(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】被検者の参照頭位を特定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 3/113 20060101AFI20220405BHJP
G02C 13/00 20060101ALI20220405BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20220405BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61B3/113
G02C13/00
A61B5/107 300
G01B11/26 H
(21)【出願番号】P 2020530491
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(86)【国際出願番号】 EP2018083380
(87)【国際公開番号】W WO2019110527
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-01-04
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジル・ル・ソー
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0182521(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0198822(US,A1)
【文献】特開昭55-133016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0102905(US,A1)
【文献】特表2010-524011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00- 3/18
A61B 5/06- 5/22
G01B11/00-11/30
G02C 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の参照頭位を特定する方法において、
a)
画像撮影手段により、前記被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置
の少なくとも1つの画像を、本人が自分の頭部を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて上下に移動させる間に
撮影するステップであって、前記被検者は
、前記被検者が自分の頭部
を動かす間に自分の注視線を前記所定の方向に向け続けるようなステップと、
b)
画像処理手段により前記少なくとも1つの画像を分析することによって、ステップa)にお
いて前記被検者が自分の頭部
を動かす間に、前記参照頭位を、前記被検者の前記少なくとも一方の瞼の前記動き又は前記位置に応じて特定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
ステップb)で、前記被検者の前記少なくとも一方の瞼は本人の上瞼である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記参照頭位は、ステップb)で、前記被検者の前記頭部が上に移動
する間に前記少なくとも一方の上瞼が移動を停止する場合に、又は前記被検者の前記頭部が下に移動する
間に前記少なくとも一方の上瞼が移動
を開始する
場合に、前記被検者がと
る頭位として特定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記参照頭位は、ステップb)で、前記被検者の前記頭部が下に移動
する間に、前記少なくとも一方の上瞼が前記被検者の対応する眉の眉弓の中にちょうど入
る場合に、又は
前記被検者の前記頭部が上に移動する間に、前記少なくとも一方の上瞼が前記被検者の対応する眉の眉弓から出る
場合に、前記被検者がとる頭位として特定される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)で、前記所定の方向は前記被検者の、本人が自分の正面にある固定点、又は鏡の中若しくはスクリーン上の自分自身を見ているときの注視方向である、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
ステップb)で、前記参照頭位は、
ビデオカメラによって前記被検者の前記少なくとも一方の瞼の前記動き及び/又は前記位置
を観察している
ことによって特定される、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記被検者により物理的又は仮想的に装用される眼鏡のフレームに関連する特徴的高さ(B)を測定する方法において、
- 請求項1~6の何れか1項に記載の特定方法を使って前記被検者の参照頭位を特定するステップと、
- 前記被検者の前記頭部が前記参照頭位にあるときに、前記特徴的高さの測定値を、前記被検者の一方の瞳孔の中心と前記フレームの下縁との間の
、初期の所定の方向に実質的に垂直な縦方向に沿った距離に応じて特定するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
- 前記特定方法のステップb)で、前記縦方向に関する前記被検者の前記頭部の傾き角度が取得され、
- 前記被検者の前記頭部が前記縦方向に関して、前記取得された傾き角度だけ傾いているときに、前記特徴的高さが特定される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記測定値に対するオフセットを使って前記特徴的高さの実際の値が特定される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記被検者が前記眼鏡を仮想的に装用したとき、前記被検者の前記頭部に関する前記フレームの位置が、前記被検者
の眉と前記フレームの上縁との間の前記縦方向に沿った距離にしたがって特定される、請求項7~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記被検者の前記瞳孔の大きさを収縮させるように適合された照明条件で、前記特徴的高さの前記測定値が特定される、請求項
7~10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの眼鏡レンズの、被検者により装用されるように設計された眼鏡のフレームへの取付けを検証する方法において、
- 請求項1~6の何れかに記載の特定方法を使って前記被検者の参照頭位を特定するステップと、
- 前記被検者が前記参照頭位にあり、前記少なくとも1つの眼鏡レンズの入っていない前記フレームを装用したときの前記フレームの第一の画像を撮影するステップと、
- マーキングを有する前記少なくとも1つの眼鏡レンズを前記フレームに取り付けるステップと、
- 前記マーキングを表示する、前記少なくとも1つの眼鏡レンズが嵌められた前記フレームの第二の画像を撮影するステップと、
- 前記第一及び第二の画像を処理して、両方の画像の中に前記フレームの前記画像を重ねるステップと、
- 前記マーキングと、前記眼鏡レンズで視力矯正される予定の前記被検者の眼の瞳孔の中心との間の距離の計算値を特定するステップと、
- 前記計算値を閾値と比較するステップと、
- 前記少なくとも1つの眼鏡レンズの前記フレームへの前記取付けを、それ以前の前記比較に応じて検証するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
被検者の参照頭位を特定する装置において、
-
前記被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を撮影するように適合された画像撮影手段と、
- 前記被検者の少なくとも一方の瞼の
前記動き又は
前記位置を、本人が自分の頭部を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて、上下に動かしている間に
前記画像撮影手段から受信するように適合された受信手段であって、前記被検者は自分の頭部
の移動中に、自分の注視線を前記所定の方向に向け続けるような受信手段と、
- 前記受信手段により受信された画像又はフィルムを分析して、前記参照頭位を、前記被検者の少なくとも一方の瞼の動き及び位置の少なくとも1つに応じて特定するように構成された画像処理手段と、
を含む装置。
【請求項14】
前記被検者が物理的又は仮想的に眼鏡を装用し、
- 前記受信手段が、前記被検者の少なくとも1つの画像を、本人の頭部
が前記参照頭位にあるときに受信するように適合され、
- 前記画像処理手段はさらに、前記少なくとも1つの画像を分析して、前記眼鏡のフレームに関連付けられる特徴的高さの測定値を、前記被検者の一方の瞳孔の中心と前記フレームの下縁との間の
、初期の所定の方向に実質的に垂直な縦方向に沿った距離に応じて特定するように構成される、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
1つ又は複数の処理装置に、被検者の参照頭位を特定する方法を実行させるように構成された非一時的コンピュータ可読媒体において具現化されるソフトウェアプログラム製品において、前記方法は、
a)前記被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置
の少なくとも1つの画像を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて、本人が自分の頭部を上下に移動させる間に
撮影するステップであって、前記被検者は自分の注視線を自分の頭部の前記移動中に前記所定の方向に向け続けるようなステップと、
b)前記参照頭位を、ステップa)の本人の頭部の前記移動中に前記被検者の前記少なくとも一方の瞼の前記動き又は前記位置に応じて特定する
ために、前記少なくとも1つの画像を分析するステップと、
を含むソフトウェアプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検眼の分野に関し、眼鏡レンズを装用する被検者に関するパラメータの測定に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は被検者の参照頭位を特定する方法及び装置に関する。
【0003】
本発明はまた、被検者が装用する眼鏡のフレームに関係する特徴的高さを測定する方法も提案する。
【0004】
さらに、本発明は、眼鏡のフレームへの眼鏡レンズの取付け方法とその取付けの検証方法に関する。
【背景技術】
【0005】
数多くの文献に、被検者の頭位を特定する装置と方法が記載されている。
【0006】
例えば、国際公開第2010/145736号の文献は、被検者の頭位を特定するための、改良された方法を提供する。国際公開第2010/145736号の方法は、特定の期間にわたり被検者の頭位を記録するステップと、記録された頭位から、好まれる、又は「習慣的な」頭位を特定するステップと、を含む。
【0007】
この方法では、被検者の習慣的頭位が、ある時点でランダムに記録又は特定され、その被検者の通常の頭位に正確に対応していない頭位として誤って想定されることが防止される。
【0008】
しかしながら、この方法は、被検者の頭部又はそのフレームに機器を取り付け、長時間にわたるビデオ撮影を行うことになるアイケア従事者にとって冗長な作業であるかもしれない。さらに、測定結果は非常に正確であるかもしれないが、日によって大きなばらつきがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本開示の1つの目的は、正確であり、アイケア従事者により容易に行われるが、信頼性が高く、日が変わっても再現可能な、被検者の参照頭位を特定する正確且つ信頼できる、簡単な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、本発明によれば、方法を提供することにより達成され、これは、
a)被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を、本人が自分の頭部を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて上下に移動させる間に取得するステップであって、被検者は自分の頭部の移動中に自分の注視線を前記所定の方向に向けたままにするようなステップと、
b)ステップa)における本人の頭部の移動中に、前記参照頭位を、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置に応じて特定するステップと、
を含む。
【0011】
実際に、本出願により、この方法により特定された被検者の頭位が非常に信頼性の高いものであり、測定が行われる時間に依存しないことがわかった。
【0012】
特に、本発明による方法では、各被検者に非常に特定的な参照頭位を特定できる。
【0013】
特定の実施形態において、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を取得する前記ステップa)は、被検者に対し:
a1)本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位をとるように、及び
a2)自分の頭部を前記初期頭位から始めて、自分の注視線を前記所定の方向に向けたままにしながら上下に動かすように
依頼することを含む。
【0014】
本発明による方法のその他の利点と非限定的な特徴は以下のとおり:
- ステップb)で、被検者の少なくとも一方の瞼は本人の上瞼であり、
- 参照頭位は、ステップb)で、被検者の頭部が上に移動し、又は下に移動する際に、前記少なくとも一方の上瞼が移動を停止し、又は開始する瞬間に被検者がとる頭位として特定され、
- 参照頭位は、ステップb)で、被検者の頭部が上に移動し、又は下に移動する際に、前記少なくとも一方の上瞼が被検者の対応する眉の眉弓の中にちょうど入り、又はそこから出る瞬間に被検者がとる頭位として特定され、
- ステップa)で、所定の方向は被検者の、本人が自分の正面にある固定点、又はミラー若しくは表示スクリーン上の自分自身を見ているときの注視方向であり、
- ステップb)で、前記参照頭位は、ステップa)で被検者の前記少なくとも一方の瞼の動き及び/又は位置を目視で、又はビデオカメラによって観察している間に特定される。
【0015】
本発明の別の目的は、参照頭位の特定によって、常に被検者の同じ頭位での測定が可能となるという利益が得られる測定方法を提供することである。
【0016】
したがって、本発明は、前記被検者により物理的又は仮想的に装用される眼鏡のフレームに関連する特徴的高さを測定する方法を提案し、前記方法は、
- 上述の発明による特定方法を使って被検者の参照頭位を特定するステップと、
- 被検者の頭部が前記参照頭位にあるときに、前記特徴的高さの測定値を、前記被検者の一方の瞳孔の中心と前記フレームの下縁との間の、初期の所定の方向に実質的に垂直な縦方向に沿った距離に応じて特定するステップと、
を含む。
【0017】
有利な点として、ステップb)で、前記縦方向に関する被検者の頭部の傾き角度が取得され、被検者の頭部が前記縦方向に関して、取得された傾き角度だけ傾いているときに、前記特徴的高さが特定される。
【0018】
本発明による測定方法のその他の利点と非限定的な特徴は以下のとおり:
- 測定値に対するオフセットを使って前記特徴的高さの実際の値が特定され、
- 前記オフセットは被検者の民族性に依存し、
- 被検者が前記眼鏡を仮想的に装用したとき、被検者の頭部に関する前記フレームの位置が、被検者の眉と前記フレームの上縁との間の前記縦方向に沿った距離にしたがって特定され、
- 被検者の瞳孔の大きさを収縮させるように適合された照明条件で、特徴的高さの前記測定値が特定される。
【0019】
本発明の他の目的は、フレームへのレンズの取付けを助け、検証する方法を提供することである。
【0020】
より詳しくは、本発明は、少なくとも1つの眼鏡レンズの、被検者により装用されるように設計された眼鏡のフレームへの取付けを検証する方法に関し、前記方法は、
- 本発明による特定方法を使って被検者の参照頭位を特定するステップと、
- 被検者が前記参照頭位にあり、少なくとも1つの眼鏡レンズの入っていない前記フレームを装用したときのフレームの第一の画像を撮影するステップと、
- マーキングを有する少なくとも1つの眼鏡レンズを前記フレームに取り付けるステップと、
- 前記マーキングを表示する、少なくとも1つの眼鏡レンズが嵌められたフレームの第二の画像を撮影するステップと、
- 前記第一及び第二の画像を処理して、両方の画像の中にフレームの画像を重ねるステップと、
- 前記マーキングと、前記眼鏡レンズで視力矯正される予定の被検者の眼の瞳孔中心との間の距離の計算値を特定するステップと、
- 前記計算値を閾値と比較するステップと、
- 少なくとも1つの眼鏡レンズのフレームへの取付けを、それ以前の比較に応じて検証するステップと、
を含む。
【0021】
本発明の他の目的は、被検者の参照頭位を特定する装置を提供することであり、これは、
- 被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を、本人が自分の頭部を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて、上下に動かしている間に受け取るように適合された受信手段であって、被検者は自分の頭部の移動中に、自分の注視線を前記所定の方向に向けたままにするような受信手段と、
- 前記画像撮影手段により撮影された画像又はフィルムを分析して、前記参照頭位を、被検者の少なくとも一方の瞼の動き及び位置の少なくとも1つに応じて特定するように構成された画像処理手段と、
を含む。
【0022】
特定の実施において、装置は、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を撮影し、それを受信手段に提供するように適合された画像撮影手段をさらに含む。
【0023】
好ましい実施形態において、本発明による装置は、被検者の正面に配置され、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位を本人がとれるようにする眼捕捉手段を含む。
【0024】
他の実施形態において、眼捕捉手段は、本発明の装置に追加して提供される。
【0025】
有利な点として、眼捕捉手段は、被検者の両眼と同じ高さに位置付けられる光源を含んでいてよい。
【0026】
代替的に、眼捕捉手段は、被検者の正面に位置付けられて、所定の方向が実質的に水平になるようにするミラー又は表示スクリーンを含んでいてよい。
【0027】
前記被検者が物理的又は仮想的に眼鏡を装用する、他の好ましい実施形態において、本発明による装置は、
- 受信手段が、被検者の少なくとも1つの画像を、本人の頭部が前記参照頭位にあるときに受信するように適合され、
- 画像処理手段はさらに、前記少なくとも1つの画像を分析して、前記眼鏡のフレームに関連付けられる特徴的高さの測定値を、被検者の一方の瞳孔の中心と前記フレームの下縁との間の、初期の所定の方向に実質的に垂直な縦方向に沿った距離に応じて特定するように構成される
というものである。
【0028】
画像撮影手段を備える特定の実施において、被検者の画像を、本人の頭部が参照頭位にあるときに撮影するように適合される。
【0029】
有利な点として、前記画像撮影手段は、被検者の視軸に平行な光軸を有する。これによって、測定が視差により歪められることが防止される。
【0030】
本発明の他の目的は、被検者の参照頭位を特定する装置を提供することであり、装置は、
- 被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を表す少なくとも1つの画像を、被検者の頭部が、被検者の注視線が所定の方向に向けられる初期頭位から始めて上下に移動される間に受信するように適合される少なくとも1つの入力であって、注視線は、頭部の移動中に前記所定の方向に向けられたままであるような入力と、
- 前記少なくとも1つの入力が受信した少なくとも1つの画像を分析して、前記参照頭位を、少なくとも1つの画像の分析に基いて、被検者の少なくとも一方の瞼の動き及び位置の少なくとも1つに応じて特定するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む。
【0031】
特定の実施において、装置は、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を撮影し、それを少なくとも1つの入力に提供するように構成された画像撮影装置をさらに含む。
【0032】
この装置の好ましい実施形態において、少なくとも1つの入力は、頭部が前記参照頭位にあるときに少なくとも1つの画像を受信するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの画像を分析して、前記眼鏡のフレームに関連付けられる特徴的高さの測定値を、被検者が物理的又は仮想的に眼鏡を装用するときの被検者の一方の瞳孔の中心と前記フレームの下縁との間の、初期の所定の方向に実質的に垂直な縦方向に沿った距離に応じて特定するように構成される。
【0033】
画像撮影装置を備える特定の実施例において、これは、被検者の画像を、本人の頭部が参照頭位にあるときに撮影するように構成される。
【0034】
本発明はまた、1つ又は複数の処理装置に、被検者の参照頭位を特定する方法を実行させるように構成された非一時的コンピュータ可読媒体において具現化されるソフトウェアプログラム製品にも関し、方法は、
a)被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて、本人が自分の頭部を上下に移動させる間に取得するステップであって、被検者は自分の注視線を自分の頭部の移動中に前記所定の方向に向け続けるようなステップと、
b)前記参照頭位を、ステップa)の本人の頭部の移動中に被検者の前記少なくとも一方の瞼の動き又は位置に応じて特定するステップと、
を含む。
【0035】
本発明は最後に、1つ又は複数の処理装置に、被検者の参照頭位を特定する方法を実行させるように構成された非一時的コンピュータ可読媒体において具現化されるソフトウェアプログラム製品を提供し、方法は、
a)被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を表すデータを、被検者の頭部が、被検者の注視線が所定の位置に向けられる被検者の初期頭位から始まって上下に移動する間に受信するステップであって、被検者の注視線は、上下移動中に所定の方向に向けられ続けるようなステップと、
b)前記参照頭位を、受信したデータに基づいて、頭部の移動中の被検者の前記少なくとも一方の瞼の動き又は位置に応じて特定するステップと、
を含む。
【0036】
非限定的な例として提供される添付の図面に関して行われる以下の説明により、本発明が何を構成するか、及びそれをどのように実践できるかを明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第一の実施形態による装置の正面の被検者の略図である。
【
図3】それぞれ初期頭位と参照頭位にある被検者の頭部の略図である。
【
図4】それぞれ初期頭位と参照頭位にある被検者の頭部の略図である。
【
図5】被検者の眼の、初期頭位にある被検者の眼の瞼及び瞳孔を示す略図である。
【
図7】眼鏡のフレームを装用している被検者の眼の、フレームの底部と瞳孔の中心との間のフィッティング高さに関する詳細を含む略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、被検者1(
図1参照)の参照頭位を特定する方法と装置について説明し、この場合、被検者の一方又は両方の瞼の、本人(説明文の残りの部分について、被検者は男性であることを前提とする)が自分の頭部を移動させている間の位置及び/又は動きが使用される。
【0039】
この参照頭位は、各被検者に特定的であり、かなり安定しており、日によってそれほど変化しない。
【0040】
したがって、被検者1の参照頭位を特定することは、特に累進多焦点レンズ(PAL:progressive addition lens)用の眼鏡の設計及び製造の点で、被検者1の光学的及び/又は眼若しくは頭部に関する測定を行う際に特に有益である。
【0041】
図1に、本発明の特定の実施形態による装置10を示す。装置10は、デジタルビデオレコーダ11(以下、カメラという)と、カメラ10にデジタルケーブル19によって双方向通信用に接続されたコンピュータシステム12と、を含む。
【0042】
この特定の実施形態において、装置10は、被検者1の正面に配置される眼捕捉手段13、14をさらに含み、それによって本人は、本人がその注視線16、17を所定の方向18に向ける初期頭位をとる(
図1A参照)。
【0043】
眼捕捉手段13、14は、光源13、例えば発光ダイオード(LED)と、被検者1の正面に位置付けられ、光源13及び被検者1の頭部2に関して、所定の方向18が水平軸Yに沿って実質的に水平となる(
図1及び1Aの矢印参照)ように向き付けられた半透明又はダイクロイックミラー14と、を含む。
【0044】
換言すれば、LED 13は、縦軸Xに関して45°の角度で傾けられたミラー14の真上/直立位置に設置され、それによって光源13の(仮想)像は所定の方向18に沿って水平軸Y上(ミラー14の背後でカメラ11の付近)に位置付けられる。
【0045】
変形型において、光源は被検者の眼と同じ高さに位置付けられてもよく、それによって初期頭位は、被検者が遠くの点(遠視野)を見ているときにとり得るそれとなる。
【0046】
他の変形型において、所定の方向は、被検者の、本人が正面の固定点(カメラ11の付近に設置された光源)又は鏡の中、若しくは表示スクリーン上、例えば自分のデジタルタブレットの自分の携帯電話のスクリーン上の自分自身を見ているときの注視方向により定義されてよい。
【0047】
カメラ11は好ましくは、被検者1の頭部2の正面の、半透明又はダイクロイックミラー14の背後に位置付けられ、光軸15を有し、光軸15は好ましくは、被検者1の視軸18(
図1A参照)と平行である(被検者の両眼の画像を撮影する際の視差の問題を回避するため)。
【0048】
カメラ11は、カメラ11の正面に置かれた被検者1の頭部2及び眼3、4の画像を撮影するように光学的及び機械的にセットアップされる。
【0049】
コンピュータシステム12はまた、カメラ11により記録される画像又はフィルムをリアルタイムでモニタするためのビデオスクリーン12を含んでいてよい。コンピュータシステム12は、カメラ11により捕捉された画像を分析し、画像処理アルゴリズムを実行してこれらの画像から有益な情報を抽出し、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置に関する、求めている参照頭位を特定するのに適した計算手段を含む。
【0050】
図1の装置10を使用して、本発明の方法を実行することが可能であり、前記方法は、
a)被検者1に、
a1)本人が自分の注視線を所定の方向18に向ける初期頭位をとるように、
a2)自分の頭部を、自分の注視線を所定の方向18に向けたままにしながら、初期頭位から始めて上下に(
図1の両矢印20参照)動かすように
依頼するステップと、
b)参照頭位を、ステップa2)の本人の頭部の移動中に被検者1の少なくとも一方の瞼の動き又は位置に応じて特定するステップと、
を含む。
【0051】
したがって、ステップa)で、被検者の少なくとも一方の瞼の動き又は位置を、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位から始めて本人が自分の頭部を上下に移動している間に取得され、被検者は、自分の頭部の移動中に自分の注視線を前記所定の方向に向けたままとする。
【0052】
図3及び4に、被検者1の、本人がそれぞれ初期頭位にあるとき(
図3の場合)及び参照頭位にあるとき(
図4の場合)の頭部2を示す。
【0053】
ステップa)
方法の初めに、被検者1は装置10の正面に座るか、又は立ち、ミラー14により反射された光源13の画像に焦点を合わせようとする。この状況で、その注視線(すなわち、
図2の視線16、17)は画像に向けられ、所定の方向18を画定する。
【0054】
この初期頭位において(
図3)、
図5に被検者1の(右)眼3の詳細図を、
- 下瞼5と上瞼9、
- 強膜6、
- 虹彩7と瞳孔8
と共に示す。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、実験の照明条件は、被検者1が明順応状態(約300cd/m2を超える高い環境輝度レベル)となる、というものであり、それによって被検者1の眼3の瞳孔8はその最小サイズ(縮瞳)に近く、これは一般に約1.5~2ミリメートルである。
【0056】
ここで実際には、明順応状態は、アンビエント照明(例えば、眼鏡店で通常見られるようなもの)で、及び光源13の明るさレベルで得られる。
【0057】
図5に示されるように、右眼3の上瞼9はこの時点で持ち上げられ、虹彩7のわずかな上部分しか隠れておらず、瞳孔8の口径食は生じていない。
【0058】
初期頭位(
図3及び5)において、被検者1の眼3全体の画像が得られるかもしれず、これには被検者の眉20と眉20の眉弓21が含まれる。好ましくは、取得された画像を処理して、眉弓21と上瞼9の縁22を特定し、眉弓21から上瞼9の縁22までの、縦軸23(軸Xに平行)に沿った距離により画定される、眼3の上瞼9の初期位置を計算できる。
【0059】
その後、被検者1がその注視線16を所定の方向18に向ける初期頭位(
図3)から始めて、被検者1には、光源13の画像を見続けながら、好ましくは自分の頭部2を左右に回さずに、頭部2を上下に動かすように依頼する(ステップa2:
図3の両矢印20参照)。
【0060】
ステップb)
その頭部2の移動全体中に、装置10のカメラ11は、例えば30又は60Hzのサンプリングレートで被検者1の眼3、4の画像を記録し、画像を画像処理及び分析のためにコンピュータシステム12に送信する。
【0061】
その後、参照頭位(
図4参照)が、被検者1の、その頭部2の移動中の上瞼9の動き又は位置に応じて特定される。
【0062】
代替的な実施形態において、被検者の眼の画像の中で下瞼5が使用されてもよい。
【0063】
図6に示されるように、参照頭位において、上瞼9はここではその初期位置(
図3の初期頭位)に関して、虹彩7のほぼ半分を隠しているように下がっている(上記参照)。
【0064】
参照頭位(
図4)において、眼3の上瞼9の「参照」位置が計算されてもよく、これは再び、眉弓21から上瞼9の縁22までの、縦軸23(軸Xに平行)に沿った距離により画定される(
図6参照)。
【0065】
本発明による方法の特定の実施形態において、参照頭位はステップb)で、被検者1の頭部2が上に移動している、又は下に移動しているときに、上瞼9が被検者1の対応する眉20の眉弓21内にちょうど入り、又はそこから出る瞬間に被検者1がとる頭位として特定される。
【0066】
上瞼9の動きによって参照頭位の位置がわかる場合は、ステップb)で、それは被検者1の頭部2が上に移動している、又は下に移動しているときに、上瞼9が移動を停止し、又は始める瞬間に被検者1がとる頭位として特定される。
【0067】
参照頭位は、ビデオカメラ11を用いるか(
図4及び6の場合)、又は目視観察により直接特定されてよい。目視観察の場合、被検者に被検者の頭部の傾斜角度を記録する特殊な機器を取り付けてよい。この方法を実行するアイケア従事者(ECP:eye-care practitioner)は、次に被検者の参照頭位に対応する傾斜角度をメモする。
【0068】
その後、この方法で以前に特定された参照頭位を再現するために、被検者1の頭部2(本人がフレームを装用しない場合)又は本人が装用するフレームを上記の傾斜装置に合わせ、被検者1に、傾斜角度が以前の測定中に特定された数値と等しくなるまで、自分の頭部2を傾けるように依頼することができる。
【0069】
上述の装置10と方法は、被検者がフレーム付きの眼鏡を、フレーム内に眼鏡レンズが嵌められているか、嵌められていない状態で装用しているとき、又は装用していないときに使用/実行されてよい。これらの眼鏡は、本人が通常装用しているものでも、本人が選択した新しいものでもよい。
【0070】
上記の装置と方法は、被検者1について、本人が参照頭位にあるときに各種の測定を行うために特に興味深く、それは、参照頭位が、特定の条件での被検者1に特定的な種類のものであるからである。
【0071】
これは、眼鏡のフレームを装用している被検者1の眼2について、幾何学的及び/又は形態学的距離又は長さを測定する際に特に興味深い。より詳しくは、
図7に関して、本発明はまた、被検者1が物理的又は仮想的に装用する眼鏡のフレーム24に関する特徴的高さを測定する方法も提案し、これを以下、フィッティング高さBと呼ぶ。
【0072】
前記測定方法は、
- 本発明による特定方法を使って被検者1の参照頭位を特定するステップ(上記参照)と、
- 被検者1の頭部2がこの参照頭位にあるときに、フィッティング高さの測定値Bを、被検者1の瞳孔8の中心28と前記フレーム24の下縁27との間の、初期特定方向18(
図2参照)に実質的に垂直な縦方向Xに沿った距離に応じて特定するステップと、
を含む。
【0073】
フィッティング高さBの測定値を特定するために、
図10のものと同じ装置10を使用できる。この場合、コンピュータシステム12はすると、カメラ11により撮影された被検者1の頭部2の、及び眼3、4の画像を処理することにより、眼3の瞳孔8とフレーム24の円25の両方(前記フレームがブリッジ26により連結された2つの円25を含む場合であり、
図10参照)を検出するように構成される。
【0074】
瞳孔8と円25が検出されると、瞳孔28の中心28と円25の内縁26を特定でき、中心28と縁26との間の、縦軸Xに沿った距離、すなわち特徴的高さを特定できる。
【0075】
有利な点として、特定方法のステップb)で、被検者1の頭部2の、縦方向23に関する傾き角度が取得され、被検者1の頭部2が縦方向Xに関して取得された傾き角度θ1だけ傾けられたときのフィッティング高さが特定される。
【0076】
本発明の好ましい実施形態において、前記フィッティング高さの実際の値BRが、測定値Bに対するオフセットδBを用いて特定され、オフセットは例えば、被検者の民族性、すなわち白人系、ユーラシア系、アジア系等に依存する。
【0077】
オフセットの値δBは、例えば、被検者の参照頭位と自然頭位との間で測定された傾斜角度(傾斜装置により測定される)の平均角度差であってよい。
【0078】
他の好ましい実施形態において、被検者1の瞳孔8の大きさを縮小するように適合された照明条件でフィッティング高さの測定値Bが特定される。これらの照明条件では、瞳孔8の大きさがより小さくなる(虹彩7の縮瞳による)ことにより、瞳孔8の中心28の特定においてより高い精度に到達できる。
【0079】
被検者1が眼鏡を仮想的に装用する場合(すなわち、仮想フレームがコンピュータシステム12によって、カメラ11により記録された被検者1の頭部2の画像にデジタル的に加えられる)、被検者1の頭部2に関するフレーム24の位置が、被検者1の眉20と前記フレーム25の上縁29との間の、縦方向23(X軸)に沿った距離H(
図7参照)にしたがって特定される。
【0080】
被検者1の参照頭位を特定するための上記の装置10と方法はまた、被検者により装用されるように設計された眼鏡のフレーム内への少なくとも1つの眼鏡レンズの取付けを検証する方法にも使用/実行されてよい。
【0081】
この有利な方法は、
- 本発明による特定方法を使って被検者1の参照頭位を特定するステップ(上記参照)と、
- 被検者が参照頭位にあり、少なくとも1つの眼鏡レンズが嵌められていないフレームを装用しているときに、フレームの第一の画像を撮影するステップと、
- マーキングを有する少なくとも1つの眼鏡レンズをフレーム内に取り付けるステップと、
- 前記マーキングを表示する、少なくとも1つの眼鏡レンズが嵌められたフレームの第二の画像を撮影するステップと、
- 前記第一及び第二の画像を処理して、両方の画像内にフレームの画像を重ねるようにするステップと、
- 前記マーキングと、眼鏡レンズで視力矯正される被検者の眼の瞳孔の中心との間の距離の計算値を特定するステップと、
- 前記計算値を閾値と比較するステップと、
- フレーム内への少なくとも1つの眼鏡レンズの取付けを、以前の比較に応じて検証するステップと、
を含む。
【0082】
この測定の基本原理は以下のとおりである。
【0083】
まず、被検者が自分の望む眼鏡フレームを選択した後、及びこのフレーム(眼鏡レンズはない)を自分の頭部で調整した後、被検者1に、本人が自分の注視線を所定の方向に向ける初期頭位をとるように依頼してよい(上記ステップa1参照)。この第一の構成で、被検者の顔の第一の画像が取得される。この第一の画像が処理され、例えば瞳孔間距離と、瞳孔の中心とフレームの下縁との間のフィッティング高さの測定値が特定される(詳細は上記参照)。第一の画像とフィッティング高さの値が、フレームへの眼鏡レンズの取付けを担当するオペレータに提供される。
【0084】
すると、このオペレータは1つ又は2つの処方された眼鏡レンズを選択されたフレームに嵌める。当分野でよく知られているもののように、このフィッティングは、レンズの光学的及び幾何学的パラメータ並びに以前に測定された幾何学的及び形態学的数値(瞳孔間距離、特徴的高さ等)に基づいて行われる。この第二の構成で、眼鏡レンズが嵌められたフレームの第二の画像が、取付け用のレンズ上にある通常のフィッティングマーク(マーキング)がこの第二の画像上で見えるように注意しながら得られる。
【0085】
その後、デジタル処理により、第一の画像のフレームの画像の大きさ及び/又は形状を変えることによって第三の画像内に第一及び第二の画像を重ねようとする。
【0086】
この第三の画像の中で、引き続き画像の数値分析により、マーキングと被検者の眼の瞳孔の左右の中心との間の距離の数値が計算される(又は第三の画像が表示されるスクリーン上にて目視にて評価される)。
【0087】
取付けが正しければ、計算値は所定の閾値より小さいはずである。反対に、計算値が閾値より大きいと、フレーム内への眼鏡レンズの取付けは正しいと確認されず、例えばオペレータが修正の取付け作業を行うことができる。
【0088】
少なくとも1つの実施形態の態様は、非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されるソフトウェアプログラム製品又はコンピュータ可読コードとして具現化でき、非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のプロセッサに、例えば動作を実行させることができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体であってよく、これは後にコンピュータシステム又はコンピュータコード処理装置により読み取られることが可能なデータを記憶できるあらゆるデータ記憶装置である。コンピュータ可読記憶媒体の例には、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピディスク、及び光データ記憶装置が含まれる。ソフトウェアプログラム製品はまた、ネットワーク接続されたコンピュータシステム上に分散させることができ、それによってコンピュータ可読コードは分散型で1つ又は複数のプロセッサにより記憶、実行される。
【符号の説明】
【0089】
1 被検者
2 眼
3 眼
4 眼
5 下瞼
6 強膜
7 虹彩
8 瞳孔
9 上瞼
10 装置
14 眼捕捉手段
14 ミラー
15 光軸
16 視線
17 視線
18 視軸
19 デジタルケーブル
20 眉
21 眉弓
22 縁
23 縦軸
24 フレーム
25 フレーム
26 縁
27 下縁
29 上縁