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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】三味線
(51)【国際特許分類】
   G10D 1/00 20200101AFI20220406BHJP
   G10D 3/02 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
G10D1/00
G10D3/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017208627
(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019074725
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】591274668
【氏名又は名称】株式会社セベル・ピコ
(72)【発明者】
【氏名】二宮 朝保
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-066489(JP,A)
【文献】特開平08-234728(JP,A)
【文献】特開平08-123405(JP,A)
【文献】特開2004-334136(JP,A)
【文献】特開2016-166989(JP,A)
【文献】特開平07-295557(JP,A)
【文献】実開昭55-152583(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0046636(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10D 1/00
G10D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部胴110と外部胴120を備え、
前記内部胴110が前記外部胴120の内部に具設されており、
前記内部胴110の外壁と前記外部胴120の内壁との間に中空空間150が形成されており、
前記内部胴110の経口111と前記外部胴120の経口121それぞれ固着された状態で表皮140が備えられている
ことを特徴とする三味線。
【請求項2】
前記表皮140における前記中空空間150の上部領域の全部または一部において、
ホール部190が設けられている
ことを特徴とする請求項に記載の三味線。
【請求項3】
前記内部胴110は、中空の略円柱形状または中空の略四角柱形状である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の三味線。
【請求項4】
前記外部胴120の周壁122に、少なくとも一つの貫通部125が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の三味線。
【請求項5】
前記貫通部125の内部に、音発生部材180が取り付けられている
ことを特徴とする請求項に記載の三味線。
【請求項6】
前記内部胴110と前記外部胴120との間に、介在部材160が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の三味線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三味線に関するものである。
【背景技術】
【0002】
胴の周壁に彫刻を加えることで三味線の意匠性を向上させる試みが行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の三味線の胴に意匠性を加えるには、胴の周壁の厚みにより彫刻など多様な装飾や異質な胴機能を施すことの出来る領域が制限されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、内部胴110と外部胴120を備え、前記内部胴110が前記外部胴120の内部に具設されており、前記内部胴110の外壁と前記外部胴120の内壁との間に中空空間150が形成されていることを特徴とする三味線を提供する。
【0006】
前記内部胴110の経口111に固着された状態で表皮140が備えられていることが好ましい。また、前記外部胴120の経口121に固着された状態で表皮140が備えられていることが好ましい。
【0007】
前記表皮140における前記中空空間150の上部領域の全部または一部において、ホール部190が設けられていることが好ましい。
【0008】
前記内部胴110は中空の略円柱形状であることが好ましい。また、前記内部胴110は中空の略四角柱形状であることも好ましい。
【0009】
前記外部胴120の周壁122に、少なくとも一つの貫通部125が形成されていることが好ましい。
【0010】
前記内部胴110と前記外部胴120との間に、介在部材160が設けられていることが好ましい。
【0011】
前記貫通部125の内部に、音発生部材180が取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
外部胴120において、彫刻を施せる領域が拡大して、装飾の自由度を高めることが出来る。また、外部胴120によって、内部胴110の周壁112が損傷しないように保護される。言い換えれば、外部胴120が内部胴110の保護カバーの役割をする。
【0013】
外部胴の周壁に、各種の音発生部材180(鈴・鐘・ベル・木琴など)を取り付けることによって、複合的な音響を楽しむことが出来る。
【0014】
周壁122に彫刻した彫りが深くなり貫通部125が生じた場合でも、内部胴110に固着された表皮140の響きの横漏れを防ぐことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は三味線100の一部を省略した斜視図であり、図2は三味線100の正面断面図であり、図3は内部胴110の斜視図であり、図4は外部胴120の斜視図である。
【0016】
図示した図では、三味線100の内部胴110と外部胴120を中心に表しており、天神、糸、糸巻き等を省略しているが、通常使用される部材が具備されている三味線を想定している。
【0017】
図示しているように、内部胴110および外部胴120は、中木131を介して棹130と接合している。
【0018】
内部胴110は上面に経口111を有し、周壁112には角孔113と丸孔114が形成されており、表皮140は経口111と糊付けされて固着されている。
図1図3図7図11の上方にAA波線を示したが、AA波線よりも下方においては、見やすさを考慮して表皮140を省略してある。
【0019】
外部胴120は上面に経口121を有し、周壁122には角孔123と丸孔124が形成されている。
角孔113と角孔123は中木131の根元部が挿通可能な大きさを有し、丸孔114と丸孔124は中木131の先端部が挿通可能な大きさを有している。
外部胴120の底辺には、サウンドホール126が形成されており、サウンドホール126は、胴内部での響きを外部へ放射させる役割を有している。
【0020】
外部胴120の周壁122を利用して、様々に造形することが可能であり、例えば、彫刻を施すことも可能であり、彫り物によって貫通部125が生じたとしても、本発明による三味線では、内部胴110の周壁112によって、貫通部125から音が外部へ放射されることを防ぐことが出来る。
【0021】
内部胴110の外壁と外部胴120の内壁との間に、中空空間150が形成されており、中空空間150を活用して、装飾可能な領域を拡大させることが出来る。
【0022】
図示した例では外部胴120の周壁122には、複数個の貫通部125が形成されているが、この貫通部125は、小さい孔でも、大きい孔でも、多種多様な形状であっても、本発明を構成することが可能である。
【0023】
図5は変形例100Aの一部を省略した斜視図であり、図6図5の正面断面図である。図示しているように、内部胴110と外部胴120との間に介在部材160が設けられている。介在部材160は中木131を挿通させる貫通孔を有している。複数個の介在部材160を内部胴110と外部胴120の間に設けることが可能である。
【0024】
介在部材160によって、内部胴110の振動が外部胴120に直接的に伝達されないため、内部胴110の中での響きを向上させることが可能である。
内部胴110の底部に、裏皮141を取り付けることも可能であり、表皮140と裏皮141によって閉じられた空間が形成され、音響効果を向上させることが可能である。
【0025】
図7は変形例100Bの一部を省略した斜視図である。図示しているように、外部胴120の経口121に波型の形状になっている。このように外部胴120において上辺をさらに有効活用させることで、意匠の向上を図ることが可能である。
【0026】
図8は変形例100Cの一部を省略した斜視図である。図示しているように、貫通部125の内部に棒状部材170が備えられており、棒状部材170にビーズ等の装飾体175が飾られている。
【0027】
図9は変形例100Dの一部を省略した斜視図である。図示しているように、貫通部125の内部に鈴180Aが取り付けられている。
【0028】
鈴のみならず、ベル・鐘などの音発生部材を取り付けることが可能であり、三味線を揺らすことで、音発生部材180に応じて各種の音を楽しむことが出来る。
【0029】
図10は変形例100Eの一部を省略した斜視図である。図示しているように、貫通部125に棒状部材170が備えられており、棒状部材170に木琴180Bが取り付けられている。バチや棒などでこの部分をたたくと、その音色を楽しむことが出来る。
【0030】
図11は変形例100Fの一部を省略した斜視図である。
図1図10までの内部胴110は中空の略円柱形状であったが、図11以降で示す内部胴110は中空の略四角柱形状である。
【0031】
内部胴110が中空の略四角柱形状であると、中空の略円柱形状に比べて、内部胴110内部の容積を拡張させることが可能である。一般的に内部胴110の容積が大きいほど、表皮140の振動を伝える音響特性が高まる為、音響の向上に繋げることが出来る。
また、略円柱形状よりも略四角柱形状の方が加工しやすく製造コストの軽減に繋げることが出来る。
【0032】
図12は変形例100Gの一部を省略した斜視図である。
図示しているように、内部胴110の対角線が、中木131と略平行になるように配置されている。言い換えれば、内部胴110の対角線と外部胴120の対角線を結ぶ侠角が約45度の状態で内部胴110と外部胴120が配置されている。
【0033】
<表皮の位相>
図8図12で示す例では、表皮140は、外部胴120の経口121と糊付けされて固着されている。言い換えれば、図1図7のように、表皮140を内部胴110の経口111に糊付けすることも可能であり、図8図12のように、表皮140を外部胴120の経口121に糊付けすることも可能である。
【0034】
表皮140が外部胴120の経口121に固着されていることで、内部胴110の外壁と外部胴120の内壁の間に形成された中空空間150の上部においても表皮140が延びており、この部分を棒やバチ等で叩くと、図1図7の表皮140とは異なる音を生み出すことが出来る。音のバリエーションをさらに拡げることが可能である。
勿論、表皮140を外部胴120の経口121のみならず、内部胴110の経口111にも糊付けさせることも可能である。
【0035】
図9図12においては、中空空間150の上部領域において表皮140にホール部190が設けられている。
図9で示す例では、中空空間150とほぼ同じ面積においてホール部190が形成されており、図10で示す例では、略円形のホール部190が形成されている。
【0036】
図11で示す例では、内部胴110の外壁のコーナーと外部胴120の内壁のコーナーに沿ってホール部190が形成されており、図12で示す例では、外部胴120の四隅において2個ずつホール部190が形成されている。
【0037】
ホール部190が形状は、丸、楕円、四角、三角、多角形など様々な形状が可能である。このホール部190を表皮140に設けることで、三味線100の意匠性・装飾性の向上に繋げることが可能であり、ホール部190の位相・大きさの違いによる音響の変化を楽しむことも可能である。
【0038】
本発明における「固着」とは、糊・ボンドなどの接着材を用いて接着すること、ネジ・釘・画鋲・金具などを用いて固定することを意味する。言い換えれば、経口111・経口121は、表皮140を接合(固着)させる役割を有している。
【0039】
<素材>
表皮140の素材として、天然皮、人工皮、紙、薄板などを利用することが可能であり、内部胴110・介在部材160・棒状部材170の素材として、天然皮、金属、木材、プラスチック、合成樹脂、セラミック、陶器、ゴムなどを利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】三味線100の一部を省略した斜視図である。
図2図1の正面断面図である。
図3】内部胴110の斜視図(隠れ線付き)である。
図4】外部胴120の斜視図(隠れ線付き)である。
図5】変形例100Aの一部を省略した斜視図である。
図6図5の正面断面図である。
図7】変形例100Bの一部を省略した斜視図である。
図8】変形例100Cの一部を省略した斜視図である。
図9】変形例100Dの一部を省略した斜視図である。
図10】変形例100Eの一部を省略した斜視図である。
図11】変形例100Fの一部を省略した斜視図である。
図12】変形例100Gの一部を省略した斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
100 三味線、 110 内部胴、 111 経口、 112 周壁
113 角孔、 114 丸孔、 120 外部胴、 121 経口
122 周壁、 123 角孔、 124 丸孔、 125 貫通部
126 サウンドホール
130 棹、 131 中木
140 表皮、 141 裏皮、 150 中空空間、 160 介在部材
170 棒状部材、175 装飾体
180 音発生部材(180A:鈴 180B:木琴)
190 ホール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12