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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】研磨装備
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/06 20120101AFI20220405BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220405BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20220405BHJP
   B24B 7/04 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B24B41/06 L
H01L21/304 631
H01L21/304 622H
H01L21/68 P
B24B7/04 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020544721
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2018012857
(87)【国際公開番号】W WO2019088600
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】10-2017-0145967
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520154520
【氏名又は名称】エイエム テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AM TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンジュ
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-040240(JP,A)
【文献】特開平07-088760(JP,A)
【文献】特開平10-138071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 41/06
H01L 21/304
H01L 21/683
B24B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨ホイールの下側に配されて、被加工物の表面を研磨するための研磨装備において、中心軸が前記研磨ホイールの一側と同一線上に配され、前記中心軸を基準に回転するフレームと、
前記フレームの上側に配され、中心部に空間が形成され、上面に被加工物がそれぞれ載置され、前記フレームの中心軸を基準に放射状に配される複数個の載置部と、
前記複数個の載置部の中心部にそれぞれ配され、上面に被加工物が載置され、複数個の流路が形成されて、前記流路を通じて空気が吸い込まれて被加工物を固定させる複数個の真空部と、
前記フレームの回動を制御する制御部と、
を含んでおり、
前記真空部は、
前記載置部の中心部に配されて、上面に被加工物が載置され、前記複数個の流路が形成された真空フレームと、
前記流路と連結されて、前記流路を真空の状態に形成させる真空ポンプと、
前記真空ポンプを制御する真空制御部と、を含む、研磨装備。
【請求項2】
前記複数個の載置部は、
前記フレームの上側に前記フレームの外側周りに沿って互いに同間隔で離隔配される請求項1に記載の研磨装備。
【請求項3】
前記載置部と前記真空部との間に介在され、上端が一側に突出するように形成されて、上面に被加工物が載置されるリップシール部をさらに含む請求項1に記載の研磨装備。
【請求項4】
前記リップシール部は、
前記真空フレームの外側周りに沿って備えられ、上端が一側に突出するようにラウンド状に形成される請求項に記載の研磨装備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨装備に係り、より詳細には、被加工物を安定して固定させて、研磨効率を向上させた研磨装備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体パッケージは、シリコン材で製造された半導体基板上にトランジスタ及びキャパシタのような回路が形成された半導体チップを製造した後、それをリードフレームや印刷回路基板のようなストリップ資材に付着して製造する。敷衍すれば、前記半導体パッケージは、半導体チップとストリップ資材とが互いに通電されるようにワイヤなどで電気的連結し、半導体チップを外部環境から保護するために、エポキシ樹脂でモールディングする過程を経て製造可能である。
【0003】
前記のようなストリップ資材は、厚さを減少させるための機械及び化学研磨加工である研磨工程を経る。敷衍すれば、前記ストリップ資材は、ストリップの上部に配された研削ホイールが回転することにより、ストリップ部材と当接してストラップを所望の厚さに研削させることができる。
【0004】
前記のような従来のストリップを研磨する研磨装備としては、大韓民国登録特許第10-1675271号が開示されている。
【0005】
しかし、前記従来の研磨装備は、一回の工程で1つのストリップ資材を研磨させるように構成されて、複数個のストリップを研磨するために、反復的な研磨工程を行えければならないことにより、製造効率が低下するという短所がある。また、従来の研磨装備は、ストリップが固定されている状態で研磨ホイールのみの回転で研磨工程を行うものであって、回転型フレームに備えられるストリップを固定するには、固定力に限界が発生して適用させるのに難点がある。したがって、従来のストリップ研磨装備を回転型フレームに適用させれば、ストリップが安定して固定されず、研磨工程中にストリップが離脱または移動して、研磨効率が低下するという問題点がある。
【0006】
一方、従来の研磨装備を複数個のストリップが研磨されるように構成させる場合、フレームの中心に配されるストリップは、研磨ホイールの縁部を通じて研磨されることにより、研磨加工の速度の差によって表面が均一に研磨されず、縞を発生させて、不良品の生産を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、回転する複数個の被加工物を安定して固定させ、被加工物に均一な研磨速度を提供して、研磨効率を向上させた研磨装備を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような目的を達成するための本発明による研磨装備は、研磨ホイールの下側に配されて、被加工物の表面を研磨するための研磨装備において、中心軸が前記研磨ホイールの一側と同一線上に配され、前記中心軸を基準に回転するフレーム;前記フレームの上側に配され、中心部に空間が形成され、上面に被加工物がそれぞれ載置され、前記フレームの中心軸を基準に放射状に配される複数個の載置部;前記複数個の載置部の中心部にそれぞれ配され、上面に被加工物が載置され、複数個の流路が形成されて、前記流路を通じて空気が吸い込まれて被加工物を固定させる複数個の真空部;及び前記フレームの回動を制御する制御部;を含みうる。
【0009】
ここで、前記複数個の載置部は、前記フレームの上側に前記フレームの外側周りに沿って互いに同間隔で離隔配されることが望ましい。
【0010】
また、前記真空部は、前記載置部の中心部に配されて、上面に被加工物が載置され、複数個の流路が形成された真空フレームと、前記流路と連結されて、前記流路を真空の状態に形成させる真空ポンプと、前記真空ポンプを制御する真空制御部と、を含みうる。
【0011】
また、本発明の研磨装備は、前記載置部と前記真空部との間に介在され、上端が一側に突出するように形成されて、上面に被加工物が載置されるリップシール(Lip seal)部をさらに含むことが望ましい。
【0012】
ここで、前記リップシール部は、前記真空フレームの外側周りに沿って備えられ、上端が一側に突出するようにラウンド状に形成されうる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による研磨装備によれば、複数個の真空部が複数個の被加工物をそれぞれ固定させることにより、別途の接着工程なしでも、複数個の被加工物を安定して固定及び除去させることができ、フレームから複数個の被加工物をそれぞれ個別的に固定及び分離させて、製造効率が高い。
【0014】
また、複数個の載置部がフレームの中心軸を基準に放射状に配されることにより、被加工物に適用される研磨速度の差を最小化して、速度の差による表面縞の発生を防止し、均一な研磨が可能であって、不良品の生産を低下させることができる。
【0015】
また、載置部と真空部との間にリップシール部が介在されて、真空フレームの真空力を高め、リップシール部の上面と被加工物とが当接する接触面積を広げて、被加工物が載置部に密着されることにより、被加工物が載置部に固定される固定力を向上させて、研磨効率を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による研磨装備を示す斜視図である。
図2図1に図示した研磨装備の載置部、真空部及びリップシール部を示す斜視図である。
図3図2に図示した載置部、真空部及びリップシール部の断面図である。
図4図1に図示した研磨装備のリップシール部を示す斜視図である。
図5図1に図示した研磨装備の複数個の載置部の配置の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明による望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立って、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は、通常的に、または辞書的な意味として限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義できるという原則を踏まえて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されねばならない。
【0018】
したがって、本明細書に記載の実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も望ましい実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をいずれも代弁するものではないので、本出願時点において、これらを代替しうる均等な変形例があることを理解しなければならない。
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳しく説明すれば、次の通りである。
【0020】
図1ないし図5を参照すれば、本発明の実施形態による研磨装備10は、被加工物(S)の表面を研磨するためのものであって、研磨ホイール(G)の下側に配されて、研磨ホイール(G)によって被加工物(S)の表面を研磨する。すなわち、前記研磨ホイール(G)は、回転するように備えられ、前記研磨ホイール(G)が回転し、被加工物(S)の一側面と当接して被加工物(S)の表面を研磨させることができる。前記被加工物(S)は、ストリップ(Strip)であることが望ましいが、これに限定するものではなく、表面研磨が必要な他の対象物を適用させることもできる。前記研磨装備10は、フレーム100、複数個の載置部200、複数個の真空部300、制御部400及びリップシール部500を含む。
【0021】
前記フレーム100は、研磨される被加工物(S)を回転させるためのものであって、駆動モータと連結されて回転するように備えられる。したがって、前記フレーム100は、前記研磨ホイール(G)の下側に配されることが望ましく、前記フレーム100の上側に被加工物(S)が配置される。敷衍すれば、前記フレーム100は、前記フレーム100の中心軸と前記研磨ホイール(G)の外周面の一側とが同一線上に配されるように備えられることが望ましい。
【0022】
前記複数個の載置部200は、被加工物(S)が載置されるものであって、前記フレーム100の上側に配され、中心部に空間が形成される。すなわち、前記複数個の載置部200は、それぞれ被加工物(S)の形状に対応するように形成されて上面に被加工物(S)が載置される。前記複数個の載置部200が備えられることによって、複数個の被加工物(S)を同時に研磨可能であって、製造効率を向上させうる。
【0023】
一方、前記複数個の載置部200は、前記フレーム100の中心軸を基準に放射状に配されることが望ましい。すなわち、前記複数個の載置部200は、前記フレーム100の中心部には配されないことが望ましく、前記フレーム100の上側に前記フレーム100の外側周りに沿って互いに同間隔で離隔配されることが望ましい。前記被加工物(S)が前記フレーム100の中心部に配されないことにより、前記研磨ホイール(G)が被加工物(S)を研磨する時に、研磨速度の差によって被加工物(S)上に縞の生成を未然に防止し、複数個の被加工物(S)に適用される研磨速度の差を最小化して均一な研磨が可能であって、研磨効率を向上させうる。図1には、前記複数個の載置部200が前記フレーム100の中心を基準に放射状に3個が備えられるように図示したが、これに限定するものではなく、図5に示したように、前記フレーム100の中心部を除き、4個が配されることもあり、前記複数個の載置部200の個数は、被加工物(S)のサイズと形状とによって適切に変更して適用させることができる。
【0024】
前記複数個の真空部300は、被加工物(S)を吸着して、前記載置部200の上面に被加工物(S)を固定させるためのものであって、前記複数個の載置部200の個数に対応する個数で備えられ、前記複数個の載置部200の中心部にそれぞれ配される。前記複数個の真空部300は、それぞれ真空フレーム310、真空ポンプ320、及び真空制御部330を含みうる。
【0025】
前記真空フレーム310は、前記載置部200の中心部に配されて、前記真空フレーム310の上面に被加工物(S)が載置される。すなわち、前記真空フレーム310は、前記載置部200の中心部に対応する形状に形成される。敷衍すれば、前記真空フレーム310は、前記複数個の載置部200にそれぞれ配されるように複数個が備えられることが望ましく、前記複数個の真空フレーム310の上面に複数個の被加工物(S)がそれぞれ載置される。前記真空フレーム310は、複数個の流路301が形成され、複数個の流路301を通じて空気が吸い込まれる。したがって、前記複数個の流路301を通じて吸い込まれる吸入力を通じて被加工物(S)が前記真空フレーム310の上面に安定して固定される。
【0026】
前記真空ポンプ320は、ポンプを用いて前記流路301を真空の状態に形成させる。すなわち、前記真空ポンプ320は、前記流路301と連結されて、前記流路301内の気体を吸入、圧縮して、前記流路301を既定の適切な圧力で保持させることができ、前記流路301を真空の状態に形成させることにより、被加工物(S)を前記載置部200の上面に固定させることができる。敷衍すれば、前記真空ポンプ320は、前記真空フレーム310の個数に対応して複数個が備えら、前記真空ポンプ320が前記複数個の真空フレーム310にそれぞれ連結されて、各真空フレーム310の流路301を真空の状態に形成させることが望ましい。
【0027】
前記真空制御部330は、前記真空ポンプ320を制御するためのものであって、前記真空ポンプ320と連結されて、前記真空ポンプ320の駆動を制御することができる。すなわち、前記真空制御部330は、前記流路301の圧力に対応して、前記真空ポンプ320の駆動を制御することにより、前記流路301を被加工物(S)が固定される適切な圧力値が保持されるように調整することができる。敷衍すれば、前記真空制御部330は、前記複数個の真空フレーム310の個数に対応して複数個が備えられ、前記複数個の真空フレーム310にそれぞれ連結された前記真空ポンプ320を制御することにより、複数個の載置部200に固定された被加工物(S)を個別的に固定及び除去させることができる。すなわち、前記真空制御部330が複数個の載置部200に固定された被加工物(S)の固定力をそれぞれ調整することにより、複数個の被加工物(S)に対する個別的な除去が容易であり、複数個の被加工物(S)を別途の接合工程なしに前記載置部200に容易に固定し、除去することができて、製造効率が向上する。
【0028】
前記制御部400は、前記フレーム100の回動を制御する。すなわち、前記制御部400によって、前記フレーム100が回転することにより、複数個の被加工物(S)を同時に回転させることができる。前記制御部400は、被加工物(S)のサイズ及び形状、研磨強度などによって、回転速度及び時間などを制御し、前記制御部400は、駆動モータ及び減速機などを含むことにより、前記フレーム100の回動を制御するように構成することができる。前記フレーム100を回転させるための制御部400の構成は、従来の技術であって、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0029】
前記リップシール部500は、前記載置部200と前記真空部300との間に介在されて被加工物(S)の固定力を向上させる。前記リップシール部500は、一側が載置部200の内周面と当接するように配され、他側が前記真空フレーム310の外側面と当接するように配される。また、前記リップシール部500は、上端が一側に突出するように形成されて、上面に被加工物(S)が載置される。敷衍すれば、前記リップシール部500は、上端が一側に突出するように側面からラウンド(R)状に形成されうる。すなわち、前記リップシール部500は、上端が突出するようにラウンド(R)状に形成されて、リップシール部500の上面と被加工物(S)との接触面積を広げて、被加工物(S)と密着されることにより、被加工物(S)の固定力を向上させうる。また、前記リップシール部500が前記真空フレーム310の外側面と当接するように配されることにより、前記真空部300を通じて前記流路301を真空の状態に形成させる時に、空気の外側への漏れを防止することができる。すなわち、前記リップシール部500は、前記真空フレーム310を密閉して真空力を高め、被加工物(S)が前記載置部200に密着されるように構成されて、精密な研磨作業に容易であり、研磨効率を向上させうる。
【0030】
本発明による研磨装備10によれば、複数個の真空部300が複数個の被加工物(S)をそれぞれ固定させることにより、別途の接着工程なしでも、複数個の被加工物(S)を安定して固定及び除去させることができ、フレーム100から複数個の被加工物(S)をそれぞれ個別的に固定及び分離させて、製造効率が高い。
【0031】
また、複数個の載置部200がフレーム100の中心軸を基準に放射状に配されることにより、被加工物(S)に適用される研磨速度の差を最小化して、速度の差による表面縞の発生を防止し、均一な研磨が可能であって、不良品の生産を低下させることができる。
【0032】
また、載置部200と真空部300との間にリップシール部500が介在されて、真空フレーム310の真空力を高め、リップシール部500の上面と被加工物(S)が当接する接触面積を広げて、被加工物(S)が載置部200に密着されることにより、被加工物(S)が載置部200に固定される固定力を向上させて、研磨効率を向上させうる。
【0033】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0034】
10:研磨装備
100:フレーム
200:載置部
300:真空部
301:流路
310:真空フレーム
320:真空ポンプ
330:真空制御部
400:制御部
500:リップシール部
G:研磨ホイール
S:被加工物
R:ラウンド
図1
図2
図3
図4
図5