IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許70537483次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法
<>
  • 特許-3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法 図1
  • 特許-3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/85 20210101AFI20220405BHJP
   B22F 12/45 20210101ALI20220405BHJP
   B22F 12/84 20210101ALI20220405BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20220405BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20220405BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220405BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220405BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220405BHJP
【FI】
B22F10/85
B22F12/45
B22F12/84
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y50/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020159698
(22)【出願日】2020-09-24
(62)【分割の表示】P 2018105772の分割
【原出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2021008667
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】17197619.4
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ハーテル
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527101(JP,A)
【文献】特開2004-253006(JP,A)
【文献】特開2002-144437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/85
B22F 12/45
B29C 64/153
B29C 64/268
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2~5)を付加製造する少なくとも1つの装置(1)を動作させる方法であって、少なくとも1つの物体(2~5)が、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって造形されており、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる方法において、前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)を前記部分の各々を照射するために必要とされる推定又は計算された照射時間ごとに階層化して割り当てた複数の割当てビームのうちの1つによって層(6)の前記部分(16~31)が照射されるように割り当て、等しい前記照射時間を有する割当てビーム同士を互いに階層ごとに順次複数のグループにグループ化し、前記グループごとに前記照射時間で前記割当てビームを割り当てられた前記部分に照射する、方法。
【請求項2】
前記複数の割当てビームは、
- 前記少なくとも1つの物体(2~5)の層(6)の少なくとも2つの部分(16~31)に対する前記照射時間を決定するステップと、
- 前記決定された照射時間に応じて、照射すべき層(6)の前記部分(16~31)を分類するステップであって、照射すべき層(6)の各部分(16~31)が、前記割当てビームの各々で階層上の末端を形成し、各末端が、少なくとも1つの分岐を介して前記割当てビームの各々の階層上の束に接続されるステップと、
- 前記割当てビームの数が利用可能及び/又は好適なエネルギービームの数に等しくなるまで、前記分岐及び/又は前記末端のため必要とされる決定された前記照射時間に基づき、前記分岐及び/又は末端前記割当てビームの各々にグループ化するステップと、によって生成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の物体(2~5)及び少なくとも1つの他の物体(2~5)の層(6)の前記それぞれの部分(16~31)が、前記割り当てられたエネルギービーム(12)によって単独で照射されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の物体(2~5)のすべての部分(16~31)は、前記第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように全体として割り当てられ、前記少なくとも1つの他の物体(2~5)のすべての部分(16~31)は、前記少なくとも1つの他のエネルギービーム(12)によって照射されるように全体として割り当てられることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
製造プロセス中に造形すべき複数の物体(2~5)を有し、単一部分(16~31)又は物体(2~5)全体が、総製造時間が最小になるように、エネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記層(6)又は前記物体(2~5)の前記部分(16~31)の製造時間が決定され、それによって前記それぞれのエネルギービーム(12)への部分(16~31)又は物体(2~5)の前記割当てが、前記総製造時間が最小になるように実行されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記それぞれのエネルギービーム(12)への部分(16~31)又は物体(2~5)の前記割当てが、少なくとも1つのアルゴリズムを使用して最適化されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
物体(2~5)の部分(16~31)が、前記それぞれの部分(16~31)を照射することが可能なエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの3次元の物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも2つの部分(16~31)を、エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の前記層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって付加製造されるように割り当てる方法であって、少なくとも1つの物体(2~5)が、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって造形されており、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる方法において、前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)を前記部分の各々を照射するために必要とされる推定又は計算された照射時間ごとに階層化して割り当てた複数の割当てビームのうちの1つによって層(6)の前記部分(16~31)が照射されるように割り当て、等しい前記照射時間を有する割当てビーム同士を互いに階層ごとに順次複数のグループにグループ化し、前記グループごとに前記照射時間で前記割当てビームを割り当てられた前記部分に照射する、方法。
【請求項10】
前記方法が、請求項1~8のいずれか一つに記載の3次元の物体(2~5)を付加製造する少なくとも1つの装置(1)を動作させる方法に関連して実行されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2~5)を付加製造する装置(1)であって、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって少なくとも1つの物体(2~5)を製造するために、少なくとも2つのエネルギービーム(12)を生成するように構成された少なくとも1つのビーム生成ユニット(8~11)を備えるか又はそれぞれ少なくとも1つのエネルギービーム(12)を生成するように構成された少なくとも2つのビーム生成ユニット(8~11)を備え、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる装置(1)において、前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)を前記部分の各々を照射するために必要とされる推定又は計算された照射時間ごとに階層化して割り当てた複数の割当てビームの1つによって照射されるように前記層(6)の前記部分(16~31)に割り当て、等しい前記照射時間を有する割当てビーム同士を互いに階層ごとに順次複数のグループにグループ化し、前記グループごとに前記照射時間で前記割当てビームを割り当てられた前記部分に照射するように前記ビーム生成ユニット(8~11)を制御するように構成された制御ユニット(44)を有する、装置(1)。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一つに記載の方法を実行するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造(積層造形)する少なくとも1つの装置を動作させる方法に関し、少なくとも1つの物体が、造形平面内で物体の層を連続して照射することによって造形されており、この物体の層の少なくとも1つの部分は、第1のエネルギービームによって照射されるように割り当てられ、この物体の層の少なくとも1つの他の部分は、別のエネルギービームによって照射されるように割り当てられる。
【背景技術】
【0002】
付加製造装置を動作させるそのような方法は、概して、従来技術で知られている。前記装置は、たとえば2つ以上のビーム源を設けることによって、且つ/又は生成されたエネルギービームを少なくとも2つのサブビームに分割することによって、2つ以上のエネルギービームを生成するように適合することができる。これら少なくとも2つのエネルギービームを使用して、造形平面内で造形材料を特に同時に照射し、それにより1つのエネルギービームだけを使用したときに比べて、総製造時間を低減させることができる。
【0003】
典型的には、使用者は、各物体のどの層又は各物体の層のどの部分がどのエネルギービームによって照射されるかを決定し、手動で割り当てる。たとえば、2つ以上の物体が同じ製造プロセスで造形される場合、たとえば少なくとも2つの物体が同じ造形平面上で造形される場合、使用者は、各物体を1つのビーム源に、すなわち1つのエネルギービームによって照射されるように割り当てる。複数の異なる物体を造形すべき製造プロセスに関して、この手法では、エネルギービーム間の作業負荷、すなわち書き出し時間の配分が不均一になる可能性がある。特に、これらの物体が、特にその形状及び/又は横断面及び/又は寸法に関して異なる場合、物体全体が単一エネルギービームに割り当てられたとき、それぞれ選択された作業負荷又は負荷配分が等しくなくなり、このように照射時間が不均一に配分されると、エネルギービームのうちの1つに割り当てられた1つの物体(又は層の少なくとも1つの部分)がすでに完成しても、少なくとも1つの他の物体(又は層の少なくとも1つの部分)がまだ終了しないため、単一エネルギービームの休止時間及び全体的な製造時間の増大を招く。
【0004】
さらに、特に複雑な形状の物体及び/又は複数の物体及び/又は異なる物体に関して、様々な物体の層(又はその部分)を手動で割り当てるには労力及び時間がかかる。加えて、使用者は、個々の物体若しくは個々の層又はその個々の部分に必要とされる書き出し時間を大まかに推定することしかできないため、上述した手法を使用して、製造時間の全体的な最小値を見つけるのは困難である。加えて、物体1つ当たりの作業負荷は、層ごとに変化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、全体的な製造時間を低減させることができる(複数の)3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の方法によって本発明で実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に準拠する。
【0007】
本明細書に記載する方法は、エネルギービームによって固化することができる粉末状の造形材料(「造形材料」)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体、たとえば技術的構成要素を付加製造する装置上で実行するのに適している。それぞれの造形材料は、金属、セラミック、又はポリマーの粉末とすることができる。それぞれのエネルギービームは、レーザビーム又は電子ビームとすることができる。それぞれの装置は、たとえば、選択的レーザ焼結装置、選択的レーザ溶融装置、又は選択的電子ビーム溶融装置とすることができる。
【0008】
それぞれの装置は、その動作中に使用される複数の機能ユニットを備えることができる。例示的な機能ユニットには、プロセスチャンバや、プロセスチャンバ内に配置された造形材料層を少なくとも1つのエネルギービームで選択的に照射するように構成された照射デバイスや、及び所与の流れ特性、たとえば所与の流れプロファイル、流速などでプロセスチャンバを通って少なくとも部分的に流れるガス状流体流を生成するように構成された流れ生成デバイスが挙げられる。ガス状流体流は、プロセスチャンバを通って流れる間に、固化されていない粒状の造形材料、特に装置の動作中に生成される煙又は煙残留物を充填することが可能である。ガス状流体流は、典型的には不活性であり、すなわち典型的には、不活性ガス、たとえばアルゴン、窒素、二酸化炭素などの流れである。
【0009】
本発明は、層の部分が、ハフマン符号化(Huffman coding)に基づいて、少なくとも2つのエネルギービームのうちの1つによって照射されるように割り当てられるという概念に基づいている。したがって、それぞれの装置は、造形材料を連続して層ごとに照射して少なくとも1つの物体を製造するために使用される少なくとも2つのエネルギービームを生成するように適合される。したがって、各層は、エネルギービーム、たとえばレーザビームによって選択的に照射され、それによって固化される。各照射ステップ後、それ以前に照射された造形材料層上へ、新しい造形材料の層を塗布することができる。
【0010】
少なくとも2つのエネルギービームを最善に使用するために、特に造形プロセスで1つの物体だけが製造される場合、各層をいくつかの部分に細分することができる。また、少なくとも2つの物体が、同じ製造プロセスで、すなわち同じ装置の同じ造形平面上で製造される場合、少なくとも2つの物体の層全体をエネルギービームのうちの1つに割り当てることも可能である。当然ながら、2つ以上の物体を同時に製造するとき、これらの層をそれぞれの部分に細分し、エネルギービームのうちの1つに個々に割り当てることもできる。
【0011】
各物体の製造プロセスを細分することができ、それにより、物体全体をエネルギービームのうちの1つに割り当てることができるし、又は、その割当ては、物体の各層に関して選択され、又は少なくとも1つの層を少なくとも2つの部分に細分することができ、それぞれの部分を異なるエネルギービームに割り当てることができる。便宜上、少なくとも1つの層の少なくとも2つの部分を異なるエネルギービームに割り当てる場合について、本出願全体にわたって記載するが、記載するすべての特徴、詳細、及び利点は、物体全体又は層全体がそれぞれのエネルギービームに割り当てられる他の場合にも完全に移行可能である。
【0012】
本発明によれば、層の部分の割当ては、ハフマン符号化に基づいて行われる。したがって、層のそれぞれの部分を個々のエネルギービームによって照射されるように手動で割り当てる必要はなく、割当ては、自動的に実行することができる。したがって、エネルギービームの作業負荷の本質的に等しい配分を保証することができる。したがって、自動化された割当てにより、製造プロセス全体にわたってどのエネルギービームが少なくとも1つの物体の様々な層のどの部分を照射するかを規定する。本発明では、ハフマン符号化の原理が付加製造プロセスに移行され、従来の(型にはまった)ハフマン符号化のように単一記号の出現頻度を使用する代わりに、各部分の照射時間(書き出し時間)が使用される。したがって、エネルギービームのうちの1つが層のそれぞれの部分を照射するのにどれだけかかるかを事前に推定又は計算することができる。後述するように、その結果判定される書き出し時間が、割当てに対する基本を形成する。
【0013】
したがって、製造すべき少なくとも1つの物体の単一層が細分され、これらの層を照射時間によって、すなわちその部分を照射するために必要とされる時間によって特徴付けることができる。したがって、エネルギービームによって照射されるように単一部分を割り当てるときは、対応する照射時間を考慮に入れ、ハフマン符号化に基づいて、利用可能なエネルギービームに対する作業負荷の配分が実行される。照射すべき部分の記載された配分は、好ましくは自動的に実行され、手動の割当ては必要ない。これにより、利用可能なエネルギービームに対して可能な限り等しい照射時間の配分が保証される。
【0014】
この方法の第1の実施形態によれば、ハフマン木(Huffman tree)が生成され、照射すべき層の少なくとも2つの部分が、それぞれの部分を照射するために必要とされる判定、特に推定又は計算された書き出し時間に応じて、ハフマン木の異なるノード及び/又は異なる部分木(sub-tree)に分類される。したがって、書き出し時間又は照射時間はそれぞれ、照射すべき層の各部分に対して推定又は計算することができる。エネルギービームがそれぞれの部分を照射するために必要とする判定された書き出し時間に応じて、これらの部分を特徴付けることができ、特に異なるノード内に分類することができ、且つ/又はこれらのノードをハフマン木の部分木にグループ化することができる。したがって、典型的なハフマン符号化と同様に、階層木構造を生成することができ、生成された(ハフマン)木は、複数のノード及び/又は複数の部分木を含む。これらの部分自体は、葉(leaf)と見なすことができ、根(root)は、枝及び上述したノード(部分木)を介してこれらの葉に接続された製造プロセス全体と見なすことができる。
【0015】
上述したように、ハフマン木は、
- 物体の層の少なくとも2つの部分に対する書き出し時間を判定するステップと、
- 判定された書き出し時間に応じて、ハフマン木内の照射すべき層の部分を分類するステップであって、照射すべき層の各部分が、ハフマン木内で葉を形成し、各葉が、少なくとも1つのノードを介してハフマン木の根に接続されるステップと、
- これらのノードを部分木にグループ化するステップであって、最低の書き出し時間を有する葉を含むそれぞれ2つのノード及び/又は部分木が、一つの部分木にグループ化されるステップと、
- 1つの木だけが残るまで、これらのノード及び/又は部分木を部分木にグループ化するステップと、を実行することによって生成することができる。
【0016】
したがって、物体は、第1のステップで、層及び/又は部分に分割することができ、次にこれらの層及び/又は部分を、利用可能なエネルギービームによって照射されるように配分することができる。典型的には、製造すべき少なくとも1つの物体に対する物体データ、たとえばスライスデータ又はCAD(コンピュータ支援設計)データが提供される。その後、それぞれの部分、層、又は物体に対する書き出し時間、すなわちエネルギービームがそれぞれの部分、層、又は物体を照射するために必要とされる書き出し時間を判定することができる。言い換えれば、書き出し時間は、それぞれのエネルギービームが対応する構造又はパターンをそれぞれ照射するのにどれだけ長く占有されるかを示す。
【0017】
判定された書き出し時間に応じて、これらの部分をハフマン木内で分類することができる。それによって、単一部分は、ハフマン木の葉を形成し、ノードを介して(端を越えて)、製造プロセス又は造形ジョブ全体をそれぞれ表すハフマン木の根に接続される。さらに、葉がそこを介して(端を越えて)根に接続されるノードを、部分木にグループ化することができ、それにより最低の書き出し時間を有する葉を含む2つのノードが、1つの部分木に連続してグループ化される。この手順が繰り返され、1つの木(ハフマン木)だけが残るまで、2つのノード又は2つの部分木又は1つのノード及び1つの部分木がグループ化される。
【0018】
この方法の別の実施形態によれば、生成されたハフマン木を部分木に分割することができ、部分木の数は、(利用可能及び/又は好適な)エネルギービームの数に等しい。したがって、利用可能なエネルギービームの数が考慮され、ハフマン木は、その部分木に分割され、各部分木を利用可能なエネルギービームのうちの1つに割り当てることができる。言い換えれば、各エネルギービームが、対応するエネルギービームに割り当てられた部分木内に葉として含まれる部分、層、又は物体を照射する。部分木への部分、層、又は物体の配分に基づいて、単一部分木に対する書き出し時間の等しい配分が保証される。したがって、単一部分木は、本質的に等しい書き出し時間を有する葉(部分、層、又は物体)を含む。当然ながら、1つの部分木内に含まれる部分及び/又は層は、同じ層/物体に属する必要はなく、異なる層/異なる物体に属することができる。
【0019】
別の実施形態によれば、同じ製造プロセス内で少なくとも2つの物体が照射される場合、第1の物体及び少なくとも1つの他の物体の層のそれぞれの部分を、割り当てられたエネルギービームによって単独で照射することができる。したがって、すべての利用可能なエネルギービームが、上述したように、ハフマン符号化に基づいて、そのエネルギービームに割り当てられた部分、層、又は物体を照射することができる。したがって、個々のエネルギービームに部分、層、又は物体を手動で配分する必要はない。すべてのエネルギービームは、ハフマン符号化を介して、すなわち推定又は計算された書き出し時間に基づいて、割り当てられた各層(又は部分)を照射する。したがって、エネルギービームへの部分、層、又は物体の割当ては、単一層又は単一物体に制限されるものではなく、2つ以上の異なるエネルギービームが、同じ層又は物体の部分を同時に又は連続して照射することができる。
【0020】
この方法の別の実施形態によれば、第1の物体のすべての部分は、第1のエネルギービームによって照射されるように全体として割り当てることができるとともに、少なくとも1つの他の物体のすべての部分は、少なくとも1つの他のエネルギービームによって照射されるように全体として割り当てることができる。したがって、たとえば書き出し時間又は製造プロセスの他のパラメータに応じて、異なるエネルギービームへの物体全体の割当てが可能である。
【0021】
この方法は、物体の層の部分の製造時間が判定され、それによってそれぞれのエネルギービームへの部分又は物体の割当てが、総製造時間が最小になるように実行されることからさらに改善することができる。したがって、異なる利用可能なエネルギービームへの部分、層、又は物体の割当ては、製造プロセス全体の総製造時間を考慮に入れることができ、これには製造すべき複数の物体を含むことができる。したがって、総製造時間を最小にすることができる。したがって、照射すべき部分の配分は、製造されている現在の物体に制限されるものではなく、製造プロセス全体が考慮され、エネルギービームに割り当てられた部分又は物体は、総製造時間が最小になるようにこれらの利用可能なエネルギービームに割り当てられている。
【0022】
異なるエネルギービームへの異なる部分の既存の特に完了した割当ては、少なくとも1つのアルゴリズムを使用してさらに最適化することができる。したがって、上述したように、ハフマン符号化に基づいて実行した方法の結果は、少なくとも1つのアルゴリズム、特に局所探索アルゴリズムを使用して最適化することができる。それぞれのアルゴリズムを使用することによって、極小値を見つけることを回避することができ、製造時間の全体的な最小値が見つけられるとともに、それに応じて部分が割り当てられることをさらに保証することができる。
【0023】
この方法の別の実施形態は、物体の1つの部分が、それぞれの部分を照射することが可能なエネルギービームによって照射されるようにだけ割り当てられることを提案する。したがって、造形平面上のそれぞれの部分の位置、たとえば造形平面のうちそれぞれのエネルギービームによって照射することができる領域など、異なるエネルギービームの異なる特徴を考慮に入れることができる。記載の実施形態により、すべての部分を、造形平面のそれぞれの領域を照射するように適合されたエネルギービームだけに割り当てることができることを確実にすることが可能になる。たとえば、造形平面を複数の領域に細分することができ、異なるエネルギービームが異なる領域に(局所的に)割り当てられ、その結果、エネルギービームは、すべての領域、特にそのエネルギービームが照射するように適合されていない別の領域内に配置された部分を照射するように適合される可能性はない。上述したハフマン符号化に基づくそれぞれのエネルギービームへの割当ては可能であるが、記載のエネルギービームがその部分を照射するように適合されていないとき、別のエネルギービームを使用しなければならないはずであるため、おそらく製造時間の最小値が得られないはずである。
【0024】
さらに、特に異なる造形材料を使用することによって、造形平面の異なる部分は、特有のエネルギービーム(異なるエネルギー、異なる波長、異なるスポットサイズ、異なるビーム源)でしか照射することができない可能性がある。記載の実施形態による方法は、それぞれのエネルギービームに割り当てられた部分をその(特有の)エネルギービームによって照射することができることを確実にする。
【0025】
さらに、本発明は、少なくとも1つの3次元の物体の層の少なくとも1つの部分を、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって付加製造されるように割り当てる方法に関し、少なくとも1つの物体が、造形平面内で物体の層を連続して照射することによって造形されており、この物体の少なくとも1つの層の少なくとも1つの部分は、第1のエネルギービームによって照射されるように割り当てられ、この物体の少なくとも1つの層の少なくとも1つの他の部分は、別のエネルギービームによって照射されるように割り当てられるとともに、層の部分は、ハフマン符号化に基づいて、少なくとも2つのエネルギービームのうちの1つによって照射されるように割り当てられる。
【0026】
好ましくは、この方法は、3次元の物体を付加製造する少なくとも1つの装置を動作させる方法に関連して、特に事前に実行される。この装置を動作させる方法に関して記載するすべての特徴、詳細、及び利点は、少なくとも1つの3次元の物体の層の少なくとも1つの部分をそれぞれの装置によって付加製造されるように割り当てる方法に完全に移行可能であることが自明である。
【0027】
さらに、本発明は、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造する装置に関し、この装置は、造形平面内で物体の層を連続して照射することによって少なくとも1つの物体を製造するために、少なくとも2つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも1つのビーム生成ユニット、又はそれぞれ少なくとも1つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも2つのビーム生成ユニットを備え、この物体の少なくとも1つの層の少なくとも1つの部分は、第1のエネルギービームによって照射されるように割り当てられ、この物体の(少なくとも)1つの層の少なくとも1つの他の部分は、別のエネルギービームによって照射されるように割り当てられ、ハフマン符号化に基づいてこれらの部分を少なくとも2つのエネルギービームに割り当てるように構成された制御ユニットが設けられる。
【0028】
当然ながら、装置を動作させる方法及び少なくとも1つの3次元の物体の少なくとも1つの層の少なくとも1つの部分をそれぞれの装置によって付加製造されるように割り当てる方法に関して記載するすべての特徴、詳細、及び利点は、本発明の装置に完全に移行可能である。特に、本発明の装置は、本発明の方法を実行するように適合される。
【0029】
本発明の例示的な実施形態について、図を参照して説明する。これらの図は概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の装置を示す図である
図2】本発明の方法の結果として階層木を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、造形材料の層6を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体2~5を付加製造する装置1を示す。
【0032】
装置1は、たとえばエネルギービーム12、たとえば電子ビーム又はレーザビームを生成するように適合されたレーザダイオードなどのビーム源を備える4つのビーム生成ユニット8~11と、生成されたエネルギービーム12を造形平面13上へ、造形平面13内を延びるビーム経路(図示せず)に沿って案内するように適合された対応するビーム案内ユニット(図示せず)とを備える照射デバイス7をさらに備える。
【0033】
照射デバイス7は、制御ユニット44によって制御され、制御ユニット44は、単一ビーム生成ユニット8~11及び対応するビーム案内ユニットを制御するように適合される。各ビーム生成ユニット8~11は、少なくとも1つのエネルギービーム12を生成するように適合され、各ビーム生成ユニット8~11はまた、2つ以上のエネルギービーム12を同時に生成するように適合されることも可能である。制御ユニット44は、物体2~5のうちの1つの層6の少なくとも1つの部分をビーム生成ユニット8~11のうちの1つに割り当てるようにさらに適合される。言い換えれば、制御ユニット44は、ビーム生成ユニット8~11のうちの1つによって生成されるエネルギービーム12を使用してどの物体2~5のどの層6又はそのどの部分が照射されるかを規定する。物体2~5のうち製造プロセスでまだ製造されていない部分は、図1に破線として示す。
【0034】
制御ユニット44が実行する割当ては、ハフマン符号化(Huffman coding)に基づいて行われ、特に製造プロセス前又は製造プロセス中に、物体2~5は層6の部分に分割され、層6は、それぞれの部分に細分される。単一ビーム生成ユニット8~11の作業負荷の割当ては、総製造時間の全体的な最小値を見つけることに関して実行される。ビーム生成ユニット8~11に対する物体2~5の書き出し時間の不均一な配分を回避するために、制御ユニット44は、ハフマン符号化に基づいて層6の部分の割当てを実行する。物体2~5は、特にその形状及び/又は横断面及び/又は寸法に関して、互いに異なる可能性があり、物体2~5の層6の対応する部分は、異なる書き出し時間を必要とする。
【0035】
ハフマン符号化が基本を形成する異なるビーム生成ユニット8~11への層6の部分16~31(図2)の割当てについて、図2に関して詳細に説明する。便宜上、部分16~31の総数は、16だけとする。当然ながら、各物体2~5の層6の数は、16という数を超過するはずであり、したがって部分16~31の数を超過するはずである。
【0036】
図2は、例示的なハフマン木(Huffman tree)14を示す。葉15は、物体2~5の層6の16個の部分16~31に相当する。各物体2~5の直径又は横断面はそれぞれ異なる可能性があり、又は造形方向(造形平面13に本質的に直交する)に変動する可能性があるため、異なる層6及び異なる物体2~5は、異なる書き出し時間を必要とする。したがって、1つの物体2~5を1つのビーム生成ユニット8~11に割り当てる結果、ビーム生成ユニット8~11に対する書き出し時間の配分が不均一になるはずである。この例示的な実施形態による書き出し時間は、図2に示すように、例示的であると理解されるべきであり、上述したように、物体2~5のうちの1つにおける層6のそれぞれの部分16~31の様々なパラメータに依存する。
【0037】
言い換えれば、すべての物体2~5の層6は、部分16~31に細分されて、ビーム生成ユニット8~11のうちの1つによって生成されるエネルギービーム12のうちの1つに独立して割り当てられる。したがって、制御ユニット44は、各部分16~31に必要とされる書き出し時間を推定又は計算し、ハフマン木14が生成される。
【0038】
ハフマン木14を生成するために、部分16~31を部分木に分類する必要があり、最低の判定された書き出し時間を有するそれぞれ2つの部分16~31が、1つのノードにグループ化されるとともに1つの部分木内に含まれる。たとえば、部分16~21はそれぞれ、1秒の書き出し時間を必要とし、部分22~26はそれぞれ、2秒の書き出し時間を必要とし、部分27は、4秒の書き出し時間を必要とし、部分28は、3秒の書き出し時間を必要とし、部分29は、5秒の書き出し時間を必要とし、部分30は、4秒の書き出し時間を必要とし、部分31は、9秒の書き出し時間を必要とする。この結果、4つのビーム生成ユニット8~11に対して41秒の総書き出し時間を配分する必要がある。
【0039】
したがって、ノード16~21をグループ化する結果、部分木32、33、及び34が得られ、したがって、部分木32、33、及び34を接続する各ノードは、その結果得られる2秒の書き出し時間を有する部分16~21を含む。さらに、部分22は部分木32とグループ化され、その結果、部分木35が得られる。したがって、部分23及び24並びに部分25及び部分木33がグループ化され、その結果、部分木36、37が得られる。たとえば部分木35は、2秒の書き出し時間を有する部分木32及び2秒の書き出し時間を有する部分22を含むため、部分木35、36はそれぞれ、4秒の製造時間を必要とする部分を含む。
【0040】
さらに、部分木34は、部分26とグループ化されて部分木38を形成し、部分28、27は、部分木39にグループ化される。部分木40は、部分木35を部分29とグループ化することによって構築され、部分木41は、部分30を部分木36とグループ化することによって形成される。部分木42は、部分木38及び部分木37を組み合わせることによって得られ、部分木43は、部分木39を部分31と組み合わせることで構築される。
【0041】
次に、部分木40~43を含む第3の層内でハフマン木14を分割することによって、4つのビーム生成ユニット8~11に対して41秒の総製造時間が配分される。したがって、生成されたハフマン木14は、ビーム生成ユニット8~11に割り当てられた部分木に分離される。たとえば、部分木40は、9秒の総書き出し時間を有するビーム生成ユニット8に割り当てられ、部分木41は、8秒の総書き出し時間を有するビーム生成ユニット9に割り当てられ、部分木42は、8秒の総書き出し時間を有するビーム生成ユニット10に割り当てられ、部分木43は、16秒の総書き出し時間を有するビーム生成ユニット11に割り当てられる。
【0042】
したがって、41秒の総製造時間は、ビーム生成ユニット8~11に対して本質的に等しく配分され、その結果、製造プロセスは16秒で完了する。その結果得られる配分は、局所探索アルゴリズムなどのアルゴリズムを使用してさらに改善することができる。
【0043】
局所探索を使用して、3秒の書き出し時間を有する元の部分28、現在は合計16秒の書き出し時間を有する部分木43の一部である部分木39の一部を、合計8秒の書き出し時間を有する部分木41へ動かすことができ、その結果、作業負荷配分が改善される。この部分28の動き(破線を介して示す)の結果、部分木41は11秒で完了し、部分木43は13秒で完了する。残りの書き出し時間は、部分木40に対して9秒及び部分木42に対して8秒であるため、製造プロセスは、ビーム生成ユニット8~11を同時に使用することで、13秒で完了することができる。
【0044】
この局所探索アルゴリズムは、すべてのビーム生成ユニット8~11における製造時間の最大値を低減させる作業負荷配分に対する新しい改善が見つかる限り、繰り返すことができる。
【0045】
(付記)
以上の開示から、以下の付記が提案される。
<実施態様1>
エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2~5)を付加製造する少なくとも1つの装置(1)を動作させる方法であって、少なくとも1つの物体(2~5)が、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって造形されており、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる方法において、層(6)の前記部分(16~31)が、ハフマン符号化に基づいて、前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)のうちの1つによって照射されるように割り当てられることを特徴とする方法。
<実施態様2>
ハフマン木(14)が生成され、照射すべき層(6)の少なくとも2つの部分(16~31)が、前記それぞれの部分(16~31)を照射するために必要とされる判定された書き出し時間、特に推定されるか又は計算された書き出し時間に応じて、前記ハフマン木(14)の異なるノード及び/又は異なる部分木(32~43)に分類されることを特徴とする、実施態様1に記載の方法。
<実施態様3>
前記ハフマン木(14)は、
- 前記少なくとも1つの物体(2~5)の層(6)の少なくとも2つの部分(16~31)に対する書き出し時間を判定するステップと、
- 前記判定された書き出し時間に応じて、前記ハフマン木(14)内の照射すべき層(6)の前記部分(16~31)を分類するステップであって、照射すべき層(6)の各部分(16~31)が、前記ハフマン木(14)内で葉(15)を形成し、各葉(15)が、少なくとも1つのノードを介して前記ハフマン木(14)の根に接続されるステップと、
- 前記ノード及び/又は葉(15)を部分木(32~43)にグループ化するステップであって、最低の書き出し時間を有する前記葉(15)を含むそれぞれ2つのノードが、部分木(32~43)にグループ化されるステップと、
- 1つの木だけが残るまで、前記ノード及び/又は葉(15)を部分木(32~43)にグループ化するステップと、によって生成されることを特徴とする、実施態様1又は2に記載の方法。
<実施態様4>
前記ハフマン木(14)が、特に同じ層のノードで部分木(32~43)に分割され、部分木(32~43)の数が、エネルギービーム(12)の数に等しいことを特徴とする、実施態様1~3のいずれか一つに記載の方法。
<実施態様5>
第1の物体(2~5)及び少なくとも1つの他の物体(2~5)の層(6)の前記それぞれの部分(16~31)が、前記割り当てられたエネルギービーム(12)によって単独で照射されることを特徴とする、実施態様1~4のいずれか一つに記載の方法。
<実施態様6>
前記第1の物体(2~5)のすべての部分(16~31)は、前記第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように全体として割り当てられ、前記少なくとも1つの他の物体(2~5)のすべての部分(16~31)は、前記少なくとも1つの他のエネルギービーム(12)によって照射されるように全体として割り当てられることを特徴とする、実施態様5に記載の方法。
<実施態様7>
製造プロセス中に造形すべき複数の物体(2~5)を有し、単一部分(16~31)又は物体(2~5)全体が、総製造時間が最小になるように、エネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられることを特徴とする、実施態様1~6のいずれか一つに記載の方法。
<実施態様8>
前記層(6)又は前記物体(2~5)の前記部分(16~31)の製造時間が判定され、それによって前記それぞれのエネルギービーム(12)への部分(16~31)又は物体(2~5)の前記割当てが、前記総製造時間が最小になるように実行されることを特徴とする、実施態様7に記載の方法。
<実施態様9>
前記それぞれのエネルギービーム(12)への部分(16~31)又は物体(2~5)の前記割当てが、少なくとも1つのアルゴリズム、特に局所探索アルゴリズムを使用して最適化されることを特徴とする、実施態様1~8のいずれか一つに記載の方法。
<実施態様10>
物体(2~5)の部分(16~31)が、前記それぞれの部分(16~31)を照射することが可能なエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられることを特徴とする、実施態様1~9のいずれか一つに記載の方法。
<実施態様11>
少なくとも1つの3次元の物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも2つの部分(16~31)を、エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の前記層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって付加製造されるように割り当てる方法であって、少なくとも1つの物体(2~5)が、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって造形されており、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる方法において、層(6)の前記部分(16~31)が、ハフマン符号化に基づいて、前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)のうちの1つによって照射されるように割り当てられることを特徴とする方法。
<実施態様12>
前記方法が、実施態様1~10のいずれか一つに記載の3次元の物体(2~5)を付加製造する少なくとも1つの装置(1)を動作させる方法に関連して実行されることを特徴とする、実施態様11に記載の方法。
<実施態様13>
エネルギービーム(12)によって固化することができる造形材料の層(6)を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2~5)を付加製造する装置(1)であって、造形平面(13)内で前記物体(2~5)の層(6)を連続して照射することによって少なくとも1つの物体(2~5)を製造するために、少なくとも2つのエネルギービーム(12)を生成するように構成された少なくとも1つのビーム生成ユニット(8~11)を備えるか又はそれぞれ少なくとも1つのエネルギービーム(12)を生成するように構成された少なくとも2つのビーム生成ユニット(8~11)を備え、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの部分(16~31)が、第1のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられ、前記物体(2~5)の少なくとも1つの層(6)の少なくとも1つの他の部分(16~31)が、別のエネルギービーム(12)によって照射されるように割り当てられる装置(1)において、ハフマン符号化に基づいて前記部分(16~31)を前記少なくとも2つのエネルギービーム(12)に割り当てるように構成された制御ユニット(44)を有することを特徴とする装置(1)。
<実施態様14>
実施態様1~12のいずれか一つに記載の方法を実行するように構成されることを特徴とする、実施態様13に記載の装置(1)。
【符号の説明】
【0046】
1 装置
2~5 物体
6 層
7 照射デバイス
8~11 ビーム生成ユニット
12 エネルギービーム
13 造形平面
14 ハフマン木
15 葉
16~31 部分
32~43 部分木
44 制御ユニット
図1
図2