(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315Z
(21)【出願番号】P 2017246726
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2019-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 英明
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129630(JP,A)
【文献】特開2017-185149(JP,A)
【文献】特開2016-140489(JP,A)
【文献】特開2011-250965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別図柄が変動を開始し、当否判定結果を示す態様で停止するまでが一連の報知演出として設定された遊技機であって、
表示装置と、
前記表示装置に表示される画像を制御する手段であって、未だ対応する報知演出が開始されていない当否判定情報の存在を示す保留画像、対応する報知演出は開始されているものの、当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報の存在を示す当該変動画像、および前記保留画像および前記当該変動画像の背景として表示される背景画像を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記保留画像は対応する当否判定結果の報知が完了する順である消化順に応じた消化順位置に、前記当該変動画像は所定位置に表示されるものであり、
前記背景画像には、複数種の基本的態様が設定されており、
前記保留画像には、前記背景画像の複数種の基本的態様の少なくとも一部のそれぞれに対応した
、当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆するものではない複数種の基本的態様が設定されており、
先の当否判定結果を報知する報知演出が終了し、それに続く後の当否判定結果を報知する報知演出が開始される変動開始前後で前記背景画像の基本的態様が変化する背景変化が発生する
とき、
前記消化順が繰り上がることに応じた前記消化順位置に移動する前記保留画像の基本的態様は
、前記背景画像の基本的態様の変化に合わせて
前記変動開始前後で変化するものの、
前記変動開始後に前記後の当否判定結果に対応する前記当該変動画像として前記所定位置に表示される後の当該変動画像の基本的態様が、前記変動開始前に前記先の当否判定結果に対応する前記当該変動画像として前記所定位置に表示されていた先の当該変動画像の基本的態様と同じになり、前記変動開始前後で変化しない場合がある
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「保留」の態様について、種々のバリエーションを設定した遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、保留画像を用いて遊技の趣向性向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、表示装置と、前記表示装置に表示される画像を制御する手段であって、当否判定情報の存在を示す保留画像、および当該保留画像の背景として表示される背景画像を制御する表示制御手段と、を備え、前記背景画像には、複数種の基本的態様が設定されており、前記保留画像には、前記背景画像の複数種の基本的態様の少なくとも一部のそれぞれに対応した複数種の基本的態様が設定されており、前記背景画像の基本的態様が変化する背景変化が発生することで、前記保留画像の基本的態様が当該背景画像の基本的態様の変化に合わせて変化する場合があることを特徴とする。
【0006】
前記背景変化の発生時に前記保留画像の基本的態様が変化する場合、当該背景変化の前後において当該保留画像が表示される位置が変化しないようにしてもよい。
【0007】
前記保留画像の複数種の基本的態様のそれぞれについて、通常画像、および対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する特殊画像が設定されており、前記背景変化の発生時に前記保留画像の基本的態様が変化する際、当該基本的態様の変化とともに、通常画像から特殊画像への変化が発生する場合があるとよい。
【0008】
前記背景画像の基本的態様として設定された第一態様と第二態様のそれぞれに対応づけられた前記保留画像の基本的態様は同じであり、前記背景画像の基本的態様が前記第一態様および前記第二態様の一方から他方に変化する場合には、前記保留画像の基本的態様は変化しないようにするとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる遊技機によれば、保留画像を用いて遊技の趣向性向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】表示装置の表示領域に表示される識別図柄と保留画像を示した図である。
【
図3】保留画像の基本的態様および保留画像の種類(具体的態様)の一覧を示した図である。
【
図4】背景画像の基本的態様と保留画像の基本的態様の対応関係を示した図である。
【
図5】背景変化演出の発生に伴い保留画像の基本的態様が変化する演出の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0012】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0013】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0014】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0015】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0016】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0017】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80(
図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
【0018】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0019】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留画像10が、表示装置91の表示領域911に表示される(
図2参照)。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留画像10が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。より具体的には、保留消化順が一番目、二番目、三番目、四番目である保留画像10は、それぞれL1、L2、L3、L4として示した表示位置に表示される。本実施形態における保留画像10は「静止画」であるが、その態様が経時的に変化する「動画」であってもよい。なお、特に明示する場合を除き、以下の説明における画像は、「静止画」と「動画」の両方を含むものとする。
【0020】
本実施形態では、保留画像10について、複数種の基本的態様が設定されている。各基本的態様は、共通する概念(モチーフ等)によって設定されたものである。本実施形態では、第一基本的態様(以下、第一基本保留態様11と称することもある)、第二基本的態様(以下、第二基本保留態様12と称することもある)および第三基本的態様(以下、第三基本保留態様13と称することもある)の三種類が設定されている。本実施形態においては、第一基本保留態様11は外形が「丸」であり、第二基本保留態様12は外形が「四角」であり、第三基本保留態様13は外形が「三角」である(
図3(a)参照)。つまり、各基本的態様は、その「外形」が共通するものである。各基本的態様の差は、遊技者が区別可能なものであればどのようなものであってもよい。基本的には、基本的態様の違いが、信頼度(当否判定結果が大当たりとなる蓋然性のことをいう。以下同じ)に与える影響はない。ただし、詳細を後述するように、基本的態様の変化は、背景画像20の変化によって生じ得るものであるところ、当該背景画像20の変化が信頼度を高める演出(いわゆるチャンスアップ)として設定されている場合には、結果的に基本的態様の変化が信頼度の上昇につながるものとなる。
【0021】
保留画像10の具体的態様について説明する。当該具体的態様は、基本的態様とは異なり、信頼度を示唆するものをいう。かかる具体的態様として、各基本的態様(第一基本保留態様11~第三基本保留態様13)のそれぞれについて、一または複数種の通常画像と、一または複数種の特殊画像が設定されている。本実施形態では、保留画像10を構成する一要素である「色」により、具体的態様が区別できるようにされている。具体的態様を区別する要素(本実施形態では「色」)は、基本的態様を区別する要素(本実施形態では「外形」)と異なっていればどのようなものであってもよい。本実施形態では、通常画像は「白」、特殊画像甲は「青」、特殊画像乙は「緑」、特殊画像丙は「赤」とされている(通常画像は一種類、特殊画像は三種類である)(
図3(b)参照)。例えば、第一基本保留態様11の通常画像は、外形が丸である白の画像である。第二基本保留態様12の特殊画像乙は、外形が四角である緑の画像である。なお、各図においては、当該「色」を文字で表している。また、第一基本保留態様11~第三基本保留態様13の通常画像を第一通常画像11n~第三通常画像13nと、第一基本保留態様11~第三基本保留態様13の特殊画像甲を、第一特殊画像甲11a~第三特殊画像甲13aと、第一基本保留態様11~第三基本保留態様13の特殊画像乙を、第一特殊画像乙11b~第三特殊画像乙13bと、第一基本保留態様11~第三基本保留態様13の特殊画像丙を、第一特殊画像丙11c~第三特殊画像丙13cとする。通常画像や特殊画像の種類の数は適宜増減することができるが、各基本保留態様について設定される通常画像および特殊画像の種類の数は同じであることが好ましい。
【0022】
信頼度は、通常画像(最も低い)、特殊画像甲、特殊画像乙、特殊画像丙(最も高い)の順で高くなる。また、上述したように、本実施形態では、保留画像10の基本的態様の差は信頼度に影響を及ぼさない。つまり、本実施形態では、保留画像10の具体的態様である「色」が信頼度を示すということになる。
【0023】
本実施形態における保留画像10の基本的態様や具体的態様の種類はあくまで一例であって、その種類の数等は適宜増減可能である。
【0024】
上記識別図柄80や保留画像10の後方には背景画像20が表示される。表示装置91の表示領域911に表示される画像は、複数のレイヤが重ね合されたものが出力される。背景画像20は、識別図柄80を表示するレイヤや保留画像10を表示するレイヤとは異なるレイヤであって、これらのレイヤよりも後方に位置するものとされる。つまり、識別図柄80や保留画像10が表示されている部分はそれにより背景画像20の一部が覆い隠されるかのような表示態様となる。
【0025】
本実施形態では、背景画像20の種類として複数種の基本的態様が設定されている。本実施形態では、少なくとも三種類の基本的態様が設定されている。つまり、背景画像20の基本的態様の数は、保留画像10の基本的態様の数以上とされている。本実施形態では、第一基本背景態様21~第三基本背景態様23という基本的態様が設定されている。各基本的態様の具体的な形態等はどのようなものであってもよい。本実施形態では、天気が「晴れ」であることを示すような背景画像20を第一基本背景態様21と、「曇り」であることを示すような背景画像20を第二基本背景態様22と、「雨」であることを示すような背景画像20を第三基本背景態様23としている(
図4参照)。
【0026】
背景画像20の各基本的態様は、上記保留画像10の各基本的態様に対応づけられている。具体的には、第一基本背景態様21は第一基本保留態様11に、第二基本背景態様22は第二基本保留態様12に、第三基本背景態様23は第三基本保留態様13にそれぞれ対応づけられている(
図4参照)。
【0027】
背景変化演出について説明する。背景変化演出は、上記背景画像20の基本的態様が変化するものである。背景変化が発生する契機(トリガー)はどのようなものであってもよいから詳細な説明を省略する。本実施形態では、当否判定結果の報知が完了したとき(保留が一つ消化されたとき)に背景変化が発生する可能性があるように設定されている。
【0028】
保留画像10の基本的態様は、そのときに設定されている背景画像20に依存する。つまり、保留画像10の基本的態様は、設定されている背景画像20の基本的態様に対応するものとされる。背景画像20の基本的態様が第一基本背景態様21であるときには、保留画像10の基本的態様は第一基本保留態様11に、背景画像20の基本的態様が第二基本背景態様22であるときには、保留画像10の基本的態様は第二基本保留態様12に、背景画像20の基本的態様が第三基本背景態様23であるときには、保留画像10の基本的態様は第三基本保留態様13にされる。つまり、本実施形態では、背景変化演出が発生した場合、それに合わせて保留画像10の基本的態様が変化することになる(
図5参照)。全ての種類の背景画像20の基本的態様に対し、異なる種類の保留画像10の基本的態様が設定された構成とすれば、背景変化演出の発生は、必ず保留画像10の基本的態様の変化を招くものとなる。
【0029】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、背景画像20の変化に伴って保留画像10の基本的態様が変化する、すなわち背景画像20と保留画像10がリンクするものであるため、遊技の趣向性を向上させることが可能である。各保留画像10の基本的態様のモチーフを背景画像20に合わせる等すれば、背景画像20と保留画像10の繋がりがより深まるため、背景画像20が変化したことが分かりやすくなる。
【0030】
背景変化演出の発生時において保留画像10の基本的態様が変化する場合であっても、各保留画像10が表示される位置は変化しない。本実施形態では、表示領域911の下側縁に沿うようにして、当否判定を実行するための数値が取得された順、いわゆる(保留)消化順に並ぶように保留画像10が表示される(消化順が早いものから順に左から並ぶよう表示される)。消化順が一番目~四番目のそれぞれの保留画像10が表示される位置は予め決まっており、保留が消化される度に一つずつ左にずれていく。かかる保留画像10の表示位置(消化順が一番目~四番目のそれぞれに対応する位置L1~L4(
図2参照))は、保留画像10の基本的態様が変化した場合であっても変化しない(
図4、
図5参照)。したがって、保留画像10の基本的態様が変化することにより、遊技者が保留の状況(保留の数等)を誤って認識してしまうこと等の発生を抑制することが可能となる。
【0031】
なお、本実施形態における背景変化演出は、ある当否判定結果の報知が完了し、新たな当否判定結果の報知が開始されることを契機として、すなわち保留が一つ消化されたことを契機として発生することがある。したがって、背景変化演出を契機として保留画像10の数が一つ減少し、各保留画像10の消化順が一つずつ繰り上がることになるが、このような繰り上がり等、いわゆる「消化順」が変化することによる位置の変化を、上記保留画像10が表示される位置の変化というものではない。
【0032】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0033】
○第一具体例
上記実施形態における保留画像10は、未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(保留情報)の存在を示すものであることを説明したが、当否判定結果を報知する演出が開始されている(識別図柄80の変動が開始されている)ものの、当否判定結果の報知が完了していない(識別図柄80が当否を示す組み合わせで停止していない)ものを示すいわゆる「当該変動保留」を示す保留画像10(当該変動画像19)を含めた保留画像10について、上記実施形態と同様の技術思想を適用してもよい。
【0034】
当該変動保留を示す当該変動画像19は、他の保留画像10(通常保留画像10と称することもある)と同じ態様であってもよいが、区別できるようにしておくことが好ましい。本実施形態では、当該変動画像19が、通常保留画像10と基本的態様が異なるものとされる。そして、通常保留画像10と同様に、当該変動画像19についても、各背景画像20のそれぞれに対応する基本的態様が設定されたものとする。具体的には、当該変動画像19について設定された複数種の基本的態様のそれぞれは、通常保留画像10について設定された複数種の基本的態様のそれぞれとは異なる態様とされる。例えば、当該変動画像19の基本的態様(第一当該変動態様191、第二当該変動態様192、第三当該変動態様193)を、通常保留画像10の基本的態様(第一基本保留態様11、第二基本保留態様12、第三基本保留態様13)とは外形の大きさが異なる相似形状とすることが考えられる(
図6参照)。このような構成とすることにより、背景変化演出が発生したときには、通常保留画像10の基本的態様が変化するとともに、当該変動画像19の基本的態様も変化することになる。
【0035】
○第二具体例(第一具体例を変形した例)
背景変化演出を契機として、当該変動画像19の基本的態様は変化しない場合があるものとする。つまり、背景変化演出が発生したときには、通常保留画像10の基本的態様は変化するものの、当該変動画像19の基本的態様は変化しない場合があるものとする。例えば、
図7に示すように、当該変動画像19の基本的態様を一種類のみ(
図7に示す例では当該変動画像19の形態(外形)は「ダイヤ」形状の外形を呈するものとしている)とすれば、背景画像20の変化が発生したときにはそれに合わせて通常保留画像10の基本的態様は変化するものの、当該変動画像19の基本的態様は変化しない構成となる。また、例えば、ある背景画像20とそれとは別の背景画像20に対応する当該変動画像19の基本的態様を同じにすれば、当該ある背景画像20と別の背景画像20の一方から他方への変化が発生したときにはそれに合わせて通常保留画像10の基本的態様は変化するものの、当該変動画像19の基本的態様は変化しない構成となる。
【0036】
○第三具体例
背景変化演出の発生時には、全ての保留画像10の基本的態様が変化するとともに、一部の保留画像10(対象の保留画像10)の具体的態様が変化しうる構成とする。具体的には、対象の保留画像10の具体的態様が通常画像から特殊画像となるように変化し、当該対象の保留画像10に対応する当否判定結果の信頼度が高まったことが示される場合がある構成とする。例えば、
図8に示すように、基本的態様が第一基本保留態様11から第二基本保留態様12に変化するとき、対象の保留画像10の態様が第一通常画像11nから第二特殊画像甲12a、第二特殊画像乙12b、第二特殊画像丙12cのいずれかに変化する場合がある構成(
図8に示した例は、第二特殊画像乙12bに変化する例である)とする。このような構成とすれば、背景画像20の変化に伴って、全ての保留画像10の基本的態様が変化するだけでなく、一部の保留画像10の具体的態様が変化しうるという面白みのある遊技性を実現することが可能となる。また、保留画像10の基本的態様の変化によって具体的態様の変化に気づきにくくなるから、いつの間にか信頼度が高まる方向に保留画像10が変化していたことに遊技者が気付くといった演出形態を実現することが可能となる。
【0037】
なお、背景変化演出の発生時に、対象の保留画像10の具体的態様が、特殊画像から特殊画像に変化(信頼度が高まる方向へ変化)することがあってもよい。本実施形態における特殊画像の種類でいえば、特殊画像甲または特殊画像乙から、特殊画像乙または特殊画像丙に変化することがあってもよい。ただし、この場合は、背景変化演出前から既に対象の保留画像10は特殊画像であったということであり、遊技者は特殊画像に注目しているであろうから、いつの間にか信頼度が高まる方向に保留画像10が変化していたことに遊技者が気付くという効果にはあまり期待できないといえる。
【0038】
○第四具体例
背景変化演出が発生した場合であっても、保留画像10の基本的態様が変化しないことがある構成とする。例えば、第一基本背景態様21には第一基本保留態様11が対応づけられているものの、第二基本背景態様22(本発明における第一態様に相当する)および第三基本背景態様23(本発明における第二態様に相当する)の両方には第二基本保留態様12が対応づけられた設定とする(
図9参照)。つまり、背景画像20の基本的態様として設定された少なくとも二つの態様のそれぞれに対応づけられた保留画像10の基本的態様が同じであるとする。この場合、背景画像20の基本的態様が第二基本背景態様22および第三基本背景態様23の一方から他方に変化した場合であっても、保留画像10の基本的態様は第二基本保留態様12で変わることがない。なお、例えば、背景画像20の基本的態様が第一基本背景態様21および第二基本背景態様22の一方から他方に変化した場合には、保留画像10の基本的態様は変化することになる。
【0039】
以上のように、本例のような設定とすれば、背景変化演出の発生時に保留画像10の基本的態様が変化することもあれば、変化しないこともある構成となる。このようにすることで、背景変化が発生したときには必ず保留画像10の基本的態様が変化することにはならないから、基本的態様が変化するか否かということに対する遊技者の注目の度合が高まることとなる。
【0040】
○第五具体例
上記実施形態では、各背景画像20の基本的態様と各保留画像10の基本的態様が対応関係にあることを説明したが、この関係が崩れる可能性がある構成とする。例えば、背景画像20が第一基本背景態様21に設定されているときに、保留画像10が第二基本保留態様12に設定されうる構成とする(
図10参照)。そして、このように、表示される背景画像20の基本的態様に対応づけられたものではない基本的態様の保留画像10が表示された場合には、遊技者に有利な事象が発生することが確定するようにする。例えば、大当たりとなることが確定するようにすることが考えられる。
【0041】
○第六具体例
ある当否判定結果の報知が完了したこと(報知演出の完了)を契機としてではなく、ある当否判定結果が報知されている最中(報知演出の最中)に限り、背景変化演出が発生するようにする(
図11参照)。保留画像10の基本的態様は、背景画像20の基本的態様の変化に合わせて変化しうるものであるから、保留画像10の基本的態様の変化は、報知演出の最中に変化することになる。報知演出の完了時に保留画像10の基本的態様の変化が発生しうる構成とする場合には、報知演出の完了によりその前後で保留画像10が一つ減少する(消化される)ことになる。一方、報知演出の最中に保留画像10の基本的態様の変化が発生しうる構成とする場合には、その前後で保留画像10の増減が発生しない(保留画像10の基本的態様が変化するタイミングと新たな保留情報が取得されたタイミングが一致する場合を除く)ことになる。つまり、保留画像10の数が維持されたまま当該保留画像10の基本的態様が変化することになるため、当該基本的態様の変化が分かりやすいものとなる。また、各保留画像10が表示される位置が変化しないということも分かりやすい。
【0042】
○第七具体例
上記実施形態では、背景変化演出の発生時において保留画像10の基本的態様が変化する場合であっても、各保留画像10が表示される位置は変化しないことを説明したが、各保留画像10が表示される位置が変化するように構成してもよい。具体的には、保留画像10の基本的態様のそれぞれについて各保留画像10が表示される位置(消化順に応じた位置)が設定され、当該位置は基本的態様毎に異なるものとする。例えば、第一基本保留態様11は表示領域911の左側、第二基本保留態様12は表示領域911の右側、第三基本保留態様13は表示領域911の中央に表示されるといった設定とする(
図12参照)。このようにすることで、背景変化演出が発生した場合には、保留画像10が表示される位置が変化することになるため、場面が変化したということを分かりやすくすることが可能となる。
【0043】
複数の基本的態様のうちの一部である二以上の基本的態様について保留画像10が表示される位置が同じであり、それとは別の基本的態様とは表示される位置が異なるように設定されていてもよい。つまり、背景変化演出に伴って保留画像10の基本的態様が変化したときに、その表示位置が変化する場合と、変化しない場合が発生するようにしてもよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0045】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0046】
・手段1
表示装置と、
前記表示装置に表示される画像を制御する手段であって、当否判定情報の存在を示す保留画像、および当該保留画像の背景として表示される背景画像を制御する表示制御手段と、
を備え、
前記背景画像には、複数種の基本的態様が設定されており、
前記保留画像には、前記背景画像の複数種の基本的態様の少なくとも一部のそれぞれに対応した複数種の基本的態様が設定されており、
前記背景画像の基本的態様が変化する背景変化が発生することで、前記保留画像の基本的態様が当該背景画像の基本的態様の変化に合わせて変化する場合があることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、背景画像の変化に応じて保留画像の基本的態様が変化するという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0047】
・手段2
前記背景変化の発生時に前記保留画像の基本的態様が変化する場合、当該背景変化の前後において当該保留画像が表示される位置が変化しないことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このように、保留画像の基本的態様が変化する場合であっても、保留画像が表示される位置が変化しないようにすれば、保留の状況(数等)について遊技者が混乱してしまうことが防止される。
【0048】
・手段3
前記保留画像の複数種の基本的態様のそれぞれについて、通常画像、および対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する特殊画像が設定されており、
前記背景変化の発生時に前記保留画像の基本的態様が変化する際、当該基本的態様の変化とともに、通常画像から特殊画像への変化が発生する場合があることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このような構成とすれば、背景変化に伴って、保留画像の基本的態様が変化するとともにいわゆる信頼度の向上を示す保留画像の変化が発生するという面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
【0049】
・手段4
前記背景画像の基本的態様として設定された第一態様と第二態様のそれぞれに対応づけられた前記保留画像の基本的態様は同じであり、
前記背景画像の基本的態様が前記第一態様および前記第二態様の一方から他方に変化する場合には、前記保留画像の基本的態様は変化しないことを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このように、背景変化が発生したとしても、保留画像の基本的態様の変化が発生しないようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 遊技機
10 保留画像(通常保留画像)
11~13 第一基本保留態様~第三基本保留態様(保留画像の基本的態様)
11n~13n 第一通常画像~第三通常画像
11a~13a 第一特殊画像甲~第三特殊画像甲
11b~13b 第一特殊画像乙~第三特殊画像乙
11c~13c 第一特殊画像丙~第三特殊画像丙
20 背景画像
21~23 第一基本背景態様~第三基本背景態様(背景画像の基本的態様)
91 表示装置
911 表示領域