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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】診療器具管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/40 20180101AFI20220407BHJP
【FI】
G16H40/40
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020074806
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2021174060
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2020-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】河崎 亮
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-318038(JP,A)
【文献】特開2009-066260(JP,A)
【文献】特開2019-127498(JP,A)
【文献】特開2012-164285(JP,A)
【文献】TOP INTERVIEW[トップインタビュー] NTTロジスコ,MATERIAL FLOW,日本,株式会社流通研究社,2016年05月01日,第57巻 第5号 ,p.70~75
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リユースタイプの診療器具に設けられた識別子から当該診療器具の識別情報を読み取る読取装置と、複数の前記診療器具の状態を管理する管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記診療器具の識別情報に関連付けられ、出荷先に関する情報から独立して定められる当該診療器具の滅菌に関する滅菌情報を少なくとも含む、前記診療器具の状態情報を記憶する状態情報記憶部と、
前記読取装置により読み取られた識別情報により、前記状態情報記憶部から当該診療器具の状態情報を呼び出す状態情報呼出手段と、
前記呼び出された状態情報から必要な情報を更新する状態情報更新部と、
前記状態情報から診療器具の状態を判定する判定部と、を有し、
前記判定部は、滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部内の前記状態情報に含まれる前記滅菌情報を参照して、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されているか否かを判別し、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されていない場合には、前記滅菌工場から当該診療器具の使用者への出荷が不可であると判定する出荷判定手段を有する
ことを特徴とする診療器具管理システム。
【請求項2】
リユースタイプの診療器具の識別情報に関連付けられ、出荷先に関する情報から独立して定められる当該診療器具の滅菌に関する滅菌情報を少なくとも含む、前記診療器具の状態情報を記憶する状態情報記憶部を備える識別子と、前記診療器具に設けられた前記識別子から情報を読み取る読取装置と、前記状態情報から診療器具の状態を判定する判定部を有する管理装置と、を備え、
前記判定部は、滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部内の前記状態情報に含まれる前記滅菌情報を参照して、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されているか否かを判別し、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されていない場合には、前記滅菌工場から当該診療器具の使用者への出荷が不可であると判定する出荷判定手段を有する
ことを特徴とする診療器具管理システム。
【請求項3】
前記診療器具管理システムは、診療器具に設けられた前記識別子に情報を書き込む書込装置を備え、
前記管理装置は前記識別子に書込情報を作成する情報作成部を有することを特徴とする請求項2に記載の診療器具管理システム。
【請求項4】
前記状態情報は、前記使用者によって診療器具が使用されたことを表す使用情報を含み、
前記出荷判定手段は、前記状態情報記憶部に記憶された、前記滅菌情報に含まれる滅菌時刻と、前記使用情報に含まれる使用時刻と、の前後を判別し、前記滅菌時刻が前記使用時刻よりも後である場合、当該診療器具の出荷が可能であると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の診療器具管理システム。
【請求項5】
前記状態情報は、前記使用者によって診療器具が使用されたことを表す使用情報を含み、
前記出荷判定手段は、前記状態情報記憶部に記憶された、前記滅菌情報に含まれる滅菌時刻と、前記使用情報に含まれる使用時刻と、の前後を判別し、前記滅菌時刻が前記使用時刻よりも後である場合、当該診療器具の出荷が可能であると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の診療器具管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
診療器具の滅菌が有効な保管期限を当該診療器具の識別情報に関連付けて前記状態情報記憶部に設定する保管期限設定手段と、
診療器具の出荷日を当該診療器具の識別情報に関連付けて前記状態情報記憶部に設定する出荷日設定手段と、を備え、
前記出荷判定手段は、前記滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部に前記滅菌情報が記憶されている場合、前記出荷日と前記保管期限との前後を判別し、前記保管期限が前記出荷日を超えている場合、当該診療器具の出荷が可能であると判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の診療器具管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
診療器具の滅菌が有効な保管期限を当該診療器具の識別情報に関連付けて前記状態情報記憶部に設定する保管期限設定手段と、
診療器具の出荷日を当該診療器具の識別情報に関連付けて前記状態情報記憶部に設定する出荷日設定手段と、を備え、
前記出荷判定手段は、前記滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部に前記滅菌情報が記憶されている場合、前記出荷日と前記保管期限との前後を判別し、前記保管期限が前記出荷日を超えている場合、当該診療器具の出荷が可能であると判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の診療器具管理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記滅菌工場に保管されている診療器具について、現在日時と当該診療器具に設定されている前記保管期限との前後を判別する保管超過判定手段と、
前記現在日時が前記保管期限を超えている場合、保管期限超過を前記滅菌工場に報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の診療器具管理システム。
【請求項9】
前記管理装置は、
前記滅菌工場に保管されている診療器具に設けられた識別子から読取装置によって読み取られた当該診療器具の識別情報および前記保管期限を、前記滅菌工場から受信する受信手段と、
前記滅菌工場から前記診療器具の識別情報と共に受信した前記保管期限と現在日時との前後を判別する保管超過判定手段と、
前記現在日時が前記保管期限を超えている場合、保管期限超過を前記滅菌工場に報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の診療器具管理システム。
【請求項10】
前記管理装置は、
前記診療器具の使用者である歯科医院に出荷された診療器具について、現在日時と前記保管期限との前後を判別する保管超過判定手段と、
前記現在日時が前記保管期限を超えている場合、保管期限超過を前記歯科医院に報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の診療器具管理システム。
【請求項11】
前記管理装置は、
前記診療器具の使用者である歯科医院に保管された診療器具に設けられた識別子から読取装置によって読み取られた当該診療器具の識別情報および前記保管期限を、前記歯科医院から受信する受信手段と、
前記歯科医院から前記診療器具の識別情報と共に受信した前記保管期限と現在日時との前後を判別する保管超過判定手段と、
前記現在日時が前記保管期限を超えている場合、保管期限超過を前記歯科医院に報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の診療器具管理システム。
【請求項12】
前記管理装置は、
前記診療器具の識別情報を読み取る読取装置を有する歯科用ユニットから、前記診療器具が使用されることを示す情報として当該診療器具の識別情報を受信する受信手段と、
前記診療器具の識別情報に関連付けられて前記状態情報記憶部に設定されている保管期限に基づいて、前記診療器具が使用される日時が当該診療器具に設定された前記保管期限内であるか否かを判定する使用判定手段と、
前記診療器具が使用される日時が前記保管期限を超えている場合、前記歯科用ユニットに報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の診療器具管理システム。
【請求項13】
前記管理装置の外部に、歯科用ユニットを備え、
前記歯科用ユニットは、
当該歯科用ユニットで使用される診療器具に設けられた前記識別子の前記状態情報記憶部から保管期限の情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた保管期限に基づいて、前記診療器具が使用される日時が当該診療器具に設定された前記保管期限内であるか否かを判定する使用判定手段と、
前記診療器具が使用される日時が前記保管期限を超えている場合、報知する保管超過報知手段と、を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の診療器具管理システム。
【請求項14】
前記管理装置は、
ネットワークを介して外部の情報処理装置に記憶された情報を取得する情報取得手段と、
前記情報処理装置から取得した診療予約情報を含む診療情報に基づいて、診療予約日に必要な診療器具の使用本数を推定する使用本数推定手段と、を有する
ことを特徴とする請求項6から請求項13のいずれか一項に記載の診療器具管理システム。
【請求項15】
前記使用本数推定手段は、前記診療情報に入力されている診療器具情報を抽出し、診療器具の使用本数を推定する
ことを特徴とする請求項14に記載の診療器具管理システム。
【請求項16】
前記使用本数推定手段は、前記診療情報と、前記情報取得手段によって外部の情報処理装置から取得した術者情報と、から必要な診療器具を推定する
ことを特徴とする請求項15に記載の診療器具管理システム。
【請求項17】
前記管理装置は、
顧客毎に使用本数情報を記憶する使用本数情報記憶部と、
予め定められた期間ごとに前記使用本数情報から利用料を算出し、算出した利用料の請求書を前記顧客へ送信する利用料請求手段と、を備える
ことを特徴とする請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の診療器具管理システム。
【請求項18】
前記使用者へ出荷する診療器具の本数情報と出荷先情報とを生成し、前記本数情報と出荷先情報とに応じて、前記状態情報記憶部に記憶された、前記滅菌情報に含まれる滅菌時刻の古いものから順に必要な本数の診療器具を前記使用者へ割り当てる診療器具割当手段を備える
ことを特徴とする請求項4から請求項17のいずれか一項に記載の診療器具管理システム。
【請求項19】
前記診療器具が個人の所有物である場合、前記状態情報記憶部には前記診療器具の所有者を示す所有者情報が当該診療器具の識別情報に関連付けて記憶される
ことを特徴とする請求項18に記載の診療器具管理システム。
【請求項20】
前記診療器具割当手段は、前記所有者情報に基づいて、前記出荷先情報で特定される使用者に対して、当該使用者が所有する診療器具を優先的に割り当てる
ことを特徴とする請求項19に記載の診療管理システム。
【請求項21】
前記診療器具割当手段は、前記出荷先情報で特定される使用者に一致する所有者が前記状態情報記憶部に記憶されていない場合、個人の所有物ではない診療器具を当該使用者に対して割り当てる
ことを特徴とする請求項19または請求項20に記載の診療管理システム。
【請求項22】
前記管理装置は、前記出荷先情報を前記診療器具の識別情報に関連付けて前記状態情報記憶部に保存し、保存した情報を当該診療器具の使用後保管前に削除する
ことを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか一項に記載の診療管理システム。
【請求項23】
前記使用情報は、前記診療器具の使用回数および/または使用経過時間を含み、
前記管理装置の前記判定部は、前記使用回数および/または前記使用経過時間が規定値を超えたか否かを判定する使用超過判定手段を有し、
前記管理装置は、前記使用回数および/または前記使用経過時間が規定値を超えたことを報知する使用超過報知手段を有する
ことを特徴とする請求項4から請求項22のいずれか一項に記載の診療器具管理システム。
【請求項24】
前記状態情報には、情報の設定、更新、変更があった際に識別情報毎に蓄積される履歴情報を含む
ことを特徴とする請求項1、請求項3から請求項23のいずれか一項に記載の診療器具管理システム。
【請求項25】
前記読取装置は、診療器具に設けられた前記識別子を撮影するカメラであり、
前記識別子は、滅菌に必要な所定温度を超えると変色する性質を有し前記診療器具に貼り付けられたシール部材であり、
前記判定部は、滅菌工場に保管されている診療器具について前記読取装置により撮影された前記識別子の画像から当該識別子が変色したか否かを判別し、変色していない場合、前記滅菌工場から当該識別子が貼り付けられた診療器具の使用者への出荷が不可であると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の診療器具管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療器具管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生検鉗子等のリユースタイプの医療用具についてのリユース管理システムが知られている(特許文献1参照)。このシステムでは、賃貸・回収業者が備えるサーバによって、医療用具の使用限度回数が設定回数を超過したか否かを判別することで、設定回数を超過した医療用具を廃棄している。
また、歯科用治療機材の配送システムが特許文献2に開示されている。このシステムでは、診療内容から必要な治療器材を選定し、治療器材に必要な処置を行い、治療器材を再封止できないパックに入れて歯科医院に配送している。再封止できないパックを用いることから、歯科医院が治療器材を使用するときに、治療器材が滅菌済みのままのものであるか否かを容易に判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-13837号公報
【文献】特開2010-92145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
診療器具を使用者間でシェアし、滅菌等の管理を使用者以外の外部で行うシステムでは、滅菌済の診療器具を使用者に提供すると共に、個別の診療器具の流通履歴を一元管理することが必要と考えられる。しかしながら、例えば特許文献1や特許文献2に記載の既存技術では、不十分であった。
【0005】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、滅菌済の診療器具を使用者に提供すると共に、個別の診療器具の流通履歴を一元管理することのできる診療器具管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る診療器具管理システムは、リユースタイプの診療器具に設けられた識別子から当該診療器具の識別情報を読み取る読取装置と、複数の前記診療器具の状態を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記診療器具の識別情報に関連付けられ、出荷先に関する情報から独立して定められる当該診療器具の滅菌に関する滅菌情報を少なくとも含む、前記診療器具の状態情報を記憶する状態情報記憶部と、前記読取装置により読み取られた識別情報により、前記状態情報記憶部から当該診療器具の状態情報を呼び出す状態情報呼出手段と、前記呼び出された状態情報から必要な情報を更新する状態情報更新部と、前記状態情報から診療器具の状態を判定する判定部と、を有し、前記判定部は、滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部内の前記状態情報に含まれる前記滅菌情報を参照して、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されているか否かを判別し、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されていない場合には、前記滅菌工場から当該診療器具の使用者への出荷が不可であると判定する出荷判定手段を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る診療器具管理システムは、リユースタイプの診療器具の識別情報に関連付けられ、出荷先に関する情報から独立して定められる当該診療器具の滅菌に関する滅菌情報を少なくとも含む、前記診療器具の状態情報を記憶する状態情報記憶部を備える識別子と、前記診療器具に設けられた前記識別子から情報を読み取る読取装置と、前記状態情報から診療器具の状態を判定する判定部を有する管理装置と、を備え、前記判定部は、滅菌工場に保管されている診療器具について前記状態情報記憶部内の前記状態情報に含まれる前記滅菌情報を参照して、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されているか否かを判別し、前記滅菌が有効であることを示す情報が記憶されていない場合には、前記滅菌工場から当該診療器具の使用者への出荷が不可であると判定する出荷判定手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、滅菌済の診療器具を使用者に提供すると共に、個別の診療器具の流通履歴を一元管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る診療器具管理システムの模式図である。
図2】第1実施形態に係る診療器具管理システムの各装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】管理する情報の一例を示す図であって、(a)は識別情報、(b)、(c)は識別情報に関連付けられた状態情報をそれぞれ示している。
図4】診療器具の出荷時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図5】配送情報作成処理の流れを示すフローチャートである。
図6】診療器具の使用時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図7】診療器具の回収時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図8】診療器具の滅菌時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】診療器具の滅菌工場における在庫管理時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図10】診療器具の歯科医院における在庫管理時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図11】診療器具の出荷時の処理の変形例の流れを示すシーケンス図である。
図12】診療器具の出荷時の処理の変形例の流れを示すシーケンス図である。
図13】第2実施形態に係る診療器具管理システムの各装置の構成の一例を示すブロック図である。
図14】配送情報作成処理の流れを示すフローチャートである。
図15】診療器具の使用時の処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
図16】診療器具の滅菌時の処理の変形例の流れを示すシーケンス図である。
図17】診療器具の滅菌工場における在庫管理時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図18】診療器具の歯科医院における在庫管理時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明の実施形態に係る診療器具管理システムの構成について、図1を参照して説明する。図1に示すように、診療器具管理システム1は、読取装置3と、管理装置2と、を備えている。読取装置3は、診療器具DIに設けられた識別子Cから当該診療器具の識別情報を読み取るものである。管理装置2は、識別情報で特定される診療器具の状態に基づいて、診療器具DIの出荷判定を行うものである。本実施形態では、管理装置2は、複数の診療器具の状態を管理する。
【0011】
診療器具管理システム1では、メーカMは、滅菌バッグBに入れた診療器具DIに滅菌等を施す滅菌工場5や、滅菌された診療器具DIを保管する倉庫50を備えている。倉庫50は例えば滅菌工場5内に配置されたものとする。なお、倉庫50は滅菌工場5とは別に配置されたものでもよいし、メーカMや滅菌工場5が、管理装置2を備えることとしてもよい。
また、メーカMは、例えば、読取装置3と、情報処理装置51と、を備えている。情報処理装置51は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末で構成される。読取装置3や情報処理装置51は、社内ネットワークに接続され、さらに、インターネット等のネットワークNWを介して、管理装置2や医院4の情報処理装置6等との間で情報を送受信できるように構成されている。なお、読取装置3は、識別子Cから診療器具の識別情報を読み取る読取機能付きの携帯端末、例えばスマートフォンであってもよい。その場合、読取装置3は、社内ネットワークを介さずに、インターネット等のネットワークNWを介して管理装置2等に通信接続することができる。
【0012】
医院4は、例えば、読取装置3と、情報処理装置6と、歯科用ユニット7と、を備えている。情報処理装置6は、例えば、カルテ情報等を管理するレセプトコンピュータとして構成される。歯科用ユニット7は、例えば、患者用椅子や歯科用インスツルメントハンガー、その他の歯科治療用設備を備えている。なお、歯科治療用設備には、例えば、オートカラン(コップ自動給水栓)、スピットン、無影灯、バキューム等が含まれるが図示および説明は省略する。読取装置3と、情報処理装置6と、歯科用ユニット7とは、院内ネットワークに接続され、さらに、インターネット等のネットワークNWを介して、管理装置2やメーカMの情報処理装置51等との間で情報を送受信できるように構成されている。
【0013】
診療器具DIは、診断や治療等のために用いる器具である。歯科用の診療器具DIは、例えば、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、スケーラなどが含まれる。なお、診療器具DIは、これらに限らず、デンタルエキスプローラー(探針)、デンタルミラー、ピンセット、バキューム用カニューレなどであってもよい。
【0014】
[サブスクリプション方式の第1の例]
診療器具管理システム1では、メーカMは、配送車Fによって、診療器具DIを医院4へ出荷し、メーカMは、回収箱Rによって、医院4から使用済みの診療器具DIを回収する。ここでは、サブスクリプション方式の第1の例として、医院4は、メーカMとの間で、予め定められたサービス期間内で一度に配送される所定数の診療器具DIを自由に使用できる契約を締結しているものとする。本実施形態では、例えば、サービス期間は1ヶ月、所定数は100本として、メーカMは、毎月1日に、一度に100本の診療器具DIを医院4へ配送する。そして、メーカMは例えば次回配送時に、前回配送した診療器具DIを未使用分も含めて回収する。
【0015】
診療器具DIには識別子Cが設けられている。識別子Cには、診療器具の識別情報が記憶された2次元コードや無線タグを用いることができる。2次元コードは例えばQRコード(登録商標)でもよい。例えば、診療器具DIの表面にレーザ加工により刻印されたQRコードが識別子Cである場合、読取装置3はQRコードの読取装置で構成される。
また、無線タグは、診療器具DIの内部に埋め込んでもよいし、診療器具DIの表面に取り付けてもよい。例えば、診療器具DIの内部に埋め込まれた無線タグが識別子Cである場合、読取装置3は例えばRFID(Radio Frequency Identification)リーダライタで構成される。その場合、読取装置3は、台の上や箱の中に置いたすべての無線タグに記憶されたそれぞれの情報を読み取る箱型タイプの読取装置でも構わない。
【0016】
以下、診療器具管理システム1の各装置の構成の一例について図2を参照しながら説明する。図2は、診療器具管理システムの各装置の構成の一例を示すブロック図である。管理装置2は、情報記憶部8と、状態情報呼出手段9と、状態情報更新部20と、判定部10と、を有する。
【0017】
情報記憶部8は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等からなり、管理装置2に必要な各種情報や動作プログラム等を記憶するものである。情報記憶部8は、例えば状態情報記憶部29を備えている。状態情報記憶部29は、診療器具の識別情報に関連付けられた診療器具の状態情報を記憶するものである。状態情報記憶部29が記憶するデータは、膨大な個数の診療器具DIに関するデータである。診療器具の状態情報は、少なくとも滅菌情報120を含んでいる。滅菌情報120は、当該診療器具DIの滅菌に関する情報である。滅菌情報120は、滅菌時刻を含むことが好ましくまた、例えば、滅菌済、未滅菌等の文言等、または、処理済、未処理等の文言等が記録されている場合でもよい。未滅菌や未処理等の文言は、これまで1度も滅菌をしたことがない場合だけでなく、過去に滅菌をしたことがあるが、新たに使用する前には再び滅菌する必要がある場合も意味する。また、再び滅菌する必要がある場合とは、滅菌後に当該診療器具DIを使用した場合と、滅菌後に診療器具DIを未使用のまま滅菌の有効期限や保管期限が超過してしまった場合とを含む。滅菌情報120が滅菌時刻を含んでいるとき、少なくとも1度は滅菌が完了したことがあることを意味する。以下では、滅菌時刻は、特に区別しない限り最新の滅菌処理が完了した時刻を示し、例えば年月日と時分で表される。
【0018】
診療器具の状態情報は、使用情報150を含むことができる。使用情報150は、使用者によって診療器具DIが使用されたことを表す情報である。使用情報150は、例えば使用時刻を含んでいる。使用時刻は、例えば使用が完了した時刻であることが好ましく、年月日と時分で表される。なお、使用時刻は、使用が開始された時刻としてもよい。診療器具DIが例えばインスツルメントである場合、使用が完了した時刻とは、例えば診療の最後に、インスツルメントが停止した時刻や歯科用インスツルメントハンガーに装着された時刻を意味する。また、この場合、使用が開始された時刻とは、例えばインスツルメントが起動した時刻、歯科用インスツルメントハンガーに装着された時刻、あるいは歯科用インスツルメントハンガーから取り外された時刻を意味する。以下では、使用時刻は、特に断らない限り、前回の使用が完了した時刻であるものとして説明する。
使用情報150は、例えば診療器具DIの使用回数を含んでもよいし、使用経過時間を含んでもよい。また、使用情報150は、診療器具DIの使用回数と使用経過時間の両方を含んでもよい。なお、使用回数は、1回の診療中の使用回数ではなく、診療器具DIを初めて使用した日時からカウントした診療回数に対応した累積の使用回数である。また、使用経過時間は、1回の診療中の経過時間ではなく、診療器具DIを初めて使用した日時から経過した累積の経過時間である。
【0019】
診療器具の状態情報には、情報の設定、更新、変更があった際に識別情報毎に蓄積される履歴情報160を含むことができる。履歴情報160は、当該診療器具DIが、例えば、毎回の滅菌処理がいつ完了したのかを表す滅菌履歴情報や、毎回の診療による使用がいつ終了したのかを表す使用履歴情報を含んでいる。
【0020】
診療器具管理システム1では、過去に歯科医院4が自ら購入した診療器具を使用していて、その後にサブスクリプション方式のサービスを利用することになった場合に、当該歯科医院4の所有する私物の診療器具を滅菌するサービスを実施することができる。この場合、情報記憶部8は、診療器具DIの所有者を示す所有者情報170を記憶する。図2に示す例では、所有者情報170は、状態情報記憶部29に記憶されているが、これは一例である。所有者情報170は、当該診療器具の識別情報に関連付けて情報記憶部8に記憶される。所有者情報170は、具体的には歯科医院4の医院名や歯科医師の氏名である。状態情報記憶部29が、図3(c)に示す記憶構造を有する場合、型番「TZ02」で特定される個人所有の診療器具の所有者情報「Dr. Yoshida Taro」は、歯科医師の氏名である。所有者情報170が記憶されている診療器具DIは、個人の所有物であり、当該所有者のみが使用する。所有者情報170が記憶されていない診療器具DIは、個人の所有物ではなく、このサービスを利用する誰もが使用可能である。
【0021】
状態情報呼出手段9は、読取装置3により読み取られた診療器具の識別情報により、状態情報記憶部29から当該診療器具の状態情報を手動または自動的に呼び出すものである。手動で呼び出す場合、例えば作業者や管理者といったオペレータが管理装置2を操作することで、状態情報呼出手段9は、状態情報を読み出して管理装置2の画面表示部に表示させる。また、状態情報呼出手段9は、予め定められた事象が発生したことをトリガとして、状態情報を自動で呼び出して、管理装置2に所定コマンドを遂行させることもできる。例えば、管理装置2の外部の装置から、所定コマンドと共に診療器具の識別情報を受信したことをトリガにしてもよい。
【0022】
図3(a)に例示するように、個々の診療器具の識別子Cに登録される項目が型番である場合、型番「TZ01」は、ある特定の診療器具の識別情報となる。状態情報記憶部29が、図3(b)に示す記憶構造を有する場合、状態情報呼出手段9は、型番「TZ01」を検索キーとして、例えば滅菌完了日時や使用終了日時を呼び出す。
【0023】
状態情報更新部20は、呼び出された状態情報から必要な情報を手動または自動的に更新するものである。手動で更新する場合、オペレータが管理装置2を操作することで、状態情報更新部20は、状態情報記憶部29に記憶されている情報を更新する。また、状態情報更新部20は、後記するように、使用時コマンドにしたがって、状態情報記憶部29に記憶されている使用情報150を自動更新する。さらに、状態情報更新部20は、後記するように、滅菌時コマンドにしたがって、状態情報記憶部29に記憶されている滅菌情報120を自動更新する。
【0024】
判定部10は、診療器具の状態情報から診療器具の状態を判定するものである。判定部10は、出荷判定手段11を有している。出荷判定手段11は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて状態情報記憶部29に滅菌情報120が記憶されているか否かを判別するものである。出荷判定手段11は、状態情報記憶部29に滅菌情報120が記憶されていない場合、滅菌工場5から当該診療器具DIの使用者への出荷が不可であると判定する。
【0025】
出荷判定手段11は、状態情報記憶部29に記憶された、滅菌情報120に含まれる滅菌時刻と、使用情報150に含まれる使用時刻と、の前後を判別し、滅菌時刻が使用時刻よりも後である場合、当該診療器具DIの出荷が可能であると判定する。例えば、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて、図3(b)や図3(c)に示すデータが記憶されている場合、滅菌完了日時は使用終了日時よりも後であるので、出荷判定手段11は、当該診療器具DIの出荷が可能であると判定する。
【0026】
また、出荷判定手段11は、滅菌時刻が使用時刻よりも前である場合、当該診療器具DIの出荷が不可であり、当該診療器具DIは使用済みであると判定する。このように滅菌完了日時が使用終了日時よりも前である場合、診療器具DIは、再使用のために滅菌工程へ送られたり、洗浄工程を経て滅菌工程に送られたりする。
【0027】
管理装置2は、図2に示すように、診療器具割当手段21を備えている。診療器具割当手段21は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIを、出荷先へ割り当てるものである。診療器具割当手段21は、状態情報記憶部29に記憶された滅菌情報120に含まれる滅菌時刻の古いものから順に必要な本数の診療器具DIを、その使用者となる出荷先へ割り当てる。診療器具割当手段21は、出荷する診療器具DIの本数情報と出荷先情報とに応じて診療器具DIを当該使用者へ割り当てる。出荷先情報は、出荷先の宛名等の情報であり、具体的には歯科医院4の医院名や歯科医師の氏名である。
【0028】
診療器具割当手段21は、所有者情報170に基づいて、出荷先情報で特定される使用者に対して、当該使用者が所有する診療器具DIを優先的に割り当てる。ここで、優先的にとは、出荷先情報で特定される使用者が、自ら所有する診療器具DIが例えば10本であって、毎月100本の診療器具DIが配送されるサービスを利用する場合、100本のうち10本は、自ら所有する診療器具DIが割り当てられることを意味する。所有者情報170が記憶されている診療器具DIは、あくまでも、当該所有者のみが使用する。状態情報記憶部29が、図3(c)に示す記憶構造を有する場合、型番「TZ02」で特定される個人所有の診療器具の所有者情報「Dr. Yoshida Taro」と、出荷先情報「Dr. Yoshida Taro」とは一致している。
【0029】
診療器具割当手段21は、出荷先情報で特定される使用者に一致する所有者が状態情報記憶部29に記憶されていない場合、個人の所有物ではない診療器具DIを当該使用者に対して割り当てる。図3(c)において、もしも診療器具の所有者情報が空欄の場合、それは、当該診療器具の所有者情報が記憶されていないこと、または、当該診療器具の所有者がいないことを意味する。
【0030】
管理装置2は、出荷先情報を診療器具の識別情報に関連付けて状態情報記憶部29に保存し、保存した情報を当該診療器具の使用後保管前に削除する。具体的には、図3(c)において、もしも診療器具の所有者情報が空欄の場合、かつ、出荷先情報が空欄の場合、当該診療器具の出荷時に、出荷先情報を状態情報記憶部29に記憶してもよい。ただし、この場合、出荷先に出荷された診療器具が使用された後であって、メーカに回収されて滅菌処理されて保管される前には、出荷先情報データが消去される。これにより、次回の出荷に備えることができる。
【0031】
管理装置2は、図2に示すように、配送情報作成手段22を備えている。配送情報作成手段22は、出荷時期の診療器具DIを、滅菌工場5の倉庫50から配送するための配送情報を作成するものである。出荷時期とは、出荷日時に間に合うように予め定められた日時であり、例えば出荷日時の24時間前である。配送情報作成手段22は、例えば、判定部10によって出荷時期になったと判定された場合に配送情報を作成する。配送情報作成手段22は、個々の診療器具DIのための配送情報を作成してもよいし、同種の複数の診療器具DIのための配送情報を作成してもよい。
【0032】
配送情報は、例えば、出荷日、出荷先の宛名等の出荷先情報、住所、連絡先、診療器具の識別情報、診療器具DIの種類、診療器具DIの本数等の本数情報等を含んでいる。配送情報作成手段22は、出荷判定手段11によって出荷が可能であると判定された診療器具DIの配送情報を作成する。配送情報作成手段22は、ネットワークNWを介して、配送情報を例えば滅菌工場5の情報処理装置51に送信する。
【0033】
管理装置2は、図2に示すように、保管期限設定手段23と、出荷日設定手段25と、を備えている。保管期限設定手段23は、診療器具DIの滅菌が有効な保管期限を当該診療器具の識別情報に関連付けて状態情報記憶部29に設定するものである。保管期限の情報は、当該診療器具の識別情報に関連付けられて、例えば、状態情報記憶部29の使用情報150や履歴情報160に記憶される。
【0034】
診療器具DIは、滅菌バッグBの中に封入された後に滅菌器によって滅菌が施される。滅菌バッグBは、滅菌後に色が変化するケミカルインジケータを備えている。滅菌が施された後、診療器具DIの滅菌の有効期限は、滅菌バッグBの強度、滅菌の種類、あるいは滅菌バッグBの運搬や保管等の取り扱い状態に依存し、医院4に応じて設定されている。診療器具DIの滅菌が例えば1年間有効であったとしても、滅菌が施された滅菌バッグBの保管期限は、一般的に1~6ヵ月に設定されている。このため、保管期限設定手段23は、例えば、対象の医院4の要望に応じて、または、滅菌バッグBの強度、滅菌の種類、あるいは滅菌バッグBの運搬や保管等の取り扱い状態に応じて1~6ヵ月に設定する。例えばメーカMにおいて、一律に3ヶ月間を保管期間とする場合、保管期限設定手段23は、2020年4月1日に滅菌後に保管された100本の診療器具DIの保管期限を2020年7月1日に設定する。
【0035】
出荷日設定手段25は、診療器具DIの出荷日を当該診療器具の識別情報に関連付けて状態情報記憶部29に設定するものである。出荷日の情報は、当該診療器具の識別情報に関連付けられて、例えば、状態情報記憶部29の使用情報150や履歴情報160に記憶される。メーカMが例えば毎月1日に、例えば100本の診療器具DIを医院4へ配送する場合、出荷日設定手段25は、例えば100本の診療器具DIの出荷日を、例えば2020年5月1日に設定する。なお、この場合、滅菌工場5の倉庫50では、滅菌の有効期間が、医院4への次回の配送日(2020年6月1日)を超えている診療器具DIを準備して、これらを2020年5月1日に出荷する。
【0036】
出荷判定手段11は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて状態情報記憶部29に滅菌情報120が記憶されている場合、出荷日と保管期限との前後を判別し、保管期限が出荷日を超えている場合、当該診療器具DIの出荷が可能であると判定する。例えば保管期限が2020年7月1日に設定されており、出荷日が2020年5月1日に設定されている診療器具DIの場合、出荷判定手段11は、当該診療器具DIの出荷が可能であると判定する。逆に、保管期限が2020年5月1日に設定されており、出荷日が2020年7月1日に設定されている診療器具DIの場合、出荷判定手段11は、当該診療器具DIの出荷が不可であると判定する。なお、保管期限が既に切れたものや近く切れそうなものは、滅菌バッグBを破って、再度滅菌工程におくられる。
【0037】
管理装置2の判定部10は、図2に示すように、使用超過判定手段15を有する。使用超過判定手段15は、使用情報150に使用回数を含む場合、診療器具DIの使用回数が規定値を超えたか否かを判定する。例えば、診療器具DIがエアータービンハンドピースの場合、使用回数の規定値を2000回に定めて、規定値を超えた場合、回転部材を交換するようにしてもよい。
【0038】
また、使用超過判定手段15は、使用情報150に使用経過時間を含む場合、診療器具DIの使用経過時間が規定値を超えたか否かを判定するようしてもよい。例えば、診療器具DIがマイクロモータハンドピースの場合、使用経過時間の規定値を3カ月に定めて、規定値を超えた場合、モータのメンテナンスをしてもよい。
同様に、使用超過判定手段15は、使用情報150に使用回数と使用経過時間を含む場合、診療器具DIの使用回数が回数の規定値を超えたか否かを判定すると共に、使用経過時間が経過時間の規定値を超えたか否かを判定するようしてもよい。
【0039】
本実施形態では、使用超過判定手段15は、一例として、診療器具DIの使用回数が規定値を超えたか否かを判定することとする。例えば使用超過判定手段15は、第1の規定値を超えた場合、当該診療器具DIのメンテナンスが必要であると判定する。この場合、使用超過判定手段15は、第1の規定値よりも大きな第2の規定値に達した場合、当該診療器具DIの廃棄が必要であると判定する。
使用超過判定手段15は、判定結果を使用超過報知手段43に通知する。
【0040】
使用超過報知手段43は、使用回数が規定値を超えたことを報知するものである。使用超過報知手段43は、例えば、ブザーを鳴らしたり、音声アナウンスをしたりする音声表示を行ってもよいし、ディスプレイ表示等の視覚的な表示を行ってもよい。これにより、例えば管理装置2の管理者に対して、診療器具DIが使用超過であることを知らせることができる。
【0041】
また、使用超過報知手段43は、管理装置2の管理者に報知する形態に限定されるものではない。本実施形態では、使用超過報知手段43は、ネットワークNWを介して、医院4の歯科用ユニット7に対して、診療器具DIの使用回数や使用経過時間が規定値を超えたことを報知してもよい(以下、ネットワーク通知という)。あるいは、ネットワーク通知と管理装置2の管理者への報知を併用してもよい。
【0042】
本実施形態では、一例として、使用超過報知手段43はネットワーク通知を行うこととして説明する。これにより、医院4の歯科用ユニット7は、診療器具DIが使用超過していることを、警告表示及び/又は警告音にて、医院4の医師やスタッフに対して知らせることができる。なお、歯科用ユニットの警告表示及び/又は警告音にて知らせる報知手段は、例えば特開2009-273718号公報に記載されているように公知であり、歯科用ユニット7は、そのような報知手段を備えてもよい。
また、本実施形態では、使用超過報知手段43は、使用判定手段13から、判別結果として、診療器具DIの保管期限の超過通知を受けた場合、歯科用ユニット7に対して、当該診療器具DIの使用不可をネットワーク通知する。
【0043】
ここで、医院4の情報処理装置6および歯科用ユニット7について説明する。情報処理装置6は、例えばレセプトコンピュータとして、診療情報180を、呼び出しおよび更新可能に記憶している。診療情報180は、患者の診療に関わる情報である。ここでは、診療情報180は、患者の歯科全般に係る情報を含む。診療情報180は、具体的には、例えば、患者のカルテ情報、患者の医院4への予約情報、診療に用いる診療器具情報、患者のレセプト情報、患部の画像情報等を含む。なお、患者の個人情報は厳重に管理される。
【0044】
また、情報処理装置6は、術者情報190を、呼び出しおよび更新可能に記憶している。術者情報190は、術者を特定する情報である。術者情報は、例えば術者の氏名、ID番号、あるいは認証可能な顔画像や指紋等の識別情報である。なお、術者情報190には、術者毎に、それぞれの術者個人が1つの診療を行うときに用いる診療器具DIの種類等の情報を含めるようにしてもよい。
【0045】
歯科用ユニット7は、患者用椅子や歯科用インスツルメントハンガー等を駆動制御するためにCPUやメモリ等を備えた制御装置を含んでおり、当該制御装置は、情報処理装置6と同様に、診療情報180および術者情報190を、呼び出しおよび更新可能に記憶している。歯科用ユニット7は、読取装置71と、送信手段73と、を備えている。
【0046】
読取装置71は、RFIDリーダで構成されており、診療器具DIに設けられた識別子Cが無線タグの場合に、識別子Cから診療器具の識別情報を読み取る。なお、インスツルメントハンガーを備えて使用中のインスツルメントのみを識別するRFIDリーダライタを備えた歯科用ユニットは、例えば特開2009-273718号公報に記載されているように公知である。そのため、歯科用ユニット7は、そのようなRFIDリーダライタを読取装置71として備えてもよい。
【0047】
読取装置71は、読み取った診療器具の識別情報を送信手段73に通知する。送信手段73は、診療器具の識別情報を、当該診療器具DIを使用していることを示す情報として、ネットワークNWを介して管理装置2に送信する。なお、医院4が備える読取装置3は、診療器具DIに設けられた識別子Cの形態に応じて、QRコードの読取装置で構成されてもよいし、RFIDリーダライタで構成されてもよい。
【0048】
管理装置2の構成について説明を続ける。
管理装置2は、図2に示すように、受信手段27と、使用判定手段13と、保管超過報知手段41と、を備えている。受信手段27は、外部からネットワークNWを介して情報を受信するものである。この受信手段27は、医院4の歯科用ユニット7から、診療器具DIが使用されることを示す情報として当該診療器具の識別情報を受信すると、受信した診療器具の識別情報を使用判定手段13に通知する。
【0049】
使用判定手段13は、診療器具の識別情報に関連付けられて状態情報記憶部29に設定されている保管期限に基づいて、医院4において診療器具DIが使用される日時が当該診療器具DIに設定された保管期限内であるか否かを判定するものである。使用判定手段13は、受信手段27から通知された診療器具の識別情報を検索キーにして状態情報記憶部29から当該診療器具の使用情報として保管期限を抽出し、当日が保管期限内であるか否かを判定し、判定結果を保管超過報知手段41に通知する。
【0050】
保管超過報知手段41は、診療器具DIが使用される日時が保管期限を超えている場合、歯科用ユニット7に報知する。保管超過報知手段41は、例えば、ブザーを鳴らしたり、音声アナウンスをしたりする音声表示を行ってもよいし、ディスプレイ表示等の視覚的な表示を行ってもよい。これにより、例えば管理装置2の管理者に対して、保管期限を超過した診療器具DIがこれから使用されようとしていることを知らせることができる。本実施形態では、一例として、保管超過報知手段41は、ネットワークNWを介して、医院4の歯科用ユニット7に対してネットワーク通知を行うこととする。
【0051】
管理装置2の判定部10は、図2に示すように、保管超過判定手段17を有する。保管超過判定手段17は、滅菌工場5や歯科医院4における診療器具DIの在庫管理のために、診療器具DIが保管期限内にあるかどうかを判定するものである。つまり、保管超過判定手段17は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIの滅菌が有効であるか否か、または、歯科医院4に既に出荷されている診療器具DIの滅菌が有効であるか否かを、監視する。なお、保管超過判定手段17は、医院4の歯科用ユニット7からの情報受信が不要である点が使用判定手段13とは相違している。
【0052】
例えば、保管超過判定手段17は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて、所定のタイミングで、現在日時と当該診療器具DIに設定されている保管期限との前後を判別する。現在日時が保管期限を超えている場合、例えば保管超過報知手段41が、保管期限超過を滅菌工場5に報知する。一例として、保管超過報知手段41は、ネットワークNWを介して、滅菌工場5の情報処理装置51に対してネットワーク通知を行うこととする。
【0053】
また、保管超過判定手段17は、診療器具DIの使用者である歯科医院4に出荷された診療器具DIについて、所定のタイミングで、現在日時と保管期限との前後を判別する。現在日時が保管期限を超えている場合、例えば保管超過報知手段41が、保管期限超過を歯科医院4に報知する。一例として、保管超過報知手段41は、ネットワークNWを介して、歯科医院4の情報処理装置6に対してネットワーク通知を行うこととする。
なお、図2に示す使用本数推定手段31、使用本数情報記憶部33、利用料請求手段35および情報取得手段37の各構成については、説明を後記する。
【0054】
[診療器具管理システムにおける処理の流れ]
次に、診療器具管理システム1における処理の流れについて、診療器具DIの出荷時(図4図5)、使用時(図6)、回収時(図7)、滅菌時(図8)、在庫管理時(図9図10)に区分して順次説明する。
<出荷時>
まず、出荷時の処理の流れについて図4を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。管理装置2は、診療器具DIの出荷時期を監視している(ステップS1)。そして、管理装置2は、所定のタイミングで、対象の診療器具DIの出荷時期になったか否かを判別する(ステップS2)。出荷時期になっていなければ(ステップS2:No)、管理装置2は、ステップS1に戻る。一方、出荷時期になっていれば(ステップS2:Yes)、管理装置2は、配送情報作成手段22および診療器具割当手段21によって、配送情報作成処理(ステップS20)を実行する。
【0055】
配送情報作成処理(ステップS20)では、図5に示すように、管理装置2は、配送情報作成手段22によって、出荷先情報と、出荷する診療器具DIの本数情報とを生成する(ステップS201)。そして、管理装置2は、診療器具割当手段21によって、状態情報記憶部29において、出荷先情報に一致する所有者情報があるか否かを判別する(ステップS202)。出荷先に一致する所有者が記憶されている場合(ステップS202:Yes)、診療器具割当手段21は、その所有者情報が記憶されている診療器具を出荷先に割り当てる(ステップS203)。そして、診療器具割当手段21は、診療器具の出荷本数が足りているか否かを判別する(ステップS204)。診療器具が不足している場合(ステップS204:No)、診療器具割当手段21は、不足分を補うため、所有者情報が記憶されていない診療器具を必要な本数分だけ割り当て(ステップS205)、この配送情報作成処理を終了する。なお、配送情報は、上記の出荷先情報と、本数情報と、診療器具割当手段21によって割り当てられた診療器具の識別情報と、を含んでいる。
【0056】
一方、前記ステップS204において、診療器具が足りている場合(ステップS204:Yes)、診療器具割当手段21は、この配送情報作成処理を終了する。また、前記ステップS202において、出荷先情報に一致する所有者情報が記憶されていない場合(ステップS202:No)、診療器具割当手段21は、前記ステップS205に進み、所有者情報が記憶されていない診療器具を出荷先に割り当てて、この配送情報作成処理を終了する。図4に戻って、出荷時の処理の流れの説明を続ける。ステップS20に続いて、管理装置2は、作成した配送情報を滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS3)。
【0057】
そして、滅菌工場5では、情報処理装置51は、配送情報を受信する(ステップS4)。これにより、滅菌工場5の作業者は、診療器具DIの配送情報を受け取る(ステップS5)。作業者は、配送情報に基づき、滅菌工場5の倉庫50から該当の診療器具DIをピッキングする(ステップS6)。そして、流通過程で作業者が読取装置3によって、該当の診療器具の識別情報を読み取る操作を行う(ステップS7)。なお、このとき、読取装置3が出荷時コマンドを送信できるモードにセットしておく。出荷時コマンドは、管理装置2に対して、以下のステップS10~S13およびS16の各処理を実行させるためのコマンドである。
【0058】
そして、滅菌工場5の情報処理装置51は、社内ネットワークを介して、読取装置3が読み取った識別情報を受け取り、受け取った識別情報を出荷時コマンドと共に管理装置2へ通知する(ステップS8)。そして、管理装置2は、ネットワークNWを介して、ピッキングされた診療器具の識別情報を受信する(ステップS9)。なお、例えば管理装置2が滅菌工場5内に配置されている場合、読取装置3から識別情報を出荷時コマンドと共に直接的に管理装置2へ通知してもよい。
【0059】
そして、管理装置2は、状態情報記憶部29から当該診療器具DIの滅菌時刻情報(滅菌完了日時)と、使用時刻情報(使用終了日時)を呼び出す(ステップS10)。そして、管理装置2は、出荷判定手段11によって、診療器具DIは滅菌されているか否かを判別する(ステップS11)。ここで、出荷判定手段11は、診療器具DIの滅菌時刻情報が記憶されていれば、診療器具DIが滅菌済みであると判定する。
【0060】
前記ステップS11において、診療器具DIが滅菌されていれば(ステップS11:Yes)、出荷判定手段11は、当該診療器具DIの出荷日は保管期限内か否かを判別する(ステップS12)。そして、前記ステップS11において滅菌されていない場合(ステップS11:No)、および、前記ステップS12において保管期限を超過している場合(ステップS12:No)、管理装置2は、滅菌工場5の情報処理装置51に不可通知を送信する(ステップS13)。そして、情報処理装置51が不可通知を受信すると(ステップS14)、作業者は、ピッキングした診療器具DIを倉庫50から滅菌工場5の作業場に戻し、洗浄または滅菌を行う。
【0061】
一方、前記ステップS12において診療器具DIの出荷日が保管期限内であれば(ステップS12:Yes)、管理装置2は、滅菌工場5の情報処理装置51に出荷通知を送信する(ステップS16)。そして、情報処理装置51が出荷通知を受信すると(ステップS17)、作業者は、ピッキングした診療器具DIを出荷する(ステップS18)。
【0062】
<使用時>
次に、診療器具DIが医院4に配送された後、診療器具DIの使用時の処理の流れについて図6を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。まず、一例として、診療器具DIが医院4に出荷された後に、使用時に診療器具DIの保管期限が超過していた場合について説明する。
医院4の歯科用ユニット7は、読取装置71により診療器具DIの使用を監視している(ステップS21)。歯科用ユニット7は、診療器具DIが使用されるか否かを判別する(ステップS22)。診療器具DIが例えばインスツルメントである場合、歯科用ユニット7は、ユニット内の歯科用インスツルメントハンガーにインスツルメントが装着されたか否かを判別する。ここで、読取装置71が、例えば歯科用インスツルメントハンガーに装着された診療器具DIを識別した場合、歯科用ユニット7は、診療器具DIがこれから使用されるものと判定する。つまり、このとき、歯科用ユニット7は、診療器具DIがスタンバイ状態であると判定する。
【0063】
前記ステップS22において、診療器具DIがスタンバイ状態になく使用されなければ(ステップS22:No)、歯科用ユニット7は、ステップS21に戻る。一方、診療器具DIがスタンバイ状態にあってこれから使用される場合(ステップS22:Yes)、歯科用ユニット7の読取装置71は、使用される診療器具の識別情報を読み取る(ステップS23)。
【0064】
そして、歯科用ユニット7の送信手段73は、ネットワークNWを介して、医院4にて使用される診療器具の識別情報を使用時コマンドと共に管理装置2へ送信する(ステップS24)。なお、このとき、送信手段73は、使用時コマンドを送信できるモードにセットしておく。使用時コマンドは、管理装置2に対して、以下のステップS26~S28およびS31の各処理を実行させるためのコマンドである。
【0065】
管理装置2は、受信手段27によって、医院4にてこれから使用される診療器具の識別情報を受信する(ステップS25)。そして、管理装置2は、状態情報記憶部29から当該診療器具DIの使用情報を呼び出す(ステップS26)。呼び出された使用情報には保管期限が含まれる。そして、管理装置2は、使用判定手段13によって、現在日時は、当該診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS27)。
【0066】
前記ステップS27において、保管期限を超過していれば(ステップS27:No)、管理装置2は、保管超過報知手段41によって、ネットワークNWを介して歯科用ユニット7に不可通知を送信する(ステップS28)。そして、医院4において、歯科用ユニット7は、不可通知を受信する(ステップS29)と、使用されようとしている診療器具DIについて、保管期限超過を報知する(ステップS30)。
【0067】
例えばユニット内の歯科用インスツルメントハンガーに装着された診療器具DIの使用を控えて、他の診療器具が残っていればそれを使用するようにご案内する内容で報知する。または、新品の診療器具DIの追加配送を依頼するように医院側にご案内する内容で報知することが好ましい。
【0068】
次に、他の例として、診療器具DIが医院4に出荷された後に、使用時に診療器具DIの保管期限が超過していない場合について説明する。この場合、歯科用ユニット7および管理装置2は、ステップS21からステップS27の処理を同様に実行する。ただし、管理装置2は、歯科用ユニット7に不可通知を送信しないので、医院4において当該診療器具DIが使用される。そのため、前記ステップS27において、現在日時は、当該診療器具DIの保管期限内であれば(ステップS27:Yes)、管理装置2は、状態情報更新部20によって、呼び出されている使用情報に含まれる使用時刻情報を更新する(ステップS31)。このとき、使用情報150において、使用開始時刻を現在時刻に書き換えてもよいし、前回の使用開始時刻を履歴情報160として残しつつ現在時刻を使用開始時刻として使用情報150に書き加えてもよい。
【0069】
<回収時>
次に、医院4からメーカMへの診療器具DIの回収時の処理の流れについて図7を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。図7に示す流通過程とは、診療器具DIの回収時の流通過程であって、例えば帰路の配送車Fで医院4から滅菌工場5に戻るまでの工程すべてを含んでいる。メーカMは、例えば医院に設置した回収箱Rによって、前回配送した診療器具DIを未使用分も含めて回収する。作業者は、読取装置3によって、診療器具の識別情報を読み取る(ステップS41)。
【0070】
作業者が読取装置3を操作するタイミングは、診療器具DIの回収時の流通過程の任意のタイミングである。例えば、作業者が滅菌工場5に到着した後に、据え置きの読取装置3を使用してもよい。また、作業者が携帯型の読取装置3を使用する場合には、読み取り作業は、医院4から滅菌工場5に戻るまでのいずれのタイミングで行っても構わない。また、帰路の配送車Fの移動中に、ドライバー以外の作業者が読み取り作業をしてもよい。
【0071】
そして、読取装置3は、ネットワークNWを介して、診療器具の識別情報を回収時コマンドと共に管理装置2に通知する(ステップS42)。なお、このとき、読取装置3が回収時コマンドを送信できるモードにセットしておく。なお、回収時コマンドは、管理装置2に対して、以下のステップS44~S47,S50,S51およびS54の各処理を実行させるためのコマンドである。
【0072】
そして、管理装置2は、診療器具の識別情報を受信すると(ステップS43)、状態情報記憶部29から当該診療器具DIの滅菌時刻情報(滅菌完了日時)と、使用時刻情報(使用終了日時)を呼び出す(ステップS44)。そして、管理装置2は、出荷判定手段11によって、診療器具DIは使用済みであるか否かを判別する(ステップS45)。ここでは、出荷判定手段11は、出荷のための判定ではなく、回収時の判定として、滅菌完了日時が使用終了日時よりも後である場合、当該診療器具DIは未使用のまま回収されたものである(使用済みではない)と判定する。
【0073】
前記ステップS45において診療器具DIが未使用のまま回収されている場合(ステップS45:No)、管理装置2は、使用判定手段13によって、現在日時は、当該診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS46)。当該診療器具DIが保管期限を超過している場合(ステップS46:No)、および前記ステップS45において診療器具DIが使用済みの場合(ステップS45:Yes)、管理装置2は、当該診療器具の識別情報を、「洗浄が必要」または「滅菌が必要」との判定と共に、ネットワークNWを介して滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS47)。そして、情報処理装置51は、管理装置2から、当該診療器具の識別情報および判定を受信する(ステップS48)。これにより、作業者は、当該識別情報で特定される診療器具DIを滅菌工場5における洗浄工程または滅菌工程へ送る(ステップS49)。
【0074】
一方、前記ステップS46において現在日時が、回収された診療器具DIの保管期限内であれば(ステップS46:Yes)、管理装置2は、使用超過判定手段15によって、回収された診療器具DIの使用回数は規定値以内か否かを判別する(ステップS50)。使用回数が規定値を超過している場合(ステップS50:No)、管理装置2は、当該診療器具の識別情報を、「廃棄が必要」または「メンテナンスが必要」との判定と共に、ネットワークNWを介して滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS51)。そして、情報処理装置51は、管理装置2から、当該診療器具の識別情報および判定を受信する(ステップS52)。これにより、作業者は、当該識別情報で特定される診療器具DIを廃棄またはメンテナンス工程へ送る(ステップS53)。
【0075】
一方、前記ステップS50において、回収された診療器具DIの使用回数が規定値以内であれば(ステップS50:Yes)、管理装置2は、当該診療器具の識別情報を、「保管が必要」との判定と共に、ネットワークNWを介して滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS54)。そして、情報処理装置51は、管理装置2から当該診療器具の識別情報および判定を受信する(ステップS55)。これにより、作業者は、当該識別情報で特定される診療器具DIを滅菌工場5の倉庫50の該当区画の保管庫へ収納する(ステップS56)。
【0076】
<滅菌時>
次に、診療器具DIの滅菌時の処理の流れについて図8を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。ここで、滅菌時とは、厳密な意味での滅菌完了日時に限らず、実用的な時刻でもよい。例えば、診療器具DIを滅菌バッグBに封入してから滅菌器にセットした時刻、滅菌処理が終了してから滅菌器から滅菌バッグBを取り出した時刻、滅菌バッグBを倉庫50へ運搬して所定区画の保管庫に搬入するまでの時刻、またはその後、作業者が作業当日の一連の作業を終了するまでの間に再び保管庫を訪れた時刻であってもよい。
【0077】
作業者は、上記の滅菌時に、例えば滅菌工場5における、滅菌作業エリア、倉庫エリア、または各エリアを繋ぐ運搬導線エリア等のいずれかにおいて、据え置き型の読取装置3または携帯型の読取装置3によって、対象の診療器具DIが封入された滅菌バッグBの上から、診療器具の識別情報を読み取る(ステップS61)。そして、読取装置3は、対象の診療器具の識別情報を滅菌時コマンド共に管理装置2に送信する(ステップS62)。なお、このとき、読取装置3が滅菌時コマンドを送信できるモードにセットしておく。滅菌時コマンドは、管理装置2に対して、以下のステップS64の処理を実行させるためのコマンドである。
【0078】
管理装置2は、ネットワークNWを介して、対象の診療器具の識別情報を受信すると(ステップS63)、状態情報記憶部29から当該診療器具DIの滅菌時刻情報(滅菌完了日時)を呼び出す(ステップS64)。そして、管理装置2は、状態情報更新部20によって、呼び出されている滅菌時刻情報を更新する(ステップS65)。例えば滅菌情報120において、滅菌完了時刻を現在時刻に書き換えてもよいし、前回の滅菌完了時刻を履歴情報160として残しつつ現在時刻を滅菌完了時刻として滅菌情報120に書き加えてもよい。
【0079】
<在庫管理時>
次に、診療器具DIの在庫管理時の処理の流れについて図9および図10を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。ここで、在庫管理時とは、管理装置2の側で設定されている任意のタイミングであって、医院4の歯科用ユニット7からの情報受信をトリガにするものではない。
【0080】
まず、図9に示すように、管理装置2は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについての状態情報(滅菌情報)を監視している(ステップS71)。なお、この状態情報は、診療器具DIの滅菌情報に関する保管期限を含む。管理装置2は、状態情報呼出手段9によって、状態情報記憶部29に記憶された、膨大な数量の診療器具に関する状態情報を順次呼び出す作業を行う。この作業は、例えば、毎日定刻等の予め定められたタイミングで開始される。そして、状態情報を呼び出した監視対象の診療器具DIに関して、管理装置2は、保管超過判定手段17によって、現在日時は、監視対象の診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS72)。保管期限を超過していれば(ステップS72:No)、管理装置2は、保管超過報知手段41によって、ネットワークNWを介して滅菌工場5の情報処理装置51に保管期限超過通知を送信する(ステップS73)。ここで、保管期限超過通知は、例えば、監視対象の診療器具DIの識別情報、診療器具の種類、診療器具の個数、診療器具の保管期限、診療器具の保管場所等の情報を含んでいる。
【0081】
そして、滅菌工場5において、情報処理装置51は、保管期限超過通知を受信する(ステップS74)と、滅菌工場5に保管されている監視対象の診療器具DIについて、保管期限超過を報知する(ステップS75)。情報処理装置51は、例えば保管期限超過通知の受信フラグを立てる等、情報処理装置51のオペレータや作業者が認識可能な表示を行う。これにより、作業者は、当該保管期限超過通知で特定される診療器具DIを滅菌工場5における再滅菌工程へ送る(ステップS76)。このようにすることで、診療器具DIが滅菌工場5内に長期間保管されて、いざ出荷する際に滅菌の有効な保管期限が過ぎて出荷不可になるといった事態を回避することができる。
【0082】
次に、図10に示すように、管理装置2は、歯科医院4に出荷された診療器具DIについての状態情報(滅菌情報)を監視している(ステップS77)。そして、管理装置2は、保管超過判定手段17によって、現在日時は、監視対象の診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS72)。保管期限を超過していれば(ステップS72:No)、管理装置2は、保管超過報知手段41によって、ネットワークNWを介して歯科医院4の情報処理装置6に保管期限超過通知を送信する(ステップS73)。
【0083】
そして、歯科医院4において、情報処理装置6は、保管期限超過通知を受信する(ステップS74)と、歯科医院4に保管されている監視対象の診療器具DIについて、保管期限超過を報知する(ステップS75)。情報処理装置6は、例えば保管期限超過通知の受信フラグを立てる等、情報処理装置6のオペレータやスタッフが認識可能な表示を行う。これにより、スタッフは、当該保管期限超過通知で特定される診療器具DIは滅菌の有効期限が過ぎていることを認識することができる。このようにすることで、診療器具DIが歯科医院4内に長期間保管されて、いざ使用する際に滅菌の有効な保管期限が過ぎて使用不可になるといった事態を回避することができる。
【0084】
[サブスクリプション方式の第2の例]
次に、サブスクリプション方式の第2の例を説明する。この場合、医院4は、メーカMとの間で、サービス期間内で、所定数の診療器具DIの配送を複数回受けることができる契約を締結しているものとする。例えば、サービス期間は1ヶ月、所定数は100本として、メーカMは、初回に、一度に100本の診療器具DIを医院4へ配送する。そして、メーカMは、医院4で未使用の診療器具DIの残数を把握し、残数が所定の本数(例えば80本)以下になった場合に、再び100本の診療器具DIを医院4へ配送する。このとき、前回配送した診療器具DIを未使用分も含めて回収してもよい。あるいは、翌月の第1回目の配送時に、前月分の診療器具DIをすべて回収するようにしてもよい。
【0085】
次に、図1の診療器具管理システム1において、サブスクリプション方式の第2の例を実施する場合の第1の例と比べたときのシステム構成の差分について説明する。
図1の回収箱Rに、使用済みの診療器具DIの本数を検知するセンサを設けた上で、配送時に回収箱Rを医院4に仮置きし、医院4には、使用済みの診療器具DIだけを回収箱Rに収納するように要請しておくものとする。そして、回収箱Rのセンサは、規定数(例えば20本)の使用済みの診療器具DIが回収箱Rに蓄積された場合、言い換えると、回収箱Rに収納されていない未使用の診療器具DIの残数が所定の本数(例えば80本)以下になった場合、例えば歯科用ユニット7を介してメーカMに通知する。
【0086】
回収箱Rに設けるセンサが重量センサである場合、例えば20本分の診療器具DIの重量を検知した場合に、メーカMに通知するようにしてもよい。また、回収箱Rに20個の仕切りスペースを設け、使用済みの診療器具DIを順番に整列させて配置できるように構成すると共に、例えば20番目の仕切りスペースに光センサ等を設けるようにしてもよい。この場合、20本目の診療器具DIが収納されたことを光センサ等が検知した場合に、メーカMに通知する。
【0087】
また、図2の管理装置2においては、出荷日設定手段25は、サービス期間内(例えば1ヶ月)の第1回目に診療器具DIを配送する日にちを出荷日として設定する。また、配送情報作成手段22は、例えば、判定部10によって出荷時期(第1回目の配送時期)になったと判定された場合に加え、回収箱Rに設けたセンサからの通知を受けた場合にも配送情報を作成する。
【0088】
次に、サブスクリプション方式の第1の例と比べたときの診療器具管理システム1における処理の流れの差分について説明する。第2の例では、処理の流れについて、診療器具DIの出荷時(図11)が異なり、使用時(図6)、回収時(図7)、滅菌時(図8)および在庫管理時(図9図10)は同様である。
【0089】
<出荷時>
出荷時の処理の流れについて図11を参照(適宜図1図2図4および図5参照)して説明する。管理装置2は、医院4において未使用の診療器具DIの残数を監視している(ステップS101)。そして、管理装置2は、医院4に残っている未使用の診療器具DIの残数が所定の本数以下になったか否かを判別する(ステップS102)。未使用の診療器具DIの残数が所定の本数よりも多ければ(ステップS102:No)、ステップS101に戻る。
【0090】
一方、回収箱Rのセンサから通知を受けた場合、すなわち残数が所定の本数以下になった場合(ステップS102:Yes)、管理装置2は、配送情報作成手段22および診療器具割当手段21によって、前記した配送情報作成処理を実行する(ステップS20:図5参照)。そして、管理装置2は、作成した配送情報を滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS3)。なお、ステップS3以降の処理は、図4に示す処理と同様なので、これ以上の説明は省略する。
【0091】
[サブスクリプション方式の第3の例]
次に、サブスクリプション方式の第3の例を説明する。この場合、医院4は、メーカMとの間で、予め定められたサービス期間内で、日々の診療予約情報を提供する代わりに、日々の診療に必要な所定数の診療器具DIの配送を何度も受けることができる契約を締結しているものとする。例えば、サービス期間は1ヶ月とし、メーカMは、医院4でX日先に予約されている診療に用いる診療器具DIの必要本数を把握する。そして、メーカMは、毎回、X日先に予約されている診療に必要な本数の診療器具DIを準備してX日先の納品分として医院4へ配送する。このとき、前回配送した診療器具DIを回収してもよい。
【0092】
次に、図1の診療器具管理システム1において、サブスクリプション方式の第3の例を実施する場合の第1の例と比べたときのシステム構成の差分について説明する。
管理装置2は、図2に示すように、情報取得手段37と、使用本数推定手段31と、を備えている。情報取得手段37は、ネットワークNWを介して外部の情報処理装置に記憶された情報を取得するものである。外部の情報処理装置とは、例えば、医院4におけるレセプトコンピュータである情報処理装置6のことである。なお、外部の情報処理装置は、情報処理装置6と同様な情報を記憶している歯科用ユニット7であってもよい。情報取得手段37は、診療予約情報を含む診療情報180や、術者情報190を取得し、使用本数推定手段31に通知する。
【0093】
使用本数推定手段31は、外部の情報処理装置から取得した診療情報180に基づいて、診療予約日に必要な診療器具DIの使用本数を推定するものである。個別の医院4においてX日先の予約診療に必要な診療器具DIの使用本数は、例えば過去の使用実績から推定することができる。推定手法として機械学習を用いても構わない。使用本数推定手段31は、使用本数の推定値の情報を配送情報作成手段22に通知する。なお、例えば急患により急遽必要な本数が増えるなどに対処するために、使用本数推定手段31は、使用本数の推定値に、予備のための所定値(例えば数本)を加えた本数の情報を通知することが好ましい。
【0094】
使用本数推定手段31は、診療情報180に入力されている診療器具情報を抽出し、診療器具DIの使用本数を推定する。使用本数推定手段31は、例えば歯科用ユニット7から取得した診療予約情報に基づいてX日先に予約されている診療の個数や個々の診療内容を取得する。また、使用本数推定手段31は、例えば歯科用ユニット7から取得した診療器具情報に基づいてX日先に予約されているそれぞれの診療に用いる診療器具DIの種別や数量を取得する。
【0095】
使用本数推定手段31は、診療情報180と術者情報190とから必要な診療器具DIを推定する。X日先に予約されている個々の診療内容が同じであっても、医師Aが診療する場合の治療方法と、医師Bが診療する場合の治療方法では用いる診療器具DIが異なる場合がある。よって、X日先の予約診療の担当者の情報として、術者情報190を利用することで、当日に必要な診療器具DIの本数を正確に推定することができる。
【0096】
管理装置2の配送情報作成手段22は、使用本数推定手段31によって推定された診療器具DIの使用本数を本数情報として生成してもよい。この場合、診療器具割当手段21は、使用本数推定手段31によって推定された使用本数の診療器具を出荷先に割り当てることができる。また、診療器具割当手段21は、診療情報180から診療予約日を使用予定日として抽出する抽出手段を有することとしてもよい。この場合、診療器具割当手段21は、保管期限が使用予定日を超えず、かつ、滅菌時刻情報の古いものから割り当てを行う。
【0097】
管理装置2では、出荷日設定手段25は、サービス期間内(例えば1ヶ月)の第1回目に診療器具DIを配送する日にちを出荷日として設定する。また、配送情報作成手段22は、例えば、判定部10によって出荷時期(第1回目の配送時期)になったと判定された場合に加え、使用本数推定手段31からの通知を受けた場合にも配送情報を作成する。
【0098】
サブスクリプション方式の第3の例の場合、メーカMは、サービス期間(1ヶ月)の最中に、医院4に必要な本数の診療器具DIを、ほぼ毎日のように配送する。そのために、管理装置2は、図2に示すように、使用本数情報記憶部33と、利用料請求手段35と、を備えている。使用本数情報記憶部33は、顧客毎に使用本数情報を記憶するものである。利用料請求手段35は、予め定められた期間ごとに使用本数情報から利用料を算出し、算出した利用料の請求書を顧客へ送信するものである。ここで、顧客は、例えば医院4である。また、利用料は、サブスクリプションの予め定められたサービス期間(1ヶ月)の定額サービスの基本料金とは別に、顧客毎の実績使用本数に応じたオプション料金として加算される料金である。
【0099】
次に、サブスクリプション方式の第1の例と比べたときの診療器具管理システム1における処理の流れの差分について説明する。第3の例では、処理の流れについて、診療器具DIの出荷時(図12)が異なる。
<出荷時>
出荷時の処理の流れについて図12を参照(適宜図1図2および図4参照)して説明する。医院4において、医療スタッフ等のオペレータが、レセプトコンピュータである情報処理装置6を操作して、情報処理装置6は、診療情報180を呼び出す(ステップS111)。そして、オペレータの操作により、情報処理装置6は、X日先の診療予約情報を含む診療情報を、ネットワークNWを介して管理装置2へ送信する(ステップS112)。
【0100】
管理装置2は、情報取得手段37によって、医院4におけるX日先の診療予約情報を含む診療情報を受信する(ステップS113)。そして、管理装置2は、使用本数推定手段31によって、X日先の診療に必要な診療器具DI及びその本数を推定する(ステップS114)。そして、管理装置2は、配送情報作成手段22および診療器具割当手段21によって、前記した配送情報作成処理を実行する(ステップS20:図5参照)。そして、管理装置2は、作成した配送情報を滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS3)。ステップS3以降の処理は、図4に示す処理と同様なので、これ以上の説明は省略する。なお、図12では、ステップS9まで図示し、ステップS10以降を省略した。
【0101】
[第2実施形態]
図13を参照して第2実施形態に係る診療器具管理システム1Bの各装置の構成について説明する。なお、図2に示した構成と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略する。図13に示すように、診療器具管理システム1Bは、識別子Tと、読取書込装置3Bと、管理装置2Bと、を備えている。診療器具DIには識別子Tが設けられている。識別子Tには、診療器具の識別情報等が記憶された無線タグが用いられる。識別子Tは、状態情報記憶部29Bを備える。
【0102】
状態情報記憶部29Bは、図13に示すように、滅菌情報120と、使用情報150と、履歴情報160と、所有者情報170と、を記憶している。また、状態情報記憶部29Bは、例えば図3(b)や図3(c)に示す記憶構造を有していてもよい。状態情報記憶部29Bが記憶するデータは、当該識別子Tが設けられた診療器具DIだけに関するデータであって、データ量は、第1実施形態の管理装置2の状態情報記憶部29が記憶するデータ量に比して微小である。
【0103】
例えば識別子Tの状態情報記憶部29Bが記憶する所有者情報170は、当該識別子Tが設けられた診療器具DIの所有者情報である。一方、第1実施形態の管理装置2の情報記憶部8が記憶する所有者情報170は、管理装置2で出荷管理する数多くの診療器具についての所有者情報である。
以下では、一例として第1実施形態と同様に、管理装置2Bの情報記憶部8Bに、管理装置2Bで出荷管理する数多くの診療器具についての所有者情報170を、それぞれの診療器具の識別情報に関連付けて記憶されていることとして説明する。
【0104】
読取書込装置3Bは、診療器具DIに設けられた識別子Tから情報を読み取り及び書き込むものである。読取書込装置3Bは例えばRFIDリーダライタで構成される。第2実施形態では、メーカMや滅菌工場5(図1参照)は、読取書込装置3Bを備えており、また、読取専用の読取装置3も備えていてもよい。医院4は、図13に示すように、読取書込装置3Bを備えており、また、読取専用の読取装置3も備えていてもよい。
【0105】
[サブスクリプション方式の第1の例]
ここでは、サブスクリプション方式の第1の例として、医院4は、メーカMとの間で、予め定められたサービス期間内で一度に配送される所定数の診療器具DIを自由に使用できる契約を締結しているものとする。
【0106】
管理装置2Bは、識別情報で特定される診療器具の状態に基づいて、診療器具DIの出荷判定を行うものである。管理装置2Bは、情報作成部45を備えている。情報作成部45は、識別子Tに書き込む情報を作成するものである。例えば作業者や管理者といったオペレータが管理装置2Bを操作することで、情報作成部45は、滅菌時刻情報や使用時刻情報等の情報を作成する文書作成編集手段として機能する。
【0107】
また、管理装置2Bは、状態情報呼出手段9と、状態情報更新部20と、判定部10と、診療器具割当手段21と、配送情報作成手段22と、保管期限設定手段23と、出荷日設定手段25と、使用超過報知手段43と、受信手段27と、を備えており、判定部10は、出荷判定手段11と、使用超過判定手段15と、を備えている。これらの構成は、第1実施形態の管理装置2と同様なので、説明を適宜省略する。管理装置2Bの情報記憶部8Bは、管理装置2Bに必要な各種情報や動作プログラム等を記憶する。管理装置2Bは、一般的なパーソナルコンピュータで構成してもよい。
【0108】
ここで、医院4の歯科用ユニット7Bについて説明する。歯科用ユニット7Bは、読取書込装置71Bと、送信手段73と、使用判定手段75と、保管超過報知手段77と、情報作成部79と、を備えている。読取書込装置71Bは、例えば特開2009-273718号公報に記載されているようなRFIDリーダライタで構成される。本実施形態では、読取書込装置71Bは、当該歯科用ユニットで使用される診療器具DIに設けられた識別子Tの状態情報記憶部29Bから、その使用情報を読み取る。読み取られる使用情報は、当該診療器具DIの保管期限や、前回の使用終了日時を含む。
【0109】
使用判定手段75は、読取書込装置71Bによって読み取られた保管期限に基づいて、医院4において診療器具DIが使用される日時が当該診療器具DIに設定された保管期限内であるか否かを判定するものである。使用判定手段75は、読取書込装置71Bが読み取った使用情報を呼び出し、使用情報に含まれる当該診療器具DIの保管期限に基づいて、当日が保管期限内であるか否かを判定し、判定結果を保管超過報知手段77に通知する。
【0110】
保管超過報知手段77は、診療器具DIが使用される日時が保管期限を超えている場合、報知するものである。保管超過報知手段77は、例えば、ブザーを鳴らしたり、音声アナウンスをしたりする音声表示を行ってもよいし、ディスプレイ表示等の視覚的な表示を行ってもよい。これにより、例えば医師に対して、保管期限を超過した診療器具DIがこれから使用されようとしていることを知らせることができる。
【0111】
管理装置2Bの構成について説明を続ける。
管理装置2Bは、図13に示すように、受信手段27と、保管超過判定手段17と、保管超過報知手段41と、を備えている。受信手段27は、例えば滅菌工場5に保管されている診療器具DIに設けられた識別子Tから読取装置3によって読み取られた当該診療器具の状態情報を、滅菌工場5から受信する。また、受信手段27は、例えば診療器具DIの使用者である歯科医院4に保管された診療器具DIに設けられた識別子Tから読取装置3によって読み取られた当該診療器具の状態情報を、歯科医院4から受信する。なお、診療器具の状態情報は、診療器具の識別情報および保管期限を含んでいる。受信手段27は、受信した診療器具の状態情報を保管超過判定手段17に通知する。保管超過判定手段17は、受信した診療器具の状態情報に含まれる保管期限と現在日時との前後を判別する。保管超過報知手段41は、現在日時が保管期限を超えている場合、保管期限超過を例えば滅菌工場5や歯科医院4に報知する。
【0112】
[診療器具管理システムにおける処理の流れ]
次に、診療器具管理システム1Bにおける処理の流れについて、第1実施形態の診療器具管理システム1との差分について説明する。診療器具管理システム1Bにおいては、診療器具DIの出荷時(図4)および回収時(図7)の処理の流れが第1実施形態と同様である。ただし、出荷時の配送情報作成処理の流れ(図14)は、図5の処理の流れとは異なっている。加えて、診療器具DIの使用時(図15)、滅菌時(図16)および在庫管理時(図17図18)の処理の流れが、図6図8図9および図10の処理の流れとはそれぞれ異なっている。なお、第2実施形態の診療器具管理システム1Bでは、概ね、第1実施形態の読取装置3を読取書込装置3Bと読み替え、また第1実施形態の識別子Cを識別子Tと読み替え、さらに第1実施形態の状態情報記憶部29を状態情報記憶部29Bと読み替えたときの動作を行う。以下、それぞれの処理の相違点を説明する。
【0113】
<出荷時>
図4および図14を参照して診療器具DIの出荷時の処理の流れについて説明する。管理装置2Bは、図4に示すステップS1、S2、S20、S3等の処理を順次実行する。ただし、配送情報作成処理(ステップS20)に関しては、管理装置2Bは、配送情報作成手段22および診療器具割当手段21によって、図5に示した処理の代わりに、図14に示す処理を実行する。
【0114】
図14に示すように、管理装置2Bの診療器具割当手段21は、配送情報作成手段22によって生成された出荷先情報と、本数情報と、を呼び出す(ステップS211)。そして、診療器具割当手段21は、情報記憶部8Bに記憶された所有者情報170を参照して、呼び出した出荷先情報に一致する所有者情報が記憶されているか否かを判別する(ステップS212)。出荷先に一致する所有者が記憶されている場合(ステップS212:Yes)、管理装置2Bは、状態情報の読取指示を滅菌工場5の情報処理装置51に送信する(ステップS213)。なお、この状態情報は、診療器具の滅菌情報を含み、読取指示には、診療器具の識別情報および所有者情報が含まれる。
【0115】
そして、滅菌工場5では、情報処理装置51は、状態情報の読取指示を受信する(ステップS214)。これにより、滅菌工場5の作業者は、状態情報の読取指示を受け取る(ステップS215)。作業者は、読取指示に含まれる所有者情報に基づき、滅菌工場5の倉庫エリアにおいて該当する所有者の滅菌済みの診療器具が保管されている保管区画から該当の診療器具DIをピッキングして、読取装置3によって、該当の診療器具の状態情報を読み取る操作を行う(ステップS216)。
【0116】
そして、滅菌工場5の情報処理装置51は、社内ネットワークを介して、読取装置3が読み取った状態情報を受け取り、受け取った状態情報を管理装置2Bへ通知する(ステップS217)。そして、管理装置2Bは、ネットワークNWを介して、所有者情報が記憶された診療器具の状態情報を受信する(ステップS218)。そして、管理装置2Bは、診療器具割当手段21によって、その所有者情報が記憶され、かつ、滅菌済みの診療器具を出荷先に割り当てる(ステップS219)。そして、診療器具割当手段21は、診療器具の出荷本数が足りているか否かを判別する(ステップS220)。診療器具が不足している場合(ステップS220:No)、診療器具割当手段21は、所有者情報の記憶がなく、かつ、滅菌済みの療器具を必要な本数分だけ割り当て(ステップS221)、この配送情報作成処理を終了する。
【0117】
一方、前記ステップS220において、診療器具が足りている場合(ステップS220:Yes)、診療器具割当手段21は、この配送情報作成処理を終了する。また、前記ステップS212において、出荷先情報に一致する所有者情報が記憶されていない場合(ステップS212:No)、診療器具割当手段21は、前記ステップS220に進み、所有者情報が記憶されていない診療器具を出荷先に割り当てて、この配送情報作成処理を終了する。
【0118】
<使用時>
まず、一例として、診療器具DIが医院4に出荷された後に、使用時に診療器具DIの保管期限が超過していた場合について説明する。図15に示すように、医院4の歯科用ユニット7Bは、読取書込装置71Bにより診療器具DIの使用を監視している(ステップS21)。歯科用ユニット7Bは、診療器具DIが使用されるか否かを判別する(ステップS22)。ステップS22において、診療器具DIがスタンバイ状態になく使用されなければ(ステップS22:No)、歯科用ユニット7Bは、ステップS21に戻る。一方、診療器具DIがスタンバイ状態にあってこれから使用される場合(ステップS22:Yes)、歯科用ユニット7Bの読取書込装置71Bは、使用される診療器具DIに設けられた識別子Tの状態情報記憶部29Bから当該診療器具DIの使用情報を読み取る(ステップS23B)。
【0119】
そして、歯科用ユニット7Bの使用判定手段75は、読取書込装置71Bが読み取った使用情報を呼び出す(ステップS26B)。呼び出された使用情報には保管期限が含まれる。そして、歯科用ユニット7Bは、使用判定手段75によって、現在日時は、当該診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS27B)。ステップS27Bにおいて保管期限を超過していれば(ステップS27B:No)、歯科用ユニット7Bは、保管超過報知手段77によって、保管期限超過を報知する(ステップS30B)。
【0120】
次に、他の例として、診療器具DIが医院4に出荷された後に、使用時に診療器具DIの保管期限が超過していない場合について説明する。この場合、歯科用ユニット7Bは、ステップS21からステップS27Bの処理を同様に実行する。ただし、歯科用ユニット7Bは、使用者(例えば医師)に保管期限超過を報知しないので、使用者は当該診療器具DIを使用する。そのため、ステップS27Bにおいて、現在日時は、当該診療器具DIの保管期限内であれば(ステップS27B:Yes)、歯科用ユニット7Bは、情報作成部79によって、使用情報に含まれる使用時刻情報を更新し(ステップS31B)、読取書込装置71Bが、診療器具DIに設けられた識別子Tの状態情報記憶部29Bに更新情報を書き込む。
【0121】
<滅菌時>
図16に示すステップS63B~ステップS65Bの処理は、図8に示すステップS63~ステップS65と同様の処理である。ただし、図16に示すステップS63B~ステップS65Bの処理を行う主体は、管理装置ではなく、例えば、滅菌工場5の情報処理装置51であることが相違している。
【0122】
<在庫管理時>
まず、診療器具DIの滅菌工場5における在庫管理時の処理の流れについて図17を参照(適宜図9参照)して説明する。管理装置2Bは、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについての状態情報を監視している(ステップS71)。なお、この状態情報は、診療器具DIの滅菌情報に関する保管期限を含む。管理装置2Bは、例えば、受信手段27が、外部からネットワークNWを介して受信する情報が、診療器具の状態情報であれば、その受信情報を保管超過判定手段17に通知するように構成されている。
【0123】
一方、滅菌工場5では、作業者が、例えば滅菌工場5における倉庫エリアにおいて、据え置き型の読取装置3または携帯型の読取装置3によって、監視対象の診療器具DIが封入された滅菌バッグBの上から、診療器具の状態情報を読み取る作業を順次行う(ステップS81)。この作業は、例えば、毎日定刻等の予め定められたタイミングで開始される。そして、状態情報を読み取った監視対象の診療器具DIに関して、読取装置3は、診療器具の状態情報を在庫管理時コマンドと共に管理装置2Bに送信する(ステップS82)。なお、このとき、読取装置3が在庫管理時コマンドを送信できるモードにセットしておく。在庫管理時コマンドは、管理装置2Bに対して、以下のステップS72、S73の処理を実行させるためのコマンドである。
【0124】
管理装置2Bは、受信手段27がネットワークNWを介して、滅菌工場5の読取装置3から、診療器具の状態情報を受信すると、受信した診療器具の状態情報を保管超過判定手段17に通知する。そして、状態情報を受信した監視対象の診療器具DIに関して、管理装置2Bは、保管超過判定手段17によって、現在日時は、監視対象の診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS72)。このステップS72、および図17に示すステップS73~ステップS76の処理は、図9に示すステップS72~ステップS76と同様の処理なので、説明を省略する。
【0125】
次に、診療器具DIの歯科医院4における在庫管理時の処理の流れについて図18を参照(適宜図10および図17参照)して説明する。なお、図18において、図17に示す処理と同様の処理については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
管理装置2Bは、歯科医院4に出荷されて保管されている診療器具DIについての状態情報を監視している(ステップS71)。一方、歯科医院4では、スタッフが、据え置き型の読取装置3または携帯型の読取装置3によって、監視対象の診療器具DIが封入された滅菌バッグBの上から、診療器具の状態情報を読み取る作業を順次行う(ステップS81)。この作業は、例えば、毎日定刻等の予め定められたタイミングで開始される。そして、状態情報を読み取った監視対象の診療器具DIに関して、読取装置3は、診療器具の状態情報を在庫管理時コマンドと共に管理装置2Bに送信する(ステップS82)。
【0126】
管理装置2Bは、受信手段27がネットワークNWを介して、歯科医院4の読取装置3から、診療器具の状態情報を受信すると、受信した診療器具の状態情報を保管超過判定手段17に通知する。そして、状態情報を受信した監視対象の診療器具DIに関して、管理装置2Bは、保管超過判定手段17によって、現在日時は、監視対象の診療器具DIの保管期限内か否かを判別する(ステップS72)。このステップS72、および図18に示すステップS73~ステップS75の処理は、図10に示すステップS72~ステップS75と同様の処理なので、説明を省略する。
【0127】
[サブスクリプション方式の第2の例]
診療器具管理システム1Bにおいても、回収箱R(図1参照)にセンサを設けるなどの変形を行えば、サブスクリプション方式の第2の例を実行することができる。その詳細は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。なお、第2の例では、診療器具管理システム1Bは、診療器具DIの出荷時については図11、使用時については図15、回収時については図7、滅菌時については図16、および在庫管理時については図17図18にそれぞれ示す処理を行う。
【0128】
[サブスクリプション方式の第3の例]
診療器具管理システム1Bにおいても、図13に示すように、管理装置2Bが、使用本数推定手段31、使用本数情報記憶部33、利用料請求手段35および情報取得手段37を備えることにより、サブスクリプション方式の第3の例を実行することができる。その詳細は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。なお、第3の例では、診療器具管理システム1Bは、診療器具DIの出荷時については図12、使用時については図15、回収時については図7、滅菌時については図16、および在庫管理時については図17図18にそれぞれ示す処理を行う。
【0129】
本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。例えば、サブスクリプション方式の第2の例では、メーカMは、医院4で未使用の診療器具DIの残数を把握するものとして説明したが、これに限らず、医院4で使用済みの診療器具DIの本数を把握するようにしてもよい。
【0130】
また、第1実施形態の変形例として、診療器具の状態情報に、診療器具DIを洗浄したことを示す洗浄情報を含めてもよい。この場合、診療器具管理システムは、図8に示す滅菌時の処理の流れと同様に処理することができる。すなわち、診療器具DIの洗浄完了時に、読取装置3が、診療器具の識別情報を洗浄時コマンドと共に、管理装置2に送信することで、洗浄時刻情報を、上記滅菌時刻情報と同じように更新して管理することができる。
【0131】
また、第1実施形態の変形例として、診療器具の状態情報に、診療器具DIへの注油などのメンテナンスを行ったことを示すメンテナンス情報を含めてもよい。この場合、診療器具管理システムは、図8に示す滅菌時の処理の流れと同様に処理することができる。すなわち、診療器具DIのメンテナンス完了時に、読取装置3が、診療器具の識別情報をメンテナンス時コマンドと共に、管理装置2に送信することで、メンテナンス時刻情報を、上記滅菌時刻情報と同じように更新して管理することができる。
【0132】
また、各実施形態では、管理装置2、2Bが例えばメーカMや滅菌工場5にあることとしたが、管理装置2,2Bは、クラウド上のサーバであってもよく、無線あるいは有線による通信、または、ネットワークを介した通信網を通じて、情報処理装置51、情報処理装置6、歯科用ユニット7、読取装置3等と、この管理装置2,2Bとがデータや情報の授受を行うようにしてもよい。特に状態情報記憶部29を備えて膨大なデータを管理する管理装置2は、クラウド上のサーバであることが好ましい。
【0133】
また、各実施形態では、読取装置として、QRコードの読取装置やRFIDリーダを例示したが、これらに限定されるものではなく、例えばカメラを用いた視覚センサであってもよい。例えば、図13に示す診療器具管理システム1Bにおいて、読取書込装置3Bを、視覚センサに置き換えた場合、視覚センサは、診療器具DIに設けられた識別子Tの画像情報を読み取る。この場合、識別子Tは、無線タグではなく、状態情報記憶部29Bは例えば半導体メモリではない。しかしながら、この識別子Tは、診療器具DIの識別情報に関連付けられ少なくとも当該診療器具DIの滅菌に関する滅菌情報120を含む診療器具の状態情報を記憶する。識別情報に関連付ける方法は、例えば、診療器具DIの識別情報が印刷されたシート状部材を識別子Tに用いればよい。この場合、識別子Tは、状態情報記憶部29Bとして、滅菌の前後に化学的性質が変化する部材を備えることで、滅菌済みや未滅菌等の滅菌情報を記憶する。これにより、管理装置2Bの出荷判定手段11は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて前記状態情報記憶部29Bに滅菌情報が記憶されているか否かを判別し、記憶されていない場合、滅菌工場5から当該診療器具DIの使用者4への出荷が不可であると判定することができる。
【0134】
より具体的には、診療器具管理システム1Bにおいて、読取書込装置3Bを、カメラ(読取装置)に置き換える場合、このカメラが、診療器具DIに設けられた識別子Tを撮影する。そして、識別子Tは、滅菌に必要な所定温度を超えると変色する性質を有し診療器具DIに貼り付けられたシール部材であることが好ましい。このシール部材は、裏面に粘着材が形成され、表面の例えば端縁部に診療器具DIの識別情報が印刷されたものを用いることができる。また、識別子Tは、状態情報記憶部29Bとして、例えば滅菌バッグBに用いられるような、滅菌後に色が変化するケミカルインジケータを備えることで、滅菌情報を記憶する。これにより、管理装置2Bの出荷判定手段11は、滅菌工場5に保管されている診療器具DIについて、カメラにより撮影された識別子の画像から当該識別子が変色したか否かを判別し、変色していない場合、滅菌工場5から当該診療器具DIの使用者4への出荷が不可であると判定することができる。
【0135】
また、このような性質を有したシール部材からなる識別子Tが貼り付けられた診療器具DIは、出荷時以外の流通時にあっても、診療器具DIの使用者、スタッフ、作業員等の関係者に滅菌がなされたものかどうかを容易に知らせることができる。さらに、識別子Tが、滅菌に必要な所定温度を超えると変色する性質を有している場合、ケミカルインジケータを有さない低コストの滅菌バッグを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0136】
1,1B 診療器具管理システム
2,2B 管理装置
3,71 読取装置
3B,71B 読取書込装置
5 滅菌工場
6,51 情報処理装置
7,7B 歯科用ユニット
9 状態情報呼出手段
10 判定部
11 出荷判定手段
13,75 使用判定手段
15 使用超過判定手段
17 保管超過判定手段
20 状態情報更新部
21 診療器具割当手段
23 保管期限設定手段
27 受信手段
29,29B 状態情報記憶部
31 使用本数推定手段
33 使用本数情報記憶部
35 利用料請求手段
37 情報取得手段
41,77 保管超過報知手段
43 使用超過報知手段
45 情報作成部
50 倉庫
DI 診療器具
C,T 識別子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18