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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】物品入れ
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/34 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
A45C11/34 105
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019002129
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020110263
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2019-11-12
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516227238
【氏名又は名称】株式会社イオンライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】町田 潤次
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】長馬 望
【審判官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3211104(JP,U)
【文献】特開2013-13441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有するとともに、一面及び前記一面と反対側の二面を有し、長手状の物品を第1方向に沿うように保持する保持部を前記一面に備える本体と、
前記本体に前記第1方向と直交する第2方向に沿って取り付けられたバンドであって、湾曲状態から伸ばされることで断面形状が前記二面側から前記一面側に膨出した形状となる伸び状態に遷移して前記本体の全体を前記保持部への物品の取り付けおよび取り外しが可能な開いた状態に保持し、前記伸び状態において一部が前記一面側から前記二面側に向かって変形する外力を受けることで前記湾曲状態に遷移することに伴い、前記保持部が前記物品を保持した状態を維持しながら前記本体の全体を、前記一面が内側に位置するように、かつ前記本体における前記第2方向の両端部が近付くまたは前記本体における前記第2方向の両側が重なるように湾曲した状態にし、かつ前記本体の全体を湾曲した状態に維持するバンドと、を備え、
前記バンドは、前記開いた状態の前記本体の前記第1方向の中央部において、前記第2方向に沿って配置されることを特徴とする物品入れ。
【請求項2】
請求項1に記載の物品入れにおいて、
前記本体において前記第2方向の少なくとも一方の端部には、前記バンドの前記第1方向における両側に亘って前記第1方向に延びる芯材が取り付けられることを特徴とする物品入れ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の物品入れにおいて、
前記バンドは、前記湾曲状態に遷移することに伴い、前記本体の全体を、前記本体における前記第2方向の両側が重なるように湾曲した状態にすることを特徴とする物品入れ。
【請求項4】
請求項3に記載の物品入れにおいて、
前記本体の前記一面において、前記第2方向の一方の端部側、かつ前記第2方向の一方の端から離れた位置には、ペンを挿抜できる前記保持部としてのペンスロットが設けられ、
前記ペンスロットは、前記本体が湾曲した際に、前記本体における前記第2方向の他方の端部が前記一方の端部の内側に位置し当該ペンスロットに当たることによって、前記本体がそれ以上、湾曲することを止めることを特徴とする物品入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品入れに関する。
【背景技術】
【0002】
ペンや毛筆等の物品を本体で巻いて収容するロールタイプの物品入れが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-112461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロールタイプの物品入れでは、本体の巻き留めは、一般的に、本体に紐を巻き付けたり、本体にベルトを巻いて留めたりすることで行われ、手間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、容易に本体を湾曲した状態にできるとともに、該状態を保持できる物品入れを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)開いた状態および湾曲した状態にされ、内面側に物品の保持部を備える本体と、
前記本体に取り付けられたバンドであって、湾曲状態から伸ばされることで断面形状が面外方向に膨出した形状となる伸び状態に遷移して前記本体を開いた状態に保持し、前記伸び状態において一部が前記面外方向と逆方向に変形する外力を受けることで前記湾曲状態に遷移して前記本体を湾曲した状態にするバンドと、
を備えることを特徴とする物品入れ。
(2)(1)に記載の物品入れにおいて、
前記バンドは、開いた状態の前記本体の第1方向の中央部において、前記第1方向に直交する第2方向に沿って配置されることを特徴とする物品入れ。
(3)(2)に記載の物品入れにおいて、
前記本体において前記第2方向の少なくとも一方の端部には、前記バンドの前記第1方向における両側に亘って前記第1方向に延びる芯材が取り付けられることを特徴とする物品入れ。
(4)(1)から(3)のいずれか一つに記載の物品入れにおいて、
前記バンドは、前記湾曲状態である巻き状態から伸ばされることで、前記伸び状態に遷移して前記本体を開いた状態に保持し、前記伸び状態から前記外力を受けることで前記巻き状態に遷移し、前記本体を、少なくとも前記本体の巻き方向の両端の部位が重なるまで巻かれた状態にすることを特徴とする物品入れ。
(5)(4)に記載の物品入れにおいて、
前記本体の内面側において、前記バンドの延びる方向である第2方向に直交する第1方向の端部において、前記第2方向の一方側の端部から離れた位置には、ペンを挿抜できるペンスロットが設けられ、
前記ペンスロットは、前記本体が巻かれた際に、前記本体における前記第2方向の他方側の端部が当たることによって、前記本体の巻き止めとして機能することを特徴とする物品入れ。
【発明の効果】
【0007】
本発明の物品入れでは、開いた状態の本体を湾曲した状態にするには、本体を湾曲させることでまたはバンドを押す等して、バンドを伸び状態から湾曲状態に遷移させる。これにより、本体にバンドから湾曲するように力が働き、本体を容易に湾曲でき、また、バンドにより本体を湾曲した状態に保持できる。従って、本発明では、本体を湾曲させ、またその状態を保持するのに手間がかからない。なお、湾曲した状態の本体を開いた状態にするには、本体を開き、本体を開くことでまたはバンドを押すことで、バンドを伸び状態にすればよい。バンドが伸び状態となることで、本体が開いた状態に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】開いた状態のペンケースの内面側を示す図である。
図2】バンドを示す断面図である。
図3】本体を巻かれた状態にする操作例を示す図である。
図4】本体が巻かれていく様子を描いた模式図である。
図5】巻かれた状態の本体において、外面側に位置する本体の端部を示す図である。
図6】開いた状態のペンケースを示す平面図である。
図7】ペンケースを示す斜視図である。
図8】フラップ本体が閉じる様子を示す模式図である。
図9】縦側のペンケースを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、開いた状態のペンケース1(物品入れ)の内面側を示す図である。
ペンケース1は、巻かれることでペンを内部に収容するロールタイプのものである。ペンケース1は、本体2と、バンド3とを備える。
【0010】
本体2は、開いた状態から図1中左右方向に巻かれることでペンを内部に収容する。本体2は、開いた状態において矩形である。以下、開いた状態の本体2における図1中左右方向を巻き方向X(第2方向)と記載し、巻き方向Xと直交する図1中上下方向を幅方向Y(第1方向)と記載する。本体2の巻き方向Xの長さは幅方向Yの長さよりも長い。本体2は、巻かれた際に外面側に位置する外面用生地211と内面側に位置する内面用生地212とが縁に沿って縫い合わされた基体21を備える。外面用生地211の色と内面用生地212の色とは異なる。外面用生地211は例えばフェルトである。内面用生地212は例えばキャンバスである。
【0011】
本体2の内面側において、幅方向Yにおける一方側(図1中上側)の端部には、複数のペンスロット22(保持部)が巻き方向Xに沿って設けられる。複数のペンスロット22は、巻き方向Xにおける他方側(図1中左側)に寄っている。巻き方向Xにおける一方側(図1中右側)の端に位置するペンスロット221と、本体2の巻き方向Xにおける一方側(図1中右側)の端部とは、距離L1だけ離れる。
【0012】
ペンスロット22を形成するには、巻き方向Xに長い矩形の生地を蛇腹状に撓ませ、谷部分、幅方向Yにおける一方側(図1中上側)の端部、巻き方向Xの両端部を基体21に縫い付ける。これにより、該生地と基体21とにより、幅方向Yの他方側が開いた袋状のペンスロット22が複数形成される。該生地として、例えば外面用生地211と同じ生地が用いられる。ペンスロット22にはペンを1本挿抜できる。ペンスロット22は、差し込まれる1本のペンを保持する。ペンスロット22の長さL2は、ペン先からグリップの途中までを保持する長さであり、一般的なものよりも短く設定されている(図3参照)。これにより、ペンスロット22が、後述するバンド3(およびバンド3の収容空間V2)と重ならないようになっている。
【0013】
本体2の内面側において、幅方向Yにおける他方側(図1中下側)の端部には、フラップ23が設けられる。フラップ23は、巻き方向Xにおける他方側(図1中左側)に寄って配置される。フラップ23は、例えば外面用生地211と同じ生地で形成され、幅方向Yにおける他方側(図1中下側)の端部が基体21の縁に沿って縫い付けられる。フラップ23の巻き方向Xの長さL3は、ペンスロット22の巻き方向Xの長さL3と同じである。フラップ23の幅方向Yの長さL4は、ペンスロット22の長さL2よりも短い。フラップ23も、バンド3と重ならないように設けられる。フラップ23は、一端側がペンスロット22に差し込まれた十分な長さのペンの他端側の上にかけられることにより(図3参照)、ペンケース1が巻かれた際にペンの落下を防止する。
【0014】
本体2の内面側において、幅方向Yにおける他方側(図1中下側)、かつ巻き方向Xにおける一方側(図1中右側)の隅部には、消しゴム入れ24が設けられる。消しゴム入れ24を形成するには、平面視矩形の生地の隅部を基体21の隅部に沿って縫い付けるとともに、該生地の幅方向Yにおける一方側(図1中上側)の端部を基体21に縫い付ける。これにより、該生地と基体21とにより、巻き方向Xにおける他方側(図1中左側)が開く袋状の消しゴム入れ24が形成される。該生地として、例えば外面用生地211と同じ生地が用いられる。消しゴム入れ24の巻き方向Xにおける長さはL1である。消しゴム入れ24の幅方向Yの長さは、L5であり、フラップ23の長さL4およびペンスロット22の長さL2よりも長い。消しゴム入れ24も、バンド3と重ならない位置に設けられる。
【0015】
本体2において、ペンスロット221よりも巻き方向Xの一方(図1中右)の端側には、基体2(外面用生地211と内面用生地212)を縫い合わせる縫い目251がある。縫い目251は、本体2の幅方向Yに亘っている。本体2の内部には、この縫い目251と本体2の縁部に沿う縫い目252とにより収容空間V1が形成される。収容空間V1は、本体2の幅方向Yに亘って延びる。収容空間V1内には、芯材25が収容される。芯材25は、収容空間V1の幅方向Yの長さと略同じ長さであり、バンド3の幅方向Yにおける両側に亘って延びる。芯材25の素材として、基体21よりも剛性が大きい金属や樹脂等を用いることができる。芯材25は、外面用生地211および内面用生地212の少なくとも一方に接着等により固定されていてもよい。
【0016】
本体2の幅方向Yにおける中央部には、幅方向Yに間隔を空けて、かつ巻き方向Xに亘って、基体2を縫い合わせる縫い目261,262がある。基体21の内部には、この縫い目261,262と、芯材25を収容するための縫い目251と、本体2の縁部に沿う縫い目252とにより収容空間V2が形成される。収容空間V2は、概ね本体2の巻き方向Xに亘って延びる。
【0017】
収容空間V2内には、バンド3が収容される。バンド3は、収容空間V2の巻き方向Xの長さと略同じ長さである。バンド3は、巻き板バネとしての特性を有する金属等の板状部材であり、いわゆるパッチンバンドと同様の原理により巻き状態と伸び状態とを遷移する。
【0018】
図2は、バンド2を示す断面図である。
バンド3は、伸び状態では、断面形状が本体2の内面側(図2中上側)に膨出した弓状となり、この状態を保持する。これにより、バンド3は、伸び状態では、本体2を開いた状態に保持する。
【0019】
バンド3は、伸び状態において、一部が本体2の外面側(図2中下側)に変形する外力、具体的には断面形状が平坦になるように変形する外力を受けると、自立的に巻き状態に遷移する。
【0020】
図3は、本体2を巻かれた状態にする操作例を示す図である。
使用者は、開いた状態の本体2を巻かれた状態にする際には、本体2の内面側を使用者に向け、両手で本体2の巻き方向における両端部を持つ。使用者は、例えば左手の親指でバンド3を押す。バンド3は、断面視における膨出側から押し込まれる力を受ける、すなわち押圧部位の断面形状が平坦になるように変形する外力を受ける。すると、バンド3は、外力を受けた部位から断面形状が平坦となり、この現象が瞬時に全体に広がって、丸まろうとする力が働く巻き状態(湾曲状態)に遷移する。バンド3が巻き状態に遷移する際には、「バチッ」と音がするので、使用者は、「バチッ」と音がするまでバンド3を押せばよい。
【0021】
使用者が左手を本体2の巻き方向Xにおける他方側(図3中左側)から離すと、図4(A)~(D)に参照されるように、バンド3が本体2の巻き方向Xにおける他方側(図3、4中左側)から丸まっていき、最終的に巻かれた状態となる。バンド3が巻かれるのに伴い、本体2は、巻き方向Xの両端の部位が重なるまで巻かれる。なお、図4(A)~(D)は本体2が巻かれていく様子を描いた模式図であり、図4(D)のみペンスロット22を描いている。
【0022】
本体2が巻かれた際に、図4(D)に参照されるように、本体3の巻き方向Xにおける他方側(図3中左側)の端部は、本体3の巻き方向Xにおける一方側(図3中右側)の端部の例えば内側に位置する。本体3の巻き方向Xにおける他方側の端部は、本体3の巻き方向Xにおける一方側のペンスロット221の近傍に位置する、または当接した状態となる。ペンスロット22は、本体2の内側にて周方向に並んだ状態となる。
【0023】
以上のように、本実施形態では、開いた状態の本体2においてバンド3を押すだけで、簡単に本体2を巻かれた状態にでき、また巻かれた状態に保持できる。これにより、本体2の内部にペンや消しゴム等が収容され、ペンケース1を持ち運ぶことができるようになる。
【0024】
また、本実施形態では、巻き方向Xにおける一方側(図3中右側)の端にあるペンスロット221を、本体2の端部から離して設けている。本体2が巻かれた際に、ペンスロット221は、巻き方向Xにおける本体2の他方側(図3中左側)の端部が当たることにより、本体2の巻き止めとして機能する。
【0025】
本実施形態では、バンド3が本体2の幅方向Yにおける中央部にあるので、バンド3により効率よく本体2を巻くことができる。
【0026】
図5は、巻かれた状態の本体2において、外面側に位置する本体2の端部を示す図である。
図5の本体2の端部において、幅方向Yにおける中央部は、バンド3から内側に向けて力を受けることにより、内側に沈みこみやすくなる。また、これにより本体2の幅方向Yにおける両端部は、外側に跳ね上がりやすくなる。
【0027】
本実施形態では、本体2の端部に芯材25が設けられており、芯材25は、バンド3の幅方向Yにおける両側に亘って延びる。このため、本実施形態では、本体2が巻かれた状態の際に、この芯材25により、端部を本体2の外面に沿った直線形状にでき、ペンケース1の外観を良好にできる。
【0028】
巻かれた状態のペンケース1を開いた状態にする際には、使用者は、まず、両手で本体2の巻き方向Xの両端部を持ち、本体2を巻き方向Xに開く。続いて使用者は、バンド3から「バチッ」と音がするまで、本体2を開くことであるいは左右の手の中指等で下からバンド3を押し上げることで、バンド3を伸び状態に遷移させる。すなわち、バンド3全体の断面形状を、本体2の内面側に膨出した弓状にする。
【0029】
本実施形態では、このように、巻かれた状態の本体2を開く等するだけで、簡単にバンド3を伸び状態にでき、また伸び状態に保持できる。これにより、使用者は、ペンケース1をトレーとして使用できるようになる。
【0030】
(変形例)
本体2の巻き方向Xの長さは、幅方向Yよりも短くてもよい。ペンスロット23の長さは、ペン先からペン尻側にまで至る長さでもよく適宜でよい。収容空間V1,V2を形成するために外面用生地211と内面用生地212とを綴じる方法として、実施形態では糸によって縫うことを例示したが、外面用生地211と内面用生地212とを接着剤で接着してもよく、適宜の手段を採用できる。外面用生地211、内面用生地212、本体2の内面側に設けられるペンスロット22等の保持部の生地には、綿や麻等の天然素材や、ポリエステル等の合成樹脂、皮が使用されていてもよい。該生地は、本体2を湾曲または巻くことができれば、適宜のものを利用できる。開いた状態の本体2の形状は、実施形態では矩形を例示したが、丸や楕円など適宜の形状であってよい。
【0031】
本体2の内面側に設けられる保持部であって、物品を保持する保持部の例として、実施形態ではペンスロット22や消しゴム入れ24を例示した。しかし、保持部は、両端が本体2に接続し、本体2との間でシャーペン、ボールペン、鉛筆、万年筆等のペンや、毛筆、定規等を挟むゴム製等のバンドであってもよい。また、保持部は、付箋や定規、記録メディア等を収容するポケットであってもよく、多様な形態をとり得る。
【0032】
芯材25は、実施形態では、本体2の巻き方向Xにおける一方側の端部にのみ設けられていたが、本体2の巻き方向Xにおける両端部に設けられていてもよい。芯材25は、幅方向Y(ベルト3の延びる方向に直交する方向)においてベルト3の両側に亘って幅方向Yに延びるように配置されることが好ましい。
【0033】
バンド3は、本体2内に収容されていなくてもよく、本体2の内面または外面に設けられていてもよい。この場合、バンド3は、本体2に縫い付け等された生地内に収容されたり、本体2に対して接着等によって取り付けられたりしてもよい。バンド3の取り付け位置として、実施形態では、開いた状態の本体2に対し、ペンスロット22や消しゴム入れ24等の保持部、および芯材25と重ならない位置を例示し、その一例として、本体2の幅方向Yの中央部を示した。しかし、バンド3の取り付け位置は、保持部や芯材25と重なる位置であってもよく、適宜の位置でよい。バンド3は、本体2に複数取り付けられていてもよい。バンド3は、伸び状態において、断面視が、中央部が折れ曲がった三角形状(くの字状)であってもよく、面外方向に膨出した形状であればよい。
【0034】
図6は、開いた状態のペンケース1Aを示す平面図である。
ペンケース1Aでは、本体2Aの幅方向Yの一方側(図6中上側)の端部内にバンド31Aが収容され、他方側(図6中下側)の端部内にバンド32Aが収容される。バンド31Aは、平面視でペンスロット22Aおよびポケット24Aと重なる。バンド32Aは、平面視でフラップ3Aおよびポケット24Aと重なる。ペンスロット22Aは、実施形態よりも長く、ペン先からペンの胴部までを保持できる。フラップ3Aも、実施形態よりも長く、通常の長さのペンであれば、ペン尻から胴部にかけて覆うことができる。ポケット24Aは、本体2Aの幅方向Yに亘る長さになっており、付箋や定規、記録メディア等を収容できる。
【0035】
図7は、ペンケース1Bを示す斜視図である。
実施形態では、バンド3,31A,32Aにより自律的に本体2が巻かれる状態となる例を示した。なお、本体2が巻かれるとは、巻き方向Xにおける両端部が少なくとも重なるように本体2が湾曲されることを指す。実施形態に対し、本例のように、バンド3Bはフラップ7を湾曲させるために用いられてもよい。
【0036】
ペンケース1Bは、ポーチ8およびフラップ7を備える。ポーチ8は、長手状であり、長手方向の側面視で底から頂上部にかけて窄んでいる。ポーチ8の頂上部には、不図示のファスナーがある。ファスナーを開閉することで、ポーチ8の内部にペン等を収容できる。ポーチ8の底部にフラップ7の一端が接続する。フラップ7は、開いた状態の際に、ポーチ8の一方の側面81側に位置することとなる。ポーチ8の他方の側面を側面82と記載する。
【0037】
フラップ7は、フラップ本体2Bおよびバンド3Bを備える。フラップ本体2Bは、開いた状態および湾曲した状態にされ、内面側に物品の保持部として、ポケット24Bおよびペンスロット22Bを備える。フラップ本体2Bは、開いた状態で矩形である。フラップ本体2Bにおいて、湾曲方向Xと直交する幅方向Yの両端側にフラップ24Bが設けられ、幅方向Yの中央に複数のペンスロット22Bが設けられる。ペンスロット22Bは、輪状であり、通されたペンの胴部を保持する。
【0038】
バンド3Bは、フラップ本体2Bの幅方向Yの中央部内に、湾曲方向Xに沿って設けられる。バンド3Bは、伸び状態では、断面形状がフラップ本体2Bの内面側(図7中上側)に膨出した弓状となり、この状態を保持する。これにより、バンド3Bは、伸び状態では、フラップ本体2Bを開いた状態に保持する。
【0039】
図8(A)~(C)は、フラップ本体2Bが閉じる様子を示す模式図である。
使用者は、開いた状態のフラップ本体2Bを閉める際には、ポーチ8から離れる側の端部を持ち、図8(A)に示すように、バンド3Bの端部を「バチッ」と音がするまで押す。バンド3Bは伸び状態から湾曲状態に遷移し、バンド3Bに丸まろうとする力が働く。
【0040】
図8(B)、(C)に示すように、使用者がフラップ本体2Bの端部をポーチ8の頂部まで誘導してから手をフラップ本体2Bから離すことによって、あるいはバンド3Bから受ける力のみによって、フラップ本体2Bは、ポーチ8の一方の側面81から他方の側面82までを覆う湾曲した状態、換言するとポーチ8の上部を覆う状態にされる。フラップ本体2Bは、バンド3Bによりこの湾曲した状態に保持されるので、この状態でペンケース1Bを持ち運ぶことができる。
【0041】
反対に、フラップ本体2Bを閉じた状態から開いた状態にする際には、フラップ本体2Bの端部をもち、フラップ本体2Bをめくって開く。そして、指でバンド3Bを下方から押す等してバンド3Bを伸び状態にする。このようにすると、バンド3Bによりフラップ本体2Bが開いた状態で保持される。
【0042】
ここで、フラップ7を閉める機構として、フラップ7側にボタンホックの雄ホックを設け、該雄ホックをポーチ8の側面82側に設けた雌ホックに接合させることが考えられる。このような構成では、フラップ7を閉めた際に、ホックを接合させるためにフラップ8の位置を左右上下させて調整する必要がある。また、このような構成では、フラップ7を開ける際にホックを外さなければならず、特に女性や子供にとっては大きな力が必要である。
【0043】
一方、本変形例では、バンド8を軽く押すだけでフラップ7を閉めることができるので、フラップ7を容易に閉めることができる。また、フラップ7を開ける際にも大きな力は不要であり、簡単にフラップ7をあけることができる。また、本変形例では、フラップ7によるペンの閲覧性と、ポーチ8によるペンや小物の収容力とを両立できる。
【0044】
なお、フラップ7を閉じた状態の保持を補助するため、フラップ本体2Bおよび側面82に面ファスナー等の綴じ具を設けてもよい。
【0045】
図9は、縦型のペンケース1Cを示す模式図である。
本変形例では、ポーチ8Cは、円筒状であり、縦置きで使用される。ポーチ8Cには、縦に開け閉めできる不図示のファスナーが設けられる。フラップ7Cは、フラップ本体2Cと、バンド3Cとを備える。フラップ本体2Cは、開いた状態では矩形であり、一端がポーチ8Cの側面83に接続し、図9の横方向に開け閉めできるようになっている。フラップ本体2Cの内面側には、縦にペンを保持する不図示のペンスロットが設けられている。フラップ本体2Cの幅方向Yにおける中央部内に、バンド3Cが設けられている。
【0046】
フラップ7Cは、閉まった状態では、ポーチ8Cの側面83に巻き付くように湾曲した状態とされ、この状態がバンド3Cにより保持される。フラップ7Cの閉まった状態の保持を補助するため、フラップ本体2Cの内面側およびポーチ8Cの側面83に面ファスナー等の綴じ具を設けてもよい。
【0047】
上記2つの変形例では、フラップ7B,7Cの幅方向Yの長さは、ポーチ8,8Cの幅方向Yに亘る長さであったが、ポーチ8,8Cの幅方向Yにおける一部分の長さ(例えば半分)しかなくてもよい。
【0048】
本発明は、その特徴から逸脱することなく、実施形態で実施できる。実施形態、変形例、効果は単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施形態および変形例の特徴、構造は、追加でき、また代替の構成を得るために様々な方法で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,1A~1C…ペンケース(物品入れ)、2,2A、2B…本体、2C…フラップ本体(本体)、3、3B,3C,31A,32A…バンド、22,221…ペンスロット(保持部)、25、25A…芯材、X…巻き方向、湾曲方向(第2方向)、Y…幅方向(第1方向)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9