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特許7054566果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法
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  • 特許-果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法 図1
  • 特許-果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法 図2
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  • 特許-果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法 図5
  • 特許-果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法 図6
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  • 特許-果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/02 20060101AFI20220407BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
A23L2/02 A
A47J43/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021031989
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022051492
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2020157899
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年10月17日、放送番組:TBSテレビ 王様のブランチ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年10月21日、放送番組:TOKYO MXテレビ 5時に夢中
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年10月30日、放送番組:フジテレビ めざましテレビ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年10月17日、放送番組:日本テレビ ズームインサタデー
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和3年2月6日、放送番組:関西テレビ 土曜日はナニする!?
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年11月14日、放送番組:読売テレビ あさパラ!
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年12月10日、放送番組:テレビ朝日 スーパーJチャンネル
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 放送日:令和2年11月19日、放送番組:毎日放送 ちちんぷいぷい
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日:令和2年8月5日、販売した場所:Banana×Banana 西早稲田本店(東京都新宿区西早稲田2丁目11-13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年8月3日 ウェブサイトのアドレス:https://instagram.com/bananabanana0803
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年10月20日 ウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000064582.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年11月23日 ウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000064582.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年8月3日 ウェブサイトのアドレス:https://www.tiktok.com/@bananabanana0803? d=secCgYIASAHKAESMgowv7uaOog7Y1txeYF8RN3Ec22UWV4ZsoYzzvwUYSRcCM8fTRkiHWeP%2F1M%2BUPTQ%2Ffv8GgA%3D&language=ja&sec uid=MS4wLjABAAAAiD6HnS58jss8bYYRZAgi391DlkVqQs AsmEfLTfJ3TmJN5lMDmSgegzv6byYudII&sec user id=MS4wLjABAAAAiD6HnS58jss8bYYRZAgi391DlkVqQs AsmEfLTfJ3TmJN5lMDmSgegzv6byYudII&share app name=tiktok&share author id=6835139955708380161&share link id=58c4db17-44ae-4916-bd63-09cdf255f032&timestamp=1613637867&u code=dckf7jk30k11f7&user id=6835139955708380161&utm campaingn=client share&utm medium=android&utm source=copy&source=h5 t
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年8月24日 ウェブサイトのアドレス:https://takadanobaba.keizai.biz/headline/488/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年8月15日 ウェブサイトのアドレス:https://877-877.com/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和2年10月13日 ウェブサイトのアドレス:https://bananabanana.shop/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521359597
【氏名又は名称】株式会社MuuuBa
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諒馬
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】大須バナナジュース専門店モンキーバナナのバナナジュースがめちゃ美味しい!,2019年10月14日,pp.1-13,https://internal-reform.com/2019/10/14/monkeybanana/
【文献】世界初!※『真空ミキサー』で、酸化を防ぎ、ワンランク上の鮮度とおいしさに!!,2018年11月13日,pp.1-10,http://www.shin-shouhin.com/2018/11/13/tescom/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00-2/84
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
日経テレコン
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともスムージ液又は液状の飲料と、果物とを混合パックに投入して果物飲料として提供する果物飲料製造システムであって、
投入するのがスムージ液の場合に使用し、冷凍果物と牛乳とを撹拌容器に入れた後に、前記冷凍果物と前記牛乳とを撹拌してスムージ液を生成するミキサーと、
前記スムージ液又は液状の飲料と果物と調味料とが投入される混合パックと、
前記混合パックの開放口から気体を抜くと共に、圧着して封止の混合パックを作製する脱気シーラと、を有し、
前記混合パックが置かれる、まな板を備え、当該まな板上で、ハンマー又は手により封止混合パック内の果物が砕かれることを特徴とする果物飲料製造システム。
【請求項2】
前記ミキサーは前記冷凍果物と前記牛乳とが前記撹拌容器に入れられた後で、当該撹拌容器内を真空状態にして前記冷凍果物と前記牛乳とを撹拌して前記スムージ液を生成する真空ミキサーであることを特徴とする請求項1に記載の果物飲料製造システム。
【請求項3】
前記混合パックを支持するスタンドと、当該スタンドに支持された前記混合パックの開放口に挿入され、前記スムージ液と前記果物と前記調味料としての乳酸菌食品と甘味料とが注ぎ込まれる、じょうごと、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の果物飲料製造システム。
【請求項4】
前記液状の飲料は、ミルクティー、紅茶、カフェオーレ、コーヒー、豆乳、飲むヨーグルト、アーモンドミルク、オーツミルク、プロテイン、又は青汁であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の果物飲料製造システム。
【請求項5】
前記冷凍果物は100g、前記牛乳は100cc、前記調味料は乳酸菌食品15g及び前記甘味料5gであることを特徴とする請求項に記載の果物飲料製造システム。
【請求項6】
前記冷凍果物は、バナナ、リンゴ、パイナップル、梨、イチゴ、マンゴー、又はキウイのうちから選択された1以上であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の果物飲料製造システム。
【請求項7】
少なくともスムージ液又は液状の飲料と果物とを入れて果物飲料として提供するための混合パックであって、
前記混合パックは、
少なくともスムージ液又は液状の飲料と果物とを内部に保持し、前記スムージ液又は液状の飲料と果物とが封入されるようシール可能な開放口を備え、シールされた前記混合パックの外側から前記果物を任意の割合で叩いて粉砕するか又は潰して果物飲料としての触感を調整可能に提供することを特徴とする混合パック。
【請求項8】
請求項7に記載の混合パックに封入された果物飲料をハンマー、麺棒、棍棒、または手でたたいてから飲めるように前記混合パックに封入された状態のまま提供することを特徴とする果物飲料の提供方法。
【請求項9】
請求項7に記載の混合パックに封入された果物飲料を、まな板を含む台に置き、前記台に置かれた前記混合パックに封入された果物飲料をハンマー、麺棒、棍棒、または手でたたいてから飲めるように前記混合パックに封入された状態のまま提供することを特徴とする果物飲料の提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、バナナ、リンゴ等の生の果物に、ハチミツやガムシロップなどの甘味を加えてミキサーにかけて、ナイロン製袋、パック詰めして販売している。
【0003】
また、近年は温暖化の影響もあり、氷を一緒にミキシングした飲み物(スムージともいう)もある。さらに、真空ミキサーにかけた野菜や果物の飲み物が販売されている。この真空ミキサーとして特許文献1が開示されている。
【0004】
この真空ミキサーは、ジュースの撹拌前と撹拌過程中に ミキサーボトルから空気を吸引でき、かつミキサーボトルを真空状態で取り外して一定の時間 持ち運び、保存でき、この間も空気に接触して酸化現象を起こさない真空ミキサーである。
【0005】
一方、味覚の好みは時代の経過と共に多種多様であり、さらに新しいものが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2018-530355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、単に真空ミキサーを用いて果物の飲み物を製造したとしても、昨今の味覚の好みに合うような飲み物を製造できない。例えば、ある程度の果物の触感と生感がある飲み物を製造できない。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、昨今にはない、ある程度の果物の触感と生感がある飲み物を提供する果物飲料製造システム、混合パック、及び果物飲料の提供方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくともスムージ液又は液状の飲料と、果物とを混合パックに投入して果物飲料として提供する果物飲料製造システムであって、投入するのがスムージ液の場合に使用し、冷凍果物と牛乳とを撹拌容器に入れた後に、前記冷凍果物と前記牛乳とを撹拌してスムージ液を生成するミキサーと、前記スムージ液又は液状の飲料と果物と調味料とが投入される混合パックと、前記混合パックの開放口から気体を抜くと共に、圧着して封止の混合パックを作製する脱気シーラと、を有し、前記混合パックが置かれる、まな板を備え、当該まな板上で、ハンマー又は手により封止混合パック内の果物が砕かれることを特徴とする果物飲料製造システムである。
【0010】
本発明に係る果物飲料製造システムの好ましい実施態様の一つにおいては、前記ミキサーは前記冷凍果物と前記牛乳とが前記撹拌容器に入れられた後で、当該撹拌容器内を真空状態にして前記冷凍果物と前記牛乳とを撹拌して前記スムージ液を生成する真空ミキサーである。
【0011】
本発明に係る果物飲料製造システムの他の好ましい実施形態の一つにおいて、前記混合パックを支持するスタンドと、当該スタンドに支持された前記混合パックの開放口に挿入され、前記スムージ液と前記果物と前記調味料としての乳酸菌飲料と甘味料とが注ぎ込まれる、じょうごと、をさらに備える。
【0012】
本発明に係る果物飲料製造システムのさらに他の好ましい実施形態の一つにおいて、前記液状の飲料は、ミルクティー、紅茶、カフェオーレ、コーヒー、豆乳、飲むヨーグルト、アーモンドミルク、オーツミルク、プロテイン、又は青汁である
【0013】
本発明に係る果物飲料製造システムのさらに他の好ましい実施形態の一つにおいて、前記冷凍果物は100g、前記牛乳は100cc、前記調味料は乳酸菌食品15g及び前記甘味料5gである。
【0014】
本発明に係る果物飲料製造システムのさらに他の好ましい実施形態の一つにおいて、前記冷凍果物は、バナナ、リンゴ、パイナップル、梨、イチゴ、マンゴー、又はキウイのうちから選択された1以上である。
【0015】
本発明の第2の発明として、本発明の混合パックは、少なくともスムージ液又は液状の飲料と果物とを入れて果物飲料として提供するための混合パックであって、前記混合パックは、少なくともスムージ液又は液状の飲料と果物とを内部に保持し、前記スムージ液又は液状の飲料と果物とが封入されるようシール可能な開放口を備え、シールされた前記混合パックの外側から前記果物を任意の割合で叩いて粉砕するか又は潰して果物飲料としての触感を調整可能に提供することを特徴とする
【0016】
本発明の第3の発明として、本発明の果物飲料の提供方法は、本発明に係る混合パックに封入された果物飲料をハンマー、麺棒、棍棒、または手でたたいてから飲めるように前記混合パックに封入された状態のまま提供する方法である。
【0017】
本発明の第の発明として、本発明の果物飲料の提供方法は、本発明に係る混合パックに封入された果物飲料を、まな板を含む台に置き、前記台に置かれた前記混合パックに封入された果物飲料をハンマー、麺棒、棍棒、または手でたたいてから飲めるように前記混合パックに封入された状態のまま提供する方法である。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、昨今にはない、ある程度の果物の触感と生感がある飲み物及び新しい飲み物の飲む方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本実施の形態の果物飲料製造システムの概略構成図である。
図2】本実施の形態の果物飲料製造の生成過程の説明図(1)である。
図3】本実施の形態の果物飲料製造の生成過程の説明図(2)である。
図4】本実施の形態の果物飲料製造の生成過程の説明図(3)である。
図5】本実施の形態の果物飲料製造の生成過程の説明図(4)である。
図6】本実施の形態のスタンドと「じょうご」の説明図である。
図7】他の実施の形態における混合パックの斜視図である。
図8】本実施の形態の果物飲料の飲み方を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0021】
本実施の形態は、客に注文された果物飲料を店員が真空状態でスムージ液20にし、このスムージ液20と果物飲料の果物の冷凍果物とを入れたパックに入れて客に提供するための果物飲料製造方法を実施する果物飲料製造システム1であり、例えば店舗又は移動車両に設置する場合もある。果物飲料製造システム1を用いて個人的に本例の果物飲料を製造してもよいことは勿論である。
【0022】
果物は冷凍庫(図示せず)で冷凍されたバナナ、リンゴ、パイナップル、梨、イチゴ、マンゴー、キウイ等が好ましい。本実施の形態では皮を剥いで凍らせた冷凍バナナ8を例に説明する。
【0023】
図1は本実施の形態の果物飲料製造システム1の概略構成図である。図1に示す果物飲料製造システム1は、横に長いテーブル2の上に以下のものを載置してなる。
【0024】
果物飲料製造システム1は、店員により、冷凍バナナ8(約100g)と牛乳9(約100cc)とを撹拌容器7内に入れて真空ミキシングして真空スムージ液を生成する真空ミキサー3と、上輪12と下輪10とこの下輪10と上輪12とを接続する接続棒11とよりなる立脚型のスタンド4と、店員により真空状態で撹拌したスムージ液20と乳酸菌飲料(または乳酸菌食品)の一例としてのヨーグルト16(約15g)と甘味料の一例としての蜂蜜15(約5g)とが注ぎこまれる「じょうご」13とを含む。甘味料は果物飲料の甘みを増すための調味料として使用される。調味料には、甘味料を含み、味を調整するためのシロップや塩なども含まれる。ここで、ミキサーは通常のミキサーでもよいが、真空ミキサー3にすることにより撹拌されたものの酸化を防ぎ、より一層、質が向上するものである。すなわち、真空ミキサー3は、普通のミキサーと違い、容器の中の空気を抜き取ってから撹拌する。容器内を真空状態にすることで、果物が空気に触れて酸化することを防ぎ、食材がもつ栄養成分も保持することが特長である。上述した甘味料としては蜂蜜の例を示したが、フルーツソース(例えばパッションフルーツソース、イチゴソース、キウイソース、パイナップルソース等)、チョコソース(チョコレートソース)、練乳、キャラメルソース、チョコレートシロップ等の甘味料を使用しても良い。また、上述したフルーツソースは一例であり、これに限定されるものではなく、その他のフルーツソースを使用しても良いことは言うまでもない。
【0025】
また、スタンド4に置かれた「じょうご」13の下端筒13aを覆うように、開放口がはめ込まれる混合パック14とを備えている。混合パック14の開放口から冷蔵バナナ17等が投入される。下端筒13aを開放口に差し込んで冷蔵バナナ17及び、真空状態で生成したスムージ液20(後記図2参照)とヨーグルト16と蜂蜜15を投入することにより開放口が汚れずに、後で説明する脱気シーラ5で開放口を確実に塞ぐことができる。
【0026】
実施の形態では、この冷蔵バナナ17及び、真空状態で生成したスムージ液20とヨーグルト16と蜂蜜15とよりなる混合液を収納するパックを混合パック14と称する。
【0027】
また、果物飲料製造システム1は、混合パック14の開放口が形成されている一端が圧着バーに置かれた後に、さらに空気を抜いて、開放口が形成されている一端を熱圧着して混合パック14を生成する脱気シーラ5を含む。脱気シーラ5は、混合パック14から空気を脱気する初期用の脱気シーラと、さらに脱気して混合パック14の開放口がある端部を熱圧着して混合パック14を得る完成用の脱気シーラとよりなる(脱気シーラ5は1台でもよい)。ここで、脱気シーラ5とは、ビニールなどの樹脂製フィルムの袋で、飲食物などを梱包する時に、袋内の空気を抜いて真空状態で梱包をする機器である。
【0028】
また、テーブル2は、混合パック14が置かれるまな板18(木材の輪切りが好ましい)を備え、このまな板18で、木製又は金属ハンマー19或いは手で混合パック14内の冷蔵バナナ17が砕かれた果物ジュース入り混合パック14を得る。これにより、今までにない食感の飲み物を得ることができる。
【0029】
次に、図2図6を用いて製造工程を詳しく説明する。
【0030】
はじめに、冷凍バナナ8(例えば、約100g)を例えば冷蔵庫の冷凍室から取り出す。この冷凍バナナ8は皮を剥いて真空パックで冷凍保存しておいたものでもよい。これにより、長期間にわたり高品質を維持することができる。
【0031】
そして、図2(a)に示すように、牛乳9(約100cc)をコップで店員が真空ミキサー3の撹拌容器7に入れる。
【0032】
そして、真空ミキサー3は、図2(b)に示すように、撹拌容器7を真空状態にした後で、図2(c)に示すように、ミキシングを開始し(30秒~40秒)、図2(d)に示すように、撹拌容器7内に綺麗なピューレになっている真空スムージ液20を得る(図5(a)参照)。これにより、酸化の少ない質の高いスムージ液20を生成することができる。一方、スムージ液20の代わりにミルクティー、紅茶、カフェオーレ、コーヒー、豆乳、飲むヨーグルト、アーモンドミルク、オーツミルク、プロテイン、又は青汁であってもよい。ここで、飲むヨーグルトとは、ヨーグルトを液状に加工した飲み物の総称をいう。
【0033】
図示しないが、この間に、別の冷蔵した皮を剥いたバナナ17(一本:約100g)を店員が冷蔵庫より取り出して混合パック14(図示せず)に入れる。ここでは、冷凍バナナ17を使用するが、リンゴ、パイナップル、梨、イチゴ、マンゴー、キウイ等の他の果物の組み合わせでもよい。
【0034】
そして、図2(e)に示すように、店員がスタンド4の上輪12に「じょうご」13の下端筒13aを入れて載置する(図5(b)参照:セッティングともいう)。続いて、下端筒13aに混合パック14の袋の開放口を差し込む。
【0035】
そして、店員が「じょうご」13の上カップから、撹拌容器7の真空スムージ液20と、ヨーグルト16(約15g)と、蜂蜜15(約5g)とよりなる混合液を注ぎ込み、かつ冷蔵バナナ17を入れて(図示せず)、図2(f)に示すように、混合パック14を得る(図5(c)参照)。この際、じょうご、を使用するため混合パック14の開放口が汚れることがなく下記に説明するパッキングが適正に行われる。ここで、トッピングを入れるときは、ヨーグルト16と、蜂蜜15は入れない。
【0036】
そして、この冷凍/冷蔵果物混合液入り混合パック14をスタンド4より取り出して、図3(g)、図3(h)、図3(i)及び図3(j)に示すようにパッキングを行う。
【0037】
パッキングは、図3(g)に示す混合パック14を用意する。そして、図3(h)に示すように、初期用の脱気シーラ5が、圧着バーに混合パック14の開放口を備えた一端が置かれた後に、気体(空気等)を抜く。
【0038】
そして、図3(i)に示すように、完成用の脱気シーラ5を用いて混合パック14からさらに空気を抜いて、開放口が形成されている一端を熱圧着して混合パック14を生成する(図5(d)参照)。そして、この混合パック14を店員が客に渡す(販売する)。
【0039】
客は、図4に示すように、まな板18又は客のテーブルに混合パック14を置いて、木製ハンマー19で叩いて混合パック14内のバナナ8,17を粉砕する。この状態で飲める状態になる。そして、ストローなどで飲む。すなわち、真空状態でバナナは酸化していないので、風味が損なわれない。また、ビタミンやポリフェノールを保持できている。また、冷蔵バナナをハンマーで砕いているので、触感が増す。したがって、近年にはない、ある程度の果物の触感と生感がある飲み物を提供することができる。さらに、真空パックにすることで、長距離用のテイクアウトをしても鮮度は落ちず、冷凍してアイスにしたりして色々な飲み方が楽しめる。さらにまた、果物は切断すると切断面が酸化して味や風味が損なわれるおそれがあるところ、本発明では、果物を丸ごと冷凍してそのまま真空パックに入れて、空気に触れることなく叩いて潰すので、果物を切断する場合に比べて、果物本来の味や風味を楽しむことができる。
【0040】
若しくは、店員がテーブル2の上のまな板18に混合パック14を置いて、木製ハンマー19で叩いて冷蔵バナナ17を叩砕にしてストローと共に客に渡してもよい。一方、冷蔵庫、冷凍庫、真空ミキサー3、混合パック14、スタンド4、じょうご13及び脱気シーラ5を用意して自動化すれば大量生産することも可能である。
【0041】
なお、果物をハンマーで叩く場合、果物全体の約80~95%の部分を叩いて、全体の20~5%の部分は叩かないで粉砕されていない状態としておくことが好ましい。一部に果物の形を残した部分があることによって、客は混合パック14を介して間接的に当該部分を手で潰しながら飲むことができ、実際に生の果物を飲んでいる感覚を楽しむことができる。
【0042】
他の製造方法として、例えば、果物を冷凍する方法として瞬間冷凍技術を用いてもよい。通常冷凍の場合には、果物の細胞が破壊されてしまい、鮮度や旨味が損なわれてしまうおそれあるが、瞬間冷凍することで、細胞が破壊されるのを抑制することができる。瞬間冷凍の方法としては、公知の手段、例えば、エアーブラスト凍結方式、液体凍結方式、液体窒素凍結方式等の公知の方式を採用することができる。
【0043】
図6は「じょうご」13と、スタンド4の大きさを説明する説明図である。
【0044】
「じょうご」13の上カップ(金属製が好ましい)は、直径Aが160mm~200mm程度(好ましくは180mm)であり、下端筒13aは、直径Bが50mm~70mm程度(好ましくは60mm)であり、その縦長Dは70mm~78mm程度(好ましくは75mm)である。つまり、下端筒13aはバナナ17の直径以上である。また、混合パック20に液体が付着したらパッキングが出来ずにハンマー19でたたくときに液体が漏れてしまうが本例の直径Aの場合は適正にパッキングが出来る。
ここで、じょうごは漏斗ともいい、ステンレス製、アルミ製などの金属製が好ましいが、ポリプロピレン(PP)製や、ポリエチレン(PE)製、ガラス製のものを使用しても良い。
【0045】
一方、スタンド4の上輪12の直径Fは50mm~70mm程度(好ましくは60mm)であり、下輪10の直径Cは180mm~250mm程度(好ましくは200mm)であり、その接続棒の高さEは230mm~280mm程度(好ましくは250m)である。
【0046】
なお、混合パック14の袋(パック)は、リニアポリエチレン、ポリ塩化ビニール製が好ましい。
【0047】
図7は、他の実施の形態における混合パック14の斜視図である。混合パック14には、スムージ液20と、冷蔵バナナ17をハンマーによって叩砕してなる塊状物30とが封入されている。本実施形態における混合パック14は、上端縁14aと、下端縁14bと、ストロー41,42が挿入される挿入口14c,14dとを有する。挿入口14dは挿入口14cよりも大きく形成されていて、挿入口14dに挿通されるストロー41よりも太くて長いストロー42が挿通される。なお、混合パック14は、挿入口14c,14dを有することなく、ストロー41,42を直接パックを破るように挿入してもよい。
【0048】
混合パック14の中央には、混合パック14の両側縁から幅方向へ延びる一対のシール部51,52と、シール部51,52の間に位置する非シール部53とを有する。シール部51,52においては、混合パック14の前面と後面とが互いにシール(溶着)されている。
【0049】
混合パック14の内部は、シール部51,52よりも上方に位置するスムージ液20を含む上方区域61と、シール部51、52の下方に位置する下方区域62とを有する。下方区域62には自重によって下方に集まった塊状物30、30aとスムージ液20とを含む。挿入口14cの下方には、シール部51が位置していることから、ストロー41は上方区域61のスムージ液20のみを吸引することができる。一方、挿通口14dは、非シール部53の上方に位置しており、ストロー42の先端は非シール部53を通過して下方区域62にまで延びている。
【0050】
このように、ストロー42の先端42aが下方区域62に位置していることから、下方区域62内の塊状物30を比較的に太いストロー42で吸引することができる。客は、ストロー41,42から交互に吸引することで、スムージ液20のみの場合とスムージ液20と塊状物30とを含む場合との2つの食感を楽しむことができる。
【0051】
また、混合パック14の下方区域62の内面には、上下方向ヘ延び、かつ、幅方向へ間隔を空けて配置された複数のリブ70が配置されている。このように、複数のリブ70が形成されていることで、客が自らの手で比較的に大きな塊状物30をリブ70を介して潰しながらストロー42に吸引される大きさにすることができる。複数のリブ70が形成されることで剛性が高くなり、客は手で混合パック14を安定的に把持することができる。
【0052】
図8は、他の実施の形態における果物飲料の飲む方法(飲み方)を説明するための図である。図8の例では、来店した複数の客が混合パック14をクラッシュして実際に果物飲料(ジュース)を飲んでいる様子を示したものである。
以下、前述した果物飲料製造システムによって製造された果物飲料(冷凍果物飲料)の飲み方について説明する。
【0053】
図8に示すように、ジュース店に来店した複数の客は、まな板18(木材の輪切りが好ましい)上に混合パック14を置き、客が音楽に合わせて木製又は金属製ハンマー19でまな板18上の混合パック14内の冷蔵バナナをたたいて砕き(クラッシュし)、果物ジュース入り混合パック14を作る。このクラッシュ果物ジュース入り混合パックにストローを挿入して、果物飲料を飲むことができる。これにより、今までにない食感の飲み物を楽しみながら飲むことができる。上述した例では、木製又は金属製ハンマー19で冷蔵バナナをたたいて砕いたが、その他の木製又は金属製の麺棒や棍棒で冷蔵バナナをたたいて砕いても良い。また、上記の例では、冷蔵果物をたたいて砕いたが、冷凍果物をたたいて砕いても良い。
【0054】
ここで、まな板18に混合パック14を置いた例を示したが、混合パックが置ける台であれば、他のものを使用しても良い。また、図8の例では立食形式の例を示したが、客が座席に着席して果物飲料を飲む方法を適用しても良い。テーブルの高さは、大人、子供などの身長に合わせたものや、テーブルに高さ調節機構を備えたものを使用しても良い。
【0055】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。すなわち、上記に説明したレシピは1例であり、様々に組み合わせることができる。例えば、乳酸菌食品としてのヨーグルトの代わりに酸味のある代替品を用いてもよいし、甘味料の蜂蜜の代わりにメープルシロップ等を用いてもよい。さらに、スムージ液20はミルクティー、紅茶、カフェオーレ、コーヒー、豆乳、飲むヨーグルト、アーモンドミルク、オーツミルク、プロテイン、又は青汁であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 果物飲料製造システム
2 テーブル
3 真空ミキサー
4 スタンド
5 脱気シーラ
7 撹拌容器
8 冷凍バナナ
9 牛乳
10 下輪
11 接続棒
12 上輪
13 じょうご
14 混合パック
15 蜂蜜
16 ヨーグルト
17 冷蔵バナナ
18 まな板
19 ハンマー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8