(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】排ガス処理構成群
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20220405BHJP
F01N 3/022 20060101ALI20220405BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
F01N3/28 301U
F01N3/022 Z
F16B7/20 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020134903
(22)【出願日】2020-08-07
【審査請求日】2020-08-07
(31)【優先権主張番号】10 2019 121 411.4
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ダッツ
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヘンツラー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター カスト
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-002899(JP,A)
【文献】特開平10-000337(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10357953(DE,A1)
【文献】特表2004-509264(JP,A)
【文献】実開昭50-006835(JP,U)
【文献】特表2005-524798(JP,A)
【文献】特開昭62-284915(JP,A)
【文献】実開昭50-109013(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00~ 3/38
F01N 13/00~13/20
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排ガス装置のための排ガス処理構成群であって、
外側ケーシング長手方向軸線(L
A)の方向で細長く延びる管状の外側ケーシング(12;12b;12c)と、
内側ケーシング長手方向軸線(L
I)の方向で細長く延びる管状の内側ケーシング(14;14a;14b;14c)であって、前記内側ケーシング(14;14a;14b;14c)内には排ガス処理ユニット(16;16a;16b;16c)が支持されている内側ケーシング(14;14a;14b;14c)と、
前記内側ケーシングを前記外側ケーシング内に取り外し可能に固定するための係止固定装置(24;24a;24b;24c)と、
を備えており、
前記係止固定装置(24;24a;24b;24c)は、
前記内側ケーシング(14;14a;14b;14c)に両軸方向で保持される少なくとも1つの係止固定エレメント(26;26a;26b;26c)であって、半径方向外側に向かって予荷重をかけられた少なくとも1つの係止係合領域(28;28a;28b;28c)を備えた係止固定エレメント(26;26a;26b;26c)と、
前記少なくとも1つの係止固定エレメント(26;26a;26b;26c)の前記少なくとも1つの係止係合領域(28;28a;28b;28c)に対応配置されていて、前記外側ケーシング(12;12b;12c)内に前記内側ケーシング(14;14a;14b;14c)を保持するために、前記係止係合領域(28;28a;28b;28c)と少なくとも1つの軸方向で協働する、前記外側ケーシング(12;12b;12c)に設けられた係止保持領域(42;42b;42c)と、
を含
み、
内側ケーシング長手方向軸線(L
I
)を中心とした周方向で、互いに間隔を置いて配置された複数の係止係合領域(28)が、係止固定エレメント(26)に設けられており、かつ/または、
内側ケーシング長手方向軸線(L
I
)を中心とした周方向で、互いに連続して続いている複数の係止固定エレメント(26a;26b;26c)が設けられている、排ガス処理構成群。
【請求項2】
前記係止保持領域(42;42b;42c)は、半径方向内側に向かって開かれた、前記外側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で少なくとも所定の領域で延在する係止凹部(44;44b;44c)を含む、請求項1記載の排ガス処理構成群。
【請求項3】
前記係止保持領域(42;42b;42c)は、前記外側ケーシング長手方向軸線(L
A)を中心とした周方向で中断されずに延在する1つの溝状の係止凹部(44;44b;44c)を含む
、請求項2記載の排ガス処理構成群。
【請求項4】
前記係止保持領域(42)は、前記外側ケーシング長手方向軸線(L
A
)を中心とした周方向で連続して続いていて、互いに周方向間隔を置いて配置された複数の係止凹部(44)を含む、請求項2または3記載の排ガス処理構成群。
【請求項5】
1つの係止固定エレメント(26)に、前記内側ケーシング長手方向軸線(L
I)を中心とした周方向で、互いに間隔を置いて配置された複数の係止係合領域(28)が設けられている
場合には、
前記係止固定エレメント(26)はリング状に形成されている、請求項
1から4までのいずれか1項記載の排ガス処理構成群。
【請求項6】
前記係止固定エレメント(26)は、前記内側ケーシング長手方向軸線(L
I)を中心とした周方向で、前記内側ケーシング(14)の内面(30)に沿って延在するリング体(32)と、前記リング体(32)に関して半径方向外側に突出する、互いに周方向間隔を置いて配置された複数の係止係合領域(28)とを含み、前記リング体(32)から半径方向外側に向かって突出する各係止係合領域(28)に対応配置されて、前記内側ケーシング(14)には、前記係止係合領域(28)が前記内側ケーシング(14)の外面(46)を越えて、対応配置された1つの係止保持領域(42)内に係合するために突出するように、前記係止係合領域(28)によって貫通される貫通孔(40)が設けられている、請求項5記載の排ガス処理構成群。
【請求項7】
前記係止固定エレメント(26)は、ワイヤリングとして形成されている
、請求項5または6記載の排ガス処理構成群。
【請求項8】
前記係止固定エレメント(26)は周方向で中断されていて、互いに周方向間隔を置いて配置された周方向端部(34,36)を有する、請求項5から7までのいずれか1項記載の排ガス処理構成群。
【請求項9】
前記内側ケーシング長手方向軸線
(L
I
)を中心とした周方向で、互いに連続して続いている複数の係止固定エレメント(26a;26b;26c)が設けられている
場合には、
各係止固定エレメント(26a;26b;26c)に、前記係止固定エレメント(26a;26b;26c)を両軸方向で前記内側ケーシング(14a;14b;14c)に保持する保持領域(56a;56b;56c)が設けられており、前記係止固定エレメント(26a;26b;26c)は、前記保持領域(56a;56b;56c)に関して半径方向外側に突出する少なくとも1つの係止係合領域(28a;28b;28c)を含む、請求項8記載の排ガス処理構成群。
【請求項10】
前記保持領域(56a)は、少なくとも1つの保持区分(58a,60a;58b;58c,60c)を、好適には、前記内側ケーシング長手方向軸線(L
I)を中心とした周方向で互いに間隔を置いて配置された2つの保持区分(58a;60a)を含む、請求項9記載の排ガス処理構成群。
【請求項11】
少なくとも1つの、好適には各保持区分(58a,60a;58b;58c,60c)は、前記係止固定エレメント(26a;26c)に一体に設けられた保持エレメント(86a,88a;86b,86c,88c)を含む、請求項10記載の排ガス処理構成群。
【請求項12】
少なくとも1つの、好適には各保持区分(58a,60a)は、前記係止固定エレメント(26a)とは別個に形成された保持エレメント(86a,88a)を含む、請求項10または11記載の排ガス処理構成群。
【請求項13】
1つの、好適には各保持区分(58a,60a)は、前記内側ケーシング(14a)を取り囲む、かつ/または貫通する保持エレメント(86a,88a)を含む、請求項11または12記載の排ガス処理構成群。
【請求項14】
前記係止固定エレメント(26a;26b)はワイヤ変形部材として形成されている、請求項9から13までのいずれか1項記載の排ガス処理構成群。
【請求項15】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメント(86a,88a)は、前記係止固定エレメント(26a)の、前記内側ケーシングを取り囲むように係合するU字型の端部区分(78a,80a)によって提供される、請求項11および請求項13および請求項14記載の排ガス処理構成群。
【請求項16】
前記係止固定エレメント(26a;26c)は薄板変形部材として形成されている、請求項9から13までのいずれか1項記載の排ガス処理構成群。
【請求項17】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメント(86a,88a;86c,88c)は、前記係止固定エレメント(26a;26c)の、前記内側ケーシング(14a;14c)に設けられた開口を貫通する端部区分によって提供される、請求項11および請求項13および請求項16記載の排ガス処理構成群。
【請求項18】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメント(86a,88a)は、材料接続により前記内側ケーシング(14a)に固定されている、請求項12記載の排ガス処理構成群。
【請求項19】
少なくとも1つの、好適には各保持区分(58a,60a)で、前記係止固定エレメント(26a)は材料接続により前記内側ケーシング(14a)に固定されている、請求項10記載の排ガス処理構成群。
【請求項20】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメント(86a,88a)は、薄板変形部材として構成されている、請求項12および請求項13記載の排ガス処理構成群。
【請求項21】
前記保持領域(56b)は、前記係止係合領域(28b)に対して周方向間隔を置いて、かつ/または軸方向間隔を置いて配置された保持区分(58b)を含む、請求項9記載の排ガス処理構成群。
【請求項22】
前記保持区分(58b)は、材料接続により前記内側ケーシング(14b)に固定され、かつ/または前記保持区分(58b)は前記内側ケーシング(14b)を貫通する、請求項21記載の排ガス処理構成群。
【請求項23】
前記係止固定エレメント(26b)は、ワイヤ変形部材として形成されており、前記保持区分(58b)は前記係止固定エレメント(26b)と一体に形成されている、請求項21または22記載の排ガス処理構成群。
【請求項24】
前記保持領域(56c)は、前記内側ケーシング長手方向軸線(L
I)の方向で互いに間隔を置いて配置された、前記内側ケーシング(14c)を
前記内側ケーシング(14c)の外面(46c)から半径方向内側に向かって横断して、
前記内側ケーシング(14c)の内面(30c)に背後から係合する2つの保持区分(58c,60c)と、前記保持区分(58c,60c)の間で、前記内側ケーシング(14c)の前記外面(46c)に支持される支持区分(122c)とを含み、対応配置された1つの係止保持領域(42c)に係合するための、半径方向外側に向かって突出する少なくとも1つの係止係合領域(28c)が、前記支持区分(122c)と、前記保持区分(58c,60c)のうちの一方との間に設けられている、請求項9記載の排ガス処理構成群。
【請求項25】
各保持区分(58c,60c)は、前記内側ケーシング(14c)を、貫通開口(120c)の領域で、または前記内側ケーシング(14c)の軸方向端部の領域で、半径方向外側から半径方向内側に向かって横断する少なくとも1つの保持脚(64c,66c)と、前記保持脚(64c,66c)に関して軸方向で突出し、前記内側ケーシング(14c)の内面(30c)に背後から係合する保持突起(68c,70c)と、を含む、請求項24記載の排ガス処理構成群。
【請求項26】
前記係止固定エレメント(26c)は薄板変形部材として形成されている、請求項24または25記載の排ガス処理構成群。
【請求項27】
前記内側ケーシング(14)と前記外側ケーシング(12)との間に支持材料(41)が配置されている、請求項1から26までのいずれか1項記載の排ガス処理構成群。
【請求項28】
前記係止固定装置(24)は、前記内側ケーシング(14)の一方の軸方向端部領域(38)で、前記内側ケーシング(14)と前記外側ケーシング(12)との間で機能し、前記支持材料(41)は、少なくとも、前記内側ケーシング(14)の他方の軸方向端部領域(39)で、前記内側ケーシング(14)と前記外側ケーシング(12)との間に設けられている、請求項27記載の排ガス処理構成群。
【請求項29】
前記支持材料(41)は、前記内側ケーシング(14)と前記外側ケーシング(12)との間で圧縮されて保持されており、かつ/または前記支持材料(41)はワイヤ材料を含む、請求項27または28記載の排ガス処理構成群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排ガス装置のための排ガス処理構成群であって、外側ケーシング長手方向軸線の方向で細長く延びる管状の外側ケーシングと、内側ケーシング長手方向軸線の方向で細長く延びる管状の内側ケーシングであって、この内側ケーシング内には排ガス処理ユニットが支持されている内側ケーシングと、を備えている排ガス処理構成群に関する。このような形式の排ガス処理ユニットは、例えば触媒またはパティキュレートフィルタであってよい。
【0002】
本発明の課題は、このような形式の排ガス処理構成群を、排ガス処理ユニットの交換を簡単に実施できるように構成することである。
【0003】
本発明によれば、この課題は、内燃機関の排ガス装置のための排ガス処理構成群であって、
-外側ケーシング長手方向軸線の方向で細長く延びる管状の外側ケーシングと、
-内側ケーシング長手方向軸線の方向で細長く延びる管状の内側ケーシングであって、この内側ケーシング内には排ガス処理ユニットが支持されている内側ケーシングと、
-内側ケーシングを外側ケーシング内に取り外し可能に固定するための係止固定装置と、
を備えており、
係止固定装置は、
-内側ケーシングに両軸方向で保持される少なくとも1つの係止固定エレメントであって、半径方向外側に向かって予荷重をかけられた少なくとも1つの係止係合領域を備えた係止固定エレメントと、
-少なくとも1つの係止固定エレメントの少なくとも1つの係止係合領域に対応配置されていて、外側ケーシング内に内側ケーシングを保持するために、係止係合領域と少なくとも1つの軸方向で協働する、外側ケーシングに設けられた係止保持領域と、を含む、
排ガス処理構成群により解決される。
【0004】
排ガス処理ユニットの本発明による構造では、外側ケーシングと内側ケーシングとの間に、係止固定装置によって実現される係止結合が存在する。これは、容易に、一般的には工具を使用せずに、大きな力を加える必要もなく取り外し可能である。
【0005】
容易に実現される構成では、係止保持領域は、半径方向内側に向かって開かれた、外側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で少なくとも所定の領域で延在する係止凹部を含んでいてよい。特にこの場合、係止保持領域は、外側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で中断されずに延在する1つの溝状の係止凹部を含んでいてよい。
【0006】
外側ケーシングに関する内側ケーシングの規定された回転位置の設定も助成する選択的な構成では、係止保持領域が、外側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で連続して続いていて、互いに周方向間隔を置いて配置された複数の係止凹部を含んでいてよい。
【0007】
僅かな構成部品により実現可能な構造のためには、1つの係止固定エレメントに、内側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で、互いに間隔を置いて配置された複数の係止係合領域を設けることができる。この場合、外側ケーシングおよび内側ケーシングに適合させて、係止固定エレメントは好適にはリング状に形成されている。
【0008】
外側ケーシングと内側ケーシングとは一般的に管状に形成されているので、係止固定エレメントは、内側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で、内側ケーシングの内面に沿って延在するリング体と、リング体に関して半径方向外側に突出する、互いに周方向間隔を置いて配置された複数の係止係合領域とを含み、リング体から半径方向外側に向かって突出する各係止係合領域に対応配置されて、内側ケーシングには、係止係合領域が内側ケーシングの外面を越えて、対応配置された係止保持領域内に係合するために突出するように、係止係合領域によって貫通される貫通孔が設けられている。このような形式の構成は、例えば、
図1~
図4に示されている。
【0009】
容易に実現可能なリング状の構成を得るために、係止固定エレメントをワイヤリングとして形成することができる。さらに、簡単に実現することができる組み付けのために、係止固定エレメントは周方向で中断されていてよく、互いに周方向間隔を置いて配置された周方向端部を有していてよい。
【0010】
代替的な構成では、内側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で、互いに連続して続いている複数の係止固定エレメントが設けられていてよい。別個の構成部分として構成された複数の係止固定エレメントを有するこのような形式の実施形態は、例えば、
図6~
図35に示されている。
【0011】
一方では内側ケーシングにおける安定的な保持を保証するために、他方では外側ケーシングへの係止係合を実現することができるように、各係止固定エレメントに、係止固定エレメントを両軸方向で内側ケーシングに保持する保持領域が設けられており、係止固定エレメントは、保持領域に関して半径方向外側に突出する少なくとも1つの係止係合領域を含むことが提案される。このような形式の実施形態は、例えば、
図6~
図35に示されている。
【0012】
保持領域と内側ケーシングとの間の簡単に実現可能な保持相互作用のために、保持領域は、少なくとも1つの保持区分を、好適には、内側ケーシング長手方向軸線を中心とした周方向で互いに間隔を置いて配置された2つの保持区分を含むことができる。これに関する実施形態は、例えば、
図6~
図35に示されている。
【0013】
複数の係止固定エレメントを有する構成でも、少なくとも1つの、好適には各保持区分が、係止固定エレメントに一体に設けられた保持エレメントを含むならば、使用すべき構成部品数が僅かであるよう維持することができる。
図6~
図13および
図20~
図35には、例えばこのような形式の実施形態が示されている。
【0014】
様々な使用目的のために、本発明による排ガス処理構成群の適合を簡単に実現することができるように、少なくとも1つの、好適には各保持区分は、係止固定エレメントとは別個に形成された保持エレメントを含むことが提案される。このような形式の実施形態は、例えば、
図14~
図19に示されている。
【0015】
安定的な保持作用は、1つの、好適には各保持区分が、内側ケーシングを取り囲む、かつ/または貫通する保持エレメントを含むことにより簡単に実現することができる。これに関する実施形態は、例えば、
図6~
図10ならびに
図15~
図19に示されている。
【0016】
特に簡単かつ安価に実現可能な構造では、係止固定エレメントをワイヤ変形部材として構成することができる。これに関する実施形態は、例えば、
図10~
図28に示されている。
【0017】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメントが、係止固定エレメントの、内側ケーシングを取り囲むように係合するU字型の端部区分によって提供されるならば、簡単に実現可能な構成において安定的な保持作用が得られる。
図10には、例えばこのような形式の構成が示されている。
【0018】
安定的な係止作用のために特に好適な代替的な構成では、係止固定エレメントを薄板変形部材として構成することができる。これに関する構成は、例えば、
図6~
図9および
図29~
図35に示されている。
【0019】
この場合、少なくとも1つの、好適には各保持エレメントが、係止固定エレメントの、内側ケーシングに設けられた開口を貫通する端部区分によって提供されることにより、僅かな構成部品数を実現することができる。
図6~
図9には、例えばこのような形式の構成が示されている。
【0020】
少なくとも1つの、好適には各保持エレメントが、材料接続により内側ケーシングに固定されていることにより、内側ケーシングへの安定的で、基本的には取り外しできない結合が形成され得る。このような形式の構成は、例えば、
図14に示されている。
【0021】
少なくとも1つの、好適には各保持区分で、係止固定エレメントが材料接続により内側ケーシングに固定されていることにより、構成部品数をさらに減じることができる。
図11~
図13には、例えばこのような形式の構成が示されている。
【0022】
内側ケーシングへの係止固定エレメントの極めて安定的な結合を保証するさらに代替的な構成では、少なくとも1つの、好適には各保持エレメントを、薄板変形部材として構成することができる。
図17~
図19には、例えばこのような形式の構成が示されている。
【0023】
係止固定エレメントの構造に関して容易に実現可能な構成では、保持領域は、係止係合領域に対して周方向間隔を置いて、かつ/または軸方向間隔を置いて配置された保持区分を含んでいてよい。このような形式の構成は、例えば、
図20~
図28に示されている。
【0024】
この場合も、内側ケーシングへの極めて安定的な結合は、保持区分が、材料接続により内側ケーシングに固定され、かつ/または保持区分が内側ケーシングを貫通することにより得られる。この場合、簡単に実現可能な構造では、係止固定エレメントは、ワイヤ変形部材として形成されており、保持区分は係止固定エレメントと一体に形成されている。これも、例えば、
図20~
図28に示されている。
【0025】
互いに周方向間隔を置いて配置される複数の係止固定エレメントが使用される別の代替的な構成では、各係止固定エレメントにおいて、保持領域は、内側ケーシング長手方向軸線の方向で互いに間隔を置いて配置された、内側ケーシングを外面から半径方向内側に向かって横断して、内面に背後から係合する2つの保持区分と、保持区分の間で、内側ケーシングの外面に支持される支持区分とを含み、対応配置された係止保持領域に係合するための、半径方向外側に向かって突出する少なくとも1つの係止係合領域が、支持区分と、保持区分のうちの一方との間に設けられていてよい。
図29~
図35には、例えばこのような形式の両保持区分の相対位置が示されている。
【0026】
この場合、内側ケーシングへの安定的な結合を保証するために、各保持区分は、内側ケーシングを、貫通孔の領域で、または内側ケーシングの軸方向端部の領域で、半径方向外側から半径方向内側に向かって横断する少なくとも1つの保持脚と、保持脚に関して軸方向で突出し、内側ケーシングの内面に背後から係合する保持突起と、を含んでいてよい。
【0027】
1つのもしくは複数の係止固定エレメントのこのような形式の実質的に軸方向に向けられた位置決めにおいて、係止固定エレメントの側方への傾動を回避するために、これらの係止固定エレメントのうちの1つもしくはそれぞれが、薄板変形部材として形成されていることが提案される。これも、例えば、
図29~
図35に示されている。
【0028】
外側ケーシングにおける内側ケーシングの安定的な保持を助成するために、内側ケーシングと外側ケーシングとの間に配置された支持材料を設けることができる。
【0029】
この場合、内側ケーシングの全軸方向長さにわたって、規定された位置決めは、例えば、係止固定装置が、内側ケーシングの一方の軸方向端部領域で、内側ケーシングと外側ケーシングとの間で機能し、支持材料は、少なくとも内側ケーシングの他方の軸方向端部領域で、内側ケーシングと外側ケーシングとの間に設けられていることにより得られる。
【0030】
安定的な保持作用のために、支持材料は内側ケーシングと外側ケーシングとの間で圧縮されて保持されていてよい。さらに、支持材料がワイヤ材料を含むならば、安定的かつ特に耐熱性のある保持作用を保証することができる。
【0031】
以下に本発明を添付の図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1a】排ガス処理構成群の外側ケーシングの代替的な構成形式を示す図である。
【
図1b】排ガス処理構成群の外側ケーシングの代替的な構成形式を示す図である。
【
図1c】排ガス処理構成群の外側ケーシングの代替的な構成形式を示す図である。
【
図1d】排ガス処理構成群の外側ケーシングの代替的な構成形式を示す図である。
【
図3】リング状の係止固定エレメントを備えた内側ケーシングを示す斜視図である。
【
図5】リング状の係止固定エレメントを製作するための工具を示す図である。
【
図6】内側ケーシングに設けられた、薄板変形部材として形成された係止固定エレメントを示す斜視図である。
【
図7】
図6の係止固定エレメントを示す斜視図である。
【
図8】内側ケーシングを、この内側ケーシングに支持された
図6および
図7の係止固定エレメントと共に示す縦断面図である。
【
図9】内側ケーシングを、この内側ケーシングに設けられた
図6~
図8の係止固定エレメントと共に示す斜視図である。
【
図10】排ガス処理構成群の内側ケーシングにおける、ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメントを示す図である。
【
図11】ワイヤ変形部材として提供された複数の係止固定エレメントを備えた、排ガス処理構成群の内側ケーシングを示す斜視図である。
【
図12】内側ケーシングにおける
図11の係止固定エレメントを示す斜視図である。
【
図13】
図11および
図12の係止固定エレメントを備えた内側ケーシングを外面側から見た図である。
【
図14】内側ケーシングへの係止固定エレメントの結合の代替的な形式を示す、
図12に相当する図である。
【
図15】内側ケーシングへの係止固定エレメントの結合のさらに代替的な形式を示す、
図14に相当する図である。
【
図16】内側ケーシングに係止固定エレメントを結合するための、
図15による実施形態で使用される保持エレメントを示す図である。
【
図17】
図16の保持エレメントによって内側ケーシングに保持された係止固定エレメントを備えた内側ケーシングを示す部分縦断面図である。
【
図18】保持エレメントの代替的な構成形式を示す図である。
【
図19】
図18の保持エレメントによって内側ケーシングに保持された係止固定エレメントを備えた内側ケーシングを示す部分縦断面図である。
【
図20】ワイヤ変形部材として形成された係止固定エレメントの代替的な構成形式を示す図である。
【
図21】内側ケーシングに取り付けられた
図20の係止固定エレメントを示す軸方向図である。
【
図22】排ガス処理構成群の外側ケーシングに、ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメントの代替的な構成形式により保持された内側ケーシングを示す図である。
【
図23】
図22の構造で使用可能な係止固定エレメントを示す図である。
【
図24】
図22の構造で使用可能な別の係止固定エレメントを示す図である。
【
図25】
図22の構造で使用可能な別の係止固定エレメントを示す図である。
【
図26】
図22の構造で使用可能な別の係止固定エレメントを示す図である。
【
図27】
図22の構造で使用可能な別の係止固定エレメントを示す図である。
【
図28】
図22の構造で使用可能な別の係止固定エレメントを示す図である。
【
図29】内側ケーシングに固定される、薄板変形部材として提供された係止固定エレメントの代替的な構成形式を示す図である。
【
図30】
図29の係止固定エレメントによって、排ガス処理構成群の外側ケーシングに保持された内側ケーシングを示す図である。
【
図31】内側ケーシングに保持された係止固定エレメントの代替的な構成形式を示す図である。
【
図32】内側ケーシングに保持された
図31の係止固定エレメントを示す部分縦断面図である。
【
図33】薄板変形部材として提供された複数の係止固定エレメントを備えた内側ケーシングを示す図である。
【
図34】薄板変形部材として形成された係止固定エレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図35】排ガス処理構成群の内側ケーシングに保持された
図34の係止固定エレメントを示す図である。
【0033】
図1には、車両における内燃機関の排ガス装置のための、全体を符号10で示した排ガス処理構成群の縦断面図が示されている。排ガス処理構成群10は、例えば薄板材料から構成された、外側ケーシング長手方向軸線L
Aの方向で細長く延びる管状の外側ケーシング12を含む。排ガス処理構成群10はさらに、例えば同様に薄板変形部材として提供された、内側ケーシング長手方向軸線L
Iの方向で細長く延びる管状の内側ケーシング14を含む。
【0034】
内側ケーシング14内には、排ガス処理ユニット16が配置もしくは保持されている。例えば触媒として形成された排ガス処理ユニット16は、触媒作用をする材料がコーティングされたモノリスを含んでいてよく、このモノリスを取り囲む支持マット18により内側ケーシング14内に保持され得る。内側ケーシング14を収容する軸方向端部領域20で、外側ケーシング12を、変向ケーシングによって閉じることができる。
【0035】
図2には、内側ケーシング14が、全体を符号24で示された係止固定装置によって外側ケーシング12に支持されている様子がより明瞭に示されている。係止固定装置24は、この実施例では、リング状に形成された係止固定エレメント26を含む。係止固定エレメント26は、ワイヤ変形部材として提供されていて、内側ケーシング長手方向軸線L
Iを中心として周方向で連続して続いている複数の係止係合領域28を有している。ワイヤ素材を実質的にU字型の形状に曲げることにより提供されるこのような係止係合領域28は、係止固定エレメント26のリング体32に関して半径方向外側に向かって突出している。リング体32は、内側ケーシング14の内面30に当接しており、もしくは内側ケーシング長手方向軸線L
Iを中心として内面30に沿って延在しており、例えば、係止固定エレメント26の形状付与により予め規定された予荷重により、内面30に押し付けられている。
図3および
図4にこれを示したように、リング体32は開放されていて、すなわち閉じられたリングを形成していないので、リング体は、例えば半径方向内側に向かって曲げられた2つの周方向端部34,36を有しており、これら周方向端部は、2つの係止係合領域28の間で僅かな周方向間隔を置いて互いに向かい合って位置している。両周方向端部34,36を、例えば、溶接によって互いに接続することができ、これによりリング体32は基本的には閉じられたリング構造を有することができることを補足しておく。
【0036】
各係止係合領域28に対応配置されて、内側ケーシング14の軸方向端部領域38には、各係止係合領域28によって貫通される周方向で細長い貫通孔40が設けられている。貫通孔40の周方向長さは、係止係合領域28の周方向長さにほぼ相当し、貫通孔40の軸方向の幅は、係止固定エレメント26のワイヤ材料の厚さにほぼ相当するので、係止固定エレメントは、両軸方向で、かつ周方向でも規定されたように内側ケーシング14に保持されている。
【0037】
外側ケーシング12には、係止固定エレメント26もしくはその係止係合領域28に対応配置されて、全体を符号42で示された係止保持領域が設けられている。係止保持領域42は、外側ケーシング12を半径方向外側に向かってビード状に成形することにより提供することができ、したがって、周方向で好適には中断部のない、一貫した溝状の係止凹部44を形成する。
【0038】
排ガス処理ユニット16を既に保持した内側ケーシング14を、外側ケーシング12内に、例えば
図1の左側に示された、外側ケーシング12の開放側から挿入する際には、基本的に、半径方向外側に向かって予荷重をかけられた、したがって、内側ケーシング14の外面46を半径方向で越えて突出する係止係合領域28は、例えば、外側ケーシング12の直径を減じている傾斜部48を越えて動く際に、半径方向内側に向かって動かされる。内側ケーシング14がさらに、外側ケーシング12の端部領域20の方向で摺動されると、係止係合領域28は、係止凹部44に対して軸方向で位置合わせされて、係止固定エレメント26の固有の予荷重に基づき、この凹部に係止される。これにより、内側ケーシング14と、したがって、内側ケーシングに支持される排ガス処理ユニット16とは、係止作用により安定的かつ確実に外側ケーシング12に保持されている。逆方向の軸方向負荷により、係止凹部44の縁部領域で係止係合領域28は半径方向内側に向かって動かされ、これにより係止作用は解除され、内側ケーシング14は排ガス処理ユニット16と共に再び、スライドして外側ケーシング12から取り出すことができる。
【0039】
例えば、外側ケーシング12の軸方向端部領域20が、変向ケーシングによって閉鎖されていないならば、勿論、内側ケーシング14をこの軸方向の側からも、外側ケーシング12内に挿入できることを補足しておく。
【0040】
外側ケーシング12における内側ケーシング14の安定的な保持はさらに、内側ケーシング14の少なくとも他方の軸方向端部領域39において、内側ケーシング14と外側ケーシング12との間に支持材料41が、例えばワイヤニットまたはワイヤメッシュ等のような例えばワイヤ材料が配置されていることによって助成することができる。このような支持材料41は、内側ケーシング14と外側ケーシング12との間に、圧縮下で保持することができ、これにより特に、内側ケーシング14の軸方向端部領域39で、この内側ケーシングは、外側ケーシング12に関して半径方向で支持されており、さらには、内側ケーシング14と外側ケーシング12との間で、軸方向に作用する保持力も伝達される。したがって、内側ケーシング14は、その両軸方向端部領域38,39において、半径方向および軸方向で外側ケーシング12に関して安定的に保持されている。この場合、軸方向での、かつ/または半径方向での実質的な保持作用は、支持材料41によって提供することができ、係止固定装置24は、実質的に、位置固定の機能を、したがって、外側ケーシング12に関する内側ケーシング14の規定された軸方向の位置決め設定を行うことができる。
【0041】
図1a~
図1dには、外側ケーシング12の様々な実施形態が示されている。
図1aには、
図1および
図2につき上述した構成が示されており、この構成では、係止保持領域42は、周方向で中断部のない一貫した係止凹部44を有している。
【0042】
図1bに示した外側ケーシング12では、係止保持領域42は、周方向で一貫した溝状の係止凹部44を有しておらず、少なくとも1つの周方向領域で中断されていて、半径方向内側に向かって開かれた、外側ケーシング12の成形により外側に向かって形成された係止凹部44を有している。より多数の、例えば2つの周方向中断部が設けられていてもよく、これにより、相応に、周方向で延在する2つの比較的長い係止凹部44の領域、もしくは周方向で相前後して位置するより多数の比較的長い係止凹部44が存在していてよいことを補足しておく。
【0043】
図1cに示した外側ケーシングの実施形態では、周方向で相前後して続いている、半径方向内側に向かって開かれた複数の係止凹部44が設けられている。例えば、内側ケーシング14における各係止固定エレメントに対応配置されて、このように周方向で区切られた、例えば各係止係合領域28の周方向の幅に、その周方向の延在が相当する係止凹部44が設けられていてよい。このようにして、係止固定装置24の係止作用により、外側ケーシング12に対する内側ケーシング14の規定された回転方向の位置決めも予め規定することができる。
図1cに示した各係止凹部44は、ほぼ同じ周方向の延在を有している。さらに、周方向で互いに直接隣接した全ての係止凹部44は、互いに同じ周方向の間隔を有していてよい。
【0044】
図1dに示した実施形態では、比較的大きな周方向の延在を有する係止凹部44’と、比較的小さな周方向の延在を有する係止凹部44’’とが互いに交互に配置されている。異なる周方向の延在を有するこれらの係止凹部44’,44’’に相応して、内側ケーシング14に設けられた係止固定エレメント26の係止係合領域28は、異なる周方向の延在を有していてよく、これにより外側ケーシング12における内側ケーシング14の規定通りの位置決めがさらに助成される。
【0045】
図5には、ワイヤ素材を、内側ケーシング14への導入のために適した形状にするために使用することができる工具48が示されている。この工具48が、係止固定エレメント26に設けられた係止係合領域28に対応配置された状態で、半径方向外側に向かって突出する、係止係合領域28の形状を規定する突起50を有していることがわかる。
図5に示した工具48の実施例では、2つの突起50の間に延在する縁部領域52は、実質的に直線的に延在するように形成されているので、工具48の外周に巻き付けられて、その形状に適合されるワイヤ素材も、ここに形成すべき2つの係止係合領域28の間に、実質的に直線的な、したがって、内側ケーシング14の内面30から間隔をおいて延びる延在を有することになる。この場合、勿論、工具48のための、したがって、この工具によって製造することができる係止固定エレメント26のリング体32のための、様々な形状規定が実現可能である。半径方向内側に向かって変形すべき周方向端部34,36に対応配置されて、工具48には、この端部を受容する凹部54が設けられている。
【0046】
次に、
図6~
図19につき、排ガス処理構成群の、もしくは外側ケーシングに内側ケーシングを固定する係止固定装置の様々な選択的な実施形態を説明する。構造もしくは機能に関して上述した構成要素に相当する構成要素は、追加符号「a」を付け足した同じ符号により説明する。外側ケーシング、もしくは排ガス処理ユニットを保持する内側ケーシングの基本的な構造は、
図1~
図4について上述したようなものであってよいことを補足しておく。
【0047】
以下に記載する係止固定装置24aの構成では、係止固定装置が、内側ケーシング長手方向軸線LIを中心とする周方向で、互いに間隔を置いて配置された、内側ケーシング14aに保持されるもしくは固定される複数の係止固定エレメント26aを含んでいる。しかしながら、以下に記載する各実施形態では、好適には、内側ケーシング14aに設けられる全ての係止固定エレメント26aがそれぞれ必ずしも互いに同じ構造ではない。
【0048】
このような形式の係止固定エレメント26aの第1の実施形態は、
図6~
図9に示されている。この実施形態では、各係止固定エレメント26aは、薄板変形部材として形成されている。係止固定エレメント26aは、全体を符号56aで示された保持領域を有しており、この保持領域によって、係止固定エレメントは、以下に説明する形式で内側ケーシング14aに保持されている。さらに、係止固定エレメント26aは、薄板舌片を例えば相応に曲げることにより提供される、保持領域56aに対して半径方向外側に向かって突出した係止係合領域28aを有していて、この係止係合領域は、係止固定エレメント26aが内側ケーシング14aに保持された状態で、
図1につき上述した、外側ケーシングの係止凹部に係合することができる。
【0049】
保持領域56aは、内側ケーシング14aと保持相互作用する2つの保持区分58a,60aを有していて、これらの保持区分の間には係止係合領域28aが保持されている。これら保持区分58a,60aはそれぞれ、係止係合領域28aも支持する中央の領域62aから半径方向内側に向かって曲げられた保持脚64a,66aによって提供される。各保持脚64a,66aには、係止係合領域28aから離れる方向に曲げられた保持突起68a,70aが設けられている。
【0050】
内側ケーシング14aには、その軸方向端部領域38aに、実質的に内側ケーシング長手方向軸線LIの方向で細長く延在する2つの貫通開口72a,74aが、両保持区分58a,60aに対応配置されて設けられている。周方向で互いに間隔を置いて配置されたこれらの各貫通開口72a,74aはそれぞれ、保持脚64a,66aによって貫通されており、これにより、中央の領域62aは、内側ケーシング14aの外面46aに当接し、保持突起68a,70aは、内側ケーシング14aの内面30aに背後から係合する。
【0051】
したがって、周方向で互いに間隔を置いて配置され、互いの間に係止係合領域28aを保持している両保持区分58a,60aによって、
図9に示された、互いに周方向の間隔を置いて内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aに配置された各係止固定エレメント26aは、係止固定エレメント26aを支持する内側ケーシング14aが外側ケーシング内に挿入されるとき、各係止係合領域28aの形状付与に基づき、この係止係合領域が半径方向内側にばね弾性的に動くことができるように、内側ケーシング14aに安定的に保持される。係止係合領域28aは、固有の予荷重に基づき、外側ケーシングに設けられた半径方向内側に向かって開かれた係止凹部内にばね弾性的に進入し、したがって、係止作用により内側ケーシング14aを堅固に保持する。係止係合領域28aのこのような半径方向の運動を可能にするために、内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aには、各係止固定エレメント26aに対応配置されて、軸方向で開かれた切欠76aを設けることができ、この切欠内に、U字型の形状を備えた係止係合領域28aの、自由なU字脚がばね弾性的に進入することができる。
【0052】
1つのもしくは各係止固定エレメント26aの係止係合領域28aの係止係合を解除するためには、工具、例えばドライバ等を、U字型に形成された係止係合領域28aの自由なU字脚に設けられた工具係合開口71aに係合させることができる。この工具係合開口71aは、内側ケーシング14aの壁の領域に半径方向で配置されているが、このような操作は、軸方向に開かれた切欠76aを介して可能である。1つのもしくは各係止係合領域28aは、半径方向内側に引っ張ることにより、この係止係合領域をそれ以前に保持している係止保持領域から引き出すことができる。
【0053】
図10には、ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメント26aが示されている。この係止固定エレメントは、内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aに設けられた所属の貫通開口40aに係合するU字型の係止係合領域28aを有している。周方向で係止係合領域28aの両側には、この係止係合領域に保持領域56aの保持区分58a,60aが続いている。各保持区分58a,60aは、係止固定エレメント26aのU字型に曲げられた端部区分78a,80aを含み、この端部区分によって、内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aは、半径方向内側から半径方向外側に向かって把持される。
【0054】
勿論、係止固定エレメント26aのこのような構成では、周方向で互いに連続して配置されている複数の係止固定エレメント26aが内側ケーシング14aに設けられていることを補足しておく。特に、この場合、内側ケーシング14aに設けられた貫通開口40aを利用できることがわかり、この貫通開口は例えば、
図3に示されたリング状の係止固定エレメント26を保持するためにも利用することができる。したがって、例えば、使用目的に応じて、周方向で細長く延在するこのような形式の貫通開口40もしくは40aを備えて形成された内側ケーシング14もしくは14aに、
図3もしくは
図4に示されたリング状の係止固定エレメント26を、または
図10に示された複数の係止固定エレメント26aを備えることができる。
【0055】
内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aに設けられた、周方向で細長く延在するこのような貫通開口40aを利用することができる、係止固定装置24aの別の構成形式は、
図11~
図13に示されている。この実施形態でも、周方向で連続的に続いて配置された複数の係止固定エレメント26aのそれぞれはやはり、ワイヤ変形部材として提供されている。U字型の形状で構成された係止係合領域28aは、周方向で中央の領域に設けられており、この係止係合領域によって、各係止固定エレメント26aは、対応配置された貫通開口40aを、半径方向内側から半径方向外側に向かって貫通し、これにより係止係合領域28aは、内側ケーシング14aの外面46aで半径方向に突出している。
【0056】
係止係合領域28aの両側では、保持領域56aの両保持区分58a,60aが、係止固定エレメント26aの各周方向端部82a,84aによって提供されている。これらの各周方向端部82a,84aで、係止固定エレメント26aは、材料接続により、例えば溶接により、内側ケーシング14aの内面30aに固定されている。
【0057】
図11に示されているように、周方向で互いに連続して続いている複数の係止固定エレメント26aによって基本的にリング状の構造が形成されており、この構造では、周方向で互いに連続して続いている2つの係止係合領域28aの間で、もしくはこの係止係合領域を保持する貫通開口40aの間でそれぞれ、互いに隣接する係止固定エレメント26aの周方向端部82a,84aが周方向で互いに向かい合っている。このような構造は、例えば、
図1~
図4につき上述したような唯1つの係止固定エレメントによっても提供することができる。
【0058】
図6~
図13につき上述した実施形態では、係止固定エレメント26aは、各保持区分58a,60aで、係止固定エレメント26aに一体に形成された保持エレメント86aもしくは88aを有している。
図6~
図9の実施例では、この保持エレメントは、実質的に、保持脚64a,66aによって提供される。
図10の実施例では、保持区分58a,60aに設けられたU字型の端部区分78a,80aによって、係止固定エレメント26aに一体に形成された保持エレメント86a,88aが提供される。
図11~
図13の実施例では、周方向端部82a,84aによって、係止固定エレメント26aに一体に形成されたこれらの保持エレメント86a,88aが提供される。
【0059】
以下に、保持エレメント86a,88aが別個に形成された構成部分として、各係止固定エレメント26aに設けられている実施形態を説明する。
【0060】
図11~
図13につき前述した構成形式の変化態様が
図14に示されている。この構成形式では、1つのもしくは各係止固定エレメント26aがその周方向端部82a,84aによって直接、内側ケーシング14aに固定されているのではない。そうではなくて、各周方向端部82a,84aもしくは各保持区分58a,60aに対応配置されて、例えばスリーブ状の保持エレメント86a,88aが設けられており、この保持エレメント内に、各周方向端部82a,84aが挿入接合されている。保持エレメント86a,88aは、材料接続により、例えば溶接により、内側ケーシング14aの内面30aに固定されてよい。これは例えば、以下のように行うことができ、すなわち、まず周方向で各貫通開口40aの両側で、スリーブ状の保持エレメント86a,88aが内側ケーシング14aに固定され、次いで、ワイヤ材料によるその構造に基づき基本的に弾性変形可能な係止固定エレメント26aの係止係合領域28aが、対応配置された貫通開口40aに通されてガイドされ、そして両周方向端部82a,84aが、周方向で、保持エレメント86a,88aに形成された開口内に装着され、この開口内で、周方向の予荷重により保持される。代替的には、まず、周方向端部82a,84aを例えば圧入により保持エレメント86a,88a内に収容することができる。保持エレメント86a,88aを備えた係止固定エレメント26aは、この場合、半径方向内側から、内側ケーシング14aへとガイドされてよく、係止係合領域28aが、対応配置された貫通開口40aを通してガイドされた後、両保持エレメント86a,88aを、内側ケーシング14aの内面30aに固定することができる。
【0061】
図15~
図17に示した別の実施形態では、ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメント26aが、2つの保持エレメント86a,88aを使用して、保持領域56aの両保持区分58a,60aにおいて内側ケーシング14aに固定されている。特に
図16に保持エレメント86aにつき示したように、これら保持エレメント86a,88aのそれぞれは、薄板変形部材として提供される。保持エレメント86aは、内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aに被さって係合するもしくは取り囲むほぼU字型の固定領域90aを有しており、保持エレメント86aはこの固定領域で軸方向から内側ケーシング14aの上に被せられる。U字型の固定領域90aに配属されて、この固定領域内へと突出する固定突起92aが設けられており、この固定突起は、保持エレメント86aを軸方向から被せる際に、内側ケーシング14aに形成された対応する固定切欠94a内に進入し、したがって、保持エレメント86aを、内側ケーシング14aの軸方向端部領域38aに安定的に固定する。
【0062】
ほぼU字型またはΩ型の固定領域90aを起点として、保持エレメント86aは弓型の収容領域98aを有している。
図17により明らかであるように、弓型の収容領域98aは、内側ケーシング14aと共に収容開口96aを形成し、この収容開口内に、係止固定エレメント26aの周方向端部82aを周方向で挿入することができる。この場合、
図17の、収容領域98aと周方向端部82aとが交差する輪郭によって、収容領域98aは基本的に、収容開口96aの半径方向の幅が、係止固定エレメント26aのワイヤ材料の厚さよりも小さく形成されていて、これにより弓型の収容領域98aによって、係止固定エレメント26aの周方向端部82aが、内側ケーシング14aの内面30aに対して押し付けられるように成形されていることがわかる。
【0063】
薄板変形部材として提供されるこのような保持エレメント86aの代替的な構成は、
図18および
図19に示されている。保持エレメント86aはこの場合もU字型もしくはΩ型の固定領域90aを有しており、この固定領域は、この実施形態では、内側ケーシング14aの軸方向端部上に被せられるのではなく、内側ケーシング14aの軸方向端部に対して間隔を置いて設けられた固定切欠94a内に係合して位置決めされており、これにより基本的には、保持エレメント86aは、固定切欠94aの領域で、内側ケーシング14aを半径方向内側から貫通し、もしくは内側ケーシングの外面46aに被さる、もしくは背後から係合する。固定領域90aには、この場合も、弓型の収容領域98aが続いている。この弓型の収容領域98aには、内側ケーシング14aの軸方向端部を半径方向外側に向かって横断する別の固定区分100aが続いている。ここには、内側ケーシング14aの外面46aに係合する固定突起93aが形成されており、これによりこの実施形態では、保持エレメント86aは、収容領域98aの軸方向両側の2つの軸方向領域で、内側ケーシング14aを半径方向内側から半径方向外側に向かって貫通して、もしくは横断して、内側ケーシングの外面46aに背後から係合する。これにより、内側ケーシング14aにおける極めて安定的な保持が保証される。
【0064】
次に、
図20~
図28につき説明する係止固定装置の実施形態では、再び、周方向で互いに連続して続いている複数の係止固定エレメントが使用されるが、これらは、各係止係合領域の両側で内側ケーシングに固定されているものではない。むしろ、
図20~
図28につき説明される各係止固定エレメントの実施形態では、保持領域は唯1つの保持区分しか有しておらず、この保持区分が1つの周面に、またはこの係止固定エレメントにそれぞれ設けられた係止係合領域に関して1つの軸方向の側に配置されるように、成形されている。構造もしくは機能に関して上述した構成要素もしくは実施形態に相当する構成要素は、追加符号「b」を付け足した同じ符号により説明する。
【0065】
図20および
図21には、ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメント26bが示されており、この係止固定エレメントは、実質的にU字型の形状で構成された係止係合領域28bによって、やはり半径方向内側から半径方向外側に向かって、内側ケーシング14bの軸方向端部領域38bに設けられた貫通開口40bを貫通して位置決めされている。ワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメント26bは、この係止固定エレメントの端部脚102b,104bが、互いに例えば軸方向で隣接して位置し、係止係合領域28bに関して周方向側に位置決めされるように成形されている。係止固定エレメント26bを、これらの両端部脚102b,104bで、内側ケーシング14bの内面30bに材料接続により、例えば溶接により固定することができる。係止固定エレメント26bを形成しているワイヤ材料の弾性に基づき、係止固定エレメントの係止係合領域28bは、このような形式の複数の係止固定エレメント26bを備えた内側ケーシング14bが外側ケーシング内へ挿入されるとき、半径方向内側に向かってばね的に動く。この係止係合領域28bも、外側ケーシングに設けられた係止凹部内に係止することができ、したがって、内側ケーシング14bを外側ケーシングに固定するために機能する。
【0066】
このような実施形態では、保持領域56bは、その保持区分58bを提供する端部脚102b,104bによって、係止固定エレメント26bに一体に形成された保持エレメント86bを形成しており、この保持エレメントによって、貫通開口40bを貫通し、したがって、両軸方向で保持される係止係合領域28b以外でも、係止固定エレメント26bは、材料接続により、両軸方向で内側ケーシング14bに固定される。
【0067】
これに対して代替的な構成が
図22に示されている。外側ケーシング12b内に位置決めされた内側ケーシング14bが、その内部に支持した排ガス処理ユニット16と共に示されている。内側ケーシング14bの軸方向端部領域38bには、同じくワイヤ変形部材として提供された係止固定エレメント26bのための、例えば軸方向で開かれた切欠106bが設けられている。係止固定エレメント26bは、保持領域56bの、ほぼS字型に湾曲された保持区分58bで、内側ケーシング14bに設けられた別の切欠108bを半径方向外側から半径方向内側に向かって貫通し、その軸方向端部領域110bで内側ケーシング14bの内面30bに支持されている。例えば、係止固定エレメント26bは、その軸方向端部領域110bで、内側ケーシング14bの内面30bに材料接続により、例えば溶接により固定されてよい。この場合も、保持領域56bは、湾曲されて形成された、内側ケーシング14bを貫通する保持区分58bで、係止固定エレメント26bに一体に形成された保持エレメント86bを形成しており、この保持エレメントによって、係止固定エレメント26bは、両軸方向で内側ケーシング14bに固定されている。
【0068】
係止固定エレメント26bは他方の軸方向端部領域112bで、半径方向外側に向かって突出する係止係合領域28bを形成していて、この係止係合領域は、外側ケーシング12bに設けられた係止凹部44b内に半径方向外側に向かって予荷重をかけられて係合して、内側ケーシング14bを外側ケーシング12bに固定する。
【0069】
図23~
図28には、ワイヤ変形部材として提供されるこのような形式の係止固定エレメントについての様々な実施形態が示されている。これら全ての係止固定エレメント26bは、係止係合領域28bも形成されている端部領域112bにおいて、係止固定エレメント26bの端部脚102b,104bが互いに隣接して位置していて、例えば材料接続により互いに堅固に接続されているように成形されている。係止固定エレメント26bは、端部領域110bで、内側ケーシング14bの内面30bに支持することができる円弧114bを形成している。
【0070】
図23~
図28には、このような構造では、1つのもしくは各係止固定エレメント26bの形状付与に関して、端部領域110bで、および端部領域112bで、さらには、これら両端部領域を接続する長手方向領域でも異なっていることが示されている。したがって、例えば
図25に示されているように、両端部脚102b,104bを、その自由端部が周方向で互いに反対側に向かって曲げられ、これによりこれら端部脚102b,104bは、例えば
図23、
図24、
図26、および
図27の実施形態の場合とは異なり、先の丸い端部によってではなく、湾曲された外側輪郭を有するように形成された領域で、係止凹部内に係合して位置決めされ得るように、成形することができる。
【0071】
図28に示された係止固定エレメント26bでは、端部脚102b,104bが付加的にU字型の端部区分116b,118bを有していてよく、この端部区分によって、端部脚は、内側ケーシング14bの軸方向端部に、半径方向内側に向かって係合することができる。
【0072】
図29~
図35に示した係止固定装置の実施形態では、周方向で連続的に続いて配置された複数の係止固定エレメントは、薄板変形部材として提供されている。構造もしくは機能に関して上述した構成要素に相当する構成要素は、追加符号「c」を付け足した同じ符号により説明する。
【0073】
図29および
図30に示された係止固定エレメント26cの保持領域56cは、内側ケーシング長手方向軸線L
Iに関して軸方向で間隔を置いて配置された2つの保持区分58c,60cを有している。係止固定エレメント26cは、各保持区分58c,60cにおいて、内側ケーシングの外面46cから半径方向内側に向かって、内側ケーシング14cを横断するもしくは貫通する。この場合、保持区分58cの保持脚64cは、軸方向端部領域38cで、内側ケーシング14cの軸方向端部を横断し、内側ケーシング14cの内面30cには軸方向で湾曲された保持突起68cで背後から係合する。
【0074】
係止固定エレメント26cは、保持脚66cで、内側ケーシング14cに設けられた貫通開口120cを貫通し、保持突起70cで、内側ケーシング14cの内面30cに背後から係合する。薄板材料から成る薄板変形部材として提供された係止固定エレメント26cは、基本的に、両保持脚64c,66cが、互いに相前後する方向で予荷重をかけられるように成形されていてよく、これにより両保持突起68c,70cが、内側ケーシング14cの内面30cに確実に背後から係合して保持される。
【0075】
軸方向で両保持区分58c,60cの間には、半径方向外側に向かって突出する係止係合領域28cが形成されており、この係止係合領域28cは、係止保持領域42cの係止凹部44c内に係合して位置固定される。係止係合領域28cを半径方向外側に向かって予荷重をかけて係止凹部44c内に係合させて保持することができるように、係止係合領域28cと保持区分60cとの間には、内側ケーシング14cの外面46cに半径方向内側に向かって支持される支持区分122cが形成されている。
【0076】
このような形式の係止固定エレメント26cを備えた内側ケーシング14cが、外側ケーシング12c内に挿入されると、その支持区分122cで内側ケーシング14cの外面46cに支持された係止固定エレメント26cは、固有の弾性に基づき、係止係合領域28cで、半径方向内側に向かって変位することができ、この場合、内側ケーシング14cの軸方向端部を半径方向で横断する保持脚64cは、均一に半径方向内側に向かって摺動することができ、これにより保持突起68cは一時的に、内側ケーシング14cの内面30cから持ち上げられることができる。係止係合領域28cが、係止保持領域42cの係止凹部44c内に係止されると、この係止係合領域は、保持脚64cと共に、再び半径方向外側に向かって変位するので、保持突起68cは係止状態で例えば再び、内側ケーシング14cの内面30cに当接することができる。
【0077】
係止固定エレメント26cの変化実施形態が、
図31~
図33に示されている。この変化実施形態は、
図29および
図30に示した実施形態とは実質的に、内側ケーシング14cに設けられた貫通開口120cを貫通する保持区分60cの形状付与の点で異なっている。この保持区分は、実質的にU字型またはΩ型の形状で形成されていて、自由な脚部で、内側ケーシング14cの内面30cに背後から係合している。
図32では、互いにオーバーラップしている輪郭線により、係止固定エレメント26cが、保持区分60cに続く支持区分122cは基本的に、内側ケーシング14cの外面46cに向かって予荷重をかけられて保持されるように成形されていることがわかる。
【0078】
薄板変形部材として提供されるこのような係止固定エレメント26cの別の実施形態は、
図34および
図35に示されている。この係止固定エレメント26cの保持区分58cは、保持脚64cに、実質的にU字型に形成された保持突起68cが形成されていて、この保持突起が内側ケーシング14cの内面30cに背後から係合するように成形されている。保持脚64cに対応配置されて、内側ケーシング14cの軸方向端部領域38cには、軸方向で開かれた切欠124cが設けられている。
【0079】
保持区分60cには、保持脚66cに続いて、他方の保持区分58cから離れる方向に湾曲されていて、実質的に軸方向に延在している保持突起70cが形成されており、この保持突起は、内側ケーシング14cの内面30cに当接して、内側ケーシングを横断し、もしくは内側ケーシングに背後から係合し、したがって円弧状に形成された、内側ケーシング14cの外面46cに当接する、もしくはこの外面に向かって予荷重をかけられた支持区分122cのための支持部を形成する。
【0080】
係止固定エレメント26cが薄板変形部材として形成されている
図29~
図35に示した実施形態でも、実質的に各保持脚64c,66cによって提供される保持エレメント86c,88cは、各係止固定エレメント26cに、一体に、これによりすなわち材料部材に形成される構成部分として設けられている。