットが完成するまでに個々の構成要素が通過しなければならないステーションの数も低減される。この結果、パッケージユニットは、より迅速に、従ってより経済的に製造される。
【0026】
従来技術におけるように、本発明の文脈における包装は、パウチの周りに芳香密封包装(aroma-tight wrapping)を提供するフィルムによって形成され得る。しかしながら、包装は、例えば、食品としてのパウチを、包装が開封されてパウチが取り出されるまで第三者による直接の接触から保護するために、パウチの或る特定の保護を提供する別の材料から作製され得る。包装材料は、紙、ガーゼ、又は有孔フィルム(perforated film)であり得る。
【0027】
プラスチックフィルム製の包装の場合、包装材料の2つの層を共に溶接することによってシールすることができる。それ自体ではシール可能でない包装材料に、シールのための溶接が行われる点において、シール性のコーティング又はシール性のストリップを設けてもよい。ローレット法又はエンボス法又は2つの層を接合する他の接合技法によってシールを達成することもできる。
【0028】
本発明は、一実施形態を用いて図面と併せて以下により詳細に説明する。対応する記載は、本発明の更なる詳細、特徴、及び利点を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】包装されるパウチを製造する一実施形態の本質的な部分の側面図である。
【
図3】
図1及び
図2に示されている実施形態の開始位置を示す側面斜視図である。
【
図4a】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4b】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4c】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4d】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4e】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4f】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4g】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4h】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面斜視図である。
【
図4i】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4j】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4k】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4l】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4m】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図4n】実施形態の動作における異なる段階のうちの1つを示す、
図2及び
図3に係る側面図である。
【
図5】第1の位置におけるシールステーションの一実施形態の側面斜視図である。
【
図6】第2の位置における実施形態の更なる詳細を伴う
図5に係る実施形態の側面図である。
【
図7】第3の位置における
図6に係る側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に示されている実施形態は、参照符号2で示されているパウチ作製装置と、参照符号100で示されているシールステーションとを備える。
【0031】
パウチ作製装置2はカルーセル(回転円形体)を備え、カルーセルは、透水性の包装を収納して軸の周りに回転するいくつかのレセプタクル(収容部)4を備え、透水性の包装は、抽出可能材料(brewable material)を収容するパウチを形成するように変形(再成形)され、通常、糸及びラベルが接続される。個々のステーション及びその構成に関しては、現行の技術水準、例えば、欧州特許第2231479号明細書又は国際公開第01/62600号を参照することができる。
図2における参照符号I~VIは、レセプタクル4が、完成したパウチ又はこれから完成されるパウチの異なる構成要素を収納及び処理するために位置することができる、異なる位置を示している。明確にするために、これら構成要素に対して作用する部材は示されていない。位置VIにおいて、パウチが完成する。
【0032】
図1~
図3は、参照符号10で示されているパウチハンドリング装置及び参照符号20で示されている包装材料ハンドリング装置の構成要素を示している。図示の実施形態の包装材料は、芳香密封フィルムである。従って、以下の記載では、フィルムハンドリング装置20と呼ぶ。パウチハンドリング装置10は、2つのおおよそ平行なアーム12、13を備え、アーム12、13は、共にヒンジ接続されると共に、連結ロッド14によって共通の駆動装置30に連結される。この共通の駆動装置30は、様々なカム32を備え、これらカム32は、駆動装置30の共通の駆動シャフト33上に回転不能に取り付けられると共に、コレクタ34に連結され、コレクタ34において、カム32の外周面が各々転動する。これらコレクタ34は、各々、共通のベアリング軸36上に旋回式に(換言すれば旋回可能に又は枢動可能に)取り付けられ、関連する連結ロッド14にヒンジ接続されたレバー37が設けられる。連結ロッド14は、アーム12に対してレバーを介して作用する。
【0033】
駆動シャフト30は、パウチハンドリング装置10の個々の構成要素及びフィルムハンドリング装置20の構成要素の双方を駆動する。従って、双方のハンドリング装置10、20は、共通の駆動部が設けられ、確実に同期する。
【0034】
第1のシールジョー102及び第2のシールジョー104が、シールステーション100に割り当てられる。シールステーションの詳細は、
図5~
図7を参照して説明する。
図1~
図4を参照した以下の記載では、シールジョー102、104の機能は、フィルム包装内にパウチを密封するために、2つのシールジョー102、104が互いに対して移動することができると共に互いに当接することができ、シールされたパウチを解放する又は新たなパウチをフィルムと共に取得するために、反対方向に旋回することができることのみが重要であり、ここでは、対として設けられるシールジョー102、104は、共通の軸の周りに旋回することができる。
図1~
図4は、シールステーション100を概略的にのみ示している。しかしながら、実施形態の実際の構成は、この図からは逸脱したものであり、
図5~
図7に見て取ることができる。
【0035】
図3が示すように、フィルムハンドリング装置20は、参照符号21で示されている前端フィルムハンドリング部材と、参照符号22で示されている後端フィルムハンドリング部材とを備え、部材21、22の各々は、対にして設けられたフィルムハンドリングアーム24及び25を各々備える。各対は、旋回式に(換言すれば旋回可能に又は枢動可能に)取り付けられると共に、独立して駆動可能であり、各々、内方に突出するクランプ突出部を有する。前端ハンドリングアーム24のクランプ突出部は、参照符号26で示され、後端ハンドリングアーム25のクランプ突出部は、参照符号27で示されている。
【0036】
パウチハンドリング装置10のアームは、クランプシュー15を保持する前方パウチハンドリングアーム12、及び、クランプシュー15と相互作用するクランプばね16を駆動すると共に、クランプシュー15に対して旋回可能である後方パウチハンドリングアーム13として設計される。これら部材は
図5以降に詳細に記載されている。更なる駆動アーム17は、クランプシュー15を前方パウチハンドリングアーム12に対して旋回させる。
【0037】
図3は、パウチ作製装置2及びシールステーション100の回転軸に対して接線方向に平坦経路として給送され、
図3に係る段階において、2つのハンドリングアーム24、25の互いに対する相対旋回動作によって前端クランプ突出部26と後端クランプ突出部27との間にクランプされるフィルムの形態の包装材料40を示している。この位置は、2つのシールジョー102、104間にフィルム40を挿入する開始位置を表している。これは、
図2において対応する様式で示されており、
図2では、シールジョー102、104間に配置されるパウチが参照符号42で示されている。アーム12、13、17は、表現上の理由から省かれている。
【0038】
フィルム40は、その中央領域において、2つの前端クランプ突出部26及び後端クランプ突出部27の間にクランプ及び把持されることが明らかである。この段階では、クランプばね16を伴うクランプシュー15は、対応するレセプタクル4に挿入されてパウチ42を把持する。2つのシールジョー102、104は、フィルム40及びパウチ42の参照符号Bで示される移動経路を間にまだ包含していない。実際、2つのシールジョー102、104は、この移動経路Bの上方に位置する。この移動経路Bは、本質的に、パウチ作製装置2のカルーセルの旋回点に交差する径方向線として延びる。移動経路Bは、パウチ作製装置2とシールステーション100との間に直線的に延在する。
【0039】
図4aに示されている段階では、2つのハンドリングアーム24、25は、シールステーション100に向かって既に旋回しており、ハンドリングアーム24、25によってフィルム40を保持している。比較的僅かであるが、クランプシュー15及びクランプばね16は、レセプタクル4内に前進している。
図4bと
図4aとの間のシーケンスにおいて、クランプシューが依然としてレセプタクル内にある間に、クランプばね16を旋回させて、クランプシュー15とクランプばね16との間にパウチ42をクランプした。パウチ作製装置2のカルーセルは、静止したままである。同じことが
図4cにも当てはまり、
図4cは、
図4bとは対照的に、フィルム40が、シールステーション100に向かう移動経路Bに沿って或る特定の距離だけ既に前進している一方で、パウチ42はレセプタクル4内に留まっていることを明確に示している。従って、フィルム40は、パウチ42に先行する。
【0040】
図4dの図においてのみ、フィルム40及びパウチ42からなる、製造されるパッケージユニットの双方の構成要素が、シールジョー102、104間に同時に移動する。ここで、シールジョー102、104は、移動経路Bを間に包含する。
図4aは、移動経路Bにおけるパウチ42の移動の開始を示している。
【0041】
図4eから見て取ることができるように、フィルム40がU字形に包装され、それにより、折り目45がフィルム40の2つの対向する脚部44の間に形成され、フィルム40の2つの対向する脚部44は、次第に接近しながら、すなわち、フィルム40及びパウチ42をシールジョー102、104間に挿入する動作に伴って、パウチ42に近づく。クランプばね16は、パウチ42を解放している。フィルムハンドリング装置20による把持中に縁部においてフィルム40を保持すると共に、パウチ作製装置2に対して接線方向に延在する、図示しないガイドは、中央が凹んでおり、そのため、クランプ突出部26、27がフィルム40を把持することができる。ガイドは、シールステーション100に向かって先細りする漏斗形状の形成部材も保持し、この形成部材は、フィルム40と相互作用し、対向する脚部44を、折り目45を中心に旋回させる。
【0042】
図4fは、パウチハンドリング装置10及びフィルムハンドリング装置20の終了位置を示している。
図4fに示されている位置では、フィルム40及びパウチ42は、2つのシールジョー102、104間の、それらがシールされる位置(密封される位置)に配置されている。
【0043】
ここで、パウチハンドリング装置10は、
図4gの図に従って、反対方向、すなわち時計回り方向Uに旋回する。前端フィルムハンドリング部材21は、静止したままであるが、後端フィルムハンドリング部材22は、パウチハンドリング装置10と同様に、時計回りに旋回し、後端クランプ突出部27をシールジョー102、104間の領域から取り除く。略同時に、特に
図4hにおいて明確に見て取ることができる、シールジョー102、104の各々に対して設けられるクランプ装置(把持装置)46が、外側から脚部44を把持し、フィルム40及びパウチ42のクランプを解除するように予め作動しているクランプシュー15及びクランプばね16がシールジョー102、104から取り除かれるまで、フィルム40及びパウチ42をクランプする。クランプ装置46は、ここでは、関連するシールジョー102、104に対して相対的に可動、例えば旋回可能であるように設けられたクランプパンチ(clamping punch)の形態で構成されている。
【0044】
クランプシュー15及びクランプばね16がパウチ42を解放し、前端クランプ突出部26及び後端クランプ突出部27がフィルム40を解放した後に、フィルム40及びパウチ42は、
図4iに示されているように、クランプ装置46のみによってシールジョー102、104間に保持される。後端フィルムハンドリング部材22の旋回動作を次第に大きくすると、前端フィルムハンドリング部材21は、反時計回りGに旋回し、従って、後方領域においてより幅狭に構成されているシールジョー102、104の領域から引き出され、それにより、前端フィルムハンドリング部材21の前端クランプ突出部26を、この旋回動作によってシールジョー102、104間の領域から引き出すことができる。
【0045】
クランプシュー15及びクランプばね16が元通りに旋回する際に、前端パウチハンドリングアーム12及び後端パウチハンドリングアーム13が相対的に旋回することにより、その位置は、位置VIにおけるレセプタクル4の下になる。換言すれば、クランプシュー15及びクランプばね16は、移動経路B上を戻らない(
図4jを参照)。
【0046】
図4kにおいて、2つのシールジョー102、104は、既に互いに向かって旋回している。従って、2つのシールジョー102、104間の距離は、
図4jにおける図よりも小さくなる。
【0047】
図4k及び
図4lの間に、パウチ作製装置2のカルーセルとシールステーション100との双方は、反時計回りに旋回した。シールジョー102、104は、この回転中に互いに向かって完全に移動する。シールジョー102、104が
図4lに示されているシール位置に移動した後、クランプ装置46が解放される。シール位置では、パウチ42を越えて側方及び正面に突出するフィルム40の縁部が、シールジョー102、104間にクランプされて互いにヒートシールされる。シール位置100が回転する間、
図4l及び
図4nに示されているフィルム給送装置50により、2つの駆動ローラによって、新たなフィルム40が前端クランプ突出部26と後端クランプ突出部27との間に給送される。2つの駆動ローラは、フィルム40をクランプして前進させ、それには切断装置51が割り当てられている(
図4l、
図4nを参照)。パウチ作製装置2のカルーセルを回転させることにより、次のレセプタクル4が時計回りに位置VIに移動した。
図4nは、既に、開放したクランプばね16がクランプシュー15と共にパウチ42に接近し、前端クランプ突出部26と後端クランプ突出部27とが、移動経路B上に位置するフィルム40の中央領域をクランプするように接近することを示している。その一方で、シールステーション100は、別の組の第1のシールジョー102及び第2のシールジョー104を回転させ、移動経路Bを包含し、従って、レセプタクル4に対向するようにする。上述のサイクルを再び開始する。クランプ突出部26、27がフィルム40を把持すると、切断装置51がフィルム40の長さ片を供給部から分離する。
【0048】
以下、本発明の構成に係るシールステーション100の実施形態を、
図5以降を参照してより詳細に説明する。
【0049】
図5は、第1のシールジョー102に関連した第1のシャフト101と、第1のシャフト101と同軸であって第2のシールジョー104に関連した第2のシャフト103とを備える実施形態の側面斜視図を示している。摺動スリーブ106が、第1のシャフト101上に摺動可能に設けられ、形状嵌合要素108を介して、第2のシャフト103の前端部に設けられた関連する形状嵌合相手要素110と係合する。
【0050】
形状嵌合要素108は、シャフト101、103に関して純粋に軸方向に延在するガイド面112を形成する。これに対応して、形状嵌合相手要素110を有する第2のシャフト103は、対応するガイド面114を形成する。
【0051】
摺動スリーブ106は、傾斜スロット116を有し、傾斜スロット116は、摺動スリーブ106の周面を貫通し、第1のシャフト101又は第2のシャフト103の軸方向延在に対して斜めに延在し、対応して傾斜したガイド面117を形成し、ガイドピン118が貫通する。ガイドピン118は、ガイドスロット116内に保持されると共に、その外周面がガイド面117と協働する更なるガイド面119を形成する。
【0052】
摺動スリーブ106は、形状嵌合要素108とは反対側の端部において、駆動リング120を備え、駆動リング120は、
図6及び
図7に示されているスライダ121と協働する。スライダ121の動作は、以下により詳細に説明する。
【0053】
第1のシャフト101及び第2のシャフト103は、各々、シャフト101、103をギヤボックスハウジング123上に位置決めするベアリングスリーブ122を通る。第1のシャフト101は、その自由端部に第1のターンテーブル124を備え、第1のターンテーブル124の外周には、いくつかの第1のシールジョー102が、互いに均一の距離を置いて取り付けられる。第1のシールジョー102は、第1のターンテーブル124上に本質的に回転不能に取り付けられる。
【0054】
これに対応して、第2のシャフト103は、第2のターンテーブル128を備え、第2のターンテーブル128上に、第2のシールジョー104のうちのいくつかが回転不能に取り付けられる。このために、第2のシールジョー104が、第2のターンテーブル128に螺合する。このねじ接続を緩めると、第2のターンテーブル128に対する第2のシールジョー104の位置合わせを調整することができる。これにより、
図5に示されているシール位置によって、第1のシールジョー102と第2のシールジョー104との間に設けられてフィルムパッケージを形成するフィルム40をクランプすると共にU字形シームを介してフィルム40をシールするために、全ての第1のシールジョー102が、関連する第2のシールジョー104に接触するように、実施形態を調整することが可能である。
【0055】
シールジョー102、104は、ここでは、シールジョー102、104内に設けられたヒータによって加熱され、シール部材132を形成するシールジョーである。
【0056】
図6及び
図7から導くことができるように、スライド121は、ガイドローラ134を介してスロット付きガイド136と相互作用する。スロット付きガイド136は、溝136として構成され、ガイドシリンダ138に設けられる。ガイドシリンダ138は、駆動シャフト140に回転不能に接続され、駆動シャフト140はまた、2つのカムディスク142を回転させる。2つのカムディスク142のカムは、第1のシャフト101及び第2のシャフト103の段階的な駆動のために、出力ディスク144の凹部に係合する。
【0057】
従って、駆動シャフト140は、連続的に動くが、一方で、シャフト101、103は、互いに対して、共通の回転軸の周りに総じて段階的に回転する。
【0058】
第1のシールジョー102と第2のシールジョー104との間では、予付勢手段(pretensioning agent)が、対応するシールジョー102、104を弾性予付勢下で互いに及びフィルム40の中間層に対して当接させるために機能することができる。この弾性手段によって許容誤差が補償される。例えば、弾性手段は、シールジョー102、104のうちの少なくとも一方を弾性的に支持することができる。代替的に、例えば第2のシャフト103を、ねじり弾性材料から作製することもできる。
【0059】
図5~
図7において、別個のクランプ装置46の図は省かれている。
【0060】
選択された駆動タイプの場合、第1のシャフト101は、出力ディスク144を介して直接駆動され、一方、摺動スリーブ106は、ガイドピン118と傾斜スロット116との相互作用によって、またスリーブ106の位置に起因して、スライダ121を介して駆動される。一方ではカムディスク142及び他方ではガイドシリンダ138に起因して、駆動シャフト140の駆動動作を分離することにより、第1のシャフト101が停止していても、シールジョー102、104の相対移動が結果として生じ得る。パウチ42を伴うフィルム40の挿入、2つのシールジョー102、104の閉鎖、フィルム40の間へのパウチ42のシールの間のシーケンスは、
図6、
図7、及び
図5のシーケンスから得られる。
【0061】
図6及び
図7の間に、停止した第1のシャフト101と摺動スリーブ106の相対移動とによってシール位置が準備される。シールジョー102、104は、互いに当接する。第1のシールジョー102は、静止したままであり、一方、第2のシールジョー104は、摺動スリーブ106の駆動によって旋回する。2つのシールジョー102、104が互いに接して配置されると、第1のシャフト101及び第2のシャフト103は、同時に旋回する。第2のシャフト103に対する摺動スリーブ106の位置は、変化しないままである。第1のシャフト101に回転不能に接続されたガイドピン118は、摺動スリーブ106を同伴し、それにより、第2のシールジョー104も旋回する。
【0062】
傾斜スロット116及びガイドピン118は、所定の運動学を有する2つのシャフト101、103を連結する確動ガイド(はめ込みガイド:positive guide)を実現する傾斜ガイド146を形成する。
【0063】
図示の実施形態に対する代替として、カムディスク及び出力ディスクを備える駆動部を、第1のシャフト101に関して示されている実施形態と同様に、第2のシャフト103に割り当てることもできる。この場合も、駆動シャフト140の回転によって予め規定される、第2のシールジョー104に対する独立した駆動部を実現することができる。しかしながら、この確動ガイドの場合も、第1のシールジョー102及び第2のシールジョー104は、駆動シャフト140のみによって駆動され、確実に連結される。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
包装内に収納されるパウチを作製する装置であって、
透水性の包装内に抽出可能材料を収容するパウチ(42)を製造するように構成されているパウチ作製装置(2)と、
包装材料(40)によって形成される包装内に前記パウチ(42)を密封するように互いに対して可動である2つのシールジョー(102、104)を備えるシールステーション(100)と、
を備え、
パウチハンドリング装置(10)が、完成した前記パウチ(42)を前記パウチ作製装置(2)から取り出し、
包装材料ハンドリング装置(20)が、前記包装材料(40)のU字形包装時に前記包装材料(40)をハンドリングし、
前記パウチハンドリング装置(10)及び前記包装材料ハンドリング装置(20)は、前記パウチハンドリング装置(10)によって保持される前記パウチ(42)と、前記包装材料ハンドリング装置(20)によって保持される前記包装材料(40)とが、前記シールステーション(100)の前記シールジョー(102、104)間に移動するように構成されていることを特徴とする、装置。
[請求項2]
包装材料給送装置(50)が、前記パウチ作製装置(2)に位置する前記完成した前記パウチ(42)と、前記シールステーション(100)との間で、包装材料(40)の長さ片を保持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
[請求項3]
前記シールステーション(100)に関連するクランプ装置(46)が、前記シールステーション(100)のジョー(102、104)の閉鎖に先立って、前記ジョー(102、104)間に、前記パウチ(42)を包囲するU字形フィルム(40)と共に前記パウチ(42)を保持することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
[請求項4]
包装内に収容されるパウチ(42)を作製する方法であって、
抽出可能材料を収容するパウチ(42)が製造されて、包装材料(40)の対向する脚部(44)間に配置され、
前記パウチ(42)を包囲する前記包装を形成するために、前記脚部(44)がシールステーション(100)内で共に接合され、
前記包装材料(40)は、前記シールステーション(100)に導入されるときに、U字形状に変形されることを特徴とする、方法。
[請求項5]
前記包装材料(40)は、その中央領域が移動経路(B)上に配置され、該移動経路(B)において、完成した前記パウチ(42)が、パウチ作製装置(2)から前記シールステーション(100)に移動することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
[請求項6]
前記包装材料(40)の前記中央領域は、前記シールステーション(100)の方向において、前記包装材料(40)の長手方向に対して横断方向に移動することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
[請求項7]
前記パウチ(42)及び前記包装材料(40)は、前記シールステーション(100)に導入されるときに、移動経路(B)に沿って互いに対して移動することを特徴とする、請求項4~請求項6のいずれか1つに記載の方法。
[請求項8]
前記包装材料(40)は、前記パウチ(42)が前記シールステーション(100)に導入されるときに、前記パウチ(42)に先行して移動することを特徴とする、請求項4~請求項7のいずれか1つに記載の方法。
[請求項9]
前記パウチ(42)及び前記包装材料(40)は、前記パウチ(42)が前記シールステーション(100)に導入されるときに、互いに独立してハンドリングされることを特徴とする、請求項4~請求項8のいずれか1つに記載の方法。
[請求項10]
前記包装材料(40)の中央領域は、前端包装材料ハンドリング部材(21)と後端包装材料ハンドリング部材(22)との間にクランプされ、
前記包装材料(40)は、前記前端包装材料ハンドリング部材(21)と前記後端包装材料ハンドリング部材(22)との間で前記シールステーション(100)のジョー(102、104)間にクランプされ、
前記後端包装材料ハンドリング部材(22)は、前記ジョー(102、104)の閉鎖に先立って、前記ジョー(102、104)の外部に留まり、
前記前端包装材料ハンドリング部材(21)は、前記ジョー(102、104)の高さに留まり、前記ジョー(102、104)の閉鎖時に、前記ジョー(102、104)の高さにあることを特徴とする、請求項4~請求項9のいずれか1つに記載の方法。
[請求項11]
前記シールステーション(100)は、少なくとも1つの第1のシールジョー(102)を保持する第1のシャフト(101)と、フィルム包装のシール時に前記第1のシールジョー(102)と協働する少なくとも1つの第2のシールジョー(104)を保持する第2のシャフト(103)と、を備え、
前記第1のシャフト(101)及び前記第2のシャフト(103)は、共通の回転軸を有し、前記パウチ(42)及びフィルム(40)を収容するために前記シールジョー(102、104)を引き離すように、また、前記フィルム(40)をシールするために前記シールジョー(102、104)を互いに当接させるように、互いに対して可動であることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の装置。
[請求項12]
前記シールジョー(102、104)は、関連する前記シャフト(101、103)に実質的に強固に取り付けられることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
[請求項13]
予付勢部材が、前記シールジョー(102、104)が当接する際に前記シールジョー(102、104)のうちの少なくとも一方に作用し、前記シールジョー(102、104)を予付勢下で互いに接するように保持することを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の装置。
[請求項14]
2つの前記シャフト(101、103)は、共通の駆動シャフト(140)を介して駆動されることを特徴とする、請求項11~請求項13のいずれか1つに記載の装置。
[請求項15]
2つの前記シャフト(101、103)は、確動ガイド(146)を介して連結されることを特徴とする、請求項11~請求項14のいずれか1つに記載の装置。
【符号の説明】
【0064】
2 パウチ作製装置
4 レセプタクル
10 パウチハンドリング装置
12 前端パウチハンドリングアーム
13 後端パウチハンドリングアーム
14 連結ロッド
15 クランプシュー
16 クランプばね
17 駆動アーム
20 フィルムハンドリング装置
21 前端フィルムハンドリング部材
22 後端フィルムハンドリング部材
24 前端ハンドリングアーム
25 後端ハンドリングアーム
26 前端クランプ突出部
27 後端クランプ突出部
30 駆動装置
32 カム
33 駆動シャフト
34 コレクタ
36 ベアリング軸
37 レバー
40 フィルム
42 パウチ
44 脚部(leg)
45 折り目
46 クランプ装置
50 フィルム給送装置
51 切断装置
B 移動経路
U 時計回り方向の旋回
G 反時計回り方向の旋回
I~VI レセプタクル4の位置
100 シールステーション
101 第1のシャフト
102 第1のシールジョー
103 第2のシャフト
104 第2のシールジョー
106 摺動スリーブ
108 形状嵌合要素
110 形状嵌合相手要素
112 ガイド面
114 ガイド面
116 傾斜スロット
117 傾斜スロットのガイド面
118 ガイドピン
119 ガイドピンのガイド面
120 駆動リング
121 スライダ
122 ベアリングスリーブ
123 ギヤボックスハウジング
124 第1のターンテーブル
128 第2のターンテーブル
132 シール部材
134 ガイドローラ
136 溝
138 ガイドシリンダ
140 駆動シャフト
142 カムディスク
144 出力ディスク
146 傾斜ガイド