(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】スマートパワーモジュールの制御方法、装置、記憶媒体とプロセッサ
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
H05K7/20 Z
H05K7/20 E
(21)【出願番号】P 2020522781
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2018099435
(87)【国際公開番号】W WO2019095740
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】201711171425.9
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519394207
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ(ウーハン)カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー,ジンペン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ビーアオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ヤーチー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハイソン
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-110090(JP,A)
【文献】特開2000-253674(JP,A)
【文献】特開平07-318438(JP,A)
【文献】特開2012-069632(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0287972(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0217983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の、前記スマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報である第1の接着度情報と前記スマートパワーモジュールの非固定点周辺の接着度情報である第2の接着度情報とを取得することと、
前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することと、
前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、前記固定点周辺の接着度の調整を提示するための第1の提示情報を出力することと、
前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、非固定点周辺の接着度の調整を提示するための第2の提示情報を出力することと、を含むスマートパワーモジュールの制御方法。
【請求項2】
前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することが、
まず前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たす場合、前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することを含む請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の第1の接着度情報と第2の接着度情報を取得することが、
前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力した、電圧信号または電流信号を含む前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を表すアナログ信号を収集することと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換して前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を得ることと、を含む請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力したアナログ信号を収集する前、
前記スマートパワーモジュールが、前記スマートパワーモジュールの内部に組み込まれた応力測定センサーを介して、前記スマートパワーモジュールの前記外付け放熱器との接触面の変形量を検出することと、
検出された前記変形量を前記アナログ信号に変換することと、
前記モジュールのピンを介して、前記アナログ信号を出力することと、をさらに含む請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断した後、
前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たし、前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たすと判断された場合、前記スマートパワーモジュールと前記外付け放熱器との間の接着が正常であると判断することをさらに含む請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の、前記スマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報である第1の接着度情報と前記スマートパワーモジュールの非固定点周辺の接着度情報である第2の接着度情報とを取得するように構成された取得ユニットと、
前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成された判断ユニットと、
前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、前記固定点周辺の接着度の調整を提示するための第1の提示情報を出力するように構成された第1の出力ユニットと、
前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、非固定点周辺の接着度の調整を提示するための第2の提示情報を出力するように構成された第2の出力ユニットと、を含むスマートパワーモジュールの制御装置。
【請求項7】
前記判断ユニットは、まず前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たす場合、前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成される請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記取得ユニットは、
前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力した、電圧信号または電流信号を含む前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を表すアナログ信号を収集するように構成せれた収集モジュールと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換して前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を得るように構成された変換モジュールと、を含む請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断した後、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たし、且つ前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たすと判断された場合、前記スマートパワーモジュールと前記外付け放熱器との間の接着が正常であると決定するように構成された決定モジュールをさらに含む請求項6に記載の制御装置。
【請求項10】
実行される時に、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のスマートパワーモジュールの制御方法を実現するように構成されたプログラムが記憶される記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、制御分野に関し、具体的に、スマートパワーモジュールの制御方法、装置、記憶媒体とプロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
今、スマートパワーモジュールの応用はますます広くなっていて、スマートパワーモジュール自体がは動作中に発熱し、及びモジュールと外付け放熱器との接着の不良によってモジュールの温度上昇が高すぎ、ひいては燃え尽きてしまう。接着しすぎると、モジュール自体と内部のチップとに応力が発生して失効してしまうので、モジュールと外付け放熱器との接着度はモジュールの安全で安定した稼働に対して非常に重要な要因である。しかし、既存技術においてはモジュールと外付け放熱器との接着不良を検出することができない。
【0003】
上述した問題について、いまだに有効な解決案を提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例において、少なくともスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着不良を検出できない課題を解決できるスマートパワーモジュールの制御方法、装置、記憶媒体とプロセッサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例の一態様によると、スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の、前記スマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報である第1の接着度情報と前記スマートパワーモジュールの非固定点周辺の接着度情報である第2の接着度情報とを取得することと、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することと、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、前記固定点周辺の接着度の調整を提示するための第1の提示情報を出力することと、前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、非固定点周辺の接着度の調整を提示するための第2の提示情報を出力することと、を含むスマートパワーモジュールの制御方法を提供する。
【0006】
あるいはまた、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することが、まず前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たす場合、前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することを含む。
【0007】
あるいはまた、スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の第1の接着度情報と第2の接着度情報を取得することが、前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力した、電圧信号または電流信号を含む前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を表すアナログ信号を収集することと、前記アナログ信号をデジタル信号に変換して前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を得ることと、を含む。
【0008】
あるいはまた、前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力したアナログ信号を収集する前、前記制御方法は、前記スマートパワーモジュールが、前記スマートパワーモジュールの内部に組み込まれた応力測定センサーを介して、前記スマートパワーモジュールの前記外付け放熱器との接触面の変形量を検出することと、検出された前記変形量を前記アナログ信号に変換することと、前記モジュールのピンを介して、前記アナログ信号を出力することと、をさらに含む。
【0009】
あるいはまた、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断した後、前記制御方法は、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たし、前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たすと判断された場合、前記スマートパワーモジュールと前記外付け放熱器との間の接着が正常であると判断することをさらに含む。
【0010】
本願の実施例の他の一態様によると、スマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の、前記スマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報である第1の接着度情報と前記スマートパワーモジュールの非固定点周辺の接着度情報である第2の接着度情報とを取得するように構成された取得ユニットと、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成された判断ユニットと、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、前記固定点周辺の接着度の調整を提示するための第1の提示情報を出力するように構成された第1の出力ユニットと、前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、非固定点周辺の接着度の調整を提示するための第2の提示情報を出力するように構成された第2の出力ユニットと、を含むスマートパワーモジュールの制御装置を提供する。
【0011】
あるいはまた、前記判断ユニットは、まず前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たす場合、前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成される。
【0012】
あるいはまた、前記取得ユニットは、前記スマートパワーモジュールがピンを介して出力した、電圧信号または電流信号を含む前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を表すアナログ信号を収集するように構成せれた収集モジュールと、前記アナログ信号をデジタル信号に変換して前記第1の接着度情報と前記第2の接着度情報を得るように構成された変換モジュールと、を含む。
【0013】
あるいはまた、前記制御装置は、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断した後、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たし、且つ前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たすと判断された場合、前記スマートパワーモジュールと前記外付け放熱器との間の接着が正常であると決定するように構成された決定モジュールをさらに含む。
【0014】
本願の実施例の他の一態様によると、実行される時に、上述したスマートパワーモジュールの制御方法を実現するように構成されたプログラムが記憶される記憶媒体を提供する。
【0015】
本願の実施例の他の一態様によると、実行される時に、上述したスマートパワーモジュールの制御方法を実現するように構成されたプログラムを実行するためのプロセッサを提供する。
【0016】
本実施例によると、スマートパワーモジュールに内蔵された応力測定用のセンサーを介してスマートパワーモジュールの外付け放熱器との間の接触面の変形量を測定することで、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が適切であるか否かを決定し、適切ではない場合に提示を出力してスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着を調整することで、既存技術におけるスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着不良の課題を解決し、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が良好である技術効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで説明する図面は本発明を一層理解させるためのもので、本願の一部を構成し、本願に示す実施例及びその説明は本願を解釈するものであり、本発明を限定するものではない。
【
図1】本願の実施例に係るスマートパワーモジュールの制御方法を示すフローチャートである。
【
図2】本願の実施例に係るスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着を示す図である。
【
図3】本願の実施例に係るスマートパワーモジュールの制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者が本願の技術案をより簡単に理解するように、以下、本願の実施例中の図面を結合して、本願の実施例の技術案を明確且つ完全に説明するが、ここで説明する実施例が本願の実施例の全部ではなく一部であることは言うまでもない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造性のある行為を必要とせずに得られる他の実施例はいずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0019】
尚、本願の明細書及び特許請求の範囲と図面に用いられた「第1」、「第2」等の用語は類似する対象を区別するためのもので、特定の順又は前後順を限定するものではない。ここで説明する本願の実施例を図面に示す又は説明した順との異なる順でも実現できるように、このように使用される数値は適切な状況において交換可能である。そして、「含む」、「有する」及びそれらの変形用語は、非排他的に含むことをカバーするもので、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器が明確に例示されたステップ又はユニットに限定されず、明確に例示されていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器固有の他のステップ又はユニットも含むことを表す。
【0020】
本願の実施例によると、スマートパワーモジュールの制御方法の方法実施例を提供し、尚、図面中のフローチャートに示すステップを例えば1組のコンピュータが命令を実行可能なコンピュータシステムで実行することができ、またフローチャートにロジック順を示しているが、場合によってはそれと異なる順で図示または説明したステップを実行することができる。
【0021】
図1は本願の実施例に係るスマートパワーモジュールの制御方法を示すフローチャートで、
図1に示すように、該方法はステップS102、ステップS104、ステップS106、ステップS108を含む。
【0022】
ステップS102において、スマートパワーモジュールにより検出されたスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の第1の接着度情報と第2の接着度情報を取得し、ここで、第1の接着度情報はスマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報であり、第2の接着度情報はスマートパワーモジュール非固定点周辺の接着度情報である。
【0023】
スマートパワーモジュールは動作中に自体が発熱し、及びスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着の不良によってスマートパワーモジュールの温度上昇が高すぎ、ひいては燃え尽きてしまい、一方、接着しすぎると、スマートパワーモジュール自体と内部のチップとに応力が発生して失効してしまうので、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着度はスマートパワーモジュールの安全で安定した稼働に対して非常に重要な要因である。
図2は本願の実施例に係るスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着を示す図である。
図2に示すように、スマートパワーモジュールが外付け放熱器に接着する。
【0024】
スマートパワーモジュールにおいて、応力に敏感な素材で応力測定用のセンサーを組み込み、応力測定用のセンサーを介して接着度情報を検出する。スマートパワーモジュールの異なる位置に複数のセンサーが設けられていて、固定点周辺に設けられたセンサーと非固定点周辺に設けられたセンサーとを含む。例えば、
図2に各止めねじ(ねじ1とねじ2)の周辺に一つのセンサーが設けられていて(ねじ1付近の応力センサー1とねじ2付近の応力センサー3)、二つの止めねじ間にも一つのセンサーが設けられている(応力センサー2)例を示す。止めねじ周辺のセンサーは第1の接着度情報を検出でき、二つのねじ間のセンサーは第2の接着度情報を検出できる。第1の接着度情報は止めねじが締めすぎたか緩すぎたかを表し、第2の接着度情報はスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着表面が平坦であるか否かを表すことができる。
【0025】
スマートパワーモジュールの内部に組み込まれた応力測定センサーは、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との接触面の変形量を検出し、検出された変形量をアナログ信号に変換し、その後、スマートパワーモジュールのピンを介してアナログ信号を出力することができる。スマートパワーモジュールは、収集されたアナログ信号をコントローラに出力し、コントローラによってアナログ信号が表す接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断する。
【0026】
スマートパワーモジュールは、そのピンを介してアナログ信号をコントローラへ出力し、アナログ信号の形態は電圧信号または電流信号であることができる。コントローラは、電圧信号または電流信号を収集して、電圧信号または電流信号をデジタル信号に変換して第1の接着度情報と第2の接着度情報を得て、すなわち、コントローラがスマートパワーモジュールの外付け放熱器との接触面の変形量を得る。
【0027】
ステップS104において、第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断する。
【0028】
接着度情報がスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が適切ではないことを指示すると、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度を調整する必要があるので、まず第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、第1の接着度情報が所定の条件を満たす場合に、第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することが好ましい。すなわち、第1の接着度情報が条件を満たさない場合、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との固定点近くの接着度を調整し、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との固定点近くの接着度が所定の条件を条件を満たした後、固定点間の接着度が所定の条件を満たすように、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度を調整する。
【0029】
ステップS106において、第1の接着度情報が所定の条件を満たさない場合、第1の提示情報を出力し、ここで、第1の提示情報は固定点周辺の接着度を調整することを提示する。
【0030】
ステップS108において、第2の接着度情報が所定の条件を満たさない場合、第2の提示情報を出力し、ここで、第2の提示情報は非固定点周辺の接着度を調整することを提示する。
【0031】
第1の接着度情報と第2の接着度情報は数値で表されることができ、所定の条件は閾値であってもよい。所定の条件は緩すぎ閾値と締めすぎ閾値を含むこともできる。第1の接着度情報が締めすぎ閾値を超えると、締めすぎ警告提示を出力し、第1の接着度情報が緩すぎ閾値未満であると、接着緩すぎの警告提示を出力する。第1の接着度情報が所定の条件を満たす場合、第2の接着度情報が緩すぎ閾値と締めすぎ閾値との間であると、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度が適切であると決定し、第2の接着度情報が緩すぎ閾値と締めすぎ閾値との間ではないと、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間で接着度の調整が必要であると提示する。すなわち、第1の接着度情報が所定の条件を満たし、且つ第2の接着度情報が所定の条件を満たすと判断された場合、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が正常であると決定する。
【0032】
本実施例において、スマートパワーモジュールに内蔵された応力測定用のセンサーを介してスマートパワーモジュールの外付け放熱器との間の接触面の変形量を測定することで、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が適切であるか否かを決定し、適切ではない場合に提示を出力してスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着を調整することで、既存技術におけるスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着不良の課題を解決し、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が良好である技術効果を実現する。
【0033】
該スマートパワーモジュールの制御方法は以下のステップS301~S309を含む。
【0034】
S301において、複数の応力センサーの情報を収集する。
【0035】
S302において、締めすぎ閾値と緩すぎ閾値を設定する。
【0036】
S303において、固定点付近のセンサーが締めすぎ閾値を超えるか否かを判断し、YESであると、S304を実行し、そうではないと、S305を実行する。
【0037】
S304において、固定点の接着が締めすぎであるので警報する。
【0038】
S305において、固定点付近のセンサーが緩すぎ閾値未満であるか否かを判断し、YESであると、S306を実行し、そうではないと、S307を実行する。
【0039】
S306において、固定点の接着が緩すぎであるので警報する。
【0040】
S307において、非固定点付近のセンサーが閾値範囲内ではないか否かを判断し、YESであると、S308を実行し、そうではないと、S309を実行する。
【0041】
S308において、接着表面が平坦ではないので、警報する。
【0042】
S309において、接着が正常である。
【0043】
すなわち、本実施例において、一つの締めすぎ閾値と一つの緩すぎ閾値を設定し、固定点付近の接着度が締めすぎ閾値を超えると、接着締めすぎ警報を出力し、接着度を調整する。固定点付近の接着度が緩すぎ閾値未満であると、接着緩すぎ警報を出力し、接着度を調整する。固定点付近の接着度が緩すぎと締めすぎの閾値内であり、非固定点付近の接着度が閾値内ではないと、接着表面非平坦警報を出力し、すべてが閾値範囲内であると接着が正常である。
【0044】
本願の実施例においてさらにスマートパワーモジュールの制御装置を提供する。
図3は本願の実施例に係るスマートパワーモジュールの制御装置を示す図である。
図3に示すように、該スマートパワーモジュールの制御装置は、取得ユニット42と、判断ユニット44と、第1の出力ユニット46と、第2の出力ユニット48と、を含む。
【0045】
取得ユニット42はスマートパワーモジュールにより検出された前記スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の第1の接着度情報と第2の接着度情報を取得するように構成され、ここで、前記第1の接着度情報は前記スマートパワーモジュールの固定点周辺の接着度情報であり、前記第2の接着度情報は前記スマートパワーモジュールの非固定点周辺の接着度情報である。
【0046】
スマートパワーモジュールは動作中に自体が発熱し、及びスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着の不良によってスマートパワーモジュールの温度上昇が高すぎ、ひいては燃え尽きてしまい、一方、接着しすぎると、スマートパワーモジュール自体と内部のチップとに応力が発生して失効してしまうので、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着度はスマートパワーモジュールの安全で安定した稼働に対して非常に重要な要因である。
図2は本願の実施例に係るスマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着を示す図である。
図2に示すように、スマートパワーモジュールが外付け放熱器に接着する。
【0047】
スマートパワーモジュールにおいて、応力に敏感な素材で応力測定用のセンサーを組み込み、応力測定用のセンサーを介して接着度情報を検出する。スマートパワーモジュールの異なる位置に複数のセンサーが設けられていて、固定点周辺に設けられたセンサーと非固定点周辺に設けられたセンサーとを含む。例えば、
図2に各止めねじの周辺に一つのセンサーが設けられていて、二つの止めねじ間にも一つのセンサーが設けられている例を示す。止めねじ周辺のセンサーは第1の接着度情報を検出でき、二つのねじ間のセンサーは第2の接着度情報を検出できる。第1の接着度情報は止めねじが締めすぎたか緩すぎたかを表し、第2の接着度情報はスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着表面が平坦であるか否かを表すことができる。
【0048】
スマートパワーモジュールの内部に組み込まれた応力測定センサーは、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との接触面の変形量を検出し、検出された変形量をアナログ信号に変換し、その後、スマートパワーモジュールのピンを介してアナログ信号を出力することができる。スマートパワーモジュールは、収集されたアナログ信号をコントローラに出力し、コントローラによってアナログ信号が表す接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断する。
【0049】
スマートパワーモジュールは、そのピンを介してアナログ信号をコントローラへ出力し、アナログ信号の形態は電圧信号または電流信号であることができる。コントローラは、電圧信号または電流信号を収集して、電圧信号または電流信号をデジタル信号に変換して第1の接着度情報と第2の接着度情報を得て、すなわち、コントローラがスマートパワーモジュールの外付け放熱器との接触面の変形量を得る。
【0050】
すなわち、取得ユニットは、スマートパワーモジュールがピンを介して出力した、電圧信号または電流信号を含み第1の接着度情報と第2の接着度情報を表すアナログ信号を収集するように構成された収集モジュールと、アナログ信号をデジタル信号に変換して第1の接着度情報と第2の接着度情報を得るように構成された変換モジュールと、を含む。
【0051】
判断ユニット44は、前記第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ前記第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断するように構成される。
【0052】
接着度情報がスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が適切ではないことを指示すると、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度を調整する必要があるので、まず第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、第1の接着度情報が所定の条件を満たす場合に、第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断することが好ましい。すなわち、第1の接着度情報が条件を満たさない場合、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との固定点近くの接着度を調整し、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との固定点近くの接着度が所定の条件を条件を満たした後、固定点間の接着度が所定の条件を満たすように、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度を調整する。
【0053】
第1の出力ユニット46は、前記第1の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、第1の提示情報を出力するように構成され、ここで、前記第1の提示情報は前記固定点周辺の接着度を調整することを提示する。
【0054】
第2の出力ユニット48は、前記第2の接着度情報が前記所定の条件を満たさない場合、第2の提示情報を出力するように構成され、ここで、前記第2の提示情報は非固定点周辺の接着度を調整することを提示する。
【0055】
第1の接着度情報と第2の接着度情報は数値で表されることができ、所定の条件は閾値であってもよい。所定の条件は緩すぎ閾値と締めすぎ閾値を含むこともできる。第1の接着度情報が締めすぎ閾値を超えると、締めすぎ警告提示を出力し、第1の接着度情報が緩すぎ閾値未満であると、接着緩すぎの警告提示を出力する。第1の接着度情報が所定の条件を満たす場合、第2の接着度情報が緩すぎ閾値と締めすぎ閾値との間であると、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着度が適切であると決定し、第2の接着度情報が緩すぎ閾値と締めすぎ閾値との間ではないと、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間で接着度の調整が必要であると提示する。すなわち、決定モジュールは、第1の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断し、且つ第2の接着度情報が所定の条件を満たすか否かを判断した後、第1の接着度情報が所定の条件を満たし、且つ第2の接着度情報が所定の条件を満たすと判断された場合、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が正常であると決定するように構成される。
【0056】
本実施例において、スマートパワーモジュールに内蔵された応力測定用のセンサーを介してスマートパワーモジュールの外付け放熱器との間の接触面の変形量を測定することで、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が適切であるか否かを決定し、適切ではない場合に提示を出力してスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着を調整することで、既存技術におけるスマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着不良の課題を解決し、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との間の接着が良好である技術効果を実現する。
【0057】
本願の実施例によるとさらに記憶媒体を提供し、前記記憶媒体は記憶されたプログラムを含み、前記プログラムは、実行される時に上述したいずれかの実施例中のスマートパワーモジュールの制御方法を実現するように構成される。
【0058】
本願の実施例によるとさらにプロセッサを提供し、前記プロセッサは、実行される時に上述したいずれかの実施例中のスマートパワーモジュールの制御方法を実現するように構成されたプログラムを実行する。
【0059】
本願の上記実施例において、各実施例の説明は重要視するものがあって、ある実施例で詳しく説明していない部分については他の実施例の関連部分の説明を参照することができる。
【0060】
本願で提供したいくつかの実施例において、開示された技術内容を他の方式で実現できることは理解できることである。ここで、以上で説明した装置実施例は例示したものであって、例えば、上記ユニットの区画はロジック機能の区画であることができるが、実際に実現する時は他の区画方式であることもでき、例えば、複数のユニット又は部品を結合するか、又は他の一つのシステムに組み込むこともでき、又は一部の特徴を省略又は実行しないこともできる。そして、示した又は検討した相互結合又は直接結合又は通信接続はインターフェース、ユニット又はモジュールを介した間接的な結合又は通信接続であることができ、電気的又は他の形態のものであることもできる。
【0061】
上述した分離部品として説明したユニットは物理的に分離したものであることができれば物理的に分離していないものであることもでき、ユニットとして表す部品は物理ユニットであることができれば物理ユニットではないこともでき、つまり、一つの箇所に位置することができれば、複数のユニットに分布されることもできる。実際の需要に応じて、その中の一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術案を実現する目的を実現することができる。
【0062】
そして、本願の各実施例中の各機能ユニットを一つの処理ユニットに組み込むことができ、各ユニットが物理的に独立したものであることもでき、二つ又はその以上のユニットを一つのユニットに組み込むこともできる。上記組み込まれたユニットをハードウェアの形態で実現でき、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現することもできる。
【0063】
上記組み込まれたユニットをソフトウェア機能ユニットの形態で実現して独立製品として販売したり使用する場合、コンピューターにより読取可能な記憶媒体に記憶することができる。従って、本願の技術案の実質又は既存技術に対する貢献のある部分又は該技術案の全部又は一部をソフトウェア製品の形態で実現することができ、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー又はネットワーク機器等であることができる)に本願の各実施例で説明した方法の全部又は一部のステップを実行させるいくつかの命令を含む該コンピューターソフトウェア製品を一つの記憶媒体に記憶することができる。上述した記憶媒体には、USBメモリー、読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又はCD等のプログラムコードを記憶できる各種の媒体が含まれる。
【0064】
以上は、本願の好適な実施形態に過ぎず、当業者は本願の旨を離脱せずに若干の改善や修正を行うことができ、このような改善や修正は本願の保護範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
上述したように、本発明の実施例において提供するスマートパワーモジュールの制御方法、装置、記憶媒体とプロセッサによると、スマートパワーモジュールと外付け放熱器との接着不良を検出できない課題を解決できる有益な技術効果を実現できる。