(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】デジタルリアリティ内でのインタラクションレベルに基づく遠隔測定および追跡のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220407BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020138031
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519186347
【氏名又は名称】ザ カラニー ホールディング エスエーアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】セヴァト,イエルリ
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0093186(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0267598(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172570(US,A1)
【文献】国際公開第2015/030264(WO,A1)
【文献】特開2019-106192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のサーバコンピュータを備えたサーバコンピュータシステムであって、
1つ以上のホログラフィックアプリケーションを提供するパブリックデジタルゾーンの境界を定め、
デジタルリアリティ装置のインタラクションデータおよび遠隔測定メタデータを追跡および取得し、
前記パブリックデジタルゾーンにアクセスしているデジタルリアリティ装置を検出して前記1つ以上のホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツとのユーザインタラクションの追跡を開始し、
前記デジタルコンテンツを取り出してレンダリングすると共に前記デジタルコンテンツを前記デジタルリアリティ装置に送信し、かつ
前記デジタルリアリティ装置を介してユーザ
の入力
データを受信すると共に、前記1つ以上のホログラフィックアプリケーションを更新するために前記入力データを前記1つ以上のホログラフィックアプリケーションに送信する
ようにプログラムされているサーバコンピュータシステムを含む、インタラクション遠隔測定および追跡システム。
【請求項2】
前記サーバコンピュータシステムは少なくとも第1のクラウドサーバおよび第2のクラウドサーバを備え、
前記第1のクラウドサーバは、前記パブリックデジタルゾーンの境界を定める工程、前記パブリックデジタルゾーンにアクセスしているデジタルリアリティ装置を検出する工程、前記第2のクラウドサーバに前記ユーザインタラクションの追跡を開始するように信号を送る工程、前記デジタルコンテンツを取り出してレンダリングする工程、前記デジタルコンテンツを前記デジタルリアリティ装置に送信する工程、前記デジタルリアリティ装置を介して前
記入力
データを受信する工程、および前記入力データを前記1つ以上のホログラフィックアプリケーションに送信する工程を行うようにプログラムされており、かつ
前記第2のクラウドサーバは、前記デジタルリアリティ装置のインタラクションデータおよび遠隔測定メタデータを追跡および取得する工程を行うようにプログラムされている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のクラウドサーバは別のパブリックデジタルゾーンのクラウドサーバにネットワークを介して通信接続されているため、前記デジタルリアリティ装置が別のパブリックデジタルゾーンに移動した場合、前記第2のクラウドサーバは前記第1のクラウドサーバによってユーザインタラクションの追跡を続けるように促される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のクラウドサーバは、前記別のパブリックデジタルゾーン内の対応するクラウドサーバに前記パブリックデジタルゾーンにおいて前記1つ以上のホログラフィックアプリケーションから前記デジタルコンテンツを取り出すように指示するようにさらにプログラムされている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のクラウドサーバは、前記インタラクションデータおよび遠隔測定メタデータに基づいて前記デジタルリアリティ装置の全てのインタラクションを記憶してその分析を実施するようにさらに構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記インタラクションの分析は、デジタルメディアバイイングモデル、市場調査またはビジネス分析あるいはそれらの組み合わせを支援するために行う、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記インタラクションデータおよびメタデータは、ブロックチェーンまたは分散型台帳に基づくデータベースの形態のストレージを支配し、かつそこへのインタフェースとして機能するスマートコントラクトの使用により記録される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記パブリックデジタルゾーンは拡張現実ゾーンまたは仮想現実ゾーンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サーバコンピュータシステムは、前記デジタルリアリティ装置の拡張現実ゾーン間での切り替え、仮想現実ゾーン間での切り替え、拡張現実ゾーンから仮想現実ゾーンへの切り替えまたは仮想現実ゾーンから拡張現実ゾーンへの切り替えなどのパブリックデジタルゾーン間での切り替えを可能にするようにさらにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第1のクラウドサーバによって、ネットワークに接続されたデジタルリアリティ装置が前記第1のクラウドサーバに記憶されているホログラフィックアプリケーションに関連づけられたパブリックデジタルゾーンにアクセスしていることを検出する工程と、
前記第1のクラウドサーバによって、第2のクラウドサーバに前記ホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツとの前記デジタルリアリティ装置を介したインタラクションの追跡を開始するように信号を送る工程と、
前記第1のクラウドサーバによって、前記ホログラフィックアプリケーションからコンテンツを取り出してレンダリングすると共に前記デジタルコンテンツを前記デジタルリアリティ装置に送信する工程と、
前記第1のクラウドサーバによって前記デジタルリアリティ装置を介してユーザ入力を受信すると共に、前記ホログラフィックアプリケーションを更新するために前記入力を前記ホログラフィックアプリケーションに送信する工程と
を含む、インタラクション遠隔測定および追跡を可能にする方法。
【請求項11】
前記デジタルリアリティ装置が別のパブリックゾーンに移動した場合に、前記第1のクラウドサーバによって、前記第2のクラウドサーバに前記別のパブリックゾーンにおけるインタラクションの追跡を続けるように信号を送る工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のクラウドサーバによって、別のパブリックデジタルゾーン内の対応するクラウドサーバに前記第1のパブリックデジタルゾーンにおいて前記第1のクラウドサーバに記憶されている前記ホログラフィックアプリケーションからデジタルコンテンツを取り出すように指示する工程と、
前記別のパブリック
デジタルゾーン内の前記対応するクラウドサーバによって前記デジタルコンテンツを前記デジタルリアリティ装置に提供する工程と
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のクラウドサーバは、前記デジタルリアリティ装置が
複数のレベルのインタラクションを行い、かつ
前記第1のクラウドサーバからユーザへの可能な出力を取り出す
ことを可能にする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のレベルのインタラクションは、
パブリックデジタルゾーンにおいて第1のサーバによって提供されるホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツを見ること、
前記ホログラフィックアプリケーションからの前記デジタルコンテンツに目を向けること、
前記ホログラフィックアプリケーションからの前記デジタルコンテンツをクリックすること、
前記ホログラフィックアプリケーションからの前記デジタルコンテンツに関わること、および
前記ホログラフィックアプリケーションからの前記デジタルコンテンツに没頭すること
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザへの可能な出力は、前記ホログラフィックアプリケーションから出ること、1つ以上の商業的もしくは社会的取引を行うこと、および別のホログラフィックアプリケーションにアクセスすることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
1つ以上の取引を行うという選択または別のホログラフィックアプリケーションにアクセスするという選択に応答して、本方法は、
最初もしくは別のアプリケーションに戻るのを可能にする工程、
ユーザの前記最初もしくは別のアプリケーションとの関わりの間に、前記ホログラフィックアプリケーションまたは別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツへの没入体験を提供する工程、および
前記ホログラフィックアプリケーションまたは前記別のホログラフィックアプリケーションに関連する可能な出力を生成する工程
を行うことにより継続する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
別のホログラフィックアプリケーションにアクセスすることは、現在のパブリックデジタルゾーンまたは別のパブリックデジタルゾーン内に位置するホログラフィックアプリケーションにアクセスすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のクラウドサーバは、前記デジタルリアリティ装置の拡張現実ゾーン間での切り替え、仮想現実ゾーン間での切り替え、拡張現実ゾーンから仮想現実ゾーンへの切り替え、および仮想現実ゾーンから拡張現実ゾーンへの切り替えによりパブリックデジタルゾーン間での切り替えを可能にする、請求項
10に記載の方法。
【請求項19】
前記デジタルリアリティ装置から取得および追跡され
たインタラクションデータおよびメタデータを記憶する工程と、
デジタルリアリティメディアバイイングモデル、市場調査またはビジネス分析あるいはそれらの組み合わせを支援するために前記記憶されているインタラクションデータおよびメタデータを分析する工程と
をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項20】
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを備えたサーバコンピュータシステムに、
第1のクラウドサーバによって、ネットワークに接続されたデジタルリアリティ装置が第1のクラウドサーバに記憶されているホログラフィックアプリケーションに関連づけられたパブリックデジタルゾーンにアクセスしていることを検出する工程と、
前記第1のクラウドサーバによって、第2のクラウドサーバに前記ホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツとの前記デジタルリアリティ装置を介したユーザインタラクションの追跡を開始するように信号を送る工程と、
前記第1のクラウドサーバによって、前記ホログラフィックアプリケーションからコンテンツを取り出してレンダリングすると共に前記デジタルコンテンツを前記デジタルリアリティ装置に送信する工程と、
前記第1のクラウドサーバによって前記デジタルリアリティ装置を介してユーザ入力を受信すると共に、前記ホログラフィックアプリケーションを更新するために前記入力を前記ホログラフィックアプリケーションに送信する工程と
を含むインタラクション遠隔測定および追跡を可能にする方法を行わせるように構成された命令をその上に記憶している、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オンライン広告は広告主にとって、パブリッシャーのウェブサイトで自身の製品を販売促進するための好ましい方法のうちに1つになっている。広告主およびパブリッシャーは、特に定額支払い、インプレッション課金(CPM)、クリック課金(CPC)、エンゲージメント課金(CPE)、視聴課金(CPV)、インストール課金(CPI)、顧客獲得単価(CPA)および成果報酬型(PPP)などの様々なメディアバイイングモデルを使用する。典型的には、パブリッシャーによるこれらのインタラクションの測定は、ユーザがパブリッシャーのウェブサイトを離れると停止する。故にパブリッシャーのウェブサイトの外で行われるインタラクションはその大部分がパブリッシャーには知られず、ユーザがパブリッシャーのそのウェブサイトを離れる前に行われたインタラクションのみを含めるように広告支払い戦略を制限する。
【0002】
ユーザにデジタルコンテンツを提供するための技術開発は最近では、ユーザが過去には可能でなかった方法でコンテンツとインタラクトするのを可能にしている。特に拡張現実(AR)、仮想現実(VR)および複合現実(MR)はユーザが何を見て聞いて感じているか、および実世界がどれだけこれらの体験の中に入り込んでいるかに関してユーザの知覚を変化させ、ユーザに実世界または想像世界の中の場所に物理的に存在しているという感覚を与える。特に新しい技術を用いた全てのインタラクションは従来の方法の「平坦な世界」すなわち2D世界ではなく3次元世界で行われるので、これらの新しいデジタルコンテンツ提供技術は従来の方法とは大きく異なる。広告主はこれらの3次元世界にデジタルコンテンツを配置して、コンテンツとのユーザインタラクションを駆り立てることができる。
【0003】
新しい形態のインタラクションは、これらのより進歩した種類のデジタルコンテンツにより可能になり、それらは追跡、測定および分析される可能性がある。従って必要とされているものは、最終的に新規なデジタルメディア収益化戦略を支持するためのデジタルリアリティ内でのインタラクションの連続的な遠隔測定および追跡を可能にするシステムおよび方法である。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、発明を実施するための形態において以下にさらに説明されている単純化された形態での選択された概念を紹介するために提供されている。本概要は特許請求されている主題の重要な特徴を特定するためのものでもなければ、特許請求されている主題の範囲を決定するのを助けるものとして使用されるものでもない。
【0005】
本開示は一般にコンピュータシステムに関し、より具体的にはデジタルリアリティ内でのインタラクションレベルに基づく遠隔測定および追跡のためのシステムおよび方法に関する。
【0006】
背景技術に記載されている欠点は、ユーザとデジタルコンテンツとのインタラクションの連続的な(または時折のネットワーク遅延時間問題またはサービス中断を考慮した実質的に連続的な)遠隔測定および追跡のためのシステムおよび方法により本開示によって対処される。記載されている実施形態では、各インタラクションに対して遠隔測定および追跡を行い、最も低レベルのインタラクション(例えば、見ることまたは目を向けること)から最も高レベルのインタラクション(例えば没頭すること)の遠隔測定データを追跡および取得する。次いでこのデータをさらなる分析のために使用することができる。インタラクションの連続的な遠隔測定および追跡は、パブリッシャーおよび広告主のデジタルプラットフォームを統合するシステムアーキテクチャによって可能になる。本システムおよび方法は現在の技術よりも複雑なレベルのインタラクションの追跡まで拡張したものである。さらに本システムおよび方法は、ユーザとデジタルコンテンツとの最大可能なインタラクションの連続的な追跡から導出することができるデジタル取引を支援する。
【0007】
一実施形態によれば、インタラクション遠隔測定および追跡システムは、1つ以上のサーバコンピュータを備えたサーバコンピュータシステムを含み、サーバコンピュータシステムは、ユーザが1つ以上のホログラフィックアプリケーションからデジタルコンテンツを取得することができるパブリックデジタルゾーンの境界を定め、デジタルリアリティ装置を介して1つ以上のホログラフィックアプリケーションを提供し、デジタルリアリティ装置のインタラクションデータおよび遠隔測定メタデータを連続的に追跡および取得し、パブリックデジタルゾーンにアクセスしているデジタルリアリティ装置を検出して1つ以上のホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツとのユーザインタラクションの追跡を開始し、デジタルコンテンツを取り出してレンダリングすると共にデジタルコンテンツをデジタルリアリティ装置に送信し、デジタルリアリティ装置を介してユーザ入力を受信すると共に、1つ以上のホログラフィックアプリケーションを更新するために当該入力データを当該アプリケーションに送信するようにプログラムされている。
【0008】
サーバコンピュータシステムは、少なくとも第1のクラウドサーバおよび第2のクラウドサーバを備えていてもよい。一実施形態では、第1のクラウドサーバは、パブリックデジタルゾーンの境界を定める工程、パブリックデジタルゾーンにアクセスしているデジタルリアリティ装置を検出する工程、第2のクラウドサーバにユーザインタラクションの追跡を開始するように信号を送る工程、デジタルコンテンツを取り出してレンダリングする工程、デジタルコンテンツをデジタルリアリティ装置に送信する工程、デジタルリアリティ装置を介してユーザ入力を受信する工程、および入力データを1つ以上のホログラフィックアプリケーションに送信する工程を行うようにプログラムされており、かつ第2のクラウドサーバは、デジタルリアリティ装置のインタラクションデータおよび遠隔測定メタデータを追跡および取得する工程を行うようにプログラムされている。
【0009】
一実施形態では、ユーザがパブリックデジタルゾーンに入った場合に、第1のクラウドサーバは第2のクラウドサーバにユーザと1つ以上のホログラフィックアプリケーションから取り出されたデジタルコンテンツとのインタラクションのそれぞれの遠隔測定メタデータの連続的な追跡および取得を開始するように促す。1人以上のユーザが別のパブリックデジタルゾーンに物理的または仮想的に移動した場合、ユーザはその別のパブリックデジタルゾーンに位置しているデジタルコンテンツを見てインタラクトすることができる。この目的のために、第1のクラウドサーバは別のパブリックデジタルゾーンのクラウドサーバにも接続されている。ユーザが別のパブリックデジタルゾーンからの別のホログラフィックアプリケーションに切り替えることを決めた場合、第2のクラウドサーバはその別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツとのユーザインタラクションも追跡し、かつ対応するクラウドサーバにホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツをデジタルリアリティ装置を介してレンダリングし、ユーザに提供するように指示する。
【0010】
一実施形態によれば、現在のユーザインタラクションおよびユーザ嗜好に応じて、パブリック拡張現実(AR)ゾーンまたはパブリック仮想現実(VR)ゾーンとしてのパブリックデジタルゾーンにアクセスすることができる。ユーザは同じ種類のパブリックデジタルゾーンの間または異なる種類のゾーンの間で切り替えることができる。従ってサーバコンピュータシステムは、ユーザのデジタルリアリティ装置のARゾーンから別のARゾーン、ARゾーンからVRゾーン、VRゾーンからARゾーンおよびVRゾーンから別のVRゾーンへの切り替えなどのパブリックデジタルゾーン間での切り替えを可能にするようにさらにプログラムされていてもよい。故にパブリックデジタルゾーン内の少なくとも1人のユーザに提供されるデジタルコンテンツの1つ以上の部分は、ARもしくはVRデジタルコンテンツを含んでいてもよい。ユーザがARデジタルコンテンツとしてのデジタルコンテンツを見る場合、ARデジタルコンテンツは音、ビデオ、グラフィックスまたはGPSデータなどのコンピュータによって生成された感知入力によって拡張された物理的な実世界環境要素を含む。実世界における追加情報または仮想物体をオーバーレイするなどの拡張技術は典型的に、リアルタイムで環境要素に関するセマンティックコンテキストにおいて行われる。ARデジタルコンテンツにより、ユーザの周囲実世界に関する情報または実世界における仮想物体オーバーレイをインタラクティブかつデジタル操作可能になるようにすることができる。ユーザがVRデジタルコンテンツとしてのデジタルコンテンツを見る場合、VRデジタルコンテンツは実世界をシミュレートしたものと置き換えるために使用される仮想要素を含んでいてもよい。
【0011】
一実施形態によれば、第1のクラウドサーバは、1つ以上のホログラフィックアプリケーションなどの1つ以上のソースからのデジタルコンテンツのレンダリングなどの重負荷アプリケーションを実行するのに十分な計算リソースを有するリモートサーバであってもよい。さらに第1のクラウドサーバは、1つにまとめられた単一のデータストリームを少なくとも1つのデジタルリアリティ装置に提供するように構成されていてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、デジタルリアリティ装置は例えば、特にモバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、ゲームコンソール、スマートコンタクトレンズ、メディアセンターおよびヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上のホログラフィックアプリケーションによって提供されるデジタルコンテンツは、特に3D画像データ、3Dジオメトリ、3D実体、3D感知データ、3D動的オブジェクト、ビデオデータ、音声データ、テキストデータ、時間データ、位置データ、向きデータ、触覚データおよび照明データまたはそのようなコンテンツの組み合わせを含んでいてもよい。
【0014】
一実施形態によれば、インタラクション遠隔測定および追跡を可能にする方法は、第1のクラウドサーバによって、ネットワークに接続され、かつ第1のクラウドサーバに記憶されている1つ以上のホログラフィックアプリケーションに関連づけられたパブリックデジタルゾーンにアクセスしているデジタルリアリティ装置を検出する工程と、第1のクラウドサーバによって、第2のクラウドサーバに第1のクラウドサーバによりホストおよび提供されているホログラフィックアプリケーションのデジタルコンテンツとのデジタルリアリティ装置を介したユーザインタラクションの追跡を開始するように信号を送る工程と、第1のクラウドサーバによって、ホログラフィックアプリケーションからコンテンツを取り出してレンダリングすると共に当該コンテンツをデジタルリアリティ装置に送信する工程と、第1のクラウドサーバによってデジタルリアリティ装置を介してユーザ入力を受信すると共に、ホログラフィックアプリケーションを更新するために当該入力を当該アプリケーションに送信する工程とを含む。
【0015】
ユーザとデジタルコンテンツとのインタラクション中に、ユーザは別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションに変更するためのオプションを有していてもよい。ユーザが同じパブリックデジタルゾーン内の同じホログラフィックアプリケーションまたは別のホログラフィックアプリケーションとインタラクトし続けることを決めた場合、本方法は、コンテンツを取り出してレンダリングすると共にそれぞれのコンテンツをデジタルリアリティ装置に送信する第1のクラウドサーバに戻ってもよい。しかし、ユーザが別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツとインタラクトすることを決めた場合、第2のクラウドサーバはそれぞれのクラウドサーバに、デジタルリアリティ装置を介してユーザにコンテンツを提供するために第1のクラウドサーバからデジタルコンテンツを取り出すように指示する。ユーザがパブリックデジタルゾーンに入るか別のパブリックデジタルゾーンに切り替えた後の本方法の全ての工程を通して、第2のクラウドサーバはユーザとデジタルコンテンツとの間で行われる最大可能な量のインタラクションを追跡する。前記追跡はデジタルリアリティ装置の地理位置情報追跡およびユーザインタラクションのメタデータ追跡を含んでもよい。
【0016】
一実施形態によれば、第1のクラウドサーバは、デジタルリアリティ装置が複数の可能なレベルのインタラクションのいずれかを行い、かつ第1のクラウドサーバからユーザへの可能な出力を取り出すのを可能にする。可能なレベルのインタラクションとしては、ユーザがホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツを見ること、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに目を向けること、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツをクリックすること、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに関わること、およびホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭することが挙げられる。インタラクションからの可能な出力としては、ホログラフィックアプリケーションから完全に出ること、取引を行うこと、または現在のパブリックデジタルゾーンの中または外のいずれかで別のホログラフィックアプリケーションにアクセスすることが挙げられる。
【0017】
一実施形態によれば、別のホログラフィックアプリケーションと取引するかそれにアクセスすることを選択した場合、本方法は、最初もしくは別のアプリケーションに戻るのを可能にする工程、最初もしくは別のアプリケーションとのユーザインタラクション中に最初もしくは別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツへの没入体験を提供し、かつ最初もしくは別のホログラフィックアプリケーションに関する可能な出力を生成する工程を行うことにより継続する。当該取引は商業的もしくは社会的取引を含んでもよい。
【0018】
取引を行った後に、ユーザはホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツとインタラクトし続け、かつホログラフィックアプリケーションから出るまで当該プロセスを継続してもよい。ユーザが別のホログラフィックアプリケーションにアクセスした場合、ユーザは最初のホログラフィックアプリケーションに戻ってもよく、あるいはそこから出ることを決めるまで別のホログラフィックアプリケーションとインタラクトし続けてもよい。
【0019】
一実施形態によれば、本方法は第2のクラウドサーバによって、デジタルメディアバイイングモデル、市場調査、ビジネス品質管理および他の目的を支援するためにデジタルリアリティ装置から取得および追跡されたインタラクションデータおよびメタデータからの全てのインタラクションを記憶および分析する工程をさらに含む。なおさらなる実施形態では、ストレージへの経路を支配してインタフェースを提供するスマートコントラクトの使用によりインタラクションデータおよびメタデータを記録する。そのような実施形態では、ストレージデータベースはブロックチェーンまたは分散型台帳に基づくデータベースの形態である。
【0020】
上記概要は本開示の全ての態様の包括的なリストを含んでいない。本開示は、上に要約されている様々な態様の全ての好適な組み合わせならびに以下の発明を実施するための形態に開示されているものおよび特に本出願と共に提出されている特許請求の範囲の箇所に示されているものから実施することができる全てのシステムおよび方法を含むことが企図される。そのような組み合わせは上記概要に具体的に記載されていない特定の利点を有する。本開示の他の特徴および利点は、添付の図面および以下に続く発明を実施するための形態から明らかになるであろう。
【0021】
本開示は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本開示の実施形態を限定するものとしてではなく例として示すために使用されている以下の説明および添付の図面を参照することにより最も良く理解することができる。図面では、同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】一実施形態に係る連続的インタラクション遠隔測定および追跡システムを示す。
【
図1B】一実施形態に係る連続的インタラクション遠隔測定および追跡システムを示す。
【
図1C】一実施形態に係る連続的インタラクション遠隔測定および追跡システムを示す。
【
図2】一実施形態に係るインタラクション遠隔測定および追跡方法を示す。
【
図3】一実施形態に係る連続的インタラクション遠隔測定および追跡方法を示す。
【
図4】一実施形態に係るインタラクション遠隔測定および追跡方法の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、様々な実施形態を例示として示す図面を参照する。また様々な実施形態をいくつかの例を参照することによって以下に説明する。当然のことながら、当該実施形態は特許請求されている主題の範囲から逸脱することなく設計および構造における変化を含んでもよい。
【0024】
図1A~
図1Cは、一実施形態に係るユーザインタラクション遠隔測定および追跡を可能にするシステム100を示す。システム100は、ユーザ102が1つ以上のホログラフィックアプリケーション104などの1つ以上のソースから取り出されたデジタルコンテンツを体験することができるインタラクションのそれぞれの遠隔測定メタデータを連続的に(または時折のネットワーク遅延時間問題またはサービス中断を考慮した実質的に連続的に)追跡および取得するために使用することができる。本システムはサーバコンピュータシステムを含む。これらの例に示すように、サーバコンピュータシステムは第1のクラウドサーバ106および第2のクラウドサーバ112を備えているが、当然のことながら他の構成のサーバコンピュータシステムが可能であり、かつ第1のクラウドサーバ106および第2のクラウドサーバ112にそれぞれ割り当てられている本明細書に記載されている機能は、代わりに2つのサーバ間で異なって分散されていてもよく、あるいは単一のサーバまたはあらゆる好適な配置の3つ以上のサーバによって行われてもよい。但しこれらの例は、以下にさらに詳細に記載されているように、図示されている配置で第1のクラウドサーバ106と第2のクラウドサーバ112との間で機能を分散させるための特に有効な戦略を含む。
【0025】
図1A~
図1Cに示されている例では、デジタルコンテンツは第1のクラウドサーバ106によってレンダリングされ、かつネットワークに接続されたデジタルリアリティ装置108を介してユーザ102によって見られる。デジタルリアリティ装置108は例えば、特にモバイルデバイス、パーソナルコンピュータ、ゲームコンソール、メディアセンターおよびヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、ホログラフィックアプリケーション104は第1のクラウドサーバ106のメモリに記憶されている1つ以上のアプリケーションライブラリから、外部プラットフォームから、あるいはブロックチェーンまたは分散型台帳に基づく分散型データベースを介して利用可能であってもよい。ホログラフィックアプリケーション106は1つ以上の従来のアプリケーション、分散型アプリケーションまたは非分散型アプリケーションであってもよい。各ホログラフィックアプリケーション104のインタラクションの機械的仕組みは、コンピュータスクリプトおよびコンピュータプログラムに含められているコンピュータコードの使用により定義されており、かつ第1のクラウドサーバ106に提供されるホログラフィックアプリケーション104、スマートコントラクトまたはそれらの組み合わせにより可能にしてもよい。従ってホログラフィックアプリケーション104、スマートコントラクトまたはそれらの組み合わせは、ユーザとホログラフィックアプリケーション104との間の可能かつ所望のインタラクションおよびインタラクションインタフェースをデジタルで体系化および表示するのを可能にする。インタラクションは、インタラクティブゲームのようなアプリケーションの形態で、あるいはゲームのようなインタラクションの機械的仕組みを介してユーザによって体験することができる。
【0027】
本開示のシステム100は、その全てがネットワークを介して接続することができるパブリックもしくはプライベートクラウド、フォグサーバならびに企業システム、モバイルプラットフォームおよびユーザ装置などのエッジ装置およびシステムを用いて分散された計算能力を表示することができるクラウド・エッジ間インフラに実装されていてもよい。クラウド・エッジ間コンピューティングネットワークを用いた計算能力、コンピュータインフラ(例えば、いわゆるサービスとしてのインフラすなわちIaaSを介して)、アプリケーションおよびビジネスプロセスへのアクセスは、要求に応じてクライアント装置を介してユーザへのサービスとして提供することができる。このように、物理的なサーバおよびネットワーク機器を含むリソースは、ユーザのリソースまでの距離ならびにユーザからのネットワークおよび計算要求などの因子に応じて動的に割り当てることができる共有される記憶および計算を可能にする。
【0028】
一実施形態によれば、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104によって提供されるデジタルコンテンツは、特に3D画像データ、3Dジオメトリ、3D実体、3D感知データ、3D動的オブジェクト、ビデオデータ、音声データ、テキストデータ、時間データ、位置データ、向きデータ、触覚データおよび照明データを含んでいてもよい。少なくとも1人のユーザ102に提供されるデジタルコンテンツの1つ以上の部分は、拡張現実(AR)または仮想現実(VR)デジタルコンテンツを含んでいてもよい。ユーザ102がARデジタルコンテンツとしてのデジタルコンテンツを見る場合、ARデジタルコンテンツは音、ビデオ、グラフィックスまたはGPSデータなどのコンピュータによって生成された感知入力によって拡張された物理的な実世界環境要素を含む。実世界における追加情報または仮想物体をオーバーレイするなどの拡張技術は典型的に、リアルタイムで環境要素に関するセマンティックコンテキストにおいて行われる。ARデジタルコンテンツにより、ユーザ102の周囲実世界に関する情報または実世界における仮想物体オーバーレイをインタラクティブかつデジタル操作可能になるようにすることができる。ユーザ102がVRデジタルコンテンツとしてのデジタルコンテンツを見る場合、VRデジタルコンテンツは実世界をシミュレートされたものと置き換えるために使用される仮想要素を含んでいてもよく、かつ実世界からの要素も含んでいてもよい。
【0029】
一実施形態によれば、第1のクラウドサーバ106は、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104などの1つ以上のソースからのデジタルコンテンツのレンダリングなどの重負荷アプリケーションを実行するのに十分な計算リソースを有するリモートサーバであってもよい。第1のクラウドサーバ106は、1つにまとめられた単一のデータストリームを少なくとも1つのデジタルリアリティ装置108に提供するように構成されていてもよい。デジタルリアリティ装置108は、ミリ波(mmW)または第5世代無線システム通信(5G)などのmmWとサブ6GHz通信システムとの組み合わせを含む異なる無線システムを介して第1のクラウドサーバ106に通信接続してもよい。他の実施形態では、本システムは好ましくは16GHzでデータを提供する無線ローカルエリアネットワーキング(Wi-Fi)を介して接続してもよい。提供される通信システムは、典型的には高インタラクティブな実世界プロジェクトを実行するために必要なパラメータに準拠する低い(例えば約1~約5ミリ秒のエンドツーエンド(E2E)の)遅延時間およびその現場内のエンドポイントまでの高い(例えば1~10Gbpsの)ダウンリンク速度を可能にしてもよい。これにより高品質、低遅延時間、リアルタイムのデジタルアプリケーションコンテンツストリーミングが得られる。他の実施形態では、システム100は第4世代無線システム通信(4G)を介して通信接続してもよく、4G通信システムによってサポートされていてもよく、あるいは他の有線もしくは無線通信システムを備えていてもよい。
【0030】
デジタルコンテンツとのユーザインタラクションはジェスチャ可能であってもよく、この場合ユーザ102はインタラクションのために1つ以上のジェスチャを用いる。例えばジェスチャはナチュラルユーザインタフェース(NUI)ジェスチャであってもよい。NUIは、ユーザ102がマウス、キーボードおよび遠隔制御などの入力装置によって課される人工拘束なしに装置と自然にインタラクトするのを可能にする任意のインタフェース技術として定めることができる。NUI方法の例としては、音声認識、タッチ認識、顔認識、スタイラス認識、エアジェスチャ(例えば、手のポーズや動きおよび他の体/手足の動き/ポーズ)、頭および眼追跡、発声および発話などの触覚型および非触覚型インタフェースなどのジェスチャを用いる方法、ならびに少なくとも例えば視覚、音声、声、ポーズおよびタッチデータに関する機械学習が挙げられる。NUI技術としては、タッチセンサ式ディスプレイ、声および音声認識、意図および目標の理解、深度計測カメラ(例えば、立体カメラシステム、赤外線カメラシステム、カラーカメラシステムおよびそれらの組み合わせ)を用いるモーションジェスチャ検出、加速度計/ジャイロスコープを用いるモーションジェスチャ検出、顔認識、3Dディスプレイ、頭、目および視線追跡、ナチュラルユーザインタフェースを備えた没入型の拡張現実および仮想現実システム、ならびに電界センシング電極を用いて脳活動をセンシングするための技術(例えば脳波計(EEG))および他のニューロバイオフィードバック法が挙げられる。
【0031】
一実施形態によれば、各デジタルリアリティ装置108は、慣性追跡センシング機構と送受信機との組み合わせを備えたその上に装着されたセンシング機構を備える。慣性追跡センシング機構は加速度計やジャイロスコープなどの装置を利用することができ、これらは慣性測定ユニット(IMU)に一体化されていてもよい。送受信機は、アンテナへ/から無線通信信号を送信および受信するように実装されていてもよい。好ましくは、送受信機はmmW送受信機である。mmWアンテナが用いられる実施形態では、mmW送受信機はアンテナからmmW信号を受信し、かつそのデータをアンテナに送り戻すように構成されている。mmW送受信機によって提供される慣性センサおよび位置追跡ならびにmmWを利用するアンテナによって提供される正確な追跡、低遅延時間および高サービス品質(QoS)機能は、サブセンチメートルまたはサブミリメートルでの位置および向きの追跡を可能にしてもよく、これによりデジタルリアリティ装置108のリアルタイムな位置および向きを追跡する場合の正確性を高めてもよい。いくつかの実施形態では、第2のサーバによる追跡は、到着時間(TOA)、到着角度(AOA)または当該技術分野で知られている他の追跡技術(例えば視覚的イメージング、レーダ技術など)などの当該技術分野で知られているいくつかの技術を用いて実行してもよい。他の実施形態では、センシング機構および送受信機は単一の追跡モジュール装置として互いに結合されていてもよい。デジタルリアリティ装置108の正確な追跡を提供することは、ユーザが見ている位置および向きに適合するビュー内にデジタルコンテンツを示すために関連し得るユーザの信頼できる位置および向きを表示するのに有用になり得る。
【0032】
他の実施形態では、GPS、BDS、グロナス(Glonass)、QZSS、ガリレオ(Galileo)およびIRNSSのような複数の衛星利用航法システムをまとめて指す全地球的航法衛星システム(GNSS)を装置の位置決めを可能にするために使用してもよい。十分な数の衛星からの信号ならびに三角形分割および三辺測量などの技術を用いて、GNSSは装置の位置、速度、高度および時間を計算することができる。好ましい実施形態では、外部位置決めシステムは、既存のセルラー通信ネットワークのアーキテクチャ(既存のアーキテクチャは5Gを含む)を介して支援型GNSS(AGNSS:assisted GNSS)によって増強される。他の実施形態では、AGNSS追跡システムは4Gセルラー通信ネットワークによってさらにサポートされる。屋内実施形態では、GNSSは好ましくは限定されるものではないがデータを16GHzで提供するWi-Fiなどの無線ローカルエリアネットワークによってさらに増強される。他の実施形態では、GNSSはディファレンシャルGPS(DGPS)、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)、リアルタイムキネマティック(RTK)システムなどの当該技術分野で知られている他の技術によって増強される。いくつかの実施形態では、装置の追跡はAGNSSと当該装置内の慣性センサとの組み合わせによって実行する。
【0033】
図1Aに見られるように、1人以上のユーザ102が最初にパブリックデジタルゾーンA110などのパブリックデジタルゾーンに位置している場合がある。各パブリックデジタルゾーンは、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104の周りのそれぞれのクラウドサーバによってサービスが提供されるエリアによって境界が定められていてもよく、ここでは全てのユーザがパブリックデジタルゾーン内に構成されたホログラフィックアプリケーション104にアクセスすることができる。パブリックデジタルゾーンA110では、1人以上のユーザ102がデジタルリアリティ装置108を介して、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104から第1のクラウドサーバ106によって取り出されたデジタルコンテンツを見てそれとインタラクトすることができる。このデジタルコンテンツはパブリックデジタルゾーンA110などのパブリックデジタルゾーンに存在する全てのユーザ102に利用可能であってもよい。1人以上のユーザ102がパブリックデジタルゾーンA110に入るとすぐに、第2のクラウドサーバ112は、1人以上のユーザ102と1つ以上のホログラフィックアプリケーション104からのデジタルコンテンツとのインタラクションのそれぞれの遠隔測定メタデータを連続的に追跡および取得し始め、これはそのパブリックデジタルゾーンA110のための1つ以上のホログラフィックアプリケーション104およびそれぞれの第1のクラウドサーバ106を監視することにより行われる。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のクラウドサーバ106は、デジタルリアリティ装置が所定の地理的座標内に位置したときにのみデジタルリアリティ装置を介してホログラフィックアプリケーションにアクセスすることができるように、地理的座標を1つ以上のホログラフィックアプリケーションの周りの所定の値に構成することによりパブリックデジタルゾーンの境界を定める。前記境界を定めることは、対応するホログラフィックアプリケーション104の開発段階の間に構成されてもよい。なおさらなる実施形態では、パブリックデジタルゾーンはホログラフィックアプリケーションにおけるユーザからの達成に基づいて変化してもよく、従って1人以上の特定のユーザ102ごとに変化してもよい。例えば、宝探しアプリケーションを含むパブリックデジタルゾーンは前記アプリケーションの第1のレベルで開始する全てのユーザ102のために起動させてもよいが、1人以上のユーザ102がパブリックデジタルゾーン内で宝物を見つけたら、パブリックデジタルゾーンはそれらの特定の1人以上のユーザ102のためにのみ別の地理的位置に移動してもよい。
【0035】
1人以上のユーザ102はパブリックデジタルゾーンA110に位置している1つ以上のホログラフィックアプリケーション104からの全ての利用可能デジタルコンテンツを見ることができる。但し、1人以上のユーザ102が物理的に(すなわちARにおいて)または仮想的に(すなわちVRにおいて)別のパブリックデジタルゾーン114に移動した場合、1人以上のユーザ102はその別のパブリックデジタルゾーン114に位置しているデジタルコンテンツを見てインタラクトすることができる。この目的のために、第1のクラウドサーバ106は別のパブリックデジタルゾーン114のクラウドサーバにも接続されている。従って、
図1Bにおいて理解されるように、ユーザ102が別のパブリックデジタルゾーン114に位置している別のアプリケーションに切り替えることを決めた場合、第2のクラウドサーバ112は、別のパブリックデジタルゾーン114に位置している別のホログラフィックアプリケーション104からのデジタルコンテンツとのユーザインタラクションを追跡する。第2のクラウドサーバ112による異なるパブリックデジタルゾーン間でのこの追跡は、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104が位置しているパブリックデジタルゾーンA110に関わらず、ユーザ102とコンテンツとの可能なインタラクションの大部分を追跡するのを可能にする。
【0036】
図1Cにおいて理解されるように、ユーザ102がパブリックデジタルゾーンB116などの別のパブリックデジタルゾーン114からのコンテンツを選択すると、ユーザ102はデジタルリアリティ装置108を介してパブリックデジタルゾーンB116に位置している第3のクラウドサーバ118に接続してもよく、かつ利用可能なその中のそれぞれのデジタルコンテンツを見てインタラクトし始めてもよい。同時に、第2のクラウドサーバ112は、1つ以上のホログラフィックアプリケーション104およびそれぞれの第3のクラウドサーバ118を監視することにより各インタラクションの遠隔測定メタデータを追跡する。
【0037】
一実施形態によれば、現在のユーザインタラクションおよびユーザ嗜好に応じて、パブリックARゾーンまたはパブリックVRゾーンとしてのパブリックデジタルゾーンにアクセスすることができる。ユーザ102があるゾーンと別のゾーンとを切り替える場合、ユーザ102はARからARパブリックデジタルゾーン、ARからVRパブリックデジタルゾーン、VRからARパブリックデジタルゾーン、およびVRからVRパブリックデジタルゾーンに移動することにより切り替えを行ってもよい。
【0038】
一実施形態によれば、第1および/または第2のクラウドサーバは、パーシステント仮想世界システムを形成する複数の仮想物体となるパブリックデジタルゾーン内に含まれている世界の少なくとも一部を表しているデータ構造をメモリに記憶し、ここでは仮想物体および仮想レプリカの少なくともいくつかは実世界要素およびそれぞれのホログラフィックアプリケーションに対応している。いくつかの実施形態では、仮想物体は純粋に仮想の物体をさらに含む。ユーザが拡張もしくは仮想現実においてパブリックデジタルゾーンにアクセスしているか否かに応じて、第1および/または第2のサーバは、ユーザのビューにパーシステント仮想世界システムの1つ以上の仮想物体を起動させてもよい。例えば、ユーザが仮想現実においてパブリックデジタルゾーンにアクセスしている場合、第1および/または第2のサーバは、ユーザが仮想現実においてパブリックデジタルゾーンを完全に見るようにパブリックデジタルゾーンの全ての仮想レプリカを起動させてもよい。
【0039】
本開示では「パーシステント」という用語は、プロセスまたはネットワーク接続を連続的に実行することなく存在し続けることができるシステムの状態を特徴づけるために使用される。例えば「パーシステント」という用語は、仮想世界システムおよびその中に含まれている仮想物体の全てが、仮想物体を作成するために使用されるプロセスが停止した後にユーザが仮想世界システムに接続されているかに関わらず存在し続ける仮想世界システムを特徴づけるために使用することができる。従って仮想世界システムはサーバ内の不揮発性記憶位置に保存されている。このように仮想物体はユーザがサーバに接続されていない場合であっても存在し続けることができる。
【0040】
図2は、一実施形態に係るユーザインタラクション遠隔測定および追跡を可能にする方法200のブロック図を示す。方法200は、
図1A~
図1Cに示されているシステムなどの本明細書に記載されているシステムまたはいくつか他のシステムによって実行してもよい。
【0041】
工程202では、デジタルリアリティ装置がパブリックデジタルゾーンに入り、ここでは第1のクラウドサーバがデジタルリアリティ装置を検出する。その後に工程204に見られるように、第1のクラウドサーバは第2のクラウドサーバに1つ以上のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツとのユーザインタラクションの遠隔測定および追跡を開始するように信号を送る。工程206では、第1のクラウドサーバはホログラフィックアプリケーションからデジタルコンテンツを取り出してレンダリングすると共に当該デジタルコンテンツをデジタルリアリティ装置を介してユーザに送信する。その後に工程208では、第1のクラウドサーバはデジタルリアリティ装置を介してユーザから入力を受信すると共に、1つ以上のホログラフィックアプリケーションを更新するために当該入力を当該アプリケーションに送信する。工程210では、1つ以上のホログラフィックアプリケーションは当該入力データを受信してアプリケーション実行を制御するか現在のアプリケーション動作状態を更新する。
【0042】
工程212に見られるように、ユーザとデジタルコンテンツとのインタラクション中に、ユーザは別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションに切り替えるためのオプションを有していてもよい。ユーザが同じパブリックデジタルゾーン内の同じホログラフィックアプリケーションまたは別のホログラフィックアプリケーションとインタラクトし続けることを決めた場合、方法200は、工程206に戻って当該プロセスを継続してもよい。しかし工程214に見られるように、ユーザが別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツとインタラクトすることを決めた場合、第2のクラウドサーバはそれぞれのクラウドサーバに、デジタルリアリティ装置を介してユーザにコンテンツを提供するために第1のクラウドサーバからコンテンツを取り出すように指示する。
【0043】
ユーザがパブリックデジタルゾーンに入るか別のパブリックデジタルゾーンに切り替えた後の全ての工程を通して、第2のクラウドサーバは、ユーザとデジタルコンテンツとの間で行われる最大可能な量のインタラクションを追跡する。
【0044】
図3はインタラクション遠隔測定および追跡を可能にする方法300を示す。方法300は
図1A~
図1Cに示されているシステムなどの本明細書に記載されているシステムまたはいくつか他のシステムによって実行してもよい。
【0045】
方法300は、工程302に見られるようにホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツを見ている1人以上のユーザにより開始してもよい。ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツはスポンサー付きまたはスポンサー付きでないデジタルコンテンツであってもよい。本開示で使用される「見る」という用語は、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツの方向に人の目を限られた秒数(すなわち時間成分を含む)で、あるいは限られた数の特徴点(すなわち空間成分を含む)に向かって方向づけるという行為を指す。その後に工程304では、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに目を向けているユーザによって本方法を継続してもよい。本開示で使用される「目を向ける」という用語は、時間成分および/または空間成分も含んでもよく、かつ「見る」よりも長い秒数で、あるいは「見る」よりも多くの特定の数の特徴点を凝視するという行為を指す。
【0046】
その後に工程306では、当該プロセスをホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツをクリックしている1人以上のユーザによって継続してもよい。「~をクリックする」という用語はデジタルコンテンツをマウスでクリックするという行為を含むように使用してもよいが、特定のデジタルコンテンツを選択するために使用することができる他の入力装置(例えばトラックパッドおよびタッチスクリーン)に適した他の形態の入力(例えばタップすること)も含んでもよい。次いで工程308では、ユーザはホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに関わることができる。本開示で使用される「関わる」という用語は、ジェスチャ、表情、音声、体、手または指の動き(例えば、任意の角度での水平もしくは垂直の動き、軸の周りでの回転など)、ズームインもしくはアウト、スタイラスの動き、エアジェスチャ、脳活動および頭や眼の動きを含むが、見ること、目を向けることおよびクリックすることなどのより単純な形態のインタラクションを除外するより深いインタラクションレベルを指す。工程310に進んで、1人以上のユーザはホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭することにより継続することができる。本開示で使用される「没頭すること」という用語は最も深いレベルのインタラクションを指し、パブリックARからプライベートAR、パブリックARからプライベートVR、パブリックVRからプライベートAR、およびパブリックVRからプライベートVRへのビューの切り替えを含んでもよい。没頭することは、1人以上のユーザがプライベートARビューまたはプライベートVRビューにいる場合に行われるあらゆるインタラクションを含む。プライベートARビューまたはプライベートVRビューでは、ホログラフィックアプリケーションはユーザにプライベートセッションを提供し、デジタルコンテンツをそれらのプライベートビュー内の特定のユーザのみに利用可能にさせる。
【0047】
工程312は、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭している1人以上のユーザから生じ得る異なる出力を示す。これらの出力としては、工程314、316および318にそれぞれ見られるように、当該アプリケーションから出ること、取引を行うこと、または別のホログラフィックアプリケーションにアクセスすることが挙げられる。工程314すなわち当該アプリケーションから出ることは、ホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭しているユーザからの可能な出力として示されているが、ユーザは当該プロセス中のあらゆる他の段階でホログラフィックアプリケーションから出ることができることに留意することが重要である。工程316の取引は商業的もしくは社会的取引を含む。「商業的取引」という用語は本明細書では、1つ以上のアイテムをダウンロードすること、購入すること、販売すること、譲渡すること、および交換することを指す。「社会的取引」という用語は本明細書では、1つ以上のアイテムを評価すること、お気に入り登録すること、またはレビューすることを指す。工程318すなわちホログラフィックアプリケーションにアクセスすることは、現在のパブリックデジタルゾーン内または別のパブリックデジタルゾーンに位置している別のホログラフィックアプリケーションを指してもよい。
【0048】
ユーザが取引を行った後またはユーザが別のホログラフィックアプリケーションにアクセスした後に、本方法は工程320に示すように、ユーザに最初のホログラフィックアプリケーションに戻るためのオプションを提供する。ユーザが最初のホログラフィックアプリケーションに戻ることを決めた場合、ユーザは工程308に示すように最初のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに関わり続けてもよい。その後に当該プロセスは、工程314に示されているようにユーザがホログラフィックアプリケーションから出るまで継続する。ユーザが最初のホログラフィックアプリケーションに戻ることを望まない場合、ユーザは、工程322、324および326にそれぞれ示されているように、別のホログラフィックアプリケーションからのコンテンツに関わること、別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭すること、および別のホログラフィックアプリケーションに関連する可能な出力を生成することにより継続してもよい。
【0049】
一実施形態によれば、本方法は、デジタルリアリティ装置から取得および追跡されたインタラクションデータおよびメタデータを第2のクラウドサーバによって記憶および分析する工程をさらに含む。経時的な1人以上のユーザのインタラクションデータおよびメタデータによりインタラクション履歴を形成してもよい。なおさらなる実施形態では、スマートコントラクトの使用によりインタラクションデータおよびメタデータを記録する。そのような実施形態では、スマートコントラクトはユーザ(スマートコントラクトのプログラマまたは管理者など)とストレージまたはメモリとの間のインタフェースとして機能する。このように、スマートコントラクトはストレージへのインタフェースを支配および提供する。そのような実施形態では、ストレージデータベースはブロックチェーンまたは分散型台帳に基づくデータベースの形態である。ブロックチェーンまたは分散型台帳に基づくデータベースによりインタラクションデータおよびメタデータを記録するためのスマートコントラクトの使用は、ビジネス取引の証拠として役立ち得る信頼できる透明性かつ不変のインタラクション履歴の実装を支援してもよい。例えばビジネス関連の商業的論理の取り扱いを自動化して、デジタルメディアバイイングモデル、市場調査、ならびに例えばインプレッションの蓄積、インタラクション関連の支払い(例えば、凝視時間の評価および付随する支払い)および収益分割の分析などによるビジネス分析を支援するために、インタラクション履歴に関するデータを分析してもよい。
【0050】
図4は、一実施形態に係る、ユーザに表示される最初のホログラフィックアプリケーションデジタルコンテンツがホログラフィック靴の形態である靴アプリケーションインタラクション遠隔測定および追跡のために用いられているインタラクション遠隔測定および追跡方法の例400を示す。工程402では、パブリックデジタルゾーンに入ったユーザはその特定のパブリックデジタルゾーンに位置しているホログラフィックアプリケーションによって展開されているホログラフィック靴を見る。パブリックデジタルゾーンに表示されているホログラフィック靴はスポンサー付きまたはスポンサー付きでないホログラフィック靴であってもよい。次いでユーザは工程404においてホログラフィック靴に目を向け、その後に工程406および408にそれぞれ示されているようにホログラフィック靴をクリックしてホログラフィック靴に関わり始める。ホログラフィック靴との関わりの例としては、手の動きにより靴をサンプリングすること、靴を回転させること、靴の細部をよく見るために靴をズームインまたはアウトすることなどが挙げられる。
【0051】
その後にユーザは、工程410においてホログラフィック靴に対応するデジタルコンテンツに自身を没頭させることができる。プライベートARビューでは、例えばユーザはホログラフィックアプリケーションによって提供されるような利用可能性に応じ、かつユーザがその瞬間にいる実世界位置の背景を見て、ホログラフィック靴の色、サイズまたは設計を変えることができる。プライベートVRビューではユーザは仮想的に靴屋に移動されてもよく、そこでユーザは利用可能なその中の全ての靴を見て関わることができ、それにより当該要素のいくつかを実世界の中で見つけることができる。工程412の得られる可能な出力としては、工程414、416および418にそれぞれ見られるように、ユーザがホログラフィックアプリケーションから出ること、ユーザが1足以上の靴に関連する取引を行うこと、またはユーザがその靴に関連していても関連しなくてもよい目的の別のアイテムとのインタラクションを開始することが挙げられる。1足以上の靴に関連する取引としては例えば、特に1足以上の靴を購入すること、お気に入り登録すること、共有すること、評価すること、またはレビューすることが挙げられる。ユーザはさらに、当該プロセスのあらゆる段階でホログラフィックアプリケーションから出ることができる。
【0052】
ユーザが1足以上の靴に関連する取引を完了した後、またはユーザが目的の別のホログラフィックアプリケーションにアクセスした後に、本方法は、工程420に見られるようにユーザに靴ホログラフィックアプリケーションに戻るためのオプションを提供する。ユーザが靴ホログラフィックアプリケーションに戻ることを決めた場合、ユーザは工程408に示されているようにホログラフィック靴に関わってもよく、かつその後に当該プロセスは、ユーザがホログラフィック靴アプリケーションから出るまで工程408に示されているように継続してもよい。ユーザがホログラフィック靴アプリケーションに戻ることを望まない場合、ユーザは、工程422、424および426にそれぞれ見られるように別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに関わり、自身を別のホログラフィックアプリケーションからのデジタルコンテンツに没頭させ、かつ別のホログラフィックアプリケーションに関連する可能な出力を生成し続けてもよい。
【0053】
1足以上の靴に関連する取引を含む全てのインタラクションデータおよびメタデータは、デジタルメディアバイイングモデル、市場調査、ビジネス分析および他の目的を支援するためにデジタルリアリティ装置から追跡される。例えば靴会社は、異なるレベルのインタラクションのそれぞれにおけるインタラクション時間(例えば、目を向けている時間または関わっている時間)を使用して特定のコンピュータアルゴリズム、例えば人工知能アルゴリズムにより靴に関するユーザ嗜好を分析してもよい。例えば靴会社は、好ましい種類の靴に関連する、ユーザのために特に調整された広告の形態で関連するホログラフィックアプリケーションを提供するために、どの種類の靴にユーザがより長い時間にわたって目を向け、かつ/またはインタラクトする可能性があるかをソートすることができる。他の例では、靴会社はインタラクションデータおよびメタデータから靴へのユーザの凝視時間および付随する支払いを計算してもよい。
【0054】
なおさらなる実施形態では、ストレージへの経路を支配してインタフェースを提供するスマートコントラクトの使用によりインタラクションデータおよびメタデータを記録する。そのような実施形態では、ストレージデータベースは、ビジネス取引の証拠として役立ち得る信頼できる透明性かつ不変のインタラクション履歴を支援するブロックチェーンまたは分散型台帳に基づくデータベースの形態である。
【0055】
図3および
図4は、特定の使用事例を例示するために特定の線形順序で行われる各種レベルのインタラクションを示しているが、当然のことながら、インタラクションの多くの他の組み合わせが可能である。例えば
図3および
図4は、見る工程302/402、その後に目を向ける工程304/404、クリックする工程306/406、関わる工程308/408、および没頭する工程310/410を示しているが、当然のことながらこれらの工程の1つ以上を省略してもよく、繰り返してもよく、あるいはインタラクションセッション中に異なる順序で行ってもよい。一例として、ユーザはデジタルコンテンツに関わる工程308/408または没頭する工程310/410の前の中間工程としてのデジタルコンテンツをクリックする工程306/406を省略してもよい。別の例として、ユーザはデジタルコンテンツに没頭する工程310/410を伴わずにデジタルコンテンツに関わる工程308/408を選択してもよい。別の例として、ユーザはデジタルコンテンツに関わる工程308/408の後であって、デジタルコンテンツに没頭する工程310/410に進む前に、デジタルコンテンツに目を向ける工程304/404に戻ってもよい。
【0056】
特定の実施形態について説明し、かつ添付の図面に図示してきたが、当然のことながらそのような実施形態は広範な本開示の単に例示であってそれを限定するものではなく、様々な他の修正が当業者に思い付く場合があるため、本開示は図示および説明されている特定の構成および配置に限定されない。従って上記説明は、本発明を限定するものではなく例示とみなされるべきである。