(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/58 20190101AFI20220406BHJP
【FI】
G06F16/58
(21)【出願番号】P 2019210310
(22)【出願日】2019-11-21
(62)【分割の表示】P 2017008874の分割
【原出願日】2017-01-20
【審査請求日】2019-11-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】笠原 健治
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-278161(JP,A)
【文献】特開2007-133838(JP,A)
【文献】特開2005-301889(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0118694(US,A1)
【文献】特開2002-183099(JP,A)
【文献】特開2012-161083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の被写体に関連する1以上の画像と、第2の被写体に関連する1以上の画像を比較可能に表示する画面において、前記第1の被写体に関連する第1基準時から所定の経過時間後の期間に対応する対応経過期間に前記第1の被写体に関連する第1画像があり、現在を基準とした所定の判定期間に前記第2の被写体に関連する第2画像がない場合に、ユーザに報知する報知部を備え、
前記所定の経過時間は、前記第2の被写体に関連する第2基準時から現在までの時間であり、
前記報知部は、前記画面における前記第2画像に対応する位置に、カメラモードに切り替えるためのボタンを含む報知を行い、
前記ボタンからカメラモードに切り替えられた場合、前記第2画像の撮影の際に、前記第1画像を撮影画面上に表示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記報知部は、前記第1画像の画像情報に基づいた内容でユーザに報知を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像情報は、画像の撮像場所を含み、
前記報知部は、前記撮像場所がユーザの住所から近いものよりも遠いもののほうを優先して報知する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1の被写体に関連する1以上の画像と、第2の被写体に関連する1以上の画像を比較可能に表示する画面において、前記第1の被写体に関連する第1基準時から所定の経過時間後の期間に対応する対応経過期間に前記第1の被写体に関連する第1画像があり、現在を基準とした所定の判定期間に前記第2の被写体に関連する第2画像がない場合に、前記画面における前記第2画像に対応する位置に、カメラモードに切り替えるためのボタンを含む報知をユーザに報知する工程を有し、
前記ボタンからカメラモードに切り替えられた場合、前記第2画像の撮影の際に、コンピュータが前記第1画像を撮影画面上に表示する工程を有する、
前記所定の経過時間は、前記第2の被写体に関連する第2基準時から現在までの時間であり、
情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
情報処理装置が有するコンピュータに、
第1の被写体に関連する1以上の画像と
、第2の被写体に関連する1以上の画像を比較可能に表示する画面において、
前記第1の被写体に関連する第1基準時から所定の経過時間後の期間に対応する対応経過期間に前記第1の被写体に関連する第1画像があり、現在を基準とした所定の判定期間に
前記第2の被写体に関連する第2画像がない場合に、前記画面における前記第2画像に対応する位置に、カメラモードに切り替えるためのボタンを含む報知をユーザに報知させ、
前記ボタンからカメラモードに切り替えられた場合、前記第2画像の撮影の際に、前記第1画像を撮影画面上に表示させ、
前記所定の経過時間は、前記第2の被写体に関連する第2基準時から現在までの時間である、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラによって撮像された画像等をユーザが閲覧し易いように、ディスプレイに表示させる方法が多数開発されている。
【0003】
特許文献1には、被写体の年齢情報を用いて画像を表示させる方法が開示されている。特許文献1に開示されている年齢比較モードでは、画像ファイルを年齢区分で登録し、ユーザによって選択された年齢を先頭にして各画像ファイルのサムネイルを被写体の年齢に基づいた時系列で画像表示領域に表示する。画像表示領域は、複数の領域に分割されており、複数の被写体の間での同じ年齢の時の撮像画像を容易に比較することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている年齢比較モードは、比較して表示される画像が存在することが前提とされており、比較する画像がない場合を想定しているものではない。このため、ユーザは、過去に撮像した画像と比較するための画像を適切な時期に撮像する必要がある。しかしながら、比較するための画像を撮像する時期を逐一認識することはユーザにとって煩わしく、又その時期を失念しやすい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ユーザが取得したコンテンツと比較するための画像を新たに取得する時期をユーザに容易に認識させる、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムは以下の手段を採用する。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、コンテンツを管理する情報処理装置であって、予め定められた第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済みコンテンツと比較するために、予め定められた第2基準時を基準とした比較コンテンツの取得をユーザに促す報知の必要性を判定する判定手段と、前記判定手段が前記報知の必要があると判定した場合、前記比較コンテンツの取得を促す情報である比較コンテンツ情報をユーザに報知する報知手段と、を備える。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、第1基準時及び第2基準時の少なくとも何れかがユーザによって入力される入力ボックスを画像表示手段に表示させる画像表示制御手段を備え、前記画像表示制御手段は、前記第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済みコンテンツと比較するために、前記第2基準時を基準とした比較コンテンツの取得をユーザに促す情報である比較コンテンツ情報を前記画像表示手段に表示させる。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、コンテンツを管理する情報処理装置の制御方法であって、予め定められた第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済みコンテンツと比較するために、予め定められた第2基準時を基準とした比較コンテンツの取得をユーザに促す報知の必要性を判定する第1工程と、前記報知の必要があると判定した場合、前記比較コンテンツの取得を促す情報である比較コンテンツ情報をユーザに報知する第2工程と、を有する。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、コンテンツを管理する情報処理装置が有するコンピュータを、予め定められた第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済みコンテンツと比較するために、予め定められた第2基準時を基準とした比較コンテンツの取得をユーザに促す報知の必要性を判定する判定手段と、前記判定手段が前記報知の必要があると判定した場合、前記比較コンテンツの取得を促す情報である比較コンテンツ情報をユーザに報知する報知手段と、して機能させる。
【0012】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「情報処理装置の制御方法」が実行する処理ステップや「情報処理装置の制御プログラム」の機能に加えてもよい。
【0013】
前記判定手段は、前記第1基準時から前記取得済みコンテンツの取得時に至る第1経過時と前記第2基準時から現在時に至る第2経過時との比較結果が所定条件を満たした場合、前記報知の必要があると判定する。
【0014】
前記取得済みコンテンツに基づいて前記所定条件を設定する設定手段が備えられる。
【0015】
前記設定手段は、前記取得済みコンテンツに基づいて前記比較コンテンツを取得するための手間を判定し、手間に応じて前記所定条件を設定する。
【0016】
前記判定手段は、前記第2基準時から現在時に至る第2経過時を基準とした所定期間に対応する前記第1基準時からの経過期間内に前記取得済みコンテンツがある場合、前記報知の必要があると判定する。
【0017】
前記第1基準時を基準として前記取得済みコンテンツが管理される第1グループ及び前記第2基準時を基準として前記比較コンテンツが管理される第2グループが設定され、前記報知手段は、対応する前記比較コンテンツが前記第2グループに含まれない前記取得済みコンテンツの前記比較コンテンツ情報をユーザに報知する。
【0018】
前記報知手段は、対応する前記比較コンテンツが前記第2グループに含まれない前記取得済みコンテンツであっても、前記第2経過時が該取得済みコンテンツの前記第1経過時を超えて所定期間以上経過した場合には、前記比較コンテンツ情報をユーザに報知しない。
【0019】
前記取得済みコンテンツに基づいて前記比較コンテンツ情報を取得する取得手段が備えられる。
【0020】
前記取得手段は、前記取得済みコンテンツを解析することで前記比較コンテンツ情報を取得する。
【0021】
前記取得手段は、前記取得済みコンテンツに付加されているメタデータから前記比較コンテンツ情報を取得する。
【0022】
前記比較コンテンツを取得するタイミングで、前記比較コンテンツの取得を補助するための情報をユーザに報知する取得補助手段が備えられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザが取得したコンテンツと比較するための画像を新たに取得する時期をユーザに容易に認識させる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るタブレット端末の正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るタブレット端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る比較表示画像を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る画像グループに含まれる画像の撮像時期を時系列で示した模式図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る画像比較表示機能及びユーザ報知機能に関する機能ブロック図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る設定画像を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るタッチパネルディスプレイに表示される撮像推奨報知の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る補助画像を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るユーザ報知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る画像グループに含まれる画像の撮像時期を時系列で示した模式図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る画像比較表示機能及びユーザ報知機能に関する機能ブロック図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るユーザ報知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】本発明の他の実施形態を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、情報処理装置をタブレット端末10として説明する。
【0026】
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0027】
[1-1.タブレット端末の構成]
図1は本実施形態に係るタブレット端末10の正面図である。
【0028】
タブレット端末10の筐体12は、その正面12Aに、画面に画像を表示する画像表示手段であるタッチパネルディスプレイ14が備えられる。タッチパネルディスプレイ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。
【0029】
また、タブレット端末10の正面12Aには、音が入力されるマイクロフォン16、音を出力するスピーカ18、及び被写体を撮像(撮影)するカメラ20が備えられる。カメラ20は、筐体12の正面12Aだけでなく筐体12の背面にも備えられる。さらに、筐体12の側面12Bには、タブレット端末10を起動又は停止させるための操作ボタン22が備えられる。
【0030】
また、タブレット端末10の筐体12には、メモリカードが挿入されるスロットやUSB(Universal Serial Bus)端子等が備えられる。
【0031】
図2は、タブレット端末10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
タブレット端末10は、上記構成に加え、主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30を備える。
【0033】
主制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、タブレット端末10の全体の動作を制御する。
【0034】
主記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部24による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0035】
補助記憶部28は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部24の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部28に記憶されるプログラムは、例えば、タブレット端末10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating system)、各種ハードウェアを制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部28には、詳細を後述する本実施形態に係るユーザ報知処理を実行するためのプログラムが予め記憶されている。
【0036】
通信部30は、通信網に接続する機能を有し、例えば、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、並びにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0037】
これら主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30、タッチパネルディスプレイ14、マイクロフォン16、スピーカ18、カメラ20、及び操作ボタン22は、システムバス32を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部24は、主記憶部26及び補助記憶部28へのアクセス、タッチパネルディスプレイ14に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ14や操作ボタン22に対する操作状態の把握、マイクロフォン16への音の入力、スピーカ18からの音の出力、カメラ20に対する制御、及び通信部30を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0038】
[1-2.タブレット端末による画像管理]
本実施形態に係るタブレット端末10は、ユーザが取得したコンテンツを管理する。
【0039】
ここで、コンテンツとは、例えば、カメラ20等のデジタルカメラを用いて被写体を撮像することで得られた画像のデジタルデータ(以下「画像データ」ともいう。)である。画像は、静止画であっても動画であってもよいが、本実施形態では、一例として画像を静止画として説明する。なお、取得とは、デジタルカメラによって被写体を撮像して画像データを得ることをいうが、これに限らず、タブレット端末10が例えば通信網を介して画像データをダウンロードして得ることとしてもよい。
【0040】
管理とは、管理対象とされる画像データそのものを所定のフォルダに格納することであってもよいし、管理対象とされる画像に関連する情報(以下「管理画像情報」という。)をリスト化することであってもよい。なお、以下の説明では、管理画像情報を画像毎にリスト化したものを管理画像情報テーブルという。管理画像情報テーブルは、一例として、補助記憶部28に記憶される。
【0041】
管理画像情報とは、画像データに含まれる各種情報であり、例えばExif(Exchangeable image file format)等の画像データに付加されている付加情報から読み取れるメタデータであり、画像の撮像時期、緯度と経度で表される画像の撮像場所等である。また、詳細を後述する画像比較表示機能によって設定又は算出される第1基準時、第2基準時、第1経過時、及び第2経過時等の各種情報も管理画像情報とされる。また、画像を画像解析(画像認識)することで得られた結果を管理画像情報としてもよい。さらに、ユーザが任意に入力した情報を管理画像情報としてもよく、ユーザは管理画像情報を任意に修正、追加、又は削除等できる。
【0042】
本実施形態に係るタブレット端末10には、画像を管理する複数の画像グループが設定される。本実施形態に係るタブレット端末10は、異なる画像グループに含まれる画像をユーザが比較可能なようにタッチパネルディスプレイ14に表示する画像比較表示機能を有する。なお、画像比較表示機能を実現するプログラムを画像比較表示アプリともいう。画像比較表示アプリは、補助記憶部28に記憶されている。
【0043】
図3は、画像比較表示機能によってタッチパネルディスプレイ14に表示される比較表示画像34の一例を示す図である。本実施形態では、第1画像グループ40及び第2画像グループ42が設定されている。本実施形態では、一例として、第1画像グループ40をユーザの第1子に関連する画像41を管理するグループとし、第2画像グループ42をユーザの第2子に関連する画像43を管理するグループとする。そして、少なくとも第1画像グループ40で管理されている画像41に対応して、管理画像情報テーブルが生成される。
【0044】
なお、第1画像グループ40及び第2画像グループ42によって管理される画像の被写体は、兄弟や姉妹に限らず、親子、先輩と後輩、師匠と弟子、建築物、又は風景等、ユーザによって任意に選択されるものである。
【0045】
画像比較表示機能は、画像41及び画像43が取得(撮像)された時期に基づいて、時系列に沿って表示する。例えば、第1画像グループ40では画像41A、画像41B、画像41C、・・・の順、第2画像グループ42では画像43A、画像43B、画像43C、・・・の順に、撮像された時期が古い画像である。ユーザは、横方向に延伸されたスクロールバー35のツマミを横方向に移動させることでタッチパネルディスプレイ14に表示させる画像41,43を選択できる。
【0046】
第1画像グループ40に含まれる画像41Aと第2画像グループ42に含まれる画像43Aは、比較対象とされる画像であり、第1子及び第2子の誕生日からの経過日がほぼ同じ時期に撮像された画像である。また、同様に画像41Bと画像43Bとが比較対象とされる画像であり、画像41Cと画像43Cとが比較対象とされる画像である。そして、画像比較表示機能は、第1画像グループ40に含まれる画像41と第2画像グループ42に含まれる画像43とをユーザが比較して視認しやすいように、比較対象とされる画像41,43を上下に並べて表示する。
【0047】
なお、
図3に示される比較表示画像34は、一例であり、例えば比較対象とされる画像41,43を左右に並べて表示し、スクロールバー35を縦方向に配置する等、画像41,43に対して他の配置手法が用いられてもよい。
【0048】
画像比較表示機能は、例えば、詳細を後述する第1基準時及び第2基準時からの経過時が近い画像41と画像43とを、比較対象となる画像として特定する。なお、これに限らず、例えば、ユーザが画像41に対して比較対象とする画像43を任意に設定してもよい。具体的には、比較対象とする画像43に対して、ユーザが画像41に関連付けるフラグを立てることによって、比較対象となる画像が設定される。
【0049】
第1画像グループ40又は第2画像グループ42には、ユーザの操作によって又は自動的に、適宜、新たな画像が追加可能とされている。第1画像グループ40に新たな画像41が追加される毎に、追加された画像41に対応した管理画像情報が管理画像情報テーブルに追加される。
【0050】
[1-3.第1実施形態に係るユーザ報知機能]
図4は、第1画像グループ40に含まれる画像41の撮像時期、及び第2画像グループ42に含まれる画像43の撮像時期を時系列で示した模式図である。なお、以下の説明では、第1画像グループ40に含まれる画像41は、第2画像グループ42に含まれる画像43に対して先行して取得された画像であり、取得済み画像ともいい、第2画像グループ42に含まれる画像43を取得済み画像と比較するための比較画像ともいう。
【0051】
図4の例では、第1画像グループ40に含まれる画像41E,41F,41Gと比較するための画像43が第2画像グループ42に含まれていない。すなわち、第2画像グループ42における画像43E以降の画像は、未だ取得されていない画像であり、今後、画像41E等と比較するためにユーザが取得するべき比較画像である。
【0052】
そこで、本実施形態に係る画像比較表示機能は、取得済み画像と比較するための比較画像の取得をユーザに促す報知をする必要性を判定する。そして、画像比較表示機能は、この報知をする必要があると判定した場合、比較画像の取得を促す情報である比較画像情報をユーザに報知(以下「撮像推奨報知」という。)するユーザ報知機能を有する。
【0053】
以下、本実施形態に係るユーザ報知機能について説明する。なお、本実施形態のように、画像が複数の画像グループ(第1画像グループ40、第2画像グループ42)によって管理されている場合、ユーザ報知機能は、対応する比較画像が第2画像グループ42に含まれない取得済み画像に対応する比較画像情報をユーザに報知する。
【0054】
本実施形態に係るユーザ報知機能は、予め定められた第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済み画像と比較するために、予め定められた第2基準時を基準とした比較画像の取得をユーザに促す撮像推奨報知の必要性を判定する。なお、第2基準時は、第1基準時よりも後となる。そして、ユーザ報知機能は、撮像推奨報知の必要があると判定した場合、撮像推奨報知を行ってユーザに比較画像情報を報知する。
【0055】
ユーザ報知機能は、予め定められた第1基準時To1から取得済み画像の取得時Tgに至る第1経過時ΔT1と、予め定められた第2基準時To2から現在時Tnowに至る第2経過時ΔT2を算出する。より具体的には、下記(1)式及び(2)式に示すように、取得済み画像の取得時Tgと第1基準時To1との差が第1経過時ΔT1であり、現在時Tnowと第2基準時To2との差が第2経過時ΔT2である。換言すると、第1経過時ΔT1及び第2経過時ΔT2は、取得済み画像の取得時及び現在時をそれぞれの基準時で規格化した値である。
【0056】
Tg-To1=ΔT1 ・・・(1)
Tnow-To2=ΔT2 ・・・(2)
【0057】
第1基準時及び第2基準時は、一例として、第1画像グループ40及び第2画像グループ42に応じてユーザによって任意に設定される。本実施形態では、一例として、第1基準時を第1子の誕生日とし、第2基準時を第2子の誕生日とする。なお、第1基準時及び第2基準時の少なくとも一方は、予め定められた条件に基づいて自動的に設定されてもよい。例えば、予め定められた条件に基づいて、ユーザのSNS(Social Networking Service)等から第1基準時や第2基準時とする時が読み出され、それが自動的に設定されてもよい。また、取得済み画像の取得時(撮像時)は、例えば、取得済み画像に付加されているExifから読み出されるが、これに限らず、ユーザが設定してもよい。現在時は、例えば、タブレット端末10に内蔵されている時計機能から読み出される。なお、ここでいう「時」とは、必ずしも、年、月、日、時刻の全てを含む必要はなく、例えば、年、月、及び日のみ、年及び月のみ、又は時刻のみ、を含むものとしてもよい。また、時には週が含まれてもよい。
【0058】
そして、本実施形態に係るユーザ報知機能は、第1経過時と第2経過時との比較結果が所定条件(以下「比較画像取得条件」という。)を満たした場合、比較画像の取得をユーザに促す撮像推報知をする必要性があると判定する。
【0059】
より具体的には、ユーザ報知機能は、下記(3)式に示すように、第1経過時ΔT1と第2経過時ΔT2との比較結果として、第1経過時ΔT1から第2経過時ΔT2を減算した経過時差ΔT12を算出する。さらにユーザ報知機能は、下記(4)式に示すように、経過時差ΔT12が比較画像取得条件として報知タイミング値At以下になったか否かを判定する。報知タイミング値は、期間等で表され、例えば一月や一週間等であり、予め定められている。
【0060】
ΔT1-ΔT2=ΔT12 ・・・(3)
ΔT12≦At ・・・(4)
【0061】
そして、ユーザ報知機能は、(4)式で示される、経過時差が報知タイミング値以下になった場合に、比較画像取得条件を満たしたのでユーザに撮像推奨報知を行う。すなわち、経過時差が報知タイミング値以下となった場合は、第2経過時が第1経過時に近くなったことを示している。第2経過時が第1経過時に近くなった取得済み画像は、比較するための比較画像の取得(撮像)に適した時期が近付いているものであり、撮像推奨報知が行われることで、ユーザは比較画像の撮像の時期を認識できる。
【0062】
従って、本実施形態に係るユーザ報知機能を有するタブレット端末10は、ユーザが取得した画像と比較するための画像を新たに取得する時期をユーザに容易に認識させることができる。
【0063】
[1-4.第1実施形態に係る機能ブロック図]
図5は、本実施形態に係る画像比較表示機能及びユーザ報知機能に関する機能ブロック図である。主制御部24は、画像表示制御部50、画像比較表示処理部51を備える。主制御部24が備える各機能は、補助記憶部28に記憶されているプログラム(画像比較表示アプリ等)によって実現される。
【0064】
画像表示制御部50は、タッチパネルディスプレイ14に表示させる画像を示すデータをタッチパネルディスプレイ14に出力する。画像比較表示機能において、タッチパネルディスプレイ14に表示させる画像とは、例えば、
図3に示すような、取得済み画像と比較画像とをユーザが比較できるように並べた比較表示画像34、第1基準時及び第2基準時等の設定画面、及び撮像推奨報知を示した画像等である。なお、取得済み画像や比較画像は、主記憶部26又は補助記憶部28から読み出される。
【0065】
画像比較表示処理部51は、本実施形態に係る画像比較表示機能を実行する。画像比較表示処理部51は、画像グループ設定部52、画像比較配置部53、ユーザ報知処理部54、及び取得補助部55を備える。
【0066】
画像グループ設定部52は、
図6に示される設定画像70をタッチパネルディスプレイ14に表示する等して、第1基準時を基準として取得済み画像が管理される第1画像グループ40及び第2基準時を基準として比較画像が管理される第2画像グループ42を設定する。設定画像70は、例えば、ユーザが画像比較表示アプリを起動させて設定ボタンをタッチすることによって、タッチパネルディスプレイ14に表示される。
【0067】
設定画像70は、基準時の名称、第1画像グループ40及び第2画像グループ42の名称、並びに第1基準時及び第2基準時の入力を受け付ける入力ボックス71A~71Eを有する。ユーザは、タブレット端末10を操作することによって、入力ボックス71A~71Eに必要事項を入力する。なお、第1基準時及び第2基準時が入力される入力ボックス71D,71Eには、年、月、日、時、及び分の入力領域があるが、これらすべてに入力される必要はなく、一部、例えば、時及び分が入力されなくてもよい。
【0068】
図6に示される設定画像70は、一例であり、入力ボックス71A~71Eの全てを有する必要はなく、入力ボックス71A~71Eの一部のみを有してもよいし、これらに加え、他の情報の入力を受け付ける入力ボックスを有してもよい。例えば、画像グループ設定部52は、ユーザの住所や電話番号等の個人情報の入力を受け付けてもよいし、画像グループに関する各種情報の入力を受け付けてもよい。なお、画像グループ設定部52で設定された各種情報は、管理画像情報として管理画像情報テーブルに入力される。
【0069】
画像比較配置部53は、比較表示画像34で示されるように取得済み画像と比較画像をタッチパネルディスプレイ14に表示させる場合、取得済み画像と比較画像との比較をユーザが可能となる配置位置を示したデータを画像表示制御部50へ出力する。
【0070】
ユーザ報知処理部54は、本実施形態に係るユーザ報知機能を実行する。ユーザ報知処理部54は、第1経過時算出部61、第2経過時算出部62、報知判定部63、ユーザ報知部64、条件設定部65、及び比較画像情報取得部66を備える。
【0071】
第1経過時算出部61は、取得済み画像毎に第1経過時を算出する。なお、第1経過時算出部61は、新たな取得済み画像が第1画像グループ40に含まれた場合に、この取得済み画像に対応する第1経過時を算出して管理画像情報テーブルに入力する。
【0072】
第2経過時算出部62は、第2経過時を算出する。
【0073】
報知判定部63は、取得済み画像と比較するための比較画像の取得をユーザに促す撮像推奨報知の必要性を判定する。本実施形態に係る報知判定部63は、取得済み画像の第1経過時と第2経過時との比較結果が比較画像取得条件を満たした場合、この取得済み画像に対応する撮像推奨報知の必要性があると判定する。
【0074】
ユーザ報知部64は、報知判定部63が撮像推奨報知の必要があると判定した場合、比較画像情報をユーザに報知する撮像推奨報知を行う。なお、ユーザ報知部64は、対応する比較画像が第2画像グループ42に含まれない取得済み画像に対して撮像推奨報知をユーザに報知する一方、既に対応する比較画像が第2画像グループ42に含まれている取得済み画像に対しては撮像推奨報知を行わない。
【0075】
図7は、タッチパネルディスプレイ14に表示される撮像推奨報知の一例を示す図である。ユーザ報知部64は、撮像推奨報知の一例として、ユーザに対するメッセージ75を比較表示画像34に含んで表示するが、これに限らず、例えば、メッセージ75と同様の文章をユーザの電子メールに送信してもよいし、メッセージ75と同様の文章をOSの通知機能(通知領域、通知バー又はステータスバー)を用いてユーザに通知してもよいし、スピーカ18で音声出力してもよい。
【0076】
撮像推奨報知として報知されるメッセージ75は、一例として、比較画像が取得される対象となる取得済み画像の第1経過時と第2経過時との差である経過時差を含む。
図7の例では、“X日”が経過時差である。
【0077】
また、
図7の例では、ユーザ報知部64は、撮像推奨報知として報知する比較画像情報を、比較画像が取得される対象となる取得済み画像(画像41E)の表示そのものとしている。ユーザ報知部64は、比較表示画像34に含まれる、この取得済み画像(画像41E)を強調表示する。
【0078】
また、ユーザ報知部64は、対応する比較画像が第2画像グループ42に含まれない取得済み画像であっても、第2経過時が該取得済み画像の第1経過時を超えて所定期間以上経過した場合には、比較画像情報をユーザに報知しない。所定期間とは、予め設定されている時期、例えば1月であり、以下の説明では猶予期間という。すなわち、ユーザは、猶予期間を経過しても比較画像が取得されていない取得済み画像に対して、比較画像を取得する意思がないと考えられる。このため、ユーザ報知部64は、猶予期間が経過した後にはこの取得済み画像に対する撮像推奨報知を行わない。
【0079】
条件設定部65は、取得済み画像に基づいて比較画像取得条件を設定する。比較画像取得条件は、複数の取得済み画像に対して共通の条件が設定されてもよいし、取得済み画像毎に異なる条件が設定されてもよい。なお、本実施形態に係る条件設定部65は、報知タイミング値を変更する。報知タイミング値は、ユーザによって設定されてもよいし、自動的に設定されてもよい。
【0080】
ここで、取得済み画像毎に異なる報知タイミング値が自動的に設定される場合の一例について説明する。
【0081】
条件設定部65は、取得済み画像に基づいて比較画像を取得するための手間を判定し、手間に応じて比較画像条件を設定する。より具体的には、条件設定部65は、上記手間がかかるほど比較画像情報の報知の時期が早くなるように比較画像取得条件を設定する。比較画像条件の設定とは、例えば、報知タイミング値を増減させることである。手間は、換言すると、画像を取得するためのコスト(費用、労力、又は時間)である。なお、手間は、例えば、0~10までの間で数値として表される。1の場合は最も手間がかからず、10の場合が最も手間がかかるとされる。例えば、手間が5の場合には報知タイミングは増減されず、手間が4以下の場合には報知タイミング値が減少し、手間が6以上の場合には報知タイミング値が増加する。
【0082】
例えば、条件設定部65は、管理画像情報テーブルから取得済み画像の各種情報を読み取り、撮像場所が沖縄でありユーザの住所が東京であるように、取得済み画像の撮像場所がユーザの住所から遠い場合には、比較画像を取得するための費用や時間が高いために、手間がかかると判定し、報知タイミング値を大きくする。また、取得済み画像の被写体として例えば5人以上等、多数の人物が撮像されている場合には、人物を集める労力を必要とするため、手間がかかると判定し、報知タイミング値を大きくする。なお、取得済み画像に撮像されている人物の数は、例えば、画像解析により判別される。また、取得済み画像の管理画像情報として、比較画像を取得するための手間を示す数値をユーザが任意に設定してもよい。
【0083】
比較画像情報取得部66は、取得済み画像に基づいて比較画像情報を取得する。
【0084】
比較画像情報は、上述したように取得済み画像そのもの、取得済み画像を画像解析することで取得されるもの、又は取得済み画像に付加されているExif等のメタデータから取得されるものである。
【0085】
例えば、比較画像情報取得部66は、取得済み画像を画像解析することで、取得済み画像に含まれる物体(被写体)を比較画像情報として得る。この物体とは、主となる被写体、主となる被写体と一緒に映る人物、主となる被写体が人物の場合はこの人物が身に着けている装飾品や所持品等の情報、又は、被写体に建物や風景画含まれている場合には、その建物の情報や風景の場所である。なお、画像解析は、例えば、テンプレート画像と取得済み画像を画像マッチングすることである。
【0086】
また、比較画像情報取得部66は、取得済み画像のメタデータから、取得済み画像が撮像された環境として、取得済み画像が撮像された場所(緯度及び経度)、取得済み画像が撮像された期間(日時等)、取得済み画像が撮像されたイベントの情報、取得済み画像の撮像に使われた機器の情報や撮像条件(撮像モード、F値、シャッター速度、カメラが向いた方位、カメラの角度等)、取得済み画像のサイズや色数、取得済み画像の縦長又は横長を示す情報等を得る。
【0087】
なお、比較画像情報取得部66によって取得された比較画像情報は、取得済み画像毎の管理画像情報として管理画像情報テーブルに入力される。また、比較画像情報取得部66は、管理画像情報テーブルから管理画像情報を適宜読み取り、読み取った管理画像情報を比較画像情報として扱う。
【0088】
比較画像情報取得部66で取得された比較画像情報は、取得済み画像に対応する比較画像をユーザが撮像し易くするために、撮像推奨報知としてメッセージ75と共に、又はメッセージ75とは異なる態様(
図7に示される画像41Eに対する強調表示)で報知される。なお、比較画像情報として報知される情報は、予め設定されており、ユーザがその設定を変えることも可能とされている。
【0089】
取得補助部55は、比較画像を撮像するタイミングで、比較画像の撮像を補助するための情報(以下「取得補助情報」という。)をユーザに報知する。取得補助情報は、撮像推奨報知で報知される比較画像情報の一例である。本実施形態に係る取得補助部55は、取得補助情報として、対応する取得済み画像を画像表示制御部50を介してタッチパネルディスプレイ14に表示させる。
【0090】
例えば、
図7に示されるメッセージ75と共に表示されるモード切替ボタン76をユーザがタッチすることによって、タブレット端末10のモードがカメラ20を用いた撮像を行うカメラモードへ切り替わる。カメラモードでは、
図8に示されるように、カメラ20を用いて撮像される被写体を示す撮像画像77を、タッチパネルディスプレイ14に表示する。
【0091】
そして、モード切替ボタン76をユーザがタッチすることによってカメラモードに切り替わった場合、
図8に示されるようにタッチパネルディスプレイ14には、取得補助情報の一例として、撮像しようとする比較画像に対応する取得済み画像が補助画像78として縮小表示される。補助画像78は、一例として、タッチパネルディスプレイ14の片隅に表示される。ユーザは、補助画像78を確認しながら、被写体を取得済み画像と同様の構図とした比較画像を撮像できる。このようにして撮像された比較画像は、ユーザにとって取得済み画像と比較し易いものとなる。
【0092】
取得補助部55は、比較画像の撮像を補助するために、補助画像78を縮小表示させるだけでなく、他の表示を行ってもよい。例えば、補助画像78を半透明としてタッチパネルディスプレイ14全体に表示させてもよい。この場合、ユーザは、半透明とした補助画像78に重なるように被写体の構図を調整することで、被写体を取得済み画像と同様の構図とした比較画像を撮像できる。
【0093】
[1-5.第1実施形態に係るユーザ報知処理]
図9は、主制御部24によって実行されるユーザ報知機能による処理(以下「ユーザ報知処理」という。)の流れを示すフローチャートである。ユーザ報知処理を実行するためのプログラムは補助記憶部28の所定領域に予め記憶されている。ユーザ報知処理は、一例として、画像比較表示機能を実行する画像比較表示アプリの開始と共に開始する。すなわち、
図9の例では、画像比較表示アプリによって
図3又は
図7の画像をタッチパネルディスプレイ14に表示させる前に、ユーザ報知処理が行われる。
【0094】
まず、ステップ100では、第1画像グループ40に含まれる取得済み画像のうち、対応する比較画像がない取得済み画像(以下「報知対象画像」という。)の有無をユーザ報知処理部54が判定する。肯定判定の場合はステップ102へ移行し、否定判定の場合はユーザ報知処理を終了し、画像比較表示アプリが比較表示画像34をタッチパネルディスプレイ14に表示させる。なお、報知対象画像とされる取得済み画像は、例えば、第1経過時に近い第2経過時の比較画像がない取得済み画像、ユーザによって比較画像が設定されていない取得済み画像、関連付けるフラグが立てられた比較画像がない取得済み画像である。
【0095】
ステップ102では、第2経過時を第2経過時算出部62が算出する。
【0096】
次のステップ104では、報知対象画像に対応する経過時差を報知判定部63が算出する。
【0097】
次のステップ106では、報知対象画像に対応する経過時差が報知タイミング値以下であるか否かを報知判定部63が判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行する。否定判定の場合はユーザ報知処理を終了し、画像比較表示アプリが比較表示画像34をタッチパネルディスプレイ14に表示させる。なお、報知対象画像が複数ある場合、報知判定部63は、報知対象画像毎に経過時差を算出し、経過時が報知タイミング値以下であるか否かを判定する。
【0098】
ステップ108では、猶予期間が経過した報知対象画像があるか否かをユーザ報知部64が判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行し、否定判定の場合はステップ114へ移行する。
【0099】
ステップ110では、猶予期間が経過した報知対象画像をユーザ報知部64が撮像推奨報知の対象から除外する。
【0100】
ステップ112では、猶予期間が経過していない報知対象画像があるか否かをユーザ報知部64が判定し、肯定判定の場合はステップ114へ移行する。否定判定の場合はユーザ報知処理を終了し、画像比較表示アプリが比較表示画像34をタッチパネルディスプレイ14に表示させる。
【0101】
ステップ114では、報知対象画像の比較画像情報を比較画像情報取得部66が取得する。
【0102】
次のステップ116では、比較画像情報をユーザに報知する撮像推奨報知を、ユーザ報知部64が画像表示制御部50を介してタッチパネルディスプレイ14に表示する。一例として、本実施形態では、画像比較表示アプリが起動し、撮像推奨報知が比較表示画像34と共にタッチパネルディスプレイ14に表示される。なお、これに限らず、撮像推奨報知の存在を通知バーによって表示し、ユーザが通知バーをタッチすることで、撮像推奨報知の具体的な内容がタッチパネルディスプレイ14に表示されてもよい。
【0103】
以上説明したように、本実施形態に係るタブレット端末10は、第1基準時を基準とした期間内に取得された取得済み画像と比較するために、第2基準時を基準とした比較画像の取得をユーザに促す報知の必要性があると判定した場合、比較画像の取得を促す情報である比較画像情報をユーザに報知する。なお、本実施形態に係るタブレット端末10は、第1基準時から取得済み画像の取得時に至る第1経過時と第2基準時から現在時に至る第2経過時との差が比較画像取得条件を満たした場合、比較画像の取得をユーザに促す報知の必要性があると判定する。
【0104】
従って、本実施形態に係るタブレット端末10は、ユーザが取得した画像と比較するための画像を新たに取得する時期をユーザに容易に認識させることができる。
【0105】
[1-6.第1実施形態の変形例]
本実施形態では、第1経過時と第2経過時との比較結果として第1経過時から第2経過時を減算した経過時差を用いる形態について説明したが、これに限らず、第1経過時と第2経過時との比較結果として、第1経過時を第2経過時で除算して得られた値、換言すると、第1経過時に対する第2経過時の割合を用い、この割合が報知タイミング値以上となった場合に、ユーザに撮像推奨報知を行ってもよい。
【0106】
また、本実施形態では、第1画像グループから報知対象画像の有無を判定し、報知対象画像に対応する経過時差を算出する形態について説明したが、これに限らず、第1画像グループに含まれる取得済み画像の全てに対して経過時差を算出し、この経過時差が報知タイミング値以下であるか否を判定する形態としてもよい。
【0107】
[2.第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係るユーザ報知機能は、取得済み画像に対応する比較画像の有無に基づいて撮像推奨報知を行うが、本実施形態に係るユーザ報知機能は、比較画像の有無ではなく、取得済み画像の有無に基づいて撮像推奨報知を行う。
【0108】
なお、本実施形態に係るタブレット端末10の構成は、
図1,2に示す第1実施形態に係るタブレット端末10の構成と同様であるので説明を省略する。
【0109】
[2-1.第2実施形態に係るユーザ報知機能]
本実施形態に係るユーザ報知機能は、第2基準時から現在時に至る第2経過時を基準とした所定期間(以下「判定期間」という。)に対応する第1基準時からの経過期間(以下「対応経過期間」という。)内に取得済み画像があった場合、比較画像の取得をユーザに促す撮像推奨報知の必要性があると判定する。
【0110】
図10を参照して本実施形態に係る撮像推奨報知の必要性の判定について詳細に説明する。
図10に示されるように判定期間Xは、第2経過時ΔT
2を基準として所定値α,βを用いて下記(5)式で表される。所定値α,βは、予め定められた任意の値であり、変更可能とされている。所定値α,βは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお。下記(5)式における第2経過時ΔT
2は換言すると現在時T
nowである。
【0111】
X=ΔT2-α,ΔT2+β ・・・(5)
【0112】
一方、判定期間Xに対応する第1基準時からの対応経過期間Yは、下記(6)式で表される第1基準時To1と第2基準時To2との差である基準時差ΔTxを用いて下記(7)式で表される。
【0113】
To2-To1=ΔTx ・・・(6)
Y=Tnow-α-ΔTx,Tnow+β-ΔTx ・・・(7)
【0114】
本実施形態に係るユーザ報知機能は、対応経過期間Y内に取得済み画像があった場合、撮像推奨報知の必要性があると判定し、この取得済み画像(
図10の例では、画像41E)に対応する比較画像の取得を促す撮像推奨報知を行う。
【0115】
[2-2.第2実施形態に係る機能ブロック図]
図11は、本実施形態に係る画像比較表示機能及びユーザ報知機能に関する機能ブロック図である。なお、
図11における
図5と同一の構成部分については
図5と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0116】
基準時差算出部80は、第1基準時と第2基準時との差である基準時差を算出する。
【0117】
本実施形態に係る報知判定部63は、第2基準時から現在時に至る第2経過時を基準とした判定期間Xに対応する第1基準時からの対応経過期間Y内に取得済み画像があった場合、この取得済み画像に対応する撮像推奨報知の必要性があると判定する。
【0118】
[2-3.第2実施形態に係るユーザ報知処理]
図12は、本実施形態に係るユーザ報知処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図12における
図9と同一のステップについては
図9と同一の符号を付して、その説明を一部又は全部省略する。
【0119】
まず、ステップ200では、第2経過時を第2経過時算出部62が算出する。
【0120】
次のステップ202では、基準時差を基準時差算出部80が算出する。
【0121】
次のステップ204では、対応経過期間Y内に取得済み画像があるか否かを報知判定部63が判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行する。否定判定の場合はユーザ報知処理を終了し、画像比較表示機能が比較表示画像34をタッチパネルディスプレイ14に表示させる。
【0122】
なお、本実施形態に係るユーザ報知処理は、所定値α及び所定値βの少なくとも一方を適正に設定することにより、ステップ108からステップ112の処理を行わなくてもよい。
【0123】
以上説明したように、本実施形態に係るタブレット端末10は、第2基準時から現在時に至る第2経過時を基準とした判定期間に対応する第1基準時からの対応経過期間内に取得済み画像があった場合、撮像推奨報知の必要性があると判定し、比較画像の取得を促す情報である比較画像情報をユーザに報知する。
【0124】
従って、本実施形態に係るタブレット端末10は、ユーザが取得した画像と比較するための画像を新たに取得する時期をユーザに容易に認識させることができる。
【0125】
[3.他の実施形態]
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0126】
例えば、上記各実施形態では、ユーザ報知処理をタブレット端末10が実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、
図13に示されるように、タブレット端末10が通信網90を介してサーバ92等の他の情報処理装置と情報の送受信を行い、本実施形態に係る画像比較表示機能及びユーザ報知機能の一部又は全部をサーバ92が実行してもよい。この形態の場合、例えば、サーバ92は、第1画像グループ40に含まれる画像41、第2画像グループ42に含まれる画像43及び管理画像情報テーブルを記憶し、ユーザ報知処理を行い、タブレット端末10に画像比較表示機能及びユーザ報知機能を実行してもよいし、画像41,43を記憶せずに、管理画像情報テーブルを記憶し、画像比較表示機能及びユーザ報知機能を実行してもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、本発明に係る情報処理装置をタブレット端末10とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、情報処理装置をノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータやスマートフォン等の携帯電話端末とする形態としてもよい。また、上記実施形態では、タッチパネルディスプレイ14を画像表示手段としたが、これに限らず、タッチパネルを備えないディスプレイを画像表示手段としてもよい。
【0128】
また、上記各実施形態では、本実施形態に係るユーザ報知処理を実行するためのプログラムを補助記憶部28に予め記憶させる形態について説明したが、これに限られず、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用することができる。
【0129】
また、上記実施形態では、画像を管理するグループを第1画像グループ及び第2画像グループの2つとしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像を管理するグループが3つ以上あってもよい。この形態の場合、各グループでは基準時が異なり、何れかのグループで管理されている画像を取得済み画像とし、他のグループで管理されている画像を比較画像とする。例えば、第1子の画像を第1画像グループで管理し、第2子の画像を第2画像グループで管理し、第3子の画像を第3画像グループで管理する。この場合、第1画像グループで管理されている画像は、第2画像グループ又は第3画像グループで管理されている画像に対して取得済み画像となる。また、第2画像グループで管理されている画像は、第1画像グループで管理されている画像に対して比較画像となり、第3画像グループで管理されている画像に対して取得済み画像となる。また、第3画像グループで管理されている画像は、第1画像グループ又は第2画像グループで管理されている画像に対して比較画像となる。
【0130】
また、上記実施形態では、本発明に係るコンテンツをデジタルカメラで撮像された画像とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、コンテンツを例えばデジタル化された音やテキスト文章とする形態としてもよい。テキスト文章は、例えば、日付けと関連付けられるものであり、例えば、ブログ記事、SNS投稿、メールマガジン等である。
【0131】
また、デジタルデータにかかわらず、コンテンツを例えば書画や楽譜等としてもよい。この形態の場合、タブレット端末10は、書画や楽譜に関連する情報がリスト化されたテーブルデータによって書画や楽譜を管理する。
【0132】
また、上記実施形態では、撮像推奨報知をメッセージ75や補助画像78として、タッチパネルディスプレイ14に表示する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、撮像推奨報知を音によって報知してもよい。例えば、本発明に係るコンテンツをデジタル化された音とする形態では、撮像推奨報知を楽譜としてタッチパネルディスプレイ14に表示すると共に、スピーカ18から音を出力してもよい。
【0133】
また、上記各実施形態で説明したユーザ報知処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0134】
例えば、上記実施形態では、ユーザ報知処理を画像比較表示アプリの開始と共に開始する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像比較表示アプリの開始に関係なく、ユーザ報知処理が実行されてもよい。例えば、ユーザ報知処理が1日に1回等のように定期的に実行され、ユーザ報知処理が撮像推奨報知の必要があると判定した場合に、メールやOSの通知機能を用いて撮像推奨報知を行ってもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 タブレット端末(情報処理装置)
14 タッチパネルディスプレイ(画像表示手段)
20 カメラ(撮像手段)
50 画像表示制御部(画像表示制御手段)
55 取得補助部(取得補助手段)
63 報知判定部(判定手段)
64 ユーザ報知部(報知手段)
65 条件設定部(設定手段)
66 比較画像情報取得部(取得手段)