(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20220406BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20220406BHJP
F04D 27/00 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
F04D25/08 305E
F04D29/00 C
F04D27/00 T
(21)【出願番号】P 2019109330
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】特許業務法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀紀
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-092054(JP,A)
【文献】実開昭63-071494(JP,U)
【文献】特開2014-214624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/00
F04D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンの一部又は全部を露出可能に
、前グリルと後グリルとが組み合わされて形成されるグリルと、
前記前グリルと前記後グリルが組み合わされた状態では前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出していない状態であると検出し、前記前グリルが前記後グリルから取り外された状態では前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出した状態であると検出することにより、前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出した状態か否かを検出するグリル開閉検出部と、
前記ファンを駆動するモータを制御するモータ駆動部と、
前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出していない状態であることを前記グリル開閉検出部が検出した場合に前記モータを駆動可能に前記モータ駆動部を制御し、前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出した状態であることを前記グリル開閉検出部が検出した場合に前記モータを停止するよう前記モータ駆動部を制御する制御部と、
を有し、
前記グリル開閉検出部は、前記前グリルの外周から突出する板状の被検出体と、前記後グリルの外周から突出するマグネットセンサ本体からなるマグネットセンサにより形成される、
ことを特徴とする扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転するファンを利用者が触れないようにするため、ファンの周囲を覆うグリル(ガードともいう)を備えた扇風機が提供されている。例えば、特許文献1に開示される扇風機は、前グリルと後グリルで分割されるグリルを備える。前グリルは、中心から放射状に形成されるフィンを備えて略円盤状に形成される。後グリルは、中心から放射状に形成されるフィンを備えて略碗状に形成される。前グリルは、両面何れも前側となるように後グリルに取り付けることができる。前グリルにおいて前側となる面を選択することにより、噴出される気流を変化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される扇風機は、後方から空気を吸い込んで前方に噴出するよう形成される。そして、使用状況によっては、前後のグリルやファンに埃等の汚れが付着することがある。前後のグリルやファンに付着した汚れの除去は、前グリルを後グリルから取り外して清掃すると掃除がし易いが、清掃時に誤ってファンを回転させないように電源コードをコンセントから引き抜いておく等の措置が必要である。このように、清掃前に電源コードをコンセントから引き抜く措置は、利用者によっては煩雑であると感じることがある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、清掃がし易い扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の扇風機は、ファンの一部又は全部を露出可能に形成されるグリルと、前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出した状態か否かを検出するグリル開閉検出部と、前記ファンを駆動するモータを制御するモータ駆動部と、前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出していない状態であることを前記グリル開閉検出部が検出した場合に前記モータを駆動可能に前記モータ駆動部を制御し、前記グリルが前記ファンの一部又は全部を露出した状態であることを前記グリル開閉検出部が検出した場合に前記モータを停止するよう前記モータ駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、清掃がし易い扇風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る扇風機についてグリルを断面として模式的に表した側面図であり、(a)は前グリルと後グリルが組み合わされた状態を示し、(b)は前グリルが後グリルから取り外された状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る扇風機の制御ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1に示す扇風機1は、ベース部2を備える。ベース部2は、略円盤状に形成されて、下面が接地面に接地される。ベース部2の上面には、風量切替ボタンやタイマー等を備える操作パネル2aが設けられる。ベース部2からは、家庭用コンセントに接続して通電される電源コード2bが設けられる。ベース部2内部には、電源2cや制御回路基板2dが設けられる。
【0010】
ベース部2からは、上方に向けて支柱3が立設する。支柱3の上端には、モータ部4が設けられる。モータ部4は、内部にファン5を回転駆動するためのモータがケースに内装して収められ、公知の首振り機構(図示せず)等を介して、支柱3に対して回動自在に設けられる。
【0011】
モータ部4のモータの駆動軸4aには、ファン5が設けられる。ファン5は、軸流ファンである。ファン5の周りには、グリル6が形成される。グリル6は、前グリル6aと後グリル6bからなる。後グリル6bはモータ部4に固定される。前グリル6aは、後グリル6bと着脱自在に設けられる。前グリル6aと後グリル6bは、図示しない公知の係合ノッチ等の構造を備えて、前グリル6aは後グリル6bに対して着脱自在に形成される。
【0012】
グリル6には、グリル開閉検出部7が設けられる。本実施形態においては、グリル開閉検出部7は、板状の被検出体7aと、マグネットセンサ本体7bと、からなるマグネットセンサにより形成される。なお、グリル開閉検出部7は、マグネットセンサの他、各種のセンサやスイッチを用いることができる。
【0013】
図1(a)に示すように、前グリル6aと後グリル6bが組み合わされた状態では、被検出体7aがマグネットセンサ本体7bと接触又は近接しているため、グリル開閉検出部7は、グリル6がファン5の一部又は全部を露出していない状態(換言すれば、ファン5に人がアクセスできない状態)であると検出する。また、
図1(b)に示すように、前グリル6aが後グリル6bから取り外された状態では、被検出体7aがマグネットセンサ本体7bから離間しているため、グリル開閉検出部7は、グリル6がファン5の一部又は全部を露出した状態(換言すれば、ファン5に人がアクセスできる状態)であると検出する。
【0014】
図2は扇風機1の制御ブロック図である。扇風機1は、制御部10、記憶部11、モータ駆動部12を備える。制御部10は、コンピュータ(CPU)により形成される。記憶部11は、制御部10と接続する。記憶部11は、例えば、SSD(Solid State Drive)やSRAM(Static Randam Access Memory)で構成され、制御部10を動作させる制御プログラムや各種設定値等が記憶される。
【0015】
制御部10と接続されるモータ駆動部12はモータ部4のモータと接続してモータを駆動制御する。また、グリル開閉検出部7は、制御部10と接続される。
【0016】
制御部10は、グリル開閉検出部7によりグリル6がファン5の一部又は全部を露出した状態であると検出した場合、モータ部4のモータを停止するようモータ駆動部12を制御する。すなわち、前グリル6aが後グリル6bから取り外されている場合には、モータ部4のモータは停止される。よって、前グリル6aが後グリル6bから取り外されている場合には、ファン5は回転することがない。
【0017】
ファン5の回転は、グリル開閉検出部7によりグリル6がファン5の一部又は全部を露出していない状態であると検出されている場合に回転可能とされるよう、制御部10によりモータ駆動部12が制御される。
【0018】
このようにして、例えば、ファン5やグリル6に付着した埃等を掃除するために前グリル6aを取り外した場合において、電源コード2bを引き抜く等の作業をしなくても、誤って掃除中にファン5を回転させてしまうことが無い。
【0019】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、本実施形態においては、グリル6を前グリル6aと後グリル6bとが分割できるように形成したが、グリル6に扉を設けてファン5の一部又は全部を露出することにより、利用者がファン5にアクセスできるようにしてもよい。この場合にも、グリル開閉検出部7は、該扉の開閉を検出できるように配置すればよい。
【0020】
また、本実施形態の扇風機1は、1個のファン5を備えるが、2個のファンを同じ軸線上に備える2重反転式の扇風機としてもよい。
【0021】
また、本実施形態においては、扇風機1は家庭用コンセント(AC)から給電されるものとしたが、これに限られず、USB(DC)給電や、充電式、非接触給電等他の給電方式でも実施することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 扇風機 2 ベース部
2a 操作パネル 2b 電源コード
2c 電源 2d 制御回路基板
3 支柱 4 モータ部
4a 駆動軸
5 ファン 6 グリル
6a 前グリル 6b 後グリル
7 グリル開閉検出部 7a 被検出体
7b マグネットセンサ本体 10 制御部
11 記憶部 12 モータ駆動部