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特許7053884スタンピングフォイルを駆動する装置、スタンピングステーション及びスタンピング機、及びスタンピングフォイルの駆動を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】スタンピングフォイルを駆動する装置、スタンピングステーション及びスタンピング機、及びスタンピングフォイルの駆動を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 16/00 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
B41F16/00 B
B41F16/00 J
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020557153
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2018083835
(87)【国際公開番号】W WO2019200596
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ジャケ ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】ド ガイヤンド クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ハオミン
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-180874(JP,A)
【文献】特開2009-112217(JP,A)
【文献】特開2008-199961(JP,A)
【文献】特開平08-169520(JP,A)
【文献】特開2007-276472(JP,A)
【文献】特開2010-228454(JP,A)
【文献】特開2017-119581(JP,A)
【文献】特表2013-544197(JP,A)
【文献】米国特許第06378750(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンピング機を通る経路上でスタンピングフォイルを駆動するための駆動装置(410;410’)であって、前記駆動装置(410;410’)は、
2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)と、
両端が前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)のそれぞれに連結し、前記スタンピングフォイルを前記スタンピング機の中に導入するために前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)によって駆動される駆動バー(430)と、
記スタンピング機(1)のプラテン印刷機(310)を通って前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)を駆動するために前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)に連結した駆動部材(440)と、
を備え、
第1の方向に前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)を駆動するために前記駆動部材(440)によって加えられた荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第1の検出器(7a)を含む、少なくとも1つの第1の荷重測定装置(3a;3a’)をさらに備え、前記少なくとも1つの第1の荷重測定装置(3a;3a’)は、前記駆動部材(440)によって加えられた荷重を示し、前記第1の検出器(7a)によって測定されたパラメータが閾値を超える場合に、前記駆動部材(440)による駆動を停止するよう構成された前記スタンピング機(1)の制御ユニット(4)に接続されている、
駆動装置(410;410’)。
【請求項2】
前記第1の方向とは逆の第2の方向に前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)を駆動するために前記駆動部材(440)によって加えられた荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第2の検出器(7b)を含む、第2の荷重測定装置(3b;3b’)を備え、前記第2の荷重測定装置(3b;3b’)は、前記駆動部材(440)によって加えられた荷重を示し、前記第2の検出器(7b)によって測定されたパラメータが閾値を超える場合に、前記駆動部材(440)による駆動を停止するよう構成された前記制御ユニット(4)に接続されている、請求項1に記載の駆動装置(410;410’)。
【請求項3】
前記第1の荷重測定装置(3a)は、
第1の可動中間伝達要素(453a)と、
前記駆動部材(440)の一側面に位置し、前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が前記第1の方向の駆動される場合にピンと張って引っ張られる前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)に対して前記第1の可動中間伝達要素(453a)を付勢する第1の弾性部材(5a)と、
前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が駆動される場合に前記第1の弾性部材(5a)に対して逆スラストを加えるよう構成された第1のアクチュエータ(6a)と、
を備え、
前記第1の検出器(7a)は、前記第1のアクチュエータ(6a)によって加えられた前記逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている、請求項1又は2に記載の駆動装置(410;410’)。
【請求項4】
前記第2の荷重測定装置(3b)は、
第2の可動中間伝達要素(453b)と、
前記駆動部材(440)の一側面に位置し、前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が前記第2の方向に駆動される場合にピンと張って引っ張られる前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)に対して前記第2の可動中間伝達要素(453b)を付勢する第2の弾性部材(5b)と、
前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が駆動される場合に前記第2の弾性部材(5b)に対して逆スラストを加えるよう構成された第2のアクチュエータ(6b)と、
を備え、
前記第2の検出器(7b)は、前記第2のアクチュエータ(6b)によって加えられた前記逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている、請求項2に記載の駆動装置(410;410’)。
【請求項5】
前記第1及び/又は第2の荷重測定装置(3a、3b)は、少なくとも90°の角度を通して前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)をガイドするための少なくとも1つの追加の中間伝達要素(454)をさらに備える、請求項に記載の駆動装置(410;410’)。
【請求項6】
前記第1及び/又は第2の中間伝達要素(453a、453b)は、前記スタンピングフォイルが辿る経路上で前記追加の中間伝達要素(454)と前記駆動部材(440)との間に配置される、請求項に記載の駆動装置(410)。
【請求項7】
前記駆動部材(440)は、前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)を駆動方向(D)で移動させることができるように取り付けられ、前記第1の検出器(7a)は、前記駆動部材(440)によって加えられた荷重を示す前記駆動部材(440)の移動が閾値を超える場合を測定するよう構成されている、請求項1又は2に記載の駆動装置(410’)。
【請求項8】
前記第1の荷重測定装置(3a’)は、前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が前記第1の方向に駆動された場合に前記駆動部材(440)に対して逆スラストを加えるよう構成された第1の逆スラスト部材(16a)を備え、前記第1の検出器(7a)は、前記第1の逆スラスト部材(16a)によって加えられた前記逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動装置(410’)。
【請求項9】
前記第2の荷重測定装置(3b’)は、前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が第2の方向に駆動される場合に前記駆動部材(440)に対して逆スラストを加えるよう構成された第2の逆スラスト部材(16b)を備え、前記第2の検出器(7b)は、前記第2の逆スラスト部材(16b)によって加えられた前記逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている、請求項2に記載の駆動装置(410’)。
【請求項10】
前記第1及び/又は第2の荷重測定装置(3a’、3b’)は、その上に前記駆動部材(440)が摺動可能に取り付けられるリニアガイド(9)を備える、請求項に記載の駆動装置(410’)。
【請求項11】
前記駆動部材(440)は、それぞれの自在継ぎ手(18)によって前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)に連結された駆動軸を備える、請求項7から10のいずれか一項に記載の駆動装置(410’)。
【請求項12】
前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)の各々を前記プラテン印刷機(310)を通る水平な一直線でガイドするために、垂直方向に移動可能で水平方向に整列した2つの対の下方中間伝達要素(452)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置(410;410’)。
【請求項13】
シート形状のスタンピング要素のためのスタンピング機(1)のためのスタンピングフォイル供給及び回収ステーション(400)であって、前記ステーション(400)は、請求項1から12のいずれか一項に記載のスタンピングフォイル駆動装置(410;410’)を備える、スタンピングフォイル供給及び回収ステーション(400)。
【請求項14】
シート形状のスタンピング要素のためのスタンピング機(1)であって、請求項13に記載のスタンピングフォイル供給及び回収ステーション(400)を含む複数のワークステーション(100、200、300、400、500)を備える、スタンピング機(1)。
【請求項15】
請求項4に記載の駆動装置(410)によってシート形状のスタンピング要素のためのスタンピング機(1)の駆動を制御する方法であって、
-前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が第1の方向に駆動される場合、第1のアクチュエータ(6a)は、駆動部材(440)の駆動によってピンと張って引っ張られる前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)のストランドから圧縮荷重を受けた第1の弾性部材(5a)に対して逆スラストを加え、第2のアクチュエータ(6b)は不作動であり、
-前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)が反対方向の第2の方向に駆動される場合、第2のアクチュエータ(6b)は、駆動部材(440)の駆動によってピンと張って引っ張られる前記2つのフォイル導入鎖状要素(420a、420b)のストランドから圧縮荷重を受けた第2の弾性部材(5b)に対して逆スラストを加え、第1のアクチュエータ(6a)は不作動である、
制御する方法。
【請求項16】
前記作動されたアクチュエータ(6a、6b)は、中間伝達要素(453a、453b)を所定位置に維持する方法で前記弾性部材(5a、5b)に対して逆スラストを加える、請求項15に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンピングによって、特にパッケージング製造用の一連の平坦なシート形状の要素に印刷することができるスタンピング機でスタンピングフォイルを駆動する装置に関する。また、本発明は、駆動装置を備えるスタンピングステーション及びスタンピング機に関する。また、本発明は、スタンピングフォイルの駆動を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スタンピングによって、すなわち圧力を利用して1又は2以上のスタンピングフォイルから着色又は金属化フィルムをシート形状担体に適用することによって、テキスト及び/又はパターンを印刷することが知られている。産業界において、このような転写操作は、通常、プラテン印刷機を用いて行われ、ここでは、印刷担体はシート毎に導入され、一方で各スタンピングフォイルは、連続的に又は段階的に移送される。
【0003】
標準のプラテン印刷機において、スタンピングは、水平方向に位置する静止プラテンと往復垂直運動できるように取り付けられたプラテンとの間で行われる。この種の印刷機は一般に自動化されているので、各シートを各プラテンの間で順番に移送させるために移送手段が設けられている。実際には、これは、通常、一連のバーであり、各バーは、印刷機の2つのプラテンが十分に離間したときにこのプラテンの間にシートが引き寄せる前に、シートの前縁に沿ってこのシートを順番につかむ。
【0004】
シート供給と同様に、印刷機のスタンピングフォイル供給は、伝統的に自動化されており、この場合、駆動システムによって行われ、駆動システムは、フォイルを巻き解いて、特にプラテン印刷機を通過する明確に決められた経路に沿って移送させることができる。
【0005】
この種のフォイル駆動システムは、スタンピングフォイルを機械の中に導入するための駆動バーを備え、このバー自体は、2つのループ状に閉じられたフォイル挿入用の鎖状要素によって駆動される。駆動バーは、印刷機を通過する経路に沿ってフォイルを引き寄せて巻き解き、次に、フォイルは、印刷機に属する駆動ローラによって駆動される。
【0006】
駆動システムがプラテン印刷機を通ってスタンピングフォイルを引き寄せて導くことを必要とする場合及び離されたプラテンの間の空間が非常に小さい場合、駆動バー及びこれを駆動する鎖状要素は、厚さが非常に薄いことを必要とし、従って、比較的脆弱である。例えば、フォイルの不十分な巻き解きなどに起因するフォイル閉塞によって駆動システムが故障した場合、駆動バー又はバー取付具は容易に壊れる。その後、印刷機は、バーの交換を可能にするために停止させる必要があり、その後、オペレータはある程度手動でスタンピングフォイルを再導入する必要があり、これは長期にわたる費用のかかる作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの目的は、破損するリスクが低いスタンピングフォイル駆動装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明の1つの主題は、スタンピング機を通る経路上でスタンピングフォイルを駆動するための駆動装置であり、駆動装置は、2つのフォイル導入鎖状要素と、特にスタンピング機のプラテン印刷機を通ってフォイル導入鎖状要素を駆動するためにフォイル導入鎖状要素に連結された駆動部材とを備え、第1の方向にフォイル導入鎖状要素を駆動するために駆動部材によって加えられた荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第1の検出器を含む、少なくとも1つの第1の荷重測定装置をさらに備え、少なくとも1つの第1の荷重測定装置は、駆動部材によって加えられた荷重を示し、第1の検出器によって測定されたパラメータが閾値を超える場合に、駆動部材による駆動を停止するよう構成されたスタンピング機の制御ユニットに接続されている。
【0009】
従って、駆動バー又はその取付具が破損するリスクがある前に駆動を停止することができる。
【0010】
フォイル導入鎖状要素の駆動の2つの方向での可能性のある故障を検出するために、駆動装置は、第1の方向とは逆の第2の方向にフォイル導入鎖状要素を駆動するために駆動部材によって加えられた荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第2の検出器を含む、第2の荷重測定装置を備えることができ、第2の荷重測定装置は、駆動部材によって加えられた荷重を示し、第2の検出器によって測定されたパラメータが閾値を超える場合に、駆動部材による駆動を停止するよう構成された制御ユニットに接続されている。
【0011】
駆動装置は、フォイル導入鎖状要素の各々をプラテン印刷機を通る水平な一直線でガイドするために、垂直方向に移動可能で水平方向に整列した2つの対の下方中間伝達要素を備えることができる。従って、スタンピングフォイルが導入された後にフォイル導入鎖状要素を引っ込めることができる。
【0012】
駆動装置の第1の実施形態によれば、第1の荷重測定装置は、
第1の可動中間伝達要素と、
駆動部材の一側面に位置し、フォイル導入鎖状要素が第1の方向の駆動される場合にピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素に対して第1の中間伝達要素を付勢する第1の弾性部材と、
フォイル導入鎖状要素が駆動される場合に第1の弾性部材に対して逆スラストを加えるよう構成された第1のアクチュエータと、
を備え、
第1の検出器は、第1のアクチュエータによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている。
【0013】
適用できる場合、第2の荷重測定装置は、例えば、
第2の可動中間伝達要素と、
駆動部材の一側面に位置し、フォイル導入鎖状要素が第2の方向に駆動される場合にピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素に対して第2の中間伝達要素を付勢する第2の弾性部材と、
フォイル導入鎖状要素が駆動される場合に第2の弾性部材に対して逆スラストを加えるよう構成された第2のアクチュエータと、
を備え、
第2の検出器は、第2のアクチュエータによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている。
【0014】
第1及び/又は第2の荷重測定装置は、少なくとも90°の角度を通してフォイル導入鎖状要素をガイドするための少なくとも1つの追加の中間伝達要素をさらに備える。
【0015】
第1及び/又は第2の中間伝達要素は、スタンピングフォイルが辿る経路上で追加の中間伝達要素と駆動部材との間に配置される。
【0016】
駆動装置の第2の実施形態によれば、駆動部材は、フォイル導入鎖状要素を駆動方向で移動させることができるように取り付けられ、第1の検出器は、駆動部材によって加えられた荷重を示す駆動部材の移動が閾値を超える場合を測定するよう構成されている。
【0017】
第1の荷重測定装置は、例えば、フォイル導入鎖状要素が第1の方向に駆動された場合に駆動部材に対して逆スラストを加えるよう構成された、アクチュエータなどの第1の逆スラスト部材を備え、第1の検出器は、第1の逆スラスト部材によって加えられた逆スラストが荷重閾値を超える場合を検出するよう構成されている。
【0018】
適用できる場合、第2の荷重測定装置は、例えば、フォイル導入鎖状要素が第2の方向に駆動される場合に駆動部材に対して逆スラストを加えるよう構成された、アクチュエータなどの第2の逆スラスト部材を備え、第2の検出器は、第2の逆スラスト部材によって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている。
【0019】
第1及び/又は第2の荷重測定装置は、その上に駆動部材が摺動可能に取り付けられるリニアガイドを備える。
【0020】
駆動部材は、例えば、それぞれの自在継ぎ手によって前記フォイル導入鎖状要素に連結された駆動軸を備え、スタンピング機の各側面(駆動側及びその反対側)での独立した動作を保証することができる。
【0021】
本発明の別の主題は、シート形状のスタンピング要素のためのスタンピング機のためのスタンピングフォイル供給及び回収ステーションであり、ステーションは、上記のスタンピングフォイル駆動装置を備える。
【0022】
本発明の別の主題は、シート形状のスタンピング要素のためのスタンピング機であり、上記のスタンピングフォイル供給及び回収ステーションを含む複数のワークステーションを備える。
【0023】
本発明の別の主題は、スタンピングフォイルの駆動を制御する方法であり、上記の駆動装置を用いて実行される。
【0024】
スタンピングフォイルの駆動を制御する方法の第1の実施形態によれば、
フォイル導入鎖状要素が第1の方向に駆動される場合、第1のアクチュエータは、駆動部材の駆動によってピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素のストランドから圧縮荷重を受けた第1の弾性部材に対して逆スラストを加え、第2のアクチュエータは不作動であり、
フォイル導入鎖状要素が反対方向の第2の方向に駆動される場合、第2のアクチュエータは、駆動部材の駆動によってピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素のストランドから圧縮荷重を受けた第2の弾性部材に対して逆スラストを加え、第1のアクチュエータは不作動である。
【0025】
作動されたアクチュエータは、中間伝達要素を所定位置に維持するような方法で弾性部材に対して逆スラストを加える。
【0026】
スタンピングフォイルの駆動を制御する方法の第2の実施形態によれば、逆スラスト部材は、駆動部材の各側面上に駆動方向に対する逆スラストを加える。
【0027】
逆スラスト部材は、駆動部材を所定位置に維持するような方法で駆動部材に対して逆スラストを加える。
【0028】
他の利点及び特徴は、本発明の説明を読むことで、及び1つの限定されない例示的な実施形態を示す添付図面から明らかになるはずである
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1の例示的な実施形態によるスタンピング機の1つの実施例を概略的に示す。
図2図1のスタンピング機のスタンピングフォイル供給及び回収ステーションの駆動装置の斜視図であり、駆動バーはスタンピングフォイルの導入点に位置している。
図3図2の駆動装置の要素の駆動側の図である。
図4図3の駆動装置の詳細の断面図である
図5a図3の駆動装置の待機位置での第1及び第2の荷重測定装置を示す。
図5b】フォイル導入鎖状要素が第1の方向に駆動される場合の通常運転時の図5aの荷重測定装置を示す。
図5c】駆動部材によって加えられた荷重が閾値を超えた場合の図5bの荷重測定装置を示す。
図6】第2の例示的な実施形態によるスタンピングフォイル供給及び回収ステーションの駆動装置の駆動側の図であり、駆動バーは、スタンピングフォイルの導入点に位置する。
図7】スタンピング機の内部から見た図6の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
各図面において、同じ要素は、同じ参照番号を有している。以下の実施構成は実施例である。本明細書は1又は2以上の実施形態に言及するが、これは各言及が同じ実施形態に関連すること又は特徴部が唯一の実施形態に適用されることを必ずしも意味するものではない。様々な実施形態の単純な特徴部は、組み合わせて又は置き換えて他の実施形態を提供することができる。
【0031】
表現「シート形状要素」は、段ボール、フラットボード、紙、又はパッケージング業界で一般使用されている他の材料で作られている要素に同じように適用できる。本明細書を通じて、用語「シート」又は「シート要素」又は「シート形状要素」は、極めて一般的に、例えば、板、紙、プラスチックシートなどのシートの形態の何らかの印刷担体を意味することを理解されたい。
【0032】
図1は、特にパッケージング製造用の一連の平坦なシート形状要素にスタンピングによって印刷することができシート形状要素スタンピング機1の例示的な実施形態を示す。
【0033】
このスタンピング機1は、従来通りに複数のワークステーション100、200、300、400、500で構成されており、これらは並置されているが、互いに独立して一連のシート形状要素を処理することができるユニット組立体を形成する。従って、フィーダー100、フィーダーテーブル200、スタンピングステーション300、タンピングフォイル供給及び回収ステーション400、及び送出ステーション500が存在する。また、移送装置600は、各シートを個別にフィーダーテーブル200の出口からスタンピングステーション300を介して送出ステーション500へ移動させるために設けられている。
【0034】
単に例示的に選択されたこの特定の実施形態において、フィーダー100は、各々に複数の板シートが積み重ねられた一連のパレットを用いて満たされる。板シートは、これを直接隣接したフィーダーテーブル200に搬送する吸引式把持部材によって、連続的にパイルの最上部から取り出される。
【0035】
フィーダーテーブル200において、シートは、吸引式把持部材によって層状に並置される、すなわち、シートは、順次、部分的に重なり合うように並置される。次に、完全な層は、スタンピングステーション300に向かってベルト式搬送機構によってプレート210に沿って動かされる。積み重ねの終わりに、先頭シートは、前部及び側部位置ガイドを用いて又は見当システムを用いて体系的に正確に位置決めすることができる。
【0036】
従って、フィーダーテーブル200の直後に位置しているワークステーションはスタンピングステーション300である。スタンピングステーション300の目的は、ホットスタンピングによって各シートにスタンピングフォイルによってもたらされる金属化フォイルを適用することである。そのために、これはプラテン印刷機310を使用し、その中では、静止、加熱、上方プラテン320と往復垂直運動で動くことができる下方プラテン330との間でスタンピング操作が従来方法で行われる。
【0037】
フォイル供給及び回収ステーション400は、スタンピング機にスタンピングフォイルを供給する役割、及びこのスタンピングフォイルがスタンピングステーション300の下流で使用されるとこれを回収する役割をもつ。
【0038】
印刷スタンピング機1でのシート処理プロセスは送出ステーション500で完了し、送出ステーション500の主たる目的は、先に処理したシートを再度積み重ねてパイルにすることである。そのために、移送装置600は、例えば、各シートが新しいパイルと一致する状態になると各シートを自動的に放出するよう配置することができる。次に、シートは、パイルの最上部に直接落下する。
【0039】
これはまさに従来の方法であり、移送装置600は、スタンピング機1の両側で横方向に配置された2つの鎖セット620によって移動できるように取り付けられた把持バーを使用する。各鎖セット620は、ループ状に進み、これにより把持バーは、連続してスタンピングステーション300、スタンピングフォイル供給及び回収ステーション400、及び送出ステーション500を通過する経路を辿ることができる。
【0040】
生産に先だって、スタンピングフォイルは、フォイル供給及び回収ステーション400に属し、決められた経路に沿ってスタンピングフォイルを移送することができる駆動装置410によって印刷機310のプラテン320、330の間に導入される。
【0041】
図2から良く分かるように、駆動装置410は、2つのフォイル導入鎖状要素420a、420bと、鎖状要素420a、420bに連結してこれを駆動するための駆動部材440とを備える。スタンピング機1内で横方向に配置された2つのフォイル導入鎖状要素420a、420bが存在し、一方ではオペレータ側に位置した「駆動側」にあり、他方ではスタンピング機1の他の側に位置した「反対側」にある。
【0042】
例えば、フォイル導入鎖状要素420a、420bは、それ自体がループ状に閉じた鎖(又は高温耐熱ベルト)である。例えば、駆動部材440は、例えば、ガイド又はスプロケットホイール又はプーリーによってフォイル導入鎖状要素420a、420bに連結した横方向駆動軸を備える。駆動部材440は、例えば、ステーション400のモータ460によって駆動される。
【0043】
駆動方向Dに対して横方向に配置された駆動バー430は、その端部が、フォイル導入鎖状要素420a、420bに連結されており、例えば、フォイルを駆動バー430の周りに180°にわたって巻き付けることでスタンピングフォイルを駆動するようになっている。
【0044】
1つの例示的な実施形態によれば、各フォイル導入鎖状要素420a、420bはループ内を移動し、これはスタンピングフォイルが、プラテン印刷機310を通る上方導入点I(又は中間点U)と下方回収点E(図1)との間を通る経路上で(例えば、プラテン印刷機310の上方プラテン320の循環を作る)巻き解かれることを可能にする。
【0045】
駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420を第1の方向及び反対側の第2の方向で駆動することができ、本明細書では順方向及び逆方向は、スタンピングフォイルが、プラテン印刷機310を通って、例えば、導入点I(又は中間点U)から回収点Eへ延びるその経路に沿って辿る順方向を参照して規定される。
【0046】
従って、初期導入段階において、オペレータは、スタンピングフォイルを手動で駆動バー430の周りに巻き付ける。次に、バー430を、印刷機310の各プラテンの間のスタンピングステーション300を通る経路上で第1の方向(又は、順方向)に移動させる。次に、バー430は、その後ろ側に沿ってスタンピングフォイルの2つのストランドを引っ張り、スタンピング機1内で一方のストランドはピンと張って引っ張られ、他方は巻き解かれる。次に、印刷機からの出口で、オペレータは、バー430から巻き解かれた自由端を取り外して、それを手動でステーション400(図1)の駆動ロール480に導入する。例えば、1又は複数の駆動ロール480が存在し、例えば、各々は、スタンピングフォイルを特定のステップ長さだけ前進させる。
【0047】
スタンピングフォイルが巻き解かれると、駆動バー430は、回収点Eから導入店I(又は中間点U)に向かう経路に沿って逆方向に駆動することができる。例えば、駆動バー430は、フォイルの導入終了の前に導入点Iに戻され、又はバーは、回収点Eに残り、オペレータがスタンピング機1に新しいスタンピングフォイルを導入して送り込むことを意図する場合に導入点Iに戻ることができる。
【0048】
この手動介入の後で、駆動ロール480は、スタンピングフォイルが搬送装置600の把持バーによってプラテン印刷機310の中のどこかに導入される(必ずしも同じペースではない)シート形状要素と一致するように、少なくとも1つのスタンピングフォイルの前進を制御する。
【0049】
駆動装置410は、例えば、経路の途中でフォイル導入鎖状要素420a、420bを、従ってスタンピングフォイルの移動をガイドするために組み込まれているホイール451、452又はスキッドなどの一連の中間伝達要素451、452をさらに備える(図3)。駆動装置410は、例えば、ホイールのような2つの対の下方中間伝達要素452を備え、これは、垂直に移動することができ(距離M1にわたって)、さらに水平方向に位置合わせされ、各フォイル導入鎖状要素420a、420bをプラテン印刷機310を通る水平な一直線でガイドするようになっている。各可動中間伝達要素452は、例えば、ラム(ram)などの自身の制御可能なアクチュエータ470によって移動することができる。従って、駆動バー430は、スタンピングフォイルを導入するために印刷機310のプラテン320、330の間を通過し、次に、例えば中間伝達要素452を上昇させることで、生産前にフォイル導入鎖状要素420a、420bを引っ込めることが可能である。
【0050】
駆動装置410は、第1の方向でフォイル導入鎖状要素420a、420bを駆動するために駆動部材440が加える荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第1の検出器7aを含む少なくとも1つの第1の荷重測定装置3aをさらに備える。少なくとも1つの第1の荷重測定装置3aは、スタンピング機1の制御ユニット4(図1)に接続されており、これは駆動部材440によって加えられた荷重を示し、第1の検出器7aで測定されたパラメータが閾値を超えると駆動部材440による駆動を停止するよう構成されており、例えば、荷重は100N又は150Nよりも大きい。
例えば、制御ユニット4はスタンピング機1のコンピュータである。
【0051】
鎖状要素420a、420b毎に唯一の荷重測定装置3a又は3bを設けることができる。しかしながら、駆動部材440がフォイル導入鎖状要素420a、420bを両方向に駆動できる場合、駆動装置410は、第2の方向(例えば、逆方向)で加えられる荷重を測定するために第2の荷重測定装置3bを備えることができる。
【0052】
従って、第2の荷重測定装置3bは、第2の方向でフォイル導入鎖状要素420a、420bを駆動するために駆動部材440が加える荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第2の検出器7bを備え、第2の荷重測定装置3bは制御ユニット4に接続され、これは駆動部材440によって加えられた荷重を示し、第2の検出器7bで測定されたパラメータが閾値を超えると駆動部材440による駆動を停止するよう構成されている。
【0053】
例えば、駆動装置410は、2つの対の荷重測定装置3a、3bを備えることが可能であり、1つの対の荷重測定装置3a、3bは、それぞれのフォイル導入鎖状要素420a、420b上に配置されており、フォイル導入鎖状要素420a、420bのそれぞれの過負荷を検出するようになっている。
【0054】
第1の例示的な実施形態において、第1の測定装置3aは、第1の可動中間伝達要素453a、第1の弾性部材5a、及び第1のアクチュエータ6aをさらに備える(図3)。
【0055】
第1の弾性部材5aの第1の端部は、駆動部材440の一側面に位置し、フォイル導入鎖状要素420a、420bがスタンピングフォイルの経路に沿って第1の方向に駆動される場合にピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素420a、420bの1つのストランドに対して第1の中間伝達要素453aを付勢する。
【0056】
第1のアクチュエータ6aは、フォイル導入鎖状要素420a、420bが駆動される場合に、例えば、第1の可動中間伝達要素453aを所定位置に維持するように第1の弾性部材5aの第2の端部に逆スラストを加えるよう構成されている。
【0057】
第1の検出器7aは、第1のアクチュエータ6aによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている。
【0058】
同様に、第2の測定装置3bは、例えば、第2の可動中間伝達要素453b、第2の弾性部材5b、第2のアクチュエータ6b、及び第2の検出器7bを備える。
【0059】
第2の弾性部材5bの第1の端部は、駆動部材440の一側面に位置し、フォイル導入鎖状要素420a、420bが第2の方向に駆動される場合にピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素420a、420bの1つのストランドに対して第2の中間伝達要素453bを付勢する。従って、駆動部材440の各側面には1つの弾性部材/中間伝達要素組立体が存在する。
【0060】
第2のアクチュエータ6bは、フォイル導入鎖状要素420a、420bが駆動される場合に、例えば、第2の可動中間伝達要素453bを所定位置に維持するように第2の弾性部材5bの第2の端部に逆スラストを加えるよう構成されている。
【0061】
第2の検出器7bは、第2のアクチュエータ6bによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている。
【0062】
可動中間伝達要素453a、453bは、例えば、ガイド、プーリー、スプロケットホイール、又はスキッドである。
アクチュエータ6a、6bは、例えば、空圧ラムなどのラムである。
【0063】
検出器7a、7bは、例えば、近接センサ、すなわち磁気センサなどの非接触センサである。これらは、それぞれのアクチュエータ6a、6bに組み込むことができる。検出器7a、7bは、例えば、駆動部材440によって加えられた荷重を示す測定パラメータが閾値を超えた場合に電気信号を制御ユニット4へ送り返すことができる。
【0064】
弾性部材5a、5bは、例えば、圧縮バネを備える。
【0065】
図4に示される1つの例示的な実施形態において、弾性部材5a、5bは、2つの軸受13の間に摺動可能に取り付けられたガイド12を取り囲む圧縮バネを備える。バネ5aの第1の端部14はガイド12に当接し、ガイド12は、中間伝達要素453a、453bの枢動軸15に対して(この場合は直角に)固定されている。従って、中間伝達要素453a、453bの動きは、ガイド12の動きと一致し、ガイド12は、バネの第2の端部に加えられた荷重で動く。
【0066】
弾性部材5a、5bの軸は、例えば、フォイル導入鎖状要素420a、420bの駆動方向Dに垂直である。
【0067】
荷重測定装置3a、3bは、フォイル導入鎖状要素420a、420bを少なくとも90°、例えば180°にわたってガイドするために、例えば、ガイド、プーリー、スプロケットホイール、又はスキッドなどの少なくとも1つのそれぞれの追加の中間伝達要素454をさらに備える(図3)。中間伝達要素453a、453bは、例えば、ホイール形状であり、フォイル導入鎖状要素420a、420bのループの内部に位置し、スタンピングフォイルが辿る経路上で、例えば、追加中間伝達要素454と駆動部材440との間に配置される。
【0068】
図5a、5b、及び5cを参照して、駆動装置410によるスタンピングフォイルの駆動を制御するための方法の一例を以下に示す。
【0069】
図5aにおいて、荷重測定装置3a、3bは、最初は待機位置にある。モータ460及びアクチュエータ6a、6bは固定されており、駆動部材440は静止している。オペレータは、プラテン印刷機310の高さでフォイル導入鎖状要素420a、420bを位置決めするために、可動中間伝達要素452の高さ方向位置を調節する(図3)。その結果、荷重測定装置3a、3bの可動中間伝達要素453a、453bは、弾性部材5a、5bの動作に逆らって動く。弾性部材5a、5bとフォイル導入鎖状要素420a、420bとの間に最小張力が作用する。
【0070】
第1のアクチュエータ6aが作動する。これは、駆動部材440の駆動によってピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素420a、420bのストランドによって圧縮荷重を受けた第1の弾性部材5aに逆スラストを加え、例えば、第1の可動中間伝達要素453aを所定位置に維持するようになっている。第1のアクチュエータ6aのラムロッドは、例えば、第1の弾性部材5aの第2の端部を圧迫するまで延びる。第1の中間伝達要素453aは所定位置に維持される。
【0071】
モータ460の始動後、駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを第1の方向(又は、図5aの矢印Dの順方向)に駆動することができる。
【0072】
駆動部材440の反対側では、第2のアクチュエータ6bは作動していない。フォイル導入鎖状要素420aのストランドの張力は、第2の弾性部材5bで決定される。第2のアクチュエータ6bのラムロッドは引っ込められている(図5b)。
【0073】
仮に何か8がフォイル導入鎖状要素420a、420bの前進を阻止すると、第1のアクチュエータ6aによって加えられた逆スラストは、第1の可動中間伝達要素453aを所定位置に維持するのにもはや十分ではなく、これは動くことになり(本例では図5cの上方へ)、第1のアクチュエータ6aの移動距離が短くなる。これらの要素は、例えば、第1の検出器7aが、第1のアクチュエータ6aによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えていることを検出するのを可能にする。次に、制御ユニット4は、モータ460への電力を遮断することで、駆動部材440による駆動を停止させる。
【0074】
従って、駆動は、駆動バー430又はその取付具が破損するリスクがある前に停止される。
【0075】
通常運転時、駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを第2の方向(又は逆方向)(例えば、反時計回りに回転させることで)で駆動することもできる。
【0076】
次に、第2のアクチュエータ6bが作動する。これは、駆動部材440の駆動によってピンと張って引っ張られるフォイル導入鎖状要素420a、420bのストランドによって圧縮荷重を受けた第2の弾性部材5bに逆スラストを加え、例えば、第2の可動中間伝達要素453bを所定位置に維持するようになっている。第2のアクチュエータ6bのラムロッドは、例えば、第2の弾性部材5bの第2の端部を圧迫するまで延びる。第2の中間伝達要素453bは所定位置に維持される。
【0077】
駆動部材440の反対側では、第1のアクチュエータ6aは作動していない。フォイル導入鎖状要素420aのストランドの張力は、第1の弾性部材5aで決定される。第1のアクチュエータ6aのラムロッドは引っ込められている。
【0078】
仮に何か8がフォイル導入鎖状要素420a、420bの前進を阻止すると、第2のアクチュエータ6bによって加えられた逆スラストは、第2の可動中間伝達要素453bを所定位置に維持するのにもはや十分ではなく、これは動くことになり(本例では上方へ)、第2のアクチュエータ6bの移動距離が短くなる。これらの要素は、例えば、第2の検出器7bが、第2のアクチュエータ6bによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えていることを検出するのを可能にする。次に、制御ユニット4は、モータ460への電力を遮断することで、駆動部材440による駆動を停止させる。
【0079】
図6及び7は、駆動装置410’の第2の例示的な実施形態を示す。
前述のように、駆動装置410’は、第1の方向にフォイル導入鎖状要素420a、420bを駆動するために駆動部材440によって加えられた荷重を示すパラメータを測定するよう構成された第1の検出器7aを含む、第1の荷重測定装置3a’を備える。第1の荷重測定装置3a’は、スタンピング機1の制御ユニット4(図1)に接続されており、これは駆動部材440によって加えられた荷重を示し、第1の検出器7aで測定されたパラメータが閾値を超えると駆動部材440による駆動を停止するよう構成されている。
【0080】
この第2の実施形態は、荷重測定装置がフォイル導入鎖状要素420a、420b’に対して逆荷重を加えない点で、前述の実施形態とは異なっている。この第2の実施形態において、駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを駆動方向Dで移動できるように取り付けられている。
【0081】
そのために、第1の荷重測定装置3a’は、例えば、その上に駆動部材440が摺動自在に取り付けられているリニアガイド9を備える。リニアガイド9は、例えば、駆動部材440が、フォイル導入鎖状要素420a、420bの上方区画で水平方向に移動するのを可能にする。リニアガイド9は、例えば、少なくとも1つの固定水平スピンドル11(例えば、上下に配置された2つのスピンドル11)に沿って摺動するプレートなどの可動支持体10を備える。
【0082】
さらに、この実施形態において、第1の検出器7aは、駆動部材440によって加えられた荷重を示す駆動部材440の移動が閾値を超えた場合を測定するよう構成されている。
【0083】
駆動部材440は、例えば、フォイル導入鎖状要素420a、420bに連結された横向き駆動軸を備える。駆動部材440は、例えば、ステーション400のモータ460によって駆動され、このモータに対して例えば伝達装置(図示せず)を介して連結される。
【0084】
スタンピング機1の各側面(駆動側及びその反対側)上の可動支持体10の独立した動作を保証し、2つのフォイル導入鎖状要素420a、420bのうちの1つが故障した場合にこれらが故障するのを防ぐために、各可動支持体10は、それぞれの自在継ぎ手18(図7)によってフォイル導入鎖状要素420a、420bに連結することができる。
【0085】
駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを1つの方向(順方向)のみ又は2つの方向(順方向及び逆方向)に駆動することができる。駆動バー430は、例えば、経路の全周にわたって駆動される。これは、プラテン印刷機310を通過した後に導入点Iに戻る。特にスタンピングフォイルの駆動に関して問題が発生した場合に逆駆動を利用することができる。
【0086】
第1の荷重測定装置3a’は、例えば、フォイル導入鎖状要素420a、420bが第1の方向に駆動された場合に駆動部材440に逆スラストを加えるよう構成された第1の逆スラスト部材16aを備える。第1の逆スラスト部材16aは、例えば、アクチュエータ又は弾性部材である。アクチュエータは、例えば、空圧ラムなどのラムである。逆スラストは、例えば、駆動部材440に固定された可動支持体10に加えられる。
【0087】
第1の検出器7aは、例えば、第1の逆スラスト部材16aによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている。
【0088】
駆動部材440がフォイル導入鎖状要素420を両方向(順方向及び逆方向)に駆動できる場合、駆動装置410’は、第2の方向の荷重を測定するための第2の荷重測定装置3b’を備えることができる。
【0089】
第2の荷重測定装置3b’は、例えば、フォイル導入鎖状要素420a、420bが第2の方向に駆動された場合に駆動部材440に逆スラストを加えるよう構成された第2の逆スラスト部材16bを備える。第2の逆スラスト部材16bは、例えば、アクチュエータ又は弾性部材である。アクチュエータは、例えば、空圧ラムなどのラムである。逆スラストは、例えば、駆動部材440に固定された可動支持体10に加えられる。
【0090】
第2の検出器7bは、例えば、第2の逆スラスト部材16bによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えた場合を検出するよう構成されている。
【0091】
逆スラスト部材16a、16bは、駆動方向Dに対して支持体10の各側面に逆スラストを加える。加えられた逆スラストは、例えば、支持体10が所定位置を維持するのを可能にする。通常運転の逆スラストは、例えば、ゼロであり、アクチュエータのロッドは完全に延びて単に支持体10に接触する。
【0092】
駆動装置410’は、例えば、2つの対の荷重測定装置3a’、3b’を備える、1つの対は、鎖状要素420a、420bの各々の過負荷を検出するように、それぞれのフォイル導入鎖状要素420a、420b上に配置される。
【0093】
第1の実施形態と同様に、検出器7a、7bは、例えば、近接センサ、すなわち磁気センサなどの非接触センサである。これらは、それぞれのアクチュエータに組み込むことができる。検出器7a、7bは、例えば、駆動部材440によって加えられた荷重を示す測定パラメータが閾値を超えたときに電気信号を制御ユニット4へ送り返すことができる。
【0094】
また、検出器7a、7bは、接触式センサなどの何らかのタイプの運動検出器の形態で作ることができる。
【0095】
駆動装置410’は、可動中間伝達要素453及び弾性部材5を含む少なくとも1つの従来式のチェーンテンショナ17をさらに備えることができる。
【0096】
図6及び7を参照して駆動装置410’によるスタンピングフォイルの駆動を制御するための方法の一例を以下に示す。
【0097】
荷重測定装置3a’、3b’は、最初は待機位置にある。モータ460は静止しており、駆動部材440は固定されている。オペレータは、プラテン印刷機310の高さでフォイル導入鎖状要素420a、420bを位置決めするために、可動中間伝達要素452の高さ方向位置を調節する。その結果、可動中間伝達要素453は、弾性部材5の動作に逆らって動く。弾性部材5とフォイル導入鎖状要素420a、420bとの間に最小張力が作用する。
【0098】
モータ460の始動後、駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを第1の方向(又は又は、図6の矢印Dの順方向、又は図6の反時計方向)に駆動することができる。
【0099】
逆スラスト部材16a、16bは、駆動方向Dに対して駆動部材440の各側面上に逆スラストを加える。例えば、アクチュエータのロッドは、完全に延びて支持体10の各側面上に単に接触する。
【0100】
仮に何らかがフォイル導入鎖状要素420a、420bの前進を阻止すると、第1の逆スラスト部材16aによって加えられた逆スラストは、可動支持体10を所定位置に維持するのにもはや十分でなく、これは動くことになる(本例では図6の方位に関して右側に)。第1の逆スラスト部材16aの移動距離が短くなる、例えば、最小値に至る。これらの要素は、例えば、第1の検出器7aが、第1の逆スラスト部材16aによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えていることを検出するのを可能にする。次に、制御ユニット4は、モータ460への電力を遮断することで、駆動部材440による駆動を停止させる。従って、駆動は、駆動バー430又はその取付具が破損するリスクがある前に停止される。
【0101】
通常運転時、駆動部材440は、フォイル導入鎖状要素420a、420bを第2の方向(又は逆方向)(例えば、時計回りに回転させることで)で駆動することもできる。
【0102】
仮に何らかがフォイル導入鎖状要素420a、420bの前進を阻止すると、第2の逆スラスト部材16aによって加えられた逆スラストは、可動支持体10を所定位置に維持するのにもはや十分でなく、これは動くことになり(本例では図6の方位に関して左側に)、第2の逆スラスト部材16bの移動距離が短くなる。これらの要素は、例えば、第2の検出器7bが、第2の逆スラスト部材16bによって加えられた逆スラストが荷重閾値を超えていることを検出するのを可能にする。次に、制御ユニット4は、モータ460への電力を遮断することで、駆動部材440による駆動を停止させる。
【符号の説明】
【0103】
1 スタンピング機
3a 第1の荷重測定装置
4 制御ユニット
7a 第1の検出器
310 プラテン印刷機
410 駆動装置(410)
420a フォイル導入鎖状要素
420b フォイル導入鎖状要素
440 駆動部材
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7