(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A63F7/02 317
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2019013397
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】河邉 法広
(72)【発明者】
【氏名】山室 雅義
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-087603(JP,A)
【文献】特開2005-169017(JP,A)
【文献】特開2016-042925(JP,A)
【文献】特開2014-117456(JP,A)
【文献】特開2006-042992(JP,A)
【文献】特開2002-325906(JP,A)
【文献】特開2002-018007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機であって、
所定の入賞空間への遊技球の入球を可能な状態と困難な状態とに切替可能な羽根部材と、
前記入賞空間に配置され、前記遊技球の通過によって大当たり遊技を
決定するための特定入球口と、
前記入賞空間内において前記特定入球口の下流側に配置され、前記遊技球の通過によってそれぞれ
前記大当たり
遊技における異なるラウンド数が決定される複数の特定領域と、
前記入賞空間内において前記特定入球口の下流側に配置され、前記特定入球口に複数の前記遊技球が通過した場合、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする
ように前記遊技球を誘導する誘導手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内側に入賞空間を有する可変入賞装置を備え、可変入賞装置の羽根を開放することによって入賞空間へと遊技球を入りやすくする、いわゆる羽根物と呼ばれる第2種の遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。このような遊技機において、入賞空間に、遊技球の通過によって大当たり遊技を発生させるための特定入球口(V入賞口)と、特定入球口通過後の遊技球を用いて大当たり時のラウンド数を決定するための複数の特定領域と、を設けることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、複数の遊技球が連続して特定入球口を通過した場合、賞球の払出には、複数の特定領域において最初に決定されたラウンド数が採用される。第2種の遊技機では、遊技者にとってより有利なラウンド数の特定領域は、遊技者にとってより不利なラウンド数の特定領域と比較して特定入球口から遠方に設けられることが多い。このため、複数の遊技球が連続して特定入球口を通過した場合、下位ラウンドへの入賞が先行してしまうことが多く、この結果、遊技の興趣を低下させるという課題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
遊技機であって、
所定の入賞空間への遊技球の入球を可能な状態と困難な状態とに切替可能な羽根部材と、
前記入賞空間に配置され、前記遊技球の通過によって大当たり遊技を決定するための特定入球口と、
前記入賞空間内において前記特定入球口の下流側に配置され、前記遊技球の通過によってそれぞれ前記大当たり遊技における異なるラウンド数が決定される複数の特定領域と、
前記入賞空間内において前記特定入球口の下流側に配置され、前記特定入球口に複数の前記遊技球が通過した場合、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくするように前記遊技球を誘導する誘導手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態としての遊技機の正面図である。
【
図2】遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】遊技手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】誘導手段の他の例について説明する図である。
【
図6】第2実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図7】第3実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図8】第3実施形態の誘導手段の他の例について説明する図である。
【
図9】第4実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図10】第5実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図11】第5実施形態の誘導手段の他の例について説明する図である。
【
図12】第6実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図13】第6実施形態の誘導手段の他の例について説明する図である。
【
図14】第7実施形態の誘導手段の一例について説明する図である。
【
図16】第8実施形態の遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図17】第8実施形態の遊技手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0019】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠10と、遊技機枠10の内側に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠10は、前枠(前枠部)15のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。前枠15は、外枠及び内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、枠ランプ66と、スピーカ67と、を備えている。前枠15の中央の開口には、透明のガラス板が取付けられている。遊技者は、このガラス板を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。
【0020】
ハンドル60は、前枠15の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿61は、前枠15の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿62は、打球供給皿61の下方に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。枠ランプ66は、前枠15の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出を行う。スピーカ67は、前枠15の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出を行う。なお、遊技機枠10は、さらに図示しない演出ボタンや演出レバーを備えていてもよい。
【0021】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、可変入賞装置(可変入賞口装置、可変入賞球装置)5と、第1始動口21と、第2始動口22と、アウト口23と、を備えている。遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。
【0022】
可変入賞装置5は、遊技者に有利な大当たり遊技を発生させるための役物である。可変入賞装置5は、枠6と、特定入球口31と、羽根部材32と、変更手段(誘導手段)33と、第1特定領域41と、第2特定領域42と、第3特定領域43と、第4特定領域44と、を備えている。
【0023】
枠6は、可変入賞装置5の内外を区画する。枠6の内側の領域を、入賞空間30とも呼ぶ。枠6の上方の略中央部には開口が形成され、開口の両端には羽根部材32が配置されている。羽根部材32は、一対の羽根の開閉動作により、可変入賞装置5の内部(すなわち入賞空間30)への遊技球の受け入れを許容または阻害する。羽根部材32は、羽根部材ソレノイド151(
図2)により駆動される。
【0024】
特定入球口(V入賞口)31は、可変入賞装置5の内部(入賞空間30)において、羽根部材32の下方に配置されており、羽根部材32が開状態のとき遊技球が入球可能となる。特定入球口31への遊技球の通過は、第1~第4特定領域41~44でのラウンド抽選の契機となっている。言い換えれば、特定入球口31は、大当たり遊技を発生させるために用いられる。特定入球口31は、特定入球口31に配置され、特定入球口31への遊技球の通過を検知する特定入球口センサ123(
図2)を含む。
【0025】
振分部材331は、特定入球口31を通過した遊技球を、第1~第3特定領域41~43と、第4特定領域44と、のいずれかに振り分ける。振分部材331は、中心を支点として左右に傾斜することが可能な板状の部材であり、振分部材ソレノイド152(
図2)により駆動される。振分部材331は、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合に、遊技者にとってより有利な大当たり時のラウンド数を得られやすくする誘導手段33、及び、入賞空間30内において遊技球の方向を変更する変更手段として機能する。
【0026】
第1~第3特定領域41~43は、それぞれ、可変入賞装置5の内部(入賞空間30)において、特定入球口31の下流側であって、特定入球口31の中心O(
図1:一点鎖線)よりも右側に配置されており、特定入球口31を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1特定領域41への遊技球の通過(入賞)により、ラウンド数16の大当たり(16R大当たり)が決定する。同様に、第2特定領域42への遊技球の通過により、ラウンド数7の大当たり(7R大当たり)が決定し、第3特定領域43への遊技球の通過により、ラウンド数3の大当たり(3R大当たり)が決定する。なお、第1~第3特定領域41~43には、例えば、特定入球口31から右側に流れた遊技球を、第1~第3特定領域41~43のいずれか1つに振り分けるラウンド抽選用構造物が設けられている。第1特定領域41は、第1特定領域41に配置されて、第1特定領域41への遊技球の通過を検知する第1特定領域センサ124(
図2)を含む。同様に、第2特定領域42は、第2特定領域42に配置されて、第2特定領域42への遊技球の通過を検知する第2特定領域センサ125(
図2)を含み、第3特定領域43は、第3特定領域43に配置されて、第3特定領域43への遊技球の通過を検知する第3特定領域センサ126(
図2)を含む。
【0027】
第4特定領域44は、可変入賞装置5の内部(入賞空間30)において、特定入球口31の下流側であって、特定入球口31の中心O(
図1:一点鎖線)よりも左側に配置されており、特定入球口31を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第4特定領域44への遊技球の通過(入賞)により、ラウンド数16の大当たり(16R大当たり)が決定する。第4特定領域44は、第4特定領域44に配置されて、第4特定領域44への遊技球の通過を検知する第4特定領域センサ127(
図2)を含む。
【0028】
第1始動口21は、可変入賞装置5の外部(入賞空間30外)において、可変入賞装置5の下側の左右にそれぞれ設けられている。第1始動口21への遊技球の通過により、羽根部材32が所定回数(例えば1回)開閉する。第1始動口21は、第1始動口21に配置されて、第1始動口21への遊技球の通過を検知する第1始動口センサ121(
図2)を含む。第2始動口22は、可変入賞装置5の外部(入賞空間30外)において、可変入賞装置5の下側の中央に設けられている。第2始動口22への遊技球の通過により、羽根部材32が所定回数(例えば2回)開閉する。第2始動口22は、第2始動口22に配置されて、第2始動口22への遊技球の通過を検知する第2始動口センサ122(
図2)を含む。アウト口23は、遊技領域3の最下部に設けられており、遊技球を遊技領域3の外へ排出する。
【0029】
2.遊技機の電気的構成
図2は、遊技機1の電気的な構成を示すブロック図である。
図2の上段には主制御基板側の電気的な構成を、下段にはサブ制御基板側の電気的な構成を、それぞれ表す。遊技機1は、主制御基板100と、サブ制御基板200と、中継基板120と、払出制御基板130と、ランプ制御基板220と、音声制御基板230とを備えている。主制御基板100は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板であり、中継基板120、払出制御基板130と共にメイン制御部を構成する。サブ制御基板200は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板であり、ランプ制御基板220、音声制御基板230と共にサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板200を備えていればよい。
【0030】
主制御基板100は、遊技制御用マイコン110と、入出力回路111とを備えている。遊技制御用マイコン110は、主制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン110は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROMと、ワークメモリとして使用されるメインRAMと、メインROMに記憶されているプログラムを実行するメインCPUとを含んでいる。メインROMは外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン110は、入出力回路(I/Oポート部)111を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路111は、遊技制御用マイコン110に内蔵されていてもよい。
【0031】
主制御基板100には、入出力回路111及び中継基板120を介して、各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板100は、各センサから出力された信号が入力すると共に、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板120を介して接続されるセンサ類としては、第1始動口センサ121、第2始動口センサ122、特定入球口センサ123、第1特定領域センサ124、第2特定領域センサ125、第3特定領域センサ126、及び、第4特定領域センサ127が例示される。中継基板120を介して接続されるソレノイド類としては、羽根部材ソレノイド151、及び、振分部材ソレノイド152が例示される。
【0032】
第1始動口センサ121は、第1始動口21の内部に設けられ、第1始動口21を通過した遊技球を検出する。第2始動口センサ122は、第2始動口22の内部に設けられ、第2始動口22を通過した遊技球を検出する。特定入球口センサ123は、特定入球口31の内部に設けられ、特定入球口31を通過した遊技球を検出する。第1特定領域センサ124は、第1特定領域41の内部に設けられ、第1特定領域41を通過した遊技球を検出する。第2特定領域センサ125は、第2特定領域42の内部に設けられ、第2特定領域42を通過した遊技球を検出する。第3特定領域センサ126は、第3特定領域43の内部に設けられ、第3特定領域43を通過した遊技球を検出する。第4特定領域センサ127は、第4特定領域44の内部に設けられ、第4特定領域44を通過した遊技球を検出する。羽根部材ソレノイド151は、羽根部材32を駆動する。振分部材ソレノイド152は、誘導手段33としての振分部材331を駆動する。
【0033】
主制御基板100には、入出力回路111を介して払出制御基板130が接続されている。主制御基板100は、払出制御基板130に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板130から信号を受信する。払出制御基板130には、貸球払出装置131と、カードユニット132と、発射装置133と、賞球払出装置134とが接続されている。なお、発射装置133は、図示しない発射制御回路を介して接続されていてもよい。
【0034】
貸球払出装置131は、貸球の払い出しを行う。この際、払出制御基板130は、遊技機1に接続されたカードユニット132からの信号に基づいて、貸球払出装置131の貸球モータを駆動して貸球の払い出しを行う。払い出される貸球は、計数のために貸球センサによって検知される。カードユニット132は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。発射装置133は、遊技者によるハンドル60(
図1)の操作があった場合に、タッチスイッチによってハンドル60の接触を検知し、発射ボリュームによってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリュームの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータを駆動する。賞球払出装置134は、賞球の払い出しを行う。この際、払出制御基板130は、遊技制御用マイコン110からの信号に基づいて、賞球払出装置134の賞球モータを駆動して賞球の払い出しを行う。払い出される賞球は、計数のために賞球センサによって検知される。
【0035】
主制御基板100には、入出力回路111を介してサブ制御基板200が接続されている。主制御基板100は、サブ制御基板200に対して各種コマンドを送信する。主制御基板100とサブ制御基板200との接続は、主制御基板100からサブ制御基板200への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板200との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0036】
サブ制御基板200は、演出制御用マイコン210と、入出力回路211とを備えている。演出制御用マイコン210は、サブ制御基板200に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン210は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROMと、ワークメモリとして使用されるサブRAMと、サブROMに記憶されているプログラムを実行するサブCPUとを含んでいる。サブROMは外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン210は、入出力回路(I/Oポート部)211を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路211は、演出制御用マイコン210に内蔵されていてもよい。サブ制御基板200には、入出力回路211を介して、ランプ制御基板220と、音声制御基板230とが接続されている。
【0037】
ランプ制御基板220には、枠ランプ66と、ラウンドランプ221とが接続されている。演出制御用マイコン210は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板220を介して枠ランプ66、及び、ラウンドランプ221に含まれるランプの点灯制御を行う。つまり、演出制御用マイコン210は、枠ランプ66、及び、ラウンドランプ221の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従ってこれらのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板200のサブROMに格納されているデータが用いられる。なお、ランプ制御基板220は、CPUを実装して当該CPUにコマンドに基づく点灯制御を実行させてもよく、ROMを実装して当該ROMに発光パターンデータを格納してもよい。
【0038】
音声制御基板230には、スピーカ67が接続されている。演出制御用マイコン210は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板230を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板200のサブROMに格納されている。なお、音声制御基板230は、CPUを実装して当該CPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよく、ROMを実装して当該ROMに音響データを格納してもよい。
【0039】
3.遊技手順及び誘導手段の動作の説明
図3は、遊技手順の一例を示すフローチャートである。通常遊技中において、第1始動口21または第2始動口22への遊技球の通過を検出した場合、遊技制御用マイコン110は、羽根部材32を所定回数(例えば1回または2回)開放する。羽根部材32を通過した遊技球の少なくとも一部分は、羽根部材32の下方に配置された特定入球口31へと入球する。
図3のステップS10において、遊技制御用マイコン110は、特定入球口31を第1の遊技球が通過したか否かを判定する。この判定は、中継基板120を介して接続された特定入球口センサ123からの検出信号により判定できる。第1の遊技球が通過していない場合(ステップS10:NO)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS10に遷移させ、特定入球口31への遊技球の入球を監視する。一方、第1の遊技球が通過した場合(ステップS10:YES)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS12に遷移させる。
【0040】
図4は、誘導手段33の一例について説明する図である。
図4(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30を例示している。
図4(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30を例示している。本実施形態の誘導手段33は、特定入球口31を通過した遊技球を、第1~第3特定領域41~43と、第4特定領域44と、のいずれかに振り分ける振分部材331を備えている。振分部材331は、
図4(A)に示す第1姿勢と、
図4(B)に示す第2姿勢と、の間で姿勢変化が可能に構成されている。第1姿勢の振分部材331は、中心に設けられた支点331Fを中心に右方向に傾斜することによって、特定入球口31の中心O(一点鎖線)から相対的に右側の第1の方向D1に遊技球を誘導する。振分部材331は、
図4(B)において黒矢印で示す反時計回りに回転することで、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。第2姿勢の振分部材331は、中心に設けられた支点331Fを中心に左方向に傾斜することによって、特定入球口31の中心Oから相対的に左側の第2の方向D2に遊技球を誘導する。振分部材331の初期状態は、
図4(A)に示す第1姿勢である。
【0041】
ここで、特定入球口31の中心Oから相対的に右側の第1の方向D1には、第1~第3特定領域41~43が配置されており、後述の通り、第1の方向D1に進んだ遊技球は、その後、第1~第3特定領域41~43によって大当たり時のラウンド数(16R大当たり、7R大当たり、3R大当たり)が決定される。一方、特定入球口31の中心Oから相対的に左側の第2の方向D2には、第4特定領域44が配置されており、第4特定領域44では16R大当たりが決定される。すなわち、第1~第3特定領域41~43が配置されている第1の方向D1は、第2の方向D2と比較して、相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の特定領域(第2特定領域42、第3特定領域43)を遊技球が通過しやすくなる方向であると言える。一方、第4特定領域44が配置されている第2の方向D2は、第1の方向D1と比較して、相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の特定領域(第4特定領域44)を遊技球が通過しやすくなる方向であると言える。
【0042】
振分部材331は、初期状態において、第1の方向D1に遊技球を誘導する第1姿勢である。このため、特定入球口31を通過した遊技球は、
図4(A)に示すように、第1姿勢の振分部材331に接触し跳ね返ることで、第1の方向D1へと誘導され、第1~第3特定領域41~43によってラウンド抽選が行われる(
図3:ステップS12)。その後、遊技制御用マイコン110は、ラウンド抽選の結果に応じた大当たり動作を行う。具体的には、遊技制御用マイコン110は、所定回数(例えば18回)羽根部材32を開閉するか、所定個数(例えば10個)の遊技球が羽根部材32を通過するまでを1ラウンドとして、決定されたラウンド数だけ羽根部材32の開閉を繰り返す。この際、遊技制御用マイコン110は、羽根部材32を通過した入賞球1個につき所定個数(例えば15個)の賞球を、賞球払出装置134によって払い出す。
【0043】
図3のステップS14において、遊技制御用マイコン110は、特定入球口31を第2の遊技球が通過したか否かを判定する。第2の遊技球が通過していない場合(ステップS14:NO)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS18に遷移させる。第2の遊技球が通過した場合(ステップS14:YES)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS16に遷移させる。
【0044】
ステップS16において、遊技制御用マイコン110は、振分部材ソレノイド152を駆動させることにより、誘導手段33としての振分部材331を、第1姿勢から第2姿勢へと変化させる。このため、特定入球口31を通過した第2の遊技球は、
図4(B)に示すように、第2姿勢の振分部材331に接触し跳ね返ることで、第2の方向D2へと誘導され、第4特定領域44により大当たり時のラウンド数(16R大当たり)が決定される。その後、遊技制御用マイコン110は、ラウンド抽選の結果に応じた大当たり動作を行う。
【0045】
ステップS18において、遊技制御用マイコン110は、特定入球口31への第1の遊技球の通過(ステップS10:YES)から所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、遊技制御用マイコン110が「特定入球口31に遊技球が連続して通過した」ことを判定するための時間であり、任意に決定できる。所定時間が経過していない場合(ステップS18:NO)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS14に遷移させ、特定入球口31への第2の遊技球の通過を監視する。一方、所定時間が経過した場合(ステップS18:YES)、遊技制御用マイコン110は、処理をステップS20に遷移させる。ステップS20において遊技制御用マイコン110は、振分部材331を初期姿勢としての第1姿勢に戻し、処理を終了する。
【0046】
ここで、第1~第3特定領域41~43には、特定入球口31から第1の方向D1に進んだ第1の遊技球GB1を、第1~第3特定領域41~43のいずれか1つに振り分けるラウンド抽選用構造物が設けられている。このため、第1の遊技球GB1が第1の方向D1に進んだ後、第1の遊技球GB1によるラウンド抽選の結果が得られるまでには時間を要する。一方、第4特定領域44には、ラウンド抽選用構造物が設けられていないため、第2の遊技球GB2は、第2の方向D2に進んだ後、速やかに入賞(16R大当たり)する。この結果、第2の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(例えば3R大当たり)よりも先行させることができ、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
【0047】
図5は、誘導手段33の他の例について説明する図である。
図5(A),(B)の構成は
図4と同じである。本例の振分部材331は、可変入賞装置5の内部に設けられたレール33Rに対して、中心に設けられた支点331Fが嵌合した状態で保持されている。また、第4特定領域44は、特定入球口31の下側において、特定入球口31の中心O近傍に配置されている。
図5(A)に示すように、第1姿勢(初期状態)の振分部材331は、中心Oにほぼ垂直、または、僅かに右方向に傾斜することによって、中心Oから相対的に右側の第1の方向D1に、第1の遊技球GB1を誘導する。振分部材331は、
図5(B)において黒矢印で示すように、レール33Rの上を移動することで、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。第2姿勢の振分部材331は、特定入球口31と第4特定領域44との間を遮蔽しないことによって、中心Oに沿った第2の方向D2に第2の遊技球GB2を誘導する。本例の振分部材331(誘導手段33)によっても、
図3と同様の遊技手順を採用することで、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。また、
図5(B)に示すように、特定入球口31を通過した遊技球に接触しないことで、相対的に遊技者にとってより有利なラウンド数の第4特定領域44に遊技球を誘導してもよい。
【0048】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の誘導手段33aの一例について説明する図である。
図6(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30aを、
図6(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30aを、それぞれ例示している。第2実施形態の誘導手段33aは、例えば、2枚の板状部材を逆T字状に組み合わせた振分部材331aと、振分部材331aの下方に固定された板状の支持部材332と、により実現できる。
【0049】
図6(A)に示すように、第1姿勢(初期状態)の振分部材331aは、支点331Fを中心として中心Oから左方向に傾斜することによって、特定入球口31から落下した遊技球を凸形状の右側の凹部に当て、中心Oから相対的に右側の第1の方向D1に、第1の遊技球GB1を誘導する。このとき、支持部材332は、振分部材331aの左下角部を支持している。次に、
図6(B)に示すように、第1の方向D1に進んだ第1の遊技球GB1が、第1~第3特定領域41~43によるラウンド抽選を終えて、振分部材331aの凸形状の右側の凹部へと落下する。この第1の遊技球GB1の重量によって、振分部材331aは、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。第2姿勢の振分部材331aは、支点331Fを中心として中心Oから右方向に傾斜することによって、特定入球口31から落下した遊技球を凸形状の左側の凹部に当て、中心Oから相対的に左側の第2の方向D2に、第2,第3以降の遊技球GB2を誘導する。
【0050】
このように、誘導手段33a(振分部材331a、支持部材332)は、先行する遊技球の重量によって第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化可能に構成されてもよい。この場合、
図2及び
図3で説明した振分部材ソレノイド152と、遊技制御用マイコン110による振分部材ソレノイド152の駆動とは省略してもよい。第2実施形態の誘導手段33aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0051】
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態の誘導手段33bの一例について説明する図である。
図7(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30bを、
図7(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30bを、それぞれ例示している。第3実施形態の誘導手段33bは、例えば、第2実施形態と同様の構成を有する振分部材331a、及び、支持部材332に加えてさらに、第2支持部材333により実現できる。以降、区別のために、支持部材332を第1支持部材332と呼ぶ。第2支持部材333は、中心を支点3331Fとして左方向に傾斜することが可能な板状の部材である。
【0052】
図7(A)に示すように、第1姿勢(初期状態)の振分部材331aは、支点331Fを中心として中心Oから左方向に傾斜することによって、特定入球口31から落下した遊技球を凸形状の右側の凹部に当て、中心Oから相対的に右側の第1の方向D1に、第1の遊技球GB1を誘導する。このとき、第1支持部材332は、振分部材331aの左下角部を支持すると共に、第2支持部材333は、振分部材331aの右下角部近傍を支持している。次に、
図7(B)に示すように、第1の方向D1に進んだ第1の遊技球GB1が、第1~第3特定領域41~43によるラウンド抽選を終えて、第2支持部材333の上へと落下する。この第1の遊技球GB1の重量によって、第2支持部材333は、支点331Fを中心として反時計回りに回転する。第2支持部材333の回転に伴い、振分部材331aは、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。第2姿勢の振分部材331aは、支点331Fを中心として中心Oから右方向に傾斜することによって、特定入球口31から落下した遊技球を凸形状の左側の凹部に当て、中心Oから相対的に左側の第2の方向D2に、第2,第3以降の遊技球GB2を誘導する。
【0053】
第3実施形態の誘導手段33bによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第3実施形態の誘導手段33bでは、
図7(A)において破線で示すように、振分部材331aの角部によって第1の遊技球GB1を跳ね上げることで、第1の遊技球GB1を空中で一定時間、滞留させることができる。これにより、第2,第3以降の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(3R大当たり)よりも、より一層先行させやすくできる。
【0054】
図8は、第3実施形態の誘導手段33bの他の例について説明する図である。
図5(A),(B)の構成は
図7と同じである。本例の誘導手段33bでは、振分部材331aの形状が略L字状である点と、第1支持部材332を備えない点とが、
図7で説明した例とは相違する。本例の誘導手段33bにおいても、第1姿勢(初期状態)の振分部材331aは、中心Oから相対的に右側の第1の方向D1に第1の遊技球GB1を誘導し、この第1の遊技球GB1の重量によって、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。そして、第2姿勢の振分部材331aは、中心Oから相対的に左側の第2の方向D2に、第2,第3以降の遊技球GB2を誘導する。すなわち、本例の誘導手段33bによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、第2,第3以降の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(3R大当たり)よりも、より一層先行させやすくできる。
【0055】
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の誘導手段33cの一例について説明する図である。
図9(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30cを、
図9(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30cを、それぞれ例示している。第4実施形態の誘導手段33cは、例えば、3枚の板状部材を逆A字状に組み合わせた振分部材331cと、振分部材331cの下方に固定された多角形状の重し部材332cと、により実現できる。重し部材332cは省略してもよい。
【0056】
図9(A)に示すように、第1姿勢(初期状態)の振分部材331cは、凹部を特定入球口31の方向に向けることによって、特定入球口31から落下した第1の遊技球GB1を凹部へと収容する。この第1の遊技球GB1の重量によって、振分部材331cは、第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化する。
図9(B)に示すように、第2姿勢の振分部材331cは、支点331Fを中心として中心Oから右方向に傾斜することによって、凹部に収容された第1の遊技球GB1を、中心Oから相対的に右側の第1の方向D1に誘導する。また、特定入球口31から落下した第2,第3以降の遊技球GB2は、第2姿勢の振分部材331cの左側側面を伝って、中心Oから相対的に左側の第2の方向D2に誘導される。すなわち、第4実施形態の誘導手段33cによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0057】
<第5実施形態>
図10は、第5実施形態の誘導手段33dの一例について説明する図である。
図10(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30dを、
図10(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30dを、それぞれ例示している。第5実施形態では、特定入球口31の下方には、特定入球口31の中心から右側に向かって略水平方向に、第3特定領域43、第2特定領域42、及び、第1特定領域41がそれぞれ設けられている。また、特定入球口31と第3特定領域43との間には、第3特定領域43と第2特定領域42との一方に遊技球を振り分ける第1抽選用構造物45が設けられている。同様に、特定入球口31と第2特定領域42との間には、第2特定領域42と第1特定領域41との一方に遊技球を振り分ける第2抽選用構造物46が設けられている。さらに、第1~第3特定領域41~43の上流側(言い換えれば、第1抽選用構造物45及び第2抽選用構造物46と、第1~第3特定領域41~43との間)には、遊技球を一時的に滞留させるための遮蔽部材335が設けられている。本実施形態では、遮蔽部材335が誘導手段33dとして機能する。遮蔽部材335の初期位置は、
図10(A)において破線で示す第1位置P1である。遮蔽部材335は、第1実施形態で説明した振分部材ソレノイド152(
図2)に代えて設けられる遮蔽部材ソレノイド152によって駆動され、第1位置P1から第2位置P2まで水平移動が可能である。
【0058】
図10(A)に示すように、特定入球口31を第1の遊技球が通過した場合、遊技制御用マイコン110は、遮蔽部材ソレノイド152を駆動させることにより、誘導手段33dとしての遮蔽部材335を第2位置P2へと移動させる。通常であれば、特定入球口31を通過した遊技球は、第1抽選用構造物45及び第2抽選用構造物46によるラウンド抽選を終えた後、抽選結果に相当する第1~第3特定領域41~43のいずれかに入球することで大当たり時のラウンド数が決定される。しかし、本実施形態では、第1抽選用構造物45及び第2抽選用構造物46と、第1~第3特定領域41~43との間が遮蔽されている。このため、
図10(B)に示すように、ラウンド抽選を終えた遊技球は遮蔽部材335の上部で滞留する。その後、遊技制御用マイコン110は、第1抽選用構造物45及び第2抽選用構造物46によるラウンド抽選が完了した時点以降に、遮蔽部材ソレノイド152を再び駆動させて、
図10(B)において左向き矢印で示すように、遮蔽部材335を第2位置P2から第1位置P1へと移動させる。
【0059】
このように、本実施形態の例では、遊技者にとってより有利なラウンド数が得られる第1特定領域41が最も右側に配置されており、遮蔽部材335は右側(第2位置P2)から左側(第1位置P1)に向かって移動する。このため、本実施形態の誘導手段33dによれば、遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41の上流が最も早く解放され、次いで、遊技者にとって相対的に不利なラウンド数の第2特定領域42の上流が開放され、次いで、遊技者にとって相対的により不利なラウンド数の第1特定領域41の上流が開放される。この結果、第2の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(例えば7R大当たり)よりも先行させることができ、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
【0060】
図11は、第5実施形態の誘導手段33dの他の例について説明する図である。
図11(A),(B)の構成は
図10と同じである。
図11の遮蔽部材335は、奥側の第1位置P1において第1~第3特定領域41~43の上流側における遊技球を滞留させ、手前側の第2位置P2において遊技球を通過(落下)させる。また、
図11の例では、遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41が最も上流側(上側)に配置され、次いで、遊技者にとって相対的に不利なラウンド数の第2特定領域42が配置されている。遊技者にとって相対的により不利なラウンド数の第1特定領域41は最も下流側(下側)に配置されている。
【0061】
図11(A)に示すように、特定入球口31を第1の遊技球が通過した場合、遊技制御用マイコン110は、遮蔽部材ソレノイド152を駆動させることにより、誘導手段33dとしての遮蔽部材335を第2位置P2へと移動させる。その後、遊技制御用マイコン110は、第1抽選用構造物45及び第2抽選用構造物46によるラウンド抽選が完了した時点以降に、遮蔽部材ソレノイド152を再び駆動させて、遮蔽部材335を第2位置P2から第1位置P1へと移動させる。本例では、遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41が最も上流側(上側)に配置されているため、複数の遊技球GB1,2が遮蔽部材335の位置から同時に落下した場合であっても、第2の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(例えば7R大当たり)よりも先行させることができ、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
【0062】
<第6実施形態>
図12は、第6実施形態の誘導手段33eの一例について説明する図である。
図12(A)は、特定入球口31を第1の遊技球GB1が通過した場合の入賞空間30eを、
図12(B)は、特定入球口31を第2の遊技球GB2が通過した場合の入賞空間30eを、それぞれ例示している。第6実施形態の誘導手段33eは、例えば、第5実施形態の遮蔽部材335に代えて、3つの遮蔽部材335eと、3つのセンサ336とにより実現できる。3つの遮蔽部材335eは、第1~第3特定領域41~43の上流側にそれぞれ配置され、各第1~第3特定領域41~43の上流側においてそれぞれ遊技球を滞留させる。各遮蔽部材335eは、奥側の第1位置P1において対応する第1~第3特定領域41~43の上流側における遊技球を滞留させ、手前側の第2位置P2において遊技球を通過(落下)させる。3つのセンサ336は、各遮蔽部材335eの上流側における遊技球の通過を検出する。
【0063】
図12(A)に示すように、所定時間(
図3:ステップS16)内に特定入球口31を通過した全ての遊技球がセンサ336を通過した場合、遊技制御用マイコン110は、遮蔽部材ソレノイド152を駆動させることにより、各遮蔽部材335eを第1位置P1から第2位置P2へと移動させる。この際、
図12(B)に示すように、遊技制御用マイコン110は、遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41の上流側を遮蔽する遮蔽部材335eを最初に第2位置P2へと移動させ、次いで、遊技者にとって相対的に不利なラウンド数の第2特定領域42の上流側を遮蔽する遮蔽部材335eを移動させ、次いで、遊技者にとって相対的により不利なラウンド数の第1特定領域41の上流側を遮蔽する遮蔽部材335eを移動させる。これにより、第2の遊技球GB2による入賞(16R大当たり)を、第1の遊技球GB1による入賞(例えば7R大当たり)よりも先行させることができ、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
【0064】
図13は、第6実施形態の誘導手段33eの他の例について説明する図である。
図13(A),(B)の構成は
図12と同じである。
図13の遮蔽部材335は、第10で説明した第5実施形態と同様の構成を有している。一方、
図13の遮蔽部材335の初期位置は、第1~第3特定領域41~43の上流側における遊技球を滞留させる第1位置P1である。
図13(B)に示すように、所定時間(
図3:ステップS16)内に特定入球口31を通過した全ての遊技球がセンサ336を通過した場合、遊技制御用マイコン110は、遮蔽部材ソレノイド152を駆動させることにより、遮蔽部材335を第1位置P1から第2位置P2へと水平移動させる。これにより、本例の誘導手段33eによっても、遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41の上流を、遊技者にとって相対的に不利なラウンド数の第2特定領域42や第1特定領域41よりも先に解放することができるため、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくすることができると共に、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
【0065】
<第7実施形態>
図14は、第7実施形態の誘導手段33fの一例について説明する図である。第5実施形態では、入賞空間30fには第4特定領域44が配置されていない。また、第1実施形態で説明した振分部材331に代えて、振分部材331fを備えている。振分部材331fは、特定入球口31を通過して落下した遊技球GBを第1~第3特定領域41~43の方向に誘導する板状の部材である。振分部材331fは固定され、姿勢変化しない。本実施形態では、遊技制御用マイコン110は、所定時間(
図3:ステップS16)内に特定入球口31を通過した遊技球GBのうち、第1~第3特定領域41~43において最後に決定されたラウンド数(言い換えれば、最後の入賞)によって、大当たり時のラウンド数を決定する。第1~第3特定領域41~43に対する遊技球の通過でラウンド抽選を行う遊技機1においては、最初の遊技球により決定されたラウンド数より、最後の遊技球により決定されたラウンド数の方が大きい場合が多い。このように、遊技制御用マイコン110は、最後に決定されたラウンド数を採用することで、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33fとして機能できる。
【0066】
また、遊技制御用マイコン110は、所定時間(
図3:ステップS16)内に特定入球口31を通過した遊技球GBのうち、第1~第3特定領域41~43において決定されたラウンド数のうち、遊技者にとって最も有利なラウンド数によって、大当たり時のラウンド数を決定してもよい。このように、遊技制御用マイコン110は、遊技者にとって最も有利なラウンド数を採用することで、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33fとして機能できる。
【0067】
<第8実施形態>
図15は、第8実施形態の遊技機1gの正面図である。第8実施形態の入賞空間30gには、第1実施形態の第4特定領域44に代えて、第4特定領域44gと、画像表示装置7とを備えている。第4特定領域44gは、第1実施形態と同様にラウンド数16の大当たり(16R大当たり)が決定する特定領域である一方、遊技者には大当たり時のラウンド数が分からない表示(図示の例では星表示)がされている。画像表示装置7は、可変入賞装置5の中央付近に設けられている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクス等の他の画像表示装置であってもよい。
【0068】
図16は、第8実施形態の遊技機1gの電気的な構成を示すブロック図である。第8実施形態では、サブ制御基板200に代えてサブ制御基板200gを備えている。サブ制御基板200gの入出力回路211には、さらに、画像制御基板240と、画像制御基板240を介して接続された画像表示装置7と、が接続されている。演出制御手段としての画像制御基板240は、CPU、ROM、RAMを含む演出制御用マイコンを備えている。ROMには、表示制御を行うためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等や、背景画像等の画像データが格納されている。RAMは、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコンは、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、演出制御用マイコンに画像表示装置7の表示制御をおこなわせる。
【0069】
図17は、第8実施形態の遊技手順の一例を示すフローチャートである。第8実施形態では、第1実施形態で説明したステップS16の後に、さらにステップS20,S32が実行される。具体的には、ステップS30においてサブ制御基板200g(画像制御基板240)は、第1の方向D1に導かれた第1の遊技球が、第1~第3特定領域41~43のいずれかを通過することによって決定されたラウンド数に対応する演出画像を、画像表示装置7に表示させる。例えば、第1の遊技球が第3特定領域43(3R大当たり)を通過した場合、サブ制御基板200gは、例えば「3Rゲット!」等の演出画像を、画像表示装置7に表示させる。次に、ステップS32においてサブ制御基板200gは、第2の方向D2に導かれた第2の遊技球が、第4特定領域44を通過することによって決定されたラウンド数に対応する演出画像を、画像表示装置7に表示させる。例えば、第2の遊技球が第4特定領域44(16R大当たり)を通過した場合、サブ制御基板200gは、例えば「さらに13Rゲット!」等の、ラウンド昇格を表す演出画像を、画像表示装置7に表示させる。
【0070】
図3及び
図4で説明したように、遊技機1gが備える誘導手段33gによって、実際は、第1の遊技球が第1~第3特定領域41~43を通過するよりも前に、第2の遊技球が第4特定領域44を通過する。言い換えれば、実際は、第1の遊技球による入賞よりも、第2の遊技球による入賞が先行する。この状態において、
図17のステップS30,S32を実行することで、遊技者に対して、第1の遊技球による第1~第3特定領域41~43のいずれかでの入賞により得られたラウンド数が、あたかも昇格して増加したかのような印象を与えることができる。このように、第8実施形態の遊技機1gでは、ラウンド昇格を表す演出画像(ステップS32により画像表示装置7に表示される演出画像)によって、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0071】
4.誘導手段33の効果例・変形例・態様例
以下に、誘導手段33の効果例を示す。
[効果1]
上記実施形態の遊技機1では、可変入賞装置5の内側に設けられた入賞空間30へと遊技球を受け入れる羽根部材32と、入賞空間30,30a~gに配置されて遊技球の通過によって大当たり遊技を発生させるための特定入球口31と、特定入球口31の下流側に配置されて遊技球の通過によってそれぞれ大当たり時の異なるラウンド数が決定される複数の特定領域(第1~第4特定領域41~44)と、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33とを備えている。この構成によれば、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33によって、遊技の興趣を向上させることができる。
【0072】
[効果2]
上記実施形態の遊技機1では、誘導手段33,33a~eは、入賞空間30内において遊技球の方向を変更可能な変更手段であって、特定入球口31に複数の遊技球が通過した際、複数の遊技球の少なくとも一部に接触することまたは接触しないことにより、相対的に遊技者にとってより有利なラウンド数の特定領域に遊技球を誘導する変更手段を含んでいる。この構成によれば、誘導手段33(変更手段)は、遊技球の少なくとも一部分に接触することで遊技球の進路を変更し、または、遊技球の少なくとも一部分に接触しないことで遊技球の進路を維持することによって、相対的に遊技者にとってより有利なラウンド数の特定領域へと遊技球を誘導できる。
【0073】
[効果3]
上記実施形態の遊技機1では、相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の第1~第3特定領域41~43を遊技球が通過しやすくなる第1の方向D1に遊技球を誘導する第1姿勢と、相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の第4特定領域44を遊技球が通過しやすくなる第2の方向D2に遊技球を誘導する第2姿勢と、の間で姿勢変化が可能な振分部材331a~cである。この構成によれば、姿勢変化が可能な振分部材331によって、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合に、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33を実現できる。
【0074】
[効果4]
上記実施形態の遊技機1では、振分部材331a~cは、特定入球口31を第1の遊技球が通過した際は第1姿勢であり、特定入球口31を第2の遊技球が通過した際に、第1姿勢から第2姿勢へと変化することで、第2の遊技球を第2の方向に誘導する。この構成によれば、特定入球口31を通過した第2の遊技球に対して、より有利なラウンド数を得られやすくできる。
【0075】
[効果5]
上記実施形態の遊技機1では、振分部材331a~cには、遊技球を受け止めるための凹部が形成され、振分部材331は、特定入球口31を第1の遊技球が通過した際は第1姿勢であり、凹部に落下した第1の遊技球の重量によって、第1姿勢から第2姿勢へと変化することで、特定入球口31を通過した第2の遊技球を第2の方向に誘導する。この構成によれば、特定入球口31を通過した第1の遊技球の自重により、振分部材331の姿勢変化を実現できる。また、特定入球口31を通過した第2の遊技球に対して、より有利なラウンド数を得られやすくできる。
【0076】
[効果6]
上記実施形態の遊技機1では、画像表示装置7と、画像表示装置7に演出画像を表示させる演出制御用マイコン210とを備え、演出制御用マイコン210は、特定入球口31に複数の遊技球が通過した際、相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の第1~第3特定領域41~43により決定されたラウンド数に対応する演出画像を表示させた後、相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の第4特定領域44により決定されたラウンド数へのラウンド昇格を表す演出画像を表示させる。この構成によれば、ラウンド昇格を表す演出画像によって、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0077】
[効果7]
上記実施形態の遊技機1では、誘導手段33d,eは、特定入球口31に複数の遊技球が通過した際に、第1~第3特定領域41~43の上流側を遮蔽すると共に、相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の第1特定領域41の上流側が、相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の第3特定領域43の上流側よりも先に開放するように移動することが可能な遮蔽部材335である。この構成によれば、第1~第3特定領域41~43の上流側を遮蔽する遮蔽部材335によって、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合に、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33を実現できる。
【0078】
[効果8]
上記実施形態の遊技機1では、誘導手段33fは、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合、第1~第3特定領域41~43において最後に決定されたラウンド数を採用する。特定領域に対する遊技球の通過でラウンド抽選を行う遊技機1においては、最初の遊技球により決定されたラウンド数より、最後の遊技球により決定されたラウンド数の方が大きい場合が多い。この構成によれば、最後に決定されたラウンド数を採用することで、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33を実現できる。
【0079】
[効果9]
上記実施形態の遊技機1では、誘導手段33fは、特定入球口31に複数の遊技球が通過した場合、第1~第3特定領域41~43において決定された各ラウンド数のうち、遊技者にとって最も有利なラウンド数を採用する。この構成によれば、遊技者にとって最も有利なラウンド数を採用することで、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段33を実現できる。
【0080】
以下に、可変入賞装置5及び誘導手段33の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態では、振分部材331や、遮蔽部材335の構成の一例を示した。しかし、振分部材331や、遮蔽部材335の構成は種々の変更が可能である。例えば、振分部材331は、上述とは異なる形状を有していてもよく、異なるパターンの姿勢変化をしてもよい。例えば、遮蔽部材335は、上述とは異なる形状を有していてもよく、異なる方向へ移動してもよい。
【0081】
[変形例2]
上記実施形態では、第1の方向D1を特定入球口31の中心O(
図1:一点鎖線)よりも右側の方向とし、第2の方向D2を中心Oよりも左側の方向とする場合を例示した。しかし、第1の方向D1と第2の方向D2とは、相対的に異なる方向である限りにおいて、任意に決定できる。例えば、第1の方向D1は中心Oから左側の方向とし、第2の方向D2は中心Oから右側の方向としてもよい。例えば、第1の方向D1は中心Oから右上の方向とし、第2の方向D2は中心Oから右下の方向としてもよい。
【0082】
[変形例3]
上記実施形態では、遊技制御用マイコン110は、特定入球口31を遊技球が通過したことを、振分部材331の姿勢変化や、遮蔽部材335の移動の契機としていた。しかし、遊技制御用マイコン110は、羽根部材32の開閉を契機として、振分部材331の姿勢変化や、遮蔽部材335の移動を実施してもよい。
【0083】
[変形例4]
上記実施形態では、入賞空間30における複数の特定領域の配置の一例を示した。しかし、入賞空間30における複数の特定領域の配置は、種々変更が可能である。例えば、入賞空間30には、上述の複数の特定領域のうちの一部が配置されていてもよいし、さらに他の特定領域が配置されていてもよい。例えば、第1の方向D1に第2特定領域42(7R大当たり)と、第3特定領域43(3R大当たり)とが配置され、第2の方向D2に第1特定領域41(16R大当たり)が配置されていてもよい。
【0084】
[変形例5]
上記第8実施形態では、第1実施形態の構成において演出画像を表示させて、疑似ラウンド昇格演出を行う場合を例示した。しかし、第2~第4実施形態の構成において
図17で説明した処理を行うことによって、第2~第4実施形態の構成において疑似ラウンド昇格演出を行ってもよい。
【0085】
以下に、誘導手段33を備える本実施形態の遊技機の態様例を示す。
[態様1]
遊技機であって、
所定の入賞空間への遊技球の入球を可能な状態と困難な状態とに切替可能な羽根部材と、
前記入賞空間に配置され、前記遊技球の通過によって大当たり遊技を発生させるための特定入球口と、
前記特定入球口の下流側に配置され、前記遊技球の通過によってそれぞれ大当たり時の異なるラウンド数が決定される複数の特定領域と、
前記特定入球口に複数の前記遊技球が通過した場合、遊技者にとってより有利なラウンド数を得られやすくする誘導手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0086】
[態様2]
態様1に記載の遊技機であって、
前記誘導手段は、前記入賞空間内において前記遊技球の移動方向を変更可能な変更手段を含んでおり、
前記変更手段は、位置または姿勢を変更可能であり、前記特定入球口に前記複数の遊技球が通過した際、前記複数の遊技球の少なくとも一部に接触することまたは接触しないことにより、相対的に遊技者にとってより有利なラウンド数の前記特定領域に前記遊技球を誘導する、
ことを特徴とする遊技機。
【0087】
[態様3]
態様2に記載の遊技機であって、
前記変更手段は、
相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の前記特定領域を前記遊技球が通過しやすくなる第1の方向に前記遊技球を誘導する第1姿勢と、
相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の前記特定領域を前記遊技球が通過しやすくなる第2の方向に前記遊技球を誘導する第2姿勢と、
の間で姿勢変化が可能な振分部材である、
ことを特徴とする遊技機。
【0088】
[態様4]
態様3に記載の遊技機であって、
前記振分部材は、
前記特定入球口を第1の前記遊技球が通過した際は前記第1姿勢であり、
前記特定入球口を前記第1の遊技球の後の第2の前記遊技球が通過した際に、前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変化することで、前記第2の遊技球を前記第2の方向に誘導する、
ことを特徴とする遊技機。
【0089】
[態様5]
態様3に記載の遊技機であって、
前記振分部材には、前記遊技球を受け止めるための凹部が形成され、
前記振分部材は、
前記特定入球口を第1の前記遊技球が通過した際は前記第1姿勢であり、
前記凹部に落下した前記第1の遊技球の重量によって、前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変化することで、前記特定入球口を通過した第2の前記遊技球を前記第2の方向に誘導する、
ことを特徴とする遊技機。
【0090】
[態様6]
態様2から態様5のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
画像表示装置と、
前記画像表示装置に演出画像を表示させる演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定入球口に前記複数の遊技球が通過した際、
相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の前記特定領域により決定されたラウンド数に対応する前記演出画像を表示させた後、
相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の前記特定領域により決定されたラウンド数へのラウンド昇格を表す前記演出画像を表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
【0091】
[態様7]
態様2に記載の遊技機であって、
前記変更手段は、
前記特定入球口に前記複数の遊技球が通過した際に、前記複数の特定領域の上流側を遮蔽すると共に、
相対的に遊技者にとって有利なラウンド数の前記特定領域の上流側が、相対的に遊技者にとって不利なラウンド数の前記特定領域の上流側よりも先に開放するように移動することが可能な遮蔽部材である、
ことを特徴とする遊技機。
【0092】
[態様8]
態様1に記載の遊技機であって、
前記誘導手段は、前記特定入球口に複数の前記遊技球が通過した場合、前記複数の特定領域において最後に決定されたラウンド数を採用する、
ことを特徴とする遊技機。
【0093】
[態様9]
態様1に記載の遊技機であって、
前記誘導手段は、前記特定入球口に複数の前記遊技球が通過した場合、前記複数の特定領域において決定された各ラウンド数のうち、遊技者にとって最も有利な前記ラウンド数を採用する、
ことを特徴とする遊技機。
【0094】
5.その他の変形例
上記実施形態の遊技機1が備えるとした可変入賞装置5の構成は、種々の変更が可能である。例えば、可変入賞装置5における枠や羽根部材の構成は、種々変更が可能である。
【0095】
上記実施形態の遊技機1は、いわゆる羽根物と呼ばれる第2種の遊技機であるとしたが、上記実施形態の誘導手段33は、1種2種と呼ばれる遊技機に適用してもよい。また、例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に上記実施形態の誘導手段33を適用してもよい。この場合、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0096】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0097】
また、上述した複数の演出例及び/または変形例のうち、2つ以上の演出例及び/または変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
【0098】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…遊技機
2…遊技盤
5…可変入賞装置
7…画像表示装置
30…入賞空間
31…特定入球口
32…羽根部材
33…誘導手段
41…第1特定領域
42…第2特定領域
43…第3特定領域
44…第4特定領域
45…第1抽選用構造物
46…第2抽選用構造物
331…振分部材
335…遮蔽部材
336…センサ