(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】制御キャビネットユニット
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
G01N1/22 D
G01N1/22 G
G01N1/22 Q
(21)【出願番号】P 2020520010
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2018075581
(87)【国際公開番号】W WO2019081139
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-07
(31)【優先権主張番号】102017124694.0
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511236970
【氏名又は名称】エイヴィエル エミッション テスト システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AVL Emission Test Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Graf-Landsberg-Strasse 1 c, D-41460 Neuss, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ ヴィリヒ
(72)【発明者】
【氏名】アヒム ディコウ
(72)【発明者】
【氏名】ソーニャ オピッツ
(72)【発明者】
【氏名】ムラート エツトュルク
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-233738(JP,A)
【文献】特開平10-019744(JP,A)
【文献】国際公開第2017/121552(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0217299(US,A1)
【文献】特開2016-085217(JP,A)
【文献】特開2014-224772(JP,A)
【文献】特開2014-174054(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0080752(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0252130(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/22- 1/26
G01M 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気測定装置用の制御キャビネットユニットであって、
内部に前記排気測定装置の第1の発熱コンポーネント(50)が配置された第1の内室(26)を画定する第1の制御キャビネット(12)、および
内部に前記排気測定装置の第2のコンポーネント(60)が配置された第2の内室(42)を画定する第2の制御キャビネット(14)を備えた、制御キャビネットユニットにおいて、
前記第2のコンポーネント(60)は前記排気測定装置の排気バッグ(62)であり、
前記第1の内室(26)と前記第2の内室(42)とは、少なくとも1つの流体接続部(70)を介して互いに接続されており、前記第1の内室(26)と前記第2の内室(42)との間を通流する空気流により、前記第2のコンポーネント(60)を加熱することができるようになっている
ことを特徴とする、制御キャビネットユニット。
【請求項2】
前記第1の制御キャビネット(12)と前記第2の制御キャビネット(14)とは、直接に隣接し合って配置されており、前記第1の制御キャビネット(12)の側壁(16)は、前記第2の制御キャビネット(14)の側壁(32)に直接に接触しており、互いに接触し合う2つの前記側壁(16,32)に、前記流体接続部(70)が形成されている、請求項1記載の制御キャビネットユニット。
【請求項3】
前記第1の
発熱コンポーネント(50)は、前記第1の制御キャビネット(12)の、前記第2の制御キャビネット(14)に直接に接している前記側壁(16)に配置されている、請求項2記載の制御キャビネットユニット。
【請求項4】
前記第1の制御キャビネット(12)および前記第2の制御キャビネット(14)は、互いに間隔をあけて別個に配置されており、
前記第1の内室(26)および前記第2の内室(42)は、少なくとも1つの前記流体接続部(70)を形成する接続部材を介して、互いに流体接続されている、請求項1記載の制御キャビネットユニット。
【請求項5】
第1の流体接続部(70)および第2の流体接続部(72)が設けられており、前記第1の内室(26)と前記第2の内室(42)との間で空気が循環するようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の制御キャビネットユニット。
【請求項6】
前記第1の流体接続部(70)は、
前記第1の制御キャビネット(12)および前記第2の制御キャビネット(14)の上部領域に配置されており、前記第2の流体接続部(72)は、
前記第1の制御キャビネット(12)および前記第2の制御キャビネット(14)の下部領域に配置されている、請求項5記載の制御キャビネットユニット。
【請求項7】
前記第1の制御キャビネット(12)内または前記第2の制御キャビネット(14)内には、ファン(81)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の制御キャビネットユニット。
【請求項8】
前記ファン(81)は温度調整式である、請求項7記載の制御キャビネットユニット。
【請求項9】
前記第1の制御キャビネット(12)内または前記第2の制御キャビネット(14)内には、ヒータ(82)が配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の制御キャビネットユニット。
【請求項10】
前記ヒータ(82)は温度調整式である、請求項
9項記載の制御キャビネットユニット。
【請求項11】
前記第2の制御キャビネット(14)は断熱されており、前記第2の制御キャビネット(14)の前記第2の内室(42)は、周囲温度よりも高い温度を有している、請求項1から
10までのいずれか1項記載の制御キャビネットユニット。
【請求項12】
前記第1の発熱コンポーネント(50)は電圧供給ユニット(52)である、請求項1から
11までのいずれか1項記載の制御キャビネットユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気測定装置用の制御キャビネットユニットであって、内部に排気測定装置の第1の発熱コンポーネントが配置された第1の内室を画定する第1の制御キャビネット、および内部に排気測定装置の第2のコンポーネントが配置された第2の内室を画定する第2の制御キャビネットを備えた、制御キャビネットユニットに関する。
【0002】
このような制御キャビネットは、例えばローラ型試験台において、自動車の排気分析に用いられる。この場合は一般に、内部に排気測定装置の様々なコンポーネントが配置された複数の制御キャビネットが設けられる。つまり例えばCVS装置では、第1の制御キャビネット内に試料採取装置が付属の制御装置および電子装置と共に配置されており、第2の制御キャビネット内には少なくとも1つの排気バッグが配置されている。
【0003】
CVS装置では、1回の試験サイクル中に自動車から放出された排気が希釈トンネル内に導入され、その中で空気により希釈される。次いで、希釈により生じた試料ガスが試料採取プローブにより採取され、1つ以上の排気バッグに供給される。走行サイクルの終了後に、排気バッグ内に集められた試料ガスは、複数の分析機器により有害物質の割合に関して分析され、このとき特に、二酸化炭素、一酸化炭素、炭化水素ならびに窒素酸化物の割合が求められる。
【0004】
分析されるべき排気中には、水分が水蒸気の形態で溶解しており、水分は、露点温度未満で凝縮する。この水蒸気の凝縮は、歪曲された測定結果をもたらすため、排気もしくは試料ガスの確実で有意な分析を保証するためには、どんなことがあっても回避せねばならない。
【0005】
水蒸気の凝縮を防ぐために、排気測定装置は一般に、排気温度が露点温度未満に低下することを防ぐ、加熱部材を有している。このような排気測定装置は、例えば欧州特許出願公開第0959339号明細書に開示されている。排気測定装置は希釈トンネルを有しており、希釈トンネルから、排気と希釈空気とから成る試料ガスが採取され、採取された試料ガスは排気バッグ内に集められ、次いで試料ガスは複数の分析機器により、排気中に含まれる有害物質に関して分析される。排気中もしくは試料ガス中に含まれる水蒸気の凝縮を防ぐために、排気測定装置の複数箇所に加熱部材が設けられており、加熱部材により、排気測定装置内に流入する排気の温度ならびに希釈トンネルから採取されかつ排気バッグに流れ込む試料ガスの温度が、露点温度よりも上に保たれる。排気バッグは、別個の制御キャビネット内に配置されており、この場合、この制御キャビネット内にも同様に、排気バッグ内に集められた試料ガスの加熱用に設けられたヒータが配置されているため、排気バッグ内に含まれる試料ガスの凝縮も、やはり防止されるようになっている。
【0006】
欧州特許出願公開第0959339号明細書に記載された構成の欠点は、試料ガス中に溶解した水蒸気の凝縮を防ぐために、所要エネルギが高く、排気測定装置の運転コストの増大を招く追加的な加熱部材が使用される、という点にある。
【0007】
よって本発明の課題は、水蒸気の凝縮を、エネルギ効率良くかつ廉価に防止する制御キャビネットユニットを提供することにある。
【0008】
この課題は、請求項1記載の本発明による、排気測定装置用の制御キャビネットユニットにより解決される。
【0009】
本発明では、第1の内室と第2の内室とが、少なくとも1つの流体接続部を介して互いに接続されており、この場合、第1の内室と第2の内室との間を通流する空気流により、第2のコンポーネントを加熱することができるようになっている。これにより、エネルギ効率良く簡単に、排気中に含まれる水蒸気の凝縮が防止され、この場合、第2のコンポーネントを加熱するためには、第1の発熱コンポーネントの排熱が利用される。運転中に第1のコンポーネントはその電力損失に基づき加熱し、このとき第1の発熱コンポーネントの排熱により、第1の内室内の空気が加熱される。第1の内室と第2の内室との間の流体接続部を介して、加熱された空気が第2のコンポーネントに向かって流れ、これにより第2のコンポーネントが加熱されることになる。
【0010】
1つの好適な構成では、第1の制御キャビネットと第2の制御キャビネットとは、直接に隣接し合って配置されており、この場合、第1の制御キャビネットの側壁は、第2の制御キャビネットの側壁に直接に接触しており、互いに接触し合う2つの側壁に、流体接続部が形成されている。これにより、流体接続部を簡単かつ廉価に形成することができ、この場合、流体接続部は、2つの制御キャビネットの互いに接し合う側方部分に形成された、互いに対応する開口により形成されている。さらに、熱伝達が流体接続部を通る対流によっても行われ、互いに接し合う側壁を介した熱伝達によっても行われることにより、第1の内室と第2の内室との間での熱伝達が改善される。択一的に、2つの制御キャビネットは互いに間隔をあけて別個に配置されており、この場合、両内室は、少なくとも1つの流体接続部を形成する接続部材を介して、互いに流体接続されている。
【0011】
好適には、第1のコンポーネントは、第1の制御キャビネットの、第2の制御キャビネットに直接に接している側壁に配置されているため、第1のコンポーネントの排熱は、互いに接触し合う側壁を介して第2の内室に直接に伝達されるようになっている。
【0012】
好適には、第1の流体接続部および第2の流体接続部が設けられており、この場合、第1の内室と第2の内室との間で空気が循環することになる。この場合、加熱された空気が両流体接続部のうちの一方を通り、第1の内室から第2の内室内へ流入し、第2の内室内で冷却された空気は、他方の流体接続部を通って再び第1の内室内へ流入するため、両制御キャビネット間で空気循環が行われることになる。このようにして、第2のコンポーネントには永続的に熱が供給されるようになっている。
【0013】
1つの好適な構成では、第1の流体接続部は、第1の制御キャビネットの上部領域に配置されており、第2の流体接続部は、第1の制御キャビネットの下部領域に配置されている。流体接続部のこのような配置に基づき、第1のコンポーネントにより加熱された空気が第1の内室内で上方に向かって上昇し、制御キャビネットユニットの上部領域に配置された第1の流体接続部を通って第2の内室内へ流入することにより、追加的なコンポーネント無しで空気循環が強制されることになる。加熱された空気中に含まれる熱は第2のコンポーネントに伝達され、これにより空気は冷えて、第2の内室内で下方に向かって降下する。制御キャビネットユニットの下部領域には第2の流体接続部が配置されており、冷えた空気は第2の流体接続部を通って第1の内室内へ流入する。この過程が、排気測定装置の運転中に継続的に繰り返される。
【0014】
好適には、第1の制御キャビネット内または第2の制御キャビネット内にはファンが配置されており、これにより、両内室間での空気循環が支援されると共に、第2のコンポーネントの加熱が促進および改善されるようになっている。
【0015】
好適な構成では、第1の制御キャビネットまたは第2の制御キャビネット内にはヒータが配置されている。これにより、第2のコンポーネントが追加的に加熱されるため、異常な環境条件でも水蒸気の凝縮が確実に回避されるようになっている。
【0016】
好適には、ファンおよび/またはヒータは温度調整式であり、この場合、第2の制御キャビネット内に温度センサが配置されており、第2の内室の温度に応じて、ファンおよび/またはヒータが作動させられるもしくは非作動状態にされる。この場合、ファンおよび/またはヒータは、露点温度を下回ると作動させられる。このようにして、ヒータおよび/またはファンを、エネルギを節約して作動させることができる。
【0017】
1つの有利な構成では、第2の制御キャビネットは断熱されており、この場合、第2の制御キャビネットの内室は、周囲温度よりも高い温度を有している。これにより、第2の内室もしくは第2のコンポーネントから周囲環境への熱損失が減少されることになる。
【0018】
好適には、第1の発熱コンポーネントは電圧供給ユニットであり、第2のコンポーネントは排気測定装置の排気バッグであり、この場合、電圧供給ユニットは高い排熱を有しており、この排熱は、排気バッグ内に集められた試料ガスの温度が露点温度未満に下がることを回避するために利用される。
【0019】
よって、排気中に含まれる水蒸気の凝縮をエネルギ効率良く簡単に防ぎ、第1の発熱コンポーネントの排熱が、第2のコンポーネントの加熱に利用される、排気測定装置用の制御キャビネットユニットが提供される。
【0020】
以下に、添付図面を参照して1つの好適な実施形態に基づき本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】排気測定装置用の本発明による制御キャビネットユニットを示す概略図である。
【0022】
図面には、CVS装置用の制御キャビネットユニット10が示されている。制御キャビネットユニット10は、第1の制御キャビネット12と、第2の制御キャビネット14とから成る。
【0023】
第1の制御キャビネット12は、第1の側壁16、反対側に位置する第2の側壁18、床部材20および天井部材22ならびに背壁24を有している。背壁24とは反対の側には扉(図示せず)が配置されており、開放状態の扉を介して、第1の制御キャビネット12の第1の内室26内への介入が可能になる。
【0024】
第2の制御キャビネット14は、第1の制御キャビネット12と同様に形成されているため、第2の制御キャビネット14も、第1の側壁32、反対側に位置する第2の側壁34、床部材36および天井部材38ならびに背壁40を有している。
【0025】
第1の内室26内には、第1の発熱コンポーネント50が配置されている。第1の発熱コンポーネント50は、電圧供給ユニット52であり、CVS装置の別のコンポーネント、例えばやはり第1の制御キャビネット12内に配置された流量調整装置53の通電用に設けられている。電圧供給ユニット52は、第1の内室26内に存在する空気に熱として放出される電力損失を惹起している。
【0026】
第2の内室42内には第2のコンポーネント60が配置されており、この場合、第2のコンポーネント60は排気バッグ62である。第2の内室42内には、追加的にさらに2つの別の排気バッグ64,66が配置されている。
【0027】
排気バッグ62,64,66はCVS装置の構成部材であり、この場合、CVS装置では、1回の走行サイクル中に自動車から放出された分析するべき排気が、希釈通路内で空気により希釈され、希釈されたこの排気は、希釈通路から採取プローブを介して採取され、排気バッグ62,64,66に供給される。最終的に、走行サイクル中に放出された排気は、有害物質の割合について、複数の分析機器により分析される。
【0028】
分析するべき排気中には、水分が水蒸気の形態で溶解しており、水分は、露点温度未満で凝縮する。この水蒸気の凝縮は、歪曲された測定結果をもたらすため、排気の確実で有意な分析を保証するためには、どんなことがあっても回避せねばならない。凝縮を回避するために、排気バッグ62,64,66に熱が供給され、これにより、排気バッグ62,64,66内に集められた試料ガスの温度が、露点温度よりも上に保たれる。
【0029】
本発明では、第1の内室26と第2の内室42とは、第1の流体接続部70と第2の流体接続部72とを介して互いに接続されている。この場合、第1の制御キャビネット12の第1の側壁16は、第1の流体接続部70用に第1の開口74を有していると共に、第2の流体接続部72用に第2の開口76を有している。第2の制御キャビネット14の第1の側壁32も同様に、第1の流体接続部70用に第1の開口78を有していると共に、第2の流体接続部72用に第2の開口80を有している。第1の制御キャビネット12の第1の側壁16と、第2の制御キャビネット14の第1の側壁32とは、互いに直接に接し合っていることから、互いに対応し合う開口74,78が第1の流体接続部70を形成していると共に、互いに対応し合う開口76,80が第2の流体接続部72を形成している。
【0030】
択一的に、第1の制御キャビネット12の第1の側壁16と、第2の制御キャビネット14の第1の側壁32とは、一体に形成されていてもよい。さらに、第1の制御キャビネット12の背壁24と、第2の制御キャビネット14の背壁40とは、制御キャビネットユニット10の1つの択一的な構成では互いに接し合っていてよく、この場合、流体接続部70,72用の開口は、両背壁24,40に形成されている。
【0031】
第1の流体接続部70は、両制御キャビネット12,14の上部領域に配置されており、第2の流体接続部72は、下部領域に配置されている。両流体接続部70,72のこのような配置に基づき、空気は両内室26,42間で循環する。この場合、空気は第1の内室26内で電圧供給ユニット52の排熱により加熱され、第1の内室26内で上方に向かって上昇する。加熱された空気は、制御キャビネットユニット10の上部領域に配置された第1の流体接続部70を通り、第2の内室42内へ流入する。第2の内室42内では、加熱された空気から排気バッグ62,64,66への熱伝達が行われ、これにより空気は冷却されて、下方に向かって降下する。下部領域では、冷却された空気が第2の内室42から第1の内室26内へ流入する。このようにして、両内室26,42間で空気の永続的な循環が行われ、これにより、高温の空気は永続的に第2の内室42内へ運ばれることになる。両内室26,42間での空気の循環を高めるために、第2の制御キャビネット14内にはファン81が配置されている。追加的に、第1の流体接続部70に直接に配置され、第1のコンポーネント50の温度に応じて作動させられる別の温度調整ファン(図示せず)が、各制御キャビネットのうちの一方に配置されていてよい。
【0032】
さらに、第2の制御キャビネット14内にはヒータ82が配置されておりかつ制御キャビネット14は断熱されているため、周囲温度が低くても、排気バッグ62,64,66内に含まれる試料ガスの温度は、露点温度よりも上に保たれる。
【0033】
よって、試料ガスに含まれる水蒸気の凝縮をエネルギ効率良く簡単に防ぎ、第1の発熱コンポーネント50の排熱が、第2のコンポーネント60を加熱するためおよび試料ガスに含まれる水蒸気の凝縮を防止するために利用される、排気測定装置用の制御キャビネットユニット10が提供される。
【0034】
本発明の独立請求項の保護範囲が、制御キャビネットユニットの説明した実施例に限定されていないことは明らかである。このような制御キャビネットユニットは、様々な排気測定装置において使用可能であり、制御キャビネット内には、排気測定装置の様々なコンポーネントが配置され得る。