(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】セラミック粉末を製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C04B 35/626 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
C04B35/626 050
(21)【出願番号】P 2018568261
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(86)【国際出願番号】 US2017041057
(87)【国際公開番号】W WO2018009769
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-03
(32)【優先日】2016-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317012374
【氏名又は名称】アルコア ユーエスエイ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャンタ,チャールズ,ロバート ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン,ジェームス,シー.
(72)【発明者】
【氏名】スウォーツ,ランス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】モッサー,ベンジャミン,ディー.
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-162033(JP,A)
【文献】特開平04-108605(JP,A)
【文献】米国特許第05112579(US,A)
【文献】特表2004-534929(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0104033(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/626
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1端部及び第2端部を有する反応器本体であって、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁を有し、前記反応チャンバーに沿って高温ゾーンを提供するための熱源が配備された、反応器本体と、
(b)前記第1端部に隣接し、前記反応チャンバーにスイープガスを導入できるよう構成されたスイープガス入口と、
(c)前記第2端部に隣接し、前記反応チャンバーから排出ガスを排出できるように構成されたスイープガス出口と、
(d)反応器本体の内部に連続的に配列された複数の容器であって、各容器が少なくとも1つのプリフォームを保持できるように構成され、スイープガスを通過させることができるように構成された容器と、を具えるシステムであって、
(i)前記少なくとも1つのプリフォームは、炭素源と、(a)金属酸化物、及び(b)ホウ酸のうちの少なくとも1つと、を含み、
(ii)前記少なくとも1つのプリフォームは、炭素源と任意の金属酸化物又はホウ酸との混合物を含み、及び
(iii)前記少なくとも1つのプリフォームは
、少なくとも1つのガス通
路を含む、システム。
【請求項2】
反応器本体は、傾斜して形成され、前記第1端部と前記第2端部とは異なる高さである、請求項1のシステム。
【請求項3】
反応器本体は、反応器入口と第1シールとの間にて、前記第1端部に隣接して前記第1端部に連通するよう構成されたステージング領域をさらに含み、
前記ステージング領域は、少なくとも1つの容器を受け入れることができるように構成され、さらに、ステージング領域全体に圧力差が導入されてステージング領域から気体種を除去及び/又は追加することができるように、前記ステージング領域にバルブが配備されている、請求項1のシステム。
【請求項4】
ステージング領域は、容器及びプリフォームを予熱できるように構成された熱源を含む、請求項3のシステム。
【請求項5】
(a)第1端部及び第2端部を有する反応器本体であって、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁を有し、前記反応チャンバーに沿って高温ゾーンを提供するための熱源が配備された、反応器本体と、
(b)前記第1端部に隣接し、前記反応チャンバーにスイープガスを導入できるよう構成されたスイープガス入口と、
(c)前記第2端部に隣接し、前記反応チャンバーから排出ガスを排出できるように構成されたスイープガス出口と、
(d)反応器本体の内部に連続的に配列された複数の容器であって、各容器が少なくとも1つのプリフォームを保持できるように構成され、スイープガスを通過させることができるように構成された容器と、を具えるシステムであって、
(i)前記少なくとも1つのプリフォームは、炭素源と、(a)金属酸化物、及び(b)ホウ酸のうちの少なくとも1つと、を含み、
(ii)前記少なくとも1つのプリフォームは、炭素源と任意の金属酸化物又はホウ酸との混合物を含み、及び
(iii)前記少なくとも1つのプリフォームは、(A)少なくとも1つのガス通路、及び(B)ガスが前記プリフォームを通過することができるマクロ孔隙部のうちの少なくとも1つを含む、システムであって、該システムが、
反応器本体の第1端部に配備され、前記第1端部に隣接する反応チャンバーを密封するよう構成された第1シールと、
反応器本体の第2端部に配備され、前記第2端部に隣接する反応チャンバーを密封するよう構成された第2シールと、をさらに含む
、システム。
【請求項6】
セラミック粉末を炭素熱で製造する方法であって、
(a)少なくとも1つの容器をステージングゾーンで予熱する工程であって、前記少なくとも1つの容器はプリフォームを含み、
(i)前記プリフォームが、炭素源と、(a)金属酸化物、及び(b)ホウ酸のうちの少なくとも1つと、を含み、
(ii)前記プリフォームが、炭素源と任意の金属酸化物又はホウ酸との混合物を含み、及び
(iii)前
記プリフォームが、(A)少なくとも1つのガス通路、及び(B)ガスが前記プリフォームを通過することができるマクロ孔隙部のうちの少なくとも1つを含む、容器予熱工程と、
(b)前記少なくとも1つの容器を、反応ゾーンを含む反応器本体の中へ移動させる工程と、
(c)プリフォームを前記反応ゾーンの中で炭素熱反応させる工程であって、該工程は、プリフォームの金属酸化物及びホウ酸のうちの少なくとも1つを、プリフォームの炭素によって還元して、金属炭化物、金属ホウ化物又は金属窒化物を生成することを含み、該工程によってセラミック粉末を生成する、炭素熱反応工程と、
(d)前記少なくとも1つの容器を前記反応器本体から受部ゾーンへ移動させる工程と、
(e)前記セラミック粉末の凝集を解体する工程と、
を含む
、方法。
【請求項7】
少なくとも前記炭素熱反応工程の間、スイープガスを、前記少なくとも1つの容器の中へ流す工程を含む、請求項6の方法。
【請求項8】
流す工程は、スイープガスを、(A)存在する場合はプリフォームのガス通路、及び(B)存在する場合はプリフォームのマクロ孔隙部の少なくとも1つの孔のうちの少なくとも1つを通じて流すことを含む、請求項7の方法。
【請求項9】
炭素熱反応工程は、反応時間を含み、前記反応時間は0.5~12時間である、請求項6の方法。
【請求項10】
セラミック粉末は、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素アルミニウム、二ホウ化ジルコニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化チタン、炭化アルミニウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項6の方法。
【請求項11】
セラミック粉末を炭素熱で製造する方法であって、
(a)少なくとも1つの容器をステージングゾーンで予熱する工程であって、前記少なくとも1つの容器はプリフォームを含み、
(i)前記プリフォームが、炭素源と、(a)金属酸化物、及び(b)ホウ酸のうちの少なくとも1つと、を含み、
(ii)前記プリフォームが、炭素源と任意の金属酸化物又はホウ酸との混合物を含み、及び
(iii)前記プリフォームが、(A)少なくとも1つのガス通路、及び(B)ガスが前記プリフォームを通過することができるマクロ孔隙部のうちの少なくとも1つを含む、容器予熱工程と、
(b)前記少なくとも1つの容器を、反応ゾーンを含む反応器本体の中へ移動させる工程と、
(c)プリフォームを前記反応ゾーンの中で炭素熱反応させる工程であって、該工程は、プリフォームの金属酸化物及びホウ酸のうちの少なくとも1つを、プリフォームの炭素によって還元して、金属炭化物、金属ホウ化物又は金属窒化物を生成することを含み、該工程によってセラミック粉末を生成する、炭素熱反応工程と、
(d)前記少なくとも1つの容器を前記反応器本体から受部ゾーンへ移動させる工程と、を含み、
容器予熱工程の前に、前記プリフォームを前駆体混合物から形成するプリフォーム形成工程を含んでおり、前記前駆体混合物は、炭素源と、金属酸化物及びホウ酸のうちの少なくとも1つとを含
む、方法。
【請求項12】
プリフォーム形成工程は、前駆体混合物を圧密すること、前駆体混合物を成型すること、前駆体混合物を注型すること、及び前駆体混合物を押し出すことの少なくとも1つを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
プリフォーム形成工程の後、プリフォームを処理することを含み、前記処理は、プリフォームを脱水すること、プリフォームを硬化させること、及びプリフォームを型から除去することの少なくとも1つを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
セラミック粉末を炭素熱で製造する方法であって、
(a)少なくとも1つの容器をステージングゾーンで予熱する工程であって、前記少なくとも1つの容器はプリフォームを含み、
(i)前記プリフォームが、炭素源と、(a)金属酸化物、及び(b)ホウ酸のうちの少なくとも1つと、を含み、
(ii)前記プリフォームが、炭素源と任意の金属酸化物又はホウ酸との混合物を含み、及び
(iii)前記プリフォームが、(A)少なくとも1つのガス通路、及び(B)ガスが前記プリフォームを通過することができるマクロ孔隙部のうちの少なくとも1つを含む、容器予熱工程と、
(b)前記少なくとも1つの容器を、反応ゾーンを含む反応器本体の中へ移動させる工程と、
(c)プリフォームを前記反応ゾーンの中で炭素熱反応させる工程であって、該工程は、プリフォームの金属酸化物及びホウ酸のうちの少なくとも1つを、プリフォームの炭素によって還元して、金属炭化物、金属ホウ化物又は金属窒化物を生成することを含み、該工程によってセラミック粉末を生成する、炭素熱反応工程と、
(d)前記少なくとも1つの容器を前記反応器本体から受部ゾーンへ移動させる工程と、を含み、
金属酸化物は二酸化チタンであり、プリフォームは炭素源及び二酸化チタンを含む
、方法。
【請求項15】
プリフォームは、炭素源、二酸化チタン及びホウ酸を含む、請求項
14の方法。
【請求項16】
プリフォームは、炭素源10~35重量%、二酸化チタン20~50重量%、及びホウ酸30~70重量%を含む、請求項
15の方法。
【請求項17】
セラミック粉末は二ホウ化チタンである、請求項
16の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2016年7月8日に出願された米国仮出願第62/360,079号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
<発明の分野>
広義において、本発明はセラミック粉末を製造するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、連続式反応器の中で様々なセラミック粉末を炭素熱合成することにより、一貫した特徴及び/又は特性を有するよう調整されたセラミック粉末製品を得るものである。
【背景技術】
【0003】
炭素熱合成によって、様々なホウ化物、窒化物、及び/又は炭化物のセラミック粉末を製造することが可能である。セラミック粉末は、次いで、多種多様な用途のための最終セラミック製品に加工されることができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様において、システムは、第1端部及び第2端部を有する反応器本体であって、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁を有し、反応チャンバーに沿って高温ゾーン(hot zone)を提供するための熱源が配備された反応器本体と、前記第1端部に隣接し、スイープガス(sweep gas)を反応チャンバーに導入できるように構成されたスイープガス入口と、前記第2端部に隣接し、排出ガスを反応チャンバーから排出できるように構成されたスイープガス出口と、反応器本体内に連続的に配列された複数の容器であって、各容器が少なくとも1つのプリフォームを保持できるように構成され、スイープガスを通過させることができるように構成された容器と、を具え、各プリフォームは炭素熱反応する前駆体混合物で構成され、スイープガスが内部を通過できるように構成され、前駆体混合物は高温ゾーンで反応が行われ、均一な特性を有するセラミック粉末製品を形成する。
【0005】
幾つかの実施形態では、反応器本体は垂直又は水平に構成される。
【0006】
幾つかの実施形態において、反応器本体は、第1端部と第2端部とが異なる高さになるように傾斜して形成される。
【0007】
幾つかの実施形態において、反応器(reactor)は、反応器入口と第1シールとの間にて、第1端部に隣接して該第1端部に連通するよう構成されたステージング領域をさらに含み、前記ステージング領域は、少なくとも1つの容器を受け入れられるように構成され、バルブが配備されており、ステージング領域全体に圧力差が形成され、ステージング領域から気体種を除去及び/又は追加することができる。
【0008】
幾つかの実施形態では、ステージング領域は、容器及びプリフォームを予熱できるように構成された熱源を含む。
【0009】
幾つかの実施形態において、システムは、反応器本体の第1端部に配備され、前記第1端部に隣接する反応チャンバーを密封できるように構成された第1シールと、反応器本体の第2端部に配備され、前記第2端部に隣接する反応チャンバーを密封できるように構成された第2シールと、をさらに含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、容器の外径は反応器本体の内径より小さい。
【0011】
幾つかの実施形態において、複数の容器の各々は、プリフォームが配備された容器を積み重ねた複数の容器の重量を支持できるように構成される。
【0012】
幾つかの実施形態では、複数の容器の各々は、少なくとも1つの端部と、前記端部の外周を取り囲み前記端部から延在する側壁と、を含む。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記端部の少なくとも1つと容器には、容器の側壁を前記端部に取り付けられるように構成された機械的装置が配備される。
【0014】
幾つかの実施形態では、容器の側壁又は容器の端部の少なくとも一方には孔(apertures)が形成されている。
【0015】
幾つかの実施形態では、システムは、容器の挿入及び反応器本体からの除去を繰り返すことができるように構成されている。
【0016】
幾つかの実施形態において、プリフォームの形態は、球、ロッド、プレート、レンガ状塊、ブロック、四面体、トーラス、管体、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0017】
幾つかの実施形態では、プリフォームは、圧密された固体形態、押し出された形態、成型された形態、注型された形態、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0018】
幾つかの実施形態では、プリフォームは容器の高さに合わせて形成される。
【0019】
幾つかの実施形態において、プリフォームは、容器内で垂直方向に積み重ねられた構成である。
【0020】
幾つかの実施形態では、プリフォームは、多孔質剛性体として形成され、プリフォーム本体をスイープガスが通過することができる孔隙率を有する。
【0021】
【0022】
本開示の一態様において、セラミック粉末を製造する方法は、少なくとも1つのプリフォームを反応器に供給することを含み、前記反応器が、第1端部と、第2端部と、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁と、前記反応チャンバーに沿って高温ゾーンを提供するための熱源と、を有する反応器本体を含み、前記反応器本体内に複数の容器が連続的に配列され、各容器が少なくとも1つのプリフォームを保持し、スイープガスを通過させることができるように構成され、各プリフォームが、炭素熱反応する前駆体材料の混合物から形成されており、
前記方法は、スイープガスを導入して、前記スイープガスを、前記第1端部から、前記少なくとも1つのプリフォームの中を通って前記第2端部に流すことと、これと同時に、前記少なくとも1つのプリフォームを前記反応器本体内で炭素熱反応させることと、均一な特性を有するセラミック粉末製品を形成することと、を含む。
【0023】
幾つかの実施形態において、方法は、前駆体混合物を調製すること(preparing)をさらに含む。
【0024】
幾つかの実施形態において、方法は、前駆体混合物からプリフォームを形成すること(forming)をさらに含む。
【0025】
幾つかの実施形態において、形成する工程は、プリフォーム混合物を圧密すること(compacting)、前駆体混合物を成型すること(molding)、前駆体混合物を注型すること(casting)、前駆体混合物を押し出すこと(extruding)、及びそれらを組み合わせて行うこと、の少なくとも1つを含む。
【0026】
幾つかの実施形態において、前駆体混合物を調製することは、(a)内部に試剤を有する湿潤凝集体を形成すること、又は(b)適合性材料及び/又は結合剤を用いて試剤を乾式処理すること、のうちの1つをさらに含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、方法は、前駆体混合物をプリフォームに処理することをさらに含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、前記処理工程は、プリフォームを脱水すること、プリフォームを硬化させること、プリフォームを型から除去すること、及びそれらを組み合わせて行うこと、の少なくとも1つを含む。
【0029】
幾つかの実施形態において、プリフォームは、均一な熱伝達を促進し、オフガスとプリフォームとの連通(communication)を促進するための物体として構成される。
【0030】
幾つかの実施形態において、方法は、スイープガスを、(i)プリフォーム本体の中を通して流すこと、 (ii)プリフォーム本体の周りを流すこと、並びに、プリフォーム本体の中及び周りを流すこと、をさらに含む。
【0031】
本開示の一態様において、システムは、第1端部と第2端部とを有する反応器本体であって、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁を有し、反応チャンバーに沿って高温ゾーンを提供するための熱源が配備された反応器本体と、第1端部に隣接し、スイープガスを反応チャンバーに導入できるように構成されたスイープガス入口と、第2端部に隣接し、排出ガスを反応チャンバーから排出できるように構成されたスイープガス出口と、反応器本体内に連続的に配列された複数のプリフォームと、を具え、各プリフォームには、(1)プリフォームのトップ部からボトム部に延在し、ガスの流れに平行に少なくとも1つのガス通路、及び(2)プリフォーム本体内部の多孔質を構成し、スイープガスが、プリフォーム本体内を十分に流れることができる複数の空所(voids)、の少なくとも1つが設けられ、各プリフォームは、炭素熱反応する前駆体混合物から形成され、前駆体混合物が前記高温ゾーンの中での反応によって、均一な特性を有するセラミック粉末製品を形成する。
【0032】
幾つかの実施形態において、ガス通路は、反応チャンバーの横断面積に対する面積率(area fraction)が0.05面積率~0.8面積率として構成される。
【0033】
幾つかの実施形態において、プリフォームは複数の粒子から構成され、各粒子は前駆体混合物から構成される。
【0034】
幾つかの実施形態では、空所は、プリフォーム内の粒内孔隙部(intra-granule porosity)として構成される。
【0035】
幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームの横断面積に対する面積率が、0~0.6面積率として構成される。
【0036】
幾つかの実施形態では、空所は、プリフォーム内の粒間孔隙部(inter-granule porosity)として構成される。
【0037】
幾つかの実施形態において、粒間孔隙部は、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対する面積率が0~0.6面積率として構成される。
【0038】
幾つかの実施形態において、空所は、プリフォームの粒間孔隙部と粒内孔隙部との組合せとして構成される。
【0039】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つのプリフォームは、容器内に配置され、容器はスイープガスが内部を通過することができるように構成される。
【0040】
本開示の一態様において、システムは、第1端部と第2端部とを有する反応器本体であって、前記第1端部から前記第2端部に延びて反応チャンバーを構成する内側側壁を有し、反応チャンバーに沿って高温ゾーンを提供するための熱源が配備された反応器本体と、第1端部に隣接し、スイープガスを反応チャンバーに導入できるように構成されたスイープガス入口と、第2端部に隣接し、排出ガスを反応チャンバーから排出できるように構成されたスイープガス出口と、炭素熱反応する前駆体混合物から形成された粉末であって、その内部をスイープガスが流れることができるように前記反応チャンバーの中に配備された粉末と、を含み、前駆体混合物が前記高温ゾーンの中での反応によって、均一な特性を有するセラミック粉末製品を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本開示に係るセラミック粉末を製造する方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【0042】
【
図2】
図2は、本開示の幾つかの実施形態に係るシステム(反応器)の一実施形態を示す。
【0043】
【
図3】
図3は、本開示の幾つかの実施形態に係るシステム(反応器)の別の実施形態を示す。
【0044】
【
図4】
図4は、本開示の幾つかの実施形態に係るもので、容器内のプリフォーム構成の幾つかの代替実施形態の断面側面図である。
【0045】
【
図5】
図5は、本開示の幾つかの実施形態に係るもので、
図4に示す図の上面図である。
【0046】
【
図6】
図6は、本開示の幾つかの実施形態に係るもので、容器端部孔の幾つかの代替実施形態の平面図である。
【0047】
【
図7】本開示の様々な実施形態に係るもので、容器内に配置されたプリフォームの概略を一部破断した側面図であって、ガス流路、粒間孔隙部、及び粒内孔隙部を示す。
【0048】
理解を容易にするために、図に共通の同一の要素を示すために、可能であれば、同じ参照番号を使用している。図は縮尺通りに描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる説明をすることなく他の実施形態に組み込まれることがある。
【発明を実施するための形態】
【0049】
<詳細な説明>
本発明は、添付の図面を参照してさらに説明するが、同様の構造については、幾つかの図を通して同じ参照番号が付されている。示された図は必ずしも縮尺とおりではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、幾つかの特徴については、特定の構成要素の詳細を示すために誇張されている場合がある。
【0050】
図は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を含み、その様々な目的及び特徴を示す。さらに、図面は必ずしも縮尺とおりではなく、特徴の中には特定の構成要素の詳細を示すために誇張されている場合がある。加えて、図面に示された全ての寸法、仕様などは、例示的なものであって、限定するものでないことが意図されている。それゆえ、本明細書で開示される具体的構造的及び機能説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明が多様に使用され得ることを当業者に教示するための代表的な例として解釈されるべきである。
【0051】
開示された利点及び改良の中で、本発明の他の目的及び利点は、添付の図と併せて以下の説明から明らかになるであろう。本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることが理解されるべきである。さらに、本発明の様々な実施形態に関連して示される各実施例は、例示的であり、限定するものではないことが意図されている。
【0052】
明細書及び特許請求の範囲全体を通して、以下の用語は、文脈上他に明確に示されない限り、明示的に関連づけられた意味を有するものとする。本明細書で使用する「一実施形態」及び「幾つかの実施形態」という語は、たとえそのように記載されていたとしても、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、本明細書で使用される「他の実施形態」及び「幾つかの他の実施形態」という語は、たとえそのように記載されていたとしても、必ずしも異なる実施形態を指すとは限らない。それゆえ、以下に説明するように、本発明の様々な実施形態は、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、容易に組み合わせることができる。
【0053】
また、本明細書で使用される「に対して(based on)」という用語は排他的なものではなく、文脈上他に明確に指示されていない限り、記載されていない追加の要素に基づくものを許容する。また、本明細書を通して、「1つの(a/an)」及び「その(the)」は、複数のものを指す場合も含まれる。「~の中に(中の)(in)」の意味は、「~の中に(中の)(in)」と「~の上に(上の)(on)」を含む。
【0054】
図1は、本開示に係るセラミック粉末を製造するための方法100の一実施形態のフローチャートを示す。幾つかの実施形態において、方法100は、
図2及び
図3に関して以下で説明する反応器などの適当な反応器の中で実施されることができる。幾つかの実施形態において、方法100は、102にて、少なくとも1つのプリフォームを適当な反応器に供給することによって開始する。幾つかの実施形態において、102におけるプリフォームの供給は、(a)前駆体混合物を生成することと、(b)前駆体混合物からプリフォームを形成することと、(c)プリフォームを、反応器の中又は反応器の中に配置される容器の中に配置することと、を含む 。
【0055】
幾つかの実施形態において、前駆体混合物は、試剤(例えば表1に記載されるもの)を任意選択的な希釈剤及び/又はバインダーと混合することによって生成される。幾つかの実施形態において、前駆体混合物の生成は、(a)内部に試剤を有する湿潤凝集体(wet agglomerate)(すなわち、原料試剤と水などの溶媒との混合物)を形成すること、又は(b)試剤を、適合性の材料及び/又はバインダー(ポリビニルアルコール又はエチルセルロースを挙げられるがこれらに限定されない)で乾式処理して、凝集体を形成すること、の一方をさらに含む。
【0056】
以下の表1を参照すると、ホウ化物、炭化物及び窒化物の3種類のセラミック粉末製品ついて、試剤及びセラミック粉末製品の例が示されている。表1に示されるように、前駆体混合物の生成に組み合わせ得る試剤は最初の1~4欄に示され、そのセラミック粉末製品は矢印の右側に示されている(矢印は、記載されたセラミック粉末製品を生成するための前駆体混合物の炭素熱反応を示す)。一酸化炭素(示されていない)などの炭素質ガスも前駆体材料の炭素熱還元によって生成されることは留意される。
【表1】
【0057】
幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して25重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して35重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して40重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して、45重量%~50重量%である。
【0058】
幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~45重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~40重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~35重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの第1の量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~30重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの第1の量は、前駆体混合物の全重量に対して、20重量%~25重量%である。
【0059】
幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して25重量%~45重量%である。幾つかの実施形態では、二酸化チタンの量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~40重量%である。
【0060】
幾つかの実施形態において、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して10重量%~35重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して15重量%~35重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~35重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して25重量%~35重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~35重量%である。
【0061】
幾つかの実施形態において、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して10重量%~30重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して10重量%~25重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して10重量%~20重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の第2の量は、前駆体混合物の全重量に対して10重量%~15重量%である。
【0062】
幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して15重量%~30重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して15重量%~25重量%である。幾つかの実施形態では、炭素源の量は、前駆体混合物の全重量に対して20重量%~25重量%である。
【0063】
幾つかの実施形態において、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~70重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~65重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~60重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~55重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~50重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~45重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~40重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して30重量%~35重量%である。
【0064】
幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して35重量%~70重量%である。幾つかの実施形態において、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して40重量%~70重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して45重量%~70重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して50重量%~70重量%である。幾つかの実施形態において、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して、55重量%~70重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して60重量%~70重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して65重量%~70重量%である。
【0065】
幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して35重量%~65重量%である。幾つかの実施形態では、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して40重量%~60重量%である。幾つかの実施形態において、ホウ酸の量は、前駆体混合物の全重量に対して、45重量%~55重量%である。
【0066】
幾つかの実施形態では、前駆体混合物はプリフォームに形成される。本明細書で使用される「プリフォーム」は、ガスがプリフォームを通って流れることができるように構成された前駆体材料の造形された混合物(shaped mixture)を意味する。
【0067】
非限定的な一実施例において、前駆体混合物を少なくとも1つのプリフォームに成形することは、柔軟な含水前駆体混合物を金型に装入することと、金型内で混合物を圧密(例えばプリフォームの目標形状に)した後、高温で混合物を脱水する(例えば、(1)前駆体混合物から水分を追い出して、(2)プリフォームを硬化した安定な形状に形成する、のに十分な温度及び時間をかけて)ことと、を含む。
【0068】
非限定的な一実施例において、前駆体混合物を少なくとも1つのプリフォームに成形することは、流動性の含水前駆体混合物を金型の中で成型する(流し込む、及び/又は導入する)ことと、前駆体混合物を、(1)前駆体混合物から過剰の水を除去することにより、前駆体混合物をプリフォームに処理して、成型された形状からプリフォームを形成することと、を含む。
【0069】
非限定的な一実施例において、前駆体混合物を少なくとも1つのプリフォームに成形することは、柔軟な含水前駆体混合物を押出プレスの中に導入することと、前駆体混合物を押出金型の中を押し出して押出品を形成し、押出品からあらゆる過剰の水分を除去して、押し出された前駆体混合物からプリフォームを形成することと、を含む。
【0070】
幾つかの実施形態では、プリフォームは、反応器本体内に導入される前に、金型又は成型支持体から取り除かれる。
【0071】
幾つかの実施形態では、圧密工程は圧密用ツールを用いて行われる。幾つかの実施形態では、脱水工程は空気(又は他のガス)又は熱(例えば炉)を使用して行われる。
【0072】
幾つかの実施形態において、プリフォームには、(a)少なくとも1つのガス通路と、(b)プリフォーム本体の少なくとも一部にマクロな孔隙部(ここで、マクロな孔隙部とは、ガスがプリフォームの中を通過するのに十分な大きさの空所のことを指す)が設けられる。
【0073】
幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.2~0.95面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.5~0.95面積率、0.55~0.95面積率、0.6~0.95面積率、0.65~0.95面積率、0.7~0.95面積率、0.75~0.95面積率、0.8~0.95面積率、0.85~0.95面積率、又は0.9~0.95面積率を占めるように構成される。
【0074】
幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.2~0.90面積率、0.2~0.85面積率、0.2~0.80面積率、0.2~0.75面積率、0.2~0.70面積率、0.2~0.65面積率、0.2~0.60面積率、0.2~0.55面積率、0.2~0.50面積率、又は0.2~0.40面積率を占めるように構成される。
【0075】
幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.2面積率~0.95面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.6面積率~0.95面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、プリフォームは、反応チャンバーを横切る断面積に対して0.75面積率~0.95面積率を占めるように構成される。
【0076】
幾つかの実施形態において、プリフォームは複数の粒子から構成される。幾つかの実施形態では、プリフォームには、粒間孔隙部が形成され、前記粒間孔隙部は、単一のプリフォームの粒子間で測定される。
【0077】
幾つかの実施形態において、粒間孔隙部は、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0~0.6面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態では、粒間孔隙部は、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0.1~0.6面積率、0.2~0.6面積率、0.3~0.6面積率、0.4~0.6面積率、又は0.5~0.6面積率を占めるように構成される。
【0078】
幾つかの実施形態において、粒間孔隙部は、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0~0.5面積率、0~0.4面積率、0~0.3面積率、0~0.2面積率、0~0.1の面積率を占めるように構成される。
【0079】
幾つかの実施形態において、粒間孔隙部は、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0面積率~0.6面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、プリフォームは、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0.2面積率~0.6面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、プリフォームは、プリフォームのガス通路を除く横断面積に対して、0.3面積率~0.6面積率を占めるように構成される。
【0080】
幾つかの実施形態では、プリフォームには、粒内孔隙部が形成され、前記粒内孔隙部は、単一のプリフォームの粒子間で測定される(例えば、前駆体混合物と試剤との間の孔隙部)。
【0081】
幾つかの実施形態では、粒間孔隙部があり、粒内孔隙部はない(0面積率)。幾つかの実施形態では、粒内孔隙部があり、粒間孔隙部はない。
【0082】
幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームを横切る断面積に対して、0面積率以下、0.05面積率以下、 0.1面積率以下、 0.2面積率以下、 0.3面積率以下、0.4面積率以下。 0.5面積率以下、又は0.6面積率以下を占めるように構成される。
【0083】
幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームを横切る断面積に対して、0面積率~0.6面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームを横切る断面積に対して、0面積率~0.5面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームを横切る断面積に対して、0面積率~0.4面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、粒内孔隙部は、プリフォームを横切る断面積に対して、0面積率~0.36面積率を占めるように構成される。
【0084】
幾つかの実施形態において、プリフォームには少なくとも1つのガス通路が形成される。
【0085】
本明細書で使用される「ガス通路(gas channel)」は、反応チャンバーの横断面積において、プリフォーム(及び/又は、容器が利用される場合には容器)が占めていない開放空間/開放容積のことを指す 。幾つかの実施形態では、ガス通路はプリフォーム本体を通るガス流れと平行な方向に形成される。
【0086】
幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して0.05~0.8面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.1~0.8面積率、0.1~0.7面積率、0.1~0.6面積率、0.1~0.5面積率、0.1~0.4面積率、0.1~0.3面積率、又は0.1~0.2面積率を占めるように構成される。
【0087】
幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.1~0.8面積率、0.2~0.8面積率、0.3~0.8面積率、0.4~0.8面積率、0.5~0.8面積率、0.6~0.8面積率、又は0.7~0.8面積率を占めるように構成される。
【0088】
幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.05面積率~0.8面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.1面積率~0.8面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.2面積率~0.8面積率を占めるように構成される。幾つかの実施形態において、ガス流路は、反応チャンバーを横切る断面積に対して、0.3面積率~0.8面積率を占めるように構成される。
【0089】
幾つかの実施形態では、1又は複数のプリフォームが容器の中に収まるサイズであるとき、1又は複数のガス流路は、容器から構成される(例えば、
図5Hに示されるメッシュ壁が、複数のプリフォーム内で垂直ガス流路を画定する)。
【0090】
幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~42インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~36インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~30インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~18インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~12インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~10インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~6インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は2インチ~4インチである。
【0091】
幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は4インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は6インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は8インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は10インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は12インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は18インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は24インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は30インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は36インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は42インチ~48インチである。
【0092】
幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は4インチ~6インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は4インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は4インチ~10インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は6インチ~12インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は12インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は24インチ~36インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの直径は36インチ~48インチである。
【0093】
幾つかの実施形態では、「少なくとも1つの開口(opening)の直径」は、各開口の直径、又はプリフォーム内の全ての開口の直径の合計のいずれかを意味する。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、1/4インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は2インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は3インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は4インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は5インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は8インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は12インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は16インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は20インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は24インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は28インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は32インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は36インチ~46インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は40インチ~46インチである。
【0094】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~42インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~36インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~32インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~28インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~20インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~16インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は0インチ~12インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~10インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~6インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は、0インチ~4インチである。
【0095】
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は1インチ~3インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は3インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は6インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は10インチ~30インチである。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの開口の直径は12インチ~36インチである。
【0096】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの開口の直径は、少なくとも部分的には、プリフォーム全体に亘って(すなわちプリフォームの容積全体に亘って)実質的に均一な加熱を達成することに基づいている。
【0097】
幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは4インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは6インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは8インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは12インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは16インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは20インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは24インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは28インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは32インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは36インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは40インチ~48インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは44インチ~48インチである。
【0098】
幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~44インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~40インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~36インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~32インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~28インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~20インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~16インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~12インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~6インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは2インチ~4インチである。
【0099】
幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは4インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは8インチ~16インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは12インチ~24インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは8インチ~42インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは4インチ~8インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは16インチ~28インチである。幾つかの実施形態において、プリフォームの高さは6インチ~24インチである。
【0100】
次に、104において、方法100は、スイープガスを導入することを含み、前記スイープガスは、反応器の第1端部から、少なくとも1つのプリフォームを通って反応器の第2端部に送られる。
【0101】
幾つかの実施形態では、セラミック粉末が炭化物であるとき、スイープガスは、アルゴン又は他の任意の希ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0102】
幾つかの実施形態では、セラミック粉末が窒化物であるとき、スイープガスは窒素、又は窒素と希ガスとの組合せである。幾つかの実施形態では、セラミック粉末がホウ化物であるとき、スイープガスはアルゴン又は他の任意の希ガスである。
【0103】
幾つかの実施形態では、スイープガスの流量は、反応器内の反応副生成物の濃度を除去又は低減するのに十分な量であり、及び/又は、反応器内の雰囲気化学を管理するのに十分な量である。幾つかの実施形態では、スイープガスの流量は、少なくとも部分的に、反応器の形状、所望されるセラミック粉末、反応器内の温度プロファイル及び/又は粉末製造に関する他のプロセス条件に基づいている。
【0104】
幾つかの実施形態において、十分な時間は、試剤及び粉末の種類並びに十分な温度に依存する。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~11時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~10時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~9時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~8時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~7時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~6時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~5時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~4時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~3時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~2時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は0.5時間~1時間である。
【0105】
幾つかの実施形態では、十分な時間は1時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は2時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は3時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は4時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は5時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は6時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は7時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は8時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は9時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は10時間~12時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は11時間~12時間である。
【0106】
幾つかの実施形態では、十分な時間は1時間~8時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は1時間~6時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は1時間~4時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は1時間~2時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は2時間~11時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は3時間~10時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は4時間~9時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は5時間~8時間である。幾つかの実施形態では、十分な時間は6時間~7時間である。
【0107】
幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は1時間~6時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は1時間~5時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は1時間~4時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は1時間~3時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は1時間~2時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は2時間~6時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は3時間~6時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は4時間~6時間である。幾つかの実施形態では、粉末は二ホウ化チタンであり、十分な時間は5時間~6時間である。
【0108】
幾つかの実施形態において、十分な温度と十分な時間は、先に詳しく記載した温度と時間との組合せである。
【0109】
次に、106において、方法100は、スイープガスの導入と同時に、少なくとも1つのプリフォームを反応器本体の中で炭素熱反応させることを含む。幾つかの実施形態において、スイープガスの導入と同時に、少なくとも1つのプリフォームを反応器本体の中で炭素熱反応させることは、少なくとも1つのプリフォーム(例えば容器の中に収容または保持された)を反応器本体の中を通すことと、少なくとも1つのプリフォーム(前駆体混合物を含む)を十分な温度に十分な時間を加熱することと、を含み、前駆体混合物内の試剤の炭素熱反応によりセラミック粉末製品を形成する。セラミック粉末を形成する炭素熱反応の非限定的な例を表1に示す。
【0110】
本明細書で使用される「炭素熱反応」という用語は、典型的には約500~2500℃の範囲の高温で還元剤として炭素を用いる物質の還元を含む反応を意味する。幾つかの実施形態において、(前駆体混合物を炭素熱反応させるための)十分な温度は、前駆体混合物を生成するために使用される試剤と粉末の種類に依存する。
【0111】
次に、108において、方法100は、均一及び/又は一定の特性を有するセラミック粉末製品を形成することを含む。幾つかの実施形態において、方法100は、加熱された反応器内でセラミック粉末製品を連続的に製造する。前記セラミック粉末製品の非限定的な例として、ホウ化物、窒化物、及び/又は炭化物を含む。幾つかの実施形態において、セラミック粉末は本明細書に記載された任意の粉末である。幾つかの実施形態において、セラミック粉末製品は、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素アルミニウム、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化チタン、及び炭化アルミニウムを含むが、これらに限定されない。
【0112】
本明細書で使用する「一貫した特性(consistent properties)」は、(例えば、異なる時間に及び/又は異なる容器の中で)炭素熱反応器を通るように導入されたプリフォームが、粒度分布、表面積、化学的特性及び粒子形状などの特性について、最終的なセラミック粉末製品の仕様(例えば、特性が分析によって決定され及び/又は評価される場合に)と測定可能な程度では区別がつかないこと及び/又は適合性を有することを示すことを意味する。
【0113】
本明細書で使用される「均一な特性(uniform properties)」は、特性(例えば定性的及び/又は定量的に測定される)が、形態又は特徴において、一般的に変化しないこと及び/又は変動しないこと(例えば、一のプリフォームから回収されたセラミック粉末製品と他のプリフォームから回収されたセラミック粉末製品との比較において)を意味する。
【0114】
幾つかの実施形態において、方法は、セラミック粉末製品を反応器から取り出すことをさらに含む。幾つかの実施形態において、セラミック粉末製品は、垂直型反応器内の不活性環境を維持するために不活性雰囲気を有する受部ユニット内の反応器から除去される。
【0115】
図2は、本開示に係るシステム(反応器)の一実施形態を示す。
図2を参照すると、システム10は、反応器本体12を含み、ステージング領域42、受部ユニット60、スイープガス28(ガス入口26及びガス出口30)、及び反応器本体を横切る密封構造(例えば、シール46及びシール52)が形成されている。幾つかの実施形態では、反応器本体12は、垂直、水平、又は0~90度の間の任意の角度である。
図2及び
図3に示す幾つかの実施形態では、反応器本体12は垂直である。幾つかの実施形態では、反応器本体は熱源22に連結され、反応チャンバーに沿って高温ゾーン24を提供する。
【0116】
幾つかの実施形態において、反応器本体の横断面は、円形、正方形、長方形、五角形、六角形、又は他の任意の適当な形状である。幾つかの実施形態において、反応器は、グラファイト、炭化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ、モリブデン、タングステン、又は、試剤及び/又は副産物と適合性のある他の耐火材料である。
【0117】
図2及び
図3に示すように、プリフォーム36(例えば、少なくとも1つの容器34)は、ステージング領域42の中に導入される。ステージング領域42は、密閉/密封され、バルブ48が配備される。バルブ48は、正圧(例えば、ステージング領域42及びプリフォーム36のガスパージ)を導入できるように構成される。バルブ48はまた、負圧(例えば、ステージング領域42及び/又はプリフォーム36を通して真空吸引)を導入できるように構成される。また、ステージング領域42には熱源50が配備され、プリフォーム36及び容器34は反応器本体に入る前に予熱されることができる。
【0118】
プリフォーム36はステージング領域42を通過した後、反応器本体の第1の端部14に隣接するシール46を通り、反応チャンバー20内に導入される。プリフォーム36及び/又は容器34は、反応器12の内側側壁18に近接して保持される十分な大きさに構成され、容器34の外径が内側側壁18の直径よりも小さい。プリフォーム36(例えば、及び容器)は、予熱ゾーン44で加熱され、その後、プリフォーム36は反応チャンバー20の高温ゾーン24に送られる。高温ゾーン24は、プリフォーム36が高温ゾーンで十分な時間保持されているという条件で、前駆体材料38の炭素熱反応を促進する。
【0119】
反応チャンバー20内では、少なくとも1つのプリフォーム36を収容した容器34は、反応チャンバーを通して連続して配置されるように、互いに揃えて一列に並べられている。容器34の端部は、容器34が互いに関連した位置に配置されるように互いに同じ場所にあり、個々の各容器が、反応チャンバー20内で連続して構成された容器アッセンブリの構成要素70である。それゆえ、
図2及び
図3に示されるように、プリフォーム(例えば、及び容器)は、定量式及び/又は割出式にて、システム10の中を通される(例えば、ステージング領域42から反応チャンバー20高温ゾーン24を通り、最終的に受部ユニット60に送られる)。幾つかの実施形態において、システムは、各プリフォームが同一の反応プロファイル(例えば、ガス流量、反応チャンバー内の熱プロファイル)にさらされるように構成され、これにより、セラミック粉末製品が均一な特性及び/又は一貫した特性を有する。
【0120】
図2に示されるように、スイープガス28の流れは、反応チャンバー20内のプリフォーム36の移動方向に対向する方向である。
図3に示されるように、スイープガス28の流れは、反応チャンバー20内のプリフォーム36の移動方向と同じ方向である。
【0121】
プリフォームが反応チャンバー20の端部に達すると、プリフォーム36は、(第2端部16に隣接して配置された)シール52を通り、反応器から受部ユニット60の方へ送られる。プリフォーム36が第2端部16及び/又はシール52に隣接する位置では、前駆体材料の炭素熱反応は完了し、セラミック粉末製品40が得られる。幾つかの実施形態では、セラミック粉末製品40は、一般的に、プリフォーム36の中に保持されており、受部ユニット60でプリフォーム36を受け取ると、凝集体の解体又はプリフォーム36の形状解体工程により、セラミック粉末製品40(例えば凝集を解体された粉末)が得られる。
【0122】
幾つかの実施形態において、反応器は、プロセスガスの流れを反応器の中に導入したり、反応器から排出するための蓋を含む。幾つかの実施形態において、前記蓋は、プロセスガスの流れを反応器への導入及び反応器からの排出を制御するための複数の開口が形成されている。
【0123】
幾つかの実施形態において、反応器本体の内径及び高さ(又は長さ)は、反応器の中に配置されるプリフォームの直径、厚さ及び数に基づいて選択される。幾つかの実施形態において、反応器の内径は、プリフォームの直径より十分大きくしており、これにより、反応器とプリフォームとの間で不活性ガスの流れを可能にし、及び/又はプリフォームと反応器の側壁との接触が低減又は排除される。幾つかの実施形態において、反応器は、反応器の高さ(水平の場合は長さ)に対して、反応器を満たすのに十分な数のプリフォーム(例えば、容器内に配備される)を含む。幾つかの実施形態では、反応器内のプリフォームの数は、反応器の高さ(水平の場合は長さ)をプリフォームの高さで割算したものである。
【0124】
幾つかの実施形態において、プリフォームの積重ね、追加、及び/又は反応器からの除去は、任意の適当な機械的な装置、構成、構成要素、及び/又は関連手段によって制御された速度で行われる。幾つかの実施形態では、プリフォームの積重ね、追加、及び除去の制御された速度は、少なくとも部分的には、プリフォーム中の試剤の反応速度に基づく。幾つかの実施形態において、未反応のプリフォーム及び反応後のプリフォームは、シールを通して反応器に追加され、そこから除去されるように構成されており、反応器内はプロセス雰囲気が維持される(例えば、スイープガスを有する)。
【0125】
図4は、本開示に係る容器内のプリフォーム配置の幾つかの代替実施形態の側面断面図を示す。
図5は、
図4に示す図の上面図である。
【0126】
図4及び
図5を参照してより具体的に説明する。Aはプリフォームを1つだけ保持するよう構成された容器を示す(2つの容器は各容器が端部を有し、プリフォームは1つだけ保持され、2つの容器は垂直方向に積み重ねられている)。Bは、2つのプリフォームの間にスペーサもプレートもない状態で1つの容器内に垂直に積み重ねられた複数のプリフォームを示す(容器の下部領域が一端部)。Cは、プレナム/有孔プレートの形態のスペーサを用いて構成された(例えば、ガス及び/又は熱が容器の蒸気空間に連通し、及び/又はその両端部を出て行く)1つの容器の中で重なり合って積み重ねられたプリフォームを示す。Dは、A~Cとは異なり、1つの容器内で同じプリフォーム形状の異なる構成を示し、D~Hは、プリフォームの異なる形態/形状を示す。
【0127】
より具体的に説明すると、Dは、ロッドから容器端部へのオフガスの通過が促進されるように、容器内に十分な蒸気空間を有するほぼ平行な構造の中に保持された複数のロッドを示す。Eは、容器の中に複数のプリフォームが垂直方向にほぼ平行に積み重ねられた形態(例えば、レンガ状プリフォーム)を示す。Fは、容器内に保持された複数の球形プリフォームを示す。 Gは、サイズが不均一なプリフォーム(直径が小、中、及び大の異なるサイズの球)の容器内の状態を示す。Hは、各々が圧密された固体材料である複数のプリフォームを示す。
【0128】
幾つかの実施形態では、
図5C及び5Hに示すプリフォームが押出加工により形成され、垂直方向に連続した直線状のガス流路を有し、x -y平面に均一な幾何学形状を有するプリフォームが製造される。
【0129】
図6は、本開示に係る、容器端部54の孔58の幾つかの代替実施形態の平面図を示す。
図6Aの実施形態は、容器の端部54の中央に大きな孔58を有し、前記中央孔58を取り囲んで小さな孔58が同心円状に形成されている。
図6Bの実施形態は、容器端部58に複数列の孔58(例えば同心円形状の孔58が2列)が形成されている。
図6C及び
図6Eの実施形態は両方とも、フェンス(6C)又はメッシュ(6E)として構成された孔を示しており、端部54は、閉鎖空間(端部面積)よりも開放空間(孔面積)の方が多い。
図6Dの実施形態は、容器端部54の孔58が、対称的/等距離に形成されている。
図6の様々な実施形態に示されるように、孔に対する複数の代替実施形態を本開示に従って利用することができ、前記孔を含む容器は、容器及びプリフォームが反応チャンバー20を通るときに、容器及び/又はその中に収容されたプリフォームを出入りするガスの均一な移送/移動が促進される。
【0130】
図7は、容器34内に配置されたプリフォーム36の概略の部分切欠側面図を示す。
図7に示すように、容器34の側壁56とプリフォーム36との間にガス流路66がある。また、プリフォーム36は、複数の粒子72から構成された本体として示されている。プリフォーム36は、空所68を有し、前記空所は、粒間孔隙部74と粒内孔隙部76との組合せである。また、プリフォームの様々な構成要素の面積率は、
図7に含まれる表の中に記載されている。
【0131】
幾つかの実施形態では、本明細書に詳しく記載したセラミック粉末が、複数の用途に使用されることができる。幾つかの実施形態において、セラミック粉末は、セラミック加工技術によって加工され、セラミック製品(ここで、セラミック製品は、セラミック粉末製品の一貫した特性及び/又は均一な特性に基づいて、それらの用途に適合するように調整される)。
【0132】
本発明の多くの実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例示であって、限定するものではなく、当業者であれば、多くの変更を成し得ることは明らかであろう。さらに、様々な工程が、所望される任意の順序で実施されることができる(そして、所望される任意の工程を追加したり、及び/又は排除することができる)。
【0133】
参照番号:
【0134】
システム10
【0135】
反応器本体12
【0136】
第1端部14
【0137】
第2端部16
【0138】
内側壁18
【0139】
反応チャンバー20
【0140】
熱源22
【0141】
高温ゾーン24
【0142】
スイープガス入口26
【0143】
スイープガス28
【0144】
スイープガス出口30
【0145】
排出ガス32
【0146】
容器34
【0147】
プリフォーム36
【0148】
前駆体材料38
【0149】
セラミック粉末製品40
【0150】
ステージング領域42
【0151】
予熱ゾーン44
【0152】
第1シール46
【0153】
バルブ48
【0154】
熱源50
【0155】
第2シール52
【0156】
(容器の)少なくとも1つの端部54
【0157】
(容器の)側壁56
【0158】
(端部又は容器側壁にある)孔58
【0159】
受部ユニット60
【0160】
(例えば、プリフォームと容器端部及び/又は側壁との間の空間として画定される)容器内の蒸気空間62
【0161】
(例えば、1つの容器内でプリフォームのスペーサとして構成される)セパレータプレート(例えばプレナムプレート)64
【0162】
(例えばプリフォーム内の)ガス流路/少なくとも1つの開口66
【0163】
(プリフォーム内の)孔隙部/空所68(例えば、プリフォームが粒子から構成されるとき、粒間及び粒内を含む)
【0164】
構成要素70(例えば、構成要素が容器アセンブリ内で構成可能な場合(複数の容器が順次整列されて構成される場合)、容器と少なくとも1つのプリフォームとを含む)。
【0165】
粒子2
【0166】
粒間孔隙部74
【0167】
粒内孔隙部76(又は、例えば、圧密された固体プリフォーム、鋳造されたプリフォーム及び/又は押出成形されたプリフォームを利用する場合は、プリフォーム内の孔隙部)