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特許7054381結晶形態のポサコナゾール中間体および非晶質ポサコナゾールの調製のためのプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】結晶形態のポサコナゾール中間体および非晶質ポサコナゾールの調製のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 407/14 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
C07D407/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018515641
(86)(22)【出願日】2016-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 IB2016055660
(87)【国際公開番号】W WO2017051342
(87)【国際公開日】2017-03-30
【審査請求日】2019-09-20
(31)【優先権主張番号】5080/CHE/2015
(32)【優先日】2015-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】6013/CHE/2015
(32)【優先日】2015-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】502315536
【氏名又は名称】バイオコン・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biocon Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】チャリウル,パッレ,ヴェンカタ,ラガベーンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウダ,ダルシャン,ジャッカリ,チャンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ラジマヘンドラ,シャンムガサミ
(72)【発明者】
【氏名】ラマン,マニカンダン
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102863431(CN,A)
【文献】国際公開第2013/042138(WO,A2)
【文献】国際公開第2009/141837(WO,A2)
【文献】国際公開第2011/158248(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/059716(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第104370894(CN,A)
【文献】国際公開第2015/092595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(IV)
【化1】
の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの非晶形態の調製のためのワンポットプロセスであって、以下:
a)構造式(III)
【化2】
の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶B-3形態を濃塩酸で処理すること、および反応混合物を55~70℃の温度にて撹拌すること、
b)反応混合物を冷却すること、およびハロゲン化炭化水素溶媒を加えること、
c)層を分離すること、
d)ハロゲン化炭化水素溶媒を水層へ加えること、およびpHを8~12へ調整すること、
e)有機層を部分的に濃縮(partially concentrating)すること、および任意に脂肪族ケトン溶媒を反応混合物へ加えること、
f)ステップe)の反応混合物と脂肪族炭化水素溶媒とを10~25℃の温度にて混合すること、
g)濾過すること、および任意に脂肪族炭化水素溶媒で洗浄することで、前記構造式IVの非晶質化合物を提供すること
を含み、
結晶B―3形態が、2θの7.07、14.49、15.68、16.50、18.05、20.13、20.87、22.85および24.42±0.2度にてピークを有するその粉末X線ディフラクトグラムによって特徴付けられる、前記ワンポットプロセス。
【請求項2】
前記構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの非晶形態の調製のための、請求項1に記載のワンポットプロセスであって、以下:
a)前記構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶B-3形態を濃塩酸で処理すること、および反応混合物を55~70℃の温度にて撹拌すること、
b)反応混合物を冷却すること、およびジクロロメタンを加えること、
c)層を分離すること、
d)ジクロロメタンを水層へ加えること、およびpHを8~12へ調整すること、
e)有機層を部分的に濃縮すること、および任意にアセトンを反応混合物へ加えること
f)ステップe)の反応混合物とシクロヘキサンとを10~25℃の温度にて混合すること、
g)濾過すること、および任意にシクロヘキサンで洗浄することで、前記構造式IVの非晶質化合物を提供すること
を含む、前記ワンポットプロセス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(III)の結晶B-3形態の調製のためのプロセスであって、以下:
a)窒素雰囲気下10~20℃にて、極性有機溶媒中の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(II)の溶液をアルカリ溶液で処理すること、
b)((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(I)をステップa)の溶液へ加え、15~20℃で1時間、続いて26~30℃で45~50時間攪拌すること、
c)脂肪族エステル溶媒および水をステップb)の溶液へ加え、反応塊を23~27℃まで加温して攪拌すること、
d)層を分離すること、
e)有機層を部分的に濃縮すること、および脂肪族炭化水素溶媒を20~30℃にて加えること、
f)ステップe)の反応塊を40~50℃にて撹拌すること、
g)ステップf)の反応塊を冷却すること、濾過すること、および任意に脂肪族炭化水素溶媒で洗浄することで、化合物IIIを結晶形態B-3で提供すること
を含む、前記プロセス。
【請求項4】
請求項3に記載の、4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(III)の結晶B-3形態の調製のためのプロセスであって、以下:
a)窒素雰囲気下10~20℃にて、ジメチルスルホキシド中の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(II)の溶液を水酸化ナトリウム溶液で処理すること、
b)((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(I)をステップa)の溶液へ加え、15~20℃で1時間、続いて26~30℃で45~50時間攪拌すること、
c)酢酸エチルおよび水をステップb)の溶液へ加え、反応塊を23~27℃まで加温して攪拌すること、
d)層を分離すること、
e)有機層を部分的に濃縮すること、およびn-ヘプタンを20~30℃にて加えること、
f)ステップe)の反応塊を40~50℃にて撹拌すること、
g)ステップf)の反応塊を冷却すること、濾過すること、および任意にn-ヘプタンで洗浄することで、前記構造式IIIの化合物を結晶形態B-3で提供すること
を含む、前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:
本出願は、我々の2015年9月23日に出願された印国特許出願第5080/CHE/2015号&2016年11月6日に出願された第6013/CHE/2015号の優先権の利益を主張するものであり、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、ポサコナゾール中間体を介するポサコナゾールの生成のための方法および前記ポサコナゾール中間体の新規結晶形態に関する。より具体的には、本発明は、以下の構造式

【化1】
によって表されるポサコナゾール中間体の新規結晶形態およびポサコナゾール中間体の新規結晶形態の生成のための方法に関し、前記中間体は、ポサコナゾールの生成における重要中間体である。
【0003】
商業的にNOXAFILとして知られているポサコナゾールは、13歳以上の患者らにおける侵襲性アスペルギウスおよびカンジダ感染症の予防に適応されるトリアゾール抗真菌剤であり、前記患者らは、GVHDをもつHSCTレシピエントらまたは化学療法から長期の好中球減少症をもつ血液悪性腫瘍の者らなど重度免疫不全であることに起因してこれら感染症を発症するリスクが高い。NOXAFILはまた、イトラコナゾールおよび/またはフルコナゾールに対して難治性のOPC(rOPC)を包含する口腔咽頭カンジダ症(OPC)の処置にも適応される。
【背景技術】
【0004】
本開示の背景および先行技術
商業的にNOXAFILとして知られているポサコナゾールは、侵襲性真菌感染症の処置に適応されるトリアゾール抗真菌剤である。
【0005】
ポサコナゾールの生成のための効果的かつ効率的な方法として、構造式III:
【化2】
によって表される、本明細書では以後ベンジルポサコナゾールと称されるポサコナゾールの中間体の調製が、大規模生成に好適であることが提案され、その中間体は、結晶中間体の易可溶性に繋がり、全体的に見てポサコナゾールAPIの収率に影響を及ぼす結晶である。
【0006】
ベンジルポサコナゾールの結晶形態は前に報告されている。国際特許公開WO2011158248 (A2)は、形態Aのベンジルポサコナゾールをクレームし、これは、約2.04、6.1、12.24、15.06、15.73、17.17、17.37、18.15、19.42、19.97、24.34、26.0にてピークを有するその粉末X線ディフラクトグラムによって特徴付けられ、WO2013042138 (A3)は、形態Mの結晶ベンジルポサコナゾールをクレームし、これは、約3.90、5.86、7.82、9.82、11.79、12.59、13.38、13.74、16.24、16.95、17.83、18.90、20.09、21.49、22.89、24.93、26.53、27.56、28.73、29.88および34.20にてピークを有するその粉末X線ディフラクトグラムによって特徴付けられる。大規模生成におけるポサコナゾールのより高い収率のための方法を実現するために、ポサコナゾールの新しい結晶形態を開発することが必要である。
【0007】
上の必要性は、ベンジルポサコナゾールの新規結晶多形B-1、B-2&B-3を介して本発明において対処されている。新規多形は、以下のとおりのピークを有する粉末X線ディフラクトグラムによって特徴付けられる:
結晶形態B-1の顕著な2θ値:2θの4.14、6.85、9.92、15.28、15.69、16.59、17.29、17.92、18.27、18.91、20.63、19.95、23.58,および25.12±0.2度。
結晶形態B-2の顕著な2θ値:2θの4.20、9.27、14.22、15.46、15.82、16.45、17.31、19.09、20.47、21.18,および24.74±0.2度。
【0008】
結晶形態B-3の顕著な2θ値:2θの7.07、14.49、15.68、16.50、18.05、20.13、20.87、22.85,および24.42±0.2度。
結晶形態B-1、B-2&B-3の2シータ値の典型的な精度は、2θの約±0.2度の範囲である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】PCT公開WO2011158248
【文献】PCT公開WO2013042138
【発明の概要】
【0010】
本開示は、ベンジルポサコナゾールの新規結晶多形形態および工業的規模での同形態の調製のための方法を提供することを目的とする。本開示はまた、ポサコナゾールの非晶形態の生成のための効果的かつ効率的な方法を提供することをも目的とし、B-1、B-2&B-3ベンジルポサコナゾールの新規結晶形態を使用するワンポットプロセスが提案される。
【0011】
ポサコナゾールの非晶形態の調製のためのプロセスが、当該技術分野において前に報告されていた。国際特許公開WO2013042138 (A2)は、溶媒としてのメタノール中5%Pd-Cおよび5N HClを使用するポサコナゾールの非晶形態の調製のための幾つかのワンポットプロセスを開示する。WO2015059716 (A3)は、ポサコナゾールの非晶形態の調製のための幾つかのプロセスを開示しており、これには、ポサコナゾールをジクロロメタンに溶解すること、反応混合物を撹拌すること、反応混合物を濾過すること、濾過物をメチル三級ブチルエーテル(MTBE)へ加えること、反応混合物を撹拌すること、固体を濾過すること、および次いで乾燥してポサコナゾールの非晶形態を入手することを伴う。CN104370894は、ポサコナゾールが、アルコールとエステルとの混合溶媒に溶解され、および次いで、アルカンまたは芳香族炭化水素へ滴加されて、非晶質ポサコナゾールを入手するという、非晶質ポサコナゾールの調製のためのプロセスを開示している。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0012】
[特許文献3]PCT公開WO2015059716 (A3)
[特許文献4]中国特許公開CN104370894
【0013】
ポサコナゾールの非晶形態の調製のための上の報告された開示は、非晶質ポサコナゾールの収率および品質に関する様々な不利な点に悩まされている。ワンポットプロセスのいくつかのケースにおいて、脱ベンジル化のための重金属触媒の使用、その後に非晶質材料の単離が続くことにより、生成費用がより高くつくことがもたらされ、ポサコナゾール固体形態の単離、その後に非晶質化のための別のステップが続くことを伴う他の開示において、またも生成費用および時間の増加がもたらされる。
【0014】
それにも関わらず、本発明は、操作しやすく、工業的規模の生成に好適であり、費用効率が良く、多収性である、非晶質ポサコナゾールの調製のためのプロセスを提供することを目的とする。本開示はまた、ベンジルポサコナゾールの新規結晶多形形態B-3を使用する非晶質ポサコナゾールの調製のためのワンポットプロセスを提供することをも目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図の簡単な記載
本開示が容易に理解され得および実際に施行され得るために、これから、添付の図の参照により説明するとおり、例示態様について申し述べる。図は下の詳細な記載と一緒に、本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成し、および本開示に従い、態様をさらに説明するのにかつ様々な原理および利点を解説するのに役立ち、ここで:
【0016】
図1図1は、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶形態B-1のXRDを示す。
【0017】
図2図2は、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶形態B-2のXRDを示す。
【0018】
図3図3は、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶形態B-3のXRDを示す。
【0019】
図4図4は、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶形態B-3のDSCを示す。
【0020】
図5図5は、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの結晶形態B-3のIRを示す。
【0021】
図6図6は、構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの非晶形態のXRDを示す。
【0022】
図7図7は、構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの非晶形態のDSCを示す。
【0023】
上のとおり図中に表される化合物の分析の方法は、下のとおりである:
PXRD分析
約300mgの粉末試料が、試料ホルダー上へ取られ、スライドガラスを用いて均一に試料ホルダー上で密集されて、粉末X線回折が、40kVおよび30mAにてCu-Kα X放射線(λ=1.5406Å)を使用するBruker D8 Advance回折計(Bruker-AXS、Karlsruhe、Germany)に記録された。粉末X線回折パターンは、1°/minのスキャン速度にて、2θ範囲3~50°にわたって収集された。
【0024】
DSC分析
DSCは、Mettler Toledo DSC 822eモジュールで実施された。4~6mgの試料が、波形に加工されているが通気孔が設けられた(crimped but vented)アルミニウム試料パンに置かれた。温度範囲は、30℃から250℃まで@10℃/minであった。試料は、80mL/minにて流れる窒素流によってパージされた。
【0025】
IR分析
IRは、Fisher Scientific(NICOLET-iS50-FTIR)で実施された。約5mgの試料が、ダイアモンドATRサンプリング・ステーションの領域にわたって広げられ、4000cm-1~400cm-1の間で試料スペクトルが収集されて、好適な強度のスペクトルを入手した(2000cm-1での透過率が60%を上回る)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の詳細な記載
本発明は、以下の構造式IVによって表されるポサコナゾールの調製に有用な、構造式IIIのベンジルポサコナゾールの結晶形態に関する。
【化3】
【0027】
本開示は、以下の構造式(I)
【化4】
によって表される((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナートと、以下の構造式(II)
【化5】
によって表される1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンとの濃縮により、以下の構造式(III)
【化6】
によって表される4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンを産出すること、およびそれによって、構造式(III)のベンジルポサコナゾールの新規結晶多形B-1、B-2&B-3を提供する。
【0028】
本発明の第1の側面は、構造式IIIのベンジルポサコナゾールの安定な結晶形態B-1を提供することである。結晶形態B-1は、2θの4.14、6.85、9.92、15.28、15.69、16.59、17.29、17.92、18.27、18.91、20.63、19.95、23.58,および25.12±0.2度にて顕著な2θ値を保有する。
【0029】
本発明は、結晶形態B-1を調製するためのプロセスを以下のとおりに提供する:
極性有機溶媒中の構造式(II)の1-((2S,3S)tac-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの溶液が、約5~10℃のより低い温度においてアルカリ溶液で処理されて、10分間撹拌され、その後に、構造式(I)の((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナートの添加が続き、反応塊が室温までゆっくり加温されて40~45h撹拌された。反応塊は、脂肪族エステル溶媒で希釈されて10~20℃まで冷却され、その後に水の添加が続き、撹拌された。層が分離され;有機層が収集された。水層が脂肪族エステル溶媒で再度抽出された。合わせられた有機層が水で洗浄されて濃縮された。上の残留物へ、ハロゲン化炭化水素溶媒および脂肪族炭化水素溶媒が加えられて28±5℃にて2h撹拌され、次いで0~10℃まで冷却されて1h撹拌された。固体が濾過され;脂肪族炭化水素溶媒で洗浄された。VTD下50℃にて乾燥されることで、結晶形態B-1の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが産出された。
【0030】
本発明の第2の側面は、構造式IIIのベンジルポサコナゾールの安定な結晶形態を提供することである。結晶形態B-2は、2θの4.20、9.27、14.22、15.46、15.82、16.45、17.31、19.09、20.47、21.18,および24.74±0.2度にて顕著な2θ値を保有する。本発明は、結晶形態B-2を調製するためのプロセスを以下のとおりに提供する:
【0031】
構造式(II)の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの溶液が、25℃±5℃にて極性有機溶媒に溶解され、5~10℃にてアルカリ溶液が反応混合物へ加えられて10~30分間撹拌された。((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナートが反応混合物へ加えられ、5~10℃にて1h撹拌し続けられた。反応温度が28±2℃まで上げられ、40~45h撹拌された。脂肪族エステル溶媒(5.0vol.)が反応塊へ加えられて15~20℃まで冷却され、その後に水(5.0vol.)の添加が続き、撹拌された。層が分離され;有機層が収集された。水層が脂肪族エステル溶媒で再度抽出された。合わせられた有機層が水(3vol.)で洗浄されて部分的に濃縮された(concentrated partially)。部分的に濃縮された溶液へ脂肪族炭化水素溶媒が加えられて40±5℃にて30min撹拌され、次いで25±2℃までゆっくり冷却されて25±5℃にて2h撹拌し続けられた。上の混合物が0~5℃まで冷却されて1h撹拌された。固体が濾過され;脂肪族炭化水素溶媒で洗浄された。VTD下50℃にて乾燥されることで、結晶形態B-2の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが産出された。
【0032】
本発明の第3の側面は、構造式IIIのベンジルポサコナゾールの安定な結晶形態B-3を提供することである。結晶形態B-3は、2θの7.07、14.49、15.68、16.50、18.05、20.13、20.87、22.85,および24.42±0.2度にて顕著な2θ値を保有する。
【0033】
本発明は、結晶形態B-3を調製するためのプロセスを以下のとおりに提供する:
構造式(II)の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの溶液が、窒素雰囲気下25±2℃にて極性有機溶媒に溶解され、10~20℃まで冷却された。アルカリ溶液が反応混合物へ加えられて10分間撹拌された。((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナートが反応混合物へ加えられ、10~20℃にて1h撹拌し続けられた。反応温度が28±2℃まで上げられ、40~50h撹拌された。脂肪族エステル溶媒が反応塊へ加えられて15~20℃まで冷却され、その後に水の添加が続き、反応塊が25±2℃までゆっくり加温されて撹拌された。
【0034】
層が分離され;有機層が収集された。水層が脂肪族エステル溶媒で再度抽出された。合わせられた有機層が水(3vol.)で洗浄され、有機層が部分的に濃縮された。上の部分的に濃縮された溶液が25±2℃まで冷却され、脂肪族炭化水素溶媒が加えられて28±2℃にて30min撹拌され、脂肪族炭化水素溶媒でさらに希釈され、42±2℃まで加熱されて30min撹拌され、次いで28±2℃までゆっくり冷却されて28±2℃にて2h撹拌し続けられた。上の混合物が0~5℃まで冷却されて1h撹拌された。固体が濾過され;脂肪族炭化水素溶媒で洗浄された。VTD下60±5℃にて乾燥されることで、結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが産出された。
【0035】
本発明の第4の側面は、ポサコナゾール中間体の新規結晶形態B-3、すなわち構造式IIIのベンジルポサコナゾールから、構造式IV
【化7】
の非晶質ポサコナゾールを調製するためのワンポットプロセスを提供することである。
【0036】
本開示はまた、高温にてベンジルポサコナゾールを濃塩酸で脱ベンジル化すること、その後に有機溶媒の添加、塩基での洗浄による中和、および有機溶媒の添加が続き、これの後に、より低い温度にて炭化水素溶媒へ加えること、およびそれを周囲温度へゆっくりもっていくこと、および濾過することが続き、その後に、炭化水素溶媒で洗浄すること、および乾燥することで構造式(IV)のポサコナゾールの非晶形態がもたらされることが続く。
【0037】
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが、25±2℃にて濃塩酸へ入れられた。反応混合物が63±2℃までゆっくり加熱され、63±2℃にて2~3h撹拌された。反応塊が25±2℃まで冷却されてハロゲン化炭化水素溶媒が入れられ、撹拌されて層が分離された。水層へ、ハロゲン化炭化水素溶媒および水が加えられた。内容物が15±5℃まで冷却され、上の塊のpHが、アルカリ性溶液を使用して10~12pHへ調整された。層が分離された。水層がハロゲン化炭化水素溶媒で抽出された。合わせられた有機層が10%水性水酸化ナトリウムで洗浄され、その後に水での洗浄が続けられた。
【0038】
有機層が、真空下43±2℃にて最大4.0体積ステージ(volume stage)まで濃縮された。脂肪族ケトン溶媒が反応塊へ加えられた。この反応塊が絶え間なく撹拌されながら、より低い温度にて炭化水素溶媒へ滴加され、反応塊が周囲温度までゆっくり加温され、同じ温度にて1時間撹拌し続けられた。濾過され、炭化水素溶媒で洗浄され、吸引乾燥される(suck dried)ことで;真空下VTD中で乾燥されることで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが産出された。
【0039】
本発明の第5の側面は、構造式IVのポサコナゾールの結晶形態Iの、非晶形態のポサコナゾールからの調製のためのプロセスを提供する。
【0040】
構造式(IV)のポサコナゾールの非晶形態がハロゲン化有機溶媒に溶解されることで、澄明な溶液が得られた。上の溶液が蒸発されることで、凝固した材料が得られた。固体生成物が乾燥されることで、構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが結晶形態Iで得られた。
【0041】
本発明の上の側面において論じられるとき、用語「極性有機溶媒」は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を指し;「脂肪族エステル溶媒」は、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル等を指し;「ハロゲン化炭化水素溶媒」は、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等を指し;「アルカリ溶液」は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム等の水溶液を指し;「脂肪族炭化水素溶媒」は、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ペンタン等を指す。用語「より低い温度」は、0~25℃の間の温度を指す。
【0042】
本発明の効果
本発明の生成のための方法において中間体として生み出された、構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンは、良好に結晶化し、副生成物からの分離が容易であり、扱いやすい。したがって、本発明の結晶多形B-1、B-2&B-3は、ポサコナゾールの工業的生成のための優れた中間体として役立つ。
【0043】
本発明から調製された、構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの非晶形態は安定であり、その生成サイクルが短いわりに、収率回収が高く工業的生成に好適であり、一般的な溶媒および安価な試剤を使用できる。
【0044】

【化8】
【0045】
試剤:A)水酸化ナトリウム/水/ジメチルスルホキシド;B)濃塩酸/ジクロロメタン/水酸化ナトリウム水溶液/アセトン/シクロヘキサン;
スキームは、以下の例によって表される。これらの例は解説のみのためであり、それゆえ本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0046】
例-1:結晶形態B-1の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの調製
【0047】
構造式(II)の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(25.0g)を、25±2℃にてジメチルスルホキシド(6.0vol.)に溶解し、5~10℃まで冷却した。25% 水酸化ナトリウム水溶液(1.3eq.)を反応混合物へ加えて10分間撹拌した。構造式(I)の((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(25.16g)を反応混合物へ加え、5~10℃にて2h撹拌し続けた。反応温度を28±2℃まで上げ、40~45h撹拌した。酢酸エチル(5.0vol.)を反応塊へ加えて15~20℃まで冷却し、その後に水(5.0vol.)の添加が続き、撹拌した。
【0048】
層を分離し;酢酸エチル層を収集した。水層を酢酸エチル(3vol.)で再度抽出した。合わせられた有機層を水(3vol.)で洗浄して濃縮した。残留物へジクロロメタン(2.0vol.)およびヘプタン(7.0vol.)を加えて28±2℃にて2h撹拌し、次いで0~5℃まで冷却して1h撹拌した。固体を濾過し;ヘプタン(5vol.)で洗浄した。VTD下50℃にて乾燥することで、結晶形態B-1の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが95%で産出された。
【0049】
【表1】
【0050】
例-2:結晶形態B-2の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの調製
構造式(II)の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(25.0g.)を25±2℃にて、ジメチルスルホキシド(6.0vol.)に溶解し、5~10℃まで冷却した。25% 水酸化ナトリウム水溶液(1.3eq.)を反応混合物へ加えて10分間撹拌した。構造式(I)の((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(25.16g)を反応混合物へ加え、5~10℃にて1h撹拌し続けた。反応温度を28±2℃まで上げ、40~45h撹拌した。酢酸エチル(5.0vol.)を反応塊へ加えて15~20℃まで冷却し、その後に水(5.0vol.)の添加が続き、撹拌した。層を分離し、酢酸エチル層を収集した。
【0051】
水層を酢酸エチル(3vol.)で再度抽出した。合わせられた有機層を水(3vol.)で洗浄し、3.0Vol.の酢酸エチルを含有するよう部分的に濃縮した。部分的に濃縮された溶液へ、ヘプタン(8.0vol.)を加えて40±5℃にて30min撹拌し、次いで25±2℃までゆっくり冷却して25±2℃にて2h撹拌し続けた。上の混合物を0~5℃まで冷却して1h撹拌した。固体を濾過し;ヘプタン(5vol.)で洗浄した。VTD下50℃にて乾燥することで、結晶形態B-2の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが88%の収率で産出された。
【0052】
【表2】
【0053】
例-3:結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンの調製
構造式(II)の1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-4-(4-(4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(4.0Kg、1.0eq.)を窒素下25±2℃にて、ジメチルスルホキシド(6.0vol.)に溶解し、15~20℃まで冷却した。25% 水酸化ナトリウム水溶液(1.3eq.)を反応混合物へ加えて10分間撹拌した。構造式(I)の((3S,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホナート(4.02Kg)を反応混合物へ加え、15~20℃にて1h撹拌し続けた。反応温度を28±2℃まで上げて45~50h撹拌した。酢酸エチル(5.0vol.)を反応塊へ加えて15~20℃まで冷却し、その後に水(5.0vol.)の添加が続き、反応塊を25±2℃までゆっくり加温して撹拌した。層を分離し;有機層を収集した。
【0054】
水層を酢酸エチル(3vol.)で再度抽出した。合わせられた有機層を水(3vol.)で洗浄し、有機層を、5.0Vol.の酢酸エチルを含有するよう部分的に濃縮した。部分的に濃縮された溶液を25±2℃まで冷却し、n-ヘプタン(5.0vol.)を加えて28±2℃にて30min撹拌し、n-ヘプタン(2.0vol.)でさらに希釈し、42±2℃まで加熱して30min撹拌し、次いで28±2℃までゆっくり冷却して28±2℃にて2h撹拌し続けた。上の混合物を0~5℃まで冷却して1h撹拌した。固体を濾過し;ヘプタン(5vol.)で洗浄した。VTD下60±5℃にて乾燥することで、結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オンが96%の収率で産出された。
【0055】
【表3】
【0056】
例4:非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(10.0g.)を25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を62±2℃までゆっくり加熱し、62±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて30分間撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して9~10pHへ調整した。層を分離した。水層をジクロロメタン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0057】
合わせられたジクロロメタン層を10% 水性水酸化ナトリウム(5.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(5.0vol.)での洗浄が続いた。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ジクロロメタン層を真空下43±2℃にて最大3.0体積ステージまで濃縮した。この反応塊を25℃まで冷却してアセトン(4.0vol.)を加えた。シクロヘキサン(20.0vol.)を同じ温度にてこの反応塊へ加え、45±2℃まで加温して30分間撹拌した。反応塊を25±2℃までゆっくり冷却した。濾過してシクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中70±2℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが92%の収率で産出された。
【0058】
例5:結晶形態Iの構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(10.0g)を、25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を62±2℃までゆっくり加熱し、62±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて30分間撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して9~10pHへ調整した。層を分離した。水層をジクロロメタン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0059】
合わせられたジクロロメタン層を、10% 水性水酸化ナトリウム(5.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(5.0vol.)での洗浄を続けた。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下43±2℃にて最大3.0体積ステージまで濃縮した。このジクロロメタン溶液を25℃まで冷却し、アセトン(4.0vol.)を加えた。この反応塊を絶え間なく撹拌しながら、0~10℃にてシクロヘキサン(20.0vol.)へ滴加し、添加後、反応塊を25℃までゆっくり加温し、同じ温度にて1時間撹拌し続けた。濾過してシクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中70±2℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが産出された。
【0060】
上で得られた非晶形態をジクロロメタンに溶解し、澄明な溶液が得られた。上の溶液を70℃にて蒸発することで、凝固した材料が得られた。固体生成物を70℃にて7時間乾燥することで、構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが結晶形態Iで得られた。
【0061】
例-6:非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(10.0g)を、25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を62±2℃までゆっくり加熱し、62±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて30分間撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して9~10pHへ調整した。層を分離した。水層をジクロロメタン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0062】
合わせられたジクロロメタン層を10% 水性水酸化ナトリウム(5.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(5.0vol.)での洗浄を続けた。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下43±2℃にて最大3.0体積ステージまで濃縮した。アセトン(4.0vol.)を塊へ加え、反応塊を液体窒素(-95±5℃)の添加によって凍結させた。シクロヘキサン(20.0vol.)を上の反応塊へ加えて2±2℃にて1時間撹拌した。濾過してシクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中70±2℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが75%収率で産出された。
【0063】
例-7:非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(350.0g)を25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を63±2℃までゆっくり加熱し、63±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して10~12pHへ調整した。層を分離した。水層をジクロロメタン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0064】
合わせられたジクロロメタン層を、10% 水性水酸化ナトリウム(3.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(3.0vol.)での洗浄を続けた。ジクロロメタン層を、真空下43±2℃にて最大4.0体積ステージまで濃縮した。アセトン(4.0vol.)を反応塊へ加えた。この反応塊を絶え間なく撹拌しながら、シクロヘキサン(20.0vol.)へ滴加し、反応塊を25℃までゆっくり加温し、同じ温度にて1時間撹拌し続けた。濾過し、シクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中60±5℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが95%の収率で産出された。
【0065】
【表4】
【0066】
例-8:非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(10.0g)を25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を62±2℃までゆっくり加熱し、62±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて30分間撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して9~10pHへ調整した。層を分離した。水層をジクロロメタン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0067】
合わせられたジクロロメタン層を10% 水性水酸化ナトリウム(5.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(5.0vol.)での洗浄を続けた。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ジクロロメタン層を真空下43±2℃にて最大3.0体積ステージまで濃縮した。アセトン(4.0vol.)を反応塊へ加えた。この反応塊を絶え間なく撹拌しながら、25±2℃にてシクロヘキサン(20.0vol.)へ滴加し、添加後、同じ温度にて1時間撹拌し続けた。濾過してシクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中70±2℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが90%の収率で産出された。
【0068】
例-9:非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンの調製
結晶形態B-3の構造式(III)の4-(4-(4-(4-(((3R,5R)-5-((1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)メチル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-1-((2S,3S)-2-(ベンジルオキシ)ペンタン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5(4H)-オン(10.0g)を25±2℃にて、濃塩酸(5.0vol.)を含有するRBFへ入れた。反応混合物を62±2℃までゆっくり加熱し、62±2℃にて2~3h撹拌した。反応塊を25±2℃まで冷却し、ジクロロメタン(5.0vol.×2回)を入れて30分間撹拌し、層を分離した。水層へ、ジクロロメタン(6.0vol.)および水(5.0vol.)を加えた。内容物を15±5℃まで冷却し、上の塊のpHを、25% 水性水酸化ナトリウムを使用して9~10pHへ調整した。層を分離した。水層を二塩化メチレン(5.0vol.×2回)で再抽出した。
【0069】
合わせられたジクロロメタン層を、10% 水性水酸化ナトリウム(5.0vol.×2回)で洗浄し、その後に水(5.0vol.)での洗浄を続けた。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ジクロロメタン層を真空下43±2℃にて最大3.0体積ステージまで濃縮した。この反応塊を絶え間なく撹拌しながら、23±2℃にてシクロヘキサン(20.0vol.)へ滴加し、同じ温度にて1時間撹拌し続けた。濾過し、シクロヘキサン(5.0vol.)で洗浄し、吸引乾燥することで;VTD中70±2℃にて30~40h真空下で乾燥することで、非晶形態の構造式(IV)の4-[4-[4-[4-[[(3R,5R)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)テトラヒドロ-5(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-3-フラニル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル]フェニル]-2-[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オンが92%の収率で産出された。
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7