(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】木造建築物の補強構造および木造建築物の補強方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/26 20060101AFI20220408BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20220408BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20220408BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
E04B1/26 F
E04H9/02 301
E04G23/02 D
E04B1/58 511L
(21)【出願番号】P 2021184540
(22)【出願日】2021-11-12
【審査請求日】2021-11-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519448588
【氏名又は名称】藤崎 早苗男
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 早苗男
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3180347(JP,U)
【文献】特開2003-184316(JP,A)
【文献】特開2000-345718(JP,A)
【文献】特開2003-239546(JP,A)
【文献】特開2012-031570(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225322(JP,U)
【文献】米国特許第10883263(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/02
E04B 1/26
E04G 23/02
E02D 27/34
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造建築物の基礎に固定される補強用基礎のための鉄筋と、
前記木造建築物の
構造用木材に連結部材を固定する第1のアンカーボルトと、
前記鉄筋
の上部に固定されて配置され
、上面が開放された箱部材と、
前記箱部材に収容され、鉛直方向に変形可能な弾性部材と、
前記連結部材を前記箱部材に固定する第2のアンカーボルト
であって、前記連結部材を前記弾性部材の上方において前記第2のアンカーボルトに対して鉛直方向下方に移動可能に挿通した状態で前記箱部材に挿通された第2のアンカーボルトと、
前記鉄筋および前記第2のアンカーボルトの周囲に充填され前記補強用基礎を形成するセメントと、を有
し、
前記第2のアンカーボルトは、前記箱部材の周囲において前記補強用基礎に固定され、
前記連結部材に鉛直方向下方の力が加わったときに、前記連結部材が前記第2のアンカーボルトに対して鉛直方向下方に移動して前記弾性部材の上面を押圧することで前記弾性部材が前記鉛直方向下方に弾性変形する木造建築物の補強構造。
【請求項2】
請求項1に記載の木造建築物の補強構造であって、
前記弾性部材は、前記鉛直方向に伸縮可能に配置された複数のスプリングであることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1に記載の木造建築物の補強構造であって、
前記連結部材は、前記第1のアンカーボルトにより前記
構造用木材に固定される第1の連結部材と、前記第2のアンカーボルトにより前記箱部材に固定される第2の連結部材とを有し、
前記第1の連結部材と前記第2の連結部材とが連結されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の木造建築物の補強構造であって、
前記第2の連結部材に連結される第3の連結部材をさらに有し、
前記第3の連結部材は、第3のアンカーボルトにより前記箱部材とは異なる箱部材であって前記鉄筋に配置された箱部材に固定され、
前記セメントは前記第3のアンカーボルトの周囲にも充填されることを特徴とする。
【請求項5】
請求項3に記載の木造建築物の補強構造であって、
前記第1の
連結部材および前記第2の
連結部材は、所定の長さを有する板状に形成されたプレート部と、前記プレート部の長手方向に沿って前記プレート部から延出するリブを有し、
前記第1の
連結部材の前記リブが形成されていない面と前記第2の連結部材の前記リブが形成されていない面が接触した状態で連結されていることを特徴とする。
【請求項6】
木造建築物の基礎に、補強用基礎のための鉄筋を固定する工程と、
第1のアンカーボルトにより、前記木造建築物の
構造用木材に連結部材を固定する工程と、
鉛直方向に変形可能な弾性部材を収容し
、上面が開放された箱部材を前記鉄筋
の上部に固定して配置する工程と、
第2のアンカーボルト
を、前記連結部材が前記弾性部材の上方において前記第2のアンカーボルトに対して鉛直方向下方に移動可能に前記連結部材に挿通した状態で、前記箱部材に
挿通する工程と、
前記鉄筋の周囲にセメントを充填することで前記補強用基礎を形成
し、前記第2のアンカーボルトを前記箱部材の周囲において前記補強用基礎に固定する工程
を有し、
前記連結部材に鉛直方向下方の力が加わったときに、前記連結部材が前記第2のアンカーボルトに対して鉛直方向下方に移動して前記弾性部材の上面を押圧することで前記弾性部材が前記鉛直方向下方に弾性変形する木造建築物の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築物の補強構造および補強方法に関する。特に木造軸組工法の建築物の耐震性強度を向上させるための補強構造および補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地震等で木造建築物に強い荷重が加わることにより、木造建築物が損傷したり倒壊したりという事故が発生する。2016年の熊本地震において被害の激しい地域では、1981年の新耐震基準に適合した建築物であっても、多くの木造建築物が倒壊した。倒壊した建築物においては、柱、桁、梁、土台、基礎等の接合部が分離もしくは破壊してしまう例が多く見られた。耐震性向上のためには、接合部を強固に固定するための補強構造が必要である。なお、桁行き方向の力に対する補強構造は従来よりタンバックル等の構造が存在するが、梁方向の力に対する補強構造は稀であった。
【0003】
本願発明者は、上記のような事情を鑑み、特許文献1に開示される木造建築物の補強構造を開発した。上記補強構造においては、接着剤を用いて複数のアンカーボルトを木造建築物に固定し、その複数のアンカーボルトに補強板を連結することによって、木造建築物の接合部を強固に補強している。アンカーボルトを用いることで、補強板を基礎や木材に強固に固定することができる。また、本願発明者は、木造枠組壁工法の木造建築物の補強構造として、特許文献2の補強構造を開発した。上記補強構造においては、二階の床付近の木材とコンクリート製の基礎とを補強部材を介して固定している。これにより、木材と基礎とを引き離す方向に加わる力に対する強度を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3225322号公報
【文献】米国特許第10883263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、補強板の大きさに限界があり、比較的近接する部材間を連結するに留まっていた。特許文献2では、木材と基礎との間に配設された補強部材は木材および基礎に対して完全に固定された状態であるため、補強部材からの力が全て木材と基礎に伝達される構造であった。そのような力を木材と基礎のみで受ける必要があるため、木材と基礎に加わる力が大きいという問題があった。
【0006】
本発明は、木造建築物の基礎と桁等の木材とを連結部材で連結し、既存の基礎と連結部材との間に補強用基礎を形成することで、補強部材からの力を補強用基礎でも受けるとともに、補強部材と補強部材の間に弾性部材を配置することで、木材、基礎、補強用基礎に伝達される力を低減して耐震性をさらに向上することができる補強構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、木造建築物の基礎に固定される補強用基礎のための鉄筋と、前記木造建築物の木材に連結部材を固定する第1のアンカーボルトと、前記鉄筋に配置される箱部材と、前記箱部材に収容され、鉛直方向に変形可能な弾性部材と、前記連結部材を前記箱部材に固定する第2のアンカーボルトと、前記鉄筋および前記第2のアンカーボルトの周囲に充填され前記補強用基礎を形成するセメントとを有する木造建築物の補強構造を提供する。
上記のように構成された補強構造では、木造建築物の基礎と桁等の木材との間に連結部材が連結されることで、基礎と木材とを引き離す方向に力が働いても両者が分離することを抑制することができる。基礎には鉄筋が固定され、木材には連結部材に固定された第1のアンカーボルトが固定される。また、基礎に固定された鉄筋と連結部材に固定された第2のアンカーボルトの周囲にはセメントが充填され、既存の基礎に加えて補強用基礎が形成される。これにより、地震等により発生する力に対して木造建築物の安定性を大幅に向上することができる。また、鉛直方向に変形可能な弾性部材を補強用基礎と連結部材の間に配置することにより、木造建築物や補強用基礎に働く鉛直方向の力を弾性部材によって吸収することができ、耐震性をさらに向上することができる。
【0008】
前記構成において、前記弾性部材は、前記鉛直方向に伸縮可能に配置された複数のスプリングである構成としてもよい。
上記のように構成された補強構造では、木造建築物や補強用基礎に働く鉛直方向の力を複数のスプリングにより吸収することができる。箱部材に複数のスプリングを配置することで弾性部材を形成できるため、弾性力の調整が容易であるとともに施工性を向上させることが可能である。
【0009】
前記構成において、前記連結部材は、前記第1のアンカーボルトにより前記木材に固定される第1の連結部材と、前記第2のアンカーボルトにより前記箱部材に固定される第2の連結部材とを有し、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材とが連結される構成としてもよい。
上記のように構成された補強構造では、連結部材が第1の連結部材と第2の連結部材の2つに分割される。これにより、第1の連結部材を木造建築物の桁等の木材に固定し、第2の連結部材を補強用基礎の箱部材に固定すればよい。これにより、施工性を向上させることが可能であるとともに、様々な外観形状の木造建築物に対して適用することができる。
【0010】
前記構成において、前記第2の連結部材に連結される第3の連結部材をさらに有し、前記第3の連結部材は、第3のアンカーボルトにより前記箱部材とは異なる箱部材であって前記鉄筋に配置された箱部材に固定され、前記セメントは前記第3のアンカーボルトの周囲にも充填される構成としてもよい。
上記のように構成された補強構造では、第2の連結部材と第3の連結部材とがそれぞれ箱部材を介して補強用基礎に固定される。よって、補強用基礎と連結部材との連結がより強固となり、耐震性をさらに向上させることができる。
【0011】
前記構成において、前記第1の連結部材および前記第2の連結部材は、所定の長さを有する板状に形成されたプレート部と、前記プレート部の長手方向に沿って前記プレート部から延出するリブを有し、前記第1の連結部材の前記リブが形成されていない面と前記第2の連結部材の前記リブが形成されていない面が接触した状態で連結されている構成としてもよい。
上記のように構成された補強構造では、連結部材にリブが形成されることで連結部材の強度が向上するとともに、リブが形成されていない面同士が接触した状態で固定することで施工性が損なわれることもない。
【0012】
前記木造建築物の補強構造を補強方法として実施することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、既存の基礎に加えて補強用基礎を形成するとともに、既存の基礎と桁等の木材との間に補強用基礎、連結部材、弾性部材を配置することで、より耐震性の高い補強構造を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】木造建築物に本発明の補強構造を装着した状態を示す側面図である。
【
図2】木造建築物に本発明の補強構造を装着した状態を示す正面図である。
【
図3】木造建築物に本発明の補強構造を装着した状態を示す一部を断面で示した平面図である。
【
図4】木造建築物の桁付近を拡大し一部を断面で示した側面図である。
【
図5】木造建築物の桁付近を拡大した正面図である。
【
図7】
図3のA-A線の位置における本発明の補強構造の断面図である。
【
図8】
図3のB-B線の位置における本発明の補強構造の断面図である。
【
図9】スプリングボックスにスプリングが配置された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、一例として示す図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1~
図3は、既存の木造建築物1の基礎2と桁3、下柱4、上柱5の木材に本発明の補強構造を装着した状態を示す図である。
図1~
図3において、既存の木造建築物1を破線で表示している。また、外装材等は図示していない。
図1~
図3に示すように、本発明の補強構造は、補強用基礎10、連結部材20(第1の連結部材)、連結部材30(第2の連結部材)、連結部材40(第3の連結部材)、連結部材60を有している。連結部材20、連結部材30、連結部材40、連結部材60は互いに連結されている。木造建築物1の木材と連結部材20とはアンカーボルト51(第1のアンカーボルト)により固定されている。連結部材30および連結部材40と補強用基礎10とは、それぞれアンカーボルト52(第2のアンカーボルト)、アンカーボルト53(第3のアンカーボルト)により固定されている。連結部材60と木造建築物1の基礎2とは、アンカーボルト54により固定されている。また、
図7~
図9に示すように、連結部材30および連結部材40と補強用基礎10との間には、スプリングボックス70およびスプリング80が配置される。以下の説明においては、木造建築物1の一面側にのみ本発明の補強構造を装着する例を説明するが、本発明の補強構造を木造建築物1の複数の面に設置することも可能である。2つの補強構造をそれぞれ木造建築物1の反対側(外周方向において180°異なる位置)に配置することは特に有効である。
【0016】
図4および
図5は、木造建築物1の桁3付近を拡大して示した図である。
図4では一部の構造を断面で示している。
図4および
図5を使用して、木造建築物1の桁3等の木材に連結部材20を固定する方法を説明する。なお、本実施例では、桁3、下柱4、上柱5に連結部材20を装着しているが、連結部材20を装着する木材は、桁3、下柱4、上柱5に限られない。基礎2から一定距離以上離間して配置されている部材であれば、梁、筋交等、木造建築物1の任意の木材に装着可能である。木材以外の部材に装着することも可能である。
【0017】
桁3、下柱4、上柱5には、アンカーボルト51を挿入するためのボルト穴が設けられる。本実施例においては、下柱4と上柱5を挟んで桁3の左右両側に1カ所ずつ、桁3を挟んで下柱4と上柱5に1カ所ずつのボルト穴が設けられる。ボルト穴は、ドリル等を用いて水平方向に形成する。アンカーボルト51は所定の直径(本実施例では20mm)と所定の長さ(本実施例では200mm)を有する。アンカーボルト51はボルト穴に挿入され、木造建築物1の壁面に対して垂直に配置される。アンカーボルト51とボルト穴との間には接着剤55が注入され、接着剤55によりアンカーボルト51は桁3、下柱4、上柱5に強固に固定される。接着剤55には、エポキシ樹脂モルタルであるHiltiCorporation製のHIT-RE500V3が使用される。桁3、下柱4、上柱5に一端を固定されたアンカーボルト51は、他端側で連結部材20の固定部21と連結される。
【0018】
図4および
図5に示すように、連結部材20は、アンカーボルト51に固定される固定部21、所定の長さを有する板状に形成されたプレート部22、固定部21とプレート部22とを接続するための接続部23を有する。
図6は、固定部21の一例を示す図である。固定部21は、所定の厚み(本実施例では9mm)を有する一枚の鋼板(一枚の板)である。固定部21は、鉛直方向に向けて配置される鉛直部21A、水平方向に向けて配置される水平部21B、鉛直部21Aの端部と水平部21Bの端部とを結ぶ傾斜部21Cを有している。鉛直部21Aと水平部21Bと傾斜部21Cは、それぞれ所定の幅(本実施例では70mm)を有する直線状に形成されており、鉛直部21Aと水平部21Bとが中央で直交している。固定部21全体としては、鉛直部21Aと水平部21Bの4つの端部を4つの傾斜部21Cが結んだ略正方形の外形を有する。なお、
図6に示すように正方形の角部は若干直線状に切り落とされており、厳密には八角形の形状となっている。鉛直部21Aと水平部21Bと傾斜部21Cとの間には、固定部21を厚み方向に貫通する三角形(直角二等辺三角形)の空洞21Dが4つ形成されている。鉛直部21Aの上端部付近と下端部付近、水平部21Bの左右両端部付近および鉛直部21Aと水平部21Bが交わる中央付近には、それぞれ連結部材20を厚み方向に貫通するボルト穴21Eが設けられている。ボルト穴21Eにはアンカーボルト51が挿通される。水平部21Bの3つのボルト穴21Eの間には、ボルト穴21Fが2つ形成されている。ボルト穴21Fには固定部21と接続部23とを連結するボルト24が挿通される。下側2つの傾斜部21Cのボルト穴21Eの間には、ボルト穴21Gが2つ形成されている。ボルト穴21Gには固定部21と連結部材60の接続部62とを連結するボルト64が挿通される。
【0019】
一端側で木造建築物1の桁3、下柱4、上柱5に固定されたアンカーボルト51の他端側を固定部21のボルト穴21Eに挿入する。このとき、固定部21の両側からナットをアンカーボルト51に挿通し、ナットをアンカーボルト51に形成されたネジ溝に螺合することにより、固定部21をアンカーボルト51に固定する。固定力を向上させるためにダブルナットを使用してもよい。これにより、アンカーボルト51の他端側と固定部21のボルト穴21Eとを連結し固定する。なお、固定部21をアンカーボルト51に固定したとき、固定部21と木造建築物1との間には所定の距離Dを隔てるようにする。所定の距離Dは60mm~80mm程度が好ましい。
【0020】
プレート部22は、所定の厚み(本実施例では12mm)、所定の幅(本実施例では200mm)を有する一枚の鋼板(一枚の板)である。プレート部22の長さは、木造建築物1の高さ等に応じて適宜設定する。
図1に示すように、プレート部22は木造建築物1の壁面に対して所定の角度θ(本実施例では25°~30°)を為すように配置される。壁面とプレート部22が所定の角度θを形成するために、プレート部22の上端は(180-θ)°の角度を有する形状となっている。また、プレート部22の上端には、プレート部22と接続部23とを連結するボルト25を挿通可能なボルト穴が形成されている。プレート部22は、プレート部22の長手方向に沿ってプレート部22から延出するリブ22Aを有する。リブ22Aは、プレート部22の上端付近を除く領域に形成され、所定の厚み(本実施例では8mm)と所定の高さ(本実施例では100mm)を有する。プレート部22の下端付近には、後述する連結部材30のプレート部32と連結するための4つのボルト穴が設けられている。
【0021】
接続部23は、所定の厚み(本実施例では9mm)を有する断面L字型の鋼板(一枚の板)である。接続部23には、ボルト24を挿通するボルト穴とボルト25を挿通するボルト穴が設けられている。1つのプレート部22を2つの接続部23で両側から挟み込んだ状態で、接続部23のボルト穴とプレート部22のボルト穴にボルト24を挿通しナットで固定する。これにより、接続部23はプレート部22に固定される。アンカーボルト51に固定された固定部21のボルト穴21Fと接続部23のボルト穴にボルト25を挿通しナットで固定する。これにより、接続部23は固定部21に固定される。以上のように連結部材20はアンカーボルト51と一体化される。
【0022】
連結部材60は、
図2に示すように、所定の直径(本実施例では16mm)を有する鉄筋61、鉄筋61と連結部材20の固定部21とを連結する接続部62、鉄筋61と木造建築物1の基礎2とを連結する接続部63とを有する。鉄筋61の長さは木造建築物1の高さ等に応じて適宜設定する。鉄筋61の両端にはねじ山が形成されている。接続部62と接続部63には鉄筋61を挿入するための挿入孔が設けられており、挿入孔の内側にはねじ溝が形成されている。鉄筋61に対して接続部62、63をねじ込むことにより、鉄筋61と接続部62、63とを連結・固定することができる。接続部62には、さらにボルト64を挿入するためのボルト穴が設けられている。鉄筋61と接続部62とを固定した状態で、接続部62のボルト穴と固定部21のボルト穴21Gにボルト64を挿入する。これにより、接続部62と固定部21とを固定する。接続部63には、さらにアンカーボルト54を挿入するためのボルト穴が設けられている。
図2に示すアンカーボルト54に対応する位置に、木造建築物1の基礎にドリル等を用いてボルト穴を形成する。鉄筋61と接続部63とを固定した状態で、接続部63のボルト穴と基礎2のボルト穴21Gにアンカーボルト54を挿入する。アンカーボルト54と基礎2のボルト穴との間には接着剤55が注入され、接着剤55によりアンカーボルト54は基礎2に強固に固定される。以上のように、鉄筋2は固定部21と基礎2との間に接続される。
【0023】
図7および
図8は、木造建築物1の基礎2付近を拡大して示した断面図である。なお、
図7は、セメント12の充填前の状態を示している。
図7および
図8に示すように、連結部材30は、アンカーボルト52に挿通されて後述するスプリングボックス70の上部を塞ぐ蓋部31、所定の長さを有する板状に形成されたプレート部32、蓋部31とプレート部32とを接続するための接続部33を有する。プレート部32は、プレート部32の長手方向に沿ってプレート部32から延出するリブ32Aを有する。リブ32Aは、所定の厚み(本実施例では8mm)と所定の高さ(本実施例では100mm)を有する。連結部材20のプレート部22と連結部材30のプレート部32とは、ボルトとナットを用いて連結・固定される。連結部材20と連結部材30とを連結するとき、連結部材20のリブ22Aが形成されていない面と連結部材30のリブ32Aが形成されていない面とが接触した状態で連結される。つまり、リブ22Aがプレート部22から突出する向きとリブ32Aがプレート部32から突出する向きとが反対方向(180°)となる。
図1に示すように、プレート部32は木造建築物1の壁面に対して所定の角度θを為すように配置される。つまり、プレート部32はプレート部22と上下対称に配置され、プレート部32とプレート部22と木造建築物1の壁面とで二等辺三角形を形成するような配置となる。プレート部32の上端付近には、連結部材20のプレート部22と連結するための4つのボルト穴が設けられている。また、プレート部32の上下方向の中間部には、連結部材40のプレート部42と連結するための4つのボルト穴が設けられている。なお、連結部材20と連結部材30とを連結してから連結部材20をアンカーボルト51に固定しても良いし、連結部材20をアンカーボルト51に固定してから連結部材20と連結部材30とを連結してもよい。
【0024】
連結部材40は、アンカーボルト53に挿通されてスプリングボックス70の上部を塞ぐ蓋部41、所定の長さを有する板状に形成されたプレート部42、蓋部41とプレート部42とを接続するための接続部43を有する。プレート部42は、プレート部42の長手方向に沿ってプレート部42から延出するリブ42Aを有する。リブ42Aは、所定の厚み(本実施例では8mm)と所定の高さ(本実施例では100mm)を有する。
図1に示すように、連結部材40のプレート部42は、連結部材30のプレート部32の中間部にボルトとナットを用いて連結・固定される。連結部材30と連結部材40とを連結するとき、連結部材30のリブ32Aが形成されていない面と連結部材40のリブ42Aが形成されていない面とが接触した状態で連結される。プレート部42は鉛直方向に対して所定の角度θを為すように配置される。つまり、プレート部42はプレート部32の下部と左右対称に配置される。プレート部42の上端付近には、連結部材30のプレート部32と連結するための4つのボルト穴が設けられている。連結部材40を連結部材30のプレート部32の中間部に固定することで、連結部材30と連結部材40の2カ所で連結部材が補強用基礎10に固定される構造としている。
【0025】
図7~
図9を使用して、補強用基礎10の構造および連結部材30と補強用基礎10とを連結する構造を説明する。なお、連結部材40と補強用基礎10とを連結する構造は、連結部材30と補強用基礎10とを連結する構造と同様であるため説明を省略する。
【0026】
補強用基礎10は、鉄筋11、セメント12、スプリングボックス70、スプリング80を有している。
図7はセメント12を充填する前の状態を正面から見た図であり、
図8はセメント12を充填後の状態を側面から見た図である。
図7に示すように、木造建築物1の基礎2には、鉄筋11を挿入するための挿入穴が設けられる。本実施例においては、
図8に示すように、上側に4本、下側に3本の鉄筋11を配置しており、木造建築物1の基礎2には鉄筋11の位置に応じた位置に挿入穴が設けられる。挿入穴は、ドリル等を用いて水平方向に形成する。鉄筋11は所定の直径(本実施例では10mmと19mm)を有する。鉄筋11が水平方向と鉛直方向に配置されることにより、補強用基礎10の概略形状を形成する。水平方向に配置された鉄筋11の一端側の先端部が水平方向に突出して基礎2に挿入可能な形状を有している。鉄筋11の先端部は基礎2に設けられた挿入穴に挿入され、木造建築物1の壁面に対して垂直に配置される。鉄筋11と挿入穴との間には接着剤13が注入され、接着剤13により鉄筋11は基礎2に強固に固定される。接着剤13には、エポキシ樹脂モルタルであるHiltiCorporation製のHIT-RE500V3が使用される。
【0027】
鉄筋11の上部にスプリングボックス70が配置され、固定される。固定方法は特に限定されないが、例えばボルトをスプリングボックス70に挿通しボルトとナットで鉄筋11に固定することが可能である。スプリングボックス70は、縦200mm×横200mm×高さ45mmの鋼板製の箱型の部材(箱部材)である。スプリングボックス70は、底面と側面によりスプリング80を収容可能な収容空間71を形成し、上面は開放している。
図7、
図8においては、スプリング80の図示を省略している。スプリングボックス70の底面には、鉛直方向に配置されるアンカーボルト52を挿通可能なボルト穴72が4つ形成されている。アンカーボルト52は所定の直径(本実施例では20mm)と所定の長さ(本実施例では300mm)を有する。
図9に示すように、収容空間71には、スプリング80が鉛直方向に伸縮可能な状態で配置されている。スプリング80は、1個あたり耐荷重75kgの強力スプリングを9本を1組として連結することで、自立した状態で収容空間71に配置される。また、ボルト穴72を避ける位置に16組のスプリング80を配置した状態でスプリングボックス70に固定する。固定方法は特に限定されないが、例えばスプリングボックス70の底面に穴を開けて下方からボルトをスプリング80に螺合することが可能である。スプリングボックス70の底面付近には、収容空間71に入り込んだ水分を抜くための水抜き穴73が形成されている。
【0028】
連結部材30の蓋部31は、スプリングボックス70の上部開口部の内周よりも若干小さな外形に形成されている。スプリング80をスプリングボックス70に収容した後、スプリングボックス70の上方に蓋部31を配置することで収容空間71の上部を塞ぐ。スプリングボックス70に収容されたスプリング80の上方に蓋部31を配置したとき、スプリングボックス70の上面と蓋部31の上面が同一高さとなるように配置される。蓋部31がスプリング80の上面を押圧することでスプリングボックス70を鉛直方向に弾性変形することができるようになっている。蓋部31には、アンカーボルト52を挿通するボルト穴が設けられている。
【0029】
蓋部31の上方には接続部33を配置する。接続部33は、所定の厚み(本実施例では9mm)を有する断面L字型の鋼板(一枚の板)である。各接続部33には、ボルト34を挿通するボルト穴とアンカーボルト52を挿通するボルト穴が設けられている。1つのプレート部32を2つの接続部33で両側から挟み込んだ状態で、接続部33とプレート部32のボルト穴にボルト34を挿通しナットで固定する。これにより、プレート部32は接続部33に固定される。接続部33およびアンカーボルト52を上方から接続部33のボルト穴、蓋部31のボルト穴に挿通した後に、さらにスプリングボックス70のボルト穴72に挿通する。これにより、アンカーボルト52と連結部材30はスプリングボックス70に固定される。
【0030】
アンカーボルト51により連結部材20を木造建築物1の木材に連結し、連結部材30を連結部材20に連結し、連結部材40を連結部材30に連結し、連結部材30、40をスプリングボックス70に連結した状態で、鉄筋11とスプリングボックス70の周囲にセメント12を充填することで、補強用基礎10を形成する。セメント12が硬化すると、
図8に示すように、鉄筋11とアンカーボルト52、53が補強用基礎10に固定される。これにより、連結部材20、30、40、鉄筋11、アンカーボルト51、52、53、補強用基礎10を介して、木造建造物の桁3、下柱4、上柱5と基礎2とが強固に連結・固定される。このとき、収容空間71にはセメント12は充填されないため、スプリング80は収容空間71内で鉛直方向に伸縮可能な状態となる。これにより、木造建築物1の桁3、下柱4、上柱5と基礎2との間に鉛直方向の強い力が加わってもスプリング80が伸縮して力を吸収することができる。
【0031】
以下、本発明の補強構造を木造建築物1に装着する手順を説明する。最初に、木造建築物1に対して補強構造を固定する位置を決定する。具体的には、木造建築物1の桁3等の木材に対してアンカーボルト51を固定する位置、基礎2に対して鉄筋11を固定する位置を決定する。上記の位置に応じて連結部材20、30、40のプレート部の長さや連結部材60の鉄筋の寸法を決定し、決定した寸法に合わせた部材を準備する。
【0032】
木造建築物1の木材にドリル等を用いてアンカーボルト51を固定するためのボルト穴を形成する。挿入穴にアンカーボルト51を挿入し接着剤55で固定する。固定されたアンカーボルト51に連結部材20の固定部21のボルト穴21Eを挿入してナット等で固定する。連結部材20のプレート部22の上端付近のボルト穴の両側に2つの接続部23を挟み込みボルト24をボルト穴に挿入してナットで固定する。接続部23のボルト穴を固定部21のボルト穴21Fの位置に合わせてボルト25を挿入してナットで固定する。以上により、連結部材20を木造建築物1の木材に固定する。
【0033】
連結部材20のプレート部22の下端と連結部材30のプレート部32の上端とを接続する。プレート部22とプレート部32にそれぞれ設けられた4つのボルト穴を合わせてボルトとナットにより固定する。また、連結部材30のプレート部32の中間部と連結部材40のプレート部42の上端とを接続する。プレート部32とプレート部42にそれぞれ設けられた4つのボルト穴を合わせてボルトとナットにより固定する。以上により、連結部材20と連結部材30、また連結部材30と連結部材40とが連結・固定される。プレート部32の下端には、接続部33が固定される。具体的には、プレート部32の下端付近のボルト穴の両側に2つの接続部33を挟み込みボルト34をボルト穴に挿入してナットで固定する。プレート部42の下端にも同様にボルト44により接続部43が固定される。
【0034】
木造建築物1の基礎2にドリル等を用いて鉄筋11を固定するための挿入穴を形成する。挿入穴に鉄筋11の一端側の先端を挿入し接着剤13で固定する。鉄筋11の上部に連結部材30を配置する位置と連結部材40を配置する位置に合わせて、それぞれの位置にスプリングボックス70を配置して固定する。なお、スプリングボックス70の収容空間71にはあらかじめスプリング80が配置され固定されている。
【0035】
連結部材30の接続部33のボルト穴とスプリングボックス70のボルト穴72とを位置合わせして上方からアンカーボルト52を螺入する。これにより、アンカーボルト52により連結部材30をスプリングボックス70に固定する。同様に、連結部材40の接続部43も連結部材30が固定されたスプリングボックス70とは異なるスプリングボックス70に固定する。
【0036】
連結部材60の鉄筋61の上端には、接続部62を螺入する。鉄筋61の上端には、接続部62を螺入する。この状態で接続部62のボルト穴を連結部材20の固定部21のボルト穴21Gと位置合わせして、ボルトとナットで固定する。木造建築物1の基礎1に接続部63を固定するためのアンカーボルト54を挿入するボルト穴を形成する。挿入穴にアンカーボルト54を挿入し接着剤66で固定する。固定されたアンカーボルト54を接続部63のボルト穴に挿入してナット等で固定する。以上により、連結部材60が木造建築物1に固定される。
【0037】
以上のように、アンカーボルト、連結部材、鉄筋等を木造建築物1に対して、配置および固定した状態で、アンカーボルト52、53および鉄筋11の周囲にセメント12を充填する。セメント12はスプリングボックス70の上端まで充填されるが、収容空間71には充填されない。セメント12が硬化することで補強用基礎10が形成される。以上により、補強用基礎10は鉄筋11を介して木造建築物1の基礎2に対して強固に固定される。また、アンカーボルト52、53は、ボルト穴72に挿通されているため、セメント12が硬化することで補強用基礎10に強固に固定される。アンカーボルト52、53は連結部材30、40に固定されており、連結部材30は連結部材20に固定されている。連結部材20はアンカーボルト51を介して木造建築物1の桁3等の木材に強固に固定されている。よって、木造建築物1の桁3等の木材と基礎2とが連結部材や補強用基礎を介して連結される。なお、上述した手順の順序は説明が簡易となるように並べたが、実際に手順を行う順序は上述した順序に限定されない。順序を変更して実施した手順も本発明の補強方法に含まれる。
【0038】
以上説明したように、本発明の補強構造においては、木造建築物の基礎2と桁3等の木材との間に連結部材20、30、40、60が連結されることで、基礎2と木材とを引き離す方向に力が働いても両者が分離することを抑制することができる。基礎2には鉄筋11が固定され、木材には連結部材20に固定された第1のアンカーボルトが固定される。また、基礎2に固定された鉄筋11と連結部材30、40に固定された第2のアンカーボルト52、第3のアンカーボルト52の周囲にはセメント12が充填され、既存の基礎2に加えて補強用基礎10が形成される。これにより、地震等により発生する力に対して木造建築物1の安定性を大幅に向上することができる。アンカーボルト52、アンカーボルト53は、地震時の横揺れには抵抗し、上方向には動かないが、下方向には可動する。鉛直方向に変形可能なスプリング80を補強用基礎10と連結部材30、40の間に配置することにより、木造建築物1や補強用基礎10に働く鉛直方向の力を弾性部材80によって吸収することができ、耐震性をさらに向上させ、木構体の破損を防ぐことができる。
【0039】
連結部材20、30、40や鉄筋11を予め相互に連結しつつ木造建築物1に固定した状態でセメント12を充填するため、本発明の補強構造は既存の木造建築物1に対して容易に施工可能である。スプリングボックス70に収容空間71を形成し、スプリング80を収容空間に収容して固定した状態で、スプリングボックス70を鉄筋11と連結部材30、40の間に配置することができる。また、スプリングボックス70の収容空間71にはセメント12が侵入しないように施工することができる。
【0040】
連結部材が木造建築物の木材に固定される連結部材20と補強用基礎10のスプリングボックス70に固定される連結部材30、40とに分割される。これにより、連結部材20を木材に固定し、連結部材30、40を補強用基礎10のスプリングボックス70に固定すればよい。これにより、施工性を向上させることが可能であるとともに、様々な外観形状の木造建築物1に対して本発明の補強構造を適用することができる。また、連結部材30の中間部に連結部材40を連結することで、補強用基礎10と連結部材20、30、40との連結がより強固で安定的なものとすることができ、耐震性をさらに向上させることができる。さらに、連結部材20、30、40にリブ22A、32A、42Aが形成されることで、連結部材20、30、40の強度を向上することができる。また、連結部材20と連結部材30または連結部材30と連結部材40を連結する場合には、リブが形成されていない面同士が接触した状態で固定することで、施工性を損なうこともない。
【0041】
スプリングボックス70は箱部材の一例であり、スプリングボックス70が収容するものは、スプリング80に限られない。鉛直方向に変形可能に配置された弾性部材であれば、どのような部材を箱部材に収容しても良い。例えば、ゴム等を弾性部材として箱部材に収容することで、スプリングボックス70、スプリング80と同等の機能を発揮することができる。
【0042】
前記実施例において、セメント12はセメントを原料に含む材料の総称であり、硬化することでコンクリートを形成するものである。セメント12は、必ずしも物質としてのセメントのみを示すものではなく、一般的に水や砂利を含む。グラウトもセメント12に含まれる。改質剤等の添加剤が添加されたものもセメント12に含まれる。
【0043】
前記実施例において、既存の基礎2と補強用基礎10とは鉄筋11を介して接続されているが、基礎2と補強用基礎10とを連結する部材は鉄筋に限られない。所定の長さを有する金属製の棒状部材を鉄筋11の代わりに使用することが可能である。
【0044】
前記実施例において、連結部材30の中間部に連結部材40を固定しているが、連結部材40を固定する位置は連結部材30の中間部に限られない。連結部材40を連結部材30の任意の位置に固定することで補強構造全体の強度を向上することが可能である。
【0045】
前記実施例において、アンカーボルトの直径や長さ、連結部材の厚み等の数値は一例に過ぎない。使用する部位や求められる補強強度に応じて直径や長さを適宜選択可能である。
【0046】
前記実施例において、エポキシ樹脂モルタルを接着剤として使用しているが、接着剤はこれに限られない。他の樹脂接着剤や樹脂接着剤以外の接着剤を使用することも可能である。例えば、サンコーテクノ株式会社製のARケミカルセッターEX350を接着剤として使用することも可能である。
【0047】
前記実施例において、本発明の補強構造は、既存の木造建築物に追加で装着することで耐震性を改善する補強構造として説明しているが、新築の木造建築物の建築途中で装着することも可能である。
【0048】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…木造建築物、2…基礎、3…桁、4…下柱、5…上柱、10…補強用基礎、11…鉄筋、12…セメント、13…接着剤、20…連結部材、21…固定部、22…プレート部、22A…リブ、23…接続部、24…ボルト、25…ボルト、30…連結部材、31…蓋部、32…プレート部、33…接続部、34…ボルト、40…連結部材、41…蓋部、42…プレート部、43…接続部、44…ボルト、、51…第1のアンカーボルト、52…第2のアンカーボルト、53…第3のアンカーボルト、54…アンカーボルト、55…接着剤、60…連結部材、61…鉄筋、62…接続部、63…接続部、64…ボルト、66…接着剤、70…スプリングボックス、71…収容空間、72…ボルト穴、80…スプリング。
【要約】
【課題】木造建築物の接合部を補強する木造建築物の補強構造であって、耐震性や施工性を高めることが可能な補強構造を提供する。
【解決手段】木造建築物の補強構造であって、前記木造建築物の基礎に固定される補強用基礎のための鉄筋と、前記木造建築物の木材に連結部材を固定する第1のアンカーボルトと、前記鉄筋に配置される箱部材と、前記箱部材に収容され、鉛直方向に変形可能な弾性部材と、前記連結部材を前記箱部材に固定する第2のアンカーボルトと、前記鉄筋および前記第2のアンカーボルトの周囲に充填され前記補強用基礎を形成するセメントとを有する。
【選択図】
図1