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特許7053852キャップディスクばねを備えた可変力テンショナアーム
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  • 特許-キャップディスクばねを備えた可変力テンショナアーム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】キャップディスクばねを備えた可変力テンショナアーム
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/08 20060101AFI20220405BHJP
   F16F 3/02 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
F16H7/08 B
F16F3/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020538045
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 US2018016096
(87)【国際公開番号】W WO2019152001
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】キース・ビー・コブ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・シモンズ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・トッド
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02191946(US,A)
【文献】特開平10-238603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/08
F16F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンショナアームであって、
チェーンまたはベルトと接触するための第1表面および前記第1表面の反対側のキャビティを画定する第2表面を有する本体と、
前記本体内に受容されたキャップと、
少なくとも2つのばねセットであって、各々のばねセットは、前記テンショナアームの前記キャップと前記本体の間のキャビティ内に配向され、前記ばねセットの中で少なくとも1つは、前記キャップと前記キャビティの間に第1方向に配向され、第2ばねセットは、第1方向と反対の第2方向に配向され、前記少なくとも2つのばねセットは、前記テンショナアームの前記本体から離れるようにキャップを付勢する、少なくとも2つのばねセットと、
前記キャビティ内で前記テンショナアームの前記本体から延び、前記少なくとも2つのばねセットによって受容されるフランジと、
を含む、テンショナアーム。
【請求項2】
各々のばねセットは、2つのばねを含み、各々のばねセットの前記ばねは、中心を囲む縁部を備えた外周を有する円錐形ディスクばねである、請求項1に記載のテンショナアーム。
【請求項3】
前記ばねセットの前記ばねは、前記ばねセット内で同じ方向に配向される、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項4】
第1ばねセットは、当該第1ばねセットのばねの前記外周の縁部が前記キャップに隣接して置かれるように、前記キャビティ内に第1方向で配向され、第2ばねセットは、前記第2ばねセットのばねの中心が前記第1方向で前記第1ばねセットの前記ばねの中心と接触するように前記キャビティ内に配向される、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項5】
前記少なくとも2つのばねセットは、150N/mm~400N/mmのばね定数を有
するように組み合わされる、請求項1に記載のテンショナアーム。
【請求項6】
テンショナアームであって、
チェーンまたはベルトと接触するための第1表面および前記第1表面の反対側のキャビティを画定する第2表面を有する本体と、
前記本体内に受容されたキャップと、
前記テンショナアームの前記キャップと前記本体との間の前記キャビティ内に積層され、前記テンショナアームの前記本体から離れるように前記キャップを付勢する複数のばねセットであって、各々のばねセットは、第1ばねおよび第2ばねを含み、前記ばねセットの第1ばねは第1方向に配向され、前記ばねセットの第2ばねは前記第1方向と反対の第2方向に配向される、複数のばねセットと、
前記キャビティ内で前記テンショナアームの前記本体から延び、前記複数のばねセットによって受容されるフランジと
を含む、テンショナアーム。
【請求項7】
前記ばねセットの各々のばねは、中心を囲む縁部を備えた外周を有する円錐形ディスクばねである、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項8】
前記キャビティにおいて、前記ばねセットの前記第1ばねの前記外周の縁部は前記キャップと接触し、別のばねセットの前記第2ばねの前記外周の縁部は前記テンショナアームの前記本体と接触する、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項9】
前記キャビティ内および前記テンショナアームの前記キャップと前記本体との間に、3つのばねセットがある、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項10】
前記キャビティ内および前記テンショナアームの前記キャップと前記本体との間に、4つのばねセットがある、請求項に記載のテンショナアーム。
【請求項11】
前記複数のばねセットは、150N/mm~400N/mmのばね定数を有するように組み合わされる、請求項に記載のテンショナアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧テンショナの分野に関する。より詳細には、本発明は、キャップディスクばねを備えた可変力テンショナアームを有する二重油圧可変力テンショナ(dual hydraulic variable force tensioner)に関する。
【背景技術】
【0002】
二重油圧可変力テンショナシステムは、コイルばねがアームボタンを介して保持されるピストンパッドの横に深いポケットを含むテンショナアームを利用する。二重油圧可変力テンショナの二次ピストンは、テンショナアームを介してチェーン駆動システムを制御するために追加の機械的力が必要なときに、ピストンを介してアームキャップに接触してばね力を調整する。コイルばねのばねレート(spring rate)は、二重油圧可変力テンショナシステムのテンショナばねよりも大幅に高いため、二重油圧可変力テンショナのハウジングからの最小の二次ピストン伸長と共に増加された力を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、二重油圧可変力テンショナシステムの第2ピストンと油圧テンショナアームとの間にディスクばねのスタックを配置して、必要に応じてより高いばねレートを可能にする。ばねは、異なるばねレートを提供するために複数の構成で積層され得る。テンショナアーム内のばねの数と前記ばねの方向に応じてパッケージスペースが減少され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】二重油圧可変力テンショナの斜視図を示す。
図2a】テンショナアームを備えた二重油圧可変力テンショナのカットスルー(cut through)を示す。
図2b図2aのテンショナアームを備えた二重油圧可変力テンショナのカットスルーの拡大図を示す。
図3】テンショナアームのカットスルーを示す。
図4】400N/mmのばねレートを有する皿ばね(Belleville spring)セットを備えたテンショナアームの図3の4-4線に沿った拡大図を示す。
図5】150N/mmのばねレートを有する皿ばねセットを備えたテンショナアームを示す。
図6】100N/mmのばねレートを有する皿ばねセットを備えたテンショナアームを示す。
図7a】第1方向での皿ばねのカットスルーを示す。
図7b】第2方向での皿ばねのカットスルーを示す。
図7c】皿ばねの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1図2bは、二重油圧可変力テンショナを示す。テンショナ100は、テンショナアームまたはシュー402を介してチェーンまたはベルト(図示せず)に張力を加える。テンショナアーム402は、チェーンまたはベルトと接触する第1摺動表面402bおよび第1摺動表面402bの反対側の第2表面402aを有する。第2表面402bに沿って、ばね404およびキャップ405を受容するためのキャビティ402cがある。テンショナアームは、ばね404が通過し、キャビティ402c内のばね404を中心にする内部フランジ407をキャビティ内にさらに有することができる。ばね404の第1端部404aは、テンショナアーム402内のキャビティの閉鎖端部によって受容され、ばね404の第2端部404bは、キャップ405の第1表面405aによって受容される。キャップ405は、二重油圧可変力テンショナ100の第2ピストン160の第1端部160aと整列される。第1表面405aの反対側の第2表面405bは、第2ピストン160に接触する。ハウジング102から離れる第2ピストン160の移動は、キャップ405を移動させ、ばね404を圧縮し、これにより、テンショナアーム402をチェーンまたはベルトに向かって移動させる。キャップ405がU字形として示されているが、ばねを捕捉してピストンの端部と接触することができる任意の形状が使用され得る。テンショナ100は、第2軸方向に延びるボア102cと平行な第1軸方向に延びるボア102aを有するハウジング102を含む。第1軸方向に延びるボア102a内に摺動可能に受容されるのは、第1ピストン103である。第1ピストン103は、第1端部103a、第2端部103c、外周103d、および閉鎖内側第1端部103fがある中空内部103bを備えた本体を有する。外周103dは、本体の長さに沿って一連のラチェット溝112を有し、第2端部103c近傍のストップ溝113がラチェット溝112よりも大きく、ラチェットクリップ170を捕捉する。ラチェットクリップ170は、第1ピストン103がハウジング102から離れて移動することによって、ラチェット溝112の内部および外部にラチェットまたは拡張/収縮する拡張可能なクリップである。ラチェットクリップ170は、テンショナアームまたはシュー402が第1ピストン103を押すとき、第1ピストン103がハウジング102に向かって移動することを防止する。
【0006】
第1ピストン103の中空内部103b内には、第1ピストンばね104が存在する。第1ピストンばね104は、第1ピストン103の閉鎖内側第1端部103fと接触する第1端部104aまたは体積減少部およびハウジング102の第1軸方向に延びるボア102aの低部102bと接触する第2端部104bを有する。第1ピストン103と第1軸方向に延びるボア102aとの間には、第1圧力チャンバ111が形成される。流体は、入口逆止弁108を介して第1供給部106を介し、第1圧力チャンバに供給される。第1ピストン103は、第1ピストンばね104の力および第1圧力チャンバ111内の油圧によってテンショナアーム402を介し、第1ピストンの第1端部103aを通してチェーンを付勢するようにハウジング102から外側に付勢される。
【0007】
第2軸方向に延びるボア102cは、第2ピストン160を摺動可能に受容する。第2ピストン160は、第1端部160a、第2端部160c、および閉鎖第1端部160dがある中空内部160bを備えた本体を有する。
【0008】
中空内部160b内には、第2ピストン160をハウジング102から外側に付勢するための第2ピストンばね166が存在する。第2ピストンばね166は、第2ピストン160の内側部160bの閉鎖第1端部160dと接触する第1端部166a、および第2軸方向に延びるボア102cの底部102dと接触する第2端部166bを有する。第2ピストン160は、溝を備えた外周を有することができ、ラチェットクリップを受容することができ、第1ピストンは、滑らかな外周を有することに留意されたい。
【0009】
第2高圧チャンバ167は、中空内部160bおよび第2軸方向に延びるボア102cによって形成され、その内部には、第2ピストンばね166がある。流体は、入口供給部109および好ましくは、逆止弁107を介して第2高圧チャンバ167に供給される。
【0010】
テンショナが新しいチェーンまたはベルトに張力を加えるとき、作動中に、流体は第1入口供給部106から入口逆止弁108を介して第1圧力チャンバ111に供給され、第1ピストンばね104のばね力に付加して第1ピストン103をハウジング102から外側に付勢するだけでなく、ラチェット溝112内でラチェットクリップ170を移動させ、テンショナアーム402を介して閉鎖ループチェーンまたはベルトのスパン(span)を付勢する。同時に、第2ピストン160も、第2ピストンばね166によって第2軸方向に延びるボア102cから外側に付勢され、流体は、第2入口供給部109から入口逆止弁107を介して第2圧力チャンバ167に供給され、外部ばね404を介してテンショナアーム402のキャビティ402c内でキャップ405を介したばね404の圧縮を介してテンショナアーム402を介して閉鎖ループチェーンまたはベルトのスパンを付勢する。入口逆止弁107、108は、ばね304-付勢されたカップ303を含むリテーナ302で形成され得る。
【0011】
テンショナが高荷重なしで摩耗されたチェーンまたはベルトに張力を加えるとき、作動中に、流体は第1入口供給部106および入口逆止弁108を介して第1圧力チャンバ111に供給され、第1ピストンばね104のばね力に付加して第1ピストン103をハウジング102から外側に付勢し、テンショナアーム402を通して閉鎖ループチェーンまたはベルトのスパンを付勢する。同時に、第2ピストン260も第2ピストンばね266を介してさらに外側に付勢される。張力も、テンショナアーム402上のばね付勢されたキャップ405によって維持される。チェーンまたはベルトがさらに磨耗されると、追加の弛みがチェーンまたはベルトスパンに存在するため、第1ピストン103および第2ピストン160は、チェーンまたはベルトを付勢しかつ張力を適切に加えるためにハウジング102からさらに外側に延長する必要がある。テンショナが高い動的チェーン荷重下でチェーンまたはベルトに張力を加える場合、チェーンまたはベルトからの高い周期的動的荷重力は、第1ピストン103および第2ピストン160をハウジング102に向かって内側に、次いでハウジング102から外側に交互に押し出す。第2ピストン160の内側移動は、逆止弁107によって生成された第2圧力チャンバ167内の流体圧力によって抵抗され、第2ピストン160は、ばね266の力によって外側に移動する。これによって、ピストン160が「ポンプアップ」し、逆止弁107を介して流体を第2ボア102c内の第2圧力チャンバ167内に引き込む。これは、第2ピストン160の第1端部160aがばね付勢されたキャップを介してテンショナアーム402上に外向きの力(outward force)を加えて、動的荷重の内向きの力(inward force)に対向するようにする。
【0012】
動的チェーンまたはベルトの荷重が減少すると、第2圧力チャンバ167内の流体が第2軸方向に延びるボア102cを通ってまたは通気孔を通ってエンジンに漏出される。このような漏出は、第2圧力チャンバ167内に存在する平均圧力を減少させる。
【0013】
すべての作動条件において、第2圧力チャンバ267内の圧力は、ばね付勢されたキャップ内に最小予圧を維持するためにポンプアップされることに留意されたい。ばね404の力または予圧が低くなりすぎると、第2ピストン160は、第2ピストンばね166および第2圧力チャンバ167の圧力によってハウジング102から外に移動し、入口逆止弁107を介してより多くのオイルを引き込む。
【0014】
したがって、第1軸方向に延びるボア102a内の第1ピストン103は、チェーンスパンまたはベルトの支配的な減衰を提供し、第2軸方向に延びるボア102c内の第2ピストン160は、外部ばね161を通して支配的かつ自動的に調節されるばね力を提供する。本発明のテンショナは、チェーンまたはベルト制御を犠牲にすることなく、チェーンまたはベルト張力をできるだけ低く維持するように平均張力を自動的に調整し、新しいチェーンまたはベルト条件および動的荷重による条件で駆動効率を顕著に改善する。
【0015】
エンジン始動またはエンジン故障中、第2高圧チャンバ167には圧力が存在せず、第2ピストン160が底を打つか、または第2端部160cがボア102dの底に当たり、大きな騷音を引き起こす。図4は、テンショナアーム402のキャビティとキャップ405との間に受容されたばね404の1つの配列の拡大図を示す。ばね404は、好ましくは、テンショナアーム402の一体型フランジ407を囲む。ばね404は、好ましくは、セットにグループ化され得る複数の皿ばねまたは円錐形ディスクばね(coned disc spring)である。皿ばねは、本質的に円錐台(frusto-conical)形のワッシャー(washer)のような形状をしており、軸に沿って静的または動的にローディングされ得る円錐形のシェル(conical shell)である。皿ばねは、好ましくは、図7cに示したように中央開口部506および縁部505を備えた外周を有する。
【0016】
複数の皿ワッシャーを積層して、ばね定数(またはばねレート)またはたわみ量を変更するのが好ましい。個々のばねまたはばねセットを同じ方向に積層することは、ばね定数を並列に(上下に並べで同じ方向に)追加して、より堅いジョイント(同じたわみを有する)を生成するであろう。個々のばねまたはばねセットを交互の方向(異なる方向)に積層することは、共通のばねを直列に追加することと同じであり、ばね定数が低くなり、たわみが大きくなる。混合およびマッチング方向は、特定のばね定数およびたわみ能力を設計することを可能にする。
【0017】
図4では、キャップ405を付勢する400N/mmのばねレートを有するテンショナアームが示されている。示したように、各々のセット510、511、512、513が2つのばねを含む4セットの皿ばねセットまたは円錐形ディスクばねは、交互の方式(第1方向、第2方向、第1方向、第2方向など...)に積層されており、ここで、2つのばね504a、504bを含む第1皿ばねセット510が第1方向に積層され、2つのばね504c、504dを含む第2皿ばねセット511が第1方向と反対の第2方向に積層され、2つのばね504e、504fを含む第3皿ばねセット512が第1方向に積層され、2つのばね504g、504hを含む第4皿ばねセット513が第2方向に積層される。第1方向のばねセット510、512は、ばねの外周の縁部505が図7aに示したように、中心軸Cに対してばねの中心穴506の下に延びるように配向される。第2方向のばねセット511、513は、ばねの外周の縁部505が図7bに示したように、中心軸Cに対してばねの中央開口部506の上に延びるように配向される。したがって、図4に示したように、第1皿ばねセット510(第1方向)の中央開口部506を囲む領域507は、第2皿ばねセット511(第2方向)の中央開口部506を囲む領域507と接触する。
【0018】
第3皿ばねセット512の外周の縁部505は、第2皿ばねセット511の外周の縁部505と接触し、第3皿ばねセット512の中央開口部506を囲む領域507は、第4皿ばねセット513の中央開口部506を囲む領域507と接触する。この実施形態では、第1皿ばねセット510はキャップ405に隣接し、第4皿ばねセット513はテンショナアーム402の本体に隣接する。
【0019】
図5は、キャップ405を付勢する150N/mmのばねレートを有するテンショナアーム402を示す。この配列では、各々のセット515、516、517がセット内に2つのばねを有する3つのセットの皿または円錐形ディスクばねが交互の方式(第1方向、第2方向、第1方向、第2方向など...)に積層されている。2つのばね520a、520bを含む第1皿ばねセット515は、セット内で第1方向および第2方向に積層され、2つのばね520c、520dを含む第2皿ばねセット516は、セット内で第1方向および第2方向に積層され、2つのばね520e、520fを含む第3皿ばねセット517は、セット内で第1方向および第2方向に積層される。この実施形態では、6つの個別のばねがキャップ405とボア402c内のテンショナアーム402の本体との間に交互の方向に積層される。上述のように、第1方向では、ばねは、ばねの外周の縁部505が図7aに示したように、中心軸Cに対してばねの中心穴506の下に延びるように配向され、第2方向では、ばねは、ばねの外周の縁部505が図7bに示したように、中心軸Cに対してばねの中央開口部506の上に延びるように配向される。
【0020】
図6は、100N/mmのばねレートを有するテンショナアームを示す。この配列では、各々のセット515、516、517、518がセット内で2つのばねを有する4セットの皿または円錐形ディスクばねが交互の方式(第1方向、第2方向、第1方向、第2方向など...)に積層されている。2つのばね520a、520bを含む第1皿ばねセット515はセット内で第1方向および第2方向に積層され、2つのばね520c、520dを含む第2皿ばねセット516はセット内で第1方向および第2方向に積層され、2つのばね520e、520fを含む第3皿ばねセット517はセット内で第1方向および第2方向に積層され、2つのばね520g、520hを含む第4皿ばねセット518はセット内で第1方向および第2方向に積層される。この実施形態では、8つの個別のばねがキャップ405とボア402c内のテンショナアーム402の本体との間に交互の方向に積層される。上述のように、第1方向では、ばねは、ばねの外周の縁部505が図7aに示したように、中心軸Cに対してばねの中心穴506の下に延びるように配向され、第2方向では、ばねは、ばねの外周の縁部505が図7bに示したように、中心軸Cに対してばねの中央開口部506の上に延びるように配向される。
【0021】
アームばねの剛性は、一次ピストンと二次ピストンの間の動的荷重分配に影響するため、ばねは、一次ピストンからの減衰(damping)を最適化するように追加調整され得る。
【0022】
したがって、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本発明の原理の適用を単に例示するものであることを理解されたい。例示された実施形態の詳細を本明細書で言及することは、特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明に必須であるとみなされる特徴をそれら自体列挙するものである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c