(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】破砕装置
(51)【国際特許分類】
B02C 23/04 20060101AFI20220407BHJP
B02C 1/02 20060101ALI20220407BHJP
B02C 21/02 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
B02C23/04
B02C1/02 A
B02C21/02
(21)【出願番号】P 2018003424
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000150291
【氏名又は名称】株式会社中山鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】廣島 孝輝
(72)【発明者】
【氏名】橘川 智宏
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-196934(JP,A)
【文献】特開2007-268396(JP,A)
【文献】特開2001-062318(JP,A)
【文献】特開2005-021747(JP,A)
【文献】特開2007-301500(JP,A)
【文献】特開2004-248702(JP,A)
【文献】特開平05-184959(JP,A)
【文献】特開昭63-118490(JP,A)
【文献】特表平03-500856(JP,A)
【文献】実開昭62-027747(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0019992(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 23/04
B02C 1/02
B02C 2/00-2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向させて所定範囲移動可能に配設される動歯とを少なくとも備え、不動歯と動歯との間の空間である破砕室に破砕対象物を投入され、不動歯と動歯で破砕対象物を挟んで破砕する破砕装置において、
前記破砕室の上方にあたる所定箇所で、少なくとも一部を上下方向に移動可能として本体フレームに支持される閉塞体と、
当該閉塞体に一部を連結させて配設され、前記閉塞体の少なくとも一部を、破砕室への破砕対象物投入を妨げない第一の位置と、当該第一の位置より破砕室寄りの第二の位置との間で上下に移動させるように閉塞体を動かす駆動部とを備え、
前記破砕室の入口付近で、破砕対象物が破砕されずに滞留する状態を検出可能とされ、
前記閉塞体が、前記閉塞体の少なくとも一部が前記第二の位置にある状態では、前記本体フレームに対し、人の上方からの破砕室への進入を許容しない配置状態にあ
り、
前記駆動部が、破砕対象物の滞留状態が検出されると、前記閉塞体の少なくとも一部が滞留状態の破砕対象物に対し上側から接触可能となる破砕室近傍位置に達するまで、閉塞体を動かすようにされることを
特徴とする破砕装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の破砕装置において、
前記閉塞体が、前記閉塞体の少なくとも一部が前記第一の位置又は第一の位置と第二の位置との間の所定位置にある状態で、破砕室に通じる本体フレーム上部の開口部分を、外部に対し閉じるようにされることを
特徴とする破砕装置。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の破砕装置において、
前記閉塞体が、上下方向に傾動可能として本体フレームに取り付けられ、傾動中心位置から離れた端部を、破砕室から離れた前記第一の位置から破砕室近くの前記第二の位置までの範囲で上下に移動させるように駆動部と連結されることを
特徴とする破砕装置。
【請求項4】
前記請求項
1に記載の破砕装置において、
前記動歯が、破砕対象物の滞留状態が検出されると、対向する不動歯との間隔を大きくするように位置調整されることを
特徴とする破砕装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石などの破砕対象物を破砕する破砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、石やコンクリート廃材、アスファルト廃材などを所望の大きさに破砕する破砕装置として、ジョークラッシャが使用されている。ジョークラッシャは、固定された不動歯に対して、スイングジョーに取り付けた動歯を動かすと共に、不動歯と動歯との間に生じている空間としての破砕室に破砕対象物を投入し、この破砕室において破砕対象物を不動歯と動歯で挟んで破砕するものである。
【0003】
従来のジョークラッシャは、通常、破砕対象物を破砕室に上方から投入して破砕を実行する仕組みである。この破砕対象物の投入用として、油圧ショベル等により運ばれる破砕原料の受入部となるホッパや、ホッパで受入れた破砕原料をジョークラッシャ側に移動させ、必要に応じ大きさを選別した上で破砕対象物としてジョークラッシャの破砕室に落下させるフィーダ等が、ジョークラッシャと組み合わせて用いられる。
【0004】
この他、ジョークラッシャの破砕室の上方には、フィーダ等で移送されて破砕室に投入された破砕対象物の一部が、不動歯や動歯等に当たって跳ね返ったり、不動歯と動歯との間で破砕された破砕対象物の破片が破砕時に加わる力で上方に飛んだりして、ジョークラッシャの外に飛び出すことを防ぐ、飛散防止用カバーが設けられる場合もあった。
このような従来のジョークラッシャの一例としては、特開平10-310215号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のジョークラッシャは前記特許文献に示される構成を有して、破砕対象物を不動歯と動歯との間で押圧して破砕する仕組みであるが、この不動歯と動歯との間に入る前の導入路部分に一部の破砕対象物が挟まってそこから先(下)に進まない、いわゆるブリッジ状態となり、このブリッジ状態となった破砕対象物が他の破砕対象物の破砕室への進行を阻害し、破砕室には新たな破砕対象物が到達せずに空となって破砕が行われなくなる場合がある。そうした場合には、作業者がジョークラッシャの投入口上側から電動ハンマー(ピック、ブレーカー)等を用いて、滞った破砕対象物を押し下げたり破砕したりして除去していた。
【0007】
ただし、ジョークラッシャの破砕室の上方は、飛散防止用カバーが存在する場合もあるものの、少なくともフィーダ寄りの部位はジョークラッシャの稼働、停止に関わりなく開放状態となっており、上記の除去作業をはじめ、ホッパやフィーダ上に作業者が上って行うメンテナンス作業の際に、作業者が誤って破砕室に落ちるおそれがある、という課題を有していた。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、不動歯と動歯との間の破砕室に向かう破砕対象物の通過する経路の開放度合いを必要に応じて調整して、装置の保守作業を行う作業者の落下を防止して、安全な状態を維持できる破砕装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る破砕装置は、本体フレームに固定された不動歯と、当該不動歯に対向させて所定範囲移動可能に配設される動歯とを少なくとも備え、不動歯と動歯との間の空間である破砕室に破砕対象物を投入され、不動歯と動歯で破砕対象物を挟んで破砕する破砕装置において、前記破砕室の上方にあたる所定箇所で、少なくとも一部を上下方向に移動可能として本体フレームに支持される閉塞体と、当該閉塞体に一部を連結させて配設され、前記閉塞体の少なくとも一部を、破砕室への破砕対象物投入を妨げない第一の位置と、当該第一の位置より破砕室寄りの第二の位置との間で上下に移動させるように閉塞体を動かす駆動部とを備え、前記閉塞体が、前記閉塞体の少なくとも一部が前記第二の位置にある状態では、前記本体フレームに対し、人の上方からの破砕室への進入を許容しない配置状態にあるものである。
【0010】
このように本発明によれば、破砕室の上方に、閉塞体をその少なくとも一部が上下動可能となるように設け、破砕室の上側に破砕対象物が滞留するなどメンテナンスが必要な場合には、閉塞体の少なくとも一部を下方に移動させて、破砕室に破砕対象物を向かわせる経路の途中に位置するようにして、この破砕室に通じる経路の開放度合いを小さくし、破砕室への作業者の進入を阻止することにより、作業中に作業者の身体の一部が破砕室に誤って入り込むことはなく、作業者の安全を確保した状態で、作業者による滞留した破砕対象物の強制破砕作業や除去作業等を進められる。
【0011】
また、本発明に係る破砕装置は必要に応じて、前記閉塞体が、前記閉塞体の少なくとも一部が前記第一の位置又は第一の位置と第二の位置との間の所定位置にある状態で、破砕室に通じる本体フレーム上部の開口部分を、外部に対し閉じるようにされるものである。
【0012】
このように本発明によれば、本体フレーム上部の開口部分を閉塞体で閉じる状態を選択可能として、破砕室の上方で破砕室と外部とが通じる状態を必要に応じて断てることにより、通常の破砕実行時には、閉塞体を開口部分が閉じられる位置に配置して、破砕室から上方に飛び出そうとする一部の破砕対象物や破片の外部への飛散を閉塞体で防ぐことができ、装置周囲の安全を確保しつつ破砕を行える。また、閉塞体を飛散防止用のカバーとして使用できることで、専用のカバーを設けずに済み、装置構成を簡略化してコストダウンが図れる。
【0013】
また、本発明に係る破砕装置は必要に応じて、前記閉塞体が、上下方向に傾動可能として本体フレームに取り付けられ、傾動中心位置から離れた端部を、破砕室から離れた前記第一の位置から破砕室近くの前記第二の位置までの範囲で上下に移動させるように駆動部と連結されるものである。
【0014】
このように本発明によれば、閉塞体を本体フレームに対し傾動可能とし、閉塞体の傾動中心から離れた端部を第一の位置と第二の位置との間で移動させるようにすることにより、閉塞体を傾動させるのみの簡略な構造で、破砕室への作業者の進入を阻止する状態が得られ、装置のコストを抑えつつ作業者の安全を確保できる。
【0015】
また、本発明に係る破砕装置は必要に応じて、前記破砕室の入口付近で、破砕対象物が破砕されずに滞留する状態を検出可能とされ、前記駆動部が、破砕対象物の滞留状態が検出されると、前記閉塞体の少なくとも一部が滞留状態の破砕対象物に対し上側から接触可能となる破砕室近傍位置に達するまで、閉塞体を動かすようにされるものである。
【0016】
このように本発明によれば、装置の稼働状態で、破砕対象物を不動歯と動歯との間に挟んでも、破砕対象物が不動歯や動歯に対し滑って不動歯と動歯間から上方にずれ、破砕できない状態となるなど、破砕対象物の滞留が生じた際に、これを検出して閉塞体を動かし、閉塞体を滞留した破砕対象物上側に接触させ、こうした破砕対象物を上から拘束して、破砕対象物が破砕室から上方に動かないようにすることにより、破砕対象物を不動歯と動歯との間に挟んだ状態で保持して、確実に破砕のための力を破砕対象物に加えることができ、滞留していた破砕対象物を破砕し、破砕対象物の破砕が滞る状態を解消して、以降の破砕を無理なく継続できる。
【0017】
また、本発明に係る破砕装置は必要に応じて、前記動歯が、破砕対象物の滞留状態が検出されると、対向する不動歯との間隔を大きくするように位置調整されるものである。
【0018】
このように本発明によれば、装置の稼働状態で、破砕対象物の滞留状態を検出した場合には、閉塞体を動かして破砕対象物の上方への動きを拘束すると共に、動歯を位置調整して不動歯と動歯との間隔を大きくし、破砕対象物が破砕室により進入しやすくすることにより、破砕対象物を確実に不動歯と動歯との間に位置させて、破砕対象物を不動歯と動歯で挟持して力を加えられ、破砕対象物を不動歯と動歯との間から逃すことなく破砕を実行でき、破砕対象物の破砕が滞る状態をスムーズに解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置の概略側面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置の概略平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置の要部の概略構成説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置の通常破砕状態説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置における閉塞体の上方傾動状態説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置における破砕室入口部分の閉塞状態説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置のおける閉塞体の第二の位置到達状態説明図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る破砕装置における閉塞体の破砕対象物拘束状態説明図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る破砕装置における閉塞体の下方傾動状態及び動歯位置調整状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る破砕装置を前記
図1ないし
図8に基づいて説明する。本実施形態では、自走式のジョークラッシャの例について説明する。
【0021】
前記各図において本実施形態に係る破砕装置1は、本体フレーム10に固定された不動歯11と、この不動歯11に対向して配置される動歯12と、この動歯12を取り付けられて少なくとも揺動可能に本体フレーム10に配設されるスイングジョー13と、スイングジョー13の下部に一端部を当接させて設けられるトッグルプレート14と、トッグルプレート14の他端部に当接するようにして本体フレーム10に位置調整可能として設けられるトッグルブロック15と、本体フレーム10に傾動可能に支持される閉塞体16と、この閉塞体16に一部を連結されて閉塞体16を上下に傾動させる駆動部17と、この駆動部17他を制御する制御部18とを備える構成である。
【0022】
この破砕装置1は、スイングジョー13を動かして、動歯12と不動歯11との間隔を周期変化させ、不動歯11と動歯12との間に供給、導入される破砕対象物を破砕するジョークラッシャである。各部の機構については、閉塞体16と、この閉塞体16の作動に係る制御部18の制御内容を除いて、公知のシングルトッグル式のジョークラッシャと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
【0023】
なお、破砕装置1は、自走式の装置として、公知のクローラ式の走行台車部61を備えた車体60に搭載されるものである。加えて、上方に拡開する形状とされて、油圧ショベル等の重機で搬入される破砕原料を受け入れるホッパ62と、ホッパ62上の原料のうち所定の大きさ以上のものを破砕対象物として選別して破砕装置1の破砕室19に搬出供給するフィーダ63と、この破砕装置1で破砕した破砕物を外部に排出する搬送コンベヤ64とをそれぞれ併設される公知の構成を有するものである(
図1、
図2参照)。
【0024】
前記不動歯11と動歯12は、それぞれ平板状に形成され、各表面を、複数の突起が波状の横断面をなすように並列する突起面とされる構成である。不動歯11は、本体フレーム10の傾斜した支持面に着脱可能に固定支持され、スイングジョー13に取り付けられる動歯12と対向して配置される。これら不動歯11と動歯12との間に、下方が狭く上方が広い空間である破砕室19が生じている。この破砕室19に破砕対象物80が投入され、不動歯11と動歯12で破砕対象物80を挟んで破砕する仕組みである。
【0025】
不動歯11と、動歯12を取り付けられたスイングジョー13とを支持する本体フレーム10は、例えば金属製の枠組や板組等による剛性の高い立体構造を有するものであり、車体90上に搭載されて自走式装置とされる他に、安定した地面や床面に固定状態で設置される構成とすることもできる。
【0026】
この本体フレーム10上部に、スイングジョー13の支持のための回転軸20が回転可能に軸支される。
回転軸20は、油圧式や電動式等のモータ40により回転駆動される。この回転軸20には、回転軸20に対し軸中心を平行にずらした偏心配置とされる偏心軸21が、回転軸20と一体に回転可能として設けられる構成である。
この偏心軸21周りにスイングジョー13の上端部が取り付けられており、偏心軸21はスイングジョー13を相対回転可能に支持する。
【0027】
前記スイングジョー13は、その上部を偏心軸21に支持される一方、下部の凹部分を、本体フレーム10に別途揺動可能として設けられるトッグルプレート14の一端部に当接させ、この当接を維持するようにされる構成である。このスイングジョー13とトッグルプレート14とが互いに離隔せず当接する状態で、スイングジョー13はトッグルプレート14一端部に対し相対的に揺動可能とされる。
【0028】
前記トッグルプレート14は、金属製の略矩形板状体であり、回転軸20(偏心軸21)の軸方向(
図3の正面方向)と平行な向きとして配設される構成である(
図3参照)。
【0029】
前記トッグルブロック15は、本体フレーム10上に、スイングジョー13に対し進退するように、本体フレーム10の一部に移動可能な向きを拘束されつつ配設される構成である。このトッグルブロック15の凹部分にトッグルプレート14の他端部が揺動可能に当接し、この当接を維持するようにされて、スイングジョー13とトッグルブロック15との間に、トッグルプレート14が介設されることとなる。
これにより、スイングジョー13、トッグルプレート14、本体フレーム10、及び偏心軸21が一種のリンク機構を構成する。
【0030】
偏心軸21が回転すると、偏心軸21を原動節、本体フレーム10を静止節、スイングジョー13を従動節とするリンク機構の特徴に基づいて、スイングジョー13は、このスイングジョー13上における任意の一点が閉じた曲線状の軌跡を描くように動く。すなわち、スイングジョー13は、リンク機構により生じる、揺動だけではなく上下動なども伴った、不動歯11に対し近付いたり離れたりする所定の動きを繰り返すこととなる。
【0031】
トッグルブロック15の近傍には、このトッグルブロック15の位置を調整するための、公知のジョークラッシャで用いられるものと同様の調整用機構15aが設けられる。調整用機構15aによりトッグルブロック15が移動すると、トッグルプレート14を介してスイングジョー13も移動することで、スイングジョー13及び動歯12を不動歯11に対して進退移動させられる仕組みである。
【0032】
この他、スイングジョー13の下端には、付勢力を生じさせたテンションロッド30の一部が取り付けられる。このテンションロッド30の他部が、本体フレーム10の所定部位に取り付けられて、テンションロッド30の付勢力でスイングジョー13を不動歯11に対し離れる向きに常時引っ張る機構をなしている。このようにテンションロッド30を用いてスイングジョー13に付勢力を加えることで、スイングジョー13とトッグルプレート14の一端部、及び、トッグルブロック15とトッグルプレート14の他端部が、それぞれ当接する状態を維持でき、スイングジョー13、トッグルプレート14、及びトッグルブロック15が互いに離れないようにされる。
【0033】
前記閉塞体16は、略板状体で形成され、破砕室19の上方の所定箇所に傾動可能として本体フレーム10に取り付けられ、傾動中心位置から離れた一端部16aを上下方向に移動可能として本体フレーム10に支持される構成である。
【0034】
この閉塞体16は、傾動中心位置近くの所定箇所で駆動部17と連結され、本体フレーム10に対し、前記一端部16aを、破砕室19への破砕対象物投入を妨げない上方の第一の位置から、破砕室近傍の第二の位置までの範囲で、上下に移動させるように、駆動部17により傾動可能とされる。
【0035】
そして、閉塞体16は、その一端部16aが第一の位置にある状態(
図5参照)では、破砕室19に通じる本体フレーム10上部の開口部分を、外部に対し広く開放する配置となる。この状態では、作業者による、破砕装置停止時における不動歯11や動歯12をはじめとする破砕装置内部への保守作業を容易にすることができる。
【0036】
また、閉塞体16は、その一端部16aが第一の位置と第二の位置との間の、前記第一の位置同様に破砕室19への破砕対象物投入を妨げない第三の位置にある状態(
図4参照)では、破砕室19に通じる本体フレーム10上部の開口部分を、外部に対し閉じる配置となる。この状態では、破砕室19から上向きに飛び出そうとする一部の破砕対象物80や破片の外部に向かう経路を塞いでいることで、こうした破砕対象物80や破片の装置外部への飛散を阻止することができる。
【0037】
さらに、閉塞体16は、一端部16aが第二の位置にある状態(
図7参照)では、本体フレーム10に対し、人の上方からの破砕室19への進入を許容しない配置となる。具体的には、閉塞体16の一端部16aと本体フレーム10のフィーダ寄り内壁面部との間隔を、人の身体が破砕室側へ進入できない程度に狭くする状態となる。この閉塞体一端部16aが第二の位置にある状態では、ホッパ62やフィーダ63の破砕装置寄り端部が広く開放された状態を得られることから、これらホッパ62やフィーダ63へのメンテナンス時における閉塞体位置として設定しておけば、メンテナンス作業を行いやすくなり、作業効率を向上させられる。
【0038】
前記駆動部17は、閉塞体16に一部を連結されると共に、他部を本体フレーム10に連結されて配設され、前記一部と他部との位置関係を変化させるように作動して、閉塞体16を本体フレーム10に対し上下に傾動させる、シリンダ機構などのアクチュエータである。
【0039】
この駆動部17は、その作動範囲と、閉塞体16及び本体フレーム10との連結位置関係、並びに制御部での制御により、閉塞体16を、その一端部が前記第一の位置と第二の位置との間に位置する範囲内で、上下に傾動させる仕組みとされる。
【0040】
例えば、駆動部17がシリンダ機構である場合、閉塞体16がその一端部16aを第三の位置に位置させて、閉塞体16を飛散防止用カバーとして機能させる通常の状態(
図4参照)から、駆動部17を縮長側に作動させると、閉塞体16は上方に傾動して、一端部16aが第一の位置に達し、破砕室19を開放状態とする(
図5参照)。また、前記通常の状態から駆動部17を伸長側に作動させると、閉塞体16は下方に傾動して、一端部16aが第二の位置に達し、破砕室19への進入非許容状態となる(
図7参照)。
【0041】
前記制御部18は、閉塞体16の駆動部17と共に、回転軸20を回転駆動するモータ40や、トッグルブロック15を動かす調整用機構15aの制御を行うものである。この制御部18は、そのハードウェア構成として、CPUや記憶部、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、記憶部に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部18として作動させる仕組みである。こうした制御部18をなすコンピュータは、CPUや記憶部等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0042】
この制御部18は、本体フレーム10の近傍に設けられ、制御対象の駆動部17やモータ40、調整用機構15aに加え、装置各部に設けられるセンサ類ともそれぞれ電気的に接続され、検出情報に基づいて制御信号を出力して各部の作動を制御する。加えて、制御部18は、図示されないスイッチ等の操作手段や稼働状態の表示装置などともそれぞれ電気的に接続され、各スイッチ操作や各種表示に対応した機能実行等の制御を行うこととなる。
【0043】
詳細には、制御部18は、不動歯11と動歯12との間の破砕室19に破砕対象物80が進まず、破砕室への経路途中で滞留した状態を判別可能とされると共に、この滞留状態を判別すると、閉塞体16を傾動させて、閉塞体16の下面や一端部16aが滞留状態の破砕対象物80に対し上側から接触可能となる、破砕室近傍位置に閉塞体16を位置させる制御を実行するものである。
【0044】
この他、制御部18は、回転軸20を回転駆動してスイングジョー13を動かし、破砕対象物80の破砕に係る作動状態とするモータ40、例えば、電動機など、を作動させたり停止させる制御を行うものである。加えて、制御部18は、調整用機構15aを制御してトッグルブロック15を移動させることで、トッグルブロック15及びトッグルプレート14を介して、スイングジョー13及び動歯12を不動歯11に対して進退移動させて位置調整できる仕組みである。
【0045】
次に、前記構成に基づく破砕装置における閉塞体の使用状態について説明する。
最初に、破砕対象物80の通常破砕時における閉塞体の状態について説明する。
破砕装置1が起動した直後の段階で、閉塞体16は、制御部18の制御を受けた駆動部により、閉塞体16の一端部16aが破砕室19上方の前記第三の位置にある状態とされる(
図4参照)。これにより、閉塞体16は、破砕室19に通じる本体フレーム10上部の開口部分を、外部に対し閉じる配置となっている。
【0046】
また、破砕装置1が起動すると、モータ40により回転軸20が回転駆動され、回転軸20と一体の偏心軸21の回転に伴い、スイングジョー13は動歯12と共に不動歯11に対し近付いたり離れたりする所定の動きを繰り返す。
【0047】
破砕装置1の起動と共にフィーダ63の作動を開始させ、ホッパ62上に搬入された破砕対象物80をフィーダ63で搬送して破砕室19に供給、導入すると、スイングジョー13の動きにより、破砕室19に投入され、不動歯11と動歯12に挟まれた破砕対象物80は、不動歯11と動歯12より挟圧力を受ける。この圧力に伴って破砕対象物80の一部に応力が集中し、破砕対象物80は応力集中箇所を起点として破砕され分割される。
【0048】
不動歯11と動歯12との間を、破砕対象物80が上から下に進行しながら、破砕力を受けて破砕され、粒度を小さくしていく過程が繰り返されて、最終的に所望の粒度の破砕物が、不動歯11と動歯12との間の隙間下端部(排出口)から排出されることとなる。
【0049】
こうして破砕が進行する中、一部の破砕対象物80や破砕された破片は、不動歯11と動歯12から加わる力で上向きの速度成分を有する状態となって、破砕室19から上向きに飛び出す。
【0050】
破砕室19から飛び出した破砕対象物80や破片はさらに上方に進もうとするが、閉塞体16がフィーダ63による破砕対象物80の投入経路部分を除いて破砕室19上方を閉塞するように配置されているので、上方に進もうとする一部の破砕対象物80や破片は閉塞体16に衝突して下方に落下し、破砕室19に戻ることとなる。
【0051】
一方、フィーダ63と閉塞体16との間の隙間、すなわち、破砕対象物80の投入経路部分には、通常、破砕室19に投入される前の破砕対象物80が存在していることから、この部分から破片等が外部に出ることはない。
これにより、破砕対象物80や破片が装置内から外部に飛び出すことはできず、これら破片等が装置周囲に飛散することはなく、周囲の安全を確保できる。
【0052】
続いて、破砕装置の稼働中において破砕対象物80を破砕できない状態に陥った場合の閉塞体について説明する。
破砕対象物80の破砕が進む中、破砕室19に入る前の導入路部分に一部の破砕対象物80が挟まってそこから下に進まなくなる、いわゆるブリッジ状態になると、このブリッジ状態となった破砕対象物80が他の破砕対象物の破砕室19への進行を阻害することで、破砕室19は新たな破砕対象物80が到達せずに空となり、破砕が行われなくなる場合がある(
図6参照)。
【0053】
制御部18は、このような動歯12が不動歯11に対し動いているにも拘わらず、破砕室19に破砕対象物80がなく、破砕対象物80を破砕できない状態を、例えばスイングジョー13を駆動するモータの駆動電流変化の検出や、別途設けたセンサや接触スイッチによる検出等、公知の手法で判別可能である。制御部18が、この破砕できない状態を判別すると、モータ40を停止させて破砕を停止すると共に、フィーダ63の作動を停止させ、新たな破砕対象物80を投入させない状態とすることとなる。
【0054】
フィーダ63の停止後、制御部18は駆動部17を作動させ、閉塞体16を下方に傾動させて、その一端部16aの位置が前記第二の位置に達した状態にする(
図7参照)。この状態では、閉塞体16は、本体フレーム10に対し、人の上方からの破砕室19への進入を許容しない配置となる。具体的には、閉塞体16の一端部16aと本体フレーム10のフィーダ寄り内壁面部との間隔を、人の身体が破砕室側へ進入できない程度に狭くする状態となる。
【0055】
閉塞体16の一端部16aが前記第二の位置にある状態に移行した後、作業者が破砕装置の上側で、電動ハンマー等を閉塞体16の一端部16aと本体フレーム10との間の隙間から挿入して、滞留状態の破砕対象物80を押し下げたり破砕したりする除去作業を行う。
【0056】
こうした作業の際、閉塞体16が破砕室19近くに位置して、この破砕室の開放度合いを小さくしていることで、作業者の身体の一部が破砕室側に誤って入り込むことはなく、作業者は安全を確保した状態で作業を進めることができる。
【0057】
滞留していた破砕対象物80の除去が済んで、破砕対象物80の破砕室19への進行が阻害されず、破砕対象物80を破砕室19に継続的に送り込める状態に復帰すると、制御部18は閉塞体16を上方へ傾動させ、一端部16aが前記第三の位置に達した状態にする。この後、モータ40やフィーダ63の作動を再開させて、破砕対象物80を破砕室19に投入することで、通常の破砕状態に移行する。
【0058】
さらに、破砕装置の稼働中において、破砕対象物80が不動歯11と動歯12に対し滑って破砕できない場合の閉塞体について説明する。
破砕対象物80が角の取れた滑らかな丸い石である場合や、破砕対象物80の周囲に大量の水分が存在する場合、破砕対象物80は不動歯と動歯で挟んだ際に滑って上方にずれ、破砕対象物80に力を有効に加えられず破砕できなくなって、こうした破砕できない破砕対象物80が破砕室入口部分に滞留する事態が生じることがある。
【0059】
制御部18は、このように動歯12が不動歯11に対し動いているにも拘わらず、破砕対象物80が不動歯11と動歯12に対し滑りを生じて、破砕対象物80の破砕ができず、破砕対象物80が滞留する状態を、例えばスイングジョー13の駆動手段であるモータ40の駆動電流変化の検出や、別途設けたセンサや接触スイッチによる検出等、公知の手法で判別可能である。制御部18が、この破砕対象物80の滞留状態を判別すると、フィーダ63の作動を停止させ、新たな破砕対象物80が投入されない状態とする。そして、制御部18は、駆動部17を作動させ、閉塞体16を下方に傾動させて、その一端部16aの位置が前記第二の位置近くにあって、閉塞体16が滞留状態の破砕対象物80に対し上側から接触可能となる、破砕室近傍位置に達した状態とする(
図8参照)。
【0060】
この状態では、閉塞体16が破砕対象物80の上側に接して、破砕対象物80の上への動きを拘束することで、破砕対象物80が破砕室19へ入り込んだ位置から上に逃げないこととなり、破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間に挟んだ状態で保持して、確実に破砕のための力を破砕対象物80に加えることができる。こうして、滞留していた破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間で破砕でき、破砕対象物80の破砕が滞る状態が解消することとなる。
【0061】
滞留していた破砕対象物80の破砕が済んだら、制御部18は閉塞体16を上方へ傾動させ、一端部16aが前記第三の位置に位置して、閉塞体16が破砕対象物80の破砕室19への進入経路を塞がず、破砕対象物80を破砕室19に投入可能な状態に復帰させる。
この後、フィーダ63の作動を再開させて、破砕対象物80を破砕室19に投入することで、通常の破砕状態に移行する。
【0062】
このように、本実施形態に係る破砕装置においては、破砕室19の上方に、閉塞体16を上下に傾動可能に設け、破砕室19の上側に破砕対象物80が滞留するなどメンテナンスが必要な場合には、閉塞体16を下方に傾動させて、破砕室19に破砕対象物80を向かわせる経路の途中に閉塞体16が位置するようにして、この破砕室19に通じる経路の開放度合いを小さくし、破砕室19への作業者の進入を阻止することから、作業中に作業者の身体の一部が破砕室19に誤って入り込むことはなく、作業者の安全を確保した状態で、作業者による滞留した破砕対象物80の強制破砕作業や除去作業等を進められる。
【0063】
なお、前記実施形態に係る破砕装置において、閉塞体16は傾動によりその一端部16aを上下動させて、その機能を切り替え可能な構成としているが、これに限られるものではなく、閉塞体が、破砕室19の上方で、その少なくとも一部を、破砕室19への破砕対象物80投入を妨げない第一の位置と、この第一の位置より破砕室寄りの第二の位置との間で上下に移動させられるものであれば、閉塞体を傾動させる他に、閉塞体を全体として直線的に上下動させたり、所定のリンク機構を用いて閉塞体を上方の第一の位置と下方の第二の位置との間で移動させる構成とすることもできる。
【0064】
また、前記実施形態に係る破砕装置においては、ジョークラッシャに適用する構成としているが、これに限られるものではなく、上方に開口して破砕対象物80を受け入れる破砕室を有して、ホッパやフィーダ等を用いて上方から破砕対象物80を破砕室に投入して破砕を行う装置であれば、ジョークラッシャ以外の、ロールクラッシャやインパクトクラッシャ等の破砕機にも適用できる。
【0065】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係る破砕装置においては、破砕対象物80が不動歯11と動歯12に対し滑って破砕できず、破砕対象物80が破砕室入口部分に滞留した場合に、閉塞体16を下方に傾動させ、閉塞体16により破砕対象物80の上への動きを拘束して、破砕を促す構成としているが、この他、
図9に示すように、第2の実施形態として、上記の破砕対象物80の滞留状態で、閉塞体16を傾動させることに加えて、不動歯11と動歯12との間の隙間を若干大きくする調整を実行する構成とすることもできる。
【0066】
具体的には、制御部18が、動歯12が不動歯11に対し動いているにも拘わらず、破砕対象物80が不動歯11と動歯12に対し滑りを生じて、破砕対象物80の破砕ができず、破砕対象物80が滞留する状態を、前記第1の実施形態同様に判別すると、フィーダ63の作動を停止させ、新たな破砕対象物80が投入されない状態とする。そして、制御部18は、駆動部17を作動させ、閉塞体16を下方に傾動させて、閉塞体16が滞留状態の破砕対象物80に対し上側から接触可能となる、破砕室近傍位置に達した状態とする。
【0067】
合わせて、制御部18は、トッグルブロック15の調整用機構15aを制御して、トッグルブロック15が動歯12を不動歯11から離す向きに所定量移動するように、調整用機構15aを作動させる。テンションロッド30による支持で、スイングジョー13とトッグルプレート14一端部との当接状態、及び、トッグルプレート14他端部とトッグルブロック15との当接状態が維持されるため、トッグルブロック15の移動(位置調整)に連動してスイングジョー13も不動歯から離れる向きに移動する。こうして、不動歯11と動歯12との間の隙間が大きくなる。
【0068】
この状態では、閉塞体16が破砕対象物80の上側に接して、破砕対象物80の上への動きを拘束することで、破砕対象物80が破砕室19へ入り込んだ位置から上に逃げないこととなり、破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間に挟んだ状態で保持できる。
【0069】
また、不動歯11と動歯12との間の隙間を大きくした状態では、破砕対象物80が破砕室の奥側となる下方へより一層入り込むこととなり、位置関係の変化に基づいて、動歯12と不動歯11との間から破砕対象物80が離脱しにくくなり、より確実に破砕のための力を破砕対象物80に加えることができる。
【0070】
こうして、滞留していた破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間で破砕でき、破砕対象物80の破砕が滞る状態が解消することとなる。
滞留していた破砕対象物80の破砕が済んだら、制御部18は閉塞体16を上方へ傾動させ、閉塞体一端部16aが前記第三の位置に位置して、閉塞体16が破砕対象物80の破砕室19への進入経路を塞がず、破砕対象物80を破砕室19に投入可能な状態(
図4参照)に復帰させる。
【0071】
一方、制御部18はあらためて調整用機構15aを作動させて、トッグルブロック15をスイングジョー13のある側に移動させる。移動手段16によりトッグルブロック15が移動すると、トッグルプレート14を介してスイングジョー13が押されて不動歯11側に移動する。こうしてトッグルブロック15を動かして動歯12を不動歯11に近付ける向きに動かして、最終的に動歯12と不動歯11との間の隙間が、あらかじめ設定された所望の破砕後粒度に対応する元の隙間値になると、調整用機構15aを制御してトッグルブロック15を停止させる。トッグルブロック15の移動停止により、スイングジョー13及び動歯12の位置が定まり、目標の粒度に対応した隙間への再調整が完了となる。
この後、フィーダ63の作動を再開させて、破砕対象物80を破砕室19に投入することで、通常の破砕状態に移行する。
【0072】
このように本実施形態に係る破砕装置においては、装置の稼働状態で、破砕対象物80の滞留状態を検出した場合には、閉塞体16を動かして破砕対象物80の上方への動きを拘束すると共に、動歯12を位置調整して不動歯11と動歯12との間隔を大きくし、破砕対象物80が破砕室19により進入しやすくすることから、破砕対象物80を確実に不動歯11と動歯12との間に位置させて、破砕対象物80を不動歯11と動歯12で挟持して力を加えられ、破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間から逃すことなく破砕を実行でき、破砕対象物80の破砕が滑りで滞る状態をスムーズに解消できる。
【0073】
なお、前記実施形態に係る破砕装置においては、破砕対象物80の滞留状態を検出した場合に、閉塞体16を下方に傾動させると共に、不動歯11と動歯12との間の隙間を大きくして、破砕を実行する構成としているが、この他に、不動歯11と動歯12との間の隙間を大きくするのに代えて、又は、隙間を大きくするのと同時に、制御部18の制御でモータ40の出力回転数を抑えてスイングジョー13の作動速度を遅くし、動歯12と不動歯11との間に、滑りやすい破砕対象物80をより確実に挟持可能な構成とすることもできる。
【0074】
この場合も、破砕対象物80を不動歯11と動歯12で挟持して適切に力を加えられ、破砕対象物80を不動歯11と動歯12との間から逃すことなく破砕を実行できる。
滞留していた破砕対象物80の破砕が済んだ後、制御部18はモータ40の出力回転数を元に戻すようにすれば、通常の破砕状態に移行後は破砕対象物80を効率よく破砕できることとなる。
【符号の説明】
【0075】
1 破砕装置
10 本体フレーム
11 不動歯
12 動歯
13 スイングジョー
14 トッグルプレート
15 トッグルブロック
15a 調整用機構
16 閉塞体
16a 一端部
17 駆動部
18 制御部
19 破砕室
20 回転軸
21 偏心軸
30 テンションロッド
40 モータ
60 車体
61 走行台車部
62 ホッパ
63 フィーダ
64 搬送用コンベヤ
80 破砕対象物