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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】飲料缶用の吸引装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/00 20060101AFI20220406BHJP
   A61J 11/00 20060101ALI20220406BHJP
   A61J 11/02 20060101ALI20220406BHJP
   B65D 25/48 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
A61J7/00 G
A61J11/00 K
A61J11/02 A
B65D25/48 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021161503
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2021-10-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517232279
【氏名又は名称】清田 周二
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】清田 周二
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-115453(JP,A)
【文献】実開平03-102454(JP,U)
【文献】特開2020-151453(JP,A)
【文献】特開2016-037298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
A61J 9/00-11/04
B65D 25/48
B65D 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料缶の上縁に嵌合される嵌合部と、前記嵌合部の内空と通孔を介して連通し、乳首ユニットが取り付けられる円筒状の取付部と、を一体に有する、本体ユニットと;
一方の端部が飲料缶の飲み口に嵌合されるとともに他方の端部が前記通孔に嵌合される筒部を有する中間ユニットと;
備え、
前記中間ユニットは、飲料缶の上縁に掛止される掛止アーム部と、前記掛止アーム部の反対側に位置して、飲料缶の蓋部とプルタブの隙間に挿し込まれる挿込ベロ部と、をさらに有する、飲料缶用の吸引装置。
【請求項2】
前記中間ユニットには、飲料缶のプルタブが挿し込まれるスリットが形成されている、請求項1に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項3】
前記本体ユニットは、前記通孔に連通して前記中間ユニットに向かって伸びる筒孔をさらに有し、前記中間ユニットの前記筒部が前記筒孔に挿入されるようになっている、請求項1又は請求項2に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項4】
前記中間ユニットの平面形状は、飲料缶の飲み口よりも広くされており、飲み口の全体を覆うように形成されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項5】
前記本体ユニットの前記嵌合部には、前記中間ユニットの前記掛止アーム部を収容するための凹部が形成されている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項6】
前記本体ユニットの前記取付部に取り付けられる乳首ユニットをさらに備える、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項7】
前記乳首ユニットは、前記本体ユニットの前記取付部に対して着脱可能に螺合されている、請求項6に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【請求項8】
前記本体ユニットは、複数の径の乳首ユニットに対応して、径の異なる取付部を有する複数の種類が形成されて、取り替えられるようになっている、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載された、飲料缶用の吸引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料缶に装着して使用することのできる飲料缶用の吸引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日本国内において缶入りの液体ミルクが販売されている。缶入りの液体ミルクは、防災用に備蓄されることが多くなっている。缶入りの液体ミルクは、哺乳瓶などに移し替えられることが多いが、被災時には哺乳瓶の消毒が困難であるうえ、移し替える際に液体ミルクをこぼしてしまうという問題があった。
【0003】
これに関連して、例えば特許文献1には、液体の乳児用ミルクの入った缶の一部に発熱体を設け、その熱でミルクを温めて飲み頃の温度になったら乳首・乳首カバーを飲み口に取り付けて赤ちゃんに飲ませる、という行程を1つの缶を用いて行うことを特徴とした自加熱式乳児用ミルク缶が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平4-18537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術は、乳首を使用してミルクを飲むことはできるものの、専用のミルク缶のみに適用可能なものであり、一般的な規格サイズの飲料缶に後から装着して使用できるものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、一般的な規格サイズの飲料缶に後から装着して使用できる、飲料缶用の吸引装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の飲料缶用の吸引装置は、飲料缶の上蓋に嵌合される嵌合部と、前記嵌合部の内空と通孔を介して連通し、乳首ユニットが取り付けられる円筒状の取付部と、を一体に有する、本体ユニットと;一方の端部が飲料缶の飲み口に嵌合されるとともに他方の端部が前記通孔に嵌合される筒部を有する中間ユニットと;を備えている。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明の飲料缶用の吸引装置は、飲料缶の上蓋に嵌合される嵌合部と、嵌合部の内空と通孔を介して連通し、乳首ユニットが取り付けられる円筒状の取付部と、を一体に有する、本体ユニットと;一方の端部が飲料缶の飲み口に嵌合されるとともに他方の端部が通孔に嵌合される筒部を有する中間ユニットと;を備えている。このような構成であれば、市販の飲料缶に後から装着して使用できる、飲料缶用の吸引装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の飲料缶用の吸引装置の正面図である。
図2】実施例の飲料缶用の吸引装置の分解図である。
図3】本体ユニットを下方から見た斜視図である。
図4】本体ユニットの構成の説明図である。(a)は断面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図である。
図5】中間ユニットを上から見た斜視図である。
図6】中間ユニットの構成の説明図である。(a)は(c)のA-A断面図であり、(b)は(c)のB-B断面図であり、(c)は平面図である。
図7】飲料缶用の吸引装置を飲料缶の上蓋に嵌合した状態の組付け図である。
図8】別形態の飲料缶用の吸引装置の正面図である。
図9】別形態の飲料缶用の吸引装置の分解図である。
図10】さらに別形態の飲料缶用の吸引装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下では、図1~7を用いて大径の乳首ユニットが装着される第一形態(実施例)の飲料缶用の吸引装置について説明し、図8、9を用いて小径の乳首ユニットが装着される第二形態の飲料缶用の吸引装置について説明する。
【実施例
【0011】
(構成)
まず、図1を用いて第一形態(実施例)の飲料缶用の吸引装置1の全体構成を説明する。実施例の飲料缶用の吸引装置1は、図1図2に示すように、飲料缶Cの上縁c1に嵌合される本体ユニット2と、本体ユニット2に取り付けられる乳首ユニット4と、飲料缶Cと本体ユニット2とを接続する中間ユニット3(図2参照)と、から構成されている。一般に、飲料缶Cの上縁c1は、胴部と蓋部(c3)をカシメて固定するため、上縁c1の外周側に凹部が生じるが、この凹部を利用して本体ユニット2を嵌め込むようになっている。
【0012】
乳首ユニット4は、広く流通しているものであり、例えばシリコーンゴムによって形成されている。後述するように、市販されている乳首ユニット4として、大径のタイプ、小径のタイプ、など、複数種類の径のものが存在している。乳首ユニット4は、本体ユニット2の取付部22に螺合される。すなわち、乳首ユニット4は、本体ユニット2の取付部22に対して着脱可能に螺合されている。
【0013】
本体ユニット2は、図3図4(a)~(c)に示すように、合成樹脂等(例えば硬質ポリプロピレン)によって全体として短い円筒状に形成されている。本体ユニット2は、拡径された円筒容器状の嵌合部21と、外周面にネジ溝が螺刻された取付部22と、嵌合部21と取付部22を隔てる円盤状の隔壁部23と、を一体に備えている。そして、この本体ユニット2は、乳首ユニット4の複数の径に応じて、(取付部22の)径の異なる複数のタイプが準備されて取り替えられるようになっている。
【0014】
嵌合部21は、飲料缶Cの上縁c1と略同一径の内径を有する短い円筒状に形成されて、飲料缶Cの上縁c1に嵌合されるようになっている。さらに、嵌合部21は、後述する中間ユニット3を収容するための凹部21aと、飲料缶Cの外周側の凹部に掛止(嵌入)される複数の突条21b、・・・と、を有している。複数の突条21bは、例えば、図示するように4つあることが好ましい。
【0015】
取付部22は、乳首ユニット4の内径と略同一の外径を有する円筒状に形成されている。取付部22は、同じく円筒状の嵌合部21に連続して、嵌合部21よりも縮径して形成されている。取付部22の外周面には、乳首ユニット4を取り付けるための(オス)ネジ溝が螺刻されている。
【0016】
隔壁部23は、円盤状に形成されて、嵌合部21と取付部22の間を隔てている。そして、隔壁部23には、装着された状態で飲料缶Cの飲み口c2に対応する位置に、通孔23aが形成されている。この通孔23aに、後述する中間ユニット3(の筒部31)が隙間なく挿通される。
【0017】
そして、本実施例の中間ユニット3は、図5図6(a)~(c)に示すように、本体ユニット2よりも柔軟性のある合成樹脂(例えば軟質ポリプロピレン)や合成ゴムやシリコーンゴム等によって形成されるもので、ボディとなるつば部30と、ボディとなるつば部30の略中央に貫通形成される筒状の筒部31と、つば部30の第1端部に形成される掛止アーム部32と、つば部30の第1端部と反対側にある第2端部に形成される挿込ベロ部33と、つば部30において挿込ベロ部33の近傍(すぐ上)に形成されるスリット34とを一体に有している。
【0018】
筒部31は、一方の端部が飲料缶Cの飲み口c2に挿入・嵌合されるとともに、他方の端部が本体ユニット2の隔壁23に設けた通孔23aに挿入・嵌合されている。つまり、筒部31は、飲み口c2と通孔23aを連絡(接続)している。筒部31の外径は、飲料缶Cの飲み口c2よりも少し小さく、本体ユニット2の隔壁23に設けた通孔23aの内径と略同一の径を有する。そして、この筒部31を拡径するようにしてボディとなるつば部30が形成されている。
【0019】
この筒部31は、上述したように飲料缶Cの飲み口c2よりも少し小さく形成されている。換言すると、筒部31と飲み口c2の間には隙間が生じている。一方で、中間ユニット3の筒部31を拡径したつば部30は、飲み口c2を確実に覆うような広さを有しており、飲み口c2と筒部31の隙間からの飲料の漏れを防ぐようになっている。
【0020】
掛止アーム部32は、つば部30の外周部の第1端部をさらに外側に伸ばしつつ、フック状(かぎ状、U字状)に折り曲げて形成される。そして、掛止アーム部32のフック部分の内面には、飲料缶Cの上縁c1の外周の凹部に対応する位置に凸部があり、上縁c1にしっかりと嵌合するようになっている。掛止アーム部32の先端には、取り外しやすいように持ち手部が形成されている。このように、掛止アーム部32は、筒部31を飲料缶Cの飲み口c2に挿通した状態で、飲料缶Cの上縁c2に強固に引っ掛かるようになっている。
【0021】
挿込ベロ部33は、第1端部と反対側の第2端部に、つば部30の外周部の一部を薄くして外側に伸ばすようにして形成される。挿込ベロ部33は、プルタブ(プルトップ)c4の取付軸と干渉しないように、先割れ状に形成される。そして、挿込ベロ部33は、筒部31を飲み口c2に挿通した状態で、飲料缶Cのプルタブc4と蓋部c3の間に挿し込まれる。そして、この挿込ベロ部33に連続するようにスリット34が形成されている。
【0022】
スリット34は、筒部31を飲み口c2に挿通した状態で、プルタブc4が挿し込まれるように、つば部30の第2端部近傍に薄い空間として形成されている。すなわち、スリット34は、挿込ベロ部33に隣接して形成されており、プルタブc4の付け根が挿入されるようになっている。
【0023】
そして、掛止アーム部32と挿込ベロ部33とスリット34の作用によって、中間ユニット3の位置がしっかりと固定されるようになっている。すなわち、飲料缶Cの蓋部c3に対して、掛止アーム部32によって上から固定し、挿込ベロ部33によって下から固定するようになっている。さらに、スリット34にプルタブc4が挿し込まれることによって、中間ユニット3が飲料缶Cにしっかりと固定されるようになっている。
【0024】
(作用)
次に、図7を用いて、本体ユニット2及び中間ユニット3を飲料缶Cに取り付けた状態を説明するとともに、その作用について説明する。まず飲料缶Cの飲み口c2に中間ユニット3を嵌合させる。具体的には、スリット34にプルタブc4の付け根を挿入するとともに、挿込ベロ部33を蓋部c3とプルタブc4の間に挿し込む。そのうえで、反対側の掛止アーム部32を上縁c1に引っ掛けて固定する。そうすると、飲料缶Cの飲み口c2には、中間ユニット3が隙間なく密着するため、筒部31のみが飲料缶Cの内部と外部を連通した状態となる。
【0025】
次に、中間ユニット3の上から本体ユニット2をかぶせるようにして設置する。すなわち、本体ユニット2の嵌合部21の突条21bを飲料缶Cの上縁c1に引っ掛けて固定する。ここにおいて、上縁c1のうち中間ユニット3が設置された位置に凹部21aの位置を合わせることで、凹部21aに中間ユニット3(の掛止アーム部32)が収容(嵌合)された状態となる。このように位置を合わせると、自動的に、中間ユニット3の筒部31が本体ユニット2の隔壁23の通孔23aに隙間なく挿通されることになる。
【0026】
このようにして、飲料缶用の吸引装置1が完成される。あるいは、その後、図示しない乳首ユニット4(図1図2参照)を本体ユニット2の取付部22に螺合させて固定することで、飲料缶用の吸引装置1が完成される。この状態では、飲料缶Cを傾けても、隔壁部23と蓋部c3の隙間へ飲料が漏れ出ることはなく、飲み口c2から中間ユニット3、本体ユニット2(取付部22の内空)、乳首ユニット4を順に経由して、飲料を飲むことができる。
【0027】
(効果)
次に、本実施例の飲料缶用の吸引装置1の奏する効果を列挙して説明する。
【0028】
(1)上述してきたように、本実施例の飲料缶用の吸引装置1は、飲料缶Cの上縁c1に嵌合される嵌合部21と、嵌合部21の内空と通孔23aを介して連通し、乳首ユニット(4)が取り付けられる円筒状の取付部22と、を一体に有する、本体ユニット2と;一方の端部が飲料缶Cの飲み口c2に嵌合されるとともに他方の端部が通孔23aに嵌合される筒部31を有する中間ユニット3と;を備えている。このような構成であれば、市販の飲料缶Cに後から装着して使用できる、飲料缶用の吸引装置1となる。
【0029】
さらに、本実施例では、中間ユニット3を備えることによって、蓋部c3の表面と飲料が触れることがなくなるため、きわめて衛生的である。すなわち、中間ユニット3の筒部31によって、本体ユニット2と飲み口c2とを直接に繋ぐ(連絡する、接続する)ことによって、蓋部c3の表面に飲料が触れることがなくなる。
【0030】
(2)この中間ユニット3は、飲料缶Cの上縁c1に掛止される掛止アーム部32と、掛止アーム部32の反対側に位置して、飲料缶の蓋部c3とプルタブc4の隙間に挿し込まれる挿込ベロ部33と、をさらに有する。このため、中間ユニット3の対向する第1端部と第2端部を飲料缶Cに固定することで、中間ユニット3を飲み口c2の位置に正確・確実に配置することができる。さらに、対向する2点を固定することで、中間ユニット3を飲料缶Cに強固に固定できる。
【0031】
(3)また、中間ユニット3には、飲料缶Cのプルタブc4が挿し込まれるスリット34が形成されている。このため、中間ユニット3を位置決め・固定する際に、プルタブc4が支障となることがない。さらに、プルタブc4の付け根をスリット34に挿入すれば、より強固に中間ユニット3を飲料缶Cに固定できる。
【0032】
(4)さらに、図10を用いて後述するように、本体ユニット2は、通孔23aに連通して中間ユニット3に向かって伸びる筒孔23bをさらに有し、中間ユニット3の筒部31が筒孔23bに挿入されるようになっていることが好ましい。このような構成であれば、互いにラップ長が長くなるため漏れにくい、中間ユニット3の筒部31がより変形しやすくなって筒孔23bに位置合わせしやすくなる、隔壁部23が上に移動することで無駄な空間が減少する、などのメリットがある。
【0033】
(5)さらに、中間ユニット3の平面形状は、飲料缶Cの飲み口c2よりも広くされており、飲み口c2の全体を覆うように形成されているため、中間ユニット3を所定の位置に配置すれば、飲料の漏れを確実に防止できる。さらに言うと、飲み口c2の形状は飲料缶Cによっても異なるところ、このように中間ユニット3を広く形成しておくことで、形状の相違を吸収することができる。
【0034】
(6)また、本体ユニット2の嵌合部21には、中間ユニット3を収容するための凹部21aが形成されているため、中間ユニット3を設置した状態であっても、これが支障とならずに、本体ユニット2を飲料缶Cに強固に固定できる。逆に言うと、この凹部21aがなければ、中間ユニット3を設置した状態で本体ユニット2を飲料缶Cに固定しにくくなる。
【0035】
(7)さらに、本体ユニット2の取付部22に取り付けられる乳首ユニット4をさらに備えることで、別途で乳首ユニット4を購入・準備することなく、すぐに飲料缶用の吸引装置1を使用することができる。
【0036】
(8)また、乳首ユニット4は、本体ユニット2の取付部22に対して着脱可能に螺合されているため、乳首ユニット4が消耗した状態であっても、乳首ユニット4を準備しておけば、引き続き飲料缶用の吸引装置1を使用できる。
【0037】
(9)さらに、本体ユニット2は、複数の径の乳首ユニット(4)に対応して、径の異なる取付部(22)を有する複数の種類が形成されて、取り替えられるようになっていれば、様々なタイプの乳首ユニット(4)を適合させることができる。
【0038】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0039】
例えば、実施例では、乳首ユニット4の径として飲料缶Cの直径と略同一の径を有する比較的に大径タイプのものについて説明したが、これに限定されるものではない。具体的に言うと、図8図9に示すように、飲料缶Cの直径よりも小さい径を有するタイプの乳首ユニット4にも本発明を適用することができる。この場合、飲料缶用の吸引装置1Aは、取付部22の径がやや小さい本体ユニット2Aを備えることができる。このように、乳首ユニット4の大きさに応じて、様々なタイプの本体ユニットを準備しておくことが好ましい。
【0040】
また、実施例では飲料缶用の吸引装置1の構成として、本体ユニット2と中間ユニット3と乳首ユニット4とを備える場合について説明したが、これに限定されるものではなく、乳首ユニット4は別売りとしてセットに組み込まれなくてもよい。
【0041】
さらに、図10に示すような飲料缶用の吸引装置1Bの形態も可能である。この飲料缶用の吸引装置1Bは、本体ユニット2の隔壁部23に形成される通孔としての筒孔23bが筒状に延びる(内面がテーパ状)とともに、中間ユニット3の筒部31が長く伸びる(外面がテーパ状)。そして、筒孔23bと筒部31とが互いに十分な長さをもってラップするように構成されている。このような構成であれば、互いにラップ長が長くなるため漏れにくい、中間ユニット3の筒部31がより変形しやすくなって筒孔23bに位置合わせしやすくなる、隔壁部23が上に移動することで無駄な空間が減少する、などのメリットがある。
【0042】
なお、実施例や図10の変形例では、中間ユニット3が掛止アーム部32やスリット34を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、中間ユニット3は、飲み口c2と本体ユニット2(2A)を接続できる態様であればよく、掛止アーム部32やスリット34はなくてもよい。
【符号の説明】
【0043】
C 飲料缶
c1 上縁
c2 飲み口
c3 蓋部
c4 プルタブ
1,1A,1B 飲料缶用の吸引装置
2,2A 本体ユニット
21 嵌合部
21a 凹部
21b 突条
22 取付部
23 隔壁部
23a 通孔
23b 筒孔
3 中間ユニット
31 筒部
32 掛止アーム部
33 挿込ベロ部
34 スリット
4 乳首ユニット
【要約】      (修正有)
【課題】一般的な規格サイズの飲料缶に後から装着して使用できる、飲料缶用の吸引装置を提供する。
【解決手段】飲料缶用の吸引装置1は、飲料缶Cの上縁c1に嵌合される嵌合部21と、嵌合部21の内空と通孔を介して連通し、乳首ユニット4が取り付けられる円筒状の取付部22と、を一体に有する、本体ユニット2と、一方の端部が飲料缶の飲み口に嵌合されるとともに他方の端部が通孔に嵌合される筒部31を有する中間ユニット3とを備えている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10