(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】情報処理装置,情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220408BHJP
【FI】
G06Q10/10 344
(21)【出願番号】P 2021031270
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2019156339の分割
【原出願日】2018-06-08
【審査請求日】2021-05-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社OSKのウェブサイトで公開(https://www.kk-osk.co.jp/news/press/press_2017121201.html)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596166623
【氏名又は名称】株式会社OSK
(72)【発明者】
【氏名】寺田 強
(72)【発明者】
【氏名】赤西 健史
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-198771(JP,A)
【文献】特開2011-198321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置であって、
第1ユーザの
第1登録操作に基づき、
蓄積された業務データ
に反映されている数値を
集計する
集計処理
と報知時期
とを関連付け
る業務予定を登録する
第1登録手段と、
前記
報知時期の到来後
であって前記業務の時間中に、
前記業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの起動操作に基づき、該業務
予定の登録後に
更新された前記
業務データ
に反映されている前記数値を
集計する
前記集計処理の実行を指示する
第1指示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1指示手段が、前記第1ユーザに対する報知後の所定時期までに該第1ユーザによる前記起動操作がない場合に、前記業務予定の予備的な報知を受けた第2ユーザの代替操作に基づき、前記集計処理の実行を指示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1指示手段が、前記集計処理に関する権限が付与されている前記第2ユーザの前記代替操作に基づき、該集計処理の実行を指示する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記
第1指示手段が、前記
業務予定の登録後の時期を少なくとも含む集計期間における前記数値を集計する
前記集計処理
の実行を
指示する、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記
第1指示手段が、
前記集計処理の実行時を基準とし前記
第1ユーザが
登録時に設定した相対的表現に基づいて特定される前記集計期間における前記数値を集計する該
集計処理
の実行を
指示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記
第1登録手段が、
前記第1ユーザの前記登録操作に基づき、前記集計処理を複数の前記報知時期にそれぞれ関連付ける複数の前記
業務予定を登録し、
前記
第1指示手段が、
前記業務予定ごとに、該業務予定に係る前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、該業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの前記起動操作に基づき、
該業務予定に係る前記
集計処理の実行を指示する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1ユーザの第2登録操作に基づき、所定フォルダに追加されたファイルを取り込んで
前記業務データを更新する
更新処理を
、該更新処理の実行が予定される更新時期又は該実行の契機となる状態変化に関連付けて登録
する第2登録手段と、
前記更新時期の到来後又は前記状態変化の発生後に、前記
更新処理の登録後に前記所定フォルダに追加されたファイルを取り込んで前記
業務データを更新する該
更新処理の実行を指示する
第2指示手段と、
をさらに備える、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記
第2登録手段が、前記
更新処理を、更新が予定される複数の
前記更新時期にそれぞれ関連付けて登録し、
前記
第2指示手段が、いずれの前記
更新時期の到来後にも、前記
更新処理の実行を指示する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記
第2登録手段が、前記
更新処理を、前記所定フォルダにファイルが追加される前記状態変化に関連付けて登録し、
前記
第2指示手段が、前記状態変化が発生する度に、前記
更新処理の実行を指示する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置が、
特定ユーザの登録操作に基づき、蓄積された業務データに反映されている数値を集計する集計処理と報知時期とを関連付ける業務予定を登録する登録処理と、
前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、前記業務予定の報知を受けた前記特定ユーザの起動操作に基づき、該業務予定の登録後に更新された前記業務データに反映されている前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する指示処理と、
を実行する情報処理方法。
【請求項11】
組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置に、
特定ユーザの登録操作に基づき、蓄積された業務データに反映されている数値を集計する集計処理と報知時期とを関連付ける業務予定を登録する登録処理と、
前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、前記業務予定の報知を受けた前記特定ユーザの起動操作に基づき、該業務予定の登録後に更新された前記業務データに反映されている前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する指示処理と、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報処理装置,情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業では業務を遂行するため,各種業務を処理するためコンピュータシステムを導入している。とくに人事,給与,財務会計,販売,購買などに関する業務(基幹業務)については,それらの業務のデータをサーバで記憶,管理するコンピュータシステムである基幹業務システムを用いることがある。基幹業務システムを用いて業務を遂行する場合,いつどのような業務を実行するかが極めて重要である。そのため,基幹業務システムを用いて行う業務の予定を,別のシステム,たとえばスケジューラやタスク管理システム,あるいは手帳などに記録しておくことで,自らの業務の予定の管理を行っている。
【0003】
そして,スケジュール管理の負担を軽減するため,業務スケジュールをカレンダー表示させる業務管理プログラムが下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている業務管理プログラムでは,カレンダー画面に表示された業務予定を選択することで,その業務予定にリンクした業務処理プログラムが起動する。しかし,特許文献1では,業務処理プログラムを,業務予定にリンクさせることが開示されているのみである。また業務予定への登録も,所定期間や周期などのパラメータによって登録できるものの,それにとどまっている。そのため,仮に,月次,四半期,半期,年次など,パラメータによって業務予定を定期的に登録することができたとしても,スケジュールを定期的に登録することができ,そのパラメータを業務処理プログラムに渡せるにとどまる。
本発明が解決しようとする課題は、業務データの集計処理を遺漏なく実行させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A)上記課題を解決するため、本発明の一態様は、組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置であって、第1ユーザの第1登録操作に基づき、蓄積された業務データに反映されている数値を集計する集計処理と報知時期とを関連付ける業務予定を登録する第1登録手段と、前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、前記業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの起動操作に基づき、該業務予定の登録後に更新された前記業務データに反映されている前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する第1指示手段と、を備える。
(B)上記課題を解決するため、本発明の一態様は、組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置が、第1ユーザの第1登録操作に基づき、蓄積された業務データに反映されている数値を集計する集計処理と報知時期とを関連付ける業務予定を登録する登録処理と、前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、前記業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの起動操作に基づき、該業務予定の登録後に更新された前記業務データに反映されている前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する指示処理と、を実行する情報処理方法である。
(C)上記課題を解決するため、本発明の一態様は、組織の業務を分担する複数のユーザが該業務において共用する情報処理装置に、第1ユーザの第1登録操作に基づき、蓄積された業務データに反映されている数値を集計する集計処理と報知時期とを関連付ける業務予定を登録する登録処理と、前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、前記業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの起動操作に基づき、該業務予定の登録後に更新された前記業務データに反映されている前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する指示処理と、を実行させる情報処理プログラムである。
【0007】
上記(A)の「情報処理装置」に、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を上記(B)の「情報処理方法」及び上記(C)の「情報処理プログラム」に加えてもよい。
・前記第1指示手段が、前記第1ユーザに対する報知後の所定時期までに該第1ユーザによる前記起動操作がない場合に、前記業務予定の予備的な報知を受けた第2ユーザの代替操作に基づき、前記集計処理の実行を指示する。
・前記第1指示手段が、前記集計処理に関する権限が付与されている前記第2ユーザの前記代替操作に基づき、該集計処理の実行を指示する。
・前記第1指示手段が、前記業務予定の登録後の時期を少なくとも含む集計期間における前記数値を集計する前記集計処理の実行を指示する。
・前記第1指示手段が、前記集計処理の実行時を基準とし前記第1ユーザが登録時に設定した相対的表現に基づいて特定される前記集計期間における前記数値を集計する該集計処理の実行を指示する。
・前記第1登録手段が、前記第1ユーザの前記登録操作に基づき、前記集計処理を複数の前記報知時期にそれぞれ関連付ける複数の前記業務予定を登録し、前記第1指示手段が、前記業務予定ごとに、該業務予定に係る前記報知時期の到来後であって前記業務の時間中に、該業務予定の報知を受けた前記第1ユーザの前記起動操作に基づき、該業務予定に係る前記集計処理の実行を指示する。
・前記第1ユーザの第2登録操作に基づき、所定フォルダに追加されたファイルを取り込んで前記業務データを更新する更新処理を、該更新処理の実行が予定される更新時期又は該実行の契機となる状態変化に関連付けて登録する第2登録手段と、前記更新時期の到来後又は前記状態変化の発生後に、前記更新処理の登録後に前記所定フォルダに追加されたファイルを取り込んで前記業務データを更新する該更新処理の実行を指示する第2指示手段と、をさらに備える。
・前記第2登録手段が、前記更新処理を、更新が予定される複数の前記更新時期にそれぞれ関連付けて登録し、前記第2指示手段が、いずれの前記更新時期の到来後にも、前記更新処理の実行を指示する。
・前記第2登録手段が、前記更新処理を、前記所定フォルダにファイルが追加される前記状態変化に関連付けて登録し、前記第2指示手段が、前記状態変化が発生する度に、前記更新処理の実行を指示する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、業務予定の登録後に更新された業務データの集計処理を遺漏なく実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の基幹業務システムの全体のシステム構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の基幹業務システムで用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図3】本発明の基幹業務システムにおける業務情報入力処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の基幹業務システムにおける業務情報出力処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図5】業務情報管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】業務処理管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】ユーザ権限管理テーブルの一例を示す図である。
【
図8】条件パターン管理テーブルの一例を示す図である。
【
図15】担当者別売上実績表設定画面の一例を示す図である。
【
図16】条件パターン入力画面の一例を示す図である。
【
図17】担当者別売上実績表設定画面において,集計期間の内容がラベル表示された状態の一例を示す図である。
【
図18】ミニカレンダー画面の一例を示す図である。
【
図19】色パターン設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の基幹業務システム1のシステム構成の一例のブロック図を
図1に示す。また,本発明の基幹業務システム1で用いるコンピュータのハードウェア構成の一例のブロック図を
図2に示す。
【0021】
本発明の基幹業務システム1は,サーバ2とユーザ端末3とを用いる。ユーザ端末3は,本発明の基幹業務システム1を利用するユーザが操作するコンピュータである。サーバ2は,ユーザ端末3からの操作に応じて,本発明の基幹業務システム1における処理機能を実現するコンピュータである。
【0022】
基幹業務システム1におけるサーバ2やユーザ端末3などのコンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。
【0023】
図1では,基幹業務システム1の各機能が,一台のサーバ2で実現する場合を示しているが,その各機能が,複数台のコンピュータで機能してもよい。本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0024】
本発明の基幹業務システム1は,企業や社団,財団,学校などの各種法人のほか,各種の組織体で用いられる。業務としてはその組織体ごとに適したものを用いることができる。
【0025】
基幹業務システム1とは,企業などの組織体における業務遂行を管理するためのコンピュータシステムであって,人事,給与,財務会計,販売,購買などに関する業務のデータをサーバで記憶,管理するコンピュータシステムである。
【0026】
基幹業務システム1は,業務情報入力受付処理部21と業務情報記憶部22と業務情報出力処理部23と業務情報通知処理部24と基幹業務処理部25とを有する。
【0027】
業務情報入力受付処理部21は,基幹業務に関する情報である業務情報の入力をユーザ端末3から受け付け,後述する業務情報記憶部22に記憶させる。より具体的には,基幹業務システム1において所定の操作を受け付けることで,後述する業務情報出力処理部23が,ユーザ端末3から,業務情報の入力を受け付ける。そして,受け付けた業務情報を,業務情報記憶部22における業務情報管理テーブルに記憶する。
【0028】
業務情報記憶部22は,基幹業務システム1で用いる各種情報を記憶するテーブルを備える。たとえば業務情報を記憶する業務情報管理テーブル,基幹業務システム1における業務処理を記憶する業務処理管理テーブル,ユーザごとに実行可能な業務処理を記憶するユーザ権限管理テーブル,業務処理における出力条件を示す条件パターンを記憶する条件パターン管理テーブルなどがある。業務情報管理テーブルの一例を
図5に,業務処理管理テーブルの一例を
図6に,ユーザ権限管理テーブルの一例を
図7に,条件パターン管理テーブルの一例を
図8に示す。
【0029】
業務情報管理テーブルには,ユーザごとに業務予定をカレンダーに表示するための業務情報を記憶している。たとえば,ユーザの識別情報である「ユーザID」,業務の名称を示す「業務名」,日付を指定した予定か定期的な予定かなどの予定の種別を示す「予定タイプ」,予定日時を示す「日時」,当該日時において実行する基幹業務システム1におけるプログラムを示す「処理名」,条件パターンの種別を示す「条件パターン」,処理を実行する前に事前通知をどの程度前に行うかを示す「通知」,当該業務処理を登録する期間を示す「期間」,自動実行をするか否かを示すフラグが付される「自動実行」(0は自動実行しない,1は自動実行する)などを記憶している。
【0030】
業務処理管理テーブルでは,基幹業務システム1におけるプログラムを示す処理名とその処理の識別情報である処理IDとを記憶する。
【0031】
ユーザ権限管理テーブルでは,ユーザを識別するユーザIDと処理IDとを記憶する。
【0032】
条件パターン管理テーブルでは,「処理ID」,「ユーザID」,条件パターンの識別情報である「条件パターン名」,条件パターンの保存内容として保存しない,相対日付を保存する,入力値を保存するのいずれかを示す「保存内容設定」,どの範囲を処理対象とするかを示す「項目」,条件におけるそれぞれの「内容値」とを記憶する。相対日付とは,日付を相対的に表現したものであり,当日,翌営業日,前月,当月,翌月,前四半期,当四半期,翌四半期などの設定が一例としてある。これらの設定ごとに基準日からの加算日数等が定義されており,基準日としてはシステム日付やユーザが直接入力した日付などを用いることができる。たとえば,当日であれば,基準日+0日,翌営業日であれば基準日+1日(休日であればその翌日),前月は基準日が属する月の前の月,当月は基準日が属する月などの設定が記憶されている。
【0033】
業務情報記憶部22で記憶する各テーブルの構成は一例であって,上記以外の構成であってもよい。
【0034】
業務情報出力処理部23は,業務情報記憶部22における業務情報管理テーブルに記憶した業務情報をカレンダー形式の画面(カレンダー画面)として出力をする。この際に,業務情報管理テーブルにおける日時に基づいて,カレンダーの対応する日付の欄に,業務名を表示させる。
図9に,業務情報をカレンダー形式で表示したカレンダー画面の一例を示す。例示したカレンダー画面は,1週間を単位としてマトリックス状に並べたものであるが,上下あるいは左右に連続させて表示させるリスト状のものも含まれる。また,企業ごとの休日設定を参照し,休日が営業日とは視覚的に異なるように表示されていてもよい。また,このカレンダー画面は,図示しない外部連携手段を介して,グループウェアのスケジューラなどほかのシステムにおけるカレンダーに表示させるようにしてもよい。
【0035】
業務情報通知処理部24は,業務情報記憶部22における業務情報管理テーブルに記憶した業務情報における「通知」の情報に基づいて,その業務に対応する処理を実行することを,ユーザ端末3に通知する。すなわち,業務情報管理テーブルに記憶した業務情報における日時の情報と,通知の情報とに基づいて,処理を実行するより前の時刻に当該処理を実行することを通知する。
図10に,業務予定通知画面の一例を示す。
【0036】
基幹業務処理部25は,当該組織体における基幹業務に関するコンピュータ処理を実行する。すなわち,基幹業務処理部25は,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルの日時を監視し,当該日時が到来すると,対応する処理名を特定する。そして特定した処理名を用いて業務処理管理テーブルを参照することで,処理IDを特定し,その処理IDに基づいて,当該処理IDが対応するプログラムなどを実行する。
【0037】
つぎに本発明の基幹業務システム1における処理プロセスの一例を,
図3および
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず業務情報を登録する処理を
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
ユーザが基幹業務システム1において業務情報を,予定として登録することを所望する場合,ユーザ端末3において基幹業務システム1のポータル画面を表示する。
図11にポータル画面の一例を示す。
【0040】
そしてポータル画面において業務情報の入力処理を行うためのボタン101の押下を受け付けるなどによって(S100),業務情報出力処理部23は,業務情報記憶部22における業務情報管理テーブルを参照し,業務情報をカレンダー画面(
図9)で出力する(S110)。
【0041】
ユーザがユーザ端末3において,新しい業務情報の入力を行う場合,予定を登録したい日付を選択するか,カレンダー画面における「新しい予定」のボタン102を選択することで,業務情報入力受付処理部21でそれらの選択を受け付ける。それを受けて,業務情報入力受付処理部21は,
図12に示す業務予定入力画面をユーザ端末3において表示させ,業務情報の入力を受け付ける(S120)。
【0042】
ユーザが業務情報を入力する場合,当該業務の名称を示す業務名,特定の日付を指定した業務か定期的な予定かの予定の種別を示す予定タイプ,当該業務を実行する時刻,当該業務において処理を実行する基幹業務システム1の処理名,条件パターン名,事前通知を行う場合には何分前に事前通知を行うか,当該業務を行う期間,自動実行するか,などの情報を業務情報として入力をする。
【0043】
定期的な予定を入力する場合,たとえば,業務予定入力画面における「定期的な予定」を選択し,また,毎月最終営業日のようなチェックボックスを選択することで,
図13に示す定期予定設定画面から,定期的な予定としての情報,たとえば,繰り返すパターンである「日」,「週」,「月」,「年」と,繰り返す間隔の入力を受け付ける。この際に,会社ごとに営業日の設定をあらかじめしておくことで,営業日に基づく指定を可能としてもよい。営業日の設定は,所定の管理者画面(図示せず)から,暦の休日(休日設定テーブル)に加え,会社独自の休日の情報を設定できるようにしてあり(個別休日設定テーブル,会社IDをキーに持つ),これらの各テーブルを参照することで,休日以外の日を営業日として,ユーザが指定する条件で予定を登録する。
図14に休日設定を行うための休日設定画面の一例を示す。
【0044】
業務予定入力画面に入力する処理名は,基幹業務システム1において実行可能な処理名がプルダウンメニューなどにより選択可能となっており,ユーザによる選択を受け付けることができるが,ユーザ権限管理テーブル,業務処理管理テーブルを参照し,当該ユーザに権限のある処理名のみが選択可能となっていてもよい。この場合,当該ユーザのユーザIDに対応する処理IDをユーザ権限管理テーブルを参照して特定し,特定した処理IDに対応する処理名を業務処理管理テーブルから特定をする。そして特定した処理名を,業務予定入力画面の処理名のプルダウンメニューなどで選択可能に表示すればよい。さらに,業務予定入力画面に入力された業務名で業務処理管理テーブルの処理名を検索し,一致度の高い処理名からリスト表示をしてもよい。
【0045】
各業務情報で実行する処理において使用頻度の高い出力条件は,条件パターンとして条件パターン管理テーブルに記憶させるとよい。記憶させた条件パターンを,当該処理の際の出力時に選択することで,出力条件を一括で読み込むことが可能となる。たとえば業務情報として登録する処理が「担当者別売上実績表」の場合,
図15に示す担当者別売上実績表設定画面をユーザ端末3に表示させる。担当者別売上実績表は,集計期間として指定された期間における,担当者ごとの売上実績を出力する処理である。条件パターンを記憶させるためのボタン103の押下を受け付けると,
図16に示す条件パターン入力画面を表示させる。条件パターンとしては,「保存しない」,「相対日付を保存」,「入力値を保存」が選択可能である。「保存しない」は集計期間の範囲を条件パターンとして保存しない設定であり,「相対日付を保存」は,基準日からの相対日付の条件(当月,前四半期,当四半期,翌四半期など)を保存する設定であり,「入力値を保存」は,集計期間の範囲に入力した値をそのまま保存する設定である。ここで設定した条件パターンは,業務情報入力受付処理部21が業務情報記憶部22の条件パターン管理テーブルに記憶させる。なお,相対日付の設定がなされた後,実際の日付を算出する際には,会社IDを取得して,企業ごとの休日情報をもとに相対日付の日付の内容値を判定するようにしてもよい。集計期間の範囲を記憶した上で,たとえば
図15に示す担当者別売上実績表設定画面を開くと,ユーザによる入力値を相対日付に変換してラベル表示するラベル表示手段(図示せず)により,
図17のように設定した集計期間の内容がラベル表示される。これによって,条件パターンが,相対日付として設定されているか否かを容易に把握することができる。
【0046】
また,たとえば担当者別売上実績表における作表処理やテキスト入出力などの,条件パターンを指定できる処理が選択されたときは,基幹業務処理部25は,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルにおける条件パターンを特定し,特定した条件パターンに基づいて条件パターン管理テーブルの条件パターンを読み込み,当該処理を起動させることができる。これによって,従来は,人手で行っていた複雑かつ詳細な処理であっても,自動実行させることができる。たとえば,業務予定入力画面(
図12)において条件パターンを指定できる処理名を選択した上で,「予定した時刻に処理を自動で実行する」ことを示すチェックボックス104にチェックを入れておくことで,作表処理やテキスト入出力処理を,自動的に実行させることができる。
【0047】
さらに,業務情報について,
図18に示す日付を登録するためのミニカレンダー画面を表示させ,複数の予定日をまとめて設定できるようにしてもよい。なお,このカレンダー形式のミニカレンダー画面は,グループウェアのスケジューラなどほかのシステムのカレンダーに表示させるようにしてもよいし,カレンダー画面(
図9)上で設定できるようにしてもよい。
【0048】
業務情報入力受付処理部21は,上述において業務予定入力画面に入力された業務情報を受け付け,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルに記憶させる。なお,定期的な予定として設定されている場合には,業務情報入力受付処理部21は,繰り返すパターンと間隔に基づいて,対応する日に,同一の内容の業務情報として,業務情報管理テーブルに登録する。
【0049】
以上のような処理を実行することで,業務情報を登録することができる。
【0050】
つぎに,業務情報を出力する場合の処理プロセスの一例を
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
業務情報管理テーブルに登録された業務情報は,基幹業務システム1のポータル画面の業務情報パーツ105にリスト形式で表示されている。そして,業務情報出力処理部23は,ユーザ端末3から,所定の操作により,業務情報の出力指示を受け付けると(S200),業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照して業務情報の業務名を抽出し,カレンダー画面(
図9)で業務情報を表示する(S210)。
【0052】
そして,業務情報パーツ105または
図9のカレンダー画面において,特定の業務情報の選択を受け付けると,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照して業務情報を抽出し,
図12の業務予定入力画面に,その詳細な内容を表示させる(S220)。
【0053】
業務予定入力画面の「処理起動」ボタン106の押下をユーザ端末3から受け付けた場合,基幹業務処理部25は,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照してその業務情報における処理名を特定し,特定した処理名に基づいて業務処理管理テーブルを参照して処理IDを特定する。そして,特定した処理IDに基づいて,該当するプログラムを実行する。これによって,手動で基幹業務システム1の業務処理のプログラムを実行することができる。
【0054】
業務情報出力処理部23は,業務情報管理テーブルを参照して,自動実行のフラグが付されているかを特定し,自動実行のフラグが付されている業務情報と,自動実行のフラグが付されていない業務情報とでは,
図9のカレンダー画面において,アイコンや文字,色彩などによって,視覚的な表示を変更してもよい。特に自動実行のフラグが付されている業務情報を強調表示するとよい。また,会社ごとに異なるアイコンを併記することで,視覚的な表示を変更してもよい。これによって,複数の会社に関する業務情報が混在してカレンダーに表示される場合でも,容易に区別をすることができる。
【0055】
また,業務情報通知処理部24は,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルにおける日時の情報および通知の情報を監視しており,通知を行う日時が到来すると,
図10の業務予定通知画面をユーザ端末3に表示し,その業務に対応する処理を実行することを通知する。すなわち,業務情報管理テーブルにおける日時から,通知で指定された時間だけ前の日時を通知を行う日時として特定する。そして,特定した日時が到来すると,業務情報管理テーブルにおける当該業務名,予定日時(日時)などの情報を抽出し,
図10の業務予定通知画面で表示をする。
【0056】
業務予定通知画面において,所定の操作を業務情報通知処理部24が受け付けると,それに基づいて基幹業務処理部25が,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照してその業務情報における処理名を特定し,特定した処理名に基づいて業務処理管理テーブルを参照して処理IDを特定する。そして,特定した処理IDに基づいて,該当するプログラムを実行する。これによって,予定した業務に対応するプログラムを実行できる。
【0057】
なお,業務情報通知処理部24は,業務予定通知画面を,ユーザの選択を受け付けない限り,非表示にはできないように制御することが好ましい。これを実現するため,通知設定では通知時間の入力を必須とすることで(
図12),通知画面(
図10)が必ず1回は通知されるようになり,また,通知画面がほかのウィンドウよりも上部(最前面)に表示されるように制御をする。非表示にできないように制御する場合,ユーザが手動で実行をしなければならない業務処理,すなわち業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照し,自動的に処理を実行するフラグがない業務について,ユーザの選択を受け付けない限り,非表示にはできないように制御してもよい。
【0058】
このように業務予定通知画面を,ユーザの選択を受け付けない限り非表示にできないように制御することで,強制的なリマインダーとして機能させることができ,ユーザの作業漏れや確認漏れなどの業務処理の失念を防止することができる。なお,非表示を解除するための条件としては,ユーザの選択を受け付けることに限られず,任意の条件を設定することができる。
【0059】
また,当該業務の予定日時から所定時間経過しても当該業務処理が実行されない場合に,当該業務処理を実行できるほかのユーザを特定し,特定したほかのユーザに対して通知をしてもよい。すなわち,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルにおいて,当該業務処理の処理名を特定し,その処理名に対応する処理IDを業務処理管理テーブルを参照して特定する。このように特定した処理IDを用いてユーザ権限管理テーブルを参照し,当該処理IDに対応しているユーザIDを特定して,そのユーザIDのユーザに対して,業務予定通知画面を表示させる。この際に,
図10と同一の業務予定通知画面を表示させてもよいし,予定日時から一定時間が経過しても実行されなかったなどのメッセージを含む,最初に通知をしたユーザとは異なる通知の画面を表示してもよい。異なる通知としては,上述のようなメッセージを含むほか,画面や文字の色を変更する,フォントを変更する,異なる通知であることを示す所定のアイコンを表示するなどがあるが,限定されない。
【0060】
また,業務情報通知処理部24は,当該業務処理が自動実行される業務処理である場合,業務予定通知画面を表示させても表示させなくてもよい。自動実行の場合にも表示させる場合には,自動実行が始まる旨の表示,自動実行が開始した旨の表示と,たとえば時間経過などを示す経過表示,自動実行が終了した旨の表示を行うとよい。自動実行が終了した旨の画面において所定の操作を行うと,自動実行の結果やログを確認できるようにしてもよい。
【0061】
ユーザが,業務予定通知画面で通知された業務処理を実行する場合,上述のように,業務予定通知画面における「業務名」などを押下することで,業務予定入力画面を表示させる。そして,上述のように,業務予定入力画面の「処理起動」ボタン106の押下をユーザ端末3から受け付けると,基幹業務処理部25は,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルを参照してその業務情報における処理名を特定し,特定した処理名に基づいて業務処理管理テーブルを参照して処理IDを特定する。そして,特定した処理IDに基づいて,該当するプログラムを実行する。
【0062】
一方,業務情報記憶部22の業務情報管理テーブルにおける自動実行のフラグがある場合,基幹業務処理部25は,業務情報管理テーブルにおける日時を監視し,当該日時が到来すると,その業務情報における処理名を特定し,特定した処理名に基づいて業務処理管理テーブルを参照して処理IDを特定する。そして,特定した処理IDに基づいて,該当するプログラムを実行する。
【0063】
複数の処理を自動実行する際に,直前の処理の結果に基づいて後続の処理の動作を変えるように構成してもよい。たとえば,出力の処理でエラーになった場合に,後続の処理を中止するようにしてもよい。また,特定のフォルダにファイルが追加されると,そのファイルを利用する処理(たとえばテキスト取込処理)のプログラムが自動的に実行するようにしてもよい。
【0064】
図9に示すカレンダー画面,
図11に示すポータル画面などでは,業務処理によって,その色のパターンを任意のパターンに変更できるようにしてもよい。これによって,画面自体の色パターンが業務処理によって変わるので,業務処理の予定を用意に認識することができる。
図19に画面色パターンを設定する色パターン設定画面の一例を示す。
【0065】
図11に示すポータル画面では,業務予定に加えて,ユーザ間で情報を共有するための「伝言板」や,サポートページなどに公開された新着情報を表示する「サポート情報」などのパーツを備えていてもよい。ユーザは,これらのパーツを参考に,業務情報を登録することができる。また,ユーザが手入力で業務情報を入力するほか,各パーツ上に,伝言板等のほかのパーツの表示をドラッグアンドドロップすることにより,その表示中のデータを取り込むようにしてもよい。たとえば,ユーザがパーツ状の特定の部分(行)を選択し,業務予定パーツにドラッグアンドドロップすることで,業務情報入力受付処理部21は,その選択した部分に表示されているデータを,伝言板やサポート情報の表示内容を管理するテーブルから取得し,件名やタイトルのデータを業務予定入力画面(
図12)に自動入力することができる。さらに,取得したデータで業務処理管理テーブル(
図6)の処理名を検索し,一致度の高い処理名を抽出して,それらを処理名の候補として表示し、ユーザに選択させるようにしてもよい。
【0066】
また,ポータル画面において,個人の予定を管理する業務予定パーツのほかに,当該ユーザ以外の予定などの情報を表示させる伝言板のパーツを設けることによって,組織における各種業務と,ユーザ自身の業務の管理とを一覧することができ,かつ効率的な予定の登録をすることができる。
【0067】
本実施態様では,ポータル画面(
図11)の業務予定で,1日(あるいはユーザが設定
した期間)の予定を一覧することができ,さらに,必要に応じてカレンダー画面(
図9)
を別途表示させることによって,より長い期間,たとえば1ヶ月等を一覧し,予定のある
日,ない日を一覧することができる。さらに,ユーザがこれらの予定を見なかった場合で
も,通知画面(
図10)により強制的に通知がなされ,かつ特定の処理については自動実
行される用意できるため,作業漏れを防止することができ,業務処理を確実かつ円滑に実
行することができる。
(付記1)
特許文献1に開示されている業務管理プログラムでは,カレンダー画面に表示された業務予定を選択することで,その業務予定にリンクした業務処理プログラムが起動する。しかし,特許文献1では,業務処理プログラムを,業務予定にリンクさせることが開示されているのみである。また業務予定への登録も,所定期間や周期などのパラメータによって登録できるものの,それにとどまっている。そのため,仮に,月次,四半期,半期,年次など,パラメータによって業務予定を定期的に登録することができたとしても,スケジュールを定期的に登録することができ,そのパラメータを業務処理プログラムに渡せるにとどまる。すなわち,そこで実行される業務処理プログラムを相対的な情報に基づいて処理をすることができるわけではない。
そこで本発明者は,上記課題に鑑み,ユーザが利用する基幹業務システム上で業務の予定を簡便に管理でき,かつ円滑に業務処理が実行できる基幹業務システムを発明した。
第1の発明は,ユーザの業務情報を管理する基幹業務システムであって,前記基幹業務システムは,基幹業務に関する業務情報の入力を受け付ける業務情報入力受付処理部と,前記入力を受け付けた業務情報の一部または全部をカレンダー形式の画面で出力する業務情報出力処理部と,前記業務情報における処理を実行する基幹業務処理部と,を有しており,前記業務情報入力受付処理部は,前記業務情報において,業務における処理での出力条件の設定として相対日付が可能である,基幹業務システムである。
本発明のように構成することで,基幹業務システムで実行する処理自体に,相対的な出力条件を設定することができる。これによって,定期的な業務の処理を実行する場合に,その処理における出力条件を個別に変更する手間を回避することができる。そのため,ユーザが利用する基幹業務システム上で,基幹業務に関する業務の予定を簡便に管理でき,かつ基幹業務に関する業務処理を円滑に実行することができる。
上述の発明において,前記基幹業務処理部は,前記業務情報において自動実行を示すフラグが付されているときには,前記業務情報において設定されたときが到来すると,前記業務情報における処理を自動実行する,基幹業務システムのように構成することができる。
本発明によって,定期的な業務の処理を自動的に実行することができる。
上述の発明において,前記基幹業務システムは,前記業務情報において設定されたときが到来すると,ユーザに対して,前記業務情報の通知をする業務情報通知処理部,を有しており,前記業務情報通知処理部は,前記業務情報についてあらかじめ定めた条件を充足しない限り,非表示にはできない制御をする,基幹業務システムのように構成することができる。
本発明のように,業務情報の通知を,あらかじめ定めた条件を充足しない限り,非表示にはできないように制御することで,ユーザの作業漏れや確認漏れを防止することができる。
上述の発明において,前記業務通知処理部は,前記設定されたときから所定時間経過しても前記業務情報における処理が実行されない場合,前記処理を実行可能なほかのユーザに対して,前記通知を行う,基幹業務システムのように構成することができる。
本発明のように構成することで,業務処理の作業漏れや確認漏れについて,ほかのユーザが認識することができる。
上述の発明において,前記業務通知処理部は,前記ほかのユーザに対する通知は,最初に通知をしたユーザに対する通知とは相違する,基幹業務システムのように構成することができる。
通知を受けたほかのユーザは,自らの予定に登録されていない業務処理についての通知であるので,通常の通知と同じでは混乱することが考えられる。そこで,本発明のように,通知を相違することで,最初のユーザが処理をしないことに対する通知であることを容易に認識でき,混乱を防止することができる。
第1の発明は,本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで,実現できる。すなわち,コンピュータを,基幹業務に関する業務情報の入力を受け付ける業務情報入力受付処理部,前記入力を受け付けた業務情報の一部または全部をカレンダー形式の画面で出力する業務情報出力処理部,前記業務情報における処理を実行する基幹業務処理部,として機能させる基幹業務プログラムであって,前記業務情報入力受付処理部は,前記業務情報において,業務における処理での出力条件の設定として相対日付が可能である,基幹業務プログラムのように構成することができる。
本発明の基幹業務システムを用いることによって,ユーザが利用する基幹業務システム上で,基幹業務に関する業務の予定を簡便に管理でき,かつ基幹業務システムにおける業務処理を相対的な情報に基づいて処理可能とせしめることで,基幹業務に関する業務処理を円滑に実行できる。
(付記2)
[1]発明が解決しようとする課題
本発明が解決しようとする課題は、基幹業務等の処理に関連する期日又は期間を柔軟に指定可能とすることである。
[2]課題を解決するための手段
(A)上記課題を解決するため、本発明の一態様である「処理装置」は、対象処理に関する指定期日又は指定期間を特定可能な相対的表現による時期の設定をユーザ端末から受け付ける第1手段と、前記第1手段により設定を受け付けた時期を用いて特定される前記指定期日又は前記指定期間を指定して前記対象処理を実行する第2手段と、を備える。
(B)上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータの制御方法」は、対象処理に関する指定期日又は指定期間を特定可能な相対的表現による時期の設定をユーザ端末から受け付ける第1段階と、前記第1段階において設定を受け付けた時期を用いて特定される前記指定期日又は前記指定期間を指定して前記対象処理を実行する第2段階と、を含む。
(C)上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、対象処理に関する指定期日又は指定期間を特定可能な相対的表現による時期の設定をユーザ端末から受け付ける第1機能と、前記第1機能により設定を受け付けた時期を用いて特定される前記指定期日又は前記指定期間を指定して前記対象処理を実行する第2機能と、をコンピュータに実現させる。
上記(A)の「処理装置」に、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を上記(B)の「コンピュータの制御方法」及び上記(C)の「制御プログラム」に加えてもよい。
・前記第1手段が、前記対象処理の実行時を含まない前記指定期日又は該実行時を含まない前記指定期間を特定可能な前記相対的表現による時期の設定を受け付ける。
・前記第2手段が、前記指定期日又は前記指定期間に関連する関連情報を出力する前記対象処理を実行する。
・前記第2手段が、前記指定期日又は前記指定期間の情報を集計した集計情報を含む前記関連情報を出力する前記対象処理を実行する。
・前記対象処理を実行予定時期に関連付けて登録する第3手段をさらに備え、前記第2手段が、前記第3手段により登録された前記対象処理を前記実行予定時期に実行する場合に、該対象処理の実行時を基準として前記指定期日又は前記指定期間を特定する。
・前記第3手段が、前記対象処理を複数の実行予定時期にそれぞれ関連付けて登録し、前記第2手段が、前記第3手段により登録された前記対象処理をいずれの前記実行予定時期に実行する場合にも、該対象処理の実行時を基準として前記指定期日又は前記指定期間を特定する。
[3]発明の効果
本発明によれば、基幹業務等の処理に関連する期日又は期間を相対的表現により柔軟に指定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の基幹業務システム1を用いることによって,ユーザが利用する基幹業務システム1上で,基幹業務に関する業務の予定を簡便に管理でき,かつ基幹業務システム1における業務処理を相対的な情報に基づいて処理可能とせしめることで,基幹業務に関する業務処理を円滑に実行できる。
【符号の説明】
【0069】
1:基幹業務システム
2:サーバ
3:ユーザ端末
21:業務情報入力受付処理部
22:業務情報記憶部
23:業務情報出力処理部
24:業務情報通知処理部
25:基幹業務処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示措置
73:入力装置
74:通信装置