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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】テーパーゲージ用ストッパ
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/04 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
G01B3/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021165861
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2021-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391011836
【氏名又は名称】新潟精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066821
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 建治
(74)【代理人】
【識別番号】100180149
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 修
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 利行
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-189349(JP,A)
【文献】実開昭52-121244(JP,U)
【文献】実開平3-12102(JP,U)
【文献】実開昭52-6646(JP,U)
【文献】実開昭55-3717(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00 - 3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパーゲージを挿し込み上下方にスライド調整する構成で、且前記テーパーゲージの目盛や中心線を表示する表示部を有するゲージ支持体と、前記テーパーゲージを上下方にスライド調整するワッシャー、スプリングを貫通し、ナットを螺着するねじ棒付きスライド調整体とからなるテーパーゲージ用ストッパであって、
前記ゲージ支持体が、板状をした基板部の上方部に、テーパーゲージを挿入する穴部を有する前記基板部の表面部より突出の上方支持部が形成され、前記基板部の左側方に、内側部に前記穴部と連通され、テーパーゲージの左側方部を嵌挿する溝部を有し、且前記基板部の表面部より突出する左側支持部が形成されており、
前記基板部の下方部に底面部が形成され、
前記左側支持部の左側面部と右側面部にかけて、前記ねじ棒を貫通する貫通孔が形成され、
前記ねじ棒付きスライド調整体が、押え部の内側部に前記テーパーゲージの右側方部を嵌挿する溝部と、前記ねじ棒の右端部を取着する接続部が形成され、
前記ゲージ支持体の左側支持部の貫通孔に、前記ねじ棒付きスライド調整体のねじ棒が貫通され、前記ねじ棒にワッシャーとスプリングが貫通され、ナットが螺着されて成ることを特徴とするテーパーゲージ用ストッパ。
【請求項2】
前記ゲージ支持体の左側支持部の左側面部より右側面部に、スケールを挿入する嵌挿孔が、且前記ねじ棒付きスライド調整体側にも前記スケールを嵌挿する嵌挿部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のテーパーゲージ用ストッパ。
【請求項3】
前記ゲージ支持体の左側支持部の下方部に、内側方に突出する指示部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテーパーゲージ用ストッパ。
【請求項4】
前記ゲージ支持体の左側支持部の溝部と、前記スライド調整体の溝部が、上方部から下方部にかけてその幅員が先細状に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3に記載のテーパーゲージ用ストッパ。
【請求項5】
前記ゲージ支持体の左側支持部が、前記スケールを挿入する嵌挿孔が形成されている前記左側支持部の表面部もしくは裏面部に、前記嵌挿孔に達する雌ねじが埋設され、且前記雌ねじに調整ねじが螺入されて前記スケールを横方向にスライドさせた時の固定を調整自在に行えるよう構成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4に記載のテーパーゲージ用ストッパ。
【請求項6】
前記ゲージ支持体の左側支持部の右側面部に、スケール目盛が認識し易く切欠されたスケール目盛認識切欠部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4又は5に記載のテーパーゲージ用ストッパ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーパーゲージ用ストッパの技術分野に属し、さらに言えば、テーパーゲージを被測定物の溝や孔に挿し込み、被測定物の端面に合った目盛を読み取るスペースがない場合や視野を遮蔽する物がある場合でも、測定値を読み取ることができると共に、テーパーゲージを挿し込み、且スケールを水平状に挿入して被測定物の穴の芯間をも測定することができるテーパーゲージ用ストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例えば、下記特許文献1(実開昭49-5451号公報)のスキマ測定具が開示されている。当該文献1の第2、3、4図には、スライド板2が測定具本体1上をスライドするごとく装着されている(明細書第5頁第1行目から第10行目)。
【0003】
また、同文献1には、スキマ測定具に装着のスライド板2の操作について、スキマに測定具本体1の2辺が接触したらその上端までスライド板2をスライドさせて固定して測定具を取出し、スライド板2の底辺が位置する目盛を読めば1/10mmのオーダーまでスキマが測定し得ると記載されている(明細書第5頁第17行目から第6頁第2行目)。
【0004】
さらに、同文献1に、スキマ測定具に装着のスライド板2の構造は、測定具本体1の左右両側辺部の中、何れか一方の側辺部のみにしか測定具本体1から外れ落ちないように、バネ材で製造してそのバネ性によって装着しても、スライド板にネジ孔を設けてネジで装着しても、スライド板にネジ孔を設けてネジで測定具本体1に装着しても良く、またスライド板2が測定具本体1から外れ落ちないように測定具本体1に溝を設け、その溝に突起を挿入しても良いと説明されている(明細書第5頁第4行目から第10行目)。
【0005】
上記のとおり、特許文献1のスキマ測定具に関するスライド板2は、測定具本体1の1辺のみを嵌挿せしめ、2辺を同時に嵌挿する構造ではない。
【0006】
また、同文献1のスキマ測定具に関するスライド板2は、測定具本体1の先端が鋭く尖った二等辺三角形状の2辺に即し押圧しながらスライドさせる構造を有していない。
【0007】
さらに、同文献1のスキマ測定具に関するスライド板2は、穴の芯間測定をするためのスケールを挿入することができない構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実開昭49-5451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明のテーパーゲージ用ストッパは、前記従来技術の課題を解決するべく、当該ストッパのゲージ支持体の穴部に挿入したテーパーゲージをスプリングの張力作用を利用して、前記テーパーゲージの左右両側辺部を押圧し、がたつかないような構造にした。
【0010】
また、本発明のテーパーゲージ用ストッパは、2個使用し夫々のゲージ支持体とねじ棒付き調整体に、スケールを水平状にして、且スライド自在にすることができる嵌挿孔及び嵌挿部を設けてスケールを水平状に挿入し、且スライドして被測定物の穴の芯間距離を読み取ることができる構造にした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、テーパーゲージcを挿し込み上下方にスライド調整する構成で、且前記テーパーゲージcの目盛25や中心線25aを表示する表示部2を有するゲージ支持体aと、前記テーパーゲージcを上下方にスライド調整するワッシャー3、スプリング4を貫通し、ナット5を螺着するねじ棒1付きスライド調整体bとからなるテーパーゲージ用ストッパAであって、
前記ゲージ支持体aが、板状をした基板部6の上方部に、テーパーゲージcを挿入する穴部7を有する前記基板部6の表面部より突出の上方支持部8が形成され、前記基板部6の左側方に、内側部に前記穴部7と連通され、テーパーゲージcの左側方部24を嵌挿する溝部10を有し、且前記基板部6の表面部より突出する左側支持部9が形成されており、
前記基板部6の下方部に底面部11が形成され、
前記左側支持部9の左側面部9aと右側面部9bにかけて、前記ねじ棒1を貫通する貫通孔12が形成され、
前記ねじ棒1付きスライド調整体bが、押え部9cの内側部に前記テーパーゲージcの右側方部24aを嵌挿する溝部10aと、前記ねじ棒1の右端部1aを取着する接続部13が形成され、
前記ゲージ支持体aの左側支持部9の貫通孔12に、前記ねじ棒1付きスライド調整体bのねじ棒1が貫通され、前記ねじ棒1にワッシャー3とスプリング4が貫通され、ナット5が螺着されて成ることを特徴とするテーパーゲージ用ストッパである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の左側面部9aより右側面部9bに、スケールdを挿入する嵌挿孔15が、且前記ねじ棒1付きスライド調整体b側にも前記スケールdを嵌挿する嵌挿部15aが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のテーパーゲージ用ストッパである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の下方部に、内側方に突出する指示部11aが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテーパーゲージ用ストッパである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の溝部10と、前記スライド調整体bの溝部10aが、上方部から下方部にかけてその幅員が先細状に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3に記載のテーパーゲージ用ストッパである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記ゲージ支持体aの左側支持部9が、前記スケールdを挿入する嵌挿孔15が形成されている前記左側支持部9の表面部9dもしくは裏面部9eに、前記嵌挿孔15に達する雌ねじ9fが埋設され、且前記雌ねじ9fに調整ねじ9gが螺入されて前記スケールdを横方向にスライドさせた時の固定を調整自在に行えるよう構成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4に記載のテーパーゲージ用ストッパである。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の右側面部9bに、スケール目盛25bが認識し易く切欠されたスケール目盛認識切欠部9hが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4又は5に記載のテーパーゲージ用ストッパである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上述とおりの構成なので、テーパーゲージをテーパーゲージ用ストッパの上方部から挿し込むと、前記テーパーゲージの左側方部がゲージ支持体の溝部内に、他方テーパーゲージの右側方部が、ねじ棒付き調整体の溝部内に挿し込まれ、スプリングの張力によって軽く押圧されて嵌挿しつづけ、掴んでいる手指を放しても勝手にスライドすることがないので、被測定物の隙間の寸法や穴の内径の測定作業が安全にして、且確実に測定できる利点がある。
【0018】
また、2個のテーパーゲージ用ストッパを使用し、該ストッパを構成するゲージ支持体と、ねじ棒付き調整体に、スケールが水平状にして、且スライド自在に挿入できる嵌挿孔及び嵌挿部を設けて、前記スケールを水平状に挿入し、且スライドできるようにしたので、被測定物の穴の芯間距離を極めて簡単且確実に測定し読み取ることができる。
【0019】
さらに本発明のテーパーゲージ用ストッパは、被測定物の隙間の寸法、穴の内径の測定後は、テーパーゲージとストッパを分離できる構造なので、測定作業の終了後は、テーパーゲージとストッパを分離しストッパーゲージの単体使用を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明テーパーゲージ用ストッパの第1実施例を示す正面図である。
【0021】
図2】同図1のテーパーゲージ用ストッパにおいてスプリングを圧縮した状態を示す正面図である。
【0022】
図3】同図2において、さらにスプリングを圧縮した状態を示す正面図である。
【0023】
図4】テーパーゲージ用ストッパの組立て状態を示す斜視図である。
【0024】
図5】同図4においてねじ棒にワッシャー、スプリングを挿入した状態を示す斜視図である。
【0025】
図6】同本発明のテーパーゲージ用ストッパの構成部材の組立て前の状態を示す正面図である。
【0026】
図7】同本発明のテーパーゲージ用ストッパの使用状態を示す一部切欠正面図である。
【0027】
図8】同テーパーゲージが挿入するゲージ支持体側に形成の溝部と、ねじ棒付き調整体側に形成の溝部を示す構造の一部切欠正面図である。
【0028】
図9】同テーパーゲージ用ストッパの使用状態を示す一部切欠正面図である。
【0029】
図10】テーパーゲージ用ストッパを2個使用し、且テーパーゲージの正面に中心線をマーキングして芯間測定を行っている状態を示す一部切欠正面図である。
【0030】
図11】テーパーゲージ用ストッパを2個使用し、且テーパーゲージの裏面に中心線をマーキングして芯間測定を行っている状態を示す一部切欠正面図である。
【0031】
図12】ゲージ支持体の左側支持部の表面部に、調整ねじを螺入したテーパーゲージ用ストッパの斜視図である。
【0032】
図13】調整ねじの螺入前のゲージ支持体の正面図である。
【0033】
図14】ゲージ支持体の裏面部に調整ねじを螺入したテーパーゲージ用ストッパの斜視図である。
【0034】
図15図14より調整ねじを外し、雌ねじが見える状態にした斜視図である。
【0035】
図16】被測定物の穴にテーパーゲージのみを挿入した状態を示す一部切欠正面図である。
【0036】
図17】ゲージ支持体の左側支持部の右側面部にスケール目盛認識切欠部を形成したテーパーゲージ用ストッパの正面図である。
【0037】
図18図17にスケールを挿入した状態のテーパーゲージ用ストッパの正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の請求項1~6までの発明に関する発明の実施の形態は共通しているので、以下のとおり一括して図面に従いながら説明する。
【0039】
図において、符号Aはテーパーゲージ用ストッパを示している。
【0040】
当該テーパーゲージ用ストッパAは、テーパーゲージcを挿し込み上下方にスライド調整する構成で、且前記テーパーゲージcの目盛25や中心線25aを表示する表示部2を有するゲージ支持体aと、前記テーパーゲージcを上下方にスライド調整するワッシャー3、スプリング4及びナット5を貫通し螺着するねじ棒1付きスライド調整体bとから構成されている。
【0041】
前記ゲージ支持体aは、板状をした基板部6の上方部に、テーパーゲージcを挿入する穴部7が形成され、且前記基板部6の表面部より突出する上方支持部8が形成されている。
【0042】
さらに前記基板部6の左側方に、内側部に前記穴部7と連通する溝部10が形成されていると共に、前記基板部6の表面部より突出する左側支持部9が形成されている。
【0043】
また、前記基板部6の下方部には、底面がフラット状の底面部11が形成されていると共に、前記左側支持部9の左側面部9aと右側面部9bにかけて、前記ねじ棒1付きスライド調整体bを構成するねじ棒1を貫通する貫通孔12が、前記ねじ棒1の径よりも大きい形状にて形成されている。
【0044】
図において、符号2はテーパーゲージcの目盛25を表示する表示部であり、前記表示部2は、前記基板部6において、前記上方支持部8と前記左側支持部9の厚さより若干薄目に形成されていると共に、前記上方支持部8と、前記左側支持部9の内側に囲まれた状態にて形成されている。
【0045】
前記ゲージ支持体aは、左側支持部9の左側面部9aより右側面部9bにかけて、スケールdを水平状に挿入可能な嵌挿孔15が形成されている。さらに後述する前記ねじ棒1付きスライド調整体b側にも前記スケールdを嵌挿する嵌挿部15aが形成されている。
【0046】
前記左側支持部9に形成されている嵌挿孔15は、前記テーパーゲージcが嵌挿される縦状溝部10の前方部に形成されている。
【0047】
符号11aは前記ゲージ支持体aの左側支持部9の下方部において、内側方に突出した指示部を示している。
【0048】
そして、前記ゲージ支持体aの左側支持部9に形成する溝部10と、前記スライド調整体bに形成する溝部10aは、上方部から下方部にかけて幅員が先細状に形成されている。
【0049】
さらに、前記ゲージ支持体aを構成する左側支持部9には、該左側支持部9の表面部9dもしくは裏面部9eに、前記嵌挿孔15に達する雌ねじ9fが埋没され、且前記雌ねじ9fに調整ねじ9gを螺入して前記スケールdの動きの固定を調整自在に行えるよう構成されている。
【0050】
図において、符号9hは、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の右側面部9bに、スケール目盛25bが認識し易いように切欠して形成されたスケール目盛認識切欠部である。
【0051】
符号bは前記ねじ棒1付きスライド調整体であって、押え部9cの内側部に前記テーパーゲージcの右側方部24aを嵌挿する溝部10aと、前記ねじ棒1の右端部1aを取着する接続部13が形成されている。
【0052】
前記ねじ棒1は、前記押え部9cに対し、直角状に取着されている。
【0053】
前記接続部13の上方部位の押え部9cには、前記スケールdが嵌挿される嵌挿部15aが、前記ゲージ支持体aの左側支持部9に形成の嵌挿孔15と関連し、且挿し込まれた前記テーパーゲージcに対し、前記スケールdが直角状にスライドできるように形成されている。
【0054】
上記のように形成されたゲージ支持体aとねじ棒1付きスライド調整体bを組立てるには以下のようにする。
【0055】
上述したテーパーゲージ用ストッパAの組立て方法について説明する。ゲージ支持体aとスライド調整体bから構成され、前記各構成部材である前記ゲージ支持体aに対し、前記ゲージ支持体aの貫通孔12に、ねじ棒1を図4のようにして貫通させ、ワッシャー3、スプリング4を貫通し、ナット5を螺着する。
【0056】
前記ナット5を回すと、スプリング4が圧縮され、図1図3に示したように、前記スライド調整体bが前記スプリング4の伸縮作用によって左右方にスライドし、挿し込まれたテーパーゲージcの押圧を調整する。
【0057】
<テーパーゲージ用ストッパAに関する使用法>
(1)上述したテーパーゲージ用ストッパAを単体使用し、穴等の寸法を測定する方法は以下のとおりである。
【0058】
テーパーゲージcをテーパーゲージ用ストッパAの上方支持部8の穴部7から挿し込むと、前記テーパーゲージcの左側方部24と右側方部24aが、左側支持部9の溝部10とスライド調整体bの押え部9cの溝部10aに挿入する。
【0059】
しかる後、ナット5を回し、被測定物26の穴27の寸法の範囲内にテーパーゲージcが保持され、スライドするか否かを確認する。
【0060】
そして、前記テーパーゲージ用ストッパAを持ち、前記テーパーゲージcが止まるまで前記被測定物26の穴27に挿し込み、その後前記テーパーゲージ用ストッパAが、被測定物26に接触したら挿し込み完了する。
【0061】
最後に、前記テーパーゲージcと前記テーパーゲージ用ストッパAを被測定物26の穴27から引き抜き、前記テーパーゲージ用ストッパAの端面と合致した前記テーパーゲージcの目盛25を読み取る(図7、9)。
【0062】
(2)テーパーゲージ用ストッパA、Aを2個使用し、穴27の芯間を測定する方法は以下のとおりである。
【0063】
目盛25を表面側もしくは中心線25aを表面にしたテーパーゲージcの1枚宛をテーパーゲージ用ストッパA、Aの上方支持部8の穴部7から挿し込むと、前記テーパーゲージcの左側方部24と右側方部24aが、左側支持部9の溝部10とスライド調整体bの押え部9cの溝部10aに挿入する。
【0064】
次に、スケールdをスケール目盛25bが見えるように前記テーパーゲージ用ストッパAの左側支持部9に形成されている嵌挿孔15と、前記スライド調整体bの嵌挿部15aに挿入する。
【0065】
前記工程の終了後、前記テーパーゲージ用ストッパA、Aに挿し込まれているテーパーゲージcを被測定物26の穴27に挿し込み、前記テーパーゲージ用ストッパA、Aを前記被測定物26の端面に接触させる。次に前記テーパーゲージ用ストッパA、Aの表面部9dの調整ねじ9gを回すか、もしくは裏面部9eの調整ねじ9gを回し前記スケールdの動きを固定する。
【0066】
そして、前記テーパーゲージ用ストッパA、Aの任意の点である、前記テーパーゲージcの中心線25aと交差するスケール目盛25b、又は目盛表示部2にして、且左側支持部9の側縁部と交差するスケール目盛25bの何れかを読みとることにより、前記穴27の芯間距離が測定できる。
【0067】
さらに前記スケール目盛25bは、前記ゲージ支持体aの左側支持部9の右側面部9bに形成されているスケール目盛認識切欠部9hによって、認識し易い利点がある。
【0068】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0069】
A テーパーゲージ用ストッパ
a ゲージ支持体
b スライド調整体
c テーパーゲージ
d スケール
1 ねじ棒
1a 右端部
2 表示部
3 ワッシャー
4 スプリング
5 ナット
6 基板部
7 穴部
8 上方支持部
9 左側支持部
9a 左側面部
9b 右側面部
9c 押え部
9d 表面部
9e 裏面部
9f 雌ねじ
9g 調整ねじ
9h スケール目盛認識切欠部
10 溝部
10a 溝部
11 底面部
11a 指示部
12 貫通孔
13 接続部
15 嵌挿孔
15a 嵌挿部
24 左側方部
24a 右側方部
25 目盛
25a 中心線
25b スケール目盛
26 被測定物
27 穴
【要約】
【課題】被測定物の端面に合った目盛を読取る空間がなくても測定値を読取れ、被測定物の穴の芯間も測定できる。
【解決手段】ゲージ支持体aが、基板部6の上方にテーパーゲージcを挿入する穴部7を有する基板部6より出る上方支持部8が有り、基板部6の左方に内側に穴部7と連通されテーパーゲージcの左側方部24を嵌挿する溝部10を有し、基板部6より出る左側支持部9が有り、下方に底面部11が形成され、左右側面部9a、9bにかけ貫通孔12が有り、ねじ棒1付きスライド調整体bが、押え部9cの内側にテーパーゲージcの右側方部24aを嵌挿する溝部10aと、ねじ棒1の右端部1aを取着する接続部13が有り、左側支持部9の貫通孔12にねじ棒1が貫通する。ゲージ支持体aの左側支持部9の左側面部9aより右側面部9bに、スケールdを挿入する嵌挿孔15が、ねじ棒1付きスライド調整体b側にもスケールdを嵌挿する嵌挿部15aが有る。
【選択図】 図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18