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特許7054006情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/426 20140101AFI20220406BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220406BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20220406BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220406BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20220406BHJP
【FI】
A63F13/426
G06F3/0484 120
A63F13/2145
A63F13/53
A63F13/80 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018192145
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2020058631
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-08-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】野上 潤
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123843(JP,A)
【文献】特開2016-093360(JP,A)
【文献】特開2006-318392(JP,A)
【文献】“CMサイト「たびろく」新ゲームコンテンツが追加!!美味しいのか検証してみた”,初心者がお小遣いサイトで稼ぐんだ!と頑張ってみる,日本,fei-ren.com,2016年12月17日,https://fei-ren.com/cmsite-tabiroku/,[2021年10月28日検索]
【文献】“[FEヒーローズ]攻撃時に待機するマスを選ぶ方法”,スマゲブログ,日本,www.smart-game-blog.net,2017年02月05日,https://www.smart-game-blog.net/fe-heroes-attack-position/,[2021年10月28日検索]
【文献】“[モンスト]射的を狙え!戦闘時の引っ張り方の5つのコツ”,INTERNETARCHIVE waybackmachine,日本,Internet Archive,2015年03月15日,https://web.archive.org/web/20150315015743/http://ideastakeflight.org/?p=727382,[2021年10月28日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06F 3/048-3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルディスプレイに表示されている出発点に位置する第1オブジェクトが移動可能な移動経路のうち、前記タッチパネルディスプレイにおける指示体の接触位置に基づく基準位置からの移動位置に応じた移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、複数の異なる値の中から値を決定するための第2オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させる表示制御手段と、
前記第1オブジェクトの移動経路の決定後に、前記第2オブジェクトが決定した値に基づいて前記第1オブジェクトの移動量を決定する移動量決定手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1オブジェクトが移動可能な移動経路上の位置をユーザが指定した場合、指定された位置を含む移動経路の中から前記基準位置からの移動位置の変化に応じて選択される移動経路を表示させる、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記基準位置と前記移動位置とを結ぶ直線に基づく方向指示画像を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記方向指示画像の向きに応じた移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる、請求項1または請求項記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記指示体が前記タッチパネルディスプレイから離間したときに表示されている移動経路を、ユーザが選択した移動経路として決定する移動経路決定手段を備える、請求項1から請求項の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記指示体が前記タッチパネルディスプレイに接触してから離間するまでの間、前記基準位置からの前記指示体の移動位置に応じて、複数の移動経路の中から選択される移動経路を表示させる、請求項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、複数の異なる数字が表示される前記第2オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させ、
前記移動量決定手段は、前記第1オブジェクトの移動経路の決定後に前記第2オブジェクトの数字の表示状態の変化を開始させ、前記第2オブジェクトの表示状態の変化が停止した場合に示される前記数字に基づいて前記第1オブジェクトの移動量を決定する、請求項1から請求項5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、複数の前記第2オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させ、
前記移動量決定手段は、複数の前記第2オブジェクトのうちから選択された前記第2オブジェクトが示す前記数字に基づいて前記第1オブジェクトの移動量を決定する、請求項記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、タッチパネルディスプレイに表示されている出発点に位置する第1オブジェクトが移動可能な移動経路のうち、前記タッチパネルディスプレイにおける指示体の接触位置に基づく基準位置からの移動位置に応じた移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、複数の異なる値の中から値を決定するための第2オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させ、
コンピュータが、前記第1オブジェクトの移動経路の決定後に、前記第2オブジェクトが決定した値に基づいて前記第1オブジェクトの移動量を決定する情報処理方法。
【請求項9】
タッチパネルディスプレイに表示されている出発点に位置する第1オブジェクトが移動可能な移動経路のうち、前記タッチパネルディスプレイにおける指示体の接触位置に基づく基準位置からの移動位置に応じた移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、複数の異なる値の中から値を決定するための第2オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させる処理と、
前記第1オブジェクトの移動経路の決定後に、前記第2オブジェクトが決定した値に基づいて前記第1オブジェクトの移動量を決定する処理とを、コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルディスプレイを備えた情報処理装置が普及しており、例えば、ユーザが指でタッチパネルディスプレイを操作することによって、キャラクタ等のオブジェクトの移動経路を選択するゲームが開発されている。
【0003】
特許文献1には、画面に表示されているオブジェクトを移動させるオブジェクト移動制御装置が記載されている。特許文献1に記載のオブジェクト移動制御装置では、プレイヤはスティックでタッチパネル上をタッチ操作(スライド操作、クリック)することにより、オブジェクトの移動経路を描画したり、訂正したり、ランダムに決定する。オブジェクトの移動経路が決定され、当該移動経路上の点をクリックすると、オブジェクトはクリックした位置まで移動経路に従って移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-113469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているオブジェクト移動制御装置のように、オブジェクトの移動経路をユーザが描画する手法では、ユーザが移動経路を間違えた場合に新たに移動経路の描画をやり直す必要がある。また、タッチパネルディスプレイが小さい場合には、移動経路の描画そのものが難しい可能性もある。このように特許文献1に記載のオブジェクト移動制御装置では、オブジェクトの移動経路の選択に関する利便性に欠けていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ユーザがより簡易に移動経路を選択できる、情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラムは以下の手段を採用する。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、タッチパネルディスプレイに表示されている出発点からの所定条件を満たす移動経路を導出する移動経路導出手段と、前記タッチパネルディスプレイに指示体が接触した位置を基準位置とし、前記基準位置からの前記指示体の移動位置に応じた前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備える。これにより、ユーザは、より簡易に移動経路を選択できる。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「移動経路選択方法」は、タッチパネルディスプレイに表示されている出発点からの所定条件を満たす移動経路を導出する第1工程と、前記タッチパネルディスプレイに指示体が接触した位置を基準位置とし、前記基準位置からの前記指示体の移動位置に応じた前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる第2工程と、を有する。これにより、ユーザは、より簡易に移動経路を選択できる。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「移動経路選択プログラム」は、コンピュータを、タッチパネルディスプレイに表示されている出発点からの所定条件を満たす移動経路を導出する移動経路導出手段と、前記タッチパネルディスプレイに指示体が接触した位置を基準位置とし、前記基準位置からの前記指示体の移動位置に応じた前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる表示制御手段と、して機能させる。これにより、ユーザは、より簡易に移動経路を選択できる。
【0011】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「移動経路選択方法」が実行する処理ステップや「移動経路選択プログラム」の機能に加えてもよい。
【0012】
前記表示制御手段は、前記基準位置と前記移動位置とを結ぶ直線に基づく方向指示画像を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記方向指示画像の向きに応じた前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、自身が選択している移動経路を簡易に認識できる。
【0013】
前記指示体が前記タッチパネルディスプレイから離間したときに表示されている前記移動経路を、ユーザが選択した前記移動経路として決定する移動経路決定手段を備える。これにより、ユーザは、一回の連続した操作によって簡易に移動経路の選択及び決定を行える。
【0014】
前記移動経路を含む領域を前記移動経路毎に複数の分割領域に分割する領域分割手段を備え、前記表示制御手段は、前記基準位置からの前記移動位置に応じた前記分割領域に含まれる前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる。これにより、情報処理装置は、ユーザによって選択されている移動経路を簡易に特定できる。
【0015】
前記移動経路における所定の分岐点から生じる複数の分岐経路が各々異なる分割領域となるように、前記移動経路を含む領域を分割する領域分割手段と、前記所定の分岐点から生じる前記分岐経路と当該分岐経路を経由する到達点とが異なる前記分割領域に含まれる場合、当該分岐経路が含まれる前記分割領域に当該到達点が含まれるように当該到達点の位置を示す到達点値を補正する補正手段と、前記基準位置からの前記指示体の前記移動位置に応じた前記到達点値により示される前記到達点を特定する到達点特定手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記到達点特定手段によって特定された前記到達点に至る前記移動経路を前記タッチパネルディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、より直感的な移動経路の選択が可能となる。
【0016】
前記表示制御手段は、コマが移動する複数のマスで形成されたゲーム盤画像を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記出発点は、前記コマの位置であり、前記所定条件は、前記コマが一回に移動可能なマス数の最大値である。これにより、コマがマスを移動するゲームにおいて、情報処理装置は、移動経路を簡易に導出できる。
【0017】
前記コマの前記移動経路の決定後に前記コマの移動量を決定する移動量決定手段を備える。これにより、コマがマスを移動するゲームにおいて、従来とは異なる不確定要素が生じ、ユーザは新たな遊戯性を感じることができる。
【0018】
前記表示制御手段は、複数の異なる数字が表示されるオブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記移動量決定手段は、前記コマの前記移動経路の決定後に前記オブジェクトの数字の表示状態の変化を開始させ、前記オブジェクトの表示状態の変化が停止した場合に示される前記数字に基づいて前記コマの移動量を決定する。これにより、コマがマスを移動するゲームにおいて、情報処理装置は、コマの移動量を簡易に決定できる。
【0019】
前記表示制御手段は、複数の前記オブジェクトを前記タッチパネルディスプレイに表示させ、
前記移動量決定手段は、複数の前記オブジェクトのうち、ユーザによって選択された前記オブジェクトが示す前記数字に基づいて前記コマの移動量を決定する。これにより、コマがマスを移動するゲームにおける不確定要素が緩和され、ユーザは、ゲームを有利に進めるための戦略を立てて実行し易くなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザがより簡易に移動経路を選択できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る携帯端末の正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る矢印UIとスゴロクゲーム盤画像の概略図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るサイコロオブジェクトとスゴロクゲーム盤画像の概略図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る矢印UIによるルート選択の説明に要する模式図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る矢印UIによるルート選択の説明に要する模式図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るコマ移動機能の機能ブロック図である。
図8】本発明の第1実施形態に係るコマ移動処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本発明の第1実施形態に係る矢印UIの他の例とスゴロクゲーム盤画像の概略図である。
図10】本発明の第1実施形態に係るルートに経由点を含むスゴロクゲーム盤画像の概略図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る出発点から到達点に至るまでのルートを示した模式図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る分割領域を示した模式図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る最初の分岐ルートを経由する到達点と分割領域との関係を示した模式図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る到達点の角度範囲を示す模式図である。
図15】本発明の第2実施形態に係るコマ移動機能の機能ブロック図である。
図16】本発明の第2実施形態に係る選択ルート特定処理の流れを示すフローチャートである。
図17】本発明の第2実施形態に係る出発点と最初の分岐点が異なる場合を示す模式図である。
図18】本発明をナビゲーションシステムに適用した場合を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る情報処理装置、移動経路選択方法及び移動経路選択プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、情報処理装置を携帯端末、いわゆるスマートフォンとして説明する。なお、携帯端末は、スマートフォンに限らず、タブレット端末やノートパソコン等であってもよい。本実施形態に係る各プログラムは、情報処理装置に記憶されるが、これに限らず、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ等の可搬型の半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0023】
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0024】
[1-1.携帯端末の構成]
図1は本実施形態に係る携帯端末10の正面図である。
【0025】
携帯端末10の筐体12の正面には、画像を表示する画像表示手段であるタッチパネルディスプレイ14が備えられる。タッチパネルディスプレイ14は、LCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。なお、以下の説明においてタッチパネルディスプレイ14を画面14ともいう。
【0026】
携帯端末10の筐体12の正面には、音が入力されるマイクロフォン16、音を出力するスピーカ18、及び被写体を撮像するカメラ20が備えられる。カメラ20は、筐体12の正面だけでなく筐体12の背面にも備えられる。さらに、筐体12の側面には、携帯端末10を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ18が出力する音のボリューム調整ボタン等の操作ボタン22が備えられる。また、携帯端末10の筐体12には、メモリカードが挿入されるスロットやUSB端子等が備えられる。
【0027】
図2は、携帯端末10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0028】
携帯端末10は、上記構成に加え、主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30を備える。
【0029】
主制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯端末10の全体の動作を制御する。
【0030】
主記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部24による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0031】
補助記憶部28は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部24の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部28に記憶されるプログラムは、例えば、携帯端末10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのアプリケーション(以下「アプリ」という。)等である。
【0032】
通信部30は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、携帯電話網等の通信網に接続する機能を有する。なお、通信部30は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0033】
これら主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30、タッチパネルディスプレイ14、マイクロフォン16、スピーカ18、カメラ20、及び操作ボタン22は、システムバス32を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部24は、主記憶部26及び補助記憶部28へのアクセス、タッチパネルディスプレイ14に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ14や操作ボタン22に対する操作状態の把握、マイクロフォン16への音の入力、スピーカ18からの音の出力、カメラ20に対する制御、及び通信部30を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0034】
[1-2.スゴロクゲーム]
本実施形態に係る携帯端末10は、スゴロクゲームを実行するためのスゴロクゲームアプリが補助記憶部28に記憶されている。
【0035】
[1-2-1.スゴロクゲームの概要]
図3,4は、スゴロクゲームをユーザがプレイする場合に、画面14に表示されるスゴロクゲーム盤画像40の概略図である。
【0036】
本実施形態に係るスゴロクゲーム盤画像40は、コマ41が移動する複数のマス42で形成される。一例として、マス42は二次元状(平面状)に配列されるが、三次元状(立体状)に配列されてもよい。三次元状のスゴロクゲーム画像40は、例えば、隣接するマス42に上下方向の段差を有するものである。また、マス42が配列される領域には、マス42が配列されない領域が設けられてもよい。本実施形態に係るマス42が配列される領域は平面領域である。本実施形態に係る平面領域とは、コマ41の移動経路43を含む領域であり、スゴロクゲーム盤画像40を上面視した平面である。すなわち、スゴロクゲーム盤画像40を形成するマス42に上下方向の段差が存在する場合であっても、スゴロクゲーム盤画像40を上面視することで平面領域として扱われる。なお、本実施形態では、平面領域は画面14と平行な領域である。
【0037】
移動経路43は、コマ41が現在位置から移動可能な経路である。具体的には、移動経路43は、コマ41の現在位置である始点(出発点)と、コマ41が一回に到達可能な位置である終点(到達点)とを結ぶ経路である。なお、以下の説明では、移動経路43をルート43という。
【0038】
また、コマ41は、一例としてスゴロクゲームのキャラクタであり、キャラクタはスゴロクゲームの進行に応じて能力等が成長する。なお、図3,4におけるコマ41の位置が詳細を後述するルート43の導出における出発点に相当する。
【0039】
本実施形態に係るスゴロクゲームは、コマ41の現在位置からのルート43を導出する。コマ41が移動可能なルート43が複数導出された場合、図3,4の例に示されるように、画面14へのユーザの指の接触状態(以下「タッチ操作」ともいう。)に応じたルート43が画面14に表示される。そしてスゴロクゲームは、ユーザがコマ41のルート43を決定した後に、コマ41の移動数を決定してコマ41を移動させる。
【0040】
ユーザが自身のコマ41のルート43を決定する場合、ユーザは画面14を指でタッチして画面14上で指を移動させる。このようなユーザのタッチ操作に応じた矢印UI(User Interface)44が画面14に表示されると共に、矢印UI44の向きに応じたルート43が画面14に表示される。なお、ここでいうルート43の表示とは、ルート43を形成しないマス42と区別可能なように、ルート43を形成するマス42を強調表示することである。図3,4の例では、斜線でハッチングされた連続したマス42の配列がルート43として表されている。
【0041】
ユーザは、指を画面14上で移動させて矢印UI44の向きを変化させることで、画面14に表示されるルート43を切り替え、ルート43を選択する。そして、ユーザが画面14から指を離間(以下「タッチオフ」という。)したときに画面14に表示されているルート43が、ユーザが選択したルート43として決定される。
【0042】
本実施形態に係るスゴロクゲームは、ユーザがコマ41のルート43を決定した後に、複数の異なる数字が表示されるオブジェクトであるサイコロオブジェクト45を画面14に表示し、サイコロオブジェクト45を回転させる(図4参照)。そして、コマ41は、ユーザが決定したルート43上のマス42を、サイコロオブジェクト45の出目に応じた数だけ移動する。
【0043】
なお、このようなコマ41のルート43の導出、ユーザによるルート選択、及びコマ41の移動を総称してコマ移動処理ともいう。
【0044】
また、本実施形態に係るスゴロクゲームは、オンラインゲームであり、複数の携帯端末10がネットワークに接続されることで、複数のユーザが同時にプレイ(以下「複数人プレイ」という。)できる。複数人プレイでは、一例として、同じスゴロクゲーム盤画像40が各ユーザの携帯端末10の画面14に表示される。図3,4の例では、一つのコマ41が表示されているが、複数人プレイの場合にはプレイするユーザ毎のコマ41が表示される。
【0045】
複数人プレイでは、ユーザが自身のコマ41を移動させる順番(以下「ターン」という。)が予め定められている。ユーザは、自身のターンにおいてコマ41のルート選択、コマ41の移動を行う。
【0046】
なお、本実施形態に係るスゴロクゲームは、マス42にイベントが設定されてもよい。イベントが設定されているマス42にコマ41が停止又は通過した場合に、当該イベントが実行される。また、ユーザのゲーム状態に応じて、特定のコマ41が停止又は通過できないマス42が設定されてもよいし、特定のコマ41が停止又は通過できるマス42が設定されてもよい。また、スゴロクゲームには、敵キャラクタが現れ、当該敵キャラクタを倒すイベントが行われてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態に係るスゴロクゲームでは、ゲームクリアの条件として、例えば特定のミッションを完了することが要求される。なお、ゲームクリアの条件は限定されるものではなく、コマ41の最終的な到達点であるゴールや所定得点の獲得がゲームクリアの条件として定められてもよい。さらに、スゴロクゲームは、特定のイベントやミッションをユーザが行うものの、明確なゲームクリアという概念がなくてもよい。
【0048】
[1-2-2.ルートの導出]
コマ移動処理は、画面14に表示されているコマ41の出発点からの所定条件を満たすルート43を導出する。出発点は、ルート43の導出の対象となるコマ41の現在位置である。所定条件は、一回のターンでコマ41が移動可能なマス数の最大値(以下「移動可能マス数」という。)である。これにより、コマが移動するスゴロクゲームにおいて、簡易な処理による移動経路の導出が可能となる。
【0049】
本実施形態に係る移動可能マス数は、一例として6マスである。また、所定条件として、詳細を後述する図10に示されるように、コマ41が通過する所定の経由点48が設定されてもよい。また、所定条件として、コマ41が通過する所定のルート(ルート43の一部)が設定されてもよい。
【0050】
本実施形態に係るコマ移動処理は、コマ41の現在位置から移動可能マス数で移動可能なルート43を全て導出する。なお、ルート43の導出方法は、ルート43を総当たりで導出する等してもよく、限定されるものではない。
【0051】
また、ルート43の導出は、導出の対象となるコマ41(ユーザ)のターンとなったときに行われてもよいし、導出の対象となるコマ41(ユーザ)のターンが終了した後であって次のターンとなるまでの間、例えば他のユーザのターンの実行中に行われてもよい。
【0052】
[1-2-3.矢印UIによるルート選択]
コマ移動処理は、ルート43の導出後に画面14にユーザの指が接触した位置を基準位置46A(図3参照)とし、基準位置46Aからの指の移動位置46Bに応じたルート43を画面14に表示させる。すなわち、本実施形態に係るコマ移動処理では、上述したように矢印UI44の向きに応じたルート43が画面14に表示される。なお、本実施形態に係る基準位置46Aは、一例として後述するスライド操作の起点となる位置である。また、これに限らず、基準位置46Aは、連続した複数回(例えば2回)のタッチ操作がされた最初の位置でもよい。
【0053】
矢印UI44は、基準位置46Aから移動位置46Bを結ぶ直線(以下「二点間直線」という。)46Cに基づく方向指示画像である。方向指示画像である矢印UI44は、一例として、直線の一端が矢印形状をした画像であり、基準位置46Aからスライド操作させている指の動きをユーザに認識させるものである。より具体的には、本実施形態に係る矢印UI44は、図3に示されるように、基準位置46Aを先端とし、基準位置46Aから移動位置46Bの方向(引っ張り方向)へ延伸する。すなわち、矢印UI44の先端方向は、基準位置46Aに対する指の移動方向とは逆向きの方向である。
【0054】
基準位置46Aは、一回のルート選択においてユーザが指をタッチオフするまで変化しない。一方、移動位置46Bは、ユーザが画面14上で指を移動させるスライド操作に応じて変化する。すなわち、本実施形態に係る矢印UI44は、矢印の先端位置は変わらず、ユーザのスライド操作に応じて矢印の後端位置が変化する。なお、図3,4において基準位置46A、移動位置46B及び二点間直線46Cは図示されているが、実際のスゴロクゲームにおいてこれらは画面14には表示されない。
【0055】
そして、本実施形態に係るコマ移動処理は、導出した複数のルート43のうち、矢印UI44の向きに応じたルート43をユーザが現在選択しているルート43として画面14に表示する。このため、複数のルート43が導出されても、画面14に表示されるルート43はユーザが現在選択している一つのルート43である。ユーザは、他のルート43を選択する場合には、画面14をタッチしている指を移動させて矢印UI44の向きを変える。これにより、他のルート43が画面14に表示される。
【0056】
このようにユーザは、画面14を指で最初にタッチした位置を基準として指を移動させることで、簡易にコマ41のルート43を選択できる。また、コマ移動処理は、基準位置46Aと移動位置46Bとを結ぶ二点間直線46Cに基づく矢印UI44を画面14に表示させ、矢印UI44の向きに応じたルート43を画面14に表示させるので、ユーザは、自身が選択しているルート43を簡易に認識でき、ユーザはより簡易にコマ41のルート43を選択可能となる。
【0057】
そして、本実施形態に係るコマ移動処理は、ユーザの指が画面14からタッチオフしたときに表示されているルート43を、ユーザが選択したルート43として決定する。すなわち、ユーザは画面14をタッチした指をスライドさせることでルート43を選択し、その指を画面14からタッチオフすることで選択の決定を行える。従って、ユーザは、一回の連続した操作によって簡易にルート43の選択及び決定を行える。
【0058】
ここで、図5,6を参照して、ユーザのルート選択においてコマ移動処理が行う処理について具体的に説明する。
【0059】
コマ移動処理は、コマ41の出発点を含む平面領域をルート43毎に複数の分割領域47に分割する。すなわち、分割領域47は、各ルート43に対応するように平面領域が複数の領域に分割されたものである。一例として、分割領域47は、コマ41の現在位置を中心とした中心角によって定められる。このように中心角は、分割領域47の範囲を示すものである。例えば、分割されていない平面領域の中心角は360°であり、分割領域47は360°未満(例えば平面領域が2つに分割された場合は180°)の中心角で定められる扇形状である。そして、コマ移動処理は、基準位置46Aからの移動位置46B、すなわち矢印UI44の向きに応じた分割領域47に含まれるルート43を画面14に表示させる。
【0060】
図5の例では、ルート43Aが分割領域47Aに含まれ、ルート43Bが分割領域47Bに含まれる。そして、ユーザが矢印UI44の向きを矢印UI44Aのようにすると、矢印UI44Aは分割領域47Bの方向を向いているので、ユーザはルート43Bを選択していることになる。一方、ユーザが矢印UI44の向きを矢印UI44Bのようにすると、矢印UI44Bは分割領域47Aの方向を向いているので、ユーザはルート43Aを選択していることになる。
【0061】
ここで、コマ移動処理によるルート43を含む分割領域47の決定方法について説明する。まず、コマ移動処理は、平面領域を同じ広さで2分割する。そして、2分割した分割領域47内に導出したルート43が含まれている場合、コマ移動処理は、当該分割領域47を当該ルート43に対応する分割領域47とする。さらに分割領域47に複数のルート43が含まれている場合、コマ移動処理は、当該分割領域47をさらに分割し、当該ルート43に対応する分割領域47を決定する。このように、コマ移動処理は、平面領域を段階的に分割し、一つのルート43に対して一つの分割領域47を対応付ける。
【0062】
このため、導出されたルート43が3つの場合は図6(A)のように分割領域47がルート43に合わせて3つに分けられ、導出されるルート43が4つの場合は図6(B)のように分割領域47がルートに合わせて4つに分けられる。
【0063】
なお、本実施形態に係る分割領域47の範囲は、一例として、上述のようにコマ41の現在位置を中心とした中心角によって定められる。各分割領域47の中心角は、所定の下限値が定められている。分割領域47の下限値は、例えば、ユーザによる矢印UI44を用いたルート選択の困難さを考慮して予め設定される。すなわち、多くのルート43が導出されかつ下限値が小さい場合、ユーザが矢印UI44の向きを少し変えただけで、画面14に表示されるルート43が切り替わる可能性があり、ユーザは所望のルート43の選択を行い難くなる。このため、分割領域47の中心角に下限値が定められることで、狭い中心角の範囲でルート43が特定されることを抑制し、ルート43の選択を容易にする。
【0064】
また、分割領域47に下限値が設定されることで、一つの分割領域47に複数のルート43が含まれる可能性がある。このため、中心角が下限値となった分割領域47に複数のルート43が含まれる場合、一例として、予め定められた優先度の高いルート43を画面14に表示し、ユーザが選択可能とする。例えば、所定のオブジェクト(アイテム)が存在するマス42を含むルート43や、所定のオブジェクト(敵キャラクター、障害物)が存在しないマス42を含むルート43が、優先度の高いルート43として設定される。
【0065】
以上のように、平面領域をルート43毎に複数の分割領域47に分割し、矢印UI44の向きに応じた分割領域47に含まれるルート43を画面14に表示させることで、コマ移動処理は、ユーザのタッチ操作により選択されるルート43を簡易に特定することができる。
【0066】
なお、図5,6の例では、平面領域を円形としているが、コマ41の現在位置を中心としていれば平面領域は矩形等、他の形状でもよい。また、平面領域の広さ(径)は、導出されたルート43が全て含まれる大きさであれば特に限定されない。
【0067】
また、指示体である指の基準位置46Aからの移動位置46Bまでの距離(以下「移動距離」という。)に応じて、選択可能なルート43が変化してもよい。例えば、移動距離が大きいほど、選択可能なルート43が増え、移動距離が小さいほど選択可能なルート43が減少してもよい。また、ルート43上に障害物があり、移動距離が所定値以上である場合に障害物を超えたルート43が選択可能となってもよい。また、中心角が下限値となった分割領域47に複数のルート43が含まれる場合、移動距離を変化させることで、選択可能なルート43が変化してもよい。
【0068】
[1-2-4.サイコロオブジェクトの出目によるコマの移動]
本実施形態に係るコマ移動処理は、ユーザによるコマ41のルート43の決定後にコマ41の移動量を決定する。すなわち、ユーザは、コマ41の移動量が不確定なままルート43を選択し、その後コマ41の移動量を決定することになる。これにより、スゴロクゲームとしては従来とは異なる不確定要素が生じるため、ユーザは新たな遊戯性を感じることになる。
【0069】
本実施形態に係るサイコロオブジェクト45は、一例として正六面体であり、各面に1から6の数字が表示される。なお、サイコロオブジェクト45は正六面体以外の多面体であってもよい。また、本実施形態に係るスゴロクゲームは、図4に示されるように一例として3つのサイコロオブジェクト45が表示されるが、サイコロオブジェクト45の数はこれに限定されず、1つ以上であればよい。
【0070】
本実施形態に係るコマ移動処理は、コマ41のルート43の決定後に、サイコロオブジェクト45の数字の表示状態の変化を開始させる。すなわち、コマ41のルート43の決定後にユーザが他の操作を行うことなく、サイコロオブジェクト45が回転する。そして、コマ移動処理は、サイコロオブジェクト45の表示状態の変化が停止した場合、すなわちサイコロオブジェクト45の回転が停止した場合に示される数字に基づいてコマ41の移動量を決定する。これにより、コマ移動処理は、簡易にコマ41の移動量を決定できる。
【0071】
本実施形態に係るサイコロオブジェクト45の出目、すなわちコマ41の移動量を示す数値はランダムに決定される。このため、サイコロオブジェクト45の出目によりコマ41の移動量を決定するという処理は、不確定要素が強い。そこで、本実施形態に係るスゴロクゲームは、複数のサイコロオブジェクト45のうち、ユーザによって選択されたサイコロオブジェクト45が示す数字に基づいてコマ41の移動量を決定する。なお、本実施形態に係るスゴロクゲームでは、ユーザが選択可能なサイコロオブジェクト45の数は一つであるが、これに限らず複数のサイコロオブジェクト45が選択可能とされてもよい。複数のサイコロオブジェクト45をユーザが選択した場合は、選択したサイコロオブジェクト45が示す数の合計値が移動量として決定されてもよいし、全てのサイコロオブジェクト45が示す数の合計値が移動量として決定されてもよい。
【0072】
このように、本実施形態に係るスゴロクゲームは、複数のサイコロオブジェクト45のうち一つの出目をコマ41の移動量としてユーザ自身が選択するので、スゴロクゲームにおける不確定要素が緩和され、ユーザはゲームを有利に進めるための戦略を立てて実行し易くなる。
【0073】
また、ユーザがコマ41の移動量として選択しなかったサイコロオブジェクト45の出目の数値は他に利用されてもよい。この利用とは、移動量としてユーザが選択しなかった出目が、例えばスゴロクゲームの得点(スコア)に加算されたり、スゴロクゲーム内でアイテムを購入するためのポイント、又は他のサービスで利用可能なポイント等に加算されたりすることである。
【0074】
さらに、サイコロオブジェクト45の回転状態(表示状態の変化)は、指示体である指を画面14からタッチオフさせたときの状態によって変化してもよい。
【0075】
例えば、基準位置46Aからの指の移動位置46Bまでの距離である移動距離に応じて、出目の傾向が変化してもよい。具体的には、移動距離が大きいほど大きな出目が出易くなったり、移動距離が小さいほど小さな出目が出易くなったりしてもよい。また、移動距離が大きいほど、サイコロオブジェクト45の数が増加したり、移動距離が大きいほど、サイコロオブジェクト45の出目の最大値が大きくなったり、移動距離が大きいほど、サイコロオブジェクト45の面の数が増加してもよい。
【0076】
また、指を画面14からタッチオフする際の画面14に対する指の動作(ジェスチャー)に応じて、サイコロオブジェクト45の回転状態、例えば回転数を変化させてもよい。
【0077】
例えば、画面14を指で弾くようなジェスチャーをしながらタッチオフした場合、当該ジャスチャーの動作が大きいほどサイコロオブジェクト45の回転数が増加してもよい。また、指を画面14にタッチしてからタッチオフするまでの経過時間に応じて、サイコロオブジェクト45の回転数が変化してもよい。また、画面14にゲージ画像が表示され、時間経過と共にゲージの数値が変化し、指を画面14からタッチオフしたタイミングにおけるゲージの数値に応じてサイコロオブジェクト45の回転数が変化してもよい。
【0078】
さらに、スゴロクゲームは、コマ41であるキャラクタの成長と共に、サイコロオブジェクト45の出目のコントロールを可能としてもよい。例えば、キャラクタにコマ41の出目を大きく又は小さくする能力が与えられてもよいし、キャラクタに所望の出目を表示させる能力が与えられてもよい。
【0079】
なお、上述のように、本実施形態ではコマ41のルート43の決定後にユーザが他の操作を行うことなくサイコロオブジェクト45が回転するが、これに限らず、コマ41のルート43の決定後にユーザが他の操作、例えば画面14に表示されている所定画像へのタッチ等を行った後に、サイコロオブジェクト45が回転してもよい。
【0080】
また、本実施形態ではコマ41の移動量を決定するためのオブジェクトをサイコロオブジェクト45としたが、これに限らず、例えば、ルーレットを模したルーレットオブジェクト等のように、複数の異なる数字が表示されるオブジェクトであれば他の形状でもよい。
【0081】
[1-3.コマ移動処理に関する機能ブロック]
図7は、本実施形態に係るコマ移動処理に関する機能ブロック図である。携帯端末10が備える主制御部24は、表示制御部50、ルート導出部51、タッチ位置特定部52、領域分割部53A、ルート選択部54A、ルート決定部55、及び移動量決定部56を備える。携帯端末10が備える各機能によって実行される処理は、補助記憶部28に記憶されているプログラムによって実現される。
【0082】
表示制御部50は、画面14の表示状態を制御する。より具体的には、表示制御部50は、スゴロクゲーム盤画像40、コマ41、矢印UI44、ユーザが選択しているルート43、及びサイコロオブジェクト45等、ユーザがスゴロクゲームをプレイするために必要な画像を画面14に表示させる。
【0083】
ルート導出部51は、画面14に表示されているコマ41の出発点からの移動可能マス数を満たすルート43を導出する。
【0084】
タッチ位置特定部52は、ユーザが画面14をタッチすることによる基準位置46A及び移動位置46Bを特定する。特定された基準位置46A及び移動位置46Bは、表示制御部50が画面14に矢印UI44を表示させる処理に用いられる。
【0085】
領域分割部53Aは、マス42が配列される平面領域を、ルート導出部51によって導出されたルート43毎に複数の分割領域47に分割する。
【0086】
ルート選択部54Aは、画面14に表示されている矢印UI44の向きに応じた分割領域47に含まれるルート43を、ユーザが選択しているルート43として特定する。ルート選択部54Aによって特定されたルート43は画面14に表示される。
【0087】
ルート決定部55は、ユーザの指が画面14からタッチオフしたときに画面14に表示されているルート43を、ユーザが選択したルート43として決定する。
【0088】
移動量決定部56は、ルート43の決定後にサイコロオブジェクト45の回転を開始させ、サイコロオブジェクト45の回転が停止した場合に示される数字をコマ41の移動量として決定する。
【0089】
[1-4.コマ移動処理のフローチャート]
図8は、携帯端末10が備える主制御部24によって実行されるコマ移動処理の流れを示すフローチャートであり、ユーザによるスゴロクゲームのプレイ中に実行される。本実施形態に係るコマ移動処理を実行するためのプログラムは補助記憶部28の所定領域に予め記憶されている。
【0090】
まず、ステップS100では、携帯端末10を操作するユーザのターンに至ったか否かをルート導出部51が判定し、肯定判定の場合はステップS102へ移行し、否定判定の場合は待ち状態となる。
【0091】
ステップS102では、コマ41が移動可能なルート43をルート導出部51が導出する。なお、ルート43の導出後に領域分割部53Aが、ルート43毎に平面領域を複数の分割領域47に分割する。
【0092】
次のステップS104では、ユーザが画面14をタッチしたか否かをタッチ位置特定部52が判定し、肯定判定の場合はステップS106へ移行し、否定判定の場合は待ち状態となる。
【0093】
ステップS106では、基準位置46Aをタッチ位置特定部52が特定する。
【0094】
次のステップS108では、移動位置46Bをタッチ位置特定部52が特定し、表示制御部50が矢印UI44を画面14に表示する。
【0095】
次のステップS110では、矢印UI44の向きに応じた分割領域47に含まれるルート43を、ユーザが選択しているルート43としてルート選択部54Aが特定する。
【0096】
次のステップS112では、ルート選択部54Aが特定したルート43を、表示制御部50が画面14に表示させる。
【0097】
次のステップS114では、ユーザの指が画面14からタッチオフしたか否かをルート決定部55が判定し、肯定判定の場合はステップS116へ移行し、否定判定の場合はステップS108へ戻る。なお、ステップS108へ戻った場合、ユーザが指をタッチオフするまで、矢印UI44の向きの変化に応じて画面14に表示されるルート43が切り替えられる。
【0098】
ステップS116では、ユーザの指が画面14からタッチオフしたときに画面14に表示されているルート43を、ユーザが選択したルート43としてルート決定部55が決定する。
【0099】
次のステップS118では、移動量決定部56がサイコロオブジェクト45を回転させ、サイコロオブジェクト45が停止した場合に示される数字をコマ41の移動量として決定する。
【0100】
次のステップS120では、ステップS118で決定した移動量でコマ41がルート43上を移動するように表示制御部50が画面14の表示を制御し、ステップS100へ戻る。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係るコマ移動処理は、画面14に表示されているコマ41の出発点からの移動可能マス数を満たすルート43を導出する。そして、コマ移動処理は、画面14にユーザの指が接触した位置を基準位置46Aとし、基準位置46Aからの指の移動位置46B、すなわち矢印UI44に応じたルート43を画面14に表示させる。従って、ユーザは、コマ41のルート43を簡易に選択できる。
【0102】
なお、本実施形態では矢印UI44として、基準位置46Aを先端とし、基準位置46Aから移動位置46Bの方向(引っ張り方向)へ延伸する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図9に示されるように、移動位置46Bが矢印UI44の先端とされてもよい。すなわち図9の例では、図3の例とは逆向きの指の移動で矢印UI44が表示される。このため、図9に示される矢印UI44は、ユーザによるスライド操作に応じて矢印の先端位置や矢印UI44の長さが変化する。
【0103】
また、コマ41のルート選択において、図10に示されるように、コマ41の出発点からの経由点48が定められてもよい。具体的には、ユーザのターンとなった後に、ユーザが画面14を最初にタッチしたマス42が経由点48として設定され、その後に経由点48を始点としたルート43の導出が実行される。その後、ユーザは矢印UI44によってルート43を選択する。すなわち、出発点から設定された経由点48までコマ41が移動することは確定され、経由点48以降のルート43は矢印UI44を用いてユーザにより選択される。なお、経由点48は、ユーザが設定せずにイベント等の一部として自動的に設定されてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、ユーザによるルート43が選択された後にコマ41の移動量を決定する形態について説明したが、これに限らず、コマ41の移動量を決定した後にユーザによってルート43が選択されてもよい。
【0105】
[2.第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0106】
本実施形態に係る携帯端末10の構成は、図1,2に示される第1実施形態に係る携帯端末10の構成と同様であるので説明を省略する。
【0107】
[2-1.矢印UIによるルート選択の概要]
以下、本実施形態に係るルート選択について図11~13を参照して説明する。本実施形態に係るコマ移動処理は、ルートの到達点62の位置を示す到達点値を当該到達点62に至る分岐ルート63に応じて補正する。なお、到達点62は、コマ41が一回のターンで到達可能な位置であり、より具体的には、コマ41の出発点60から移動可能マス数で移動可能な位置である。また、到達点値は、到達点62を示す値である。本実施形態に係る到達点値は、詳細を後述するように、コマ41の出発点60と到達点62とを結ぶ直線と所定の基準線65とのなす角度で示されるが、これに限らず、画面14の横方向をX座標とし、画面14の縦方向をY座標としたXY座標等で示されてもよい。
【0108】
また、図11~13において、破線はルート43を示し、菱形はコマ41の出発点60を示し、白点はルート43の分岐点61を示し、黒点はルート43の到達点62を示す。なお、図11~13の例では、最初の分岐点61fと出発点60とが同じであり、移動可能マス数は6である。
【0109】
ここで、ユーザは、コマ41のルート選択を行う場合、コマ41の到達点62を確認するもののコマ41の出発点60から近い移動先、すなわち出発点60に近い分岐ルート63も確認しながらコマ41の移動先を選択する傾向がある。このため、出発点60に近い分岐ルート63と到達点62とが離れている場合、より具体的には出発点60を基準にして回り込むような経路を有するルート43を選択する場合等において、出発点60に対して分岐ルート63と到達点62との方向が異なるため、ユーザはルート選択の操作を直感的に行えずに違和感を覚える可能性がある。
【0110】
そこで、本実施形態に係るコマ移動処理のルート選択では、ルート43における所定の分岐点61から生じる複数の分岐ルート63が各々異なる分割領域64となるように平面領域を分割する。そして、コマ移動処理は、所定の分岐点61から生じる分岐ルート63とこの分岐ルート63を経由する到達点62とが異なる分割領域64に含まれる場合、この分岐ルート63が含まれる分割領域64に到達点62が含まれるように到達点62の位置を示す到達点値を補正する。そして、コマ移動処理は、画面14へのユーザの指の接触状態と補正後の到達点値62とに基づいて、到達点62を特定する。
【0111】
なお、ユーザは、ルート選択のために出発点60からより近い分岐点61を強く認識する傾向にある。このため、本実施形態に係るコマ移動処理では、平面領域を分割する場合の基準となる所定の分岐点61を、出発点60から最初の分岐点61fとすることで、ユーザにとってより直感的なルート選択を可能とする。
【0112】
[2-2.到達点値の補正の詳細]
図11~13においてマス42内に表記されている角度は、到達点62の位置を示す到達点値を示している。本実施形態に係る到達点値は、コマ41の出発点60と到達点62とを結ぶ直線と所定の基準線65とのなす角度である。そして、本実施形態に係るコマ移動処理は、分岐ルート63が含まれる分割領域64に到達点62が含まれるように到達点値を示す角度を補正し、画面14へのユーザの指の接触状態と補正後の角度に基づいて到達点62を特定する。このように、到達点値が角度で表されることにより、出発点60に対する到達点62の位置を簡易かつ正確に表すことができ、かつ移動経路の特定が簡易にできる。
【0113】
なお、本実施形態に係る基準線65は、一例として、出発点60を通過し、出発点60の上方向を0°とし下方向を180°とした直線である。なお、到達点62の位置を角度で表すことによって、出発点60に対する到達点62の位置を簡易かつ正確に表すことができ、詳細を後述するように矢印UI44によるルート43の特定も簡易となる。
【0114】
図11は、出発点60からの到達点62に至るまでのルート43の一例を示した模式図である。図11の例では、分岐点61Aに向かう分岐ルート63Aと分岐点61Bに向かう分岐ルート63Bが、最初の分岐点61f(出発点60)から生じる。そこで、本実施形態に係るコマ移動処理は、図12に示されるように、最初の分岐点61fから生じる分岐ルート63A,63B(分岐点61A,61B)が各々異なる分割領域64A,64Bとなるように平面領域を分割する。なお、以下の説明において、最初の分岐点61fから生じる分岐ルート63を最初の分岐ルート63ともいう。
【0115】
平面領域を分割する分割線66は、一例として、最初の分岐点61fを通過し、かつ最初の分岐ルート63A,63B(又は分岐点61A,61B)から等距離に位置する直線である。
【0116】
図12は、分割領域64の一例を示した模式図である。図12の例では、最初の分岐点61fに対して分岐ルート63A(分岐点61A)が90°に位置し、分岐ルート63B(分岐点61B)が180°に位置するため、分割線66は135°と315°を通過する直線である。すなわち、図12における分割領域64Aは315°≦0°≦135°の範囲であり、分割領域64Bは135°≦180°≦315°である。なお、全ての分岐ルート63、分岐点61及び到達点62は、分割領域64A,64Bの何れかに含まれる。
【0117】
また、分割線66上の到達点62は、一例として、当該到達点62に至る最初の分岐ルート63が含まれる分割領域64に含まれるものとする。図11の例では、最初の分岐ルート63Aを経由して到達点値が315°である到達点62Aは、分割領域64Aに含まれ、最初の分岐ルート63Bを経由して到達点値が315°である到達点62Lは、分割領域64Bに含まれる。
【0118】
図13は、最初の分岐ルート63A,63B(分岐点61A,61B)を経由する到達点62と分割領域64A,64Bとの関係を示した模式図である。
【0119】
図13(A)に示されるように分岐ルート63Aを経由する到達点62A~62Dは分割領域64Aに含まれる。一方、到達点62E,62Fは分岐ルート63Aを経由するものの分割領域64Aには含まれず、分割領域64Bに含まれる。同様に分岐ルート63Bを経由する到達点62I~62Lは、分割領域64Bに含まれる。一方、到達点62G,62Hは分岐ルート63Bを経由するものの分割領域64Bには含まれず、分割領域64Aに含まれる。このことは、ユーザが分岐ルート63Aを経由して到達点62E,62Fに至るルート43を選択する場合や分岐ルート63Bを経由して到達点62G,62Hに至るルート43を選択する場合に、ユーザはルート選択のタッチ操作に違和感を生じ、直感的な選択を行い難い可能性が生じる。
【0120】
そこで、本実施形態に係るコマ移動処理は、最初の分岐ルート63とこれを経由する到達点62とが異なる分割領域64に含まれる場合、最初の分岐ルート63が含まれる分割領域64に到達点62が含まれるように到達点値を補正する。
【0121】
図13(B)は、到達点62E~62Hの到達点値を補正した例を示す。分割領域64Aに含まれるように、到達点62Eの到達点値は161°から125°に補正され、到達点62Fの到達点値は180°から130°へ補正される。また、分割領域64Bに含まれるように、到達点62Gの到達点値は90°から140°へ補正され、到達点62Hの到達点値は108°から145°へ補正される。
【0122】
また、本実施形態に係る補正処理では、補正対象である到達点62の到達点値を、補正対象でない到達点62と分割線66との間となるように補正する。
【0123】
具体的には、図13(B)の例では補正対象である到達点62E,62Fが、補正対象でない到達点62Dと分割線66との間、すなわち116°から135°の範囲内(以下「補正範囲」という。)となるように補正される。このため、図13(B)の例では到達点62E,62Fの到達点値は、分割線66を基準に5°間隔(以下「補正間隔」という。)で125°と130°に補正される。
【0124】
なお、補正間隔は、補正対象でない到達点62と分割線66との間に含まれる補正対象である到達点62の数によって決定される。図13(B)の例では、補正対象でない到達点62Dと分割線66との間(補正範囲)である116°から135°の間に、補正対象である2つの到達点62E,62Fが含まれている。このため、一例として到達点62E,62Fの補正後の到達点値が補正範囲を越えない5°間隔とされる。
【0125】
また、到達点62G,62Hの到達点値の補正も同様であり、補正対象でない到達点62Iと分割線66との間である135°~153°が補正範囲である。そして、補正対象である到達点62G,62Hの到達点値は、補正範囲に含まれるように、分割線66から5°間隔で140°と145°に補正される。
【0126】
なお、補正間隔が設定されることなく、補正範囲内において等間隔で補正対象の到達点値が補正されてもよい。例えば、補正範囲が116°から135°であり、補正対象である到達点62が二つ存在する場合、この二つの到達点62の到達点値は122.3°と128.6°に補正される。
【0127】
そして、本実施形態に係るコマ移動処理は、ユーザが画面14をタッチした基準位置46Aと移動位置46Bとを結ぶ二点間直線46Cと基準線65とのなす角度(以下「引張角度」という。)、すなわち矢印UI44の向く角度である矢印UI44の引張角度に応じた到達点値により示される到達点62を特定し、当該到達点62に至るルート43を画面14に表示させる。より具体的には、コマ移動処理は、矢印UI44の引張角度を含む角度範囲に対応する到達点値を導出し、この到達点値により示される到達点62に至るルート43を画面14に表示させる。
【0128】
このように、本実施形態に係るコマ移動処理は、到達点値を示す補正された角度に基づいて、ルート43毎に角度範囲を設定し、画面14へのユーザの指の接触状態と角度範囲とに基づいて、到達点を特定する。これにより、コマ移動処理は、ユーザが選択しているルート43を簡易に特定できる。
【0129】
なお、角度範囲とは、各到達点62と隣接する他の到達点62との境を定めた範囲である。本実施形態に係る到達点62の角度範囲は、自身の到達点値を中心値として、隣接する他の到達点62の到達点値との中間値によって定められる。
【0130】
例えば、図14に示されるように、到達点62Bの到達点値は63°であり、隣接する到達点62A,62Cの到達点値は各々315°と90°である。このため、到達点62Bの角度範囲は、63°を中心値として、315°と63°との中間値である354°から63°と90°の中間値である76.5°の範囲となる。従って、矢印UI44の向きが354°から76.5°の場合、到達点62Bに至るルートが画面14に表示される。
【0131】
同様に、他の到達点62の角度範囲も定められる。なお、各到達点62の角度範囲は、他の到達点62の角度範囲と重なり合うことは無い。
【0132】
また、到達点62の角度範囲は、分割領域64を定める分割線66の角度を超えて定められない。このため、分割線66に隣接又は分割線66に重なる到達点62の角度範囲は、隣接する他の到達点値と分割線66の角度とによって定められる。例えば、図14に示されるように到達点62Aの到達点値は、315°であり分割線66の角度と同じである。このため、到達点62Aの角度範囲は、315°から354°となる。
【0133】
さらに、到達点62の角度範囲は所定の下限値以上とされる。到達点62の角度範囲に下限値が定められることで、狭い角度範囲でルート43が特定されることを抑制し、ユーザによるルート43の選択を容易にする。
下限値となった角度範囲に複数のルート43が含まれる場合、第1実施形態のように予め定められた優先度の高いルート43を画面14に表示し、ユーザが選択可能としてもよい。また、全ての到達点62の角度範囲が下限値以上となるように全て又は一部の到達点62の角度範囲が調整、換言すると到達点値が補正されてもよい。
【0134】
このように、本実施形態に係るコマ移動処理は、出発点60と到達点62とを結ぶ直線と所定の基準線65とのなす角度を到達点62の位置を示す到達点値とする。そして、コマ移動処理は、矢印UI44の向く角度に対応する到達点値により示される到達点62を特定し、この到達点62に至るルート43を画面14に表示させる。従って、コマ移動処理は、簡易な処理によって、矢印UI44に応じたルート43を画面14に表示させることができる。
【0135】
なお、到達点値が補正された到達点62の画面14における表示位置は、到達点値が補正されても変化しない。すなわち、補正後の到達点値は、ユーザが選択しているルート43の特定に用いられるものの、画面14の表示状態の変化には用いられない。これにより、到達点値の補正を行ってもスゴロクゲームの進行に影響を与えることはない。
【0136】
[2-3.コマ移動処理に関する機能ブロック]
図15は、本実施形態に係るコマ移動処理に関する機能ブロック図である。携帯端末10が備える主制御部24は、表示制御部50、ルート導出部51、タッチ位置特定部52、ルート決定部55、及び移動量決定部56と共に、領域分割部53B、到達点値補正部70、角度範囲設定部71、到達点特定部72、及びルート選択部54Bを備える。携帯端末10が備える各機能によって実行される処理は、補助記憶部28に記憶されているプログラムによって実現される。なお、表示制御部50、ルート導出部51、タッチ位置特定部52、ルート決定部55、及び移動量決定部56は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0137】
領域分割部53Bは、導出されたルート43における最初の分岐点61fから生じる複数の最初の分岐ルート63が各々異なる分割領域64となるように平面領域を分割する。
【0138】
到達点値補正部70は、最初の分岐ルート63とこの最初の分岐ルート63を経由する到達点62とが異なる分割領域64に含まれる場合、この到達点62を補正対象とする。そして、到達点値補正部70は、補正対象とする到達点62を示す到達点値を、この到達点62に至る最初の分岐ルート63を含む分割領域64に含まれるように補正する。
【0139】
角度範囲設定部71は、到達点62毎の角度範囲を設定する。
【0140】
到達点特定部72は、矢印UI44の引張角度に応じた到達点値により示される到達点を特定する。
【0141】
ルート選択部54Bは、到達点特定部72が特定した到達点62に至るルート43をユーザが選択しているルート43として特定する。
【0142】
[2-4.選択ルート特定処理のフローチャート]
図16は、携帯端末10が備える主制御部24によって実行される本実施形態に係る選択ルート特定処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態に係るコマ移動処理は、第1実施形態に係るコマ移動処理のステップS108を選択ルート特定処理に置き換えて実行される。
【0143】
まず、ステップS200では、導出されたルート43における最初の分岐点61fを領域分割部53Bが特定する。
【0144】
次のステップS202では、最初の分岐点61fから生じる複数の分岐ルート63が各々異なる領域となるように、領域分割部53Bが分割領域64を設定する。
【0145】
次のステップS204では、最初の分岐ルート63と異なる分割領域64に含まれ、補正対象となる到達点62が存在するか否かを到達点値補正部70が判定し、肯定判定の場合はステップS206へ移行する。一方、否定判定の場合はステップS208へ移行する。
【0146】
ステップS206では、補正対象となる到達点62の到達点値が最初の分岐ルート63と同じ分割領域64に含まれるように、補正対象となる到達点62の到達点値を到達点値補正部70が補正する。
【0147】
ステップS208では、到達点62毎の角度範囲を角度範囲設定部71が設定する。
【0148】
次のステップS210では、矢印UI44の引張角度に応じた角度範囲の到達点62を到達点特定部72が特定する。
【0149】
次のステップ212では、到達点特定部72が特定した到達点62に至るルート43を、ユーザが選択しているルート43としてルート選択部54Bが特定し、選択ルート特定処理を終了する。
【0150】
以上説明したように、本実施形態に係るコマ移動処理は、各ルート43における所定の分岐点61から生じる最初の分岐ルート63が各々異なる分割領域64となるように平面領域を分割する。そして、コマ移動処理は、最初の分岐ルート63とこの最初の分岐ルート63を経由する到達点62とが異なる分割領域64に含まれる場合、最初の分岐ルート63と到達点62とが同じ分割領域64に含まれるように、到達点62を示す到達点値を補正する。そして、ユーザがルート選択を行う場合、補正した到達点値が用いられる。従って、矢印UI44によるユーザのルート選択において、最初の分岐ルート63とこの最初の分岐ルート63を経由する到達点62を示す到達点値とが出発点60を基準にして同様の方向に位置することになる。これによりコマ移動処理は、ユーザにとって直感的なルート選択、すなわちユーザにとってより簡易なルート選択を可能とする。
【0151】
なお、本実施形態に係るルート43は、最初の分岐点61fと出発点60とが同じであるが、これは一例である。例えば図17に示されるように、出発点60と最初の分岐点61fとが異なる位置でもよい。
【0152】
また、本実施形態に係るコマ移動処理では、平面領域を分割する場合の基準となる所定の分岐点61を最初の分岐点61fとしたが、これに限られない。所定の分岐点61は、例えば出発点60から2つ目の分岐点61等とされてもよく、スゴロクゲームの運営者やユーザにより変更が可能とされてもよい。
【0153】
[3.他の実施形態]
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0154】
例えば、上記実施形態では、本発明をスゴロクゲームに適用する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、ナビゲーションシステム等に適用されてもよい。図18は、本発明をナビゲーションシステムに適用した場合の模式図であり、画面14に地図が表示され、ユーザは地図上の出発点(出発地80)から到達点(目的地81)までのルート43を矢印UI44を用いて選択する。この形態の場合、出発地80からの所定条件を満たすルートをルート導出部51が導出する。この所定条件は、地図上の出発地80から目的地81に至るために設定される条件であり、例えば、経由地や有料道路の選択の有無、電車の選択の有無等である。
【0155】
また、上記実施形態では、ユーザがルート43を選択するために矢印UI44を用いる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、2本以上の複数の指を画面14に接触させてルート43を選択する等、画面14への指示体の接触状態に応じたルート43が画面14に表示される手法であれば、他の形態であってもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、携帯端末10がコマ移動処理を実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末10とネットワークを介して接続されているサーバがコマ移動処理の一部又は全てを行う形態としてもよい。この形態の場合、例えば、サーバがルート43の導出を行う。そして、携帯端末10は、ユーザが画面14をタッチした基準位置46Aと移動位置46Bとをサーバへ送信する。サーバは受信した基準位置46Aと移動位置46Bとに応じた矢印UI44及びルート43を携帯端末10の画面14に表示するように制御信号を携帯端末10へ送信する。携帯端末10は、当該制御信号に基づいて画面14に矢印UI44及びルート43を画面14に表示させる。
【0157】
また、上記実施形態で説明した各処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0158】
10 携帯端末(情報処理装置)
14 画面(タッチパネルディスプレイ)
40 スゴロクゲーム盤画像(ゲーム盤画像)
41 コマ
42 マス
43 ルート(移動経路)
44 矢印UI(方向指示画像)
45 サイコロオブジェクト(オブジェクト)
47 分割領域
50 表示制御部(表示制御手段)
51 ルート導出部(移動経路導出手段)
53A 領域分割部(領域分割手段)
55 ルート決定部(移動経路決定手段)
56 移動量決定部(移動量決定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図18