(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】ユーザーにお知らせを送信するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61J 7/04 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
A61J7/04 B
(21)【出願番号】P 2018539404
(86)(22)【出願日】2017-01-31
(86)【国際出願番号】 IL2017050114
(87)【国際公開番号】W WO2017130207
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-16
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518185347
【氏名又は名称】ワテリオ エルティーデイー
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】ベントコフスキ,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,ニムロッド
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-503271(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0127133(KR,A)
【文献】特開2019-55076(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19852602(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1174363(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
G16H 10/00 ー 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスターパックに取り付け可能なケース(以下、ハウジングということもある)と、
前記ハウジングに取り付けられると共に
、少なくとも一つ以上のカメラを含み、取り付けられた前記ブリスターパックから薬である錠剤が取り出されたことを感知す
るセンサーと、
プロセッサーおよび通信ユニットを含むコントローラーと、
出力ユニットと、を
備え、
前記コントローラー
における前記プロセッサーは、
前記錠剤に関連したデータとしての処方箋の情報を前記通信ユニットが受信した後に、前記錠剤に関連したデータに基づいて前記錠剤を服用するタイミングパラメーターを決め
、
前記ブリスターパックの画像を前記カメラにキャプチャーさせ、
前記錠剤が前記ブリスターパックから取り出されたかどうかを
前記画像に基づいて決定し、
前記タイミングパラメーターに基づいたタイムピリオド内に前記ブリスターパックから前記錠剤が取り出されていない場合、前記錠剤の服用を知らせるシグナルとしてのお知らせシグナルを
前記出力ユニット
に出力させる、ように設定されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記出力ユニットが音声デバイス、振動デバイス、発光デバイスのいずれか一つ以上を含む、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、一日に服用する前記錠剤の数、前記錠剤を服用する時間、各回に服用されるべき前記錠剤の数若しくは量、のうち少なくとも一つに基づいて前記タイミングパラメーターは決定される、装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一に記載の装置であって、
前記通信ユニットは、リモートデバイスと通信可能であり、
前記出力ユニットが前記リモートデバイスのディスプレイであり、
前記コントローラーが前記リモートデバイスに前記お知らせシグナルを
出力させるように設定されており、前記コントローラーが前記リモートデバイスから前記タイミングパラメーターを受信するように設定されている、装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一に記載の装置であって
、前記センサーは2つの前記カメラを含み、
第1のカメラが取り付けられた前記ブリスターパックの一方側における前記錠剤の画像をキャプチャーするように配置され、
第2のカメラが前記ブリスターパックの他方側における切り取り可能なホイルの画像をキャプチャーするように配置されている、装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一に記載の装置であって
、
前記センサーは、ブリスターの切り取り可能なホイルに接続された一つまたはそれ以上の導線内の切断を感知するデバイスを含
む、装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一に記載の装置であって、
前記コントローラー
の前記プロセッサーは、
前記装置が前記ブリスターパックに取り付けられた際に前記ブリスターパックの画像である開始のシグナルを
前記カメラに受信させ、
前記開始のシグナルにも基づいて、前記タイミングパラメーターを決定する、ようにさらに設定されている、装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一に記載の装置におけるプロセッサーの処理方法であって、
前記錠剤に関連したデータとしての前記処方箋の情報を前記通信ユニットが受信した後に、前記錠剤に関連したデータに基づいて前記錠剤を服用する
前記タイミングパラメーターを決め、
前記ブリスターパックの前記画像を前記カメラにキャプチャーさせ、
前記錠剤が前記ブリスターパックから取り出されたかどうかを
前記画像に基づいて決定し、
前記タイミングパラメーターに基づいたタイムピリオド内に前記ブリスターパックから前記錠剤が取り出されていない場合、前記錠剤の服用を知らせるシグナルとしてのお知らせシグナルを
前記出力ユニット
に出力させる、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
一日に服用する前記錠剤の数、少なくとも一つの前記錠剤を服用する時間、各回に服用される前記錠剤の数若しくは量、のうち少なくとも一つに基づいて前記タイミングパラメーターは決定される、方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法であって、
前記錠剤に関するデータ
をリモートデバイス、データベース、前記ブリスターパックに関連した読み込み可能なエレメントのうち少なくとも一つから受信する、方法。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一に記載の方法であって、音声シグナル、光シグナル、振動
、リモートデバイスのディスプレイでの通知、から前記お知らせシグナルは選択される、方法。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一に記載の方法であって、さらに以下を含む、
ユーザーによって前記ブリスターパックから前記錠剤が取り出されたことを検知した二つまたはそれ以上の履歴シグナルであって、前記錠剤の取り出しに関連するそれぞれの時間を含む前記履歴シグナルをデータベースから受信し、
受信された二つまたはそれ以上の前記履歴シグナルに基づいて、前記タイミングパラメーターが決定される、方法。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一に記載の方法であって、さらに以下を含む、
前記錠剤の誤使用を識別し、
ユーザーへの通知送信、ユーザーの介護者への通知送信、ユーザーの親族への通知送信および医療機関への通知送信のうち少なくとも一つを含む、誤使用警報を発行する、方法。
【請求項14】
請求項8~13のいずれか一に記載の方法であって、さらに以下を含む、
少なくとも一つの前記カメラから前記ブリスターパックの切り取り可能なホイルの画像を受信し、
受信した画像に基づいたブリスターパック内の前記錠剤のタイプを識別する、方法。
【請求項15】
前記ブリスターパックは、
切り取り可能なホイルを含む複数の前記錠剤のための容器と、
前記錠剤の位置に対応するように切り取り可能なホイルに取り付けられた複数の導線であって、切り取り可能な前記ホイルを通って前記ブリスターパックから薬が取り出される際に少なくとも一つの前記導線を通る導電路が切断されるように取り付けられる前記複数の導線と、を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
投薬遵守に関するよくある問題の一つは、時間通りに薬を服用しないことである。しばしば、人は適切な時間がきても薬の服用を単純に忘れてしまう。時々いつ最後に薬を服用したのかも人は忘れてしまう。歳をとると問題はより深刻になる。高齢者の中には日中異なる時間にいくつかの薬を服用する必要があるが、年齢と共に記憶力は減少し、どの薬をいつ服用するのかを記憶しておくことは難しくなる。
【0002】
市場にあるシステムは一般的にタイマーに基づいており、つまり単独または主に設定したタイマーに基づいて薬の服用をユーザーに思い出させる。しかし、このようなシステムはブリスターパックからの薬の取り出しを監視したり記録したりすることはない。したがって薬の服用をモニタリングし、知らせる電子システムの必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、ブリスターパックに取り付けられるケース、ケースに取り付けられたブリスターパックからの薬の取り出しを感知できる少なくとも一つのセンサー、コントローラーを含む、薬の服用をユーザーに知らせる装置に関連する。薬の服用のためのタイミングパラメーターを決定する、少なくとも一つのセンサーからシグナルを受信する、薬がブリスターパックから取り出されたかシグナルに基づいて決定をする、タイミングパラメーターに基づいたタイムピリオド内にブリスターパックから薬が取り出されない場合薬の服用を知らせるシグナルをユニットに発行するように、コントローラーは設定されうる。
【0004】
本発明の実施形態は、プロセッサーによって実行される、ユーザーに薬の服用を知らせるコンピュータ実装方法に関連する。薬を服用するタイミングパラメーターの決定、少なくとも一つのセンサーからのシグナルの受信、少なくとも一つのセンサーはブリスターパックからの薬の取り出しを感知できること、ブリスターパックから薬が取り出されたかシグナルに基づいた決定、タイミングパラメーターに基づいたタイムピリオド内にブリスターパックから薬が取り出されない場合薬の服用を知らせるシグナルをユニットに発行することが方法には含まれうる。
【0005】
本発明のこの他の特徴は詳細な説明および図から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明とみなされる主題は特に指摘され仕様の結論部分ではっきりと主張されている。しかし、目的、機能、およびその利点と共に組織と使用方法両方への発明は、以下に添付した図解と共に次の詳細な説明を参照することで理解されうる。
【0007】
【
図1】
図1は、発明のいくつかの実施形態でのお知らせをするための装置のハイレベルブロック図である。
【
図2-1】図 2A から2D は、発明のいくつかの実施形態による少なくとも一つのカメラを含むお知らせをするための装置の図解である。
【
図3】図 3A から3B は、発明のいくつかの実施形態によるお知らせをするための装置の図解である。
【
図4】図 4 は、発明のいくつかの実施形態による薬の服用をお知らせするためのシステムのハイレベルブロック図である。
【
図5】
図5A および 5B は、発明のいくつかの実施形態での装置によって取り出されるブリスターパックの画像である。
【
図6】図 6 は、発明のいくつかの実施形態での薬の服用をお知らせする方法のフローチャートである。
【0008】
そのシンプルさとイラストの明快さのため、図に示されているエレメントは必ずしも寸法通りに描かれていない。例えば、いくつかのエレメントの寸法は、わかりやすくするための他のエレメントを基準として拡大されうる。さらに、適切と考えられるところには対応するまたは類似のエレメントを示すために図の中で参照符号が繰り返されうる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、発明の完全な理解を提供するため多数の具体的な詳細が述べられている。しかし、本発明はこのような具体的な詳細がなくても用いられることは当業者は理解可能である。言いかえれば、よく知られた方法、手順、モジュール、ユニットおよび/または回路は、発明を分かりにくくしないよう、詳しくは説明されていない。一つの実施形態に尊重され説明されるいくつかの機能やエレメントは、他の実施形態に尊重され説明される機能やエレメントと統合されうる。つまり、同じまたは類似の機能やエレメントについては繰り返して述べられてはいない。
【0010】
本発明の実施形態はこれに限定はされないが、例えば、「処理」、「コンピューティング」、「推測」、「計算」、「決定」、「確立」、「分析」、「確認」、「操作」、「フィルタリング」などのような用語を使用した解説は、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステムや他の電子コンピューティングデバイス(それらは、コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ、操作および/または処理を行う指示を保存するその他の情報非一時的記憶媒体内で物理的量として類似に存在する他のデータに、コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ内の物理的 (例として電子的) 量として存在するデータを操作および/または変換します) の操作および/または処理を参照されうる。発明の実施形態はこれに限定はされないが、ここで使用される「複数」という用語は、例えば「多数」または「二つ以上」を含みうる。「複数」という用語は、二つ以上の内容物、デバイス、エレメント、ユニット、パラメーターなどを示すために仕様全体を通じて使われうる。ここで使用される際の用語セットは一つまたはそれ以上のアイテムを含みうる。特記されなければ、ここに説明される方法の実施形態は特定の順序またはシーケンスに制約されない。さらに、示される方法の実施形態またはエレメントのいくつかは同時に、同じ時点で、共に発生または実行され得る。
【0011】
いくつかの本発明の実施形態によって、いくつかの本発明の実施形態は、ブリスターパックから薬を取り出すことをユーザーに知らせる装置および方法に関連する。装置は簡単にブリスターパックから取り外しできるように設計され、例えば、薬を提供する薬剤師、介護者または患者自身によってブリスターパックに取り付けられうる。薬を服用する時間になるとユーザーにお知らせシグナルを提供するスピーカー、一つまたはそれ以上のライト、振動エレメントのような出力デバイスを装置は含みうる。さらに、ユーザーが一度(または、許容範囲時間内に) 薬を服用したか、または、再度知らされるべきかを検知する一つまたはそれ以上のセンサーを含みうる。いくつかの実施形態では、スマートフォン、スマートウォッチ、他のリモートデバイス(例として、病院や医療機関のセントラルモニタリングデバイス) のようなユーザーデバイスにお知らせシグナルが表示されうる。いくつかの実施形態では、ユーザーに与えられた処方薬によってブリスターパック内の薬ごとにお知らせシグナルを発生するように装置は設定されうる。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態でお知らせをする装置のハイレベルブロック図である
図1が示されている。装置10は少なくとも最初のセンサー20、ブリスターパックからの薬の取り出しを感知できる2番目のセンサー25、出力デバイス30、コントローラー50を含みうる。装置10は例えば通信ユニット56を経由してリモートデバイス60と通信するように設定されうる。リモートデバイス60はスマートフォン、タブレットのようなモバイルデバイスかもしれないし、ラップトップやPCのような個人的なデバイスかもしれない。リモートデバイス60は薬を服用するユーザー、介護者、ユーザーの医療行為を監督する医療従事者(例として、医者)によって操作されうる。
【0013】
最初のセンサー20 と2番目のセンサー 25 はブリスターパックからの薬の取り出しを検知または感知するように設定されているいかなるセンサーでありうる。例えば、センサー20および/または25は
図2A から2D に図解されたカメラおよび/または
図2D に示されたセンサー27でありうる。他の例では、センサー20および/または25は
図3A から3B に図解された一つまたはそれ以上の電子回路を含みうる。さらに他の例では、センサー20および/または25は、静電容量センサー、インダクタンスセンサーまたは他の適したセンサーを含みうる。
【0014】
いくつかの実施形態では、デバイス10はブリスターパック5へのデバイス10の取り付けを感知するアタッチメントセンサー (示されていない) をさらに含みうる。アタッチメントセンサーは、スイッチ、電子回路、いくつかの適当なエレメントを含みうる。ブリスターパック5へのデバイス10の取り付けによって、アタッチメントセンサーはコントローラー50または他の外部プロセッサーに開始シグナルを送信されうる。
【0015】
出力デバイス30は光源 (例としてLED ランプ) 、音声スピーカー、振動デバイス、ディスプレイなどを一つまたはそれ以上含みうる。出力デバイス30の各エレメントはユーザーに知らせるように設定されうる。いくつかの実施形態では、出力デバイス30は例えば「薬を服用してください」と言ったユーザーへのお知らせシグナルを表示するように設定されたリモートデバイス60のディスプレイでありうる。
【0016】
いくつかの実施形態では、コントローラー50はプロセッサー52 (例としてチップ) 、メモリ54、通信ユニット56を含みうる。メモリ54はランダムアクセスメモリ (RAM)、読み込みのみのメモリ (ROM)、ダイナミックRAM (DRAM)、シンクロダイナミックRAM(SD-RAM)、ダブルデータレート (DDR) メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期間メモリユニット、長期間メモリユニット、その他の適当なメモリユニット、保存ユニットを含みうる。例えばブリスターパックから最初の薬の取り出しを感知するセンサー20および/または25からのシグナルの受信コードのような、プロセッサー52によって実行される一つまたはそれ以上の実行コードをメモリ52は保存されうる。コードはさらにタイミングパラメーターの決定も含みうる。コードは一つまたはそれ以上の入力デバイス40からの追加データの受信を含みうる。コードは、出力ユニット30への2番目の薬の服用を知らせるシグナルの発行を含みうる。
図1はハイレベルな図解であり、メモリや処理のようないくつかの機能モジュールは単一の物理的デバイスに存在するかもしれないことが理解されうる。
【0017】
いくつかの実施形態では、リモートデバイス60 (例として、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ラップトップ、PCなど) または例えばブルートゥース登録商標やWi-Fiなど良く知られたプロトコールを使用する外部のコンピューティングデバイスと通信するように通信ユニット56は設定されうる。いくつかの実施形態では、通信が確立される際リモートデバイス60によって認識されるようにデバイス10の識別情報をメモリ54は保存しうる。
【0018】
いくつかの実施形態では、パワーサプライ (示されていない) 、例えば、
図2D に示されているバッテリー70を装置10はさらに有しうる。発明のいくつかの実施形態によってお知らせシグナルを発行するデバイスの図が
図2A から2Dに示されている。
図2A から2Dに示されているデバイス10にはブリスターパック5に取り付けられるケース15、ケース10に取り付けられ付属のブリスターパック5から薬6の取り出しを感知できる少なくとも一つのカメラ 20A と25Aが含まれうる。ケース15は少なくともいくつかの装置10の内容物、例えば、
図1に示されたセンサー20、25、出力ユニット30、コントローラー50を保持するように設計されうる。
【0019】
図2A と2B は、最初のセンサー、カメラ20A を持つデバイス10の側面図および上面図を示したものである。カメラで撮った
図5A の画像に示されているブリスターパック5とすべての薬6の全体の画像をカメラ20A がキャプチャーできると示している点線でカメラ20A の視野(FOV)は決定されている。例として
図5B に示されたような適当な画像処理アルゴリズムを使用して画像はさらに処理されうる。プロセッサー52、リモートデバイス60、プロセッサーおよび/または
図4に示したプロセッサー112のようなリモートプロセッサーによって処理は行われうる。
【0020】
イメージャによってキャプチャーされた後、画像がリモートデバイスに保存または転送される前に圧縮されることは理解されうる。さらに、装置、リモートデバイス、発明の範囲内でのこのようなすべての実施形態で画像処理ステップは実施されることも理解されうる。
【0021】
図2C と2D は組み立てられたデバイス10の側面図といくつかの実施形態でのデバイス10内に含まれる主な内容物の等角投影図である。
図2C と2D に示されたデバイス10には、最初のセンサー、カメラ20A、2番目のセンサー、カメラ25A が含まれている。いくつかの実施形態では、3番目のセンサー、例えば、
図2D に示されている追加センサー27 (例として、光学センサー) がデバイス10にはさらに含まれうる。カメラ20A が薬6の側面をキャプチャーし、カメラ25A が切り取り可能なホイル7の側面をキャプチャーしている際にブリスターパック5の両側をカバーしているカメラ20A と25A の FOV を
図2C は示す。いくつかの実施形態では、ブリスターパック5からの薬の取り出しを感知するようにカメラ20A は設定され、プロセッサー52やリモートデバイス60のプロセッサーまたは画像を受信する他のネットワークに入っているプロセッサーのようなプロセッサーがブリスターパック5の中の薬6のタイプを識別できるように、印刷や薬のタイプの他の情報、例えば、薬の記述名または商標名(例として、Advil® (アドビル)) を有する切り取り可能なホイル7の画像をカメラ25A がキャプチャーするように設定されうる。いくつかの実施形態では、異なるライティングコンディションでブリスターパック5の画像をキャプチャーするために光源が装置10にはさらに含まれうる。光源は例えば可視光線、IR光源、UV 光源などでありうる。
【0022】
図2D は、デバイス10のいくつかの内容物の詳細な図解である。
図2D に示されたデバイス10は、最初のカメラ20A、2番目のカメラ25A が含まれうる。さらに追加のセンサー、例えば光学センサー、またはカメラ、IR カメラ、RFID リーダー、例として近距離通信 (NFC)、UV センサーなどをデバイスは有しうる。デバイスはケース15を含みうる。ケース15は複数のパーツ (例として、示されたような2つのパーツ)から組み立てられうる。装置10はさらにプロセッサー52、通信ユニット65、出力ユニット30 (例として、スピーカー)、バッテリー70を含みうる。
【0023】
図3A はデバイス10と取り付けられたブリスターパックの等角投影図、
図3B はいくつかの実施形態でデバイス10に取り付けられているブリスターパックの下方図を示す。
【0024】
ケース15と導線21を含む電子回路を少なくとも一つ含む最初のセンサー20Bを少なくとも一つ、
図3A のデバイス10は有しうる。切り取り可能なホイル7から薬6を取り出すためにブリスターパック5の中で少なくとも一つの導線21が切断されるとブリスターから薬の取り外しを感知するように、最初のセンサー20Bは設定されうる。いくつかの実施形態では、ブリスターパック5内の各薬6は
図3B に示されているように独立した回路に接続されうる。あるいは、ブリスターパック5から薬6の取り外しによって少なくともいくつかの導線内での切断を感知できる導線のマトリックスに最初のセンサー20B は接続されうる。いくつかの実施形態では、
図3B に示したような導線の少なくとも一つに接続した2番目のセンサー25 B をデバイス10は含みうる。ブリスターパック5の上部での薬6の取り出しを最初のセンサー20A が感知し、ブリスターパック5の下部からの薬6の取り出しを2番目のセンサー25Bが感知されうる。
【0025】
いくつかの実施形態による、ユーザーへのお知らせを発行するシステムのハイレベルブロック図を
図4は示す。例えばクラウドベースサーバーまたは物理的な処理ユニットであるサーバー105をシステム100は含みうる。サーバー105は処理デバイス110、保存ユニット120、ユーザーインターフェース130、通信ユニット125を含みうる。処理ユニット110は、例えばセントラルプロセッシングユニット (CPU)、チップ、適当なコンピューティング、計算上のデバイスとなり得るプロセッサー112、操作システム114、メモリ116を含みうる。例えばメモリ116のようなメモリに保存されている実行指示による本発明の実施形態での方法を実行するようにプロセッサー112は設定されうる。操作システム114は、調整、計画、監督、コントロール、または処理デバイス110の操作管理、例えば、プログラムの実行計画に関わるタスクを実行するように設計および/または設定されたコードセグメントを含みうる。メモリ116は、例えば、ランダムアクセスメモリ (RAM)、読み込みのみのメモリ(ROM)、ダイナミックRAM (DRAM)、シンクロダイナミックRAM (SD-RAM)、ダブルデータレート (DDR) メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期間メモリユニット、長期間メモリユニット、その他の適当なメモリユニット、保存ユニットを含みうる。メモリ116は複数の可能な異なるメモリユニットを含みうる。
【0026】
実行コード、例としてアプリケーション、プログラム、処理、タスク、スクリプトをメモリ116は保存されうる。通信ユニット125を介したセンサー20、20A、 20B、 25、 25A、 25B、27 (例として、リモートセンサー)の少なくとも一つから受信される画像や他のデータ、薬の取り出しを感知しタイミングパラメーターを決定するシグナルのような情報処理の指示を実行コードは含みうる。コードはさらにお知らせシグナルを発行する指示を含みうる。
【0027】
ストレージ120は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク (CD) ドライブ、CD-レコーダブル(CD-R) ドライブ、ユニバーサルシリアルバス (USB) デバイス、他の適当なリムーバブルおよび/または固定保存ユニットを含みうる。薬取り出しの感知や時間に関連した履歴データのようなコンテンツがストレージ120内に保存され、プロセッサー112によって処理されるメモリ116内にストレージ120から移されうる。
【0028】
ユーザーインターフェース130は、ユーザー (例として、登録者) からの入力を受信し、ユーザーに出力を表示するように設定されたデバイスを含みうる。例えば、スクリーン、キーボード、ポインティングデバイス、音声デバイス、処理ユニット110に接続するのに適した入力/出力 (I/O)デバイスをインターフェース130は含みうる。
【0029】
処理ユニット110がリモートデバイス60および/またはデバイス10のような外部デバイスと、例えばインターネットで通信できるようなワイヤまたはワイヤレスネットワークインターフェースカード (NIC) を通信ユニット125は有しうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、システム100はリモートデバイス60の中に含まれ、プロセッサー112はリモートデバイス60を含むプロセッサーでありうる。
【0031】
本発明の実施形態による、ユーザーへのお知らせの発行の方法のフローチャートであるが
図6に示されている。装置10のプロセッサー52、リモートデバイス60のプロセッサー、システム100の処理ユニット112の少なくとも一つによって、
図6の方法は行われうる (例として、実行されうる) 。いくつかの実施形態では、
図6の方法のすべての操作は、単一のプロセッサーによって行われうる。いくつかの実施形態では、
図6の方法のいくつかの操作は最初のプロセッサー (例として、プロセッサー52またはリモートデバイスのプロセッサー) によって行われ、他の操作は2番目のプロセッサー (例として、処理ユニット112) によって行われうる。
【0032】
操作610では、実施形態は少なくとも一つの薬の取り出しのためにタイミングパラメーターの決定を含みうる。一つまたはそれ以上の薬6の服用開始時間、一つ目の薬と二つ目の服用の間隔時間 (例として、6時間)、服用の遅れの許容範囲 (例として、15分) などがタイミングパラメーターには含まれうる。いくつかの実施形態では、追加の情報(例として、処方箋) が (例としてユーザー、介護者、医者、家族などから提供される) リモートデバイス60から受信されうる。
【0033】
いくつかの実施形態では、例えば、薬の種類、一日に服用する薬の数、少なくとも一つの薬を服用する時間、各回に服用される薬の数など薬に関連したデータ (例として、処方箋) の受信、薬に関連したデータに基づいたタイミングパラメーターの決定が方法にはさらに含まれうる。いくつかの実施形態では、例えば年齢、性別、既往歴、ユーザーが服用している他の薬などユーザーに関連したデータの受信、ユーザー関連データに基づいたタイミングパラメーターの決定が、方法にはさらに含まれうる。いくつかの実施形態では、薬関連データおよび/またはユーザー関連データの受信は、リモートデバイス60、データベース (例としてストレージ120)、ブリスターパックに伴う読み込み可能なエレメント(例として、チップ/ RFIDなど) のうち少なくとも一つからである。例えば、ユーザー関連データにはユーザーがすでに最初のタイプの一つの薬を毎朝服用しているという情報が含まれ、薬に関連したデータには2番目のタイプの一つの薬を毎日服用する処方が含まれうる。さらに、ユーザーが2番目のタイプの薬を毎晩服用することをプロセッサーが決定しうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、データベース (例として、ストレージ120) から特定の時間に特定のユーザーによってブリスターから薬が取り出されることを検知する二つまたはそれ以上の履歴シグナルの受信、および受信した二つまたはそれ以上の履歴シグナルに基づいたタイミングパラメーターの決定が、方法にはさらに含まれうる。例えば、ユーザーが20時 (例として、夕食後) の薬の服用を好むと履歴シグナルが感知すると、タイミングパラメーターは19時54分から20時の間に薬を服用するための記述を含みうる。いくつかの実施形態では、特定のユーザーによってブリスターから薬が取り出されることを感知する履歴シグナルの継続的な分析やお知らせ発行のための「タイムフレーム」のくり返し学習、例えばユーザーへの迷惑を避けることをプロセッサーは行いうる。
【0035】
いくつかの実施形態では、開始シグナルの受信や開始シグナルに基づいたタイミングパラメーターの決定が方法にはさらに含まれうる。いくつかの実施形態では、開始シグナルの受信はブリスターパックへの装置の取り付けによります。例えば開始シグナルは装置(例として、スイッチ、電子回路など) 内に含まれるアタッチメントセンサーから受信されうる。他の例では、開始シグナルはカメラ(例として、カメラ25A) から受信されたブリスターの画像でありうる。操作615では、少なくとも一つのセンサーからのシグナルの受信を実施形態は含み、少なくとも一つのセンサーはブリスターパックからの薬の取り出しを感知できる。例として、シグナルは、少なくとも一つのカメラ(例として、カメラ20A や25A)から受信したブリスターパックの画像、例として
図5の画像でありうる。例えば
図5B に示されたようにブリスターパックから薬が取り出されたかどうかを感知するための画像処理が方法にはさらに含まれうる。例えば以前に撮られた同じブリスターパックからの画像と比較することによって撮られた画像を分析し、ブリスターパックから薬が取り出されたかどうかを識別するために画像処理アルゴリズムをプロセッサーは用いうる。
【0036】
他の例では、ブリスターパック5の切り取り可能なホイル (例として、ホイル7) に取り付けられた、電子回路内の一つまたはそれ以上の導線 (例として、線21) 内の切断を感知するためのデバイスを含みうる、センサー (例として、センサー20B と25B) 内に含まれる少なくとも一つの電子回路の切断の感知をシグナルは含みうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、シグナルは他のセンサー、例えばタッチセンサー、動きを感知するセンサー (例として加速度計) などから受信されうる。
【0038】
操作620では、ブリスターパックから薬が取り出される場合シグナルに基づいた決定を実施形態は含みうる。いくつかの実施形態では、服薬時間になったことをタイミングパラメーターが感知するとプロセッサーはセンサーからシグナルを受信されうる。例えば、服薬時間(例として、20時) になると少なくとも一つの追加導線21が切断されたか、あるいは画像 (例として、
図5Aの画像) が追加の薬が取り出されたことを示しているかプロセッサーは決定する。このような場合には、このような追加の薬が服用され、この時点ではこれ以上のことは行われないとプロセッサーは決定する。
【0039】
操作625では、タイミングパラメーターに基づいたタイムピリオド内に薬がブリスターパックから取り出されない場合薬を服用するためにお知らせシグナルの出力ユニットへの発行が実施形態には含まれうる。例えば、20時15分 (例として、タイミングパラメーターが15分の遅れとなっている時) までに薬が服用されたと感知するシグナルが受信されなければ、薬の服用のためにお知らせシグナルを出力ユニットにプロセッサーは発行されうる。いくつかの実施形態では、音声シグナル、光シグナル、振動、ディスプレイ、例えばユーザーデバイス上に通知の表示、からお知らせシグナルは選択されうる。いくつかの実施形態では、出力ユニットは装置10の出力デバイス30、リモートデバイス60内に含まれる出力ユニットなどでありうる。
【0040】
操作630では、実施形態に薬の誤使用の識別が含まれうる。例えば、実質的に同時にブリスターパックから一つではなく二つの薬が取り出されたり、連続した二つの薬の服用の間隔がタイミングパラメーターを用いて決定された時間よりも短かったりすることをシグナルは感知されうる。このような場合には、ブリスターパックの推測される誤使用はプロセッサーによって検知され、操作635での実施形態には誤使用警報の発行がさらに含まれうる。警報は発行され、リモートデバイスに送られる。いくつかの実施形態では、ユーザーへの通知送信、デバイスまたはリモートデバイスを介したユーザーの介護者への通知送信、ユーザーの親族への通知送信および/または医療機関への通知送信が誤使用警報の発行には含まれうる。
【0041】
操作640では、センサーからの認証シグナルの受信が実施形態に含まれうる。センサーは、デバイス10に含まれるセンサー20、20A、25、 25Aでありうるし、センサー27のような追加センサーでありうる。例えば、センサー27はカメラ、UVセンサーまたは他のタイプの光学センサーで、認証シグナルはバーコードやシリアル番号などのような認証情報を含む画像のような光学/UV マーキングを含みうる。他の例では、センサー27は RFID リーダーであり、ブリスターパックに付属した RFID タグから受け取るRF シグナルの認証をシグナルは含みうる。操作645では、認証シグナルに基づいたブリスターパックの認証が実施形態に含まれうる。例えば、バーコード、シリアル番号、RFID からなるシグナルは、データベース、例えばストレージユニット120に保存された認証データと比較されうる。
【0042】
操作650では、カメラからのブリスターパックの切り取り可能なホイルの画像の受信を実施形態は含みうる。例えば切り取り可能なホイル7の画像、例えばAdvil®(アドビル)のような薬の名称またはロゴのような情報を含む画像をカメラ25A のようなカメラはキャプチャーされうる。操作655では、受信した画像に基づいたブリスターパック内の薬のタイプの認証が実施形態に含まれうる。例えば、カメラ25A で撮られた画像は、ブリスターパック内の薬のタイプの認証のために登録された薬剤の画像またはロゴと比較されうる。
【0043】
いくつかの実施形態では順序やステップが異なることは可能である。例えば、発明の実施形態による方法では、まず画像を受信し (650)、薬を識別し (655)、そして認証 (645) やお知らせのような他のステップを実行する。
【0044】
本発明のある特徴はここに図解され、解説されているが、多くの修飾、置換、変更、同値が当業者には発生可能である。それゆえ、発明の真の意義内におけるこのような修飾や変更のすべてをカバーするよう添付の請求項が設けられている。
【符号の説明】
【0045】
5:ブリスターパック
6:薬
7:ホイル
10:装置
15:ケース
20:最初のセンサー
20A/25A:カメラ
20A:最初のセンサー
20B:最初のセンサー
21:追加導線
25:2番目のセンサー
25B:2番目のセンサー
27:センサー
27:追加センサー
30:出力デバイス
30:出力ユニット
50:コントローラー
56:通信ユニット
60:リモートデバイス
65:通信ユニット
70:バッテリー
112:プロセッサー
70:バッテリー
105:サーバー
110:処理デバイス
110:処理ユニット
112:プロセッサー
112:処理ユニット
114:操作システム
116:メモリ
120:保存ユニット
120:ストレージ
125:通信ユニット
130:ユーザーインターフェース
610:操作
615:操作
620:操作
625:操作
630:操作
635:操作
640:操作
645:操作
650:操作
655:操作