(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】近接センサ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220407BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20220407BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220407BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
G06F3/041 580
H01H36/00 V
G06F3/041 422
G06F3/041 512
G06F3/041 410
G06F3/044 128
G02F1/1333
(21)【出願番号】P 2017228880
(22)【出願日】2017-11-29
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中西 貴之
(72)【発明者】
【氏名】高田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 詞貴
(72)【発明者】
【氏名】保坂 翔太
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0018915(US,A1)
【文献】特開2014-174660(JP,A)
【文献】特開2014-132415(JP,A)
【文献】特開2015-121958(JP,A)
【文献】特開2012-022635(JP,A)
【文献】国際公開第2011/087034(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
H01H 36/00
G06F 3/044
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号が入力される第1の電極と、
前記第1の信号とは異なる第2の信号が入力される第2の電極と、
前記第2の電極よりも前記第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、
を備え
、
前記第2の信号のパルス幅は、前記第1の信号のパルス幅よりも狭く、所定の時間当たりの前記第2の信号のパルスの数は、前記第1の信号のパルスの数よりも多い、
ことを特徴とする近接センサ。
【請求項2】
前記第2の信号は、前記第1の信号と位相が逆である、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項3】
前記第2の電極の面積は、前記第1の電極の面積よりも大きく、前記第2の電極の面積は、前記第3の電極の面積よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項4】
前記第2の信号の振幅は、前記第1の信号の振幅と同等または同等よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項5】
前記第3の電極は、前記第2の電極と、前記第1の電極との両方に対して、基板端側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項6】
前記第1の電極は、前記第2の電極と、前記第3の電極との両方に対して、基板端側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項7】
第1の信号が入力される第1の電極と、
前記第1の信号とは異なる第2の信号が入力される第2の電極と、
前記第2の電極よりも前記第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、
定電位が印加される第4の電極
と、を備え、
前記第1の電極は、前記第2の電極と、前記第3の電極との両方に対して、基板端側に配置され、
前記第4の電極は、前記第2の電極と、前記第3の電極との間に配置されている、
ことを特徴とす
る近接センサ。
【請求項8】
前記第3の電極は、近接センサの信号を検出する信号検出部に電気的に接続され、
前記信号検出部は少なくとも当該信号を増幅して出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項9】
第1の信号が入力される第1の電極と、
第2の信号が入力され、前記第1の電極よりも電極の面積が大きい第2の電極と、
前記第2の電極よりも前記第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、
を備え
、
前記第2の信号のパルス幅は、前記第1の信号のパルス幅よりも狭く、所定の時間当たりの前記第2の信号のパルスの数は、前記第1の信号のパルスの数よりも多い、
ことを特徴とする近接センサ。
【請求項10】
前記第2の信号の位相は、前記第1の信号の位相と同相である、
ことを特徴とする請求項
9に記載の近接センサ。
【請求項11】
前記第2の信号の振幅は、前記第1の信号の振幅と同等または同等よりも大きい、
ことを特徴とする請求項
9に記載の近接センサ。
【請求項12】
前記第3の電極は、前記第2の電極と、前記第1の電極との両方に対して、基板端側に配置される、
ことを特徴とする請求項
9に記載の近接センサ。
【請求項13】
前記第1の電極は、前記第2の電極と、前記第3の電極との両方に対して、基板端側に配置されている、
ことを特徴とする請求項
9に記載の近接センサ。
【請求項14】
第1の信号が入力される第1の電極と、
第2の信号が入力され、前記第1の電極よりも電極の面積が大きい第2の電極と、
前記第2の電極よりも前記第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、
定電位が印加される第4の電極
と、を備え、
前記第4の電極は、前記第2の電極と、前記第3の電極との間に配置されている、
ことを特徴とす
る近接センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接センサ、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが表示装置に対して情報を入力するためのインターフェースとして、タッチパネルや近接センサが知られている。タッチパネルや近接センサを表示装置に設置することで、ユーザはユーザ自身の指、あるいは、タッチペンを用いて画面上に表示される入力ボタンやアイコンなどを操作する、あるいは、画面上に表示される画像をスクロールすることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、タッチペンのタッチパネルへ接触と、タッチペンがタッチパネルへ接触した位置と、から、タッチペンの入力を検出するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
一方、近年では、ユーザが表示画面に接触することなく、表示画面から離れたユーザの手や指などの検出対象の表示画面上に投影された座標を検出し、画面上に表示される入力ボタンやアイコンなどを操作する、あるいは、画面をスクロールすることができる非接触センシング技術の需要が高まっている。
【0006】
非接触センシングにおいては、例えば、表示装置に設置された近接センサが有する電極と、表示装置から離れた位置にかざされるユーザの手や指との間の容量の変化を検出する。あるいは、非接触センシングにおいては、例えば、表示装置に設置された近接センサが有する電極間の電界を、表示装置から離れた位置にかざされるユーザの手や指が電界を遮ることで容量の変化を検出する。しかしながら、当該容量の変化はわずかであること、また、電界の強度や電極の面積によっては、特にユーザの手の影響が無視できなくなり、センシングの感度が低下するといったことが、非接触センシングを困難にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、近接センサに接触することなく、近接センサから離れた検出対象を精度良く検出することができる近接センサ、及び、当該近接センサを実装した表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
近接センサであって、第1の信号が入力される第1の電極と、第1の信号とは異なる第2の信号が入力される第2の電極と、第2の電極よりも第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、を備える。
【0009】
近接センサであって、第1の信号が入力される第1の電極と、第2の信号が入力され、第1の電極よりも電極の面積が大きい第2の電極と、第2の電極よりも第1の電極の近くに配置されている第3の電極と、を備える。
【0010】
表示装置であって、一方向及び前記一方向と交差する方向に配列された画素を含む表示領域を備える表示パネルと、上記近接センサと、を有し、近接センサが有する第2の電極は、表示領域に配置され、近接センサが有する第3の電極は、表示領域の外側に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の電気力線の例を示す模式的な断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の電気力線の例を示す模式的な断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置が有する画素レイアウトの一例である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置が有する画素の一例を示す模式的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図16】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を示す模式的な平面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を示す模式的な平面図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を示す模式的な平面図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を説明するための図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を説明するための図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を説明するための図である。
【
図22】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成の模式的な断面図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成の模式的な断面図である。
【
図24】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらに別の構成を示す模式的な平面図である。
【
図25】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらにまた別の構成を示す模式的な平面図である。
【
図26】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらにまた別の構成の模式的な断面図である。
【
図27】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を示す模式的な平面図である。
【
図28】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成の模式的な断面図である。
【
図29】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を示す模式的な断面図である。
【
図30】本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を示す模式的な平面図である。
【
図31】本発明の一実施形態に係る表示パネルのもう一つの構成の例の模式的な断面図である。
【
図32】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図33】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図34】本発明の一実施形態に係る表示装置の電気力線の例を示す模式的な断面図である。
【
図35】本発明の一実施形態に係る表示装置の電気力線の例を示す模式的な断面図である。
【
図36】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。さらに、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(または数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。なお、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置670の構成を示す模式的な平面図である。
【0015】
図1に示すように、表示装置670は、例えば、表示パネル570、回路基板400、回路基板410、コネクタ512、コネクタ513及びコネクタ514を備えている。
【0016】
表示パネル570は、上面視において左右方向と平行に複数配置されている第1のタッチ電極521、上面視において上下方向と平行に複数配置されている第2のタッチ電極527、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524B、基板502、基板110、表示領域504、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510を有する。複数の第1のタッチ電極521は、第1の電極(Txa)522、及び複数の第2の電極(Txb)520から構成される。複数の第2のタッチ電極527は、第1の電極(Txa)529、及び第2の電極(Txb)528から構成される。なお、表示パネル570は、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510の何れか一方を有していてもよい。
【0017】
第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520及び第3の電極(Rx)524Bによって、所謂、投影型静電容量方式の近接センサが形成されている。第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520及び第3の電極(Rx)524Bは、表示パネルの上面からみたとき、それぞれが重なっておらず、表示パネルの断面において、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520が第3の電極(Rx)524Bよりも下に配置されてもよいし、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520が第3の電極(Rx)524Bよりも上に配置されてもよい。本発明の一実施形態においては、表示パネルの断面において、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520が第3の電極(Rx)524Bよりも下に配置されている。また、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520及び第3の電極(Rx)524Bは、各電極が配置される面の端面(例えば基板端面)に対して、この順番に近くなるように配置されている。第2の電極(Txb)520は第1の電極(Txa)522に隣接して配置される。第3の電極(Rx)524Bは第1の電極(Txa)522に隣接して配置される。第1の電極(Txa)522には所定の信号が入力される。第2の電極(Txb)520には当該所定の信号とは位相が異なる信号が入力される。
【0018】
また、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528及び第3の電極(Rx)524Aによって、所謂、投影型静電容量方式の近接センサが形成されている。第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528及び第3の電極(Rx)524Aは、表示パネルの上面からみたとき、それぞれが重なっておらず、表示パネルの断面において、第1の電極(Txa)529及び第2の電極(Txb)528が第3の電極(Rx)524Aよりも下に配置されてもよいし、第1の電極(Txa)529及び第2の電極(Txb)528が第3の電極(Rx)524Aよりも上に配置されてもよい。本発明の一実施形態においては、表示パネルの断面において、第1の電極(Txa)529及び第2の電極(Txb)528が第3の電極(Rx)524Aと同一平面上に配置されている。また、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528及び第3の電極(Rx)524Aは、各電極が配置される面の端面(例えば基板端面)に対して、この順番に近くなるように配置されている。第2の電極(Txb)528は第1の電極(Txa)529に隣接して配置される。第3の電極(Rx)524Aは第1の電極(Txa)529に隣接して配置される。第1の電極(Txa)529には所定の信号が入力される。第2の電極(Txb)528には当該所定の信号とは位相が異なる信号が入力される。投影型静電容量方式は、自己容量方式および相互容量方式に大別される。
【0019】
自己容量方式においては、人の指などの検出対象が第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bを介して表示領域504に触れる、又は接近する(以下、触れる場合および接近する場合をまとめてタッチと記す)ことで第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bにおける寄生容量に加え、当該検出対象と第1の電極(Txa)522または第3の電極(Rx)524Bとの間に生ずる容量が上乗せされる。この変化を読み取ることでタッチの位置が検出される。なお、第1の電極(Txa)529と第3の電極(Rx)524Aの場合も、同様である。
【0020】
相互容量方式においては、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520は送信電極(Tx)、第3の電極(Rx)524Bは受信電極(Rx)とも呼ばれる。人の指などの検出対象が第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bを介して表示領域504にタッチすることで第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bとが形成する容量が変化し、この変化を読み取ることでタッチの位置が検出される。人の手や指などの検出対象と、第1の電極(Txa)522及び第3の電極(Rx)524Bの距離が離れている場合、例えば、第3の電極(Rx)524Bと第1の電極(Txa)522において、一方の電極の面積を他方の電極の面積よりも大きくすることで、検出対象の検出感度を向上させることができる。しかし、電極の面積が大きくなると、電極から生じる電界が強くなるため、人の手などの検出対象と電極とがお互いに影響を与えてしまうことになり、かえって検出感度が低下する可能性がある。なお、第1の電極(Txa)529と第3の電極(Rx)524Aの場合も、同様である。
【0021】
本発明の一実施形態の表示装置670においては、接触型センシングは、指を表示パネル570に接触したとき、例えば、複数の第1のタッチ電極521の、上面視における上の電極から順番に、時系列にパルス信号を印加し、指が表示パネル570に接触した位置のパルス信号の変化を複数の第2のタッチ電極527のいずれかの電極で、検出する。こうして、接触状態において、タッチ検出を行うことができる。例えば、特開2016-129001号公報に記載のタッチ検出方法を用いることができる。
【0022】
また、本発明の一実施形態の表示装置670においては、非接触型センシングは、手を表示パネル570にかざしたとき、例えば、複数の第1のタッチ電極521の内、第1の電極(Txa)522に所定の信号を入力し、第2の電極(Txb)520に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)520の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)520と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)524Bで形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)524Bに所定の信号が伝達される。検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態においても、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。なお、第1の電極(Txa)522と第2の電極(Txb)520とをタッチ検出に用いる場合、第3の電極(Rx)524Bが用いられ、第3の電極(Rx)524Aは用いられない。同様にして、複数の第2のタッチ電極527の内、第1の電極(Txa)529に所定の信号を入力し、第2の電極(Txb)528に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)528の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)528と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)524Aで形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)524Aに所定の信号が伝達される。検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態においても、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。なお、第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528とをタッチ検出に用いる場合、第3の電極(Rx)524Aが用いられ、第3の電極(Rx)524Bは用いられない。なお、第1のタッチ電極521に含まれる複数の第2の電極(Txb)520のそれぞれに異なる信号を入力し、入力した信号の振幅の変化を検出することで、タッチの位置を検出してもよい。第1の電極(Txa)522に所定の信号を入力することでタッチ検出を行うことと、第2の電極(Txb)520に含まれる複数の第1のタッチ電極521のそれぞれに異なる信号を入力することでタッチ検出を行うこととは、回路基板400が有する信号供給回路24によって切り替えることができるようになっていてもよい。
【0023】
図1によれば、表示パネル570は、基板502と基板110とによって挟持されている例を示す。基板502上には、表示領域504、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508、走査信号線駆動回路510、及び複数の第1のタッチ電極521が形成される。コネクタ512は基板502に電気的に接続される。複数の第2のタッチ電極527は、基板502と基板110との間、かつ、複数の第1のタッチ電極521と基板110との間に形成される。コネクタ513は基板110に電気的に接続される。映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び510は、そのすべてが、基板502上に形成されなくてもよい。例えば、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び510の一部、または、すべての機能を含む集積回路(IC、Integrated Circuit)(図示せず)が、基板502上、或いはコネクタ512上に配置されてもよい。
【0024】
基板502及び基板110は、ガラス基板のような硬い基材でもよいし、可撓性を有する基材でもよい。ガラス基板のような硬い基材は、例えば、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板に例示される材料を含むことができる。基板502が、ガラス基板のような硬い基材を用いることで、剛性が高い表示パネル570を提供することができる。可撓性を有する基材は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートに例示される高分子材料から選択される材料を含むことができる。基板502及び基板110が、可撓性を有する基材を用いることで、軽く、かつ、薄い表示パネル570を提供することができる。
【0025】
表示領域504は、複数の画素120(
図8に示す)を含んでいる。複数の画素120は、一方向及び一方向と交差する方向に沿って、配列される。複数の画素120の配列数は任意である。例えば、X方向にm個、Y方向にn個の画素120が配列される。mとnはそれぞれ独立に、1よりも大きい自然数である。表示領域504は画素120が一方向及び一方向と交差する方向に沿って配列される領域を含む。画素120の各々は、表示素子を有する。表示素子は、例えば、液晶素子、有機EL素子を含む。本明細書においては、表示パネル570が液晶素子を有する場合を例に説明する。
【0026】
画素120は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の三原色に対応する表示素子を3つの画素の各々に設けることができる。各画素に256段階の電圧あるいは電流を供給することで、フルカラーの表示装置を提供することができる。また、画素120は、三原色に加えて白色或いは黄色に対応する表示素子を有していてもよい。また、複数の画素120の配列に制限はない。例えば、ストライプ配列やデルタ配列などを採用してもよい。
【0027】
回路基板400は、少なくとも、タイミング生成回路部16と、信号検出回路部10と、信号供給回路24と、電源回路22とを有する。また、回路基板400はコネクタ514を介して回路基板410と電気的に接続されている。
【0028】
タイミング生成回路部16は、タッチ検出をするための信号を生成することができる。タイミング生成回路部16は、信号を一つ以上生成することができる。また、当該生成された信号は、複数の同じ信号であってもよいし、お互いに異なる複数の信号であってもよいし、同じ信号と、お互いに異なる複数の信号であってもよい。本発明に係る構成を逸脱しない範囲において、適宜選択すればよい。当該生成された信号が第1の電極(Txa)522、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)520及び第2の電極(Txb)528に供給される。
【0029】
信号検出回路部10は、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bに電気的に接続される。信号検出回路部10は、近接センサあるいは表示装置において、タッチが行われたときの信号を検出することができる。当該生成された信号は、コネクタ512を介して、回路基板400から表示パネル570へ供給することができる。また、当該生成された信号は、コネクタ514と回路基板410とコネクタ513とを介して、回路基板400から表示パネル570へ供給することができる。さらに、タッチが行われたときの信号は、コネクタ512を介して、表示パネル570から回路基板400へ供給することができる。また、タッチが行われたときの信号は、コネクタ513と回路基板410とコネクタ514とを介して、表示パネル570から回路基板400へ供給することができる。
【0030】
コネクタ512、コネクタ513及びコネクタ514は、フレキシブルプリント回路(FPC、Flexible Printed Circuit)を用いることができる。
【0031】
なお、回路基板410が、タイミング生成回路部16と、信号検出回路部10と、信号供給回路24と、電源回路22とを有していてもよい。
【0032】
信号供給回路24は、映像信号、回路の動作を制御するタイミング信号などの表示パネルに供給される信号を生成する。また、電源回路22は、タイミング生成回路部16と、信号検出回路部10、信号供給回路24、及び表示パネル570に電源を供給する。コネクタ512は、映像信号、回路の動作を制御するタイミング信号、電源などを、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510に供給する役割も有する。
【0033】
映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510は、供給された映像信号、回路の動作を制御するタイミング信号、電源などを用いて、各画素120を駆動し、表示領域504に画像を表示する役割を有する。
【0034】
図2は、発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
図2は、理解の促進のため、表示パネル570において、複数の第1のタッチ電極521、基板502、表示領域504、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508、走査信号線駆動回路510、回路基板400及びコネクタ512を抜粋し、示している。なお、
図2は、
図1では図示されていなかった第1の接続配線45を図示している以外は、
図1と同様であるから、
図1と同様の構成は説明を省略する。
【0035】
第1の接続配線45は、複数の第1のタッチ電極521とコネクタ512とを電気的に接続する。第1の接続配線45は、複数の第1のタッチ電極521の一つ一つに独立に電気的に接続されている。したがって、複数の第1のタッチ電極521はそれぞれが独立に制御される。
【0036】
図3は、発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
図3は、理解の促進のため、表示パネル570において、複数の第2のタッチ電極527、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bを抜粋し、示している。なお、
図3は、
図1では図示されていなかった第2の接続配線310を図示している以外は、
図1と同様であるから、
図1と同様の構成は説明を省略する。
【0037】
第2の接続配線310は、複数の第2のタッチ電極527、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bとコネクタ513とを電気的に接続する。第2の接続配線310は、複数の第2のタッチ電極527、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bの一つ一つに独立に電気的に接続されている。したがって、複数の第2のタッチ電極527、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bはそれぞれが独立に制御される。
【0038】
図4及び
図5は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な断面図である。
図4は、
図1に示したD1とD2とによって示される領域の断面を示している。
図5は、
図1に示したE1とE2とによって示される領域の断面を示している。表示パネル570は、基板20、TFTアレイ層30、共通電極層40、接続配線層48、第1の配向膜50、液晶層60、第2の配向膜70、カラーフィルタ層80、対向基板90、第1のタッチ電極層100、及び基板110を有する。なお、基板20は
図2において示した基板502と同じである。画素120が有する画素電極52は、共通電極層40と、第1の配向膜50との間に備えられる。対向基板90において、カラーフィルタ層80が配置された面の裏面に、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bが配置されている。
【0039】
接続配線層48は、第1の接続配線45を有する。第1の接続配線45は、第3開口部46を介して、第1の電極(Txa)522、及び複数の第2の電極(Txb)520と電気的に接続される。
【0040】
基板502の上に、TFTアレイ層30、共通電極層40、及び第1のタッチ電極層100が設けられる。TFTアレイ層30には、表示領域504、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び510が有するトランジスタ、及び端子電極516(図示せず)が設けられる。端子電極516はコネクタ512と電気的に接続される。共通電極層40は、第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520が設けられる。第1のタッチ電極層100は、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bが設けられる。映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510に電気的に接続される信号線のそれぞれは端子電極516に電気的に接続される。したがって、コネクタ512から端子電極516を介して、映像信号、回路の動作を制御するタイミング信号、電源などが、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510に供給されることができる。また、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520及び第3の電極(Rx)524Bに電気的に接続される第1の接続配線45のそれぞれも端子電極516に電気的に接続される。したがって、コネクタ512から端子電極516を介して、タッチ検出をするための信号、及びタッチが行われたときの信号が、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520及び第3の電極(Rx)524Bに伝送されることができる。なお、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528及び第3の電極(Rx)524Aに電気的に接続される第2の接続配線310は対向基板90に形成される端子電極516(図示せず)に電気的に接続される。対向基板90に形成される端子電極516(図示せず)はコネクタ513と電気的に接続される。したがって、コネクタ513から端子電極516を介して、タッチ検出をするための信号、及びタッチが行われたときの信号が、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528及び第3の電極(Rx)524Aに伝送されることができる。
【0041】
TFTアレイ層30は、複数のトランジスタ190、容量素子、抵抗素子、及び各種配線を含む。TFTアレイ層30は、複数のトランジスタ190、容量素子、抵抗素子、及び各種配線により、表示領域504のトランジスタ190、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び走査信号線駆動回路510が形成された層である。TFTアレイ層30は、表示パネル570を駆動する役割を有する。
【0042】
画像を表示パネル570に表示するとき、共通電極層40に含まれる第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520に、例えば0Vの共通電圧を印加し、画素電極52に印可された電圧とから、液晶層60に含まれる液晶素子を制御する。このとき、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bにも0Vの共通電圧を印加してもよい。
【0043】
図6及び
図7は、本発明の一実施形態に係る表示パネルの電気力線の例を示す模式的な断面図である。
図6は、
図1に示したD1とD2とによって示される領域の断面を示している。
図7は、
図1に示したE1とE2とによって示される領域の断面を示している。
【0044】
図6は、タッチ検出をするとき、第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528との間に発生する電界によって生じる電気力線、第2の電極(Txb)528と第3の電極(Rx)524Aとの間に発生する電界によって生じる電気力線、及び、第1の電極(Txa)529と第3の電極(Rx)524Aとの間に発生する電界によって生じる電気力線を示している。
【0045】
図7は、タッチ検出をするとき、第1の電極(Txa)522と第2の電極(Txb)520との間に発生する電界によって生じる電気力線、第2の電極(Txb)520と第3の電極(Rx)524Bとの間に発生する電界によって生じる電気力線、及び、第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bとの間に発生する電界によって生じる電気力線を示している。タッチ検出と、新たな画像データを画素に書き込むこととは、同時には行わない。
【0046】
図8は、本発明の一実施形態に係る表示装置が有する画素レイアウトの例である。画素120は、FFS(Fringe Field Switching)モードあるいはIPS(In Plane Switching)モードに適用可能な構成を有している。画素120を有する表示パネル500は、画素電極52及び共通電極層40に含まれる第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520の間に形成される横電界(例えば、フリンジ電界のうちの基板の主面にほぼ平行な電界)を主に利用して液晶層60を構成する液晶分子の配向を制御する。
【0047】
図8に示す画素120は、トランジスタ190、映像信号線191、走査信号線192、画素電極52を含む。トランジスタ190は、半導体膜32、ゲート電極34、ソースおよびドレイン電極36及び38、第1開口部39a及び39bを含む。ソースおよびドレイン電極36及び38は、第1開口部39a及び39bを介して、半導体膜32と電気的に接続されている。画素電極52は、第2開口部194を介して、ソースおよびドレイン電極38と電気的に接続されている。ソースおよびドレイン電極38、第1の電極(Txa)522、及び、後述する平坦化膜31と、第1の電極(Txa)522、画素電極52、及び、後述する有機膜42とにより、容量素子が形成されている。ソースおよびドレイン電極36と映像信号線191aとは電気的に接続されている。映像信号線191bは隣接する画素の映像信号線である。ゲート電極34と走査信号線192とは電気的に接続されている。第1の電極(Txa)522は、表示パネル500に画像を表示するとき、表示領域504に含まれるすべての画素120に共通の電圧を供給する役割を有する。画素電極52と、第1の電極(Txa)522の、それぞれに電圧を印加することで、画素電極52と、第1の電極(Txa)522に電界が生じ、液晶層60に含まれる液晶素子が制御され、表示パネル500は画像を表示することができる。なお、
図8は、U字型の形状を有する半導体膜32がゲート電極34と交差する態様を示すが、本発明はこれに限定されない。トランジスタ190を形成する半導体膜32の形状はL字型、I字型等各種の形状を適用することができる。また、トランジスタ190の構造は、ダブルゲート構造に限定されず、シングルゲート構造であっても良いし、ソースおよびまたはドレイン間に2つ以上のチャネルが直列又は並列に配列するようにゲート電極が備えられたマルチゲート構造であってもよい。また、トランジスタ190において、半導体膜32は、例えば、ポリシリコン、モルファスシリコン又は酸化物半導体によって形成される。さらに、
図7においては、トランジスタ190の構造が、トップゲート型を適用した例を示したが、ボトムゲート型を適用してもよい。仕様や用途に応じて、本発明の一実施形態を逸脱しない範囲において、適宜検討すればよい。
【0048】
本明細書中においては、タッチ検出のとき、第1の電極(Txa)522は、近接センサの電極の一つである。
【0049】
図9は、本発明の一実施形態に係る表示パネルの模式的な断面図であり、
図8に示した画素のB1とB2とによって示される領域の断面を含む。
図9を用いて、表示パネル570の作製方法を説明する。なお、本発明の表示パネル570の作製方法は、一例であって、ここで説明する作製方法に限定されない。また、本発明の表示パネル570の作製方法は、表示パネルの作製において一般的に用いられるフォトリソグラフィー技術を利用することを例に説明されるが、表示パネルの作製方法であれば、フォトリソグラフィー技術に限らず、本発明の技術分野で通常使用される方法であれば採用することができる。
【0050】
はじめに、TFTアレイ層30が、基板20の上に形成される。TFTアレイ層30は、下地膜106、半導体膜32、ゲート絶縁膜33、ゲート電極34、層間膜35、ソースおよびドレイン電極36及び38、第1開口部39a及び39b、及び平坦化膜31を含む。TFTアレイ層30に、トランジスタ190、及び容量素子が形成されている。
【0051】
平坦化膜31は、平坦化膜31よりも下の層の膜、配線、トランジスタなどを形成した際の凹凸を緩和する。よって、平坦化膜31以降に形成される膜やパターンは平坦な面の上に形成することができる。
【0052】
TFTアレイ層30の形成方法、トランジスタ190及び容量素子の構造、それぞれの膜、層、及び各部材は、本発明の技術分野で通常使用されている方法、部材を採用することができる。例えば、平坦化膜31を形成する材料は、ポリイミド系やアクリル系の樹脂を用いることができる。ポリイミド系やアクリル系の樹脂を用いることで、光を十分に透過することができる。
【0053】
平坦化膜31の上に、共通電極層40を形成する。共通電極層40は、第1の電極(Txa)522、及び有機膜42から構成される。各電極を形成した後に、有機膜42が各電極を覆うように塗布される。有機膜42が各電極を覆うように塗布されることで、それぞれの電極がお互いに接触し導通することがないようにすることができる。有機膜42は、有機膜42よりも下の層の膜、配線、トランジスタなどを形成した際の凹凸を緩和する。よって、有機膜42以降に形成される膜やパターンは平坦な面の上に形成することができる。第1の電極(Txa)522を形成する材料は、透光性を有し、かつ、導電性を有することが好ましい。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などを用いることができる。また、有機膜42を形成する材料は、平坦化膜31を形成する材料と同様の材料を用いることができる。
【0054】
次に、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520と第1の接続配線45を電気的に接続するための有機膜42を開口する第3開口部46(
図6に図示)を形成する。
【0055】
次に、有機膜42の上に、接続配線層48を形成する。接続配線層48は、第1の接続配線45、及び有機膜42から構成される。有機膜42の上に第1の接続配線45を形成した後に、第1の接続配線45、有機膜42、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520を貫通する開口部を形成する。有機絶縁膜47が第1の接続配線45と当該開口部を覆うように塗布される。第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520を形成する材料は、透光性を有し、かつ、導電性を有することが好ましい。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などを用いることができる。なお、Al、Ti、Wなどの導電性金属材料の薄い膜を用いてもよい。また、有機絶縁膜47を形成する材料は、有機膜42及び平坦化膜31を形成する材料と同様の材料を用いることができる。
【0056】
次に、画素電極52と、ソースおよびドレイン電極38とを電気的に接続するための、第2開口部194を形成する。第2開口部194は、有機絶縁膜47を開口する。第2開口部194は、例えば、フッ素含有炭化水素を含むガス中でプラズマエッチングを行うことで形成することができる。
【0057】
続いて、画素電極52を形成した後に、第1の配向膜50が画素電極52を覆うように塗布される。第1の配向膜50は、水平配向性を示す材料によって形成され、基板20が液晶層60に対向する面に配置される。第1の配向膜が各画素電極を覆うように塗布されることで、それぞれの画素の画素電極がお互いに接触し導通することがないようにすることができる。画素電極52は、画素のソースおよびドレイン電極38と接続され、画像信号に相当する電圧が印加され、液晶層60が有する液晶素子を駆動する役割を有する。画素電極52を形成する材料は、例えば、第1の電極(Txa)522を形成する材料と同様の材料を用いることができる。また、第1の配向膜50を形成する材料は、例えば、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。
【0058】
以上のような製造方法により、所謂、TFTアレイ側の基板を作製することができる。
【0059】
引き続き、所謂、対向側の基板の作製方法を説明する。対向側の基板は、対向基板90、カラーフィルタ層80、第2の配向膜70、第1のタッチ電極層100及び基板110を有する。対向基板90の上に、カラーフィルタ層80形成したのちに、第2の配向膜70を塗布する。第2の配向膜70を形成する材料は、例えば、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。また、カラーフィルタ層80の形成の順番は適宜選択すればよい。例えば、赤色カラーフィルタを形成し、緑色カラーフィルタ層を形成し、青色カラーフィルタ層を形成してもよい。カラーフィルタ層は塗布により全面に塗られた後に、フォトマスクを用いて、フォトリソグラフィー技術により形成してもよい。なお、形成方法はこの方法に限定されない。第1のタッチ電極層100は、第2のタッチ電極527を構成する第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528、第3の電極(Rx)524A、第3の電極(Rx)524B、及び各電極を覆う絶縁膜から構成される。対向基板90において、カラーフィルタ層80が配置された面とは反対側の面に、第2のタッチ電極527を構成する第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bが配置されている。当該絶縁膜は、有機樹脂を材料とする膜でもよいし、接着剤を含む膜でもよい。例えば、平坦化膜31と同様に形成し、同様の材料を用いることができる。また、第2のタッチ電極527を構成する第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bは、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520を形成する材料を用いて形成することができる。さらに、当該絶縁膜の上に基板110を配置することで、表示パネル、特にタッチ電極層が損傷することを防止することができる。第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528は、第3の電極(Rx)524Aとともに、相互容量方式の近接センサとして、手をかざしたときの検出を行うことができる。
【0060】
図9においては、対向基板90の上に、直接、カラーフィルタ層80を形成する例を示しているが、例えば、対向基板90の上に、絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜を形成することで、対向基板90の表面を平坦にすることができるため、その上に形成されるカラーフィルタ層80を平坦にすることができ、隣接する画素同士の混色を抑制することができる。また、対向基板90の上、或いは、カラーフィルタ層80と第2の配向膜70との間に、遮光膜が形成された層があってもよい。遮光膜が形成された層は、可視光を遮断する役割を有し、また、隣接する画素同士の混色を抑制することもできる。
【0061】
以上のような製造方法により、対向側の基板を作製することができる。
【0062】
最後に、TFTアレイ側の基板と対向側の基板とを、例えば、シール材などを用いて、液晶層60を間に挟んで、張り合わせる。さらに、偏光板を基板20と対向基板90の一方あるいは両方に貼り合わせてもよい。このようにして、表示パネル500を製造することができる。
【0063】
図10は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
図1と比較して、回路基板400を詳細にしていることと、回路基板400と各電極の電気的な接続を明確にしたこととが異なる。
図10において、
図1と同様な内容は、説明を省略する。
図11は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
図10及び
図11を用いてタッチ検出について説明する。なお、理解の促進のため、回路基板410、コネクタ512、コネクタ513及びコネクタ514は図示を省略している。また、配線530、配線532、及び配線534は、対向基板90に形成された第2の接続配線310、コネクタ513、回路基板410、コネクタ514、及び回路基板400が電気的に接続された経路を、理解の促進のため、一つの配線として示している。
【0064】
回路基板400は、増幅回路18を含む。増幅回路18は、タイミング生成回路部16と電気的に接続される。また、増幅回路18の一方は、第1の電極(Txa)522に電気的に接続され、増幅回路18のもう一方は、第2の電極(Txb)520に電気的に接続される。タッチ検出のときは、タイミング生成回路部16から一方の増幅回路18に所定の信号が入力され、増幅された所定の信号(Txas)が配線532を介して一方の増幅回路18から出力され、第1の電極(Txa)522に入力される。また、タッチ検出のときは、タイミング生成回路部16からもう一方の増幅回路18に所定の信号と異なる信号が入力され、増幅された所定の信号と異なる信号(Txbs)が配線530を介してもう一方の増幅回路18から出力され、第2の電極(Txb)520に入力される。なお、当該所定の信号と異なる信号は、所定の信号とは位相が異なっていてもよく、具体的には、所定の信号とは位相が逆であってもよい。表示装置670はタッチされていないとき、第3の電極(Rx)524Bには、配線534を介して、
図11のRxの第1の状態に示すような信号(Rxs1)が検出される。次に、表示装置670に指が近接してタッチされているとき、例えば、第2の電極(Txb)520と第3の電極(Rx)524Bを介して寄生容量538の容量値が変化し、第3の電極(Rx)524Bには、
図11のRxの第2の状態に示すような信号(Rxs2)が検出される。Rxs2はRxs1と比較して、電圧振幅が小さくなっている。次に、表示装置670に近接して手がかざされているとき、例えば、第1の電極(Txa)522と第3の電極(Rx)524Bを介して、第3の電極(Rx)524Bには、
図11のRxの第3の状態に示すような信号(Rxs3)が検出される。Rxs3はRxs2と比較して、電圧振幅が小さくなっている。なお、所定の信号の電圧振幅、及び所定の信号とは異なる信号の電圧振幅は、本発明に係る構成を逸脱しない範囲において、適宜選択すればよい。例えば、各信号の電圧振幅は、8Vであってもよいし、10Vであってもよい。例えば、検出された信号Rxs1は、信号検出回路部10に含まれる演算増幅回路12によって増幅されてもよい。検出された信号Rxs1は演算増幅回路12によって増幅されることで、信号の波形が明確になり、検出感度が向上する。さらに、検出された信号Rxs1は、演算増幅回路12によって増幅された後に、AD変換回路14によって、デジタル信号に変換されてもよい。検出された信号Rxs1が、アナログ信号からデジタル信号に変換されることで、デジタル信号はアナログ信号のように劣化することがないため、信号の処理を安定して行うことができる。
【0065】
図10に示されるように、第2の電極(Txb)520の面積は、第1の電極(Txa)522の面積よりも大きい。第1の電極(Txa)522の面積は、第2の電極(Txb)520の面積よりも小さい。
【0066】
図11において、Ttはタッチ検出の期間である。また、Tdpは、表示装置600に映像信号が入力され表示パネル500に画像データが書き込まれている期間である。Tdpでは、増幅された所定の信号(Txas)、及び増幅された所定の信号と異なる信号(Txbs)は、共通の定電圧が印加される。例えば、0Vのコモン電圧が印加される。
【0067】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、第1の電極(Txa)の電界を手が受けて、第1の電極(Txa)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されるため、手をかざした位置を検出することができる。また、演算増幅回路を有することで、タッチ検出の波形を明確にすることができるため、精度の高いタッチ検出を実現することができる。
【0068】
(第2実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタイミングチャートを説明する。なお、第1実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0069】
図12は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
図11においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号とは異なる信号(Txbs)との電圧振幅は同じである例を示したが、
図12においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号とは異なる信号(Txbs)との電圧振幅が異なる例を示している。それ以外は
図11と同様であり、説明は省略する。
【0070】
図13は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
図13においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号とは異なる信号(Txbs)とは、パルス幅が異なる例を示している。例えば、Ttを単位時間とした場合、所定の信号(Txas)は1周期であるのに対し、所定の信号とは異なる信号(Txbs)は2周期である。また、
図13においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号とは異なる信号(Txbs)とは、パルス幅が異なり、かつ、電圧振幅が異なる例を示している。それ以外は
図11と同様であり、説明は省略する。
【0071】
図14は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
図14においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号(Txbs)とは、同相である例を示している。また、
図14においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号(Txbs)とは、同相であって、所定の信号(Txas)の電圧振幅よりも、所定の信号(Txbs)の電圧振幅の方が小さい例を示している。それ以外は
図11と同様であり、説明は省略する。なお、所定の信号(Txas)、と所定の信号(Txbs)とが、同相である場合、第2の電極(Txb)520の面積は第1の電極(Txa)522の面積よりも大きい。または、第1の電極(Txa)522の面積は第2の電極(Txb)520の面積よりも小さい。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のタッチ検出を説明するためのタイミングチャートである。
図15においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号と異なる信号(Txbs)とは、パルス幅が異なる例を示している。例えば、Ttを単位時間とした場合、所定の信号(Txas)は1周期であるのに対し、所定の信号と異なる信号(Txbs)は2周期である。また、
図15においては、所定の信号(Txas)、と所定の信号と異なる信号(Txbs)とは、パルス幅が異なり、かつ、電圧振幅が異なる例を示している。それ以外は
図11と同様であり、説明は省略する。なお、所定の信号(Txas)、と所定の信号と異なる信号(Txbs)とが、同相である場合、第2の電極(Txb)520の面積は第1の電極(Txa)522の面積よりも大きい。または、第1の電極(Txa)522の面積は第2の電極(Txb)520の面積よりも小さい方が好ましい。
【0073】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、また、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅が、第1の電極(Txa)に入力される信号の電圧振幅より小さくても、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されることができるため、手をかざした位置検出することができる。また、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅が、第1の電極(Txa)に入力される信号の電圧振幅より小さいことから、第3の電極(Rx)に伝達される所定の信号の振幅は相対的な強度が大きくなるため、ノイズに強く、タッチ検出精度が高い近接センサ及び表示装置を提供することができる。
【0074】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、また、第1の電極(Txa)に入力される信号のパルス幅と、第2の電極(Txb)に入力される信号のパルス幅とが異なっていても、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されることができるため、手をかざした位置を検出することができる。また、第1の電極(Txa)に入力される信号のパルス幅と、第2の電極(Txb)に入力される信号のパルス幅とが異なることで、時間方向を利用して、出力の感度を向上させることができるため、各信号の電圧振幅が小さくても、手をかざした位置、すなわち、タッチの位置を検出することができる。
【0075】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、第2の電極(Txb)の面積を第1の電極(Txa)の面積よりも大きくすることで、第1の電極(Txa)に入力される信号と、第2の電極(Txb)に入力される信号の位相が同相であったとしても、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されることができるため、手をかざした位置を検出することができる。また、第1の電極(Txa)に入力される信号と、第2の電極(Txb)に入力される信号の位相が同相であることによって、タイミング生成回路部が、異なる位相の信号を生成する必要がないため、タイミング生成回路部の回路規模を小さくすることができる。
【0076】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、第2の電極(Txb)の面積を第1の電極(Txa)の面積よりも大きくすることで、第1の電極(Txa)に入力される信号と、第2の電極(Txb)に入力される信号の位相が同相であり、かつ、第1の電極(Txa)に入力される信号のパルス幅と、第2の電極(Txb)に入力される信号のパルス幅とが異なることで、時間方向を利用して、出力の感度を向上させることができるため、各信号の電圧振幅が小さくても、手をかざした位置を検出することができる。
【0077】
(第3実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0078】
図16、
図17及び
図18は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を示す模式的な平面図である。
【0079】
図16は、
図1の構成とは、複数の第1のタッチ電極521は、一つ一つの第1のタッチ電極が3つの電極から構成されている点が異なる。
図16は、それ以外は
図1と同じであり、
図1と同様の説明は省略する。
【0080】
図17は、
図2の構成とは、複数の第1のタッチ電極521は、一つ一つの第1のタッチ電極が3つの電極から構成されている点が異なる。
図17は、それ以外は
図2と同じであり、
図2と同様の説明は省略する。
【0081】
【0082】
図19は、複数の第1のタッチ電極521において、一つ一つの第1のタッチ電極が3つの電極から構成されていることを示している。理解の促進のため、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置においては、複数の第1のタッチ電極521は16個である例を説明する。
図19は、16個の第1のタッチ電極を行、3つの電極を1列から3列の電極と見立てて、各電極をn行m列で示し、各電極の座標を(n,m)で表している。例えば、
図19のほぼ中央に位置する9行2列の電極は、座標(9、2)で示しされる。第1の接続配線45を用いることで、分割したタッチ電極のそれぞれに独立に信号を印加することができるため、タッチ検出する位置の精度を向上させることができる。
【0083】
例えば、(1、1)の電極と、(1,2)の電極と(1、3)の電極とにおいて、それぞれが接続された第1の接続配線45を、コネクタ512の外部で電気的に接続する。各行の電極も同様にして電気的に接続することで、
図1に示す複数の第1のタッチ電極521の構成を実現することができる。なお、コネクタ512の外部で電気的に接続する方法は、スイッチを設けることで、各配線の導通または非導通を制御してもよい。また、基板502に、トランジスタを形成すると同時に、スイッチも形成し、形成したスイッチを制御回路(図示せず)を用いて制御してもよい。当該制御回路は、基板502に形成してもよいし、コネクタ512の外部に設けて、制御回路が生成した制御信号によりスイッチを制御する構成としてもよい。
【0084】
他の例として、2列目の電極において、2行から15行までの電極を電気的に接続し、面積が大きな第2の電極(Txb)520を形成する。1列目の電極の全てと、3列目の電極の全てと、1行2列の電極と、16行2列の電極とを電気的に接続することで、面積が大きな第1の電極(Txa)522を形成する。
図20に示すような、第1の電極(Txa)522が第2の電極(Txb)520を囲む構成の表示装置を実現することができる。第2の電極(Txb)520の面積が、第1の電極(Txa)522の面積よりも大きいことにより、第3の電極(Rx)に伝達される信号の検出感度を向上させることができるため、タッチ検出の感度が高い表示装置を提供することができる。
【0085】
さらに他の例として、2列目の電極において、2行から15行までの電極を電気的に接続し、さらに、1行1列の電極と、1行3列の電極と、16行1列の電極と、16行3列の電極とを電気的に接続し、面積が大きな第2の電極(Txb)520を形成する。1列目の2行から15行までの電極を電気的に接続し、表示装置の画像が表示される面を上にした場合の表示装置の左側の第1の電極(Txa)522を形成する。3列目の2行から15行までの電極を電気的に接続し、表示装置の画像が表示される面を上にした場合の表示装置の右側の第1の電極(Txa)522を形成する。1行2列の電極により、表示装置の画像が表示される面を上にした場合の表示装置の下側の第1の電極(Txa)522を形成する。16行2列の電極により、表示装置の画像が表示される面を上にした場合の表示装置の上側の第1の電極(Txa)522を形成する。
図21に示すような、表示装置を実現することができる。表示装置の画像が表示される面を上にした場合の表示装置の上下左右に第1の電極(Txa)522を設けることで、上下左右、あるいは斜め方向から手をかざしたときの検出の感度が高い表示装置を提供することができる。
【0086】
図22及び
図23は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置の別の構成を示す模式的な断面図である。
図22は、
図16に示したF1とF2とによって示される領域の断面を示している。
図23は、
図16に示したG1とG2とによって示される領域の断面を示している。
【0087】
図22は、
図4の構成とは、第1のタッチ電極521が分割されている点が異なる。
図22は、それ以外は
図4と同じであり、説明は省略する。
【0088】
図23は、
図5の構成と同じであり、説明は省略する。
【0089】
図24は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらに別の構成を示す模式的な平面図である。なお、
図24の断面は、
図22及び
図23と同じであり説明は省略する。
【0090】
図24の構成を
図19を用いて説明する。
図19において、1行から8行までの電極を電気的に接続し、第1の電極(Txa)522または第2の電極(Txb)520の一方を形成する。9行から16行までの電極を電気的に接続し、第1の電極(Txa)522または第2の電極(Txb)520の他方を形成する。こうすることで、第1の電極(Txa)522と、第2の電極(Txb)520との面積が略同等の表示装置660を実現することができる。
【0091】
図24において、非接触型センシングは、例えば、
図11に示すタイミングチャートを用いることができる。すなわち、手が表示パネル560にかざされるとき、例えば、複数の第1のタッチ電極521の内、半分の数の第1の電極(Txa)522に所定の信号を入力し、残りの半分の数の第2の電極(Txb)520に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)520の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)520と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)524Bで形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)524Bに所定の信号が伝達される。
【0092】
検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態において、第1の電極(Txa)522の面積と、第2の電極(Txb)520の面積とが同等な場合においても、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。なお、第1の電極(Txa)522と第2の電極(Txb)520とをタッチ検出に用いる場合、第3の電極(Rx)524Bが用いられ、第3の電極(Rx)524Aは用いられない。
【0093】
同様にして、複数の第2のタッチ電極527の内、半分の数の第1の電極(Txa)529に所定の信号を入力し、残りの半分の数の第2の電極(Txb)528に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)528の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)528と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)524Aで形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)524Aに所定の信号が伝達される。
【0094】
検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態において、第1の電極(Txa)529の面積と、第2の電極(Txb)528の面積とが同等な場合においても、第1の電極(Txa)529、第2の電極(Txb)528、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。なお、第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528とをタッチ検出に用いる場合、第3の電極(Rx)524Aが用いられ、第3の電極(Rx)524Bは用いられない。
【0095】
また、第1の電極(Txa)の面積と、第2の電極(Txb)の面積とが同等な場合においては、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅が、第1の電極(Txa)に入力される信号の電圧振幅よりも大きいことが好ましい。第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅が、第1の電極(Txa)に入力される信号の電圧振幅よりも大きいことによって、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅が第1の電極(Txa)に入力される信号の電圧振幅と同等、或いは小さい場合よりも、タッチ検出の感度が高い表示装置を提供することができる。
【0096】
なお、
図24において、非接触型センシングは、例えば、
図15に示すタイミングチャートを用いてもよい。すなわち、所定の信号(Txas)、と所定の信号(Txbs)とは、パルス幅が異なっていてもよい。例えば、Ttを単位時間とした場合、所定の信号(Txas)は1周期であるのに対し、所定の信号(Txbs)は2周期である。また、所定の信号(Txas)、と所定の信号(Txbs)とは、パルス幅が異なり、かつ、電圧振幅が異なっていてもよい。
【0097】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であって、第1の電極(Txa)の面積と、第2の電極(Txb)の面積とが同等であっても、また、第1の電極(Txa)に入力される信号のパルス幅と、第2の電極(Txb)に入力される信号のパルス幅とが異なっていても、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されるため、手をかざした位置を検出することができる。
【0098】
また、第1の電極(Txa)に入力される信号のパルス幅と、第2の電極(Txb)に入力される信号のパルス幅とが異なることで、時間方向を利用して、出力の感度を向上させることができるため、各信号の電圧振幅が小さくても、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。
【0099】
なお、第1の電極(Txa)の面積と、第2の電極(Txb)の面積とは、必ずしも同等である必要はない。例えば、第2の電極(Txb)の面積と第1の電極(Txa)の面積は、6対4であってもよいし、7対3であってもよい。第1の電極(Txa)の面積と、第2の電極(Txb)の面積とが異なる場合は、第2の電極(Txb)の面積が第1の電極(Txa)の面積よりも大きい方が好ましい。
【0100】
また、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅は第1の電極(Txa)のに入力される信号の電圧振幅よりも大きいことが好ましい。第2の電極(Txb)の面積が第1の電極(Txa)の面積よりも大きいこと、或いは、第2の電極(Txb)に入力される信号の電圧振幅は第1の電極(Txa)のに入力される信号の電圧振幅よりも大きいことにより、第3の電極(Rx)に伝達される信号の検出感度を向上させることができるため、タッチ検出の感度が高い表示装置を提供することができる。
【0101】
(第4実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらに別の構成を説明する。なお、第1実施形態乃至第3実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0102】
図25は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらに別の構成の例を示す模式的な平面図である。
図26は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらに別の構成の例の模式的な断面図であり、
図25のC1とC2とによって示される領域の断面を示している。
図25は、
図16で示した構成において、分割されている電極を電気的に接続することで実現することができる
図21を、さらに、第1の電極(Txa)522が第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bと表示パネル550の端部との間に配置され、かつ、第3の電極(Rx)524A及び第3の電極(Rx)524Bと第2の電極(Txb)520との間には第4の電極526が配置されるようにしている。
図25においては、それ以外は
図16と同様であるから、
図16で説明した内容と同様の内容は説明を省略する。なお、理解の促進のため、
図16における、複数の第2のタッチ電極527は図示を省略している。
【0103】
第4の電極526は、例えば0Vの定電圧が印加される。第2の電極(Txb)520と第3の電極(Rx)524との間に第4の電極526が配置され、第4の電極526に定電圧が印加されることで、第2の電極(Txb)520と第3の電極(Rx)524との間に発生する電界を遮蔽することができる。すなわち、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、第2の電極(Txb)の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達される。検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態において、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、及び第3の電極(Rx)524を相互容量方式の近接センサとして用いることで、手をかざした位置を検出することができる。
【0104】
(第5実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を説明する。なお、第1実施形態乃至第4実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0105】
図27は本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらにまた別の構成の例を示す模式的な平面図である。
図28及び
図29は、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のさらにまた別の構成の模式的な断面図である。
図27のH1とH2とによって示される領域の断面を
図28に、
図27のJ1とJ2とによって示される領域の断面を
図29に、それぞれ示している。
【0106】
図27によると、表示装置680は、表示パネル580、回路基板400、及びコネクタ512から構成される。回路基板400、及びコネクタ512は
図1で説明しているため、ここでの説明は省略する。表示パネル580は、上面視において左右方向と平行に複数配置されている第1のタッチ電極541、上面視において上下方向と平行に複数配置されている第2のタッチ電極547、第3の電極(Rx)524A及び524B、基板502、表示領域504、映像信号線駆動回路506、走査信号線駆動回路508及び510を含む。第1のタッチ電極541は、第1の電極(Txa)542、及び第2の電極(Txb)540から構成され、第2のタッチ電極547は、第1の電極(Txa)549、及び第2の電極(Txb)548から構成される。
【0107】
図27では、通常の接触型センシングは、指を表示パネル580に接触したとき、例えば、複数の第1のタッチ電極541の、上面視における上の電極から順番に、時系列にパルス信号を印加し、指が表示パネル580に接触した位置のパルス信号の変化を複数の第2のタッチ電極547のいずれかの電極で、検出する。こうして、接触状態において、タッチ検出を行うことができる。
【0108】
図27では、非接触型センシングは、例えば、
図10や
図15に示すタイミングチャートを用いることができる。
【0109】
図27に示す第1のタッチ電極541、及び第2のタッチ電極547は、
図9で示した第2の電極(Txb)520のように、透光性を有し、かつ、導電性を有することが好ましい。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などを用いて形成することができる。タッチ検出は、第1のタッチ電極541と、及び第2のタッチ電極547とが交差している部分で行われる。
【0110】
図28及び
図29を用いて、
図27に示す表示パネル580の断面を説明する。
図28及び
図29は、それぞれ
図4及び
図5と比較して、接続配線層48を用いず、第2のタッチ電極層130が追加されている点が異なる。
図4及び
図5と同様な内容は説明を省略する。第2のタッチ電極層130は、第1の電極(Txa)549、第2の電極(Txb)548、及び各電極を覆う絶縁膜から構成される。当該絶縁膜は、有機樹脂を材料とする膜でもよいし、接着剤を含む膜でもよい。例えば、
図9において説明した、平坦化膜31と同様に形成し、同様の材料を用いることができる。
【0111】
(第6実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を示す模式的な平面図である。なお、第1実施形態乃至第5実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0112】
図30は、本発明の一実施形態に係る表示装置600の構成を示す模式的な平面図である。
図30は、
図16で示した構成において、分割されている電極を電気的に接続することで実現することができる
図21を、電極を分割することなく実現した構成である。それ以外の構成は、
図16及び
図21と同様であるから説明は省略する。なお、本実施形態においては、
図16で示した第2のタッチ電極527を設けない例を示す。
【0113】
表示パネル500は、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、第3の電極(Rx)524を有する。第1の電極(Txa)522の面積は、第2の電極(Txb)520、及び第3の電極(Rx)524の面積よりも大きい。
【0114】
図31は、
図30に示したA1とA2とによって示される領域の断面を示している。
図4と同様の説明については、説明を省略する。表示パネル500は、基板20、TFTアレイ層30、共通電極層40、第1の配向膜50、液晶層60、第2の配向膜70、カラーフィルタ層80、対向基板90、第1のタッチ電極層100、及び基板110を含む。なお、基板20は
図2において示した基板502と同じである。画素120が有する画素電極52は、共通電極層40と、第1の配向膜50との間に備えられる。対向基板90において、カラーフィルタ層80が配置された面の裏面に、第3の電極(Rx)524が配置されている。
【0115】
画像を表示パネル500に表示するとき、共通電極層40に含まれる第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520に、例えば0Vの共通電圧を印加し、画素電極52に印可された電圧とから、液晶層60に含まれる液晶素子を制御する。このとき、第3の電極(Rx)524にも0Vの共通電圧を印加してもよい。
【0116】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第1の電極(Txa)、第2の電極(Txb)、及び第3の電極(Rx)を相互容量方式の近接センサとして用い、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であっても、第1の電極(Txa)の電界を手が受けて、第1の電極(Txa)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されるため、手をかざした位置を検出することができる。
【0117】
(第7実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置のもう一つの構成を示す模式的な平面図である。なお、第1実施形態乃至第6実施形態と同様の構成に関しては説明を省略することがある。
【0118】
図32は、本発明の一実施形態に係る表示装置690の構成を示す模式的な平面図である。
図32は、
図16で示した構成において、分割されている電極を電気的に接続することで実現することができる
図20を、電極を分割することなく実現した構成である。それ以外の構成は、
図16及び
図20と同様であるから説明は省略する。なお、
図33は、
図16で示した第2のタッチ電極527を設けない例を示す。また、
図36は、
図16で示した第2のタッチ電極527を設ける例を示す。
【0119】
表示パネル590は、第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、第3の電極(Rx)524を有する。第1の電極(Txa)522の面積は、第2の電極(Txb)520、及び第3の電極(Rx)524の面積よりも大きい。
【0120】
図33は、
図32に示したA1とA2とによって示される領域の断面を示している。
図33は、
図4及び
図22の構成とは、共通電極層40と接続配線層48との積層が異なっている。また、
図16で示した第2のタッチ電極527を設けない。具体的には、
図33においては、接続配線層48は共通電極層40よりも基板20に近く、共通電極層40は接続配線層48の上に積層されている。本実施形態においては、第3開口部46は接続配線層48に含まれるものとする。
図33は、以上説明した以外は
図4及び
図22と同じであり、説明は省略する。基板20は
図2において示した基板502と同じである。画素120が有する画素電極52は、共通電極層40と、第1の配向膜50との間に備えられる。対向基板90において、カラーフィルタ層80が配置された面の裏面に、第3の電極(Rx)524が配置されている。なお、
図33を見やすくするため、画素電極52の櫛状の線状部材のサイズを第1の電極(Txa)522などと比較できるように大きく図示しているが、実際は、画素電極52の櫛状の線状部材のサイズは、第1の電極(Txa)522と比較して非常に小さい。例えば、画素電極52は、
図8に示すように、複数の幅の細い線状部材が3つ接続され、線状部材と線状部材との間はスリット状になっている。当該線状部材の数と、線状部材と線状部材との間のスリットの数とは、
図8に示した例に限定されない。
【0121】
なお、本実施形態における、共通電極層40が接続配線層48の上に積層される構成は、本明細書における実施形態1乃至実施形態4に適用してもよい。
【0122】
図34に、画像を表示パネル590に表示するときの、画素電極52と第2の電極(Txb)520との間の電界によって生じる電気力線を示す。FFSモードでは、画素電極52及び共通電極層40に含まれる第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520の間に形成される横電界(例えば、フリンジ電界のうちの基板の主面にほぼ平行な電界)を主に利用して液晶層60を構成する液晶分子の配向を制御する。例えば、共通電極層40に含まれる第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520に、例えば0Vの共通電圧(コモン電圧)を印加する。第1の電極(Txa)522、及び第2の電極(Txb)520に印可された共通電圧と、画素電極52に印可された電圧とから、液晶層60に含まれる液晶素子を制御する。このとき、第3の電極(Rx)524にも0Vの共通電圧を印加してもよい。
【0123】
図35に、タッチ検出をするときの、第1の電極(Txa)522及び第2の電極(Txb)520と、第3の電極(Rx)524との間に発生する電界によって生じる電気力線を示している。タッチ検出と、新たな画像データを画素に書き込むこととは、同時には行わない。なお、
図35において、非接触型センシングは、例えば、
図11に示すタイミングチャートを用いることができる。すなわち、手が表示パネル590にかざされるとき、例えば、第1の電極(Txa)522に所定の信号を入力し、第2の電極(Txb)520に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)520の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)520と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)524で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)524に所定の信号が伝達される。
【0124】
図36は、
図33の構成に加えて、
図16で示した第2のタッチ電極527を設ける例を示す。第2のタッチ電極527は、第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528とを有する。
図36に示す例においては、本発明の一実施形態における表示パネル590は、第2のタッチ電極527が有する、第1の電極(Txa)529と第2の電極(Txb)528は、第3の電極(Rx)524Aと同様の機能を有する。すなわち、タッチ検出をするときに、人の指などの検出対象が第1の電極(Txa)522又は第2の電極(Txb)520と、第2のタッチ電極527又は第3の電極(Rx)524Aを介して、表示領域504に触れる、又は接近する(以下、触れる場合および接近する場合をまとめてタッチと記す)。こうすることで、第1の電極(Txa)522又は第2の電極(Txb)520と、第2のタッチ電極527又は第3の電極(Rx)524Aにおける寄生容量に加え、当該検出対象と第1の電極(Txa)522、第2の電極(Txb)520、第2のタッチ電極527又は第3の電極(Rx)524Aとの間に生ずる容量が上乗せされる。この変化を読み取ることでタッチの位置が検出される。
【0125】
本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、第2の電極(Txb)が分割されていない。第2の電極(Txb)が第1の電極(Txa)よりも面積が大きく、第2の電極(Txb)が一つの電極である。本発明の一実施形態に係る近接センサ及び表示装置は、検出対象物と近接センサ及び表示装置とが非接触な状態であって、第2の電極(Txb)が大きな面積を有する一つの電極であっても、第1の電極(Txa)に所定の信号を入力し、第2の電極(Txb)に所定の信号とは位相が異なる信号を入力することで、第2の電極(Txb)の電界を手が受けて、第2の電極(Txb)と手で形成される容量と、手と第3の電極(Rx)で形成される容量とを介して、第3の電極(Rx)に所定の信号が伝達されるため、手をかざした位置を検出することができる。
【0126】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
【0127】
本明細書においては、開示例として主に画像処理装置と画像処理装置の画像処理方法とそれらを実装した表示システムを例示したが、画像処理装置が処理した画像データを表示する表示装置は、別の自発光型表示装置、液晶表示装置、あるいは電気泳動素子などを有する電子ペーパ型表示装置など、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
【0128】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる別の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0129】
10・・・信号検出回路部、12・・・演算増幅回路、14・・・AD変換回路、16・・・タイミング生成回路部、18・・・増幅回路、20、110、502・・・基板、22・・・電源回路、24・・・信号供給回路、30・・・TFTアレイ層、31・・・平坦化膜、32・・・半導体膜、33…ゲート絶縁膜、34…ゲート電極、35…層間膜、36、38・・・ソースまたはドレイン電極、39a、39b…第1開口部、40…共通電極層、42・・・有機膜、45・・・第1の接続配線、46・・・第3開口部、47・・・有機絶縁膜、48・・・接続配線層、50・・・第1の配向膜、52・・・画素電極、54・・・有機絶縁膜、60・・・液晶層、70・・・第2の配向膜、80・・・カラーフィルタ層、90・・・対向基板、100・・・第1のタッチ電極層、106・・・下地膜、120・・・画素、130・・・第2のタッチ電極層、190・・・トランジスタ、191a、191b・・・映像信号線、192・・・走査信号線、194・・・第2開口部、310・・・第2の接続配線、400、410・・・回路基板、500、550、560、570、580、590・・・表示パネル、504・・・表示領域、506・・・映像信号線駆動回路、508、510・・・走査信号線駆動回路、512、513、514・・・コネクタ、516・・・端子電極、520、528、540、548・・・第2の電極(Txb)、521、541・・・第1のタッチ電極、522、529、542、549・・・第1の電極(Txa)、524、524A、524B・・・第3の電極(Rx)、526・・・第4の電極、527、547・・・第2のタッチ電極、530、532、534・・・配線、538・・・寄生容量、600、650、660、670、680、690・・・表示装置