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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】引出側壁
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/925 20170101AFI20220405BHJP
【FI】
A47B88/925
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020534400
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 AT2018060294
(87)【国際公開番号】W WO2019118999
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-08-14
(31)【優先権主張番号】A51079/2017
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス カンプル
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-068530(JP,A)
【文献】独国実用新案第202016107059(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0312756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/925
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出側壁(2)、外側に位置する可視面(3a)と、前記可視面(3a)とは反対側の背面(3b)とを有する外壁(3)を有していて、さらに、取付手段(8a,8b)を有するカバー(4)を有しており、前記取付手段によって前記カバーは、前記外壁(3)の前記背面(3b)に固定可能であって、前記カバー(4)の可視区分(4a)の後面(13)は前記外壁(3)に接触している引出側壁(2)において、
前記外壁(3)の前記背面(3b)に、離間した個別の2つの凹部(9a,9b)が設けられており、前記カバー(4)の前記取付手段は、ばね弾性的な個別の2つのクランプ舌片(8a,8b)を含み、前記クランプ舌片のそれぞれは、前記カバー(4)を前記引出側壁(2)に位置固定して取り付けるために、対応する凹部(9a,9b)に係合することを特徴とする、引出側壁(2)。
【請求項2】
二重壁の引出側壁である、請求項1記載の引出側壁。
【請求項3】
前記外壁(3)の下方の長手方向縁(3c)はU字形に曲げられており、前記凹部(9a,9b)は縁曲げ区分(3d)に形成されている、請求項1又は2記載の引出側壁。
【請求項4】
前記縁曲げ区分(3d)は、前記可視面(3a)が設けられた前記外壁(3)の後面に接触している、請求項3記載の引出側壁。
【請求項5】
前記凹部(9a,9b)は、前記縁曲げ区分(3d)を貫通する開口部として形成されており、前記開口部は、前記可視面が設けられた前記外壁(3)であって、前記開口部の領域で閉鎖されている前記外壁(3)の前記後面によってカバーされている、請求項3又は4記載の引出側壁。
【請求項6】
前記開口部は、前記外壁(3)の前記縁曲げ区分(3d)の前記長手方向縁まで達していて、前記長手方向縁に向かって開かれている、請求項5記載の引出側壁。
【請求項7】
両凹部(9a,9b)は、同じ形状を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の引出側壁。
【請求項8】
両凹部(9a,9b)は、長方形に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の引出側壁。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の引出側壁のためのカバー。
【請求項10】
可視区分(11)と、
前記外壁(3)の下方の長手方向縁(3c)に被せ嵌め可能である、横断面で見てU字形に成形された接続区分(12)と、
前記接続区分(12)に接続されている2つのばね弾性的なクランプ舌片(8a,8b)と、
を有している、請求項9記載のカバー。
【請求項11】
前記可視区分(11)が平坦である、請求項10記載のカバー。
【請求項12】
前記クランプ舌片(8a,8b)が前記可視区分(11)の前記後面(13)に対して平行に延在している、請求項10又は11記載のカバー。
【請求項13】
一体的に形成されている、請求項9から12までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項14】
金属またはプラスチックから成っている、請求項13記載のカバー。
【請求項15】
前記2つのばね弾性的なクランプ舌片(8a,8b)はそれぞれ、前記カバー(4)の側縁(14)の領域に配置されている、請求項10から12までのいずれか1項のカバー。
【請求項16】
前記カバー(4)の側縁(14)と、前記クランプ舌片(8a,8b)の側縁(15)とは平行に延在している、請求項10から12,15までのいずれか1項のカバー。
【請求項17】
前記クランプ舌片(8a,8b)は、背面から見て長方形に形成されている、請求項16記載のカバー。
【請求項18】
両クランプ舌片(8a,8b)は、同じに、または鏡像対称的に形成されている、請求項10から12,15~17のいずれか1項記載のカバー。
【請求項19】
各クランプ舌片(8a,8b)は、その自由端部の領域で、前記可視区分(11)に向かって突出するクランプ突起(16)を有している、請求項10から12,15から18までのいずれか1項のカバー。
【請求項20】
各クランプ突起(16)は少なくとも1つの傾斜面(17)を有している、請求項19記載のカバー。
【請求項21】
前記傾斜面(17)は、前記カバー(4)の側縁(14)に対して傾斜して延在している、請求項20記載のカバー。
【請求項22】
前記傾斜面(17)は、前記カバー(4)の側縁(14)に対して、20°~60°の角度で傾斜して延在している、請求項21記載のカバー。
【請求項23】
前記傾斜面(17)は、前記カバー(4)の長手方向(18)に対して傾斜して延在している、請求項20から22までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項24】
前記傾斜面(17)は、前記カバー(4)の長手方向(18)に対して、5°~20°の角度で傾斜して延在している、請求項23記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出側壁、特に二重壁の引出側壁であって、外側に位置する可視面と、この可視面とは反対側の背面とを有する外壁を有していて、さらに、取付手段を有するカバーを有しており、この取付手段によってカバーは、外壁の背面に固定可能であって、カバーの可視区分の後面は外壁に接触している、引出側壁に関する。さらに、本発明は、このような引出側壁のためのカバーに関する。
【0002】
このような形式のカバーは、引出において、その可視区分に、会社のロゴ、またはその他の情報を表示するために通常用いられる。このカバーは、好適には取り外し可能に、引出に接続されるべきであるが、使用中は良好に保持されなければならない。さらに、引出が、カバーなしでも、美しさをアピールする印象を与えるならば好適である。
【0003】
このような理由から、取付手段を介して、カバーを外壁の背面に取り付けるように移行されてきており、これにより外壁の外側に位置する可視面には、煩わしい凹部またはその他の取付エレメントを設ける必要はない。
【0004】
本発明の課題は、引出側壁と所属のカバーとを提供することであり、これによりカバーを簡単に組み付けることができ、さらには引出側壁におけるカバーの位置固定された位置決めを保証することができるようにすることである。
【0005】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する引出側壁、および/または請求項6によるカバーによって解決される。
【0006】
本発明によれば、引出側壁の外壁の背面には、離間した個別の2つの凹部が設けられている。この構成は、主に薄い板から製作される引出側板では、例えば長孔状のより大きな1つの凹部に対して安定性という利点を有している。互いに離間した個別の2つの凹部に対応して、本発明の対象では、カバーに、ばね弾性的な個別の2つのクランプ舌片が設けられていて、これらクランプ舌片のそれぞれ1つは、両凹部のうちの一方に係合し、ひいてはカバーの位置固定された位置決めが可能となる。
【0007】
本発明によるカバーは、下方から、引出側壁の外壁の下方の長手方向縁に被せ嵌めることができる。引出の長手方向で見て、クランプ舌片の位置が、対応する凹部に既に適合している場合は、クランプ舌片は簡単に凹部に係止し、したがってカバーを位置固定して、正確な位置で引出側壁に取り付け、カバーはここで実質的にクランプ保持される。しかしながら、カバーをまずは、(特に下方から被せ嵌めるために)引出側壁のどこかに取り付け、次いで、クランプ舌片が所属の凹部に係止し、これによりカバーが正確に位置決めされるまで、引出の長手方向で摺動させることもできる。
【0008】
凹部と、この凹部内に入るクランプ舌片の部分との相対的な寸法設定は、確実な係止を保証するために、クランプ舌片が僅かな側方の遊びをもって進入することができるように選択される。しかしながら、正確な位置決めを保証するために、凹部の寸法は、クランプ舌片の進入する部分よりも過剰に大きくされるべきではない。クランプ舌片の進入する部分に対する凹部の大きさの差により生じる側方の遊びは、好適には、1/10mm~3mmである。
【0009】
凹部は、好適には、側壁の曲げられた領域に設けられる。ここでは、凹部は、貫通する開口部として形成されてよいが、曲げられた領域のみを貫通しており、側壁の可視面は貫通されずに残されている。このように貫通する凹部は、機械的なプロセス、例えば打抜き加工により比較的簡単に設けることができる。凹部の深さは、正確に規定されていて、縁曲げ区分の材料厚さ(板厚さ)に正確に相当する。凹部が実質的に長方形に形成されていて、縁曲げ区分の長手方向縁に向かって開かれているならば、このような凹部は特に簡単に設けることができる。これにより打抜き加工プロセスは容易になる。長方形によって、規定されたまっすぐな辺も得られ、これらの辺によって、カバーエレメント、または係合するクランプ舌片の正確な位置決めが可能である。
【0010】
好適には、本発明によるカバーは、組付け状態で引出の外面に位置し、例えば会社のロゴまたはその他の情報を表示することができる、好適には平坦な可視区分を有する。この可視区分には、好適には下方から横断面で見て、実質的にU字形に成形された接続区分が続いていて、この接続区分は、外壁の長手方向縁に下方から被せ嵌め可能である。最終的に好適には、両ばね弾性的なクランプ舌片は、接続区分に接続されるように形成されていて、可視区分の後面に対して平行に延在している。
【0011】
このようなカバーは、例えば金属またはプラスチックから一体に製作することができる。ばね弾性的な構成は、金属薄板またはプラスチック自体の材料特性から得られる。ねじ曲げ防止された組付けを保証するためには、両ばね弾性的なクランプ舌片がそれぞれ、カバーの前端部および後端部に、すなわち互いに大きな間隔を置いて設けられていると好適である。
【0012】
クランプ舌片は、その自由端部に、好適には、引出側壁の可視区分に向かって突出するクランプ突起を有しており、このクランプ突起は、引出側壁の凹部内に進入し、そこでクランプ保持される。
【0013】
このクランプ突起が、1つの傾斜面を有しているならば容易な組付けのために好適であり、この場合、特に好適な構成では、この傾斜面が2つの方向で傾いていて、または傾斜していて、一方では引出の長手方向もしくは引出し方向に一致する、カバーの長手方向に対して傾斜している。これにより、カバーが一度、引出側壁の外壁に下方から被せ嵌められた場合に、すなわちまずは完全に不正の位置からでも、カバーを長手方向で摺動させるのが容易にされ、この場合、摺動の際にはまずは第1のクランプ舌片が、第2のクランプ舌片のために設けられた第2の凹部内に入る。上記傾斜面を介して、第1のクランプ舌片は、さらなる摺動により再び第2の凹部から退出することができ、第1のクランプ舌片が最終的に、正しい第1の凹部内で位置保持され、このとき、第2のクランプ突起も第2の凹部内に入り、ここでクランプ保持されるまで摺動される。これにより、長手方向でのカバーの正しい位置が規定される。
【0014】
傾斜面はさらに、カバーの側縁に対して傾斜して方向付けられており、これにより、引出側壁の外壁の下方の長手方向縁に対する下方からのカバーの容易な被せ嵌めが可能となる。この場合、クランプ舌片はまずは幾分、拡開される。次いで、クランプ突起が凹部に達すると、クランプ突起はクランプするように凹部内にばね弾性的に入り込み、カバーを引出側壁にクランプ保持し、この場合、接続は、摩擦接続的に作用するクランプの他、形状接続的な成分も含み、この場合、凹部の縁部は、係止突起の傾斜されていない縁部との協働、ひいては長手方向におけるカバーの形状接続的な位置決めを保証する。
【0015】
本発明のさらなる利点および詳細は、以下の図面の説明につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】引出における引出側壁の1つの実施例を示す斜視図である。
図2】逆さまにされた引出側壁の一部を、まだ組み付けられていないカバーと共に示す図である。
図3】既に外壁に被せ嵌められてはいるが、まだ正しい位置に位置決めされていないカバーと共に示す図2と同様の図である。
図4】正しい位置に対してさらに離された個所にある、図2と同様にまだ被せ嵌められていないカバーを示す図である。
図5図3と同様に既に被せ嵌められた、図4のカバーを示す図である。
図6図3または図5からの摺動により到達可能な、正しく位置決めされたカバーの終端位置を示す図である。
図6a図6の部分拡大図である。
図7a】本発明によるカバーの1つの実施例を示す斜視図である。
図7b】本発明によるカバーの1つの実施例を示す別の斜視図である。
図7c】本発明によるカバーの1つの実施例を示す別の斜視図である。
図7d】本発明によるカバーの1つの実施例を示す別の斜視図である。
図8図7a~図7dのカバーを前方から見た図である。
図9】クランプ突起とその傾斜面とを備えたクランプ舌片を良好に示すために、部分的に破断された可視面を示す斜視図である。
図10図9の一部を示す別の斜視図である。
【0017】
図1に示された引出1は、二重壁の引出側壁2として形成されている対向する2つの引出側壁2を有している。外壁は符号3で示されており、外側に位置する可視面3aを有している。この可視面3aの反対側には、外壁3の背面が位置している。例えば会社のロゴまたはその他の情報を含むことができる可視区分4aを備えたカバー4は、以下にさらに詳しく説明するように、引出側壁2の外壁3に取り外し可能に接続可能である。
【0018】
図1に示された引出1はさらに、背壁5と引出底面6とを有している。引出1を完成するために必要な取り外し可能に接続可能なフロントパネルは、見易さの理由から示されていない。フロントパネルは、背壁5に対して平行に、前側で引出1に位置する。
【0019】
図2には、下面を良好に示すことができるように、逆さまにされた引出1の一部が示されている。実際には勿論、通常の向きの引出1のもとで、下方から上方に向かって、かつ/または引出の長手方向で、カバー4を被せ嵌めることができる。
【0020】
図4には、カバー4が、被せ嵌め矢印7の方向で、外壁3の下方の長手方向縁3cに被せ嵌められる様子が、すなわち、本発明により設けられた個別のばね弾性的なクランプ舌片8aおよび8bが、外壁3の背面3bに互いに離間して設けられた個別の2つの凹部9a,9bと整列していない位置において被せ嵌められる様子が、示されている。
【0021】
さらに、図3に示したように、カバー4を長手方向縁3cに被せ嵌め、次いで、さらにより詳しく後述するように、最終的には図6に示した、正確に規定された所望の終端位置に到達するまで、長手方向矢印10の方向で摺動させることができる。
【0022】
カバー4を、図4に示したように、さらに後方で長手方向縁3cに被せ嵌め、まずは図5の位置にもたらした場合でも、カバー4を被せ嵌め、長手方向に動かすことができる。図3に示した位置に向かって前方に摺動させる際には、ばね弾性的なクランプ舌片8aはまず、「不正」の凹部9bを克服しなければならず、これは、後述する傾斜面17により行うことができる。図3に示した位置から出発して、次いでさらに、長手方向矢印10の方向で、最終的に前方のクランプ舌片8aが前方の凹部9a内に、後方のクランプ舌片8bが後方の凹部9b内に係止し、ここでクランプされてかつ/または形状接続により保持されるまで、摺動することができる。これにより、引出側壁2におけるカバー4の正確な長手方向位置が、保証される。
【0023】
図6および図6aには、正確に位置決めされたカバー4が示されている。全体を符号3bで示す、外壁3の背面では、両クランプ舌片8aおよび8bが、これらクランプ舌片8a,8bの幅よりも大きく、長手方向で僅かな遊びをもたらしているそれぞれ対応する凹部9aおよび9b内に係合する。好適にはプラスチックから一体的に製作されたカバー4の材料の弾性に基づき、個別のばね弾性的なクランプ舌片8aおよび8bは、自動的に凹部9aおよび9b内にスナップ係合し、ここで位置固定されて保持される。
【0024】
特に図6aに示したように、外壁3の長手方向縁3cは、全体として実質的にU字形を形成するように曲げられている。
【0025】
外壁3の縁曲げ区分3dは、好適には、可視面3aが設けられた外壁3の後面に接触していて、これにより外壁3の背面3bを形成している。縁曲げにより、鋭い縁部領域を有さない、長手方向縁3cの安定的な構成が可能である。さらに、本発明の1つの構成により縁曲げ区分3dに、凹部9aおよび9bを良好に設けることができ、すなわち例えば打抜きにより形成することができる貫通開口部として設けることができる。このような打抜きは、縁曲げ区分3dでのみ行われ、可視面3aを含むその他の外壁3は、この開口部をカバーし、これにより実際には開口部の底面を成すので、側壁全体は貫通されず、開口部は全体として凹部9aおよび9bとなる。これらの凹部9a,9bは実質的に、折り曲げられた材料の薄板の厚さに相当する正確に規定された深さを有する。図6aに示したように、これらの開口部は、縁曲げ区分3dの縁部にまで達し、すなわちそこで開かれているように形成されている。
【0026】
開口部は、好適には同じ形状で形成されていて、長方形であり、この場合、各辺は、長手方向縁3cに対して平行かつ垂直に延在している。
【0027】
本発明によるカバー4の1つの実施例が、図7a~図7dならびに図8図9図10に示されている。
【0028】
この実施例では、好適には平坦な(組付け状態で外側に位置する)可視区分11が設けられている。この可視区分11には、実質的にU字形に成形された接続区分12が続いていて、この接続区分は、外壁3の長手方向縁3cに被せ嵌め可能である。さらに本発明によれば2つのばね弾性的なクランプ舌片8aおよび8bが設けられていて、これらクランプ舌片は接続区分12に接続されていて、可視区分11の後面13に対して実質的に平行に延在している。クランプ舌片8aおよび8bは好適には、カバー4のその他の構成要素と一体的に形成されていてよく、材料弾性によりばね弾性的な効果を有している。
【0029】
2つのばね弾性的なクランプ舌片8aおよび8bはそれぞれカバー4の側縁14の領域に配置されており、この場合、これらの間に位置する自由領域が生じている。組み付けられたカバー4のねじ曲げ防止の観点から、ばね弾性的なクランプ舌片8a,8bの大きく互いに離されたこのような配置が好適である。ばね弾性的なクランプ舌片は、全体として、カバー4の側方の縁部にまで達しており、カバー4の側縁14と、クランプ舌片8の側縁15とは好適には互いに平行に延在している。
【0030】
各クランプ舌片8a,8bは、その自由端部の領域に、可視区分11に向かって突出するクランプ突起16を有している(特に図8図9、および図10参照)。
【0031】
クランプ突起16は、図8に示したように、一方では好適には、側縁14に対して20°~60°の角度で傾斜して延在する傾斜面17を有している。これにより、例えば図2のように、被せ嵌め矢印7の方向でのカバー4の被せ嵌めは容易にされる。この場合、ばね弾性的に形成されたクランプ舌片8aおよび8bはまず、最終的に図6もしくは図6aに示された終端位置で、凹部9aおよび9b内に係止することができるまで、曲げ開かれる。
【0032】
他方では、複数の部分面から形成することもできる傾斜面17は、他の方向でも傾斜して延在しており、すなわちカバー4の長手方向18に対して傾斜して延在している。この長手方向18は、引出の長手方向、および外壁3の長手方向縁3cの方向に一致している。この傾斜により、図5から出発して、図6に到ることができ、この場合、まず凹部9bに不正に係止したクランプ舌片8aは、長手方向矢印10の方向でさらに押されると、傾斜面17が凹部9bからの退出を可能にするので、凹部9bから再び出ることができる。これにより、最初は不正に長手方向縁3cに完全に被せ嵌められたカバー4であっても常に、正しいクランプ舌片8a,8bが、正しい凹部9a,9b内に係止し、ひいては規定された位置決めが得られるまで、長手方向で摺動させることができる。これは原則的に、カバー4の長手方向18に対する傾斜面17の傾斜は、両クランプ舌片8aおよび8bにおいて、両クランプ舌片8a,8bの間の仮想中心平面に対して鏡像対称的に形成されているので、後方から前方への(すなわち引出1の引出し方向での)カバー4のスライドによってのみならず、前方から後方への、すなわち逆方向でのスライドによっても長手方向で摺動させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 引出
2 引出側壁
3 外壁
3a (外壁3の)可視面
3b (外壁3の)背面
3c (外壁3の)長手方向縁
3d (外壁3の)縁曲げ区分
4 カバー
4a (カバー4の)可視区分
5 背壁
6 引出底面
7 被せ嵌め矢印
8a,8b クランプ舌片(取付手段)
9a,9b 凹部
10 長手方向スライド矢印
11 可視区分
12 接続区分
13 後面
14 (カバー4の)側縁
15 (クランプ舌片8a,8bの)側縁
16 クランプ突起
17 傾斜面
18 (カバー4の)長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6a
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図9
図10