(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】基板に多層構造を作るための方法及び多層デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/302 20060101AFI20220406BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220406BHJP
H01L 27/11551 20170101ALI20220406BHJP
H01L 27/11578 20170101ALI20220406BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220406BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20220406BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
H01L21/302 201B
H01L21/302 105Z
H01L27/11551
H01L27/11578
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2017528927
(86)(22)【出願日】2015-11-30
(86)【国際出願番号】 US2015062905
(87)【国際公開番号】W WO2016089727
(87)【国際公開日】2016-06-09
【審査請求日】2018-11-21
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-22
(32)【優先日】2014-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ルノー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ヘイティム
【合議体】
【審判長】辻本 泰隆
【審判官】恩田 春香
【審判官】▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-42029(JP,A)
【文献】特開平4-280629(JP,A)
【文献】特開平5-90612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に多層構造を作るための方法であって、
該方法は、
前記基板の上に配置されるデバイス積層の上にマスクを供給するステップであって、前記デバイス積層は、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る、第1の複数の層を備える、ステップと、
前記基板の平面の法線に対して第1のゼロ以外の入射角を形成して、第1のイオンを第1の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対して第1のゼロ以外の傾射角を形成する側壁の角度を有する第1の側壁が形成され、前記第1の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第2の複数の層を備える、ステップと、
前記第2の複数の層を、第1の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第1の層のタイプを、前記第2の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップであって、階段構造を有し、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する第1の側壁構造が形成され、該第1の側壁構造の階段表面は前記第1の平均側壁角度に対して傾斜している、ステップと、を有し、
前記第1のイオンは不活性ガスイオンを含み、
前記第2の複数の層は、少なくとも16の層の対を備え、少なくとも1つの層の対はシリコン層及び絶縁材料層を含む方法。
【請求項2】
前記第2の複数の層を、第2の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第2の層のタイプを、前記第1の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップをさらに有する、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項3】
前記第2の複数の層を、前記第1の選択エッチングを用いてエッチングする前記ステップは、第1の反応性イオンエッチングを実施して、前記第1の層のタイプをエッチングするステップを有し、前記第2の複数の層を、前記第2の選択エッチングを用いてエッチングする前記ステップは、前記第1の反応性イオンエッチングと異なる第2の反応性イオンエッチングを実施して、前記第2の層のタイプをエッチングするステップを有する、請求項2記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項4】
前記法線に対して第2のゼロ以外の入射角を形成して、第2のイオンを前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第2の平均側壁角度を規定する第2の側壁が形成され、前記第2の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第3の複数の層を備える、ステップと、
前記第3の複数の層を、第3の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第1の層のタイプを、前記第2の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップであって、階段構造を有し、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第2の平均側壁角度を規定する第2の側壁構造が形成され、該第2の側壁構造の階段表面は前記第2の平均側壁角度に対して傾斜している、ステップと、をさらに有する、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項5】
前記第1のイオンは、50KeVより小さいエネルギーを有するイオンを含む、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項6】
前記デバイス積層は、シリコン層及び絶縁材料層を含む交互になっている層を備える、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項7】
前記第1の方向は、前記法線に対して15度と70度との間の入射角を形成する、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項8】
前記第1の層のタイプは、前記第2の層のタイプと交互になる仕方で配置される、請求項1記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項9】
基板に多層構造を作るための方法であって、
該方法は、
前記基板の上に配置されるデバイス積層の上にマスクを供給するステップであって、前記デバイス積層は、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る、第1の複数の層を備える、ステップと、
前記基板の平面の法線に対して第1のゼロ以外の入射角を形成して、第1のイオンを第1の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対して第1のゼロ以外の傾射角を形成する側壁の角度を有する第1の側壁が形成され、前記第1の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第2の複数の層を備える、ステップと、
前記第2の複数の層を、第1の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第1の層のタイプを、前記第2の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップであって、階段構造を有し、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する第1の側壁構造が形成され、前記第1の層のタイプ
又は前記第2の層のタイプの少なくとも1つの層は、前記第1の平均側壁角度に対して傾斜している階段表面を備え、電気コンタクトは前記階段表面上に形成される、ステップと、
を有し、
前記第1のイオンは不活性ガスイオンを含み、
前記第2の複数の層は、少なくとも16の層の対を備え、少なくとも1つの層の対はシリコン層及び絶縁材料層を含み、
前記デバイス積層はVNANDデバイスを備える、方法。
【請求項10】
前記第2の複数の層を、第2の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第2の層のタイプを、前記第1の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップをさらに有する、請求項9記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項11】
前記法線に対して第2のゼロ以外の入射角を形成して、第2のイオンを前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第2の平均側壁角度を規定する第2の側壁が形成され、前記第2の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第3の複数の層を備える、ステップと、
前記第2の側壁に沿って前記第1の層のタイプの少なくとも1つの層への第2の電気コンタクトを形成するステップと、をさらに有する、請求項9記載の基板に多層構造を作るための方法。
【請求項12】
基板の上に配置される不均質デバイス積層であって、該不均質デバイス積層は、多層であり、第1の層のタイプの少なくとも1つの層及び第2の層のタイプの少なくとも1つの層を備える不均質デバイス積層と、
基板の平面の法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する少なくとも1つの側壁と、
前記第1の平均側壁角度と異なる第2の平均側壁角度を規定する追加の少なくとも1つの側壁と、を備え、
前記第2の平均側壁角度は、前記基板の平面の前記法線に対して第2のゼロ以外の傾斜角を有し、
前記少なくとも1つの側壁及び前記追加の少なくとも1つの側壁は、同じ数の階段表面を含む階段構造を備え、
前記多層の複数の層は、少なくとも16の層の対を備え、少なくとも1つの層の対はシリコン層及び絶縁材料層を含み、
前記不均質デバイス積層はVNANDデバイスを備える、多層デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は基板処理に関し、特に多層デバイス構造を製造するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、より小さい寸法に縮小するので、基板上の所定領域内に、より多くのデバイス機能を与えるために、三次元構造を開発するニーズが生じている。これらの三次元構造の例は、三次元(3D)メモリデバイスだけでなくフィン型FET論理デバイスを含む。最近の関心を引く3Dメモリの一例は、垂直NANDデバイスすなわちVNANDデバイスとして知られるある種のフラッシュメモリである。いくつかの特定の実装において、VNANDデバイスは、記憶素子としての機能を果たすために、16、32又は64の層を組み立てることにより、実装される。一変形において、異なる層にアクセスするために、VNANDデバイス積層は、マスキング素子でパターン化することができ、その後、デバイス積層に含まれる一連の層を通って一連のサイクルでエッチングされる。所定のサイクルにおいて、マスクサイズは、ピラミッド形の階段構造を形成するために、連続するエッチング作業の間のレジストトリミングにより低減され、ピラミッドの上部は上部デバイス層とすることができ、ピラミッドの底部は露出される最深デバイス層を構成し、続いて、接点の形成をすることができる。エッチング作業は、1サイクルで1層だけ又は数層をエッチングするように構成される垂直反応イオンエッチングシーケンスとして実施されるため、このプロセスは多くのエッチング作業を含む多くのサイクルを伴うことができる。したがって、64層のデバイス積層に対して、一連の8回、16回又はより大きい数の回数のエッチング作業を実施することができ、同様の数の回数のマスクトリミング作業も実施することができる。さらに、そのような多数回のエッチング作業を実施した後、そのようなデバイス構造の形状は支障を来し、信頼性のより少ないプロセスに至る。その上、レジストトリミング作業は、正方形又は長方形のレジスト形状の全ての辺に沿ったマスキング素子の寸法の低減という結果になり得て、基板上に大きい投影面積を占める正方形のピラミッドデバイス構造という結果になる。メモリデバイスを形成するために、ピラミッド構造の2辺だけをアクセスすべき場合でさえ、過度に大きい構造が製造される。
【0003】
本改良が必要とされるのは、これらや他の検討事項に関してである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに述べる単純化した形態での概念の選択を紹介するためのものである。この概要は、請求の要旨の重要な特徴又は本質的な特徴を特定するものではなく、また請求の要旨の範囲を決定を支援するためのものでもない。
【0005】
一実施態様において、基板に多層構造を作るための方法は、前記基板の上に配置されるデバイス積層の上にマスクを供給するステップであって、前記デバイス積層は、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る、第1の複数の層を備える、ステップと、前記基板の平面の法線に対して第1のゼロ以外の入射角を形成して、第1のイオンを第1の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対して第1のゼロ以外の傾射角を形成する側壁の角度を有する第1の側壁が形成され、前記第1の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第2の複数の層を備える、ステップと、前記第2の複数の層を、第1の選択エッチングを用いてエッチングし、前記第1の層のタイプを、前記第2の層のタイプに対して、選択的にエッチングするステップであって、階段構造を有し、前記法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する第1の側壁構造が形成され、該第1の側壁構造の階段表面は前記第1の平均側壁角度に対して傾斜している、ステップと、を含むことができる。
【0006】
別の実施態様において、基板に多層構造を作るための方法は、前記基板の上に配置されるデバイス積層の上にマスクを供給するステップであって、前記デバイス積層は、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る、第1の複数の層を備える、ステップと、前記基板の平面の法線に対して第1のゼロ以外の入射角を形成して、第1のイオンを第1の方向に沿って向けるステップであって、前記法線に対して第1のゼロ以外の傾射角を形成する側壁の角度を有する第1の側壁が形成され、前記第1の側壁は、前記第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、前記第1の層のタイプ及び前記第2の層のタイプから成る、第2の複数の層を備える、ステップと、前記第1の側壁に沿って前記第1の層のタイプの少なくとも1つの層への電気コンタクトを形成するステップと、を含むことができる。
【0007】
更なる実施態様において、多層デバイスは、基板の上に配置される不均質デバイス積層であって、該不均質デバイス積層は第1の層のタイプの少なくとも1つの層及び第2の層のタイプの少なくとも1つの層を備える不均質デバイス積層と、基板の平面の法線に対してゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する少なくとも1つの側壁と、前記第1の平均側壁角度と異なる第2の平均側壁角度を規定する少なくとも1つの追加の側壁と、を含むことができ、前記少なくとも1つの側壁は階段構造を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1A~
図1Dは、本発明の様々な実施形態による多層構造を作るための方法に含まれる例示的操作を例示する様々な例のデバイス構造例の断面図を示す。
【
図2】
図2A~
図2Cは、本発明の実施形態による、傾斜イオンビームを用いた処理後の例示的デバイス構造の断面マイクロ図を示す。
【
図3A】本発明の実施形態による、傾斜イオンビームを用い選択エッチングをするシーケンス処理後の例示的デバイス構造の断面マイクロ図を示す。
【
図3B】
図3Aのデバイス構造の部分のクローズアップ図を示す。
【
図5A】本発明の追加の実施形態により、多層デバイス構造を作るための方法に含まれる例示的操作を例示する様々な例でのデバイス構造の断面図を示す。
【
図5B】本発明の追加の実施形態により、多層デバイス構造を作るための方法に含まれる例示的操作を例示する様々な例でのデバイス構造の断面図を示す。
【
図5C】本発明の追加の実施形態により、多層デバイス構造を作るための方法に含まれる例示的操作を例示する様々な例でのデバイス構造の断面図を示す。
【
図6】
図6A~
図6Cは、本発明の追加の実施形態による、異なるデバイス構造の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明する実施形態は、多層から成る基板上の多層構造を製造するための技術を提供し、多層を本明細書では「デバイス積層」と呼ぶことができる。デバイス積層は、不均質デバイス積層であり得て、デバイス積層は、少なくとも1つの第1の層のタイプの層及び少なくとも1つの第2の層のタイプの層を含むことを意味する。第1の層のタイプの層は、物質の組成、又は、微細構造、又は、物質の組成及び微細構造において、第2の層のタイプの層と一般的に異なる。不均質デバイス積層の例は、シリコン層及び絶縁層が交互に配置される層のスタックであり得る。そのような配置は、前述のVNANDなどの垂直又は3Dのデバイス構造の特徴を有する。実施形態は本文脈に限定されず、他の不均質デバイス積層を含んでもよい。
【0010】
様々な実施形態は、傾斜デバイス構造を規定するエッチングプロセスの新規な組合せによる不均質デバイス積層の処理を提供し、デバイス構造の側面は、基板の平面の法線(垂線)に対し、ゼロ以外の角度を規定する。そのようなデバイス構造は、以下に詳述するように、ゼロ以外の角度によって、デバイス構造内の複数の異なる層への有用なアクセスを提供することができる。
【0011】
特定の実施形態において、デバイス積層の複数の層を通して延びる傾斜側壁を有する傾斜デバイス構造を規定するために、1つの操作で指示されるイオンエッチングが、法線に対してゼロ以外の角度で、マスキングされる不均質デバイス積層に提供される。次の操作において、傾斜デバイス構造に類似する角度を規定する階段デバイス構造を規定するために、1つの選択エッチングプロセス又は多数の選択エッチングプロセスを傾斜デバイス構造に実行することができる。
【0012】
図1Aを参照するに、基板100及びデバイス積層104から成る最初のデバイス構造が示される。本明細書で用いられる用語「基板」は、他の材料、層などが配置され得る基板の構造の一部を指すことができる。したがって、
図1の基板100は、デバイス積層104などの他の材料をベース構造に配置することができるベース構造を形成する。本明細書で開示する特定の例において、デバイス構造は基板上に作ることができ、デバイス構造は基板以外の層に配置することができる。他の例において、デバイス構造は他の例の基板内に部分的に形成することができる。
【0013】
様々な実施形態において、
図1Bにもっと詳細に示すように、デバイス積層104は、デバイス積層を通して延びる複数の層から成る。本例において、デバイス積層104は、第2の層のタイプと交互になっている第1の層のタイプを含み、図示のように、層106と交互になっている層108のシーケンスを形成する不均質デバイス積層として特徴づけることができる。メモリ構造を作るための特定の例において、層108はシリコンとし、層106は酸化物などの絶縁材料層とすることができ、あるいは、積層108は窒化シリコンとし、層106は酸化物とすることができる。実施形態は本文脈に限定されない。いくつかの例において、層108、あるいは、層106を指す層の厚さは、5nmと500nmとの間に及ぶことができる。実施形態は本文脈に限定されない。他の実施形態において、不均質デバイス積層は、3つの異なる層のタイプのシーケンスなどの異なる層のシーケンスから成ることができる。
【0014】
本発明の様々な実施形態により、デバイス積層104は、デバイスの1つの傾斜側面又は複数の傾斜側面により規定されるデバイス構造を形成するために、あるパターンでエッチングすることができ、傾斜側面はデバイス積層104内の複数の層から成る。本明細書で用いられる用語「傾斜」は、関連の特徴が基板の平面の法線に対し、ゼロ以外の角度を形成する、表面、構造又はイオンの軌道を指す。そのようなデバイス構造を規定するために、マスク102は、デバイス積層104の露出部分130を残しながら、デバイス積層104の一部の上に配置される。マスク102は、酸化物、窒化物、炭素又は他の材料などのハードマスクとすることができ、レジスト材料又は当技術分野で周知の他の材料とすることができる。マスク102は、
図1Aに例示されるような1つのマスクの構成だけの代わりに、複数のマスク素子から成ることができる。図示のデカルト座標系により、いくつかの実施形態において、X軸、Y軸、又は、X軸及びY軸に沿うマスクの寸法は、5nmから1000nmに及ぶことができる。実施形態は本文脈に限定されない。
【0015】
本発明の実施形態により、デバイス積層104の部分をエッチングしてデバイス構造を規定するために、イオンをデバイス積層104へ向けることができる。マスク102は、デバイス積層104の保護される領域132をイオンが打つことを妨げるのに役立つことができる。したがって、イオンの種、イオンエネルギー、イオン線量、及びイオン120の入射角により、イオンを弱めるのに適切な厚さを有するように設計することができる。
図1Aに示す例において、基板100の平面136の法線134に対し角度θとして示される、ゼロ以外の入射角で、イオン120がデバイス積層104へ向けられ、角度θは、いくつかの実施形態において、15度と70度との間を変化することができる。様々な実施形態において、イオン120は、物理スパッタリングによりデバイス積層104をエッチングするように構成される不活性ガスイオン(He, Ar, Kr, Xe, Rn)とすることができる。不活性ガスイオンを用いることの優位性は、デバイス積層104内の異なる層の物理エッチングを提供し、異なる層がデバイス積層内の材料の変化に敏感でなくなり得ることであり、デバイス積層104内のイオン120と材料との間の不要な反応を避けることができることである。いくつかの実施形態において、イオン120のイオンエネルギーは50KeV未満であってもよく、特定の実施形態において、1KeVと30KeVとの間に及んでもよい。実施形態は本文脈に限定されない。
【0016】
特定の実施形態により、ビームラインイオン注入機、コンパクトイオンビームスパッタリング型装置、又は、基板の平面の法線に対しゼロ以外の入射角で、イオンが基板へ向けられるように構成される他の装置を含む既知の装置により、イオン120を提供することができる。
図1Bを参照するに、側壁、すなわち、法線134に対し傾斜した傾斜デバイス構造115の側面110を規定するように、イオン120が露出部分130のデバイス積層104をエッチングした後の例が示される。様々な実施形態において、側面110の傾斜角φは、イオン120の入射角θに類似、又は、と同一とすることができる。イオン120のイオン線量は、エッチングすべきデバイス積層104の層の数に依存して、変更することができる。例えば、デバイス積層104は、例えば、64層を含む第1の複数の層から成り得るが、一方、32層だけをエッチングするのが目標である場合がある。その場合、イオン120の線量は、デバイス積層104の半分だけをエッチングするために供給することができる。これに対して、デバイス積層104の本例において、デバイス積層104の全体が基板までエッチングされている。
【0017】
デバイス積層104をエッチングするために、ビームラインイオン注入機などのツールを用いる優位性は、入射角の制御である。例えば、いくつかの例において、イオン120の入射角θを1度より良い精度で制御することができ、傾斜角φとして示す精密に規定した傾斜角を有する側面110の形成を可能にする。
【0018】
図2A及び
図2Bを参照するに、本発明の実施形態による、傾斜イオンビームを用いた処理後の例示的デバイス構造の断面マイクロ図が示される。
図2Aにおいて、ポリシリコン及び酸化シリコンが交互になっている層により形成された約90層を有するデバイス積層202が基板200上に配置されている。基板200の平面の法線(Z軸に平行)に対し約30度の入射角で、イオンビームを用いて、デバイス積層202はエッチングされている。デバイス積層202の42層をエッチングしてデバイス構造206の側面204を規定するために、イオン線量が供給されている。
図2Bにおいて、ポリシリコン及び酸化シリコンが交互になっている層により形成された約90の層を有するデバイス積層212も基板210上に配置されている。法線(Z軸に平行)に対し約30度の入射角で、イオンビームを用いて、デバイス積層212はエッチングされており、一方、デバイス積層212の64の層をエッチングして得られるデバイス構造216の側面214を規定するために、イオン線量が供給されている。2つの例において、それぞれの側面、側面204及び側面214は平坦であり、マイクロ構造は、さざ波の形又は顕著な変形を示さない。
【0019】
図2Cは、デバイス構造226を形成するために、法線に対し約30度の入射角で、傾斜イオンビームによりエッチングした後のデバイス積層222の一部のクローズアップ図を示す。例示のように側面224は平坦な表面を示す。
【0020】
図1Bに戻るに、図示の例において、傾斜デバイス構造115は、規定された階段構造を有していない。いくつかの実施形態において、
図1Bの傾斜デバイス構造115の非階段構造は、層106のうちの少なくとも1つの層などの傾斜デバイス構造115の層を選択するためのコンタクトの形成のために適切であり得る。
【0021】
図1Cに戻るに、デバイス構造206、すなわち、
図1Bの傾斜デバイス構造115に階段表面を規定するための更なる操作が示される。特に、デバイス構造206は、エッチング種112を側面110に向けるように構成される第1の選択エッチングを受けることができる。様々な実施形態において、エッチング種112は当技術分野で周知の反応性イオンエッチング種であってもよい。他の実施形態において、エッチング種112を、当技術分野で周知の選択ウエット化学エッチングに供給してもよい。エッチング種112は、層108に対して層106を選択的にエッチングするように設計することができ、層106の第1のエッチング速度は、層108の第2のエッチング速度より速くなる。エッチング種112に対する露出後、層106の部分106aを除去し、階段デバイス構造116になる。階段デバイス構造116は、部分106aが除去された後に、層108の部分122上に生じている階段表面、すなわち、テラスから成る。
【0022】
図3A及び
図3Bを見るに、本発明の実施形態により作られた階段デバイス構造302の断面マイクロ図が示される。階段デバイス構造302は、対応する第2のタイプの複数の層310と交互になっている第1のタイプの複数の層308を含む。したがって、第1のタイプの層及び第2のタイプの層は1つの層の対と見なすことができ、階段デバイス構造302は複数の層の対を含むことができる。階段デバイス構造302の構造は、平面136の法線134に対しある入射角で、傾斜イオンビームを向けて、階段表面を有する側面304として示す側壁構造を生成することにより、形成することができる。側面304は、一般的に、法線134に対し第1の傾斜角φを有する平均側壁角度により規定される。側壁構造は、階段表面、すなわち、テラス312から成る。テラス312は、平均側壁角度に対して傾斜しており、言い換えれば、第1の傾斜角φとは異なる第2の傾斜角に向けられている。
図3A及び
図3Bを見るに、第2の傾斜角は、もっと水平方向を向いており、言い換えれば、X-Y平面に平行により近い。
【0023】
図1Dに戻るに、階段デバイス構造116に対する第2の選択エッチングを行うことを含む更なる操作が示される。本例において、第2の選択エッチングにより、エッチング種114は側面110へ向けられる。様々な実施形態において、エッチング種114は、反応性イオンエッチング種であってもよいし、又は、当技術分野で周知のウエット化学エッチング種であってもよい。エッチング種112は、層106に対して層108を選択的にエッチングするように設計することができ、層108のエッチング速度は、層106のエッチング速度より速くなる。したがって、
図1C及び
図1Dに例示する操作において、エッチング種の選択は、一方の
図1Cに例示する操作と
図1Dに例示する操作との間で、逆転される。層106がポリシリコンであり、層108が酸化シリコンであるデバイス積層の例において、エッチング種114は、酸化シリコンより早い速度でポリシリコンを選択的にエッチングするように設計され、一方、エッチング種114は、ポリシリコンより早い速度で酸化シリコンを選択的にエッチングするように設計される。エッチング種112に対する露出後、層108の部分122(
図1Cを参照)を除去し、階段デバイス構造118になる。階段デバイス構造118は、層108の部分122が除去された後に、層106の部分122上に生じているテラス124から成る。
【0024】
デバイス構造118は、テラス124の領域の少なくとも1つの層106に対する電気コンタクトを形成するために適切であり得る。例えば、電気コンタクト(図示せず)は、コンタクト点として役立つために、テラス124を用いて多層106上に形成することができる。したがって、当技術分野で周知のように、異なるメモリ部分が異なる層内に配置されるVNANDメモリなどの三次元「階段」型メモリを形成するための基礎として、デバイス構造118は役立つことができる。
図1Aから
図1Dに示す実施形態により得られる優位性は、従来技術の実務のように、階段を規定するために、付随する多数のリソグラフィー操作を実施する必要性を避けながら、多数の「階段」を有する階段型デバイス構造を作ることができることである。例えば、
図1A~
図1D及び
図2A~
図2Cに一般的に示すように、いくつかの実施形態において、64の異なる層を有する階段型デバイス構造は、多数のマスクトリム操作の実施を避けながら、1つのマスクだけを用いて作ることができる。この簡易化プロセスは、多層を有する3Dデバイス構造を形成するコストと複雑性を大きく低減することができる。
【0025】
図4は、本発明の実施形態によりデバイス構造を形成するための方法に含まれる例示的操作を含む例示的プロセスフロー400を示す。ブロック402において、基板構造が提供され、基板構造は、基板平面により規定され、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプを有する第1の複数の層を含む不均質デバイス積層から成る。
【0026】
ブロック404において、マスクが不均質デバイス積層に供給される。マスクは、不均質デバイス積層の表面に複数のマスク領域及び複数の露出領域を規定することができる。マスクは、ハードマスク材料又はレジスト材料を含む既知のマスク材料から成り得る。
【0027】
ブロック406において、基板平面の法線に対してゼロ以外の入射角で、第1のイオンがデバイス積層へ向けられる。例えば、複数の層は、基板平面に対し平行にあるように配置することができるので、ゼロ以外の入射角は、層の平面の法線に対してもゼロ以外の入射角を形成する。いくつかの実施形態において、第1のイオンは、物理スパッタリングによりデバイス積層をエッチングするように構成される不活性ガスイオンから成ることができる。
【0028】
ブロック408において、第1のイオンを用いて、不均質デバイス積層の第2の複数の層をエッチングして、法線に対してゼロ以外の傾斜角を形成する側面を有するデバイス構造を形成する。いくつかの例において、デバイス構造の傾斜角は第1のイオンの入射角に等しくすることができる。第2の複数の層は、第1の複数の層と同じにすることができるが、第1の複数の層より少ない層から成ることもできる。いくつかの実施形態において、ブロック406及びブロック408は、第1のイオンを不均質デバイス積層に向ける同一の操作の部分を構成することができる。
【0029】
ブロック410において、第2の複数の層は、第1の選択エッチングを用いてエッチングされ、第1の層のタイプは、第2の層のタイプに対して、選択的にエッチングされる。様々な実施形態において、第1の選択エッチングは、反応性イオンエッチングであってもよいし、あるいは、ウエット化学エッチングであってもよい。第1の選択エッチングは、特に、第1の層のタイプの層の部分だけをエッチングすることができ、第1の層のタイプの層は、デバイス積層の側面に沿って露出される。
【0030】
ブロック412において、第2の複数の層は、第2の選択エッチングを用いてエッチングされ、第2の層のタイプは、第1の層のタイプに対して、選択的にエッチングされる。様々な実施形態において、第2の選択エッチングは、反応性イオンエッチングであってもよいし、あるいは、ウエット化学エッチングであってもよい。第2の選択エッチングは、特に、第2の層のタイプの層の部分だけをエッチングすることができ、第1の層のタイプの層は、デバイス積層の側面に沿って露出される。
【0031】
更なる実施形態において、階段デバイス構造は、基板の平面の法線に対してゼロ以外の入射角で向けられる傾斜イオンに、デバイス積層を一回だけさらすことにより、作ることができる。傾斜イオンにさらすことに続いて、第2の層のタイプに対して、第1の層のタイプから材料を選択的に除去するように構成される一回だけの選択エッチング操作を行うことができる。例えば、
図1Aから
図1Cに戻るに、一実施形態において、層108がポリシリコンであり、層106が酸化物であり得る。したがって、
図1Aから
図1Cに示す操作は、
図1Dに示す第2の選択エッチング操作を省略しながら、実施することができる。本例において、階段デバイス構造116はテラス122aから成ることができ、テラス122aは、次の操作で形成される導電コンタクト(図示せず)によりコンタクトされるべきポリシリコン表面から作られる。Y軸に平行な方向に沿うテラス122aの幅は、
図1Dに示すプロセスで形成されるテラス124の幅より短くあり得るが、それにもかかわらず、コンタクト構造として役立つためには適切であり得る。
【0032】
追加の実施形態において、多層デバイス構造を基板上に形成することができ、多層デバイス構造は、基板の平面の法線に対して多数の傾斜側面を有する。
図5Aから
図5Cは、本発明の追加の実施形態により、多層デバイス構造を作るための方法に含まれる例示的操作を例示する様々な例でのデバイス構造の断面図を示す。例えば、デバイスの異なる層へのコンタクトを形成するため、2つの側面を有する新規なVNANDデバイス構造を形成するために、操作のシーケンスを使用することができる。
図5Aにおいて
、デバイス積層506を支持する基板502が示される。デバイス積層506は、第1の層のタイプ540が第2の層のタイプ542と交互に配置される、複数の層を含む。デバイス積層506は、マスク504がデバイス積層506の一部の上に配置されるときに、イオン508にさらすことができる。
図1Aに
おいて、基板100の平面136の法線134に対し入射角θとして一般的に上記されたように、
図5Aにおいて、イオン508、例えば、不活性ガスイオンは、法線134に対し入射角θ
1で向けられる。イオン508は、結果的に、例示のように、デバイス構造510を形成するために、デバイス積層506をエッチングすることができる。特に、デバイス構造510の側面512は、法線134に対し傾斜角φ
1を有するように形成することができる。
【0033】
図5Aの例において、デバイスを形成するための最終目標構造514は、破線で例示される。
図5Aに例示される操作の後、側面512は、形成される最終目標構造514の左側面の構造に一致する。
図5Aから明らかなように、イオン508のエッチングにより側面512に平行に延びるデバイス構造の右側面上に、アンダーカット側面516が形成される。最終目標構造514を生成する機能に適応するために、マスク504は、最終目標構造514の上面の寸法を超えて、Y軸に沿って、より大きい距離を延びる。
【0034】
図5Bを見るに、法線134に対して入射角θ
2を形成する異なる方向に沿って、イオン522を基板502に向けることにより実施される、後続のエッチング操作が示される。一例において、入射角θ
2は、必要ではないが、法線134に対してθ
1と同じ絶対値にすることができる。特定の実施形態において、入射角
θ
1
及び入射角
θ
2
は、X-Z平面に平行で法線134により規定される平面に対して、対称にすることができる。デバイス積層506の部分526をエッチングするために、部分526をさらすように構成されるマスク520を形成するための既知のトリムプロセスを用いて、マスク504の後ろをエッチングすることができる。さらに、イオン522によるエッチングを防ぐために、第2のマスク、マスク524、を、側面512をマスキングするために設けることができる。マスク524は、いくつかの実施形態において、レジストマスクであってもよいし、又は、ハードマスクであってもよい。イオン522は、次いで、
図5Bに示す部分526を指す、露出領域のデバイス積層506、をエッチングすることができる。
【0035】
図5Cを見るに、イオン522よるエッチング後に形成されたデバイス構造530が完了していることが示される。本例において、デバイス構造530は、法線134に対して傾斜角φ
1を有する側面512及び法線134に対して傾斜角φ
2を有する側面532を含む。続いて、
図1C及び
図1Dに関して説明したように、デバイス構造530の選択エッチングを実施することができ、例えば、階段の異なる「段」に対してコンタクトを形成するために適切な階段デバイス構造が得られる。
【0036】
要約すれば、本実施形態は、少なくとも1つの側面が基板の平面の法線(垂線)に対し、ゼロ以外の角度を形成する多層デバイスなどの、基板上のデバイス構造を形成するための新規な技術を提供する。様々な実施形態は、VNANDなどの垂直メモリとして用いるのに適切な階段型デバイス構造を形成する機能を提供し、目標多層を通して延びるデバイス構造の傾斜側面を形成するために、32、64又は多数の階段は、1つのマスク操作だけ及びイオンを向けることを用いて作ることができる。
【0037】
本実施形態は、任意の目標入射角でのイオンの平行ビームを含むイオンビームの注意深い制御により、デバイス構造の1つ又は複数の側面の傾斜角を調整してつくる機能も提供する。例えば、法線に対して15度の大きさしかない傾斜角を有する階段デバイス構造は、本実施形態により、容易に作ることができる。このデバイス構造は、例えば、約60度の傾斜角を有する階段型構造を生成することができる既知の技術とは、対照的である。より急勾配(より小さい傾斜角)のデバイス側面を設けることの優位性は、基板のX-Y平面で規定される所定のフットプリント内にデバイスをお互いに、よりぎっしりと詰めることができることである。
【0038】
本実施形態により得られる更なる優位性は、多層デバイスの異なる層へのアクセスを与えるために必要なデバイス構造のちょうど側面に、多層デバイス構造の傾斜側面を形成することができることである。例えば、VNANDで用いるための既知の階段型デバイス構造において、多数のマスクトリム操作が実施されるマルチ操作処理の必然的な副産物として、4つの傾斜側面を有するピラミッド形の構造が形成される。4つの傾斜側面の形成は、ピラミッド形のデバイス構造のちょうど2つの対向側面にコンタクトが形成され得る所与の場合でさえある。例えば、
図1A~
図1D及び
図5A~
図5Cに例示されるように、本実施形態は、ちょうど1つ又は2つの側面を傾斜にすることができ、一方、他の側面を原則として垂直にすることができる、デバイス構造を提供する。デバイス構造は、(図のX軸などの)垂直側面に垂直な方向に沿って、もっとぎっしりと詰めることができるため、この構造は、隣接するデバイス構造の配置において、更なるコンパクトさを可能にする。
【0039】
もっと一般的に、本実施形態により、多層デバイスは基板上に配置される不均質デバイス積層を含むことができ、不均質デバイス積層は、少なくとも1つの第1の層のタイプの層及び少なくとも1つの第2の層のタイプの層を含む。多層デバイスは、さらに、基板の平面の法線に対し、ゼロ以外の傾斜角を有する第1の平均側壁角度を規定する少なくとも1つの側壁を有することができ、かつ、第1の平均側壁角度とは異なる第2の平均側壁角度を規定する少なくとも1つの追加の側壁を有することができる。いくつかの例において、多層デバイスは、第2の平均側壁角度が垂線に平行なように形成することができる。したがって、多層デバイスは、少なくとも1つの「垂直」側壁を有することができ、かつ、層、すなわち、多層デバイスの層と接するために用いる階段構造を有する少なくとも1つの傾斜側壁を有することができる。
【0040】
図6Aから
図6Cは、前述の優位性のいくつかを強調するデバイス構造を、さらに、示す。
図6Aにおいて、デバイス構造600の2つの反対側面に傾斜側面を有する階段型デバイスを示すデバイス構造600が示される。
図6Bにおいて、デバイス構造610の2つの反対側面に傾斜側面を有する階段型デバイスを示すデバイス構造610が示される。本例において、傾斜角は、デバイス構造610の急勾配の側面を生成するように配置される。
図6Cにおいて、隣接するデバイス構造の最密充填を達成する機能を示す、デバイス構造610の二次元配列620の例が示される。
【0041】
その上、異なる側面を処理するのに用いるイオンの入射角を変えることにより、デバイス構造の異なる側面間で、傾斜角を変えることができる。さらに、本実施形態は、階段デバイスなどのデバイス構造を含み、第2の階段とは対照的に第1の側面の階段で異なる数の層がさらされ得る。
【0042】
追加の実施形態において、階段デバイスを形成する方法は、基板上に配置されるデバイス積層上のマスクを供給することを含むことができ、デバイス積層は、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る第1の複数の層を備える。その方法は、基板の平面の法線に対して第1のゼロ以外の入射角を形成して、第1のイオンを第1の方向に沿って向けることも含むことができ、法線に対して第1のゼロ以外の傾射角を形成する側壁の角度を有する第1の側壁が形成される。第1の側壁は、第1の複数の層の少なくとも一部からの、及び、第1の層のタイプ及び第2の層のタイプから成る、第2の複数の層を備えることができる。その方法は、第2の層のタイプに対して、第1の層のタイプを選択的にエッチングすることを含むこともでき、第2の層のタイプの少なくとも1つの層の階段表面を備える階段構造を有する第1の側壁構造が形成される。さらに、その方法は、階段表面上の少なくとも1つの層への電気コンタクトを形成することを含むことができる。
【0043】
最後に、本実施形態は、VNANDに関して本明細書で強調した本実施形態のアプリケーションを超えて、傾斜側壁を有する任意の多層デバイス構造を形成するために用いる技術に及ぶ。
【0044】
要約して言えば、本実施形態は、傾斜デバイス構造を規定するために、多数の連続マスク処理を適用し得る垂直又は三次元デバイス構造を作るための既知の製造技術を超える多くの優位性を提供する。一つには、前記の多数のマスク処理を除去することにより、操作の複雑性を有利に低減することができる。もう一つには、ツールの使用及び材料の使用を低減することにより、処理の総費用を有利に低減することができる。
【0045】
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態の範囲に限定されない。実際には、本明細書に記載された実施形態に加えて、本発明に対する他の種々の実施形態及び変更例が、前述の記載及び添付の図面から当業者には明らかであろう。従って、かような他の実施形態及び変更例は、本発明の範囲に含まれるものと意図される。さらに、本明細書の開示は、特定の目的に対する、特定の環境における、特定の実施形態の文脈にて本明細書に記載されているが、当業者は、その有用性はこれに限定されないこと及び、本発明があらゆる目的のために、あらゆる環境において有益に実行可能であることを認識されよう。したがって、以下に明記する特許請求の範囲は、本明細書に記載されるように、本発明の全範囲及び精神を考慮して解釈すべきである。