(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】移動サービス車を共同で使用するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20220405BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220405BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020523304
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(86)【国際出願番号】 EP2018073152
(87)【国際公開番号】W WO2019081096
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】102017219347.6
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】596107062
【氏名又は名称】フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所原語表記】Berliner Ring 2, 38440 Wolfsburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ヘーフリヒ
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー レメラー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヴェーヒンガー
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-225756(JP,A)
【文献】米国特許第07198314(US,B1)
【文献】特開2003-335169(JP,A)
【文献】特開平09-183334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を用いて、車両台車(10)と、サービス固有に装備されているキャビン(1)(以降で「CAB(1)」と称される)と、から一時的に組み立てられる、移動中にサービス(D1-D8)を提供する移動サービス車(20)を共同で使用するための方法であって、前記方法は、
・
前記装置の評価ユニット(7)により、前記移動中に前記サービス(D1-D8)を購入する第1の顧客(12)のニーズを突きとめるステップ(100)と、
・
前記評価ユニット(7)により、前記移動中に前記サービス(D1-D8)を購入する第2の顧客(15)のニーズを突きとめるステップ(200)と、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)における共同移動に同意していることを自動的に突きとめるステップ(300)と、前記同意に応じて、
・
前記評価ユニット(7)により、前記移動サービス車(20)の上で前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)を少なくとも一時的に共同で使用する、前記移動サービス車(20)のルートを自動的に突きとめるステップ(700)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)における前記サービス(D1-D8)の共同購入に同意していることを自動的に突きとめるステップ(500)を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記サービス(D1-D8)が「前記CAB(1)の共同使用中の提供に適している」として分類されているカテゴリーに属していることを自動的に突きとめるステップを含む、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが、前記移動中に前記サービス(D1-D8)を提供するのに十分な長さの共通区間(B-C)によって結合されるべき各出発地(A,B)と各目的地(C,D)とを各問い合わせにおいて事前に規定していることを自動的に突きとめるステップ(600)を含む、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)における前記共同移動に同意していることを突きとめるステップは、
・前記第1の顧客(12)に関する詳細を表す第1のデータセットを前記第2の顧客(15)に送信するステップと、前記第2の顧客(15)に関する詳細を表す第2のデータセットを前記第1の顧客(12)に送信するステップと、を含む、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第2の顧客(15)によって事前構成された第3のデータセットを読み出すステップと、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1のデータセットと前記第3のデータセットとを比較するステップと、結果に応じて、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第2の顧客(15)が前記移動サービス車(20)における前記共同移動に同意していることを自動的に突きとめるステップと、
を含む、および/または、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)によって事前構成された第4のデータセットを読み出すステップと、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第2のデータセットと前記第4のデータセットとを比較するステップと、結果に応じて、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)が前記移動サービス車(20)における前記共同移動に同意していることを自動的に突きとめるステップと、
を含む、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第1の顧客(12)によって購入されるべき、前記サービス(D1-D8)に属する第1のサブサービスが、前記第2の顧客(15)によって購入されるべき、前記サービス(D1-D8)に属する第2のサブサービスに対して同時かつ/または時間的にずらして提供されるべきであることを突きとめるステップを含む、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
・
前記評価ユニット(7)により、前記移動サービス車(20)がすでに前記第2の顧客(15)によって占有されていることを自動的に突きとめるステップと、これに応じて、
・
前記評価ユニット(7)により、前記第2の顧客(15)が前記移動サービス車(20)における前記共同移動に同意しているか否かを自動的に照会するステップと、
を含む、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記移動サービス車(20)がすでに前記第2の顧客(15)によって占有されていることを突きとめるステップは、前記第2の顧客(15)が前記サービス(D1-D8)を前記第1の顧客(12)に対して同時に購入することを望んでいることを突きとめるステップを含む、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記移動サービス車(20)がすでに前記第2の顧客(15)によって占有されていることを突きとめるステップは、前記第2の顧客(15)が前記サービス(D1-D8)の購入を前記第1の顧客(12)が乗り込む前に終えるだろうことを突きとめるステップを含む、
請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記移動サービス車(20)がすでに前記第2の顧客(15)によって占有されていることを突きとめるステップは、前記第2の顧客(15)が前記サービス(D1-D8)を要求していることをセンサによって突きとめるステップを含む、
請求項8、9または10記載の方法。
【請求項12】
車両台車(10)と、サービス固有に装備されている、以降で「CAB(1)」と称されるキャビン(1)と、から一時的に組み立てられる、移動中にサービス(D1-D8)を提供する移動サービス車(20)を共同で使用するための装置であって、前記装置は、
・データ入力部(8)と、
・評価ユニット(7)と、
を含み、前記装置は、
・前記移動中に前記サービス(D1-D8)を購入する第1の顧客(12)のニーズを突きとめ、
・前記移動中に前記サービス(D1-D8)を購入する第2の顧客(15)のニーズを突きとめ、
・前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)における共同移動に同意していることを自動的に突きとめ、前記同意に応じて、
・前記移動サービス車(20)の上で前記第1の顧客(12)と前記第2の顧客(15)とが前記移動サービス車(20)を少なくとも一時的に共同で使用する、前記移動サービス車(20)のルートを自動的に突きとめる、
ように構成されている装置。
【請求項13】
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
請求項12または13記載の装置の評価ユニット(7)上で実行されると、前記評価ユニット(7)に、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法のステップを実施させる命令を含んでいるコンピュータプログラ
ム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両台車と、車両台車に接続されている、サービス固有に装備されているキャビン(CAB)と、から一時的に組み立てられる、移動中にサービスを提供するための移動サービス車を共同で使用するための装置、コンピュータプログラム製品、信号シーケンスならびに方法に関する。特に、本発明は、利用可能な移動サービス車の改善された稼働率および潜在的な顧客に対する移動サービス車の改善された可用性に関する。
【背景技術】
【0002】
自家移動のさらなる開発は現在急速に進んでいる。一方では、共同で使用される移動手段(カーシェアリング、プール車両等)が一層強く求められ、より専門的に提供される。他方では、個人の自家移動の自動化も一層急速に進んでおり、相応する車両の乗員は他の方法で、旅の時間を利用することができる。
【0003】
これに対して、サービスは通常、今日まで、固定設備(「店舗」等)において提供されている。固定されたサービスの提供者はこれまで、高価な一等地でしか高い売上を達成することができない、拡大および縮小が困難である、賃貸契約によって場所に長期的に拘束されてしまう、投資コストおよび起業リスクが高いという問題に直面してきた。
【0004】
サービスを享受することを望むエンドカスタマーは、往々にして、固定サービスに対する長い移動経路と高いコストとを受け入れなくてはならない。したがって、エンドカスタマーは職場までの移動時間だけではなく、付加的に、各サービス提供者(レストラン、弁護士、官庁等)への時間を車両内で過ごす。ドイツ人は現在、1日約60分を車で過ごしている。さらに、多くの高齢者はもはや運転することができない。自動運転によってこれは再び可能になる。
【0005】
サービスが顧客に提供されるアプローチも部門固有に知られている。例えば、理美容サービスは自宅で提供される、または移動式小売商(「卵販売人」)は住宅地にステーションを設け、そこで商品を販売する。
【0006】
乗客に対するサービスの提供は、個別にはすでに知られている。例えば、美食サービスが遠距離交通の列車において利用されることがある、または視聴覚コンテンツ(「オンボードシネマ」)が利用される。
【0007】
独国実用新案第202015106556号明細書は、駆動ユニット、エネルギー蓄積ユニットおよび/またはこれに属する電子機器を含む、モジュラー構造様式における異なるサービス業務実績を移動式に提供するための移動可能な装置を開示している。例えば、タップモジュール、冷却モジュール、氷モジュール、またはウェット区間を含み得る交換可能なサービスモジュールは、対応する固定点を介してシャシーと可逆的に接続されている。
【0008】
UBERは現在、自転車宅配を利用して、車両に直接的に食事を配達している。したがって、少なくとも美食サービスの結果を、最小の追加コストで、従来の車両において楽しむことができる。これに対して車両自体はサービス固有に設計されていない。さらに、サービスは車内では提供されず、料理が渡されることによって、車両のドアで終了する。
【0009】
www.luxurymobilebarbershop.comが提供する移動式理美容院では、顧客がサービスの場所(例えば空港の駐車場)を定め、そこでサービスを提供するために、ドライバーが移動式理美容院を定められた目的地まで運転する。
【0010】
移動手段において提供されるサービスは、特に高級品分野ですでに今日、オンデマンドサービスを提供している。これらは、エンドユーザーに場所の独立性、時間の節約および独占性を提供するが、通常、多くの顧客にとっては価格が高すぎる。移動手段において提供されるサービスは今日、投資コストが高く、稼働率が不十分なため、主に高級品分野において見られる。この理由は、改築のために車両を購入する必要があること、改築には多くの手作業が必要であること、使用できる標準的な構成部分が少ないこと、サービス提供者が顧客間を長距離移動しなければならないこと、最終的に運用管理(支払い、予約、税金)を自立して引き受ける必要があるということである。さらに、移動手段の大幅な修正には常に、コストのかかる、所轄機関の個別の承認が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来技術に基づき、本発明の課題は、利用可能な移動サービス車の稼働率を高めることである。本発明の別の課題は、潜在的な顧客に対する移動サービス車の可用性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題は、本発明に相応に、独立請求項に記載されている構成要件によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な発展形態を示している。
【0013】
本発明は、移動客の消費性向が、同じ人物がサービスを消費するために自由な時間を費やさなければならない場合と比べて、基本的に高いという基本的な考えに基づいている。
【0014】
移動中のサービスの消費をサービス提供者および顧客の要件により良く適合させるために、本発明は、例えば、シャシー、駆動ユニット等の自動運転に必要なすべての技術的なユニットを備える車両プラットフォームを提供するという概念に基づいている。これらは必要に応じて、移動中のサービス提供に合わせてアレンジされた乗客室に接続可能である。本開示では、乗客室は「CAB」と称され、「CAB」は「キャビン(「Kabine」英語で「Cabin」)」を表す。
【0015】
言い換えると、CABは特定のサービスまたはサービスグループに適合した車両構造であり、これはサービスを提供するために必要な機器を収容する、および動かすためのすべてのインターフェースを備えている。
【0016】
したがって、CABは、事前に規定されたインターフェースを介して車両プラットフォーム/車両台車に接続することができる機械的なユニットとして理解できる。インターフェースは、CABと車両台車との間の機械的に可逆的だが信頼できる接続を保証する。CABと車両台車との間のエネルギー伝送、特に電気エネルギー伝送のために、さらなるインターフェースが設けられていてよい。これらのインターフェースも、可逆的に設計されている。特に、他の動作手段(流体)、機械的なエネルギー伝送手段、例えばシャフト、歯車等は、車両台車からCABへの機械的なエネルギー伝送ならびに個々のCABと車両台車ならびにその構成部分との間の無線接続および/またはデータ技術的なリンクのために設けられていてよい。車両台車とCABとの間のすべての情報技術的なリンクのために、例えば電気的な線路および/または光学的な線路、特にバスシステムが、インターフェースとして使用できる。
【0017】
車両台車とCABとから構成されるモバイルユニット(「移動サービス車」とも称される)の、費用対効果が高く、迅速かつ誤りの発生しにくい構造を可能にするために、CABと車両台車との間のすべてのインターフェースを実質的に同じ方向に相互に対応して配置することができる。言い換えると、CABは第1の方向において機械的に車両台車と係合させられており、ここで例えばレールが、CABと車両台車との間の形状接続のために用いられる。車両台車とCABとの間のエネルギー接続のために同じ方向が提供されていてよい。特に、車両台車とCABとの間の正しい機械接続が、車両台車とCABとの正しいエネルギー接続を自動的にもたらすことが保証されてよい。相応のことが、動作手段伝達のためのインターフェースに対して当てはまる。CABと車両台車との間でデータも(例えば双方向に)交換されるべき場合、例えば線路仲介インターフェースが相応に配置されていてよく、車両台車とCABとの間の接続の際に、これが自動的に閉じられてよい。しかし、これは、車両台車とCABとの間のデータのワイヤレス伝送を排除するものではなく、このために同様にインターフェースが設けられていてよい。少なくとも、複数のインターフェース、特に同じ性質の標準化されたインターフェースが、空間的にまとめられていてよく、かつ可逆的に、しかし不所望の緩みが生じないように、車両台車/CABの対応する位置に配置されていてよい。
【0018】
上述した標準化によって、移動中にサービスを提供するために必要な境界条件が実現され、大幅なコスト削減とこれまで達成されなかった、車両の個別化程度とが得られる。CABはサービス提供者に、事前に規定されたフレームを提供し、これによってそのサービスを確実かつユーザーフレンドリーに提供することができ、車両台車は、特に自動走行可能な車両台車の場合に、効率的、快適、迅速かつ時間を節約する移動を提供する。これによって、旅の間の高齢者または運転できない状態の人ならびに子どもに個別のサービスが提供される。
【0019】
車両台車とCABとから成る上述した概念は、道中での個別化されたサービスの提供を可能にする。ここで上述した概念は、デジタル仲介プラットフォーム(サーバー)に関連して潜在的な顧客が利用できる物理的なプラットフォームを表す。ここで開示されている技術は、プラットフォームエコシステムにおける個々のコンポーネントと動作者との相互作用を記述する。自動運転もしくはタクシー走行によって生じる自由時間を最大限活用して収益化することができる。
【0020】
さまざまな動作者の問題がこのプラットフォームエコシステムにおいて解決される。ここで(移動中にサービスを利用する)エンドカスタマーと、(弁護士等の移動中にサービスを提供する)サービス提供者と、(車両の装備のためのモジュールを提供する)マイクロサービス提供者と、が区別されるべきである。モジュールは物理的である必要はなく、もしくはCABの具象的な内部装置に関連している必要はなく、ソフトウェアモジュール、例えばディスプレイ上のレストランメニューの表示であってもよい。
【0021】
車両台車とCABとから構成される移動サービス車の仲介は、例えば、顧客/サービス提供者によって使用される(モバイル)ワイヤレス通信端末(「ユーザー端末」)に接続されたサーバーを介して行われ得る。アプリケーションはここでは、エンドカスタマーへのインターフェースを表す。エンドカスタマーは、アプリケーションを介してモバイルオンデマンドサービスを予約する。このためにエンドユーザーは、移動中に提供されるサービスの開始点、目的地、開始時刻および種類を規定する。エンドカスタマーは、アプリケーションを介して他のタスクを実行することができる。これは例えば、問い合わせの送信、検索結果の確認、移動サービス車/サービスの予約、評価の提示ならびに予約したもしくは購入したサービスの支払いである。
【0022】
サービス提供者は自身のプロファイルをデジタルに用意することができ、エンドユーザーはこれを用いて、提供されるサービスや顧客の意見等に関する情報を得ることができる。エンドユーザーがサービスを購入することを決定すると、エンドユーザーの問い合わせが移動サービス提供者のユーザー端末またはその車両に表示される。サービス提供者は、問い合わせを受け入れることができ、これによって、組み合わされた輸送契約/サービス契約が成立する。
【0023】
本開示の範囲内で提供することができるサービスを、例えば、以下の特徴/カテゴリーに分けることができる。
・サービスは、有人または無人で提供可能である(例えば理美容師に対してマルチメディアの提供)
・個別化されたCABまたは大量生産されたCAB(例えば一般的なレストランに対して体系的な美食に関する設計)
【0024】
要約すると、本技術の基礎となっている車両アーキテクチャは少なくとも2つの具象的なコンポーネントを含んでいる。すなわち、移動に必要なコンポーネントが「車両台車」と称され、ここでは自動運転に対する技術が存在していてよい。さらに、サービスの提供に必要な特定の装置を収容する、および動かすためにすべてのインターフェースを提供する車両構造(CAB)が使用される。上述したコンポーネントから構成される車両/移動手段は、「移動サービス車」とも称される。それらは、アプリケーションによって個別化されたスマートフォンプラットフォームのように、自身の機能範囲が多様であるため、「ホイール上の物理的なアプリケーション」と称されてもよい。
【0025】
上述した技術に基づいて、上述した課題は、車両台車と、車両台車に接続されている、サービス固有に装備されているキャビン(CAB)と、から一時的に組み立てられる、移動中にサービスを提供する移動サービス車を共同で使用するための方法によって解決される。第1のステップでは、移動中にサービスを購入する顧客のニーズが突きとめられる。例えば、顧客は問い合わせを開始することができる。択一的または付加的に、サービスを購入する自動的なニーズが、センサによって突きとめられてよい。このために、センサデータを事前に規定された基準と比較することができる。択一的または付加的に、顧客の個人的なカレンダーおよびそこに含まれている記入を評価して、記入に基づいて、かつ/または顧客のサービス履歴に関連して、将来のニーズを突きとめることができる。択一的または付加的に、顧客のタスクリストを使用して、サービスを購入するニーズを突きとめることができる。本発明では、CABにおいて提供されるサービスの範囲の少なくとも一部は、顧客に必要とされていてよい。例えば、理美容サービスを提供するCABにおいて、洗髪を伴わないヘアカット、カットを伴わない洗髪、単なる、雨に濡れた髪のブロー乾燥等が購入され得る。この際に、CABのサービス範囲の他の分野は要求されるべきではない。相応する方法で、移動中に同じサービスを購入する第2の顧客のニーズも突きとめられる。この関連において、同じサービスとは、同じサービス範囲もしくは同じCABを意味する。言い換えると、第2の顧客が、類似または同一のCABを必要としていることが突きとめられる。サービスを購入する第2の顧客のニーズを、相応する方法で突きとめることができ、ここでは当然、各ニーズを突きとめるためにそれぞれ同一のステップは不要である。すなわち、結果的に、第1の顧客と第2の顧客との両方が同一のCABにおいてサービスを購入することに関心を有している。次に、第1の顧客と第2の顧客とがCABもしくはCABを含んでいる移動サービス車における共同移動に同意していることが自動的に突きとめられる。このために、例えば、各同意表明を評価することができ、2つの一致した同意表明の場合に、共通の同意/コンセンサスを突きとめることができる。これに応じて、その上で第1の顧客および第2の顧客が少なくとも一時的に移動サービス車を共同で使用する、移動サービス車のルートが自動的に突きとめられる。例えば、第1の顧客および第2の顧客は、同じCABにおいて共通のルート区間で移動することができる、かつ/または移動サービス車のサービス範囲から各サービスを購入することができる。ルートを自動的に突きとめることは、両方の顧客が移動サービス車/CABにいる間に、第1の顧客および/または第2の顧客によって購入されるべきサービスが購入されることを考慮に入れることができる。したがって、少なくとも、両方の顧客がCABにいる間、少なくとも部分的に、有利には完全にサービスを提供できるような長さで、ルート区間がともに進まれてよい。特に、両方の顧客が同時にサービスを享受することができ、また両方の顧客が共通のルートで、移動サービス車によって、彼らの各旅の目的地に近づくことができる。このようにして、本発明に相応に使用される移動サービス車の稼働率を高めることができ、本発明の移動サービス車のエンドカスタマーに対する可用性を改善することができる。本発明に相応に提案された方法の経済性およびユーザーの受け入れは、移動サービス車の上述した基本的な概念にプラスの影響を与える。
【0026】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態を示している。
【0027】
特に、第1の顧客および第2の顧客に対する共同移動ルート/共同移動ルート区間が比較的短いことが判明した場合には、2人の顧客が移動サービス車におけるサービスの共同購入に同意していることが自動的に突きとめられてよい。言い換えれば、顧客は、移動サービス車において各サービスまたは同一のサービスを同時に得ることへの同意を表明することができる。自由選択的に、これは、2人の顧客が「同じ手からの」もしくは同じサービススタッフによるサービスの購入に同意していることが突きとめられることも意味し得る。特に、移動サービス車が走行を開始する前にすでにこのことが突きとめられている場合、ルート計算を、サービスの同時購入への顧客の同意に基づいて行うことができ、複数の顧客によるサービスの利用によって、共同移動されるべき比較的短いルート区間も、あらゆる点で、(経済的に)魅力的になり得る。
【0028】
さらに有利には、サービスが「CABの共同使用中の提供に適している」と分類されているカテゴリーに属していることを自動的に突きとめることができる。これは、CABもしくはサービスが、懸念がないと分類される、またはむしろ「相乗的」と分類されることを意味する。サービスを共同で購入する際の相乗効果は、例えばいわゆる「ゲーミングCAB」の場合に生じる。ここでは、顧客/乗客はともにプレイする、または対立してプレイすることができ、個人的な近さにより、さらに真のゲームの楽しみを体験することができる。トレーニングまたはコンサルティングサービスの場合にも相乗効果が生まれることがある。なぜならトレーニングマネージャー/コンサルタントが2人の顧客に同時に教えることができるからである。相乗効果によって、収益の増加および/または顧客あたりの最終価格の低下が生じ得る。「CABの共同使用中の提供に適していない」と分類されるサービスの例は、例えば検診である。なぜなら、アナムネーゼ、診断および/または治療の間、2人の乗客が一緒に存在することによって、医療的な守秘義務の違反がほとんど自動的に発生してしまうからである。したがって、このようなCABは、例えば、サービスが提供されている間の共同移動に対して、「基本的に利用できない」として事前に規定されていてよい。さらに、デジタルの構造手法があり、これにしたがって、各ユーザーが、各サービスを、自身で、移動の共同使用中の購入に適しているもしくは適していないとして表明することができる。相応する構造/事前設定を、法的規制に応じて、かつ/または職業法の状況に応じて、まとめて調整することもできる。少なくとも、関与する当該官庁が当のCABを他の乗客と分け合うことを望まない/分け合うことを禁止するケースでは、共同移動/移動中のサービスの共同購入のための境界条件の、場合によっては生じる交渉のためのさらなるシグナリングコストは余計である。
【0029】
顧客は、輸送サービスの問い合わせの範囲において、サービスを購入する各ニーズを表明することができる。このような範囲において、顧客は各出発地と各目的地とを示していてよい/事前に規定していてよい。共同移動する区間がサービスの共同購入に対して(空間的または時間的に)十分に長い場合にのみ、本発明にしたがって、移動サービス車の相応するルートが自動的に突きとめられてよく、それ以外の場合には退けられる。しかし、上述した考察は最終的に、2人の顧客が同じ出発地および/または同じ目的地を選択することを排除するものではない。例えば、見本市センターが、同じまたは異なるホテルに連れて行かれることを望む2人の顧客の共通の出発地であってよい。これに相応して、2人の異なる顧客のための見本市センターへの移動を、同じホテルまたは異なる住所において開始することができる。
【0030】
CABの種類もしくは車内で購入されるサービス体系/サービスに応じて、個々の顧客がCABを共同使用する意志が、潜在的な乗り合わせ者の状況および特性に関連していてよい。例えば、年齢、性別、職業、喫煙者/非喫煙者または最低評価(質/評価の数)が、個々の顧客にとって重要な判断基準であってよく、これに基づいて、顧客はCABの共同使用の意志を表明するまたは表明しない。これ相応して、第1の顧客に関する相応する詳細を含む第1のデータセットを第2の顧客に送信することができる。このデータセットは、第1の顧客のアプリケーションにおいて扱うことができる、かつ/またはサーバーで管理することができる。さらに、データセットを、ユーザーが扱うファイルとサーバー上で管理されるファイルとから組み立てることができる。例えば、ユーザーは個人的なデータを用意することができ、これは、サーバー上で、第1の顧客の現在の評価によって補足され、その後、ともに第2の顧客に送信される。相応のことが逆の場合にも当てはまり、ここでは第2の顧客に関する詳細が第2のデータセットにおいて、第1の顧客に送信される。各データセットは、それを受け取った顧客が確認することができ、判断の基礎として使用されてよい。さらに、同意の表明に対する明示的な問い合わせがデータセット内に含まれていてよい。さらに、各顧客は、データセットが他の顧客に送信される前に、データセットから、場合によって生じる詳細を削除することができる。このようにして、CABにおいて共同移動するための各同意を表明するための改善された基礎が作成される。
【0031】
顧客の詳細/データセットの相互評価を、以降で第3もしくは第4のデータセットと称される事前構成されたデータセットによって、特に便利に、効率的かつ予測可能に行うことができる。ここに、第1の顧客もしくは第2の顧客は、第1もしくは第2のデータセットへの要求を託していてよく、それを満たした際に、自動的に、第1もしくは第2のデータセットによって特徴付けられた顧客への自身の同意が表明される。同意が、共同活動/共同サービス消費の種類および様式に関しても、第3/第4のデータセットに異なって託されていてよい。例えば、顧客は、共通のサービス購入が行われていない限り、一緒に移動する顧客のプロパティおよび状況への比較的低い要求を規定することができる。これに対して顧客は、場合によってはより親密であると感じる共同サービス購入の状況に対して、好ましい乗り合わせ者プロファイルへの比較的高い要求を規定することができる。このようにして、移動サービス車における共同移動への各同意を突きとめるために、包括的な照合を迅速かつ効率的に行うことができる。
【0032】
有利には、第1の顧客と第2の顧客とが移動サービス車における共同移動へ同意していることを自動的に突きとめることは、サービス構成部分間の衝突もしくは相乗効果も考慮に入れることができる。このために有利には自動的に、CABのサービス範囲の、第1の顧客によって購入されるべきサブサービス(例えば、サブサービスにヘアカットのみが含まれ、洗髪が含まれない理美容サービス)が、第2の顧客によって購入されるべき、このサービスに同様に属する第2のサブサービスに対して同時に提供されることが突きとめられる。これは、例えば、各サブサービスの持続時間および/または共同移動されるルートの長さから生じる可能性がある。相乗効果は、例えば(上述したように)コンサルティング関連/トレーニング関連、ゲーミング関連において生じる。しかし相応する方法で、(状況に応じては常に)同時に提供可能ではない、同時に提供されるべきではない、または同時に提供されてはならないサブサービスに対して衝突がないことも検査されてよい。例えば、理美容院のCABにはドライヤーフードが1つしかないため、他方の顧客が髪を洗っている間、一方の顧客はドライヤーフードを使用することができるが、CABにサービススタッフが1人しか乗っていない場合、両方の顧客が同じサブサービスを購入することはできない。このような設計では、顧客が輸送/サービスの依頼に対する自身の問い合わせの範囲において、購入すべきサブサービスを指定し、移動サービス車の装備またはその他の状況に応じた自動的な照合が行われることが必要であり得る。
【0033】
特に、第1の顧客によって問い合わせされた移動サービス車が現在第2の顧客によって占有されている場合、第2の顧客が移動サービス車における共同移動に同意しているか否かについての照会が第2の顧客に自動的に出力されてよい。このような照会は、例えば、移動サービス車のハードウェアによって行われてよい。特に、第2の顧客が自身のモバイル通信機器に(例えば、サービスのために)アクセスすることができない場合、この照会はCAB/移動サービス車に向けられ、これによって相応する出力が(例えば、スピーカーおよび/またはディスプレイを用いて)第2の顧客に対して行われてよい。第2の顧客からの肯定的なフィードバックに応じてはじめて、必要に応じてルート計画が適合され、第1の顧客に対する輸送依頼が受け入れられる。相応する方法で、第2の顧客が、(自動的に)、時間的なまたは時間がずらされたサービス/サブサービスの購入への自身の同意の表明について問い合わせされてよい。
【0034】
移動サービス車がすでに第2の顧客によって占有されていることを突きとめることは、さらに第2の顧客がサービスを第1の顧客に対して同時に購入することを望んでいること、またはすでにサービスを購入していることを突きとめることを含んでいてよい。特に、第2の顧客が移動サービス車の車内でどのサービスを現在購入しているのかをセンサによって突きとめることができる。択一的または付加的に、第2の顧客によって将来購入されるサービスの範囲を例えば移動サービス車の問い合わせ時にすでに第2の顧客が規定することができる。このような知識に関連して、事前構成された各データセットを使用して、両方の顧客によるサービスの時間的な購入に関する、CABの共同利用への各同意を突きとめることができる。
【0035】
移動サービス車が第2の顧客によってすでに占有されていることが(例えば自動的に)突きとめられる場合、第2の顧客によって購入されるべきサービスがあとどのくらい続くのかをさらに調査することができる。例えば、第1の顧客が移動サービス車に乗り込む前にサービスの購入が終了するだろうことが自動的に突きとめられる場合は、サービスが第1の顧客が乗り込んだ後も第2の顧客によってまだ購入されること、またはまったく共同で/同時に、2人の顧客によってサービスが購入されることが突きとめられる場合よりも、それほど厳密に公式化されていないデータセットを使用して、共同移動への相互同意を自動的に突きとめることができる。このようにして、包括的な情報状況および詳細な状況を考慮することができ、これによって、共同で使用されるCABに対する最大限の顧客の受け入れが保証される。
【0036】
本発明の第2の態様では、車両台車とCABとから一時的に組み立てられる、移動中にサービスを提供する移動サービス車を共同で使用するための装置が提案される。この装置は、例えば、モバイル通信用のアンテナと結合されていてよいデータ入力部を含んでいる。データ入力部は、バス加入者、インターネットプロトコルを支配するクライアント等であり得る。付加的に、装置は評価ユニット(例えば、プログラミング可能なプロセッサ、電子制御機器、マイクロコントローラー等)を有している。評価ユニットおよびデータ入力部を用いて、装置は、移動中に、サービスもしくはCABにおいて提供されるサービスの範囲の少なくとも一部を購入する第1の顧客のニーズを突きとめるように構成されている。さらに、移動中に同じサービスを購入する第2の顧客の相応するニーズが突きとめられてよい。次に、両方の顧客が共同移動、特に移動サービス車における共同/同時のサービスの購入に同意していることが自動的に突きとめられる。これに応じて、その上で第1の顧客と第2の顧客とが移動サービス車を少なくとも一時的に共同で使用し、特に、それに対してCABが設計/構成されているサービスパケットを共同で、かつ/または同時に購入する、移動サービス車のルートが自動的に突きとめられる。このようにして、装置は、最初に述べた本発明の態様に相応するステップを実施するように構成されているので、特徴、特徴の組み合わせ、およびそこから生じる利点に関しては、繰り返しを回避するために、上記の説明が参照される。
【0037】
本発明の第3の態様では、データメモリとして設計されていてよく、その上に、プログラミング可能なプロセッサが、最初に述べた本発明の態様に相応する方法のステップを実施できるようにする命令が格納されているコンピュータプログラム製品が提案される。このコンピュータプログラム製品は、CD、DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAM/ROM、キャッシュ等として設計されていてよい。
【0038】
本発明の第4の態様では、プログラミング可能なプロセッサが、最初に述べた本発明の態様に相応するステップを実施できるようにする命令を表す信号シーケンスが提案される。このようにして、このために必要とされる記憶手段が添付の特許請求の範囲の有効範囲外にある場合には、命令の情報技術的な提供も保護される。
【0039】
以降では、添付図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明を実現するための移動サービス車を得るために、車両台車に関連して、本発明の範囲において使用することができるCABの実施例を示している基本図である。
【
図2】本発明の実現時の情報の流れを示すためのプラットフォームエコシステムの概略図である。
【
図3】本明細書に開示された技術の実施例に相応する車両台車、2つのCABおよびそれらの相互インターフェースの概略図である。
【
図4】本発明の方法の実施例を実行する際の2人のユーザー、移動サービス車ならびに本発明による装置の実施例の概略的な概要図である。
【
図5】本発明の方法の実施例のステップを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本明細書に開示されている技術の実施例に相応する移動サービス車の車両台車10の概略図を示している。車両台車にはここで、移動、特に自動的な移動に必要なすべての特徴を有している。車台、ドライブトレイン、エネルギー蓄積部、長手方向/横方向ガイドロジックおよび長手方向/横方向ガイド装置、外部照明等は例として挙げられているに過ぎない。本明細書に開示されている技術の範囲において、CAB(図示せず)が使用され、これによって、各サービスD1からD8を提供するために車両台車を特別に構成することができる。例えば、「日焼け」サービスを提供できるようにするために、CABの形態の照射装置および/またはタンニングマシンD1が車両台車10に接続されてよい。例えば、UV照射ユニットおよび/またはスプレータンニングが含まれていてよい。美食サービスD2を提供できるようにするために、レストランCABが車両台車10に接続されてよい。CABに設備を施すことによって、料理の準備および料理を食べることが可能になる。美容サービスもしくはネイルケアサービスD3は、例えば、CABが、特別な作業台、室内空気の迅速な交換のための排気設備、特に明るい照明装置(いわゆるスポットライト)を有していることを要求する場合がある。法律コンサルティングサービスD4を提供するために、相応に構成されているCAB内に、ライブラリーおよび/または少なくとも2つの座席設備が設けられていてよい。保険コンサルティングサービスもしくはファイナンスコンサルティングサービスD5に対して相応のことが当てはまる。ここでは特に、ビデオ会議ハードウェアと、グラフィックスおよびその他のプレゼンテーションコンテンツを表示するための大きいモニターと、が設けられていてよい。リハビリテーションサービスD6および医療サービスD7も、各CABを設計することによって、可能な限りサポート可能である。例えば、検査機器および/またはトレーニング機器は、相応するCABの構成部分であってよい。理美容サービスD8を提供できるようにするために、例えば理美容サロンにおいて髪を洗うのに通常設けられているような洗面台、ヘアドライヤーを動かすための230Vのプラグ、大きな鏡、および高さ調節可能な理髪椅子が設けられていてよい。上述したCABは、可逆的な機械的なインターフェースを介して、機械的に固定され、かつ耐衝突性に車両台車10に接続されてよい。車両台車10とCABとの間のエネルギーの流れおよび情報の流れを保証するために、
図3に関連して詳細に示された、可逆的なインターフェースが提案される。
【0042】
図2は、本明細書に開示されている技術を実現する際の情報の流れを示すためのプラットフォームエコシステムの概略図を示している。マイクロサービス提供者14は、移動サービス車のCAB1を個別化する。これは次に、各車両台車10に(一時的または永続的に)接続されて、準備される。移動サービス車の仲介は、サービス提供者13によって引き受けられ、サービス提供者13は、サーバー7および例えばワイヤレス通信ネットワークの無線塔8を介して、ユーザー12のニーズを突きとめ、基本的に利用可能な/提供されている移動サービス車と照合する。提供されている移動サービス車と関心のあるユーザー12とのできるだけ最良な組み合わせによって、モビリティサービスおよびCAB固有のサービスの準備に関する契約が個別に締結される。マイクロサービス提供者14は、エンドカスタマーに個々のサービスもしくはサービスパケットを提供することもでき、さらに、移動サービス車もしくはCABの動作を監視および確認することができ、またそれどころか、移動サービス車に乗って、有人移動サービス車における手動サービスを提供することができる。当然、サービス提供者14は、CAB1の製造業者/装備業者と同一である必要はない。この点で、CABの設計、作製およびエンドカスタマーにサービスを提供する際のCABの使用に対する、さまざまな状況が生じる。
【0043】
図3は、車両台車10と第1のCAB1または第2のCAB2との一時的な接続に対する基本的な斜視図を示している。対応して相互に装備されている、車両台車10上の機械的なインターフェース10aおよびCAB1、2における機械的なインターフェース1aは、CAB1、2と車両台車10との間の迅速かつ耐衝撃性の接続に寄与する。情報および/またはエネルギーがCAB1、2から車両台車10へと、またはその逆に交換されるべき場合、付加的な相互に対応するインターフェース1b、10bがCAB1、2および車両台車10に配置される。これらは同様に矢印Pの方向において相互に係合させられている。択一的または付加的に、CAB1、2と車両台車10との間のさらなるまたは択一的なインターフェースが、相応する様式で互いに係合させられていてよい。例えば、加熱出力/冷却出力、水力エネルギー、圧縮空気等を、CAB1、2と車両台車10との間で交換することができる。情報技術を用いてインターフェースが監視されてよく、各インターフェースが適切に接触接続されている場合にはじめて、特にインターフェースが相応にロックされてはじめて、移動サービス車の使用/走行が可能になる。また、車両台車10の図示された機械的なインターフェース10aは、CAB1、2のインターフェース1aとして例示的に示されているTプロファイルと係合させることができるUプロファイルもしくはレールプロファイルによって設計されているが、場合によっては、図示された矢印Pの方向とは異なる方向で互いに係合させられる他の機械的なインターフェースが可能であることが自明である。しかしCAB1、2を適切な高さでジャッキアップして保管できる場合、車両台車10を図示されているようにCAB2の下に自動的に移動させることができる。ここではインターフェース1b、1a、10b、10aは、手間のかかる吊り上げ装置等を必要とすることなく、互いに係合させられる。場合によっては、車両台車10のエアサスペンションを使用して、わずかな高さ整合を行うことができる。本明細書に開示されている技術の範囲では、CABは必ずしもサービス固有の内部装置を備えた乗客室として理解される必要はないが、これは本明細書に開示されている技術の適切な設計を表している。択一的に、本明細書に開示されている技術の主旨では、CABは、(車両台車10と一体的に製造される)乗客室の一時的な構成部分のみを表し得る。このような設計では、
図3に示されたインターフェース(または他の適切なインターフェース)が、CABと乗客室との間に配置されていてよい。インターフェースは、例えば、CABならびに乗客室の屋根および/または側壁および/または床に配置されていてよい。
【0044】
図4は、車両台車10と、理美容サービスを提供するように構成されている、サービス固有に設計されているCAP1と、から一時的に組み立てられる移動サービス車20を示している。第1の顧客12が自身のスマートフォン16用いて、さらに第2の顧客15が自身のスマートフォン16を用いて、各目的地CもしくはDに到達すること、さらに移動中に理美容サービスを購入することも望んでいるという事実に基づいて、データ入力部としての無線塔8および評価ユニットとしてのサーバー7を含んでいる本発明の装置の実施例は、図示されたルートを計算した。これによって、移動サービス車20は、第2の顧客15の滞在地Aに移動し、そこで第2の顧客が乗り込み、第2の顧客は、第1の顧客12の滞在地Bへの移動中に、洗髪およびカットを受ける。第1の顧客12の滞在地Bにおいて、第2の顧客15はドライヤーフードの下に座らされる。また、理美容師は第2の顧客15が移動サービス車20の目的地Cで降りるまで、第1の顧客12の洗髪およびカットに専念することができる。ここで、第1の顧客12も、自身の目的地Dに到着するまで髪を乾かしてもらうことができる。共同移動区間B-Cが本発明の様式にしたがって、両方の顧客12、15によって受け入れられるように協議されていることによって、本発明に相応に、CAB1の稼働率を高めることができる。このようなプロセスに対して、
図5に関連して、本発明の方法の実施例を提示する。
【0045】
図5は、車両台車と、車両台車に接続されている、サービス固有に装備されているCABと、から一時的に組み立てられる、移動中にサービスを提供する移動サービス車を共同で使用するための本発明の方法の実施例のステップを示している。ステップ100において、移動中にサービスを購入する第1の顧客のニーズが突きとめられる。ステップ200において、相応のことが第2の顧客および同じサービスに関して行われる。ステップ300において、第1の顧客と第2の顧客とが共同移動に同意していることが自動的に突きとめられ、ステップ400においてさらに、第1の顧客と第2の顧客とが、移動サービス車における共同および/または同時のサービス購入にも同意していることが突きとめられる。このために、ステップ500において、第1の顧客に関する詳細を表す第1のデータセットが第2の顧客に送信され、第2の顧客に関する詳細を表す第2のデータセットが第1の顧客に送信される。これらの詳細は、年齢、婚姻状況、職業、性別、喫煙者/非喫煙者、写真、サービス提供者/他の顧客による最低評価等の特性もしくは状況を規定することができる。照合が首尾よく行われ、これによって移動サービス車の共同使用に関する相互同意が保障された後、ステップ600において、第1の顧客と第2の顧客とが各問い合わせにおいて各出発地と各目的地とを事前に規定していることが自動的に突きとめられる。これらは移動中にサービスを提供するのに十分な長さの共通区間によって結合される。言い換えると、CABを分け合う意志にしたがって、既知のアルゴリズムおよび情報によって、合理的に共同移動する区間上で、実際にもCABを共同で使用するという状況が付加的に生じる。最後に、ステップ700において、その上で第1の顧客と第2の顧客とが移動サービス車を少なくとも一時的に共同で使用する移動サービス車のルートが自動的に突きとめられる。言い換えれば、このルートは、第2の顧客が移動サービス車に乗り込む第1の開始点を規定し、第1の顧客が移動サービス車に乗り込む第2の開始点を規定し、2人の顧客の一方が移動サービス車を再び離れる中間目的地までの、2人の顧客が共同移動する区間を突きとめ、他方の顧客も移動サービス車を離れる目的地を突きとめる。ルートを(従来技術において通常であり、既知であるように)、相応するニーズがある場合には、変化する交通状況および他の状況に動的に適合させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 第1のCAB
1a CABの機械的なインターフェース
1b CABの情報技術的/エネルギー的なインターフェース
2 第2のCAB
7 サーバー
8 無線塔
10 車両台車
10a 車両台車の機械的なインターフェース
10b 車両台車のエネルギー的/情報技術的なインターフェース
12 ユーザー
13 サービス提供者
14 マイクロサービス提供者
15 第2のユーザー
16 スマートフォン
20 移動サービス車
100-700 ステップ
A、B 出発地/滞在地
C、D 目的地
D1-D8 サービス
P 矢印