(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】石膏を使用した中空球の作成方法
(51)【国際特許分類】
B28B 1/00 20060101AFI20220408BHJP
A63H 27/10 20060101ALI20220408BHJP
B28B 7/34 20060101ALI20220408BHJP
B44C 3/04 20060101ALI20220408BHJP
B44C 5/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
B28B1/00 E
A63H27/10 B
B28B7/34 J
B44C3/04
B44C5/00 C
(21)【出願番号】P 2018153284
(22)【出願日】2018-08-16
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】718004703
【氏名又は名称】高橋 英志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英志
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-178710(JP,A)
【文献】特開2000-263521(JP,A)
【文献】特開2000-313003(JP,A)
【文献】特開昭49-129714(JP,A)
【文献】特開平5-93206(JP,A)
【文献】特開昭59-17930(JP,A)
【文献】特開平4-33806(JP,A)
【文献】黒田 敏雄,怪獣のたまごをつくろう,子供の科学 10月号 ,第50巻,誠文堂新光社 小川 茂男,p.86-87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/00-1/54
B28B 7/00-7/46
A63H 27/10
B44C 3/04,5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ふくらました時の直径が10~25cmの風船を二重にし、内側の風船に水を満たし
結んで、中の風船と外の風船との間2~8mmの厚さになるように石膏液を満たし、
外側の風船を結んで、石膏が固まるまで水槽の中で、まんべんなく回転させ固形化
してから養生し、外の風船を取り去り、中の水及び風船を取り去って、中空球を作成
することを特徴とする石膏を使用した中空球の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石膏を使用した中空球の作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、1枚の風船に石膏液を入れて中の石膏液が固まるまで手で回して、中空の石膏球を作成していた。
【0003】
しかし、石膏液が固形化するのに15分間ほどかかるが、その間一様に回転させるのが難しく、個人のスキルにもよる為、形よく成功する確率は5%ほどであった。
【0004】
また手でまんべんなくかつ一様に石膏液の入った風船を、15分間ほど継続して回転させることが、難しかった。
【0005】
従来は1枚の風船に石膏液を入れ、石膏液が固まるまでまんべんなく回転させる方法で、作成していたため、厚みが均一になりにくく成功率は5%ほどであった。
この改善策として、本発明は風船を二重にし、内側の風船に水を満たし結んで、中の風船と外の風船との間に石膏液を満たし、空気を抜いて外側の風船を結んで、石膏が固まるまで水槽の中で、まんべんなく回転させ固形化してから養生し、外の風船を取り去り、中の水及び風船を取り去って、中空の球を作成するやり方とした。この方法により成功率が7割ほどに上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
石膏の厚みが2mm~8mmの、均一な中空の球を作成する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、2個の9インチの風船を使い二重にし、内側の風船を水で満たした後で口を結び、内側の風船と外側の風船の間にA級石膏液を入れ、外側の風船の口を結びそれを約15分~20分間水の中で均一にまわし固形となってから約30分養生し、外の風船を取り除き、次に中の風船と水を取り除き石膏の中空円を作成することを特徴とする。風船の材質は汎用のゴム製が望ましい。
風船の大きさは10cm~25cmであることが必要である。
石膏はA級石膏が望ましい。
回転させる時間は固化するまでであるが通常15分から30分が好ましい。
水槽の水温は常温15℃~30℃が好ましい。
養生とは、ビニール紐を張り、固形化した石膏をビニール袋に入れ、約30分間ぶら下げ、固形化を更に促進させ強度を増加させることをいう。
【発明の効果】
【0008】
本発明により厚み2mm~8mmの均一な中空の石膏球を作成する方法を提供する。石膏の中空球が確実にできるようになれば、さまざまな置物、加工品、複数個の組み合わせに活用できるという展開ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は石膏の中空球の作成方法を示した説明図である。
【
図2】
図2は石膏の中空球の作成方法を示した説明図である。
【
図3】
図3は石膏の中空球の作成方法を示した説明図である。
【
図4】
図4は石膏の中空球の作成方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
材料は9インチ風船2枚、牛乳パックH20cm2個、A級石膏300g、(大きい球は石膏500g)、割りばし1膳、水200cc、2Lペットボトル、鋏、輪ゴム、紐約5m、カッターナイフ、ブルーシート、水槽、ホース、である。
制作の手順は
図1~
図4に示す。
【実施例1】
【0011】
図1は、1の割りばしを使い、2の風船を3の風船に入れて2重にする。
次に内側の2の風船に希望の大きさに4の水道で水を入れ、口を結び結び目の外側を切り取る。そして5のように内側の風船を水で満たし、200cc程外側の風船を膨らまし、6の外側の風船の口を押えるまでを示す。
【0012】
図2は10の約200cc水の入った牛乳パックに、7の約300gの石膏の入った牛乳パックで8の石膏を入れ、9の割り箸で良くかき混ぜ石膏液を作成する。(この時水と石膏の割合は2:3を目安とする。)
その後11の牛乳パックに入った石膏液を12の2リットルのペットボトルに石膏液を入れるまでを示す。
【0013】
図3は13の内側に水の入った風船の外側の風船を14の石膏液の入ったペットボトルの口に被せる。このとき外側の風船に空気を300cc吹き込んでおく。
次に内側に水の入った風船の外側の風船と、石膏液の入ったペットボトルの上下を入れ替え、16のペットボトルの中の石膏液を、17の内側の風船と外側の風船の間に移す。そして18の外側の風船の口を押える。
次に中側の風船と外側の風船の間の石膏液に空気の泡が残らないように外側の風船の口から空気を逃がし、19の口を縛って内側に水が入り、内側と外側の間に石膏液の入った風船を作る。ここは水槽の水中でやると空気が逃がしやすい。次に20の内側に水が入り、内側と外側の間に石膏液の入った風船を、水槽の水中で水平にして、石膏が固まるまで水平軸がぶれないように、均一に同じ調子で約15分間回すまでを示す。
【0014】
図4は内側に水が入り、内側と外側の間に石膏液の入った風船の石膏がある程度固まったら完全に固まるまで、21の紐を使い22の袋に入れ、ぶら下げておく。(固定化する)次に23のように結び口を下にして、24のカッターまたは鋏を使い、石膏を割らないように外の風船を取り去る。次に内側の風船のへその部分に穴をあけ少しずつ水を抜く。その後内側の風船を抜き去るまでを示す。これで中空の石膏球が出来上がる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
石膏の中空球が確実にできるようになり、さまざまな置物、加工品、複数個の組み合わせに活用できるという展開が出来る。
【符号の説明】
【0016】
1…割りばし
2…内側の風船9インチ
3…外側の風船
4…水道
5…水を充填した風船
6…口を結んだ内側の風船
7…石膏を入れた牛乳パック
8…石膏
9…撹拌用割りばし
10…水を入れた牛乳パック
11…石膏液の入った牛乳パック
12…石膏液の入った2Lのペットボトル
13…内側に水の入った風船の入っている外側の風船
14…2Lペットボトルの口
15…石膏液の入ったペットボトル
16…空になったペットボトル
17…内側に水が入り内側と外側の間に石膏液の入った風船
18…口を指で押さえる
19…口を縛った外側の風船
20…内側に水が入り、内側と外側の間に石膏液の入った風船
21…石膏液が有る程度固まった風船をぶら下げるための紐
22…ビニール袋に入った石膏液がある程度固まった風船
23…内側に水が入り、内側と外側の間に固まった石膏の入った風船
24…カッター