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特許7053847コンテンツ管理システムにおけるメタデータ再同期
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システムにおけるメタデータ再同期
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/178 20190101AFI20220405BHJP
【FI】
G06F16/178
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020535976
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 US2018065091
(87)【国際公開番号】W WO2019133249
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】62/611,473
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/863,819
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/870,179
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509117964
【氏名又は名称】ドロップボックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ジョン
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-524621(JP,A)
【文献】特開2015-210818(JP,A)
【文献】UPPOOR, Sandesh et al.,Cloud-based Synchronization of Distributed File System Hierarchies,2010 IEEE International Conference on Cluster Computing Workshops and Posters,ギリシャ,2010年09月20日,[検索日:2021.08.17], インターネット : <https://ieeexplore.ieee.org/document/5613087>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/178
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントデバイスが実行する方法であって、
前記クライアントデバイスを介して、前記クライアントデバイスに格納され、コンテンツ管理システムにおいてユーザアカウントと関連するコンテンツアイテムのローカルセットを識別することと、
前記コンテンツアイテムのローカルセットに基づき、前記クライアントデバイスを介して、前記クライアントデバイスにおけるファイルシステム状態を表すローカルツリーデータ構造を生成することであって、前記ローカルツリーデータ構造が前記コンテンツアイテムのローカルセットのそれぞれに対応するそれぞれのローカルノードを含む、前記生成することと、
前記コンテンツ管理システムから、前記コンテンツ管理システムに格納され、前記ユーザアカウントと関連するコンテンツアイテムのリモートセットを識別するサーバ状態を受信することと、
前記サーバ状態に基づき、前記クライアントデバイスを介して、前記コンテンツアイテムのリモートセットを表すリモートツリーデータ構造を生成することであって、前記リモートツリーデータ構造が前記コンテンツアイテムのリモートセットのそれぞれに対応するそれぞれのリモートノードを含む、前記生成することと、
前記ローカルツリーデータ構造及び前記リモートツリーデータ構造に基づき、前記クライアントデバイスを介して、前記ローカルツリーデータ構造及び前記リモートツリーデータ構造中のノードのマッチングするセットを含む同期ツリーデータ構造を生成することであって、前記同期ツリーデータ構造が前記ファイルシステム状態と前記サーバ状態との間で同期した状態を表す、前記生成することと、
前記ローカルツリーデータ構造、前記リモートツリーデータ構造、及び前記同期ツリーデータ構造を前記クライアントデバイスに格納することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記クライアントデバイスに格納された前記コンテンツアイテムのローカルセットを識別することは、
前記クライアントデバイスにおけるストレージをクロールし、前記クライアントデバイスにおける前記コンテンツアイテムのローカルセットを識別することと、
前記コンテンツアイテムのローカルセットをインデックス付けすることと、
前記コンテンツアイテムのローカルセットのそれぞれについてそれぞれのハッシュ値を計算することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ローカルツリーデータ構造中の各それぞれのローカルノードは、前記コンテンツアイテムのローカルセット中の対応するローカルコンテンツアイテムについて計算された前記それぞれのハッシュ値、及び前記対応するローカルコンテンツアイテムと関連するそれぞれのメタデータを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれのメタデータは、それぞれのファイル識別子、それぞれのディレクトリ識別子、またはそれぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リモートツリーデータ構造中の各それぞれのリモートノードは、前記コンテンツアイテムのリモートセット中で対応するリモートコンテンツアイテムについて計算された第二のそれぞれのハッシュ値、及び前記対応するリモートコンテンツアイテムと関連するそれぞれのメタデータを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記同期ツリーデータ構造を生成することは、
前記ローカルツリーデータ構造中の各それぞれのローカルノードについて、
前記それぞれのローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の複数のリモートノードのうちの1つにマッチングするかどうかを判定することと、
前記それぞれのローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記複数のリモートノードのうちの1つにマッチングするときに、前記それぞれのローカルノードを前記同期ツリーデータ構造に追加することと、
を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記それぞれのローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記複数のリモートノードのうちの1つにマッチングしないときに、前記それぞれのローカルノードを前記同期ツリーデータ構造から除外することをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記それぞれのローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記複数のリモートノードのうちの1つにマッチングするかどうかを判定することは、前記それぞれのローカルノードと関連するそれぞれのファイル識別子、前記それぞれのローカルノードと関連するそれぞれのディレクトリ識別子、または前記それぞれのローカルノードと関連するそれぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つについて前記リモートツリーデータ構造を検索することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記それぞれのローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記複数のリモートノードのうちの1つにマッチングしないときに前記それぞれのローカルノードを前記同期ツリーデータ構造から除外する前に、前記それぞれのローカルノードと関連する前記それぞれのファイル識別子、前記それぞれのローカルノードと関連する前記それぞれのディレクトリ識別子、または前記それぞれのローカルノードと関連する前記それぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つを含む記録について前記コンテンツ管理システムにおいてリビジョンのジャーナルにクエリを行うことと、
前記リビジョンのジャーナルが前記それぞれのファイル識別子、前記それぞれのディレクトリ識別子、または前記それぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つを含む前記記録を含まないことを前記コンテンツ管理システムが示すときにのみ、前記それぞれのローカルノードを前記同期ツリーデータ構造から除外することと、
をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記同期ツリーデータ構造と前記リモートツリーデータ構造との間の差異を識別することであって、前記差異が前記サーバ状態と前記ファイルシステム状態との間の1つ以上の競合を表す、前記識別することと、
前記サーバ状態及び前記ファイルシステム状態を収束させ、再同期した状態をもたらすことと、
前記ローカルツリーデータ構造、前記同期ツリーデータ構造、及び前記リモートツリーデータ構造を前記再同期した状態に基づき同期させることと、
をさらに備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
インストラクションを含むプログラムであって、
前記インストラクションは、コンピューティングデバイスによって実行されるときに、前記コンピューティングデバイスに、
クライアントデバイスにおけるストレージをクロールし、前記クライアントデバイスにおけるコンテンツアイテムを識別することと、
前記クロールに基づき、前記クライアントデバイスにおける前記ストレージ上のコンテンツアイテムのローカルセットを識別することと、
前記クライアントデバイスにおける前記ストレージ上で識別された前記コンテンツアイテムのローカルセットと関連するメタデータを識別することと、
前記メタデータに基づき、前記クライアントデバイスにおける前記ストレージ上の前記コンテンツアイテムのローカルセットを表すローカルツリーデータ構造を構築することであって、前記ローカルツリーデータ構造が前記コンテンツアイテムのローカルセットのそれぞれを表すそれぞれのローカルノードを含む、前記構築することと、
前記クライアントデバイス上に前記ローカルツリーデータ構造を格納することと、
を行わせる、プログラム。
【請求項12】
前記コンテンツアイテムのローカルセットを識別する前記インストラクションは、前記コンピューティングデバイスに、
前記クロールに基づき、前記コンテンツアイテムのローカルセットをインデックス付けすることと、
前記コンテンツアイテムのローカルセットのそれぞれについてそれぞれのハッシュ値を計算することと、
を行わせるインストラクションを備える、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記ローカルツリーデータ構造中の各それぞれのローカルノードは、前記コンテンツアイテムのローカルセットのそれぞれについて計算された前記それぞれのハッシュ値、及びそれぞれのメタデータを備える、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記それぞれのメタデータは、それぞれの一意の識別子、それぞれのパス、またはそれぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンテンツアイテムのローカルセットは、コンテンツ管理システムにおいてユーザアカウントと関連付けられ、
前記インストラクションは、前記コンピューティングデバイスに、
前記コンテンツ管理システムにおいて前記ユーザアカウントと関連するコンテンツアイテムのリモートセットを表すリモートツリーデータ構造を構築することであって、前記リモートツリーデータ構造が前記コンテンツアイテムのリモートセットのそれぞれに対応するそれぞれのリモートノードを含む、構築することと、
前記ローカルツリーデータ構造及び前記リモートツリーデータ構造に基づき同期ツリーデータ構造を構築することであって、前記同期ツリーデータ構造が前記ローカルツリーデータ構造及び前記リモートツリーデータ構造中のノードのマッチングするセットを含む、構築することと、
をさらに行わせる、請求項11から14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記同期ツリーデータ構造を構築するインストラクションは、前記コンピューティングデバイスに、
前記ローカルツリーデータ構造中のそれぞれのローカルノードについて、
前記ローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中のリモートノードにマッチングするかどうかを判定することと、
前記ローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記リモートノードにマッチングするときに、前記ローカルノードのコピーを前記同期ツリーデータ構造に追加することと、
を行わせるインストラクションを備える、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記リモートノードにマッチングしないときに、前記同期ツリーデータ構造から前記ローカルノードの前記コピーを除外することをさらに備える、請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記ローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の前記リモートノードにマッチングするかどうかの前記判定は、前記ローカルノードと関連するそれぞれの一意の識別子、前記ローカルノードと関連するそれぞれのパス、または前記ローカルノードと関連するそれぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つについて前記リモートツリーデータ構造を検索することを備える、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記コンピューティングデバイスに、
前記ローカルノードが前記リモートツリーデータ構造中の複数のリモートノードのうちの1つにマッチングしないときに前記同期ツリーデータ構造から前記ローカルノードを除外する前に、前記ローカルノードと関連する前記それぞれの一意の識別子、前記ローカルノードと関連する前記それぞれのパス、または前記ローカルノードと関連する前記それぞれのコンテンツアイテム名のうちの少なくとも1つを含む記録について前記コンテンツ管理システムにおいてリビジョンのジャーナルにクエリを行うことと、
前記リビジョンのジャーナルが前記記録を含まないことを前記コンテンツ管理システムが示すときにのみ、前記ローカルノードを前記同期ツリーデータ構造のみから除外することと、
を行わせるインストラクションをさらに備える、請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記コンピューティングデバイスに、
前記ローカルツリーデータ構造が前記クライアントデバイスから欠落していることを検出することと、
前記ローカルツリーデータ構造が欠落しているという前記検出に応答して、前記クライアントデバイスにおいて前記ローカルツリーデータ構造の再構築をトリガすることであって、前記再構築は、前記ストレージをクロールすること、前記メタデータを識別すること、前記ローカルツリーデータ構造を構築すること、及び前記ローカルツリーデータ構造を格納することを含む、前記トリガすることと、
を行わせるインストラクションをさらに備える、請求項11から19のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年1月5日に出願された米国非仮出願第15/863,819号、2018年1月12日に出願された米国非仮出願第15/870,179号、及び2017年12月28日に出願された米国仮出願第62/611,473号に優先権を主張し、これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照により明示的に援用される。
【0002】
[技術分野]
本技術は、分散ストレージ、コラボレーション及び同期システムに関する。
【背景技術】
【0003】
クラウドストレージシステムにより、ユーザがクラウド上でデータを格納し、このデータにアクセスすることが可能である。いくつかのクラウドストレージシステムにより、コラボレーション方式において、ユーザが他のユーザとデータを共有し、このデータにアクセスすることが可能である。いくつかの事例において、ユーザはユーザのクライアントデバイス上にデータのローカルコピーを格納し、これらのローカルコピーにアクセスすることができる。データのローカルコピーは、ユーザにデータへのより高速なアクセスを提供することができる。加えて、ローカルコピーにより、ユーザがオフラインであるときに、ユーザがデータにアクセスすることを可能にすることができる。また、クラウドストレージシステムにより、ユーザがデータのそれらのローカルコピーをクラウド上のデータと同期させることが可能であり、一貫性を確保することができる。クラウドストレージシステムは、複数のクライアントデバイス及びサーバにわたるデータのコピーを同期させようとすることができるため、データの各コピーは、同一である。しかしながら、複数のデバイスにわたるデータの同期は、非常に困難なタスクである可能性があり、データ及び一貫性の望ましくない損失をもたらすことが多い。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本技術の上記に列挙されている利点及び特徴、ならびに他の利点及び特徴は、添付の図面に示される具体的な実施態様への参照によって明らかになるであろう。当業者は、これらの図面が本技術のいくつかの実施例を示すに過ぎず、本技術の範囲をこれらの実施例に限定しないことを理解するであろう。さらに、当業者は、添付の図面の使用を通じて追加の特殊性及び詳細が記述され、説明される通りに、本技術の原理を理解する。
【0005】
図1A】コンテンツ管理システム及びクライアントデバイスの実施例を示す。
【0006】
図1B】いくつかの態様によるクライアント同期サービスの実施例を示す。
【0007】
図2A図1Aに示されるコンテンツ管理システムとクライアントデバイスとの間でコンテンツを同期させる例示的なアーキテクチャの概略図を示す。
【0008】
図2B図2Aに示されるコンテンツ管理システムとクライアントデバイスとの間でコンテンツを同期させる例示的なアーキテクチャにおいて、コンテンツアイテムのブロックを格納して追跡するための例示的なコンフィグレーションを示す。
【0009】
図3A】コンテンツ管理システム上でクライアントデバイスとサーバファイルジャーナルとの間のファイルジャーナルインタフェースによって処理される例示的な通信の図を示す。
【0010】
図3B】コンテンツ管理システム上でクライアントデバイスとサーバファイルジャーナルとの間で通信を変換するための例示的なプロセスの図を示す。
【0011】
図4A】サーバファイルジャーナルデータを線形化された操作に変換するための例示的な変換及び線形化プロセスの図を示す。
【0012】
図4B】クライアントデバイスからの操作をサーバファイルジャーナルについてのリビジョンに変換するための例示的な変換及び線形化プロセスの図を示す。
【0013】
図5A】ネームスペース間操作の例示的な線形化を示す。
【0014】
図5B】イベントについて計算されるランポートクロックに従い、順序付けされるネームスペースにわたるイベントの図を示す。
【0015】
図6A】さまざまな態様による、ツリーデータ構造の実施例を示す。
【0016】
図6B図6Aに示されるツリーデータ構造への更新の実施例を示す。
【0017】
図7A】ツリーデータ構造を使用してサーバ状態及びファイルシステム状態を同期させるための例示的な方法を示す。
【0018】
図7B】ツリーデータ構造を使用してサーバ状態及びファイルシステム状態を同期させるときに競合を解消するための例示的な方法を示す。
【0019】
図8】コンテンツアイテム操作に基づきコンテンツアイテムを修正するインテントを反映する、図6Aに示されるツリーデータ構造への例示的な更新を示す。
【0020】
図9A】コンテンツアイテム操作をサーバファイルジャーナルにコミットするための例示的な方法を示す。
【0021】
図9B】コンテンツアイテム操作をクライアントデバイスからコミットする要求を処理するための例示的な方法を示す。
【0022】
図10】クライアントデバイス上でツリーデータ構造を再構築するための例示的な再同期プロセスを示す。
【0023】
図11】クライアントデバイス上でツリーデータ構造を再構築するための再同期プロセスの図を示す。
【0024】
図12】本技術のさまざまな態様を実装するためのシステムの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本技術のさまざまな実施例は、以下に詳細に考察される。具体的な実施態様を考察するが、これが例示目的のみのために行われていることを理解するであろう。当業者は、本技術の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の構成要素及び構成を使用することができることを認識するであろう。
【0026】
クラウドストレージシステムにより、ユーザが複数のデバイスにわたりコンテンツアイテムを格納し、これらのコンテンツアイテムにアクセスすることが可能である。コンテンツアイテムは、ファイル、ドキュメント、メッセージ(例えば、電子メールメッセージまたはテキストメッセージ)、メディアファイル(例えば、写真、ビデオ、及びオーディオファイル)、フォルダ、またはいずれかの他のコンテンツユニットを含むことができるが、これらに限定されない。コンテンツアイテムは、複数のユーザと共有される、編集される、削除される、追加される、リネームされる、または移動され得る。しかしながら、いくつかのデバイス及びユーザアカウントにわたり共有される、または格納されるコンテンツアイテムを同期させることにより、不具合が残り、技術的な障害が広まっている。
【0027】
図示するよう、第一マシン(例えば、クライアントデバイスまたはサーバ)は、クラウドストレージシステム上でのコンテンツアイテムのユーザの修正方法についての情報を提供する通信を、第二マシンに送信することができる。第一マシン上のコンテンツアイテムに実行されるアクションが第二マシン上のコンテンツアイテムに反映されるように、これらの通信を第二マシンが使用して、コンテンツアイテムを第二マシン上で同期させることができ、第一マシン上のコンテンツアイテムは、第二マシン上のコンテンツアイテムと実質的に同一である。
【0028】
しかしながら、多くの場合、管理するのが困難である可能性がある、さまざまなマシン間に送信されるいくつかの通信がある場合がある。さらに、これらの通信のいくつかを、クライアントまたはネットワーク問題などのさまざまな問題の結果として、順不同に受信する場合がある。これは、コンテンツアイテム間の競合及びエラーをさまざまなマシンにもたらすことが多い。また、ユーザのアクティビティは、多数のリビジョンを生成する可能性があり、これらのリビジョンは、同期作業をさらに複雑にし、一貫性がないことを悪化させる可能性がある。例えば、ユーザは、多数の修正をさまざまなコンテンツアイテムに実行する、修正を短期間に取り消す、または追加の修正を以前に修正されたコンテンツアイテムに迅速に実行する可能性がある。これは、期限切れの修正の原因となり、コンテンツアイテムを競合させる、ユーザからの変更及びリビジョンを順不同に受信する尤度を増加させる。結果として、いくつかの操作は、コンテンツアイテムの現在の状態と互換性がない場合がある。さらに、操作が競合しているかどうかを検出することは、非常に困難である可能性がある。
【0029】
また、同期アクションによる固有のレイテンシがある。例えば、第一マシン上で行われるこれらのアクションを第一マシンが最初に検出し、次に、通信を生成し、ネットワークを介して送信する。以前の通信をまだ処理している可能性がある第二マシンが通信を受信し、通信に詳述されるアクションを第二マシンにおいて行う可能性がある。この例示的なシナリオにおいて、第一マシン、第二マシン、及びネットワークを含む、いくつかの可能なレイテンシポイントがある。レイテンシが増加すると、コンテンツアイテム間の競合の尤度も増加する。これらのような競合した通信を処理すること、及び競合を解消することは、非常に困難であり、計算上コストが高いタスクである。
【0030】
コンテンツアイテムへのアクセスを有する第二マシンまたは他のマシン上の同一の、または異なるユーザが修正をコンテンツアイテムに行うときに、さらに複雑になる。追加の技術上の問題は、コンテンツアイテムをローカルに、またリモートに大規模なコラボレーション環境において修正するときに発生する。本明細書に示されるように、これらの問題は、コンテンツアイテムにおいて幅広い問題、及び一貫性がないことを引き起こすため、急速に増加し、複雑になる可能性がある。
【0031】
コンテンツ管理システム
いくつかの実施形態において、開示されている科学技術は、とりわけ、コンテンツアイテム同期機能及びコラボレーション特徴を有するコンテンツ管理システムのコンテキストに展開される。例示的なシステムコンフィグレーション100は、クライアントデバイス150とインタラクトするコンテンツ管理システム110を描く、図1Aに示される。
【0032】
アカウント
【0033】
コンテンツ管理システム110は、アカウントと関連するコンテンツアイテムを格納し、コンテンツアイテム(複数可)を取得する、修正する、閲覧する、及び/または共有するなどの、さまざまなコンテンツアイテム管理タスクを実行することができる。さらに、コンテンツ管理システム110は、アカウントが複数のクライアントデバイスからコンテンツアイテム(複数可)にアクセスすることを可能にすることができる。
【0034】
コンテンツ管理システム110は、複数のアカウントをサポートする。エンティティ(ユーザ、ユーザグループ、チーム、会社など)は、コンテンツ管理システムによってアカウントを作成することができ、アカウント詳細は、アカウントデータベース140に格納されることができる。アカウントデータベース140は、登録されたエンティティについてのプロファイル情報を格納することができる。いくつかの事例において、登録されたエンティティについてのプロファイル情報は、ユーザ名及び/または電子メールアドレスを含む。アカウントデータベース140は、アカウントタイプ(例えば、無料のアカウント、または有料のアカウントのさまざまなティア)、割り振られるストレージスペース、使用されるストレージスペース、それらの上に常駐する登録されたコンテンツ管理クライアントアプリケーション152を含むクライアントデバイス150、セキュリティ設定、パーソナルコンフィグレーション設定などのような、アカウント管理情報を含むことができる。
【0035】
アカウントデータベース140は、エンティティと関連するアカウントグループを格納することができる。グループは、グループポリシー及び/またはアクセス制御リストに基づくパーミッションを有することができ、これらのグループのメンバーは、これらのパーミッションを継承することができる。例えば、マーケティンググループは、1セットのコンテンツアイテムへのアクセスを有することができ、エンジニアリンググループは、別の1セットのコンテンツアイテムへのアクセスを有することができる。管理者グループは、グループを修正すること、ユーザアカウントを修正することなどができる。
【0036】
コンテンツアイテムストレージ
【0037】
コンテンツ管理システム110の特徴は、コンテンツストレージ142に格納されることができる、コンテンツアイテムのストレージである。コンテンツアイテムは、ドキュメント、コラボレーションコンテンツアイテム、テキストファイル、オーディオファイル、画像ファイル、ビデオファイル、ウェブページ、実行可能ファイル、バイナリファイルなどのような、いずれかのデジタルデータであり得る。また、コンテンツアイテムは、フォルダ、zipファイル、プレイリスト、アルバムなどのような、異なるビヘイビアと共にコンテンツアイテムをグループ化するためのコレクションまたは他のメカニズムを含むことができる。コレクションは、フォルダ、または共通属性によって関連する、またはグループ化される複数のコンテンツアイテムを指すことができる。いくつかの実施形態において、コンテンツストレージ142を他のタイプのストレージまたはデータベースと組み合わせ、特定の機能をハンドリングする。コンテンツストレージ142は、コンテンツアイテムを格納し、これらのコンテンツアイテムについてのメタデータは、メタデータデータベース146に格納されることができる。同様に、コンテンツアイテムをコンテンツストレージ142に格納する位置についてのデータを、コンテンツディレクトリ144に格納することができる。加えて、変更、アクセスなどについてのデータをサーバファイルジャーナル148に格納することができる。コンテンツストレージ142、コンテンツディレクトリ144、サーバファイルジャーナル148、及びメタデータデータベース146のような、さまざまなストレージ/データベースのそれぞれは、1つより多いこれらのようなストレージまたはデータベースから構成されることができ、多くのデバイス及び位置上に分散されることができる。他のコンフィグレーションも可能である。例えば、コンテンツストレージ142、コンテンツディレクトリ144、サーバファイルジャーナル148、及び/またはメタデータデータベース146からのデータは、1つまたは複数のコンテンツストレージもしくはデータベースに統合される、または追加のコンテンツストレージもしくはデータベースにさらにセグメント化されることができる。したがって、コンテンツ管理システム110は、図1Aに示されるものより多い、または少ないストレージ及び/またはデータベースを含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、コンテンツストレージ142は、少なくとも1つのコンテンツストレージサービス116と関連付けられ、少なくとも1つのコンテンツストレージサービスは、ストレージ用のコンテンツアイテムを受信すること、ストレージ用のコンテンツアイテムを準備すること、コンテンツアイテム用のストレージ位置を選択すること、コンテンツアイテムをストレージから取得することなどを含むが、これらに限定されない、コンテンツアイテムのストレージを管理するために、ソフトウェアまたは他のプロセッサ実行可能命令を含む。いくつかの実施形態において、コンテンツストレージサービス116は、コンテンツストレージ142におけるストレージのために、コンテンツアイテムをより小さなチャンクに分割することができる。コンテンツアイテムを構成する各チャンクの位置をコンテンツディレクトリ144に記録することができる。コンテンツディレクトリ144は、コンテンツストレージ142に格納される各コンテンツアイテムについてのコンテンツエントリを含むことができる。コンテンツエントリは、コンテンツアイテムを識別する、一意のIDと関連付けられることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、一意のIDは、コンテンツディレクトリ144中のコンテンツアイテムを識別するが、確定的ハッシュ関数から導出されることができる。コンテンツアイテムに対して一意のIDを導出するこの方法は、確定的ハッシュ関数が同一のコンテンツアイテムのすべてのコピーに対して同じ識別子を出力するが、異なるコンテンツアイテムに対して異なる識別子を出力することなどから、コンテンツアイテム重複を認識することを確保することができる。この方法論を使用して、コンテンツストレージサービス116は、各コンテンツアイテムに対して一意のIDを出力することができる。
【0040】
また、コンテンツストレージサービス116は、メタデータデータベース146中のコンテンツアイテムについてのコンテンツパスを指定する、または記録することができる。コンテンツパスは、コンテンツアイテム及び/またはこのコンテンツアイテムと関連するフォルダ階層の名前を含むことができる。例えば、コンテンツパスは、コンテンツアイテムをクライアントデバイス上のローカルファイルシステムに格納するフォルダ、またはフォルダのパスを含むことができる。コンテンツアイテムをブロック中のコンテンツストレージ142に格納し、ディレクトリ構造のようなツリー下に格納しなくてもよいが、このようなディレクトリ構造は、ユーザにとって快適なナビゲーション構造である。コンテンツストレージサービス116は、ディレクトリ構造の「ルート」ノードが各アカウントについてのネームスペースであることができる、コンテンツアイテムについてのコンテンツパスを定義する、または記録することができる。ネームスペース内には、アカウント及び/またはコンテンツストレージサービス116のユーザによって定義されるディレクトリ構造があることができる。メタデータデータベース146は、各コンテンツアイテムについてのコンテンツパスをコンテンツエントリの部分として格納することができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、ネームスペースは、それらがルートノード内に格納されるかのようにディレクトリ構造にネストされる追加のネームスペースを含むことができる。これは、アカウントが共有されたコレクションへのアクセスを有するときに起こり得る。共有されたコレクションは、それら自体のネームスペースをコンテンツ管理システム110内に割り当てられ得る。いくつかの共有されたコレクションは、実際には共有されたコレクションについてのルートノードであるが、それらは、ディレクトリ構造中のアカウントネームスペースの下位に位置し、アカウント用のフォルダ内のフォルダとして出現することができる。上述されるように、ディレクトリ構造は、ユーザにとって単に快適なナビゲーション構造であるが、コンテンツストレージ142中のコンテンツアイテムのストレージ位置に相関しない。
【0042】
アカウントがコンテンツアイテムを表示するディレクトリ構造は、コンテンツ管理システム110においてストレージ位置に相関しないが、ディレクトリ構造は、クライアントデバイス150によって使用されるファイルシステムに依存するクライアントデバイス150上のストレージ位置に相関することができる。
【0043】
上述されるように、コンテンツディレクトリ144中のコンテンツエントリは、コンテンツアイテムを構成する各チャンクの位置をも含むことができる。より具体的に、コンテンツエントリは、コンテンツアイテムを構成するチャンクのコンテンツストレージ142中の位置を識別するコンテンツポインタを含むことができる。
【0044】
コンテンツパス及びコンテンツポインタに加えて、コンテンツディレクトリ144中のコンテンツエントリは、コンテンツアイテムへのアクセスを有するユーザアカウントを識別するユーザアカウント識別子、及び/またはコンテンツアイテムへのアクセスを有するグループを識別するグループ識別子、及び/またはコンテンツエントリが属するネームスペースをも含むことができる。
【0045】
コンテンツストレージサービス116は、コンテンツアイテム、またはコンテンツアイテムのバージョンを構成する、重複するコンテンツアイテム、または重複するブロックを識別することによってストレージスペースの所要量を減少させることができる。複数のコピーを格納する代替に、コンテンツストレージ142は、コンテンツアイテムの、またはコンテンツアイテムのブロックの、単一コピーを格納することができ、コンテンツディレクトリ144は、重複を単一コピーにリンクさせる、ポインタまたは他のメカニズムを含むことができる。
【0046】
また、コンテンツストレージサービス116は、コンテンツアイテムの一意のIDと関連して、コンテンツアイテム、コンテンツアイテムタイプ、フォルダ、ファイルパス、及び/またはメタデータデータベース146中のさまざまなアカウント、コレクション、またはグループへのコンテンツアイテムの関係を記述するメタデータを格納することができる。
【0047】
また、コンテンツストレージサービス116は、サーバファイルジャーナル148中の変更、アクセスなどについてのデータのログを格納することができる。サーバファイルジャーナル148は、タイムスタンプまたはバージョン番号及びいずれかの他の関連データに加えて、コンテンツアイテムの一意のID、及び変更またはアクセスアクションのディスクリプションを含むことができる。また、サーバファイルジャーナル148は、変更またはコンテンツアイテムアクセスによって影響されるブロックへのポインタを含むことができる。コンテンツストレージサービスは、コンテンツアイテムへの変更を追跡するコンテンツアイテムバージョン制御、コンテンツアイテムの異なるバージョン(分岐するバージョンツリーを含む)、及びサーバファイルジャーナル148から取得されることができる変更履歴を使用することによって、操作をアンドゥする機能を提供することができる。
【0048】
コンテンツアイテム同期
【0049】
コンテンツ管理システム110の別の特徴は、コンテンツアイテムの少なくとも1つのクライアントデバイス150との同期である。クライアントデバイス(複数可)は、異なる形を取り、異なる機能を有することができる。例えば、クライアントデバイス150は、複数のアプリケーションによってアクセス可能な、それらの上に常駐するローカルファイルシステムを含むコンピューティングデバイスである。クライアントデバイス150は、コンピューティングデバイスであり、そこでコンテンツアイテムは、特定のアプリケーションに、または特定のアプリケーションにより与えられるパーミッションによってのみアクセス可能であり、コンテンツアイテムは、典型的に、特定用途向けスペースか、クラウドかのいずれか一方に格納される。クライアントデバイス150は、ウェブブラウザを介してコンテンツ管理システム110にアクセスし、またウェブインタフェースを介してコンテンツアイテムにアクセスする、いずれかのクライアントデバイスである。例示的なクライアントデバイス150、150、及び150は、ラップトップ、モバイルデバイス、またはウェブブラウザなどのフォームファクタで描かれ、それらの記述がこれらの例示的なフォームファクタのデバイスに限定されないことを理解するであろう。例えば、クライアント150などのモバイルデバイスは、複数のアプリケーションによってアクセス可能な、それらの上に常駐するローカルファイルシステムを含むことができる、またはクライアント150は、ウェブブラウザを介してコンテンツ管理システム110にアクセスすることができる。このように、フォームファクタは、クライアント150の機能を考慮するときに制限するものとみなされるべきではない。クライアントデバイス150に関して本明細書に記述される1つ以上の機能は、デバイスの特定の機能(ファイルアクセスモデルがこのような機能の1つである)に依存するすべてのクライアントデバイス上で利用可能であってもよいし、利用可能でなくてもよい。
【0050】
多くの実施形態において、クライアントデバイスは、コンテンツ管理システム110のアカウントと関連付けられるが、いくつかの実施形態において、クライアントデバイスは、共有されたリンクを使用してコンテンツにアクセスし得、アカウントを必要としないことがある。
【0051】
上述されるように、いくつかのクライアントデバイスは、ウェブブラウザを使用してコンテンツ管理システム110にアクセスすることができる。しかしながら、クライアントデバイスは、クライアントデバイス150上で格納され、実行するクライアントアプリケーション152を使用して、コンテンツ管理システム110にもアクセスすることができる。クライアントアプリケーション152は、クライアント同期サービス156を含むことができる。
【0052】
クライアント同期サービス156は、サーバ同期サービス112と通信し、クライアントデバイス150とコンテンツ管理システム110との間でコンテンツアイテムへの変更を同期させることができる。
【0053】
クライアントデバイス150は、クライアント同期サービス156を介してコンテンツをコンテンツ管理システム110と同期させることができる。同期は、プラットフォームに依存しないことができる。すなわち、コンテンツは、さまざまなタイプ、機能、オペレーティングシステムなどの複数のクライアントデバイスにわたり同期することができる。クライアント同期サービス156は、クライアントデバイス150のファイルシステムの指定の位置におけるコンテンツアイテムへのいかなる変更(新規の、削除された、修正された、コピーされた、または移動されたコンテンツアイテム)をも同期させることができる。
【0054】
コンテンツアイテムをクライアントデバイス150からコンテンツ管理システム110に同期させることができ、またその逆もできる。クライアントデバイス150からコンテンツ管理システム110への同期である実施形態において、ユーザは、クライアントデバイス150のファイルシステムから直接コンテンツアイテムを操作することができるが、クライアント同期サービス156は、監視されたフォルダ内のファイルへの変更についてディレクトリをクライアントデバイス150上で監視することができる。
【0055】
クライアント同期サービス156が監視するディレクトリ中のコンテンツの書き込み、移動、コピー、または削除を検出するときに、クライアント同期サービス156は、コンテンツ管理システムサービス116への変更を同期させることができる。いくつかの実施形態において、クライアント同期サービス156は、コンテンツアイテムをブロックに分割すること、コンテンツアイテムをハッシュ化して一意の識別子を生成することなどのような上述される機能を有するコンテンツ管理システムサービス116のいくつかの機能を実行することができる。クライアント同期サービス156は、クライアントストレージインデックス164内でコンテンツをインデックス化し、結果をストレージインデックス164に保存することができる。インデックス化は、各コンテンツアイテムについての、パスと一意のサーバ識別子、及び一意のクライアント識別子を格納することを備えることができる。いくつかの実施形態において、クライアント同期サービス156は、一意のサーバ識別子をサーバ同期サービス112から学習し、一意のクライアント識別子をクライアントデバイス150のオペレーティングシステムから学習する。
【0056】
クライアント同期サービス156は、ストレージインデックス164を使用して、コンテンツ管理システム110上のユーザアカウントと関連するコンテンツとの、クライアントストレージ内のコンテンツの少なくとも一部分の同期を容易にすることができる。例えば、クライアント同期サービス156は、ストレージインデックス164をコンテンツ管理システム110と比較し、クライアントストレージ上のコンテンツと、コンテンツ管理システム110上のユーザアカウントと関連するコンテンツとの間の差異を検出することができる。次いで、クライアント同期サービス156は、必要に応じてコンテンツをクライアントストレージ上で、アップロードし、ダウンロードし、修正し、そして削除することによって、差異のリコンサイルを試行することができる。コンテンツストレージサービス116は、必要に応じて、コンテンツアイテムについて変更されたブロック、または新規のブロックを格納し、サーバファイルジャーナル148、メタデータデータベース146、コンテンツディレクトリ144、コンテンツストレージ142、アカウントデータベース140などを更新することができる。
【0057】
コンテンツ管理システム110からクライアントデバイス150に同期させるときに、サーバファイルジャーナル148に記録されるコンテンツアイテムのマウント、修正、追加、削除、移動は、通知サービス117を使用してクライアントデバイス150に送信される通知をトリガすることができる。クライアントデバイス150に変更を通知するときに、クライアントデバイスに知られている最後の同期ポイント以降に、サーバファイルジャーナル148に列挙されている要求を変更する。クライアントデバイス150がコンテンツ管理システム110と同期していないと判定するときに、クライアント同期サービス156は、変更を含むコンテンツアイテムブロックを要求し、変更されたコンテンツアイテムのそのローカルコピーを更新する。
【0058】
いくつかの実施形態において、ストレージインデックス164は、ツリーデータ構造を格納し、そこで1つのツリーは、サーバ同期サービス112に従いディレクトリの最新の表現を反映し、もう1つのツリーは、クライアント同期サービス156に従いディレクトリの最新の表現を反映する。クライアント同期サービスは、データをサーバ同期サービス112から要求することによって、またはクライアントデバイス150上の変更をコンテンツ管理システム110にコミットすることによって、ツリー構造がマッチングすることを確保するように機能することができる。
【0059】
ときとして、クライアントデバイス150は、利用可能なネットワーク接続を有さない場合がある。このシナリオにおいて、クライアント同期サービス156は、ネットワーク接続が利用可能であるときに、コンテンツアイテム変更についてリンクされたコレクションを監視し、後のコンテンツ管理システム110への同期のためにこれらの変更をキューイングすることができる。同様に、ユーザは、コンテンツ管理システム110との同期を手動で、開始する、停止する、一時停止する、または再開することができる。
【0060】
クライアント同期サービス156は、特定のユーザアカウントと関連するすべてのコンテンツをコンテンツ管理システム110上で同期させることができる。代替的に、クライアント同期サービス156は、特定のユーザアカウントと関連する全コンテンツの一部のコンテンツをコンテンツ管理システム110上で選択的に同期させることができる。一部のコンテンツのみを選択的に同期させることにより、スペースをクライアントデバイス150上に保持し、帯域幅を節約することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、クライアント同期サービス156は、コンテンツのリマインダ部分のためにクライアントストレージに、特定のユーザアカウントと関連するコンテンツの一部を選択的に格納し、プレースホルダコンテンツアイテムを格納する。例えば、クライアント同期サービス156は、プレースホルダコンテンツアイテムを格納することができ、このプレースホルダコンテンツアイテムは、コンテンツ管理システム110上の、そのそれぞれの完全なコンテンツアイテムの同じファイル名、パス、拡張子、メタデータを有するが、完全なコンテンツアイテムのデータを欠く。このプレースホルダコンテンツアイテムは、サイズが数バイト以下であることができるが、それぞれの完全なコンテンツアイテムは、著しくより大きくてもよい。クライアントデバイス150がコンテンツアイテムにアクセスすることを試行した後に、クライアント同期サービス156は、コンテンツアイテムのデータをコンテンツ管理システム110から取得し、完全なコンテンツアイテムを、アクセスするクライアントデバイス150に提供することができる。このアプローチは、有意なスペース、及び帯域幅節約を提供しながら、ユーザのコンテンツへのフルアクセスをコンテンツ管理システム110上に依然として提供することができる。
【0062】
コラボレーション特徴
【0063】
コンテンツ管理システム110の別の特徴は、ユーザ間のコラボレーションを容易にすることである。コラボレーション特徴は、コンテンツアイテムの共有、コンテンツアイテムについてのコメント、コンテンツアイテム上でのコワーキング、インスタントメッセージング、コンテンツアイテムについての存在及び表示状態情報を提供することなどを備える。
【0064】
共有
【0065】
コンテンツ管理システム110は、共有サービス128を介して共有コンテンツを管理することができる。コンテンツへのリンクを提供することによって共有するコンテンツは、コンテンツ管理システム110とネットワーク通信しているいずれかのコンピューティングデバイスからアクセス可能なコンテンツアイテムを作成することを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、リンクは、コンテンツ管理システム110及びアクセス制御リスト145によって実施されるアクセス制限と関連付けられることができる。また、共有コンテンツは、共有サービス128を使用してコンテンツにリンクし、コンテンツ管理システム110内のコンテンツを少なくとも1つの追加のユーザアカウント(コンテンツアイテムと関連する元のユーザアカウントに加えて)と共有することを含むことができるので、各ユーザアカウントは、コンテンツアイテムへのアクセスを有する。追加のユーザアカウントは、コンテンツを許容することによってコンテンツへのアクセスを得ることができ、その後、ウェブインタフェースサービス124を介してか、直接にかのいずれか一方で、クライアントデバイス150上でそれらのアカウントと関連するディレクトリ構造内からアクセス可能である。プラットフォームに依存しない方式において、共有を実行することができる。すなわち、さまざまなタイプ、機能、オペレーティングシステムなどの複数のクライアントデバイス150にわたりコンテンツを共有することができる。また、ユーザアカウントのさまざまなタイプにわたりコンテンツを共有することができる。
【0066】
コンテンツアイテムをコンテンツ管理システム110内で共有するために、共有サービス128は、1つのユーザアカウント識別子、または複数のユーザアカウント識別子を、コンテンツアイテムと関連するアクセス制御リストデータベース145中のコンテンツエントリに追加することができるので、コンテンツアイテムへの追加されたユーザアカウントアクセスを付与することができる。また、共有サービス128は、ユーザアカウント識別子をコンテンツエントリから除去し、コンテンツアイテムへのユーザアカウントのアクセスを制限することができる。共有サービス128は、コンテンツアイテム識別子、コンテンツアイテムへのアクセスを与えられるユーザアカウント識別子、及びアクセス制御リストデータベース145におけるアクセスレベルを記録することができる。例えば、いくつかの実施形態において、単一コンテンツエントリと関連するユーザアカウント識別子は、関連したコンテンツアイテムに関するそれぞれのユーザアカウント識別子に対して異なるパーミッションを指定することができる。
【0067】
コンテンツ管理システム110の外部でコンテンツアイテムを共有するために、共有サービス128は、ユニフォームリソースロケータ(URL)などのカスタムネットワークアドレスを生成することができ、このカスタムネットワークアドレスにより、いかなる認証もなく、コンテンツ管理システム110においてコンテンツアイテムまたはコレクションにいかなるウェブブラウザもアクセスすることが可能である。これを達成するために、共有サービス128は、コンテンツ識別データを生成されたURLに含むことができ、このコンテンツ識別データを後に使用して、要求されたコンテンツアイテムを適切に識別し、返すことができる。例えば、共有サービス128は、アカウント識別子及びコンテンツパス、または生成されたURL中でコードを識別するコンテンツアイテムを含むことができる。URLの選択に際し、URLに含まれるコンテンツ識別データをコンテンツ管理システム110に送信することができ、このコンテンツ管理システム110は、受信したコンテンツ識別データを使用して、適切なコンテンツアイテムを識別し、コンテンツアイテムを返すことができる。
【0068】
URLを生成することに加えて、共有サービス128は、コンテンツアイテムへのURLが作成されているアクセス制御リストデータベース145に記録されるように設定されることもできる。いくつかの実施形態において、コンテンツアイテムと関連するコンテンツエントリは、コンテンツアイテムへのURLが作成されているかどうかを示すURLフラグを含むことができる。例えば、URLフラグは、コンテンツアイテムへのURLが作成されていないことを示す、0または偽に最初に設定されるブール値であり得る。共有サービス128は、コンテンツアイテムへのURLを生成した後に、フラグの値を1または真に変更することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、共有サービス128は、1セットのパーミッションをコンテンツアイテムについてのURLに関連付けることができる。例えば、ユーザがURLを介してコンテンツアイテムにアクセスすることを試行する場合に、共有サービス128は、コンテンツアイテムに対して制限された1セットのパーミッションを提供することができる。制限されたパーミッションの実施例は、ユーザがコンテンツアイテムをダウンロードすることができない、コンテンツアイテムを保存することができない、コンテンツアイテムをコピーすることができない、コンテンツアイテムを修正することができないなどの制限を有する。いくつかの実施形態において、制限されたパーミッションは、特定のドメインから、すなわち、企業ネットワークドメイン内部から、または特定のドメインと関連するアカウント、例えば、企業アカウントと関連するアカウント(例えば、@acme.com)によって、アクセスされるコンテンツアイテムだけにパーミッションを与える制限を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、共有サービス128も、生成されたURLを非アクティブ化するように構成されることができる。例えば、各コンテンツエントリも、生成されたURLからの要求に応答してコンテンツを返すべきかどうかを示す、URLアクティブフラグを含むことができる。例えば、URLアクティブフラグが1または真に設定される場合に、共有サービス128は、生成されたリンクによって要求されるコンテンツアイテムのみを返すことができる。したがって、URLが生成されているコンテンツアイテムへのアクセスは、URLアクティブフラグの値を変更することによって容易に制限され得る。これにより、コンテンツアイテムを移動させる、または生成されたURLを削除することを必要とせずに、ユーザが共有されたコンテンツアイテムへのアクセスを制限することができる。同様に、共有サービス128は、URLアクティブフラグの値を1または真に再度変更することによって、URLを再アクティブ化することができる。したがって、ユーザは、新規のURLを生成する必要なく、コンテンツアイテムへのアクセスを容易に復元することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システム110は、コンテンツアイテムをアップロードするためにURLを指定することができる。例えば、ユーザアカウントを有する第一ユーザは、このようなURLを要求し、URLを寄与するユーザに提供することができ、寄与するユーザは、このURLを使用して、コンテンツアイテムを第一ユーザのユーザアカウントにアップロードすることができる。
【0072】
チームサービス
【0073】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システム110は、チームサービス130を含む。チームサービス130は、ユーザアカウントの定義されたチームを作成し、管理するための機能性を提供することができる。これらのチームは、サブチーム(例えば、ビジネスユニット、またはプロジェクトチームなど)とともに、企業用に作成されることができ、これらのチーム及びサブチームに、またはこれらのチームに割り当てられるユーザアカウントは、ユーザアカウントのいずれかの定義されたグループ用に作成され得る。これらのチームサービス130は、チーム用の共通の共有スペース、プライベートユーザアカウントフォルダ、及びアクセス制限された共有フォルダを提供することができる。また、チームサービスは、管理者用に管理インタフェースを提供し、コレクション及びコンテンツアイテムをチーム内で管理することができ、このチームと関連付けられるユーザアカウントを管理することができる。
【0074】
認可サービス
【0075】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システム110は、認可サービス132を含む。認可サービス132は、ネームスペースにアクセスすることを試行するユーザアカウントがネームスペースにアクセスする適切な権限を有することを確保する。認可サービス132は、ネームスペースにアクセスする要求に従うトークンをクライアントアプリケーション152から受信することができ、ユーザアカウントにパーミッションを与えられている機能を返すことができる。複数のアクセスレベルを有するユーザアカウント(例えば、ユーザ権限及び管理者権限を有するユーザアカウント)について、認可サービス132は、管理者による意図しないアクションを回避するために、明示的な特権昇格をも要求することができる。
【0076】
存在及び表示状態
【0077】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システムは、コンテンツアイテムを共有するユーザがどのようにコンテンツアイテムとインタラクトしている、またはインタラクトしていたかについての情報を提供することができる。いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システム110は、コンテンツアイテムを共有するユーザがコンテンツアイテムを現在閲覧していることを報告することができる。例えば、クライアントデバイス150がコンテンツアイテムにアクセスしているときに、クライアントコラボレーションサービス160は、通知サービス117に通知することができる。次いで、通知サービス117は、このコンテンツアイテムに関してクライアントデバイス150のユーザの存在する同一コンテンツアイテムへのアクセスを有する他のユーザのすべてのクライアントデバイスに通知することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理システム110は、共有されたコンテンツアイテムとのユーザインタラクションの履歴を報告することができる。コラボレーションサービス126は、メタデータデータベース146及びサーバファイルジャーナル148などのデータソースにクエリを行い、ユーザがコンテンツアイテムを保存していること、ユーザがまだコンテンツアイテムを閲覧していることなどを判定し、通知サービス117を使用して、この状態情報を他のユーザに広めることができるので、それらのユーザは、コンテンツアイテムを現在閲覧している、または現在修正している、または閲覧していた、または修正したユーザを知ることができる。
【0079】
コラボレーションサービス126は、コンテンツアイテムがコメント機能をネイティブにサポートしない場合でも、コンテンツと関連するコメントを容易にすることができる。これらのようなコメントをメタデータデータベース146に格納することができる。
【0080】
コラボレーションサービス126は、ユーザに対して通知を発信し、送信することができる。例えば、ユーザは、コメント中に別のユーザについて言及することができ、コラボレーションサービス126は、ユーザがコメント中で言及されている通知をそのユーザに送信することができる。さまざまな他のコンテンツアイテムイベントは、コンテンツアイテムを削除すること、コンテンツアイテムを共有することなどを含む、通知をトリガすることができる。
【0081】
コラボレーションサービス126は、メッセージングプラットフォームを提供することができ、このメッセージングプラットフォームにより、ユーザは、インスタントメッセージ、音声通話、電子メールなどを送信し、受信することができる。
【0082】
コラボレーションコンテンツアイテム
【0083】
いくつかの実施形態において、コンテンツ管理サービスは、コラボレーションドキュメントサービス134をも含むことができ、このコラボレーションドキュメントサービス134は、インタラクティブコンテンツアイテムコラボレーションプラットフォームを提供することができ、このインタラクティブコンテンツアイテムコラボレーションプラットフォームにより、ユーザは、コラボレーションコンテンツアイテム、これらのコラボレーションコンテンツアイテム中のコメントを同時に作成し、タスクをコラボレーションコンテンツアイテム内で管理することができる。コラボレーションコンテンツアイテムは、ユーザが作成し、コラボレーションコンテンツアイテムエディタを使用して編集することができ、コラボレーションコンテンツアイテム要素を含むことができるファイルであり得る。コラボレーションコンテンツアイテム要素は、コラボレーションコンテンツアイテム識別子、1つ以上のオーサー識別子、コラボレーションコンテンツアイテムテキスト、コラボレーションコンテンツアイテム属性、インタラクション情報、コメント、共有するユーザなどを含むことができる。コラボレーションコンテンツアイテム要素は、コラボレーションコンテンツアイテムを検索し、取得することを可能にする、データベースエンティティとして格納されることができる。複数のユーザは、同時に、または異なる時間に、コラボレーションコンテンツアイテムにアクセスし、これらのコラボレーションコンテンツアイテムを閲覧し、編集し、そしてコラボレーションすることができる。いくつかの実施形態において、これは、2人のユーザがウェブインタフェースを介してコンテンツアイテムにアクセスすることを要求することによって管理されることができ、そしてそこでこれら2人のユーザは、同時にコンテンツアイテムの同じコピー上で操作することができる。
【0084】
コラボレーションコンパニオンインタフェース
【0085】
いくつかの実施形態において、クライアントコラボレーションサービス160は、クライアントデバイス150上に提示されるコンテンツアイテムに関連する情報を表示する目的のために、ネイティブアプリケーションコンパニオンインタフェースを提供することができる。クライアントデバイス150に格納され、このクライアントデバイス150上で実行されるネイティブアプリケーションがコンテンツアイテムにアクセスする、いくつかの実施形態において、そこでコンテンツアプリケーション152がコンテンツアイテムを管理するように、コンテンツアイテムは、クライアントデバイス150のファイルシステムの指定の位置にあり、ネイティブアプリケーションは、上記のアドレス指定されたコラボレーションデータを表示するいかなるネイティブな方式も提供しない場合がある。これらのような実施形態において、クライアントコラボレーションサービス160は、ユーザがコンテンツアイテムを開いていることを検出することができ、コラボレーションデータなどのコンテンツアイテムについての追加情報をオーバーレイに提供することができる。例えば、追加情報は、コンテンツアイテムに対するコメント、コンテンツアイテムの状態、コンテンツアイテムを以前に閲覧していた、または現在閲覧している他のユーザのアクティビティを含むことができる。このようなオーバーレイは、別のユーザがコンテンツアイテムを現在編集しているため、変更が失われる可能性があることをユーザに警告することができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、パブリックまたはプライベートアプリケーションプログラミングインタフェースを使用して、上記に考察される、サービスまたはストレージ/データベースのうちの1つ以上にアクセスすることができる。
【0087】
ある特定のソフトウェアアプリケーションは、コンテンツストレージ142にAPIを介してユーザの代わりにアクセスすることができる。例えば、クライアントデバイス150上で実行するアプリケーションなどのソフトウェアパッケージは、ユーザが認証クレデンシャルを提供するときにコンテンツ管理システム110に直接API呼び出しをプログラムに従い行い、コンテンツを読み出す、書き込む、作成する、削除する、共有する、またはその他の方法により操作することができる。
【0088】
ユーザは、ウェブインタフェースサービス124によって生成され、サーブされるウェブインタフェースを介してユーザアカウントに格納されるコンテンツを閲覧する、または操作することができる。例えば、ユーザは、ウェブブラウザにおいて、コンテンツ管理システム110によって提供されるウェブアドレスにナビゲートすることができる。コンテンツアイテムの新規のバージョンをアップロードするなど、ウェブインタフェースを介して行われるコンテンツストレージ142中のコンテンツへの変更または更新は、伝播され、ユーザのアカウントと関連する他のクライアントデバイスに返されることができる。例えば、複数のクライアントデバイスは、これらのクライアントデバイス自体のそれぞれのクライアントソフトウェアとともに、単一アカウントと関連付けられることができ、このアカウント中のコンテンツアイテムは、複数のクライアントデバイスのそれぞれの間で同期することができる。
【0089】
クライアントデバイス150は、ユーザの代わりにコンテンツ管理システム110に接続することができる。ユーザは、例えば、クライアントデバイス150がデスクトップまたはラップトップコンピュータ、電話、テレビ、モノのインターネットデバイスなどであるときに、クライアントデバイス150と直接インタラクトすることができる。代替的に、または追加的に、クライアントデバイス150は、例えば、クライアントデバイス150がサーバであるときに、ユーザがクライアントデバイス150への物理的なアクセスを有することなく、ユーザの代理を務めることができる。
【0090】
クライアントデバイス150のいくつかの特徴は、クライアントデバイス150上にインストールされるアプリケーションによって有効にされる。いくつかの実施形態において、このアプリケーションは、コンテンツ管理システム専用コンポーネントを含むことができる。例えば、コンテンツ管理システム専用コンポーネントは、スタンドアロンアプリケーション152、1つ以上のアプリケーションプラグイン、及び/またはブラウザ拡張であることができる。しかしながら、ユーザも、ウェブブラウザなどの第三者アプリケーションを介してコンテンツ管理システム110とインタラクトすることができ、この第三者アプリケーションは、クライアントデバイス150上にあり、コンテンツ管理システム110と通信するように構成される。さまざまな実装において、クライアント側アプリケーション152は、ユーザに対してユーザインタフェース(UI)を提示し、コンテンツ管理システム110とインタラクトすることができる。例えば、ユーザは、ファイルシステムと統合されるファイルシステムエクスプローラを介して、またはウェブブラウザアプリケーションを使用して表示されるウェブページを介して、コンテンツ管理システム110とインタラクトすることができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、クライアントアプリケーション152は、コンテンツ管理システム110の1つより多いアカウントに対してコンテンツを管理し、同期させるように構成されることができる。これらのような実施形態において、クライアントアプリケーション152は、複数のアカウントにログインしたままで、複数のアカウントに対して通常のサービスを提供することができる。いくつかの実施形態において、各アカウントは、ファイルシステム中のフォルダとして現れることができ、そのフォルダ内のすべてのコンテンツアイテムは、コンテンツ管理システム110と同期することができる。いくつかの実施形態において、クライアントアプリケーション152は、プライマリアカウントまたはデフォルトアカウントである複数のアカウントのうちの1つを選ぶセレクタを含むことができる。
【0092】
コンテンツ管理システム110に専用コンポーネントを提示しながら、当業者は、システム100のアーキテクチャコンフィグレーションが唯一可能なコンフィグレーションであり、より多い、またはより少ないコンポーネントに関する他のコンフィグレーションが可能であることを理解するであろう。さらに、サービスは、別のサービスとともにあると記述される機能性さえも含む、多い、または少ない機能性を有することができる。さらに、1つの実施形態に関して本明細書に記述される特徴を、別の実施形態に関して記述される特徴と組み合わせることができる。
【0093】
システム100に専用コンポーネントを提示するが、当業者は、システム100のアーキテクチャコンフィグレーションが唯一可能なコンフィグレーションであり、より多い、またはより少ないコンポーネントに関する他のコンフィグレーションが可能であることを理解するであろう。
【0094】
クライアント同期サービス
図1Bは、いくつかの実施形態による、クライアント同期サービス156の実施例を示す。いくつかの実施形態により、クライアント同期サービス156は、図1Aに示されるクライアントデバイス150中に実装されることができる。しかしながら、他の実施形態において、クライアント同期サービス156は、別のコンピューティングデバイス上に実装されることができる。クライアント同期サービス156は、クライアント同期サービス156が実行する、コンテンツ管理システムとクライアントデバイスとの間のコンテンツアイテムへの変更を同期させるように構成される。
【0095】
クライアント同期サービス156は、ファイルシステムインタフェース170、サーバインタフェース172、ツリーストレージ174、プランナ176、及びスケジューラ178を含むことができる。追加的な、または代替的なコンポーネントをも含むことができる。クライアント同期サービス156及びそのコンポーネントの高水準のディスクリプションを図1Bに関して下記に考察する。しかしながら、クライアント同期サービス156及びそのコンポーネントのさらなる詳細及び実施形態は、全体を通して考察される。
【0096】
ファイルシステムインタフェース170は、クライアントデバイスのローカルファイルシステム上でコンテンツアイテムへの変更を処理し、ローカルツリーを更新するように構成される。例えば、ファイルシステムインタフェース170は、クライアント同期サービス156と通信して、クライアントデバイスのローカルファイルシステム上でコンテンツアイテムへの変更を検出することができる。また、図1Aのクライアントアプリケーション152を介して、これらの変更を行い、検出することができる。ファイルシステムインタフェース170は、クライアントデバイス上のコンテンツアイテムへの変更(新規の、削除された、修正された、コピーされた、リネームされた、または移動されたコンテンツアイテム)に基づき行われることができる、ローカルツリーへの更新を行うことができる。
【0097】
サーバインタフェース172は、コンテンツ管理システムのリモートストレージにおけるコンテンツアイテムへのリモート変更の処理、及びリモートツリーの更新の際に支援するように設定される。例えば、サーバインタフェース172は、図1Aのサーバ同期サービス112と通信し、クライアントデバイス150とコンテンツ管理システム110との間でコンテンツアイテムへの変更を同期させることができる。コンテンツ管理システム110におけるコンテンツアイテムへの変更(新規の、削除された、修正された、コピーされた、リネームされた、または移動されたコンテンツアイテム)を検出することができ、これらの変更をコンテンツ管理システム110に反映するために更新をリモートツリーに行うことができる。
【0098】
ツリーストレージ174は、クライアント同期サービス156によって使用されるツリーデータ構造を格納し、維持するように構成される。例えば、ツリーストレージ174は、ローカルツリー、同期ツリー、及びリモートツリーを格納することができる。いくつかの実施形態により、ツリーストレージ200は、レイテンシ及び応答時間を減少させるために、永続メモリ(例えば、ハードディスクまたは他のセカンダリストレージデバイス)に、またメインメモリ(例えば、RAMまたは他のプライマリストレージデバイス)にツリーデータ構造を格納することができる。例えば、クライアントデバイスまたはクライアント同期サービス156の起動時に、ツリーデータ構造を永続メモリから取得し、メインメモリにロードすることができる。ツリーストレージ174は、メインメモリ上でツリーデータ構造にアクセスし、これらのツリーデータ構造を更新し、クライアントデバイスまたはクライアント同期サービス156を停止する前に、ツリーストレージ174は、更新されたツリーデータ構造を永続メモリ上に格納することができる。メインメモリはコストが高く、ほとんどのクライアントデバイス上でサイズが制限されることが多いため、メインメモリ上のツリーデータ構造のフットプリントを減少させる追加の技術的な改善を実施する。これらの技術的な解決策を以下にさらに説明する。
【0099】
プランナ176は、コンテンツ管理システムと関連するサーバ状態と、クライアントデバイスと関連するファイルシステム状態との間の差異をツリーデータ構造の状態に基づき検出するように構成される。例えば、プランナ176は、リモートツリーと同期ツリーとの間に差異があるかどうかを判定し得る。リモートツリーと同期ツリーとの間の差異は、コンテンツ管理システムに格納される1つ以上のコンテンツアイテム上にリモートに実行されるアクションにより、サーバ状態及びファイルシステム状態を同期させなくしたことを示す。同様に、プランナ176は、ローカルツリーと同期ツリーとの間の差異があるかどうかも判定し得る。ローカルツリーと同期ツリーとの間の差異は、クライアントデバイス上に格納される1つ以上のコンテンツアイテム上にローカルに実行されるアクションにより、サーバ状態及びファイルシステム状態を同期させなくしたことを示す。差異を検出した場合、プランナ176は、ツリーデータ構造を同期させる操作シーケンスを生成する。
【0100】
いくつかのシナリオにおいて、リモートツリーと同期ツリーとの間の差異に基づき生成される操作シーケンス、及びローカルツリーと同期ツリーとの間の差異に基づき生成される操作シーケンスは、競合する場合がある。また、プランナ176は、これら2つの操作シーケンスを単一のマージされた操作プランにマージするように構成されることができる。
【0101】
スケジューラ178は、生成された操作シーケンスを行い、これらの操作の実行を管理するように構成される。いくつかの実施形態により、スケジューラ178は、操作シーケンス中の各操作を、操作を実行するために実行される必要がある一連の1つ以上のタスクに変換する。いくつかのシナリオにおいて、いくつかのタスクは、期限切れになる、またはもはや関連性がなくなる場合がある。スケジューラ178は、これらのタスクを識別し、それらをキャンセルするように構成される。
【0102】
ファイルジャーナル及びストレージシステム
図2Aは、システムコンフィグレーション100において、コンテンツ管理システム110とクライアントデバイス150との間でコンテンツを同期させるための例示的なアーキテクチャの概略図を示す。この実施例において、クライアントデバイス150は、コンテンツストレージインタフェース206及びファイルジャーナルインタフェース202を介してそれぞれコンテンツストレージ142及びサーバファイルジャーナル148とインタラクトする。コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツストレージサービス116によって提供される、または管理されることができ、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバ同期サービス112によって提供される、または管理されることができる。例えば、コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツストレージサービス116のサブコンポーネントまたはサブサービスであり得、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバ同期サービス112のサブコンポーネントまたはサブサービスであり得る。
【0103】
コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツ要求またはインタラクションなどの通信をクライアントデバイス150とコンテンツストレージ142との間で管理することができる。コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツストレージ142に、またコンテンツストレージ142からコンテンツをアップロードし、ダウンロードする、クライアントデバイス150からの要求を処理することができる。コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツ要求(例えば、ダウンロード、アップロードなど)をクライアントデバイス150から受信し、アクセス制御リスト145中のパーミッションを検証し、認可サービス132と通信してクライアントデバイス150(及び/またはクライアントデバイス150からの要求)がコンテンツストレージ142に、またはコンテンツストレージ142からコンテンツをアップロードする、またはダウンロードすることを認可されるかどうかを判定し、コンテンツストレージ142とインタラクトしてコンテンツストレージ142中のコンテンツをクライアントデバイス150にダウンロードする、またはアップロードすることができる。クライアントデバイス150からの要求がコンテンツアイテムをダウンロードする要求である場合に、コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツアイテムをコンテンツストレージ142から取得し、コンテンツアイテムをクライアントデバイス150に提供することができる。クライアントデバイス150からの要求がコンテンツアイテムをアップロードする要求である場合に、コンテンツストレージインタフェース206は、コンテンツアイテムをクライアントデバイス150から得て、コンテンツアイテムをストレージ用のコンテンツストレージ142にアップロードすることができる。
【0104】
クライアントデバイス150からのコンテンツ要求を処理するときに、コンテンツストレージインタフェース206は、ストレージインデックス210と通信し、コンテンツストレージ142中の要求されたコンテンツの可用性及び/またはストレージ位置をチェックし、コンテンツストレージ142中でコンテンツアイテムを追跡することができる。ストレージインデックス210は、コンテンツストレージ142上でコンテンツアイテムを識別する、コンテンツストレージ142上のコンテンツアイテムのインデックスを維持することができ、そのうえコンテンツアイテムのそれぞれの位置をコンテンツストレージ142内で識別することができる。したがって、ストレージインデックス210は、コンテンツストレージ142上でコンテンツアイテムを、またコンテンツアイテムのストレージ位置を追跡することができる。ストレージインデックス210は、ファイルなどのすべてのコンテンツアイテム、及び/またはブロックまたはチャンクなどのコンテンツアイテムの部分を追跡することができる。いくつかの事例において、コンテンツアイテムは、コンテンツストレージ142に格納され、ストレージインデックス210において追跡されることができるブロックまたはチャンクに分割され得る。例えば、コンテンツストレージ142は、コンテンツアイテムのそれぞれのデータ部分を含むデータのブロックまたはチャンクとして、コンテンツアイテムを格納することができる。ストレージインデックス210は、コンテンツストレージ142に格納されるコンテンツアイテムのブロックまたはチャンクを追跡することができる。下記の図2Bは、コンテンツアイテムのブロックを格納して追跡するための例示的なコンフィグレーションを示す。
【0105】
ファイルジャーナルインタフェース202は、メタデータ要求、ならびにコンテンツ同期及び操作などの通信を、クライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間で管理することができる。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作、コンフィグレーション、及び状態情報を、クライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間で変換する、妥当性確認する、認証する、及び/または処理することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソル内の、もしくは認可サービス132を介してFSAuthトークンからのパーミッションを検証し、クライアントデバイス150によってサーバファイルジャーナル148へ送信される要求を認可する、またはこれらの要求の認可を検証することができる。クライアントデバイス150からの要求または操作を処理するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、ネームスペースメンバーシップストア208にアクセスして、クライアントデバイス150からの要求または操作と関連するいずれかのネームスペースについてネームスペース所有権情報を判定し、または検証し、パーミッション情報をアクセス制御リスト145から取得してクライアントデバイス150からの要求または操作と関連するコンテンツのパーミッションを検証することができる。
【0106】
ファイルジャーナルインタフェース202中の変換サービス204は、通信のための線形化操作及び変換操作をクライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間で実行することができる。例えば、変換サービス204は、クライアントデバイス150からの通信を、サーバファイルジャーナル148中のデータの構造及びフォーマットと一貫性がある異なるフォーマットに、そしてその逆もまた同様に変換することができる。図示するように、いくつかの事例において、クライアントデバイス150は、コンテンツアイテム情報(例えば、状態、変更、バージョンなど)をクライアントデバイス150において操作として処理することができ、サーバファイルジャーナル148は、データベーステーブルなどのデータ構造中のロウによって反映されるコンテンツアイテムリビジョンと同一の情報を処理することができる。クライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間のコンテンツアイテム情報の同期を有効にするために、変換サービス204は、クライアントデバイス150からの操作を、サーバファイルジャーナル148に適しているリビジョンに変換することができ、サーバファイルジャーナル148上でデータのロウ中に反映されるリビジョンを、クライアントデバイス150に適している操作に変換することができる。
【0107】
いくつかの事例において、認可サービス132は、クライアントデバイス150が要求されたコンテンツアイテムにアクセスする、このコンテンツアイテムを更新する、ダウンロードする、またはアップロードすることを認可されることを検証する、または指示するトークンを生成することができる。このトークンは、クライアントデバイス150と関連するデバイス識別子、クライアントデバイス150に認証される、または認可されるユーザアカウントと関連するアカウント識別子、クライアントデバイス150に認可されたセッションと関連するセッション識別子、ビューコンテキスト、及び識別されたコレクションへのアクセスパーミッションを含むことができる。トークンは、以下により詳細に記述される、カーソルと称される暗号によって署名されたデータオブジェクト中に含まれ得る。コンテンツ管理システム110及び/または認可サービス132は、トークン(複数可)をクライアントデバイス150に送信することができ、クライアントデバイス150は、以下にさらに記述されるようなサーバファイルジャーナル148へのコンテンツアイテムのリビジョン及び/または更新を要求するときに、トークンをコンテンツ管理システム110に提供することができる。また、クライアントデバイス150は、トークンをコンテンツストレージインタフェース206に提供し、いずれかのコンテンツ要求(例えば、ダウンロード、アップロードなど)を有効にすることができる。コンテンツストレージインタフェース206は、トークンを使用して、ストレージインデックス210へのクエリを認可し、コンテンツアイテムをコンテンツストレージ142に、またはコンテンツストレージ142からアップロードする、またはダウンロードすることができる。
【0108】
例えば、クライアントデバイス150は、コンテンツストレージ142にコンテンツアイテムをアップロードする要求をコンテンツストレージインタフェース206に送信することができる。この要求は、トークン、及びアップロードされるコンテンツアイテムを含むことができる。コンテンツストレージインタフェース206は、トークンを使用して、コンテンツアイテムがコンテンツストレージ142に既に存在するかどうかをチェックするストレージインデックス210へのクエリを認可し、そしてコンテンツストレージ142へのコンテンツアイテムのアップロードを認可することができる。また、クライアントデバイス150は、トークンをファイルジャーナルインタフェース202に提供し、メタデータをサーバファイルジャーナル148上に格納してコンテンツアイテムのアップロード及びリビジョンを追跡する要求を認可することができる。
【0109】
図2Bは、例示的なブロックストレージ及び同期コンフィグレーションを示す。この実施例において、コンテンツストレージ142は、特定のサイズ(例えば、4MB)までコンテンツアイテム(例えば、ファイル)の不透明チャンクであることができる、データブロックを格納することができる。コンテンツアイテムは、ブロック中に分割されることができ、これらのブロックは、アクセス用にコンテンツストレージ142に格納されることができる。ストレージインデックス210は、コンテンツストレージ142に格納されるブロックと、コンテンツストレージ142に格納されるブロックのそれぞれの位置とを追跡することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148とインタラクトし、コンテンツストレージ142に格納されるコンテンツアイテム及び/またはブロックへのリビジョンを追跡することができる。
【0110】
例えば、コンテンツアイテム220(例えば、MyFile.abc)をブロック220A、220B、220C、220N中に分割することができる。コンテンツストレージインタフェース206は、ブロック220A、220B、220C、220Nを受信して、コンテンツストレージ142におけるストレージのためにブロックデータ222Bをコンテンツストレージ142に送信することができる。ブロックデータ222Bは、コンテンツアイテム220と関連するブロック220A、220B、220C、220Nを含むことができる。
【0111】
ブロック220A、220B、220C、220Nは、コンテンツストレージ142において1つ以上のストレージデバイスまたはボリューム上に格納される、及び/または1つ以上の論理ストレージコンテナ(例えば、バケット)またはデータクラスタ内に集約されることができる。いくつかの事例において、ブロック220A、220B、220C、220Nは、同一位置(例えば、ストレージデバイス、ボリューム、コンテナ、及び/またはクラスタ)上に合わせて格納されることができる。他の事例において、いくつかの、またはすべてのブロック220A、220B、220C、220Nは、2つ以上の異なる位置(例えば、2つ以上の異なるストレージデバイス、ボリューム、コンテナ、及び/またはクラスタ)上に格納されることができる。
【0112】
また、コンテンツストレージインタフェース206は、ブロックメタデータ222Aをストレージインデックス210に格納することができる。ブロックメタデータ222Aは、ブロック220A、220B、220C、220Nを識別することができ、ストレージインデックス210がブロック220A、220B、220C、220Nをコンテンツストレージ142において追跡することを可能にする。ブロックメタデータ222Aは、各ブロック220A、220B、220C、220Nについての識別子を含むことができる。ブロックについての識別子は、ブロックを識別する、ブロックのハッシュなどの名前またはキーであることができる。
【0113】
また、ブロックメタデータ222Aは、ブロック220A、220B、220C、220Nのそれぞれのストレージ位置を示す、ブロック220A、220B、220C、220Nについての位置情報を含むことができる。ブロックの位置情報は、ブロックが格納されているストレージデバイスまたはボリューム、及び/またはブロックが含まれている論理ストレージコンテナまたはデータクラスタを識別することができる。この位置情報を使用して、関連したブロックにアクセスする、またはこのブロックを取得することができる。
【0114】
コンテンツストレージインタフェース206は、ブロック220A、220B、220C、220Nをコンテンツストレージ142に格納する前に、またはこれらを格納した後に、ブロックメタデータ222Aをストレージインデックス210に格納することができる。例えば、コンテンツストレージインタフェース206は、ブロック220A、220B、220C、220Nをコンテンツストレージ142に格納した後に、ブロックメタデータ222Aをストレージインデックス210に格納し、ブロック220A、220B、220C、220Nがコンテンツストレージ142に格納されていることを示すことができる。
【0115】
いくつかの事例において、コンテンツストレージインタフェース206は、ブロック220A、220B、220C、220Nをコンテンツストレージ142に格納する前に、ストレージインデックス210にクエリを行い、ブロック220A、220B、220C、220Nがコンテンツストレージ142に格納されているかどうか(または格納されている位置)を判定することができる。例えば、コンテンツストレージインタフェース206は、ブロックメタデータ222Aに基づきストレージインデックス210にクエリを行い、ブロック220A、220B、220C、220Nがコンテンツストレージ142に格納されているかどうかをチェックすることができる。ストレージインデックス210は、ブロックメタデータ222A中のブロック識別子をストレージインデックス210におけるブロック識別子と比較して、任意のマッチをチェックすることができる。ブロック識別子間のマッチは、関連したブロックがコンテンツストレージ142に格納されていることを示す。
【0116】
前述されるように、サーバファイルジャーナル148は、コンテンツアイテムの追加、編集、移動またはリネーム、削除などを有する、コンテンツアイテムリビジョンを追跡する。その結果、ファイルジャーナルインタフェース202は、リビジョン222Cをサーバファイルジャーナル148に格納し、コンテンツアイテム220及び/またはブロック220A、220B、220C、220Nをコンテンツストレージ142に追加したことを示すことができる。リビジョン222Cは、サーバファイルジャーナル148においてコンテンツアイテムリビジョンのジャーナル内にコンテンツアイテム220のリビジョンを表すことができる。
【0117】
リビジョン222Cは、コンテンツアイテム220、及びコンテンツアイテム220と関連する操作、例えば、追加操作(例えば、アップロード)、編集操作、移動またはリネーム操作、削除操作などを識別することができる。また、リビジョン222Cは、コンテンツアイテム220が格納されているコンテンツ管理システム110中のネームスペースと、リビジョン222Cを格納するためのサーバファイルジャーナル148におけるコンテンツアイテムリビジョンのジャーナル中のロウとを識別することができる。コンテンツアイテムリビジョンのジャーナル内のロウは、コンテンツアイテム220についてのリビジョン222Cと関連するリビジョン番号を表すことができる。
【0118】
ファイルジャーナルインタフェース
図3Aは、ファイルジャーナルインタフェース202によってクライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間で処理される通信の図を示す。サーバファイルジャーナル148は、ロウ中の値、及びサーバファイルジャーナル148中のフィールドとして、コンテンツアイテム状態及び変更(例えば、リビジョン)を追跡する。例えば、サーバファイルジャーナル148は、コンテンツストレージ142中でコンテンツアイテムへのリビジョンの1つ以上のジャーナルを維持することができる。1つ以上のジャーナルは、各コンテンツアイテムのリビジョンを各ネームスペース上で追跡することができる。サーバファイルジャーナル148上のジャーナル中の値のロウは、コンテンツアイテムをネームスペース中で識別することができ、このコンテンツアイテムの状態をネームスペース中に反映する。ネームスペース中の同一のコンテンツアイテムに対応するジャーナル中の後のロウは、コンテンツアイテムへの後のリビジョンをネームスペース中に反映することができる。したがって、コンテンツアイテムと関連するサーバファイルジャーナル148中のロウは、コンテンツアイテムの現在の状態と、このコンテンツアイテムへのいずれかのリビジョンの作成から現在の状態までとを識別することができる。
【0119】
コンテンツアイテム情報(例えば、状態、変更またはリビジョンなど)をクライアントデバイス150と同期させるために、サーバファイルジャーナル148は、サーバファイルジャーナル148中で追跡される、または格納される、1つ以上のコンテンツアイテムについてのリビジョンを表すリビジョンデータ304を、ファイルジャーナルインタフェース202へ、またはこのファイルジャーナルインタフェース202から送信する、または受信することができる。リビジョンデータ304は、例えば、サーバファイルジャーナル148中のロウに対応するコンテンツアイテムリビジョンのログを含むことができる。サーバファイルジャーナル148は、リビジョンデータ304をファイルジャーナルインタフェース204に送信することができ、このファイルジャーナルインタフェース204は、以下にさらに記述されるように、リビジョンデータ304をクライアントデバイス150についての操作データ302に変換することができる。
【0120】
クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150においてコンテンツアイテムを更新する、または修正するコンテンツ操作を実行することができる。コンテンツアイテム情報をサーバファイルジャーナル148と同期させるために、クライアントデバイス150は、操作データ302をファイルジャーナルインタフェース202へ、またはこのファイルジャーナルインタフェース202から送信する、または受信することができる。クライアントデバイス150は、操作データ302をファイルジャーナルインタフェース202に送信し、コンテンツアイテムへの変更をクライアントデバイス150に報告し、操作データ302をファイルジャーナルインタフェース202から受信してコンテンツアイテムの最新の状態(例えば、リビジョンデータ304)をサーバファイルジャーナル148から得ることができる。
【0121】
例えば、クライアントデバイス150は、コンテンツアイテムAをクライアントデバイス150において編集し、コンテンツアイテムAへの編集を示す編集操作をファイルジャーナルインタフェース202に報告することができる。この編集操作は、ファイルジャーナルインタフェース202と通信して、コンテンツアイテムAへのリビジョンを示す、操作データ302中に含まれ得る。ファイルジャーナルインタフェース202は、編集操作を含む操作データ302を受信して、サーバファイルジャーナル148におけるストレージのためのリビジョンを生成し、このコンテンツアイテムAへの編集を追跡することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148を更新してコンテンツアイテムAの編集された状態を表すリビジョンを格納するために、リビジョンデータ304中の編集操作と関連するリビジョンをサーバファイルジャーナル148に含むことができる。
【0122】
以下にさらに記述されるように、操作データ302は、クライアントデバイス150によってクライアントデバイス150と関連する各ネームスペースについて取得される最新の状態またはリビジョンを識別するカーソルを含むことができる。例えば、カーソルは、クライアントデバイス150によって、このクライアントデバイス150と関連する各ネームスペースについて取得される最新のリビジョンをサーバファイルジャーナル148中で識別することができる。このカーソル中の情報により、クライアントデバイス150からの操作データ302中の操作がこの操作と関連するネームスペース(複数可)について最新の状態またはリビジョンをサーバファイルジャーナル148中で反映するかどうかをファイルジャーナルインタフェース202が判定することが可能である。これは、サーバファイルジャーナル148中の既存のリビジョンと、操作データ302から変換されるリビジョンとの間の競合を生じる可能性がある、より古いリビジョンに対応するクライアントデバイス150からの操作データ302中の操作がサーバファイルジャーナル148に書き込まれていないことをファイルジャーナルインタフェース202が確保することを援助することができる。
【0123】
クライアントデバイス150とサーバファイルジャーナル148との間のコンテンツアイテム情報の同期を可能にするために、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作データ302をリビジョンデータ304に、そしてその逆も同様に変換する(例えば、変換サービス204を介して)ことができる。操作データ302をクライアントデバイス150から受信するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作データ302を、この操作データ302中の操作から解釈されるコンテンツアイテムリビジョンを含むリビジョンデータ304に変換することができる。リビジョンデータ304をサーバファイルジャーナル148から受信するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、リビジョンデータ304を、リビジョンデータ304中のリビジョンをクライアントデバイス150に実装するための操作を含む操作データ302に変換することができる。リビジョンデータ304は、1つ以上のコンテンツアイテムに起こっていること(すなわち、1つ以上のコンテンツアイテムへのリビジョン)を記述する、データをサーバファイルジャーナル148中に含み、操作データ302は、クライアントデバイス150に実行されている、または実行されるであろう、1つ以上のコンテンツアイテムを修正する操作を含む。したがって、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148からの1つ以上のコンテンツアイテムへのリビジョンを記述するデータ(例えば、操作データ304)を、クライアントデバイス150に実行されている、または実行されるであろう1つ以上のコンテンツアイテムをクライアントデバイス150において修正する操作に変換することができる。
【0124】
前述されるように、クライアントデバイス150からの操作データ302をサーバファイルジャーナル148についてのリビジョンデータ304に変換することに加えて、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148からのリビジョンデータ304をクライアントデバイス150についての操作データ302に変換することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、リビジョンデータ304をサーバファイルジャーナル148から取得し、リビジョンデータ304中のリビジョンを、これらのようなリビジョンに従いクライアントデバイス150において1つ以上コンテンツアイテムをリバイスする、クライアントデバイス150における実行のための操作に変換することができる。リビジョンデータ304中のリビジョンから生成されるこれらの操作は、ファイルジャーナルインタフェース202によってクライアントデバイス150に提供される操作データ302に含まれる。操作データ302とリビジョンデータ304との間のこの変換により、クライアントデバイス150及びサーバファイルジャーナル148は、コンテンツアイテム情報を必要に応じて互いに同期させることが可能である。
【0125】
クライアントデバイス150によって提供される操作データ302から生成されるいずれかのリビジョンデータ304をサーバファイルジャーナル148に書き込む前に、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作データ302中のカーソルをチェックし、及び/またはサーバファイルジャーナル148にクエリを行い、リビジョンデータ304中のいかなるリビジョンもサーバファイルジャーナル148中で競合を生じないことを確保することができる。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148にクエリを行い、リビジョンデータ304中のリビジョンと関連するコンテンツアイテムのバージョンがサーバファイルジャーナル148におけるコンテンツアイテムのバージョンと同一であるかどうか、またはリビジョンデータ304中のリビジョンが関係するコンテンツアイテムとして、サーバファイルジャーナル148におけるコンテンツアイテムのバージョンが更新されたバージョンであるか、異なるバージョンであるかどうかをチェックすることができる。リビジョンデータ304が関係するバージョンと、コンテンツアイテムの最新のバージョンが異なるバージョンであることをサーバファイルジャーナル148が示す場合に、これら2つのバージョンは、競合している。
【0126】
ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148を更新して、操作データ302から導出されるリビジョンデータ304に含まれる新規のリビジョンを格納することができる。サーバファイルジャーナル148中のリビジョンにクエリを行う、及び/またはこれらのリビジョンを更新するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、ネームスペースメンバーシップストア208にクエリを行い、リビジョンデータ304中のリビジョンが影響するいずれのネームスペースと関連するネームスペース所有権情報を取得することができる。このネームスペース所有権情報は、所有するユーザアカウント(複数可)、または特定のネームスペースのメンバーであるユーザアカウント(複数可)を示すことができるため、特定のネームスペースにアクセスすることができる。したがって、ファイルジャーナルインタフェース202は、ネームスペース所有権情報を分析し、サーバファイルジャーナル148がネームスペースのメンバーではないユーザアカウントからのネームスペースへのリビジョンを含むように更新されないことを確保することができる。
【0127】
図3Bを参照して、サーバファイルジャーナル148は、ジャーナル310、312を格納し、コンテンツアイテムのリビジョン及び状態を追跡し、識別することができる。この実施例において、ジャーナル310は、ネームスペース識別子(NS_ID)、サーバジャーナル識別子(SJ_ID)、パス、ブロック、前のリビジョン(Prev_Rev)、及びターゲットネームスペース(Target_NS)を有する記録を含む。NS_IDは、ネームスペースをサーバファイルジャーナル148中で一意に識別するために1つ以上の値を含むことができる。SJ_IDは、所与のネームスペース中のロウにマッピングする、単調に増加する値を含み、そのネームスペース内で操作またはリビジョンの順序付けを提供する。パスは、関連したコンテンツアイテムを識別するネームスペース相対パスであることができる。Prev_Revは、このパスと関連するコンテンツアイテムの前の状態に対応するロウのSJ_IDを識別する。Target_NSは、マウントされたネームスペースのマウントポイントについてのターゲットネームスペースのNS_IDを識別する。Target_NSフィールドは、マウントポイントに対応していないロウ(例えば、リビジョン)に設定されない。
【0128】
ジャーナル312は、NS_ID、SJ_ID、クロック(例えば、タイムスタンプ)、ファイル識別子(File_ID)、拡張属性(複数可)(xattr)などを有する記録を含む。xattrは、コンテンツアイテムまたは操作と関連するメタデータを格納することができる。
【0129】
いくつかの事例において、ジャーナル310は、関連したコンテンツアイテムのサイズを表すサイズフィールド、コンテンツアイテムがディレクトリであるときを示すように設定されることができるディレクトリフィールド(例えば、Is_Dir)、関連したファイルを一意に識別するファイル識別子、クロックまたはタイムスタンプフィールドなどのような他のフィールドを含むことができる。
【0130】
ファイルジャーナルインタフェース202は、前述されるように、操作データ302及びリビジョンデータ304に基づき変換320を実行することができる。変換320を実行するときに、変換サービス204は、サーバファイルジャーナル148におけるストレージのために線形化されたリビジョンを含むリビジョン322に、操作データ302を変換することができる。また、変換サービス204は、リビジョンデータ304を線形化された操作324Aに変換することができ、これらの線形化された操作324Aは、クライアントデバイス150に送信される操作データ302に含まれ、クライアントデバイス150によって適用され、クライアントデバイス150においてコンテンツアイテム情報(例えば、状態、変更など)を更新することができる。また、変換サービス204は、カーソル324Bを生成して、または更新して、操作データ302中のカーソル324Bをクライアントデバイス150に提供することができる。カーソル324Bは、線形化された操作324Bと関連する各ネームスペース及び/またはコンテンツアイテムに対応するそれぞれのリビジョンまたはロウをサーバファイルジャーナル148中で識別する。
【0131】
例えば、カーソル324Bは、そのネームスペース(例えば、SJ_ID)についてサーバファイルジャーナル148中でネームスペース(例えば、NS_ID)及びロウを識別することができ、そのネームスペースについてサーバファイルジャーナル148中で最新のリビジョンを示す。カーソル324B中のネームスペース及びロウは、線形化された操作324A中の操作と関連付けられることができる。カーソル324Bは、線形化された操作324Aがクライアントデバイス150に適用された後に、及び/または適用される前に、サーバファイルジャーナル148中のネームスペースのリビジョンまたは状態を示す、特定のネームスペースについてのサーバファイルジャーナル148中のリビジョンのログ上の特定の位置を識別することができる。したがって、カーソル324Bは、線形化された操作324Aの前または後に、サーバファイルジャーナル148中のネームスペース及び/またはコンテンツアイテムの状態を示すことができ、リビジョン競合を回避すること、ならびに線形化された操作324Aが適用される前に、及び適用された後に、リビジョンの順序を追跡することを援助することができる。
【0132】
図4Aは、サーバファイルジャーナルデータを線形化された操作に変換するための例示的な変換及び線形化プロセスの図を示す。サーバファイルジャーナル148は、リビジョン322を有するロウ402を含むジャーナル310を格納する。この実施例において、ジャーナル310は、複数のネームスペース、すなわち、ネームスペース100及び101(すなわち、NS_ID100及び101)についてのリビジョン(322)を追跡する。しかしながら、いくつかの事例において、サーバファイルジャーナル148は、それぞれのネームスペースに固有なリビジョンを追跡するネームスペース固有ジャーナルを格納することができる。ネームスペース固有ジャーナル中のこれらのロウ(例えば、ロウ402)は、そのネームスペースに固有なデータを含み、各ロウは、そのネームスペースに固有なリビジョンを反映する。
【0133】
ジャーナル310中の各ロウ(402)は、そのロウと関連するネームスペースを一意に識別するネームスペース識別子フィールド(NS_ID)、所与のネームスペース中のロウにマッピングする単調に増加する値を含み、そのネームスペース内で操作またはリビジョンの順序付けを提供するサーバジャーナル識別子フィールド(SJ_ID)を含む。また、ジャーナル310は、コンテンツアイテムのネームスペース相対パスを識別するためのパスフィールド(Path)、コンテンツアイテムと関連するブロックまたはブロックリストを識別するためのブロックフィールド(Block)、コンテンツアイテムの前の状態またはリビジョンを表すジャーナル310中のロウ(すなわち、SJ_ID)を識別するための前のリビジョンフィールド(Prev_Rev)、及びマウントされたネームスペースのマウントポイントについてのターゲットネームスペースを識別する(ロウがマウントに対応する場合)ためのターゲットネームスペースフィールド(Target_NS)を含む。マウントポイントに対応しないロウ(例えば、リビジョン)に対してTarget_NSフィールドについてのデータはない。
【0134】
ジャーナル310中の最初のロウ402は、ブロック「h1」に対応し、前のリビジョン(Prev_Rev)またはターゲットネームスペース(Target_NS)を含まない、ネームスペース「100」(NS_ID100)中の「File1」(パスフィールド値File1)について最初のリビジョン(SJ_ID1)を識別する。ロウが前のリビジョンまたはターゲットネームスペースを含まないことから、ロウによって表されるリビジョンは、ブロック「h1」と関連する「File1」のネームスペース「100」における追加に対応する。SJ_ID「4」を含むジャーナル310中のロウは、このロウがネームスペース「100」上の「File1」に対応するジャーナル310中の最後のロウまたはSJ_IDであることから、ネームスペース「100」上の「File1」についてジャーナル310中の最後のリビジョンを表す。SJ_ID「4」を含むこのロウは、ネームスペース「100」上の「File1」がSJ_ID「1」に加えられた後に編集され、この編集がブロック「h4」に対応することを示す。
【0135】
修正404は、リビジョン322を表す修正の実施例を描く。この実施例において、修正404のそれぞれは、ジャーナル310中の対応するロウ(402)からのコンテンツリビジョンを示す。各修正は、ジャーナル310中のSJID及びNSIDに対応し、ジャーナル310中のこれらの対応するSJID及びNSIDと関連するファイルに対応する。この実施例において、修正404と関連するコンテンツは、ジャーナル310中のブロック(例えば、「h1」、「h2」、「h3」、「h4」)の例示的なコンテンツ値を表す。修正404におけるこれらのコンテンツ値を例示目的のために提供し、各リビジョンと関連するコンテンツへの例示的な修正を描く。
【0136】
例えば、修正404における第一修正は、ジャーナル310中のSJID「1」及びNSID「100」を表し、加えられているネームスペース「100」中の「File1」を描く。コンテンツ「aaa」は、NSID「100」のSJID「1」において「File1」についての「h1」の値を表す。また、修正404は、「aa2」(例えば、「h4」)に修正されているネームスペース「100」中の「File1」と関連するコンテンツ「aaa」(例えば、「h1」)を説明する、ジャーナル310中のSJID「4」及びNSID「100」を表す、ネームスペース「100」中の「File1」の編集を描く。
【0137】
変換320において、ジャーナル310中のロウ402からのリビジョン322を、線形化された操作324Aに変換する。線形化された操作324Aは、ジャーナル310中のリビジョン322から生成され、線形化後の修正404を表す。線形化された操作324Aによって示されるように、線形化された操作324A中の操作は、複数のリビジョン(322)及び/または修正(404)、または単一のリビジョン(322)及び/または修正(404)に基づくことができる。
【0138】
例えば、修正404は、ジャーナル310中のSJID「1」及びNSID「100」に対応する、「File1」をネームスペース「100」に加えるリビジョンと、ジャーナル310中のSJID「4」及びNSID「100」に対応する、ネームスペース「100」中の「File1」を編集するリビジョンとを描く。追加リビジョンは、「File1」及びNSID「100」と関連するコンテンツ値「aaa」(例えば、「h1」)、ならびに「File1」及びNSID「100」についてのいずれかの前のリビジョンの欠如から推測されることができる。換言すれば、コンテンツ「aaa」は、コンテンツ(例えば、「h1」)が加えられたか、編集されたかのいずれかであったことを示し、「File1」及びNSID「100」についての前のリビジョンの欠如は、コンテンツ「aaa」が編集されているコンテンツとは対照的に追加されているコンテンツ(例えば、「h1」)を表すことを示唆する。編集リビジョンは、「File1」及びNSID「100」と関連するコンテンツ値「aa2」(例えば、「h4」)と、「File1」及びNSID「100」と関連する前のリビジョン(SJID「1」及びNSID「100」)とから推測されることができる。換言すれば、「File1」及びNSID「100」と関連する、コンテンツ「aaa」から「aa2」への変更は、コンテンツ「aa2」が編集を表すことを示唆する。
【0139】
線形化された操作324Aにおいて、NSID「100」についてのSJID「1」及びSJID「4」に対応する追加及び編集修正(404)を、「aaa」(例えば、「h1」)から「aa2」(例えば、「h4」)に「File1」と関連するコンテンツ値を編集する単一の線形化された操作(編集操作)に変換することができる。「File1」のコンテンツ(例えば、「h1」)を「aa2」(例えば、「h4」)に編集する、単一の線形化された操作は、コンテンツ「aaa」(例えば、「h1」)と関連する「File1」をネームスペース「100」に追加する修正と、ネームスペース「100」中の「File1」と関連するコンテンツ「aaa」(例えば、「h1」)を「aa2」(例えば、「h4」)に編集する修正とを反映する。その結果、この線形化された操作は、2つの修正404、及びリビジョン322中の2つの対応するリビジョンに基づく。
【0140】
ジャーナル310中のSJID「2」及びNSID「100」に対応する修正404における修正は、コンテンツ「bbb」(例えば、「h2」)と関連する「File2」をネームスペース「100」に追加するリビジョンを表す。この修正は、ネームスペース「100」上で「File2」に対応するジャーナル310からのリビジョン322のみを表す。その結果、線形化された操作324Aは、コンテンツ「bbb」(例えば、「h2」)と関連する「File2」をネームスペース「100」に追加し、単一の修正404(ネームスペース「100」上での「File2」の追加)、及びリビジョン322に基づく、ネームスペース「100」上での「File2」についての単一の操作を含む。
【0141】
また、この実施例において、修正404は、ジャーナル310中のSJID「3」及びNSID「100」に対応する、コンテンツ「ccc」(例えば、「h3」)と関連する「File3」をネームスペース「100」に追加する修正と、ジャーナル310中のSJID「5」及びNSID「100」に対応する、ネームスペース「100」からの「File3」の削除(「-1」として表される)とのために含む。したがって、リビジョン322は、ネームスペース「100」上の「File3」と関連する2つの修正404を含む。「File3」及びネームスペース「100」と関連するジャーナル310中の最後のリビジョンがジャーナル310中のSJID「5」及びNSID「100」を表す削除修正に対応することから、リビジョン322からの「File3」及びネームスペース「100」と関連する追加及び削除修正404は、ネームスペース「100」から「File3」を削除する単一の操作に線形化されることができる。その結果、線形化された操作324Aは、「File3」をネームスペース「100」から削除する単一の操作である、「File3」及びネームスペース「100」についての単一の操作を備える。
【0142】
ジャーナル310において、NSID「100」についてのSJID「6」及び「7」、ならびにNSID「101」についてのSJID「1」は、ネームスペース「100」に加えられて、その後、ネームスペース「100」からネームスペース「101」に移動する「Dir」を表す。例えば、SJID「6」及びNSID「100」は、「Dir」及びネームスペース「100」を識別し、「Dir」がSJID「6」においてネームスペース「100」に追加されたことを示す前のリビジョンを含まない。SJID「7」は、ブロックフィールド(「-」)、前のリビジョンフィールド(SJID「6」)、及びターゲットネームスペースフィールド(「101」)によって反映される場合、ネームスペース「100」からネームスペース「101」に移動する「Dir」を識別する。次いで、NSID「101」についてのSJID「1」は、「Dir」及びネームスペース「101」についての前のロウまたはリビジョンの欠如によって示される場合、ネームスペース「101」に追加される「Dir」を識別する。NSID「100」中のSJID「6」及び「7」、ならびにNSID「8」中のSJID「1」における追加及び移動リビジョンは、SJID「6」及びNSID「100」に対応するネームスペース「100」への「Dir」の追加、SJID「7」及びNSID「100」に対応するネームスペース「100」からの「Dir」の削除、ならびにSJID「1」及びNSID「101」に対応するネームスペース「101」への「Dir」の追加という、3つの修正404によって描かれる。
【0143】
ジャーナル310中のNSID「100」のSJID「6」及び「7」にそれぞれ対応する、「Dir」及びネームスペース「100」の追加及び削除修正404は、「Dir」及びネームスペース「100」に対応するジャーナル310中の最後のリビジョンがSJID「7」及びNSID「100」におけるネームスペース「100」からの「Dir」の削除であることから、「Dir」をネームスペース「100」から削除する単一の操作に線形化される。ジャーナル310中のSJID「1」及びNSID「101」に対応する、ネームスペース「101」への「Dir」の追加は、「Dir」及びネームスペース「101」に対応する修正404及びリビジョン322のみである。その結果、「Dir」及びネームスペース「101」についての単一のマウント操作として、線形化された操作324Aに追加を提供する。したがって、NSID「100」中のSJID「6」及び「7」、ならびにNSID「101」中のSJID「1」に対応するリビジョン322からの3つの修正404(すなわち、ネームスペース「100」上での「Dir」の追加及び削除、ならびにネームスペース「101」上での「Dir」の追加)は、ネームスペース「100」中の「Dir」についての削除操作、及びネームスペース「101」中の「Dir」についてのマウント操作という、線形化された操作324A中の2つの操作に線形化される。
【0144】
上記に示されるように、線形化された操作324Aは、「File1」及びネームスペース「100」についての編集操作、「File2」及びネームスペース「100」についての追加操作、ネームスペース「100」中の「File3」の削除操作、ネームスペース「100」中の「Dir」についての削除操作、ならびに「Dir」をネームスペース「101」に追加するためのマウント操作を備える。線形化された操作324A中のこれらの操作は、リビジョン322から生成され、ジャーナル310中の各コンテンツアイテムの最新の状態を反映する。ファイルジャーナルインタフェース202は、線形化された操作324Aを生成し、線形化された操作324Aをクライアントデバイス150に送信して、クライアントデバイス150がリビジョン322からの最新の状態をジャーナル310中に含むことを確保することができる。
【0145】
線形化された操作324Aをクライアントデバイス150に提供するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150への線形化された操作324Aに加えてカーソル324Bを含むことができる。カーソル324Bは、ジャーナル310中の各ネームスペース(NSID)について最後のリビジョン(SJID)を識別することができる。いくつかの実施形態において、カーソル324Bは、ユーザIDを有するFSAuthトークン、及びカーソルに提供されるNS_IDへの最後に観測されたアクセスパーミッションをも含むことができる。各ネームスペースについての最後のリビジョンは、各ネームスペースに対してクライアントデバイス150に送信された最新のリビジョンに対応するジャーナル310中の位置を示すことができる。
【0146】
いくつかの事例において、カーソル324Bは、線形化された操作324A中の各操作をジャーナル310中のネームスペース(NSID)及びロウ(SJID)にマッピングすることができる。操作と関連するネームスペース及びロウは、この操作に対応するジャーナル310中の位置を示すことができる。換言すれば、操作と関連するネームスペース及びロウは、ジャーナル310中にその操作によって表されるリビジョン番号を示すことができる。カーソル324B中のネームスペース及びロウは、線形化された操作324Aと関連する各ネームスペース及びコンテンツアイテムについてジャーナル310中で最新の状態に対応する。クライアントデバイス150からの変更(例えば、操作データ302を介して)を1つ以上のネームスペース及び/またはコンテンツアイテムに適用することを試みるときに、カーソル324Bをクライアントデバイス150用のツールとしてクライアントデバイス150に提供し、1つ以上のネームスペース及び/またはコンテンツアイテムについてクライアントデバイス150によって取得される最新の状態またはリビジョンを、ファイルジャーナルインタフェース202に対して識別することができる。ファイルジャーナルインタフェース202がカーソル324Bをクライアントデバイス150から受信するときに、それは、カーソル324Bを使用して、ジャーナル310においてクライアントデバイス150の位置(例えば、クライアントデバイス150によって取得されるジャーナル310からの最新のリビジョン)を識別し、クライアントデバイス150からの操作によって引き起こされる競合を検出する、または回避することができる。
【0147】
例えば、ファイルジャーナルインタフェース202が「File1」をネームスペース「100」中で修正する操作をクライアントデバイス150から受信する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、それが操作に加えてクライアントデバイス150から受信する、カーソル324Bを使用して、ジャーナル310がネームスペース「100」中の「File1」に対して、クライアントデバイス150からカーソル324B中で識別されるリビジョンよりも、新しいいずれかのリビジョンを含むかどうかをチェックすることができる。カーソル324B中のリビジョンがジャーナル310中で直近のリビジョンである場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、ネームスペース「100」中の「File1」についてジャーナル310中の新規のリビジョン(例えば、NSID「100」中のSJID「8」)として編集操作をコミットすることができる。
【0148】
代替に、カーソル324B中のリビジョンがネームスペース「100」中の「File1」に対してジャーナル310中の直近のリビジョンではない場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からの編集操作がネームスペース「100」中の「File1」に対して、ジャーナル310中で直近のバージョンに基づいていないと判定することができる。例えば、カーソル324Bがジャーナル310中でSJID「4」及びNSID「100」を識別し、ジャーナル310がネームスペース「100」中の「File1」に対して、SJID「12」及びNSID「100」におけるリビジョンを含むとファイルジャーナルインタフェース202が判定する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からの編集操作がネームスペース「100」上の「File1」のより古いバージョン(例えば、SJID「4」及びNSID「100」)に関係があると判定することができ、この編集操作は、その後修正されたファイルを編集する場合に競合を生じる可能性がある。ファイルジャーナルインタフェース202は、この編集操作によって生じるこの競合を検出して編集操作を拒否し、この競合を調整することを試みる、または最新のリビジョンをクライアントデバイス150に提供してクライアントデバイス150が競合を調整することを可能にすることができる。
【0149】
ファイルジャーナルインタフェース202は、線形化された操作をクライアントデバイス150に送信するたびに、各ネームスペース及び/またはコンテンツアイテムについてのそれぞれの位置をジャーナル310中で識別する、本明細書に記述されるようなカーソルを含むことができる。同様に、いつでもクライアントデバイス150は、操作をファイルジャーナルインタフェース202に送信し、ファイルジャーナルインタフェース202がクライアントデバイス150における状態をジャーナル310における状態にマッピングするために使用することができる、その最新のカーソルを含むことができる。
【0150】
この実施例におけるジャーナル310は、複数のネームスペースを備えるジャーナルを描く。前述されるように、いくつかの実施例において、サーバファイルジャーナル148は、ネームスペース固有のジャーナルを維持することができる。カーソル324Bは、各ネームスペースについてSJID及びNSIDを含み、各ネームスペースについての最新のリビジョンを示すことができる。カーソル324Bに基づき、ファイルジャーナルインタフェース200は、複数のジャーナルが維持されている実施形態において、本明細書にさらに説明されるように、複数のジャーナルにクエリを行う、及び/またはリビジョンを複数のジャーナルから取得することができる。
【0151】
図4Bは、クライアントデバイス150からの操作データ302をサーバファイルジャーナル148においてジャーナル310についてのリビジョン322に変換する、線形化410のための例示的なプロセスの図を示す。クライアントデバイス150は、操作データ302をファイルジャーナルインタフェース202に提供することができる。この実施例における操作データ302は、コンテンツアイテムの編集、追加、リネーム、移動、マウント、または削除操作などの、操作412をクライアントデバイス150に含む。いくつかの事例において、操作412は、同一のコンテンツアイテムに対して複数の操作を含むことができる。例えば、操作412は、ネームスペース「100」上の「File4」を編集する操作、ネームスペース「100」からの「File4」を削除する操作を備えることができる。
【0152】
また、操作データ302は、ファイルジャーナルインタフェース202からクライアントデバイス150によって以前に受信されたカーソル324Bを含む。カーソル324Bは、ジャーナル310において1つ以上のネームスペース及び/またはコンテンツアイテムについての状態(例えば、NSID及びSJID)または最新のリビジョンを識別することができる。クライアントデバイス150は、カーソル324Bを操作412についての基準ポイントとしてファイルジャーナルインタフェース202に提供することができる。この実施例において、カーソル324Bは、SJID「9」によって表されている、ネームスペース「100」についての最新の状態を提供する。
【0153】
いくつかの事例において、カーソルは、コンテンツ管理システム110によって暗号により署名され、カーソルが改ざんされていないことをファイルジャーナルインタフェース202が判定することを可能にする。さらに、クライアントデバイス150がネームスペースについて直近のリビジョンをサーバファイルジャーナル148から受信したときに、クライアントデバイス150がリビジョンをサーバファイルジャーナル148にコミットすることから、ファイルジャーナルインタフェース202は、NS_IDに対して最後に観測されたアクセスパーミッションがまだ有効であるため、クライアントデバイス150がネームスペースへのアクセスを有することを許容することができる。
【0154】
ファイルジャーナルインタフェース202は、操作412及びカーソル324Bを受信して線形化410を実行し、クライアントデバイス150からの操作412を線形化してジャーナル310についてのリビジョン322に変換することができる。操作412に基づき、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作のログ414を生成することができる。ログ414は、ジャーナル310中のそれぞれのネームスペース(複数可)にマッピングされる操作412からの操作リストを含むことができる。いくつかの事例において、ログ414は、以前に説明されるような操作412から生成される線形化された操作(324A)を備えることができる。
【0155】
ファイルジャーナルインタフェース202は、ジャーナル310を更新してログ414に操作を反映する前に、カーソル324Bを使用して、その操作412がジャーナル310に最新の状態またはリビジョンを反映することを検証することができる。カーソル324Bがジャーナル310においてログ414と関連するネームスペース及び/またはコンテンツアイテムに対して最新の状態またはリビジョンを反映することをファイルジャーナルインタフェース202が確認する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、ログ414に基づきリビジョン322をジャーナル310に追加することができる。リビジョン322は、ログ414中の操作と関連する各コンテンツアイテム及び/またはネームスペースの最新の状態またはリビジョンを含むことができる。
【0156】
ログ414における操作は、「File5」についての追加及び編集操作を備える。その結果、リビジョン322は、ファイルジャーナルインタフェース202がジャーナル310に「File5」の最新状態(すなわち、線形化方式において追加及び編集操作を「File5」に適用した後の状態)として書き込むことができる、「File5」の編集を備える。また、ログ414におけるこれらの操作は、「Dir2」についての追加操作、ならびにネームスペース「100」上での「File4」についての編集及び削除操作を備える。したがって、リビジョン322は、「Dir2」をネームスペース「100」に追加する操作、ならびに「File4」をネームスペース「100」から削除する操作を、それぞれ「Dir2」及び「File4」の最新の状態として有することができる。
【0157】
図4Bにおいて、ジャーナル310中に描かれるリビジョン(322)は、操作412と関連する各コンテンツアイテム(「File4」、「File5」、「Dir2」)の最新の状態を反映する。しかしながら、いくつかの事例において、ファイルジャーナルインタフェース202がログ414に起因する各ネームスペース及び/またはコンテンツアイテムの最新の状態のリビジョンだけではなく、最新の状態またはリビジョンまでに導出するいずれかの前の状態またはリビジョンをも反映するため、ログ414によって表されるあらゆるリビジョンをジャーナル310に書き込むことができることに留意するべきである。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作412からの最新の状態を反映する「File4」の編集のみを書き込むこととは対照的に、ジャーナル310に「File4」の編集についてのリビジョン、及び「File4」の削除についての後のリビジョンを書き込み、ジャーナル310に操作412からの「File4」のリビジョンのフルシーケンスを示すことができる。
【0158】
ファイルジャーナルインタフェース202は、ログ414中の操作をリビジョン322に変換し、ジャーナル310を更新してリビジョン322を含むことができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、ジャーナル310中のそれぞれのロウにおいて、リビジョン322をジャーナル310に書き込むことができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、リビジョン322をジャーナル310中の次の利用可能なロウ(例えば、SJID)に追加することができる。いくつかの事例において、ファイルジャーナルインタフェース202は、線形化410及び/またはそれぞれのタイムスタンプまたはクロックに基づき決定されることができる相対的な順序に基づきリビジョン322を追加することができる。
【0159】
図4Bに示されるように、ネームスペース「100」中の「File4」の削除操作は、ネームスペース「100」についてのロウ「11」またはSJID「11」に含まれる。ジャーナル310のSJID「11」中のリビジョンは、ブロックフィールド中のマイナス記号によって反映される場合、ネームスペース「100」中の「File4」が削除されていることを示し、ネームスペース「100」中の「File4」についてのジャーナル310において、SJID「9」を前のリビジョンとして識別する。「Dir2」の追加、及び「File5」の編集は、ロウまたはSJID12及び14にそれぞれ含まれる。
【0160】
図4B中のジャーナル310は、ログ414及びカーソル324Bに基づくリビジョン322を含み、ログ414中で修正される各コンテンツアイテムの状態を反映するように更新されている。ジャーナル310中の各ロウにおけるパスフィールドは、関連したネームスペース(例えば、ネームスペース「100」)内でコンテンツアイテムを識別する。ロウのパスフィールドは、ログ414中の対応する操作からのファイル及びネームスペースに基づく。ジャーナル310中のブロックフィールドは、コンテンツアイテムを表す。いくつかの事例において、ブロックフィールドは、それぞれのコンテンツアイテムまたはデータブロックのハッシュを含むことができる。コンテンツアイテムが削除されている、及び/またはディレクトリ、フォルダ、マウントなどである場合に、ブロックフィールドは、空であり得る。
【0161】
ジャーナル310がログ414に基づくリビジョン322、及びカーソル324Bを含むように更新するときに、変換サービス204は、ジャーナル310のパスフィールド中に含む、各コンテンツアイテムのパスを識別することができる。いくつかの事例において、変換サービス204は、コンテンツアイテムの識別子(例えば、ファイルID)をコンテンツアイテムのパス(例えば、/directory/filename)に変換することができる。例えば、クライアントデバイス150は、コンテンツアイテムについてのそれぞれのパスを追跡する、または計算することなく、識別子を使用して、コンテンツアイテム(例えば、操作データ302中のコンテンツアイテム)を識別することができる。ジャーナル310は、コンテンツアイテムのパスを代替に使用して、コンテンツアイテムを識別することができる。変換サービス204は、クライアントデバイス150からのコンテンツアイテムの識別子を使用してジャーナル310についてのコンテンツアイテムのパスを計算し、コンテンツアイテムについて計算されるパスを使用してジャーナル310を更新することができる。また、変換サービス204は、逆変換を実行してコンテンツアイテムのパスに基づきコンテンツアイテムの識別子を取得し、クライアントデバイス150と通信するコンテンツアイテムを参照するときにコンテンツアイテムの識別子を使用することができる。
【0162】
例えば、変換サービス204は、ジャーナル310中のパス、ジャーナル310中のNSID、及び/またはジャーナル310中のディレクトリフィールド(またはサーバファイルジャーナル148中の他の箇所)を使用して、コンテンツアイテムを識別し、そのコンテンツアイテムの識別子(例えば、ファイルID)を取得することができる。ファイルジャーナルインタフェース202がそのコンテンツアイテムに関係がある更新または情報をクライアントデバイス150に送信する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150がコンテンツアイテムのパスを含む、または含まないコンテンツアイテムを識別するために使用することができる、コンテンツアイテムの識別子をクライアントデバイス150に提供することができる。
【0163】
前述されるように、操作412からのリビジョン322をジャーナル310に書き込む前に、ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソル324Bが操作412と関連する各ネームスペース及び/またはコンテンツアイテムについてジャーナル310中の最新の状態またはリビジョンを反映するかどうかをチェックすることができる。いくつかの事例において、カーソル324Bがジャーナル310中の最新の状態またはリビジョンを反映することを確認した後に、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作412から生成されるリビジョンがジャーナル310中の既存のリビジョンと競合しないことを確保する第二チェックも実行することができる。例えば、ジャーナル310においてネームスペース「100」中のSJID「5」が「File5」の削除操作を表す場合に、クライアントデバイス150からのファイルジャーナルインタフェース202によって受信される操作412から発行されるSJID「14」中に描かれる「File5」の編集リビジョン322は、「File5」がSJID「5」において削除された場合でも、「File5」を編集することを試みることによって競合を生じる。したがって、ファイルジャーナルインタフェース202は、この実施例において編集操作及びリビジョンを拒否し、編集操作が無効であることをクライアントデバイス150に通信することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソル324Bを更新し、更新されたカーソルをクライアントデバイス150に提供し、必要に応じて「File5」(及びいずれかの他のコンテンツアイテム)についてジャーナル310中の最新の状態またはリビジョンのクライアントデバイス150に通知することができる。
【0164】
図5Aは、ネームスペース間操作の例示的な線形化の図を示す。ネームスペース間線形化、及びシャード間またはネームスペース間のリスト化は、クロック順序付けを介して実行されることができる。テーブル502A、502B(合わせて「502」)は、線形化のためのネームスペース間操作のバッチを示す。テーブル502A、502Bは、テーブル502A、502B中の記録用のネームスペースを識別するためのネームスペース(NSID)フィールドであるカラム506A、508Aと、カラム506A、508A中のそれぞれのネームスペース用のテーブル502A、502B中のロウまたはSJIDを識別するためのSJIDフィールドであるカラム506B、508Bと、各SJIDと関連する操作を識別するための操作フィールドであるカラム506C、508Cと、カラム506C、508C中の操作と関連するタイムスタンプを識別するためのクロックフィールドであるカラム506D、508Dとをそれぞれ含む。
【0165】
この実施例において、テーブル502Aは、NSID「1」についてのSJID「100」及び「101」を描く。SJID「100」は、タイムスタンプ「1000」において「foo.txt」をネームスペース「1」に追加する操作と関連付けられ、そしてSJID「101」は、タイムスタンプ「1001」においてネームスペース「2」をマウントする操作と関連付けられる。テーブル502Bは、NSID「2」についてのSJID「1」及び「2」を描く。SJID「1」は、タイムスタンプ「500」において「bar.txt」をネームスペース「2」に追加する操作と関連付けられ、そしてSJID「2」は、タイムスタンプ「1002」において「bar.txt」を編集する操作と関連付けられる。
【0166】
リニアライザ(例えば、変換サービス204)は、テーブル502中の操作のバッチを取得し、カーソル(514)によって操作(512)の単一のストリームを発行することができる。リニアライザは、テーブル502中に少なくとも1つの操作を含むすべてのネームスペースを識別し、それぞれタイムスタンプ、NSID、SJIDに基づきすべてのネームスペースについての操作を線形化することができる。この実施例において、テーブル502中の操作のバッチは、テーブル504に示される操作のストリームに線形化する。
【0167】
テーブル504は、各操作のネームスペースを識別するためのNSIDフィールドを含むNSIDカラム510、テーブル504中の操作を識別するための操作フィールドを含む操作カラム512、及び各操作についてのカーソル状態を識別するためのカーソルフィールドを含むカーソルカラム514を含む。テーブル504中のロウ504Aは、テーブル502A中のネームスペース「1」のSJID「100」からの追加操作を備える。ロウ504Aについてのカーソルカラム514中のカーソル状態は、追加操作がテーブル502Aに示されるネームスペース「1」中のSJID「100」に対応することを示す、ネームスペース「1」及びSJID「100」である。テーブル504中のロウ504Bは、NSIDカラム510または操作カラム512中に値を含まないが、この実施例において、ネームスペース「2」についてSJID「0」を追加する、ネームスペース間のカーソル状態を含む、カーソルカラム514中のカーソル状態を更新する。
【0168】
テーブル504中のロウ504Cは、テーブル502Aに示されるネームスペース「2」中のSJID「1」からの追加操作を含む。ロウ504Cについてのカーソルカラム514中のカーソル状態は、ロウ504C中の追加操作と関連するネームスペース「1」及び「2」についてそれぞれSJID「100」及び「1」を含む。示されるように、カーソル状態は、カーソルがネームスペース「1」中のSJID「100」、及びネームスペース「2」中のSJID「1」にあることを示す。換言すれば、ネームスペース「1」中のロウまたはSJIDは、追加操作がネームスペース「1」の状態に影響しない場合に増加しないが、ネームスペース「2」中のロウまたはSJIDは、追加操作がネームスペース「2」中のリビジョンを表し、ネームスペース「2」の状態に影響する場合に1つ増加した。したがって、ロウ504C中のカーソル状態は、ネームスペース「2」中のSJID「1」における追加操作後に、ネームスペース「1」及びネームスペース「2」についてそれぞれのSJIDを追跡する。
【0169】
テーブル504中のロウ504Dは、SJID「101」におけるマウント操作、及びテーブル502Aにおけるネームスペース「1」を含む。マウント操作は、ネームスペース「2」をネームスペース「1」にマウントする。マウント操作は、ネームスペース「1」中のSJIDを「100」から「101」に増加させるが、ネームスペース「2」中のSJIDを増加させない。その結果、ロウ504Dについてのカーソルカラム514中のカーソル状態は、ネームスペース「1」についてSJID「101」を含み、ネームスペース「2」についてSJID「1」を維持する。このカーソル状態は、ネームスペース「1」及び「2」における状態及び/または順序を反映する。
【0170】
テーブル504中のロウ504Eは、マウント及び編集操作のそれぞれのタイムスタンプに従い、ネームスペース「1」中のSJID「101」におけるマウント操作後である、テーブル502A中のSJID「2」及びネームスペース「2」における編集操作を含む。ロウ504Eのカーソルカラム514中のカーソル状態は、SJID「101」におけるネームスペース「1」についてのカーソル状態を維持するが、SJID「2」へのネームスペース「2」についてのカーソル状態を増加させる。
【0171】
テーブル504中に示されるように、操作512は、ネームスペース「1」及び「2」にわたる因果関係及びタイムスタンプに基づき線形化される操作のストリームとしてリスト化される。操作512をテーブル504中で線形化してネームスペース間の因果関係及び連鎖を反映すると、操作512をサーバファイルジャーナル148中のリビジョン(例えば、ジャーナル310中のリビジョン322)に変換し、サーバファイルジャーナル148に書き込むことができる。
【0172】
例えば、サーバファイルジャーナル148中のネームスペース「1」についてのジャーナルは、「foo.txt」をネームスペース「1」に追加する追加操作を表すSJID「100」におけるリビジョン、及びネームスペース「2」をネームスペース「1」上にマウントするマウント操作を表すSJID「101」におけるリビジョンを含むように更新されることができる。さらに、サーバファイルジャーナル148中のネームスペース「2」についてのジャーナルは、「bar.txt」をネームスペース「2」に追加する追加操作を表すSJID「1」におけるリビジョン、及びネームスペース「2」上の「bar.txt」を編集する編集操作を表すSJID「2」におけるリビジョンを含むように更新されることができる。
【0173】
ランポートクロック
図5Bは、ランポートクロックに基づきネームスペースにわたるイベントの順序付けの図を示す。この実施例において、さまざまな操作は、ネームスペースNSID1、NSID2、及びNSID3にわたり実行されている。各ネームスペースは、ネームスペース内の操作の順序付けを決定するために、そのネームスペースにおけるすべての操作に対してSJIDを維持する。しかしながら、ネームスペースのSJIDは、ネームスペースにわたる操作の順序付け及び因果関係を識別しない。その結果、ランポートクロックをネームスペースNSID1、2、3中の操作について計算し、因果関係を判定し、操作のネームスペース間順序付けを取得する。
【0174】
NSID1において、操作510は、SJID1及びクロック1を含む。NSID2において、操作516は、SJID1及びクロック1を含む。NSID3において、操作520は、SJID1及びクロック1を含む。操作510、516、520は、複数のネームスペースにまたがり、因果関係を有さない。その結果、操作510、516、520は、互いのクロックに影響しない。
【0175】
ネームスペース内の操作の順序付けは、ネームスペースにおいてSJIDに基づき決定されることができる。同一のネームスペース内の操作についてのクロックは、1つ単にインクリメントされることができる。したがって、NSID1中のSJID2において、操作512についてのクロックは、2にインクリメントされる。
【0176】
NSID1中の操作512は、File1のNSID2への移動である。その結果、操作512は、File1のNSID2における追加である、操作518をNSID2にトリガする。NSID2における操作518が異なるネームスペースからの別な操作、すなわち、NSID1からの操作512に因果関係によって依存していることから、操作518についてのクロックは、NSID1におけるクロック、及びNSID2におけるクロックに基づき計算される。このアルゴリズムは、TargetNS_clockt1=max(Source_NSclock,TargetNS_clockt0)+1として表現されることができる。したがって、この実施例において、NSID2における操作518についてのクロックは、3(例えば、max(2,1)+1)である。その結果、NSID2における操作518は、SJID2及びクロック3を含む。
【0177】
同様に、NSIDにおける操作516は、NSID2からNSID1へのFile2の移動である。したがって、操作516は、File2をNSID1に追加するための、NSID1に操作522をトリガする。操作522についてのクロックは、クロックアルゴリズムに基づき計算され、3に等しい。したがって、操作522は、NSID1におけるSJID3、及びクロック3を含む。
【0178】
NSID3における操作524は、同一のネームスペースにおける操作、すなわち、NSID3における操作520に因果関係によって依存している。したがって、操作524についてのクロックは、NSID3における操作520のクロックをインクリメントすることによって計算され得る。この実施例において、したがって、操作524についてのクロックは、2である。NSID3における操作524は、SJID2及びクロック2を含む。操作524がDirをNSID1に移動させるための移動操作であることから、操作524は、DirをNSID1に追加する、NSID1における操作526をトリガする。
【0179】
操作526が操作524によって異なるネームスペース(NSID3)にトリガされることから、操作526についてのクロックは、NSID1におけるクロック、及び操作524についてのクロックに基づき計算される。その結果、操作526についてのクロックは、4に設定される(例えば、max(2,3)+1)。したがって、操作526は、NSID1におけるSJID4、及びクロック4を含む。
【0180】
NSID1における操作528は、File3をNSID1に追加し、ネームスペース間操作ではない。その結果、操作528についてのクロックは、NSID1においてクロックをインクリメントすることによって計算される。したがって、操作528についてのクロックは、5に設定される。
【0181】
操作530は、NSID1内で操作528にも因果関係によって依存している。したがって、操作530についてのクロックは、NSID1において操作528のクロックをインクリメントすることによって、6に設定される。操作530は、NSID1におけるSJID6、及びクロック6を含む。
【0182】
操作530は、File3をNSID3に移動させる移動操作である。したがって、操作530は、NSID3に操作532をトリガする。操作532が異なるネームスペースからの操作に基づくことから、そのクロックは、NSID3におけるクロック、及び操作530のクロックに基づくクロックアルゴリズムを使用して計算される。この事例において、操作532についてのクロックは、7に設定される。したがって、操作532は、NSID3におけるSJID3、及びクロック7を含む。
【0183】
操作534、536は、ネームスペース間操作ではなく、NSID3における操作532に因果関係によって関連がある。したがって、操作534、536についてのクロックは、操作530のクロックをインクリメントすることによって計算されることができる。この実施例において、操作534、536についてのクロックは、それぞれ8及び9に設定される。
【0184】
ツリーデータ構造
図6Aは、さまざまな実施形態による、ツリーデータ構造の実施例を示す。ツリーデータ構造は、クライアントデバイスに格納され、クライアント同期サービス156などのクライアント同期サービスによって管理されることができる。図6Aにおいて、リモートツリー610、同期ツリー620、及びローカルツリー630を含む、ツリーデータ構造を示す。
【0185】
リモートツリー610は、クライアントデバイスから遠隔に格納される(例えば、コンテンツ管理システムのサーバ上の)サーバ状態またはコンテンツアイテムの状態を表す。ローカルツリー630は、クライアントデバイス上でローカルに格納される、ファイルシステム状態、または対応するコンテンツアイテムの状態を表す。同期ツリー620は、ローカルツリー及びリモートツリーについてのマージベースを表す。マージベースは、ローカルツリー及びリモートツリーの共通祖先、またはローカルツリーとリモートツリーとの間で最後に既知の同期した状態であると考えられることができる。
【0186】
各ツリーデータ構造(例えば、リモートツリー610、同期ツリー620、またはローカルツリー630)は、1つ以上のノードを含むことができる。各ノードは、1つ以上の子ノードを含むことができ、親子関係は、エッジによって表される。例えば、リモートツリー610は、ノード602及び604を含む。ノード602は、ノード604の親であり、ノード604は、ノード602の子である。この親子関係は、エッジ606によって表される。ルートノード602などのルートノードは、親ノードを含まない。ノード604などの葉ノードは、子ノードを含まない。
【0187】
ツリーデータ構造中の各ノードは、コンテンツアイテム(例えば、ファイル、ドキュメント、フォルダなど)を表すことができる。例えば、ルートノード602は、コンテンツ管理システムと関連するルートフォルダを表すことができ、ノード604は、そのルートフォルダに位置しているファイル(例えば、「Foo.txt」と称されるテキストファイル)を表すことができる。ツリーデータ構造中の各ノードは、例えば、コンテンツアイテムの親ノードのファイル識別子を指定するディレクトリファイル識別子(「DirFileID」)、コンテンツアイテムについてのファイル名、コンテンツアイテムについてのファイル識別子、及びコンテンツアイテムについてのメタデータなどのデータを含むことができる。
【0188】
上述されるように、クライアント同期サービスは、3つのツリー(例えば、リモートツリー610、同期ツリー620、及びローカルツリー630)がすべて同一であるときに、クライアントデバイスのサーバ状態及びファイルシステム状態が同期していると判定することができる。換言すれば、ツリーは、それらのツリー構造、及びそれらが表現する関係が同一であり、またそれらのノードに含まれるデータが同様に同一であるときに同期している。一方、3つのツリーが同一ではない場合に、これらのツリーは、同期していない。図3に示される例示的なシナリオにおいて、リモートツリー610、同期ツリー620、及びローカルツリー630は、同一であり、同期している場合が示されているため、結果として、サーバ状態及びファイルシステム状態は、同期している。
【0189】
ツリーデータ構造を使用する変更の追跡
図6Bは、さまざまな実施形態による、ツリーデータ構造の実施例を示す。この実施例は、図6Aに示されるシナリオなど、前に同期した状態の後のシナリオを示し、ツリーがもはや同期していないようにコンテンツアイテムを修正する、追加のアクションをツリーに表されるコンテンツアイテム上で実行する。同期ツリー620は、前の既知の同期した状態の表現を維持し、クライアント同期サービスによって、サーバ状態とファイルシステム状態との間の差異を識別するだけではなく、コンテンツ管理システム及び/またはクライアントデバイスについての操作を生成して実行し、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期するように収束させるために使用されることができる。
【0190】
例えば、ユーザ(クライアントデバイスと関連するユーザと同一のユーザ、またはコンテンツアイテムへのアクセスを有する異なるユーザ)は、コンテンツ管理システムによって格納される「foo.txt」コンテンツアイテムへの修正をすることができる。このコンテンツアイテムは、リモートツリー610中のノード604によって表される。リモートツリー610に示される修正は、foo.txtコンテンツアイテムの除去(例えば、コンテンツ管理システムによって管理されるスペースからのコンテンツアイテムの除去)または削除である。これらの修正は、例えば、別のクライアントデバイス上で実行されることができ、これらの修正は、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテム、またはウェブブラウザを介してコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムに同期した。
【0191】
コンテンツ管理システム上で変更を行うときに、コンテンツ管理システムは、行われる変更を指定する修正データを生成し、この修正データをクライアントデバイス上のクライアント同期サービスに送信する。クライアント同期サービスは、修正データに基づきコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムについてのサーバ状態を表すリモートツリーを更新する。例えば、リモートツリー610において、foo.txtコンテンツアイテムを表すノード604が削除された場合を示す。
【0192】
クライアント同期サービスは、リモートツリー610と同期ツリー620との間の差異を識別することができ、結果として、コンテンツ管理システムにおけるコンテンツアイテムの修正により、サーバ状態及びファイルシステム状態がもはや同期していないと判定することができる。クライアント同期サービスは、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているようにそれらサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成される、クライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテムについての操作シーケンスをさらに生成して、実行することができる。
【0193】
追加的に、または代替的に、ユーザ(コンテンツ管理システムにおける修正と関連するユーザと同一のユーザ、またはコンテンツアイテムへのアクセスを有する異なるユーザ)は、コンテンツ管理システムと関連付けられるクライアントデバイス上にローカルに格納されるコンテンツアイテムへの修正を行うことができる。例えば、ユーザは、フォルダ「/bar」を「/root」フォルダに追加し、「Hi.doc」ドキュメントを「/bar」フォルダに追加することができる。
【0194】
変更をクライアントデバイス上で行うときに、クライアントデバイス(例えば、クライアント同期サービス156またはクライアントアプリケーション152)は、行われる変更を指定する修正データを生成し、修正データをクライアントデバイス上のクライアント同期サービスに渡す。クライアント同期サービスは、修正データに基づきクライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテムについてのファイルシステム状態を表すローカルツリーを更新する。例えば、ローカルツリー630において、ノード612及びノード614が追加される場合を示す。ノード612及びノード614は、それぞれ「/bar」フォルダ及び「Hi.doc」ドキュメントを表す。
【0195】
クライアント同期サービスは、ローカルツリー630と同期ツリー620との間の差異を識別し、結果として、クライアントデバイスにおけるコンテンツアイテムの修正により、サーバ状態及びファイルシステム状態がもはや同期していないと判定することができる。クライアント同期サービスは、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているようにそれらサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成されるコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムについての操作シーケンスをさらに生成することができる。この操作シーケンスを実行のためにコンテンツ管理システムに送信することができる。
【0196】
図6Bに示されるように、クライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテム、及びコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムへの修正は、実質的に同時に、または特定の期間内に起こる可能性がある。これらの修正をツリーデータ構造に反映し、クライアント同期サービスによって使用して、クライアントデバイスについての、またコンテンツ管理システムについての操作シーケンスを並列して生成することができる。他のシナリオにおいて、しかしながら、修正は、同じ期間内に必ずしも起こらない場合があり、操作シーケンスは、必要に応じた方式において生成されることができる。さらに、図6Bがコンテンツアイテムを追加するための、またコンテンツアイテムを削除するためのシナリオを示すが、コンテンツアイテムを編集する、リネームする、コピーする、または移動させるなどの他のタイプの修正をもサポートする。
【0197】
さまざまな実施形態に従い、2つのツリーデータ構造間の差異を識別すること、そして操作を生成することは、両方のツリーデータ構造中の各ノードをチェックすること、そしてアクションがこのノード上で実行されているかどうかを判定することを伴うことがある。これらのアクションは、例えば、ノードの追加、ノードの削除、ノードの編集、またはノードの移動を含むことができる。次いで、これらのアクションを使用して、サーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成される操作シーケンスを生成することができる。
【0198】
例えば、2つのツリーデータ構造が同期ツリー及びリモートツリーである場合に、クライアント同期サービスは、例えば、同期ツリー中のすべてのノードのファイル識別子を要求することによって、同期ツリー中の各ノードを識別することができる。同期ツリー中の各ノード、またはこのノードについてのファイル識別子のために、クライアント同期サービスは、ノードまたはファイル識別子もリモートツリー中にあるかどうかを判定することができる。リモートツリー中に見つからない同期ツリー中のノードまたはファイル識別子は、ノードがリモートツリーによって表されるサーバ状態から削除されていることを示すことができる。その結果、クライアント同期サービスは、削除アクションがリモートツリー上に発生したと判定することができる。ノード、またはこのノードについてのファイル識別子がリモートツリー中に見つかる場合に、クライアント同期サービスは、リモートツリー中のノードが編集されているか、移動しているかをチェックすることができる。
【0199】
リモートツリー中のノードが同期ツリー中のノードに関して編集されているかどうかを判定するために、クライアント同期サービスは、同期ツリー中のノードについてのメタデータを、リモートツリー中の対応するノード(例えば、同一のファイル識別子を有するノード)についてのメタデータと比較することができる。メタデータは、ノードによって表されるコンテンツアイテムが編集されているかどうかを判定するために使用され得る情報を含むことができる。例えば、メタデータは、コンテンツアイテム中のデータに基づき生成される1つ以上のハッシュ値、またはそれらの一部を含むことができる。メタデータは、追加的に、または代替的に、コンテンツアイテムについての、サイズ値、最後に修正された値、または他の値を含むことができる。クライアント同期サービス中のノードについてのメタデータを、リモートツリー中のノードについてのメタデータと比較することができる。メタデータがマッチングしない場合、コンテンツアイテムの編集は、リモートツリーによって表されるサーバ状態において編集されている。その結果、クライアント同期サービスは、編集アクションがリモートツリー上のノードに発生していると判定することができる。メタデータがマッチングする場合に、編集は発生しなかった可能性がある。
【0200】
リモートツリー中のノードが移動しているかどうかを判定するために、クライアント同期サービスは、同期ツリー中のノードについての位置を、リモートツリー中の対応するノード(例えば、同一のファイル識別子を含むノード)についての位置と比較することができる。この位置は、例えば、ノードが位置しているパス、ファイル名、及び/またはノードの親のファイル識別子を指定するディレクトリファイル識別子(「DirFileID」)を含むことができる。これらの位置がマッチングする場合に、移動は、起こらなかった可能性がある。一方、これらの位置がマッチングしない場合に、コンテンツアイテムの移動は、リモートツリーによって表されるサーバ状態に起こった可能性がある。その結果、クライアント同期サービスは、移動アクションがリモートツリー上のノードに対して発生したと判定することができる。
【0201】
ノードをリモートツリーに追加したかどうかを判定するために、クライアント同期サービスは、同期ツリー中に見つからない、リモートツリー中のいずれかのノードまたはファイル識別子を識別することができる。ノードまたはファイル識別子がリモートツリー中に見つかり、同期ツリー中に見つからない場合に、クライアント同期サービスは、このノードの追加アクションがサーバ状態を表すリモートツリー上に発生したと判定することができる。
【0202】
上記の実施例が同期ツリー及びリモートツリーに関して記述されているが、他の実施形態において、同様のプロセスは、同期ツリーとローカルツリーとの間の差異を識別し、ファイルシステム状態を表すローカルツリー上に発生したアクションを判定するために、同期ツリー及びローカルツリーに関して発生することができる。
【0203】
ツリーデータ構造を使用する同期
図7Aは、本発明の技術のさまざまな実施形態による、ツリーデータ構造を使用してサーバ状態及びファイルシステム状態を同期させるための例示的な方法を示す。本明細書に記述される、これらの方法及びプロセスが特定の順序における、ある特定のステップ及び操作によって示されることができるが、同様な順序もしくは代替の順序において、または並列して実行される追加の、より少数の、または代替のステップ及び操作は、特に明示されない限りさまざまな実施形態の範囲内にある。この方法は、例えば、クライアントデバイス150上のクライアント同期サービス156のような、システムによって実装されることができる。
【0204】
このシステムは、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムについてのサーバ状態を表すリモートツリーと、クライアントデバイス上に格納される対応するコンテンツアイテムについてのファイルシステム状態を表すローカルツリーと、サーバ状態及びファイルシステム状態の間の既知の同期した状態を表す同期ツリーとの間の差異を識別するように設定される。これらの差異に基づき、生成されることができる操作シーケンスは、実行される場合に、3つのツリーデータ構造が同一である同期した状態に向けてサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成される。
【0205】
例えば、操作702において、システムは、コンテンツ管理システムによって、またはクライアントデバイス上に、格納されるコンテンツアイテムについての修正データを受信することができる。操作704において、この修正データを使用して、リモートツリーまたはローカルツリーを更新することができる。
【0206】
修正データは、コンテンツ管理サービスと関連する1つ以上のコンテンツアイテムに行われる変更を指定する。その結果、修正データをコンテンツ管理システムから、またはクライアントデバイスから(例えば、クライアントアプリケーション152から)受信することができる。コンテンツ管理システムから受信する修正データは、サーバ修正データと称されることができる。サーバ修正データは、コンテンツ管理システムによって1つ以上のコンテンツアイテムに行われる変更を指定し、操作704において、リモートツリーを更新するために使用され得る。クライアントデバイスから受信する修正データは、クライアント修正データと称されることができる。クライアント修正データは、クライアントデバイス上で1つ以上のコンテンツアイテムに行われる変更を指定し、操作704においてローカルツリーを更新するために使用されることができる。
【0207】
操作706において、システムは、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムについてのサーバ状態、及びクライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテムについてのファイルシステム状態が同期しているかどうかを判定することができる。ローカルツリー及びリモートツリーがファイルシステム状態及びサーバ状態を表し、コンテンツ管理システム及びクライアントデバイスに発生する変更を追跡して、継続的に更新されているため、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているかどうかを判定することは、ローカルツリー及び/またはリモートツリーを同期ツリーと比較して、ツリー間の差異を見つけることによって行われ得る。ツリー間の差異を見つける、このプロセスは、ときとしてツリーの「差分を取る」と称される。
【0208】
いくつかの実施形態及びシナリオによる、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているかどうかを判定することは、リモートツリーと同期ツリーとの間の差異を識別すること、及び/またはローカルツリーと同期ツリーとの間の差異を識別することのうちの1つ以上を含むことができる。リモートツリーと同期ツリーとの間の差異は、クライアントデバイスに反映されていない可能性がある、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムへの変更の発生を示すことができる。同様に、ローカルツリーと同期ツリーとの間の差異は、コンテンツ管理システムに反映されていない可能性がある、クライアントデバイスに格納されるコンテンツアイテムへの変更の発生を示すことができる。
【0209】
ツリー間に差異がない場合に、サーバ状態及びファイルシステム状態は、同期し、同期アクションは、必要とされない。その結果、この方法は、操作702に戻り、新規の修正データを待機することができる。一方で、これらの差異が検出される場合に、システムは、操作708においてサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成される操作シーケンスを生成することができる。
【0210】
生成される操作シーケンスは、検出される1つ以上の差異に依存する。例えば、2つのツリー間の差異が追加されたコンテンツアイテムである場合に、生成された操作シーケンスは、追加されたコンテンツアイテムを取得して、それを追加することを含むことができる。2つのツリー間の差異がコンテンツアイテムの削除である場合に、生成された操作シーケンスは、コンテンツアイテムを削除することを含むことができる。また、操作シーケンスは、ツリー制約が維持されていることを確保する複数のチェックを含むことができる。以下にさらに記述されるように、操作シーケンスは、サーバ状態、ファイルシステム状態、または実行を保留している他の操作の現在の状態によって競合する場合がある。その結果、システムは、続行する前にこれらの競合をも解消することができる。
【0211】
上述されるように、リモートツリーと同期ツリーとの間に差異がある場合に、クライアントデバイスに反映されていない可能性がある、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムへの変更を発生している場合がある。その結果、このシナリオにおいて、システムは、クライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテム上で動作して、サーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成されるクライアント操作シーケンスを生成することができ、このクライアント操作シーケンスは、操作710において、実行のためにクライアントデバイスに提供され得る。
【0212】
一方、ローカルツリーと同期ツリーとの間の差異がある場合に、コンテンツ管理システムに反映されていない可能性がある、クライアントデバイスに格納されるコンテンツアイテムへの変更が発生している可能性がある。その結果、このシナリオにおいて、システムは、コンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテム上で動作して、サーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成されるサーバ操作シーケンスを生成することができ、このサーバ操作シーケンスは、操作710において、実行のためにコンテンツ管理システムに提供されることができる。いくつかの事例において、両方の事例は、真であることができ、クライアント操作シーケンス及びサーバ操作シーケンスは、操作710において生成され、それらの意図された受取人に提供され得る。
【0213】
操作シーケンス(複数可)が意図された受取人(複数可)に提供されると、方法は、操作702に戻り、新規の修正データを待機することができる。これらの操作シーケンス(複数可)は、サーバ状態及びファイルシステム状態の収束に向けて1つ以上のステップを提供する、またはサーバ状態及びファイルシステム状態を同期させるために必要とされるすべてのステップを提供することができる。例えば、コンテンツ管理システムは、サーバ操作シーケンスを受信し、このサーバ操作シーケンスをコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテム上で実行することができる。サーバ操作シーケンスのこの実行は、変更をコンテンツ管理システムによって格納されるコンテンツアイテムに引き起こし、これらの変更をサーバ修正データ中で検出し、指定し、システムに返送する。次いで、このシステムは、リモートツリーを更新し、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているかどうかを判定することができる。
【0214】
クライアントデバイスは、クライアント操作シーケンスを受信し、このクライアント操作シーケンスをクライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテム上で実行することができる。クライアント操作シーケンスのこの実行は、変更をクライアントデバイス上に格納されるコンテンツアイテムに引き起こし、これらの変更をクライアント修正データ中で検出し、指定し、システムに渡す。次いで、このシステムは、ローカルツリーを更新し、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期しているかどうかを判定することができる。方法700のこれらの操作は、サーバ状態及びファイルシステム状態が同期するまで継続することができる。
【0215】
方法700の操作は、クライアント側及びサーバ側(例えば、ローカルツリー及びリモートツリー、ファイルシステム状態及びサーバ状態、クライアント操作シーケンス及びサーバ操作シーケンス、クライアント修正データ及びサーバ修正データ)に関して記述されている。さまざまな実施形態において、これら2つの側と関連する操作は、並列して、順次に、他の側から切り離されて、または組み合わせて、発生し得る。
【0216】
競合ハンドリング
図7Aに関して上述されるように、同期ツリーとリモートツリーとの間の差異を識別し、使用してサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成されるクライアント操作シーケンスを生成する。しかしながら、いくつかの事例において、クライアント操作シーケンスは、ローカルツリーの現在の状態と競合する場合がある。同様に、同期ツリーとローカルツリーとの間の差異を識別し、使用してサーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように構成されるサーバ操作シーケンスを生成する。しかしながら、サーバ操作シーケンスは、リモートツリーの現在の状態と競合する。追加的に、または代替的に、クライアント操作シーケンス及びサーバ操作シーケンスは、互いに競合する場合がある。その結果、本発明の技術のさまざまな実施形態は、これらの競合を解消することによってさらなる技術的な改善を提供する。
【0217】
例えば、クライアント同期サービス(例えば、156)は、ルールと競合する操作シーケンス(例えば、クライアント操作シーケンスまたはサーバ操作シーケンス)中の操作を識別することができる。競合を識別するために使用される各ルールは、競合の解消とも関連付けられることができる。クライアント同期サービスは、実行のための操作シーケンスを提供する前に、競合についての解消に基づき操作シーケンスを更新する、または競合についての解消と関連する操作を実行することによって競合の解消を実行することができる。
【0218】
図7Bは、本発明の技術のさまざまな実施形態による、ツリーデータ構造を使用して、サーバ状態及びファイルシステム状態を同期させるときに競合を解消するための例示的な方法を示す。ある特定のステップ及び操作を有する、本明細書に記述されるこれらの方法及びプロセスは、特定の順序で示されることができるが、同様の順序もしくは代替の順序で、または並列して、実行される追加の、より少数の、または代替のステップ及び操作は、特に明示されない限り、さまざまな実施形態の範囲内にある。この方法は、例えばクライアント同期サービス156などのシステムによって実装され、クライアントデバイス上で実行される。
【0219】
システムは、操作720において、サーバ状態及びファイルシステム状態を収束させるように設定される操作シーケンスを受信することができる。操作シーケンスは、例えば、図7Aの方法700に関して生成され、記述されるクライアント操作シーケンスまたはサーバ操作シーケンスであることができる。
【0220】
操作720において、システムは、1セットのルールに基づき操作シーケンス中で1つ以上の違反を識別する。この1セットのルールは、クライアント同期サービス156によって格納され、解消される必要がある複数の制約、不変式、または競合を指定することができる。この1セットのルールは、ツリーデータ構造に適用され、同期ビヘイビアの制御を援助する。また、この1セットのルールの中の各ルールは、そのルールの違反への解消に関連付けられる、またはその他の方法によりリンクされることができる。例えば、この解消は、操作シーケンス中の1つ以上の操作の変更、1つ以上の操作の除去、1つ以上の操作の追加、サーバ状態もしくはファイル状態への1つ以上の追加アクション、またはアクションの組み合わせを備えることができる。
【0221】
操作シーケンス中の各操作について、システムは、1セットのルールのうちのいずれかのルールに違反しているかどうかを判定することができる。ルールに違反している場合に、システムは、違反の解消を識別し、操作722において、解消を実行する。この解消は、操作シーケンス中の1つ以上の操作を修正するようなアクション、1つ以上の操作を除去する、もしくは追加するアクション、またはサーバ状態もしくはファイル状態上の追加アクションを備えることができる。
【0222】
解消アクションが実行されると、システムは、操作724において解消及び操作シーケンスに基づき、解消された、またはリベースされた操作シーケンスを生成し、操作728において解消された操作シーケンスを実行のために適切なエンティティに提供することができる。例えば、操作シーケンスがクライアント操作シーケンスである場合に、解消された操作シーケンスは、クライアントデバイスに提供されることができる。操作シーケンスがサーバ操作シーケンスである場合に、解消された操作シーケンスは、コンテンツ管理サービスに提供されることができる。加えて、方法は、並列して、またはさまざまな異なる順序で、シーケンス中のクライアント操作シーケンス及びサーバ操作シーケンス上で実行されることができる。
【0223】
いくつかの実施形態に従い、各操作タイプは、同一の、または異なる1セットのルールと関連付けられることができる。例えば、操作タイプは、例えば、コンテンツアイテムを追加すること、コンテンツアイテムを削除すること、コンテンツアイテムを編集すること、コンテンツアイテムを移動させること、コンテンツアイテムをリネームすることなどを含むことができる。操作シーケンスは、上記の操作タイプのうちの1つに各属する操作からなることができる。各操作タイプは、特定の1セットのルールと関連付けられることができる。
【0224】
例示的な目的のために、「Add」操作タイプについての1セットのルールは、コンテンツアイテムについてのファイル識別子がツリー中で一意でなければならない(例えば、1つのツリー中の2つのノードが同一のファイル識別子を含むことができない)ようなルールを有することができ、コンテンツアイテムの親ノードのファイル識別子を指定するディレクトリファイル識別子(「DirFileID」)は、対向するツリーデータ構造中に存在しなければならず、コンテンツアイテムについてのDirFileID及びファイル名の組み合わせは、対向するツリー中に使用されない。
【0225】
対向するツリーは、本明細書に使用される場合、対向するエンティティの状態を表すツリーデータ構造を指す。例えば、クライアントデバイス上で動作するように構成されるクライアント操作シーケンス、及びクライアントデバイス上でのファイルシステムへの結果として生じる変更をローカルツリーに反映する。その結果、クライアント操作シーケンスについて対向するツリーは、リモートツリーである。同様に、サーバ操作シーケンスは、コンテンツ管理システムに送信され、実行されるように構成され、サーバ状態への結果として生じる変更は、リモートツリーに反映される。その結果、サーバ操作シーケンスについて対向するツリーは、ローカルツリーである。
【0226】
コミットプロトコル
図8は、操作をクライアントデバイス150に反映するツリーデータ構造610、620、630の例示的な状態を示す。インテント806は、クライアントデバイス150における操作の意図された結果を表す。この実施例において、インテント806は、「Foo.txt」をクライアントデバイス150に追加するための追加操作を示す。ローカルツリー630は、インテント806に基づくノード804を追加するように修正されている。ノード804は、ルートノード802内に「Foo.txt」の追加を描くようにローカルツリー630を修正する。前に説明されるように、インテント806がコンテンツ管理システム110と同期するときに、クライアントデバイス150は、ノード804を含むようにリモートツリー610及び同期ツリー620を更新するため、クライアントデバイス150においてツリーデータ構造610、620、630を同期させることができる。同期するときに、ツリーデータ構造610、620、630は、同期した状態をクライアントデバイス150に反映する。
【0227】
インテント806をコンテンツ管理システム110と同期させるために、クライアントデバイス150は、インテント806をコンテンツ管理システム110にコミットすることができる。この実施例において、クライアントデバイス150は、インテント806をコンテンツ管理システム110と同期させるために、「Foo.txt」の追加をコンテンツ管理システム110にコミットする。
【0228】
図9Aは、インテント806をコンテンツ管理システム110にコミットするための例示的な方法を示す。ステップ902において、クライアントデバイス150上のクライアント同期サービス156は、操作(例えば、インテント806からの操作)をクライアントデバイス150にコミットするインテントを記録する。クライアント同期サービス156は、永続的にディスクまたはメモリ上の操作をクライアントデバイス150にコミットするインテントを記録し、保留中のコミットを追跡することができる。クライアントデバイス150は、イベントが失敗または成功などの保留中のコミット(複数可)の除去をトリガするまで、ダーティコミット記録を格納し、修正を追跡することができる。
【0229】
ステップ904において、クライアント同期サービス156は、操作をコンテンツ管理システム110(例えば、ファイルジャーナルインタフェース202)にコミットする。クライアント同期サービス156は、この操作をコミットすることを要求するコンテンツ管理システム110にメッセージを送信することができる。このメッセージは、前に説明されるように、コンテンツ管理システム110がクライアントデバイス150におけるコンテンツアイテムの状態と、サーバファイルジャーナル148におけるクライアントデバイス150の位置とを決定するために使用することができる、カーソルを含むことができる。このカーソルは、例えば、クライアントデバイス150と関連する各ネームスペースについてサーバジャーナルID(SJID)を含むことができる。SJIDは、各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル148におけるクライアントデバイス150の位置を示すため、クライアントデバイス150における各ネームスペースの状態を提供する。
【0230】
ステップ906において、クライアント同期サービス156は、ステップ904からのコンテンツ管理システム110へのコミットが成功したかどうかを判定する。いくつかの事例において、コンテンツ管理システム110は、このコミットに応答して、コミットが成功した、または失敗したかどうかを示す、エラーまたは肯定応答をクライアント同期サービス156に自動的に送信することができる。いくつかの事例において、クライアント同期サービス156は、肯定応答またはエラー通知を要求するコンテンツ管理システム110に連絡することができる。例えば、クライアント同期サービス156は、コミットが成功した肯定応答を要求するコンテンツ管理システム110にメッセージを送信することができる。
【0231】
コミットが成功した場合に、コンテンツ管理システム110は、クライアント同期サービス156に応答し、クライアントデバイス150にコミットが成功したことを通知することができる。コミットが成功しなかった場合に、コンテンツ管理システム110は、失敗応答によって応答することができる、またはクライアント同期サービス156からの要求に応答しないことができる。コミットが失敗したとクライアント同期サービス156が判定する場合に、ステップ910において、クライアント同期サービス156は、クライアントデバイス150からの操作をコミットするインテントをクリアにする。クライアントデバイス150における状態がサーバファイルジャーナル148における状態と比較して古い場合に、クライアント同期サービス156は、クライアントデバイス150における状態をサーバファイルジャーナル148における状態と同期させる、いずれかの必要な更新を受信する、または要求することができる。
【0232】
コミットが成功したとクライアント同期サービス156が判定する場合に、ステップ908において、クライアント同期サービス156は、図8に示されるようなノード804を含むようにリモートツリー610及び同期ツリー620を更新する。次いで、ステップ910において、クライアント同期サービス156は、クライアントデバイス150から操作をコミットするインテントをクリアする。
【0233】
ステップ906においてコンテンツ管理システム110へのコミットが成功したかどうかを判定することによって、クライアント同期サービス156は、クライアント同期サービス156が操作をコミットし、そのコンテンツ及びツリーデータ構造(610、620、630)を更新するが、このコミットがコンテンツ管理システム110において成功しないシナリオに起因する競合を防ぐことができる。これは、クライアントデバイス150とコンテンツ管理システム110との間の状態の中に競合を生じる。
【0234】
例えば、クライアント同期サービス156がステップ904において操作をコミットした後に、クライアントデバイス150またはコンテンツ管理システム110におけるクラッシュ、ネットワーク条件(例えば、レイテンシまたは輻輳、ネットワーク障害など)、処理条件(例えば、コンテンツ管理システム110における長いキュー、コンテンツ管理システム110におけるメモリエラーなど)などのような、さまざまなシナリオは、コミットが実際に正常に処理され、コンテンツ管理システム110に適用されるのを妨げる場合がある。ステップ906において、したがって、クライアント同期サービス156は、この操作を適用するか、クライアントデバイス150にコミットする、格納された、またはキャッシュされたインテントをクリアするかどうかを決定する前に、コミットが成功したか、失敗したかどうかを検証することができる。
【0235】
また、コミットが成功した場合にチェックすること、及びコミットが失敗した場合にコミットするインテントをクリアすることにより、クライアントデバイス150がセルフオーサリングされた操作を区別し、それ自体がセルフオーサリングされた操作を通じて競合することを回避することが可能である。例えば、クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150によってオーサリングされるいずれかの操作に対してコミットするインテントと、これらの操作がセルフオーサリングされているインディケーションを記録することができる。次いで、クライアントデバイス150は、この操作を適用する(例えば、ツリーデータ構造を更新する)前に、コンテンツ管理システム110によって、コミットが成功したかどうかを検証することをチェックする。図9Bに関してさらに以下に記述されるように、コンテンツ管理システム110は、コミットするインテントが失敗した、または受信されなかったことをクライアントデバイス150に報告する場合に、コミットするこのようなインテントがコンテンツ管理システム110によって後に受信されても、その後成功しないであろうことを保証することができる。したがって、クライアントデバイス150は、コミットするインテントが失敗したことをクライアントデバイス150が示した後にコミットが成功しないであろうことを同様に保証することができ、コンテンツ管理システム110から失敗または成功の肯定応答を受信した後にコミットするインテントをクリアする。
【0236】
これは、例えば、クライアントデバイス150が失敗した操作をコミットする試みを信じ、コンテンツ管理システム110によって後に承認される操作に基づくリビジョンの更新またはインディケーションをコンテンツ管理システム110から後に受信するシナリオを妨げることができる。例えば、クライアントデバイス150は、コミットをコンテンツ管理システム110に送信することができる。このコミットが一時的に失われる、または遅延する場合に、コンテンツ管理システム110及びクライアントデバイス150は、コミットが失敗したと信じる可能性がある。コミットが後に再浮上し、クライアントデバイス150がコミットするインテントをクリアした、またはその他の方法によりコミットするインテントを失敗したとマーク付けした後に、コンテンツ管理システム110がこのコミットを処理して承認する場合に、この操作が決して承認されるべきではなかったとしても、失敗したコミットと関連する操作は、クライアントデバイス150へ意図せずに伝播されることができる。クライアントデバイス150は、この操作を受信し、この操作が前の失敗したコミットからのそれ自体の操作であることを認識せず、この操作が別のデバイスから生成され、同期したと信じて、この操作を適用する場合がある。この操作を前の失敗したコミットと関連するセルフオーサリングされた操作として区別することができず、クライアントデバイス150は、この操作を適用し、関連したコンテンツアイテム(複数可)またはネットワーク(複数可)の状態に競合を生じさせる可能性がある。したがって、クライアントデバイス自体の操作は、クライアントデバイスがそれ自体の操作を失敗した後に、この操作が別のデバイスによって生成され、クライアントデバイスに伝播される新規のリビジョンであるという信念の下で、同一の操作を適用することが原因となる競合をこのクライアントデバイスに生じさせる可能性がある。
【0237】
図9Bは、コンテンツ管理システム110においてコミットを処理する例示的な方法を示す。ステップ920において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス150)からのコミット要求を監視する。ステップ922において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からの操作(例えば、クライアント同期サービス156)をコミットする要求を受信する。この要求は、コミットと関連する操作と、クライアントデバイス150と関連するカーソルとを識別することができる。例えば、この要求は、図9Aに示されるようなインテント806をコミットする、クライアント同期サービス156からの要求であることができる。したがって、この要求は、図8に示されるインテント806に対応する追加操作(例えば、Add「Foo.txt」)と、クライアントデバイス150におけるカーソルとを識別することができる。クライアントデバイス150におけるカーソルは、ファイルジャーナルインタフェース202からクライアントデバイス150によって受信される最後の、または直近のカーソルであることができる。
【0238】
前に説明されるように、カーソルは、ネームスペースのそれぞれについてのサーバファイルジャーナル148におけるリビジョンまたは状態と比較して、クライアントデバイス150における各ネームスペースの最新のリビジョンまたは状態を反映する、クライアントデバイス150の位置をサーバファイルジャーナル148において識別することができる。例えば、カーソルは、クライアントデバイス150において各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル識別子(SJID)を識別することができる。ネームスペースのSJIDは、クライアントデバイス150によって取得されるそのネームスペースについて最新のSJID(例えば、ロウ、リビジョン、または状態)を示す。したがって、このカーソルは、クライアントデバイス150がクライアントデバイス150における各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル148中の最新のリビジョンを受信したかどうかを示すことができる。
【0239】
この操作をコミットする要求に応答して、ステップ924において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からのコミットと関連するカーソルをチェックする。ステップ926において、ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソルが先頭にあるかどうかを判定する。ここで、ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソル中の各ネームスペースについてカーソルによって識別されるリビジョン(SJID)がサーバファイルジャーナル148上のそのネームスペースについて最新のリビジョンであるかどうかを判定する。
【0240】
例えば、カーソルがネームスペース2についてのSJID50を識別する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、SJID50がサーバファイルジャーナル148(例えば、ジャーナル310)中のネームスペース2について最新のSJID(例えば、最新のロウまたはリビジョン)であるかどうかを判定する。そうである場合に、つぎに、クライアントデバイス150からのカーソルは、それがクライアントデバイス150における各ネームスペースについてのサーバファイルジャーナル148の最後にあることを意味する、先頭にあり、クライアントデバイス150がクライアントデバイス150における各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル148中の最新のリビジョンまたは状態を取得したことを示す。そうでない場合に、クライアントデバイス150からのカーソルは、それがクライアントデバイス150における各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル148の最後にはないことを意味する、先頭にはなく、クライアントデバイス150がクライアントデバイス150における各ネームスペースについてサーバファイルジャーナル148中の最新のリビジョンまたは状態を取得していないことを示す。換言すれば、1つ以上のネームスペースと関連するクライアントデバイス150におけるコンテンツアイテムは、古い。
【0241】
カーソルが先頭にはない場合に、ステップ928において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からのコミットを拒否する。例えば、先頭にはないカーソルに基づき、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からのコミットと関連する操作が古い(例えば、サーバファイルジャーナル148において最新のリビジョンを反映していない)コンテンツアイテム(複数可)及び/またはネームスペース(複数可)を修正すると判定することができ、そのコンテンツアイテム(複数可)及び/またはネームスペース(複数可)についてサーバファイルジャーナル148におけるリビジョンに関して競合を生じる可能性がある。したがって、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットを拒否し、コミットと関連する操作によって生じる競合を防ぐことができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットが拒否されていることを示す応答をクライアントデバイス150に送信することができる。また、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148中の最新のリビジョンまたは状態をクライアントデバイス150に送信する、またはクライアントデバイス150が更新を実行するように促すことができる。
【0242】
カーソルが先頭にある場合に、ステップ930において、ファイルジャーナルインタフェース202は、このコミットを許容することができる。いくつかの事例において、ファイルジャーナルインタフェース202は、操作がコミットを許容する前に競合を生じないことを検証する別のチェックを実行することができる。例えば、カーソルが先頭にあると判定することに加えて、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミット(例えば、インテント806)と関連する操作によって反映されるリビジョンをサーバファイルジャーナル148におけるリビジョンと比較し、カーソルが先頭にある場合でも操作が競合を生じないことを検証することができる。図示するように、操作がファイルについての削除操作であり、カーソルが先頭にあるとファイルジャーナルインタフェース202が判定すると仮定する。コミットを許容する前に、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148がファイルを特定のネームスペースに追加する前のリビジョンを含むことを検証することができる。サーバファイルジャーナル148がファイルをネームスペースに追加するリビジョンを含まないとファイルジャーナルインタフェース202が判定する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、削除操作と、追加リビジョンの欠如との間に競合を識別することができる。次いで、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットを拒否する、競合を調整する、及び/またはクライアントデバイス150に競合を調整するように求めることができる。
【0243】
コミットを許容した後に、ステップ932において、ファイルジャーナルインタフェース202は、このコミットに基づきサーバファイルジャーナル148を更新する。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットと関連する操作を反映るリビジョンをサーバファイルジャーナル148に書き込むことができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、前述されるように、この操作をリビジョンに変換し、この操作と関連するネームスペースについてのリビジョンを書き込むことができる。
【0244】
ステップ934において、ファイルジャーナルインタフェース202は、それがクライアントデバイス150から肯定応答要求を受信したかどうかを判定することができる。例えば、クライアントデバイス150は、コミットが失敗したか、成功したかどうかを判定するために、コミットの肯定応答についての要求をファイルジャーナルインタフェース202に送信することができる。ステップ936において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150からの肯定応答要求に応答することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットが成功したか、失敗したかどうかを含む、コミットのステータスのクライアントデバイス150に通知することができる。
【0245】
ステップ938において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150と関連するカーソルを移すことができる。例えば、クライアントデバイス150からのカーソルがクライアントデバイス150におけるネームスペース1についての最新のリビジョンとしてネームスペース1についてのSJID6を識別し、コミットと関連する操作がネームスペース1に対応すると仮定する。ファイルジャーナルインタフェース202は、ネームスペース1と関連するカーソルをSJID6からSJID7に移すことができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、更新されたカーソルをクライアントデバイス150に提供することができ、クライアントデバイス150は、将来のコミットのために更新されたカーソルを使用することができる。
【0246】
ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148を更新した後に、またはクライアントデバイス150から肯定応答要求を受信した後に、カーソルを移すことができる。いくつかの事例において、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150から肯定応答要求を受信した後に、肯定応答要求と関連するコミットがファイルジャーナルインタフェース202によって許容されなかった場合でも、カーソルを移すことができる。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202がクライアントデバイス150から肯定応答要求を受信する場合に、それは、ファイルジャーナルインタフェース202がコミットに関連した要求を決して受信しなかった、または承認しなかった場合でも、肯定応答要求に基づきカーソルを移すことができる。カーソルを移すことによって、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットが許容されていない、または記録されていないことをクライアントデバイス150に示すと、このコミットが後に許容されない、または記録されないことを保証することができる。
【0247】
例えば、クライアントデバイス150がファイルジャーナルインタフェース202にコミットする要求を送信するときに、いくつかの事例において、この要求は、ネットワークまたはコンピューティング問題(例えば、レイテンシ、輻輳、クラッシュ、クライアント側タスクキャンセルなど)のような、さまざまな理由のために、一時的に失われる、または遅延する可能性がある。結果として、ファイルジャーナルインタフェース202は、予想より遅くまでコミットする要求を受信しないことができる。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202は、クライアントデバイス150から肯定応答要求を受信し、この肯定応答要求に応答し、後でのみクライアントデバイス150からコミットする元の要求を受信することができる。この実施例において、コミットが記録されていなかった、受信されていなかった、または承認されていなかったインディケーションによって、ファイルジャーナルインタフェース202がクライアントデバイス150に応答した後に、このコミットを受信し、承認する/記録する場合に、このようなコミットは、コンテンツ管理システム110における状態と、クライアントデバイス150における状態との間の競合を生じる可能性がある。
【0248】
したがって、ファイルジャーナルインタフェース202がクライアントデバイス150に、コミットが記録されていなかった、または承認されていなかったということを伝えるときに、このようなコミットがファイルジャーナルインタフェース202によって後に受信された場合でも、後でコミットされないことを保証するために、ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソルを移し、失われた、または遅延したコミットが再浮上する場合に拒否されることを確保することができる。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202はコミットが記録されなかった、または承認されなかったとクライアントデバイス150に応答した後に、コミットする要求を受信するときに、ファイルジャーナルインタフェース202は、ステップ926に説明されるように、カーソルが先頭にあるかどうかをチェックする。コミットする要求がクライアントデバイス150によって最初に送信されたので、ファイルジャーナルインタフェース202がカーソルを移したことから、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットする要求と関連するカーソルが先頭にはないと判定し、その後、ステップ928に説明されるようにコミットするこの要求を拒否する。その結果、ファイルジャーナルインタフェース202は、処理または伝送中に遅延した、または失われたコミットに起因する競合またはエラーを防ぐことができる。換言すれば、カーソルが移されるときに、コミットが承認されていなかった、または受信されていなかった場合に、カーソルを移すことにより、このようなコミットが決して承認されない、または記録されないことを確保する。
【0249】
また、これは、前に説明されるように、セルフオーサリングされた操作からのクライアントデバイス150における競合を防ぐ。例えば、クライアントデバイス150がクライアントデバイス150にコミットするインテントに失敗する場合に、カーソルを移すことにより、失敗したコミットがファイルジャーナルインタフェース202によって後に記録されないこと、及びクライアントデバイス150に後に伝播されないことを確保する。
【0250】
また、カーソルを移すことにより、クライアントデバイス150及び/またはファイルジャーナルインタフェース202が失敗したコミットを再試行することができる「再度のコミット」のアプローチのような、他のアプローチによって潜在的に生じる可能性がある、さまざまな修正またはコミットの競合を防ぐことができる。下記は、カーソルを移すことによって防止されている、このような競合または条件の非限定的な実施例である。
【0251】
クライアントデバイス150は、「Foo.txt」をブロックリストAに追加するインテント806を記録する。クライアントデバイス150からのコミット要求は、ファイルジャーナルインタフェース202にディスパッチされるが、ネットワークにおいて遅延する。加えて、クライアントデバイス150は、コミットを送信した後にクラッシュする。次いで、クライアントデバイス150は、オンラインに戻り、リカバリモードにおいて、この追加を再コミットしようとする。ファイルジャーナルインタフェース202は、「Foo.txt」が既に他の箇所で最新であるため、このコミットを拒否する。クライアントデバイス150は、フライト中である、それ自体のコミットが失敗した証拠として拒否されたコミットを解釈し、その結果、クライアントデバイス150においてキャッシュ/ログをコミットするインテントをクリアする。次いで、クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150上の「Foo.txt」をブロックリストBに編集する。「Foo.txt」は、別のユーザまたはデバイスによってリモートに削除される。次いで、クライアントデバイス150からのインテント806についての元のコミット要求は、ファイルジャーナルインタフェース202に到達し、ファイルジャーナルインタフェース202によって許容される。次いで、クライアントデバイス150は、ブロックリストAへの「Foo.txt」の追加を、ブロックリストBに関して編集された「Foo.txt」と同一のパスにおいてファイルジャーナルインタフェース202から取り出す。ここで、クライアントデバイス150は、ブロックリストBに関して編集された「Foo.txt」と、ブロックリストAに関する「Foo.txt」のそれ自体の以前の追加との間に競合を有する。その結果、クライアントデバイス150は、それ自体が意図せずに競合した。
【0252】
この例示的なシナリオは、カーソルを移すことによって防止される。例えば、ファイルジャーナルインタフェース202がブロックリストAに関する「Foo.txt」についての追加コミットを後に受信するときに、コミットがクライアントデバイス150によって送信されたことからカーソルが移されている場合、ファイルジャーナルインタフェース202は、カーソルをチェックし、カーソルが先頭にはないと判定する(例えば、ステップ926)。次いで、ファイルジャーナルインタフェース202は、コミットを拒否し、クライアントデバイス150がブロックリストAに関する「Foo.txt」の追加をファイルジャーナルインタフェース202から取り出すのを防ぐ。したがって、コミットが失敗したとクライアントデバイス150が判定し、キャッシュ/ログをコミットするインテントをクリアすると、このコミットは、決して成功しないことが保証される。その結果、ファイルジャーナルインタフェース202及びクライアントデバイス150は、前の実施例における「Foo.txt」の編集後に、クライアントデバイス150がブロックリストAに関する「Foo.txt」の追加を取り出さず、同一のパスにおいて、ブロックリストAに関する「Foo.txt」と、ブロックリストBに関する「Foo.txt」との間に競合を生じないことを保証することができる。
【0253】
ツリーデータ構造の再同期
図10は、クライアントデバイス150においてツリーデータ構造(例えば、610、620、630)を再構築するための例示的な再同期プロセスを示す。前に説明されるように、ツリーデータ構造(610、620、630)をクライアントデバイス150において使用し、クライアントデバイス150とコンテンツ管理システム110との間で同期するコンテンツアイテムについてのメタデータ及び状態情報を永続化する。本明細書において、再同期プロセスは、必要であればクライアントデバイス150においてツリーデータ構造を再構築することができる。例えば、クライアントデバイス150においてツリーデータ構造及び永続化されたメタデータを損傷する、または破損する場合に、再同期プロセスは、ツリー及びメタデータをクライアントデバイス150上で再構築し、クライアントデバイス150におけるローカル状態をコンテンツ管理システム110におけるリモート状態と再同期させることができる。
【0254】
いくつかの事例において、クライアントデバイス150が重大な同期問題またはバグを経験する場合に、現在のツリー及びメタデータに関するいかなる問題も修正しようとするよりもむしろ、クライアントデバイス150においてツリー及びメタデータをクリアし、再構築することによってリカバリすることがより簡単である、またはより良い場合がある。再同期プロセスにより、ツリー及びメタデータをクリアして再構築し、これらのような問題を解決することが可能である。
【0255】
ステップ1002において、コンテンツ管理システム110においてユーザアカウントと関連するコンテンツアイテムの現在の状態に従い、クライアントデバイス150においてツリーデータ構造(610、620、630)を構築するために、再同期プロセスをトリガする。クライアントデバイス150においてツリー及びメタデータを損失する、もしくは破損する場合に再同期プロセスをトリガすることができる、または同期サービスは、クライアントデバイス150においてツリー及びメタデータを再構築することによって解決されることができる問題を経験する。
【0256】
再同期プロセスをトリガすると、クライアントデバイス150は、再同期処理のフェーズ1に入ることができる。フェーズ1は、ローカルツリー(例えば、630)及びリモートツリー(例えば、610)を再構築するための「再同期ハッシュ及びリスト」フェーズと称されることができる。ステップ1004において、クライアントデバイス150(例えば、クライアント同期サービス156)は、クライアントデバイス150においてコンテンツアイテムに基づきローカルツリー(630)を構築する。再同期プロセスは、クライアントデバイス150が前のインストールからの既存のコンテンツアイテムを含むが、コンテンツアイテムについてのツリー及びメタデータを再構築する必要性に直面している状況を伴うため、新規のインストールシナリオとは異なる。その結果、コンテンツアイテムは、再同期プロセスがローカルツリーを再構築するために使用することができる、クライアントデバイス150におけるローカルファイルシステム状態のスナップショットを提供することができる。下記に説明されるように、コンテンツアイテムとリモート状態との間のいかなる変更も後に同期することができる。
【0257】
特に、クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150においてコンテンツアイテムをクロールし、再インデックス付けし、ローカルツリーを生成することができる。ローカルツリーは、クライアントデバイス150においてローカルファイルシステム状態を反映する。いくつかの事例において、クライアントデバイス150は、再インデックス付け操作を実行し、クライアントデバイス150において見つかるコンテンツアイテムをハッシュ化する。次いで、クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150において見つかるコンテンツアイテムに基づき、ローカルツリーを生成する。ローカルツリーは、クライアントデバイス150において見つかる各コンテンツアイテム、及び前述されるようなコンテンツアイテムメタデータ(例えば、ファイル名、ファイルID、ディレクトリIDなど)を表すノードを含むことができる。各ノードは、その関連したコンテンツアイテムまたはブロックリストのハッシュ、及び/またはコンテンツアイテムメタデータを格納することができる。
【0258】
ステップ1006において、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110における状態に基づきクライアントデバイス150にリモートツリーを構築することができる。クライアントデバイス150は、コンテンツアイテムのリモート状態を提供する、リモートスナップショットをコンテンツ管理システム110から受信することができる。クライアントデバイス150は、それが現在の状態、または最新の状態に達するまで、リモート更新を処理することができる。クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110における状態及びリビジョンを決定するリスト要求をコンテンツ管理システム110に送信することができる。コンテンツ管理システム110は、前述されるように、コンテンツ管理システム110上でサーバファイルジャーナル148における状態またはリビジョンを示すカーソルをクライアントデバイス150に返すことができる。クライアントデバイス150による後のリスト要求が同じカーソルを返すときに、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110からのすべての更新が受信され、クライアントデバイス150におけるリモート状態が最新であると判定することができる。
【0259】
コンテンツ管理システム110からのリモート更新に基づき、クライアントデバイス150は、リモートツリーを構築し、コンテンツ管理システム110からのリモートスナップショットを反映する。ローカル及びリモートツリーを構築すると、クライアントデバイス150は、再同期プロセスのフェーズ2に移行することができる。クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150がフェーズ2を処理している間の変更を防ぐために、フェーズ2中にローカル及びリモートツリーを「フリーズさせる」ことができる。いくつかの事例において、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110にコミットされるいかなる変更も防ぐことができる、またはフェーズ1及びフェーズ2の間にリモート変更を再構築することを試みる。
【0260】
フェーズ2は、同期ツリー(例えば、620)を生成するための「再関連付け」フェーズと称されることができる。ステップ1008において、クライアントデバイス150は、ローカルツリー及びリモートツリーを比較し、ローカルツリーとリモートツリーとの間のいかなるマッチも識別する。この比較に基づき、ステップ1010において、クライアントデバイス150は、同期ツリーを構築する。同期ツリーは、リモートツリーにマッチングするローカルツリーのプレフィックスであることができる。同期ツリーは、ローカルツリーとリモートツリーとの間で共通のいずれかのノードまたは情報を含むことができる。したがって、同期ツリーは、ローカルツリーとリモートツリーとの間で一貫性があるいずれかの状態またはメタデータを表すことができる。したがって、同期ツリーは、ベースライン状態または真の値を提供し、ローカル状態及びリモート状態の異なる部分を識別する。
【0261】
いくつかの事例において、ローカルツリー中の各ノードを、リモートツリー中で検索することができる。マッチを識別する場合、次いで、ノードを同期ツリーに追加する。例えば、コンテンツアイテムの一意の識別子(例えば、ファイルID)、及び/またはファイル名、ディレクトリ識別子などのような他のメタデータに基づき、ローカルツリー中のすべてのコンテンツアイテムを、リモートツリー中で検索することができる。ローカルツリー中のコンテンツアイテムがリモートツリー中で見つかるときに、そのコンテンツアイテムを同期ツリーに追加する。
【0262】
いくつかの実施例において、クライアントデバイス150は、ローカルツリー中のすべてのファイル識別子について、ファイル識別子及び/またはそのディレクトリ識別子、ファイル名、メタデータなどがリモートツリー中で見つかるかどうかをチェックする。ローカルツリー中のノード(例えば、ファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、メタデータなど)がリモートツリー中の別のノードにマッチングする場合に、マッチングするノードを同期ツリーに追加することができる。ローカルツリーとリモートツリーとの間でノードをマッチングさせることによって、クライアントデバイス150は、同期ツリーを繰り返し構築することができる。
【0263】
ローカルツリー中のノードまたはファイル識別子についてのマッチがリモートツリー中で見つからない場合に、クライアントデバイス150は、このノードを同期ツリーから除外することができる。いくつかの事例において、ローカルツリー中のノードまたはファイル識別子についてのマッチがリモートツリー中で見つからない場合に、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110にクエリを行い、コンテンツ管理システム110がノードに対応する属性(例えば、ファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、及び/またはメタデータ)を含むコンテンツアイテムのいずれかの記録を有するかどうかを判定することができる。例えば、クライアントデバイス150は、ローカルツリー中のノードと関連するファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、及び/またはメタデータに基づきコンテンツ管理システム110にクエリを行い、コンテンツ管理システム110がこれらのような属性(例えば、ファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、メタデータなど)とともに常に存在するコンテンツアイテムの記録を含むかどうかを判定することができる。コンテンツ管理システム110は、このクエリを受信し、サーバファイルジャーナル148中で検索を実行し、サーバファイルジャーナル148が特定のファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、及び/またはメタデータを含むコンテンツアイテムのいずれかの記録を有するかどうかを判定することができる。コンテンツ管理システム110がコンテンツアイテムについてマッチングする記録を識別する場合に、クライアントデバイス150は、ローカルツリーからの対応するノードを同期ツリーに追加することができる。
【0264】
図示するように、クライアントデバイス150は、所与のタプル(例えば、ファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、及び/またはメタデータ)がサーバファイルジャーナル148上に常に存在したかどうかを、コンテンツ管理システム110に尋ねることができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148上のジャーナル(例えば、310)中のいずれかのロウが所与のタプル中のファイル識別子に対応するかどうかをチェックすることができる。サーバファイルジャーナル148上のジャーナル中のこれらのロウは、それぞれファイル識別子、ファイル名、ディレクトリ識別子、及び/またはメタデータを提供することができる。ファイルジャーナルインタフェース202は、所与のタプルにおいてファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、及び/またはメタデータにマッチングするエントリについてのロウをフィルタリングすることができる。ファイルジャーナルインタフェース202がファイル識別子及び/またはファイル名を含むジャーナル中でロウを識別する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、そのロウについてのディレクトリ識別子フィールド中の値が所与のタプルにおけるディレクトリ識別子にマッチングするかどうかを検証することができる。ディレクトリ識別子フィールドは、マッチングするロウ中のファイル名またはファイル識別子のパスが所与のタプル中のパスにマッチングするかどうかをファイルジャーナルインタフェース202が判定することを可能にする。ファイルジャーナルインタフェース202がファイル識別子及び/またはファイル名についてマッチングするロウを識別し、所与のタプル中のファイル識別子またはファイル名のパスがマッチングするロウ中のパスにマッチングすると判定する場合に、ファイルジャーナルインタフェース202は、サーバファイルジャーナル148が同じパスに存在する同じコンテンツアイテムの前の記録を含むことをクライアントデバイス150に通知することができる。次いで、クライアントデバイス150は、そのコンテンツアイテム及びパスと関連するノードを同期ツリーに追加することができる。
【0265】
ローカルツリー中の各ノードをリモートツリー中のノードと、及び/またはコンテンツ管理システム110上の記録と比較した後に同期ツリーを構築すると、クライアントデバイス150は、再同期プロセスのフェーズ3に移行することができる。
【0266】
フェーズ3では、ステップ1012において、クライアントデバイス150は、ローカルツリー、リモートツリー、及び同期ツリーに基づきインクリメンタル同期を実行する。ローカルツリーがフェーズ1において構築されるときに完全に同期した状態を反映する場合に、次いで、ローカルツリー、リモートツリー、及び同期ツリーは、同一であり、完全に同期している必要がある。この事例において、インクリメンタル同期は、不要である可能性がある。
【0267】
ステップ1010において構築される同期ツリーがリモート状態とローカルファイルシステム状態との間で競合を示す場合に、クライアントデバイス150は、図7A及び7Bに関して前述されるように、リモート状態及びローカルファイルシステム状態におけるいずれかの差異を識別し、インクリメンタル同期を実行してリモート状態及びローカルファイルシステム状態を収束させ、競合を解消する。インクリメンタル同期後に、ローカルツリー、リモートツリー、及び同期ツリーは、同一であり、完全に同期している必要がある。
【0268】
図11は、図10に前述されるような再同期プロセスの図を示す。この図は、再同期プロセスがクライアントデバイス150においてトリガされた後にフェーズ1(例えば、ステップ1004、1006)で開始する。この実施例では、フェーズ1において、クライアントデバイス150は、クライアントデバイス150においてコンテンツアイテムに基づきローカルツリー630を、またクライアントデバイス150と関連するコンテンツアイテムのコンテンツ管理システム110上のリモート状態に基づきリモートツリー610を構築する。したがって、ローカルツリー630は、再同期プロセスがトリガされるときにローカルファイルシステム状態を反映し、リモートツリー610は、コンテンツ管理システム110上のサーバファイルジャーナル148中で対応する状態を反映する。
【0269】
ローカルツリー630は、クライアントデバイス150においてルートディレクトリに対応するルートノード1102、及びルートディレクトリ内のサブディレクトリまたはフォルダ「/Bar」に対応するノード1104を含む。ルートノード1102及びノード1104は、各ノードと関連するコンテンツ(または変更)を一意に識別することができるそれぞれのコンテンツまたはブロックリストのハッシュ、及びファイル識別子、ディレクトリ識別子、ファイル名、リビジョン番号、コンテンツ属性、タイムスタンプなどのようなそれぞれのメタデータを格納することができる。
【0270】
リモートツリー610は、コンテンツ管理システム110において「/Bar/」内に格納される「Foo.txt」に対応する、ルートノード1102、ノード1104、及びノード1106を含む。リモートツリー610上のノード1102、1104、1106は、ローカルツリー630に関して前述されるような、それぞれのハッシュ及びそれぞれのメタデータを同様に含むことができる。さらに、クライアントデバイス150と関連するコンテンツアイテムのサーバファイルジャーナル148におけるリモート状態、及び/またはクライアントデバイス150におけるユーザアカウントを反映する、コンテンツ管理システム110から受信するリビジョンまたは操作(例えば、ファイルジャーナルインタフェース202)に基づき、ノード1102、1104、1106をリモートツリー610に追加することができる。
【0271】
フェーズ2において、同期ツリー620は、ローカルツリー630及びリモートツリー610に基づき構築される。同期ツリー620を構築するために、クライアントデバイス150は、ローカルツリー630中の各ノードをリモートツリー610中の各ノードと比較して、マッチングするノードを判定する(もしあれば)。例えば、クライアントデバイス150は、リモートツリー610を検索し、ローカルツリー630中のノード1102及び1104がリモートツリー610中に含まれるかどうかを判定することができる。次いで、クライアントデバイス150は、同期ツリー620に、いずれかのマッチングするノードを投入する。
【0272】
例えば、クライアントデバイス150は、ローカルツリー630中のルートノード1102からファイル識別子及び/またはメタデータ(例えば、ファイル名、ディレクトリ識別子など)を使用してリモートツリー610を検索することができる。クライアントデバイス150がリモートツリー610におけるマッチを識別する場合に、クライアントデバイス150は、ルートノード1102もリモートツリー610中に含まれると判定することができる。次いで、クライアントデバイス150は、ルートノード1102を同期ツリー620に追加することができる。次いで、クライアントデバイス150は、ローカルツリー630中のノード1104からファイル識別子及び/またはメタデータ(例えば、ファイル名、ディレクトリ識別子など)を使用して、リモートツリー610を検索する。クライアントデバイス150がリモートツリー610におけるマッチを識別する場合に、クライアントデバイス150は、ノード1104もリモートツリー610中に含まれると判定することができる。次いで、クライアントデバイス150は、ノード1104を同期ツリー620に追加することができる。
【0273】
いくつかの事例において、ローカルツリー630中のノードがリモートツリー610中で見つからなかったとクライアントデバイス150が判定する場合に、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110にクエリを行い、そのノードと関連するコンテンツアイテムがコンテンツ管理システム110に前に存在したかどうかをチェックすることができる。例えば、クライアントデバイス150は、コンテンツ管理システム110がコンテンツアイテムと関連するファイル識別子、及び/またはコンテンツアイテムと関連するメタデータ(例えば、ファイル名、パス、ディレクトリ識別子など)を含むサーバファイルジャーナル148中のいずれかの記録に対して検索することを求めることができる。このように、クライアントデバイス150は、そのコンテンツアイテムがコンテンツ管理システム110と決して同期しなかったクライアントデバイス150に追加される新規のコンテンツアイテムであるか、前にコンテンツ管理システム110にあったコンテンツアイテムであるかを判定することができる。コンテンツアイテムがコンテンツ管理システム110に以前に実際にあったとクライアントデバイス150が判定する場合に、クライアントデバイス150は、対応するノードを同期ツリー620中に追加することができる。ノードがリモートツリー610中で見つからなかったが、クライアントデバイス150は、ノードを同期ツリー620中に含み、後に、このノードをリモートツリー610から除去する必要があるか、必要がないかを検証することができる。ノードが、関連したコンテンツアイテムがクライアントデバイス150に格納されていることを示す、ローカルツリー630中に位置し、そしてコンテンツアイテムがコンテンツ管理システム110に以前にあったことから、クライアントデバイス150は、それがインクリメンタル同期を実行するときにステージ3において一貫性がないことを解消すると判定することができる。
【0274】
この実施例において、フェーズ2の後に、同期ツリー620は、ルートノード1102及びノード1104を含む。しかしながら、同期ツリー620は、ノード1106をリモートツリー610中に含まない。これは、ローカルツリー630とリモートツリー610との間に一貫性がないことを反映する。一貫性がないことは、コンテンツ管理システム110またはクライアントデバイス150と同期していなかった更新または操作(例えば、追加または削除)に起因する場合がある。
【0275】
フェーズ3において、クライアントデバイス150は、インクリメンタル同期を実行し、ローカルツリー630とリモートツリー610との間の競合を解消することができる。クライアントデバイス150は、ノード1106がリモートツリー610から除去される、または同期ツリー620及びローカルツリー630に追加される必要があるかどうかを判定することができる。この実施例において、クライアントデバイス150は、ノード1106がクライアントデバイス150と同期していなかったコンテンツ管理システム110における「Foo.txt」の追加に基づくと判定する。その結果、クライアントデバイス150は、ノード1106を同期ツリー620及びローカルツリー630に追加する。
【0276】
代替に、「Foo.txt」が最新のリビジョン中で削除され、ノード1106がリモートツリー610から除去される必要があるとクライアントデバイス150が判定する場合に、クライアントデバイス150は、ノード1106を同期ツリー620及びローカルツリー630に追加する代替に、ノード1106をリモートツリー610から削除することができる。例えば、ローカルツリー630中のノード1106の欠如は、「Foo.txt」がクライアントデバイス150において削除され、削除イベントがコンテンツ管理システム110と正常に同期しなかったことを示すことができる。したがって、インクリメンタル同期を通して、クライアントデバイス150は、ローカルツリー630及び同期ツリー610がノード1106なしで残る必要があり、削除操作がコンテンツ管理システム110と同期する必要があると判定することができる。クライアントデバイス150は、削除操作を同期させ、リモートツリー610を更新してノード1106を除去することができる。
【0277】
図12は、コンピューティングシステム1200の実施例を示し、このコンピューティングシステムは、クライアントデバイス150、コンテンツ管理システム110またはそれらのいずれかのコンポーネントを構成する、例えば、いずれかのコンピューティングデバイスであることができ、このシステムのこれらのコンポーネントは、接続1205を使用して互いに通信する。接続1205は、バスを介する物理的な接続、またはチップセットアーキテクチャなどの、プロセッサ1210中に直接接続であることができる。また、接続1205は、仮想接続、ネットワーク化された接続、または論理接続であることができる。
【0278】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム1200は、本開示に記述される機能が1つのデータセンター、複数のデータセンター、ピアネットワークなどの内に分散されることができる分散システムである。いくつかの実施形態において、記述されたシステムのコンポーネントのうちの1つ以上は、コンポーネントが記述されている機能のうちのいくつか、またはすべてを各実行する、多くのこれらのようなコンポーネントを表す。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントは、物理デバイスまたは仮想デバイスであることができる。
【0279】
例示的なシステム1200は、少なくとも1つの処理ユニット(CPUまたはプロセッサ)1210、ならびに読み出し専用メモリ(ROM)1220及びランダムアクセスメモリ(RAM)1225などのシステムメモリ1215を含むさまざまなシステムコンポーネントをプロセッサ1210に結合する接続1205を備える。コンピューティングシステム1200は、プロセッサ1210の部分と、直接に、近接して、または統合されて、接続される高速メモリ1212のキャッシュを含むことができる。
【0280】
プロセッサ1210は、いずれかの汎用プロセッサ、ならびにストレージデバイス1230に格納され、プロセッサ1210を制御するように構成されるサービス1232、1234、及び1236などのハードウェアサービスまたはソフトウェアサービスだけではなく、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計中に組み込まれる専用プロセッサをも含むことができる。プロセッサ1210は、本質的に、複数のコアまたはプロセッサ、1つのバス、メモリコントローラ、キャッシュなどを含む、完全に自己完結型コンピューティングシステムであることができる。マルチコアプロセッサは、対称または非対称であることができる。
【0281】
ユーザインタラクションを可能にするために、コンピューティングシステム1200は、入力デバイス1245を含み、この入力デバイスは、音声用のマイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィカル入力用のタッチパネル、キーボード、マウス、モーション入力、音声などのような、いずれかの数の入力メカニズムを表すことができる。また、コンピューティングシステム1200は、出力デバイス1235を含むことができ、この出力デバイスは、当業者に知られている複数の出力メカニズムのうちの1つ以上であることができる。いくつかの例において、マルチモーダルシステムは、コンピューティングシステム1200と通信する複数のタイプの入力/出力をユーザが提供することを可能にする。コンピューティングシステム1200は、通信インタフェース1240を含むことができ、この通信インタフェースは、ユーザ入力及びシステム出力を一般的に規制し、管理することができる。いずれかの特定のハードウェア配置上の操作に制約がないため、本明細書における基本機能は、それらが開発されているような改善されたハードウェアまたはファームウェア配置の代わりに容易に使用されることができる。
【0282】
ストレージデバイス1230は、不揮発性メモリデバイスであることができ、ハードディスク、またはコンピュータによってアクセス可能であるデータを格納することができる、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートメモリデバイス、デジタルバーサタイルディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、及び/またはこれらのデバイスのいくつかの組み合わせのような、他のタイプのコンピュータ可読媒体であることができる。
【0283】
ストレージデバイス1230は、ソフトウェアサービス、サーバ、サービスなどを含むことができ、このようなソフトウェアを定義するコードがプロセッサ1210によって実行されるときに、そのコードがシステムに機能を実行させる。いくつかの実施形態において、特定の機能を実行するハードウェアサービスは、この機能を実行する、プロセッサ1210、接続1205、出力デバイス1235などのような、必要なハードウェアコンポーネントと関連するコンピュータ可読媒体に格納されるソフトウェアコンポーネントを含むことができる。
【0284】
説明の明確さのために、いくつかの例において、本技術は、ソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせに具体化される方法において、デバイス、デバイスコンポーネント、ステップまたはルーチンを有する機能ブロックを含む個々の機能ブロックを備えるように提示されることができる。
【0285】
本明細書に記述されるステップ、操作、機能、またはプロセスのいずれかは、ハードウェア及びソフトウェアサービスの組み合わせ、もしくはサービス単独で、または他のデバイスと組み合わせて実行される、または実装されることができる。いくつかの実施形態において、サービスは、クライアントデバイスのメモリ、及び/またはコンテンツ管理システムの1つ以上のサーバに存在するソフトウェアであり、プロセッサがサービスと関連するソフトウェアを実行するときに1つ以上の機能を実行することができる。いくつかの実施形態において、サービスは、特定の機能を実行するプログラムまたはプログラムコレクションである。いくつかの実施形態において、サービスは、サーバとみなされることができる。メモリは、非一時的なコンピュータ可読媒体であることができる。
【0286】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読ストレージデバイス、媒体、及びメモリは、ビットストリーム及び同様のものを有するケーブルまたは無線信号を含むことができる。しかしながら、言及されるときに、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、エネルギー、搬送信号、電磁波、及び信号自体を明確に除外する。
【0287】
上述される実施例による方法は、格納される、またはその他の方法によりコンピュータ可読媒体から利用可能である、コンピュータ実行可能命令を使用して、実装されることができる。これらのような命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、もしくは専用処理デバイスに、ある特定の機能、もしくは機能群を実行させる、またはその他の方法により汎用コンピュータ、専用コンピュータ、もしくは専用処理デバイスがある特定の機能、もしくは機能群を実行するように設定する、命令及びデータを含むことができる。使用されているコンピュータリソースの部分は、ネットワーク経由でアクセス可能である。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語などの中間形式命令、ファームウェア、またはソースコードであり得る。命令、使用される情報、及び/または記述された実施例に従う方法中に作成される情報を格納するために使用されることができるコンピュータ可読媒体の実施例は、磁気または光ディスク、ソリッドステートメモリデバイス、フラッシュメモリ、不揮発性メモリによって提供されるUSBデバイス、ネットワーク化されたストレージデバイスなどを含む。
【0288】
これらの開示に従う方法を実装するデバイスは、ハードウェア、ファームウェア及び/またはソフトウェアを含むことができ、さまざまなフォームファクタのいずれかを取ることができる。これらのようなフォームファクタの典型的な実施例は、サーバ、ラップトップ、スマートフォン、スモールフォームファクタパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタントなどを含む。また、本明細書に記述される機能性は、周辺機器またはアドインカードに具体化されることができる。また、このような機能性は、さらなる実施例として、異なるチップ間回路基板、または単一のデバイス中で実行する異なるプロセスに実装されることができる。
【0289】
これらの命令、これらのような命令を伝えるための媒体、それらを実行するためのコンピューティングリソース、及びこれらのようなコンピューティングリソースをサポートするための他の構造は、これらの開示に記述される機能を提供するための手段である。
【0290】
さまざまな実施例及び他の情報を使用して、添付の特許請求の範囲内で態様を説明したが、特許請求の範囲の制限は、当業者がこれらの実施例を使用して多種多様な実施態様を導出することができる場合に、これらのような実施例における特定の特徴または配置に基づき黙示的に伝えられるべきではない。さらに、ある発明の主題が構造的特徴及び/または方法ステップの実施例に特有の言語で記述されている場合があるが、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の主題がこれらの記述された特徴また行為に必ずしも限定されないことを理解するであろう。例えば、このような機能性は、本明細書において特定されている構成要素以外の構成要素に、異なるように分散される、または実行されることができる。むしろ、記述された特徴及びステップは、添付の特許請求の範囲内でシステム及び方法の構成要素の実施例として開示されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12